説明

再生装置及び再生方法

【課題】 内蔵及び/又は外部記憶媒体に記憶されたファイルを2つの系統に実質的に同時に出力可能な再生装置及び再生方法を提供する。
【解決手段】 再生装置10は、記憶媒体30に記憶されたファイルを再生する再生部14と、再生部14が再生するファイルのデータを一時的に蓄積するメモリ16と、ユーザから操作入力を受け付ける操作部26と、操作部26が受け付ける操作入力に基づいてメモリ16から読み出されるデータを出力するメイン出力部20と、外部からの制御信号を受け付ける制御インタフェース部28と、制御インタフェース部28が受け付ける制御信号に基づいてメモリ16から読み出されるデータを出力するサブ出力部22と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内蔵及び/又は外部記憶媒体に記憶されたファイルを再生して、複数の系統に実質的に同時に出力可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
クラブ等において音楽を提供するディスクジョッキー(Disc Jockey:以下、DJ)等が用いる再生装置がある。DJ等は、再生装置を用いて、記憶媒体に記憶させた楽曲に特殊効果を付与して演出する。
【0003】
近年、ハードディスク、フラッシュメモリ等の内蔵及び外部記憶媒体に楽曲を多数保存することが一般的となっている。DJ等が用いる再生装置においても、ハードディスクを内蔵し、かつ、リムーバブル外部記憶媒体を接続可能なものが上市されている(例えば、非特許文献1参照))。DJ等は、この再生装置を用いて、内蔵及び外部記憶媒体に保存した多数の楽曲を利用して所望の演出を実現することができる。
【0004】
【非特許文献1】製品情報(iCDX)、ヌマーク インダストリーズ LLC、[online]、[2007年10月17日検索]、インターネット(URL:http://www.numark.jp/pdf/specs/iCDX_Product_Overview_JP.pdf)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
DJ等は、一般に、2台の再生装置をミキサに接続し、交互に又はミックスして楽曲を再生する。したがって、再生装置の内部又は外部記憶媒体に多数の楽曲(ライブラリ)を保存していたとしても、これらのライブラリを共有して同時に又は連続的に利用することには問題がある。
【0006】
すなわち、例えばUSB(Universal Serial Bus)接続された外部記憶媒体に保存されたデータについては、通常の構成では、異なる再生装置間で同時に再生することはできない。特別なUSBコントローラ等を用いれば可能であるが、再生装置の製造コストを増大させる。
【0007】
一方で、内蔵記憶媒体(ハードディスク等)に保存された楽曲について、他の再生装置に楽曲データを転送してデータを共有することは可能である。しかし、リアルタイムで早送り再生等を行ういわゆるDJプレイにおいては、ある程度(例えば30秒分)のデータ蓄積が必要であり、転送待ち時間が存在すればユーザの操作性は極めて低く、実用に支障が生じうる。
上記事情の下、本発明は、上記従来技術における問題点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様における再生装置は、
記憶媒体に記憶されたファイルを再生する再生部と、
前記再生部が再生するファイルのデータを一時的に蓄積するメモリと、
ユーザから操作入力を受け付ける操作部と、
前記操作部が受け付ける操作入力に基づいて前記メモリから読み出されるデータを出力するメイン出力部と、
外部からの制御信号を受け付ける制御インタフェース部と、
前記制御インタフェース部が受け付ける制御信号に基づいて前記メモリから読み出されるデータを出力するサブ出力部と、
を備える。
【0009】
上記構成において、前記記憶媒体は、内蔵記憶媒体及び外部記憶媒体の少なくともいずれか一方から構成されてもよい。
【0010】
上記構成において、例えば、前記メイン出力部及び前記サブ出力部からのデータは、ミキサの2つの系統に出力される。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様における再生方法は、
記憶媒体に記憶されたファイルを再生し、
再生するファイルのデータを一時的にメモリに蓄積し、
ユーザからの操作入力に基づいて前記メモリから読み出されるデータを出力するとともに、外部からの制御信号に基づいて前記メモリから読み出されるデータを出力する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、内蔵及び/又は外部記憶媒体に記憶されたファイルを2つの系統に実質的に同時に出力可能な再生装置及び再生方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る実施の形態について、以下、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は一例であり、これに限定されない。
以下に示す本実施の形態に係る再生装置は、ハードディスク等に記録されたデジタルオーディオファイルについて、DJ等の操作者が自在な再生を行うことが可能であり、例えば、クラブ、スタジオ、ホームパーティ等で好適に使用可能である。
【0014】
本発明の実施の形態に係る再生装置の構成を図1に示す。図1に示す再生装置10は、CPU(Central
Processing Unit)12と、再生部14と、メモリ16と、DSP(Digital Signal
Processor)18と、メイン及びサブ出力部20、22と、表示部24と、操作部26と、制御インタフェース部28と、を備える。
【0015】
CPU12は、再生装置10の動作を統括的に制御する。
【0016】
再生部14は、内蔵及び/又は外部記憶媒体30に記憶されたデジタルオーディオデータファイルを読み取り、再生する。記憶媒体30としては、ハードディスク、シリコンメモリ16、光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等)、メモリ16カード/スティック等が挙げられる。再生部14は、再生する記憶媒体30に対応した読み取り機構を備え、外部記憶媒体に接続される場合にはUSBインタフェース等の接続インタフェースを備える。
【0017】
オーディオファイルのフォーマットは、MP3(Moving Picture Experts Group
Audio Layer3)、AIFF(Audio Interchange File Format)、WAV(Word Audio Video)、MIDI(Musical Instruments
Digital Interface)等いかなるものであってもよい。再生部14は、オーディオファイルにデコード処理等を施して出力する。
【0018】
メモリ16は、再生部14が読み出したデジタルオーディオ信号を一時的に記憶する。メモリ16は、後述する2系統の出力のため、例えば、各30秒分のデータ蓄積が可能な容量を有する。
【0019】
DSP18は、再生部14から再生されたデータのメモリ16への書き込みを制御し、メモリ16のメモリアドレスを管理する。DSP18は、メモリ16から読み出したデータに波形処理等を施して出力する。また、DSP18は、CPU12により指示されたアドレス順及び速度で、メモリ16に記憶されたオーディオデータを読み出す。
【0020】
DSP18は、CPU12の制御の下、記憶媒体30に記憶された任意のオーディオファイルについて実質的に同時に読出すことができる。例えば、DSP18は、CPU12の制御の下、記憶媒体30に記憶された異なる2つのオーディオファイルをそれぞれ読出し、2系統に出力することができる。DSP18は、各系統について、メモリ16の管理、データの書き込み・読み出し、波形処理等を行う。
【0021】
メイン及びサブ出力部20、22は、メイン及びサブ外部出力端子(いずれも図示せず)をそれぞれ備え、DSP18によりメモリ16から読み出された1又は2系統のオーディオデータをそれぞれ出力する。メイン及びサブ出力部20、22は、DAC(Digital to Analog Converter)を備え、デジタルデータをアナログデータに変換する。出力先がデジタルデータを受信可能な場合には、アナログ信号に変換する必要はない。
【0022】
後述するように、メイン出力部20からは、操作部26からの操作入力に基づいてデータが出力される。サブ出力部22からは、他の装置からの制御信号に基づいてデータが出力される。メイン及びサブ出力部20、22からの出力は、例えばミキサの異なる系統にそれぞれ入力される。制御信号を受信しないとき、メイン出力部20のみからデータが出力される。
【0023】
表示部24は、液晶表示装置等から構成される。表示部24は、現在再生しているトラック、チャプタ、ファイルの再生時間、操作内容等の操作に必要な情報を表示する。また、後述するように、表示部24は、再生装置10の遠隔制御モードにおける種々の情報を表示する。
【0024】
操作部26は、操作ボタン等を備えた操作パネルを含んで構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。操作パネルには、ジョグダイヤル等が設けられ、ユーザは、早送り/早戻し、スクラッチ、ピッチベンド等の特殊再生操作を行うことができる。CPU12は、ユーザの操作部26の操作に応じて、DSP18によるメモリ16の読み出し、波形処理等を制御する。また後述するように、操作部26には、例えば遠隔制御モードのオン/オフを切り替える図示しないキーが配置される。
【0025】
制御インタフェース部28は、例えばRS−232C(Recommended Standard 232
version C)等の汎用シリアルインタフェースを含んで構成され、シリアル制御信号の送受信インタフェースを構成する。制御インタフェース部は、イーサネット(登録商標)、USB等の他の規格に基づいて構成されていても良い。制御インタフェース部28は、Dサブ9ピンポート等を備え、本実施例に係る再生装置10と同様の構成を有する他の再生装置とケーブルを介して接続される。
【0026】
CPU12は、他の再生装置との間の接続を確立又は切断するよう制御インタフェース部28を制御する。また、本実施例において、CPU12は、制御インタフェース部28を介して他の再生装置からのコマンドを受けとり、コマンドに応じた動作制御を行う。すなわち、本実施形態に係る再生装置10は、遠隔制御可能に構成されている。再生装置10は、自身の操作部26の操作による直接指示入力を受け付け可能であるとともに、遠隔制御による指示入力も受け付けることができる。
【0027】
また逆に、再生装置10は、制御インタフェース部28を介して、他の再生装置を遠隔制御することが可能である。すなわち、本実施形態に係る再生装置10を2台接続することにより、その一方を遠隔制御用として用いることができる。
【0028】
図2に、本実施の形態に係る再生装置10A及び10Bをミキサ32に接続した例を示す。ミキサ32は、2つの入力系統(A系統34及びB系統36)を備え、各系統からの出力をフェーダ38にて切換え又はミックスして出力する。
【0029】
図2において、再生装置10Aのメイン出力部20からの出力(メイン出力)は、ミキサ32のA系統34に入力され、サブ出力部22からの出力(サブ出力)は、ミキサ32のB系統36に入力される。
【0030】
再生装置10Bは、再生装置10Aと同様にミキサ32に直接接続可能であるが、図2に示す例では、ミキサ32とは接続せず、再生装置10Aとシリアル接続されているのみである。再生装置10Aと再生装置10Bとは、例えば、約3mのケーブルで接続され、ユーザの操作しやすい位置に配置される。再生装置10Bは再生装置10Aに対して、再生装置10Aのオーディオ信号の再生等に関して制御信号を送出可能であり、また、再生装置10Aから動作状態を表す画面情報等を受信可能である。すなわち、再生装置10Aと再生装置10Bとは、制御される「スレーブ」と、制御する「マスタ」といえる。
【0031】
図に示す構成において、ユーザは、再生装置10Aを操作して再生装置10Aの記憶媒体30に記憶されたオーディオファイルを選択、再生し、ミキサ32に出力させる(メイン出力)。一方で、ユーザは、再生装置10Bを操作して、再生装置10Aの記憶媒体30に記憶された他のオーディオデータを再生し、ミキサ32に出力させる(サブ出力)。再生装置10Bについてなされた操作は、シリアル接続された再生装置10Aに制御コマンドとして送られ、再生装置10Aにおいて再生装置10Bの命令と判定された場合に、サブ出力に関する処理が行われる。
【0032】
また、再生装置10Aの動作状態、オーディオファイルの情報(タイムコード、メタデータ)等について、再生装置10Bは再生装置10Aから取得し、図示しない表示装置に表示する。
【0033】
この構成により、ユーザは、再生装置10Aの記憶媒体30に記憶された任意のオーディオファイルについて、再生装置10Bを操作して、所望のように実質的に同時に再生することができる。すなわち、再生装置10Aの記憶媒体30に記憶されたオーディオファイル群(ライブラリ)の再生について、再生装置10B自体で再生するのと同様の操作感を擬似的に実現することができる。この遠隔制御において、オーディオデータは再生装置10Aでのみ処理され、再生装置10Bには転送されない。このため、再生装置10Aと再生装置10Bとの間のオーディオデータの転送待ち時間によって、ユーザの操作性が損なわれることはない。
【0034】
以下、上記例において再生装置10Bで再生装置10Aを遠隔制御する際の動作フローについて、図面を参照して説明する。図3は、互いにシリアル接続された再生装置10A及び再生装置10Bの動作フローの一例を示す図である。
【0035】
まず、ユーザは、遠隔制御を開始するため、スレーブである再生装置10Aの遠隔制御を開始する入力を行う(ステップS11)。再生装置10Aには、例えば、遠隔制御を開始及び終了するキーが設けられ、そのオン/オフにより、遠隔制御モードへの移行及び終了が入力される。
【0036】
遠隔制御開始の入力を受け、再生装置10Aは、再生装置10Bとの間の接続を確立する。具体的には、再生装置10Aは、まず接続チェックコマンドを送出し、再生装置10Bは、接続チェック応答を返す。次いで、再生装置10Aは、接続要求コマンドを送出し、再生装置10Bは接続要求応答を返す。これにより、再生装置10Aと再生装置10Bとの間のデータ接続が確立される。なお、遠隔制御の開始・終了の指示は、再生装置10Bから送られてもよく、あるいは、いずれかにおいて入力があれば遠隔制御を開始するようにしてもよい。
【0037】
接続確立後、再生装置10Aでは遠隔制御モードに移行した旨の表示がなされる(ステップS12)。その後は、再生装置10Aでは、ユーザから再生装置10Aの操作インタフェースを介して操作を直接受け付ける、通常の再生(メイン出力)が可能である。
また、再生装置10Aは、再生装置10Bで表示される操作画面情報を生成して、再生装置10Bに送出し、再生装置10Bでは、遠隔制御のための画面が表示される(ステップS21)。
【0038】
以降、ユーザは、マスタである再生装置10Bの操作インタフェース(ジョグダイヤル等)を用いて、再生装置10Aの再生(サブ出力)を制御することができる。
【0039】
再生装置10Bでは、ユーザの操作に応じて操作コマンドが生成され、再生装置10Aに送出される(ステップS22)。再生装置10Aは、コマンドを解析し、これに応じてサブ出力について所定の処理を行う。また、再生装置10Aは、この処理の際に表示されるべき画像情報を生成して再生装置10Bに送出し(ステップS13〜S15)、再生装置10Bには、再生装置10Aの遠隔操作画面が表示される(ステップS23)。遠隔制御モードにおいては、これらの処理が繰り返される(ステップS16、ステップS24)。
【0040】
例えば、ユーザは、遠隔制御モードで再生装置10Bに表示される画面を見て、再生装置10Aで再生する媒体(例えばハードディスク)を選択する。次いで、選択した媒体に保存されたオーディオファイルやプレイリストの一覧が、再生装置10Bに表示され、ユーザは所望のファイルやリストを選択する。選択された入力は、再生装置10Bから再生装置10Aに送られ、再生装置10Aのサブ出力では、選択されたファイル等が出力される。同時に、再生装置10Aから再生装置10Bには、随時サブ出力の画面情報が送られ、再生装置10Bの画面は随時更新される。これにより、ユーザは、再生装置10Bを操作することで、再生装置10Aを直接操作するのと同様な、多彩な演出を行うことができる。
【0041】
遠隔制御と同時に、ユーザは、再生装置10Aを直接操作して、再生装置10Aの内蔵及び/又は外部記憶媒体30に保存された任意のオーディオファイルの再生(メイン出力)を行うことができる。このように再生装置10Aからのメイン出力と、再生装置10Bからのサブ出力とを、ミキサ32にて切換え又はミックスして所望の演出を行うことができる。
【0042】
遠隔制御モードを終了するときは、ユーザは、再生装置10Aの遠隔制御を終了するキーを押して、遠隔制御の終了を入力する(ステップS17)。再生装置10Aは、切断要求コマンドを再生装置10Bに送り、再生装置10Bは切断要求応答を返す。接続が切断されると、再生装置10Aには終了表示がなされ(ステップS18)、再生装置10Bでは、遠隔制御画面の表示が終了する(ステップS25)。
【0043】
以上説明したように、上記実施の形態に係る再生装置10は2系統のオーディオ出力を備え、直接操作によるオーディオファイルの再生(メイン出力)と同時に、遠隔制御によるオーディオファイルの再生(サブ出力)を実質的に同時に行うことができる。
【0044】
これにより、再生装置10の内蔵及び/又は外部記憶媒体30に保存されたオーディオファイル(ライブラリ)を他の再生装置と共有することが可能となる。従ってユーザは、2つの再生装置10の間で、それぞれに所望のファイルが保存されたリムーバブル記憶媒体を演奏毎に付け替えたり、同一ファイルをコピーした記憶媒体を予め用意するといった必要がなくなる。さらに、同一の記憶媒体30を利用できるため、ユーザはデータを一元化して管理できるなど、高い利便性が実現される。
【0045】
また、2台の再生装置10で、同一の記憶媒体30に記憶された同一のオーディオファイルを再生することができるなど、多彩な演出も可能となる。逆に、それぞれの再生装置10に接続した記憶媒体30に保存したファイルをいずれの再生装置10でも利用でき、ユーザにとっての利便性が向上される。
【0046】
さらに、ユーザは、本実施の形態の再生装置10の2つの出力系統をミキサ32に接続して、再生装置10を制御側の再生装置と接続するだけでよい。このため、ハブを設けて外部記憶媒体に2つの再生装置で接続するような構成と比較して、配線も非常に簡単である。加えて、特別なハブ等を用いないため、再生装置10自体も比較的安価に製造することが可能である。
【0047】
本発明は、上記実施の形態に限られず、当業者に自明な種々の変更、修正、追加等が可能である。
【0048】
上記実施の形態では、1つのDSP18から2系統の出力を生成するものとした。しかし、メイン出力とサブ出力のそれぞれを生成する2つのDSP18を設けても良い。また、各出力についてそれぞれ独立したメモリ16を設けても良い。
【0049】
上記実施の形態では、再生装置10を他の再生装置により遠隔制御する構成とした。しかし、図4に示すように、専用の制御装置40によって再生装置10を制御するようにしても良い。制御装置40は、再生装置10から再生部14を除いた操作パネル様のものであってもよく、或いは、再生装置10において記憶媒体30を取り外した構成であっても良い。このような専用の制御装置40を単体として提供することにより、ユーザは、より安価に再生システムを構築することができる。
【0050】
また、制御装置40として、専用のソフトウェアを備えたパーソナルコンピュータを用いても良い。このようなソフトウェアはパーソナルコンピュータの画面上にGUI(Graphical User Interface)を表示し、ユーザはマウス、キーボード等を介して再生装置10を遠隔で制御する。
【0051】
上記実施の形態では、スレーブで画像情報を生成する構成としたが、マスタがスレーブから転送された情報に基づいて画像情報を生成するようにしても良い。
【0052】
上記実施の形態では、オーディオファイルについて本発明を適用した場合について説明した。しかし、本発明は、ビデオデータを処理する場合についても好適に適用可能である。すなわち、1台の再生装置10の記憶媒体30に保存された動画ファイルライブラリについて、遠隔制御により2系統の出力を実現することができる。動画ファイルのデータレートが高い場合であっても、本実施の形態に係る再生装置10では制御信号のみ転送し、ファイルデータは転送しないため、ファイルのデータレートにかかわらず、転送待ち時間のない、安定した操作感を低コストで実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態にかかる再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる再生装置をミキサに接続した例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる再生装置動作処理フローを示す図である。
【図4】本発明の他の実施の形態における接続例を示すである。
【符号の説明】
【0054】
10:再生装置、12:CPU、14:再生部、16:メモリ、18:DSP、20:メイン出力部、22:サブ出力部、24:表示部、26:操作部、28:制御インタフェース部、30:内蔵及び/又は外部記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体に記憶されたファイルを再生する再生部と、
前記再生部が再生するファイルのデータを一時的に蓄積するメモリと、
ユーザから操作入力を受け付ける操作部と、
前記操作部が受け付ける操作入力に基づいて前記メモリから読み出されるデータを出力するメイン出力部と、
外部からの制御信号を受け付ける制御インタフェース部と、
前記制御インタフェース部が受け付ける制御信号に基づいて前記メモリから読み出されるデータを出力するサブ出力部と、
を備える、ことを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記記憶媒体は、内蔵記憶媒体及び外部記憶媒体の少なくともいずれか一方から構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記メイン出力部及び前記サブ出力部からのデータは、ミキサの2つの系統に出力される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の再生装置。
【請求項4】
記憶媒体に記憶されたファイルを再生し、
再生するファイルのデータを一時的にメモリに蓄積し、
ユーザからの操作入力に基づいて前記メモリから読み出されるデータを出力するとともに、外部からの制御信号に基づいて前記メモリから読み出されるデータを出力する、
ことを特徴とする再生方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−116929(P2009−116929A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286154(P2007−286154)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(303009467)株式会社ディーアンドエムホールディングス (274)
【Fターム(参考)】