説明

冷却装置

【課題】 冷却性能や配置レイアウトの自由度を向上させることができる冷却装置を提供する。
【解決手段】ケース41と、ケース41内に送風する外部送風手段たる外部ファン43と、内部送風手段たる冷却ファン33と放熱手段である放熱器32とを組合わせてなる冷却モジュール31とを備え、外部ファン43と冷却モジュール31により発熱体であるダイオードスタック22やIGBT27の放熱を行なう。ダイオードスタック22やIGBT27からの熱を受けて高温になる放熱器32に冷却ファン33が組み込まれ、その放熱器32を強制冷却することから、外部ファン43からの送風で放熱器を冷却することと相俟って、冷却能力の向上を図ることができる。また冷却性能が向上した分、放熱器32や外部ファン43を縮小化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風手段を有する冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の冷却装置として、例えば特許文献1や特許文献2には、回転する送風手段とケーシングとを備えたものが開示されている。
【0003】
また、別な特許文献3には、発熱体と放熱手段をケース内に配置し、外部送風手段からの送風で冷却を行なうものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭62−16791号公報
【特許文献2】特開2001−3900号公報
【特許文献3】特開2006−78534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記構成において、冷却装置を必要とする製品では高性能化が求められており、冷却装置における冷却性能の向上や低騒音化が必須なものとなっている。
【0006】
また従来構造では、理想的な位置に放熱手段を配置することができず、放熱効率が悪くなって、発熱体や放熱手段の配置レイアウトを何度も変更する不具合があった。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑み、冷却性能や配置レイアウトの自由度を向上させることができる冷却装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の冷却装置では、発熱体からの熱を受ける放熱手段に内部送風手段が組み込まれ、その放熱手段を冷却することから、外部送風手段からの送風で放熱手段を冷却することと相俟って、冷却能力の向上を図ることができる。また冷却性能が向上した分、放熱手段の配置レイアウトに、より多くの自由度を持たせることができる。
【0009】
請求項2の冷却装置では、風路をダクトによって形成することで、外部送風手段からの送風を冷却モジュールに導き、冷却装置として冷却能力を一層高めることができる。
【0010】
請求項3の冷却装置では、熱伝達部材によって発熱体からの熱を冷却モジュールに導くことができるため、発熱体の配置レイアウトに左右されることなく、発熱体を効果的に放熱させることが可能になる。
【0011】
請求項4の冷却装置では、冷却モジュールを前記発熱体の冷却に用いることで、外部送風手段からの送風路に対して、放熱手段の配置の影響を受けにくくすることが可能になる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の構成によれば、冷却性能や配置レイアウトの自由度を向上させることができる。
【0013】
請求項2の構成によれば、冷却装置として冷却能力を一層高めることができる。
【0014】
請求項3の構成によれば、発熱体を効果的に放熱させることが可能になる。
【0015】
請求項4の構成によれば、放熱手段の配置の影響を受けにくくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例における冷却装置の全体斜視図である。
【図2】同上、正面図である。
【図3】同上、図2のA−A線断面図である。
【図4】本実施例と従来例との風量−静圧特性を示すグラフである。
【図5】本実施例と従来例との最大風量−騒音特性を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施例を示す誘導加熱装置の回路図である。
【図7】同上、冷却モジュールとその周辺の平面図である。
【図8】同上、冷却モジュールとその周辺の側面図である。
【図9】同上、冷却装置の全体構成をあらわした平面図である。
【図10】同上、別な例を示す冷却装置の全体構成をあらわした平面図である。
【図11】同上、さらに別な例を示す冷却装置の全体構成をあらわした平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明における冷却装置の好ましい実施例を説明する。図1及び図2は、冷却装置としての角形軸流ファンモータ1の外観構成を示すもので、2は回転するファン、3はファンモータ1の外郭をなす略角形のケーシングである。ファン2は周知のように、カップ状をなすロータ4の周囲に何れも同一形状をなす複数枚のブレード5を備えて構成され、ここでは図示しないが、ファン2の中心にあるシャフトが、ケーシング3に設けられた軸受に軸支される。そして、ロータ4の内周面に取付けられたマグネット(図示せず)と、後述する駆動源たるモータ部6との電磁作用により、前記シャフトを中心としてファン2が回転するようになっている。
【0018】
ここで図3を参照しながら、前記ファン2やケーシング3の構造をさらに詳しく説明する。ファン2のブレード5は、ロータ4の外周面より軸流路16の内面に向けて延設するブレード本体5Aと、このブレード本体5Aの一側において、当該ブレード本体5Aよりもさらに外周方向に延設する舌片状のオーバーラップ部5Bとにより形成される。
【0019】
ケーシング3は、その外周をなす枠状の外ケース部11と、前記軸受を保持する中央部12とを、連結部であるスポーク13によって結合した構造を有している。また外ケース部11の一側には、吸込側ベルマウス14が形成されると共に、外ケース部11の他側には、吐出側ベルマウス15が形成される。吸込側ベルマウス14は、前記ファン2の回転に伴い周辺の空気をケーシング3内に吸込む吸込口14Aを有すると共に、その吸込口14Aに向けてテーパー状に広がる傾斜面14Bとを有する。また吐出側ベルマウス15は、吸込口14Aからファン2を通過した空気を、ケーシング3の外部に吐き出す吐出口15Aを有すると共に、その吐出口15Aに向けてテーパー状に広がる傾斜面15Bを有する。
【0020】
吸込口14Aを含めた吸込側ベルマウス14と、吐出口15Aを含めた吐出側ベルマウス15は、回転するファン2の軸方向に沿って配置され、これらの吸込側ベルマウス14と吐出側ベルマウス15との間に位置して、ケーシング3内にはファン2を回動可能に収納する円筒状の軸流路16が形成される。軸流路16の内径寸法は、吸込側ベルマウス14に傾斜面14Bが設けられている関係で、吸込口14Aの内径寸法よりも狭く、また吐出側ベルマウス15に傾斜面15Bが設けられている関係で、吐出口15Aの内径寸法よりも狭く形成される。
【0021】
本実施例で注目すべき点は、ブレード5の外周部に相当するオーバーラップ部5Bが、吸込側ベルマウス14にオーバーラップしていること、及び軸流路16の内面を基準として、この軸流路16の内面に対する吸込側ベルマウス14の傾斜面14Bの角度αが、40°±10°に形成されていることである。
【0022】
より具体的に説明すると、ブレード5のオーバーラップ部5Bは、軸流路16の内面に連なる吸込側ベルマウス14の傾斜面14B基端よりも外方に位置して、いわば双方が重なり合うようにオーバーラップしている。また、ブレード本体5Aの外端は軸流路16の内面に非接触で近接対向する一方で、オーバーラップ部5Bの外端は、吸込側ベルマウス14の傾斜面14Bに非接触で近接対向するように配置される。この吸込側ベルマウス14に重なり合うオーバーラップ部5Bを設けたことにより、ファン2の回転時において、吸込側ベルマウス14の吸込口14Aから傾斜面14Bに沿って吸込まれる空気が、吸込口14Aの縁部で回り込むのを防止でき、吸込側ベルマウス14から軸流路16側に空気を円滑に導くことが可能になる。
【0023】
また、吸込側ベルマウス14の傾斜面14Bは、その軸方向の拡がり角度αが40°±10°に形成される。これは様々な角度αで実験した結果から、静圧や騒音に関して好ましい特性が得られた範囲である。なお、実験結果の詳細については後ほど説明する。
【0024】
次に、上記構成についてその作用を説明する。モータ部6への通電によって、シャフトを中心にファン2が回転すると、吸込側ベルマウス14の吸込口14Aから吸込んだ空気を、軸流路16から吐出側ベルマウス15の吐出口15Aに吐出するような空気の流れが形成される。ここで、吸込側ベルマウス14の吸込口14Aから吸込まれる空気は、傾斜面14Bに近接対向するブレード5のオーバーラップ部5Bによって、吸込口14Aの縁部で回り込むことなく、そこから所定の角度α(=40°±10°)を有する傾斜面14Bに沿って、高静圧及び低騒音を維持しながら、乱流を発生することなく所望の風量で速やかに軸流路16側に掻き込まれる。そしてこの空気は、軸流路16から吐出側ベルマウス15の傾斜面15Bに沿って、最終的には吐出口15Aからケーシング3の外部に吐き出されることになるため、冷却装置として高風量,高静圧化及び低騒音化を実現することが可能になる。
【0025】
次に、本実施例と従来例における冷却装置の特性比較を、図4及び図5のグラフを参照しながら説明する。これらの各図において、従来例の冷却装置は、上述したようなオーバーラップ部5Bがブレード5に形成されてはおらず、また傾斜面14Bの角度αは30°未満に形成される。図4に示すように、本実施例の冷却装置は従来例の冷却装置よりも優れた風量−静圧特性を有しており、同一風量であればより高静圧で、また同一静圧であればより高風量であることがわかる。また図5に示すように、本実施例の冷却装置は従来例の冷却装置よりも優れた最大風量−騒音を有しており、同一最大風量であればより低騒音であることがわかる。
【0026】
以上のように本実施例では、回転する送風手段としてのファン2と、ケーシング3とを備えた冷却装置において、ケーシング3に形成したベルマウスたる吸込側ベルマウス14の吸込側外周を40°±10°の角度αで形成し、このファン2の外周であるオーバーラップ部5を吸込側ベルマウス14にオーバーラップさせている。
【0027】
このように、吸込側ベルマウス14の吸込側外周である傾斜面14Bを40°±10°の角度αで形成することで、それ以外の角度αで吸込側ベルマウス14の傾斜面14Bを形成するよりも優れた静圧および騒音特性を得ることができる。また、ファン2の外周であるオーバーラップ部5Bを吸込側ベルマウス14にオーバーラップさせることで、傾斜面14Bを有するベルマウス形状に沿って斜め方向に吸込まれる空気が、吸込口14Aの縁部で回り込んで、乱流が発生するのを防止し、騒音悪化や風量低下を防ぐことができる。その結果、高風量,高静圧化及び低騒音化を実現した冷却装置を提供できる。
【0028】
次に、本発明の第2実施例について、図6〜図11を参照しながら説明する。先ず、本実施例で提案する冷却装置の冷却対象として、誘導加熱装置の回路構成を図6に基づき説明する。同図において、21は交流電源、22は整流器たるダイオードスタック、23,24は平滑回路を形成するチョークコイルと平滑コンデンサ、25は誘導加熱コイル、26は誘導加熱コイル25と共にLC共振回路を形成する共振コンデンサ、27はスイッチング素子に相当するIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)である。ここでは、誘導加熱を制御するのに制御基板(図示せず)に取り付けられたダイオードスタック22やIGBT27が、発熱部品としての発熱体に相当する。
【0029】
ダイオードスタック22は、交流電源21からの電源電圧を全波整流して直流に変換し、その直流電圧をチョークコイル23と平滑コンデンサ24で平滑する。そして、この平滑した直流電圧からIGBT27をスイッチングすることで生成した高周波電流を、誘導加熱コイル25と共振コンデンサとの並列共振回路に流すことで、誘導加熱コイル25に近接する図示しない負荷を誘導加熱する構成となっている。なお、図6に示す誘導加熱装置の構成はあくまでも一例であり、IGBT27以外のスイッチング素子を用いてもよいなど、種々の変更が可能である。
【0030】
次に、本実施例における冷却装置の特徴を、図7以降に順次説明する。冷却モジュール31とその周辺の構成を示す図7及び図8において、前記誘導加熱装置を構成するダイオードスタック22とIGBT27は、発熱体として放熱器32に直接取付けられる。放熱器32は熱伝導性の良好な例えばアルミニウムなどの金属材料で形成され、ダイオードスタック22やIGBT27からの熱が速やかに伝達するように設けられている。また、放熱器32には、例えば前記図1で示すような構造の冷却装置としての冷却ファン33が組み込まれ、放熱器32を強制空冷する。これらの放熱器32と冷却ファン33とにより、ダイオードスタック22やIGBT27の放熱を行なう冷却モジュール31が構成される。
【0031】
図7や図8には、冷却ファン33の送風方向が矢印で示されている。冷却ファン33は空気を吸込むための吸込口33Aと、空気を吐き出すための吐出口33Bが、内蔵するファン(図示せず)の回転軸方向に沿って配置され、放熱器32の一側面に吐出口33Bが設けられる。放熱器32の他側面には、前記ダイオードスタック22およびIGBT27が熱的に接続しており、これらのダイオードスタック22やIGBT27から放熱器32に伝達した熱が、冷却ファン33の吐出口33Bから吐き出される空気と効果的に熱交換されるようになっている。
【0032】
図9は、本実施例の冷却装置を誘導加熱装置に組み込んだ状態を示している。同図において、41は矩形箱状のケース、42はケース41内に配置され、誘導加熱装置を搭載した基板すなわちプリント基板であり、ここではプリント基板42の一側寄りに、前記冷却モジュール31と共にダイオードスタック22やIGBT27が配設される。また、前記冷却ファン33とは別の外部ファン43がケース41の一側に設けられ、ケース41の周辺にある空気をケース41内に導入するようになっている。
【0033】
図9には、外部ファン43の送風方向が矢印で示されている。外部ファン43は空気を吸込むための吸込口43Aと、空気を吐き出すための吐出口43Bが、内蔵するファン(図示せず)の回転軸方向に沿って配置され、吐出口43Bがケース41の外面に設けられる。これにより、吸込口43Aから吸込まれた空気が、外部ファン43を通過して吐出口43Bからケース41内部の冷却モジュール31に向けて送り出され、そこで冷却ファン33によって放熱器32に向けて強制的に送風されるようになっている。
【0034】
図9に示す実施例では、ダイオードスタック22やIGBT27が発熱するのに伴い、ケース41内の放熱器32の温度が上昇するが、高温になる放熱器32に組み込んだ冷却ファン33のファンが回転駆動して、当該放熱器32を強制空冷することで、従来のような外部ファン43からの送風だけで放熱器32を冷却する構造に比べて、発熱体であるダイオードスタック22やIGBT27に対する冷却性能の向上を図ることが可能になり、またそうした冷却性能が向上した分、放熱器32や外部ファン43を縮小化できる。
【0035】
さらに、放熱器32に冷却ファン33を組み込んだ冷却モジュール31を、誘導加熱装置の発熱部品の冷却用に用いることで、外部ファン43からの送風路に対して、放熱器32の配置レイアウトの影響を受けにくくすることができる。そのため放熱器32や、ダイオードスタック22及びIGBT27を、プリント基板42上に自由に配置することができる。
【0036】
またここでは、ケース41の内部において、外部ファン43からの送風方向に冷却モジュール31を配置し、外部ファン43から送り出された空気を、冷却ファン33の吸込口33Aからそのまま取り込んで、吐出口33Bから放熱器32に当てるようにしているため、ダイオードスタック22やIGBT27を効率よく冷却できる。
【0037】
このように本実施例では、ケース41と、ケース41内に送風する外部送風手段たる外部ファン43と、内部送風手段たる冷却ファン33と放熱手段である放熱器32とを組合わせてなる冷却モジュール31とを備え、外部ファン43と冷却モジュール31により発熱体であるダイオードスタック22やIGBT27の放熱を行なう構成となっている。
【0038】
当該構成により、ダイオードスタック22やIGBT27からの熱を受けて高温になる放熱器32に冷却ファン33が組み込まれ、その放熱器32を強制冷却することから、外部ファン43からの送風で放熱器を冷却することと相俟って、冷却能力の向上を図ることができる。また冷却性能が向上した分、放熱器32や外部ファン43を縮小化でき、しかも外部ファン43の風路に対する放熱器32の配置レイアウトに、より多くの自由度を持たせることができる。
【0039】
次に、別な変形例を図10にて説明する。ここでは、外部ファン43から冷却モジュール31を経て、ケース41の外部に至る風路を区画形成するために、ケース41の内部において、外部ファン43の吐出口43Bと冷却モジュール31の一側との間に筒状のダクト45を配設し、さらに冷却モジュール31の他側とケース41の他側開口部との間に別な筒状のダクト46を配設している。この変形例では、外部ファン43からの風路を最短距離に形成するために、何れも直線筒状のダクト45,46が配置されているが、ダイオードスタック22やIGBT27の配置レイアウトなどを考慮して、ダクト45,46の一方若しくは両方を曲線状に形成してもよい。
【0040】
そしてこの例では、外部ファン43の吐出口43Bから吐出する空気が、ダクト45を通して無駄なく冷却モジュール31の冷却ファン33に給気され、放熱器32に効率よく冷風を当てることが可能になる。また放熱器32からの熱を奪った空気は、別なダクト46を通して、ケース41の内部に放散することなくそのままケース41の他側から外部に排出され、ケース41内部における不必要な温度上昇の要因を排除することができる。しかも、ダクト46を通過する空気は、外部ファン43のみならず冷却ファン33の送風により、ダクト46内に留まることなく速やかにケース41の外部に排出される。
【0041】
以上のように、本変形例では、外部ファン43などからの風路を形成するためのダクト45,46を、冷却モジュール31の一側と他側にそれぞれ配設している。この場合、外部ファン43からの風路をダクト45,46によって他の部位と区画して形成することで、外部ファン43からの送風を冷却モジュール31に直接導き、また冷却モジュール31から直接排出して、給気と排気を促すことができ、冷却装置として冷却能力を一層高めることができる。
【0042】
図11は、冷却装置のさらに別な変形例を示している。同図において、51はダイオードスタック22やIGBT27から冷却モジュール31の放熱器32へ熱を伝達するための熱伝達部材としてのヒートパイプである。このヒートパイプ51は、熱伝導性に優れた銅などの管体内部に微小量の作動液を注入し、この作動液を管体内部で還流させるもので、音速で移動する作動液によりきわめて優れた熱応答性を有する。ヒートパイプ51は、一端がダイオードスタック22やIGBT27と熱的に接続していると共に、他端が放熱器32の他側面と熱的に接続している。すなわちヒートパイプ51は、離間したダイオードスタック22やIGBT27と放熱器32との間を跨ぐようにして、ケース41の内部に設けられており、冷却ファン33を有する冷却モジュール31を外部ファン43に極力近付けることができる。
【0043】
図11には、外部ファン43の送風方向が矢印で示されている。本例では外部ファン43から冷却ファン33に向けて送風が行なわれるだけでなく、外部ファン43からヒートパイプ51に向けても送風が行なわれる。こうすることで、ダイオードスタック22やIGBT27からヒートパイプ51を通して放熱器32に熱伝達される途中で、外部ファン43からの送風によりヒートパイプ51から効果的に熱を奪い取ることができ、放熱器32を縮小化できる。なお、必要に応じて図10に示すようなダクト45,46を、ケース41の内部に配設してもよい。
【0044】
以上のように、本変形例では、発熱体であるダイオードスタック22やIGBT27と冷却モジュール31との間に、熱伝達部材としてのヒートパイプ51を設けている。こうすると、ヒートパイプ51によってダイオードスタック22やIGBT27からの熱を、離れた位置にある冷却モジュール31に導くことができるため、ダイオードスタック22やIGBT27の配置レイアウトに左右されることなく、冷却ファン33を有する冷却モジュール31を外部ファン43に近付けることができ、ダイオードスタック22やIGBT27を効果的に放熱させることが可能になる。
【0045】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【符号の説明】
【0046】
22 ダイオードスタック(発熱体)
27 IGBT(発熱体)
31 冷却モジュール
32 放熱器(放熱手段)
33 冷却ファン(内部送風手段)
41 ケース
43 外部ファン(外部送風手段)
45,46 ダクト
51 ヒートパイプ(熱伝達部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、前記ケース内に送風する外部送風手段と、内部送風手段と放熱手段とを組合わせてなる冷却モジュールとを備え、
前記外部送風手段と前記冷却モジュールにより発熱体の放熱を行なう構成としたことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
風路を形成するダクトを、前記冷却モジュールに配設したことを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
【請求項3】
前記発熱体と前記冷却モジュールとの間に熱伝達部材を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の冷却装置。
【請求項4】
前記発熱体は誘導加熱を制御するものであり、前記冷却モジュールを前記発熱体の冷却に用いることで、前記外部送風手段からの送風路に対して、前記放熱手段の配置の影響を受けにくくしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−147035(P2012−147035A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−106804(P2012−106804)
【出願日】平成24年5月8日(2012.5.8)
【分割の表示】特願2009−128301(P2009−128301)の分割
【原出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(390010168)東芝ホームテクノ株式会社 (292)
【Fターム(参考)】