説明

冷却装置付きラック

【課題】ラック内部全体を低温に保つことができ、当該ラック内に搭載された装置の冷却方式に係わらず、当該装置内部を効率よく冷却することが可能な冷却装置付きラックを提供する。
【解決手段】電子機器を収納する収納部20に配設され且つ収納部20内を外部に対し閉鎖または開放する扉30、40を備えたラック本体10と、ラック本体10に配設され、ラック本体10内を冷却する冷却媒体を循環させる冷却媒体循環路25と、ラック本体10内に配設されると共に、冷却媒体循環路25に接続され、前記冷却媒体を冷却する冷却装置50とを備えてなる冷却装置付きラック1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に収納した電子機器等を冷却することができる冷却装置付きラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ラック内部に電子機器が収納されてなるラックマウント搭載型情報処理装置では、収納された電子機器等から発生される熱が当該ラック内部にこもり、当該ラック内部が外部よりも高温になり易くなることが知られている。特に、1つのラックの内部に複数の電子機器を搭載するタイプの場合、この現象は顕著である。そこで、前記ラック内を冷却する様々な方法や、冷却装置、あるいは冷却装置付きラック等が紹介されている。
【0003】
このような冷却方法として、例えば、コンパクトラック内に水冷構成を有し、水冷装置内蔵のキャビネットを構成する複数の柱内に水冷用冷却媒体の流路を設け、少なくとも1つの柱からラック内へ冷却媒体を供給し、ラック内で熱を吸収した冷却媒体を残る柱のうち少なくとも1つの柱へ流出し各情報処理装置を冷却する方法が紹介されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、冷却装置付きラックとして、例えば、発熱部と、前記発熱部から受熱した熱を放出する放熱部とを有するラックマウント方式の複数のサーバモジュールと、冷媒が気化する蒸発器を有し、前記冷媒による潜熱を利用した熱交換器による冷却装置とを有し、前記複数のサーバモジュールの前記放熱部と前記冷却装置の前記蒸発器とを接続し、前記複数のサーバモジュールの前記発熱部の熱を前記冷却装置によって放熱するラックマウントサーバシステムが紹介されている。(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
そしてまた、ラックを冷却する装置として、例えば、複数の情報処理装置を収容したラックと、このラック内に収容されて前記情報処理装置を冷却する冷却機とを備え、前記冷却器が、圧縮機と凝縮器と絞り装置と蒸発器とからなる冷媒回路を形成する熱源機及び前記熱源機の蒸発器と熱交換するように構成され、この冷却機を前記ラック内におけるホットスポットの近傍に配設したラックマウント式冷却装置が紹介されている。(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
さらにまた、冷却水により通過する空気を冷却するラジエターと、ラック内へ空気を送り込むファンと、前記ラジエターへ送水する冷却水を冷却する二次冷却器とを備え、前記ファンにより、前記ラジエターを通過させて冷却した外気を前記ラック内へ送り込むことで、各種電気機器を内蔵するラック内の温度上昇を抑制するラック冷却装置も紹介されている。(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−374086号公報
【特許文献2】特開2004−363308号公報
【特許文献3】特開2006−114669号公報
【特許文献4】特開2008−192768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載された冷却方法は、情報処理装置の機能単位を各ラックに搭載してキャビネットに段積みするラックマウント実装方式における冷却方法であり、水冷による冷却機構を備え、冷却媒体が流れ込む(循環させる)ラックを備えていることから、キャビネットに搭載される装置が水冷式の冷却方式を採用している必要がある。また、空冷による冷却方式を採用しており、冷却媒体が流れ込まないラックもキャビネットに搭載可能であるが、この場合、冷却媒体がラック内に流れ込まないため、十分な冷却効果を得ることができない可能性がある。
【0009】
また、特許文献2に記載されたラックマウントサーバシステムは、発熱部を有するラックマウント方式である複数のサーバモジュールの冷却方法を液冷とし、冷却液によって発熱部の熱を装置外部に設けた放熱部に輸送し、冷媒の気化部である蒸発器とサーバモジュールの放熱部とを接続することで熱を吸収させることから、搭載される装置が水冷式の冷却方式を採用している必要がある。
【0010】
さらにまた、特許文献3に記載されたラックマウント式冷却装置は、冷却機をラック内におけるホットスポットの近傍に配設することで、ラック内を部分的に冷却するものであり、ラック内全体を冷却する構成を有していない。
【0011】
また、特許文献4に記載されたラック冷却装置は、ラジエターと冷却水により冷却した空気をラック内部に送風する装置であり、ラック内部に形成した流路に冷媒を循環させる構成は備えていない。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、ラック内部全体を低温に保つことができ、当該ラック内に搭載された装置の冷却方式に係わらず、当該装置内部を効率よく冷却することが可能な冷却装置付きラックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するため本発明は、内部に搭載した電子機器を冷却する冷却装置が配設されてなる冷却装置付きラックであって、前記電子機器を収納する収納部と、当該収納部に配設され且つ当該収納部内を外部に対し閉鎖または開放する扉と、を備えたラック本体と、前記ラック本体に配設され、当該ラック本体内を冷却する冷却媒体を循環させる冷却媒体循環路と、前記ラック本体内に配設されると共に、前記冷却媒体循環路に接続され、前記冷却媒体を冷却する冷却装置とを備えてなる冷却装置付きラックを提供するものである。
【0014】
この構成を備えた冷却装置付きラックは、冷却装置により冷却された冷却媒体が冷却媒体循環路を循環することで、ラック本体の内部全体を低温に保つことができる。したがって、ラック本体内に搭載された装置の内部に、常に低温の空気を取り込むことができ、当該装置を効率よく冷却することができる。また、収納部内に電子機器を収納するため、当該電子機器を冷却する方式に係わらず、当該装置内部を効率よく冷却することができる。そしてまた、収納部に扉を配設したため、収納部内への装置の搭載や、ケーブル配線等、あるいは、収納部内に搭載された装置の保守点検等を簡単に行うことができる。さらにまた、収納部内に搭載された装置を簡単に取り除くこともできる。
【0015】
また、本発明に係る冷却装置付きラックの一態様として、前記冷却媒体循環路を、前記収納部を画定する側壁に配設することができる。このように構成することで、前記利点に加え、収納部内への装置の搭載や、ケーブル配線等、あるいは、収納部内に搭載された装置の保守点検等を、扉を開いて行う際に、前記冷却媒体循環路がこれらの作業の妨げになることを防止することができる。
【0016】
そしてこの構成の場合、前記冷却媒体循環路は、前記側壁全体にわたって配設することができる。このように構成することで、前記利点に加え、ラック本体の内部全体をより広範囲にわたって効率よく冷却することができる。したがって、ラック本体内に搭載された装置の内部をさらに効率よく冷却することができる。
【0017】
また、本発明に係る冷却装置付きラックは、前記ラック本体内の温度を測定する温度センサと、前記温度センサで測定された温度に応じて、前記冷却媒体の循環量を制御する制御手段とをさらに備えることができる。このように構成することで、前記利点に加え、ラック本体の内部温度が所望の設定温度よりも高い場合、冷却媒体の循環量を増やすことができ、当該ラック本体の内部を効率よく冷却することができる。一方、ラック本体の内部温度が、所望の設定温度付近あるいは所望の設定温度よりも低い場合、冷却媒体の循環量を減らすことができ、ラック本体の内部が必要以上に冷却されることを防止し、不必要なエネルギーが消費されることを抑制することができる。
【0018】
さらにまた、本発明に係る冷却装置付きラックは、前記ラック本体内の温度を測定する温度センサと、前記温度センサで測定された温度に応じて、前記冷却媒体の温度を制御する制御手段とをさらに備えことができる。このように構成することで、前記利点に加え、ラック本体の内部温度が所望の設定温度よりも高い場合、冷却媒体の温度を下げることができ、当該ラック本体の内部を効率よく冷却することができる。一方、ラック本体の内部温度が、所望の設定温度付近あるいは所望の設定温度よりも低い場合、冷却媒体の温度が必要以上に下がることを防止することができ、不必要なエネルギーが消費されることを抑制することができる。
【0019】
そしてまた、本発明に係る冷却装置付きラックは、前記温度センサを複数有し、当該複数の温度センサを、互いに間隔をおいた異なる位置に各々配設した構成を有することもできる。このように構成することで、ラック本体の内部の温度をさらにムラなく測定することができ、前記制御手段による冷却媒体の循環量制御、あるいは冷却媒体の温度制御をより精度良く行うことができる。
【0020】
また、本発明に係る冷却装置付きラックは、前記収納部と前記扉との間に、シール部材を配設することもできる。このように構成することで、前記利点に加え、ラック本体内の気密性を向上することができ、ラック本体の外部に冷却された空気が漏れ出すことを防止することができると共に、ラック本体の内部が、外部の熱の影響を受けることを防止することができる。したがって、ラック本体の内部の冷却効率をさらに向上させることができる。また、ラック本体内の気密性が向上することで、内部で発生する音が外部に漏れることも防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ラック内部全体を低温に保つことができ、当該ラック内に搭載された装置の冷却方式に係わらず、当該装置内部を効率よく冷却することが可能な冷却装置付きラックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る冷却装置付きラックの斜視図である。
【図2】図1に示す冷却装置付きラック内の温度を制御するための機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す冷却装置付きラック内の温度を制御するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施形態に係る冷却装置付きラックについて図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
【0024】
図1は、本実施形態に係る冷却装置付きラックの斜視図、図2は、図1に示す冷却装置付きラック内の温度を制御するための機能的構成を示すブロック図、図3は、図1に示す冷却装置付きラック内の温度を制御するためのフローチャートである。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
【0025】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る冷却装置付きラック1は、電子機器を収納するラック本体10と、ラック本体10内に配設された冷却装置50とを備えている。
【0026】
ラック本体10は、電子機器を収納する収納部20と、収納部20に配設され且つ収納部20の内部を外部に対し閉鎖または開放する扉30及び40とを備えている。
【0027】
収納部20は、略直方体の箱形を有し、底部21と、底部21に対向して配設された天井部22と、底部21と天井部22との間に配設された側壁23と、底部21と天井部22との間であり且つ側壁23と対向して配設された側壁24とを備えている。この収納部20は、前記略直方体(箱形)の6面のうち、底部21、天井部22、側壁23及び24が配設されていない2面が開放面となっており、これらの開放面には、扉30及び40が各々配設されている。
【0028】
側壁23及び24には、冷却装置50に接続されると共に、冷却装置50によって冷却された冷却媒体を循環させ、再び冷却装置50に戻る冷却媒体循環路25が各々配設されている。この冷却媒体循環路25は、特に図1に示すように、側壁23及び24のほぼ前面にわたって、冷却媒体の循環方向を複数回変更するように蛇行した形状を有している。また、冷却媒体循環路25は、例えば、パイプ等から形成されており、内部を循環する冷却媒体(本実施形態では液体)が周囲から蒸発熱を奪い蒸発(気化)することにより冷却を行うエバポレータ(蒸発器)の機能を有している。
【0029】
扉30は、側壁24の端部に回動可能に配設されており、収納部20の一方の開放面を閉鎖可能となっている。扉40は、側壁24の扉30が配設された端部と対向する端部に回動可能に配設されており、収納部20の他方の開放面を閉鎖可能となっている。これらの扉30及び40は、開放面を閉鎖した際に、互いに対向するよう配設されている。
【0030】
収納部20の開放面を画定する各々の外周縁には、扉30及び40を閉じた際に、ラック本体10の内部の気密性を保持するガスケット31及び32が各々配設されている。また、扉30及び40には、扉30及び40を閉じた際に、ガスケット31及び32に密着してラック本体10の内部の気密性を保持するガスケット41及び42が各々配設されている。
【0031】
収納部20の内部四隅近傍には、ラック本体10の内部の温度を測定する温度センサ45a〜45hが各々配設されている。これらの温度センサ45a〜45hは、後に詳述する制御部100に接続されている。
【0032】
また、収納部20の底部21には、ラック本体10の内部に収納される電子機器に接続されるケーブルを外部に引き出すためのケーブル出入用穴33が開口されている。なお、このケーブル出入用穴33の内側にゴムガスケット(図示せず)等を配設することにより、ラック本体10の内部の冷気が、ケーブル出入用穴33を介して外部に漏れ出ることを防止することができる。
【0033】
冷却装置50は、例えば、冷蔵庫等で使用されている気化圧縮型または気化吸収型の構造を有し、ここで冷却した冷却媒体を冷却媒体循環路25に送出するための循環動力部51を備えている。冷却装置50は、後に詳述する制御部100に接続されている。
【0034】
制御部100は、各種情報を記憶する記憶部101と、温度センサ45a〜45hが測定した温度(情報)に基づいて、冷却媒体循環路25を循環する冷却媒体の循環量を決定する循環量決定部102を備えている。記憶部101には、冷却媒体循環路25を循環する冷却媒体の温度毎に、ラック本体10の内部の設定温度(維持したい温度)と温度センサ45a〜45hが測定した測定温度との差と、冷却媒体の循環量との関係を示すテーブルが記憶されており、循環量決定部102は、このテーブルから温度センサ45a〜45hが測定した温度と設定温度との差に対応した冷却媒体の循環量を決定し、決定された循環量の冷却媒体が冷却媒体循環路25を循環するように、冷却装置50の循環動力部51の駆動を制御するようになっている。
【0035】
このように、冷却媒体循環路25が側壁23及び24のほぼ前面にわたって配設されているため、ラック本体10の内部全体にわたって効率よく冷却することができると共に、ガスケット31、32、41及び42、ケーブル出入用穴33の内側に配設されたゴムガスケット等により、ラック本体10の内部の気密性を確保することができるため、冷却用のファン等を別途設置しなくても、ラック本体10の内部全体を低温に維持することができる。また、所望により冷却用のファン等を設置する場合、従来設置していたファンよりも回転数の低いファンを設置しても、十分な冷却を行うことができる。さらに、ラック本体10の内部の気密性が確保されることで、電子機器から生じる音がラック本体10の外部に漏れることを防止することができ、騒音防止効果を向上することもできる。
【0036】
次に、本実施形態に係る冷却装置付きラック1の具体的動作について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0037】
ラック本体10の扉30及び40を開け、収納部20の所定位置に電子機器(1台であっても複数台であってもよい)を設置し、当該電子機器にケーブル等を接続すると共に、当該ケーブルをケーブル出入用穴33を介して外部に引き出す等、必要な作業を終了した後、扉30及び40を閉める。この時、冷却媒体循環路25は、側壁23及び24に配設されているため、扉30及び40を開けて作業を行っても、冷却媒体循環路25が作業の妨げになることが殆どない。
【0038】
このようにして、ラック本体10の内部に電子機器を搭載して作動させる。この時、収納部20と、扉30及び40との間には、ガスケット31、32、41及び42が配設されているため、ラック本体10の内部の気密性を確保することができる。また、ケーブル出入用穴33の内側には、図示しないゴムガスケット等が配設されているため、この部分における空気の出入りを抑制することができる。その後、ステップS101に進む。
【0039】
先ず、ステップS101では、ラック本体10の内部の温度を設定する。本実施形態では、一般的な電子機器の動作可能範囲温度であること、電子機器が既に搭載されているラック本体10の扉30及び/または40を開けた際に、ラック本体10の内部と外部との温度差により結露が発生しないこと等を考慮して、ラック本体10の内部の温度を約10℃に設定した。その後、ステップS102に進む。
【0040】
次に、ステップS102では、制御部100が、ステップS101で設定した温度(約10℃)に維持するために冷却媒体循環路25を循環させる冷却媒体の循環量を決定し、決定された循環量の冷却媒体が冷却媒体循環路25を循環するように、冷却装置50の循環動力部51の駆動を制御する。その後、ステップS103に進む。
【0041】
次に、ステップS103では、温度センサ45a〜45hによりラック本体10の内部を測定し、この測定温度を記憶部101に記憶させる。その後、ステップS104に進む。
【0042】
次に、ステップS104では、制御部100が、ステップS103で記憶部101に記憶された測定温度と、予め設定した温度(約10℃)を比較する。前記測定温度が、予め設定した温度(約10℃)と同じ(ステップS104:YES)場合は、冷却媒体循環路25を循環させる冷却媒体の循環量を変更せずに終了する。一方、前記測定温度が、予め設定した温度(約10℃)と異なる(ステップS104:NO)場合は、ステップS105に進む。
【0043】
次に、ステップS105では、記憶部101に記憶されている前述したテーブルに基づいて、冷却媒体循環路25を循環させる冷却媒体の循環量を決定し、決定された循環量の冷却媒体が冷却媒体循環路25を循環するように、冷却装置50の循環動力部51の駆動を制御する。前記測定温度が、予め設定した温度(約10℃)よりも高い場合は、ラック本体10の内部の温度を効率よく下げる必要があるため、冷却媒体循環路25を循環させる冷却媒体の循環量が増加するように変更されることになる。一方、前記測定温度が、予め設定した温度(約10℃)よりも低い場合は、冷却媒体の循環を停止する。
【0044】
なお、本実施形態では、ラック本体10の内部の設定温度と、温度センサ45a〜45hで測定された温度との差に応じて、冷却媒体循環路25を循環する冷却媒体の循環量を変更することで、ラック本体10の内部温度を低温に維持する場合について説明したが、これに限らず、例えば、温度センサ45a〜45hで測定された温度に応じて、冷却媒体循環路25を循環する冷却媒体の温度を変更することでラック本体10の内部温度を低温に維持してもよい。この場合、記憶部101に、冷却媒体循環路25を循環する冷却媒体の循環量毎に、ラック本体10の内部の設定温度(維持したい温度)と温度センサ45a〜45hが測定した測定温度との差と、冷却媒体の温度との関係を示すテーブルを記憶させておけばよい。
【0045】
また、本実施形態では、側壁23及び24に冷却媒体循環路25を配設した場合について説明したが、これに限らず、冷却媒体循環路25は、所望により天井部22や扉30及び40等に配設してもよい。また、冷却媒体循環路25の形状も所望により決定することができる。
【符号の説明】
【0046】
1…ラック、 10…ラック本体、 20…収納部、 23、24…側壁、 25…冷却媒体循環路、 30、40…扉、 31、32、41、42…ガスケット、 33…ケーブル出入用穴、 50…冷却装置、 51…循環動力部、 100…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に搭載した電子機器を冷却する冷却装置が配設されてなる冷却装置付きラックであって、
前記電子機器を収納する収納部と、当該収納部に配設され且つ当該収納部内を外部に対し閉鎖または開放する扉と、を備えたラック本体と、
前記ラック本体に配設され、当該ラック本体内を冷却する冷却媒体を循環させる冷却媒体循環路と、
前記ラック本体内に配設されると共に、前記冷却媒体循環路に接続され、前記冷却媒体を冷却する冷却装置と、
を備えてなる冷却装置付きラック。
【請求項2】
前記冷却媒体循環路は、前記収納部を画定する側壁に配設されてなる請求項1記載の冷却装置付きラック。
【請求項3】
前記冷却媒体循環路は、前記側壁全体にわたって配設されてなる請求項2記載の冷却装置付きラック。
【請求項4】
前記ラック本体内の温度を測定する温度センサと、
前記温度センサで測定された温度に応じて、前記冷却媒体の循環量を制御する制御手段と、
をさらに備えた請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の冷却装置付きラック。
【請求項5】
前記ラック本体内の温度を測定する温度センサと、
前記温度センサで測定された温度に応じて、前記冷却媒体の温度を制御する制御手段と、
をさらに備えた請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の冷却装置付きラック。
【請求項6】
前記温度センサを複数有し、当該複数の温度センサは、互いに間隔をおいた異なる位置に各々配設されてなる請求項4または請求項5記載の冷却装置付きラック。
【請求項7】
前記収納部と前記扉との間に、シール部材を配設してなる請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の冷却装置付きラック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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