説明

冷蔵庫底部の梱包用緩衝材、および、冷蔵庫底部の梱包構造体

【課題】梱包用緩衝材の高さ寸法を大きくしなくても、落下の衝撃による梱包用緩衝材の潰れ等の変形を小さくして、落下による冷蔵庫本体の底部の底当たりを防止すると共に、冷蔵庫本体の底部においても、落下の衝撃の反力を分散して、冷蔵庫本体の底部の割れ等の変形を防止する冷蔵庫底部の梱包用緩衝材を提供する。
【解決手段】梱包用緩衝材1は、第1の部材11と第2の部材と第3の部材13とを有する。冷蔵庫本体20は、左右の機械室側壁21,21と断熱箱体22とを有する。機械室側壁21の底面210は、第1の部材11および第2の部材に支持され、断熱箱体22の底面220は、第3の部材13の支持面130に支持される。また、断熱箱体22の底面220の傾斜面220bは、第3の部材13の支持面130の傾斜面130bに支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、冷蔵庫本体の底部を支持しつつ梱包する冷蔵庫底部の梱包用緩衝材、および、冷蔵庫底部の梱包構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷蔵庫本体の底部を支持する梱包用緩衝材としては、図6に示すように、一方向に延在する第1の部材101と、上記一方向に延在し第1の部材101に対して間隔をあけて平行に配列されている第2の部材102と、第1の部材101と第2の部材102とを支持する支持枠103とを備えたものがある(実開昭62−58387号公報:特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記従来の梱包用緩衝材では、扉を除く冷蔵庫本体の底部を、第1の部材101および第2の部材102のみによって、支持していたので、冷蔵庫本体の底部を梱包用緩衝材にて梱包した状態で冷蔵庫が落下したとき、この落下の衝撃(特に梱包用緩衝材の真下方向への衝撃:稜落下)が、第1の部材101および第2の部材102に集中し、この結果、梱包用緩衝材の潰れ等の変形が大きくなる問題があった。
【0004】
このため、梱包用緩衝材の第1の部材101および第2の部材102の高さ寸法を大きくしなければ、落下による冷蔵庫本体の底部の底当たりを防止できなかった。また、冷蔵庫本体の底部においても、落下の衝撃の反力が、冷蔵庫本体の底部の一部(冷蔵庫本体の左右側壁の底部)に集中して、冷蔵庫本体の底部に、割れ等の変形が生じる問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭62−58387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明の課題は、梱包用緩衝材の高さ寸法を大きくしなくても、落下の衝撃による梱包用緩衝材の潰れ等の変形を小さくして、落下による冷蔵庫本体の底部の底当たりを防止すると共に、冷蔵庫本体の底部においても、落下の衝撃の反力を分散して、冷蔵庫本体の底部の割れ等の変形を防止する冷蔵庫底部の梱包用緩衝材、および、冷蔵庫底部の梱包構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、この発明の冷蔵庫底部の梱包用緩衝材は、
冷蔵庫本体の底部を支持しつつ梱包する梱包用緩衝材であって、
X方向に延在する第1の部材と、
上記X方向に延在し、上記第1の部材に対して間隔をあけて平行に配列されている第2の部材と、
上記第1の部材と上記第2の部材とに交差するY方向に延在し、一端が上記第1の部材に取り付けられると共に他端が上記第2の部材に取り付けられている第3の部材と
を備え、
上記第3の部材は、上記X方向および上記Y方向に直交するZ方向側に、上記冷蔵庫本体の上記底部を支持する支持面を有し、
上記支持面は、平坦面と、この平坦面の上記X方向に位置すると共に上記X方向の反対方向を向くように上記平坦面に対して傾斜する傾斜面とを有することを特徴としている。
【0008】
この発明の冷蔵庫底部の梱包用緩衝材によれば、上記第1の部材、上記第2の部材および上記第3の部材を有するので、上記冷蔵庫本体の底部を、上記第1、上記第2および上記第3の部材によって、支持できる。このため、冷蔵庫本体の底部を梱包用緩衝材にて梱包した状態で冷蔵庫が落下したとき、この落下の衝撃(特に梱包用緩衝材の真下方向への衝撃:稜落下)を上記第1、上記第2および上記第3の部材にて分散できる。
【0009】
また、上記第3の部材の上記支持面は、上記傾斜面を有するので、落下の衝撃による垂直方向(Z方向の反対方向)の力を、上記傾斜面により分散できる。また、上記傾斜面により、冷蔵庫のX方向の位置ずれを防止できる。
【0010】
したがって、梱包用緩衝材の第1、第2および第3の部材の高さ寸法を大きくしなくても、落下の衝撃による梱包用緩衝材の潰れ等の変形を小さくして、落下による冷蔵庫本体の底部の底当たりを防止できる。また、冷蔵庫本体の底部においても、落下の衝撃の反力を分散できて、冷蔵庫本体の底部の割れ等の変形を防止できる。
【0011】
また、一実施形態の冷蔵庫底部の梱包用緩衝材では、
上記第1の部材における上記X方向に位置する端部は、上記Z方向の反対側に、緩衝用切り欠き部を有し、
上記第2の部材における上記X方向に位置する端部は、上記Z方向の反対側に、緩衝用切り欠き部を有する。
【0012】
この実施形態の冷蔵庫底部の梱包用緩衝材によれば、上記第1の部材の上記端部は、上記緩衝用切り欠き部を有し、上記第2の部材の上記端部は、上記緩衝用切り欠き部を有するので、第1の部材の端部および第2の部材の端部は、落下の衝撃に対して、高い緩衝性能を有する。したがって、第1の部材の端部および第2の部材の端部によって支持される冷蔵庫底部の部位の変形を、一層確実に防止できる。
【0013】
また、一実施形態の冷蔵庫底部の梱包用緩衝材では、
上記第1の部材は、Z方向の反対方向に位置する底面と、上記第2の部材に対向する内側面と、この内側面と反対側に位置する外側面とを有し、
上記第1の部材の底面および外側面を覆うように、L型アングル状部材が設けられ、
上記第2の部材は、Z方向の反対方向に位置する底面と、上記第1の部材に対向する内側面と、この内側面と反対側に位置する外側面とを有し、
上記第2の部材の底面および外側面を覆うように、L型アングル状部材が設けられている。
【0014】
この実施形態の冷蔵庫底部の梱包用緩衝材によれば、上記第1の部材の底面および外側面を覆うように、L型アングル状部材が設けられ、上記第2の部材の底面および外側面を覆うように、L型アングル状部材が設けられているので、第1の部材および第2の部材をL型アングル状部材にて補強できる。
【0015】
また、一実施形態の冷蔵庫底部の梱包用緩衝材では、上記第1の部材、上記第2の部材および上記第3の部材は、一体に成形された一体構造である。
【0016】
この実施形態の冷蔵庫底部の梱包用緩衝材によれば、上記第1の部材、上記第2の部材および上記第3の部材は、一体に成形された一体構造であるので、各部材が相互にずれることがなくて、緩衝効果が低減しない。また、各部材を相互にテープ等によって固定する必要がなく、作業性が良好となる。
【0017】
また、一実施形態の冷蔵庫底部の梱包用緩衝材では、上記第1の部材、上記第2の部材および上記第3の部材は、発泡スチロールと発泡ポリエチレンとの重合体を含む。
【0018】
また、この発明の冷蔵庫底部の梱包構造体は、
冷蔵庫本体の底部と、
この底部を支持する請求項1から5の何れか一つに記載の梱包用緩衝材と
を備え、
上記冷蔵庫本体は、圧縮機を収容する機械室を構成する左右の機械室側壁と、上記機械室の前方に位置すると共に上記機械室側壁の強度よりも大きな強度を有する断熱箱体とを有し、
上記冷蔵庫本体の上記底部は、上記左右の機械室側壁の底面と、上記断熱箱体の底面とを含み、
上記断熱箱体の上記底面は、平坦面と、この平坦面の後方に位置すると共に後方を向くように上記平坦面に対して傾斜する傾斜面とを有し、
上記左右の機械室側壁の上記底面は、上記梱包用緩衝材の上記第1の部材および上記第2の部材に支持され、
上記断熱箱体の上記底面の上記平坦面は、上記梱包用緩衝材の上記第3の部材の上記支持面の上記平坦面に支持され、
上記断熱箱体の上記底面の上記傾斜面は、上記梱包用緩衝材の上記第3の部材の上記支持面の上記傾斜面に支持されることを特徴としている。
【0019】
この発明の冷蔵庫底部の梱包構造体によれば、上記左右の機械室側壁の上記底面は、上記第1の部材および上記第2の部材に支持され、上記断熱箱体の上記底面は、上記第3の部材の上記支持面に支持されるので、上記冷蔵庫本体の底部を、上記第1、上記第2および上記第3の部材によって、支持できる。このため、冷蔵庫本体の底部を梱包用緩衝材にて梱包した状態で冷蔵庫が落下したとき、この落下の衝撃(特に梱包用緩衝材の真下方向への衝撃:稜落下)を上記第1、上記第2および上記第3の部材にて分散できる。
【0020】
また、上記断熱箱体の上記底面の上記傾斜面は、上記第3の部材の上記支持面の上記傾斜面に支持されるので、落下の衝撃による垂直方向(Z方向の反対方向)の力を、上記第3の部材の上記傾斜面により分散できる。また、上記第3の部材の上記傾斜面により、冷蔵庫のX方向の位置ずれを防止できる。
【0021】
したがって、梱包用緩衝材の第1、第2および第3の部材の高さ寸法を大きくしなくても、落下の衝撃による梱包用緩衝材の潰れ等の変形を小さくして、落下による冷蔵庫本体の底部の底当たりを防止できる。また、冷蔵庫本体の底部においても、落下の衝撃の反力を分散できて、冷蔵庫本体の底部の割れ等の変形を防止できる。
【発明の効果】
【0022】
この発明の冷蔵庫底部の梱包用緩衝材によれば、上記第1の部材、上記第2の部材および上記第3の部材を有し、上記第3の部材の上記支持面は、上記傾斜面を有するので、梱包用緩衝材の高さ寸法を大きくしなくても、落下の衝撃による梱包用緩衝材の潰れ等の変形を小さくして、落下による冷蔵庫本体の底部の底当たりを防止すると共に、冷蔵庫本体の底部においても、落下の衝撃の反力を分散して、冷蔵庫本体の底部の割れ等の変形を防止する。
【0023】
この発明の冷蔵庫底部の梱包構造体によれば、上記左右の機械室側壁の上記底面は、上記第1の部材および上記第2の部材に支持され、上記断熱箱体の上記底面は、上記第3の部材の上記支持面に支持され、上記断熱箱体の上記底面の上記傾斜面は、上記第3の部材の上記支持面の上記傾斜面に支持されるので、梱包用緩衝材の高さ寸法を大きくしなくても、落下の衝撃による梱包用緩衝材の潰れ等の変形を小さくして、落下による冷蔵庫本体の底部の底当たりを防止すると共に、冷蔵庫本体の底部においても、落下の衝撃の反力を分散して、冷蔵庫本体の底部の割れ等の変形を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の梱包用緩衝材の使用状態を示す斜視図である。
【図2】梱包用緩衝材の使用状態を示す背面図である。
【図3】梱包用緩衝材の分解状態を示す斜視図である。
【図4】梱包用緩衝材の組立状態を示す斜視図である。
【図5】梱包用緩衝材の使用状態を示す断面図である。
【図6】従来の冷蔵庫底部の梱包用緩衝材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0026】
図1は、この発明の梱包用緩衝材の使用状態を示す斜視図を示している。図2は、梱包用緩衝材の使用状態を示す背面図を示している。図1と図2に示すように、この梱包用緩衝材1は、冷蔵庫2の底部20aを支持しつつ梱包して、この冷蔵庫2に対する外部からの衝撃を緩衝する。なお、冷蔵庫2の後方向をX方向とし、冷蔵庫2の右方向をY方向とし、冷蔵庫2の上方向をZ方向とする。X方向、Y方向およびZ方向は、互いに直交している。
【0027】
上記冷蔵庫2は、冷蔵庫本体20と、この冷蔵庫本体20に開閉可能に取り付けられる扉25とを有する。上記梱包用緩衝材1は、扉25の底部でなく、冷蔵庫本体20の底部20aを支持する。
【0028】
上記冷蔵庫本体20は、左右の機械室側壁21,21と断熱箱体22とを有する。左右の機械室側壁21,21は、圧縮機3を収容する機械室Mを構成する。左右の機械室側壁21,21には、底板4が架け渡され、この底板4には、圧縮機3が載置されている。断熱箱体22は、機械室Mの前方に位置すると共に機械室側壁21の強度よりも大きな強度を有する。なお、図2では、機械室Mを構成する背面壁を省略して描いている。
【0029】
ここで、冷蔵庫2の軽量化や、冷蔵庫2の生産時および輸送時のCO削減を図るため、冷蔵庫2の薄肉化に伴い、断熱箱体22を硬質発泡ウレタンで構成して断熱箱体22の強度を保持すると共に、機械室側壁21をPCS鋼板とアングルで構成している。このため、機械室側壁21の強度が小さくなって、輸送運搬時の荷扱い等での落下により、機械室側壁21に、落下時の衝撃に圧縮機3の質量が加わり過大な力が働くため、機械室側壁21が変形し易いといった問題がある。
【0030】
図3の分解斜視図と図4の組立斜視図とに示すように、上記梱包用緩衝材1は、第1の部材11と第2の部材12と第3の部材13とを有する。第1の部材11は、X方向に延在する。第2の部材12は、X方向に延在し、第1の部材11に対して間隔をあけて平行に配列されている。第3の部材13は、第1の部材11と第2の部材12とに交差するY方向に延在し、第3の部材13の一端は、第1の部材11に取り付けられ、第3の部材13の他端は、第2の部材12に取り付けられている。
【0031】
上記第1の部材11、上記第2の部材12および上記第3の部材13は、一体に成形された一体構造である。第1の部材11、第2の部材12および第3の部材13は、発泡スチロールと発泡ポリエチレンとの重合体を含む。
【0032】
上記第1の部材11は、支持面110と底面111と内側面112と外側面113とを有する。支持面110は、Z方向側に位置すると共に冷蔵庫本体20の底部20aを支持する。底面111は、Z方向の反対方向に位置する。内側面112は、第2の部材12に対向する。外側面113は、内側面112と反対側に位置する。
【0033】
上記第2の部材12は、支持面120と底面121と内側面122と外側面123とを有する。支持面120は、Z方向側に位置すると共に冷蔵庫本体20の底部20aを支持する。底面121は、Z方向の反対方向に位置する。内側面122は、第1の部材11に対向する。外側面123は、内側面122と反対側に位置する。
【0034】
上記第3の部材13は、支持面130を有する。支持面130は、Z方向側に位置すると共に冷蔵庫本体20の底部20aを支持する。支持面130は、平坦面130aと、この平坦面130aのX方向に位置する傾斜面130bとを有する。平坦面130aは、X方向およびY方向を含む平面に平行となる。傾斜面130bは、X方向の反対方向を向くように平坦面130aに対して傾斜している。傾斜面130bは、平坦面130aとの成す角度が180度未満となるように平坦面130aに対して傾斜している。
【0035】
上記第1の部材11におけるX方向に位置する端部は、Z方向の反対側に、緩衝用切り欠き部14を有する。この切り欠き部14は、底面111と外側面113とに渡って切り欠かれている。
【0036】
上記第2の部材12におけるX方向に位置する端部は、Z方向の反対側に、緩衝用切り欠き部14を有する。この切り欠き部14は、底面121と外側面123とに渡って切り欠かれている。
【0037】
上記第1の部材11の底面111および外側面113を覆うように、L型アングル状部材18が設けられている。上記第2の部材12の底面121および外側面123を覆うように、L型アングル状部材18が設けられている。L型アングル状部材18は、例えば紙製である。
【0038】
上記第1の部材11、上記第2の部材12および上記第3の部材13と、上記L型アングル状部材18とは、底台10に収容されている。第1の部材11の内側面112と、第2の部材12の内側面122とには、冷蔵庫2の扉25の底部を支持する扉受け部材9が設けられている。
【0039】
次に、上記梱包用緩衝材1の使用状態を説明する。
【0040】
図5に示すように、上記冷蔵庫本体20の底部20aを上記梱包用緩衝材1により支持する。冷蔵庫本体20の底部20aは、上記左右の機械室側壁21の底面210と、上記断熱箱体22の底面220とを含む。
【0041】
上記断熱箱体22の底面220は、平坦面220aと、この平坦面220aの後方(X方向)に位置する傾斜面220bとを有する。この傾斜面220bは、後方を向くように平坦面220aに対して傾斜している。この傾斜面220bは、平坦面220aとの成す角度が180度を超えるように平坦面220aに対して傾斜している。
【0042】
上記左右の機械室側壁21の底面210は、上記梱包用緩衝材1の第1の部材11の支持面110および第2の部材12の支持面120に支持される。
【0043】
上記断熱箱体22の底面220は、上記梱包用緩衝材1の第3の部材13の支持面130に支持される。つまり、断熱箱体22の平坦面220aは、第3の部材13の平坦面130aに支持され、断熱箱体22の傾斜面220bは、第3の部材13の傾斜面130bに支持される。ここで、上記冷蔵庫本体20の底部20aと上記梱包用緩衝材1とは、冷蔵庫底部の梱包構造体を構成する。
【0044】
このように、上記左右の機械室側壁21の底面210は、第1の部材11および第2の部材12に支持され、断熱箱体22の底面220は、第3の部材13の支持面130に支持されるので、冷蔵庫本体20の底部20aを、第1、第2および第3の部材11,12,13によって、支持できる。このため、冷蔵庫本体20の底部20aを梱包用緩衝材1にて梱包した状態で冷蔵庫2が落下したとき、この落下の衝撃(特に梱包用緩衝材1の真下方向への衝撃:稜落下)を第1、第2および第3の部材11,12,13にて分散できる。
【0045】
また、上記断熱箱体22の底面220の傾斜面220bは、第3の部材13の支持面130の傾斜面130bに支持されるので、落下の衝撃による垂直方向(Z方向の反対方向)の力を、第3の部材13の傾斜面130bにより分散できる。また、第3の部材13の傾斜面130bにより、冷蔵庫2の後方向(X方向)の位置ずれを防止できる。
【0046】
したがって、上記梱包用緩衝材1の第1、第2および第3の部材11,12,13の高さ寸法を大きくしなくても、落下の衝撃による梱包用緩衝材1の潰れ等の変形を小さくして、落下による冷蔵庫本体20の底部20aの底当たりを防止できる。また、冷蔵庫本体20の底部20aにおいても、落下の衝撃の反力を分散できて、冷蔵庫本体20の底部20aの割れ等の変形を防止できる。特に、強度の小さな機械室側壁21においては、有効に変形を防止できる。
【0047】
また、上記第1の部材11のX方向の端部、および、上記第2の部材12のX方向の端部は、緩衝用切り欠き部14を有するので、第1の部材11の端部および第2の部材12の端部は、落下の衝撃に対して、高い緩衝性能を有する。したがって、第1の部材11の端部および第2の部材12の端部によって支持される強度の小さな機械室側壁21の変形を、一層確実に防止できる。
【0048】
また、上記第1の部材11の底面111および外側面113を覆うように、L型アングル状部材18が設けられ、上記第2の部材12の底面121および外側面123を覆うように、L型アングル状部材18が設けられているので、第1の部材11および第2の部材12をL型アングル状部材18にて補強できる。
【0049】
また、上記第1、上記第2および上記第3の部材11,12,13は、一体に成形された一体構造であるので、各部材11,12,13が相互にずれることがなくて、緩衝効果が低減しない。また、各部材11,12,13を相互にテープ等によって固定する必要がなく、作業性が良好となる。
【0050】
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記第3の部材13の支持面130において、傾斜面130bと平坦面130aとを、X方向に沿って、順に配置してもよく、また、上記断熱箱体22の底面220において、傾斜面220bと平坦面220aとを、X方向に沿って、順に配置してもよい。
【0051】
また、上記緩衝用切り欠き部14や上記L型アングル状部材18を省略してもよい。また、上記X方向、上記Y方向および上記Z方向は、互いに直交していなくてもよく、交差していればよい。
【符号の説明】
【0052】
1 梱包用緩衝材
2 冷蔵庫
20 冷蔵庫本体
20a 底部
21 機械室側壁
210 底面
22 断熱箱体
220 底面
220a 平坦面
220b 傾斜面
3 圧縮機
10 底台
11 第1の部材
110 支持面
111 底面
112 内側面
113 外側面
12 第2の部材
120 支持面
121 底面
122 内側面
123 外側面
13 第3の部材
130 支持面
130a 平坦面
130b 傾斜面
14 緩衝用切り欠き部
18 L型アングル状部材
M 機械室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫本体の底部を支持しつつ梱包する梱包用緩衝材であって、
X方向に延在する第1の部材と、
上記X方向に延在し、上記第1の部材に対して間隔をあけて平行に配列されている第2の部材と、
上記第1の部材と上記第2の部材とに交差するY方向に延在し、一端が上記第1の部材に取り付けられると共に他端が上記第2の部材に取り付けられている第3の部材と
を備え、
上記第3の部材は、上記X方向および上記Y方向に直交するZ方向側に、上記冷蔵庫本体の上記底部を支持する支持面を有し、
上記支持面は、平坦面と、この平坦面の上記X方向に位置すると共に上記X方向の反対方向を向くように上記平坦面に対して傾斜する傾斜面とを有することを特徴とする冷蔵庫底部の梱包用緩衝材。
【請求項2】
請求項1に記載の冷蔵庫底部の梱包用緩衝材において、
上記第1の部材における上記X方向に位置する端部は、上記Z方向の反対側に、緩衝用切り欠き部を有し、
上記第2の部材における上記X方向に位置する端部は、上記Z方向の反対側に、緩衝用切り欠き部を有することを特徴とする冷蔵庫底部の梱包用緩衝材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の冷蔵庫底部の梱包用緩衝材において、
上記第1の部材は、Z方向の反対方向に位置する底面と、上記第2の部材に対向する内側面と、この内側面と反対側に位置する外側面とを有し、
上記第1の部材の底面および外側面を覆うように、L型アングル状部材が設けられ、
上記第2の部材は、Z方向の反対方向に位置する底面と、上記第1の部材に対向する内側面と、この内側面と反対側に位置する外側面とを有し、
上記第2の部材の底面および外側面を覆うように、L型アングル状部材が設けられていることを特徴とする冷蔵庫底部の梱包用緩衝材。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一つに記載の冷蔵庫底部の梱包用緩衝材において、
上記第1の部材、上記第2の部材および上記第3の部材は、一体に成形された一体構造であることを特徴とする冷蔵庫底部の梱包用緩衝材。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一つに記載の冷蔵庫底部の梱包用緩衝材において、
上記第1の部材、上記第2の部材および上記第3の部材は、発泡スチロールと発泡ポリエチレンとの重合体を含むことを特徴とする冷蔵庫底部の梱包用緩衝材。
【請求項6】
冷蔵庫本体の底部と、
この底部を支持する請求項1から5の何れか一つに記載の梱包用緩衝材と
を備え、
上記冷蔵庫本体は、圧縮機を収容する機械室を構成する左右の機械室側壁と、上記機械室の前方に位置すると共に上記機械室側壁の強度よりも大きな強度を有する断熱箱体とを有し、
上記冷蔵庫本体の上記底部は、上記左右の機械室側壁の底面と、上記断熱箱体の底面とを含み、
上記断熱箱体の上記底面は、平坦面と、この平坦面の後方に位置すると共に後方を向くように上記平坦面に対して傾斜する傾斜面とを有し、
上記左右の機械室側壁の上記底面は、上記梱包用緩衝材の上記第1の部材および上記第2の部材に支持され、
上記断熱箱体の上記底面の上記平坦面は、上記梱包用緩衝材の上記第3の部材の上記支持面の上記平坦面に支持され、
上記断熱箱体の上記底面の上記傾斜面は、上記梱包用緩衝材の上記第3の部材の上記支持面の上記傾斜面に支持されることを特徴とする冷蔵庫底部の梱包構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−255927(P2011−255927A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131874(P2010−131874)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】