説明

再生装置及び再生方法

【課題】1台の再生装置に複数のユーザーが個別に設定内容を選択することができる場合において、一方のユーザーが設定した内容を他方が流用することにより、ユーザーの設定動作の煩雑さを軽減し、また、設定動作に要する時間を節約する。
【課題を解決するための手段】コンテンツをユーザー利用毎の機能設定情報に従った再生機能設定により再生する再生部と、ユーザー利用毎に再生部で利用する機能設定情報を保存する保存部と、一のユーザー利用の機能設定情報を変更するために他のユーザー利用の機能設定情報のうち一部の機能に関する機能設定情報を複写して変更する変更部とを有する再生装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツをユーザー利用毎の機能設定情報に従った再生機能設定により再生する再生装置及び再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビやDVDプレーヤーなどのディスプレイ装置をはじめとする再生装置でコンテンツを視聴する際には、一般にメニュー設定画面に表示されるメニューの中からユーザーが自らの嗜好により、コントラスト、シャープネスなどの画面設定や主/副音声や音量(ボリューム)などの音声設定などの設定内容を選択して設定することが広く行われている。また、最近では、このメニュー設定を複数とおり行うことができ、従って、1台の再生装置に複数のユーザーがいる場合に、当該複数ユーザーの各自が、それぞれ自己の嗜好により個別に設定内容を選択することができるものも見られる。この場合、従来は一般に当該再生装置の工場出荷時にプリセットされた初期メニューを、各ユーザーが個別に自分の嗜好に合わせて設定していた。
例えば、特許文献1では、ユーザーを識別することにより様々な設定を各ユーザーが個別に行うことが可能なテレビシステムにかかる技術が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002‐335513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、1台の再生装置を使用する複数のユーザーの間では、設定内容に関する嗜好が基本的に共通で、一部だけが異なっているという場合も考えられる。従来は、このような場合でも、複数のユーザーのそれぞれが自己の嗜好により個別に設定内容を選択して設定するということがなされていた。
しかし、再生機能が多様化し、メニュー設定内容が多岐に亘るようになってくると、このように各ユーザーの嗜好が基本的に共通する場合までいちいち個別に設定するのは煩雑である。例えば、映像に関連するメニュー設定内容が、ブライトネス値、コントラスト値、シャープネス値、カラーバランス(色調補正)値の4つである場合に、ユーザーAは、いずれも値を「8」に設定するとの嗜好を有し、ユーザーBは、カラーバランス値のみ「7」、その余の値は「8」に設定するとの嗜好を有していたとする。この場合は、例えば、工場出荷時のプリセットがすべて「5」に設定されていたとすると、従来の方法では、ユーザーA、Bがすべてのメニューについてそれぞれ個別に設定することになるため、合計で8回の設定動作を行う必要があることになる。
これに対し、仮に、どちらか一方が設定した内容を他方が流用することにより設定できるとすれば、かかる設定動作は極めて容易になる。上の例では、仮にAがすべてのメニューについて設定した後、Bがこれを流用できるとすれば、Bはカラーバランス値のみを8から7に変更するだけで済むので、A、Bの設定動作は合計で5回に減少し、またこの設定動作に要する時間も節約が可能となる。特に、デジタル放送の普及などに伴い、映像、音声だけでなく放送データについても様々なメニューが選択の対象となってきているなどの最近の事情に鑑みれば、このような流用ができないことはますます不便になっていくことが予想され、かかる流用が可能なメニュー設定を実現することがますます必要になっている。
【0004】
また、一のユーザーについても、例えば、昼間と夜間とで音量値の設定を変えるように、複数の設定を利用して再生を行いたい場合がある。この場合にも、従来技術を用いて昼間と夜間を別々のユーザーとみなすことにより、一のユーザーがかかる複数の設定を利用すること自体は可能であるが、やはり一方の設定を他方が流用できないため、上に述べたところと同様の不便が生じる。例えば、音声に関連するメニュー設定内容が、音量(ボリューム)値、バランス、Bass、ドルビーのON/OFFの選択の4つであるとして、ボリューム値が一方(昼間用)では「MAX値60」、他方(夜間用)では「MAX値25」に設定されており、他のメニューについては同じ設定内容であるとする。この場合においてボリューム値を昼間用から夜間用に、あるいは夜間用から昼間用に変更する際に、他のメニュー設定内容は同じであるにもかかわらず、これを流用できずに双方において同じ設定を繰り返して行わなければならないのは不便である。
【0005】
そこで、本発明が解決すべき課題は、1台の再生装置に複数のユーザーが個別に設定内容を選択することができる場合(一のユーザーが複数の設定内容を選択することができる場合を含む。以下同じ。)において、一方のユーザーが設定した内容を他方が流用することにより、ユーザーの設定動作の煩雑さを軽減し、また、設定動作に要する時間を節約できるような再生装置及び再生方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、本発明のうち請求項1に記載の発明は、コンテンツをユーザー利用毎の機能設定情報に従った再生機能設定により再生する再生部と、ユーザー利用毎に再生部で利用する機能設定情報を保存する保存部と、一のユーザー利用の機能設定情報を変更するために他のユーザー利用の機能設定情報のうち一部の機能に関する機能設定情報を複写して変更する変更部とを有する再生装置を提供する。また、請求項2に記載の発明は、変更部は、保存されている機能設定情報をユーザー利用単位で変更するために更新用情報を一時保持する更新用情報保持手段と、一のユーザー利用の機能設定情報を変更するために他のユーザー利用の機能設定情報のうち一部の機能に関する機能設定情報を更新用情報として更新用情報保持手段に複写する複写手段と、更新用情報保持手段に保持されている更新用情報により保存部に保存されている機能設定情報を更新して変更する変更手段とを有する請求項1に記載の再生装置を提供する。また、請求項3に記載の発明は、変更部は、複写手段が複写すべきユーザー利用の機能設定情報のうち複写して流用すべき機能を特定するための入力を受け付ける機能特定入力手段を有する請求項2に記載の再生装置を提供する。また、請求項4に記載の発明は、変更部は、複写手段が複写する複写元のユーザー利用の機能設定情報として変更直前のユーザー利用の機能設定情報を特定する複写元特定手段を有する請求項2又は3に記載の再生装置を提供する。また、請求項5に記載の発明は、ユーザー毎の機能設定情報の変更履歴を保持する変更履歴保持部を有し、変更部は、保持されている変更履歴に基づいてアンドゥーを実行して保存されている機能設定情報を復帰変更する復帰変更手段を有する請求項1から4のいずれか一に記載の再生装置を提供する。
また、請求項6に記載の発明は、コンテンツをユーザー利用毎の機能設定情報に従った再生機能設定により再生する手段を有する再生装置を利用した再生方法であって、ユーザー利用毎に再生に利用する機能設定情報を保存する保存ステップと、コンテンツをユーザー利用毎の機能設定情報に従った再生機能設定により再生する再生ステップと、一のユーザー利用の機能設定情報を変更するために他のユーザー利用の機能設定情報のうち一部の機能に関する機能設定情報を複写して変更する複写・変更ステップとを有する再生方法であって、前記再生ステップにおける再生は、前記複写・変更ステップにおいて機能設定情報の複写・変更がなされた場合には、変更後の機能設定情報に従った再生機能設定によりなされることを特徴とする再生方法を提供する。また、請求項7に記載の発明は、前記複写・変更ステップは、複写すべきユーザー利用のうち複写して流用すべき機能を特定するための入力を受け付ける機能特定入力サブステップと、一のユーザー利用の機能設定情報を変更するために他のユーザー利用の機能設定情報のうち一部の機能に関する機能設定情報を更新用情報として複写する複写サブステップと、前記複写サブステップにて複写された更新用情報により機能設定情報を更新して変更する変更サブステップとを有する請求項6に記載の再生方法を提供する。また、請求項8に記載の発明は、さらに、複写する複写元のユーザー利用の機能設定情報として変更直前のユーザー利用を特定する複写元特定ステップを有し、前記複写・変更ステップにおいては、前記複写元特定ステップにて特定された複写元のユーザー利用の機能設定情報のうち一部の機能に関する機能設定情報が複写されることを特徴とする請求項6又は7に記載の再生方法を提供する。さらに、請求項9に記載の発明は、前記複写・変更ステップにおける変更は、ユーザー毎の機能設定情報の変更履歴に基づいてアンドゥーを実行して保存されている機能設定情報を復帰変更することを特徴とする請求項6から8のいずれか一に記載の再生方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、一方のユーザーが設定した内容を他方が流用することにより、ユーザーの設定動作の煩雑さを軽減し、また、設定動作に要する時間を節約できるような再生装置及び再生方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係は以下のとおりである。実施例1は主に請求項1、請求項2、請求項6などに関し、実施例2は主に請求項3請求項7などに関し、実施例3は主に請求項4、請求項8などに関する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【実施例1】
【0009】
<概要>
本実施例の再生装置は、コンテンツをユーザー利用毎の機能設定情報に従った再生機能設定により再生する手段と、ユーザー利用毎に前記手段で利用する機能設定情報を保存する手段と、一のユーザー利用の機能設定情報を変更するために他のユーザー利用の機能設定情報のうち一部の機能に関する機能設定情報を複写して変更する手段とを有する。
【0010】
<構成>
図1は、本実施例の再生装置の機能ブロックの一例を示す図である。本件発明の構成要素である各部は、ハードウェア、ソフトウェア、ハードウェアとソフトウェアの両者、のいずれかによって構成される。たとえば、これらを実現する一例として、コンピュータを利用する場合には、CPU、メモリ、バス、インターフェイス、周辺機器などから構成されるハードウェアと、これらのハードウェア上にて実行可能なソフトウェアを挙げることができる。具体的には、メモリ上に展開されたプログラムを順次実行することで、メモリ上のデータや、インターフェイスを介して入力されるデータの加工、蓄積、出力などにより各部の機能が実現される。
【0011】
同図に示すように、本実施例の「再生装置」0100は、「再生部」0101と、「保存部」0102と、「変更部」0103とからなる。また、「変更部」は、同図に示すように「更新用情報保持手段」0104と、「複写手段」0105と、「変更手段」0106とを有していてもよい。
「再生部」は、コンテンツをユーザー利用毎の機能設定情報に従った再生機能設定により再生するように構成されている。コンテンツの種類は問わない。従って、映像と音声の双方を含むコンテンツや、さらに放送データをも含むコンテンツであってもよいし、映像のみ、音声のみのコンテンツなどでもよい。「機能設定情報」とは、コンテンツの再生コンディションなどを制御するための情報をいう。「機能設定」の具体例としては、例えば以下のものを挙げることができる。映像に関連する情報(ここでは「視聴関連」の情報と呼ぶこととする)としては、ブライトネス値、コントラスト値、シャープネス値、カラーバランス(色調補正)、再生速度(通常再生、二倍速再生、スローモーション再生など)などを挙げることができる。音声関連の情報としては、音量(ボリューム)値、バランス、Bass、ドルビーのON/OFFの選択、主/副音声の選択、スピーカ/イヤホンの選択、ステレオ/モノラルの選択などを挙げることができる。また、OSD表示関連の情報としては、フォントサイズの選択、メニューデザインの選択などを挙げることができる。その他、チャンネル表示その他のメニュー表示の有無や、放送データにあっては電子番組情報(EPG)の表示その他の放送データの表示の有無などを挙げることができる。さらには、初期チャンネル設定やタイマー機能のON/OFF、省エネモード選択の有無なども挙げることができる。かかる機能設定のための操作は、例えば再生装置がテレビ等のディスプレイ装置である場合には、リモコンのボタン押下による入力などにより行われる。
【0012】
図2は、かかる機能設定操作のためのキーが配置されたテレビ等のリモコンの一例を示す概念図である。本実施例の再生装置は、上述のようにユーザー利用毎の機能設定情報に従った再生機能設定により再生するように構成されており、このため機能設定がユーザー利用毎になされる再生装置である。同図に示す例でも、このことを反映して、リモコンに「ユーザー切り替えメニューキー」0206が設けられている。また、同図に示すリモコンには、機能設定内容を選択するための「メニューキー」0205も設けられている。そして、この「ユーザー切り替えメニューキー」及び「メニューキー」などからの入力に基づいて、ユーザー利用毎の機能設定情報に従った再生機能設定処理が実行可能となる。当該処理の実行のための具体的構成については後述する。
【0013】
「保存部」は、ユーザー利用毎に再生部で利用する機能設定情報を保存するように構成されている。
「変更部」は、一のユーザー利用の機能設定情報を変更するために他のユーザー利用の機能設定情報のうち一部の機能に関する機能設定情報を複写して変更するように構成されている。例えば、前述の例に即せば、一のユーザーであるBの機能設定情報をプリセット値である「ブライトネス値5、コントラスト値5、シャープネス値5、カラーバランス値5」から「ブライトネス値8、コントラスト値8、シャープネス値8、カラーバランス値7」に変更する場合、すでに他のユーザーであるA利用の機能設定情報が「ブライトネス値8、コントラスト値8、シャープネス値8、カラーバランス値8」に設定されているので、機能設定情報のうちA利用のものを流用するブライトネス値、コントラスト値、シャープネス値についてはこれを複写し、カラーバランス値だけを個別に設定することにより、全体の機能設定情報を変更することになる。なお、「変更」には、一旦他のユーザー用にカスタマイズされた設定を文字通り「変更」する場合のほか、上述の例のように、工場出荷の際のプリセット状態から初めてユーザー用にカスタマイズする際に行う設定(即ち、プリセット状態からの変更)も含まれる。
以上から明らかなように、本実施例の「再生装置」は、コンテンツを、ユーザー利用毎の機能設定情報に従った再生機能設定により再生するものであれば、その種類を問わない。典型的には、映像及び音声を再生可能なテレビ、DVDプレーヤー、パソコンなどのディスプレイ装置が該当するが、これに限られず、音声のみを再生するオーディオ機器などであってもよい。
【0014】
また、「変更部」が有する「更新用情報保持手段」は、保存されている機能設定情報をユーザー利用単位で変更するために更新用情報を一時保持するように構成されている。「複写手段」は、一のユーザー利用の機能設定情報を変更するために他のユーザー利用の機能設定情報のうち一部の機能に関する機能設定情報を更新用情報として更新用情報保持部に複写するように構成されている。「変更手段」は、更新用情報保持手段に保持されている更新用情報により保存部に保存されている機能設定情報を更新して変更するように構成されている。ここで「更新用情報」とは、機能設定情報の複写・変更処理に利用するために、機能設定情報そのものとは別に生成、保持される情報である。
【0015】
そこで、次に、この機能設定情報の複写・変更にかかる具体的構成について、より詳細な具体例を示しつつ、さらに説明する。なお、ここでは「変更部」が「更新用情報保持手段」、「複写手段」及び「変更手段」を有する場合の例で説明する。
他のユーザー利用の機能設定情報のうち一部の機能に関する機能設定情報を複写して変更する場合、まず、当該情報の設定対象となるユーザーの切り替えが行われる。これは、例えば前述のように、リモコンに設けられた「ユーザー切り替えメニューキー」の押下に基づいて行われる。以下、この例に即しつつ、ユーザーAからユーザーBへの切り替えを行う場合について説明する。
まず、リモコンに設けられた「ユーザー切り替えメニューキー」が押下されると、再生装置のディスプレイ画面上にユーザー切り替えメニューが表示される。
【0016】
図3(a)は、かかるユーザー切り替えメニューの表示例を示す。同図はユーザーBがユーザーAの機能設定情報の一部を複写してB自身の機能設定情報として流用する場合の例である。この場合、図2で示したリモコンに設けられたカーソルキー0208でカーソルを移動させることにより、ユーザーBが選択される。図3(a)では、かかる操作によりユーザーBが選択された状態が示されている。次に、やはり図2で示したリモコンに設けられた決定キー0209の押下により画面表示がユーザー切り替えメニューから次に示す設定内容の選択メニューに切り替わる。
図3(b)は、設定内容の選択メニューの表示例を示す。この場合、選択メニューとして、「視聴関連」、「音声関連」、「OSD表示関連」といったメニューが現在の設定内容を維持するか否かについてYES/NOによる選択が可能なように画面上に表示される(なお、ここで「現在の設定内容を維持する」とは、複写元のユーザー(即ち、他のユーザー)であるAから見た表現であり、他のユーザーAの設定内容を複写して一のユーザーBの設定内容とするという意味である。以下における「現在の設定内容を維持する」の用例もこれと同じである)。そして、例えば、「視聴関連」については、すべて現在の機能設定情報(ユーザーAの機能設定情報)の設定内容を維持するとの選択がなされた場合には、「Yes」の位置にカーソルが移動させられて決定キーが押下されることにより、視聴関連の機能設定情報についてはすべてユーザーAについて既に設定されている情報が複写され、そのままユーザーBの機能設定情報となる。一方、例えば音声関連の機能設定情報については、一部現在の機能設定情報を変更する(即ち、現在の設定内容である他のユーザーAの機能設定情報の設定内容を維持しない)との選択がなされた場合には、「No」の位置にカーソルが移動させられて決定キーが押下されることにより、画面は設定値保存用エリアの画面に切り替わる。同図では、視聴関連とOSD関連の機能設定情報については、「Yes」が選択され、音声関連の機能設定情報については「No」が選択された状態が示されている。
【0017】
図4及び図20は、音声関連の機能設定情報の変更のための設定値保存用エリアの画面の表示例を示す。これらの図の例では、画面左側に現在の設定であるユーザーA利用にかかる機能設定情報が、右側にユーザーB利用にかかる機能設定情報が、それぞれ表示されている。このユーザーB利用にかかる機能設定情報は、これまでにユーザーBについてカスタマイズされた情報があれば、例えばその直近のものが表示され、また、未だユーザーBについて一度もカスタマイズされた情報がない場合には、例えば工場出荷時のプリセット状態における情報が表示される。本例は、これまでにユーザーBについてカスタマイズされた情報のうち直近のものが表示されている場合を示す。そして、ユーザーBにより、B自身の機能設定情報をそのまま維持したいとの選択がなされた場合、例えば図2で示したリモコンに設けられた「戻る」キー0210の押下により元の設定内容の選択メニューの表示画面に戻る。また、当該現在の機能設定情報を一括して維持するのではなく、「音量値」、「バランス」といった個々の項目ごとに現在の情報を維持するか否かについてYES/NOの選択ができるようにしてもよい。例えば、図示は省略したが、ユーザーBについての各項目の横に図3(b)の設定内容の選択メニュー画面と同様のYES/NOの表示があり、これをカーソルの移動により選択できるようにしてもよい。そしてこの場合、例えば、音量値については、ユーザーBの機能設定情報(同図の例に即せば「15」)を維持し、バランスについてはユーザーBの機能設定情報(同図の例に即せば「0」)を維持せず、ユーザーAの現在の機能設定情報(同図の例に即せば「L1」)を維持する(即ち、ユーザーAの機能設定情報を複写してユーザーBの機能設定情報を変更する)とするといった要領で個別に選択がなされ得る。あるいは、ある項目についてB自身の直近の機能設定情報でもAの現在の機能設定情報でもない新たな値を直接入力できるように構成されていてもよい。そしてかかる個別の選択や入力が完了した後、上例と同様に「戻る」キーの押下などにより元の設定内容の選択メニューの表示画面に戻る。
【0018】
そこで、図3(b)に戻り、OSD表示関連等にもついても、上述の視聴関連又は音声関連と同様の設定処理動作がなされ、その他にも機能があればこれらを含めてすべての選択メニューについて処理動作が終了すると、画面一番下の設定完了についてのYESの表示へのカーソルの移動及び決定キーの押下に基づいて、設定内容の選択メニューにかかる処理動作が完了する。
【0019】
次に、本実施例の再生装置のハードウェア構成について説明する。
図5は、本実施例の再生装置のハードウェア構成の一例を示す概略図である。この図にあるように、本実施例の再生装置の再生部は「記憶装置」0501と、「メインメモリ」0502と、「CPU」0503と、「I/O」0504と、「ディスプレイ」0506とから構成される。保持部は「記憶装置」と、「メインメモリ」と、「CPU」とから構成される。変更部は「記憶装置」と「メインメモリ」と、「CPU」と、「I/O」と、「リモコン」0505とから構成される。これらは「システムバス」0507などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
記憶装置はCPUによって実行される各種プログラムなどを記憶している。またメインメモリは、プログラムがCPUによって実行される際の作業領域であるワーク領域を提供する。また、このメインメモリや記憶装置にはそれぞれ複数のメモリアドレスが割り当てられており、CPUで実行されるプログラムは、そのメモリアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
【0020】
まず、機能設定情報の保存にかかる構成について説明する。この場合、再生装置は、当該情報を予め保持しているか、又は自ら生成し、もしくは外部から取得して記憶装置に記憶させることで保存する。再生装置が当該情報を予め保持している場合としては、例えば、再生装置の工場出荷時におけるプリセット状態の機能設定情報が予めセットされている場合が考えられる。また、自ら生成する場合としては、例えば、機能設定情報生成プログラムが予め記憶装置に記憶されており、リモコン、キーボード、マウスなどによる入力により、インターフェイスを介して取得された機能設定情報生成指令に基づいて、CPUが当該プログラムを実行して機能設定情報を生成するといった構成が考えられる。また、外部から取得した機能設定情報を保存する場合の取得元としては、例えば、放送波やDVD‐ROMなどの記録媒体などが考えられる。
本例では、ユーザーAのリモコンによる入力に基づいて生成された機能設定情報Aが記憶装置のα領域に記憶されているものとする。本例では機能設定情報Aは、視聴関連として「ブライトネス値8、コントラスト値5、シャープネス値6、カラーバランス値−20」、音声関連として「音量値10、バランスL1、Bass1、ドルビーOFF」との設定内容を有するものとする。かかる設定内容は、例えばユーザーAが前述した要領によりリモコンのユーザー切り替えメニューキー、カーソルキー、決定キーなどを操作することで入力される。あるいは当該設定は、次に述べる複写・変更処理としてなされたものであってもよい。例えば、工場出荷時にプリセットされ、記憶装置に記憶されていた機能設定情報を読み出して、これを複写・変更する場合がこれに該当する。そして、かかる機能設定情報を記憶装置に記憶させる際には、これがユーザーAにかかるものであることを示すための識別情報(例えばA001といった識別符号からなる情報)と関連付けて記憶させる。
同様に、ユーザーBにかかる機能設定情報Bが記憶装置のβ領域に記憶されている。本例では機能設定情報Bは、視聴関連として「ブライトネス値0、コントラスト値1、シャープネス値3、カラーバランス値10」、音声関連として「音量値15、バランス0、Bass8、ドルビーON」との設定内容を有するものとする。そして、これがユーザーBにかかるものであることを示すための識別情報(例えばB001といった識別符号からなる情報)と関連付けて記憶されている。
【0021】
次に、機能設定情報Bを一部機能設定情報Aの設定内容を複写しつつ変更する場合の具体的構成について説明する。この場合、まず記憶装置に予め記憶されている複写・変更プログラムがメインメモリのワーク領域に展開されるとともに、記憶装置に記憶されている機能設定情報A及び機能設定情報Bも読み出されてメインメモリのデータ領域A、Bに一時保持される。そして、CPUが当該プログラムを実行することにより機能設定情報の複写・変更処理が行われる。具体的には、読み出された機能設定情報Aの各設定内容ごとに、リモコンからI/Oを通じて入力された信号に基づいて、当該設定内容を維持するか変更するかの選択を行って、前者(機能設定情報Aの設定内容を維持する)であれば機能設定情報Aの設定内容を更新用情報として複写し、これをメインメモリに一時保持する。そして、機能設定情報Bの当該設定内容をこれによって置き換える。この置換え処理は、例えば、CPUが複写・変更プログラムを実行することにより更新用情報の設定内容にかかるデータで複写先である機能設定情報Bの当該設定内容にかかるデータを上書きすることにより実行される。一方、後者(機能設定情報Aの設定内容を変更する)であれば、例えば機能設定情報Bの当該設定内容にかかるデータがそのまま残ることになる。この機能設定情報Aの設定内容の維持・変更の選択は、視聴関連、音声関連といった単位で行ってもよいし、その中を細分化したブライトネス値、コントラスト値などの単位ごとに行ってもよい。
例えば、図4及び図20に示した例に即せば、機能設定情報Aのうち視聴関連の「ブライトネス値8、コントラスト値5、シャープネス値6、カラー値−20」については、この設定内容を維持するとの選択がなされたとする。すると、CPUは複写・変更プログラムを実行することにより、「ブライトネス値8、コントラスト値5、シャープネス値6、カラー値−20」とのデータを複写(コピー)し、このデータによりそれまでの機能設定情報Bの当該設定内容である「ブライトネス値0、コントラスト値1、シャープネス値3、カラー値10」を置き換える。一方、機能設定情報Aのうち音声関連の「音量値10、バランスL1、Bass1、ドルビーOFF」については、これを維持せず、機能設定情報Bの現在の設定内容である「音量値15、バランス0、Bass8、ドルビーON」を残すとの選択がなされたとすると、当該部分については特段の処理はなされないこととなる。以上の結果、記憶装置から読み出された機能設定情報Bの設定内容は、視聴関連については「ブライトネス値8、コントラスト値5、シャープネス値6、カラー値−20」、音声関連については「音量値15、バランス0、Bass8、ドルビーON」という新たな設定内容に変更された状態となる。そこで、CPUは、この変更後の機能設定情報にユーザーBにかかる識別情報を関連付けて、これを機能設定情報Bとして記憶装置に記憶されていた従来の機能設定情報Bに置き換えてこれを記憶させて保持する。
次に、コンテンツの再生処理については、CPUが再生プログラムを実行することにより処理がなされる。その際、当該処理が上記処理によって生成、保持されたユーザー利用毎の機能設定情報に従ってなされる点に特徴があるが、再生処理のための具体的構成自体は、既存の技術を利用してなし得るものであり、当業者の適宜の設計事項であるから、説明を省略する。
【0022】
以上に述べた処理は、一のユーザーが複数の機能設定情報を利用して、当該設定による再生を行う場合であっても同様である。かかる場合の具体例については、別の実施例のところで詳述する。
【0023】
以上の説明においては、更新用情報を利用して他のユーザー利用の機能設定情報で一のユーザー利用の機能設定情報を上書きして変更する場合の例で説明したが、本実施例における変更処理は、必ずしも更新用情報を利用して行われなくてもよい。例えば、ICチップ等の記録媒体に記録された情報に基づいて一のユーザー利用の機能設定情報を直接上書きすることにより当該変更処理がなされてもよい。
【0024】
また、以上の説明においては、主に一のユーザー利用の機能設定情報を他のユーザー利用の機能設定情報で変更する場合になされる変更対象たる機能を特定するための入力が、記憶装置に記憶されている他のユーザー利用の機能設定情報を一旦メインメモリに読み出して、その中から流用しようとする機能を特定するために行う入力である場合を前提に説明した。この場合、メインメモリに読み出された機能設定情報について、一つ一つ当該設定内容を維持するか変更するかの判断がなされることとなる。しかし、本実施例の再生装置は、かかる構成のものに限れられず、例えば、予め変更対象として選択された機能にかかる情報として特定されたもののみを受け付けて処理するように構成されたものであってもよく、この場合には設定内容を維持するか変更するかの判断は不要となる。
【0025】
なお、本発明の再生装置の構成とは異なるが、変更部は、一のユーザー利用の機能設定情報を変更するために他のユーザー利用の機能設定情報のうち「一部の機能」に関する機能設定情報を複写して変更するのではなく、他のユーザー利用の機能設定情報のうち「全部又は一部の機能」に関する機能設定情報を複写して変更するように構成されていてもよい。全部の機能に関する機能設定情報を複写して変更する場合としては、例えば、図3(b)の設定内容の選択メニューの表示例に即して言えば、すべての選択メニューについて、すべて現在の機能設定情報(ユーザーAの機能設定情報)を維持するとの選択がなされ、すべてのメニューについて、「Yes」の位置にカーソルが移動させられて決定キーが押下された後、画面一番下の設定完了についてのYESの表示にカーソル移動、決定キー押下がなされ、設定内容の選択メニューにかかる処理動作が完了するといった場合が該当する。これにより、ユーザーBの機能設定情報は、すべてユーザーAの機能設定情報が複写されてこれと同一内容に置き換えられることになる。
【0026】
以上のように構成したことから、一のユーザー(例えばB)利用の機能設定情報を変更する際に、他のユーザー(例えばA)利用の機能設定情報のうち、自身(B)の嗜好に一致する部分については、いちいちAと同じ値を直接キー入力することなどが不要となり、これに代えてカーソルキーなどによりYES/NOの簡単な選択操作だけで当該値を変更後の値として設定できることになる。これにより、ユーザーの設定動作の煩雑さが軽減され、設定動作に要する時間を節約することが可能となる。
【0027】
<処理の流れ>
図6は、本実施例の再生装置における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップを有する。
まず、保存ステップS0601において、再生装置は、ユーザー利用毎に再生に利用する機能設定情報を保存する。
次に、再生ステップS0602において、再生装置は、前記保存ステップにて保存されたユーザー利用毎の機能設定情報に従った再生機能設定によりコンテンツを再生する。
次に、複写・変更ステップS0603において、再生装置は、前記再生ステップにおける再生に利用された一のユーザー利用の機能設定情報を変更するために、他のユーザー利用の機能設定情報のうち一部の機能に関する機能設定情報を複写して変更する。
次に、保存ステップ(機能設定情報変更後)S0604において、再生装置は、前記複写・変更ステップにおいて機能設定情報の複写・変更がなされた場合には、変更後の機能設定情報を保存する。
さらに、再生ステップ(機能設定情報変更後)S0605において、再生装置は、前記保存ステップ(機能設定情報変更後)において保存された変更後のユーザー利用毎の機能設定情報に従った再生機能設定によりコンテンツを再生する。
なお、上記ステップのうち、保存ステップにおける処理と、保存ステップ(機能設定情報変更後)における処理とは、保存対象である機能設定情報が複写・変更ステップにおいて機能設定情報の複写・変更がなされたものであるか否かだけの相違であり、保存処理自体の処理内容は同じである。再生ステップにおける処理と、再生ステップ(機能設定情報変更後)における処理についても同様である。
【0028】
次に、複写・変更ステップにおける処理の流れについて、別図を用いてさらに詳細に説明する。
図7は、当該複写・変更ステップにおける処理の流れの一例を示す図である。同図に示すように、まず、作業を開始するか否かの判断ステップS0701において、作業を開始するとの判断がなされた場合、複写・変更プログラムの起動ステップS0702において、再生装置(具体的には変更部を構成するCPU。以下同じ。)は、記憶装置に記憶されている複写・変更プログラムをメインメモリに展開することで起動する。次に、自身が利用したい他人の設定情報の選択の受付ステップS0703において、再生装置は、他のユーザー利用にかかる機能設定情報の設定内容ごとに、他のユーザー利用にかかる機能設定情報の選択を受け付ける。この選択受付は、例えばリモコンからI/Oを通じて入力された信号を受け付けることにより実行される。この信号は、例えば当該機能設定情報の設定内容ごとに、現在の設定内容を維持するか変更するかをリモコンのキー操作により選択して入力されたものである。
そして、このようにして入力されi番目(iは1から始まる整数)に受け付けた選択にかかる設定項目が取得されると(ステップS0704、S0705)、選択された設定項目にかかる設定内容を維持するか変更するかの選択ステップS0706において、取得された他のユーザー利用にかかる機能設定情報の設定内容を維持する(即ち、他のユーザー利用にかかる機能設定情報の設定内容を複写して一のユーザー利用にかかる機能設定情報の設定内容を変更する。)との選択がなされた場合、「設定項目iについて他のユーザー利用にかかる機能設定情報の設定内容を維持するために当該機能設定情報を保持するステップS0707において、再生装置は、当該設定内容にかかる他のユーザー利用の機能設定情報を更新用情報として一時保持する。一方、前記ステップS0706において、他のユーザー利用にかかる機能設定情報の設定内容を変更する(本例では自身の利用にかかる機能設定情報の設定内容をそのまま維持する。)との選択を行った場合は、設定項目iについて自身の利用にかかる機能設定情報の設定内容を維持するために保持するステップS0708において、再生装置は一のユーザー利用にかかる機能設定情報の設定内容をそのまま維持するために保持する。この結果、一のユーザー利用にかかる機能設定情報の設定内容が変更されずにそのまま残ることになる。
そして、前記ステップS0707又はS0708における処理がなされると、iが最後か否かの判断ステップS0709に進み、当該ステップにおいて最後であるとの判断がなされた場合、保持されている設定情報で自身の設定情報を更新するステップS0710において、再生装置は、一時保持されている更新用情報を複写して一のユーザー利用にかかる機能設定情報の当該設定内容にかかるデータを上書きする(なお、前記ステップS0708において一のユーザー利用にかかる機能設定情報の設定内容をそのまま維持するために保持された場合には、ステップS0710における処理は行われない)。これにより、他のユーザー利用にかかる機能設定情報の設定内容を複写して一のユーザー利用にかかる機能設定情報の設定内容を変更する処理が実行されたことになる。
一方、前記ステップS0709において最後ではないとの判断がなされた場合は、前記ステップS0705に戻って、上述のステップS0705以下の処理が再度行われ、前記ステップS0709において「iは最後である」との判断がなされるまで同様の処理が繰り返される。
なお、以上においては、前記ステップS0709において「iは最後である」との判断がなされて初めてステップS0710における処理がなされる例で示したが、これとは異なり、ステップS0707で更新用情報が保持される都度、当該更新用情報を利用した一のユーザー利用の機能設定情報の当該設定内容にかかる変更処理がなされてもよい。
【0029】
<効果>
本実施例の再生装置により、一方のユーザーが設定した内容を他方が流用することにより、ユーザーの設定動作の煩雑さを軽減し、また、設定動作に要する時間を節約できるような再生装置及び再生方法を提供することが可能となる。
【実施例2】
【0030】
<概要>
本実施例の再生装置は、基本的に実施例1の装置と共通するが、変更部が、複写手段が複写すべきユーザー利用の機能設定情報のうち複写して流用すべき機能を特定するための入力を受け付ける手段を有する点に特徴がある。
【0031】
<構成>
図8は、本実施例の再生装置の機能ブロックの一例を示す図である。本実施例の「再生装置」0800は、実施例2の再生装置と基本的に共通する。ただし、「変更部」0803は、「機能特定入力手段」0807をさらに有する。
「機能特定入力手段」は、複写手段が複写すべきユーザー利用の機能設定情報のうち複写して流用すべき機能を特定するための入力を受け付けるように構成されている。ここでいう「機能」は、実施例1などと同様、ブライトネス値、音量値などをいう。従って、「機能を特定するための入力」とは、複写して流用すべき機能として、これらのどれを対象とするかを特定するための入力をいう。
【0032】
ここで、「機能を特定するための入力」には、二つの意義がある。一つは、実施例1で述べたところと同様、一のユーザー利用の機能設定情報を他のユーザー利用の機能設定情報で変更する場合になされる変更対象たる機能を特定するための入力であって、記憶装置に記憶されている他のユーザー利用の機能設定情報を一旦メインメモリに読み出して、その中から流用しようとする機能を特定するために行う入力である。この入力は、例えば、実施例1について図3(b)を用いて説明したのと同じような、ディスプレイのメニュー画面に表示された機能(例えば音量値)をカーソルの移動により選択してなされた決定キーの押下に基づいて実行される。かかる意味における「機能を特定するための入力」は、原則として機能設定情報の複写・変更には必ず伴うものである。そして、この場合の複写・変更処理に際しては、原則として、すべての機能についてこれを順次特定しつつ、当該機能設定情報を維持するか変更するかを判断していく形で処理が行われる。
他の一つは、これとは異なり、複写・変更の対象となる機能にかかる機能設定情報を初めに特定して、当該情報だけを記憶装置から読み出して複写・変更処理を行うものである。この場合には、上と異なり、はじめから複写・変更処理の対象となる機能設定情報だけが特定されているので、当該機能設定情報を維持するか変更するかの判断は不要となる。これら二つの場合における複写・変更の処理にかかる具体的な相違点については、後述する処理の流れの中で説明する。
【0033】
図9は、本実施例の再生装置のハードウェア構成の一例を示す概略図である。本実施例の再生装置のハードウェア構成は基本的に実施例1と共通する。以下、同図に基づいて、本実施例の再生装置の複写・変更にかかる具体的構成について説明する。ここでも、他のユーザーAの設定内容を複写して一のユーザーBの設定内容とする場合の例で説明する。なお、その余の構成は実施例1と同じであるので、説明を省略する。
【0034】
同図に示すように、本実施例の再生装置の変更部は、「記憶装置」0901と、「メインメモリ」0902と、「CPU」0903と、「I/O」0904と、「リモコン」0905とから構成される。
この場合、まず記憶装置に予め記憶されている複写・変更プログラムがメインメモリのワーク領域に展開されるとともに、記憶装置に記憶されている機能設定情報A及び機能設定情報Bも読み出されてメインメモリのデータ領域A、Bに一時保持される。そして、CPUが当該プログラムを実行することにより機能設定情報の複写・変更処理が行われる。具体的には、読み出された機能設定情報Aの設定内容ごとに、当該設定内容を維持するか変更するかの選択を行い、その選択に従って機能設定情報Aの設定内容を複写して機能設定情報Bの当該設定内容を変更する、あるいは機能設定情報Bの設定内容を維持する処理が行われる。その具体的な処理要領は実施例1の場合と同様である。ここで、ある特定の機能(例えばブライトネス値)にかかる機能設定情報を同じ機能にかかる他のユーザーA利用にかかる機能設定情報を流用して一のユーザーBの機能設定情報を変更するためには、他のユーザーA利用にかかる機能設定情報の機能を特定する必要がある。そこで、以下に、かかる機能特定のための具体的な処理要領について説明する。
この場合、例えば、機能設定情報中の特定の機能にかかる情報は、機能を識別するための識別情報と関連付けられて保持されている。例えば、他のユーザーA利用にかかる機能設定情報が「ブライトネス値」にかかるものであるとすると、当該機能設定情報の設定内容を示す「0100111011」と、当該機能がブライトネス値であることを識別するための識別情報「01」とが関連付けられて保持されているといったごときである。なお、当該機能設定情報は、さらにユーザーAを識別するための識別情報(例えば「001」)とも関連付けられていてもよい。
次に、一のユーザーBが当該情報を流用して、自身の「ブライトネス値」にかかる機能識別情報を変更する場合の処理要領について説明する。上述の例に即せば、まず、変更部の機能特定入力手段を構成するCPUが、ユーザーAを識別するための識別情報「001」と、機能「ブライトネス値」を特定するための識別情報「01」とに基づいて上述の機能識別情報「01,0100111011」を読み出すとともに、ユーザーBのブライトネス値にかかる機能設定情報も読み出す。ユーザーBのブライトネス値にかかる機能設定情報の読み出しのための特定も上述のユーザーAの場合と同様、ユーザー及び機能を識別するための識別情報に基づいて行われる。そして、読み出したユーザーAのブライトネス値にかかる機能設定情報を複写し、当該情報でユーザーBのブライトネス値にかかる機能設定情報を上書することで、ユーザーBの機能設定情報の変更が行われる。この場合の、複写、変更の具体的要領は、実施例1の場合と同じであるから、説明を省略する。
【0035】
以上のような構成によれば複写して流用すべき機能が入力時から特定されているため、複写・変更の処理対象が当該特定された機能にかかる情報に限定され、効率的な複写・変更処理を行うことが可能となる。
【0036】
<処理の流れ>
【0037】
図10は、複写・変更ステップにおける処理の流れの一例を示す図である。本例は、「機能を特定するための入力」が、上述の二つの意味のうち前者、即ち実施例1で述べたところと同様、一のユーザー利用の機能設定情報を他のユーザー利用の機能設定情報で変更する場合になされる変更対象たる機能を特定するための入力であって、記憶装置に記憶されている他のユーザー利用の機能設定情報を一旦メインメモリに読み出して、その中から流用しようとする機能を特定するために行う入力の場合である。
本実施例の処理の流れは基本的に図6及び図7で示した実施例1の処理の流れと共通する。ただし、同図に示すように、自身が利用したい他人の設定情報の選択の受付ステップS1003において、再生装置は、他のユーザー利用にかかる機能設定情報の設定内容ごとに、他のユーザー利用にかかる機能設定情報の選択を受け付けるところ、この選択受付は、機能を特定するための入力に基づいて行われる。当該入力は、例えばディスプレイのメニュー画面に表示された機能を特定するための、カーソルの移動及び決定キーの押下などに基づいて行われる。
その余の複写・変更ステップにおける処理の流れは、実施例1の複写・変更ステップにおける処理の流れと同じであり、その余の処理の流れも実施例1の処理の流れと同じであるから、説明を省略する。
【0038】
一方、図11は、複写・変更ステップにおける処理の流れの別の一例を示す図である。本例は、「機能を特定するための入力」が、上述の二つの意味のうち後者、即ち複写・変更の対象となる機能にかかる機能設定情報を初めに特定して、当該情報だけを記憶装置から読み出して複写・変更処理を行うための入力の場合である。
この場合まず、作業を開始するか否かの判断ステップS1101において、作業を開始するとの判断がなされた場合、複写・変更プログラムの起動ステップS1102において、再生装置は、記憶装置に記憶されている複写・変更プログラムをメインメモリに展開することで起動する。
次に、自身が利用したい他人の設定情報の選択の受付ステップS1103において、再生装置は、他のユーザー利用にかかる機能設定情報の設定内容ごとに、他のユーザー利用にかかる機能設定情報の選択を受け付ける。この選択受付は、例えばリモコンからI/Oを通じて入力された信号を受け付けることにより実行される。この信号は、当該機能設定情報の設定内容のうち、現在の設定内容を維持する(即ち、他人の設定情報を流用し、これを複写して自身の設定情報を変更する)と判断されたものをリモコンのキー操作により選択して入力されたものである。図10で示した前者の例との違いは、入力の対象が現在の設定内容を維持すると判断されたものに限定されている点にある。
次に、複写して流用すべき機能を特定するための入力の受付ステップS1104において、再生装置は、かかる入力に基づいて選択された設定項目を受け付ける。そして、「入力により特定された機能の機能設定情報を前記他人の機能設定情報から取得」ステップS1105において、再生装置はかかる取得を行い、さらに、「取得した機能設定情報で自身の設定情報の更新」ステップS1106において、再生装置はかかる更新を行う。ここでの特徴は、図10で説明した前者の例と異なり、前記ステップS1204において受け付ける入力がはじめから現在の設定内容を維持するものに特定されているため、当該設定内容を維持するか変更するかの判断ステップを必要としない点にある。
さらに、処理を終了するか否かの判断ステップS1107において、選択された設定項目が複数あって複数の更新処理が必要な場合には、処理を終了しないとの判断がなされ、さらに前記ステップS1103以下又は前記ステップS1104以下の処理が繰り返される。そして、もはや処理すべき対象が存在しなくなった場合に、再生装置は処理を終了するとの判断を行って処理を終了する。
【0039】
<効果>
本実施例の再生装置により、複写・変更の処理対象が当該特定された機能にかかる情報に限定され、効率的な複写・変更処理を行うことが可能となる。
【実施例3】
【0040】
<概要>
本実施例の再生装置は、基本的に実施例1又は2の再生装置と共通するが、変更部が、複写手段が複写する複写元のユーザー利用の機能設定情報として変更直前のユーザー利用を特定する手段を有する点に特徴を有する。
【0041】
<構成>
図12は、本実施例の再生装置の機能ブロックの一例を示す図である。本実施例の「再生装置」1200は、実施例1又は2の再生装置と基本的に共通する。ただし、「変更部」1203は、「複写元特定手段」1207をさらに有する。なお、図には示していないが、本実施例の再生装置の変更部は、さらに「機能特定入力手段」を有していてもよい。
「複写元特定手段」は、複写手段が複写する複写元のユーザー利用の機能設定情報として変更直前のユーザー利用を特定するように構成されている。
その余の構成は、実施例1又は2の再生装置と同じであるので、説明を省略する。
【0042】
図13は、本実施例の再生装置のハードウェア構成の一例を示す概略図である。本実施例の再生装置のハードウェア構成は基本的に実施例1又は2の再生装置と共通する。以下、同図に基づいて、本実施例の再生装置の複写・変更にかかる具体的構成について説明する。ここでも、他のユーザーAの設定内容を複写して一のユーザーBの設定内容とする場合の例で説明する。
【0043】
同図に示すように、本実施例の再生装置の変更部は、「記憶装置」1301と、「メインメモリ」1302と、「CPU」1303と、「I/O」1304と、「リモコン」1305と、「ディスプレイ」1306とから構成される。その構成は基本的に実施例1又は2の再生装置のハードウェア構成と同じであるが、本例では、予め記憶装置には機能設定情報Aにかかる変更履歴として変更直前の機能設定情報が保持されている。そして、当該変更直前の機能設定情報Aが機能設定情報Bとともに読み出されてメインメモリのデータ領域A、Bに一時保持される。そして、CPUが当該プログラムを実行することにより機能設定情報の複写・変更処理が行われる。その具体的な処理要領は、実施例意1又は2について図5などを用いて説明したところと同様である。
【0044】
以上のような構成によれば、例えば同一の再生装置により同一のコンテンツを複数のユーザーが続けて視聴するような場合に、複写して流用すべき機能設定情報が変更直前のユーザー利用にかかる情報に初めから特定されているため、複写・変更の処理対象をいちいち特定する処理が不要となり、効率的な複写・変更処理を行うことが可能となる。具体的には、例えば、ユーザーAが機能設定情報Aに従った再生機能設定により当該再生装置を用いてあるコンテンツを視聴し、これに引き続いてユーザーBも同じコンテンツを同じ機能設定情報Aに従った再生機能設定により当該再生装置を用いて視聴する場合、再生装置の変更部の有する複写元特定手段が、変更直前の機能設定情報Aを複写元として特定することにより、当該機能設定情報Aを複写して機能設定情報Bに上書きすることにより、複写・変更の処理対象をいちいち特定しなくても済むようになる。
【0045】
<処理の流れ>
図14は、複写・変更ステップにおける処理の流れの一例を示す図である。本実施例の処理の流れは基本的に図6及び図7などで示した実施例1又は2の処理の流れと共通する。ただし、同図に示すように、変更履歴の読み出しステップS1403において、再生装置は、予め変更履歴として保持されている変更直前の機能設定情報を読み出し、当該変更直前の機能設定情報を複写元として特定する(ステップS1404)。従って、以後の処理ステップにおいて他のユーザー利用にかかる機能設定情報として選択が受け付けられ(ステップS1405)、当該設定内容を維持するために保持され(ステップS1409)、これを複写元として自身の機能設定情報を更新する(ステップS1412)対象となる機能設定情報は、この変更直前の機能設定情報ということになる。
その余の複写・変更ステップにおける処理の流れは、実施例1又は2の複写・変更ステップにおける処理の流れと同じであり、その余の処理の流れも実施例1又は2の処理の流れと同じであるから、説明を省略する。
【0046】
<効果>
本実施例の再生装置により、例えば同一の再生装置により同一のコンテンツを複数のユーザーが続けて視聴するような場合に、複写して流用すべき機能設定情報が変更直前のユーザー利用にかかる情報に初めから特定されているため、複写・変更の処理対象をいちいち特定する処理が不要となり、効率的な複写・変更処理を行うことが可能となる。
【実施例4】
【0047】
<概要>
本実施例の再生装置は、実施例1から3のいずれか一の再生装置と基本的に共通するが、ユーザー毎の機能設定情報の変更履歴を保持する変更履歴保持部を有し、変更部は、保持されている変更履歴に基づいてアンドゥーを実行して保存されている機能設定情報を復帰変更する復帰変更手段を有する点に特徴を有する。
【0048】
<構成>
図15は、本実施例の再生装置の機能ブロックの一例を示す図である。本実施例の「再生装置」1500は、実施例項1から4のいずれか一の再生装置と基本的に共通する。ただし、本実施例の再生装置は、「変更履歴保持部」1508をさらに有し、「変更部」1503は、「復帰変更手段」1507をさらに有する。なお、図には示していないが、本実施例の再生装置の変更部は、さらに「機能特定入力手段」、「複写元特定手段」の少なくともどちらか一方を有していてもよい。
「変更履歴保持部」は、ユーザー毎の機能設定情報の変更履歴を保持する。また、「復帰変更手段」は、保持されている変更履歴に基づいてアンドゥーを実行して保存されている機能設定情報を復帰変更するように構成されている。アンドゥーの回数に制限はなく、これを複数回繰り返すことで複数回前に処理を行った状態に戻れるように構成されていてもよい。さらに、ここでの「アンドゥー」は、このように直前に実行した処理を取り消し、その処理を実行する前の状態に戻すことに限らず、一度に複数回前に処理を行った状態に遡ることも含まれる。
その余の構成は、実施例1から3のいずれか一の装置の構成と同じであるので、説明を省略する。
【0049】
次に、本実施例のように変更履歴を保持し、当該変更履歴に基づいてアンドゥーを実行して保存されている機能設定情報を復帰変更するように構成することの意義について説明する。この点、実施例1などでは、典型的には、一のユーザー(例えばB)利用の機能設定情報を、他のユーザー(例えばA)の機能設定情報を複写して変更する際に、Bの機能設定情報をAのそれで上書きするため、Bの変更前の機能設定情報は保存されない結果となり、これを再利用することはできない。従って、もしBが当該機能設定情報を以前の状態に戻したい場合には、他にこれと同じ機能設定情報のユーザーがいなければ、改めて直接のキー入力などにより設定をし直すことになる。
しかし、例えば、昼間と夜間で音量値を変更するように、同一の機能設定にかかる機能設定情報を一定間隔で交互に変更しつつ、どちらも繰り返し利用する必要が生じる場合が考えられ、さらに一旦設定した内容の一部(例えば昼間の音量値)を一定間隔で交互に変更しつつ、どちらも繰り返し利用する必要も考えられる。この場合、上書きにより変更前の情報が保存されないときは、いちいち変更の都度改めて直接のキー入力などにより設定をし直す必要が生じ、不便である。そこで、変更前の機能設定情報を変更履歴として保存しておけば、この情報を利用して複写・変更を行うことより、実施例1に述べたところと同様の煩雑さの軽減、設定動作に要する時間の節約が期待できる。そこで、本実施例の再生装置は、かかる変更履歴の保存を行うとともに、当該変更履歴に基づいて複写・変更が可能な構成としたのである。
【0050】
次に、本実施例の再生装置における機能設定情報の複写・変更にかかる具体的構成について、具体例を示しつつ説明する。なお、本実施例における機能設定操作もリモコンを利用してなされるところ、かかるリモコンの例は実施例1について図2で示したものと同じである。
【0051】
図16は、かかる処理を行うための画面表示の一例を示す。本例では、朝、昼、夜の3つの時間帯ごとに異なる音量値(MAX値)を設定する場合で説明する。
この場合、リモコンに設けられた「自動調整切替えメニューキー」の押下により、図16(a)に示すような自動調整切替えメインメニューが表示される。そして、リモコンのカーソルキーの押下によりカーソルを「音量値」の位置に移動させ、「入」を表示させて決定キーを押下する。すると、図16(b)に示す画面が表示される。
【0052】
そこで、この画面を利用して、リモコンのキー操作による入力を行い、朝、昼、夜それぞれの開始・終了時刻およびそれぞれの音量値のMAX値などを設定、変更する。同図の例では、既に開始・終了時刻が朝「06:00‐10:00」、昼「10:00‐20:00」、夜「20:00‐06:00」、MAX値が朝「30」、昼「60」、夜「25」などと設定されている。この場合、実施例1の典型例のように機能設定情報を上書きにより変更する場合には、例えばMAX値を「30」に設定した後にこれを「60」に変更すると、変更前の「30」は保存されないため、改めて「30」を適用する場合にはこれをいちいち設定し直す必要があるが、本例では、一つの機能設定メニューについて一旦朝のMAX値を保存した後、昼のMAX値に変更した場合、変更前の朝のMAX値が変更履歴として保持されるので、後刻これを複写して利用することが可能となる。同様に昼のMAX値を保存した後、夜のMAX値に変更した場合にも、変更前の昼のMAX値が変更履歴として保持されるので、後刻これを複写して利用することが可能となる。この結果、朝、昼、夜のMAX値を一度設定すれば、これらにかかる変更履歴に基づく復帰変更により、これらを交互に繰り返し使用することが可能となる。また、以上により設定されたMAX値の一部を変更する場合も、同様の構成によりこれを実現することが可能である。例えば、昼のMAX値を「60」から「50」に変更し、再びこれを「60」に変更するといった変更を交互に繰り返す場合にも、一つの機能設定メニューについて昼のMAX値に関する情報を変更履歴として保持することが可能となるので、これを後刻再び複写して利用することが可能となる。以上の変更履歴の保持、利用にかかる具体的構成については後述する。
【0053】
そして、図16(b)に表示されたすべてのメニューについての設定が完了した場合には、画面左下の「設定完了」の位置にカーソルを移動して決定キーを押下することにより、設定内容の自動調整切り替えにかかる処理動作が完了する。
【0054】
この場合、例えば、本装置が内蔵する時計に基づいて、再生部が、設定された開始時刻、終了時刻に従って、変更履歴に基づく復帰変更を行う形でMAX値を自動的に切り替え、この切替え後の機能設定情報に従った再生機能設定により再生することで、時刻に応じた音量値の自動調整が実現可能となる。
【0055】
次に、本実施例の再生装置のハードウェア構成について説明する。また、この中で変更履歴の保持、利用にかかる具体的構成についても説明する。
図17は、本実施例の再生装置のハードウェア構成の一例を示す概略図である。本実施例の再生装置のハードウェア構成は、基本的に実施例1について図5を用いて説明したところと共通するので、共通部分の説明は省略する。ただし、本実施例では、変更部を構成する「記憶装置」1701に、変更履歴に基づいてアンドゥーを実行して保存されている機能設定情報を復帰変更するための復帰変更プログラムが記憶されている。
そこで次に、変更履歴の保持、利用にかかる具体的構成の一例について説明する。本例では、上述の図17を用いた例と同様、「朝(06:00‐10:00)」の音量値(MAX値)「30」、「昼(10:00‐20:00)の音量値(MAX値)「60」、「夜(20:00‐06:00)の音量値(MAX値)「25」を順次変更するとともに、これを交互に繰り返し利用する場合の例で説明する。
例えば、夜のMAX値を朝のMAX値に変更する場合、まずアンドゥーを実行するとの命令を含む入力に基づいて復帰変更プログラムがメインメモリに展開されるとともに、記憶装置に記憶された朝の変更履歴及び夜の機能設定情報も読み出されてメインメモリに一時保持される。
【0056】
そして、CPUが当該朝の変更履歴に基づいて夜の機能設定情報を朝の機能設定情報に復帰変更させることにより、夜のMAX値から朝のMAX値への変更が実行される。この復帰変更は例えば朝の変更履歴によって夜の機能設定情報を上書きすることで実現されるところ、この場合の上書きにかかる具体的構成は、実施例1について説明した上書きにかかる具体的構成と同様である。また、変更された夜のMAX値は変更履歴として保持される。その際、例えばCPUは図示を省略した内蔵された時計により、時刻を判断し、当該時刻に応じた処理を実行する。
なお、一旦朝、昼、夜について設定された機能設定情報の一部を変更する場合(例えば昼のMAX値を「60」から「50」に変更する場合)も、同様の処理により、双方のデータを変更前のデータを変更履歴として保持し、これを複写して利用することで、これらを繰り返し利用することが可能となる。
【0057】
なお、以上においては、朝、昼、夜について設定された機能設定情報を交互に繰り返し使用する場合のように、はじめから変更前の機能設定情報を後刻再利用することを想定して変更履歴を保存する場合を主に念頭において説明したが、本実施例の再生装置における変更履歴の保存は、このようにはじめから再利用を想定したものではない場合も含む。上述の例に即せば、例えばアパートの隣室がそれまで空室であったので昼間の音量値のMAX値を「60」に設定していたが、隣室に人が転入してきたので、その値のみを「50」に変更したところ、後日その隣人が転出していったため、再びその値のみを「60」に変更する場合などが考えられる。この場合、本実施例の再生装置によれば、音量値のMAX値「60」にかかる設定情報が変更履歴として保存されているので、これを流用することで、いちいち改めて設定し直さなくても済むことになる。
また、本実施例の再生装置によれば、例えば、特定の日時における番組の視聴用に設定された機能設定情報を繰り返し使用することも可能となる。例えば、毎週火曜日21時から22時までXチャンネルで放映される連続ドラマ「A」を視聴する際にのみ、ブライトネス値を「8」に設定する場合、当該機能設定情報を曜日、時刻、チャンネルと関連付けた変更履歴として保存しておくことにより、他番組の視聴用のブライトネス値がどのように変更されようとも、当該ドラマ「A」を視聴する際には、変更部の復帰変更手段が自動的にブライトネス値を「8」に復帰変更して、再生部が当該設定に基づいて再生することが可能となる。
さらに、変更履歴の保持期間が一定期間に制限され、その期間が経過すれば当該変更履歴が自動的に削除されるように構成されていてもよく、このため変更部は変更履歴削除手段を有していてもよい。例えば、上述の例の場合に、毎週火曜日21時から22時までXチャンネルで放映される連続ドラマ「A」を視聴する際のブライトネス値「8」にかかる変更履歴の保持期間を1週間とすることが考えられる。この場合、例えば1月第2火曜日に1月第1火曜日に保存された変更履歴を複写して保存すると同時に、1月第1火曜日の変更履歴が削除され、1月第3火曜日には、1月第2火曜日に複写され保存されていた変更履歴を複写して保存すると同時に、1月第2火曜日の変更履歴が削除される、といった処理を繰り返すことで、当該連続ドラマ「A」用のブライトネス値にかかる変更履歴を重複なく保持してこれを利用した再生を行うことが可能となる。
【0058】
<処理の流れ>
図18は、本実施例の再生装置における処理の流れのうち変更履歴の保持にかかる処理の流れの一例を示す図である。本実施例の処理の流れは基本的に図6及び図7などで示した実施例1などの処理の流れと共通する。ただし、同図に示すように、保持されている設定情報で自身の機能設定情報が更新される(ステップS1810)と、変更前の機能設定情報は変更履歴として保持される(ステップS1811)。
次に図19は、本実施例の再生装置における処理の流れのうち、機能設定情報の復帰変更にかかる処理の流れの一例を示す図である。同図に示す処理の流れのうち、ステップS1901からS1903は図14で示した実施例2の処理の流れと共通する、なお、ここで予め保持されている変更履歴は、図18で説明したステップS1811における処理によって保持されたものである。そして、アンドゥーの実行ステップS1904において、再生装置は、当該保持されている変更履歴に基づいてアンドゥーを実行して保存されている機能設定情報を変更する。なお、同図に示すように、アンドゥーの実行による復帰変更により更新された更新前の機能設定情報をさらに変更履歴として保持してもよい(ステップS1905)。この結果、当該保持された更新前の機能設定情報は、次回の復帰変更にかかる処理において変更履歴として利用されることになる。
その余の処理の流れは、実施例1から3のいずれか一の処理の流れと同じであるから、説明を省略する。
【0059】
<効果>
本実施例の再生装置により、同一の機能設定にかかる機能設定情報を一定間隔で交互に変更しつつ、どちらも繰り返し利用する必要が生じる場合でも、双方の情報を更新用情報として保持しておくことで、この情報を利用して複写・変更を行うことより、実施例1と同様の煩雑さの軽減、設定動作に要する時間の節約が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施例1の再生装置の機能ブロックの一例を示す図
【図2】実施例1の再生装置のリモコンの一例を示す図
【図3】実施例1の再生装置のメニューの表示例を示す図
【図4】実施例1の再生装置の画面の表示例を示す図
【図5】実施例1の再生装置のハードウェア構成の一例を示す概略図
【図6】実施例1の再生装置における処理の流れの一例を示す図
【図7】実施例1の再生装置における処理の流れの一例を示す図
【図8】実施例2の再生装置の機能ブロックの一例を示す図
【図9】実施例2の再生装置のハードウェア構成の一例を示す概略図
【図10】実施例2の再生装置における処理の流れの一例を示す図
【図11】実施例2の再生装置における処理の流れの一例を示す図
【図12】実施例3の再生装置の機能ブロックの一例を示す図
【図13】実施例3の再生装置のハードウェア構成の一例を示す概略図
【図14】実施例3の再生装置における処理の流れの一例を示す図
【図15】実施例4の再生装置の機能ブロックの一例を示す図
【図16】実施例4の再生装置の処理のための画面表示の一例を示す図
【図17】実施例4の再生装置のハードウェア構成の一例を示す概略図
【図18】実施例4の再生装置における処理の流れの一例を示す図
【図19】実施例4の再生装置における処理の流れの一例を示す図
【図20】実施例1の再生装置の画面の表示例を示す図
【符号の説明】
【0061】
0100 再生装置
0101 再生部
0102 保存部
0103 変更部
0104 更新用情報保持手段
0105 複写手段
0106 変更手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツをユーザー利用毎の機能設定情報に従った再生機能設定により再生する再生部と、
ユーザー利用毎に再生部で利用する機能設定情報を保存する保存部と、
一のユーザー利用の機能設定情報を変更するために他のユーザー利用の機能設定情報のうち一部の機能に関する機能設定情報を複写して変更する変更部と、
を有する再生装置。
【請求項2】
変更部は、
保存されている機能設定情報をユーザー利用単位で変更するために更新用情報を一時保持する更新用情報保持手段と、
一のユーザー利用の機能設定情報を変更するために他のユーザー利用の機能設定情報のうち一部の機能に関する機能設定情報を更新用情報として更新用情報保持手段に複写する複写手段と、
更新用情報保持手段に保持されている更新用情報により保存部に保存されている機能設定情報を更新して変更する変更手段と、
を有する請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
変更部は、
複写手段が複写すべきユーザー利用の機能設定情報のうち複写して流用すべき機能を特定するための入力を受け付ける機能特定入力手段を有する請求項2に記載の再生装置。
【請求項4】
変更部は、
複写手段が複写する複写元のユーザー利用の機能設定情報として変更直前のユーザー利用の機能設定情報を特定する複写元特定手段を有する請求項2又は3に記載の再生装置。
【請求項5】
ユーザー毎の機能設定情報の変更履歴を保持する変更履歴保持部を有し、
変更部は、
保持されている変更履歴に基づいてアンドゥーを実行して保存されている機能設定情報を復帰変更する復帰変更手段を有する請求項1から4のいずれか一に記載の再生装置。
【請求項6】
コンテンツをユーザー利用毎の機能設定情報に従った再生機能設定により再生する手段を有する再生装置を利用した再生方法であって、
ユーザー利用毎に再生に利用する機能設定情報を保存する保存ステップと、
コンテンツをユーザー利用毎の機能設定情報に従った再生機能設定により再生する再生ステップと、
一のユーザー利用の機能設定情報を変更するために他のユーザー利用の機能設定情報のうち一部の機能に関する機能設定情報を複写して変更する複写・変更ステップと、
を有する再生方法であって、
前記再生ステップにおける再生は、前記複写・変更ステップにおいて機能設定情報の複写・変更がなされた場合には、変更後の機能設定情報に従った再生機能設定によりなされることを特徴とする再生方法。
【請求項7】
前記複写・変更ステップは、
複写すべきユーザー利用の機能設定情報のうち複写して流用すべき機能を特定するための入力を受け付ける機能特定入力サブステップと、
一のユーザー利用の機能設定情報を変更するために他のユーザー利用の機能設定情報のうち一部の機能に関する機能設定情報を更新用情報として複写する複写サブステップと、
前記複写サブステップにて複写された更新用情報により機能設定情報を更新して変更する変更サブステップとを有する請求項6に記載の再生方法。
【請求項8】
さらに、複写する複写元のユーザー利用の機能設定情報として変更直前のユーザー利用の機能設定情報を特定する複写元特定ステップを有し、
前記複写・変更ステップにおいては、前記複写元特定ステップにて特定された複写元のユーザー利用の機能設定情報のうち一部の機能に関する機能設定情報が複写されることを特徴とする請求項6又は7に記載の再生方法。
【請求項9】
前記複写・変更ステップにおける変更は、ユーザー毎の機能設定情報の変更履歴に基づいてアンドゥーを実行して保存されている機能設定情報を復帰変更することを特徴とする請求項6から8のいずれか一に記載の再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−200460(P2007−200460A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−18283(P2006−18283)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】