説明

再生制御装置、同期再生方法、及びプログラム

【課題】基準時刻送信サーバを利用せずに映像の同期再生を実現すること。
【解決手段】再生されている複数のコンテンツの再生経過時間を取得する経過時間取得部と、前記経過時間取得部により取得された再生経過時間の中から1つの再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を基準経過時間に設定する経過時間選択部と、所定の前記コンテンツの再生経過時間が前記基準経過時間に一致するように、当該所定のコンテンツの再生経過時間を調整する経過時間調整部と、を備える、再生制御装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、再生制御装置、同期再生方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電車の車両内などにおいて、複数の表示画面に同じ映像が同じタイミングで表示されているのを目にする機会があるだろう。また、並べて配置された複数の表示画面を1つの大きな表示画面に見立てて1つの映像が表示されているのを目にする機会もあるだろう。こうした表示は、各表示画面に表示される映像を適切に選択し、各映像の表示タイミングを正確に同期させることにより実現される。同じ映像を同期再生する方法に関し、例えば、下記の特許文献1には、映像の再生開始時刻を一致させる方法が記載されている。また、下記の特許文献2には、基準時刻を送信する基準時刻送信サーバを用意し、端末装置が管理する時刻を当該基準時刻に同期させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−004015号公報
【特許文献2】特開2011−029756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に記載の方法を適用すると、同じ映像を同じタイミングで複数の表示画面に表示することが可能なように思われる。しかし、各表示画面に映像を表示する端末装置の性能や各端末装置の内部状態に応じて各端末装置が管理する時刻の進み方に差異が生じてしまうことがある。例えば、尺の長い映像を再生している場合、複数の表示画面に表示される映像間で徐々に同期がとれなくなってしまう。また、上記の特許文献2に記載の方法を利用するには、正確な内部時計を搭載した基準時刻送信サーバを用意する必要が生じる。さらに、基準時刻送信サーバが何らかの原因で正常動作できなくなると、全ての端末装置が映像の再生処理を実行できなくなってしまう。
【0005】
そこで、本技術は、上記のような事情を受けて考案されたものであり、基準時刻送信サーバを利用せずに映像の同期再生を実現することが可能な、新規かつ改良された再生制御装置、同期再生方法、及びプログラムを提供することを意図している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術のある観点によれば、再生されている複数のコンテンツの再生経過時間を取得する経過時間取得部と、前記経過時間取得部により取得された再生経過時間の中から1つの再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を基準経過時間に設定する経過時間選択部と、所定の前記コンテンツの再生経過時間が前記基準経過時間に一致するように、当該所定のコンテンツの再生経過時間を調整する経過時間調整部と、を備える、再生制御装置が提供される。
【0007】
また、本技術の別の観点によれば、再生されている複数のコンテンツの再生経過時間を取得するステップと、取得された再生経過時間の中から1つの再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を基準経過時間に設定するステップと、所定の前記コンテンツの再生経過時間が前記基準経過時間に一致するように、当該所定のコンテンツの再生経過時間を調整するステップと、を含む、同期再生方法が提供される。
【0008】
また、本技術の別の観点によれば、再生されている複数のコンテンツの再生経過時間を取得する経過時間取得機能と、前記経過時間取得機能により取得された再生経過時間の中から1つの再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を基準経過時間に設定する経過時間選択機能と、所定の前記コンテンツの再生経過時間が前記基準経過時間に一致するように、当該所定のコンテンツの再生経過時間を調整する経過時間調整機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。
【0009】
また、本技術の別の観点によれば、上記のプログラムが記録された、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本技術によれば、基準時刻送信サーバを利用せずに映像の同期再生を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】再生開始時刻の制御に基づくコンテンツの同期再生方法について説明するための説明図である。
【図2】再生開始時刻の制御に基づくコンテンツの同期再生方法について説明するための説明図である。
【図3】基準時刻送信サーバを利用した時刻の同期方法について説明するための説明図である。
【図4】基準時刻送信サーバを利用した時刻の同期方法について説明するための説明図である。
【図5】本技術の第1実施形態に係るシステムのシステム構成例について説明するための説明図である。
【図6】本技術の第1実施形態に係るシステムのシステム構成例について説明するための説明図である。
【図7】本技術の第1実施形態に係る端末装置の構成について説明するための説明図である。
【図8】本技術の第1実施形態に係る端末装置の構成について説明するための説明図である。
【図9】本技術の第1実施形態に係る同期処理の流れについて説明するための説明図である。
【図10】本技術の第1実施形態に係る同期処理の流れについて説明するための説明図である。
【図11】本技術の第1実施形態に係る同期処理の流れについて説明するための説明図である。
【図12】本技術の第1実施形態に係る一変形例(変形例#1)について説明するための説明図である。
【図13】本技術の第1実施形態に係る一変形例(変形例#2)について説明するための説明図である。
【図14】本技術の第2実施形態に係るシステムの構成例(マルチディスプレイ表示システム)について説明するための説明図である。
【図15】本技術の第2実施形態に係るシステムの構成例(関連情報表示システム)について説明するための説明図である。
【図16】本技術の第2実施形態に係るシステムの構成例(マルチウインドウ表示システム)について説明するための説明図である。
【図17】本技術の第2実施形態に係るシステムの構成例(マルチ画面表示システム)について説明するための説明図である。
【図18】本技術の第2実施形態に係る端末装置の構成について説明するための説明図である。
【図19】本技術の第2実施形態に係る端末装置の構成について説明するための説明図である。
【図20】本技術の第2実施形態に係る同期処理の流れについて説明するための説明図である。
【図21】本技術の各実施形態に係る端末装置の機能を実現することが可能なハードウェア構成について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本技術に係る好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する説明の流れについて簡単に述べる。
【0014】
まず、図1及び図2を参照しながら、再生開始時刻の制御に基づくコンテンツの同期再生方法について説明する。次いで、図3及び図4を参照しながら、基準時刻送信サーバを用いた時刻の同期方法について説明する。次いで、図5及び図6を参照しながら、本技術の第1実施形態に係るシステムの構成例について説明する。次いで、図7及び図8を参照しながら、同実施形態に係る端末装置10の構成について説明する。次いで、図9〜図11を参照しながら、同実施形態に係る同期処理の流れについて説明する。次いで、図12及び図13を参照しながら、同実施形態の変形例について説明する。
【0015】
次いで、図14〜図17を参照しながら、本技術の第2実施形態に係るシステムの構成例について説明する。次いで、図18及び図19を参照しながら、同実施形態に係る端末装置20の構成について説明する。次いで、図20を参照しながら、同実施形態に係る同期処理の流れについて説明する。次いで、図21を参照しながら、本技術の各実施形態に係る端末装置10、20の機能を実現することが可能なハードウェア構成例について説明する。最後に、同実施形態の技術的思想について纏め、当該技術的思想から得られる作用効果について簡単に説明する。
【0016】
(説明項目)
1:はじめに
1−1:再生開始時刻の制御
1−2:基準時刻送信サーバの設置
2:第1実施形態
2−1:システム構成例
2−2:端末装置10の構成
2−2−1:全体構成
2−2−2:制御部12の構成
2−3:同期処理の流れ
2−4:変形例#1(3D表示)
2−5:変形例#2(パノラマ表示)
3:第2実施形態
3−1:端末装置20の構成
3−1−1:全体構成
3−1−2:制御部22の構成
3−2:同期処理の流れ
4:ハードウェア構成例
5:まとめ
【0017】
<1:はじめに>
本技術の好適な実施形態について詳細に説明するに先立ち、コンテンツの同期再生に利用可能な技術について紹介する。
【0018】
[1−1:再生開始時刻の制御]
まず、図1及び図2を参照しながら、再生開始時刻の制御に基づくコンテンツの同期再生方法について紹介する。図1及び図2は、再生開始時刻の制御に基づくコンテンツの同期再生方法について説明するための説明図である。
【0019】
例えば、装置#1と装置#2とで同じ動画コンテンツを同期再生する方法について考えてみよう。装置#1と装置#2とが同じタイミングで同じ動画コンテンツの再生を開始すれば、図1に示すように、各動画フレームの開始時刻及び終了時刻が揃うものと期待される。しかし、実際には、装置#1の内部クロックと装置#2の内部クロックとの間で進み方に差異が生じることがあり、図2に示すように、同じタイミングで動画コンテンツの再生を開始しても、各動画フレームの開始時刻及び終了時刻に微妙なずれが生じてしまう。尺の長い動画コンテンツを再生する場合、徐々にずれが拡大し、明らかに視認できるほどの大きなずれとなってしまう。そのため、単に再生開始時刻を制御するだけでは、精度良くコンテンツの同期再生を実現するのは難しい。
【0020】
こうした課題を解決する方法として、例えば、装置#1が管理する時刻と装置#2が管理する時刻とを基準時刻に同期させる方法が考えられる。
【0021】
[1−2:基準時刻送信サーバの設置]
システム内の時刻を同期させる方法としては、例えば、図3及び図4に示すように、システム内に設置した基準時刻送信サーバから基準時刻を送信し、基準時刻を受信した各受信端末が自身の管理する時刻を基準時刻に合わせるという方法が考えられる。
【0022】
図3の例では、基準時刻送信サーバから受信端末#1〜#3へと基準時刻が送信され、受信端末#1〜#3がそれぞれ自身の管理する時刻を基準時刻に合わせる。また、図4の例では、基準時刻送信サーバ#1から受信端末#11、#12及び基準時刻送信サーバ#2へと基準時刻が送信される。さらに、基準時刻送信サーバ#2から受信端末#21、#22へと基準時刻が送信される。そして、受信端末#11、#12、#21、#22がそれぞれ自身の管理する時刻を基準時刻に合わせる。
【0023】
上記のように基準時刻送信サーバを利用すると、各受信端末の管理する時刻を同じ基準時刻に合わせることができる。そのため、受信端末間で時刻のずれが生じなくなり、各受信端末の内部状態が異なっていても、各受信端末が基準時刻に合わせた時刻に基づいて動画コンテンツを再生することで、動画コンテンツの同期再生が実現される。しかしながら、基準時刻送信サーバが何らかの原因で正常動作できなくなると、全ての受信端末が映像の再生処理を実行できなくなってしまう。また、上記の方法を実現するには、正確な内部時計を搭載した基準時刻送信サーバを用意する必要がある。
【0024】
上記のように、コンテンツの同期再生を精度良く実現するには解決すべき課題が存在する。本件発明者は、こうした課題を解決する仕組みを考案した。以下、この仕組みについて、具体例を交えながら詳細に説明する。
【0025】
<2:第1実施形態>
本技術の第1実施形態について説明する。
【0026】
[2−1:システム構成例]
まず、図5を参照しながら、本実施形態に係るシステムの構成例について説明する。図5は、本実施形態に係るシステムの構成例について説明するための説明図である。
【0027】
図5に示すように、本実施形態に係るシステムは、ネットワークを介して互いに接続された複数の端末装置10により構成される。但し、端末装置10は、コンテンツを再生する機能を有する。また、端末装置10は、コンテンツを表示する機能を有していてもよいし、コンテンツを表示する表示装置に接続されていてもよい。
【0028】
なお、端末装置10の機能は、例えば、録画再生装置、動画プレーヤ、テレビジョン受像機、パーソナルコンピュータ(以下、PC)、ゲーム機、セットトップボックス、携帯情報端末、携帯電話、音楽プレーヤなどにより実現される。また、端末装置10が再生可能なコンテンツとしては、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)ビデオ、BD(Blu−ray Disc)ビデオ、録画ビデオ、ストリーミング配信コンテンツ、音楽コンテンツ、電子書籍などが考えられる。但し、以下ではBDビデオなどの動画コンテンツを再生可能な動画プレーヤを想定して説明を進めることにする。
【0029】
本実施形態に係るシステムでは、複数の端末装置10がコンテンツの再生経過時間を通知しあう。そして、各端末装置10は、他の端末装置10から通知された再生経過時間に基づいて基準時刻を決定する。そのため、本実施形態に係るシステムにおける基準時刻は自律的に決定される。このように、本実施形態に係るシステムにおいては基準時刻が自律的に決定されるため、基準時刻送信サーバが不要である。また、システム内で自律的に決定された基準時刻に基づいて各端末装置10がコンテンツを再生するため、コンテンツの同期再生が精度良く実現される。
【0030】
(ネットワークの階層化)
なお、再生経過時間の通知に伴うネットワークトラフィックを軽減するため、図6のように、ネットワークを階層的な構造にしてもよい。図6の例では、複数の端末装置10を含むネットワークグループ#1〜#3が形成されている。この場合、ネットワークグループ#1に属する複数の端末装置10は、ネットワークグループ#1内において自律的に基準時刻(基準時刻#1)を決定する。同様に、ネットワークグループ#2に属する複数の端末装置10は、ネットワークグループ#2内において自律的に基準時刻(基準時刻#2)を決定する。また、ネットワークグループ#3に属する複数の端末装置10は、ネットワークグループ#3内において自律的に基準時刻(基準時刻#3)を決定する。
【0031】
そして、基準時刻#1は、ネットワークグループ#1及び#2に属する全ての端末装置10に通知される。同様に、基準時刻#2は、ネットワークグループ#1及び#3に属する全ての端末装置10に通知される。また、基準時刻#3は、ネットワークグループ#2及び#3に属する全ての端末装置10に通知される。その後、各端末装置10は、基準時刻#1〜#3の中から自律的に1つの基準時刻を選択し、選択した基準時刻に基づいて自身の管理する時刻を調整する。このような構成にすると、再生経過時間の通知に伴うネットワークトラフィックを軽減することが可能になる。
【0032】
以上、本実施形態に係るシステムの構成例について説明した。
【0033】
[2−2:端末装置10の構成]
次に、本実施形態に係る端末装置10の構成について、より詳細に説明する。
【0034】
(2−2−1:全体構成)
まず、図7を参照しながら、本実施形態に係る端末装置10の全体構成について説明する。図7は、本実施形態に係る端末装置10の全体構成について説明するための説明図である。図7に示すように、端末装置10は、主に、操作部11と、制御部12と、出力処理部13と、記憶部14と、通信部15とにより構成される。
【0035】
操作部11を用いてユーザによりコンテンツの再生開始操作が行われると、操作部11からコンテンツの再生要求が制御部12に入力される。コンテンツの再生要求が入力されると、制御部12は、コンテンツの再生処理を実行するように出力処理部13の動作を制御する。制御部12よる制御を受け、出力処理部13は、記憶部14からコンテンツを読み出し、読み出したコンテンツの再生処理を実行する。そして、出力処理部13は、コンテンツの映像や音声を表示装置に出力する。
【0036】
また、制御部12は、出力処理部13を制御して再生しているコンテンツの再生経過時間を取得する。コンテンツの再生経過時間を取得すると、制御部12は、通信部15を用いて、取得したコンテンツの再生経過時間(以下、自端末の再生経過時間)を他の端末装置10に送信する。なお、通信部15は、有線又は無線のネットワークを介して他の端末装置10と通信するための通信手段である。また、制御部12は、通信部15を利用して、他の端末装置10が送信したコンテンツの再生経過時間(以下、他端末の再生経過時間)を受信する。
【0037】
他端末の再生経過時間を受信すると、制御部12は、受信した他端末の再生経過時間と自端末の再生経過時間とを比較し、最適な再生経過時間を選択する。なお、複数の他の端末装置10から再生経過時間を受信した場合、制御部12は、受信した複数の他端末の再生経過時間及び自端末の再生経過時間の中から最適な再生経過時間を選択する。最適な再生経過時間を選択すると、制御部12は、選択した再生経過時間と一致するように自端末の再生経過時間を調整する。但し、最適な再生経過時間として、自端末の再生経過時間が選択された場合、制御部12は、再生経過時間の調整を実行しない。
【0038】
再生経過時間の調整結果は、制御部12から出力処理部13に入力される。再生経過時間が調整された場合、出力処理部13は、調整後の再生経過時間と実際の再生経過時間とが一致するようにコンテンツの再生を制御する。このように、端末装置10は、制御部12の機能により、コンテンツの再生経過時間を他の端末装置10が送信した再生経過時間に基づいて調整する。その結果、ネットワークを介して接続された複数の端末装置10によるコンテンツの同期再生が実現される。
【0039】
以上、本実施形態に係る端末装置10の全体構成について説明した。
【0040】
(2−2−2:制御部12の構成)
次に、図8を参照しながら、制御部12の詳細な機能構成について説明する。この中で、最適な再生経過時間の選択方法などについても説明する。図8は、制御部12の詳細な機能構成について説明するための説明図である。
【0041】
図8に示すように、制御部12は、主に、再生制御部121と、再生経過時間取得部122と、再生経過時間送信部123と、他端末情報受信部124と、調整時間算出部125と、再生経過時間調整部126とにより構成される。
【0042】
再生制御部121は、操作部11からコンテンツの再生要求が入力されると、出力処理部13を制御してコンテンツを再生させる。また、再生経過時間取得部122は、再生制御部121からコンテンツの再生経過時間を取得する。再生経過時間取得部122により取得された再生経過時間は、再生経過時間送信部123及び調整時間算出部125に入力される。再生経過時間が入力されると、再生経過時間送信部123は、通信部15を介して全ての他の端末装置10に再生経過時間(自端末の再生経過時間)を送信する。
【0043】
また、他端末情報受信部124は、通信部15を介して、他の端末装置10から送信された再生経過時間(他端末の再生経過時間)を受信する。他端末情報受信部124により受信された他端末の再生経過時間は、調整時間算出部125に入力される。自端末の再生経過時間及び他端末の再生経過時間が入力されると、調整時間算出部125は、入力された複数の再生経過時間の中から所定の条件に基づいて1つの再生経過時間(以下、最適な再生経過時間)を選択する。そして、調整時間算出部125は、自端末の再生経過時間と最適な再生経過時間との差を算出する。なお、この差を調整時間と呼ぶことにする。
【0044】
調整時間算出部125により算出された調整時間は、再生経過時間調整部126に入力される。調整時間が入力されると、再生経過時間調整部126は、入力された調整時間に基づいて再生制御部121により再生制御されているコンテンツの再生経過時間を調整する。例えば、調整時間ΔTが0の場合、再生経過時間調整部126は、再生制御部121により再生制御されているコンテンツの再生経過時間を調整しない。一方、調整時間ΔTがΔT≠0の場合、再生経過時間調整部126は、調整時間ΔTだけ、再生制御部121により再生制御されているコンテンツの再生経過時間を調整する。
【0045】
ところで、最適な再生経過時間を選択する際に用いる所定の条件としては、例えば、図10に示すような条件が考えられる。例えば、コンテンツのコマ落ちが許されないケースの場合、所定の条件は、最も遅延している再生経過時間を最適な再生経過時間として選択するという条件になる。但し、遅延が著しく大きい再生経過時間が最適な再生経過時間として選択されることを防ぐため、予め設定した閾値よりも遅延が少ない再生経過時間の中から最も遅延の大きい再生経過時間を最適な再生経過時間として選択するように条件を設定してもよい。
【0046】
また、コンテンツの尺通りに再生する必要があるケースの場合、所定の条件は、最も進んでいる再生経過時間を最適な再生経過時間として選択するという条件になる。但し、進み度合いが著しく大きい再生経過時間が最適な再生経過時間として選択されることを防ぐため、予め設定した閾値よりも進み度合いが少ない再生経過時間の中から最も進み度合いの大きい再生経過時間を最適な再生経過時間として選択するように条件設定してもよい。
【0047】
さらに、ネットワークトラフィックへの影響などを考慮して同期調整の頻度を抑えたいケースの場合、所定の条件は、再生経過時間の頻度分布から割り出される最大頻度の再生経過時間を最適な再生経過時間として選択するように条件設定してもよい。例えば、図11に示すような頻度分布が得られた場合、頻度が最大となる再生経過時間(176[sec.])が最適な再生経過時間として選択される。なお、ここでは頻度分布を用いて最適な再生経過時間を選択する方法について述べたが、その他の統計的な手法を活用して最適な再生経過時間を選択してもよい。
【0048】
以上、制御部12の詳細な構成について説明した。
【0049】
[2−3:同期処理の流れ]
次に、図9を参照しながら、本実施形態に係る同期処理の流れについて説明する。図9は、本実施形態に係る同期処理の流れについて説明するための説明図である。なお、ここで説明する同期処理は、端末装置10の機能により実現される。
【0050】
図9に示すように、端末装置10は、ユーザによりコンテンツの再生開始が要求されるのを待ち受ける(S101)。コンテンツの再生開始要求を受領すると(S102)、端末装置10は、制御部12(再生制御部121)及び出力処理部13の機能により、コンテンツの再生処理を開始する(S103)。次いで、端末装置10は、コンテンツの再生中か否かを判定する(S103)。コンテンツの再生中である場合、端末装置10は、処理をステップS105に進める。一方、コンテンツの再生中でない場合、端末装置10は、処理をステップS101に進める。
【0051】
処理をステップS105に進めた場合、端末装置10は、制御部12(再生経過時間取得部122)の機能により自端末の再生経過時間MCTを取得し、取得した自端末の再生経過時間MCTを記憶部14に格納する(S105)。次いで、端末装置10は、制御部12(再生経過時間送信部123)及び通信部15の機能により、ステップS105で取得した自端末の再生経過時間MCTを全ての他の端末装置10に送信する(S106)。次いで、端末装置10は、制御部12(他端末情報受信部124)及び通信部15の機能により、他端末の再生経過時間OCTを受信し、受信した他端末の再生経過時間OCTを記憶部14に格納する(S107)。
【0052】
次いで、端末装置10は、制御部12(調整時間算出部125)の機能により、ステップS105及びS107で取得した再生経過時間MCT及びOCTの中から所定の条件(図10及び図11を参照)に基づいて最適な再生経過時間を選択する(S108)。次いで、端末装置10は、ステップS108で選択した再生経過時間が自端末の再生経過時間MCTか否かを判定する(S109)。ステップS108で選択した再生経過時間が自端末の再生経過時間MCTである場合、端末装置10は、処理をステップS104に進める。一方、ステップS108で選択した再生経過時間が他端末の再生経過時間OCTである場合、端末装置10は、処理をステップS110に進める。
【0053】
処理をステップS110に進めた場合、端末装置10は、ステップS108で選択された最適な再生経過時間OCTを自端末の再生経過時間MCTに設定し(S110)、処理をステップS104に進める。このとき、端末装置10は、制御部12(調整時間算出部125)の機能により最適な再生経過時間と自端末の再生経過時間MCTとの差分である調整時間を算出する。さらに、端末装置10は、制御部12(再生経過時間調整部126)の機能により、上記の調整時間に基づいて自端末の再生経過時間MCTを調整する。
【0054】
以上、本実施形態に係る同期処理の流れについて説明した。
【0055】
[2−4:変形例#1(3D表示)]
ここで、図12を参照しながら、本実施形態の一変形例(変形例#1)について説明する。本変形例は、2台の端末装置10を利用してコンテンツの3D表示を実現する仕組みに関する。図12は、本実施形態の一変形例(変形例#1)について説明するための説明図である。
【0056】
図12に示すように、本変形例に係るコンテンツの3D表示は、2台の端末装置10(#1及び#2)及び2台の表示装置#1及び#2を利用することで実現される。表示装置#1及び#2は、スクリーンに映像を投影することが可能なプロジェクタである。また、表示装置#1は、端末装置10(#1)に接続されている。そして、表示装置#2は、端末装置10(#2)に接続されている。また、端末装置10(#1)は、表示装置#1に左眼画像を入力し、スクリーンに左眼画像を投影させる。同様に、端末装置10(#2)は、表示装置#2に右眼画像を入力し、スクリーンに右眼画像を投影させる。
【0057】
2台の端末装置10(#1及び#2)は、本実施形態に係る同期処理の流れに従って再生経過時間を同期させ、左眼画像と右眼画像とを同期再生する。なお、2台の表示装置#1及び#2は、それぞれ単体で3D表示に対応したプロジェクタである必要がない。また、2台の端末装置10(#1及び#2)が有する再生機能は、それぞれ単体で3D表示に対応している必要がない。つまり、2台の端末装置10(#1及び#2)及び2台の表示装置#1及び#2は、3D専用の機器でなくてもよい。しかし、2台の端末装置10(#1及び#2)により左眼画像と右眼画像とが同期再生されるため、スクリーン上では3D表示が実現される。
【0058】
以上、本実施形態の一変形例について説明した。この仕組みを用いると、3D表示が可能な専用の再生装置や表示装置を用いずとも3D表示を実現することが可能になる。
【0059】
[2−5:変形例#2(パノラマ表示)]
次に、図13を参照しながら、本実施形態の他の一変形例(変形例#2)について説明する。本変形例は、複数台(図13の例では3台)の端末装置10を利用してコンテンツのパノラマ表示を実現する仕組みに関する。図13は、本実施形態の他の一変形例(変形例#2)について説明するための説明図である。
【0060】
図13に示すように、本変形例に係るコンテンツのパノラマ表示は、複数台の端末装置10(#1〜#3)及び複数台の表示装置#1〜#3を利用することで実現される。複数台の端末装置10(#1〜#3)は、ネットワークで接続されており、本実施形態に係る同期処理の流れに従ってコンテンツの同期再生を実行する機能を有する。パノラマ表示は、表示したいコンテンツの映像を分割し、分割された映像のそれぞれを端末装置10(#1〜#3)で同期再生することにより実現される。例えば、3台の端末装置10(#1〜#3)を用いると、図12に示すように、表示装置#1〜#3にそれぞれ分割映像が表示され、全体としてパノラマ映像の表示が実現される。
【0061】
なお、端末装置10(#1〜#3)は、それぞれパノラマ映像の表示に対応する専用の機器である必要がない。同様に、表示装置#1〜#3は、それぞれパノラマ映像の表示に対応する専用の機器である必要がない。つまり、パノラマ表示に対応する専用の機器を用いずとも、本実施形態に係る同期処理の仕組みを用いることで、パノラマ映像の表示を実現することが可能になる。
【0062】
以上、本実施形態の一変形例について説明した。この仕組みを用いると、パノラマ表示が可能な専用の再生装置や表示装置を用いずともパノラマ表示を実現することが可能になる。
【0063】
<3:第2実施形態>
次に、本技術の第2実施形態について説明する。上記の第1実施形態は、複数の端末装置10によるコンテンツの同期再生を実現する仕組みに関するものであった。本実施形態は、図14に示すように、1台の端末装置20により複数の表示装置#1及び#2に複数のコンテンツを同期再生する仕組みに関する。
【0064】
また、本実施形態に係る仕組みは、図15に示すように、1台の端末装置20により、複数の表示領域#1及び#2に複数のコンテンツを同期再生する仕組みに適用することもできる。この仕組みは、例えば、表示領域#1にスポーツの試合映像を表示し、表示領域#1の表示内容に関連する情報を表示領域#2に表示する仕組みに適用することができる。特に、表示領域#1に表示される表示内容の変化に対して表示領域#2に表示される情報の変化をリアルタイムに追従させる仕組みへの応用が考えられる。
【0065】
また、本実施形態に係る仕組みは、図16に示すように、1つの表示領域内に他の表示領域を表示するウィンドウ表示に適用することもできる。図16の例では、表示領域#1の内部に、表示領域#2及び#3が表示されている。特に、表示領域#1に表示される表示内容の変化に対して表示領域#2及び#3に表示される情報の変化をリアルタイムに追従させる仕組みへの応用が考えられる。さらに、本実施形態に係る仕組みは、図17に示すように、複数の表示画面#1及び#2を有する機器において、表示画面#1に表示される情報の変化と表示画面#2に表示される情報の変化とをリアルタイムに追従させる仕組みへの応用も考えられる。
【0066】
このように、本実施形態は、1台の端末装置10において複数のコンテンツを同期再生させる仕組みに関する。以下では、図14に示したシステム構成例を念頭において説明を進める。もちろん、以下で説明する仕組みは、図15〜図17に示したシステム構成例に対しても適用することができる。
【0067】
[3−1:端末装置20の構成]
以下、本実施形態に係る端末装置20の構成について説明する。
【0068】
(3−1−1:全体構成)
まず、図18を参照しながら、本実施形態に係る端末装置20の全体構成について説明する。図18は、本実施形態に係る端末装置20の全体構成について説明するための説明図である。図18に示すように、端末装置20は、主に、操作部21と、制御部22と、出力処理部23と、記憶部24とにより構成される。
【0069】
操作部21を用いてユーザによりコンテンツの再生開始操作が行われると、操作部21からコンテンツの再生要求が制御部22に入力される。コンテンツの再生要求が入力されると、制御部22は、コンテンツの再生処理を実行するように出力処理部23の動作を制御する。制御部22よる制御を受け、出力処理部23は、記憶部24からコンテンツを読み出し、読み出したコンテンツの再生処理を実行する。そして、出力処理部23は、コンテンツの映像や音声を表示装置に出力する。なお、端末装置20には複数の表示装置#1及び#2が接続されており、同期再生すべきコンテンツが表示される。
【0070】
また、制御部22は、出力処理部23を制御して再生している各コンテンツの再生経過時間を取得する。再生経過時間を取得すると、制御部22は、複数の再生経過時間を比較し、最適な再生経過時間を選択する。最適な再生経過時間を選択すると、制御部22は、選択した再生経過時間と一致するように全ての再生経過時間を調整する。
【0071】
再生経過時間の調整結果は、制御部22から出力処理部23に入力される。再生経過時間が調整された場合、出力処理部23は、調整後の再生経過時間と実際の再生経過時間とが一致するようにコンテンツの再生を制御する。このように、端末装置20は、制御部22の機能により、全てのコンテンツの再生経過時間が最適な再生経過時間と一致するように調整する。その結果、複数の表示装置#1及び#2に表示されるコンテンツの同期再生が実現される。
【0072】
以上、本実施形態に係る端末装置20の全体構成について説明した。
【0073】
(3−1−2:制御部22の構成)
次に、図19を参照しながら、制御部22の詳細な機能構成について説明する。この中で、最適な再生経過時間の選択方法などについても説明する。図19は、制御部22の詳細な機能構成について説明するための説明図である。
【0074】
図19に示すように、制御部22は、主に、再生制御部221と、再生経過時間取得部222と、調整時間算出部223と、再生経過時間調整部224とにより構成される。
【0075】
再生制御部221は、操作部21からコンテンツの再生要求が入力されると、出力処理部23を制御してコンテンツを再生させる。また、再生経過時間取得部222は、再生制御部221からコンテンツの再生経過時間を取得する。再生経過時間取得部222により取得された再生経過時間は、調整時間算出部223に入力される。
【0076】
再生経過時間が入力されると、調整時間算出部223は、入力された複数の再生経過時間の中から所定の条件に基づいて1つの再生経過時間(以下、最適な再生経過時間)を選択する。そして、調整時間算出部223は、各コンテンツの再生経過時間と最適な再生経過時間との差を算出する。なお、この差を調整時間と呼ぶことにする。調整時間算出部223により算出された調整時間は、再生経過時間調整部224に入力される。調整時間が入力されると、再生経過時間調整部224は、入力された調整時間に基づいて再生制御部221により再生制御されているコンテンツの再生経過時間を調整する。
【0077】
ところで、最適な再生経過時間を選択する際に用いる所定の条件としては、例えば、上記の第1実施形態と同様に、図10に示すような条件が考えられる。例えば、コンテンツのコマ落ちが許されないケースの場合、所定の条件は、最も遅延している再生経過時間を最適な再生経過時間として選択するという条件になる。但し、遅延が著しく大きい再生経過時間が最適な再生経過時間として選択されることを防ぐため、予め設定した閾値よりも遅延が少ない再生経過時間の中から最も遅延の大きい再生経過時間を最適な再生経過時間として選択するように条件を設定してもよい。
【0078】
また、コンテンツの尺通りに再生する必要があるケースの場合、所定の条件は、最も進んでいる再生経過時間を最適な再生経過時間として選択するという条件になる。但し、進み度合いが著しく大きい再生経過時間が最適な再生経過時間として選択されることを防ぐため、予め設定した閾値よりも進み度合いが少ない再生経過時間の中から最も進み度合いの大きい再生経過時間を最適な再生経過時間として選択するように条件設定してもよい。
【0079】
さらに、ネットワークトラフィックへの影響などを考慮して同期調整の頻度を抑えたいケースの場合、所定の条件は、再生経過時間の頻度分布から割り出される最大頻度の再生経過時間を最適な再生経過時間として選択するように条件設定してもよい。図11の例では縦軸が端末数になっているが、本実施形態の場合、縦軸はコンテンツ数になる。なお、ここでは頻度分布を用いて最適な再生経過時間を選択する方法について述べたが、その他の統計的な手法を活用して最適な再生経過時間を選択してもよい。
【0080】
以上、制御部22の詳細な構成について説明した。
【0081】
[3−2:同期処理の流れ]
次に、図20を参照しながら、本実施形態に係る同期処理の流れについて説明する。図20は、本実施形態に係る同期処理の流れについて説明するための説明図である。なお、ここで説明する同期処理は、端末装置20の機能により実現される。
【0082】
図20に示すように、端末装置20は、ユーザによりコンテンツの再生開始が要求されるのを待ち受ける(S201)。コンテンツの再生開始要求を受領すると(S202)、端末装置20は、制御部22(再生制御部221)及び出力処理部23の機能により、コンテンツの再生処理を開始する(S203)。次いで、端末装置20は、コンテンツの再生中か否かを判定する(S203)。コンテンツの再生中である場合、端末装置20は、処理をステップS205に進める。一方、コンテンツの再生中でない場合、端末装置20は、処理をステップS201に進める。
【0083】
処理をステップS205に進めた場合、端末装置20は、制御部22(再生経過時間取得部222)の機能により第k番目(k=1〜N;Nは再生中のコンテンツ数)のコンテンツの再生経過時間CTを取得し、取得した再生経過時間CTを記憶部24に格納する(S205)。次いで、端末装置20は、制御部22(調整時間算出部223)の機能により、ステップS205で取得した再生経過時間CT(k=1〜N)の中から所定の条件(図10及び図11を参照)に基づいて最適な再生経過時間を選択し(S206)、処理をステップS207に進める。
【0084】
処理をステップS207に進めた場合、端末装置20は、ステップS206で選択された最適な再生経過時間を再生経過時間CT(k=1〜N)に設定し(S207)、処理をステップS204に進める。このとき、端末装置20は、制御部22(調整時間算出部223)の機能により最適な再生経過時間と再生経過時間CT(k=1〜N)との差分である調整時間を算出する。さらに、端末装置20は、制御部22(再生経過時間調整部224)の機能により、上記の調整時間に基づいて再生経過時間CT(k=1〜N)を調整する。
【0085】
以上、本実施形態に係る同期処理の流れについて説明した。
【0086】
<4:ハードウェア構成例>
上記の端末装置10、20が有する各構成要素の機能は、例えば、図21に示すハードウェア構成を用いて実現することが可能である。つまり、当該各構成要素の機能は、コンピュータプログラムを用いて図21に示すハードウェアを制御することにより実現される。なお、このハードウェアの形態は任意であり、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PHS、PDA等の携帯情報端末、ゲーム機、又は種々の情報家電がこれに含まれる。但し、上記のPHSは、Personal Handy−phone Systemの略である。また、上記のPDAは、Personal Digital Assistantの略である。
【0087】
図21に示すように、このハードウェアは、主に、CPU902と、ROM904と、RAM906と、ホストバス908と、ブリッジ910と、を有する。さらに、このハードウェアは、外部バス912と、インターフェース914と、入力部916と、出力部918と、記憶部920と、ドライブ922と、接続ポート924と、通信部926と、を有する。但し、上記のCPUは、Central Processing Unitの略である。また、上記のROMは、Read Only Memoryの略である。そして、上記のRAMは、Random Access Memoryの略である。
【0088】
CPU902は、例えば、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM904、RAM906、記憶部920、又はリムーバブル記録媒体928に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。ROM904は、CPU902に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する手段である。RAM906には、例えば、CPU902に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等が一時的又は永続的に格納される。
【0089】
これらの構成要素は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス908を介して相互に接続される。一方、ホストバス908は、例えば、ブリッジ910を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス912に接続される。また、入力部916としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、及びレバー等が用いられる。さらに、入力部916としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラ(以下、リモコン)が用いられることもある。
【0090】
出力部918としては、例えば、CRT、LCD、PDP、又はELD等のディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホン等のオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、又はファクシミリ等、取得した情報を利用者に対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置である。但し、上記のCRTは、Cathode Ray Tubeの略である。また、上記のLCDは、Liquid Crystal Displayの略である。そして、上記のPDPは、Plasma DisplayPanelの略である。さらに、上記のELDは、Electro−Luminescence Displayの略である。
【0091】
記憶部920は、各種のデータを格納するための装置である。記憶部920としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等が用いられる。但し、上記のHDDは、Hard Disk Driveの略である。
【0092】
ドライブ922は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体928に記録された情報を読み出し、又はリムーバブル記録媒体928に情報を書き込む装置である。リムーバブル記録媒体928は、例えば、DVDメディア、Blu−rayメディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディア等である。もちろん、リムーバブル記録媒体928は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード、又は電子機器等であってもよい。但し、上記のICは、Integrated Circuitの略である。
【0093】
接続ポート924は、例えば、USBポート、IEEE1394ポート、SCSI、RS−232Cポート、又は光オーディオ端子等のような外部接続機器930を接続するためのポートである。外部接続機器930は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、又はICレコーダ等である。但し、上記のUSBは、Universal Serial Busの略である。また、上記のSCSIは、Small Computer System Interfaceの略である。
【0094】
通信部926は、ネットワーク932に接続するための通信デバイスであり、例えば、有線又は無線LAN、Bluetooth(登録商標)、又はWUSB用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL用のルータ、又は各種通信用のモデム等である。また、通信部926に接続されるネットワーク932は、有線又は無線により接続されたネットワークにより構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、可視光通信、放送、又は衛星通信等である。但し、上記のLANは、Local Area Networkの略である。また、上記のWUSBは、Wireless USBの略である。そして、上記のADSLは、Asymmetric Digital Subscriber Lineの略である。
【0095】
<5:まとめ>
最後に、本実施形態の技術的思想について簡単に纏める。以下に記載する技術的思想は、例えば、PC、携帯電話、携帯ゲーム機、携帯情報端末、情報家電、カーナビゲーションシステム、録画再生装置、動画プレーヤ、テレビジョン受像機、セットトップボックス等、種々の情報処理装置に対して適用することができる。とりわけ、これら情報処理装置に含まれる再生制御装置に対して適用可能である。
【0096】
上記の再生制御装置の機能構成は下記のように表現することができる。例えば、下記(1)のような構成にすると、複数のコンテンツをより正確に同期再生することが可能になる。1つの表示画面に複数の表示領域を設け、各表示領域に同期再生すべきコンテンツを表示する場合、ある表示領域に表示されるコンテンツの再生経過時間と他の全ての表示領域に表示されるコンテンツの再生経過時間とが一致するように調整される。また、複数の表示画面にそれぞれコンテンツを表示する場合、ある表示画面に表示されるコンテンツの再生経過時間と他の全ての表示領域に表示されるコンテンツの再生経過時間とが一致するように調整される。その結果、コンテンツの同期再生が実現される。
(1)
再生されている複数のコンテンツの再生経過時間を取得する経過時間取得部と、
前記経過時間取得部により取得された再生経過時間の中から1つの再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を基準経過時間に設定する経過時間選択部と、
所定の前記コンテンツの再生経過時間が前記基準経過時間に一致するように、当該所定のコンテンツの再生経過時間を調整する経過時間調整部と、
を備える、
再生制御装置。
(2)
前記経過時間取得部は、他装置から前記コンテンツの再生経過時間を取得し、
前記再生制御装置は、
コンテンツを再生するコンテンツ再生部と、
前記コンテンツ再生部により再生されているコンテンツの再生経過時間を前記他装置に提供する経過時間提供部と、
をさらに備え、
前記所定のコンテンツは、前記コンテンツ再生部により再生されているコンテンツである、
上記(1)に記載の再生制御装置。
(3)
前記経過時間選択部は、前記経過時間取得部により取得された再生経過時間の中から最も遅い再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を前記基準経過時間に設定する、
上記(1)又は(2)に記載の再生制御装置。
(4)
前記経過時間選択部は、前記経過時間取得部により取得された再生経過時間の中から最も早い再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を前記基準経過時間に設定する、
上記(1)又は(2)に記載の再生制御装置。
(5)
前記経過時間選択部は、前記経過時間取得部により取得された再生経過時間の頻度分布に基づいて最も頻度の高い再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を前記基準経過時間に設定する、
上記(1)又は(2)に記載の再生制御装置。
(6)
前記コンテンツ再生部は、左眼用画像又は右眼用画像を再生し、
前記他装置は、前記左眼用画像又は前記右眼用画像のうち、前記コンテンツ再生部により再生される画像と異なる画像を再生する、
上記(2)に記載の再生制御装置。
(7)
1枚の画像を分割して得られるN枚(N≧2)の分割画像が(N−1)台の前記他装置と前記再生制御装置とにより再生される、
上記(2)に記載の再生制御装置。
(8)
前記再生制御装置と少なくとも1台の前記他装置とを含む第1のグループと、複数の前記他装置を含む第2のグループとが設定されており、
前記経過時間取得部は、前記第1のグループに属する前記他装置から再生経過時間を取得すると共に、前記第2のグループに関する基準経過時間を取得し、
前記経過時間選択部は、前記経過時間取得部により取得された再生経過時間の中から1つの再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を前記第1のグループに関する基準経過時間に設定すると共に、前記第1のグループに関する基準経過時間及び前記第2のグループに関する基準経過時間の中から1つの基準経過時間を選択し、
前記経過時間調整部は、所定の前記コンテンツの再生経過時間が前記経過時間選択部により選択された基準経過時間に一致するように、当該所定のコンテンツの再生経過時間を調整し、
前記経過時間提供部は、前記第1のグループに関する基準経過時間を前記第2のグループに属する他装置に提供する、
上記(2)に記載の再生制御装置。
(9)
再生されている複数のコンテンツの再生経過時間を取得するステップと、
取得された再生経過時間の中から1つの再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を基準経過時間に設定するステップと、
所定の前記コンテンツの再生経過時間が前記基準経過時間に一致するように、当該所定のコンテンツの再生経過時間を調整するステップと、
を含む、
同期再生方法。
(10)
再生されている複数のコンテンツの再生経過時間を取得する経過時間取得機能と、
前記経過時間取得機能により取得された再生経過時間の中から1つの再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を基準経過時間に設定する経過時間選択機能と、
所定の前記コンテンツの再生経過時間が前記基準経過時間に一致するように、当該所定のコンテンツの再生経過時間を調整する経過時間調整機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【0097】
(備考)
上記の再生経過時間取得部122は、経過時間取得部の一例である。上記の調整時間算出部125は、経過時間選択部の一例である。上記の再生経過時間調整部126は、経過時間調整部の一例である。上記の再生制御部121は、コンテンツ再生部の一例である。上記の再生経過時間送信部123は、経過時間提供部の一例である。
【0098】
以上、添付図面を参照しながら本技術に係る好適な実施形態について説明したが、本技術はここで開示した構成例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本技術の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0099】
10 端末装置
11 操作部
12 制御部
121 再生制御部
122 再生経過時間取得部
123 再生経過時間送信部
124 他端末情報受信部
125 調整時間算出部
126 再生経過時間調整部
13 出力処理部
14 記憶部
15 通信部
20 端末装置
21 操作部
22 制御部
221 再生制御部
222 再生経過時間取得部
223 調整時間算出部
224 再生経過時間調整部
23 出力処理部
24 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生されている複数のコンテンツの再生経過時間を取得する経過時間取得部と、
前記経過時間取得部により取得された再生経過時間の中から1つの再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を基準経過時間に設定する経過時間選択部と、
所定の前記コンテンツの再生経過時間が前記基準経過時間に一致するように、当該所定のコンテンツの再生経過時間を調整する経過時間調整部と、
を備える、
再生制御装置。
【請求項2】
前記経過時間取得部は、他装置から前記コンテンツの再生経過時間を取得し、
前記再生制御装置は、
コンテンツを再生するコンテンツ再生部と、
前記コンテンツ再生部により再生されているコンテンツの再生経過時間を前記他装置に提供する経過時間提供部と、
をさらに備え、
前記所定のコンテンツは、前記コンテンツ再生部により再生されているコンテンツである、
請求項1に記載の再生制御装置。
【請求項3】
前記経過時間選択部は、前記経過時間取得部により取得された再生経過時間の中から最も遅い再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を前記基準経過時間に設定する、
請求項1に記載の再生制御装置。
【請求項4】
前記経過時間選択部は、前記経過時間取得部により取得された再生経過時間の中から最も早い再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を前記基準経過時間に設定する、
請求項1に記載の再生制御装置。
【請求項5】
前記経過時間選択部は、前記経過時間取得部により取得された再生経過時間の頻度分布に基づいて最も頻度の高い再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を前記基準経過時間に設定する、
請求項1に記載の再生制御装置。
【請求項6】
前記コンテンツ再生部は、左眼用画像又は右眼用画像を再生し、
前記他装置は、前記左眼用画像又は前記右眼用画像のうち、前記コンテンツ再生部により再生される画像と異なる画像を再生する、
請求項2に記載の再生制御装置。
【請求項7】
1枚の画像を分割して得られるN枚(N≧2)の分割画像が(N−1)台の前記他装置と前記再生制御装置とにより再生される、
請求項2に記載の再生制御装置。
【請求項8】
前記再生制御装置と少なくとも1台の前記他装置とを含む第1のグループと、複数の前記他装置を含む第2のグループとが設定されており、
前記経過時間取得部は、前記第1のグループに属する前記他装置から再生経過時間を取得すると共に、前記第2のグループに関する基準経過時間を取得し、
前記経過時間選択部は、前記経過時間取得部により取得された再生経過時間の中から1つの再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を前記第1のグループに関する基準経過時間に設定すると共に、前記第1のグループに関する基準経過時間及び前記第2のグループに関する基準経過時間の中から1つの基準経過時間を選択し、
前記経過時間調整部は、所定の前記コンテンツの再生経過時間が前記経過時間選択部により選択された基準経過時間に一致するように、当該所定のコンテンツの再生経過時間を調整し、
前記経過時間提供部は、前記第1のグループに関する基準経過時間を前記第2のグループに属する他装置に提供する、
請求項2に記載の再生制御装置。
【請求項9】
再生されている複数のコンテンツの再生経過時間を取得するステップと、
取得された再生経過時間の中から1つの再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を基準経過時間に設定するステップと、
所定の前記コンテンツの再生経過時間が前記基準経過時間に一致するように、当該所定のコンテンツの再生経過時間を調整するステップと、
を含む、
同期再生方法。
【請求項10】
再生されている複数のコンテンツの再生経過時間を取得する経過時間取得機能と、
前記経過時間取得機能により取得された再生経過時間の中から1つの再生経過時間を選択し、選択した再生経過時間を基準経過時間に設定する経過時間選択機能と、
所定の前記コンテンツの再生経過時間が前記基準経過時間に一致するように、当該所定のコンテンツの再生経過時間を調整する経過時間調整機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−5029(P2013−5029A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131264(P2011−131264)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】