説明

冷蔵ショーケース

【課題】本発明は、消費者が商品を自由に選び取ることができるオープン式の冷蔵ショーケースを提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、商品収納部2の略中央に冷蔵ユニットに連通状に立設される冷気供給用とされる中空状の陳列棚支持支柱7と、この陳列棚支持支柱7に連通状に配置される陳列棚支承部8と、この陳列棚支承部8の下面に穿孔される複数の冷気噴出孔9と、陳列棚支承部8上面に載置される陳列棚11と、機械室5上部に冷蔵ユニットに連通状に配置される吸気用ファン15と、商品収納部2の周辺に開口される吸気用スリット部15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵ショーケースに関する。詳しくはプリン、ゼリーなどの要冷蔵菓子を自由に陳列販売することができるオープン式の冷蔵ショーケースに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来より店舗内でプリンやゼリーなどの要冷蔵菓子を陳列販売するための冷蔵ショーケースが提案されており、例えば特許文献1に記載されている。具体的には図6に示すように、ケース本体101は、貯蔵室102の下方に区画形成された機械室103を備えた構成とされている。この貯蔵室102の開口前面には開閉式のガラス扉104が設けられ、更に貯蔵室102内には、食品載置棚105が上下多段に設けられている。この食品載置棚105上に食品を開口前面のガラス扉104から出し入れできる構成とされている。
また、貯蔵室102の上部には、冷却サイクルを構成する蒸発器106およびそのファンモータ107が設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−239527号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらショーケース内の陳列棚にプリン、あるいはゼリー等の要冷蔵菓子を陳列する場合には、消費者はガラス張りのショーケースを通して生菓子等の商品を見ることしかできず、直に見る、あるいは触れることができないために、買った後の商品とのイメージに差異が生じるという問題がある。
【0005】
また、消費者は生菓子等の商品を買う場合には店舗の従業員にショーケース内より生菓子等の商品を取り出してもらわなければならず、パンや菓子のように陳列棚より好きなものを自由に取り清算する所謂、セルフサービスによる販売ができない問題がある。
【0006】
そこで最近では上端が開口状とされるプール式の冷蔵ケースが提案されている。この冷蔵ケースは、生菓子等の商品を平面的に陳列するものであるために棚式のショーケースと比較して陳列する商品数に限度が生じる問題がある。
【0007】
また、プール式の冷蔵ケースでは、商品をのぞみ込むようにして見なければならず、立体的な陳列を行うことができず、そのために、例えば冷蔵ケースに陳列棚を立設して商品を立体的に陳列するようにした場合には冷蔵ケースよりはみ出された陳列棚上の商品の冷蔵が充分に行うことができない問題がある。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、消費者が要冷蔵菓子等の商品を自由に選び取ることができるオープン式の冷蔵ショーケースを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明に係る冷蔵ショーケースは、上端開口状の商品収納部と、該商品収納部の下方に設けられた冷蔵ユニットが内臓される機械室とを備える冷蔵ショーケースにおいて、前記商品収納部に前記冷蔵ユニットに連通状に立設される冷気供給用とされる中空状の陳列棚支持支柱と、前記陳列棚支持支柱に連通状に配置される中空状の陳列棚支承部と、前記陳列棚支承部の下面に穿孔される複数の冷気噴出孔と、前記陳列棚支承部上面に載置される陳列棚と、前記機械室上部に前記冷蔵ユニットに連通状に配置される吸気用ファンと、前記商品収納部の周辺に開口される吸気用スリット部とを備える。
【0010】
ここで、冷蔵ユニットから供給される冷気は、陳列棚支持支柱を通して陳列棚支承部の下面に穿孔される複数の冷気噴出孔より噴出され冷気によって陳列棚上に陳列されるプリン、あるいはゼリーなどの要冷蔵商品が晒されることになる。更に、冷気は下降して商品収納部内に流れ込んで要冷蔵商品を冷却すると共に、吸気用スリット部を通して吸気用ファンによって冷蔵ユニットに吸気されて冷媒により熱交換されて再び陳列棚支持支柱内へ供給される冷蔵循環を可能とするものである。
【0011】
また、陳列棚支承部が、陳列棚支持支柱の上下方向に対して複数設けられた構成とすることにより、多種、あるいは多数の商品の陳列を可能とし、かつ、消費者が自由に商品を選び取ることを可能とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明を適用した冷蔵ショーケースでは、所謂上面開口状とされたプール式の冷蔵ショーケース上に陳列棚を陳列棚支持支柱および陳列棚支承部によって配置し、陳列棚支承部より冷気を噴出させる構成とすることにより、陳列棚上に陳列される要冷蔵商品は常時冷気に晒されることになり一定の冷却を保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明を適用した冷蔵ショーケースの一例を示す正面説明図である。
【図2】本発明を適用した冷蔵ショーケースの一例を示す平面説明図である。
【図3】本発明を適用した冷蔵ショーケースの一例を示す側面説明図である。
【図4】本発明を適用した冷蔵ショーケースの要部説明図である。
【図5】本発明を適用した冷蔵ショーケースの作用状態を示す説明図である。
【図6】従来の冷蔵ショーケースの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明を適用した冷蔵ショーケースの一例を示す正面説明図、図2は、本発明を適用した冷蔵ショーケースの一例を示す平面説明図、図3は、本発明を適用した冷蔵ショーケースの一例を示す側面説明図である。
【0015】
ここで示すケース本体1は、その上面にプリン、ゼリーなどの商品を収納するプール状の商品収納部2が形成される冷蔵トレー部3と、この冷蔵トレー部3の下部に空間部4を介して機械室5が設けられた構成とされている。
【0016】
また、冷蔵トレー部3の周辺には冷気を取入るための吸気用スリット部6が設けられており、空間部4と連通状とされている。更に、機械室5上部には、吸気ファン16が2個配置されている。
【0017】
また、機械室5上面中央には、商品収納部2の底面中央を貫通するような状態で中空状の陳列棚支持支柱7が立設されている。この陳列棚支持支柱7は、機械室5内に設けられる冷蔵ユニット(図示せず。)に連通状に接続されている。
【0018】
ここで、図4(図4(イ)は、本発明を適用した冷蔵ショーケースの陳列棚支承部の一例の平面説明図を示し、図4(ロ)は、本発明を適用した冷蔵ショーケースの陳列棚支承部の一例の断面説明図を示す。)に示すように、陳列棚支持支柱7の上下方向に沿って角パイプによる陳列棚支承部8が四方、かつ水平状に架設されている。この陳列棚支承部8は内部が中空状とされると共に、陳列棚支持支柱7と連通状に連結されている。更にその下面には、その長手方向に沿って複数の冷気噴出孔9、9、・・が穿孔されている。
【0019】
また、陳列棚支持支柱7に対して四方、かつ水平状に架設されている角パイプによる陳列棚支承部8の先端との間を、帯状のステンレス板により形成される縁金部10によって覆うように環状に取り付けられており、更に陳列棚支承部8上にガラス板より形成される楕円形状の陳列棚11がそれぞれ載置された構成とされている。
【0020】
次に、ケース本体1の外壁面には、その機械室5上部より冷蔵トレー部3の外壁面を被包するような状態で化粧板12が装着されるものであり、この化粧板12は透明状のガラス板、あるいはアクリル板などにより形成され、その開口端がケース本体1の上方に位置すると共に、冷蔵トレー部3の外周縁より拡径となるように、外側方向へ傾斜させた状態で装着されている。
【0021】
そして冷蔵トレー部3の外周縁と化粧板12との間隙には、この間隙を閉塞する閉塞板13が取り付けられている。このようにケース本体1の外壁面に透明状の化粧板12を装着することにより、化粧板12に絵柄や模様を付す、あるいはケース本体1の外壁面にカラフルな色彩、あるいは絵柄を描くことにより店舗内のインテリとして活用することが可能となる。
【0022】
また、機械室5はその四方壁面が格子状に形成されることにより複数の放熱用スリット部14が開口されている。この放熱用スリット部14によって機械室5内に設置される冷蔵ユニット(図示せず。)より発せられる熱が放熱用スリット部14を通して外部に放熱される。
【0023】
ここでいう冷蔵ユニット(図示せず。)は、凝縮器と、凝縮器用ファンと、圧縮機とからなる。この凝縮器の空気取入口は吸気ファンに連通された構成とされている。すなわち、吸気ファンによって凝縮器に循環された冷気が取り入れられ、冷媒と熱交換される際に発生する熱は機械室の放熱用スリット部を通して外部に放熱される。
【0024】
なお、本実施例ではケース本体の形状は平面長方形とするものであるが、必ずしも平面長方形とする必要性は無く、例えば平面正方形や平面円形、あるいは多角形状とすることも考えられる。
また、陳列棚の形状も円形の他に、長方形、正方形、あるいは多角形状を採用することも考えられる。
【0025】
本発明を適用した冷蔵ショーケースでは、図5に示すように、ケース本体1の機械室5内に設置される冷蔵ユニット(図示せず。)より冷却された冷気は、冷却ユニットに接続される陳列棚支持支柱7内に供給される。
【0026】
ここで、陳列棚支持支柱7内に供給された冷気は、それぞれの陳列棚支承部8内を通って複数の冷気噴出孔9、9、・・より下方へ噴出される。従って、陳列棚11上に陳列される生菓子等の商品Aは冷気に晒されることによって冷やされると共に、陳列棚11は冷気によって冷やされた陳列棚支承部8によって冷却されることとなる。
【0027】
また、それぞれの冷気噴出孔9、9、・・より噴出される冷気は降下して冷蔵トレー部3の商品収納部2内に流れ込み、この商品収納部2内に陳列される商品Aは冷気によって冷やされることとなる。
【0028】
更に、商品収納部2内より溢れ出た冷気および陳列棚支承部8内を通って複数の冷気噴出孔9、9、・・から噴出される冷気は、機械室5上部に設けられる吸気ファン6によって空間部4内に負圧を生じさせることにより、この負圧によって冷蔵トレー部3の周辺に設けられる吸気用スリット部15より空間部4内に冷気が吸気されながら機械室5内に設置される冷蔵ユニット(図示せず。)内に取り入れられ、この冷蔵ユニットにて冷媒によって熱交換されて再び陳列棚支持支柱7よりそれぞれの陳列棚支承部8内へと供給される。
【0029】
従って、それぞれの陳列棚11上に陳列される商品Aは、陳列棚11を支承する陳列棚支承部8の冷気噴出孔9、9、・・から噴出される冷気に常に晒されることにより商品Aの冷却を保持することが可能となる。
【0030】
また、陳列棚支承部8の冷気噴出孔9、9、・・から噴出される冷気は、他の空気よりも比重が大きいために下降し、冷蔵トレー部3の周辺に設けられる吸気用スリット部15より吸引されて冷媒によって熱交換され、再び陳列棚支承部8の冷気噴出孔9、9、・・から噴出される循環機構とされるために、商品Aは常時冷却された冷気によって晒され低温度に保持されることが可能となる。
【符号の説明】
【0031】
1 ケース本体
2 商品収納部
3 冷蔵トレー部
4 空間部
5 機械室
6 吸気用スリット部
7 陳列棚支持支柱
8 陳列棚支承部
9 冷気噴出孔
10 縁金部
11 陳列棚
12 化粧板
13 閉塞板
14 放熱用スリット部
15 吸気用スリット部
16 吸気用ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端開口状の商品収納部と、該商品収納部の下方に設けられた冷蔵ユニットが内臓される機械室とを備える冷蔵ショーケースにおいて、
前記商品収納部に前記冷蔵ユニットに連通状に立設される冷気供給用とされる中空状の陳列棚支持支柱と、
前記陳列棚支持支柱に連通状に配置される中空状の陳列棚支承部と、
前記陳列棚支承部の下面に穿孔される複数の冷気噴出孔と、
前記陳列棚支承部上面に載置される陳列棚と、
前記機械室上部に前記冷蔵ユニットに連通状に配置される吸気用ファンと、
前記商品収納部の周辺に開口される吸気用スリット部とを備えた
冷蔵ショーケース。
【請求項2】
前記陳列棚支承部が、前記陳列棚支持支柱の上下方向に対して複数設けられる
請求項1記載の冷蔵ショーケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−223501(P2010−223501A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71359(P2009−71359)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り (1)博覧会名 MOBAC SHOW2009(国際製パン製菓関連産業展) (2)主催者 協同組合 日本製パン製菓機械工業会 代表者 理事長 田中 利幸 (3)開催日 平成21年2月25日から2月28日までの4日間
【出願人】(595099225)株式会社七洋製作所 (10)
【Fターム(参考)】