説明

再封機能を有する小型化可能な紙箱

【課題】収納物が少なくなったら簡単な動作で小型化することができる、再封機能を有する小型化可能な紙箱を提供すること。
【解決手段】蓋箱3の略中央には天蓋正面板15と平行に天蓋板14と天蓋側面板141,141 を略二分するミシン目状の切り込み線eが形成され、蓋箱の先端部分は折り込み蓋箱部分4を形成し、身箱2の略中央には正面板11と平行に正面板12と側面板121,121 を略二分するミシン目状の切り込み線cが形成され、底面板のミシン目状の切り込み線の正面板寄りには所定間隔をおいてミシン目状の切り込み線と平行に第2ミシン目状の切り込み線dが形成され、底ロック片122 が区画形成され、身箱の先端部分は切り離し身箱部分5を形成し、蓋箱の折り込み蓋箱部分を形成していない部分の天蓋側面の内面と、身箱の切り離し身箱部分を形成していない部分の側面板の外面とは貼着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡単な動作で小さな紙箱にすることができる再封機能を有する小型化可能な紙箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スナック菓子、チョコレート等のような食品は、内容物を一個ずつ、あるいは複数個まとめて一次包装して、その一次包装された包装物をまとめて複数単位で紙箱に二次包装するという使われ方がある。このように紙箱を開封後、徐々に内容物を消費していく包装紙箱に関しては、一度開封した後の再封時には箱本体の一部がヒンジ蓋として機能し、しかもその蓋を閉じたときは閉鎖状態でロックすることができるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開平11−334731号公報。
【0004】
しかし、この種の紙箱は、内容物である収納物が少なくなると、紙箱の空間がひろくなりかさばるといった不自由さが発生する。そのため、紙箱の不必要部分をつぶしたり、ちぎり捨てたりして対応しているが、見栄えがよくないし、環境衛生上も良くない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、一次包装された収納物を徐々に消費していくような使われ方をする紙箱に関する以上のような問題に鑑みてなされたもので、収納物が少なくなったら簡単な動作で小型化することができる、再封機能を有する小型化可能な紙箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1の発明は、正面板、底面板、後面板、天蓋板、天蓋正面板がそれぞれ折り曲げ線を介して連設され、前記正面板の左右端には折り曲げ線を介してそれぞれ舌片が連設され、正面板の底面板が連設されていない方の端縁の中央近傍にはミシン目状の切り込み線を介してロック片が連設され、底面板の左右端には折り曲げ線を介してそれぞれ側面板が連設され、後面板の左右端には折り曲げ線を介してそれぞれ舌片が連設され、前記天蓋板の左右端には折り曲げ線を介してそれぞれ天蓋側面板が連設され、該天蓋側面板の天蓋正面板が隣接する方の端縁には折り曲げ線を介してそれぞれ蓋舌片が連設され、天蓋正面板の天蓋板が連設されていない方の端縁中央近傍には、部分的に天蓋正面板より突出して接着片がミシン目状の切り込み線により区画形成された構造からなるブランクの、正面板、底面板、後面板、天蓋板、天蓋正面板をそれぞれ折り曲げ線に沿って折り曲げ、ロック片はミシン目状の切り込み線に沿って谷折りし、各舌片と側面板を折り曲げ線に沿って折り曲げ、舌片の外面を隣接する側面板の内面に貼着し身箱を形成させるとともに、各天蓋側面板と蓋舌片を折り曲げ線に沿って折り曲げ、舌片の外面を隣接する天蓋正面板の内面と貼着し、蓋箱を形成させ、該蓋箱を身箱に被せて蓋箱に形成された接着片の内面を身箱に形成された正面板の外面に貼着して形成された直方体状の紙箱において、前記蓋箱の略中央には、天蓋正面板から身箱の深さHと同じ距離をおいて、天蓋正面板と平行に、天蓋板と天蓋板の両端に連設された各天蓋側面板を略二分するミシン目状の切り込み線が形成され、蓋箱の先端部分は折り込み蓋箱部分を形成し、前記身箱の略中央には、正面板から身箱の深さHと同じ距離をおいて正面板と平行に、正面板と正面板の両端に連設さ
れた各側面板を略二分するミシン目状の切り込み線が形成され、底面板のミシン目状の切り込み線の正面板寄りには、所定間隔をおいてミシン目状の切り込み線と平行に第2ミシン目状の切り込み線が形成され、該第2ミシン目状の切り込み線によって底ロック片が区画形成され、身箱の先端部分は切り離し身箱部分を形成し、前記蓋箱の折り込み蓋箱部分を形成していない部分の天蓋側面板の内面と、前記身箱の切り離し身箱部分を形成していない部分の側面板の外面とは、貼着されていることを特徴とする、再封機能を有する小型化可能な紙箱である。
【0007】
このように請求項1記載の発明によれば、前記蓋箱の略中央には、天蓋正面板から身箱の深さHと同じ距離をおいて、天蓋正面板と平行に、天蓋板と天蓋板の両端に連設された各天蓋側面板を略二分するミシン目状の切り込み線が形成され、蓋箱の先端部分は折り込み蓋箱部分を形成し、前記身箱の略中央には、正面板から身箱の深さHと同じ距離をおいて正面板と平行に、正面板と正面板の両端に連設された各側面板を略二分するミシン目状の切り込み線が形成され、底面板のミシン目状の切り込み線の正面板寄りには、所定間隔をおいてミシン目状の切り込み線と平行に第2ミシン目状の切り込み線が形成され、該第2ミシン目状の切り込み線によって底ロック片が区画形成され、身箱の先端部分は切り離し身箱部分を形成し、前記蓋箱の折り込み蓋箱部分を形成していない部分の天蓋側面板の内面と、前記身箱の切り離し身箱部分を形成していない部分の側面板の外面とは、貼着されているので、接着片と身箱を持って蓋箱の天蓋正面板を持ち上げようとすると、接着片の周りのミシン目状の切り込み線と天蓋側面板に形成されているミシン目状の切り込み線が切れて身箱から折り込み蓋箱部分が開口して内容物が取り出し可能になる。
【0008】
内容物の半分程度の取り出しが終了した段階で、身箱を底面板と側面板に形成されたミシン目状の切り込み線から引きちぎると、身箱の切り離し身箱部分が身箱から簡単に分離し、身箱の側面が露出する。身箱の深さHは折り込み蓋箱部分の奥行きに等しいので、折り込み蓋箱部分を折り曲げることにより露出した身箱の側面は、折り込み蓋箱部分によりきっちりと閉鎖することができ、底面板に形成された底ロック片により折り込み蓋箱部分のロックがかかる。また、紙箱の大きさは半分に縮小する。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記底面板に区画形成される底ロック片は、正面板に連設されたロック片と同形状であることを特徴とする、再封機能を有する小型化可能な紙箱である。
【0010】
このように請求項2記載の発明によれば、底面板に区画形成される底ロック片は、正面板に連設されたロック片と同形状であるので、身箱が蓋箱をロックして固定することができると同様に、切り離し身箱部分を切り離した身箱も折り曲げた折り込み蓋箱部分を、ロックして固定することができる。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記蓋舌片の先端部分で天蓋正面板寄りは、底ロック片をロックするための切り欠きが設けられいることを特徴とする、再封機能を有する小型化可能な紙箱である。
【0012】
このように請求項3記載の発明によれば、蓋舌片の先端部分で天蓋正面板寄りは、底ロック片をロックするための切り欠きが設けられいるので、切り離し身箱部分を身箱から切り離し、露出した身箱の側面を折り込み蓋箱部分で閉鎖した際、折り込み蓋箱部分は、底ロック片が蓋舌片の切り欠きによりしっかりとロックされる。
【発明の効果】
【0013】
このように本発明の再封機能を有する小型化可能な紙箱は、身箱の略半分を切り離し身箱部分として切り取り、蓋箱の折り込み蓋箱部分を折り込むだけで、簡単に紙箱を小型化
することができる。最初の大きさの時の再封機能が小型化された後もそのまま使用できる。紙箱の形状や製造方法は通常の紙箱と変わらないため、生産性が極めて高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
図1は、本発明の再封機能を有する小型化可能な紙箱の一実施例を展開したブランクの平面説明図である。
【0015】
正面板(11)、底面板(12)、後面板(13)、天蓋板(14)、天蓋正面板(15)がそれぞれ折り曲げ線を介して連設されている。
【0016】
正面板(11)の左右端には折り曲げ線を介してそれぞれ舌片(111、111)が連設され、正面板の底面板が連設されていない方の端縁の中央近傍にはミシン目状の切り込み線(a)を介してロック片(112)が連設されている。
【0017】
底面板(12)の左右端には折り曲げ線を介してそれぞれ側面板(121、121)が連設されている。後面板(13)の左右端には折り曲げ線を介してそれぞれ舌片(131、131)が連設されている。
【0018】
天蓋板(14)の左右端には折り曲げ線を介してそれぞれ天蓋側面板(141、141)が連設されている。天蓋側面板(141)の天蓋正面板(15)が隣接する方の端縁には折り曲げ線を介してそれぞれ蓋舌片(142、142)が連設されている。天蓋正面板(15)の天蓋板(14)が連設されていない方の端縁中央近傍には、部分的に天蓋正面板(15)より突出して接着片(151)がミシン目状の切り込み線(b)により区画形成されている。
【0019】
底面板(12)の正面板(11)との境界の折り曲げ線から正面板を重ねた位置に該折り曲げ線と平行にミシン目状の切り込み線(c)が、底面板と左右の側面板を二分するように底面板の両端縁から突出して左右の側面板(121、121)に達する長さで形成されている。
【0020】
底面板(12)に形成された上記ミシン目状の切り込み線(c)の正面板側寄りには正面板(11)の端縁に連設されているロック片(112)と同じ大きさの底ロック片(122)が第2ミシン目状の切り込み線(d)により区画形成されている。
【0021】
天蓋板(14)の天蓋正面板(15)の境界の折り曲げ線から正面板(11)を重ねた位置に該折り曲げ線と平行にミシン目状の切り込み線(e)が、天蓋板(14)天蓋板の左右端に連設されている天蓋側面板(141、141)を二分するように天蓋板の両端縁から突出して左右の天蓋側面板(141、141)に達する長さで形成されている。
【0022】
蓋舌片(142)の先端部分で天蓋正面板(15)寄りは、ロック片(112)や底ロック片(122)をロックするための切り欠き(143、143)が設けられている。
【0023】
つぎに、このような構造を有するブランク(10)から紙箱を組み立てる手順の一実施例を説明する。
【0024】
まず、正面板(11)、底面板(12)、後面板(13)、天蓋板(14)、天蓋正面板(15)をそれぞれ折り曲げ線に沿って折り曲げ、ロック片(112)はミシン目状の切り込み線(a)に沿って谷折りする。
【0025】
各舌片(111、111、131、131)と側面板(121、121)を折り曲げ線に沿って折り曲げ、舌片の外面を隣接する側面板の内面に貼着し身箱(2)を形成させる。と同時に、各天蓋側面板(141、141)と蓋舌片(142、142)を折り曲げ線に沿って折り曲げ、舌片の外面を隣接する天蓋正面板の内面と貼着し、蓋箱(3)を形成させる。
【0026】
蓋箱(3)を身箱(2)に被せて蓋箱(3)に形成された接着片(151)の内面を身箱に形成された正面板(11)の外面に貼着すると同時に天蓋側面板(141、141)の後面板寄りの内面と、側面板(121、121)の後面板寄りの外面とを貼着して本発明の再封機能を有する小型化可能な紙箱である直方体状の紙箱とする。なお、内容物は身箱と蓋箱の形成段階で収容される。
【0027】
つぎに、出来上がった小型化可能な紙箱を小型化する方法につき、図4にしたがって記述する。まず、身箱(2)と接着片(151)を持って蓋箱(3)の天蓋正面板(15)を持ち上げようとすると、接着片(151)の周りのミシン目状の切り込み線(b)と天蓋側面板(141、141)に形成されたミシン目状の切り込み線(e)が切れて、身箱(2)から折り込み蓋箱部分(4)が開口して収納物(7)の取り出しが可能になる(図4(a)参照)。
【0028】
収納物(7)が徐々になくなると身箱(2)は空間が多くなるので、収納物を奥の方に押しやった後、身箱(2)を底面板(12)と側面板(121、121)に形成されたミシン目状の切り込み線(c)から引きちぎると(底ロック片(122)は谷折りする)、身箱の切り離し身箱部分(5)が身箱から簡単に分離して身箱の側面が露出する(図4(b)参照)。
【0029】
身箱の深さHは折り込み蓋箱部分(4)の奥行きに等しいので、折り込み蓋箱部分(4)を内側に折り曲げることにより露出した身箱の側面は、折り込み蓋箱部分(4)によってきっちりと閉鎖することができ、また、底面板(12)に形成された底ロック片(122)により折り込み蓋部分(4)にロックがかかる。従って折り曲げた折り込み蓋箱部分(4)が勝手に開くことはない。
このようにして、当初の約半分の大きさに縮小された小型化された紙箱(6)になる(図4(c)、(d)参照)。
【0030】
なお、折り込み蓋箱部分(4)は、蓋箱(3)のミシン目状の切り込み線(e)より天蓋正面板(15)寄りの部分を指し、切り離し身箱部分(5)は、身箱(2)のミシン目状の切り込み線(c)より正面板(11)寄りの部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の再封機能を有する小型化可能な紙箱の一実施例を展開したブランクの平面説明図である。
【図2】本発明の再封機能を有する小型化可能な紙箱の一実施例を示す、説明図である。
【図3】図2の紙箱を一部開封した状態の説明図である。
【図4】(a)〜(d)は図2の紙箱を開封後、小型化する手順を示す、説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1‥‥小型化可能な紙箱
2‥‥身箱
3‥‥蓋箱
4‥‥折り込み蓋箱部分
5‥‥切り離し身箱部分
6‥‥収納物
10‥‥ブランク
11‥‥正面板
12‥‥底面板
13‥‥後面板
14‥‥天蓋板
15‥‥天蓋正面板
111‥‥舌片
112‥‥ロック片
121‥‥側面板
122‥‥底ロック片
131‥‥舌片
141‥‥天蓋側面板
142‥‥蓋舌片
143‥‥切り欠き
151‥‥接着片
a‥‥ミシン目状の切り込み線
b‥‥ミシン目状の切り込み線
c‥‥ミシン目状の切り込み線
d‥‥第2ミシン目状の切り込み線
e‥‥ミシン目状の切り込み線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面板、底面板、後面板、天蓋板、天蓋正面板がそれそれ折り曲げ線を介して連設され、
前記正面板の左右端には折り曲げ線を介してそれぞれ舌片が連設され、正面板の底面板が連設されていない方の端縁の中央近傍にはミシン目状の切り込み線を介してロック片が連設され、
底面板の左右端には折り曲げ線を介してそれぞれ側面板が連設され、
後面板の左右端には折り曲げ線を介してそれぞれ舌片が連設され、
前記天蓋板の左右端には折り曲げ線を介してそれぞれ天蓋側面板が連設され、該天蓋側面板の天蓋正面板が隣接する方の端縁には折り曲げ線を介してそれぞれ蓋舌片が連設され、
天蓋正面板の天蓋板が連設されない方の端縁中央近傍には、部分的に天蓋正面板より突出して接着片がミシン目状の切り込み線により区画形成された構造からなるブランクの、
正面板、底面板、後面板、天蓋板、天蓋正面板をそれぞれ折り曲げ線に沿って折り曲げ、ロック片はミシン目状の切り込み線に沿って谷折りし、
各舌片と側面板を折り曲げ線に沿って折り曲げ、舌片の外面を隣接する側面板の内面と貼着し身箱を形成させるともに、
各天蓋側面板と蓋舌片を折り曲げ線に沿って折り曲げ、蓋舌片の外面を隣接する天蓋正面板の内面と貼着し、蓋箱を形成させ、該蓋箱を身箱に被せて蓋箱に形成された接着片の内面を身箱に形成された正面板の外面に貼着して形成された直方体状の紙箱において、
前記蓋箱の略中央には、天蓋正面板から身箱の深さHと同じ距離をおいて天蓋正面板と平行に、天蓋板と天蓋板の両端に連設された各天蓋側面板を略二分するミシン目状の切り込み線が形成され、蓋箱の先端部分は折り込み蓋箱部分を形成し、
前記身箱の略中央には、正面板から身箱の深さHと同じ距離をおいて正面板と平行に、正面板と正面板の両端に連設された各側面板を略二分するミシン目状の切り込み線が形成され、底面板のミシン目状の切り込み線の正面板寄りには、所定間隔をおいてミシン目状の切り込み線と平行に第2ミシン目状の切り込み線が形成され、該第2ミシン目状の切り込み線によって底ロック片が区画形成され、身箱の先端部分は切り離し身箱部分を形成し、
前記蓋箱の折り込み蓋箱部分を形成していない部分の天蓋側面板の内面と、前記身箱の切り離し身箱部分を形成していない部分の側面板の外面とは貼着されていることを特徴とする、再封機能を有する小型化可能な紙箱。
【請求項2】
前記底面板に区画形成される底ロック片は、正面板に連設されたロック片と同形状であることを特徴とする、請求項1記載の再封機能を有する小型化可能な紙箱。
【請求項3】
前記蓋舌片の先端部分で天蓋正面板寄りは、底ロック片をロックするための切り欠きが設けられているとを特徴とする、請求項1又は2記載の再封機能を有する小型化可能な紙箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−240689(P2006−240689A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−60157(P2005−60157)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】