説明

冷凍装置

【課題】冷凍サイクル内でフッ化水素の発生を抑制し、冷凍サイクルに使用される部品の劣化を抑えて、長期間に渡って安定的に動作可能にすること。
【解決手段】炭素と炭素間に二重結合を有するハイドロフルオロオレフィンをベース成分とし、二重結合を有しないハイドロフルオロカーボンと混合した冷媒が循環する冷凍装置であって、圧縮機1から凝縮器2又は4、膨張機構3及び蒸発器4又は2を経て該圧縮機1に至り、冷媒が循環する冷凍サイクルと前記冷凍サイクル内に冷媒よりも酸化反応の高い酸化防止剤、例えば炭素数6以下のアルコール系酸化防止剤を含む冷凍機油を含有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩素原子を含まず、炭素と炭素間に二重結合を有するハイドロフルオロオレフィンを冷媒として用い、冷凍機油を封入した圧縮機、凝縮器、膨張機構ならびに蒸発器を備えた冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば空調機やカーエアコンに形成される冷凍サイクルには、冷媒として、フッ素と水素を含むフッ化炭化水素(HFC)が用いられてきた。また、このような冷凍装置では、冷媒としてのHFCとの相溶性の観点から、例えばポリアルキレングリコール(PAG)、ポリオールエステル(POE)又はポリビニルエーテル(PVE)のような、極性を有する冷凍機油が用いられてきた。
【0003】
従来、このような冷凍サイクル内では、そこで使用される冷凍機油中には、冷凍機油の酸化を防止するためフェノール系酸化防止剤が添加されている。より具体的には、冷凍機油の変質、劣化を防止して耐久性を保持するため4−メチルフェノールまたはフェノールのベンゼン環についた水素を3つまでアルキル基で置換した化合物を開示している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−17792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の構成では、例えば圧縮機の摺動部分のように高温となる部分において、冷媒であるハイドロフルオロオレフィンが冷凍サイクル内に残存する酸素と反応して分解することによって、フッ化水素が発生する。従来の酸化防止剤では、このような冷媒の酸化分解によるフッ化水素の発生を防ぐことはできず、冷凍サイクルに使用される部品が劣化する場合があるという問題点があった。
【0006】
それ故に、本発明の目的は、冷媒が冷凍サイクル内に残存する酸素と反応する前に所定の酸化防止剤が酸素と反応することによって、冷凍サイクルに使用される部品の劣化を抑えて長期間に渡って安定的に動作可能な冷凍装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、炭素と炭素間に二重結合を有するハイドロフルオロオレフィンをベース成分とし、二重結合を有しないハイドロフルオロカーボンと混合した冷媒が循環する冷凍装置に向けられており、圧縮機から凝縮器、膨張機構、蒸発器を経て該圧縮機に至り、前記冷媒が循環する冷凍サイクルと、前記冷凍サイクル内に前記冷媒より酸化反応の高い酸化防止剤を含む冷凍機油を含有している。
【発明の効果】
【0008】
上記構成によれば、冷凍装置が冷凍サイクル内に冷媒より酸化反応の高い酸化防止剤を含む冷凍機油を含有することにより、冷媒が酸化反応をする前に酸化防止剤が酸化してフッ化水素の発生を防ぐことが可能となる。従って、冷凍装置の冷凍サイクルに使用される部品の劣化を抑えることができる。これにより、長期間に渡って安定的に動作可能な冷凍装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1に係る冷凍装置の冷凍サイクル図
【図2】冷媒混合比とGWPとの関係を示す特性図
【図3】本発明の実施の形態2に係る冷凍装置の冷凍サイクル図
【図4】図3に示すアルコール導入部材の縦断面を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、炭素と炭素間に二重結合を有するハイドロフルオロオレフィンをベース成分とし、二重結合を有しないハイドロフルオロカーボンと混合した冷媒が循環する冷凍装置に向けられる。この冷凍装置は、圧縮機から凝縮器、膨張機構及び蒸発器を経て該圧縮機に至り、前記冷媒が循環する冷凍サイクルを有し、前記冷凍サイクル内に前記冷媒より酸化反応の高い酸化防止剤を含む冷凍機油を封入してなる。前記酸化防止剤は冷凍サイクル内でハイドロフルオロオレフィン冷媒の酸化よりも先に酸化分解を起こす。従ってハイドロフルオロオレフィンの分解が抑制され、冷媒分解生成物であるフッ化水素の発生を抑制し、冷凍サイクルに使用される部品の劣化を抑えることができる。
【0011】
また、好ましくは、前記酸化防止剤は炭素数6以下のアルコール系酸化防止剤とし、当該アルコール系酸化防止剤は1分子中に1つの水酸基を有する。炭素数6以下のアルコール系酸化防止剤は1分子中に1つだけ水酸基を含有しているので、不要な副反応である重合反応が起きにくい。そのため冷媒分解生成物であるフッ化水素の発生を抑制し、冷凍サイクルに使用される部品の劣化を抑えることができるとともに冷凍サイクル内の低温部分での重合物の析出による冷凍サイクルの詰まりを抑制することができる。
【0012】
また、好ましくは、前記アルコール系酸化防止剤が脂肪族アルコールである。これにより迅速に酸化反応することができる。そのため冷媒より先に酸化反応を起こしてハイドロフルオロオレフィンの分解が確実に抑制され、冷媒の分解生成物であるフッ化水素の発生を防止して冷凍サイクルに使用される部品の劣化を抑えることができる。
【0013】
また、好ましくは、前記アルコール系酸化防止剤がメタノール、エタノール、プロパノールのうち少なくとも1種類を含有する。上記を含有することにより酸化防止剤を安価にすることができる。
【0014】
また、好ましくは、前記アルコール系酸化防止剤の冷凍機油に対する含有率が1%以下である。これにより基油の粘度など冷凍機油としての機能を阻害する恐れがなく、通常の冷凍機油と同様に使用することができる。
【0015】
また、好ましくは、前記冷媒は、ハイドロフルオロオレフィンはテトラフルオロプロペンをベース成分とし、ハイドロフルオロカーボンとしてジフルオロメタンとペンタフルオロエタンとを、地球温暖化係数が4以上750以下、望ましくは4以上300以下となるようにそれぞれ2成分混合もしくは3成分混合したものである。これにより、回収されない冷媒が大気に放出されても地球温暖化に対しその影響を極少に保つことができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷凍装置の冷凍サイクル図である。図1において、冷凍装置は、冷凍サイクルとして冷媒を圧縮する圧縮機1と、冷媒を凝縮又は蒸発させる室外熱交換器2と、膨張弁等を含み冷媒を膨張させる膨張機構3と、冷媒を蒸発又は凝縮させる室内熱交換器4とを備える。冷凍装置はさらに、上記構成を連結する配管5、四
方弁6及びアキュムレータ7を備えており、冷媒と冷凍機油とを作動媒体とする。冷凍機油は通常、圧縮機1内に封入されており、使用時にはそのごく一部が冷媒とともに冷凍サイクル内を循環する。
【0018】
図1の冷凍装置において、冷凍機油内に冷媒よりも酸化反応の高い酸化防止剤、例えばこの実施の形態では炭素数6以下のアルコール系酸化防止剤を含んでいる。炭素数6以下のアルコール系酸化防止剤としては、ラジカル酸化反応を防止する能力を持つ水酸基を1分子中に1つ有するものであればどのようなものが用いられても構わないが、冷凍サイクル内で悪影響をしにくいものを選ぶべきである。ここで用いることのできるアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1,1−ジメチルエタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2,3−ジメチル−1−ブタノール、2,2−ジメチル−1−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール等が挙げられる。
【0019】
なお、アルコール系酸化防止剤が1分子中に水酸基を2つ以上有していると、重合反応を起こし冷凍サイクル内で重合物が析出して冷凍サイクルを閉塞させる可能性があるので好ましくない。
【0020】
また、脂肪族アルコールはラジカル酸化反応を抑制する効果が高い。また分解後の生成物がアルデヒドまたはそのアルデヒドがさらにアルコールと反応したアセタールなどであり、冷凍機油として用いられるエステル油やエーテル油、ポリアルキレングリコール油など極性を有する油に溶解しやすい。そのため冷凍サイクル内の酸素はここで用いたアルコール系酸化防止剤により効率的に除去される。アルコール系酸化防止剤の中でも反応が速く安価で取扱いやすい、メタノール、エタノール、プロパノールを1種または複数種組み合わせて用いるのが最適である。これらのアルコールは冷凍機油にはじめから添加しておくのが最適である。
【0021】
また、図1に示す冷凍装置に封入される冷媒は、ハイドロフルオロオレフィンである、テトラフルオロプロペンをベース成分にジフルオロメタンとペンタフルオロエタンを、地球温暖化係数(GWP)が4以上750以下となるように、望ましくは4以上300以下となるようにそれぞれ2成分混合もしくは3成分混合した冷媒である。ここで「ベース成分」とは、本実施の形態の冷媒として、上記少なくとも一種類必ず使用している成分を指している。このベース成分は、成分比で最も多いものとは限らない。具体的には、図2に示すように示すように、2成分混合であって、ジフルオロメタンの場合はGWP300以下で44wt%、ペンタフルオロエタンの場合はGWP750以下で21.3wt%、GWP300以下で8.4wt%と混合することになる。
【0022】
これによって、万一回収されない冷媒が大気に放出されても地球温暖化に対しその影響を極少に保つことができる。また、上記比率で混合された混合冷媒は、非共沸混合冷媒にも関わらず温度差を小さくでき擬似共沸混合冷媒に挙動が近づくため、冷凍装置の冷却性能や冷却性能係数(COP)を改善することができる。
【0023】
さらに、図1において、圧縮機1に封入される冷凍機油は冷媒と相溶性を有する冷凍機油を含むものである。本実施の形態によるエステル系冷凍機油は多価アルコールと飽和ま
たは不飽和脂肪酸との脱水反応により合成される。多価アルコールとしては、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが冷凍機油の粘度に合わせて用いられる。また一方の飽和脂肪酸としては、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ノナン酸、デカン酸などの直鎖の脂肪酸ならびに2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸などの分岐鎖の脂肪酸が用いられる。直鎖脂肪酸を含むエステル油は摺動特性が良好だが加水分解性に劣り、分岐鎖脂肪酸を含むエステル油は摺動特性が若干劣るものの加水分解しにくいという特長を有している点に留意すべきである。
【0024】
また、本実施の形態の冷凍機油には、炭素数6以下のアルコール系酸化防止剤の他に必要に応じて、リン酸トリフェニルやリン酸トリクレジルなどの極圧剤、含エポキシ化合物などの酸捕捉剤および消泡剤などの各種の添加剤が選択的に加えられる。
【0025】
図1に示すような、炭素数6以下のアルコール系酸化防止剤を含む冷凍機油を含有した冷凍サイクルにおいて、冷房運転時には、圧縮機1から吐出された高温高圧の冷媒ガスが四方弁6、室外熱交換器2を通り凝縮されて液化する。液化した冷媒の一部は膨張機構3を通って減圧され、さらに室内熱交換器4に入る。そこで低温低圧の液冷媒は蒸発して室内空気と熱交換し、低温低圧のガス冷媒となりアキュムレータ7を通って圧縮機1に戻る。
【0026】
また、暖房運転時には四方弁6で流路を逆転するため、圧縮機1を出た冷媒は四方弁6を通って室内熱交換器4で室内空気と熱交換して凝縮されて液化する。液化した冷媒は膨張機構3を通って室外熱交換器2で蒸発して低温低圧のガスとなりアキュムレータ7を通って圧縮機1に戻る。なお、冷凍サイクル内の微量水分を除去するためのドライヤユニットや再熱除湿運転に使用する室内器側の電磁弁など公知の部品を必要に応じて追加することができる。
【0027】
ここで炭素数6以下のアルコール系酸化防止剤を含む冷凍機油を含有した冷凍サイクル内で、冷凍機油は主に圧縮機1内に残存している。冷凍サイクル内の残存酸素は圧縮機1内のモータなどで発生した熱により炭素数6以下のアルコール系酸化防止剤と反応して気相から除去される。この反応はラジカル酸化反応であり、多くの反応経路と反応生成物があるが、代表的な反応経路と反応生成物は以下の通りである。アルコールが酸化してアルデヒドとなり、さらにアルデヒドとアルコールが反応してヘミアセタールを経てアセタールを生成する。ここで発生する水分は必要に応じてドライヤユニットで除去することができることは言うまでもない。
【0028】
R−CHOH + 1/2O → R−CHO + H
R−CHO + R’CHOH → R−C(H)(OH)OR’
R−C(H)(OH)OR’+R’CHOH→R−C(H)(OR’)OR’+H
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る冷凍装置の冷凍サイクル図である。図3は、図1と比較すると、アルコール系酸化防止剤を含む冷凍機油導入ユニットが冷凍サイクル内に追加されている点で相違する。それ以外に両冷凍装置の間には相違点は無い。それ故、図3において図1に示す構成に相当するものには同一の参照符号をつけ、それぞれの説明を簡素化する。
【0029】
図3の冷凍装置において、冷房時には、圧縮機1を出た冷媒は四方弁6、室外熱交換器2、膨張機構3、室内熱交換器4、四方弁6を通ってアキュムレータ7を経て圧縮機1に戻る。アルコール系酸化防止剤を含む冷凍機油導入ユニット8はアキュムレータ7と圧縮機1の間に配置されている。
【0030】
ここで、図4は、図3に示すアルコール系酸化防止剤を含む冷凍機油導入ユニットの縦断面を示す模式図である。図4において、冷凍機油導入ユニット8は逆止弁9を介して冷凍サイクルに結合している。この逆止弁9は真空引きの際には閉止しており、冷媒導入されることで大きな差圧がついて連通する。この逆止弁9により、冷凍装置製造時に冷凍サイクルを真空引きする際のアルコールの蒸発を防止することができる。アルコール系酸化防止剤を含む冷凍機油導入ユニット8には、アルコールを添加した冷凍機油10が含有されており、冷凍装置使用時に冷凍機油として冷媒と共に冷凍サイクル中を循環する。最も温度の高い圧縮機1のモータ付近でアルコールが酸素と反応し、冷媒の酸化分解を防止する。
【0031】
ここではアルコール系酸化防止剤を含む冷凍機油導入ユニット8はアキュムレータ7と圧縮機1の間に配置したが、特に位置を限定するものではなく、冷凍サイクル内のどこに配置しても構わない。
【0032】
(効果検証実験)
本発明の炭素数6以下のアルコール系酸化防止剤の冷凍サイクル内での酸素除去効果について耐圧容器を用いてモデル試験により検証した。
【0033】
モデル試験には内容積150ccのステンレス製耐圧容器を2本用意した。2本とも同じように2,3,3,3−テトラフルオロプロペン12gと空気100cc(大気圧)を導入した。ここで1本のみにエタノール460μlを導入した。この耐圧容器を密閉して175℃で2週間加熱した。そののち耐圧容器内部の気体をテドラーバッグにサンプリングし、GC−MSにて生成物の分析をおこなった。
【0034】
その結果、エタノールを入れなかったサンプルでは2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの酸化分解生成物であるトリフロロアセトンが観測された。一方、エタノールを導入したサンプルではトリフロロアセトンの発生量はエタノールを入れなかったサンプルと比較して約1/10しか観測されず、エタノールにより冷媒の分解が抑制されていた。また、エタノールを導入したサンプルではメトキシエタン、アセタールなどエタノールの酸化生成物が検出された。
【0035】
なお、どちらのサンプルでもアセトアルデヒドは検出されたが、エタノールを導入したサンプルではアセトアルデヒドの発生量は10倍に増加しており、エタノールの酸化が進行していることを示唆している。このようにエタノールを酸化防止剤として添加することにより、冷凍サイクルを模した高圧容器内で冷媒よりも速くエタノールが酸素と反応し、それによって冷媒の分解が抑制された。
【0036】
なお、酸化防止剤としてこの実施の形態ではアルコール系防止剤で説明したが、冷媒よりも酸化反応が高いものであればどのようなものであってもよいものである。また、本実施の形態では、冷暖房用のエアコンを主体とした冷凍装置として説明してきたが、開放式でない冷凍装置であればその効果は同じであり、冷凍冷蔵庫、冷凍庫、除湿機、ヒートポンプ式乾燥洗濯機、ヒートポンプ式給湯器、飲料用自動販売機等に適用できる技術であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明にかかる冷凍装置は、冷媒が冷凍サイクル内に残存する酸素と反応する前に所定の酸化防止剤が酸素と反応することによって、冷媒の酸化生成物であるフッ化水素による冷凍サイクルに使用される部品の劣化を抑えることが可能となるため、空調機、カーエアコン、給湯器、冷凍冷蔵庫、冷凍庫、除湿機、ヒートポンプ式乾燥洗濯機、ヒートポンプ
式給湯器、飲料用自動販売機等の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0038】
1 圧縮機
2 室外熱交換器
3 膨張機構
4 室内熱交換器
5 配管
6 四方弁
7 アキュムレータ
8 アルコール系酸化防止剤を含む冷凍機油導入ユニット
9 逆止弁
10 アルコールを添加した冷凍機油

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素と炭素間に二重結合を有するハイドロフルオロオレフィンをベース成分とし、二重結合を有しないハイドロフルオロカーボンと混合した冷媒を封入した冷凍装置であって、圧縮機から凝縮器、膨張機構、蒸発器を経て該圧縮機に至り、前記冷媒が循環する冷凍サイクルを有し、前記冷凍サイクル内に前記冷媒より酸化反応の高い酸化防止剤を含む冷凍機油を含有してなることを特徴とする冷凍装置。
【請求項2】
酸化防止剤は炭素数が6以下のアルコール系酸化防止剤とした請求項1記載の冷凍装置。
【請求項3】
アルコール系酸化防止剤が1分子中に1つの水酸基を有する請求項2記載の冷凍装置。
【請求項4】
アルコール系酸化防止剤が脂肪族アルコールからなる請求項2または3記載の冷凍装置。
【請求項5】
アルコール系酸化防止剤がメタノール、エタノール、プロパノールのうち少なくとも1種類を含有する請求項2〜4のいずれか1項記載の冷凍装置。
【請求項6】
アルコール系酸化防止剤の冷凍機油に対する含有率が1%以下である請求項2〜5のいずれか1項記載の冷凍装置。
【請求項7】
ハイドロフルオロオレフィンはテトラフルオロプロペンをベース成分とし、ハイドロフルオロカーボンとしてジフルオロメタンとペンタフルオロエタンを、地球温暖化係数が4以上750以下となるように、望ましくは4以上300以下となるようにそれぞれ2成分混合もしくは3成分混合した冷媒を封入した請求項1〜6のいずれか1項記載の冷凍装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−16930(P2011−16930A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162653(P2009−162653)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】