説明

写真撮影遊戯装置、写真撮影遊戯方法、及び写真撮影遊戯プログラム

【課題】撮影後の画像であっても、利用者の嗜好に応じて撮影画像を編集することが可能な写真撮影遊戯装置、写真撮影遊戯方法、及び写真撮影遊戯プログラムを提供する。
【解決手段】被写体を撮影して撮影画像を生成する撮影部と、撮影画像に対する編集操作を受け付けて編集画像を生成する編集部と、編集画像を印刷する出力部と、を備え、編集部は、撮影画像、及び所定の機能を有する器具を表す少なくとも一つのアイコンを表示する表示手段と、表示手段に表示された前記撮影画像に対し、前記アイコンで表される前記器具の機能に基づく処理を行うことを受け付ける入力手段と、器具が有する機能に基づく処理を行うように、前記撮影画像に対して画像処理を行い、前記編集画像を生成する制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真撮影遊戯装置、写真撮影遊戯方法、及び写真撮影遊戯プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、利用者を含む被写体をカメラで撮影し、その撮影画像を印刷写真として出力する遊戯用の写真撮影遊戯装置が知られている。このような写真撮影遊戯装置では、利用者の嗜好に応じて、撮影画像を編集できるものが多く提案されている。例えば、背景画像や前景画像を複数の中から選択して撮影画像に組み合わせるたり、或いは、タッチペンを用いて、撮影画像に対して文字や絵を自由に描いたりできるように構成されているものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4672923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような写真撮影遊戯装置では、撮影画像自体を編集するものではなく、撮影画像に対して予め用意された画像を組み合わせたり、文字や絵を付加するような編集しかできなかった。したがって、撮影後であっても、撮影画像自体を編集できる装置、より好ましくは直感的に撮影画像自体を編集できる装置が要望されていた。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、撮影後の画像であっても、利用者の嗜好に応じて撮影画像を直感的に編集することが可能な写真撮影遊戯装置、写真撮影遊戯方法、及び写真撮影遊戯プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る写真撮影遊戯装置は、被写体を撮影して撮影画像を生成する撮影部と、前記撮影画像に対する編集操作を受け付けて編集画像を生成する編集部と、前記編集画像を出力する出力部と、を備え、前記編集部は、前記撮影画像、及び所定の機能を有する器具を表す少なくとも一つのアイコンを表示する表示手段と、前記表示手段に表示された前記撮影画像に対し、前記アイコンで表される前記器具の機能に基づく処理を行うことを受け付ける入力手段と、前記器具が有する機能に基づく処理を行うように、前記撮影画像に対して画像処理を行い、前記編集画像を生成する制御手段と、を備えている。
【0007】
この構成によれば、撮影された撮影画像に対し、利用者の嗜好に応じて直感的に編集を行うことができる。すなわち、利用者がアイコンで表された器具の機能に基づく処理を行うことを入力すると、その機能に基づく処理を行うように、撮影画像を画像処理することができる。例えば、小顔処理のためのローラーを表すアイコンが表示されている場合、このローラーによる処理を行うことを入力すると、小顔になるように撮影画像の顔が画像処理される。このように、本発明では、撮影後の画像であっても、利用者の嗜好に応じて撮影画像を編集することができる。この際、擬似的に器具を用い、この器具の有する機能に基づく処理を行うように画像処理を行うため、画像処理の過程や結果を直感的にイメージしやすく、また、利用者の嗜好を表しやすいため、満足度を向上することができる。なお、本発明における出力部は、編集画像を印刷するほか、編集画像を電子データとして送信したり、編集画像を他の端末で無線又は有線を介して受け取ることができるようにするものである。
【0008】
本発明に係る写真撮影遊戯方法は、被写体を撮影して撮影画像を生成するステップと、前記撮影画像に対する編集操作を受け付けて編集画像を生成するステップと、前記編集画像を出力するステップと、を備え、前記編集画像を生成するステップは、前記撮影画像、及び所定の機能を有する器具を表す少なくとも一つのアイコンを表示するステップと、表示された前記撮影画像に対し、前記アイコンで表される前記器具の機能に基づく処理を行うことを受け付けるステップと、前記器具が有する機能に基づく処理を行うように、前記撮影画像に対して画像処理を行い、前記編集画像を生成するステップと、を備えている。
【0009】
本発明に係る写真撮影遊戯プログラムは、被写体を撮影して撮影画像を生成する撮影部と、前記撮影画像に対する編集操作を受け付けて編集画像を生成する編集部と、前記編集画像を出力する出力部と、を備える写真撮影遊戯装置のコンピュータに、前記撮影画像、及び所定の機能を有する器具を表す少なくとも一つのアイコンを表示するステップと、表示された前記撮影画像に対し、前記アイコンで表される前記器具の機能に基づく処理を行うことを受け付けるステップと、前記器具が有する機能に基づく処理を行うように、前記撮影画像に対して画像処理を行い、前記編集画像を生成するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撮影後の画像であっても、利用者の嗜好に応じて撮影画像を直感的に編集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る写真撮影遊戯装置である遊戯用写真作成装置の外観を示す図である。
【図2】上記実施形態における撮影部の正面図である。
【図3】上記実施形態における編集部の正面図である。
【図4】上記実施形態における出力部の正面図である。
【図5】上記実施形態において、撮影操作用タッチパネルの画面構成を示す模式図である。
【図6】上記実施形態において、編集操作用タッチパネルの画面構成を示す模式図である。
【図7】上記実施形態に係る遊戯用写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。
【図8】上記実施形態における撮影処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】上記実施形態における編集処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】上記実施形態における美容編集処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】上記実施形態における美容編集処理の過程を示す図である。
【図12】上記実施形態における美容編集処理の過程を示す図である。
【図13】上記実施形態における美容編集処理の過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る写真撮影遊戯装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る写真撮影遊戯装置である遊戯用写真作成装置の外観を示す図である。より詳細には、図1(a)は、この遊戯用写真作成装置を横から見た外観側面図であり、図1(b)は、上から見た外観平面図である。以下では、まず、この遊戯用写真作成装置の全体構成について説明する。
【0013】
<1 全体構成>
図1に示すように、この遊戯用写真作成装置は、利用者が入る撮影室2を備えており、この撮影室2には、利用者を撮影して撮影画像を取得する撮影部3が取り付けられている。そして、撮影室2の外部には、撮影部3に隣接して編集部4が設けられている。この編集部4は、撮影画像に対する利用者による落書きなどの編集操作を受け付け、撮影画像を編集した編集画像を生成するものである。そして、編集部4には、編集画像を出力する出力部5が隣接している。
【0014】
次に、上記各部位について、図2〜図4も参照しつつ、詳細に説明する。図2は、撮影部3の正面図、図3は編集部4の正面図、図4は出力部5の正面図である。
【0015】
図1に示すように、撮影室2は、略直方体形状であって、撮影部3は、内部に入る利用者から見て前の面である撮影室2の前面に沿って配置されている。なお、撮影室2の左右両側面の一部には、それぞれ利用者が出入りするための開口部と、当該開口部の一部または全部を覆う遮光カーテンとが設けられている。また、撮影室2の内部に入る利用者から見て後ろの面である背面にはクロマキー合成処理のための単一の色(ここでは青色または緑色)が付されている。なお、これらの色は、例えば、撮影部3の撮影範囲に含まれる床面等にも付されていてもよい。
【0016】
図2に示すように、撮影部3は、利用者を撮影する撮像手段としてのカメラ10と、このカメラ10の上下左右の位置に配置され閃光を発する4つのストロボ11,12,13L,13Rとを備えている。また、下方のストロボの下側には、さらにもう一つのストロボ14が設けられている。そして、カメラ10の下方には、利用者からの操作の受け付けや撮影画像の表示等を行う撮影操作用タッチパネル20が設けられている。また、最下部のストロボ14の右側には、コイン投入口26が設けられている。
【0017】
カメラ10は、典型的には、CCD(電荷結合素子)を利用してデジタル画像信号を生成するデジタルカメラであって、利用者を撮影し、その撮影画像を表す画像信号を出力する。ストロボ11〜14は、撮影のための充分な光を得るために利用者に向かって閃光を発する。撮影操作用タッチパネル20は、撮影の際に利用者による各種操作を受け付けるための操作画面を提供するとともに、上記画像信号に基づく画像をリアルタイムで表示するように構成されている。
【0018】
ここで、撮影操作用タッチパネル20について、図5を参照しつつ、さらに詳細に説明する。図5は、撮影操作用タッチパネル20の表示構成を示す模式図である。同図に示すように、撮影時点において、撮影操作用タッチパネル20には、リアルタイムで撮影画像を表示するためのリアルタイムプレビュー領域201と、ポーズの見本を表示するためのポーズ見本表示領域202と、撮影によって得られる編集対象画像を表示するための編集対象画像表示領域203とが表示されている。なお、リアルタイムプレビュー領域201には、利用者に選択された後述の背景画像が撮影画像に対してクロマキー合成表示される。
【0019】
また、撮影部3は、コンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置、I/O制御装置、および編集部4と通信を行うためのネットワークアダプタ等を内蔵している。
【0020】
次に、編集部4について説明する。編集部4は、撮影部3と同様のコンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置、および撮影部3等と通信を行うためのネットワークアダプタ等を内蔵している。また、編集部4は、図1(b)に示すように、2組の利用者がプレイ可能なように2つのユニット4a、4bに分かれている。そのうちの一方のユニット4aには、落書き領域や落書きのためのメニュー、ツール等を表示する領域を含みGUI(Graphical User Interface)表示手段として機能する編集操作用タッチパネル400と、この編集操作用タッチパネル400に対する操作に使用されるポインティングデバイスとしてのタッチペン49L、49Rとが設けられている。なお、他方のユニット4bについても同様の構成となっている。ここで、図1(a)において手前に見えるユニット4aを「落書きブースA」と呼び、その反対側(図では裏側)のユニット4bを「落書きブースB」と呼ぶ。
【0021】
本実施形態における編集操作用タッチパネル400は、各ユニット4a、4bにおいてそれぞれ2人の利用者が同時に落書きを行えるような表示構成となっている。なお、本説明においては、左側の利用者が使用する構成要素には「L」を含む参照符号を付し、右側の利用者が使用する構成要素には「R」を含む参照符号を付している。
【0022】
また、本実施形態における編集操作用タッチパネル400は、複数のタッチペン49L、49Rによる操作位置を同時に検出可能に構成されており、かつ、検出される各操作位置が、タッチペン49L、49Rのうちのいずれの操作に対応するのかも検出可能となっている。例えば、編集操作用タッチパネル400として静電容量方式のタッチパネルを使用した場合には、このような複数の操作位置の同時検出と操作されたタッチペンの識別とが可能である。
【0023】
続いて、編集操作用タッチパネル400について、図6を参照しつつ詳細に説明する。図6は、編集操作用タッチパネル400の画面構成を示す模式図である。同図に示すように、この編集操作用タッチパネル400は、左右一対のスペースに区分けされ、2人の利用者がそれぞれ使用できるようになっている。各スペースの上部中央には、撮影画像に基づいて生成された複数の編集対象画像から選択された画像を表示し(仮想的な)落書きを行える矩形状の落書き領域41L、41Rが設けられている。落書き領域41L、41Rの下方には、利用者が落書きを行うためのツール、すなわち(選択された)編集対象画像に対する編集指示のためのツールの集合であって使用可能に表示したものとしてのパレット42L、42Rが設けられている。そして、その側方には、それらパレット42L、42Rに含まれるツールの種類を切り替えるためのモード選択ボタン群44L、44Rが設けられている。これらモード選択ボタン群44L、44Rにより、パレットモードを例えば「ペン」、「スタンプ」、「フレーム」、および「背景」のいずれかに切り替えることができる。また、パレット42L、42Rの上部には、タブ43L、43Rが設けられており、タブを切り替えることによって多種類のアイテムの表示、選択が可能となっている。さらに、落書き領域41L、41Rの側方、つまり編集操作用タッチパネル400の両端部には、パレット42L、42Rに含まれるツール以外で落書きに関する操作を行うためのボタン群45L、45Rがそれぞれ設けられている。これらのボタン群45L、45Rには、後述するように、美容処理を行うため器具を表す複数のアイコンが含まれている。例えば、小顔処理用のローラーや、まつげをカールさせるためのビューラーなどを表したアイコンが含まるが、これ以外の美容器具を表すアイコンを設けることもできる。その他、これらのボタン群45L、45Rには、例えば「らくがき終了」、「らくがき全消去」、「一つ戻る」、「元の顔に戻る」、「消しゴム」、「背景消しゴム」、「太いペン」、「中ぐらいのペン」、および「細いペン」というような機能を提供するボタンが含まれている。
【0024】
また、編集操作用タッチパネル400には、左右の利用者が共通に使用する構成要素が設けられている。例えば、両落書き領域41L、41Rの間の上部には、落書き時間の残り時間を表示するためのタイマー46が設けられている。そして、このタイマーの下方には、編集用の複数の編集対象画像を編集候補画像として小さく一覧表示した画像群である候補画像サムネイル47が設けられている。さらに、候補画像サムネイル47の下方には、タブやアイテム等の選択が行われたときに当該選択されたものについての使用説明等を表示するためのガイド画面表示領域48が設けられている。
【0025】
続いて、出力部5について説明する。図4に示すように、出力部5は、典型的には前面下方に、編集部4で編集操作が行われた編集画像を印刷した写真シールや写真カード等を取り出す取出口33を備えている。また、出力部5は、例えば携帯電話端末に内蔵される赤外線ポートにより、例えばデコメール(登録商標)画像等の素材画像や撮影画像に落書きをした編集画像などを利用者の携帯電話端末に転送する際に利用者によって操作される出力操作用タッチパネル30を備える場合がある。さらに、出力操作用タッチパネル30の下方に配置され上記素材画像等を赤外線信号として携帯電話端末に向けて直接送信するための赤外線ポート(非接触通信ポート)31が設けられ、上記通信の際に必要な操作方法や効果音などを音声によって利用者に知らせるスピーカ32も設けられている場合がある。
【0026】
出力操作用タッチパネル30は、利用者が編集画像を印刷された写真シール等だけでなく携帯電話端末でも見たい場合に、上記素材画像等を上記非接触通信機能を備えた携帯電話端末に送信するのに必要な各種操作を受け付けるための操作画面を提供するように構成されていている。なお、この操作は主に編集画像の写真シール等が印刷されるまでの時間を利用して行われるので、利用者は写真シール等が印刷されるまでの時間を持て余すことなく有効に利用することができる。また、出力部5に出力操作用タッチパネル30を設けずに、この操作を編集部4の編集操作用タッチパネル400で行うようにすることもできる。
【0027】
このような出力部5も、撮影部3と同様のコンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置および編集部4等と通信を行うためのネットワークアダプタ等を内蔵しているほか、編集画像を写真シール等として印刷するネットワークプリンタ35を備えている。
【0028】
以上のような構成において、利用者は、撮影室2において撮影を行った後、編集部4の落書きブースAまたは落書きブースBの編集操作用タッチパネル400を使用することにより、撮影画像に基づいて生成された編集対象画像に対して落書きや編集作業を行う。そして、利用者は、落書きなどによって生成された編集画像をネットワークプリンタによって印刷したり、赤外線通信機能を有する携帯電話端末に画像を送信し、携帯電話端末で受信した画像を端末画面に表示させたりする。
【0029】
<2 機能的構成>
続いて、本実施形態に係る遊戯用写真作成装置の機能的構成について、図7を参照しつつ説明する。図7は、この遊戯用写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。同図に示すように、この遊戯用写真作成装置は、機能的には、3つの処理部、つまり撮影処理部7、編集処理部8、及び出力処理部9で構成されている。撮影処理部7は、主として利用者を撮影する処理(撮影処理)を行うものである。編集処理部8は、主として編集対象画像に対する利用者の編集操作に応じて当該編集対象画像の編集処理を行うものである。そして、出力処理部9は、編集対象画像に編集処理を施した編集画像を写真シール等として出力したり、作成された素材画像等を非接触通信を利用して携帯電話端末に出力したりする処理(出力処理)を行うものである。これらの処理部6,7,8は、後述するように、ネットワークアダプタである第1、第2および第3の通信部75,83,95をそれぞれ有しており、これらの通信部75,83,95が、LAN(Local Area Network)であるネットワーク6を介してそれぞれ相互に通信可能となっている。以下、各処理部について、詳細に説明する。
【0030】
まず、撮影処理部7について説明する。撮影処理部7は、第1の制御部70を備え、この制御部70に、撮像部71、第1の表示・操作部72、I/O制御部73、及び第1の通信部75が電気的に接続されている。また、I/O制御部73には、照明部74が電気的に接続されている。撮像部71は、CCD等の撮像素子を用いて構成されるカメラ10に相当し、リアルタイムに画像を取り込んで当該画像(撮影画像)を表す画像信号を出力する。この画像信号は第1の制御部70に入力されて、その内部のメモリに撮影画像データとして一時的に記憶される。また、この撮影画像データは撮影画像信号として第1の制御部70から第1の表示・操作部72に供給され、当該撮影画像信号に基づく撮影画像がリアルタイムに表示される。なお、実際には、撮影画像として保存される撮影画像データは高解像度の静止画データであり、リアルタイム表示を行うための撮影画像データ(「スルー画像データ」とも呼ばれる)は低解像度の動画データであるが、撮影対象は同一であるので、以下では原則としてこれらを特に区別しないで説明する。
【0031】
第1の表示・操作部72は、撮影操作用タッチパネル20に相当し、撮影画像に付加されるべきフレーム、背景画像、前景画像などを選択する操作やシャッター操作等を受け付ける。これらの操作を示す信号は、操作信号として第1の制御部70に入力される。ここで、利用者を撮影するための(選択された撮影メニューに対応する)所定の処理が開始されると、第1の表示・操作部72に利用者のための案内が表示され、その後の第1の制御部70からの指示に基づき、数秒程度の予め決められた時間の経過後にカメラ10の撮影方向にストロボ11〜14から閃光が放たれる。そのとき、利用者の撮影画像を表す信号として撮像部71から出力される画像信号が第1の制御部70に入力され、第1の制御部70内のメモリまたは補助記憶装置としてのハードディスク装置等に撮影画像データとして格納される。
【0032】
照明部74は、カメラ10の上下左右の位置に配置されたストロボ11,12,13L,13R,14に相当し、第1の制御部70からの指示に基づきI/O制御部73によって点灯/消灯および調光が制御される。I/O制御部73は、撮影部3に内蔵されるI/O制御装置に相当し、第1の制御部70からの指示に基づき、照明部74を制御する。また、後述のコイン検出部(不図示)からの検出信号等の入力信号を第1の制御部70へ転送する。第1の通信部75は、撮影部3に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0033】
第1の制御部70は、撮影部3に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、タイマー、補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、上述のようにして入力される操作信号等に基づき各部を制御するために、上述のように各部に指示を出す。また、撮影された画像に基づいて編集対象画像を生成する。生成された編集対象画像はフレームバッファに書き込まれることにより、第1の表示・操作部72に表示される。この編集対象画像は、撮影画像と、所定の背景画像等とを合成した画像である。撮影画像のうち背景に相当する領域にはマスクの作成に使用されるキー色となる背景色が付されている。第1の制御部70は、周知のクロマキー合成処理の手法に基づき、利用者の像のみを含む撮影画像部分を抽出し、この撮影画像部分が背景画像中に嵌め込まれるように合成して編集対象画像を生成する。このように生成された編集対象画像はフレームバッファに書き込まれることにより第1の表示・操作部72に表示される。
【0034】
上記の構成要素の他、撮影部3におけるコイン投入口26に投入されたコインを検出するためのコイン検出部(不図示)が更に撮影部3に設けられており、第1の制御部70は、コイン検出部での検出結果に基づき、利用者に所定時間だけ撮影や背景画像および前景画像の選択や落書き等、本遊戯用写真作成装置によるプレイを許容するように各部を制御する。このコイン検出部による検出動作やその検出結果に基づく第1の制御部70による制御動作は、従来の遊戯用写真作成装置と同様であって周知であるので、その詳しい説明を省略する。
【0035】
次に、編集処理部8について説明する。この編集処理部8は、第2の制御部80を備えており、この制御部80に、一対の第2の表示・操作部81,82、及び第2の通信部83が電気的に接続されている。第2の制御部80は、編集部4に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、および補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、編集処理に関する全体の制御を行う。すなわち、第2の制御部80は、第2の表示・操作部81,82を制御するGUI制御手段として機能する。また、第2の制御部80は、第1の制御部70から送られてきた編集対象画像(第1の制御部70で生成された編集対象画像のなかから利用者に選択された編集対象画像)に対する落書き処理や美容編集処理を行うための操作信号に基づき、その編集対象画像に所定画像を描画したり、あるいは後述する美容編集処理を行った編集画像を生成する。
【0036】
美容編集処理を行うために、第2の制御部80は、編集対象画像に対して周知の顔認識処理(顔検出処理)を行い、その編集対象画像に含まれる利用者の顔の位置を検出するとともに、顔の構造の検出も行う。顔の構造の検出とは、例えば、顔の輪郭、髪型、目、鼻、口、耳の大きさ、位置などを認識することである。そして、第2の制御部80は、認識された顔に対する美容処理を受け付ける。例えば、認識された被写体の顔に対し、タッチパネル400を介してタッチしたタッチペン49の位置から、美容処理を行うべき顔の範囲を検出したり、あるいは、タッチパネル400上でタッチペン49をスライドさせたときに、その距離、時間、またはスライド回数などを検出する。スライドとは、直線又は曲線に沿うもの、往復動など、種々の形態がある。このように、検出された顔に対して、美容編集の指示があった場合には、指定された範囲の画像処理を行い、これをフレームバッファに書き込んで、第2の表示・操作部81,82に表示する。例えば、美容編集処理として小顔処理が選択され、処理すべき範囲として頬から顎にかけての所定の範囲が指定された場合には、タッチペン49をスライドした距離、時間、回数などの少なくとも一つに基づいて、検出された頬から顎にかけての輪郭を縮小するように、輪郭を修正するような画像処理を行う。例えば、スライドの距離が大きいほど、処理量を大きくすることができる。なお、処理量とは、ここでは頬から顎にかけての輪郭の縮小量をいう。また、顎等の輪郭の縮小とともに、これに付随するパーツの処理も行う。例えば、顎等の輪郭の縮小と同時に口の大きさも縮小する。すなわち、小顔処理に伴って、顔のバランスが崩れないように、調整を行う。このように、第2の制御部80では、検出された顔に対し、所定の美容処理が行われるような画像処理のプログラムを各種保存し、必要に応じて実行するように構成される。
【0037】
また、第2の制御部80は、上述した美容器具を表すアイコンを表示したり、その動作をアニメーションとして、第2の表示・操作部81,82に表示する。例えば、ローラーを編集対象画像の顔の上に表示したり、ローラーが顔の上を転がる様子を表すアニメーションを第2の表示・操作部81,82に表示する。また、美容器具として、ビューラーが選択された場合には、ビューラーの動作を表すアニメーションを表示する。さらに、第2の制御部80は、上述したタッチペン400による入力を促すような表示を落書き領域41L、41Rに表示させる。例えば、タッチペン49によるタッチパネル400上へのタッチや、スライドを促す文字や図形を表示させる。
【0038】
なお、美容編集処理に先立つ顔検出処理は、撮影部71により撮影画像が取得された際に第1の制御部70で行うようにすることもできるし、上記のように、撮影処理部7から送られた編集対象画像に対して改めて顔検出処理を行うこともできる。ただし、第1の制御部70が顔検出処理を行う場合は、その結果を示す情報を第2の制御部80に送信しておく必要がある。
【0039】
また、顔検出処理の際に、顔の向きを検出することもできる。すなわち、顔の向きが正面ではなく、傾いている場合、第2の制御部80は、この顔の上に表示する美容器具のアイコンの向きを、顔の向きに合わせて表示する。例えば、横向きの顔が検出された場合、美容器具であるローラーは、横から見たように表示され、アニメーションも横から見たときのような動作が表示されるようにする。
【0040】
以上のような編集画像の生成が終了すると、利用者による分割レイアウトの選択指示を受け付けられ、選択された分割レイアウトを示す情報および生成された編集画像は出力部5に送られる。なお、印刷出力部92が別の編集画像を出力中である場合には、その旨が表示されるとともに終了を待って送られる。
【0041】
第2の表示・操作部81、82は、落書きのためのGUI表示手段として機能する編集操作用タッチパネル400に相当し、タッチペンを用いた利用者の操作を受け付ける。第2の通信部83は、編集部4に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0042】
続いて、出力処理部9について説明する。出力処理部9は、第3の制御部90を備えており、この制御部90に、第3の表示・操作部91、印刷出力部92、音声出力部93、非接触通信部94、第3の通信部95、及び無線通信部96が電気的に接続されている。第3の制御部90は、出力部5に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、タイマー、および補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、出力処理に関する全体の制御を行う。第3の制御部90は、第2の制御部80から送られてきた編集画像を編集画像データとしてメモリに格納する。印刷出力部92は出力部に内蔵されるネットワークプリンタ35に相当し、メモリに格納された編集画像データを(適宜にレイアウトした)写真シール(または写真カード)として印刷する。印刷された写真シール等は、出力部5の正面下方に設けられた取出口33から取り出される。
【0043】
また、第3の制御部90は、第2の制御部80から送られてきた分割レイアウト情報および編集画像に基づいて写真シール等の印刷処理を開始すると同時に、利用者の入力操作を受け付けるための後述する操作画面を第3の表示・操作部91に表示する。この第3の表示・操作部91は出力操作用タッチパネル30に相当し、入力手段として機能する。出力操作用タッチパネル30は、液晶ディスプレイまたはCRT(Cathode Ray Tube)等の表示手段として機能するモニタと、その上面に積層され、入力座標を認識することができる1人用のタッチパネルから構成される。モニタは複数の画面に分割された操作画面を表示することができ、タッチパネルは分割された複数の画面ごとに利用者のタッチペンを用いた入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を操作信号として第3の制御部90に入力する。
【0044】
第3の通信部95は、出力部5に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0045】
ここで、第3の制御部90は、落書きを終えてから操作を始めるまでの間、補助記憶装置に予め記憶されているデモ画像(デモンストレーション用の画像)をフレームバッファに書き込むことにより第3の表示・操作部91に表示する。また音声出力部93は、スピーカ32に相当する。音声出力部93は、第3の表示・操作部91に表示される操作画面と連動して入力操作方法を利用者に説明し、また第3の表示・操作部91にデモ画像が表示されているときにデモ画像に応じた楽曲等を流す。なお、入力操作方法の説明や楽曲等は補助記憶装置としてのハードディス装置等に予め格納されている。
【0046】
その後、第3の制御部90は、第3の表示・操作部91の表示や音声出力部93による音声や効果音等により編集画像の印刷が完了するまで後述するミニゲームを利用者に提供し続ける。このミニゲームの内容も同様にハードディスク装置等に予め格納されている。
【0047】
ここで、各制御装置において実行される上記所定プログラムは、例えば、そのプログラムを記録した記録媒体であるDVD−ROMによって提供される。すなわち、上記所定プログラムの記録媒体としてのDVD−ROMが補助記憶装置として制御装置内に内蔵されたDVD−ROM駆動装置に装着され、そのDVD−ROMから所定プログラムが読み出されて補助記憶装置としてのハードディスク装置にインストールされる。また、上記所定プログラムは、DVD−ROM以外の記録媒体(CD−ROM等)や通信回線を介して提供されてもよい。そして、本遊戯用写真作成装置の起動のための操作がなされると、ハードディスク装置にインストールされた所定プログラムは、制御装置内のメモリに転送されてそこに一時的に格納され、制御装置内のCPUによって実行される。これにより、制御装置による上記各部の制御処理が実現される。
【0048】
なお、上記第1から第3までの制御部70,80,90は、異なる部位(撮影部3など)に内蔵される異なるコンピュータを含む装置に相当するものとして説明したが、このような構成は一例であって、上記第1から第3までの制御部70,80,90は、2つ以下または4つ以上の装置により実現されてもよい。例えば、2つの制御部を設けておき、一方の制御部で撮影部3と出力部5を制御し、他方の制御部で編集部4を制御することもできる。そして、このような場合には各装置において、それぞれ実現されるべき機能に応じたプログラムが実行される。さらに、各制御部70,80,90を構成する制御装置は、いずれの部位3,4,5に内蔵されていてもよく、例えば、すべての制御装置を編集部4に内蔵していてもよい。また、撮影部3、編集部4、および出力部5は、物理的に3つに分かれているが、これを一つ又は二つのユニットとして構成することもできる。
【0049】
<3 遊戯用写真作成装置における処理手順>
上述したように、この遊戯用写真作成装置には、撮影部3、編集部4、及び出力部5が含まれている。撮影部3では撮影処理が行われ、編集部4では後述する落書き編集処理が行われ、出力部5では出力処理が行われる。なお、ある利用者が撮影部3でプレイしている時に他の利用者は編集部4でプレイし、さらに他の利用者は出力部5で編集画像を出力することができるように構成されている。すなわち、この遊戯用写真作成装置は、撮影処理と落書き編集処理と出力処理とを並行して行うことができる。以下に、上述した処理を順に説明する。
【0050】
<3.1 撮影処理>
まず、撮影部3における撮影処理について、図8を参照しつつ説明する。図8は、本実施形態における撮影処理の処理手順を示すフローチャートである。この遊戯用写真作成装置が使用されていない時(プレイが行われていない時)には、撮影操作用タッチパネル20にはデモ画像が表示されている。デモ画像の表示中に利用者がコイン投入口26にコインを投入すると、プレイが開始される(ステップS100)。
【0051】
プレイが開始されると、第1の制御部70は、利用者による撮影モードの選択を受け付ける(ステップS110)。ステップS110では、例えば画質(具体的にはコントラストが高いくっきりとした画質、柔らかなふんわりとした画質、または透明感のあるクールな画質のうちのいずれか)、明るさを選択するとともに、自動で撮影するか手動で撮影するかも選択する。そして、自動で撮影する場合には撮影用テーマの選択が行われる。この場合、第1の制御部70は、予め用意された複数の撮影用テーマの中から1つ以上の撮影用テーマを利用者に選択させるための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者の選択操作に基づいて選択情報を取得し、選択された撮影用テーマに基づいて、撮影の際に使用するフレーム、背景画像、及び前景画像の組み合わせを決定する。また手動で撮影する場合は、上記フレーム、背景画像、及び前景画像を利用者が自由に決定する。その後、ステップS120に進み、撮影が行われる。この撮影により、撮影画像データが第1の制御部70のメモリに格納される。
【0052】
ステップS130では、利用者によって決定された背景等と、撮影画像に含まれる利用者の像とを合成して編集対象画像が生成され、この編集対象画像が、撮影操作用タッチパネル20に表示される。詳しくは、ステップS130の処理が行われる都度、図5に示した撮影操作用タッチパネル20の編集対象画像表示領域203に編集対象画像が順次追加表示される。その後、ステップS140に進み、第1の制御部70は、予め定められた枚数の撮影が終了したか否かを判定する。判定の結果、当該枚数の撮影が終了していればステップS150に進み、当該枚数の撮影が終了していなければステップS120に戻る。なお、実際には撮影のための制限時間(例えば3分)が設けられる。
【0053】
ステップS150では、複数の編集対象画像の中から実際の編集対象となる画像の(利用者による)選択が行われる。具体的には、第1の制御部70は、編集および印刷に使用する画像を利用者に選択させるために、編集対象画像の一覧を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者によって選択された画像を実際の編集対象画像として第2の制御部80に送る。ステップS150の終了後、ステップS160に進む。ステップS160では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第1の制御部70は、利用者を編集部4のいずれか(4aまたは4b)に導くための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示する。これにより、撮影処理が終了する。
【0054】
<3.2 編集処理>
次に、編集部における落書き編集処理について、図9を参照しつつ説明する。図9は、本実施形態における落書き編集処理の手順を示すフローチャートである。第2の制御部80が所定のプログラムに基づき図9に示すように動作することで、この落書き編集処理が実現される。
【0055】
まず、第2の制御部80は、図8のステップS150の処理で第1の制御部50から送られた編集対象画像を取得する(ステップS210)。続いて、タイマー46が所定の時間(具体的には、落書きを許可する時間)に設定され、カウントダウンが開始される(ステップS220)。
【0056】
タイマー46のカウントダウン開始後、編集部4を構成するユニット4a,4bのうちのいずれか一方の編集操作用タッチパネル400において、落書き編集操作画面が表示され、利用者による落書き操作が受け付けられる(ステップS230〜S250)。なお、この落書き編集処理時において、編集部4では、撮影画像に基づく編集対象画像に対する編集操作の他に、デコメール画像等の素材画像を作成するための編集操作が受け付けられてもよい。
【0057】
上記処理は、具体的には編集操作画面内のボタンやツールなどの1つをタッチペンでタッチすると、その座標値が入力され(ステップS230)、対応する落書き編集処理(ステップS240)が行われる。このとき、後述する美容編集処理も行うことができる。その後、ステップS250においてタイマー46の残り時間が0になる(または利用者が終了させる操作を行う)ことにより落書きが終了したかが判定され、終了していない場合(ステップS250においてNoの場合)にはステップS230に戻り、落書きが終了するまで処理が繰り返される。一方、落書きが終了した場合(ステップS250においてYesの場合)には、処理はステップS260に進む。こうして、編集対象画像に対して落書き処理や後述する美容編集処理が施された編集画像が生成される。
【0058】
なお、所定の時間が経過しても(あるいは、落書きの制限時間が所定時間未満になっても)落書き編集処理(ステップS240)が行われない場合には、落書きを促す文字をタッチパネル400に表示することもできる。落書きを促す文字は、落書き編集処理がなされていない編集対象画像に対応する候補画像上あるいは候補画像付近に表示することが好ましい。
【0059】
文字の表示からさらに所定時間が経過しても(あるいは、落書きの制限が所定の時間未満になっても)落書きが開始されない場合には、タッチパネル400に表示されたボタン群の中から、少ないタッチ数で落書きが可能なツール(例えば、ワンタッチすることにより、複数の機能を用いた落書きを編集対象画像に対して行うことのできるツール)を表示させるためのボタンのみを目立たせることもできる。例えば、該当のボタンのみを目立たせる手法としては、該当のボタンを強調表示したり、光らせたり、該当のボタン上あるいは周辺に所定の文字を表示したりすることが考えられるが、これに限らない。
【0060】
図9に戻って、編集処理の説明を続ける。ステップS260では、出力される写真の分割パターンの選択が行われる。具体的には、第2の制御部80は、予め用意された複数の分割パターンの中からいずれかの分割パターンを利用者に選択させるための操作画面を編集操作用タッチパネル400に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第2の制御部80は、利用者の選択操作に基づいて、選択情報を取得する。ステップS260の処理が終了した後、ステップS270の処理に進む。
【0061】
ステップS270では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第2の制御部80は、利用者を出力部5に導くための画面を編集操作用タッチパネル400に表示する。これにより、落書き編集処理が終了する。落書き編集処理が終了すると、出力部5において、編集部4から送られてきた編集画像に基づいて写真シール等の印刷処理が開始されることなどについては前述した通りである。
【0062】
次に、上記ステップS240に含まれる美容編集処理の詳しい内容について図10〜図13を参照して説明する。図10は、美容編集処理を表すフローチャート、図11〜図13は落書き領域に示された編集対象画像に美容編集処理を施す過程を示す図である。ここでは、美容編集処理のうち、小顔処理について説明する。
【0063】
まず、利用者は、編集操作用タッチパネル400のボタン群45L,45Rから、図11に示すように、小顔処理を行うための「ローラー」が示されたアイコンXを、タッチペン49によりタッチして選択する(ステップS310)。これにより、美容編集処理がスタートし、第2の制御部80は、落書き領域41L、41Rに表示された編集対象画像から被写体の顔を検出する(ステップS320)。なお、顔の検出は、美容編集処理を行う前、例えば、撮影部3から編集対象画像が送られてきた後に行っていてもよい。次に、小顔処理を行うべき範囲を指定することを促す表示を落書き領域41L、41Rに表示する(ステップS330)。図11に示す例では、「ローラーを当てる位置をタッチしてね」との表示を行っている。これにより、利用者は、落書き領域41L、41Rに表示された被写体の顔に対し、小顔処理を行うべき範囲、例えば被写体の顔における頬から顎にかけての所定の範囲をタッチペン49でタッチする。そして、タッチペン49によるタッチが検出されると(ステップS340のYes)、第2の制御部80は、図12に示すように、タッチされた位置にローラーのアイコンXを表示する(ステップS350)。タッチペン49によるタッチが検出されない場合には(ステップS340のNo)、上述したタッチペン49によるタッチを促す表示を続ける。また、タッチペン49により、顔以外の位置をタッチした場合にも、上記表示がなされる。
【0064】
続いて、表示されたローラーのアイコンXを動かすことを促す表示を落書き領域41L、41Rに表示する(ステップS360)。図12に示す例では、「ローラーをコロコロしてね」との表示を行っている。これは、小顔処理を行うべき範囲、及びその程度を入力させるためである。上記表示に対し、利用者はローラーのアイコンにタッチペン49をタッチし、タッチパネル400上でスライドさせる。そして、タッチペン49のスライドを検出すると(ステップS370のYes)、図13(a)に示すように、ローラーのアイコンが、タッチペン49の動作とともに落書き領域41L、41R上で動き、ローラーが動作するようなアニメーションが表示される(ステップS380)。タッチペン49によるスライドが検出されない場合には(ステップS370のNo)、上述したタッチペン49によるスライドを促す表示を続ける。また、タッチペン49により、顔以外の位置をスライドした場合にも、上記表示がなされる。こうして、タッチペン49がスライドしているときに、第2の制御部80は、このタッチペン49の移動距離に応じて画像処理を行う(ステップS390)。すなわち、図13(b)に示すように、ローラーのアイコンが配置された位置において、被写体の顔の(頬から顎にかけての)輪郭を縮小するように、画像処理を行う。上記のように、例えばタッチペン49を顎の上でスライドさせると、第2の制御部80は、認識した頬から顎にかけての輪郭を縮小するように、画像処理を行うとともに、口の大きさも縮小するように画像処理を行う。このとき、タッチペン49の移動距離が大きければ、輪郭の縮小の度合いが大きくなり、移動距離が小さければあまり縮小されない。但し、移動距離が大きい場合でも、縮小される大きさの上限は予め決められており、際限なく縮小されるわけではない。なお、上記のように、タッチペン49のスライドと同時に画像処理を行い、その結果をリアルタイムで表示させることもできるし、タッチペン49によるスライドが停止した後に、画像処理を行い、その結果を表示することもできる。タッチペン49のスライドと同時に画像処理を行う場合は、例えば移動距離が所定の距離になるごとに顔の大きさを段階的に縮小するようにしてもよいし、単に移動距離が増加するごとに顔の大きさを縮小するようにしてもよい。こうして、タイマーの設定時間に到達したり、あるいは他の美容器具を示すアイコンや落書き用の他のツールをパレットから選択した場合には、美容編集処理が終了するが、それまでの間はステップS330〜S390までの処理を繰り返し行うことができる。なお、美容編集処理の実行中にだけ編集操作用タッチパネル400の所定位置(例えば、パレット42L,42R内)に「元の顔に戻る」ボタン(不図示)を表示し、このボタンがタッチされると、ステップS390の処理でなされた美容編集処理を取り消すようにしてもよい。
【0065】
<4.効果>
以上のように、本実施形態によれば、撮影後の画像であっても、利用者の嗜好に応じて編集対象画像(撮影画像)を直感的に編集することができる。すなわち、利用者がアイコンで表された美容器具を用い、編集対象画像において、この美容器具を利用すべき位置を入力すると、その位置において、美容器具が有する機能に基づく処理を行うように、撮影画像を画像処理することができる。つまり、本実施形態のように、小顔処理のためのローラーを表すアイコンを選択し、タッチペン49で編集対象画像をタッチしてスライドさせると、小顔になるように編集対象画像の顔が画像処理される。このように、本実施形態では、擬似的にローラーなどの美容器具を用い、ローラーの有する機能に基づく処理を行うように画像処理を行うため、画像処理の過程や結果を直感的にイメージしやすく、また、利用者の嗜好を表しやすいため、満足度を向上することができる。ローラー以外に、例えば、ビューラーを選択した場合には、次のように処理される。まず、ビューラーを示すアイコンを選択し、タッチペンで編集対象画像における目をタッチすると、目にビューラーのアイコンが表示される。この状態で、タッチペンをスライドさせると、ビューラーが動作するアニメーションが表示される。その結果、目が大きく見開く、いわゆるパッチリ目にするような画像処理が行われる。
【0066】
なお、本実施形態における小顔処理では、顔の輪郭と同時に口も同時に小さくする処理を含むものであったが、小顔処理はこれに限定されず、どのような小顔処理を用いてもよりことは言うまでもない。
【0067】
<5.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。上記実施形態では、美容器具を表すアイコンを選択し、タッチパネルをタッチして編集対象画像上にアイコンが現れた後に、タッチペンをスライドさせて画像処理を行っているが、画像処理に至る過程はこれに限定されるものではなく、種々の態様が可能である。例えば、タッチパネルを1回又は複数回タッチするだけで、画像処理を行ってもよいし、タッチペンによるスライドのみによって画像処理を開始することもできる。あるいは、美容器具を表すアイコンを選択するだけで画像処理が行われてもよく、要するに、アイコンで表される美容器具の機能に基づく処理を行うことを、何らかの方法で入力できればよい。また、画像処理の処理量を決定するためのタッチペン49の動作は、スライド以外でもよく、タップの回数、時間などでもよい。また、予め処理量を規定したアイコン(例えば、大きさの異なる複数のローラーを表示)を表示しておき、いずれかを少なくとも一回選択することで、画像処理の処理量を決めることができる。このとき、アイコンを選択するだけで、画像処理を開始してもよいし、アイコンを選択した後、タッチペン49をタッチパネル400上でスライドさせることによって画像処理を行ってもよい。すなわち、アイコンの選択とスライド動作を併用して画像処理の処理量を決めることもできる。また、タッチペン以外でも、指によって直接タッチパネルをタッチしたり、あるいはマウス、キーボードなどの入力手段を使用することもできる。なお、アイコンの選択で画像処理を開始する場合(タッチペン49でアイコンを直接動かさない場合)は、編集対象画像上に表示されたアイコンを、画像処理の内容に応じて動かすようにしてもよい。
【0068】
上記実施形態では、撮影画像の編集処理として、美容編集処理を挙げたが、これ以外にも種々の処理を行うことができ、所定の機能を有する器具をアイコンで表し、その機能に基づく処理を行うような画像処理を行えるようにすればよい。例えば、「カラーコンタクトレンズ」を表すアイコンを設けて、目の色を変えることができる。また、「魔法の杖」を表すアイコンを設け、このアイコンを用いることで、髪型を変えることもできる。すなわち、現実に存在する器具のみならず、架空の器具であっても、所定の機能を持たすことができれば(例えば、アイコンに機能を記載する)、採用することができる。また、画像処理を行う場所は、顔だけでなく、例えば、全身を撮影できる場合には、全身のいずれの場所も画像処理の対象となる。この場合、例えば、上述した魔法の杖を用いて、脚を長くしたり、細くするなどの画像処理を行うことができる。なお、以上のような画像処理を行った場合の処理量とは、画像処理を行った程度、つまり、当初の画像からの変化の量をいい、例えば、足を長くした場合には、その長さをいう。
【0069】
また、上記実施形態では、図10のステップS340の処理に示すように、タッチペン49によるタッチを検出した場合に、タッチペン49にタッチされた位置にアイコンを表示するようにした。しかしながら、この処理の代わりに、S310の処理にてアイコンが選択された後、選択されたアイコンを、落書き領域に表示された編集対象画像上に重ねて表示させ、これをタッチペン49で動かすようにすることもできる。表示させる位置としては、図11に示す例の場合、現実的にローラーが使用される位置付近(両頬から顎にかけての所定位置付近)が好ましい。これは、上述した顔検出処理を利用することにより実現可能である。
【0070】
また、上記実施形態において、編集対象画像に含まれる利用者の像の各身体部位の大きさに基づいてアイコンの大きさを変更できる。例えば、アイコンがローラーの場合は、編集対象画像に含まれる利用者の顔の大きさに応じてローラーの大きさを変更することが好ましい。
【符号の説明】
【0071】
3…撮影部
4…編集部
49 タッチペン(入力手段)
400…編集操作用タッチパネル(入力手段、表示手段)
5…出力部
80…第2の制御部(制御手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影して撮影画像を生成する撮影部と、
前記撮影画像に対する編集操作を受け付けて編集画像を生成する編集部と、
前記編集画像を出力する出力部と、
を備え、
前記編集部は、
前記撮影画像、及び所定の機能を有する器具を表す少なくとも一つのアイコンを表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記撮影画像に対し、前記アイコンで表される前記器具の機能に基づく処理を行うことを受け付ける入力手段と、
前記器具が有する機能に基づく処理を行うように、前記撮影画像に対して画像処理を行い、前記編集画像を生成する制御手段と、
を備えている、写真撮影遊戯装置。
【請求項2】
前記器具が有する機能に基づく処理が実行される際、前記制御手段は、該処理に対応する前記アイコンを、前記表示手段に表示された前記撮影画像上に表示させる、請求項1に記載の写真撮影遊戯装置。
【請求項3】
前記入力手段は、前記表示手段に表示された前記撮像画像に対して、前記機能に基づく処理を行うための動作を受け付け、
前記制御手段は、前記動作に基づいて、前記アイコンを動作させるアニメーションを、前記表示手段に表示させる、請求項1または2に記載の写真撮影遊戯装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記入力手段が受け付けた動作に基づいて、前記撮影画像に対する画像処理の処理量を決定する、請求項3に記載の写真撮影遊戯装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記動作が行われた距離、回数、及び時間の少なくとも一つに応じて、前記画像処理の処理量を決定する、請求項4に記載の写真撮影遊戯装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記撮像画像に基づいて、前記被写体が撮影された向きを認識し、当該向きに適合するように、前記アイコンを表示する向きを調整して前記表示手段に表示させる、請求項2から5までのいずれか1項に記載の写真撮影遊戯装置。
【請求項7】
被写体を撮影して撮影画像を生成するステップと、
前記撮影画像に対する編集操作を受け付けて編集画像を生成するステップと、
前記編集画像を出力するステップと、
を備え、
前記編集画像を生成するステップは、
前記撮影画像、及び所定の機能を有する器具を表す少なくとも一つのアイコンを表示するステップと、
表示された前記撮影画像に対し、前記アイコンで表される前記器具の機能に基づく処理を行うことを受け付けるステップと、
前記器具が有する機能に基づく処理を行うように、前記撮影画像に対して画像処理を行い、前記編集画像を生成するステップと、
を備えている、写真撮影遊戯方法。
【請求項8】
被写体を撮影して撮影画像を生成する撮影部と、前記撮影画像に対する編集操作を受け付けて編集画像を生成する編集部と、前記編集画像を出力する出力部と、を備える写真撮影遊戯装置のコンピュータに、
前記撮影画像、及び所定の機能を有する器具を表す少なくとも一つのアイコンを表示するステップと、
表示された前記撮影画像に対し、前記アイコンで表される前記器具の機能に基づく処理を行うことを受け付けるステップと、
前記器具が有する機能に基づく処理を行うように、前記撮影画像に対して画像処理を行い、前記編集画像を生成するステップと、
を実行させる、写真撮影遊戯プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−38517(P2013−38517A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171324(P2011−171324)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(597047392)辰巳電子工業株式会社 (77)
【Fターム(参考)】