説明

冷却装置および加熱殺菌装置

【課題】大掛かりなバックアップ装置を必要とすることなく、冷却手段が故障しても被冷却物の冷却を行うこと。
【解決手段】 被冷却物2を収容する冷却槽3,冷却槽3への給水手段4,給水を熱交換器5と冷却槽3との間で循環させる循環手段6,熱交換器5を通過する水を間接熱交換により冷却する冷却手段7および制御手段8を備え、制御手段8は、循環手段6および冷却手段7を作動させながら冷却された水と被冷却物2とを直接熱交換させる第一冷却と、冷却手段7を作動させることなく、給水手段4を作動させて冷却槽3へ供給した水と被冷却物2とを直接熱交換させて被冷却物2を冷却する第二冷却とを選択的に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レトルト食品の殺菌装置などに実施される冷却装置および加熱殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レトルト食品の加熱殺菌装置は、特許文献1などに記載のように、レトルト食品を加熱殺菌した後でレトルト食品(被冷却物)を冷却する。この冷却装置は、被冷却物を収容する冷却槽と、冷却槽へ水を供給する給水手段と、冷却槽内へ供給された水を熱交換器と冷却槽との間で循環させる循環手段と、熱交換器を通過する水を間接熱交換により冷却する冷却手段と、給水手段,循環手段および冷却手段を制御する制御手段とを備え、循環手段および冷却手段を作動させながら、冷却手段により冷却された水と被冷却物との直接熱交換させて被冷却物を冷却するものである。なお、加熱殺菌および加熱殺菌後の冷却においては、レトルト食品の破裂を防止するために、加圧手段により冷却槽を加圧することが行われている。
【0003】
この特許文献1の冷却装置においては、冷却手段としてクーリングタワーを用いているが、このクーリングタワーが故障すると、被冷却物の冷却ができなくなる。また、クーリングタワーの点検中に、冷却装置を使用したくても使用できないことがあった。さらに、特許文献1の加熱殺菌装置においては、レトルト食品の冷却ができないと、食品の温度が低下するまでに時間がかかり、つぎの殺菌作業が行えなくなることで、加熱殺菌の作業効率が悪くなる。また、十分に冷却せずにレトルト食品を冷却槽から取り出すと、レトルト食品が破裂する虞もあった。
【0004】
この問題を解決するには、冷却手段のバックアップ用として、もう一つの冷却手段を備えることが考えられるが、装置が大掛かりとなるとともに、イニシャルコストも高く、現実的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−262839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、大掛かりなバックアップ装置を必要とすることなく、クーリングタワーなどの冷却手段が故障しても被冷却物の冷却を行うことができる冷却装置および加熱殺菌装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、被冷却物を収容する冷却槽と、前記冷却槽へ水を供給する給水手段と、前記冷却槽内へ供給された水を熱交換器と前記冷却槽との間で循環させる循環手段と、前記熱交換器を通過する水を間接熱交換により冷却する冷却手段と、前記給水手段,前記循環手段および前記冷却手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記循環手段および前記冷却手段を作動させながら、前記冷却手段により冷却された水と被冷却物とを直接熱交換させて被冷却物を冷却する第一冷却と、前記冷却手段を作動させることなく、前記給水手段を作動させて前記冷却槽へ供給した水と被冷却物とを直接熱交換させて被冷却物を冷却し、冷却により昇温した水を前記冷却槽から排出する第二冷却とを選択的に行うことを特徴とする

【0008】
請求項1に記載の発明によれば、前記冷却手段の故障時のように前記冷却手段が使えないときなどに、第二冷却を行うことにより、被冷却物の冷却を行うことができる。また、被冷却物の冷却は、前記冷却手段を作動させることなく、前記給水手段により供給される水を用いて行うので、大掛かりなバックアップ装置を必要とすることなく冷却を行うことができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記第二冷却は、前記冷却手段の異常時に行うことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加えて、前記冷却手段の異常が生じ、冷却ができなくなっても、前記第二冷却により冷却を行うことができるという効果を奏する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2において、前記第二冷却は、前記給水手段を作動させて前記冷却槽へ水を所定量供給する給水工程と、前記循環手段を作動させて給水された水を循環させる循環工程と、前記冷却槽内の水を排出する排水工程とを含むことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明による効果に加えて、効果的に前記第二冷却を行うことができる。また、第一冷却を実現する給水工程,循環工程を同じものとすることで、新たな設備を付加することなく、被冷却物の冷却を行うことができるという効果を奏する。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記排水工程が、前記循環工程終了後に行われ、前記給水工程,前記循環工程および前記排水工程が複数回行われることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明による効果に加えて、前記給水工程,前記循環工程および前記排水工程を繰り返し行うことで、短時間の冷却を実現することができるという効果を奏する。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4において、前記第二冷却を行うかどうかの選択手段を備え、前記制御手段は、前記第二冷却を行わないとの選択がなされた時、前記第二冷却を行わないことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜請求項4に記載の発明による効果に加えて、被冷却物の初期温度が低い場合など前記第二冷却を行わないとの選択をすることにより、前記第二冷却により水が使用されないので、水使用量を削減することができるという効果を奏する。
【0017】
さらに、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の冷却装置を備える加熱殺菌装置であって、加熱手段により被冷却物を加熱殺菌する殺菌を前記第一冷却の前に行うことを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜請求項5に記載の発明による効果に加えて、加熱殺菌の作業効率を向上できるなどの効果を奏する。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、大掛かりなバックアップ装置を必要とすることなく、クーリングタワーなどの冷却手段が故障しても被冷却物の冷却を行うことができる冷却装置および加熱殺菌装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明を実施する加熱殺菌装置の実施例1の概略的な構成を説明する図である。
【図2】同実施例1の制御手順を説明するフローチャート図である。
【図3】図2の要部の詳細を説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
つぎに、この発明の実施の形態の冷却装置を説明する。この冷却装置は、被冷却物を収容する冷却槽と、前記冷却槽へ水を供給する給水手段と、前記冷却槽内へ供給された水を熱交換器と前記冷却槽との間で循環させる循環手段と、前記熱交換器を通過する水を間接熱交換により冷却する冷却手段と、前記給水手段,前記循環手段および前記冷却手段を制御する制御手段とを備えている。
【0022】
前記制御手段は、被冷却物を冷却する第一冷却と、第一冷却とは異なる方法で被冷却物を冷却する第二冷却とを選択的に行わせる制御を行う。この制御は、予め記憶された手順により実行される。
【0023】
この実施の形態の冷却装置によれば、前記冷却手段の故障時のように冷却手段が使えないときなどに、第二冷却を行うことにより、被冷却物の冷却を行うことができ、被冷却物を約100〜130℃程度の比較的高温で殺菌処理する場合に特に有効である。また、被冷却物の冷却は、前記冷却手段を作動させることなく、前記給水手段により供給される水を用いて行うので、予備の冷却手段を別個に備えるなどの大掛かりなバックアップ装置を必要とすることなく冷却を行うことができる。
【0024】
前記第一冷却は、前記循環手段および前記冷却手段を作動させながら行うものであり、前記冷却手段により冷却された水と被冷却物とを直接熱交換させて被冷却物を冷却するものである。この第一冷却は、公知の方法により行うことができる。
【0025】
この第一冷却は、好ましくは、効率的な冷却を行うため、前記給水手段を作動させて冷却槽へ水を所定量供給する給水工程と、この給水工程終了後に行われ、前記循環手段を作動させて給水された水を循環させる循環工程とを含む。なお、後述するように、前記冷却装置を、前記第一冷却および前記第二冷却の前に被冷却物を加熱殺菌処理する殺菌工程を行う加熱殺菌装置とする場合には、前記第一冷却における給水工程は、殺菌工程の前に行われる給水工程とすることができる。
【0026】
前記給水工程は、被冷却物が浸漬しない程度に前記冷却槽内に所定量の水を供給する方法と、被冷却物が浸漬するように前記冷却槽内に所定量の水を供給する方法とを選択可能である。前者の方法を行う場合、前記循環工程において循環する水を被冷却物に散布するシャワー装置のような散布手段を備えることが望ましい。
【0027】
前記給水工程の終了は、前記冷却槽内の水位を検出して行うか、タイマの所定時間の計時終了によって行うか、水位の検出後タイマの所定時間の計時終了によって行うことができる。また、前記循環工程の終了は、好ましくは、タイマの所定時間の計時終了によって行う。
【0028】
前記第二冷却は、前記冷却手段を用いることなく、前記給水手段により供給される水に
より被冷却物を冷却するものである。より具体的には、この第二冷却は、前記冷却手段を作動させることなく、前記給水手段を作動させて前記冷却槽へ供給した水と被冷却物とを直接熱交換させて被冷却物を冷却し、冷却により昇温した水を前記冷却槽から排出することにより行うものである。この第二冷却は、この実施の形態の特徴部分を構成する。
【0029】
そして、前記第二冷却は、好ましくは、効率的な冷却を行うため、前記給水手段を作動させて冷却槽へ水を所定量供給する給水工程と、この給水工程後に行われ、前記循環手段を作動させて給水された水を循環させる循環工程と、前記冷却槽内の水を排出する排水工程とを含む。
【0030】
前記排水工程は、前記循環工程終了後に行う方式と、前記給水工程および前記循環工程を行いながら行う,すなわち、一部排水を行いながら、排水した分を給水により補充する方式を含む。後者の方式は、水使用量が多くなるというデメリットがある。
【0031】
前者の循環工程終了後に行う方式の場合、給水工程−循環工程−排水工程を1セットとして複数回繰り返すことが望ましい。その理由は、前記循環工程中の水の温度が上昇すると、被冷却物の冷却効率が低下するので、循環する水を取り替えながら冷却することで、冷却効率の低下を防止することができる。冷却効率の低下は、冷却時間が長くなることを意味する。
【0032】
この第二冷却における給水工程は、好ましくは、前記第一冷却における給水工程と同じ構成とし、前記第一冷却を実現する給水手段と同じ給水手段を用いて行う。しかしながら、異なる給水工程および給水手段とするができる。
【0033】
また、この第二冷却における循環工程は、好ましくは、前記第一冷却を実現する循環手段と同じ循環手段を用いて行うが、異なる循環手段とするができる。
【0034】
前記給水工程の終了は、前記冷却槽内の水位を検出して行うか、タイマの所定時間の計時終了によって行うか、水位検出とタイマ計時終了との組み合わせによって行う。また、前記循環工程の終了は、循環する水の温度,すなわち水温を検出して行うか、タイマの所定時間の計時終了によって行う。さらに、前記排水工程の終了は、前記冷却槽内の水位を検出して行うか、タイマの所定時間の計時終了によって行うか、水位検出とタイマ計時終了との組み合わせによって行う。
【0035】
前記第二冷却は、前記第一冷却を行えないときに行うものである。第一冷却が行えないときとは、前記第一冷却が全く行えないとき、前記第一冷却による被冷却物の冷却が不十分なときである。前記第一冷却が全く行えないときは、前記冷却手段による冷却が行えないときであって、前記冷却手段が故障したとき、前記冷却手段の修理や点検により、前記冷却手段が使用できないときを含んでいる。前記冷却手段の故障は、前記第一冷却が全く行えないときとするが、前記第一冷却による被冷却物の冷却が不十分なときを含ませることができる。そして、前記冷却手段の故障は、前記冷却手段をクーリングタワーとした場合には、送風機や循環ポンプの故障を検出して前記冷却手段の故障とするが、これに限定されるものではない。
【0036】
この実施の形態は、前記第一冷却と前記第二冷却との選択を設定するための選択手段を備えている。この選択手段による選択の態様としては、つぎの二つの態様を含んでいる。
【0037】
第一の態様は、第二冷却を行うか、行わないかを選択する方式で、この方式では、前記制御手段は、前記選択手段により、「第二冷却を行わない」を選択すると、たとえ前記冷却手段が異常であると、第一冷却および前記第二冷却を行なわない。そして、「第二冷却
をおこなう」を選択すると、前記冷却手段が異常である,すなわち前記冷却手段による冷却が行えないか、不十分であると判定すると、前記第一冷却を行うことなく、前記第二冷却を実行する。
【0038】
第二の態様は、前記第一冷却と前記第二冷却とを対等に切り換える選択方式である。この態様では、冷却装置の冷却運転の途中で、前記第一冷却と前記第二冷却とが切り換わることはない。
【0039】
この実施の形態においては、初期温度が高温(例えば、120℃)の被冷却物に対して前記第一冷却または前記第二冷却を行う際に、レトルト食品のような被冷却物が膨張して破裂することを防止する虞のある場合には、前記冷却槽内を加圧する加圧手段を備える。なお、被冷却物の初期温度が、例えば60〜70℃のように低い場合は、前記加圧手段による加圧を必要としない場合もある。
【0040】
ここで、この実施の形態の構成要素について説明する。前記冷却槽は、被冷却物が出し入れ可能で、内部を密閉して水により冷却できる構造であれは、特別なものに限定されない。
【0041】
前記給水手段は、前記冷却槽へ水を供給する機能を有しておればよく、好ましくは、給水タンク、給水ポンプを有し前記水タンクと前記冷却槽とを接続する給水ラインとを含んで構成される。しかしながら、水頭圧により、前記冷却槽内へ給水が可能な場合は、前記給水ポンプは不要である。この場合、給水の制御を行うための弁を前記給水ラインに備える必要がある。
【0042】
前記熱交換器は、間接熱交換式の熱交換器であり、特定の構造のものに限定されない。
【0043】
前記循環手段は、前記冷却槽内へ供給された水を熱交換器と前記冷却槽との間で循環させるものであって、前記熱交換器および循環ポンプを備える循環ラインを含んで構成される。前記循環ラインの一端は、前記冷却槽の水が貯留している底部に接続され、他端は、被冷却物へ循環水を散水する散水手段に接続される。散水手段は、好ましくは、前記冷却槽内に収容された多くの被冷却物に散水される構造のものを採用する。
【0044】
前記冷却手段は、前記熱交換器を通過する水を間接熱交換により冷却する機能を有するものであれば特定のものに限定されない。この冷却手段は、好ましくは、冷水器と水循環手段(ポンプ)を含んで構成される。水循環手段は、冷水器内に含ませてもよい。前記冷水器は、クーリングタワー(冷却塔)およびチラー(冷水機)とすることができる。
【0045】
前記加圧手段は、圧縮空気などの加圧された気体を前記冷却槽内へ供給する機能を有する手段である。気体は、好ましくは、空気とするが、これに限定されるものではなく、不活性ガスとすることができる。
【0046】
また、前記制御手段は、予め記憶している制御手順(プログラム)により、前記冷却手段,前記循環手段などを制御して、前記選択手段による選択に基づき被冷却物を冷却する第一冷却と、第一冷却とは異なる方法で被冷却物を冷却する第二冷却とを選択的に行わせる制御を行う。
【0047】
この実施の形態の冷却装置は、前記冷却槽(加熱冷却槽)を用いて被冷却物(被加熱冷却物)を加熱手段により加熱殺菌する加熱殺菌を前記第一冷却または前記第二冷却の前に行うようにして、加熱殺菌装置として構成することができる。前記加熱手段は、好ましくは、前記熱交換器を通過する水を蒸気などの高温媒体により間接加熱して生成される温水
により行うものとするが、前記冷却槽内の被冷却物を直接的に加熱する直接加熱手段とすることができる。この直接加熱手段としては前記冷却槽内下部または前記循環ライン中の循環水に蒸気を吹き込む手段などとすることができる。
【0048】
この加熱殺菌装置の被冷却物は、好ましくは、レトルト食品とする。レトルト食品は、食品が容器(袋および缶を含む。)内に密閉状態に収納され、大気圧を超える圧力に加圧状態で加熱殺菌されたものをいう。
【実施例1】
【0049】
つぎに、この発明の被冷却物をレトルト食品(以下、食品という。)とし、冷却装置を食品を加熱殺菌した後で、冷却する加熱殺菌装置とした実施例1について説明する。図1は、同実施例1の概略構成を説明する図であり、図2は、同実施例1の制御手順を説明するフローチャート図であり、図3は、図2の要部の詳細を説明するフローチャート図である。
【0050】
<実施例1の構成>
図1を参照して、実施例1の加熱殺菌装置1は、食品2を収容する加熱冷却槽(この発明の冷却槽に相当)3と、加熱冷却槽3へ水を供給する給水手段4と、加熱冷却槽3内へ供給された水を熱交換器5と加熱冷却槽3との間で循環させる循環手段6と、熱交換器5を通過する水を間接熱交換により冷却する冷却手段7と、給水手段4,循環手段6および冷却手段7などを制御する制御手段8とを主要部として備えている。
【0051】
加熱冷却槽3は、開閉自在の扉(図示省略)を備え、食品2が出し入れ可能で、内部を密閉して水により冷却できるように構成されている。冷却槽3の内部には、棚やワゴン(いずれも図示省略)に載置された食品2へ循環手段6による循環水を直接散水する散水器9,9を備えている。
【0052】
給水手段4は、給水タンク10から加熱冷却槽3へ水を給水ライン11を通して供給するものである。給水ライン11には、給水ポンプ12と開閉自在の給水制御弁13とを備えている。給水タンク10には、水道水などの原水を供給し水位を調節可能な原水供給手段14を備えている。
【0053】
循環手段6は、加熱冷却槽3内へ供給された水を熱交換器5と加熱冷却槽3との間で循環させるものである。この循環手段6は、熱交換器5および第一循環ポンプ15を備える第一循環ライン16を含んで構成されている。第一循環ライン16の一端は、加熱冷却槽3の水が貯留する底部に接続され、他端は、分岐して散水器9,9に接続される。第一循環ライン16の一部は、給水ライン11の一部と共用されている。
【0054】
冷却手段7は、第一循環ライン16を循環し、熱交換器5を通過する水(第一循環水)を第二循環ライン17を循環する冷水で間接熱交換により冷却するものある。この冷却手段7は、冷却器としてのクーリングタワー18と第二循環ポンプ19を含んで構成されている。
【0055】
クーリングタワー18は、公知のもので、底部が第二循環ライン17と接続されるタワー20,第二循環ライン17と接続され充填物(図示省略)へ散水する散水器21,原水供給手段22,送風機23などを含んで構成されている。
【0056】
第二循環ライン17には、熱交換器5をバイパスする(クーリングタワー18から切り離す)ためのバイパスライン24と、このバイパスライン24に設けられ開閉自在のバイパス制御弁25と、第二循環ライン17の循環水(第二循環水)の供給を制御する循環制
御弁26,26と備えている。
【0057】
冷却手段7には、第一循環水を高温蒸気により間接加熱して温水とする加熱手段27を付設している。加熱手段27は、具体的には、蒸気発生源(図示省略)と接続される給蒸ライン28と、この給蒸ライン28に設けた給蒸制御弁29と、第二循環ライン17の一部と、熱交換器5と、第二循環ライン17の一部と、排蒸ライン30と、この排蒸ライン30に設けた排蒸制御弁31,蒸気トラップ32および第一逆止弁33とを含んで構成されている。
【0058】
そして、加熱冷却槽3には、真空解除手段34,排気手段35,加圧手段36,減圧排気手段37,排水手段38を接続している。以下に、これらの構成を説明する。
【0059】
真空解除手段34は、大気圧未満となった加熱冷却槽3を大気圧に開放して加熱冷却槽3内へ大気を導入する機能を有し、真空解除ライン39と、この真空解除ライン39に設けたフィルター40,真空解除制御弁41,第二逆止弁42とを含んで構成されている。
【0060】
排気手段35は、大気圧を越える圧力となった加熱冷却槽3を大気圧に開放して、加熱冷却槽3内の気体を排出する機能を有し、排気ライン43と、この排気ライン43に設けた排気制御弁44と第三逆止弁45を含んで構成されている。
【0061】
加圧手段36は、圧縮空気源(図示省略)からの圧縮空気を加熱冷却槽3内へ供給する機能を有し、加圧ライン46と、この加圧ライン46に設けた加圧制御弁47とを含んで構成されている。
【0062】
減圧排気手段37は、加熱冷却槽3内の気体を排出して、加熱冷却槽3を大気圧未満に減圧する機能を有し、減圧排気ライン48と、この減圧排気ライン48に設けた減圧排気制御弁49,真空ポンプ50とを含んで構成されている。
【0063】
排水手段38は、加熱冷却槽3内底部に貯留した水を排出する機能を有し、排水ライン51と、この排水ライン51に設けた排水制御弁52とを含んで構成されている。
【0064】
また、制御手段8は、予め記憶している制御手順(プログラム)により、冷却手段7の故障を検出する手段としての第一検出器53,第二検出器54と、加熱冷却槽3内の温度を検出する温度センサ55,冷却手段7の故障時のバックアップ冷却運転(以下、バックアップ運転という。)をするか、しないかのユーザーによる選択の機能(選択手段としての機能)や各種設定を行う設定入力手段56などからの信号を入力して、給水手段4,循環手段6,冷却手段7,排気手段35,加圧手段36,減圧排気手段37,排水手段38などを制御して、図2および図3に示す制御手順を実行する。符号57は、制御手段8の出力を表示する表示手段である。図2の破線は、制御手段8と各構成要素とを結ぶ制御信号線を示している。
【0065】
第一検出器53は、送風機53の過電流検出用のセンサであり、第二検出器54は、第二循環ポンプ19の過電流検出用のセンサである。設定入力手段56は、この実施例1では液晶パネルで実現される。表示手段57は、設定入力手段56と一体的に構成できる。
【0066】
制御手段8による制御手順には、食品2を加圧状態で加熱殺菌する殺菌と、冷却手段7を作動させて食品2を冷却する第一冷却と、冷却手段7を作動させないで食品2を冷却する第二冷却(バックアップ運転)とを行う手順と、第一検出器53の検出値が第一設定値以上となると送風機23が異常であり、第二検出器54の検出値が第二設定値以上となると第二循環ポンプ19が異常であると判定し、いずれかの異常判定時に冷却手段7が故障
と判定する故障判定手順と、バックアップ運転をする(「バックアップ冷却有り」)か、バックアップ運転をしない(「バックアップ冷却無し」)かの選択を受け入れる手順とを含んでいる。
【0067】
そして、この制御手順には、第二冷却の選択と、冷却手段7の故障の有無とに応じて、第一冷却を行う制御と、第二冷却を行う制御と、第一冷却および第二冷却を行わない制御とを選択的に実行する手順を含んでいる。
【0068】
殺菌の前には、給水手段4を作動させて加熱冷却槽3へ水を所定量供給する給水工程が行われる。そして、殺菌の後に行われる第一冷却は、冷却手段7および循環手段6を作動させて給水された水を循環させる循環工程を含んで構成されている。
【0069】
給水工程は、食品2が浸漬しない程度に加熱冷却槽3内に所定量の水を供給するものである。給水工程の終了は、図示省略の水位センサによって加熱冷却槽3内の設定水位を検出後、タイマの所定時間の計時終了によって行う。また、循環工程の終了は、タイマの所定時間の計時終了によって行うように構成している。
【0070】
第二冷却は、給水手段4を作動させて加熱冷却槽3へ水を所定量供給する給水工程と、この給水工程後に行われ、循環手段6を作動させて給水された水を循環させる循環工程と、加熱冷却槽3内の水を排出する排水工程とを含んで構成されている。排水工程は、前記循環工程終了後に行う方式をとっている。そして、給水工程−循環工程−排水工程を1セットとして設定回数だけ繰り返すように構成している。
【0071】
この第二冷却における給水工程の終了は、殺菌前の給水工程と同様に、図示省略の水位センサによって加熱冷却槽3内の設定水位を検出後、タイマの所定時間の計時終了によって行う。また、循環工程の終了は、タイマの所定時間の計時終了によって行い、排水工程の終了は、図示省略の水位センサによって加熱冷却槽3内の設定水位(給水工程の設定水位より低い水位)を検出後、タイマの所定時間の計時終了によって行う。
【0072】
<実施例1の動作>
以下に、この実施例1の動作を図面に基づき説明する。運転開始に先立って、加熱冷却槽3内に食品2を収容して、加熱冷却槽3を密閉状態としておく。運転開始時、バイパス制御弁25および排気制御弁44を除くその他の弁は閉じた状態にある。バイパス制御弁25は、第一冷却中のみ閉じるように制御され、循環制御弁26,26が開くタイミングで閉じ、循環制御弁26,26が閉じるタイミングで開く。そして、バイパス制御弁25は、クーリングタワー18の凍結防止運転中開く。
【0073】
(前処理)
図2を参照して、設定入力手段56にて運転開始を指示すると、処理ステップS1(以下、処理ステップSNを単にSNと称する。)において、制御手段8は、冷却手段7が故障かどうかを確認する。故障の判定は、前記故障判定手順により行われる。冷却手段7が故障と判定されると、「故障有り」のフラグが、故障が判定されないと、「故障無し」のフラグが制御手段8のメモリ(図示省略)に記憶されるとともに、「故障有り」の場合に表示手段57にて「故障有り」を表示し、ユーザーに各種設定を促す表示を行う。
【0074】
S2において、ユーザーは、「バックアップ設定有り」か「バックアップ設定無し」)かの選択や、第二冷却の前記設定回数や、第二冷却の各設定時間などを設定入力を受け付ける。「バックアップ設定有り」は、殺菌工程に入る前に冷却手段7が故障していても、また殺菌工程中など加熱殺菌装置1の作動中に冷却手段7が故障しても加熱殺菌装置1を稼動させたい場合に選択するものである。なお、第一冷却および殺菌の時間等は、S1の
前の設定入力(図示省略)のステップで入力を受け付けるように構成している。
【0075】
S2の設定入力を終えると、S3へ移行して、「バックアップ設定無し」,かつ「故障有り」かどうかを判定する。
【0076】
S3では、YESが判定されると、加熱殺菌装置1の運転を開始せず、S1に戻る。
【0077】
S3でNOが判定されると、S4へ移行して、給水工程を開始する。給水工程では、給水制御弁13を開き、給水ポンプ12を駆動して(給水手段4の作動)、加熱冷却槽3内に給水タンク10内の水を供給する。加熱冷却槽3内への水の供給は、加熱冷却槽3内の水位とタイマにより制御され、所定量が供給されると、給水制御弁13を閉じ、給水ポンプ12を停止して(給水手段4の作動停止)、S5へ移行する。
【0078】
S5では、第一循環ポンプ15を駆動して、加熱冷却槽3内の水を加熱冷却槽3と熱交換器5との間で循環させる循環工程を開始する(循環手段6の作動)。
【0079】
(殺菌工程)
そして、循環工程を開始してから所定時間後、S6において、循環手段6を作動させながら、殺菌工程を開始する。殺菌工程では、給蒸制御弁29および排蒸制御弁31を開き、給蒸ライン28を通して熱交換器へ高温蒸気を供給し、ここで第一循環水を加熱する。加熱された第一循環水は、散水器9,9から食品2に向けて散水され、食品2を加熱殺菌する。熱交換器5にて凝縮した水は、排蒸ライン30を通して排水される。
【0080】
殺菌工程中、加圧制御弁47を開き、加熱冷却槽3内を大気圧を超える所定圧力に加圧している(加圧手段36の作動)。制御手段8は、図示省略の圧力センサの信号を入力して加熱冷却槽3内の圧力を所定値に制御する。この加圧は、食品3の破裂を防止するためである。また、殺菌工程中の加熱冷却槽3内の温度は、給蒸制御弁29の開度を調節することで行っている。
【0081】
殺菌工程は、加熱冷却槽3内の温度,すなわち温度センサ55の検出温度が設定温度以上になってから設定時間が経過すると、循環手段6の作動および加圧手段36の作動を継続しながら、給蒸制御弁29および排蒸制御弁31を閉じて(加熱手段27の作動停止)終了する。
【0082】
殺菌工程が終了すると、冷却工程に入るが、その前にS7において、S1で説明した冷却手段7の故障確認を行い、「故障有り」かどうかを判定する。故障がない場合は、S9へ移行して通常の第一冷却を行う。
【0083】
(第一冷却)
S9では、循環手段6および加圧手段36の作動を継続しながら、冷却手段7を作動させる。すなわち、循環制御弁26、26を開き、バイパス制御弁25を閉じて、第二循環ポンプ19および送風機23を駆動する。この冷却手段7の作動により、クーリングタワー18で冷却された第二循環水が熱交換器5へ供給され、ここで第二循環水により第一循環水を間接熱交換により冷却する。冷却された第一循環水は、散水器9,9から食品2に向けて散水され、食品2を冷却する。
【0084】
設定時間が経過すると、加圧手段36を作動させた状態で、循環手段6および冷却手段7の作動を停止して、循環制御弁26、26を閉じ、第二循環ポンプ19および送風機23を停止(冷却手段7の作動停止)して第一冷却を終了して、S11の排水工程へ移行する。
【0085】
(後処理)
S11では、排水制御弁52を開き(排水手段38の作動)、加熱冷却槽3内の正圧を利用して、加熱冷却槽3内の水を排水ライン51を通して排水する排水工程を行う。排水工程を所定時間だけ継続すると、排水制御弁52を開いたまま排水工程を終了し、S12の排気工程へ移行する。
【0086】
S12では、加圧手段36の作動を停止して、排水制御弁52を開いたまま、排気制御弁44を開いて、加熱冷却槽3内の加圧空気を排出する。制御手段8は、加熱冷却槽3内の圧力大気圧以下となったことを図示省略の圧力センサにより検出すると、排水制御弁52および排気制御弁44を閉じて排気工程を終了して、S13の終了処理工程へ移行する。
【0087】
S13では、制御手段8は、減圧排気制御弁49を開いて、真空ポンプ50を駆動して、加熱冷却槽3内を負圧にする。その後、減圧排気制御弁49を閉じ、真空ポンプ50を停止して、真空解除制御弁41を開いて、加熱冷却槽3内を復圧して、大気圧となったことを検出すると、運転を終了する。この状態で、食品2を取り出し可能となる。この終了処理は、加熱冷却槽3内が正圧の状態で、ユーザーが扉を開くことを防止するために行われる。
【0088】
(第二冷却)
S7で、「故障有り」が判定されると、S8へ移行して、「バックアップ設定有り」かどうかを判定する。YESが判定されると、S10の第二冷却を行う。この第二冷却の制御は、具体的には、図3で示される。
【0089】
図3を参照して、S21では、冷却手段7の作動を停止し、循環手段6および加圧手段36の作動を継続しながら、給水手段4を作動させ、温度の低い水を加熱冷却槽3内へ設定量だけ供給する。この給水工程は、第一循環水の温度を100℃以下に下げるための工程である。設定量の給水は、加熱冷却槽3内の水位とタイマにより制御される。
【0090】
設定量の給水が終了すると、S22へ移行して、循環手段7および給水手段4の作動を停止し、排水手段38を作動させ、加熱冷却槽3内の第一循環水を排出する排水工程が行われる。
【0091】
こうした前処理を行った後、給水工程(S23)−循環工程(S24)−排水工程(S25)を1セットとして設定回数だけ繰り返す。以下に、これを説明する。
【0092】
S23の給水工程では、循環手段6を作動させないで、給水手段4を作動させて、設定量の温度の低い水を加熱冷却槽3内へ供給する。
【0093】
設定時間だけ給水が行われると、S24へ移行して、循環手段6を作動させて、第一循環水の循環を行う循環工程を行う。この循環工程により、食品2が第一循環水により冷却される。
【0094】
この循環工程が設定時間行われると、循環手段6の作動を停止して、排水手段38を作動させて、加熱冷却槽3内の第一循環水を排出する排水工程を行う。この排水工程もタイマにより制御される。
【0095】
そして、この給水−循環−排水が設定回数だけ繰り返されて、S26でYESが判定されると、第二冷却を終了して、前述のS11へ移行する。
【0096】
(冷却無し)
S8で、NOが判定されると、第一冷却および第二冷却を行うことなく、S11〜S13の処理を実行して、装置の運転を終了する。この処理は、殺菌工程での殺菌温度が低い場合に実施される。
【0097】
<実施例1の効果>
この実施例1によれば、設定入力手段56により、「バックアップ設定有り」を設定することにより、冷却を含めた殺菌作業を終了させたい,冷却手段7の点検中においても冷却を含めた殺菌作業を行いたいというユーザーの要望に答えることができる。
【0098】
また、この実施例1では、「バックアップ設定有り」「バックアップ設定無し」を選択設定する際に、冷却手段7の故障の有無を表示して、ユーザーの選択を行うようにするとともに、「バックアップ設定無し」,かつ「故障有り」の場合は、装置の運転を行わないように構成している。このため、その場の状況に応じた「バックアップ設定有り」「バックアップ設定無し」ユーザーの選択が行える効果を奏する。
【0099】
さらに、第二冷却は、給水手段4を作動させて加熱冷却槽3へ水を所定量供給する給水工程と、循環手段6を作動させて給水された水を循環させる循環工程と、加熱冷却槽3内の水を排出する排水工程とを所定回数繰り返し行うように構成しているので、短時間で効果的な冷却を行うことができる。実施例1の装置を用いた実験によると、食品2の殺菌温度を120℃として殺菌した後の第二冷却の設定回数を3回とすることで、第一冷却と同様に約20分間で食品2温度を約30℃程度に下げることができることが確認されている。
【0100】
以上、この発明を実施形態および実施例1により説明したが、この発明は、その主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0101】
1 加熱殺菌装置
2 レトルト食品(被冷却物)
3 加熱冷却槽(冷却槽)
4 給水手段
5 熱交換器
6 循環手段
7 冷却手段
8 制御手段
56 設定入力手段(選択手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被冷却物を収容する冷却槽と、
前記冷却槽へ水を供給する給水手段と、
前記冷却槽内へ供給された水を熱交換器と前記冷却槽との間で循環させる循環手段と、
前記熱交換器を通過する水を間接熱交換により冷却する冷却手段と、
前記給水手段,前記循環手段および前記冷却手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記循環手段および前記冷却手段を作動させながら、前記冷却手段により冷却された水と被冷却物とを直接熱交換させて被冷却物を冷却する第一冷却と、
前記冷却手段を作動させることなく、前記給水手段を作動させて前記冷却槽へ供給した水と被冷却物とを直接熱交換させて被冷却物を冷却し、冷却により昇温した水を前記冷却槽から排出する第二冷却とを選択的に行うことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記第二冷却は、前記冷却手段の異常時に行うことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記第二冷却は、前記給水手段を作動させて前記冷却槽へ水を所定量供給する給水工程と、前記循環手段を作動させて給水された水を循環させる循環工程と、前記冷却槽内の水を排出する排水工程とを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記排水工程が、前記循環工程終了後に行われ、前記給水工程,前記循環工程および前記排水工程が複数回行われることを特徴とする請求項3に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記第二冷却を行うかどうかの選択手段を備え、
前記制御手段は、前記第二冷却を行わないとの選択がなされた時、前記第二冷却を行わないことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の冷却装置を備え、
加熱手段により被冷却物を加熱殺菌する殺菌を前記第一冷却の前に行うことを特徴とする加熱殺菌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−234658(P2011−234658A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107867(P2010−107867)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【Fターム(参考)】