再生制御装置及び再生制御方法
【課題】ユーザの所望する機能を利用可能なコンテンツを表示装置に再生させることを可能とする。
【解決手段】再生制御装置は、ネットワークに接続された記憶装置に記憶された、内容が夫々対応し、利用可能な機能が夫々異なる複数のコンテンツデータ毎のアドレスと、複数のコンテンツデータ毎に利用可能な機能に関する第1の機能情報を受信する第1受信手段と、機能のうち外部装置が対応する機能に関する第2機能情報を受信する第2受信手段と、機能のうち、コンテンツデータを再生する場合に利用する機能を選択する選択手段と、受信された第1及び第2機能情報に基づいて、前記複数のコンテンツデータのうち、前記選択された前記機能を前記外部装置で利用可能となる1以上のコンテンツデータが1以上存在するかどうかを判断し、存在する場合、そのアドレスを前記外部表示装置に送信する送信手段とを備える。
【解決手段】再生制御装置は、ネットワークに接続された記憶装置に記憶された、内容が夫々対応し、利用可能な機能が夫々異なる複数のコンテンツデータ毎のアドレスと、複数のコンテンツデータ毎に利用可能な機能に関する第1の機能情報を受信する第1受信手段と、機能のうち外部装置が対応する機能に関する第2機能情報を受信する第2受信手段と、機能のうち、コンテンツデータを再生する場合に利用する機能を選択する選択手段と、受信された第1及び第2機能情報に基づいて、前記複数のコンテンツデータのうち、前記選択された前記機能を前記外部装置で利用可能となる1以上のコンテンツデータが1以上存在するかどうかを判断し、存在する場合、そのアドレスを前記外部表示装置に送信する送信手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、再生制御装置及び再生制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭内のコンピュータやデジタルテレビ、ハードディスクレコーダ等の電子機器をローカルエリアネットワークにより相互に接続し、映像や画像等のコンテンツを共有する技術がある。これらの電子機器を相互接続して動作させるための仕様として、例えばUPnPが用いられる。ここでデジタルテレビ等の表示装置は、当該UPnPのプロトコルを用いて、レコーダ等の記憶装置が記憶するコンテンツのURIを指定した要求を送信する。そして表示装置は記憶装置から送信されるコンテンツを取得・再生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−189827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、記憶装置は、コンテンツ内容は対応し利用可能な機能は異なる複数のコンテンツを記憶している場合がある。このような場合において表示装置にコンテンツを再生させる場合には、ユーザの所望する機能を利用可能なコンテンツを再生させることが好ましい。
【0005】
そこで本発明の実施形態は、ユーザの所望する機能を利用可能なコンテンツを表示装置に再生させることを可能とする再生制御装置および再生制御方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本実施形態の再生制御装置は、ネットワークに接続された記憶装置に記憶された、内容が夫々対応し、利用可能な機能が夫々異なる複数のコンテンツデータ毎のアドレスと、複数のコンテンツデータ毎に利用可能な機能に関する第1の機能情報を受信する第1受信手段と、機能のうち外部装置が対応する機能に関する第2機能情報を受信する第2受信手段と、機能のうち、コンテンツデータを再生する場合に利用する機能を選択する選択手段と、受信された第1及び第2機能情報に基づいて、前記複数のコンテンツデータのうち、前記選択された前記機能を前記外部装置で利用可能となる1以上のコンテンツデータが1以上存在するかどうかを判断し、存在する場合、そのアドレスを前記外部表示装置に送信する送信手段とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態の再生制御装置の利用形態例を示す図。
【図2】第1実施形態の再生制御装置のシステム構成例を示す図。
【図3】第1実施形態の再生制御装置と他の装置に係る処理シーケンス例を示す図。
【図4】第1実施形態の再生制御装置が取得するコンテンツリスト例を示す図。
【図5】第1実施形態の再生制御装置が取得する、表示装置の対応機能情報例を示す図。
【図6】第1実施形態の再生制御装置が表示する画面例を示す図。
【図7】第1実施形態の再生制御装置によるコンテンツ選択に関する図。
【図8】第2実施形態の再生制御装置のシステム構成例を示す図。
【図9】第2実施形態の再生制御装置が取得するコンテンツリスト例を示す図。
【図10】第2実施形態の再生制御装置が取得する、表示装置のデコード能力情報例を示す図。
【図11】第2実施形態の再生制御装置が表示する設定画面例を示す図。
【図12】第2実施形態の再生制御装置と他の装置に係る処理シーケンス例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、図1乃至図7を参照して第1実施形態を説明する。
【0009】
図1は本実施形態に係る再生制御装置の利用形態例を示す図である。本実施形態に係る再生制御装置は例えばDMC200として実現されている。そして、DMC200、DMS100及びDMR300はネットワークにより夫々接続されている。
【0010】
ここで、DMS100、DMC200及びDMR300は、ネットワーク上の各デバイスの存在を認識して互いの機能を制御するためのUPnP機能を有し、さらにUPnP機能を利用することにより、例えばDLNA(Digital Living Network Alliance)のガイドラインで規定されたホームネットワークデバイスとして機能する。
【0011】
DMS100は、コンテンツを記憶する記憶装置であり、記憶しているコンテンツのURIやコンテンツ名等のコンテンツ情報を、UPnPのCDS(Content Directory Service)を用いることによりネットワークに公開し、当該コンテンツ情報をDMC200が取得できるようにする。そしてDMS100はDMR300からのコンテンツ要求(HTTP GET)を受けて、指定されたコンテンツをDMR300に提供する。
【0012】
DMC200は、例えばテレビ装置やコンピュータ等の、ユーザからの操作を受けることが可能な装置であり、ユーザ操作等に応じてDMS100及びDMR300等のデバイスを制御する。そしてDMC200は、DMS100からCDSにより公開されたコンテンツ情報を、例えばBrowseアクションによって取得し、コンテンツのURIを取得する。またDMC200は、取得したコンテンツのURIを、DMR300が実装するUPnPのAVT(Audio/Visual Transport service)のSetAVTransportURIアクションにより、再生対象のコンテンツのURIとしてDMR300に設定させる。なお、DMS100は、内容が同じコンテンツについて、メディアフォーマットや再生時に利用可能な機能(シーク可/不可、シークを用いた早送り/巻き戻しの再生速度等)が異なる複数コンテンツを有している場合がある。この場合にDMC200は、当該複数コンテンツ夫々のURIをDMRに送信する。なおシークとは再生位置を所定の位置に移動させる処理を指し、早送りや巻き戻しを実施する際に用いられる。即ち、シークとは例えば再生位置を所定位置にジャンプ(移動)させる処理であり、例えば映像データを再生中に当該映像の現在の再生位置を一定時間後/前にジャンプさせることを連続的に行うことにより早送り/巻き戻しを実行できる。
【0013】
DMR300は、テレビやモニタ等の表示装置である。DMR300は、表示装置再生対象のコンテンツのURIをDMC200により設定された後、続いてDMC200からAVTのうちPlayアクションを受信すると、設定されたURIに対してコンテンツ要求を送信する。そして当該コンテンツ要求に応じてDMS100から送信されたコンテンツを受信すると、当該コンテンツを再生・表示する。なおDMR300は、DMC200から、夫々内容が対応する複数コンテンツのアドレスを受けた場合、当該複数コンテンツのうちDMR300の実装(例えば、高解像度を優先する等)に応じたコンテンツを選択して当該コンテンツの要求を行う。
【0014】
そして、本実施形態のDMC200は、DMR300が対応する機能情報(再生可能なメディアフォーマット、対応するシーク方法、シーク方法毎に利用可能な早送り/巻き戻し再生速度、受付可能な操作、等)を取得する。ここでDMC200は、DMR300から送信される、CMS.SinkProtocolInfoや、AVTのServiceDescriptionに含まれるTranspotPlaySpeed等から機能情報を取得する。なおCMS.SinkProtocolInfoは、CMS.GetProtocolInfoのコマンドを送信することにより取得できる。またDMC200は、DMR300がコンテンツを再生している場合に当該DMR300にAVT.GetCurrentTranspotActionコマンドを送信し、当該コマンドに応答してDMR300から送信される情報(対応するシーク方法及びシーク方法毎に対応する早送り/巻き戻し再生速度を含む)を受信することでも、DMR300の機能情報を取得できる。
【0015】
またDMC200は、ユーザがコンテンツ再生の場合に所望する機能についての嗜好情報の入力を受けることができる。そしてDMC200は、DMR300にコンテンツの再生を指示する場合であって、当該コンテンツに、メディアフォーマットや対応する機能(シーク可/不可、シーク方式毎に利用可能な早送り/巻き戻しの再生速度等)が異なる複数コンテンツがある場合、当該複数コンテンツの中からユーザの嗜好情報に応じた1以上のコンテンツを選択(絞込み)する。そしてDMC200は、当該選択したコンテンツを再生対象としてDMR300に設定させる。
【0016】
図2はDMS100、DMC200及びDMR300のシステム構成例を示す図である。
【0017】
DMS100は、記憶部101、制御部102、通信部103等を備える。
【0018】
記憶部101は、ビデオコンテンツや写真コンテンツ等のコンテンツデータを記憶する。なお記憶部101は、同一のコンテンツに対応する複数のコンテンツデータを記憶する。ここで複数のコンテンツデータとは、例えば同一放送番組の映像コンテンツデータであって、夫々メディアフォーマットや画質、対応する機能等が異なるものを指す。なお対応する機能とは、例えば再生中のシーク操作や当該シーク操作において利用可能な再生速度等を指す。
【0019】
制御部102は、記憶部101に記憶されたコンテンツデータの夫々に対してアドレスを付与し、コンテンツデータのメディアフォーマット、解像度、ファイルサイズ、及び対応機能(対応するシーク方法(方式)、シーク方式毎に対応する再生速度等)とアドレスとコンテンツ名とを対応付けたリストを生成する。そして制御部102は、当該リストを上述したUPnPのCDSを用いて通信部103からネットワークに公開する。また制御部102は、DMR300から通信部103にコンテンツのアドレスを指定したコンテンツ要求を受けると、当該アドレスに対応するコンテンツデータをDMR300に送信する。
【0020】
DMC200は、操作受付部201、制御部202、通信部203、表示部204等を備える。
【0021】
操作受付部201は、例えばリモートコントローラ、マウス等のポインティングデバイス、DMC200の本体筐体に設けられた操作パネル等に対するユーザ操作入力を受け付ける。ここで操作受付部201が受け付ける操作入力の例としては、例えばコンテンツ再生の際にユーザが所望する機能を指定する操作入力や、再生させるコンテンツを選択する操作入力等が挙げられる。
【0022】
制御部202は、DMC200の各構成を制御する。ここで制御部202は、通信部203を用いて、DMS100が公開するリストを取得する。即ちDMC200は、DMS100が記憶するコンテンツデータ夫々についてのコンテンツ名、アドレス、メディアフォーマット、解像度、ファイルサイズ、対応機能(対応するシーク方法、シーク時の再生速度等)を受信する。なおDMS100が記憶するコンテンツデータは、上述したように、同一の内容のコンテンツに対して、メディアフォーマット、解像度、ファイルサイズ、対応機能のうち少なくとも1つが異なる複数のコンテンツデータが対応付けられている。即ち、同一のコンテンツ名のコンテンツについて、複数種類のコンテンツデータが存在している。
【0023】
また制御部202ユーザが所望する機能を設定する設定画面を生成する機能を有する。そして制御部202は当該画面を表示部204に表示させ、当該画面に対する操作入力に応じてユーザ嗜好情報を設定する。また制御部202は、再生コンテンツを選択するための選択画面を生成し、当該画面に対する操作入力に応じて、通信部203を用いてDMR300にコンテンツ再生指示を送信する。
【0024】
DMR300は、通信部301、制御部302、映像処理部303、表示部304等を備える。
【0025】
通信部301は、ネットワークを経由して送信された各種コマンドやコンテンツデータを受信する。
【0026】
制御部302は、通信部301が受信したコマンドに応じた処理を実行する。即ち制御部302は、通信部301がDMC200からコンテンツのアドレスと再生指示を受けると、通信部301を用いて当該アドレスにコンテンツ要求を送信する。そして通信部301がコンテンツデータを受信すると、制御部302は当該コンテンツデータを映像処理部303に出力する。また制御部302は、DMC200からシークを指示するコマンドを受けると、当該シークコマンドに応じて映像再生スピードを制御する。また制御部302は、DMC200からズーム表示を指示するコマンドを受けると、当該コマンドに応じて映像の表示エリアと解像度を制御し、制御した映像を表示部304に表示させる。
【0027】
また制御部302は、上述したCMS.SinkProtocolInfo、AVT.ServiceDescription、及びAVT.GetCurrentTranspotActionコマンドに対する応答により、DMR300が対応する機能情報(再生可能なメディアフォーマット、対応するシーク方法、シーク方法毎に対応する再生速度、受付可能な操作、等)をDMC200に通知する。
【0028】
映像処理部303は、制御部302から入力されたコンテンツデータをデコードする。次に映像処理部303は、当該デコードデータを表示部304が表示可能な形式の映像信号に変換し、表示部304に出力する。そして表示部304は、入力された映像信号を用いて映像を表示する。
【0029】
図3は、DMS100、DMC200及びDMR300による処理シーケンス例を示す図である。
【0030】
まずDMS100はコンテンツデータのリストをCDSによりネットワークに公開する(S301)。DMC200は、DMR300から機能情報を取得する(S302)。ここでDMC200は、上述したCMS.SinkProtocolInfoや、AVTのServiceDescriptionに含まれるTranspotPlaySpeed、AVT.GetCurrentTranspotActionコマンドに対する応答等から機能情報を取得する。なおAVT.GetCurrentTranspotActionコマンドは、DMR300がコンテンツデータを再生している場合に有効となるものであるため、DMC200は例えば様々な種類のコンテンツデータをDMR300に再生させ、その際に上記コマンドを送信することにより機能情報を収集しても良い。
【0031】
そしてDMC200は取得したDMR300の機能情報のデータベースを生成する。当該登録については図5を参照して後述する。そしてDMC200は、ユーザ嗜好情報を設定する(S303)。当該嗜好情報の設定については図6を参照して後述する。
【0032】
次にDMC200は、DMS100が公開するコンテンツデータのリストを受信する(S304)。
【0033】
なおS301、S302、S303及びS304の処理の順番はこれに限るものではなく、S305においてユーザからの再生コンテンツの指示を受ける前にこれらの処理を完了させておけばよい。
【0034】
S305においてDMC200は、再生コンテンツを選択するための選択画面を表示し、当該画面に対するコンテンツ選択操作を受け付ける(S305)。ここでDMC200は、再生操作を受けたコンテンツに複数種類のコンテンツデータが用意されている場合、ユーザ嗜好情報に基づいてコンテンツデータを選択(絞り込み)する(S306)。そしてDMC200は、選択した1以上のコンテンツデータのアドレスと再生指示とをDMR300に送信する(S307)。
【0035】
DMR300は、コンテンツデータのアドレスと再生指示とを受信すると、コンテンツデータのアドレスを指定したコンテンツ要求を送信する(S308)。なおここでDMR300は、DMC200から複数のコンテンツデータのアドレスを送信された場合、当該複数コンテンツデータのうち自装置の実装に応じたコンテンツデータを選択して、当該コンテンツデータの要求を行う。
【0036】
DMS100は、DMR300からコンテンツデータのアドレスを指定したコンテンツ要求を受けると、当該アドレスに対応するコンテンツデータをDMR300に送信する(S309)。そしてDMR300は当該コンテンツデータを再生(デコード)して表示する(S310)。
【0037】
次にDMC200は、コンテンツデータの再生に関するユーザからの操作入力を受けると、当該入力に応じた指示コマンドをDMR300に送信する(S311)。なおここでDMC200が受ける操作入力は、例えばシークを指示するコマンドや、映像のズーム表示を指示するコマンド等である。そしてDMR300は受信したコマンドに応じて映像再生を制御する(S312)。
【0038】
図4はDMS100が公開し、DMC200が取得するコンテンツデータのリストの例である。
【0039】
DMS100は、ビデオコンテンツやピクチャ(静止画)コンテンツ等を記憶している。そしてDMS100は、同一の内容のコンテンツに対して、複数種類のコンテンツデータを用意している。つまりDMS100は、例えばビデオコンテンツ1に対してコンテンツデータA、B及びCのコンテンツデータを記憶している。ここでコンテンツデータAは、例えばメディアフォーマットがMPEG−2TS、解像度が高、シーク方法はTime−Based Seekに対応している。またコンテンツデータBは、例えばメディアフォーマットがMPEG−2TS、解像度が中、シーク方法はTime−Based Seekに対応している。またコンテンツデータCは、例えばメディアフォーマットがMPEG−2PS、解像度が中、シーク方法はByte−Based Seekに対応している。
【0040】
またピクチャ1に対してもコンテンツデータA−Cが対応している。ここで例えばコンテンツデータAは、メディアフォーマットがJPEGで解像度が高、コンテンツデータBはメディアフォーマットがJPEGで解像度が中、コンテンツデータCはメディアフォーマットがJPEGで解像度が低である。
【0041】
図5はDMC200が生成するDMR300の機能情報のデータベース例である。
【0042】
ここでDMR300は例えばMPEG−2TSとMPEG−2PSに対応しており、MPEG−4には対応していない。そしてDMR300はMPEG−2TSを再生する場合、Byte−Based Seekによるシークに対応しており、またシーク速度は+4、−4、+2、−2に対応しているが、Time−Based Seekには対応していない。またDMR300はMPEG−2PSを再生する場合、Time−Based Seekによるシークに対応しており、またシーク速度は+2、−2に対応しているが、Byte−Based Seek、及び+4と−4のシーク速度には対応していない。
【0043】
図6(A)は、DMC200が表示するユーザ嗜好情報設定画面の例を示す図である。ここで設定画面P10には、ユーザが所望する解像度を設定するための画像と、ユーザが利用を所望する早送り/巻き戻し再生速度を設定するための画像と、ユーザがシーク操作を所望するか否かを設定するための画像と、ファイルサイズが小さいものを優先するか否かを設定するための画像とが表示される。そしてDMC200は、当該画面に対する操作を受け付けることにより、ユーザの所望する解像度及びユーザの所望するコンテンツ再生関連機能をユーザ嗜好情報として設定する。即ちDMC200の制御部202はユーザからの操作入力に基づいて、解像度、操作機能(シーク方法及びシーク速度)、ファイルサイズ等の条件のうち、コンテンツデータを選択する場合の判定基準とする少なくとも1の条件を選択する。
【0044】
図6(B)は、DMC200が表示するコンテンツ選択画面の例を示す図である。ここで選択画面P20には、コンテンツデータのリストを示す画像P21、コンテンツデータを再生するための画像P22等が表示される。ここでDMC200は画像P21中の夫々のコンテンツを示す画像に対する操作を受けると、当該コンテンツを再生対象として設定する。そして画像P22に対する操作入力を受けると、DMC200は、設定したコンテンツに対応する複数種類のコンテンツデータから、ユーザ嗜好情報に応じた1以上のコンテンツデータを選択し、選択したコンテンツデータのアドレスと再生指示とをDMR300に送信する。なおDMC200は、コンテンツデータを再生させるDMRとしてDMR300以外のDMRを選択することもできる。
【0045】
またDMC200は、画像P22に対する選択操作を受けた場合、即ちコンテンツデータの再生を指示する操作を受けた場合に図6(A)の画面を表示してユーザ嗜好情報の設定を受け付けても良い。
【0046】
図7は、DMC200がコンテンツの再生操作を受けた場合に、当該コンテンツに対応する複数種類のコンテンツデータからユーザ嗜好情報に応じたコンテンツデータを選択する処理に関する図である。
【0047】
ここで、DMC200がユーザからビデオコンテンツ1の再生操作を受けたとする。そしてこのときビデオコンテンツ1に対応する複数種類のコンテンツデータとしてコンテンツデータA−Cが存在する。
【0048】
またこのときユーザが所望する解像度、及びユーザが所望する再生時の操作関連の機能はシーク機能である。なお利用を所望する再生速度については設定されていない。
【0049】
また、DMR300が対応する機能は、MPEG−2TSの再生時においてByte−Based Seekであり、MPEG−2PSの再生時においてTime−Based SeekとByte−Based Seekである。
【0050】
ここで、ユーザが所望する解像度は中解像度以上であるので、ビデオコンテンツ1のコンテンツデータA−Cのコンテンツデータは何れもユーザの所望と合致している。しかしDMR300は、MPEG−2TSの再生時においてTime−Based Seekに対応していない。即ちコンテンツデータA及びBをDMR300で再生させると、ユーザが所望するシーク機能を利用することができない。
【0051】
一方、DMR300はMPEG−2PSの再生時においてTime−Based SeekとByte−Based Seekに対応しており、またコンテンツデータCはByte−Based Seekに対応しているため、ユーザの要求を満たす。このためDMC200は、ビデオコンテンツ1に対応するコンテンツデータA−Cのうち、コンテンツデータCを選択して、当該コンテンツデータCのアドレスと再生指示とをDMR300に送信する。
【0052】
なお、ここで例えば仮にDMR300がMPEG−2TSの再生においてTime−Based Seekにも対応しているとした場合、コンテンツデータA−Cの全てがユーザの要求を満たすこととなる。この場合にDMC200は、例えばユーザが要望した項目に関連する条件に基づいてコンテンツデータを絞り込んでもよい。即ち、ユーザは解像度とシークに関する項目を要望しているため、例えばコンテンツデータA−Cのうち解像度が最も高いデータ或いはシーク速度が最も大きなデータを選択しても良い。
【0053】
また、図7ではユーザの所望する解像度が中解像度以上でありユーザの所望する操作機能がシーク操作である場合を例に挙げたが、例えばユーザが高解像度を所望しておりシークを所望していない場合、DMC200はコンテンツデータAを選択する。また、シーク速度を優先させることをユーザが所望している場合には、コンテンツデータAが優先的に選択される。また、ファイルサイズが小さいものを優先すること、即ちコンテンツデータの転送時間が少ないものをユーザが所望している場合にはデータB及びCが選択される。
【0054】
なおDMC200は、ユーザが所望する条件を満たすコンテンツデータが複数ある場合、当該複数アドレス全てをDMR300に送信しても良いが、当該複数コンテンツデータのうち、例えば解像度(画質)が最も高いコンテンツデータ或いはデータサイズが最も小さいコンテンツデータ、或いはシーク速度が最も大きなコンテンツデータのアドレスを送信しても良い。
【0055】
(第2実施形態)
以下、図8乃至図12を参照して、第2実施形態を説明する。
【0056】
なお第2実施形態に係る再生制御装置は、例えば第1実施形態にて説明したDMC200として実現される。そして当該再生制御装置の利用形態例は第1実施形態で説明した図1と基本的に同様であり、DMC200、DMS100及びDMR300はネットワークにより夫々接続されている。そして第2実施形態に係るDMS100、DMC200及びDMR300は、第1実施形態で説明した機能に加え、コンテンツを特殊再生(シーク等の早送り及び巻き戻し)する場合に、特殊再生に好適なコンテンツを選択して特殊再生することができる。
【0057】
図8は、第2実施形態に係るDMS100、DMC200及びDMR300のシステム構成例を示す図である。なお、DMS100、DMC200及びDMR300の各構成は、第1実施形態において説明した機能を有しているが、ここでは第1実施形態と異なる機能を中心に説明する。
【0058】
DMS100は、記憶部101、制御部102、通信部103等を備える。
【0059】
記憶部101は、同一のコンテンツに対応する複数種類のコンテンツデータを記憶する。ここで複数種類のコンテンツデータとは、例えば同一放送番組の映像コンテンツデータであって、夫々メディアフォーマット、解像度、ビットレート及び対応する機能等が異なるものを指す。
【0060】
制御部102は、記憶部101に記憶されたコンテンツデータの夫々に対してアドレスを付与し、コンテンツデータのメディアフォーマット、解像度、ビットレート、ファイルサイズ、及び対応機能(対応するシーク方法(方式)、シーク方式毎に対応する再生速度等)とアドレスとコンテンツ名とを対応付けたリストを生成する。そして制御部102は、当該リストをネットワークに公開する。また制御部102は、DMR300から通信部103にコンテンツのアドレスを指定したコンテンツ要求を受けると、当該アドレスに対応するコンテンツデータをDMR300に送信する。
【0061】
DMC200は、操作受付部201、制御部202、通信部203、表示部204等を備える。
【0062】
操作受付部201はユーザ操作入力を受け付ける。ここで操作受付部201が受け付ける操作入力の例としては、例えばコンテンツ再生の際にユーザが所望する機能を指定する操作入力や、再生させるコンテンツを選択する操作入力、コンテンツの特殊再生(シーク等の早送り及び巻き戻し)を指示する操作等が挙げられる。
【0063】
制御部202は、DMC200の各構成を制御する。ここで制御部202は、通信部203を用いて、DMS100が公開するリストを取得する。即ちDMC200は、DMS100が記憶するコンテンツデータ夫々についてのコンテンツ名、アドレス、メディアフォーマット、解像度、ビットレート、ファイルサイズ、対応機能(対応するシーク方法、シーク時の再生速度等)を受信する。
【0064】
また制御部202は、ユーザが所望する機能を設定する設定画面を生成する機能を有する。なお設定画面の例としては、例えば図6(A)において説明した設定画面や、図12にて後述する設定画面等が挙げられる。また制御部202はこれら設定画面を表示部204に表示させ、当該画面に対する操作入力に応じてユーザ嗜好情報を設定する。そして制御部202は、コンテンツ再生を指示する操作入力があった場合、ユーザ嗜好情報と、DMS100から取得したリストとに基づいて、1つのコンテンツに対応する複数種類のコンテンツデータのうち、DMR300に再生させるコンテンツデータを絞りこむ。また制御部202は、特殊再生を指示する操作入力を操作受付部201が受け付けた場合、特殊再生に適したコンテンツデータを選択することができる。なお、特殊再生に適したコンテンツデータとは、例えば早送りや巻き戻し等の特殊再生に対応したコンテンツデータであって、特殊再生時にDMR300が表示する画面(フレーム)の更新頻度が高いコンテンツデータや、特殊再生の指示を受けてから実際に特殊再生が開始されるまでの応答期間が短いコンテンツデータ等である
DMR300は、通信部301、制御部302、映像処理部303、表示部304、操作受付部305等を備える。
【0065】
通信部301は、ネットワークを経由して送信された各種コマンドやコンテンツデータを受信する。また通信部301は、制御部302が生成した各種のコマンド・通知をネットワーク経由でDMS100やDMC200に送信する。
【0066】
制御部302は、通信部301が受信したコマンドに応じた処理を実行する。即ち制御部302は、通信部301がDMC200からコンテンツのアドレスと再生指示を受けると、通信部301を用いて当該アドレスにコンテンツ要求を送信する。そして通信部301がコンテンツデータを受信すると、制御部302は当該コンテンツデータを映像処理部303に出力する。また制御部302は、DMC200からシーク(特殊再生)を指示するコマンドを受けると、当該シークコマンドに応じて早送りや巻き戻し等の特殊再生を実行する。
【0067】
また制御部302は、上述したCMS.SinkProtocolInfo、AVT.ServiceDescription、及びAVT.GetCurrentTranspotActionコマンドに対する応答により、DMR300が対応する機能情報(再生可能なメディアフォーマット、対応するシーク方法、シーク方法毎に対応する再生速度、受付可能な操作、等)をDMC200に通知する。更に制御部302は、映像処理部303が複数のコーデックのデコードに対応している場合、コーデック毎のデコード処理能力(処理速度)に関する情報をDMC200に通知する。
【0068】
映像処理部303は、制御部302から入力されたコンテンツデータをデコードする。次に映像処理部303は、当該デコードデータを表示部304が表示可能な形式の映像信号に変換し、表示部304に出力する。そして表示部304は、入力された映像信号を用いて映像を表示する。
【0069】
操作受付部305は、例えば図11において後述する設定画面に対するユーザからの操作入力を受け付ける。そして操作受付部305は、入力した操作の情報を制御部302に出力する。
【0070】
図9は、第2実施形態のDMS100が公開し、DMC200が取得するコンテンツデータのリストの例である。
【0071】
DMS100は、同一の内容のコンテンツに対して、複数種類のコンテンツデータを用意している。つまりDMS100は、例えばビデオコンテンツ1に対してコンテンツデータA、B及びCのコンテンツデータを記憶している。ここでコンテンツデータAは、例えばメディアフォーマットがMPEG−2TS、解像度が高、シーク方法はTime−Based Seekに対応しており、ビットレートは高(例えば25Mbps)である。またコンテンツデータBは、例えばメディアフォーマットがMPEG−2TS、解像度が中、シーク方法はTime−Based Seekに対応しており、ビットレートは中(例えば10Mbps)である。またコンテンツデータCは、例えばメディアフォーマットがMPEG−2PS、解像度が中、シーク方法はByte−Based Seekに対応しており、ビットレートは低(例えば3乃至4Mbps)である。
【0072】
図5はDMC200が生成する、DMR300のデコード処理能力情報のデータベース例である。DMR300は例えばMPEG−2PSとMPEG−2TSとH.264に対応している。そしてデコード速度に関しては、MPEG−2PSが高、MPEG−2TSは中、H.264は低である。
【0073】
図11は、DMC200が表示するユーザ嗜好情報設定画面の例を示す図である。ここで設定画面P30には、早送りや巻き戻し等の特殊再生において画質(解像度及びビットレートの少なくとも一方)と表示画面の更新頻度とのうちどちらを優先するかを設定するための画像が表示される。そしてDMC200は、当該画面に対する操作を受け付けることにより、特殊再生時において画質と画面更新頻度とのうちどちらを優先させるかを選択・決定する。なお、図11には記載していないが、第1実施形態で説明したユーザ嗜好情報設定画面を表示してユーザ嗜好情報を設定してもよい。
【0074】
図12は、第2実施形態に係るDMS100、DMC200及びDMR300による処理シーケンス例を示す図である。なお、本シーケンスにおいては図3にて説明した第1実施形態のシーケンスと共通する処理があるため、本図においては第1実施形態と異なる処理を中心に説明する。
【0075】
まずDMS100はコンテンツデータのリストをネットワークに公開する(S301)。DMC200は、DMR300から機能情報を取得する(S3022)。なお第2実施形態における機能情報は、複数のコーデック夫々に対するDMR300のデコード能力に関する情報を含む。そしてDMC200は取得したDMR300の機能情報に基づいてデータベースを生成する。なお、ここで生成されるデータベースについては、例えば図5や図11に示す形式である。そしてDMC200は、ユーザ嗜好情報を設定するための設定画面を表示部204に表示し、当該設定画面に対する操作入力に応じてユーザ嗜好情報を設定する(S3032)。なお第2実施形態におけるユーザ嗜好情報は、特殊再生時に選択するコンテンツに関する設定を含む。
【0076】
次にDMC200は、DMS100が公開するコンテンツデータのリストを受信する(S304)。なおS301、S3022、S3032及びS304の処理の順番はこれに限るものではなく、S305においてユーザからの再生コンテンツの指示を受ける前にこれらの処理を完了させておけばよい。
【0077】
S305においてDMC200は、再生コンテンツを選択するための選択画面を表示し、当該画面に対するコンテンツ選択操作を受け付ける(S305)。ここでDMC200は、再生操作を受けたコンテンツに複数種類のコンテンツデータが用意されている場合、ユーザ嗜好情報に基づいてコンテンツデータを選択(絞り込み)する(S306)。ここでの選択(絞り込み)は、第1実施形態において説明した通りである。そしてDMC200は、選択した1以上のコンテンツデータのアドレスと再生指示とをDMR300に送信する(S307)。なおS307における再生指示は、+1倍速での再生を指示する通常再生の指示である。
【0078】
DMR300は、コンテンツデータのアドレスと再生指示とを受信すると、コンテンツデータのアドレスを指定したコンテンツ要求を送信する(S308)。なおここでDMR300は、DMC200から複数のコンテンツデータのアドレスを送信された場合、当該複数コンテンツデータのうち自装置の実装に応じたコンテンツデータを選択して、当該コンテンツデータの要求を行う。
【0079】
DMS100は、DMR300からコンテンツデータのアドレスを指定したコンテンツ要求を受けると、当該アドレスに対応するコンテンツデータをDMR300に送信する(S309)。そしてDMR300は受信したコンテンツデータを再生(デコード)して表示する(S310)。
【0080】
ここでDMC200は、通常再生中のコンテンツデータを特殊再生させる操作入力を受けると(S311)、特殊再生に適したコンテンツデータを選択する(S312)。なお、特殊再生に適したコンテンツデータとは、例えば早送りや巻き戻し等の特殊再生が可能なコンテンツデータであって特殊再生時にDMR300が表示する画面(フレーム)の更新頻度が高いコンテンツデータ等である。
【0081】
ネットワーク帯域が制限されている場合や、DMR300でのデコード処理に時間を要する場合、コンテンツデータの解像度、ビットレート、コーデックによって、特殊再生中にDMR300が表示する画面の更新頻度に差が発生する場合がある。具体的には、解像度やビットレートが低いコンテンツデータを特殊再生する場合の画面更新頻度は例えば3回(3枚)/1秒等となるが、解像度やビットレートが高い場合の画面更新頻度は例えば0.5回/1秒等となることがある。
【0082】
このためDMC200は、S3032において、画質と画面更新頻度のうち特殊再生時に優先させる項目をユーザに選択させる。そしてDMC200は、画面更新頻度の優先させる場合、S312において、同一コンテンツに対応する複数種類のコンテンツデータのうち、画面更新頻度が高いコンテンツデータを選択する。なお、画面更新頻度に関わるパラメータは、解像度、ビットレート、コーデック等である。解像度やビットレートが低いほど画面更新頻度は高くなる。つまり、DMC200は、画面更新頻度を優先させる場合、複数のコンテンツデータのうち解像度やビットレートが低いコンテンツデータを選択する。なお、DMC200は、解像度及びビットレートの少なくとも一方が所定値よりも低いコンテンツデータを選択してもよいし、あるいは同一コンテンツに対応する複数コンテンツデータのうち、解像度及びビットレートの少なくとも一方が最も低いコンテンツデータを選択してもよい。
【0083】
また、ユーザによっては画面更新頻度を優先させたい場合であっても、所定画質以上のコンテンツを所望する場合がある。このためDMC200は、画質(解像度及びビットレートの少なくとも一方)についてユーザが許容できる最低値を設定し、当該最低値の画質以上のコンテンツデータのうち画面更新頻度が最も高いコンテンツデータを選択するようにしてもよい。
【0084】
また、DMR300はコーデックによってデコード処理能力が異なる場合がある。そこでDMC200は、S3022においてDMR300のデコード処理能力の情報を取得する。そしてDMC200は、画面更新頻度を優先させる場合、DMR300のデコード処理能力の情報に基づいて、DMR300でのデコード処理速度が高いコーデックのコンテンツデータを選択する。
【0085】
そしてDMC200は、選択したコンテンツデータのアドレスを含むシークコマンド(特殊再生指示)をDMR300に送信する(S313)。DMR300は、コンテンツデータのアドレスと特殊再生指示とを受信すると、コンテンツデータのアドレスを指定したコンテンツ要求を送信する(S314)。なお、特殊再生時においてDMR300は、例えば現在再生している位置の一定時間先(又は後)の位置を指定したコンテンツ要求を連続して送信する。
【0086】
DMS100は、DMR300からコンテンツデータのアドレスを指定したコンテンツ要求を受けると、当該アドレスに対応するコンテンツデータをDMR300に送信する(S315)。そしてDMR300は受信したコンテンツデータを再生(デコード)して表示する(S316)。ここでDMR300は、現在再生している位置の一定時間先(又は後)の位置のコンテンツデータを受信して再生することにより、早送りや巻き戻し等の特殊再生を実行する。
【0087】
そしてDMC200は、通常再生に戻すことを指示する操作入力を受けると(S317)、S306において選択したコンテンツデータを選択して(S318)、当該コンテンツデータのアドレスと再生指示とをDMR300に送信する(S319)。なお、S306においてDMC200が複数のコンテンツデータを選択していた場合、DMC200はS318において当該複数のコンテンツデータを選択してもよいし、あるいは、S310においてDMR300が再生していた1つのコンテンツデータを選択してもよい。
【0088】
そしてS319においてDMC200が再生指示を送信すると、DMR300は当該再生指示に基づいてコンテンツデータを取得・再生する。
【0089】
なお第1実施形態においては、所定の再生速度(例えば4倍速や2倍速)がユーザ嗜好フォーマットとして登録されていた場合、DMC200はS306のコンテンツ絞込みにおいて当該再生速度を利用可能なコンテンツを選択する。しかし第2実施形態においてDMC200は、ユーザ嗜好フォーマットとして登録された再生速度を利用できないコンテンツデータをS306において選択してもよい。これは、第2実施形態においてDMC200は、特殊再生を行う際に通常の再生時とは異なるコンテンツデータに切り替えることができるからである。つまり、例えば通常再生時は1倍速での再生しかできないコンテンツデータを選択し、特殊再生要求を受けた場合には、当該特殊再生を利用できるコンテンツデータを選択するようにしてもよい。
【0090】
また、図12においては、特殊再生に適したコンテンツデータをDMC200が選択する構成を説明したが、特殊再生に適したコンテンツデータをDMR300が選択する構成であっても良い。即ち、S312においてDMC200の制御部202が実行したコンテンツデータの選択をDMR300の制御部302が実行してもよい。またDMR300は図11に示した設定画面を表示部304に表示し、当該設定画面に対する操作入力を操作受付部305が受け付け、受け付けた操作入力に応じて画質優先と画面更新頻度優先とを切り替えてもよい。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0092】
100…DMS、101…記憶部、102…制御部、103…通信部、200…DMC、201…操作受付部、202…制御部、203…通信部、204…表示部、300…DMR、301…通信部、302…制御部、303…映像処理部、304…表示部、
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、再生制御装置及び再生制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭内のコンピュータやデジタルテレビ、ハードディスクレコーダ等の電子機器をローカルエリアネットワークにより相互に接続し、映像や画像等のコンテンツを共有する技術がある。これらの電子機器を相互接続して動作させるための仕様として、例えばUPnPが用いられる。ここでデジタルテレビ等の表示装置は、当該UPnPのプロトコルを用いて、レコーダ等の記憶装置が記憶するコンテンツのURIを指定した要求を送信する。そして表示装置は記憶装置から送信されるコンテンツを取得・再生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−189827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、記憶装置は、コンテンツ内容は対応し利用可能な機能は異なる複数のコンテンツを記憶している場合がある。このような場合において表示装置にコンテンツを再生させる場合には、ユーザの所望する機能を利用可能なコンテンツを再生させることが好ましい。
【0005】
そこで本発明の実施形態は、ユーザの所望する機能を利用可能なコンテンツを表示装置に再生させることを可能とする再生制御装置および再生制御方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本実施形態の再生制御装置は、ネットワークに接続された記憶装置に記憶された、内容が夫々対応し、利用可能な機能が夫々異なる複数のコンテンツデータ毎のアドレスと、複数のコンテンツデータ毎に利用可能な機能に関する第1の機能情報を受信する第1受信手段と、機能のうち外部装置が対応する機能に関する第2機能情報を受信する第2受信手段と、機能のうち、コンテンツデータを再生する場合に利用する機能を選択する選択手段と、受信された第1及び第2機能情報に基づいて、前記複数のコンテンツデータのうち、前記選択された前記機能を前記外部装置で利用可能となる1以上のコンテンツデータが1以上存在するかどうかを判断し、存在する場合、そのアドレスを前記外部表示装置に送信する送信手段とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態の再生制御装置の利用形態例を示す図。
【図2】第1実施形態の再生制御装置のシステム構成例を示す図。
【図3】第1実施形態の再生制御装置と他の装置に係る処理シーケンス例を示す図。
【図4】第1実施形態の再生制御装置が取得するコンテンツリスト例を示す図。
【図5】第1実施形態の再生制御装置が取得する、表示装置の対応機能情報例を示す図。
【図6】第1実施形態の再生制御装置が表示する画面例を示す図。
【図7】第1実施形態の再生制御装置によるコンテンツ選択に関する図。
【図8】第2実施形態の再生制御装置のシステム構成例を示す図。
【図9】第2実施形態の再生制御装置が取得するコンテンツリスト例を示す図。
【図10】第2実施形態の再生制御装置が取得する、表示装置のデコード能力情報例を示す図。
【図11】第2実施形態の再生制御装置が表示する設定画面例を示す図。
【図12】第2実施形態の再生制御装置と他の装置に係る処理シーケンス例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、図1乃至図7を参照して第1実施形態を説明する。
【0009】
図1は本実施形態に係る再生制御装置の利用形態例を示す図である。本実施形態に係る再生制御装置は例えばDMC200として実現されている。そして、DMC200、DMS100及びDMR300はネットワークにより夫々接続されている。
【0010】
ここで、DMS100、DMC200及びDMR300は、ネットワーク上の各デバイスの存在を認識して互いの機能を制御するためのUPnP機能を有し、さらにUPnP機能を利用することにより、例えばDLNA(Digital Living Network Alliance)のガイドラインで規定されたホームネットワークデバイスとして機能する。
【0011】
DMS100は、コンテンツを記憶する記憶装置であり、記憶しているコンテンツのURIやコンテンツ名等のコンテンツ情報を、UPnPのCDS(Content Directory Service)を用いることによりネットワークに公開し、当該コンテンツ情報をDMC200が取得できるようにする。そしてDMS100はDMR300からのコンテンツ要求(HTTP GET)を受けて、指定されたコンテンツをDMR300に提供する。
【0012】
DMC200は、例えばテレビ装置やコンピュータ等の、ユーザからの操作を受けることが可能な装置であり、ユーザ操作等に応じてDMS100及びDMR300等のデバイスを制御する。そしてDMC200は、DMS100からCDSにより公開されたコンテンツ情報を、例えばBrowseアクションによって取得し、コンテンツのURIを取得する。またDMC200は、取得したコンテンツのURIを、DMR300が実装するUPnPのAVT(Audio/Visual Transport service)のSetAVTransportURIアクションにより、再生対象のコンテンツのURIとしてDMR300に設定させる。なお、DMS100は、内容が同じコンテンツについて、メディアフォーマットや再生時に利用可能な機能(シーク可/不可、シークを用いた早送り/巻き戻しの再生速度等)が異なる複数コンテンツを有している場合がある。この場合にDMC200は、当該複数コンテンツ夫々のURIをDMRに送信する。なおシークとは再生位置を所定の位置に移動させる処理を指し、早送りや巻き戻しを実施する際に用いられる。即ち、シークとは例えば再生位置を所定位置にジャンプ(移動)させる処理であり、例えば映像データを再生中に当該映像の現在の再生位置を一定時間後/前にジャンプさせることを連続的に行うことにより早送り/巻き戻しを実行できる。
【0013】
DMR300は、テレビやモニタ等の表示装置である。DMR300は、表示装置再生対象のコンテンツのURIをDMC200により設定された後、続いてDMC200からAVTのうちPlayアクションを受信すると、設定されたURIに対してコンテンツ要求を送信する。そして当該コンテンツ要求に応じてDMS100から送信されたコンテンツを受信すると、当該コンテンツを再生・表示する。なおDMR300は、DMC200から、夫々内容が対応する複数コンテンツのアドレスを受けた場合、当該複数コンテンツのうちDMR300の実装(例えば、高解像度を優先する等)に応じたコンテンツを選択して当該コンテンツの要求を行う。
【0014】
そして、本実施形態のDMC200は、DMR300が対応する機能情報(再生可能なメディアフォーマット、対応するシーク方法、シーク方法毎に利用可能な早送り/巻き戻し再生速度、受付可能な操作、等)を取得する。ここでDMC200は、DMR300から送信される、CMS.SinkProtocolInfoや、AVTのServiceDescriptionに含まれるTranspotPlaySpeed等から機能情報を取得する。なおCMS.SinkProtocolInfoは、CMS.GetProtocolInfoのコマンドを送信することにより取得できる。またDMC200は、DMR300がコンテンツを再生している場合に当該DMR300にAVT.GetCurrentTranspotActionコマンドを送信し、当該コマンドに応答してDMR300から送信される情報(対応するシーク方法及びシーク方法毎に対応する早送り/巻き戻し再生速度を含む)を受信することでも、DMR300の機能情報を取得できる。
【0015】
またDMC200は、ユーザがコンテンツ再生の場合に所望する機能についての嗜好情報の入力を受けることができる。そしてDMC200は、DMR300にコンテンツの再生を指示する場合であって、当該コンテンツに、メディアフォーマットや対応する機能(シーク可/不可、シーク方式毎に利用可能な早送り/巻き戻しの再生速度等)が異なる複数コンテンツがある場合、当該複数コンテンツの中からユーザの嗜好情報に応じた1以上のコンテンツを選択(絞込み)する。そしてDMC200は、当該選択したコンテンツを再生対象としてDMR300に設定させる。
【0016】
図2はDMS100、DMC200及びDMR300のシステム構成例を示す図である。
【0017】
DMS100は、記憶部101、制御部102、通信部103等を備える。
【0018】
記憶部101は、ビデオコンテンツや写真コンテンツ等のコンテンツデータを記憶する。なお記憶部101は、同一のコンテンツに対応する複数のコンテンツデータを記憶する。ここで複数のコンテンツデータとは、例えば同一放送番組の映像コンテンツデータであって、夫々メディアフォーマットや画質、対応する機能等が異なるものを指す。なお対応する機能とは、例えば再生中のシーク操作や当該シーク操作において利用可能な再生速度等を指す。
【0019】
制御部102は、記憶部101に記憶されたコンテンツデータの夫々に対してアドレスを付与し、コンテンツデータのメディアフォーマット、解像度、ファイルサイズ、及び対応機能(対応するシーク方法(方式)、シーク方式毎に対応する再生速度等)とアドレスとコンテンツ名とを対応付けたリストを生成する。そして制御部102は、当該リストを上述したUPnPのCDSを用いて通信部103からネットワークに公開する。また制御部102は、DMR300から通信部103にコンテンツのアドレスを指定したコンテンツ要求を受けると、当該アドレスに対応するコンテンツデータをDMR300に送信する。
【0020】
DMC200は、操作受付部201、制御部202、通信部203、表示部204等を備える。
【0021】
操作受付部201は、例えばリモートコントローラ、マウス等のポインティングデバイス、DMC200の本体筐体に設けられた操作パネル等に対するユーザ操作入力を受け付ける。ここで操作受付部201が受け付ける操作入力の例としては、例えばコンテンツ再生の際にユーザが所望する機能を指定する操作入力や、再生させるコンテンツを選択する操作入力等が挙げられる。
【0022】
制御部202は、DMC200の各構成を制御する。ここで制御部202は、通信部203を用いて、DMS100が公開するリストを取得する。即ちDMC200は、DMS100が記憶するコンテンツデータ夫々についてのコンテンツ名、アドレス、メディアフォーマット、解像度、ファイルサイズ、対応機能(対応するシーク方法、シーク時の再生速度等)を受信する。なおDMS100が記憶するコンテンツデータは、上述したように、同一の内容のコンテンツに対して、メディアフォーマット、解像度、ファイルサイズ、対応機能のうち少なくとも1つが異なる複数のコンテンツデータが対応付けられている。即ち、同一のコンテンツ名のコンテンツについて、複数種類のコンテンツデータが存在している。
【0023】
また制御部202ユーザが所望する機能を設定する設定画面を生成する機能を有する。そして制御部202は当該画面を表示部204に表示させ、当該画面に対する操作入力に応じてユーザ嗜好情報を設定する。また制御部202は、再生コンテンツを選択するための選択画面を生成し、当該画面に対する操作入力に応じて、通信部203を用いてDMR300にコンテンツ再生指示を送信する。
【0024】
DMR300は、通信部301、制御部302、映像処理部303、表示部304等を備える。
【0025】
通信部301は、ネットワークを経由して送信された各種コマンドやコンテンツデータを受信する。
【0026】
制御部302は、通信部301が受信したコマンドに応じた処理を実行する。即ち制御部302は、通信部301がDMC200からコンテンツのアドレスと再生指示を受けると、通信部301を用いて当該アドレスにコンテンツ要求を送信する。そして通信部301がコンテンツデータを受信すると、制御部302は当該コンテンツデータを映像処理部303に出力する。また制御部302は、DMC200からシークを指示するコマンドを受けると、当該シークコマンドに応じて映像再生スピードを制御する。また制御部302は、DMC200からズーム表示を指示するコマンドを受けると、当該コマンドに応じて映像の表示エリアと解像度を制御し、制御した映像を表示部304に表示させる。
【0027】
また制御部302は、上述したCMS.SinkProtocolInfo、AVT.ServiceDescription、及びAVT.GetCurrentTranspotActionコマンドに対する応答により、DMR300が対応する機能情報(再生可能なメディアフォーマット、対応するシーク方法、シーク方法毎に対応する再生速度、受付可能な操作、等)をDMC200に通知する。
【0028】
映像処理部303は、制御部302から入力されたコンテンツデータをデコードする。次に映像処理部303は、当該デコードデータを表示部304が表示可能な形式の映像信号に変換し、表示部304に出力する。そして表示部304は、入力された映像信号を用いて映像を表示する。
【0029】
図3は、DMS100、DMC200及びDMR300による処理シーケンス例を示す図である。
【0030】
まずDMS100はコンテンツデータのリストをCDSによりネットワークに公開する(S301)。DMC200は、DMR300から機能情報を取得する(S302)。ここでDMC200は、上述したCMS.SinkProtocolInfoや、AVTのServiceDescriptionに含まれるTranspotPlaySpeed、AVT.GetCurrentTranspotActionコマンドに対する応答等から機能情報を取得する。なおAVT.GetCurrentTranspotActionコマンドは、DMR300がコンテンツデータを再生している場合に有効となるものであるため、DMC200は例えば様々な種類のコンテンツデータをDMR300に再生させ、その際に上記コマンドを送信することにより機能情報を収集しても良い。
【0031】
そしてDMC200は取得したDMR300の機能情報のデータベースを生成する。当該登録については図5を参照して後述する。そしてDMC200は、ユーザ嗜好情報を設定する(S303)。当該嗜好情報の設定については図6を参照して後述する。
【0032】
次にDMC200は、DMS100が公開するコンテンツデータのリストを受信する(S304)。
【0033】
なおS301、S302、S303及びS304の処理の順番はこれに限るものではなく、S305においてユーザからの再生コンテンツの指示を受ける前にこれらの処理を完了させておけばよい。
【0034】
S305においてDMC200は、再生コンテンツを選択するための選択画面を表示し、当該画面に対するコンテンツ選択操作を受け付ける(S305)。ここでDMC200は、再生操作を受けたコンテンツに複数種類のコンテンツデータが用意されている場合、ユーザ嗜好情報に基づいてコンテンツデータを選択(絞り込み)する(S306)。そしてDMC200は、選択した1以上のコンテンツデータのアドレスと再生指示とをDMR300に送信する(S307)。
【0035】
DMR300は、コンテンツデータのアドレスと再生指示とを受信すると、コンテンツデータのアドレスを指定したコンテンツ要求を送信する(S308)。なおここでDMR300は、DMC200から複数のコンテンツデータのアドレスを送信された場合、当該複数コンテンツデータのうち自装置の実装に応じたコンテンツデータを選択して、当該コンテンツデータの要求を行う。
【0036】
DMS100は、DMR300からコンテンツデータのアドレスを指定したコンテンツ要求を受けると、当該アドレスに対応するコンテンツデータをDMR300に送信する(S309)。そしてDMR300は当該コンテンツデータを再生(デコード)して表示する(S310)。
【0037】
次にDMC200は、コンテンツデータの再生に関するユーザからの操作入力を受けると、当該入力に応じた指示コマンドをDMR300に送信する(S311)。なおここでDMC200が受ける操作入力は、例えばシークを指示するコマンドや、映像のズーム表示を指示するコマンド等である。そしてDMR300は受信したコマンドに応じて映像再生を制御する(S312)。
【0038】
図4はDMS100が公開し、DMC200が取得するコンテンツデータのリストの例である。
【0039】
DMS100は、ビデオコンテンツやピクチャ(静止画)コンテンツ等を記憶している。そしてDMS100は、同一の内容のコンテンツに対して、複数種類のコンテンツデータを用意している。つまりDMS100は、例えばビデオコンテンツ1に対してコンテンツデータA、B及びCのコンテンツデータを記憶している。ここでコンテンツデータAは、例えばメディアフォーマットがMPEG−2TS、解像度が高、シーク方法はTime−Based Seekに対応している。またコンテンツデータBは、例えばメディアフォーマットがMPEG−2TS、解像度が中、シーク方法はTime−Based Seekに対応している。またコンテンツデータCは、例えばメディアフォーマットがMPEG−2PS、解像度が中、シーク方法はByte−Based Seekに対応している。
【0040】
またピクチャ1に対してもコンテンツデータA−Cが対応している。ここで例えばコンテンツデータAは、メディアフォーマットがJPEGで解像度が高、コンテンツデータBはメディアフォーマットがJPEGで解像度が中、コンテンツデータCはメディアフォーマットがJPEGで解像度が低である。
【0041】
図5はDMC200が生成するDMR300の機能情報のデータベース例である。
【0042】
ここでDMR300は例えばMPEG−2TSとMPEG−2PSに対応しており、MPEG−4には対応していない。そしてDMR300はMPEG−2TSを再生する場合、Byte−Based Seekによるシークに対応しており、またシーク速度は+4、−4、+2、−2に対応しているが、Time−Based Seekには対応していない。またDMR300はMPEG−2PSを再生する場合、Time−Based Seekによるシークに対応しており、またシーク速度は+2、−2に対応しているが、Byte−Based Seek、及び+4と−4のシーク速度には対応していない。
【0043】
図6(A)は、DMC200が表示するユーザ嗜好情報設定画面の例を示す図である。ここで設定画面P10には、ユーザが所望する解像度を設定するための画像と、ユーザが利用を所望する早送り/巻き戻し再生速度を設定するための画像と、ユーザがシーク操作を所望するか否かを設定するための画像と、ファイルサイズが小さいものを優先するか否かを設定するための画像とが表示される。そしてDMC200は、当該画面に対する操作を受け付けることにより、ユーザの所望する解像度及びユーザの所望するコンテンツ再生関連機能をユーザ嗜好情報として設定する。即ちDMC200の制御部202はユーザからの操作入力に基づいて、解像度、操作機能(シーク方法及びシーク速度)、ファイルサイズ等の条件のうち、コンテンツデータを選択する場合の判定基準とする少なくとも1の条件を選択する。
【0044】
図6(B)は、DMC200が表示するコンテンツ選択画面の例を示す図である。ここで選択画面P20には、コンテンツデータのリストを示す画像P21、コンテンツデータを再生するための画像P22等が表示される。ここでDMC200は画像P21中の夫々のコンテンツを示す画像に対する操作を受けると、当該コンテンツを再生対象として設定する。そして画像P22に対する操作入力を受けると、DMC200は、設定したコンテンツに対応する複数種類のコンテンツデータから、ユーザ嗜好情報に応じた1以上のコンテンツデータを選択し、選択したコンテンツデータのアドレスと再生指示とをDMR300に送信する。なおDMC200は、コンテンツデータを再生させるDMRとしてDMR300以外のDMRを選択することもできる。
【0045】
またDMC200は、画像P22に対する選択操作を受けた場合、即ちコンテンツデータの再生を指示する操作を受けた場合に図6(A)の画面を表示してユーザ嗜好情報の設定を受け付けても良い。
【0046】
図7は、DMC200がコンテンツの再生操作を受けた場合に、当該コンテンツに対応する複数種類のコンテンツデータからユーザ嗜好情報に応じたコンテンツデータを選択する処理に関する図である。
【0047】
ここで、DMC200がユーザからビデオコンテンツ1の再生操作を受けたとする。そしてこのときビデオコンテンツ1に対応する複数種類のコンテンツデータとしてコンテンツデータA−Cが存在する。
【0048】
またこのときユーザが所望する解像度、及びユーザが所望する再生時の操作関連の機能はシーク機能である。なお利用を所望する再生速度については設定されていない。
【0049】
また、DMR300が対応する機能は、MPEG−2TSの再生時においてByte−Based Seekであり、MPEG−2PSの再生時においてTime−Based SeekとByte−Based Seekである。
【0050】
ここで、ユーザが所望する解像度は中解像度以上であるので、ビデオコンテンツ1のコンテンツデータA−Cのコンテンツデータは何れもユーザの所望と合致している。しかしDMR300は、MPEG−2TSの再生時においてTime−Based Seekに対応していない。即ちコンテンツデータA及びBをDMR300で再生させると、ユーザが所望するシーク機能を利用することができない。
【0051】
一方、DMR300はMPEG−2PSの再生時においてTime−Based SeekとByte−Based Seekに対応しており、またコンテンツデータCはByte−Based Seekに対応しているため、ユーザの要求を満たす。このためDMC200は、ビデオコンテンツ1に対応するコンテンツデータA−Cのうち、コンテンツデータCを選択して、当該コンテンツデータCのアドレスと再生指示とをDMR300に送信する。
【0052】
なお、ここで例えば仮にDMR300がMPEG−2TSの再生においてTime−Based Seekにも対応しているとした場合、コンテンツデータA−Cの全てがユーザの要求を満たすこととなる。この場合にDMC200は、例えばユーザが要望した項目に関連する条件に基づいてコンテンツデータを絞り込んでもよい。即ち、ユーザは解像度とシークに関する項目を要望しているため、例えばコンテンツデータA−Cのうち解像度が最も高いデータ或いはシーク速度が最も大きなデータを選択しても良い。
【0053】
また、図7ではユーザの所望する解像度が中解像度以上でありユーザの所望する操作機能がシーク操作である場合を例に挙げたが、例えばユーザが高解像度を所望しておりシークを所望していない場合、DMC200はコンテンツデータAを選択する。また、シーク速度を優先させることをユーザが所望している場合には、コンテンツデータAが優先的に選択される。また、ファイルサイズが小さいものを優先すること、即ちコンテンツデータの転送時間が少ないものをユーザが所望している場合にはデータB及びCが選択される。
【0054】
なおDMC200は、ユーザが所望する条件を満たすコンテンツデータが複数ある場合、当該複数アドレス全てをDMR300に送信しても良いが、当該複数コンテンツデータのうち、例えば解像度(画質)が最も高いコンテンツデータ或いはデータサイズが最も小さいコンテンツデータ、或いはシーク速度が最も大きなコンテンツデータのアドレスを送信しても良い。
【0055】
(第2実施形態)
以下、図8乃至図12を参照して、第2実施形態を説明する。
【0056】
なお第2実施形態に係る再生制御装置は、例えば第1実施形態にて説明したDMC200として実現される。そして当該再生制御装置の利用形態例は第1実施形態で説明した図1と基本的に同様であり、DMC200、DMS100及びDMR300はネットワークにより夫々接続されている。そして第2実施形態に係るDMS100、DMC200及びDMR300は、第1実施形態で説明した機能に加え、コンテンツを特殊再生(シーク等の早送り及び巻き戻し)する場合に、特殊再生に好適なコンテンツを選択して特殊再生することができる。
【0057】
図8は、第2実施形態に係るDMS100、DMC200及びDMR300のシステム構成例を示す図である。なお、DMS100、DMC200及びDMR300の各構成は、第1実施形態において説明した機能を有しているが、ここでは第1実施形態と異なる機能を中心に説明する。
【0058】
DMS100は、記憶部101、制御部102、通信部103等を備える。
【0059】
記憶部101は、同一のコンテンツに対応する複数種類のコンテンツデータを記憶する。ここで複数種類のコンテンツデータとは、例えば同一放送番組の映像コンテンツデータであって、夫々メディアフォーマット、解像度、ビットレート及び対応する機能等が異なるものを指す。
【0060】
制御部102は、記憶部101に記憶されたコンテンツデータの夫々に対してアドレスを付与し、コンテンツデータのメディアフォーマット、解像度、ビットレート、ファイルサイズ、及び対応機能(対応するシーク方法(方式)、シーク方式毎に対応する再生速度等)とアドレスとコンテンツ名とを対応付けたリストを生成する。そして制御部102は、当該リストをネットワークに公開する。また制御部102は、DMR300から通信部103にコンテンツのアドレスを指定したコンテンツ要求を受けると、当該アドレスに対応するコンテンツデータをDMR300に送信する。
【0061】
DMC200は、操作受付部201、制御部202、通信部203、表示部204等を備える。
【0062】
操作受付部201はユーザ操作入力を受け付ける。ここで操作受付部201が受け付ける操作入力の例としては、例えばコンテンツ再生の際にユーザが所望する機能を指定する操作入力や、再生させるコンテンツを選択する操作入力、コンテンツの特殊再生(シーク等の早送り及び巻き戻し)を指示する操作等が挙げられる。
【0063】
制御部202は、DMC200の各構成を制御する。ここで制御部202は、通信部203を用いて、DMS100が公開するリストを取得する。即ちDMC200は、DMS100が記憶するコンテンツデータ夫々についてのコンテンツ名、アドレス、メディアフォーマット、解像度、ビットレート、ファイルサイズ、対応機能(対応するシーク方法、シーク時の再生速度等)を受信する。
【0064】
また制御部202は、ユーザが所望する機能を設定する設定画面を生成する機能を有する。なお設定画面の例としては、例えば図6(A)において説明した設定画面や、図12にて後述する設定画面等が挙げられる。また制御部202はこれら設定画面を表示部204に表示させ、当該画面に対する操作入力に応じてユーザ嗜好情報を設定する。そして制御部202は、コンテンツ再生を指示する操作入力があった場合、ユーザ嗜好情報と、DMS100から取得したリストとに基づいて、1つのコンテンツに対応する複数種類のコンテンツデータのうち、DMR300に再生させるコンテンツデータを絞りこむ。また制御部202は、特殊再生を指示する操作入力を操作受付部201が受け付けた場合、特殊再生に適したコンテンツデータを選択することができる。なお、特殊再生に適したコンテンツデータとは、例えば早送りや巻き戻し等の特殊再生に対応したコンテンツデータであって、特殊再生時にDMR300が表示する画面(フレーム)の更新頻度が高いコンテンツデータや、特殊再生の指示を受けてから実際に特殊再生が開始されるまでの応答期間が短いコンテンツデータ等である
DMR300は、通信部301、制御部302、映像処理部303、表示部304、操作受付部305等を備える。
【0065】
通信部301は、ネットワークを経由して送信された各種コマンドやコンテンツデータを受信する。また通信部301は、制御部302が生成した各種のコマンド・通知をネットワーク経由でDMS100やDMC200に送信する。
【0066】
制御部302は、通信部301が受信したコマンドに応じた処理を実行する。即ち制御部302は、通信部301がDMC200からコンテンツのアドレスと再生指示を受けると、通信部301を用いて当該アドレスにコンテンツ要求を送信する。そして通信部301がコンテンツデータを受信すると、制御部302は当該コンテンツデータを映像処理部303に出力する。また制御部302は、DMC200からシーク(特殊再生)を指示するコマンドを受けると、当該シークコマンドに応じて早送りや巻き戻し等の特殊再生を実行する。
【0067】
また制御部302は、上述したCMS.SinkProtocolInfo、AVT.ServiceDescription、及びAVT.GetCurrentTranspotActionコマンドに対する応答により、DMR300が対応する機能情報(再生可能なメディアフォーマット、対応するシーク方法、シーク方法毎に対応する再生速度、受付可能な操作、等)をDMC200に通知する。更に制御部302は、映像処理部303が複数のコーデックのデコードに対応している場合、コーデック毎のデコード処理能力(処理速度)に関する情報をDMC200に通知する。
【0068】
映像処理部303は、制御部302から入力されたコンテンツデータをデコードする。次に映像処理部303は、当該デコードデータを表示部304が表示可能な形式の映像信号に変換し、表示部304に出力する。そして表示部304は、入力された映像信号を用いて映像を表示する。
【0069】
操作受付部305は、例えば図11において後述する設定画面に対するユーザからの操作入力を受け付ける。そして操作受付部305は、入力した操作の情報を制御部302に出力する。
【0070】
図9は、第2実施形態のDMS100が公開し、DMC200が取得するコンテンツデータのリストの例である。
【0071】
DMS100は、同一の内容のコンテンツに対して、複数種類のコンテンツデータを用意している。つまりDMS100は、例えばビデオコンテンツ1に対してコンテンツデータA、B及びCのコンテンツデータを記憶している。ここでコンテンツデータAは、例えばメディアフォーマットがMPEG−2TS、解像度が高、シーク方法はTime−Based Seekに対応しており、ビットレートは高(例えば25Mbps)である。またコンテンツデータBは、例えばメディアフォーマットがMPEG−2TS、解像度が中、シーク方法はTime−Based Seekに対応しており、ビットレートは中(例えば10Mbps)である。またコンテンツデータCは、例えばメディアフォーマットがMPEG−2PS、解像度が中、シーク方法はByte−Based Seekに対応しており、ビットレートは低(例えば3乃至4Mbps)である。
【0072】
図5はDMC200が生成する、DMR300のデコード処理能力情報のデータベース例である。DMR300は例えばMPEG−2PSとMPEG−2TSとH.264に対応している。そしてデコード速度に関しては、MPEG−2PSが高、MPEG−2TSは中、H.264は低である。
【0073】
図11は、DMC200が表示するユーザ嗜好情報設定画面の例を示す図である。ここで設定画面P30には、早送りや巻き戻し等の特殊再生において画質(解像度及びビットレートの少なくとも一方)と表示画面の更新頻度とのうちどちらを優先するかを設定するための画像が表示される。そしてDMC200は、当該画面に対する操作を受け付けることにより、特殊再生時において画質と画面更新頻度とのうちどちらを優先させるかを選択・決定する。なお、図11には記載していないが、第1実施形態で説明したユーザ嗜好情報設定画面を表示してユーザ嗜好情報を設定してもよい。
【0074】
図12は、第2実施形態に係るDMS100、DMC200及びDMR300による処理シーケンス例を示す図である。なお、本シーケンスにおいては図3にて説明した第1実施形態のシーケンスと共通する処理があるため、本図においては第1実施形態と異なる処理を中心に説明する。
【0075】
まずDMS100はコンテンツデータのリストをネットワークに公開する(S301)。DMC200は、DMR300から機能情報を取得する(S3022)。なお第2実施形態における機能情報は、複数のコーデック夫々に対するDMR300のデコード能力に関する情報を含む。そしてDMC200は取得したDMR300の機能情報に基づいてデータベースを生成する。なお、ここで生成されるデータベースについては、例えば図5や図11に示す形式である。そしてDMC200は、ユーザ嗜好情報を設定するための設定画面を表示部204に表示し、当該設定画面に対する操作入力に応じてユーザ嗜好情報を設定する(S3032)。なお第2実施形態におけるユーザ嗜好情報は、特殊再生時に選択するコンテンツに関する設定を含む。
【0076】
次にDMC200は、DMS100が公開するコンテンツデータのリストを受信する(S304)。なおS301、S3022、S3032及びS304の処理の順番はこれに限るものではなく、S305においてユーザからの再生コンテンツの指示を受ける前にこれらの処理を完了させておけばよい。
【0077】
S305においてDMC200は、再生コンテンツを選択するための選択画面を表示し、当該画面に対するコンテンツ選択操作を受け付ける(S305)。ここでDMC200は、再生操作を受けたコンテンツに複数種類のコンテンツデータが用意されている場合、ユーザ嗜好情報に基づいてコンテンツデータを選択(絞り込み)する(S306)。ここでの選択(絞り込み)は、第1実施形態において説明した通りである。そしてDMC200は、選択した1以上のコンテンツデータのアドレスと再生指示とをDMR300に送信する(S307)。なおS307における再生指示は、+1倍速での再生を指示する通常再生の指示である。
【0078】
DMR300は、コンテンツデータのアドレスと再生指示とを受信すると、コンテンツデータのアドレスを指定したコンテンツ要求を送信する(S308)。なおここでDMR300は、DMC200から複数のコンテンツデータのアドレスを送信された場合、当該複数コンテンツデータのうち自装置の実装に応じたコンテンツデータを選択して、当該コンテンツデータの要求を行う。
【0079】
DMS100は、DMR300からコンテンツデータのアドレスを指定したコンテンツ要求を受けると、当該アドレスに対応するコンテンツデータをDMR300に送信する(S309)。そしてDMR300は受信したコンテンツデータを再生(デコード)して表示する(S310)。
【0080】
ここでDMC200は、通常再生中のコンテンツデータを特殊再生させる操作入力を受けると(S311)、特殊再生に適したコンテンツデータを選択する(S312)。なお、特殊再生に適したコンテンツデータとは、例えば早送りや巻き戻し等の特殊再生が可能なコンテンツデータであって特殊再生時にDMR300が表示する画面(フレーム)の更新頻度が高いコンテンツデータ等である。
【0081】
ネットワーク帯域が制限されている場合や、DMR300でのデコード処理に時間を要する場合、コンテンツデータの解像度、ビットレート、コーデックによって、特殊再生中にDMR300が表示する画面の更新頻度に差が発生する場合がある。具体的には、解像度やビットレートが低いコンテンツデータを特殊再生する場合の画面更新頻度は例えば3回(3枚)/1秒等となるが、解像度やビットレートが高い場合の画面更新頻度は例えば0.5回/1秒等となることがある。
【0082】
このためDMC200は、S3032において、画質と画面更新頻度のうち特殊再生時に優先させる項目をユーザに選択させる。そしてDMC200は、画面更新頻度の優先させる場合、S312において、同一コンテンツに対応する複数種類のコンテンツデータのうち、画面更新頻度が高いコンテンツデータを選択する。なお、画面更新頻度に関わるパラメータは、解像度、ビットレート、コーデック等である。解像度やビットレートが低いほど画面更新頻度は高くなる。つまり、DMC200は、画面更新頻度を優先させる場合、複数のコンテンツデータのうち解像度やビットレートが低いコンテンツデータを選択する。なお、DMC200は、解像度及びビットレートの少なくとも一方が所定値よりも低いコンテンツデータを選択してもよいし、あるいは同一コンテンツに対応する複数コンテンツデータのうち、解像度及びビットレートの少なくとも一方が最も低いコンテンツデータを選択してもよい。
【0083】
また、ユーザによっては画面更新頻度を優先させたい場合であっても、所定画質以上のコンテンツを所望する場合がある。このためDMC200は、画質(解像度及びビットレートの少なくとも一方)についてユーザが許容できる最低値を設定し、当該最低値の画質以上のコンテンツデータのうち画面更新頻度が最も高いコンテンツデータを選択するようにしてもよい。
【0084】
また、DMR300はコーデックによってデコード処理能力が異なる場合がある。そこでDMC200は、S3022においてDMR300のデコード処理能力の情報を取得する。そしてDMC200は、画面更新頻度を優先させる場合、DMR300のデコード処理能力の情報に基づいて、DMR300でのデコード処理速度が高いコーデックのコンテンツデータを選択する。
【0085】
そしてDMC200は、選択したコンテンツデータのアドレスを含むシークコマンド(特殊再生指示)をDMR300に送信する(S313)。DMR300は、コンテンツデータのアドレスと特殊再生指示とを受信すると、コンテンツデータのアドレスを指定したコンテンツ要求を送信する(S314)。なお、特殊再生時においてDMR300は、例えば現在再生している位置の一定時間先(又は後)の位置を指定したコンテンツ要求を連続して送信する。
【0086】
DMS100は、DMR300からコンテンツデータのアドレスを指定したコンテンツ要求を受けると、当該アドレスに対応するコンテンツデータをDMR300に送信する(S315)。そしてDMR300は受信したコンテンツデータを再生(デコード)して表示する(S316)。ここでDMR300は、現在再生している位置の一定時間先(又は後)の位置のコンテンツデータを受信して再生することにより、早送りや巻き戻し等の特殊再生を実行する。
【0087】
そしてDMC200は、通常再生に戻すことを指示する操作入力を受けると(S317)、S306において選択したコンテンツデータを選択して(S318)、当該コンテンツデータのアドレスと再生指示とをDMR300に送信する(S319)。なお、S306においてDMC200が複数のコンテンツデータを選択していた場合、DMC200はS318において当該複数のコンテンツデータを選択してもよいし、あるいは、S310においてDMR300が再生していた1つのコンテンツデータを選択してもよい。
【0088】
そしてS319においてDMC200が再生指示を送信すると、DMR300は当該再生指示に基づいてコンテンツデータを取得・再生する。
【0089】
なお第1実施形態においては、所定の再生速度(例えば4倍速や2倍速)がユーザ嗜好フォーマットとして登録されていた場合、DMC200はS306のコンテンツ絞込みにおいて当該再生速度を利用可能なコンテンツを選択する。しかし第2実施形態においてDMC200は、ユーザ嗜好フォーマットとして登録された再生速度を利用できないコンテンツデータをS306において選択してもよい。これは、第2実施形態においてDMC200は、特殊再生を行う際に通常の再生時とは異なるコンテンツデータに切り替えることができるからである。つまり、例えば通常再生時は1倍速での再生しかできないコンテンツデータを選択し、特殊再生要求を受けた場合には、当該特殊再生を利用できるコンテンツデータを選択するようにしてもよい。
【0090】
また、図12においては、特殊再生に適したコンテンツデータをDMC200が選択する構成を説明したが、特殊再生に適したコンテンツデータをDMR300が選択する構成であっても良い。即ち、S312においてDMC200の制御部202が実行したコンテンツデータの選択をDMR300の制御部302が実行してもよい。またDMR300は図11に示した設定画面を表示部304に表示し、当該設定画面に対する操作入力を操作受付部305が受け付け、受け付けた操作入力に応じて画質優先と画面更新頻度優先とを切り替えてもよい。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0092】
100…DMS、101…記憶部、102…制御部、103…通信部、200…DMC、201…操作受付部、202…制御部、203…通信部、204…表示部、300…DMR、301…通信部、302…制御部、303…映像処理部、304…表示部、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された記憶装置に記憶された、内容が夫々対応し、利用可能な機能が夫々異なる複数のコンテンツデータ毎のアドレスと、前記複数のコンテンツデータ毎に利用可能な前記機能に関する第1機能情報を受信する第1受信手段と、
前記機能のうち外部装置が対応する機能に関する第2機能情報を受信する第2受信手段と、
前記機能のうち、コンテンツデータを再生する場合に利用する機能を選択する選択手段と、
受信された前記第1及び第2機能情報に基づいて、前記複数のコンテンツデータのうち、前記選択された前記機能を前記外部装置で利用可能となる1以上のコンテンツデータが1以上存在するかどうかを判断し、存在する場合、そのアドレスを前記外部表示装置に送信する送信手段と
を備える再生制御装置。
【請求項2】
前記第1受信手段は、前記記憶装置に記憶された前記複数のコンテンツデータ毎にシーク機能を利用可能か否かに関する前記第1機能情報を受信し、
前記第2受信手段は、前記外部装置がシーク機能に対応するか否かに関する前記第2機能情報を受信し、
前記送信手段は、前記複数のコンテンツデータのうち、前記外部装置でシーク機能が利用可能となる前記1以上のコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項1記載の再生制御装置。
【請求項3】
前記第1受信手段は、前記複数のコンテンツデータ毎の解像度及びビットレートのうち少なくとも一方に関する情報を含む前記第1機能情報を受信し、
前記送信手段は、シーク機能を利用した特殊再生を前記外部装置に実行させる場合に、前記複数のコンテンツデータのうち、前記解像度及び前記ビットレートの少なくとも一方に応じたコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項2記載の再生制御装置。
【請求項4】
前記送信手段は、前記特殊再生を前記外部装置に実行させる場合に、前記複数のコンテンツデータのうち前記解像度及び前記ビットレートの少なくとも一方が所定値よりも低いコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項3記載の再生制御装置。
【請求項5】
前記第1受信手段は、前記複数のコンテンツデータ夫々の符号化形式に関する前記第1機能情報を受信し、
前記第2受信手段は、前記外部装置の符号化形式毎のデコード能力に関する前記第2機能情報を前記外部装置から受信し、
前記送信手段は、シーク機能を利用した特殊再生を前記外部装置に実行させる場合に、前記複数のコンテンツデータのうち、前記外部装置におけるデコード能力が高い符号化形式の前記コンテンツデータのアドレスを送信する、請求項3記載の再生制御装置。
【請求項6】
前記選択手段は、特殊再生により表示される画面の更新頻度と、特殊再生により表示される画面の画質とのうちどちらを優先させるかを選択し、
前記送信手段は、前記更新頻度が優先される場合であって、シーク機能を利用した特殊再生を前記外部装置に実行させる場合に、前記複数のコンテンツデータのうち、前記解像度及び前記ビットレートの少なくとも一方に応じたコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項3記載の再生制御装置。
【請求項7】
前記第1受信手段は、前記記憶装置に記憶された前記複数のコンテンツデータ毎に、複数方式のシーク機能のうち利用可能なシーク機能に関する前記機能情報を受信し、
前記第2受信手段は、前記複数方式のシーク機能のうち前記外部装置が利用可能なシーク機能に関する前記第2機能情報を受信し、
前記送信手段は、前記複数のコンテンツデータのうち、前記外部装置でシーク機能が利用可能となる前記1以上のコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項2記載の再生制御装置。
【請求項8】
前記第1受信手段は、前記記憶装置に記憶された前記複数のコンテンツデータ毎に解像度に関する解像度情報を受信し、
前記送信手段は、前記複数のコンテンツデータのうち、前記外部装置でシーク機能が利用可能となり、解像度が所定解像度以上である前記1以上のコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項2記載の再生制御装置。
【請求項9】
前記第1受信手段は、前記記憶装置に記憶された前記複数のコンテンツデータ毎にデータサイズに関する解像度情報を受信し、
前記送信手段は、前記複数のコンテンツデータのうち、前記外部装置でシーク機能が利用可能となり、データサイズが所定サイズ以下である前記1以上のコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項2記載の再生制御装置。
【請求項10】
前記第1受信手段は、前記記憶装置に記憶された前記複数のコンテンツデータ毎に解像度に関する解像度情報を受信し、
前記送信手段は、前記複数のコンテンツデータのうち、前記外部装置でシーク機能が利用可能となり、解像度が最も高いコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項2記載の再生制御装置。
【請求項11】
前記第1受信手段は、前記記憶装置に記憶された前記複数のコンテンツデータ毎にデータサイズに関する解像度情報を受信し、
前記送信手段は、前記複数のコンテンツデータのうち、前記外部装置でシーク機能が利用可能となり、データサイズが最も小さいコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項2記載の再生制御装置。
【請求項12】
前記第1受信手段は、前記記憶装置に記憶された前記複数のコンテンツデータ毎にシーク速度に関する前記機能情報を受信し、
前記送信手段は、前記複数のコンテンツデータのうち、前記外部装置でシーク機能が利用可能となり、シーク速度が最も大きなコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項1記載の再生制御装置。
【請求項13】
前記送信手段は、前記1以上のコンテンツデータのアドレスと再生指示とを前記外部装置に送信する、請求項1記載の再生制御装置。
【請求項14】
制御装置における再生制御方法であって、
ネットワークに接続された記憶装置に記憶された、内容が夫々対応し、利用可能な機能が夫々異なる複数のコンテンツデータ毎のアドレスと、前記複数のコンテンツデータ毎に利用可能な前記機能に関する第1の機能情報を受信することと、
前記機能のうち外部装置が対応する機能に関する第2機能情報を受信することと、
前記機能のうち、コンテンツデータを再生する場合に利用する機能を選択することと、
受信された前記第1及び第2機能情報に基づいて、前記複数のコンテンツデータのうち、前記選択された前記機能を前記外部装置で利用可能となる1以上のコンテンツデータが1以上存在するかどうかを判断し、存在する場合、そのアドレスを前記外部表示装置に送信することと
を備える再生制御方法。
【請求項1】
ネットワークに接続された記憶装置に記憶された、内容が夫々対応し、利用可能な機能が夫々異なる複数のコンテンツデータ毎のアドレスと、前記複数のコンテンツデータ毎に利用可能な前記機能に関する第1機能情報を受信する第1受信手段と、
前記機能のうち外部装置が対応する機能に関する第2機能情報を受信する第2受信手段と、
前記機能のうち、コンテンツデータを再生する場合に利用する機能を選択する選択手段と、
受信された前記第1及び第2機能情報に基づいて、前記複数のコンテンツデータのうち、前記選択された前記機能を前記外部装置で利用可能となる1以上のコンテンツデータが1以上存在するかどうかを判断し、存在する場合、そのアドレスを前記外部表示装置に送信する送信手段と
を備える再生制御装置。
【請求項2】
前記第1受信手段は、前記記憶装置に記憶された前記複数のコンテンツデータ毎にシーク機能を利用可能か否かに関する前記第1機能情報を受信し、
前記第2受信手段は、前記外部装置がシーク機能に対応するか否かに関する前記第2機能情報を受信し、
前記送信手段は、前記複数のコンテンツデータのうち、前記外部装置でシーク機能が利用可能となる前記1以上のコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項1記載の再生制御装置。
【請求項3】
前記第1受信手段は、前記複数のコンテンツデータ毎の解像度及びビットレートのうち少なくとも一方に関する情報を含む前記第1機能情報を受信し、
前記送信手段は、シーク機能を利用した特殊再生を前記外部装置に実行させる場合に、前記複数のコンテンツデータのうち、前記解像度及び前記ビットレートの少なくとも一方に応じたコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項2記載の再生制御装置。
【請求項4】
前記送信手段は、前記特殊再生を前記外部装置に実行させる場合に、前記複数のコンテンツデータのうち前記解像度及び前記ビットレートの少なくとも一方が所定値よりも低いコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項3記載の再生制御装置。
【請求項5】
前記第1受信手段は、前記複数のコンテンツデータ夫々の符号化形式に関する前記第1機能情報を受信し、
前記第2受信手段は、前記外部装置の符号化形式毎のデコード能力に関する前記第2機能情報を前記外部装置から受信し、
前記送信手段は、シーク機能を利用した特殊再生を前記外部装置に実行させる場合に、前記複数のコンテンツデータのうち、前記外部装置におけるデコード能力が高い符号化形式の前記コンテンツデータのアドレスを送信する、請求項3記載の再生制御装置。
【請求項6】
前記選択手段は、特殊再生により表示される画面の更新頻度と、特殊再生により表示される画面の画質とのうちどちらを優先させるかを選択し、
前記送信手段は、前記更新頻度が優先される場合であって、シーク機能を利用した特殊再生を前記外部装置に実行させる場合に、前記複数のコンテンツデータのうち、前記解像度及び前記ビットレートの少なくとも一方に応じたコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項3記載の再生制御装置。
【請求項7】
前記第1受信手段は、前記記憶装置に記憶された前記複数のコンテンツデータ毎に、複数方式のシーク機能のうち利用可能なシーク機能に関する前記機能情報を受信し、
前記第2受信手段は、前記複数方式のシーク機能のうち前記外部装置が利用可能なシーク機能に関する前記第2機能情報を受信し、
前記送信手段は、前記複数のコンテンツデータのうち、前記外部装置でシーク機能が利用可能となる前記1以上のコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項2記載の再生制御装置。
【請求項8】
前記第1受信手段は、前記記憶装置に記憶された前記複数のコンテンツデータ毎に解像度に関する解像度情報を受信し、
前記送信手段は、前記複数のコンテンツデータのうち、前記外部装置でシーク機能が利用可能となり、解像度が所定解像度以上である前記1以上のコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項2記載の再生制御装置。
【請求項9】
前記第1受信手段は、前記記憶装置に記憶された前記複数のコンテンツデータ毎にデータサイズに関する解像度情報を受信し、
前記送信手段は、前記複数のコンテンツデータのうち、前記外部装置でシーク機能が利用可能となり、データサイズが所定サイズ以下である前記1以上のコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項2記載の再生制御装置。
【請求項10】
前記第1受信手段は、前記記憶装置に記憶された前記複数のコンテンツデータ毎に解像度に関する解像度情報を受信し、
前記送信手段は、前記複数のコンテンツデータのうち、前記外部装置でシーク機能が利用可能となり、解像度が最も高いコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項2記載の再生制御装置。
【請求項11】
前記第1受信手段は、前記記憶装置に記憶された前記複数のコンテンツデータ毎にデータサイズに関する解像度情報を受信し、
前記送信手段は、前記複数のコンテンツデータのうち、前記外部装置でシーク機能が利用可能となり、データサイズが最も小さいコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項2記載の再生制御装置。
【請求項12】
前記第1受信手段は、前記記憶装置に記憶された前記複数のコンテンツデータ毎にシーク速度に関する前記機能情報を受信し、
前記送信手段は、前記複数のコンテンツデータのうち、前記外部装置でシーク機能が利用可能となり、シーク速度が最も大きなコンテンツデータのアドレスを送信する、請求項1記載の再生制御装置。
【請求項13】
前記送信手段は、前記1以上のコンテンツデータのアドレスと再生指示とを前記外部装置に送信する、請求項1記載の再生制御装置。
【請求項14】
制御装置における再生制御方法であって、
ネットワークに接続された記憶装置に記憶された、内容が夫々対応し、利用可能な機能が夫々異なる複数のコンテンツデータ毎のアドレスと、前記複数のコンテンツデータ毎に利用可能な前記機能に関する第1の機能情報を受信することと、
前記機能のうち外部装置が対応する機能に関する第2機能情報を受信することと、
前記機能のうち、コンテンツデータを再生する場合に利用する機能を選択することと、
受信された前記第1及び第2機能情報に基づいて、前記複数のコンテンツデータのうち、前記選択された前記機能を前記外部装置で利用可能となる1以上のコンテンツデータが1以上存在するかどうかを判断し、存在する場合、そのアドレスを前記外部表示装置に送信することと
を備える再生制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−51667(P2013−51667A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−44806(P2012−44806)
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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