説明

再包装および投与処置の間の薬剤を追跡するための装置、システムおよび方法

【課題】 再包装および投与処置の間の薬剤を追跡するための装置、システムおよび方法を提供することである。
【解決手段】 本発明は、移送および投与処置の間の薬剤を追跡するためのものであり、その処置の間、発生しうるラベリングエラーを減らすシステム及び方法に関する。システムは、薬剤を含んでいる容器に位置された1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを読み込むために構成される貯蔵容器リーダを含む。1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットは、薬剤を特定する。システムは、貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印に基づいて薬剤を特定しているドラッグデリバリー容器対応証印を生成するために構成される証印生成デバイスを更に含む。1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットは、1つ以上のドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再包装および投与処置、特に再包装が臨床現場(Post−of−Care)で行われる薬剤の識別の誤りを減らすことに関する。
【背景技術】
【0002】
患者に薬剤を投与する前に、薬剤は、貯蔵容器からドラッグデリバリー容器へ移送を必要とされうる。貯蔵容器は、例えば、単回投与(single−dose)薬剤容器であることができる。ドラッグデリバリー容器は、例えば、シリンジ(syringe)であることができる。一般的に、薬剤がシリンジへ移されたあと、時々移送を実行している人は、手でラベルを準備し、その時シリンジに含まれる薬剤を示すためにシリンジにそれを貼る。いくつかの状況において、予め準備されたラベルは、マニュアルでラベルを準備する人の必要性を取り除くように提供される。いくつかのシステムは、人がマニュアルでラベルを準備しなければならない代わりに、ラベルをプリントするためにコンピュータに薬剤の名をタイプしうることよって提供された。
【0003】
いくつかの異なるエラーのタイプは、実際にシリンジに含まれるのと異なった薬剤を示すラベルをつけられたシリンジに導くかれうるこの処置全部の間で起こりうる。例えば、ユーザは、薬剤キャビネットから間違った薬剤を引っ張ることができ、そして、彼らは彼らが引っ張ったと思った薬剤の名前を有するラベルを準備することになりうる。
【0004】
別の形態として、ユーザは、薬剤キャビネットから正しい薬剤を引っ張ることができるが、その次の薬剤がその時にユーザの心にあるので、準備されなければならない次の薬剤を示しているラベルを不注意に準備することになりうる。別の問題は、いくつかの薬剤が他の薬剤に非常に類似の名前を有するということであり、ユーザがある薬剤を別のと間違えるリスクを増加させる。
【0005】
一旦、シリンジが誤ったラベルをつけられると、多くの問題は起こりうる。もし患者が間違った薬剤を投与されるならば、これはひどい結果へと導くくこととなりうる。残念なことに、患者を処置している医師は、患者の反応の本当の原因がわからないかもしれなく、そして、それゆえに、適切にそれを処置することが容易にはできない。
【0006】
この問題に対する提案された解は、再包装ステップの必要性を取り除くためにシリンジにおいて、薬局でシリンジを準備し、ラベルをつけ、および、薬剤を臨床現場に送ることである。このアプローチに関する問題は、一旦それらがシリンジにおいてあるならば、薬剤が比較的早く期限切れになるということであり、そして、多くの場合、医薬品製造業者がすばやい確かな方法でないということである。多くの場合に、薬剤は、ほんの数時間で期限切れになる。
【0007】
加えて、数時間を越えたシリンジの薬剤の貯蔵は、薬剤に浸出しているシリンジ構成部品(例えば、ウジング、プランジャ、および、シール)に含まれる化学製品をもたらすなんらかの状況になりうる。もし患者がこれらの化学製品に反応するならば、これによって患者に対する危害が生じることがありうる。
【0008】
加えて、時々、なんらかの環境、例えば手術室環境で、予想外の薬剤が患者に投与されることを必要とすることは起こる。いずれの薬剤も上記の通りにその本来の問題の全てを伴う手術室において再包装しなおされなければならず、または、薬局は予想外の状況からカバーする薬剤を含んでいる多くの追加のシリンジを準備しなければならない。手術の間、使用されなかったこれらの追加のシリンジはどれでも、それらがそれらの有効期限またはそれらの安全に対する信頼によって再包装しなおされることができないという理由から、放棄される。この慣例は、当然、廃棄された薬剤を浪費し、そして、また、費用が高くなるうる。
【発明の概要】
【0009】
第1の態様において、本発明は移送および投与処置の間の薬剤追跡のための方法に関するものであって、薬剤が貯蔵容器からドラッグデリバリー容器へと移され、薬剤を含んでいる容器が薬剤のソースから引き出され、前記容器がその上に薬剤を特定する1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを有する、移送および投与処置の間の薬剤追跡のための方法は、
a) 患者の臨床現場で貯蔵容器リーダ、および、証印生成デバイスを含んでいるリーダ/証印生成デバイスを提供することであって、前記貯蔵容器リーダが1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを読み込むように構成され、前記1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットに基づいて、前記証印生成デバイスが前記薬剤を特定している1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットを生成するように構成されており;
b) 前記貯蔵容器リーダ/証印生成デバイスが前記1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットを準備するために、前記貯蔵容器リーダによって読み込まれる貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印を生じることと;
c) 前記容器から前記ドラッグデリバリー容器に薬剤を移送することと;
d) 前記ドラッグデリバリー容器に前記1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットをつけることとを具備する。
【0010】
第2の態様において、本発明は、移送および投与処置の間の薬剤追跡のためのシステムに関する。システムは、薬剤を含んでいる容器に位置する1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印(storage−container−associated machine−readable indicia)のセットを読み込むように構成される貯蔵容器リーダを含む。1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットは、薬剤を特定する。システムは、貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印に基づいて薬剤を特定するドラッグデリバリー容器対応証印を生成するように構成される証印生成デバイスを更に含む。1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットは、1つ以上のドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを含む。
【0011】
第3の態様において、本発明は、移送および投与処置の間の薬剤追跡のためのシステムであって、その処置の間に発生しうるラベリングエラーを減らすシステムに関する。システムは、薬剤を含んでいる容器に位置する1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを読み込むように構成される貯蔵容器リーダを含む。1つ以上の貯蔵容器対応された機械で読み取り可能な証印のセットは、薬剤を特定する。システムは、貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印に基づいて薬剤を特定するドラッグデリバリー容器対応証印を生成するように構成される証印生成デバイスを更に含む。1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットは、1つ以上のドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを含む。システムは、ドラッグデリバリー容器リーダを更に含む。そこにおいて、ドラッグデリバリー容器リーダは、1つ以上のドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを読み込むように構成される。システムは、1つ以上のドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印のセットに基づいて薬剤に対応する出力信号を生成する中央演算処理装置を更に含む。システムは、中央演算処理装置からの出力信号に基づいて薬剤を特定するユーザーに判りやすい出力を出力する出力装置を更に含む。
【0012】
第4の態様において、本発明は、移送および投与処置の間の薬剤追跡のための方法に関連する。そこにおいて、薬剤は、貯蔵容器からドラッグデリバリー容器へと移され、そして、薬剤を含んでいる容器は、薬剤のソースから引き出され、容器は、その上に、薬剤を特定する1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを有する。当該方法は以下を具備する:
a) 患者の臨床現場で貯蔵容器リーダ、および、コントローラを提供することであって、そこにおいて、貯蔵容器リーダは、1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを読み込むように構成され、コントローラは、1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットに基づいて、薬剤を特定する1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットの出力を制御するための出力信号を生成するように構成される。
【0013】
b) 1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットの出力を制御するために生成される出力信号を生じるために貯蔵容器リーダによって読み込まれた貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印を生じる。
【0014】
別の態様において、本発明は、薬剤容器からドラッグデリバリー容器、例えばシリンジへと薬剤の移送処置の間の、ある種類のエラーを減らすためのシステムに関する。
【0015】
別の態様において、本発明は、薬剤容器からドラッグデリバリー容器、例えばシリンジへと薬剤の移送処置の間の、ある種類のエラーを減らすための方法に関する。
【0016】
本発明の他の態様、および、形態は、本発明の特定の実施形態の次の記載を検討することで当業者にとって明瞭となる。
【0017】
別の態様においては、本発明は、ドラッグデリバリー容器、例えばシリンジのカラーコーディングされた薬剤内容に適合されたラベルを目的とする。ラベルは、複数の異なった色のついた領域を具備していて、カラーベースの薬剤識別または符号化標準(coding standard)、例えば薬剤のクラスに対するカラー符号化標準に属している異なったカラーのフルセットまたはサブセット(subset)と対応する。最良であるように構成されうるラベルは、個々のプリント技術、例えば感熱またはレーザープリンタによって使用される。このようなラベルは、ラベルが単独でまたはグループでプリントされることができるように、それらが設計されているプリンタによって、シートまたはロール上に提供されることができ、それは、先進のエリア×エリア、例えば列(row)×列(row)またはシート×シートに適合させる。任意に、汚れを防止する技術、例えばレーザーまたは感熱式プリンタ使用している。このような色のついた領域は、大きさを設定されて、および、例えばプリンタで、刷り重ねられる(over−printed)ために位置づけされる。そして、任意に、1つまたは2つのカラーが可能なプリンタ、任意にそれが暗色、例えば黒だけプリントするプリンタは全ての色を中性化し、または、均一にさせる(例えばマスキングによって、部分的にまたは完全に)、しかし、ドラッグデリバリー容器の薬剤内容を特定する薬剤または薬剤のクラスに対応する1つの特定の色を除く。このような方法で、この特定の色は、目立って、および、標準に係るラベルの正しいカラーコーディングを最適に表す。目立つカラー領域は、加えて、とりわけ薬剤を特定するためにその上にプリントされる個々のハッチングを有することができる。別の関連した態様において、本発明は、少なくとも1つのマスクされない(unmasked)原色領域を有するそのようなマスキングラベルを目的とすることにあり、その原色領域は、マスクされずに残っている薬剤内容(例えばクラス)に対して標準ごとに対応し、この領域は任意にハッチングされる。別の関連した態様において、本発明は、上述したように色のついた領域で予めプリントされたラベルを提供するステップを具備しているドラッグデリバリー容器をカラー符号化(color coding)する方法を目的とし、上にプリントされたカラーは、標準に従って薬剤または薬剤のクラスを特定するカラーをつけている少なくとも1つの領域を除いて全ての領域をマスキングする。上述した方法は、印刷ラベルをドラッグデリバリー容器につけることを更なるステップとして含むことができる。支持部(backing)(ロールまたはシートの)に付着されたラベルのセットによって使用されるとき、この方法は、ドラッグデリバリー容器がカラーコード化されることを可能にする。そして、臨床現場で証印生成デバイスを用いてラベル×ラベルを作成する。別の形態として、ラベルは提供されることができて、予め固定される(pre−affixed)ことができ(ドラッグデリバリー容器に)、そして、プリントする(printing)(カラーマスキング、および、任意にハッチングマーク)ステップは、容器ラベルに直接実行されることができる。「予め固定された」の用語は、広くここで使用され、この材料上へ直接これらの領域を「プリントする」ことによって、ドラッグデリバリー容器(別々のラベルをつけることによってより別の)の材料上へカラーのこれらの領域をつける方法を意図し、および、発明は、このようにつけられたカラー領域を有するドラッグデリバリー容器を目的とする。同じく、カラーマスキングによって更にプリントされる容器は、上記の通りに標準に従って薬剤識別カラーを分離する物質をプリントして、および、任意にハッチングマークとする。上述したようにカラーコード化されたラベルまたはドラッグデリバリー容器は、ここで記載されているように、内容、および、他の有益な情報の、他の機械および/または人間の読み込み可能な証印を更に備えることができる。本発明の1つの実施形態では、付加的な証印が、機械で読め込めるコード、例えばそれが投与処置の間、または移送および投与処置の間の薬剤を追跡するための方法及びシステムよって動作するバーコード(上記記載の通り)、システムは、機械で読み取り可能な証印を読み込むように構成されるドラッグデリバリー容器リーダ、および、薬剤の名前を具備している薬剤の特定に関連する情報を持つ証印をアナウンスするスピーカを含んでいる。
【0018】
より一般的な態様において、本発明は、ラベルをつけたドラッグデリバリーに容器を投与処置の間の、または、移送および投与処置を組み合わされた間の薬剤の追跡のための、そして、それがカラーコード化されたか否か、機械読み込み可能な証印を持っているかどうか(および、任意に他の証印、例えば有意味な人が読むことができる、選択の言語のレター、シンボルまたはワード)、薬剤内容に関連して聞こえるように音にされたかどうかの方法またはシステムを目的とする。システムまたは実行される方法を使用することは、リーダに近接してドラッグデリバリー容器を通すステップと薬剤の名前を具備している薬剤の特定に関係している情報を持っている証印をアナウンスするために使用するスピーカを聞くこととを備える。少なくとも薬剤の名前を具備している機械読み込み可能な証印によって持っている情報を聞こえるように音とすることによって、薬剤の特定は、投与の前にすぐ確認されることができる。
【0019】
本発明のカラーコーディングの態様は、ここで特定された薬剤を追跡し、および、ここで意図したリーダ/証印生成デバイスの何らかの方法またはシステムの一部として組み込まれることができる。
【0020】
したがって、例えば、実施例において、本発明は、投与処置の間、薬剤追跡のための方法を目的とし、その方法は、
a) 患者の臨床現場で、証印生成デバイスを提供することであって、そこにおいて、証印生成デバイスがカラーコードを含んでいる薬剤を特定する1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットを生成するように構成され;
b) カラーコードを含んでいる1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットを準備を証印生成デバイスにさせることと;を具備し、
そして、証印生成デバイスは、薬剤の特定に対応するカラーの領域を除いてそれらの領域をマスキングするためにラベルに異なったカラーの予めプリントされた重ね刷り(over−printing)領域によって、カラーコードを生成する。
【0021】
従って、実施例において、例えば、本発明は、移送および投与処置の間の薬剤を追跡するための方法を目的とする。そして、薬剤が貯蔵容器からドラッグデリバリー容器へと移され、薬剤を含んでいる容器は、薬剤のソースから引き出され、容器がその上に、薬剤を特定している1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを有する。この方法は、
a) 患者の臨床現場で貯蔵容器リーダ、および、証印生成デバイス提供することであって、貯蔵容器リーダは、1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを読み込むように構成され、そして、1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットに基づいて、証印生成デバイスは、カラーコードを含んでいる薬剤を特定する1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットを生成するように構成され;
b) 証印生成デバイスがカラーコードを含んでいる1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットを準備するように、貯蔵容器リーダによって読み込まれように貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印をさせることと;を具備し、
そして、証印生成デバイスは、薬剤の特定に対応するカラーの領域を除いてそれらの領域をマスキングするためにラベルに異なったカラーの予めプリントされた重ね刷り(over−printing)領域によって、カラーコードを生成する。
【0022】
任意に、色のついた領域は、薬剤のクラスを特定することのための基準に対応する。任意に、標準は、ハッチマークを含む証印を具備している。任意に、証印生成デバイスは、ハッチマークを薬剤または薬剤のクラスの特定に対応するマスクされていない色のついた領域につけられる。任意に、証印生成デバイスは、ドラッグデリバリー容器につけるための別々のラベルを準備する。任意に、ラベルは、ドラッグデリバリー容器上へ直接プリントされる。あるいは、ラベルは、容器に予め固定される別々のラベルである。どちらでも、証印生成デバイスは、直接ドラッグデリバリー容器上にドラッグデリバリー容器対応証印をプリントする。
【0023】
任意に、例えば、方法またはシステムは、1つ以上の次の追加ステップを具備することができる:
c) 容器からドラッグデリバリー容器に薬剤を移送することと;
d) 患者の臨床現場で、ドラッグデリバリー容器リーダを提供することであって、そこにおいて、リーダが1つ以上のデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを読み込むように構成されており;
f) デリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印をリーダによって読み込ませることと;
g) ユーザーに判りやすい出力を出力する出力装置、例えば、ドラッグデリバリー容器対応証印に対応する薬剤特定情報を聞こえるように音にするスピーカを提供することとを具備する。
【0024】
工程a)において達成され、工程e)が不必要であり場合に、貯蔵容器リーダ、および、ドラッグデリバリー容器リーダは、同じ構成部品で1つであることができる。
【0025】
本発明のよりよい理解のために、そして、それは、どのように実行に移されるかをより明らかに示すために、添付の図面を参照は、ここで、例示の方法によって、例えば、本発明の実施形態の態様を示す。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係る移送および投与処置の間の薬剤追跡システムの斜視図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る移送および投与処置の間の薬剤追跡のための方法を示している流れ図である。
【図3】本発明の別の実施形態に係る移送および投与処置の間の薬剤追跡システムの斜視図である。
【図4a】記載なし
【図4b】記載なし
【図5】記載なし
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照し、それは、本発明の実施形態に係る薬剤移送および投与処置の間の薬剤追跡システム10を示す。薬剤移送は、また、薬剤再包装として呼ばれることができる。
【0028】
多くの環境、例えば手術室、回復室(recovery room)、および、重症者管理室(critical care room)において、薬剤26は、貯蔵容器24からドラッグデリバリー容器14、例えばシリンジ15へと移される。システム10は、ドラッグデリバリー容器14上の1つ以上の薬剤識別証印40のセットをつけることを可能にし、いくつかの従来技術システムおよび方法を越えて減少されたエラーの度合いを有する。
【0029】
システム10は、リーダ/証印生成デバイス12を含んでおり、任意にドラッグデリバリー容器リーダ16、中央演算処理装置(processing unit)18、および、出力装置20を更に含む。リーダ/証印生成デバイス12は、薬剤貯蔵容器24に存在する1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印22のセットを読み込むのに使用される。リーダ/証印生成デバイス12は、ドラッグデリバリー容器14につける1つ以上のドラッグデリバリー容器対応薬剤識別証印40のセットを出力し、そこにおいて、1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印40のセットは、貯蔵容器対応機械で読み取り可能な薬剤識別証印22に基づく。
【0030】
リーダ/証印生成デバイス12は、貯蔵容器リーダ30、コントローラ31、および、証印生成デバイス32を含む。貯蔵容器リーダ30は、薬剤貯蔵容器24に位置された1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印22のセットを読み込むために構成される。貯蔵容器対応機械で読み込み可能な薬剤識別証印22は、容器24に含まれる薬剤26を特定する。1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み込み可能な薬剤識別証印22のセットは、証印、例えばバーコード、数字コードまたはテキストの何らかの適切なタイプであることができる。セットは、わずかな単一の証印22を含むことができる。
【0031】
貯蔵容器対応機械で読み取り可能な薬剤識別証印22は、何らかの適切な方法で貯蔵容器24に提供されることができる。例えば、貯蔵容器対応機械で読み取り可能な薬剤識別証印22は、直接貯蔵容器24自体上の証印として存在することができるか、または貯蔵容器24と関係している(すなわち、何らかの適切な方法で容器24に接続される)ラベル34に提供されることができる。別の形態として、貯蔵容器対応機械で読み取り可能な薬剤識別証印22は、貯蔵容器24と関係している(すなわち、何らかの適切な方法で容器24に接続される)電子的IDデバイスに提供されることができる。例えば、識別証印22は、RF―IDタグに提供されることがありえるか、または証印22を格納するIDチップに提供されることがありえて、および、貯蔵容器リーダ30によって受けられる信号の形で、それらを伝える。
【0032】
貯蔵容器対応機械で読み取り可能な薬剤識別証印22は、貯蔵容器24上の1つ以上の貯蔵容器対応証印36のセットの部分であることができ、それは、また、1つ以上の貯蔵容器対応のユーザー読み取り可能な証印38のセットを含むことができる。そして、それは、人によって読み込み可能である方法で薬剤26を特定する。例えば、貯蔵容器対応のユーザー読み取り可能な証印38は、単にテキストであることができる。セットは、わずかな単一の証印38を含むことができる。
【0033】
いうまでもなく、なんらかの場合には、同じ証印は、ユーザ、および、機械の両方によって読み込み可能であることができる。例えば、もし1つ以上の貯蔵容器対応のユーザー読み取り可能な証印38のセットは、テキストとして作成されたならば、そのテキストは、また、容器リーダ30の適切なタイプによって読み込み可能であることができる。したがって、テキストは、また、貯蔵容器対応機械で読み取り可能な薬剤識別証印22としての機能を果たすことができる。
【0034】
貯蔵容器リーダ30は、貯蔵容器対応機械で読み取り可能な薬剤識別証印22を読み込むことが可能である何らかの適切な読み取りデバイスであることができる。例えば、貯蔵容器リーダ30は、1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な薬剤識別証印22のセットは、バーコードであり、実施形態において、バーコード走査装置であることができる。望ましくは、1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な薬剤識別証印22のセットは、バーコードであり、実施形態において、貯蔵容器リーダ30は、バーコードリーダの線形のレーザ走査器タイプである。この種のバーコードリーダは、高密度でおよび/または小さい読み取りバーコードが可能である。そして、それは、例えば、より小さい薬剤アンプルに存在することができる。
【0035】
別の形態として、実施形態において、識別証印22は、RF―IDタグによって、または、チップ上のなんらかの他の電子形式で電子的に提供され、貯蔵容器リーダ30は、RF―IDタグまたはIDチップまたは他の電子的IDデバイスから信号を受ける適切なレシーバであることができる。
【0036】
より詳しくは、実施形態において、貯蔵容器リーダ30がバーコード走査装置であり、それは、バーコードリーダの線形のイメージャスキャナタイプであることができる。
【0037】
コントローラ31は、リーダ30から貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印22に関する信号を受ける。コントローラ31は、1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印40のセットの出力を制御するために、証印生成デバイス32に、何らかの適当手段によって出力信号を生成し、および、伝える。出力信号は、適切な導管41、例えば電線を介して送られることができる。別の形態として、出力信号は、何らかの適切なワイヤレス手段によってワイヤレスで送られることができる。
【0038】
貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印22に基づいて、証印生成デバイス32は、薬剤26を特定する1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印40のセットを生成するために構成される。1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印40のセットは、1つ以上のドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な薬剤識別証印42のセット、例えばバーコードを含むことができる。セットは、わずかな単一の証印42を含むことができる。加えて、または、あるいは、ドラッグデリバリー容器対応証印40は、1つ以上のドラッグデリバリー容器対応のユーザー読み込み可能な薬剤識別証印44のセット、例えばテキストを含むことができる。セットは、わずかな単一の証印42を含むことができる。
【0039】
いうまでもなく、なんらかの場合において、同じ証印は、ユーザ、および、機械の両方によって読み込み可能であることができる。例えば、もし1つ以上のドラッグデリバリー容器対応のユーザー読み取り可能な証印44のセットは、テキストから作成されるならば、そのテキストは、ドラッグデリバリー容器リーダ16の適切なタイプによって読み込み可能であるテキストであることができる。したがって、テキストは、また、ドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な薬剤識別証印42としての機能を果たすことができる。
【0040】
証印生成デバイス32は、ドラッグデリバリー容器ラベル28上に薬剤識別証印40を提供することができる。そして、それはドラッグデリバリー容器14につけられる。証印生成デバイス32は、例えば、ドラッグデリバリー容器ラベル28をプリントし、前進させる給紙機構(feed mechanism)48を有するプリンタ46である。プリンタ46は、例えば、インクジェット式プリンタまたはプリンタのなんらかの他の適切なタイプでありうる。ドラッグデリバリー容器ラベル28は、支持紙(backing paper)から除去されることができて、および、ドラッグデリバリー容器14につけることができる自己接着ラベル(self−adhesive label)であることができる。
【0041】
プリンタ46は、また、ドラッグデリバリー容器14に含まれる薬剤26のクラスを示す色コードのラベル28に関するような方法でラベル28をプリントすることがありえる。いくつかの病院は、このようなカラーコードがデリバリー容器14に含まれる薬剤が刺激薬(stimulant)もしくは抑制薬(depressant)、または薬剤26のなんらかの他のクラスである一般指示をユーザに提供することを必要とする。このようなカラーコーディングは、専門規制団体、例えばアメリカ麻酔医学会によって、命令され、または、推奨されることができる。たとえユーザがラベル28に存在する何らかのテキストを読む時間をとらない場合であっても、カラーコーディングは、ユーザにすばやく薬剤が所定のクラスの中であることを指標するのに役に立つことができる。
【0042】
プリンタ46は、プリンタの何らかの適切なタイプであることができる。例えば、プリンタ46は、これらの技術が実施形態のドラッグデリバリー容器14のハンドリングの間、プリントされた証印40の汚れの結果とならないように、有利に感熱式プリンタまたはレーザープリンタであることができる。そこにおいて、証印40は、ラベル28にプリントされる。コンパクトなサイズを維持するために、プリンタ46は、単一の色だけ、たとえば黒だけまたは白だけプリントする。
【0043】
プリンタ46は、単一の色だけをプリントすることが可能で、例えば黒いときに、ラベル28上に上述したカラーコードを提供するために、プリンタ46は、図4aに示すようなラベル28を使用することができる。独特な色である各々の着色した領域300については、図4aに示されるラベル28は、その上に複数の着色した領域300を予めプリントされる。したがって、例えば、300aで示される領域は、黄色であることができ、領域300bは青くすることができ、領域300cはピンクであることができ、領域300dは緑であることができ、領域300eは赤であることができ、および、領域300fは茶色であることができ、それによって各々の色は、薬剤の個々のクラスを示す。図4bを参照し、証印40を有するラベル28をプリントするときに、プリンタ46は、ラベル28上で特定される薬剤のクラスを表さない領域300の全てに渡ってプリントすることができる。このことにより薬剤のクラスを表す着色された領域だけを露出して残す(それは、図4bに示される実施例の300dである)。このような方法で、プリンタ46は、カラープリントが可能でないときでも薬剤26のクラスのカラーコード表現を提供する。1つ以上のプリントがされた領域は、302で示され、および、少なくともいくぶん薬剤26を特定する(すなわち薬剤のクラス)ユーザー読み取り可能な証印44のタイプであると考慮されることができる。
【0044】
それは好ましいが、プリンタ46がカラーコード領域300に存在する色と異なるようにプリントする色は必要ではない。これは、その後、薬剤26の何のクラスがドラッグデリバリー容器14に含まれるかについて見るためにラベルを検討する人に混乱を少なくすることができる。
【0045】
代替の実施形態では、証印生成デバイス32は、それがドラッグデリバリー容器14に直接プリントする印刷装置であることができる。このような実施例では、ドラッグデリバリー容器14は、証印生成デバイス32に隣接する適切なクレイドル(cradle)(図示せず)に保持されることができる。ドラッグデリバリー容器14に直接プリントすることは、手順におけるステップを節約する。そして、このことにより時間を節約する。これは、特に、なんらかの環境において、たとえば、時間を節約するために手術室環境において有効でありえる。
【0046】
リーダ/証印生成デバイス12は、いくつかの他の任意アイテム、例えばキーパッド50、ディスプレイ52、および、スピーカ304を含むことができる。キーパッド50は、図1の55で示されるように、麻酔医および/または医師および/または患者に関する情報をユーザに入力可能にする。ディスプレイ52は、ユーザに、キーパッド50および/または他の情報を介して入力されたものを見ることを可能にする。
【0047】
スピーカ304は、薬剤26を特定する音声出力を提供することができる。したがって、貯蔵容器24が走査されるときに、薬剤26の名前はスピーカ304を介して言われることができる。走査される間違った貯蔵容器24を不注意に持ってくることができたユーザは、それゆえに、その中の容器が何の薬剤26であるかということばの指示を受ける。ディスプレイ52は、また、走査された薬剤26をユーザに示す目的に役に立つことができ、しかしながら、ユーザがディスプレイ52に注意を払うことのないラベル28をプリントし続けることは可能である。スピーカ304を使用している薬剤26のことばの指示は、ユーザが注意するところを問わずユーザによって聞かれる。
【0048】
患者55がリーダ/証印生成デバイス12(例えば、デバイス12に患者のMRN(メディカルレコード番号)に入れることによって)に特定される実施形態において、リーダ/証印生成デバイス12は、患者特定の警告機能を提供されることができる。例えば、デバイス12は、患者55の名前を、および、ユーザが正しい患者であることを確認するという要請で言葉で示すことができる。ユーザが患者に代わって単にMRNに入るときに、患者の名前の代わりに、これは実施形態において有効である。別の実施例として、リーダ/証印生成デバイス12は、患者管理設備の患者管理システム400に接続することができる。デバイス12によって走査される各々の貯蔵容器24は、デバイス12によって、または患者管理システム400によってチェックされることができる。そして、1つ以上の次の条件と照合する:患者55が現在とっている何らか他剤と何らかの潜在的に有害な相互作用があるかどうか;患者55がまもなく受けるのを予想される、患者55に対してデバイス12に走査された何らかの他剤と何らかの潜在的に有害な相互作用があるかどうか、および、患者55が薬剤26に対するアレルギがあるかどうか。もしデバイス12または患者管理システム400が問題(例えば、患者の記録が、彼/彼女が走査された薬剤26に対するアレルギであることを示す)を検出するならば、それで、デバイス12は可聴および/または視覚の警告を発することができる。
【0049】
デバイス12、または、患者管理システム400がチェックすることができる別の条件は、走査された薬剤26が患者55に対して予想外であるかどうか、患者に対して患者管理設備の予定が与えられるかどうか、である。例えば、もし患者が手術において予期しないような場合には、ユーザが一般に手術と関係している麻酔の薬剤またはなんらかの他剤を含む容器24を走査する。その結果、デバイス12は警告を発することができる。
【0050】
一般に、もしデバイス12が個々の薬剤26に関係がある警告を発するならば、デバイス12はユーザを認証するためにユーザを特定する情報を受ける機能を提供されることができ、並びに、ユーザに警告をオーバーライドすることを可能にすることができ、および、ユーザーに薬剤の使用を可能にすることができる。例えば、ユーザは、彼/彼女を特定するバーコードでデバイスのリーダ30を示すことができる。バーコードは、ユーザによって運ばれる特定タグ上に提供されることができる。
【0051】
選択された条件で、デバイス12は、ラベル28をプリントしないようにされることができる。例えば、もしユーザが自身を認証すること、および、警告にオーバーライドすることを失敗する場合には、デバイス12は、上述した条件のいずれかの下で、ラベル28をプリントしないようにプログラムされることができる。
【0052】
実施形態において、患者情報(例えば、患者名)がリーダ/証印生成デバイス12に、例えば、キーパッド50によって入力され、この情報のいくつかの又は全部は、ドラッグデリバリー容器14に表される証印として証印生成デバイス32から出力されることができる。
【0053】
加えて、または、あるいは、他の情報は、また、ドラッグデリバリー容器14上の外観に証印生成デバイス32から出力されることができる。例えば、貯蔵容器24からドラッグデリバリー容器14へと薬剤26の移送の日付時間は、ドラッグデリバリー容器14上の証印として出力されることができる。これは、薬剤26がドラッグデリバリー容器14内に不適当な延時間、貯蔵されたか否か、そして、廃棄されるべきか否か、を決める際、ユーザをアシストする。
【0054】
ドラッグデリバリー容器14が準備される所のすぐ近くにリーダ/証印生成デバイス12は、位置されることができる。例えば、手術室環境で、リーダ/証印生成デバイス12は、薬剤貯蔵カートの作業面に位置されることができ、それは、図1の55で示される。
【0055】
ドラッグデリバリー容器リーダ16は、ドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な薬剤識別証印42を読み込んで、および、中央演算処理装置18にその情報を移動するために構成される。いずれかの実施形態において、ドラッグデリバリー容器リーダ16は、比較的すばやくドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印42を読み込むために最適化されることができる。そして、比較的すばやく薬剤26を投与することをユーザに可能とする。例えば、手術室環境で、ドラッグデリバリー容器14は、シリンジ15の1つあるいは他の形状であることができ、および、証印42は、バーコード等であることができる。
【0056】
ある程度、シリンジ15上の証印42は、シリンジからシリンジへのサイズ、および、方位においてかなり変化しないようになされうる。したがって、ドラッグデリバリー容器リーダ16は、比較的すばやく、および、予測された通りシリンジ15の与えられた方位に対して、それらの証印42を読み込むために最適化されることがありえる。所定の環境、例えば手術室環境の時間的効率は、薬剤を投与する速度が患者55の快方または実際の生存に対して重要であるから、重要でありえる。
【0057】
バーコードリーダの軌道レーザ走査器タイプがドラッグデリバリー容器リーダ42として比較的適切に動作し、および、シリンジの種々の方位に渡ってシリンジ上のバーコードを読み取り可能であることが分かっている。したがって、ユーザは、患者55に薬剤26を投与することを不適当に遅延させないように、容易に、そして、すばやくシリンジ15を走査することができる。
【0058】
中央演算処理装置18は、情報を処理し、1つ以上の出力装置20に関連した出力信号を出力する。出力装置20は、例えばスピーカのようなオーディオ出力装置56および/またはスクリーンのような視覚の出力装置(visual output device)58を含むことができる。視覚の出力装置58によって、ユーザは、ドラッグデリバリー容器リーダ16範囲内にドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印42を通し、中央演算処理装置18は、ユーザーに判りやすい医薬品情報をディスプレイ58に出力する。示された医薬品情報を検討することによって、ユーザは、投与される薬剤が正しいか容易に理解することができる。任意に、患者情報のような、他の情報は、また、示されることができる。
【0059】
システム10のなんらかの実施形態において、ユーザは、患者55に供給される薬剤26を走査する前に、中央演算処理装置18に患者55のなんらかの識別を入力することができる。患者55の識別は、何らかの適切な方法、たとえば、キーボード510を使用して患者のMRNまたは名前をタイプすることによってなされうる。
【0060】
オーディオ出力装置56を有する実施形態において、ユーザがドラッグデリバリー容器リーダ16の範囲内のドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印42を通すことができ、および、オーディオ出力装置56が聴覚的にユーザーに判りやすい医薬品情報(例えば、薬剤名)を出力する。オーディオ出力装置56を使用することの利点は、ユーザが情報を受けるためにスクリーンに注目するために能動的に時間がかかることを必要としないということである;その代わりに、ユーザは、受動的であるかまたはなんらかの他のアクション、たとえば薬物リリースのためにドラッグデリバリー容器14を位置すること、および、医薬品情報をなお受けうることを必要とする。
【0061】
実施形態において、システム10は、医療情報システム400から患者の電子的病歴(EMR)にアクセスすることができ、音声および/または視覚的な出力装置56、および、58は、ユーザにリーダ16で走査される薬剤26に関する問題について警告するために使用する。例えば、中央演算処理装置18は、1つ以上の次の条件の音声、および、視覚の出力装置56、および、58の一方または両方によって、警告を発することができる:走査された薬剤26は、患者55がとっている1つ以上の薬剤と有害な相互作用を有しうる;走査された薬剤26は、ちょうど投与されるかまたは患者に投与されようとしている(もしこのような情報がメディカル情報400または中央演算処理装置18によって貯蔵されるならば)1つ以上の薬剤26と有害な相互作用を有しうる;走査された薬剤26によって、患者55のアレルギー性反応が生じうる;走査された薬剤26は、患者55が現在の手順(もしこのような情報がメディカル情報400または中央演算処理装置18によって貯蔵されるならば)の間、受けるのを予想された薬剤のリストの中にない;走査された薬剤26は、患者55が現在の手順(もしこのような情報がメディカル情報400または中央演算処理装置18によって貯蔵されるならば)の間、受けるのを予想した薬剤26のリスト内の予想される次の薬剤26でない;および、走査された薬剤26は、現在の手順(もしこのような情報がラベル28に存在するならば)を受けている患者とは異なる患者である。チェックされるいくつかのこれらの条件に対して、中央演算処理装置18がアクセス患者のEMRを必要としない点に注意される。
【0062】
ドラッグデリバリー容器リーダ16は、好ましくは、ドラッグデリバリーエリアのすぐ近くに位置する。例えば、図1に示すように、それは、手術室環境の患者55の頭のすぐ近くに位置されることができる。いうまでもなく、手術室環境で、ドラッグデリバリー容器リーダ16は、室の『汚い』エリアにおいて位置することができ、および、貯蔵容器リーダ30は、室の『クリーンな』エリアにおいて位置することができる。したがって、貯蔵容器リーダ30、および、ドラッグデリバリー容器リーダ16は、2つの区別可能なデバイスであることができる。
【0063】
図2について申し述べると、それは、再包装、および、投与処置の間の薬剤追跡のための方法100を示す。方法100は、薬剤貯蔵カート54のような薬剤のソースから薬剤26を含んでいる貯蔵容器24(図1)を引き出しているステップ102を含む。そこにおいて、貯蔵容器24は、その上に、薬剤26を特定する貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印22を有する。
【0064】
方法100(図2)は、ステップ104を更に含む。そして、それは、貯蔵容器リーダ、例えば、貯蔵容器リーダ30(図1)、および、証印生成デバイス、例えば、証印生成デバイス32を含んでいる貯蔵容器リーダ/証印生成デバイスを提供している。貯蔵容器リーダは、薬剤26を特定している貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印22を読み込むように構成され、そこにおいて、証印生成デバイス32は、薬剤26を特定し、および、受けられた容器対応機械で読み取り可能な証印22に基づいて、1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印40のセットを生成するように構成される。
【0065】
方法100(図2)は、容器リーダ/証印生成デバイスが証印22を読み込むために、貯蔵容器リーダ30の範囲内の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印22(図1)を通すステップ106を更に含み、コントローラは、ドラッグデリバリー容器対応証印40に関する出力信号を生成する。ステップ107で、ドラッグデリバリー容器対応証印40は、生成される(図2)。ステップ108(図2)で、薬剤26(図1)は、貯蔵容器24からドラッグデリバリー容器14に移される。ステップ110(図2)で、証印40(図1)は、ドラッグデリバリー容器14につけられる(適用される)。なんらかの実施形態において、例えばラベル28が証印生成デバイスによって生成されて、それらが証印生成デバイス32によって生成されたあと、証印40は、ドラッグデリバリー容器14につけられる。他の実施の形態において、証印40は証印生成デバイスによって直接ドラッグデリバリー容器14につけられることができる。その結果、証印40(図1)が生成されたのと同時に、ステップ108(図2)は、起こる。
【0066】
ステップ110(証印42をドラッグデリバリー容器14につける)は、ステップ108(ドラッグデリバリー容器14への目移し薬剤26)の後で行われることを必要としないことが理解される。例えば、実施形態で、証印生成デバイス32が直接ドラッグデリバリー容器14上に証印40をプリントするように構成され、貯蔵容器24が貯蔵容器リーダ30の範囲内を通されるのとすぐに証印40はつけられことができ、それは貯蔵容器24がなお薬剤26を含む間に起こることができる。
【0067】
しかしながら、実施形態において、ラベル28が証印生成デバイス32、ドラッグデリバリー容器14、例えばシリンジ15によって生成され、ユーザは、貯蔵容器24を走査することができ、ドラッグデリバリー容器14を満たすことができ、および、それで、ラベル28をドラッグデリバリー容器14につけることが、その順でできる。しかしながら、ユーザが貯蔵容器24を走査することがありえて、ラベル28をドラッグデリバリー容器14につけて、および、それでドラッグデリバリー容器14を満たすことは、考えられる。ユーザが貯蔵容器24からドラッグデリバリー容器14を満たすことがありえて、それで貯蔵容器24を走査することがありえて、および、それで、ラベル28をドラッグデリバリー容器14につける(または直接、証印40をつける)ことがありえることは、あるいは、考えられる。
【0068】
ステップ111で、薬剤26は、患者55に投与される。薬剤26を投与することは、多くの適切な方法で行われることができる。
【0069】
方法100のいくつかのステップは、異なった人々によって提供されることができる。例えば、貯蔵容器24を薬剤のソース54から引き出す人が、患者55に薬剤26を投与する人と異なりえて、および、貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印22を読み込ませる人と異なりえて、ドラッグデリバリー容器対応証印40を証印生成デバイス32に生成させる人と異なりえて、および、ドラッグデリバリー容器14に薬剤26を移送する人と異なるうるかもしれない。したがって、1つの実施形態における方法100は、証印22の読み取られ、証印40を生成させられ、および、ドラッグデリバリー容器14に薬剤を移送させられることの上述したステップを包含するように意図される。
【0070】
方法100(図2)は、患者55(図1)の臨床現場で、有利に行われることができる。臨床現場で方法100(図2)を実施することによって、例えば、1時間以内で、またはドラッグデリバリー容器14に移される2、3分以内でさえ、薬剤26(図1)は、ドラッグデリバリー容器14に移された後に比較的すぐに患者55に投与されることを期待される。その結果、薬剤26は、ドラッグデリバリー容器14の貯蔵の間に期限切れになりそうにない。それは、また、環境からマイクロバクテリアによって汚染されるか、またはドラッグデリバリー容器14自体から化学物質によって汚染されそうにない。例えば、薬剤が、長い期間、シリンジ内に保持されるなんらかの従来技術の状況において、シリンジに含まれる薬剤にシリンジの一部として存在する化学物質が浸出することがあり得る。例えば、シリンジ、プランジャおよび/またはプランジャシールの本体の材料に存在する化学物質は、なんらかの状況で、もし薬剤がシリンジにとても長く貯蔵されるならば、薬剤に浸出する。患者がそれらにアレルギであるか他の反応性がある場合には、これらの化学物質は患者55において有害反応を有しうる。比較的短く薬剤26の保存時間でシリンジ15に保つことによって、薬剤26に不必要な化学物質を導入するリスクは、比較的低くなる。
【0071】
方法100(図2)は、ステップ111(患者55に対する薬剤26の投与)の前に、更なるステップを含むことができる:ステップ112は、患者55の臨床現場で、ドラッグデリバリー容器リーダ、例えばドラッグデリバリー容器16(図1)を提供している。ステップ114(図2)で、中央演算処理装置、例えば中央演算処理装置18(図1)のが提供される。ステップ116(図2)で、患者55の臨床現場で、出力装置、例えば、図1に示される出力装置56または58の一方、または両方ともは、提供される。ステップ118(図2)で、1つ以上のドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印42(図1)のセットは、出力装置20上にユーザーに判りやすい出力信号を生成するようにドラッグデリバリー容器リーダ16の範囲内に通される。
【0072】
システム10を使用することは、ユーザがドラッグデリバリー容器14に間違った薬剤26を導入するのを単独で防止しない。しかしながら、システム10、および、特にリーダ/証印生成デバイス12を用いて、ドラッグデリバリー容器14上の証印40は、ドラッグデリバリー容器14の薬剤26に対応し、および、貯蔵容器24上の薬剤識別証印22に対応する。
【0073】
システム10を使用して、ユーザ(医師)が間違った薬剤貯蔵容器24を薬剤のソース54から引き出して、ドラッグデリバリー容器14をそれで満たして、そして、患者にその薬剤26を投与することは、それにもかかわらず可能である。患者55が予想外に与えられた薬剤26に反応する場合があるが、しかしながら、ユーザは、スクリーン58に、与えられた薬剤26が何であったかについてチェックすることができる。その結果、適切な是正措置はとられることができる。
【0074】
これは、そのラベルが示すのと異なる薬剤を含むように、ドラッグデリバリー容器14がユーザによって誤ったラベルをつけられる従来技術のなんらかの状況と、対照をなす。例えば、このような従来技術の状況で、ラベルは正しい薬剤がシリンジに含まれることを示すことができるが、しかし、シリンジは事実間違った薬剤を含む。患者55が予想外に薬剤26に反応するとき、高い可能性で医師は薬剤が原因であると思わず、そうすると、患者55を安定させる適切なアクションをとることができず、患者55の生活の危害または喪失に至ることがありえた。
【0075】
システム10、および、任意にリーダ/証印生成デバイス12が、手術室より別の環境において、単独で使われることができる。例えば、重症者管理環境(例えば、手術を受けたまたはなんらかの他の処置をうけた患者のための回復エリア、集中治療室、または、救急看護ユニット)で、薬剤26は、薬剤貯蔵容器24を薬剤のソース、例えば患者55に近いキャビネットまたはカート54から引き出して(すなわち臨床現場で)、そして、適切なドラッグデリバリー容器14、例えばシリンジ15に薬剤26を準備することによって、患者55に投与される。
【0076】
時々このような手順の間、薬剤26を投与している人(例えば、看護婦)は、予想外に患者55の世話をするために、シリンジラベルのマニュアルでの作成の間、シリンジ15を置かなければならない。ドラッグデリバリー容器の準備エリアに戻るときに、看護婦が複数のシリンジ15が前処理エリアにあり、および、現在、もはやどの薬剤26を含むどのシリンジ15であるか関しては確実ではないということが判るようになりうる。リーダ/証印生成デバイス12に自動的にドラッグデリバリー容器証印40をプリントさせることによって、看護婦が患者の世話をする予想外の必要性によって、間断なく、証印40をシリンジ15または他剤のデリバリー容器14につけることがより可能となるように、手順は早められる。
【0077】
このような環境において、貯蔵容器リーダ30、および、互いと別であるドラッグデリバリー容器リーダ16を有する必要性がない。したがって、図3に示されるシステム10’は、貯蔵容器リーダ、および、ドラッグデリバリー容器リーダの両方の機能を果たす単一のリーダ122を含む。加えて、このような集積化されたシステム10’で、もしオプションのビジュアル出力装置58が存在するならば、オプションのディスプレイ52が必要とはなりえない。システム10’は、一方システム10(図1)と類似であることができる。
【0078】
いくらかの上記した構成部品が患者55の臨床現場に有利に存在することは、明示されている。患者55の臨床現場においてとは、直ちに患者55に隣接することを意味することに限定されない。それは、より、すぐ近くの患者55であることを言及したものである。これは、患者がいる設備の同じフロアの看護婦ステーションにあって、なんらかの状況を意味するものであることができる。それは、患者55と同じエリアにおいてあって、なんらかの状況を意味することができる。それは、患者55と同じ建築においてあって、なんらかの状況を意味することができる。いずれにせよ、患者55のすぐ近くでドラッグデリバリー容器14が走査されることは、ちょうど患者55に対する本剤投与26の前に、ドラッグデリバリー容器14が、ドラッグデリバリー容器走査ステップと薬剤投与ステップとの間に、看護婦、医師または他のユーザによって置かれるという可能性を減らすために、有益である(ドラッグデリバリー容器リーダ16を含んでいる実施形態において)。
【0079】
患者のEMRのアップデートのために、なんらかの従来技術システムのユーザは、その患者の記録を開かなければならず、および、薬剤名、薬剤投薬量、および、可能なら投与された薬剤を入力しなければならない。多くの状況において、しかしながら、多くの薬剤は、比較的短い期間内で患者55に提供されなければならない。時間制約のために、時間がより利用できるときに、ユーザは、患者55にいくつかの薬剤26の投与量を与えることを選ぶことができ、および、その後ドラッグデリバリー履歴を再構築することができる。しかしながら、一般に、これは、なんらかの従来技術システムでなんらかの情報の正確性の損失を導くことになりうる。例えば、手術のような手順の後でドラッグデリバリー履歴を再構築するときに、ユーザは、どの薬剤を、どれだけの投薬量で患者55に投与したかについて忘れることがありうる。加えて、ユーザは、正確に、各々の薬剤26が供給された時間を記憶していることができない。
【0080】
一般に、ドラッグデリバリー履歴を再構築しようと試みるときに、ユーザにとって薬剤および対応する投薬量の全てを記憶しているより、それらが与えられた薬剤の名前で思いつくときに、ユーザが与えられた投薬量を思い出すことは、より容易でありうる。
【0081】
したがって、少なくとも、もし薬剤名がEMRに入られることがありえるならば、患者の病歴はより正確かもしれず、それで、ドラッグデリバリー履歴を再構築するときに、ユーザは、後ほど与えられた投薬量を記憶していなければならないだけである。しかしながら、なんらかの従来技術システムは、キーボードを介してマニュアルで薬剤名に入ることをユーザに要求する。そして、それは時間を消費し、および、エラーをうけやすい作業でありえる。そして、このことにより、ドラッグデリバリー時にそうすることからユーザを妨げる。さらにまた、なんらかの先行技術EMRシステムは、ユーザにとって、他の情報、例えばそれと一緒の投薬量、および、受渡し時刻を入ることも無しで、患者に供給される薬剤の名前を単に入るのを防止する。そしてそれは、マニュアルでなんらかの従来技術システムで薬剤名に入力するすでに遅い処置に組み合わされるときに、更に薬剤入力処置を遅くしさえする。それゆえに、なんらかの従来技術システムで、ユーザは、後でドラッグデリバリー履歴の再構築を容易され得るドラッグデリバリーの処置の間には、薬剤名を入ることを防止する。
【0082】
しかしながら、薬剤がドラッグデリバリー容器リーダ16または122で走査されるときに、システム10、および、10’によって、薬剤名は、自動的にリストに入られることができる。ユーザは、それで、後でリストを検討することができ、与えられた投薬量のような失われた情報を所要の書入れをする。上記の如く、それは、薬剤名で促進されるときに、より容易に思い出すことができる。さらにまた、リストは、薬剤26が走査された時のタイムスタンプを含むことができる。これは、ユーザの記憶に依存することよりも、その後にドラッグデリバリー履歴を再構築するときよりも、または、なんらかの従来技術システムによってされているように、単に薬剤入力がされたときにされるようなドラッグデリバリーの時間スタンプがされるよりも、薬剤26が投与された時の正確な表現を提供することができる。
【0083】
ユーザがドラッグデリバリーアクティビティの間、システムにドラッグデリバリー情報を入力することは、また、可能であることができる。その理由は、次のことにある。システム10または10’は、少なくともなんらかの実施形態のデータ入力を単純化する。例えば、薬剤26がリーダ16または122によって走査されるたびに、システム10または10’はディスプレイ58のウインドウ500(図5を示す)を開くことができる。ウインドウ500は、502で薬剤名を表示し、および、504でその薬剤26に対してそこから選ぶことが可能な投薬量の値の短いリストを示すことができる(図1、および、3)。したがって、ユーザは、単にマウス506(図1または3)、または、なんらかの他の適切なポインタデバイスを使用して正しい投薬量値504(図5)を選ぶことができる。システム10または10’は、薬剤26(図1または3)がリーダ16または122で走査されるときに、またはあるいは、ユーザがウインドウ500(おそらく、与えられた薬剤26を有すると直ちに)の投薬量情報に入力するときに、図5の508に示すように、自動的に薬剤入力にタイムスタンプがされる。投薬量情報が提供されるとすぐに、システム10または10’は、その情報で患者のEMRを更新されることができる。それゆえに、システム10または10’は、従って、潜在的に単一のマウスボタンをクリックすることで、単にウインドウに示された薬剤の投薬量を選択することによって患者のEMRに薬剤を入力することをユーザに可能にする。使いやすさ、および、ユーザが入力しなければならない(すなわち投薬量だけの)データの少ない量の結果として、システム10または10’は、なんらかの状況において、ユーザに、薬剤26がその後にやる代わりに患者55に与えられている時間で患者のEMRに薬剤26を入力することを可能にする。これは、その後ドラッグデリバリー履歴を再構築することを試みるときに、ユーザが患者55に実際に与えられた投薬量を忘れるリスクを減らすことができる。加えて、薬剤入力のタイムスタンプによって、ユーザが投薬量情報を入力するときに、タイムスタンプは、リーダ16または122によって薬剤26が走査されるときに薬剤入力にタイムスタンプするより正確でさえあることができる。上記の如く、それ自体、なんらかの従来技術システムを使用して手術後にドラッグデリバリー履歴を再構築しようと試みるときに、ユーザの記憶に依存することよりも、正確である。
【0084】
実施形態において、システム10または10’は、ディスプレイ58上のウインドウを開け、システム10または10は、選択された期間の後、ユーザが投薬量情報を入力しない場合には、後ろのウインドウで表示される情報を、例えば患者の鼓動の時間グラフをブロックするといけないので、閉じることができる。
【0085】
例えばシリンジ15であるようなドラッグデリバリー容器14は記載されている。ドラッグデリバリー容器14は、あるいは、デバイスの別のタイプであることができる。例えば、ドラッグデリバリー容器14は、患者55によって消費される薬剤26の選択された量を保持するカップであることができる。別の形態として、ドラッグデリバリー容器14は、例えば、シリンジまたは類似のデバイスにはめ込みうるモジュールであることができ、そこにおいて、注射器プランジャは、患者55に供給するためにモジュールから薬剤26を圧迫する。他の方法として、ドラッグデリバリー容器14は、患者55に薬剤を注入するように構成される代わりに、静脈内の液体供給システムに薬剤26を送るように構成されたシリンジであることができる。
【0086】
本発明の実施形態に係るシステムが提供されることが可能であり、そこにおいて、証印生成デバイス32は省略される。そうすると、システムは、貯蔵容器リーダ30、および、コントローラ31を含み、および、それによって、システムは、ユーザによって提供される証印生成デバイスに接続可能である。このような実施例では、システム10は、1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な薬剤識別証印22のセットを読み込むのに使用され、および、ユーザによって提供されることができる証印生成デバイスの出力を制御するように、出力信号を生成する。システム(および、とりわけコントローラ31)、および、証印生成デバイスの間の接続は、配線接続またはワイヤレス接続であることができる。
【0087】
一般に、薬剤26を追跡する何らかのシステムで、システムが最も初期の可能なステージで潜在的問題(例えば、薬剤アレルギー)を特定することは、有利である。例えば、本発明の実施形態で、薬剤が投与されようとしていて、および、ドラッグデリバリー容器リーダ16によって走査されている第二段の潜在的問題を特定することよりむしろ、薬剤26がリーダ/証印−生成デバイス12によって走査される第一段の潜在的問題(例えば、薬剤アレルギー)を特定することは、システム10または10にとって有利である。これは、なぜなら、医師または他のユーザが、患者にアクションを取る必要性があり、追いつくのに一杯で、システム10または10からの警告を潜在的に無視することがありえて、および、不注意に患者55に潜在的に危険な薬剤を投与する。
【0088】
上記説明が例示の実施例を提供するのであって、本発明が添付の請求の範囲の公正な意味および権利範囲から逸脱することなく、変更態様と改変が可能であることはいうまでもない。したがって、記載されていたことは、単に本発明の実施形態の態様の出願を図示するだけである。本発明の多数の修正変更は、上記の教示を考慮して可能である。添付の請求の範囲で、ここで本発明が特に記載されているよりも他の実施形態でされることができることは、それゆえに、理解されることになっている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤が貯蔵容器からドラッグデリバリー容器へと移され、薬剤を含んでいる容器が薬剤のソースから引き出され、前記容器がその上に薬剤を特定する1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを有する、移送および投与処置の間の薬剤追跡のための方法であって、
a) 患者の臨床現場で貯蔵容器リーダ、および、証印生成デバイスを含んでいるリーダ/証印生成デバイスを提供することであって、前記貯蔵容器リーダが1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを読み込むように構成され、前記1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットに基づいて、前記証印生成デバイスが前記薬剤を特定している1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットを生成するように構成されており;
b) 前記貯蔵容器リーダ/証印生成デバイスが前記1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットを準備するために、前記貯蔵容器リーダによって読み込まれる貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印を生じることと;
c) 前記容器から前記ドラッグデリバリー容器に薬剤を移送することと;
d) 前記ドラッグデリバリー容器に前記1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットをつけることとを具備する方法。
【請求項2】
前記1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットは、1つ以上のドラッグデリバリー容器の機械で読み取り可能な証印を含み:
e) 前記患者の前記臨床現場でドラッグデリバリー容器リーダを提供することであって、このドラッグデリバリー容器リーダが前記1つ以上のドラッグデリバリー容器の機械で読み取り可能な証印のセットを読み込むように構成され;
f) 中央演算処理装置を提供することであって、この中央演算処理装置が前記1つ以上のドラッグデリバリー容器の機械で読み取り可能な証印のセットに基づき前記薬剤に対応する出力信号を生成し;
g) 前記患者の前記臨床現場で、前記中央演算処理装置からの出力信号に基づいて前記薬剤を特定するユーザーに判りやすい出力を出力する出力装置を提供することと;
h) 前記出力装置の前記ユーザーに判りやすい出力を生成するように前記ドラッグデリバリー容器リーダの範囲内を前記ドラッグデリバリー容器対応証印を通すこととを更に具備する請求項1に記載の薬剤追跡のための方法。
【請求項3】
前記1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットは、バーコードである請求項1に記載の薬剤追跡のための方法。
【請求項4】
前記ドラッグデリバリー容器は、シリンジである請求項1に記載の薬剤追跡のための方法。
【請求項5】
前記容器は、1単位の投与量(a unit−dose)の容器である請求項1に記載の薬剤追跡のための方法。
【請求項6】
工程b)は、上にドラッグデリバリー容器証印を有する自己接着ラベルを準備することを含み、
工程e)は、前記ラベルを前記ドラッグデリバリー容器につけることを含む請求項1に記載の薬剤追跡のための方法。
【請求項7】
工程c)の1時間以内に前記患者に前記薬剤を投与することを更に備えている請求項1に記載の薬剤追跡のための方法。
【請求項8】
工程c)の数分以内に前記患者に前記薬剤を投与することを更に備えている請求項1に記載の薬剤追跡のための方法。
【請求項9】
薬剤識別証印をドラッグデリバリー容器につけるのに用いられるリーダ/証印生成デバイスであって、
薬剤を含んでいる容器に位置された、前記薬剤を特定する貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印を読み込むように構成されている貯蔵容器リーダと;
前記貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印に基づき前記薬剤を特定する1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットを生成するように構成されている証印生成デバイスとを具備するリーダ/証印生成デバイス。
【請求項10】
前記1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットは、バーコードであり、
前記貯蔵容器リーダは、バーコードリーダである請求項9に記載のリーダ/証印生成デバイス。
【請求項11】
前記証印生成デバイスは、給紙機構を有するプリンタを含み、前記プリンタを介して上に自己接着ラベルを有する支持紙を給紙する請求項9に記載のリーダ/証印生成デバイス。
【請求項12】
移送および投与処置の間の薬剤追跡のためのシステムであって、
薬剤を含んでいる容器に位置する、前記薬剤を特定する1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを読み込むように構成された貯蔵容器リーダと;
前記貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印に基づいて前記薬剤を特定しているドラッグデリバリー容器対応証印を生成するように構成された証印生成デバイスであって、前記1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットが1つ以上のドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印を含むものと;
前記1つ以上のドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを読み込むように構成されたドラッグデリバリー容器リーダと;
前記1つ以上のドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印のセットに基づいて前記薬剤に対応する出力信号を生成する中央演算処理装置と;
前記中央演算処理装置からの出力信号に基づいて前記薬剤を特定するユーザーに判りやすい出力を出力する出力装置とを具備する薬剤追跡のためのシステム。
【請求項13】
前記出力装置は、前記薬剤の名前を表示する視覚の出力装置を含む請求項12に記載の薬剤追跡のためのシステム。
【請求項14】
前記出力装置は、前記薬剤の名前を聞こえるように出力するスピーカを含む請求項12に記載の薬剤追跡のためのシステム。
【請求項15】
前記ドラッグデリバリー容器リーダ、および、前記貯蔵容器リーダは、同じリーダである請求項12に記載の薬剤追跡のためのシステム。
【請求項16】
前記ドラッグデリバリー容器リーダ、および、前記貯蔵容器リーダは、互いに別である請求項12に記載の薬剤追跡のためのシステム。
【請求項17】
前記貯蔵容器リーダ、および、前記証印生成デバイスは、薬剤のソースのすぐ近くに位置され、
前記ドラッグデリバリー容器リーダは、手術台のすぐ近くに位置される請求項16に記載の薬剤追跡のためのシステム。
【請求項18】
薬剤を投与処置の間の薬剤追跡のためのシステムであって、
カラーベースの薬剤コード体系に対応して上に予めプリントされた複数の異なるカラー領域を有する少なくとも1つのラベルと;
第1の色でプリントするように適合された証印生成デバイスであって、この証印生成デバイスが生成することができない少なくとも1つの第2の色のカラー領域を含んでいるラベル上にドラッグデリバリー容器対応証印を生成するように適合される証印生成デバイスとを具備する薬剤追跡のためのシステム。
【請求項19】
前記ドラッグデリバリー容器対応証印は、1つ以上のドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印を含む請求項18に係る薬剤追跡のためのシステム。
【請求項20】
前記1つ以上のドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを読み込むように構成されたドラッグデリバリー容器リーダを更に具備する請求項19に係るシステム。
【請求項21】
中央演算処理装置、および、出力装置を更に備え、
前記中央演算処理装置は、前記1つ以上のドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印のセット、および、出力装置で設定されたものに基づいて前記薬剤に対応する出力信号を生成し、
前記出力装置は、前記中央演算処理装置からの出力信号に基づて前記薬剤を特定するユーザーに判りやすい出力を出力する、請求項20に係る薬剤追跡のためのシステム。
【請求項22】
前記出力装置は、前記薬剤の名前を表示する視覚の出力装置、もしくは、聞こえるように前記薬剤の名前を出力するスピーカ、または両方を含む請求項21に記載の薬剤追跡のためのシステム。
【請求項23】
1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを読み込むように構成された貯蔵容器リーダと、
1つ以上の貯蔵容器対応機械で読み取り可能な証印のセットに基づいて、前記薬剤を特定している1つ以上のドラッグデリバリー容器対応証印のセットを生成するように構成された証印生成デバイスとを含んでいる請求項18または22に記載の薬剤追跡のためのシステム。
【請求項24】
前記ドラッグデリバリー容器リーダ、および、前記貯蔵容器リーダは、同じリーダである請求項23に記載の薬剤追跡のためのシステム。
【請求項25】
前記ドラッグデリバリー容器リーダ、および、前記貯蔵容器リーダは、互いに別である請求項23に記載の薬剤追跡のためのシステム。
【請求項26】
前記貯蔵容器リーダ、および、前記証印生成デバイスは、薬剤のソースのすぐ近くに位置され、
前記ドラッグデリバリー容器リーダは、手術台のすぐ近くに位置される請求項25に記載の薬剤追跡のためのシステム。
【請求項27】
薬剤を投与処置の間の薬剤追跡のためのシステムであって、
1つ、または、2つの色でプリントするように適合された証印生成デバイスであって、1つ、または、2つの色から色が異なるカラー領域を含んでいるラベル上にドラッグデリバリー容器対応証印を生成するように構成された証印生成デバイスと;
カラーベースの薬剤コード体系に対応して上に予めプリントされた色の複数の領域を有する少なくとも1つのドラッグデリバリー容器とを具備する薬剤追跡のためのシステム。
【請求項28】
前記証印生成デバイスは、前記薬剤の特定に対応する色の領域を除いて異なる領域にオーバープリントすることによって、前記薬剤の前記特定に対応するカラー領域を生成する請求項18または27に係る薬剤追跡のためのシステム。
【請求項29】
ドラッグデリバリー容器の薬剤内容をカラーコーディングするために適合されたラベルであって、
カラーベースの薬剤コード体系に属する異なる色のセットに対応して複数の異なるカラーがつけられた領域を具備するラベル。
【請求項30】
ドラッグデリバリー容器の薬剤内容をカラーコーディングするために適合されたシリンジであって、
カラーベースの薬剤コード体系に属する異なる色のセットに対応して複数の異なるカラーがつけられた領域を具備するシリンジ。
【請求項31】
各々のカラー領域の境界は、各々の隣接するカラー領域の境界の近くに隣接する請求項29に係るラベル。
【請求項32】
薬剤を投与処置の間の薬剤追跡のためのシステムであって、
1つ、または、2つの色でプリントするように適合された証印生成デバイスであって、1つ、または、2つの色から色が異なるカラー領域を含んでいるラベル上にドラッグデリバリー容器対応証印を生成するように構成された証印生成デバイスと;
カラーベースの薬剤コード体系に対応して上に予めプリントされた色の複数の領域を有するラベルのセットとを具備する薬剤追跡のためのシステム。
【請求項33】
薬剤を投与処置の間の薬剤追跡のためのシステムであって、
カラーベースの薬剤コード体系に対応して上に予めプリントされた複数の異なる色の領域を有する少なくとも1つのラベルと;
コントローラと;
前記コントローラによって制御可能で、1つ、または、2つの色をプリントし、前記カラー領域に印刷物を追加するように適合された証印生成デバイスであって、1つ、または、2つの色と異なる少なくとも1つの色のカラー領域を含んでいるラベル上にドラッグデリバリー容器対応証印を生成するように適合されている証印生成デバイスとを具備する薬剤追跡のためのシステム。
【請求項34】
投与処置の間の薬剤追跡のためのシステムであって、
患者に対して第1のドラッグデリバリー容器に含まれる第1の薬剤を特定する1つ以上のドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを読み込むように構成されるドラッグデリバリー容器リーダと;
第1の薬剤を特定する情報を保存し、前記患者に対して第1の薬剤の供給に関する投薬量情報を受けるより前に、前記患者に対して第2の薬剤を特定する情報の入力、および、保存を可能にするように構成された中央演算処理装置とを具備する薬剤追跡のためのシステム。
【請求項35】
投与処置の間の薬剤追跡のためのシステムであって、
患者に対して第1のドラッグデリバリー容器に含まれる第1の薬剤を特定する1つ以上のドラッグデリバリー容器対応機械で読み取り可能な証印のセットを読み込むように構成されたドラッグデリバリー容器リーダと;
投薬量のセットを出力する出力装置と;
前記投薬量のセットから投薬量の1つを選ぶユーザによって有用な入力デバイスと;
前記ユーザによって選ばれる第1の薬剤、および、投薬量を特定する情報を保存するように構成された中央演算処理装置とを具備する薬剤追跡のためのシステム。
【請求項36】
前記中央演算処理装置は、第1の薬剤が前記ドラッグデリバリー容器リーダによって読み込まれた時間、および、投薬量が選ばれた時間のうちの少なくとも1つに関係する情報をタイムスタンプにするように構成される請求項35に記載の追跡薬剤のためのシステム。
【請求項37】
前記出力装置は、コンピュータディスプレイであり、前記入力デバイスは、コンピュータマウスである請求項35に記載の薬剤追跡のためのシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−500133(P2010−500133A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524055(P2009−524055)
【出願日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【国際出願番号】PCT/CA2007/001421
【国際公開番号】WO2008/019494
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(509044707)
【出願人】(509045612)
【出願人】(509044693)
【出願人】(509044718)
【Fターム(参考)】