説明

冷却パックユニット、冷却パックシステム及び冷却パックユニットの利用法

【目的】冷却効果が高い冷却パックユニット、冷却パックシステム及び冷却パックユニットの利用法を提供する。
【構成】高圧冷却ガスを注入する冷却ガス注入口と排気するガス排気口とを有する扁平状袋部が、各々洗濯可能な素材で形成された3層のシートから成ると共に四辺を熱溶着した長尺方形状に形成されており、第1層が−20℃以下の低温下でも柔軟性に富み且つガス不透過性の合成樹脂シートから成り、第2層が前記高圧冷却ガスの冷却成分である液化ガスを吸収する保冷フェルトシートから成り、第3層がガス透過性であると共に水分不透過性である合成樹脂シートから成っており、前記冷却ガス注入口には高圧ガスを注入するための長尺チューブが熱溶着されていることを特徴とする冷却パックユニット、冷却パックシステム及び冷却パックユニットの利用法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷却パックユニット、冷却パックシステム及び冷却パックユニットの利用法に関し、詳しくは被服類に密封して用いることで冷却効果や涼感効果を促す冷却パックユニット、冷却パックシステム及び冷却パックユニットの利用法に関する。
【背景技術】
【0002】
夏季の酷暑時や熱所等で冷却効果や涼感効果を促す技術としては、例えば、特許文献1に記載のもの等が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の技術は、タオル地により開閉可能な開口を有する収納袋を形成し、この中に、フィルム製扁平状袋部を有する冷却パックを収納した冷却タオルによって冷却効果を得るものである。
【0004】
しかし特許文献1の技術では、洗濯の度に収納袋から冷却パックを取り出す必要があり、面倒であるだけでなく、取り出し忘れによって洗濯してしまった際には破損のおそれがあるという問題点を有している。また、冷却効果も高いとは言えず、収納するタオル地の厚みや織目等によっては充分な冷却感を得ることができないという不都合さえある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4134063号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明の第1の課題は、冷却効果が高い冷却パックユニットを提供することにある。
【0007】
また、本発明の第2の課題は、洗濯可能な冷却パックシステムを提供することにある。
【0008】
更に、本発明の第3の課題は、冷却パックユニットに注入する高圧冷却ガスの成分としてアルコール類を含んでいても、アルコール臭を感じ難くできる冷却パックユニット、冷却パックシステム及び冷却パックユニットの利用法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明は下記構成を有する。
【0010】
1.高圧冷却ガスを注入する冷却ガス注入口と排気するガス排気口とを有する扁平状袋部が、各々洗濯可能な素材で形成された3層のシートから成ると共に四辺を熱溶着した長尺方形状に形成されており、第1層が−20℃以下の低温下でも柔軟性に富み且つガス不透過性の合成樹脂シートから成り、第2層が前記高圧冷却ガスの冷却成分である液化ガスを吸収する保冷シートから成り、第3層がガス透過性であると共に水分不透過性である合成樹脂シートから成っており、前記冷却ガス注入口には高圧ガスを注入するためのチューブが熱溶着されていることを特徴とする冷却パックユニット。
【0011】
2.前記ガス排気口にガスを導出するチューブが熱溶着されていることを特徴とする上記1に記載の冷却パックユニット。
【0012】
3.前記ガス排気口が冷却ガス注入口の近傍に設けられた切欠部であることを特徴とする上記1又は2に記載の冷却パックユニット。
【0013】
4.前記高圧冷却ガスがスプレー式であり、アルコール7〜15重量%、ジメチルエーテル80〜90重量%、水0.5〜5重量%を含有することを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の冷却パックユニット。
【0014】
5.前記高圧冷却ガスがスプレー式であり、アルコール7〜15重量%、ジメチルエーテル80〜90重量%、水0.5〜5重量%、イソプロピルアルコール0.5〜1.5重量%、界面活性剤0.1〜0.5重量%を含有することを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の冷却パックユニット。
【0015】
6.前記界面活性剤が、シリコン系界面活性剤であることを特徴とする上記5に記載の冷却パックユニット。
【0016】
7.上記1〜6のいずれかに記載の冷却パックユニットを繊維質から成る包帯、サポータ、ヘッドバンド、ヘアーバンド、リストバンド、鉢巻、熱所作業着等の被服類に密封して用いることを特徴とする冷却パックシステム。
【0017】
8.上記1〜6のいずれかに記載の冷却パックユニットを繊維質から成る包帯、サポータ、ヘッドバンド、ヘアーバンド、リストバンド、鉢巻、熱所作業着等の被服類に密封して用いることを特徴とする冷却パックユニットの利用法。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に示す発明によれば、冷却効果が高い冷却パックユニットを提供することができる。
【0019】
特に、保冷シート(例えば、フェルトシート)に液化ガスを吸収させることで高い冷却効果や涼感効果を得るに充分な量の液化ガスを冷却パックユニット内に貯めることができ、この吸収されて貯められた液化ガスが気化することによって冷却効果や涼感効果を得ることができるので、冷却効果が高いものとなる。
【0020】
更に、冷却パックユニットを構成する扁平状袋部の一方の面、即ち、ガス透過性を有する第3層の面からのみ気化する構成により、この面を肌の表面側に向けることで冷却効果や涼感効果を得ることができ、他方の面であるガス不透過製の第1層側の面からは気化しないので、冷却効果や涼感効果を無駄なく得ることができる。
【0021】
請求項2に示す発明によれば、アルコール臭を有する排気ガスを冷却効果・涼感効果を発揮する扁平状袋部より離れた位置にすることができる。従って、アルコール臭を感じ難い用い方が可能である。
【0022】
請求項3に示す発明によれば、冷却ガスを扁平状袋部内の奥まで充分に充填するように注入することができ、扁平状袋部の容量に相当する量の冷却ガスを確実に注入することができる。
【0023】
請求項4に示す発明によれば、注入した冷却ガスが保冷シートに対して深く浸透吸収させることができるので、冷却持続時間が長く冷却効果が高い。
【0024】
請求項5に示す発明によれば、注入した冷却ガスの表面張力が低下することになることから、保冷シートに対してより深く浸透吸収させることができるので、冷却持続時間がより長く冷却効果がより高い。
【0025】
請求項6に示す発明によれば、界面活性剤が、シリコン系界面活性剤であることにより、保冷シートへの浸透性を更に高めることができるので、冷却持続時間が更に長く冷却効果が更に高い。
【0026】
請求項7に示す発明によれば、冷却効果・涼感効果が高く、しかも洗濯可能な冷却パックシステムを提供することができる。
【0027】
請求項8に示す発明によれば、冷却効果・涼感効果が高く、しかも洗濯可能な冷却パックユニットの利用法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る冷却パックシステム及び冷却パックユニットの利用法の一実施例を示す概略構成図
【図2】本発明に係る冷却パックユニットの一実施例を示す概略構成図
【図3】冷却パックユニットの扁平状袋部の層構成の一例を示す要部概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、添付の図面に従って本発明を詳細に説明する。
【0030】
本発明に係る冷却パックユニット、冷却パックシステム及び冷却パックユニットの冷却法は、被服類に密封して用いることで夏季の酷暑時や熱所等での冷却効果や涼感効果を促すものである。
【0031】
図1は、本発明に係る冷却パックシステム及び冷却パックユニットの利用法の一実施例を示し、冷却パックシステムとして鉢巻の形態に構成した実施例である。
【0032】
図1に示す鉢巻構成の冷却パックシステム(以下、単に鉢巻構成と言うこともある。)1は、繊維質から成る布帛等の布類で構成され、頭部に巻締することで装着可能な公知公用の一般的な構成の鉢巻であり、かかる鉢巻構成の布帛内部(例えば、表側布帛と裏側布帛の間や布帛裏面に設けたポケット内等)に、下記にて詳説する本発明に係る冷却パックユニット2を密封したものである。
【0033】
鉢巻構成1の一端部近傍には、使用者の名前等の情報を記入したり、製造者の名称等の情報が表示されたタグ11が配設されており、面状ファスナー等を用いることで少なくともタグ11の一部を剥離できるように構成することが好ましい。
【0034】
冷却パックユニット2の配設位置としては、鉢巻構成1の略中央部分、即ち、鉢巻を頭部に装着した時に額に当たる部分に密封状態で配設されている。額に当たる部分に配設することで、運動時等に額を冷すことができ、この額への冷却効果・涼感効果により、より涼しく感じることができる。
【0035】
上記構成を有する鉢巻構成1に密封して用いられる冷却パックユニット2は、図2及び図3に示すように、高圧冷却ガスを注入する冷却ガス注入口4と排気するガス排気口5とを有する扁平状袋部3が、各々洗濯可能な素材で形成された3層のシートから成ると共に四辺を熱溶着した長尺方形状に形成されており、第1層31が−20℃以下の低温下でも柔軟性に富み且つガス不透過性の合成樹脂シートから成り、第2層32が前記高圧冷却ガスの冷却成分である液化ガスを吸収する保冷フェルトシートから成り、第3層33がガス透過性であると共に水分不透過性である合成樹脂シートから成っており、前記冷却ガス注入口4には高圧ガスを注入するための長尺チューブ(高圧ガス注入用)6が熱溶着され、前記ガス排気口5にはガスを導出する長尺チューブ(ガス導出用)7が熱溶着されている構成を有する。
【0036】
第1層31を構成する合成樹脂シートとしては、−20℃以下の低温下でも柔軟性に富み且つガス不透過性であればよく、例えば、耐冷ポリウレタンフィルムを挙げることができる。
【0037】
第2層32を構成する保冷シートとしては、注入され液化状態となった高圧冷却ガスを吸収可能であればよく、例えば、ウール・コットン等の天然素材から成るフェルトシートや、合成樹脂材料から成るフェルトシートや、天然素材と合成樹脂材料との混紡素材から成るフェルトシートを挙げることができる。
【0038】
第3層33を構成する合成樹脂シートとしては、ガス透過性であると共に水分不透過性であればよく、例えば、ゴアテックス(登録商標)やエントランス(登録商標)等のガス透過性防水(水分不透過性)素材を挙げることができる。
【0039】
前記ガス排気口5は、本実施例に示すように冷却ガス注入口4の近傍に設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、長尺チューブ(高圧ガス注入用)6を介して冷却ガス注入口4から注入される冷却ガスは、扁平状袋部3内を高圧力の勢いによって該扁平状袋部3内の奥まで進み、最奥部に突き当たった後に該最奥部から前記冷却ガス注入口4方向に向かって戻ってくることになり該扁平状袋部3内を冷却ガスで順次満たしていくことになるので、該扁平状袋部3の最大容量に相当する量の冷却ガスを確実に素早く注入することができる。
【0040】
高圧冷却ガスを扁平状袋部3の最大容量乃至は最大容量近傍量まで注入することで、該扁平状袋部3内部は、図3に示すように、高圧冷却ガスが液化状態で第2層に吸収されて液化ガス層が形成され、また、高圧冷却ガスの気化した分によって第1層31及び第2層32と第3層33との間に空間が生じて気化ガス層が形成される。
【0041】
また、冷却ガスの注入の際、冷却ガス内のガスや前記扁平状袋部3内の空気等が前記冷却ガスの注入に伴って前記冷却ガス注入口4方向に押し出されるように移動することになるので、かかるガスや空気等の扁平状袋部3からの排出位置が前記冷却ガス注入口4の近傍位置であることは前記排気が速やかに効率的に行われる点で最も好ましい。
【0042】
尚、該ガス排気口5は、図1及び図2に示す本実施例の長尺チューブ(ガス導出用)7が熱溶着された構成に限定されず、単に切欠部であってもよい。尚また、ガス排気口5は、冷却ガス注入口4の近傍以外の他の位置に配設されていてもよい。
【0043】
長尺チューブ(高圧ガス注入用)6・長尺チューブ(ガス導出用)7としては、この種の高圧冷却ガスの注入や導出に用いられるチューブ体として公知公用のものを用いることができるが、被服類(例えば、図1に示す鉢巻構成1)に密封した場合に、該被服類を装着、着用、或いは折畳み等した際の曲がり・折れ等に対しても損傷することなく対応できるように被服類の構成素材(例えば、布帛類等)の柔軟性と同等の柔軟性を有する材質(柔軟性を有する合成樹脂等)で形成されることが好ましい。
【0044】
長尺チューブ(高圧ガス注入用)6の注入口部・長尺チューブ(ガス導出用)7の排気口部である夫々のチューブの端部は、扁平状袋部3から離れた位置にあることが好ましい。例えば、図1に示す実施例である鉢巻構成1の態様の場合では、夫々のチューブ6・7の端部が鉢巻構成1の端部に位置するように配設することで、頭部に巻締して装着した際に鼻から離れた位置である後頭部から首後側乃至は背中上部に前記チューブ6・7の端部が位置するようになるので、高圧冷却ガスがアルコール成分を含んでいた場合に生じるアルコール臭の発生位置を、冷却効果・涼感効果を発揮させる部分(本実施例の場合、鼻に近い位置である額)から離れた位置とすることができるので、かかるアルコール臭による不快感を著しく低減することができる。尚、チューブ6・7の端部は、鉢巻構成1の端部部分に配設したタグ11で被覆することで隠す構成とし、高圧冷却ガスの注入の際には前記タグ11を捲って前記チューブ6(及びチューブ7)の端部を露出させることで前記高圧冷却ガスの注入を行うことが可能となる。
【0045】
本発明に用いられる高圧冷却ガスとしては、スプレー式容器に充填された態様であることが好ましく、成分としては、(1)アルコール7〜15重量%、ジメチルエーテル80〜90重量%、水0.5〜5重量%を含有すること、又は(2)アルコール7〜15重量%、ジメチルエーテル80〜90重量%、水0.5〜5重量%、イソプロピルアルコール0.5〜1.5重量%、界面活性剤0.1〜0.5重量%を含有すること、(3)前記(2)の界面活性剤が、シリコン系界面活性剤であること、が好ましい。
【0046】
前記した高圧冷却ガスの成分(1)であるアルコール、ジメチルエーテル及び水は、各々7〜15重量%、80〜90重量%及び0.5〜5重量%の範囲で用いられ、これらの範囲外、特に水が0.5重量%未満・5重量%を超えるときは、冷却温度の大幅な低下が見られず、冷却効果が劣ることとなる。
【0047】
また、前記した高圧冷却ガスの成分(2)のイソプロピルアルコールの含有量は、0.5〜1.5重量%であり、この範囲を外れると冷却効果持続時間の大幅な向上が見られない。
【0048】
更に、前記した高圧冷却ガスの成分(2)又は(3)では、含有する界面活性剤によって表面張力が低下していることから冷却成分が第2層32の保冷フェルトシートに弾かれることなく浸透することになる。冷却成分が保冷フェルトシートに浸透することによって扁平状袋部3自体を冷却することで冷却効果・涼感効果を高めることができる。
【0049】
前記した高圧冷却ガスの成分(2)又は(3)に含有する界面活性剤としては、一般的に一分子中に親水基と疎水基の両者を含み、水に溶解して水の表面張力を低下させるものをいい、本発明に係る着衣用冷却剤を得ることができるものであれば特に制限されるものではない。ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び脂肪酸石鹸等の公知公用の界面活性剤の内、本発明の着衣用冷却剤として使用可能なものを特別の制限なく用いることができ、中でも、浸透性の点でシリコン系界面活性剤であること好ましい。
【0050】
シリコーン系界面活性剤としては、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルキルアラルキルポリエーテル変性シリコーン、エポキシポリエーテル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、スルホン酸変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、リン酸変性シリコーン、アンモニウム塩変性シリコーン、スルホベタイン変性シリコーンなどがあげられるが、好ましくは、、ポリエーテル変性シリコーンが望ましい。ポリエーテル変性シリコーンには、たとえば、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体などが挙げられる。これらのシリコーン系界面活性剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
【0051】
前記した高圧冷却ガスの成分(2)又は(3)に含有する界面活性剤の含有量は0.1〜0.5重量%であり、この範囲を外れると冷却効果持続時間の大幅な向上が見られない。
【0052】
以上、本発明に係る冷却パックユニット、冷却パックシステム及び冷却パックユニットの利用法について実施例に基き説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の範囲内において他の態様を採ることができる。
【0053】
例えば、図1に示した実施例では、冷却パックシステムとして鉢巻の形態に構成した例を挙げているが、冷却パックユニットをネット袋に入れたり、繊維質から成る被服類に密封して用いる構成であればよく、例えば、包帯、サポータ、ヘッドバンド、ヘアーバンド、リストバンド、熱所作業着(例えば、作業用つなぎ、作業用ベスト、作業帽、作業用ヘルメット内のパッド部分、作業用手袋等)等に密封して用いることもできる。
【0054】
また、本発明に係る冷却パックユニットは、第1層及び/又は第3層の外側にネット状の第4層及び/又は第5層を有する等、他の層を有していてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 鉢巻構成の冷却パックシステム
11 タグ
2 冷却パックユニット
3 扁平状袋部
31 第1層
32 第2層
33 第3層
4 冷却ガス注入口
5 ガス排気口
6 長尺チューブ(高圧ガス注入用)
7 長尺チューブ(ガス導出用)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧冷却ガスを注入する冷却ガス注入口と排気するガス排気口とを有する扁平状袋部が、各々洗濯可能な素材で形成された3層のシートから成ると共に四辺を熱溶着した長尺方形状に形成されており、第1層が−20℃以下の低温下でも柔軟性に富み且つガス不透過性の合成樹脂シートから成り、第2層が前記高圧冷却ガスの冷却成分である液化ガスを吸収する保冷シートから成り、第3層がガス透過性であると共に水分不透過性である合成樹脂シートから成っており、前記冷却ガス注入口には高圧ガスを注入するためのチューブが熱溶着されていることを特徴とする冷却パックユニット。
【請求項2】
前記ガス排気口にガスを導出するチューブが熱溶着されていることを特徴とする請求項1に記載の冷却パックユニット。
【請求項3】
前記ガス排気口が冷却ガス注入口の近傍に設けられた切欠部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却パックユニット。
【請求項4】
前記高圧冷却ガスがスプレー式であり、アルコール7〜15重量%、ジメチルエーテル80〜90重量%、水0.5〜5重量%を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷却パックユニット。
【請求項5】
前記高圧冷却ガスがスプレー式であり、アルコール7〜15重量%、ジメチルエーテル80〜90重量%、水0.5〜5重量%、イソプロピルアルコール0.5〜1.5重量%、界面活性剤0.1〜0.5重量%を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷却パックユニット。
【請求項6】
前記界面活性剤が、シリコン系界面活性剤であることを特徴とする請求項5に記載の冷却パックユニット。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の冷却パックユニットを繊維質から成る包帯、サポータ、ヘッドバンド、ヘアーバンド、リストバンド、鉢巻、熱所作業着等の被服類に密封して用いることを特徴とする冷却パックシステム。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載の冷却パックユニットを繊維質から成る包帯、サポータ、ヘッドバンド、ヘアーバンド、リストバンド、鉢巻、熱所作業着等の被服類に密封して用いることを特徴とする冷却パックユニットの利用法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−286139(P2010−286139A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138460(P2009−138460)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(507270300)株式会社びーんず研究所 (9)
【Fターム(参考)】