説明

冷凍コンテナ

【課題】冷凍コンテナにおいて、作業者の操作性の観点から、操作パネルの最適な設置位置を提示する。
【解決手段】圧縮機11で冷媒を循環させる冷凍ユニット4でコンテナ3内の温度管理を行なう冷凍コンテナ1において、前記冷凍ユニット4の運転ON/OFF又は温度設定の操作或いはコンテナ3内部温度の確認を行なう操作パネル94を前記冷凍ユニット4側面で前記操作パネル94下辺が前記冷凍コンテナ1の高さ方向中心線近傍となる位置に配置する冷凍コンテナ1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍コンテナの操作部構成の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテナの開口した一妻面に冷凍ユニットを備えた冷凍コンテナの技術は公知である。冷凍ユニットは、操作部、Electronic Control Unit及びその他電気部品を、密閉した電気品箱に備えている。操作部は、冷凍ユニットの運転スイッチ、作業者がコンテナ内温度を設定する設定パネル及びコンテナ内温度を表示する表示パネル等で構成される。作業者は、冷凍ユニットを運転する際に、操作部において運転開始、温度設定又はコンテナ内部の温度確認等の操作を行なう。
例えば、特許文献1は、図3において、操作部を設けたコントロールボックス(符号25)を開示している。
【特許文献1】特開平6−94343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
冷凍コンテナはトラック等に積載される場合もある。この場合は、特許文献1のコンテナ妻面側に操作パネルを設けた冷凍ユニットでは、操作パネルがトラック本体背面と近接し、作業者は容易に操作を行なうことができない。
そこで、解決しようとする課題は、冷凍コンテナにおいて、操作パネルの最適な設置位置を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、圧縮機で冷媒を循環させる冷凍ユニットでコンテナ内の温度管理を行なう冷凍コンテナにおいて、前記冷凍ユニットの操作パネルを前記冷凍ユニット側面で前記操作パネル下辺が前記冷凍コンテナの高さ方向中心線近傍となる位置に配置するものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載の冷凍コンテナにおいて、前記冷凍コンテナのフレームに前記操作パネルへの梯子部を設け前記操作パネルの設置高さ近傍に把持部を設けるものである。
【0007】
請求項3においては、請求項1記載の冷凍コンテナにおいて、前記冷凍ユニット側面に前記操作パネル収納室を設け、前記収納室に前記操作パネルの操作部のみを露出させて設けるものである。
【0008】
請求項4においては、請求項3記載の冷凍コンテナにおいて、前記収納室を上開き扉にて開閉する構成とするものである。
【0009】
請求項5においては、請求項4記載の冷凍コンテナにおいて、前記収納室に前記操作パネル挿入開口部を設け、前記操作パネル挿入開口部周縁にパッキンを介して前記操作パネルを取り付け、グロメットを介して前記操作パネルを前記収納室に固定し、前記上開き扉の扉開口部周縁にパッキンを取り付けるものである。
【0010】
請求項6においては、請求項5記載の冷凍コンテナにおいて、前記上開き扉に透視部を設けるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
請求項1においては、操作パネルが側面配置であり、トラック等に積載された状態でも容易に操作できる。また、コンテナの上半分域に操作パネルが配置され、コンテナが地面に置かれ降雪に埋没した場合でも、操作部が埋没する可能性を少なくできる。
【0013】
請求項2においては、請求項1の効果に加え、冷凍コンテナがトラック等に積載された場合でも、容易に操作パネルへのアクセス並びに操作パネルの操作ができる。
【0014】
請求項3においては、請求項1の効果に加え、操作パネルを収納室に収納し、操作パネルに日光の反射や背後の景色が反映されず、操作パネルの視認性が向上できる。また、収納室及び操作部の防水処理にて、操作パネルの耐水性が向上できる。
【0015】
請求項4においては、請求項3の効果に加え、収納室の扉が上開き開閉なので、扉がひさしとなって、収納室内に雨水が浸入することはない。また、作業者の閉め忘れを防止できる。
【0016】
請求項5においては、請求項4の効果に加え、収納室扉とパネル挿入部の双方で密閉を行い、収納室から内部への雨水浸入が防止できる。また、グロメットを介して操作パネルを取り付けるので操作パネルの防振が実現できる。
【0017】
請求項6においては、請求項5の効果に加え、操作状態の点検を外部から点検できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る冷凍コンテナがトラックに積載された状態を示す側面図及び背面図、図2は冷凍ユニットの正面図、図3は同じく左前方から見た斜視図である。
図4は同じく右前方から見た斜視図、図5は同じく外板を取り外した状態の正面図、図6は同じく外板を取り外した状態の背面図である。
図7は凝縮器及び蒸発器の配置を示す図5におけるAA断面図、図8は図7における凝縮器ファンブラケットを回動した状態を示すAA図、図9は排気尾管の構成を示す図5におけるBB断面図である。
図10は排気尾管の出口構造を示す図5におけるCC断面図、図11は排気尾管の支持構造を示す図9におけるDD断面図、図12は同じく図9におけるEE断面図である。
図13は排気尾管の排水構造を示す図9におけるFF断面図、図14はエンジンを冷凍ユニット外に取出した状態を示す冷凍ユニットの右側面図、図15は操作部に近付くための梯子や把持部が設けられた冷凍コンテナの右側面図である。
図16は操作部の構成を示す図15におけるGG断面図、図17は燃料タンクが回動した状態を示す冷凍ユニットの右側面図、図18は燃料タンクの底部構造を示す図9におけるFF断面図である。
図19は電源ケーブル収納箱を示す正面図、図20はデフロストヒータを取り付けた蒸発器を下方から見た斜視図、図21は同じく図20におけるX方向から見た側面図である。
図22は冷凍ユニットの冷媒回路構成を示す冷媒回路図、図23は2温度帯コンテナの構成を示す側面図、図24は後室制御ユニットを示す斜視図である。
図25は後室制御ユニットを示す図24におけるHH断面図である。
【0019】
まず、本発明の実施例に係る冷凍コンテナについて簡単に説明する。コンテナは、貨物輸送に用いる大型容器である。輸送業者は、コンテナを用いて戸口から戸口まで一貫輸送を行い、経費節減と破損・盗難の防止を図る。また、冷凍ユニットは、低温空気を供給して、品物を冷却・冷凍させる機械である。すなわち、冷凍コンテナは、冷凍ユニットでコンテナ内部を低温度にして貨物輸送に用いる大型容器である。冷凍コンテナは、コンテナ内部を冷凍又は冷蔵等の種々の低温度帯に設定できる。冷凍ユニットは、コンテナ内部が設定された温度になるように、運転制御を行なう。
このようにして、冷凍コンテナは、冷凍食品、アイスクリーム、鮮魚又は果物等の様々な貨物を輸送可能である。また、冷凍コンテナは、一貫輸送を目的としているため、船舶、鉄道又はトラックにての輸送に対応できるようにされている。例えば、図1はトラック2に積載された冷凍コンテナ1を示している。
【0020】
図1に示すように、冷凍コンテナ1は、コンテナ3と冷凍ユニット4から構成されている。コンテナ3は、通常のコンテナ(冷凍コンテナではない)に比較して、断熱性を有する部材を用いて構成されている。
コンテナ3は、一側妻面は開口され、他側妻面は開閉可能な扉5を備えられる構成とされている。開口された妻面には、フレーム6に支持された冷凍ユニット4が取り付けられる。一方、開閉可能な扉5が構成される妻面からは、貨物を出し入れできる。
ここで、冷凍ユニット4について簡単に説明する。以後、説明簡略のために、冷凍ユニット4がコンテナ3に取り付けられた冷凍コンテナ1において、外部に露出する面を冷凍ユニット4の正面として、背面(=コンテナ内部に露出する面)、左右、幅、奥行き及び高さを記載する。
【0021】
図5及び図6に示すように、冷凍ユニット4は、一つのユニット内において冷凍サイクルを構成している。より詳しくは、冷凍ユニット4は、低温・低圧のガス冷媒を吸入して高温・高圧のガス冷媒に圧縮する圧縮機11と、高温・高圧のガス冷媒を高温・高圧の液冷媒に凝縮させる凝縮器12と、高温・高圧の液冷媒を滞留させるレシーバ19と、高温・高圧の液冷媒を低温・低圧の液ガス冷媒に膨張させる膨張弁113(図22参照)と、低温・低圧の液ガス冷媒を低温・低圧のガス冷媒へ蒸発させる蒸発器13とを備えている。凝縮器12は、凝縮器ファン電動機14により駆動される凝縮器ファン16を用いて庫外空気によって冷媒を冷却する空冷式熱交換器である。蒸発器13は、蒸発器ファン電動機15により蒸発器ファン17を用いて庫内空気から冷媒に蒸発熱を吸収させることで庫内空気を冷却する空冷式熱交換器である。
【0022】
また、冷凍ユニット4は、電源を圧縮機11に供給する発電機21と、発電機21を駆動するエンジン22と、エンジン22の燃料を貯蓄する燃料タンク23と、吸気管32及びエアクリーナー33より構成される吸気系統31と、排気管42及びマフラー43より構成される排気系統41を備えている。さらに、冷凍ユニット4は、電気品箱51及び電源ケーブル52を備えている。電気品箱51は、エンジン22や圧縮機11等の機器を制御するElectronic Control Unit(以下、ECUと称す)50、庫内温度等を設定する操作パネル94を備えている。
このような構成とすることで、エンジン22によって発電機21が駆動され、発電機21により供給される電気にて圧縮機11、凝縮器ファン電動機14又は蒸発器ファン電動機15等が駆動され、冷凍ユニット4の温度制御が行なわれる。さらに、外部商用電源より電気を供給され駆動することも可能である。
【0023】
以下に、本実施例の冷凍ユニット4の各部分の構成について詳細に説明する。次に、冷凍ユニット4の蒸発器を利用した過冷却回路を有する冷媒回路構成について詳細に説明する。さらに、冷凍コンテナ1のコンテナ3の2温度帯制御構造について詳細に説明する。
なお、以下においては、冷凍ユニット4の保守・点検を行なう者、冷凍ユニット4の温度設定を操作する者等、冷凍ユニット4を取り扱う者を総して、作業者としている。
【0024】
まず、図5乃至図7を用いて、冷凍ユニット4の全体的なレイアウト構成について説明する。
図5乃至図7に示すように、冷凍ユニット4は、ケーシング61に機器を配置することで構成されている。ケーシング61は、高さ方向において、上部101、中央部102及び下部103とに大きく3分割される構成とされている。中央部102は、幅方向において、右中央部102a及び左中央部102bと2分割される構成とされている。
上部101には、正面側に凝縮器12、凝縮器ファン電動機14及び凝縮器ファン16が配置され、背面側に蒸発器13、蒸発器ファン電動機15及び蒸発器ファン17が配置されている。中央部102には、右中央部102aにエンジン系統が、左中央部102bに冷媒系統が配置されている。つまり、エンジン系統及び冷媒系統は、同階層に配置されている。下部103には、燃料タンク23が配置されている。
【0025】
このような構成とすることで、例えばトラック2に冷凍コンテナ1が積載された場合であっても、燃料タンク23及び補油口36(図3参照)は、作業者が近付き易い高さにある。つまり、作業者は、容易に給油作業が行なえる。このようにして、冷凍ユニット4において、メンテナンス性を向上している。
また、重量物である発電機21、エンジン22及び圧縮機11が同階層に配置されるので、発電機21やエンジン22の取り付け台床を共通フレーム62として構成できる。取り付け台床の共通化により部品点数を削減できるので部品管理工数や組立工数の削減が可能となる。
【0026】
また、図5乃至図7に示すように、燃料タンク23は、ケーシング61の下部103に配置されている。燃料タンク23は、長手方向の長さをケーシング61の幅方向の長さと略同一に形成されている。
このような構成とすることで、燃料タンク23は、ケーシング61内の与えられた空間において最大容積を確保できるので、長期間の無給油運転を実現している。
【0027】
また、図5に示すように、フィードポンプ24及びオイルフィルタ25を介して送油管28が、エンジン22と燃料タンク23と接続している。ここで、フィードポンプ24は、燃料タンク23に貯蓄された燃料をエンジン22に供給するポンプである。また、オイルフィルタ25は、供給する燃料を濾過するフィルタである。フィードポンプ24及びオイルフィルタ25は、ケーシング61の下部103において、燃料タンク23の右側に隣接して配置されている。
このような構成とすることで、フィードポンプ24は、燃料タンク23との高低差を抑えることができ、フィードポンプ24の燃料送油効率を向上している。
【0028】
次に、図5乃至図7を用いて、冷凍ユニット4の熱交換器レイアウト構成について詳細に説明する。
図5乃至図7に示すように、ケーシング61の上部101において、凝縮器12を正面側に、蒸発器13を背面側にそれぞれ位置させて、蒸発器13を断熱壁63a・63b・63cで側面断面視略「コ」の字状に取り囲んでいる。
凝縮器12は、蒸発器13に比較して大きい熱交換面積にて形成されている。凝縮器12は、庫外空気がコンテナ3の妻面を貫通する方向(図7中の矢印P)に流れるように配置される。また、蒸発器13は、庫内空気が鉛直方向(図7中の矢印Q)に流れるように配置される。
【0029】
このような構成とすることで、以下の利点が得られる。通常、冷凍サイクルにおいて、凝縮能力=圧縮機能力+蒸発能力の関係より、凝縮能力は蒸発能力より大きい能力が必要となる。そこで、凝縮器の熱交換面積を蒸発器よりも大きくする。この場合、凝縮器を前記の蒸発器のような配置にすれば冷凍ユニット4の奥行き寸法が大きくなる。一方、熱交換面積を略同一にするのなら凝縮器ファン風量を蒸発器よりも増加する必要がある。しかし、この場合、ファン個数、ファン径或いはファン回転数が大きくなる。そして、ファン個数やファン径の増大は収納スペースの増加につながり冷凍ユニット4のコンパクト化が図れない。また、ファン回転数増大では消費電力が大きくなる。さらには電流による発熱量も増加するのでファン電動機の熱劣化も早くなる。
従って、凝縮器の熱交換面積を蒸発器よりも大きくするとともに、凝縮器は庫外空気の流出入面をコンテナ妻面と対向させ、蒸発器は庫内空気の流出入面を水平面と対向させることで、凝縮器のファン風量増加を抑えて冷凍ユニット4のコンパクト化が図れる。
【0030】
また、図7に示すように、凝縮器ファン16は、凝縮器12の背面下方であって断熱壁63cの下方にファン軸を鉛直方向として配置されている。このような構成とすることで、凝縮器冷却風は、コンテナ3の妻面を貫通するように凝縮器12を通過した後、下方に導かれる。
また、前述の構成とすることで、例えば冷凍ユニット4の上部に凝縮器ファン16及び凝縮器ファン電動機14を設置する構成と比較して、冷凍ユニットの高さを抑制できる。
さらに、凝縮器冷却風は図2に示す導風部65によりユニット外の下方に排出される。このような通風構成とすることで、例えばトラック2に冷凍コンテナ1が積載されてトラックエンジンが冷凍ユニット4の前下方に位置することになっても、凝縮器冷却風をトラックエンジン側に排出できるのでトラックエンジン周囲の熱気が冷凍ユニット4側へ上がってくるのを低減できる。
【0031】
また、図6乃至図8に示すように、凝縮器ファン電動機14は、ブラケット60によって支持されている。図8に示すように、ブラケット60は、ケーシング61に支持された奥行き側を支軸として構成されている。そして、ブラケット60は、その後部に枢支軸を左右水平方向に設けて、下向きに回動可能な構成とされている(図8中矢印L)。
このような構成とすることで、作業者は、凝縮器12を取り外すことなく、容易に凝縮器ファン電動機14及び凝縮器ファン16を交換又は点検できる。このようにして、冷凍ユニット4において、凝縮器ファン電動機14及び凝縮器ファン16のメンテナンス性を向上している。
【0032】
また、図7に示すように、蒸発器13は、取り付け台64によって支持されている。取り付け台64は、ケーシング61を構成する断熱壁63cに設置されている。また、断熱壁63cは、蒸発器13を通過する庫内空気の流れ抵抗を低減するため、コンテナ内部下方になるほど開口が大きくなるように形成されている。ここで、取り付け台64は、上部を水平にして蒸発器13を支持し、下部は断熱壁63cの傾斜に合わせて傾斜させて、断熱壁63cに設置できるように構成されている。
このような構成とすることで、例えば、作業者が蒸発器13を交換又は点検するために蒸発器13を取り外すときに、蒸発器13が滑り落ちることを防止できる。このようにして、冷凍ユニット4において、蒸発器13のメンテナンス性を向上している。
【0033】
次に、図2乃至図5又は図7を用いて、冷凍ユニット4の凝縮器12の通風構成について説明する。
図2乃至図4に示すように、下部エンジンカバー68は、冷凍ユニット4の正面に設けられている。下部エンジンカバー68は、エンジン22が配置された右中央部102aにおいて略下方と、下部103の略上方を被装する構成とされている。つまり、エンジン22の前方と燃料タンク23の上部前方を覆う構成としている。そして、下部エンジンカバー68は、燃料タンク23との間に隙間Rを形成している。
このような構成とすることで、導風部65と隙間Rとは、冷凍ユニット4の高さ方向において一定の距離が確保されている。他方、導風部65と隙間Rとは、冷凍ユニット4の幅方向においても一定の距離が確保されている。このようにして、導風部65から排出される凝縮器冷却風が、隙間Rより右中央部102aへ還流されることを防止することで、冷凍ユニット4において、エンジン22の冷却性能や吸気効率を向上している。
【0034】
また、図5に示すように、ラジエータファン26は、冷凍ユニット4の右中央部102aの右側面すなわち冷凍ユニット4の右側面に設けられている。ラジエータファン26により吸引された冷却風は、隙間Rより右中央部102aへ導入し、エンジン22と発電機21の共通フレーム62の下を通過して、隔壁66の近傍の導入部32aより右中央部102aへ流入して、開口部9へ流出する(図2乃至図5及び図7中の矢印S)。
このような構成とすることで、冷却風は、発電機21、エンジン22の排熱温度の低温から高温の順に冷却できる。そのため、発電機21の冷却効率を向上している。
また、ラジエータファン26を中央部102に設けるので冷凍ユニット4の高さを抑えることができる。
【0035】
次に、図2乃至図6又は図9乃至図13を用いて、エンジン22の吸排気系統の構成について詳細に説明する。
図5に示すように、吸気管32は、導入部32aに対抗する開口部より外気を導入する。
このような構成とすることで、ラジエータファン26による冷却風の一部を吸引できる。
【0036】
また、図5又は図6に示すように、隔壁66は、中央部102の幅方向略中央に設けられている。隔壁66は、エンジン系統が配置される右中央部102aと冷媒系統が配置される左中央部102bとを隔てている。マフラー43は、左中央部102bの上方において、隔壁66に取り付けられている。また、電気品箱51は、上部101の右側に配置されている。
このような構成とすることで、マフラー43と電気品箱51とを隔離できる。このようにして、電気品箱51は、マフラー43によるエンジン排熱の影響を受けることを防止できる。つまり、電気品箱51において、熱保護を実現している。
【0037】
また、図2乃至図4に示すように、パネル67は、冷媒系統が配置される左中央部102bの正面に設けられている。パネル67は、通風可能なメッシュ67aが形成されている。
このような構成とすることで、左中央部102bは、特にファン等を設けることなく自然換気が可能となる。このようにして、冷凍ユニット4において、冷媒制御機器(例えば、電磁弁又は電子膨張弁等)及びマフラー43の冷却効率を向上している。
【0038】
また、図5に示すように、排気管42は、エンジン22からの排気を外部へ排出するように設けられている。排気管42は、マフラー43からは排気尾管44にて排気を外部へ排出する。排気尾管44は、上部101において、凝縮器12と電気品箱51との間を鉛直方向に構成されている。さらに、図9に示すように、排気尾管44は、排気方向を冷凍ユニット4の背面側としている。
このような構成とすることで、排気尾管44を冷凍ユニット4内に収納でき、冷凍ユニット4の上端においてエンジン22の排気を排出することができる。また、排出方向は、例えばトラック2に積載された場合は、トラック2の進行方向逆向きとすることができる。このようにして、冷凍ユニット4において、エンジン排気の再吸引を防止している。
【0039】
また、図9及び図10に示すように、排気尾管44の出口部は、冷凍ユニット4の天井部において、カバー70で被装されている。このカバー70は、排気方向のみを開口した簡易な構成のカバーである。また、排気尾管44は、冷凍ユニット4の天井部において、ケーシング61の貫通部周縁に防水堰71を設けている。この防水堰71は、排気尾管44に近接して設けられている。
このような構成とすることで、雨水の排気尾管44への侵入を阻止される。また、冷凍ユニット4の天井部に溜まった雨水は、排気尾管44のケーシング61貫通部周縁よりケーシング61内部に侵入することができない。このようにして、冷凍ユニット4において、雨水の侵入防止を図っている。
【0040】
また、図9乃至図12に示すように、排気尾管44は、ケーシング61内部で構成されている。排気尾管44は、凝縮器12と電気品箱51との間において、鉛直方向に配設された鉛直部分44aを有している(図5参照)。この鉛直部分44aは、ケーシング61に防振支持されている。より詳しくは、排気尾管44は、ケーシング61に対し支持材73及び弾性材74を介してブラケット72により支持されている。
このような構成とすることで、排気尾管44が経年劣化により又は排熱により変形した場合であっても、ブラケット72は、排気尾管44の熱変形を吸収しつつ排気尾管44を支持することができる。このようにして、冷凍ユニット4において、排気管42の破損を防止でき、耐久性を向上している。
【0041】
また、図5に示すように、排気尾管44は、凝縮器12の下方において、水平方向に配設された水平部分44bを有している。さらに、図13に示すように、水平部分44bには、ドレン排出口45が設けられている。ドレン排出口45は、ドレンホース46と接続されている。なお、ドレンホース46は、図示していないが、冷凍ユニット4外部に排水できるように設けられている。
また、ドレン水排水口45は段差を設けてドレン水を捕捉できるようにしている。
このような構成とすることで、エンジン22の停止後に排気尾管44の管内温度が低下して、排気尾管44内部に結露水が発生した場合であっても、ドレン排出口45は、速やかに結露水を冷凍ユニット4外部へ排出できる。このようにして、冷凍ユニット4において、結露水のエンジン22への逆流による不具合の発生を防止している。
【0042】
次に、図14を用いて、エンジン22のメンテナンス手段について詳細に説明する。
図14に示すように、エンジン22は、メンテナンスの際において、脱着式ブラケット76に取り付けられるチェーンブロック77に吊下げられて冷凍ユニット4から取り外される。脱着式ブラケット76は、例えばH型鋼で形成され、ケーシング61の上端部にボルト等で脱着可能な構成とされている。メンテナンスの際には、脱着式ブラケット76の一端が前方へ突出するようにボルトを外して付け替える。
また、共通フレーム62は、エンジン22、発電機21の共通フレームである。ここで、共通フレーム62には凹凸のない水平な取り付け面が形成されている。
このような構成とすることで、作業者は、脱着式ブラケット76及びチェーンブロック77を用いて、容易にエンジン22を水平移動できるので、冷凍ユニット4外へ引っ張り出したり、冷凍ユニット4内へ押し入れたりすることができる。この交換手段は、エンジン22のみならず、発電機21又は圧縮機11等の重量物についても同様に可能である。このようにして、冷凍ユニット4において、メンテナンス性を向上している。
【0043】
次に、図15及び図16を用いて、操作部91について詳細に説明する。
図15に示すように、冷凍ユニット4は、右側面に操作部91を設けている。操作部91は、操作部91の下辺が冷凍ユニット4の中央線付近に位置するように配置されている。
このような構成とすることで、例えば、冷凍ユニット4がトラック2に積載された場合であっても、作業者は、運転席から降りて側面から容易に操作部91を操作できる。
また、前述の構成とすることで、例えば、冷凍コンテナ1が降雪によって埋没した場合であっても、操作部91が埋没することはない。つまり、作業者は容易に操作部91を操作できる。このようにして、冷凍ユニット4において、操作性を向上している。
【0044】
また、図15に示すように、フレーム6は、右側面に梯子部92及び把持部93を設けている。梯子部92は、フレーム6の下端から操作部91まで設けられている。また、把持部93は、操作部91の近傍に位置するようにフレーム6に設けられている。なお、梯子部92は、作業者が足を掛けられる程度の簡易なものとしている。
このような構成とすることで、例えば、冷凍ユニット4がトラック2に積載された場合であっても、作業者は、容易に操作パネル94まで接近でき操作できる。このようにして、冷凍ユニット4において、操作性を向上している。
【0045】
また、図16に示すように、操作部91は、操作パネル収納室95を構成している。操作パネル収納室95は、奥行き面を一部開口している。この開口面には、操作パネル94が嵌設されている。このように操作パネル94を操作パネル収納室内に収納することで、操作パネル94の表面に日光が反射される又は背後の景色が反映されることを防止できる。このようにして、操作部91において、視認性を向上している。
また、前述の構成とすることで、操作パネル94は、操作パネル94の防水処理と操作パネル収納室95の防水処理とで二重の防水処理が可能である。このようにして、操作部91において、雨水侵入の防止を図っている。
【0046】
また、図16に示すように、操作パネル収納室95は、表面を扉96で被装されている。扉96は、上端を側板に対して回動自在に枢支して、上開きに開閉可能な構成としている。
このような構成とすることで、例えば作業者が扉96を開けると、扉96がひさしとなって雨水の浸入を防止できる。また、作業者が手を放せば扉96自重で閉じるため、閉め忘れを防止できる。
【0047】
また、図16に示すように、操作パネル94は、より詳しくは、操作パネル収納室95の奥行き面に開口された開口部にパッキン99及びグロメット100を介して挿設されている。つまり、操作パネル94の操作パネル収納室95への取り付け面周縁にはパッキン99を介装し、操作パネル94を操作パネル収納室95に固定するボルトにはグロメット100を外嵌して、防振支持している。他方、扉96は、操作パネル収納室95の表面に開口された開口部周縁にパッキン98を介して被装されている。
このような構成とすることで、操作パネル94に対して、扉96及び操作パネル94周縁の双方で密閉をおこなうことができる。このようにして、操作パネル94において、雨水侵入の防止を図っている。
【0048】
また、図16に示すように、扉96は略中央部に透明な窓97を設けている。
このような構成とすることで、作業者は、扉96を開閉することなく、操作パネル94の表示のみを確認できる。このようにして、操作部91において、操作性を向上している。
【0049】
次に、図2乃至図4、図17及び図18を用いて、燃料タンク23の構成について詳細に説明する。
図2乃至図4に示すように、燃料タンク23は、ケーシング61の下部103に配置されている。下部エンジンカバー68は、冷凍ユニット4の表面において、中央部102の下半面及び下部103の略上部までを被装している。
このような構成とすることで、下部103の全面をカバー被装する場合に比較して、下部エンジンカバー68を軽量にできる。つまり、作業者は、容易に下部エンジンカバー68を脱着できる。このようにして、冷凍ユニット4において、メンテナンス性を向上している。
また、前述の構成とすることで、下部103の全面を分割してカバーで被装する場合に比較して、一枚の下部エンジンカバー68のみで燃料タンク23の上部の目隠しができる。このようにして、冷凍ユニット4の部品数を削減している。
【0050】
また、図17に示すように、燃料タンク23は、その周囲を枠状に構成したフレーム35に担持されている。フレーム35は、下端の奥行き側(冷凍ユニット4の背面側)を支軸により枢支して、ケーシング61に対し、上下回動自在に構成されている(図17中の矢印M)。
このような構成とすることで、製造時において、組立作業者は、燃料タンク23をフレーム35に担持した状態で、後部を枢支し、燃料タンク23を持ち上げて前部を固定する、という容易な工程にて、燃料タンク23をケーシング61に取り付けることができる。このようにして、冷凍ユニット4の製造時において、組立性を向上している。
また、前述の構成とすることで、燃料タンク23の上部に補油口36を設けた場合であっても、燃料タンク23の高さをケーシング61の下部103の高さと同等に形成できる。このようにして、冷凍ユニット4において、燃料タンク23の容積を大きくしている。
そして、共通フレーム62に補油口36の突出開口部を設けておけば図7又は図8に図示するように、共通フレーム62が補油口36と高さ方向で重なっていても燃料タンク23を装着できる。従って、補油口36の高さ分だけ共通フレーム62を嵩上げする場合と比較して冷凍ユニット4の高さを抑えることができる。
また、前述の構成とすることで、燃料タンク23の点検時に、作業者は、フレーム35の前部の固定を解除して下方へ回動させることで、燃料タンク23の上部を前方へ向けさせることができる。つまり、作業者は、容易に燃料タンク23の上部を点検できる。このようにして、冷凍ユニット4において、燃料タンク23のメンテナンス性を向上している。
【0051】
また、図18に示すように、燃料タンク23は、内部にストレーナ27を備えている。ストレーナ27は、送油管28の燃料タンク23側先端に設けられている。ストレーナ27は、燃料タンク23の底部に形成された凹部23aに、弾性体29を介して凹設されている。
このような構成とすることで、フィードポンプ24は、燃料タンク23の最底部まで燃料を吸引することができる。このようにして、燃料タンク23において、有効容積を向上している。
また、前述の構成とすることで、燃料タンク23に振動が加わった場合又はストレーナ27に寸法誤差があった場合においても、弾性体29によって、燃料タンク23の底部とストレーナ27との振動・衝突を緩和できる。このようにして、燃料タンク23において、信頼性を向上している。
【0052】
次に、図19を用いて、電源ケーブル52の収納について詳細に説明する。
図19に示すように、冷凍ユニット4は商用電源等から電力を供給できるように電源ケーブル52を備えている。冷凍ユニット4は、列車又は船舶で搬送する場合等において、この電源ケーブル52による外部商用電源等の供給により駆動される場合もある。電源ケーブル52は、非使用時は、ケーシング61の右下方に位置する電源ケーブル収納箱54において、捲かれた状態で収納される。
また、電源ケーブル52は、先端に電源プラグ53を有している。そして、電源ケーブル収納箱54において、左端に収納筒55が設けられている。収納筒55は、先端を斜め上向きに設けられている。電源ケーブル52が電源ケーブル収納箱54に収納される場合には、電源プラグ53は、収納筒55に収納される構成としている。
このような構成とすることで、例えば雨天時において、非使用時の電源プラグ53の内部に水が溜まることを防止できる。
【0053】
次に、図20及び図21を用いて、デフロストヒータ80について詳細に説明する。
図20示すように、蒸発器13の着霜防止の目的として、デフロストヒータ80を備えている。なお、図20において、蒸発器13は、分かり易くするために、フィン及びチューブを省略して図示している。デフロストヒータ80は、通電により発熱する丸棒状の発熱体で形成されている。
図21に示すように、蒸発器13は、両端の蒸発器枠13a及びフィン(図示なし)の下端に切り欠き13bが形成されている。切り欠き13bはデフロストヒータ80の断面形状にあわせた半長穴形状である。デフロストヒータ80は、切り欠き13bに嵌設されることで取り付けられている。
このような構成とすることで、例えばデフロストヒータ80の交換等の際において、作業者は、切り欠き13bからデフロストヒータ80を押し下げまたは嵌め込みのみの操作で、容易に蒸発器13よりデフロストヒータ80を脱着できる。このようにして、デフロストヒータ80において、メンテナンス性を向上している。
【0054】
また、図20及び21に示すように、デフロストヒータ80は、一側をU字型の折り返し構成としている。
このような構成とすることで、デフロストヒータ80の配線を他側に集約できる。このようにして、冷凍ユニット4の製造時又はデフロストヒータ80の交換時において、作業性を向上している。
【0055】
また、図20及び21に示すように、デフロストヒータ80は、蒸発器枠13aの外側において、下方より押さえ部材81にて両端部を固定されている。
このような構成とすることで、取り付け後に、デフロストヒータ80が切り欠き13bより落下することを防止している。つまり、簡易な構成で複数のデフロストヒータ80を固定しかつ脱落を防止できる。このようにして、デフロストヒータ80において、安全性を向上している。
【0056】
次に、図22を用いて、冷凍ユニット4の冷媒回路構成について詳細に説明する。
図22に示すように、冷凍ユニット4の冷媒回路は、蒸発器13、蒸発器ファン17、蒸発器ファン電動機15はコンテナ内部107に配置され、それ以外はコンテナ外部106に配置される。冷媒回路を構成する機器として、前述した圧縮機11、凝縮器12、膨張弁113、レシーバ19及び蒸発器13の他には、蒸発器13と圧縮機11と間において、圧縮機吸入冷媒を貯留又は気液分離するためのアキュムレータ117と、冷媒循環量を調整する開度調整弁116とを介している。また蒸発器13は、蒸発器13mと過冷却熱交換器13nとの二つの熱交換器を含んだ構成としている。さらに、過冷却バイパス経路112は、電磁弁111を介して、凝縮器12出口とレシーバ19入口とを短絡する。さらに、吸入バイパス経路114は、電磁弁115を介して、開度調整弁116と並列に構成されている。
このような構成とすることで、圧縮機11より吐出される高温・高圧のガス冷媒は、凝縮器12に流れ、外気へ放熱を行い凝縮する。そして、液化した冷媒は、経路112によってレシーバ19内に流入し、膨張弁113の絞り作用で急激に減圧され霧状となって蒸発器13に流れる。そして、冷媒の蒸発に伴う吸熱作用でコンテナ3内部を冷凍・冷蔵し、気化した冷媒は、圧縮機11へ吸入される。
【0057】
図22に示すように、過冷却熱交換器13nは、コンテナ内部107に配置される蒸発器13の一部分として構成されている。過冷却とは、凝縮器12で凝縮した高圧・高温の冷媒液を冷却する作用である。過冷却効果によって蒸発器13の入口エンタルピーを低下させ、蒸発器能力を高めることができる。
また、過冷却を必要としない低負荷運転(例えば冷蔵運転)の場合は、電磁弁111をONとして、過冷却バイパス経路112にて冷媒を過冷却熱交換器13nに流さない運転も可能である。
このような構成とすることで、別途過冷却熱交換器(例えば、庫外側106に設置する吸入冷媒と熱交換する過冷却熱交換器)の配置を省略できる。このようにして、冷凍ユニット4において、庫外側106のスペースを節約している。
また、循環冷媒の全量をコンテナ内部107の低温空気で過冷却するため、過冷却用の冷媒を分岐する場合と比較して冷凍効率が良い。
【0058】
また、図22に示すように、開度調整弁116は、圧縮機11が吸入する吸入冷媒量を調整することで、冷媒回路全体の冷媒循環量を調整する。冷蔵運転は、冷凍運転に比較して少ない冷凍能力で運転する。そこで、冷蔵運転時は、電磁弁115を閉じて、開度調整弁116にて調整される冷媒量のみにて運転する。他方、冷凍運転時は、大きな冷凍能力が必要なので電磁弁115を開いてバイパス経路114と開度調整弁116の経路の双方を使用して冷媒循環量を確保する。
このようにして、大流量の冷媒循環量が必要な冷凍運転においてはバイパス経路114も併用し、小流量の冷媒循環量で足りる冷蔵運転においては開度調整弁116の開度調整を行なうようにして、応答性の向上と開度調整の精度向上の両立を図っている。
なお、ここで、冷凍運転とは庫内空気温度を零度以下に保つ運転であり、冷蔵運転とは庫内空気温度を零度より高い状態(=水分が凍結しない低温状態)に保つ運転である。
【0059】
次に、図23乃至図25を用いて、2温度帯コンテナ7について詳細に説明する。
図23に示すように、2温度帯コンテナ7は、前室3aと後室3bとの異なる2温度帯の部屋を持つコンテナ3である。前室3aは、冷凍用としてコンテナ3の冷凍ユニット4側に配置されている。前室3aは、冷凍ユニット4からの冷却風によって直接冷却される。他方、後室3bは、冷蔵用としてコンテナ3の扉5側に配置されている。後室3bは、後室ユニット130にて温度制御された冷却風によって冷却される。
【0060】
また、図24に示すように、後室ユニット130は、コンテナ3の幅方向において、中央に前室3a冷気吸引室125の左右に配置された加熱・混合室126から構成されている。送風ファン122は、ダクト120の前室3a冷気吸引室125の開口部に設けられている。また、送風ファン121は、加熱・混合室126の吸引開口部に設けられている。
このような構成とすることで、前室3aからダクト120を経由して後室3bへ送られた冷凍空気と、後室3bの加熱・混合室126のヒータユニット123によって加熱された空気とが、加熱・混合室126の導風ダクト129への流出部手前の混合空間で混合されて、その混合風が導風ダクト129を経て後室3bの床面へ供給される。
以下に、後室ユニット130の構成について、詳細に説明する。
【0061】
図24に示すように、ダクト120及び前室3a冷気吸引室125の内部は、後室3bを循環する冷蔵空気温度と比較して低い温度の冷凍空気が流れる。そのため、ダクト120及び前室3a冷気吸引室125は、全周を断熱材(図示略)で囲む構成としている。
このような構成とすることで、ダクト120及び前室3a冷気吸引室125の後室3b側での結露を防止できる。このようにして、後室3bの天井に結露が発生して貨物が濡れることを防止している。
【0062】
また、図25に示すように、加熱・混合室126は、底部にドレンパン127を備えている。加熱・混合室126においては、ダクト120から吸引された前室3aの冷凍空気と送風ファン121で吸引される後室3bの冷蔵空気とが混合するため、結露水が発生するためである。
このような構成とすることで、ドレンパン127は、発生した結露水を導風ダクト129まで導き、導風ダクト129からコンテナ3の床面まで導くことができる。床面に導かれた結露水は、コンテナ3の排水溝(図示なし)からコンテナ外へ排出される。このようにして、後室3bにおいて、貨物濡れを防止している。
【0063】
また、図24に示すように、送風ファン121・122・121は、それぞれ3台の同径ファンを一列に並べて計9台のファンとして、コンテナ3の幅方向において並べて配置されている。
このような構成とすることで、個々のファンを小さくできるため、後室ユニット130の高さ寸法を抑制することができる。このようにして、後室3bにおいて、貨物搬出入のための有効高さを大きくしている。
【0064】
また、図24及び図25に示すヒータユニット123は、発熱体140及び支持部材141が一体化された構成とされている。
このような構成とすることで、製造時又はヒータユニット123の交換時に、作業者は容易にヒータユニット123を脱着できる。このようにして、ヒータユニット123において、組立性及びメンテナンス性を向上している。
【0065】
また、図24及び図25に示すように、ダクト120の送風ファン122手前において、シャッター128が設けられている。シャッター128は、板状の弾性体より構成され、その上部がダクト120の上辺に固定されている。シャッター128は、下部に錘を付加して下辺に密着するように構成されている。
このような構成とすることで、シャッター128は、下部が送風ファン122側へ回動できる。つまり、送風ファン122によって前室3aの冷凍空気が吸引される場合はシャッター128を吹上げて前室3aは前室3a冷気吸引室125と連通するが、送風ファン122の停止時はシャッター128が閉じて前室3aは前室3a冷気吸引室125と遮断される。このようにして、ダクト120において、送風ファン122による強制吸引以外では前室3aの冷凍空気が後室3bに自然流入することを防止している。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係る冷凍コンテナがトラックに積載された状態を示す側面図及び背面図。
【図2】冷凍ユニットの正面図。
【図3】同じく左前方から見た斜視図。
【図4】同じく右前方から見た斜視図。
【図5】同じく外板を取り外した状態の正面図。
【図6】同じく外板を取り外した状態の背面図。
【図7】凝縮器及び蒸発器の配置を示す図5におけるAA断面図。
【図8】図7における凝縮器ファンブラケットを回動した状態を示すAA図。
【図9】排気尾管の構成を示す図5におけるBB断面図。
【図10】排気尾管の出口構造を示す図5におけるCC断面図。
【図11】排気尾管の支持構造を示す図9におけるDD断面図。
【図12】同じく図9におけるEE断面図。
【図13】排気尾管の排水構造を示す図9におけるFF断面図。
【図14】エンジンを冷凍ユニット外に取出した状態を示す冷凍ユニットの右側面図。
【図15】操作部に近付くための梯子や把持部が設けられた冷凍コンテナの右側面図。
【図16】操作部の構成を示す図15におけるGG断面図。
【図17】燃料タンクが回動した状態を示す冷凍ユニットの右側面図。
【図18】燃料タンクの底部構造を示す図9におけるFF断面図。
【図19】電源ケーブル収納箱を示す正面図。
【図20】デフロストヒータを取り付けた蒸発器を下方から見た斜視図。
【図21】同じく図20におけるX方向から見た側面図。
【図22】冷凍ユニットの冷媒回路構成を示す冷媒回路図。
【図23】2温度帯コンテナの構成を示す側面図。
【図24】後室制御ユニットを示す斜視図。
【図25】後室制御ユニットを示す図24におけるHH断面図。
【符号の説明】
【0067】
1 冷凍コンテナ
3 コンテナ
4 冷凍ユニット
11 圧縮機
94 操作パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機で冷媒を循環させる冷凍ユニットでコンテナ内の温度管理を行なう冷凍コンテナにおいて、前記冷凍ユニットの操作パネルを前記冷凍ユニット側面で前記操作パネル下辺が前記冷凍コンテナの高さ方向中心線近傍となる位置に配置することを特徴とする冷凍コンテナ。
【請求項2】
請求項1記載の冷凍コンテナにおいて、前記冷凍コンテナのフレームに前記操作パネルへの梯子部を設け前記操作パネルの設置高さ近傍に把持部を設けることを特徴とする冷凍コンテナ。
【請求項3】
請求項1記載の冷凍コンテナにおいて、前記冷凍ユニット側面に前記操作パネル収納室を設け、前記収納室に前記操作パネルの操作部のみを露出させて設けることを特徴とする冷凍コンテナ。
【請求項4】
請求項3記載の冷凍コンテナにおいて、前記収納室を上開き扉にて開閉する構成とすることを特徴とする冷凍コンテナ。
【請求項5】
請求項4記載の冷凍コンテナにおいて、前記収納室に前記操作パネル挿入開口部を設け、前記操作パネル挿入開口部周縁にパッキンを介して前記操作パネルを取り付け、グロメットを介して前記操作パネルを前記収納室に固定し、前記上開き扉の扉開口部周縁にパッキンを取り付けることを特徴とする冷凍コンテナ。
【請求項6】
請求項5記載の冷凍コンテナにおいて、前記上開き扉に透視部を設けることを特徴とする冷凍コンテナ。


【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−8518(P2008−8518A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−177184(P2006−177184)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】