説明

再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラム

【課題】ユーザの操作の入力が求められていることを再生装置自身が再生装置側で直接的に検知することができないタイトルデータを、ユーザの操作の入力の有無に関わらずに適切に再生する
【解決手段】再生装置(200)は、(i)コンテンツデータとユーザの操作の入力を求める制御データ(20)とを含み、(ii)当該再生装置が、タイトルデータの再生中にユーザの操作の入力が求められているか否かを、制御データそのもの又は当該制御データによる再生装置の動作を監視することで直接的に検知することができないタイトルデータ(10)を再生する再生手段(353)と、コンテンツデータの再生状態に基づいて、タイトルデータの再生状態が、ユーザの操作の入力が求められていると推定される所定状態にあるか否かを判定する判定手段(359)と、タイトルデータの再生状態が所定状態にある場合、再生するタイトルデータを切り替えるように再生手段を制御する制御手段(359)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばBD(Blu-ray Disc)プレーヤ等の再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
映像や音声等を含むコンテンツデータを記録するための記録媒体として、例えばDVDが知られている。DVDでは、コンテンツデータの再生を制御するために、所定のメニュー画面を表示する機能が実装されている。このようなメニュー画面は、例えば、再生するコンテンツデータの指定や、特典映像の選択や、音声言語の選択や、字幕言語の選択等を求める画面を含んでいる。メニュー画面が表示されると、一般的には、ユーザは、例えばリモコン等を用いることで、メニュー画面に応じた操作を行う。その結果、ユーザの操作に応じた態様でコンテンツデータの再生が行われる。
【0003】
一方で、メニュー画面が表示された場合には、ユーザの操作が行われない限りは、メニュー画面の表示が継続されてしまうことが多い。このため、例えば、ユーザが手を離せないがゆえにメニュー画面に対する操作を行うことができない場合には、ユーザがコンテンツデータの再生を望んでいるにも関わらず、メニュー画面の表示が継続されてしまう。
【0004】
このため、例えば、特許文献1に開示されているように、メニュー画面を表示してから所定時間以上ユーザの操作がなされなかった場合には、次のコンテンツデータ(具体的には、複数の楽曲を含むグループ)を再生する技術が提案されている。この技術によれば、メニュー画面の表示が一定時間は継続されるものの、一定時間経過後には、ユーザの操作がなくとも、コンテンツデータの再生が開始される。従って、ユーザの手を煩わせることなく、コンテンツデータが再生される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−42449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に記載された技術は、DVDに対して提案されている技術である。DVDでは、一連のコンテンツデータからなるタイトルドメイン(TT_DOM)と該タイトルドメイン内のメニューをつかさどるタイトルメニュードメイン(VTSM_DOM)とが、VTS(Video Title Set:ビデオタイトルセット)空間(VTS_Space)に記録される。一方で、複数のVTS空間又はディスク全体に関するディスクメニューからなるVMG(ビデオマネージャー)メニュードメイン(VMGM_DOM)が、DVD上の記録領域におけるVTS空間とは別領域に確保されるVMG空間(VMG_Space)に記録されている。DVDを再生する再生装置は、現在再生処理が行われているドメインないしは空間を判別することができるため、結果として、メニュー(例えば、タイトルメニューやディスクメニュー)が表示されているか否かを適切に判別することができる。つまり、DVDを再生する再生装置は、現在再生処理が行われているドメインないしは空間を判別することで、上述した特許文献1に記載された技術を実現することができる。
【0007】
一方で、近年、DVDの次世代の光ディスクとして、BD(Blu-ray Disc)の普及が進んでいる。このようなBDには、DVDと同様にコンテンツデータの再生を制御するための所定のメニュー画面を表示する機能をもつHDMV(High Definition Movie)タイトルが記録される。HDMVタイトルではメニュー画面表示の仕組みとしてAlways−OnメニューとPop−Upメニューという二つの異なる仕組みがあるが、どちらの仕組みであっても再生装置ではメニューが表示されているか否かの判別は容易であり、上述した特許文献1に記載された技術と同様の技術を実現することができる。なお、Always−Onメニューはユーザ操作で任意に表示/消去できないメニュー画面のことであり、Pop−Upメニューは映像再生中にユーザ操作でいつでも任意に表示/消去でき、表示中でも映像再生を継続できるメニュー画面のことである。
【0008】
他方で、BDには、HDMVタイトルに加えて又は代えて、BD−J(Blu-ray Disc Java)タイトルもまた記録される。BD−Jタイトルでは、メニューが表示されているか否かの判別が容易なAlways−Onメニュー或いはPop−upメニューではなく、Java(登録商標)アプリケーションの制御の下で構築されるインタラクティブ機能によって、コンテンツデータの多彩な態様での再生が実現される。しかしながら、BD−Jタイトルでは、メニューが表示されているか否かの判別が容易なAlways−onメニュー或いはPop−upメニューを採用していないがゆえに、BD−Jタイトルを再生する再生装置は、メニューが表示されているか否かを適切に判別することができない。言い換えれば、BD−Jタイトルを再生する再生装置は、ユーザの操作の入力が求められている画面(或いは、画像ないしはその他の各種コンテンツ)が表示されているのか又はユーザの操作の入力が求められていない画面が表示されているのかを適切に判別することができない。このため、BD−Jタイトルを再生する再生装置は、上述した特許文献1に記載された技術を利用したとしても、ユーザの操作の入力が求められている画面を表示してからの経過時間を認識することができず、結果として、所定時間以上ユーザの操作の入力がなされなかった場合であっても次のコンテンツデータを再生することができない。
【0009】
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、ユーザの操作の入力が求められていることを再生装置自身が再生装置側で直接的に検知することができないタイトルデータを、ユーザの操作の入力の有無に関わらずに適切に再生することが可能な再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、再生装置は、(i)コンテンツデータと、前記コンテンツデータの再生を制御するためのユーザの操作の入力を求める制御データとを含むタイトルデータであって、(ii)当該再生装置が、当該タイトルデータの再生中に前記ユーザの操作の入力が求められているか否かを、前記制御データそのもの又は当該制御データによる再生装置の動作を監視することで直接的に検知することができないタイトルデータを再生する再生手段と、前記コンテンツデータの再生状態に基づいて、前記タイトルデータの再生状態が、前記ユーザの操作の入力が求められていると推定される所定状態にあるか否かを判定する判定手段と、前記タイトルデータの再生状態が前記所定状態にあると判定される場合に、再生するべき前記タイトルデータを切り替えるように前記再生手段を制御する制御手段とを備える。
【0011】
上記課題を解決するために、再生方法は、(i)コンテンツデータと、前記コンテンツデータの再生を制御するためのユーザの操作の入力を求める制御データとを含むタイトルデータであって、(ii)当該再生装置が、当該タイトルデータの再生中に前記ユーザの操作の入力が求められているか否かを、前記制御データそのもの又は当該制御データによる再生装置の動作を監視することで直接的に検知することができないタイトルデータを再生する再生工程と、前記コンテンツデータの再生状態に基づいて、前記タイトルデータの再生状態が、前記ユーザの操作の入力が求められていると推定される所定状態にあるか否かを判定する判定工程と、前記タイトルデータの再生状態が前記所定状態にあると判定される場合に、再生するべき前記タイトルデータを切り替えるように前記再生工程を制御する制御工程とを備える。
【0012】
上記課題を解決するために、コンピュータプログラムは、コンピュータに対して、(i)コンテンツデータと、前記コンテンツデータの再生を制御するためのユーザの操作の入力を求める制御データとを含むタイトルデータであって、(ii)当該再生装置が、当該タイトルデータの再生中に前記ユーザの操作の入力が求められているか否かを、前記制御データそのもの又は当該制御データによる再生装置の動作を監視することで直接的に検知することができないタイトルデータを再生する再生工程と、前記コンテンツデータの再生状態に基づいて、前記タイトルデータの再生状態が、前記ユーザの操作の入力が求められていると推定される所定状態にあるか否かを判定する判定工程と、前記タイトルデータの再生状態が前記所定状態にあると判定される場合に、再生するべき前記タイトルデータを切り替えるように前記再生工程を制御する制御工程とを実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施例に係る記録再生装置の基本的な構成を概念的に示すブロック図である。
【図2】タイトルテーブルの論理構造を概念的に示すデータ構造図である。
【図3】BD−Jオブジェクトの論理構造を概念的に示すデータ構造図である。
【図4】Movieオブジェクトの論理構造を概念的に示すデータ構造である。
【図5】プレイリストの論理構造を概念的に示すデータ構造図である。
【図6】データの論理構造の階層関係を概念的に示すデータ構造図である。
【図7】本実施例に係る記録再生装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムの実施形態について順に説明する。
【0015】
(再生装置の実施形態)
本実施形態の再生装置は、(i)コンテンツデータと、前記コンテンツデータの再生を制御するためのユーザの操作の入力を求める制御データとを含むタイトルデータであって、(ii)当該再生装置が、当該タイトルデータの再生中に前記ユーザの操作の入力が求められているか否かを、前記制御データそのもの又は当該制御データによる再生装置の動作を監視することで直接的に検知することができないタイトルデータを再生する再生手段と、前記タイトルデータの再生状態に基づいて、前記タイトルデータの再生状態が、前記操作の入力が求められていると推定される所定状態にあるか否かを判定する判定手段と、前記タイトルデータの再生状態が前記所定状態にあると判定される場合に、再生するべき前記タイトルデータを切り替えるように前記再生手段を制御する制御手段とを備える。
【0016】
本実施形態の再生装置によれば、再生手段は、タイトルデータを再生することができる。タイトルデータは、例えば、映像データや音声データ等のコンテンツデータを含んでいる。加えて、タイトルデータは、コンテンツデータの再生を制御するためのユーザの操作の入力をユーザに対して求めることができる制御データ(例えば、後述するJavaアプリケーションや、各種メニュー画面等を表示するための任意の制御データ)を含んでいる。
【0017】
加えて、本実施形態のタイトルデータは、ユーザの操作の入力が制御データによって求められているか否か(言い換えれば、タイトルデータの再生状態が、ユーザの操作の入力が求められている状態にあるか否か)を、再生装置が直接的に検知することができないタイトルデータである。より具体的には、再生装置は、制御データそのものの状態を監視することができない又は制御データから現在の制御状態の通知(例えば、制御データから、制御データによって実現されている現在の再生装置の動作の状態の通知)を受けないがゆえに、ユーザの操作の入力が制御データによって求められているか否かを直接的に検知することができない。このようなタイトルデータとして、例えばタイトルドメイン(いわゆる、コンテンツデータが通常の態様で再生される場合のドメイン)とメニュードメイン(いわゆる、ユーザの操作の入力が求められている場合のドメイン)とが区別されないないしはこのようなドメインという技術的概念を採用していないタイトルデータが一例としてあげられる。尚、「再生装置が直接的に検知することができない」状況とは、例えば、ユーザに対して操作の入力を求める主体となる制御データと再生装置との間でユーザの操作の入力を求めている旨の通知が直接的に行われないがゆえに、制御データによる制御状態(つまり、ユーザの操作の入力が求められている状態)を再生装置が検知することができない状況が一例としてあげられる。
【0018】
このように、本実施形態の再生装置は、制御データによる制御状態(つまり、ユーザの操作の入力が求められている状態)を、制御データそのもの又は当該制御データによる再生装置の動作を直接的に監視することで検知することができない。従って、本実施形態の再生装置は、制御データによる制御状態を監視することに代えて、コンテンツデータの再生状態を監視することで、制御データによる制御状態(つまり、ユーザの操作の入力が求められている状態)を間接的に検知する。言い換えれば、本実施形態の再生装置は、コンテンツデータの再生状態を監視することで、制御データによる制御状態を推測又は推定する。より具体的には、判定手段は、コンテンツデータの再生状態に基づいて、タイトルデータの再生状態が、ユーザの操作の入力が求められていると推定される所定状態にあるか否かを判定する。従って、後述するように所定状態を適切に設定することで、本実施形態の再生装置は、ユーザの操作の入力が制御データによって求められているか否かを間接的に検知することができる。
【0019】
その結果、タイトルデータの再生状態が所定状態にある(つまり、ユーザの操作の入力が求められている)と判定される場合には、制御手段は、再生するべきタイトルデータを切り替える。例えば、制御手段は、当該タイトルデータとは異なる(例えば、次に再生するべき)他のタイトルデータの再生を開始してもよい。より具体的には、現在再生されているあるタイトルデータに関連してユーザの操作の入力が求められているとする。この場合、仮にユーザの操作の入力がなければ、現在再生されているあるタイトルデータの再生自体は継続されるものの、その再生が先に進むことがなくなってしまう(つまり、滞ってしまう)。一方で、本実施形態によれば、仮にユーザの操作の入力がなければ、現在再生されているあるタイトルデータに代えて他のタイトルデータの再生が開始されるため、タイトルデータの再生が滞ってしまう又は停止してしまうことが殆ど又は全くなくなる。
【0020】
このように、本実施形態の再生装置は、ユーザの操作の入力が求められていることを再生装置自身が再生装置側で直接的に検知することができないタイトルデータであっても、ユーザの操作の入力の有無に関わらずに、当該タイトルデータを好適に再生することができる。つまり、本実施形態の再生装置は、ユーザの操作の入力が求められていることを再生装置自身が再生装置側で直接的に検知することができないタイトルデータであっても、ユーザの操作の入力が求められているにも関わらずユーザの操作の入力がない場合には、他のタイトルデータを好適に再生することができる。従って、ユーザの手を煩わせることなく、一連のタイトルデータ(例えば、記録媒体に記録された複数のタイトルデータ)を好適に再生することができる。このような技術的効果は、例えば、再生装置がカーオーディオに適用される場合(つまり、ユーザたるドライバが、操作の入力のために手を離しにくい場合)に特に顕著になる。
【0021】
本実施形態の再生装置の一の態様では、前記所定状態は、再生中の前記タイトルデータ中に、再生を開始することができる前記コンテンツデータが存在しない状態を含む。
【0022】
ユーザの操作の入力が求められているにも関わらずユーザの操作の入力が行われていない場合には、再生するべきコンテンツデータがユーザの操作に応じて決定されていないがゆえに、結果として、再生を開始するコンテンツデータが存在しない状況になり得ると推測される。或いは、ユーザの操作の入力が求められているにも関わらずユーザの操作の入力が行われていない場合には、デフォールトで指定されたコンテンツデータの再生が指示されるところ、デフォールトで指定されたコンテンツデータが存在しないがゆえに、結果として、再生を開始するコンテンツデータが存在しない状況になり得ると推測される。従って、この態様によれば、判定手段は、ユーザの操作の入力が制御データによって求められているか否かを適切に判定することができる。
【0023】
本実施形態の再生装置の他の態様では、前記所定状態は、再生中の前記タイトルデータ中に、再生を開始することができる前記コンテンツデータが存在する一方で、再生を開始することができる前記コンテンツデータの再生が所定時間以内に開始されない状態を含む。
【0024】
ユーザの操作の入力が求められているにも関わらずユーザの操作の入力が行われていない場合には、再生するべきコンテンツデータがユーザの操作に応じて決定されていないがゆえに、結果として、コンテンツデータの再生が開始されない状況になり得ると推測される。或いは、ユーザの操作の入力が求められているにも関わらずユーザの操作の入力が行われていない場合には、ユーザの操作を契機としてコンテンツデータの再生が開始されないがゆえに、結果として、コンテンツデータの再生が開始されない状況になり得ると推測される。従って、この態様によれば、判定手段は、ユーザの操作の入力が制御データによって求められているか否かを適切に判定することができる。
【0025】
本実施形態の再生装置の他の態様では、前記所定状態は、前記タイトルデータの再生中において、前記タイトルデータに含まれる前記コンテンツデータの一部が繰り返し再生されている状態を含む。
【0026】
この態様によれば、コンテンツデータの一部が繰り返し再生(つまり、ループ再生)されている場合には、当該繰り返し再生されているコンテンツデータに関連したユーザの操作の入力が求められていると推測される。或いは、コンテンツデータの一部が繰り返し再生されている場合には、当該繰り返し再生されているコンテンツデータはユーザ操作を求める状態における背景画面や音楽であり、当該繰り返し再生されているコンテンツデータとは別のコンテンツデータに関連したユーザの操作の入力が求められていると推測される。従って、この態様によれば、判定手段は、ユーザの操作の入力が制御データによって求められているか否かを適切に判定することができる。
【0027】
本実施形態の再生装置の他の態様では、前記所定状態は、前記タイトルデータの再生中において、前記タイトルデータに含まれる前記コンテンツデータの再生が自動的に停止又は一時停止させられる状態を含む。
【0028】
この態様によれば、コンテンツデータの再生が自動的に(つまり、ユーザの指示とは無関係に)停止又は一時停止されるのは、ユーザの操作の入力が求められているにも関わらずユーザの操作の入力がなされていないことが原因であると推測される。従って、この態様によれば、判定手段は、ユーザの操作の入力が制御データによって求められているか否かを適切に判定することができる。
【0029】
本実施形態の再生装置の他の態様では、前記タイトルデータは、前記制御データとして、前記コンテンツデータの再生を制御するためのJavaアプリケーションを含むBD−J(Blu-ray Disc Java)タイトルである。
【0030】
この態様によれば、再生装置は、メニューが表示されているか否かの判別が容易なAlways−Onメニュー或いはPop−upメニューを採用していないBD−Jタイトルを対象として、上述した各種効果を好適に享受することができる。
【0031】
(再生方法の実施形態)
本実施形態の再生方法は、(i)コンテンツデータと、前記コンテンツデータの再生を制御するためのユーザの操作の入力を求める制御データとを含むタイトルデータであって、(ii)当該再生装置が、当該タイトルデータの再生中に前記ユーザの操作の入力が求められているか否かを、前記制御データそのもの又は当該制御データによる再生装置の動作を監視することで直接的に検知することができないタイトルデータを再生する再生工程と、前記コンテンツデータの再生状態に基づいて、前記タイトルデータの再生状態が、前記ユーザの操作の入力が求められていると推定される所定状態にあるか否かを判定する判定工程と、前記タイトルデータの再生状態が前記所定状態にあると判定される場合に、再生するべき前記タイトルデータを切り替えるように前記再生工程を制御する制御工程とを備える。
【0032】
本実施形態の再生方法によれば、上述した本実施形態の再生装置が享受することができる各種効果と同様の効果を好適に享受することができる。
【0033】
尚、上述した本実施形態の再生装置における各種態様に対応して、本実施形態の再生方法も各種態様を採ることが可能である。
【0034】
(コンピュータプログラムの実施形態)
本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに対して、(i)コンテンツデータと、前記コンテンツデータの再生を制御するためのユーザの操作の入力を求める制御データとを含むタイトルデータであって、(ii)当該再生装置が、当該タイトルデータの再生中に前記ユーザの操作の入力が求められているか否かを、前記制御データそのもの又は当該制御データによる再生装置の動作を監視することで直接的に検知することができないタイトルデータを再生する再生工程と、前記コンテンツデータの再生状態に基づいて、前記タイトルデータの再生状態が、前記ユーザの操作の入力が求められていると推定される所定状態にあるか否かを判定する判定工程と、前記タイトルデータの再生状態が前記所定状態にあると判定される場合に、再生するべき前記タイトルデータを切り替えるように前記再生工程を制御する制御工程とを実行させる。
【0035】
本実施形態のコンピュータプログラムによれば、上述した本実施形態の再生装置が享受することができる各種効果と同様の効果を好適に享受することができる。
【0036】
尚、上述した本実施形態の再生装置における各種態様に対応して、本実施形態のコンピュータプログラムも各種態様を採ることが可能である。
【0037】
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態の再生装置は、再生手段と、判定手段と、制御手段とを備える。本実施形態の再生方法は、再生工程と、判定工程と、制御工程とを備える。本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、再生工程と、判定工程と、制御工程とを実行させる。従って、ユーザの操作の入力が求められていることを再生装置自身が再生装置側で直接的に検知することができないタイトルデータを、ユーザの操作の入力の有無に関わらずに適切に再生することができる。
【実施例】
【0039】
以下、図面を参照しながら、再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムの実施例について説明する。
【0040】
(1)記録再生装置の基本構成
初めに、図1を参照して、本実施例の記録再生装置200の基本構成について説明する。ここに、図1は、本実施例の記録再生装置200の構成を示すブロック図である。尚、記録再生装置200は、光ディスク100にデータを記録する機能と、光ディスク100に記録されたデータを再生する機能とを備える。
【0041】
図1に示すように、記録再生装置200は、実際に光ディスク100がローディングされ且つデータの記録やデータの再生が行なわれるディスクドライブ301と、該ディスクドライブ301に対するデータの記録及び再生を制御するパーソナルコンピュータ等のホストコンピュータ302とを備えている。
【0042】
ディスクドライブ301は、光ディスク100、スピンドルモータ351、光ピックアップ352、信号記録再生手段353、CPU(ドライブ制御手段)354、メモリ355、データ入出力制御手段306、及びバス357を備えて構成されている。また、ホストコンピュータ302は、CPU359、メモリ360、操作/表示制御手段307、操作ボタン310、表示パネル311、及びデータ入出力制御手段308を備えて構成される。
【0043】
スピンドルモータ351は光ディスク100を回転及び停止させるもので、光ディスク100へのアクセス時に動作する。より詳細には、スピンドルモータ351は、図示しないサーボユニット等によりスピンドルサーボを受けつつ所定速度で光ディスク100を回転及び停止させるように構成されている。
【0044】
光ピックアップ352は、光ディスク100への記録再生を行うために、例えば半導体レーザダイオードと、コリメータレンズ及び対物レンズ等から構成される。より詳細には、光ピックアップ352は、光ディスク100に対してレーザ光LBを、再生時には読み取り光として第1のパワーで照射し、記録時には書き込み光として第2のパワーで且つ変調させながら照射する。
【0045】
信号記録再生手段353は、本発明における「再生手段」の一具体例を構成しており、スピンドルモータ351と光ピックアップ352を制御することで光ディスク100に対して記録再生を行う。より具体的には、信号記録再生手段353は、例えば、レーザダイオードドライバ(LDドライバ)及びヘッドアンプ等によって構成されている。レーザダイオードドライバは、例えば駆動パルスを生成し、光ピックアップ352内に設けられた半導体レーザ素子を駆動する。ヘッドアンプは、光ピックアップ352の出力信号、即ち、レーザ光LBの反射光を増幅し、該増幅した信号を出力する。
【0046】
メモリ355は、記録再生データのバッファ領域や、信号記録再生手段353で使用出来るデータに変換する時の中間バッファとして使用される領域などディスクドライブ301におけるデータ処理全般において使用される。また、メモリ355はこれらレコーダ機器としての動作を行うためのプログラム、即ちファームウェアが格納されるROM領域と、記録再生データの一時格納用バッファや、ファームウェアプログラム等の動作に必要な変数が格納されるRAM領域などから構成される。
【0047】
CPU(ドライブ制御手段)354は、信号記録再生手段353及びメモリ355と、バス357を介して接続され、各種制御手段に指示を行うことで、ディスクドライブ301全体の制御を行う。通常、CPU354が動作するためのソフトウェア又はファームウェアは、メモリ355に格納されている。
【0048】
データ入出力制御手段306は、ディスクドライブ301に対する外部からのデータ入出力を制御し、メモリ355上のデータバッファへの格納及び取り出しを行う。ディスクドライブ301とSCSIや、ATAPIなどのインタフェースを介して接続されている外部のホストコンピュータ302から発行されるドライブ制御命令は、データ入出力制御手段306を介してCPU354に伝達される。また、記録再生データも同様にデータ入出力制御手段306を介して、ホストコンピュータ302とやり取りされる。
【0049】
操作/表示制御手段307は、ホストコンピュータ302に対する動作指示受付と表示を行うもので、例えば記録又は再生といった操作ボタン310による指示をCPU359に伝える。CPU359は、「判定手段」及び「制御手段」の一具体例であって、データ入出力制御手段308や操作/表示制御手段307からの指示情報を元に、データ入出力制御手段308を介して、ディスクドライブ301に対して制御命令(コマンド)を送信し、記録再生装置200全体を制御する。同様に、CPU359は、ディスクドライブ301に対して、動作状態をホストに送信するように要求するコマンドを送信することができる。これにより、記録中や再生中といったディスクドライブ301の動作状態が把握できるためCPU359は、操作/表示制御手段307を介して蛍光管やLCDなどの表示パネル311にディスクドライブ301の動作状態を出力することができる。
【0050】
メモリ360は、ホストコンピュータ302が使用する内部記憶装置であり、例えばBIOS(Basic Input/Output System)等のファームウェアプログラムが格納されるROM領域、オペレーティングシステムや、アプリケーションプログラム等の動作に必要な変数等が格納されるRAM領域などから構成される。また、データ入出力制御手段308を介して、図示しないハードディスク等の外部記憶装置に接続されていてもよい。
【0051】
(2) 光ディスク上に記録されるデータの論理構造
続いて、図2から図5を参照して、光ディスク100上におけるデータの論理構造について説明する。ここに、図2は、タイトルテーブルの論理構造を概念的に示すデータ構造図であって、図3は、BD−Jオブジェクトの論理構造を概念的に示すデータ構造図であって、図4は、Movieオブジェクトの論理構造を概念的に示すデータ構造図であって、図5は、プレイリストの論理構造を概念的に示すデータ構造図であって、図6は、データの論理構造の階層関係を概念的に示すデータ構造図である。
【0052】
尚、以下では、光ディスク100がBlu−ray Discである場合の例について説明を進める。もちろん、光ディスク100として、Blu−ray Disc以外の任意の規格のディスクが採用されてもよい。
【0053】
図2に示すように、光ディスク100上には、各タイトルを構成するオブジェクトを示すインデックステーブル10が記録されている。ここに、タイトルとは、例えば、映画1本、テレビ番組1本などの論理的に大きなまとまりを持ったコンテンツの単位であり、後述するように、「プレイリスト」を再生するAVコンテンツ再生単位である。
【0054】
インデックステーブル10には、タイトルを識別するためのタイトル番号#1から#n(但し、nは1以上の整数)並びに特別な動作をするFirst Playback(ファーストプレイバック)及びTop Menu(トップメニュー)毎に、オブジェクトタイプ14と、各タイトルを構成するBD−Jオブジェクトのファイル名11、又は、各タイトルを構成するMovieオブジェクトのID12とが記録されている。オブジェクトタイプ14がBD−Jオブジェクトであるタイトル番号によって特定されるタイトルは、BD−Jタイトルと称される。一方で、オブジェクトタイプ14がMovieオブジェクトであるタイトル番号によって特定されるタイトルは、HDMVタイトルと称される。図2に示す例では、First Playback、タイトル番号#1及びタイトル番号#nによって特定されるタイトルがBD−Jタイトルとなり、Top Menu及びタイトル番号#2によって特定されるタイトルがHDMVタイトルとなる。
【0055】
また、インデックステーブル10には、上記オブジェクトタイプ14、BD−Jオブジェクトのファイル名、及びMovieオブジェクトのID12以外にも、その他の情報13が記録されている。
【0056】
尚、図2に示す例では、光ディスク100に複数のタイトルが記録されている場合のインデックステーブル10を示しているが、光ディスク100に一つのタイトルが記録されている場合には、該一つのタイトルを構成するBD−Jオブジェクトのファイル名11又は該一つのタイトルを構成するMovieオブジェクトのID12が記録されている構成を採用する。
【0057】
図3に示すように、インデックステーブル10中に記録されるBD−Jオブジェクトのファイル名11によりその位置が示されているBD−Jオブジェクト20は、テーブルの最初のプレイリストを自動スタートするか否かを示すオートスタートフラグ21と、アクセス可能な全てのプレイリストの名前を格納したアクセス可能プレイリストテーブル22と、タイトルを構成するAVコンテンツの再生を制御するために実行されるJavaアプリケーションのIDを格納したアプリケーション管理テーブル23と、その他の情報24とを含んでいる。なお、「プレイリスト」とは、AVコンテンツの再生に必要な情報を格納したファイルである。
【0058】
オートスタートフラグ21は、BD−Jオブジェクト20に含まれるアクセス可能プレイリストテーブル22の最初のプレイリストが、アプリケーション管理テーブル23でオートスタートであることが示されているJavaアプリケーションの読み込み及び起動が完了するまでの間に、再生開始されるか否かを示す。例えば、オートスタートフラグ21が“1”を示している場合、オートスタートのJavaアプリケーションの読み込み及び起動が完了するまでの間に、アクセス可能プレイリストテーブル23の最初のプレイリストが再生開始される。他方、例えば先立って再生されるAVコンテンツが存在しなければ、オートプレイフラグ21は“0”を示しており、アプリケーション管理テーブル23で示されるオートスタートのJavaアプリケーションの読み込み及び起動が完了するまでの間に、当該プレイリストは再生されることはない。
【0059】
Javaアプリケーションは、例えば、インタラクティブな操作が可能となるような態様で所望のAVコンテンツを再生することができる。例えば、Javaアプリケーションは、インタラクティブな操作を実現するために、ユーザの操作の入力を求めるための任意の画面(例えば、メニュー画面)を表示してもよい。また、Javaアプリケーションは、プレイリスト30を指定することで所望のAVコンテンツを再生してもよい。従って、Javaアプリケーションは、ユーザの操作の入力を求めるための任意の画面を、所望のAVコンテンツと共に再生することで、インタラクティブな操作が可能となるような態様で所望のAVコンテンツを再生することができる。尚、Javaアプリケーションは、ユーザの操作の入力を求めるための任意の画面を表示することなく、ユーザの操作の入力を求めてもよい。
【0060】
ここで、BD−Jタイトルについては、その仕様上、Javaアプリケーションによってユーザの操作の入力が求められているか否かを、ホストコンピュータ302が直接的に検知することは難しい。というのも、BD−Jタイトルではユーザの操作の入力を求めるための任意の画面の表示をJavaアプリケーションに依存しているが、Javaアプリケーションはユーザの操作の入力を求めるための任意の画面の表示する以外の任意の処理を実行可能であり、かつJavaアプリケーションの動作状態ないしは制御状態をホストコンピュータ302に通知する標準的な方法がないためである。従って、本実施例のホストコンピュータ302は、後に図7を参照して説明するように、タイトルに含まれるAVコンテンツの再生状態を監視することで、Javaアプリケーションによってユーザの操作の入力が求められているか否かを間接的に検知する。
【0061】
図4に示すように、インデックステーブル10中に記録されるMovieオブジェクトのID12によりその位置が示されているMovieオブジェクト40は、複数のナビゲーションコマンド41と、その他の情報42とを含んでいる。
【0062】
ナビゲーションコマンド41にはいろいろなものがあるが、所望のAVコンテンツを含むプレイリスト30を再生するコマンドをMovieオブジェクト40のナビゲーションコマンドの一つとして含めておくことで、所望のAVコンテンツを再生する。
【0063】
ここで、HDMVタイトルでは、ユーザの操作の入力を求めるための任意の画面はAlways−Onメニュー或いはPop−upメニューを表示することで実現できるが、Always−Onメニュー或いはPop−upメニューを表示中であることを検知するのは、BD−Jタイトルでユーザの操作の入力を求める動作状態ないしは制御状態にあるかを検知するのに比べて容易である。
【0064】
図5に示すように、プレイリスト30は、複数のプレイアイテム31と、その他の情報32とを含んでいる。複数のプレイアイテム31の夫々は、AVコンテンツの再生開始時刻(言い換えれば、IN時刻)及びAVコンテンツの再生終了時刻(言い換えれば、OUT時刻)の夫々を含んでいる。
【0065】
図6に示すように、図2から図5において説明したデータ構造は、階層的な関係を有している。即ち、一つのタイトルが、一つのBD−Jオブジェクト20又は一つのMovieオブジェクト40により構成されており、BD−Jオブジェクト20に含まれるアプリケーション管理テーブル23に登録されているJavaアプリケーション又はMovieオブジェクト40に含まれるナビゲーションコマンド41は再生するプレイリストをコマンドで指定しており(指定しない場合もある)、一つのプレイリスト30が、一又は複数のプレイアイテム31により構成されている。
【0066】
そして、プレイアイテム31は、クリップ中のアクセスポイントを、上述の再生開始位置や再生終了位置により示している。尚、本実施例における「クリップ」とは、1つのAVコンテンツストリームファイル(即ち、AVコンテンツの実データファイルであって、例えばMPEG2トランスポートストリーム)とそれに付随する情報であるクリップ情報のペアを示す。そして、クリップ情報のデータファイルを、クリップ情報ファイルと称する。
【0067】
例えば、図5において、左から1番目に図示されているタイトル#1はBD−Jオブジェクト20を指し示しており、従って、タイトル#1はBD−Jタイトルとなる。BD−Jオブジェクト20中のアプリケーション管理メントテーブル23で示されるJavaアプリケーションは、2つのプレイリスト30を再生するコマンドを含んでいる。そして、2つのプレイリストのうちの図6中左側に示されている第1のプレイリスト30は、2つのプレイアイテム31から構成されている。この2つのプレイアイテム31により、図6中左側に示されている第1のクリップに含まれるAVコンテンツストリームの前半部分と後半部分がそれぞれ参照されている。このため、第1のプレイリスト30を再生するコマンドが実行されれば、第1のクリップに含まれるAVコンテンツストリームの前半部分と後半部分とが再生される。
【0068】
また、2つのプレイリスト30のうち図6中右側に示されている第2のプレイリスト30は1つのプレイアイテムから構成されている。この1つのプレイアイテム31により、図5中右側に示されている第2のクリップに含まれるAVコンテンツストリーム全体が参照されている。このため、第2のプレイリスト30を再生するコマンドが実行されれば、第2のクリップに含まれるAVコンテンツストリームの全体が再生される。
【0069】
また、図6において、左から2番目に図示されているタイトル#2は、Movieオブジェクト40を指定しており、従って、タイトル#2は、Javaアプリケーションを含まないHDMVタイトルとなる。Movieオブジェクト40は1つのプレイリスト30を再生するナビゲーションコマンド41を含んでいる。このプレイリスト30は、2つのプレイアイテム31から構成されている。この2つのプレイアイテム31は、第1のクリップに含まれるAVコンテンツストリームの一部と、第2のクリップに含まれるAVコンテンツストリームの一部とがそれぞれ参照されている。このため、このプレイリスト30を再生するナビゲーションコマンド41が実行されれば、第1のクリップに含まれるAVコンテンツストリームの一部と第2のクリップに含まれるAVコンテンツストリームの一部とが再生される。
【0070】
このように、光ディスク100上に記録されているデータの論理構造という側面からは、図6に示す階層的なデータ構造を随時たどっていくことで、本実施例に係る情報記録再生装置200は、光ディスク100上に記録されたAVコンテンツを再生する。
【0071】
(3)記録再生装置の動作原理
続いて、図7を参照して、本実施例の記録再生装置200の再生動作の態様について説明を進める。ここに、図7は、本実施例の記録再生装置200の再生動作の態様の流れを概念的に示すフローチャートである。
【0072】
図6に示すように、記録再生装置200は、CPU359の制御の下に、ユーザの指示に応じて選択された所望のタイトルの再生を開始する(ステップS101)。このとき、再生が開始されるタイトルは、BD−Jタイトルであってもよいし、HDMVタイトルであってもよい。
【0073】
その後、CPU359は、ステップS101で再生が開始されたタイトルの再生状態(より具体的には、タイトルによって指定されるAVコンテンツの再生状態)を監視することで、タイトルの再生状態が、ユーザの操作の入力が求められている状態にあるか否かを判定する。具体的には、CPU359は、再生を開始したタイトルの中に、再生対象となる(言い換えれば、再生を開始することができる)AVコンテンツ(言い換えれば、プレイリスト30)が存在するか否かを判定する(ステップS102)。ステップS102の判定は、例えば、タイトル中にプレイリスト30(特に、アクセス可能なプレイリスト30であり、より具体的には、当該プレイリスト30へのポインタ12又は22)が登録されているか否かによって行われてもよい。タイトル中にプレイリスト30が登録されていなければ、再生対象となるAVコンテンツが存在しないと判定されてもよい。他方で、タイトル中にプレイリスト30が登録されていれば、再生対象となるAVコンテンツが存在すると判定されてもよい。
【0074】
ステップS102の判定の結果、再生を開始したタイトルの中に、再生対象となるAVコンテンツが存在しないと判定される場合には(ステップS102:No)、例えばJavaアプリケーションによってゲームが実現されているなどにより、そのタイトルがもともとAVコンテンツ再生を含まないことが一例として考えられる。つまり、AVコンテンツを再生することなくJavaアプリケーションだけでそのタイトルの動作が実現されているがゆえに、タイトル中に再生対象となるAVコンテンツが存在しない状況にあるとも推測される。従って、この場合には、CPU359は、再生を開始したタイトルがインタラクティブな操作を前提としており、今現在、ユーザの操作の入力が求められている(或いは、今現在、ユーザの操作の入力が求められているにもかかわらず、未だユーザの操作の入力がなされていない)と判定する。このため、CPU359は、ステップS101で再生が開始されたタイトルの再生を終了すると共に、他のタイトルの再生を開始するようにディスクドライブ301の動作を制御する(ステップS106)。つまり、CPU359は、ステップS101で再生が開始されたタイトルに対するユーザの操作を待たずして、他のタイトルの再生を開始する。その結果、ユーザの操作の有無に依存しないタイトルの連続的な再生が実現される。
【0075】
他方で、ステップS102の判定の結果、再生を開始したタイトルの中に、再生対象となるAVコンテンツが存在すると判定される場合には(ステップS102:No)、CPU359は、所定時間以内にAVコンテンツの再生が開始されるか否かを判定する(ステップS103)。
【0076】
ステップS103の判定の結果、所定時間以内にAVコンテンツの再生が開始されないと判定される場合には(ステップS103:No)、Javaアプリケーションによってユーザの操作の入力が求められているにも関わらずユーザの操作の入力が行われていないがゆえに、再生するべきAVコンテンツ(或いは、プレイリスト30ないしはプレイアイテム31)がユーザの操作に応じて決定されておらず、結果として、AVコンテンツの再生が所定時間以内に開始されない状況にあるとも推測される。或いは、Javaアプリケーションによってユーザの操作の入力が求められているにも関わらずユーザの操作の入力が行われていないがゆえに、ユーザの操作を契機としてAVコンテンツの再生が開始されず、結果として、AVコンテンツの再生が開始されない状況にあるとも推測される。つまり、Javaアプリケーションによってユーザの操作の入力が求められているにも関わらずユーザの操作の入力が行われていないがゆえに、タイトル中のAVコンテンツの再生が行われない状況にあると推測される。従って、この場合には、CPU359は、今現在、ユーザの操作の入力が求められている(或いは、今現在、ユーザの操作の入力が求められているにもかかわらず、未だユーザの操作の入力がなされていない)と判定する。このため、CPU359は、ステップS101で再生が開始されたタイトルの再生を終了すると共に、他のタイトルの再生を開始するようにディスクドライブ301の動作を制御する(ステップS106)。つまり、CPU359は、ステップS101で再生が開始されたタイトルに対するユーザの操作を待たずして、他のタイトルの再生を開始する。その結果、ユーザの操作の有無に依存しないタイトルの連続的な再生が実現される。
【0077】
他方で、ステップS103の判定の結果、所定時間以内にAVコンテンツの再生が開始されると判定される場合には(ステップS103:Yes)、CPU359は、同じ再生単位のAVコンテンツが繰り返し再生(つまり、ループ再生)されているか否かを判定する(ステップS104)。
【0078】
ステップS104の判定の結果、同じ再生単位のAVコンテンツが繰り返し再生されていると判定される場合には(ステップS104:Yes)、当該繰り返し再生されている再生単位のAVコンテンツに関連したユーザの操作の入力が求められている状況にあるとも推測される。このような状況として、例えばJavaアプリケーションによってゲームが実現されるとすれば、当該ゲームのタイトル画面等が表示され続ける状況が一例として考えられる。或いは、ユーザの操作の入力を求める画面の背景動画や背景音楽が繰り返し再生されているとも考えられる。つまり、Javaアプリケーションによってユーザの操作の入力が求められているにも関わらずユーザの操作の入力が行われていないがゆえに、タイトル(或いは、タイトル中のAVコンテンツ)の再生が進まない状況にあると推測される。従って、この場合には、CPU359は、今現在、ユーザの操作の入力が求められている(或いは、今現在、ユーザの操作の入力が求められているにもかかわらず、未だユーザの操作の入力がなされていない)と判定する。このため、CPU359は、ステップS101で再生が開始されたタイトルの再生を終了すると共に、他のタイトルの再生を開始するようにディスクドライブ301の動作を制御する(ステップS106)。つまり、CPU359は、ステップS101で再生が開始されたタイトルに対するユーザの操作を待たずして、他のタイトルの再生を開始する。その結果、ユーザの操作の有無に依存しないタイトルの連続的な再生が実現される。
【0079】
他方で、ステップS104の判定の結果、同じ再生単位のAVコンテンツが繰り返し再生されていないと判定される場合には(ステップS104:No)、CPU359は、ステップS101で再生を開始されたタイトルの再生が強制的に一時停止されるか否かを判定する(ステップS105)。
【0080】
ステップS105の判定の結果、タイトルの再生が自動的に一時停止されると判定される場合には(ステップS105:Yes)、Javaアプリケーションによってユーザの操作の入力が求められているにも関わらずユーザの操作の入力がなされていないがゆえにタイトルの再生の一時停止が行われているとも推測される。つまり、Javaアプリケーションによってユーザの操作の入力が求められているにも関わらずユーザの操作の入力が行われていないがゆえに、タイトル(或いは、タイトル中のAVコンテンツ)の再生が進まない状況にあると推測される。従って、この場合には、CPU359は、今現在、ユーザの操作の入力が求められている(或いは、今現在、ユーザの操作の入力が求められているにもかかわらず、未だユーザの操作の入力がなされていない)と判定する。このため、CPU359は、ステップS101で再生が開始されたタイトルの再生を終了すると共に、他のタイトルの再生を開始するようにディスクドライブ301の動作を制御する(ステップS106)。つまり、CPU359は、ステップS101で再生が開始されたタイトルに対するユーザの操作を待たずして、他のタイトルの再生を開始する。その結果、ユーザの操作の有無に依存しないタイトルの連続的な再生が実現される。
【0081】
他方で、ステップS105の判定の結果、タイトルの再生が自動的に一時停止されないと判定される場合には(ステップS105:No)、ステップS101で再生が開始されたタイトルの再生が継続される。
【0082】
尚、上述したステップS102からステップS105の判定は、ステップS101で再生が開始されたタイトルがBD−Jタイトルである場合に選択的に行われてもよい。言い換えれば、上述したステップS102からステップS105の判定は、ステップS101で再生が開始されたタイトルがHDMVタイトルである場合に行われなくともよい。ステップS101で再生が開始されたタイトルがHDMVタイトルである場合には、記録再生装置200は、Always-Onメニュー或いはPop-upメニューを表示中であるかを判別することで、ステップS102からステップS105の判定を行わなくとも、ユーザの操作の入力が求められているか否かを検知することができる。
【0083】
また、記録再生装置200は、上述したステップS102からステップS105の判定の全てを行わなくともよい。例えば、記録再生装置200は、上述したステップS102からステップS105の判定のうちの少なくとも一つを行う一方でその他の判定を行わなくともよい。但し、ユーザの操作の入力が求められているか否かをより一層高精度に判定するという観点からは、記録再生装置200は、上述したステップS102及びステップS103の判定を行うことが好ましい。
【0084】
以上説明したように、本実施例の記録再生装置200は、ユーザの操作の入力が求められていることを記録再生装置200自身が記録再生装置200側で直接的に検知することができないBD−Jタイトルを再生する場合であっても、BD−Jタイトルの再生状態(言い換えれば、BD−Jタイトルによって特定されるAVコンテンツの再生状態)を監視することで、ユーザの操作の入力が求められているか否かを間接的に検知することができる。つまり、本実施例の記録再生装置200は、BD−Jタイトルを再生する場合であっても、BD−Jタイトルの再生を制御する主体となるJavaアプリケーションの動作状態ないしは制御状態を直接的に監視することに代えて、BD−Jタイトルの再生状態を監視することで、ユーザの操作の入力が求められているか否かを間接的に検知することができる。
【0085】
その結果、本実施例の記録再生装置200は、BD−Jタイトルが光ディスク100に記録されている場合であっても、ユーザの操作の入力の有無に関わらずに、光ディスク100に記録されている各タイトルを好適に再生することができる。つまり、本実施例の記録再生装置200は、BD−Jタイトルが光ディスク100に記録されている場合であっても、ユーザの操作の入力が求められているにも関わらずユーザの操作の入力がない場合には、光ディスク100に記録されている他のタイトルを好適に再生することができる。従って、ユーザの手を煩わせることなく、光ディスク100に記録された一連のタイトルを好適に再生することができる。このような技術的効果は、例えば、再生装置がカーオーディオに適用される場合(つまり、ユーザたるドライバが、操作の入力のために手を離しにくい場合)に特に顕著になる。
【0086】
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
10 インデックステーブル
20 BD−Jオブジェクト
30 プレイリスト
40 Movieオブジェクト
100 光ディスク
200 記録再生装置
353 信号記録再生手段
359 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)コンテンツデータと、前記コンテンツデータの再生を制御するためのユーザの操作の入力を求める制御データとを含むタイトルデータであって、(ii)当該再生装置が、当該タイトルデータの再生中に前記ユーザの操作の入力が求められているか否かを、前記制御データそのもの又は当該制御データによる再生装置の動作を監視することで直接的に検知することができないタイトルデータを再生する再生手段と、
前記コンテンツデータの再生状態に基づいて、前記タイトルデータの再生状態が、前記ユーザの操作の入力が求められていると推定される所定状態にあるか否かを判定する判定手段と、
前記タイトルデータの再生状態が前記所定状態にあると判定される場合に、再生するべき前記タイトルデータを切り替えるように前記再生手段を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記所定状態は、再生中の前記タイトルデータ中に、再生を開始することができる前記コンテンツデータが存在しない状態を含むことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記所定状態は、再生中の前記タイトルデータ中に、再生を開始することができる前記コンテンツデータが存在する一方で、再生を開始することができる前記コンテンツデータの再生が所定時間以内に開始されない状態を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記所定状態は、前記タイトルデータの再生中において、前記タイトルデータに含まれる前記コンテンツデータの一部が繰り返し再生されている状態を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の再生装置。
【請求項5】
前記所定状態は、前記タイトルデータの再生中において、前記タイトルデータに含まれる前記コンテンツデータの再生が自動的に停止又は一時停止させられる状態を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の再生装置。
【請求項6】
前記タイトルデータは、前記制御データとして、前記コンテンツデータの再生を制御するためのJavaアプリケーションを含むBD−J(Blu-ray Disc Java)タイトルであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の再生装置。
【請求項7】
(i)コンテンツデータと、前記コンテンツデータの再生を制御するためのユーザの操作の入力を求める制御データとを含むタイトルデータであって、(ii)当該再生装置が、当該タイトルデータの再生中に前記ユーザの操作の入力が求められているか否かを、前記制御データそのもの又は当該制御データによる再生装置の動作を監視することで直接的に検知することができないタイトルデータを再生する再生工程と、
前記コンテンツデータの再生状態に基づいて、前記タイトルデータの再生状態が、前記ユーザの操作の入力が求められていると推定される所定状態にあるか否かを判定する判定工程と、
前記タイトルデータの再生状態が前記所定状態にあると判定される場合に、再生するべき前記タイトルデータを切り替えるように前記再生工程を制御する制御工程と
を備えることを特徴とする再生方法。
【請求項8】
コンピュータに対して、
(i)コンテンツデータと、前記コンテンツデータの再生を制御するためのユーザの操作の入力を求める制御データとを含むタイトルデータであって、(ii)当該再生装置が、当該タイトルデータの再生中に前記ユーザの操作の入力が求められているか否かを、前記制御データそのもの又は当該制御データによる再生装置の動作を監視することで直接的に検知することができないタイトルデータを再生する再生工程と、
前記コンテンツデータの再生状態に基づいて、前記タイトルデータの再生状態が、前記ユーザの操作の入力が求められていると推定される所定状態にあるか否かを判定する判定工程と、
前記タイトルデータの再生状態が前記所定状態にあると判定される場合に、再生するべき前記タイトルデータを切り替えるように前記再生工程を制御する制御工程と
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−20685(P2013−20685A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155633(P2011−155633)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】