説明

凍結乾燥組成物

【課題】高い水分吸収力と保持力があり、平面形状及び、大型の形成体の形で提供され得る凍結乾燥組成物を提供する。
【解決手段】a)ポリアクリル酸とその塩に基づく少なくとも1つのポリマー、b)少なくとも1つの天然ポリマー、c)任意に、a)及びb)とは異なる1つのポリマー、及び、d)任意に、1つ以上の活性化合物及び/又は補助物質を含む凍結乾燥組成物。さらに当該組成物の調製のための工程、要素キット中の前記凍結乾燥組成物と水溶液の組合せ、化粧品及び医薬品用途のための、当該凍結乾燥組成物、及び、要素キットの組み合わせの使用、特に、美容用マスク又は創傷被覆体としての使用、特に慢性創傷、下腿潰瘍、又は褥瘡のような皮膚創傷の処置のための医薬品の調製のための使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下を含む凍結乾燥組成物に関する。
a)ポリアクリル酸とその塩に基づく少なくとも1つのポリマー、
b)少なくとも1つの天然ポリマー、
c)任意に、a)及びb)とは異なる少なくとも1つの更なるポリマー、
及び
d)任意に、1つ以上の活性化合物及び/又は補助物質
【0002】
更に、本発明は凍結乾燥組成物の調製のための工程、要素キット中の凍結乾燥組成物と水溶液の組合せ、化粧品及び医薬品への使用のための凍結乾燥組成物の使用、及び要素キットの組み合わせの使用に関し、特に、美容用マスク又は創傷被覆材としての使用、特に慢性創傷、下腿潰瘍、又は褥瘡のような皮膚創傷の処置のための医薬品の調製のための使用に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒト及び/又は動物の体の美容上、治療上の処置のための様々な薬剤が、多様な剤形と投与形態で知られている。大型の成形体の形状と同様に、スポンジ、シート、基質、被覆体、パッド、箔、マスク、層状体、又は他の平面形状として構成される固形の乾燥製剤の形態の組成物と薬剤が、特に創傷治療の医薬分野において重要な役割を担っているが、しかし美容上の使用の分野でも増加している。
【0004】
そのような実施形態は、特に、皮膚の外部局所の治療や管理、特に局所の皮膚傷害又は創傷の管理に好適である。望まれる治療目的、又は選択されたそのような被覆体の利用分野に依存して、特別な、時にはかなり特定の材料と機能的要求が、そのような組成、特に化学的組成、及び、物理的又は生化学的作用機構と機能に課される。外部表皮の治療の場合には特に、臓器である“皮膚”との複雑な生化学的相互作用と、機能的機構が思い起こされる。
【0005】
ここで、例えば美容的処置による皮膚の管理及び保護と、治療的処置による皮膚の機能障害若しくは傷害の回復、治癒、又は緩和は、実質的に同程度に重要である。
【0006】
美容的処置による管理と予防的保護は、特に、活性のある化合物、栄養素、及び/又は管理用物質の適用と導入によって達成されうるが、物理的機械的保護及び/又は、皮膚の弾力性、滑らかさ/粗さ、乾燥性若しくは生化学的平衡のようなバリア特性の補助又は改善によっても達成されうる。特に、皮膚の保湿及び脂肪含量、特に所謂“自然保湿因子”(NMF)及びバリア機能を、補助、保護、調節並びに改善する事は、ここでは重要な処置要素である事を意味する。
【0007】
皮膚若しくは皮膚の中心機能の1つの障害又は欠損の際には、緩和、治癒、又は回復作用が発揮される処置が特に重要である。そのような治療的処置は、特定の活性物質、治癒物質、若しくは積極的作用を持つ活性化合物によって、又は、自己治癒を補助して、好ましい影響を及ぼす適当な物理的若しくは生化学的方法によっても同様に達成されうる。本発明におけるそのような治療的処置の性質と効果は、特に傷害又は機能障害の性質に依存し、皮膚の効果が与えられる層に特異的に適合されるべきである。創傷管理の分野においては、所謂、創傷滲出液管理、創傷壊死組織切、又は創傷環境への影響と制御が、本文献の中で、特に言及される。
【0008】
皮膚の美容管理と治療分野の両分野において、固形、乾燥、吸収性又は水和形態、特に平板シート、被覆材又はマスクの形態の利用は、原則的には特に適しており、また既に広く行き渡っている。ここで、活性化合物の応用に加えて、皮膚水和作用を持つ活性化合物自身も、特に興味深い。本発明は、美容的及び治療的な皮膚の処置に同等に関連する。
【0009】
特に、親水性、膨潤性の親水性コロイド、又はポリマーを基材にした製剤が、この目的のために知られており使用されている。創傷の治療分野で特に、特定のハイドロゲルが創傷治療剤として知られている。ここでハイドロゲルは、高度の含水量、又は高度の水分吸収力と保水力によって特徴付けられ、結果として湿潤創傷治療に適している。ポリアクリル酸とその誘導体を基材としたハイドロゲル、ポリアクリル酸とその塩を基材としたハイドロゲルは、特に適した組成である。特に、所謂“カルボマー”グループと呼ばれる合成アクリル酸ポリマーは、特別に優れた吸水力によって特徴付けられる。本発明において、米国薬局方、英国薬局方、米国一般名委員会(USAN)、米国化粧品工業会(CTFA)に従い、“カルボマー”の用語は、カルボポールグループを意味する。カルボマーは、また、“超吸収体”の用語で知られている。
【0010】
自身の重量の数倍から1000倍までの液体(通常、水又は蒸留水)を取り込めるそれらの物質は、“超吸収体” (又は超吸収ポリマー)と呼ばれる。化学用語において、カルボマーは、アクリル酸及びアクリル酸ナトリウム、任意に付加的な架橋剤、及び/又は、アクリル酸誘導体の複雑な共重合体であり、それがカルボマーの化学的組成を多様にさせている。
【0011】
ポリアクリル酸、その誘導体、又はカルボマー、及び超吸収体は、美容分野と医療分野の利用の両者で、広い使用範囲を有している。化粧品では、カルボマー又は超吸収体は、例えばDE10195737に記載されるように、クリームとローションの粘性を増大させる成分として使用されている。最終製品での粘性を増大させる事によって、それらは、乳化剤である事に加えて親油性相と親水性相の相分離を打ち消し、豊かな質感をもたらし、使用後に皮膚の気持ち良い感覚に貢献する。油を含まないかほとんど含まず、かつ少量の乳化剤しか含まないポリアクリル酸だけに基づく粘性組成物を含む純粋なハイドロゲル製品は、主として、その中に含まれるポリアクリル酸の粘性を通して相安定性を獲得する。
【0012】
ポリアクリル酸の、優れた粘性を増大させる特性に加えて、過剰量の水性液体の吸水力、過剰な膨潤を伴う保持力と保存力に基づいて、それらは、特に創傷の治療分野、特に、滲出液管理のための医療用製品として使用される。ここでは、ポリアクリル酸は、通常、粉又は顆粒のような乾燥状態で使用される。
【0013】
ポリアクリル酸ポリマーからのミクロ若しくはナノ粒子又は粒状材料の調製も知られており、そのような粒子は、通常、ポリアクリル酸と、さらに安定な天然又は半合成ポリマーとの混合物から調製される。例えば、WO00/22083では、アクリル酸/カルボキシメチルセルロース溶液に基づくナノ多孔質な粒状材料を記載しており、WO05/123034では、例えば、ポリメタクリル酸とアルギン酸ナトリウム溶液の混合物に基づくミクロ粒子システムを記載し、各ケースにおいて、それらは、ポリアクリル酸ポリマー混合物の噴霧気化と凍結乾燥によって得られる。
【0014】
ミクロゲル粒子の調製のためのポリアクリル酸ポリマーの使用、及び、活性化合物のカプセル化のためのポリアクリル酸ポリマーの使用は、例えば、酸化された綿の創傷被覆材に使用されるミクロゲル粒子懸濁液の実施形態で、GB2431104で公知である。
【0015】
ポリアクリル酸ポリマーに基づく創傷被覆材は、さらに、創傷治療に有益な影響を及ぼすと言われる活性化合物と、しばしば組み合わされる。例えば、フィブロネクチンとの組合せが、WO01/13967に記載され、線維性コラーゲンとの組合せがGB2080814に記載され、VEGFとPDGFのような成長因子との組合せがWO08/070270に記載されている。
【0016】
さらに、例えば、WO07/122232は、ポリアクリル酸とゼラチンの混合物の押し出し、又はエレクトロスピニング製法により得られる創傷処置のための凍結乾燥組成物を開示している。
【0017】
ポリアクリル酸構成物やアクリル酸を含むハイドロゲルは、さらに治療用創傷管理剤分野の接着剤又は粘着剤として使用される。
【0018】
しかし、美容的皮膚処置及び治療的皮膚処置の両者において、それらの製剤は、高い濡れ速度と、高い吸水、保持能力に加えて、さらに優れた湿潤と皮膚水和作用、即ち、優れた水放出力を持つ事も、できれば望ましい。美容的皮膚処置の水和作用は、例えば弾力性としなやかさに関して、皮膚の機械的、物理的な性質の改善に、必須の役割を果たしている。創傷処置の分野で乾性創傷に使用される場合、水和作用は、創傷部位を改善し、調節するために、従って、創傷の治療状態を補助するために重要である。液体の取り込み又は吸収と、水和又は湿潤との組み合わせの適当な可能性は、1つの成分中に、両要件を満たし得る組成物を組み合わせる事から成る。これのためには、高い吸水能力と保持能力を持つポリアクリル酸、及び、例えば、優れた水和特性を有する多糖類のような天然ポリマー、特定のアルギン酸、ヒアルロン酸、トチャカ(carrageens)、セルロースのような親水コロイドとの混合物が、特に適している。
【0019】
更に、ある程度洗い流さない製品として設計された組成物を提供することが、特に美容上の使用において、しかし外用治療薬としての使用においても望ましい。このためには、製品は、実質的に残留物なしで、事実上、完全に皮膚又は髪に留まる事が可能なように設計されなければならない。そのような洗い流さない製品は、更に、使用し易い十分な製剤で使用者に提供できるように、ある程度の粘性を持っていなくてはならない。したがって、充填材又は補助物質材をほとんど含まず、理想的に高い活性成分を含み、それにもかかわらず高い使用粘性を持つ組成物を提供する努力がなされる。
【0020】
ポリアクリル酸とその塩に基づくポリマー、特に、所謂、超吸収体又はハイドロゲルも、これらの目的に特に適している。
【0021】
創傷管理のための水を含有するハイドロゲルは、チューブ又は注射器の中の非晶質ゲルとしても、しばしば売られている。そのようなゲル様ハイドロゲルは、例えば、EP583170により公知であり、WO97/03710によるように、例えばポリアクリル酸のような純粋な合成ポリマーに基づく、又は純粋な天然に構築されたポリマーに基づく物が公知である。
【0022】
合成及び天然に構築されたポリマーのゲル様混合物は、例えばEP737703のような先行文献にも開示されている。それは、多糖類で安定化したポリエステル共重合体由来の液体、又は非晶質の重合ハイドロゲルを主題とする。又は、EP1779836では、ポリアクリル酸とヒドロキシプロピル-グアーの混合物に基づく水和分散体を開示している。
【0023】
DE102005035879は、高い水吸収能力を持つ合成アクリル酸誘導体に加えて、少なくとも1つのゲル形成多糖類と少なくとも2つの異なる電解質の電解質混合物とを含む、創傷管理のための水性ハイドロゲルを開示している。このハイドロゲルは、少なくとも50重量%の含水量を有し、開示によると、優れた立体形成能とゲルの寸法安定性である、特に優れた吸収、同時に水和の特性を持つ。
【0024】
液体、半液体又はゲル様の使用形態の欠点は、基本的に崩壊や微生物の攻撃に高感受性であり、保存処置を必要とする事である。本発明において、特に化学防腐剤の添加は、むしろ好ましくない。照射又は熱の処理といった物理的な保存方法は、ゲル形成剤の構造に直接作用し、従って組成物の粘性に直接作用する。これらの方法は、しばしば、調節が困難で、制御不能な粘性変化につながる。
【0025】
更に、概して、ゲル、粉、又は顆粒形状の製剤は、非結合性で、形を成しておらず、寸法安定性がないために、創傷に使用するのは難しい。そのような非結合性の組成物は、また投与量に難点がある。さらにまた、粉末/ゲル様製剤の均一な分散も問題である。
【0026】
従って、固形で結合性のある形状で、適用される処置部の形と大きさによく適合して順応しうる使用形状が、好んで使用される。ここで、特に皮膚の処置を目的とする製剤は、可能な限り単純で定型的使用となるように、平面形状を有する。ここで適した製剤は、まず使用しやすい事に加えて、処置部位での立体形成も理想的に可能であるように、さらに特定の寸法安定性と機械的な粘性を有するべきである。製剤の機械的安定性が好ましくは必要であるため、更には、処置される部位に順応される形状と大きさの、平面で乾燥した製剤を提供する事が望ましい。
【0027】
保存的処置、使用容易性、寸法安定性、及び立体成形能力に関して、まとまった平面形状の、ハイドロゲル、又は水和可能な膨潤性の親水コロイド組成物を提供可能にするために、これらは、しばしば乾燥体、例えばフィルム、シート、パッド又は湿布の形状で、提案される。乾燥製剤は、また、水を含む、又は湿った製剤よりも、保管と輸送に関して好都合である。
【0028】
親水コロイド又はハイドロゲル組成物、特にポリアクリル酸ゲルを平面形状、例えば、シート又は被覆体にするために、乾燥したハイドロゲル組成物の特定な機械的安定性が必要である。さもなければ、例えば、望ましい形状に切断するといった機械的な再操作の間に、又は、特に広い面積の乾燥組成物の取扱いの際にも、乾燥後の材料は、簡単に顆粒又は粉に崩壊するからである。
【0029】
固形、望ましくは織物、及び/又は、不溶性担体への適用によって、機械的に安定させて、使用可能な平面形状にするというような乾燥ハイドロゲル又はポリマー製剤は、先行文献により公知である。
【0030】
例えば、WO01/82886には、再水和可能な親水コロイド組成物の凍結乾燥された美容上の“貼付剤”が記載されており、該貼付剤はアルギン酸塩のような天然の多糖類、セルロースのような半合成親水コロイド、又はポリアクリル酸のような合成ポリマーを含み、また、親水コロイド組成物に、それに付着する固形担体を適用することによって得られる。例えばポリウレタン製の、例えば、不織布、ネットワーク、又は架橋結合の形状として凍結乾燥する。ここでの付着性の担体は、凍結乾燥工程や、その後の取扱いや“貼付剤”の使用中に、十分な機械的安定性を得るために重要であり、第1に望ましい“貼付剤”又はマスク形として組成物を提供することを可能にしている。化粧品産業でのポリアクリル酸ポリマーの加工において、通常、pHは中和される。従って、記載される組成物の工程においても、水酸化ナトリウムによって中和される。この事が、凍結乾燥や後の取扱における、そのような組成物の安定性の欠如に導いており、不溶性の安定化担体が必要な理由である。
【0031】
更に、固形担体への親水コロイド組成物の使用により安定化される平面状シート若しくはマスクの形状の乾燥親水コロイド、又はハイドロゲル組成物については、WO99/20318及びWO97/41900により公知である。その中で、例えば、アルギン酸塩に基づく水溶性ハイドロコロイド組成物は、注入により固形基材として使用され、また、付加的に、製剤が凍結乾燥される前に、金属イオンとの架橋結合により安定化される。
【0032】
例えばポリアクリル酸のような合成構築ポリマーと、例えばアルギン酸塩又はセルロースのような天然親水コロイドとの混合物からのマスク又は貼付剤が、DE60113937(上記WO01/82886に由来する)に開示されており、固形繊維性担体基材への適用によって安定化され、担体上で凍結乾燥された製剤を望ましい形状に切断する事が可能である。
【0033】
担体に固定した製剤の欠点は、材料の不均一性であり、特に、処置される身体又は創傷の部位から、又は部位の外へ、不溶性の、通常は合成担体基材、を除去する事が必要である。特に、ゲルに再水和され得る親水コロイド組成物が創傷処置に使用された時に、組成物中の不溶性で再水和されない成分は、例えば、吸収されないか、又は、かろうじて創傷滲出液と共に創傷から排出されるだけのために、望ましくない。粘性のゲルに再水和され得るハイドロゲル組成物を使用する美容上の処置においても、不溶性の担体基材は、担体層が組成物に含まれる活性化合物や活性成分、特に例えば皮膚上の水和ゲル組成物のマッサージによる取り込みを妨げるので望ましくない。使用している間に、処置に関連したハイドロゲル組成物を、概して実際の処置に関連しない担体から再度分離する事も困難である。ここで、担体基材の除去に関し、これに接着している、又は埋め込まれたある程度の量のハイドロゲル組成物も、常に取り除かれ、その後は、もはや実際の処置には使用できない。結果として、一方では、処置剤又は活性化合物の再生使用や正確な1回分の使用が不可能であり、また、他方では、材料資源が、この意味において使用されずに浪費され、経済的な面からも望ましくない。
【0034】
特に平面形状については、そのような不溶性、平面結合力がある担体材料を使うことなく安定化する、機械的に安定な乾燥親水コロイド組成物の調製は、例えば、DE4328329又はWO01/78692によって公知であり、その中で、凍結乾燥させた天然構築ポリマー、例えばアルギン酸ナトリウムに基づく、膜又はマスクが開示されている。ここで、DE4328329の基材は、鋳造物や凍結乾燥ブロックが望ましいマスク形状に切断され得るように、例えば織物レーヨン繊維のような緩く紡糸された繊維の添加により、又はカルシウム架橋結合により安定化される。WO01/78692に記載の凍結乾燥ゲル基材は、同様に、特にカルシウムイオンで、機械的に、部分架橋結合することで安定化される。しかし、どちらの文献も、天然親和コロイドと、特にポリアクリル酸とその誘導体に基づくような合成構築ポリマーとの混合物については開示していない。
【0035】
文献WO95/19795又はGB2401879も単に、織物繊維、例えばレーヨン(ビスコース)又は綿、又は、例えばポリアミド、ポリエステル又はポリエーテルに基づく非膨張合成ポリマー繊維の添加によって安定性を獲得する乾燥シート様、又は乾燥スポンジ様のハイドロゲル製剤を開示しているだけである。
【0036】
対照的に、WO03/051412は、例えば、合成ポリアクリル酸ポリマーから得られる定型シートの形状で、特にカルボキシメチルセルロース繊維のような不溶性の合成織物繊維材料で安定化される凍結乾燥吸収性スポンジ材料を開示している。
【0037】
安定化のために、ゲル化によって可溶性となる再水和可能なハイドロゲル製剤に、不溶性織物繊維、又は他の非某順性合成繊維成分を添加する事は、再水和されたゲルの中で、これらの不溶性繊維と非膨潤繊維成分が不溶性画分を形成するために、望ましくない。特に、不溶性画洗浄除去が必要となる。そのような不溶性、非膨潤性の成分は、また、創傷の中に吸収されない、又は、分解されない。そして、創傷部位で外来性の微粒子体として、カプセル形成によって引き起こされる肉芽病巣の引き金となりうる。そのような肉芽病巣は、元々、難治性の、又は、一般的にとても不安定な創傷液状態の慢性創傷において、特に望ましくない感染リスクとなりうる。外来性の微粒子体は、通常、すすぎを含む方法で、創傷から除去されなければならない。
【0038】
組成物の化学的架橋結合による安定化の場合、可溶性のポリマー成分は、原則的には、従来の使用状況の下で不可逆的にしっかりと結合している水不溶性組成物へ変換され、乾燥親水コロイド組成物の供給の結果、特に平面シート、泡状、又はスポンジ状の形状が可能となる。
【0039】
このように架橋結合により安定化した製剤もまた、既に引用されたDE4328329、WO01/78692、WO99/20318又はWO97/41900に加えて、例えば、WO97/39781やWO96/13285によって公知であり、架橋結合により安定化した、高い吸収力を有する、天然親水コロイドに基づく、凍結乾燥スポンジや泡が、創傷処置のために開示されている。少なくとも1つのポリアクリル酸とその塩に基づくポリマーと、少なくとも1つの天然ポリマー、特に、均一で機械的に安定な形として存在するアルギン酸塩、ヒアルロン酸、トチャカ又はセルロースのようなポリマーとの混合物からなる凍結乾燥組成物であるが、担体を含まない、又は繊維を含まない基材もまた、ここでは開示されていない。
【0040】
逆に、そのような混合物は、本来、WO03/068843の発明の主題であり、ポリアクリル酸ポリマーとキトサン(天然ポリマーの群に属する)とのイオン的に架橋結合した混合物である、いわゆる高分子電解質錯体が得られる。これらを通して入手できるゲルも凍結乾燥されうるが、結合性がある基材又は被覆体の形での構成については記述されていない。むしろ乾燥ゲルは微粒子の材料を与える元となる。結合性があるシートの形での提供には安定性が不十分である事は、この事から結論づけられ得る。
【0041】
更に、そのような混合物はDE19710369によっても公知である:DE19710369は、特にポリアクリル酸のような架橋剤と架橋結合するキトサンとその誘導体に基づいた美容上の使用のための水不溶性で化学的に架橋結合した不織布又はマスクを開示している。マスク又は不織布の形で供給するための十分な安定性は、ここで、ポリアクリル酸ポリマーと陽イオンポリマーの群に属する天然ポリマーキトサンとの化学的架橋結合により成し遂げられる。ところが、ポリアクリル酸/ポリアクリル酸誘導体といわゆる陰イオン天然ポリマー(例えば、アルギン酸塩、ヒアルロン酸、トチャカ及び/又はセルロース)との混合物もここでの開示内容の主題ではない。
【0042】
架橋反応により得られた安定体は、再水和されないか、又は大きな困難の元に分離とゲル形成を伴う場合のみ再水和され、その結果、可溶性組成物を形成する。WO01/78692又はWO03/068843に記載されているように、再水和ゲル化合物を得るための部分架橋結合は、特に、ポリアクリル酸/ポリアクリル酸誘導体と天然親水コロイドとの混合物に基づくハイドロゲルの場合には、機械的に安定で切断可能な組成物を提供するための十分な安定体を得るためには適していない。加えて、そのような化学的架橋結合の分解には、水和液体への特定の化学剤の添加を必要とする。一方で、そのような液体の組成の選択は、ひどく柔軟性に欠け、さらにそのような化学添加物の潜在的不適合の可能性のために好ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0043】
従って、本発明の目的は、高い水分吸収力と保持力があり、ここで、水和、すなわち湿潤作用を有し、そして、平面形状、例えばマスク、被覆体、シート又はパッドの形で、及び、大型の形成体の形で提供され得る凍結乾燥組成物を提供することである。更に、この組成物は、特に美容的・治療的皮膚処置に適応させるため、肉眼で見える粒子又は繊維成分を実質的に含まない、均一できれいに分散したゲルを形成するために、親水性液体の添加の下での再水和を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0044】
天然に構造形成されたポリマー、特に陰イオンポリマーの群からの該ポリマーで、例えばアルギン酸塩のような多糖類の群からの該ポリマーと、少なくとも1つのポリアクリル酸とその塩に基づくポリマーで、例えばカルボマーの群からの該ポリマーとの組合せにより、スポンジ様構成物、又は、十分な機械的安定性を持ち、切断されてマスク、シート、被覆体又はパッドのような使用形状に変換可能な成形体は、凍結乾燥によって製造することができる。本発明によれば、そのような凍結乾燥組成物は、最大限に残渣が無く、速やかにゲル形成を伴って再水和し、高い水分吸収力と保持力と、優れた水和作用又は湿潤作用を有する。
【0045】
合成ポリアクリル酸ポリマーと、アルギン酸塩の群からの天然ポリマーとの結合から成る凍結乾燥組成物は、例えば、WO99/65538とWO01/28600により公知である。両文献中には、上述の重合による親水コロイドに加えて、更に、ヨウ素含有活性化合物を含む創傷被覆体が記載されている。更に、WO99/65538の組成物は、pH3−6.5で調製されることが好ましい。
【0046】
更に、合成ポリアクリル酸ポリマーと、ヒアルロン酸とその誘導体の群からなる天然ポリマーとの結合を含む、結合性があるスポンジ様シート材料の形状の凍結乾燥組成物は、例えば、WO94/01468により公知であり、無機塩基での中和、及び、ここで記載される酸pH値では機能しないこと、が記載されている。
【0047】
驚くべきことに、ポリアクリル酸の群からの合成ポリマーが、アルギン酸塩の群からなる天然ポリマーと、更にヒアルロン酸とその誘導体、任意にトチャカの群からなる天然ポリマーと組み合わされると、前記凍結乾燥組成物は、液体の吸収力又は液体の保持力に関して決定的に改善され得ることが明らかとなった。
【0048】
更に、驚くべきことに、本発明による組成物で、液体保持能力、特に生理的液体の液体保持能力を決定的に改善しうるか、又は安定に維持しうる事が明らかとなった。これは、とりわけ創傷処置の分野全体において、例えば創傷滲出液管理において、又は、生理的活性化合物溶液の使用のために、特に重要である。しかし、化粧品分野での生理的利用においても重要であり、従って、特に互換性のある化粧品、又は活性化溶液が使用される。
【0049】
ここで、上述の望ましい特性、例えば良い製造性、機械的安定性、特に切断での高い安定性、操作容易性、高い互換性などが保持されている。従って、そのような改善は、特に美容上及び医療上の使用において言及される使用分野において、多大な興味が持たれる。
【0050】
ここで、正確にはトチャカ、又は、例えばコラーゲン若しくはセルロース若しくはその誘導体のような天然若しくは合成ポリマー、及び、活性化合物、及び/又は、補助物質が、前記組成物に更に加える事ができる。
【0051】
これまでに言及した文献の中には、アルギン酸塩の群から成る天然ポリマー、更にヒアルロン酸とその誘導体の群からなる、及び任意にトチャカの群からなる、及び/又はコラーゲン及び/又はセルロースの群からなる天然ポリマーと結合した合成ポリアクリル酸ポリマーを含む、機械的に安定で結合性のあるスポンジ様シート材料の形状の凍結乾燥組成物を開示した物はない。更にまた、3−6.5の酸性pHである前記組成物、又はそのような酸性pH値で機能することにより得られる対応する組成物について、開示する文献はない。
【0052】
ポリアクリル酸とその誘導体と、多糖類、特にアルギン酸塩、カラギーナン若しくはセルロース、の群から成る天然ポリマー又は天然親水コロイドの結合では、混合水溶液中でのポリマー組成物間の非常に特異的な相互作用が考慮されている。
【0053】
カルボマー(合成アクリル酸ポリマー)の物質分類は、必須の機能単位としてカルボン酸基を持つ大きな枝分かれポリマーから構成される。これらのカルボン酸は、pHに応じて、異なる電荷状態を持ち得る。
【0054】
カルボマー水溶液は酸性として作用し、pHの増加、又は、中和やアルカリ性へのpHの上昇に伴って、酸性基は脱プロトンを引き起こし、その結果、ポリマー基材は負に帯電するようになる。電荷の変化のために、負に帯電するポリマー鎖の分子内反発が起こり、結果として、三次元構造がほどける。カルボキシル基は水和し、そして、ポリマー分子は水を吸収して、膨潤する。カルボマーの中和の測定可能な効果として、固有粘度の増加が起きる。
【0055】
この分子内静電反発とカルボマー水溶液の粘性の増加による分子のほどけは、強くpHに依存している。この工程は可逆的であり、すなわち、プロトン化の増加に伴い、ポリマー基材は中和され、静電反発は減少し、分子は崩壊し、結果として溶液の粘性は減少する。
【0056】
固有粘度の減少は、例えば生理的流体に含まれる塩類又は電解質の影響によっても引き起こされる。このように、カルボマー含有液の粘性は、pHと電解質の高感度な可逆的なシステムである。
【0057】
中和によりほどけたカルボマー分子は、組成物内で他のポリマーと相互作用が可能である。特に、電荷の異なる成分の静電的な相互作用は、高い相互作用能へとつながり、従ってその後の乾燥基材の優れた機械的安定性につながる。この原理は、“Matrix Polymeric Excipients: Comparing a Novel Interpolyelectrolyte Complex with Hydroxypropylmethylcellulose; Zhilei Lu et al., Drug Delivery, vol. 15, issue 2, 2008, 87-96”に記載のように、特に、いわゆる“高分子電解質間錯体”に利用される。ここで、“高分子電解質間錯体”という用語は、引用したDE19710369やWO03/068843ですでに記載したように、異なった電荷をもったポリマーの混合物、ここでは特に、陽イオンキトサン(遊離アミノ基を持ち、従って、酸性液でポリカチオンとして作用し得るアミノ多糖類)と、陰イオンカルボマーとの混合物の意味で理解される。反対に荷電したポリマー成分間の静電力のために、例えばファンデルワールス力又は水素結合より、かなり強固なイオン相互作用が発生する。ポリマーは、実質的にイオン的な会合又は架橋により安定化される。
【0058】
他方、例えばアルギン酸塩又はヒアルロン酸又はトチャカ又はコラーゲンのような陰イオン親水コロイドと、陰イオンカルボマーとの混合物といった、同じように荷電したポリマーの混合物が使用されるならば、この組成物中には、安定なイオン成分が不足する。例えば、カルボマー/アルギン酸塩を選択した場合、中和の程度があまりに高いと、静電反発のために不安定なイオン成分さえも得られる。乾燥状態で安定であり、同じように荷電した親水コロイド混合物を含む製剤は、異なるポリマー成分間の不安定力ができるだけ低く保たれる場合のみ得る事ができる。そのため、当該乾燥組成物は、反対に荷電したポリマーの静電的相互作用よりも安定化作用がかなり低い、ファンデルワールス力又は水素架橋結合をのみを介してもたらされる。
【0059】
高粘性溶液中に含まれて最大限に立体構造がほどかれ、そのほどかれた膨潤状態で高い負の電荷密度をもつカルボマーが、例えばアルギン酸塩溶液のような陰イオン親水コロイド又は負に荷電したポリマーと更に結合すると、前記溶液の当該凍結乾燥最終製品は、同じように荷電したポリマー成分の静電反発のため、及び、組成物の更なる成分の影響のために、しばしば機械的安定性が不十分となる。カルボン酸基に付随したプロトン化を伴う当該ポリマーの静電反発を減少させるために、例えばpHの移動により、当該溶液中の陰イオンポリマーの荷電密度が減少させられると、当該カルボマーは固有粘度の低下を引き起こす。
【0060】
従って、同じように荷電したカルボマーや親水コロイドといった前記組成物の当該凍結乾燥最終製品は、常に、カルボマーの不十分な固有粘度のため、又は同じように荷電したポリマーの静電反発のために、機械的安定性が不十分である。前記組成物が、上述したようにカルボマーが敏感に反応する電解作用を有する更なる物質を含むなら、この影響は、更に強められる。
【0061】
上記理由により、カルボマーと天然親水コロイドとの粘性の高い混合物、特にアルギン酸塩のような陰イオン親水コロイドとの混合物で、特に生理的液体に関して改善された水分吸収力と保持力を有する混合物から、特に機械的に安定な凍結乾燥組成物を得るために、pH3.0と6.5の間の値、好ましくはpH4.0と6.0の間の値、より好ましくはpH4.5と5.5の間の値、特に好ましくはpH5.0に調節されたpHを持つ、本発明の凍結乾燥組成物を調製する事が好ましい。好ましくない粘性の減少、又は、例えば担体基材又は繊維のような不溶性成分の追加による、又は化学架橋剤による、副次的で付加的な組成物の安定化は、そのようなpH調整によって避けられると言われている。
【0062】
それゆえ、20℃で1重量%の水の溶液又は懸濁液が、3.0から6.5のpH、好ましくは4.0と6.0の間、より好ましくは4.5と5.5の間、特に好ましくはpH5.0であるそのような凍結乾燥組成物が好適である。
【0063】
驚くべきことに、更に、pH3.0と6.5の間、好ましくはpH4.0と6.0の間、より好ましくはpH4.5と5.5の間、特に好ましくはpH5.0のpHを有する本発明における凍結乾燥組成物は、美容上の使用や湿潤吸収創傷被覆体剤としての使用における、再水和とゲルへの変換のために、本質的に重要な最適湿潤速度を有する事が明らかとなった。
【0064】
驚くべきことに、更に、pH3.0と6.5の間、好ましくはpH4.0と6.0の間、より好ましくはpH4.5と5.5の間、特に好ましくはpH5.0のpHを有する本発明における凍結乾燥組成物は、特に高い光学密度を持つことが明らかとなった。ここで、本凍結乾燥組成物で達成される光学密度に基づくpHの直接的な影響は明らかである。
【0065】
このpH範囲でのカルボマーの電荷密度は、カルボン酸基(高い固有粘度、高い流体力学半径)の十分な分子内反発を確保するのに十分高く、非常に高くするために、更なる陰イオン性天然ポリマーや電気的に活性な成分を有する、負に荷電したカルボマーを考慮する事はない。このpH範囲において、水素架橋とファンデルワールス力による当該凍結乾燥基材の安定性は、機械的に安定で、特に切断に安定な光学密度の高い基材を得るのに十分に高い。pHが6.5より高くなれば、同じように荷電したポリマー成分の静電反発と、安定している水素架橋やファンデルワールス力に対する逆効果が高くなり、凍結乾燥組成物は、機械的にあまりにも不安定となり、大型の安定な形状体を形成できず、又は、切断により望ましい形状に変換することができない。前記組成物の湿潤性も大幅に悪化するため、凍結乾燥組成物のpHはpH5.5以上でない事が特に望ましい。
【0066】
安定化成分の追加なしに調製され、かつ、対応する物理的、機械的、化学的特性を持つ前記ポリマー組成物を含む凍結乾燥組成物は、公知技術ではない。
【0067】
従って、本発明は、ポリアクリル酸とその塩に基づく少なくとも1つのポリマーと、少なくとも1つの天然ポリマーと、任意に上述のポリマーとは異なる少なくとも1つの更なる天然又は合成ポリマーと、任意に1つ以上の活性化合物及び/又は補助物質とを含む凍結乾燥組成物を提供することにある。更に、本発明は凍結乾燥組成物の調製のための工程、水溶液を含む要素キットの構成における凍結乾燥組成物の組み合わせ、及び、美容上及び医薬上の使用、特に美容用マスクと創傷被覆体のための使用、特に例えば慢性傷、下腿潰瘍又は褥瘡のような真皮創傷の治療用医薬品の調製のための凍結乾燥組成物と要素キットの使用に関する。
【0068】
本発明において、凍結乾燥組成物は、凍結乾燥ハイドロゲル組成物、特に親水性ポリマー又は親水性ポリマー組成物、特にハイドロゲル組成物を形成する親水コロイド状の構造形成ポリマーという意味で理解され、水溶液中で容積と粘性の増加を伴って膨潤し得る。その結果、本発明において、前記組成物は、高い吸水力と保持力、又は膨潤、水和した状態で高い含水量を有する。
【0069】
本発明の凍結乾燥組成物は、ポリアクリル酸とその塩に基づく少なくとも1つのポリマーを含み、該ポリマーは、
【化1】


の基本構造を持つ、特にポリアクリル酸、例えばポリアクリル酸とその誘導体である。ここで、R=−H(ポリアクリル酸)又はR=アルキル基(ポリアクリル酸)。それらは、非結晶であり、分岐して、更なる官能基によって置換されることができ、又は基本的な基材の誘導体化により種々の形状で存在しうる。言い換えると、選択された化学変化は、特に、例えばエステル化によるカルボン酸基に関連している。ポリアクリル酸に基づく基材からの混合共重合体(例えばブロック共重合体)の形成も可能である。
【0070】
本発明において特に好ましいアクリル酸ポリマーは、例えば、アクリル酸/アルキルアクリル酸共重合体、特に合成アクリル酸ポリマーに基づいたものであり、一般名“カルボマー”として公知であり、米国薬局方、英国薬局方、米国一般名委員会(USAN)や化粧品工業会(CTFA)によると、カルボポール群(Carbopol(登録商標)、B. F. Goodrich 社)を含む。
【0071】
化学的に、前記カルボマーはアクリル酸ポリマー、より正確にはアクリル酸とアクリル酸ナトリウムとの共重合体であり、各モノマーの比率は多様である。例えば、スクロースのアリルエーテル又はペンタエリスリトールのアリルエーテルで重架橋されるC10-C30-アルキルアクリル酸とアクリル酸、メチルアクリル酸又はそのエステルの1つ以上のモノマーとの共重合体のようなペンタエリスリトールアリルエーテル、スクロースアリルエーテル又はプロピレンアリルエーテルで架橋されるアクリル酸の単一ポリマーも、カルボマーの群に属する。
【0072】
アクリル酸ポリマー、例えば特にカルボマーは、極めて優れた吸水力のために、“超吸収体”という用語でも知られており、慣用的には、自身の重量の数倍、最大で1000倍の液体(通常、水又は蒸留水)を吸収できるポリマーとされている。ここで、実際の吸収力は、特に水性液体の組成に依存する。例えば、もし液体が、純水なら、その吸収力は概して、生理的食塩水又は生理的液体といった塩又は電解質を含有する液体よりかなり高い。これは、おそらく、すでに議論された電解質に対するこの物質群の感受性に起因している。当該分子構造が、電解質によって固有粘度が減少するように影響されるのであれば、当該分子はその空間範囲が減少し、ゲル又はポリマー構造へ水分子を包埋するための能力が低くなり、その結果、概して吸水力は減少する。
【0073】
参考文献には、そのようなカルボマー分子の溶液の物理的特性、pH、電解質感受性の観点で、構造、作用、付随する特質に関して上記記載がなされている。
【0074】
本発明の凍結乾燥組成物は、さらに、少なくとも1つの天然ポリマーを含む。ここで、天然構造形成ポリマーの群から1つが選択されることが好ましく、多糖類又はグリコサミノグリカンの群から選ばれることが好ましい。驚くべきことに、本発明の組成物と調製方法において、特に陰イオン親水コロイド形成天然ポリマーとポリアクリル酸とを結合させる事が可能であることが見出された。当該天然ポリマーは、多糖類から選択されることが好ましい。例えば、多糖類は、ホモグリカン又はヘテログリカンを含み、そのようなものとして、例えばアルギン酸塩、特にアルギン酸ナトリウム、トチャカ(carrageen)(同等な英語名“カラギーナン(carrageenan)”として、本文中で適宜記載される)、ペクチン、プルラン、トラガント、グアーガム、イナゴマメ粉、寒天、アラビアガム、キサンタン、天然又は修飾された澱粉、デキストラン、デキストリン、マルトデキストリン、キトサン、グルカン、例えばβ−1,3−グルカンとβ−1,4−グルカン、例えばセルロース、ムコ多糖類、例えばヒアルロン酸などを含む。ここで、陰イオン親水コロイド形成天然ポリマーは、水溶液において粘性溶液を形成する天然に存在するポリマーとして記載する。それらは、高分子電解質で、生物学的(中性の)pH範囲で負電荷を帯びているイオン化官能基を有している。
【0075】
前記陰イオン天然親水コロイドには、例えばアルギン酸塩、ヒアルロン酸、トチャカ、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム、寒天、コラーゲン、B型ゼラチン、カラヤガム、ペクチン、トラガント、ポリメチルビニルエーテル/無水マレイン酸(ガントレッツ)などがある。
【0076】
本発明において好適に使用される天然ポリマー、特に多糖類の群の天然ポリマーは、便宜上、およそ10から最高およそ10、の平均分子量を有しており、およそ10〜10の平均分子量を有することが好ましい。
【0077】
本発明において、天然ポリマーの群、とりわけ、アルギン酸ナトリウムのようなアルギン酸塩の群からの天然ポリマーが、特に好ましい。カルシウムを含まないアルギン酸ナトリウム(カルシウム含量が、3重量%より少なく、より好ましくは2重量%より少なく、さらにより好ましくは1.5重量%より少ないアルギン酸ナトリウム)が好適である。
【0078】
当該組成物は、天然ポリマーの群から、更なる1つ以上のポリマーを含むことができる。天然ポリマーとしては、例えば上述のポリマー、又は例えばコラーゲンとその誘導体(可溶性又は不溶性の動物又は植物コラーゲン、特に魚のコラーゲン)が挙げられる。更に、上述のポリマーと異なるポリマー、例えば合成及び/又は修飾された天然ポリマーを選択することもできる。前記合成又は修飾された天然ポリマーには、例えばセルロースエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、合成セルロース誘導体(例えばメチルセルロース、カルボキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースエステル)、セルロースエーテル(例えばヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリメタクリレート(PMA)、ポリエチレングリコールなど)を含む。
【0079】
また、少なくとも1つの更なる天然ポリマーが、トチャカ(例えば特に、カラギーナン)及び/又はムコ多糖類(例えば特に、ヒアルロン酸)及び/又は(例えば特に、魚のコラーゲン)の群から選択されることが好ましい。
【0080】
また、少なくとも1つの更なるポリマーが、修飾されたセルロースの群の合成及び/又は修飾された天然ポリマーの群から選択されることが更に好ましく、特にカルボキシメチルセルロースが好ましく、とりわけカルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましい。
【0081】
また、天然ポリマーの群及び/又は合成ポリマーの群からの数種のポリマーの混合物を使用することも可能である。アルギン酸塩と、ヒアルロン酸と、任意にトチャカ及び/又はコラーゲン及び/又はセルロースの混合物が特に好ましい。
【0082】
本発明の凍結乾燥組成物のポリマーは、優れた生体適合性を持ち、特に皮膚や粘膜に許容され、無傷の皮膚に使用された場合も、皮膚の下層の1つ、例えば本来の皮膚構造が傷害された、又は損傷を受けた創傷部位に導入された場合も、毒物学的な可能性はない。本発明によるポリマーは、使用に際して、過敏作用や他の不寛容な反応は全く引き起こさない。
【0083】
本発明の組成物は、更に少なくとも1つ以上の活性化合物を含むことができる。
【0084】
本発明による前記凍結乾燥組成物は、少なくとも1つの活性化合物を含むことが好ましい。活性化合物は、外用に適した、特に美容上の又は治療上の又は医薬上の活性化合物を含む。従って、本発明の前記凍結乾燥組成物は、美容上又は治療上の薬剤であることが好ましい。
【0085】
本発明において、美容用薬剤又は美容上の活性化合物を使用して調製された薬剤は、本質的に食品日用品法(Foodstuffs, Commodities and Feedstuffs Code)[ドイツ=LFGB]の薬剤である。すなわち、洗浄、管理のため、又は、外見や体臭への作用のため、又は、芳香の印象を与えるために、ヒトへの外用の使用を目的とした物質又は物質の製剤であり、これらの目的には、主に病気、苦しみ、体の損傷又は病理学的徴候の緩和又は除去を目的とするものは含まない。本発明において使用される化粧用の形態としては、例えば浴用剤、皮膚洗浄・浄化剤、スキンケア剤(特に顔用スキンケア剤)、眼の化粧品、リップケア剤、ネイルケア剤、フットケア剤、ヘアケア剤(ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、ヘア柔軟剤など)、遮光剤、日焼け剤や美白剤、脱色剤、デオドラント、抗発汗剤、脱毛剤、昆虫忌避剤など、又はそのような薬剤の組合せが挙げられる。
【0086】
美容用として、また、任意の(例えば皮膚の)治療用活性組成物の例としては以下のものが挙げられる:抗ニキビ剤、抗菌薬、抗発汗剤、収斂性の薬剤、消臭剤、脱毛剤、皮膚用調整剤、皮膚平滑剤、皮膚水和を増加させる製剤(グリセロール又は尿素)、日焼け止め剤、表皮剥離剤、遊離基のための遊離基捕捉剤、抗脂漏剤、フケ防止剤、防腐性活性化合物、皮膚の加齢の兆候処置用活性化合物及び/又は分化及び/又は増殖及び/又は皮膚色素沈着を調節する製剤、ビタミン例えばビタミンC(アスコルビン酸)とその誘導体、例えば配糖体、例えばアスコルビルグリコシド又はアスコルビン酸のエステル、例えばリン酸アスコルビルナトリウム/リン酸アスコルビルマグネシウム又はパルミチン酸アスコルビルとステアリン酸アスコルビル、L-アスコルビン酸リン酸塩エステル、アルカリ金属塩、例えばL-アスコルビン酸リン酸塩エステル類のナトリウムとカリウム塩;L-アスコルビン酸リン酸塩エステル類のアルカリ土類金属塩(例えばマグネシウムとカルシウム塩);L-アスコルビン酸リン酸塩エステル類の三価染色体金属塩類(例えばアルミニウム塩類);L-アスコルビン酸硫酸塩エステル類のアルカリ金属塩(例えばL-アスコルビン酸硫酸塩エステル類のナトリウムとカリウム塩類);L-アスコルビン酸硫酸塩エステル類のアルカリ土類金属塩(例えばマグネシウムとカルシウム塩);L-アスコルビン酸硫酸塩エステル類の三価染色体金属塩類(例えばアルミニウム塩類);L-アスコルビン酸エステル類のアルカリ金属塩(例えばナトリウムとカリウム塩類);L-アスコルビン酸エステル類のアルカリ土類金属塩(例えばマグネシウムとカルシウム塩);そして、L-アスコルビン酸エステル類の三価染色体金属塩類(例えばアルミニウム塩類)。
【0087】
炎症を誘因する副作用を有する活性化合物としては、例えばアルファ-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸、アルファ-ケト酸、β-ケト酸、レチノイド類(レチノール、レチナール、レチノイン酸、アントラリン類(ジオキシアントラノール)、アントラノイド類、過酸化物(特に過酸化ベンゾイル)、ミノキシジル、リチウム塩、代謝拮抗物質、ビタミンDとその誘導体;カテコール、フラボノイド、セラミド、高度不飽和脂肪酸、必須脂肪酸(例えばガンマ-リノレン酸)、酵素、補酵素、酵素阻害物質、水和剤、皮膚平滑剤、洗剤又は発泡剤、無機又は合成の艶消し充填剤、又は装飾的な物質(例えば基礎化粧品、メイクアップ製剤のとしての顔料又は染料と色付き粒子)と化粧装飾品と目、唇、顔などのカラーモデリングと研磨剤が挙げられる。
【0088】
更に、植物性活性化合物の抽出物、又は抽出物、又は抽出物から得られる各物質が言及されてもよい。一般に、植物の活性化合物の抽出物は、概して、以下からなる群から選択される。固体植物エキス、液体植物エキス、親水性植物エキス、親油性植物エキス、個々の植物成分、及びそれらの混合物(例えばフラボノイド類とアグリカ(aglyca))すなわち、ルチン、ケルセチン、ジオスミン、ヒペロシド、(ネオ)ヘスペリジン、ヘスペリチン、ギンクゴ ビロバ(Ginkgo biloba)(例えばイチョウフラボン配糖体)、山査子抽出物(例えばオリゴマープロシアニジン)、ソバ(例えばルチン)、エンジュ(例えばルチン)、樺の葉(例えばケルセチン配糖体、ヒペロシドとルチン)、エルダーフラワー(例えばルチン)、ライムの花(例えばケルセチンとファルネソールによるエッセンシャル油)、オトギリソウ油(例えばオリーブ油抽出物)、カレンデュラ、アルニカ(例えばエッセンシャル油による花の油性抽出物、フラボノイド類を伴う極性抽出物)、メリッサ(例えばフラボン、エッセンシャル油);免疫賦活薬:エキネシア・プープレア(例えばアルコール抽出物、新しい樹液、圧搾ジュース)、エゾウコギ;アルカロイド:印度蛇木(例えばプラジマリン)、ツルニチニチソウ(例えばビンカミン);更なる植物製剤:アロエ、セイヨウトチノキ(例えばエスチン)、ニンニク(例えばニンニク油)、パイナップル(例えばブロメライン)、人参(例えばギンセノシド)、ノゲシ果実(例えばシリマリンに関して標準化された抽出物)、ルスカスの根(例えばルスコゲニン)、カノコソウ(例えばバレポトリエイト、tct、バレリアナ)、被覆体被覆体(例えば被覆体ラクトン)、ホップ花(例えばホップ苦味)など、フィージーミバエ、リンドウ(例えばエタノールで抽出)、アントラキノンを含有する薬抽出物、例えばアロインを含むアロエベラジュース、花粉抽出物、藻類エキス、カンゾウエキス、ヤシエキス、キントラノオ(例えば最初のチンキ)ヤドリギ(例えば水性エタノール抽出)、植物ステリン(例えばベータシトステロール)、ベルバスクム(例えば水性アルコール抽出)、モウセンゴケ属(例えばビノムリキューロサム(vinum liquorosum)抽出物)、シーバックソーン果物(例えばそこから得られるジュース又はシーバックソーン油)、マシュマロ根、サクラソウ根抽出物、ゼニアオイの新鮮な植物エキス、ヒレハリソウ、ツタ、トクサ、ノコギリソウ、オオバコ(例えば圧搾ジュース)、イラクサ、クサノオウ、パセリ; ノロラエナ ラバタ(Norolaena lavata)、タゲテス ルチダ(Tagetes lucida)、ティーオマ シエムス(Teeoma siems)、モモルディカ カラティア(Momordica charatia)およびアロエベラの抽出物。
【0089】
好適な美容上の活性化合物は、特に水分供給による崩壊又は分解に対して非常に不安定である。そして、凍結乾燥工程によって、水分に対して安定化された形で製剤に提供可能である。
【0090】
とりわけ、化粧品に広く使用されている不安定な活性化合物の群の中で、特に好ましい活性化合物は、アスコルビン酸(ビタミンC)とその誘導体であり、例えばアスコルビルグリコシド、L-アスコルビン酸リン酸塩エステル類、L-アスコルビン酸リン酸塩エステル類のアルカリ金属塩(例えばナトリウムとカリウム塩類);L-アスコルビン酸リン酸塩エステル類のアルカリ土類金属塩(例えばマグネシウムとカルシウム塩);L-アスコルビン酸リン酸塩エステル類の三価染色体金属塩類(例えばアルミニウム塩類);L-アスコルビン酸硫酸塩エステル類(例えばL-アスコルビン酸硫酸塩エステル類のナトリウムとカリウム塩類)のアルカリ金属塩;L-アスコルビン酸硫酸塩エステル類のアルカリ土類金属塩(例えばマグネシウムとカルシウム塩);L-アスコルビン酸硫酸塩エステル類の三価染色体金属塩類(例えばアルミニウム塩類);L-アスコルビン酸エステル類のアルカリ金属塩(例えばナトリウムとカリウム塩類);L-アスコルビン酸エステル類のアルカリ土類金属塩(例えばマグネシウムとカルシウム塩);そして、L-アスコルビン酸エステル類の三価染色体金属塩類(例えばアルミニウム塩類)が挙げられる。
【0091】
基本的に美容上の分野で使用される上述の組成物と対照的に、治療上の組成物(医薬品)は、少なくとも1つの医薬用又は治療用、特に皮膚病学用の活性化合物を含み、医薬品の法律の趣旨において、とりわけ病気、苦しみ、身体の損害又は病理学的徴候を治療、軽減、予防することを目的としている。本発明によれば、特に、外部又は経皮への使用、とりわけ創傷処置や治癒の分野への使用を目的とする製剤や活性化合物に適している。
【0092】
前記真皮又は経皮で使用するための活性化合物は、特に、皮膚上で有効である活性化合物であり、経皮用の活性化合物でもある。それらは、例えば、以下のものを含む。皮膚病の処置剤、外部で使用され得る鎮痛薬(例えばデキストロプロボクシフェン、ペンタゾシン、ペチジン、ブプレノルフィン);抗リウマチ薬/消炎剤(NSAR)(例えばインドメタシン、ジクロフェナク、ナプロキセン、ケトプロフェン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、サリチル酸と誘導体(例えばアセチルサルチル酸、オキシカム));ステロイドホルモン類(例えばベタメタゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、エチニルエストラジオール、メドロエルゴタミン、ジヒドロエルゴトキシン);痛風剤(例えばベンズブロマロン、アロプリノール);外用皮膚剤、抗ヒスタミン剤、抗生物質、抗菌薬(例えばコロイダルシルバーと銀塩、抗真菌薬、ペプチド薬剤、抗ウイルス性活性化合物、抗炎症性活性化合物、止痒性活性化合物)、麻酔薬(例えばベンゾカイン)、コルチコイド、にきび剤、抗寄生虫性活性化合物、外用として使用可能なホルモン類;静脈治療学;免疫抑制薬など、真皮又は経皮的で使用する全てのもの。
【0093】
真皮又は経皮で使用するための好ましい医薬品は、例えば神経皮膚炎、アトピー性皮膚炎のような皮膚疾患治療薬、及び、抗ヘルペス剤、及び、特に創傷処置の分野、特に慢性傷、褥瘡、下腿潰瘍などの処置に使用される鎮痛薬のような薬剤であり、例えば免疫抑制薬、ホルモン類、麻酔作用のある化合物、駆虫剤、抗真菌又は抗マイコプラズマ、及び抗菌剤活性化合物であり、例えば、特に銀含有する活性化合物、例えば硝酸塩、塩化銀、ヨウ化銀、又は先行文献により公知の他の銀含有創傷処置物質であり、特に電解質のような創傷媒体を補助し制御するための活性化合物、シリカ、鉱物と微量元素(例えば例えばカリウム、マグネシウム、カルシウム、セレン、ヨウ素その他のような)や創傷デブリードマンを達成するための活性化合物であり、例えばコラゲナーゼ又は先行技術として公知の他の適当なタンパク質分解酵素である。
【0094】
更に、更なる活性化合物、例えば気管支治療剤(例えば抗喘息薬、鎮咳薬、粘液溶解薬その他)、抗糖尿病薬(例えばグリベンクラミドのような)、ホルモン類、ステロイドホルモン類(例えばデキサメタゾン)、強心配糖体(例えばジギトキシン)、心血管治療薬(例えばベータ受容体遮断薬、抗不整脈薬、高血圧治療薬、カルシウム拮抗薬その他)、向精神薬と抗うつ薬(例えば三環系抗鬱薬(NSMRI)のような)、セロトニン再摂取抑制剤(SSRI)、ノルアドレナリン再摂取抑制剤(NRI)、セロトニン-ノルアドレナリン再摂取抑制剤(SNRI)、モノアミノオキシダーゼ抑制剤(MAO阻害薬)その他)、神経遮断薬、抗痙攣薬又は抗てんかん薬、催眠薬、鎮静剤、麻酔、胃腸治療薬、脂質低下薬、鎮痛薬(例えば抗片頭痛薬、パラセタモール、サリチル酸とその誘導体(例えばアセチルサルチル酸、ジクロフェナック、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセンその他))、消炎剤、血管拡張薬、利尿剤、痛風剤、細胞増殖抑止剤、筋弛緩薬、避妊薬(例えばホルモンパッチの形で)、例えばニコチンパッチの形での中毒撤回薬、植物抽出物、プロビタミン(例えばベータカロチンのような)、ビタミン(例えばビタミンC、A、B、Eその他のような)、を発明による組成物の経皮的な使用、例えば経皮貼り付け活性化合物として投与することが考えられる。
【0095】
特に好ましい医薬品の活性化合物は、抗菌剤の群から選択された化合物であり、例えば銀化合物又は他の静菌性/殺菌性物質(例えば慢性傷又はいわゆる問題の傷の処置のためのオクチニジン(octinidin)、PVP-ヨードなど)である。
【0096】
親水コロイド、特に、例えば多糖類のような天然ポリマーに基づく親水コロイドは、特定の治療的作用も持ちうる。したがって、親水コロイドが好んで使用され、(ナトリウム)アルギン酸塩はある程度抗ウイルス作用を有し、スキンケアーにおいて、ヒアルロン酸は再上皮膚化や抗酸化や湿潤提供の特定な作用を有すると言われている。しかし、本発明においては活性化合物ではない。
【0097】
本発明の凍結乾燥組成物は、更に任意に1つ以上の補助物質を含むことができる。補助物質としては以下のものを含む。pH調節剤(例えば緩衝物質、無機と有機の酸又は塩);脂肪物(例えば鉱油(例えばパラフィン油又はワセリン油))、シリコーン油、植物油(例えばココナッツ油、甘いアーモンド油、アプリコット油、トウモロコシ油、ホホバ油、オリーブ油、アボカド油、胡麻油、パーム油、ユーカリ油、ローズマリー油、ラベンダー油、松油、タイム油、ミント油、カルダモン油、オレンジの花油、大豆油、ふすま油、米油、菜種油やヒマシ油、小麦麦芽油、分離されたビタミンE、マツヨイグサ油、植物レシチン(例えば大豆レシチン)、植物から分離されるスフィンゴ脂質/セラミド)、動物性油又は脂肪(例えば獣脂、ラノリン、澄ましバター、中性の油、スクアラン、脂肪酸エステル、脂肪アルコールのエステル類(例えばトリグリセリドと皮膚温に相当する融点を有する蝋(動物性蝋(例えば蜜蝋、カルナウバ蝋とカンデリラ蝋、鉱蝋(微結晶蝋と合成蝋(例えばポリエチレン又はシリコーン蝋))と、例えばthe CTFA publication Cosmetic Ingredient Handbook, 1st ed., 1988, The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association, Inc., Washingtonに記載されているように美容上の目的のための適合する全ての油(いわゆる化粧油)、上述の界面活性剤以外の界面活性剤(例えば分散助剤、湿潤剤、乳化剤その他);充填剤、安定化剤、それらの顔料と染料(例えば活性化合物のグループの下でリストされる装飾的な染料)のようなパッド、安定剤、共溶媒、薬剤的・美容的に一般又は他の染料と顔料、特に主にハイドロゲル組成物を色づけるための使用と人体への適用と色づけるためには不使用(例えば活性化合物の群の下でリストされた装飾的な染料のような顔料や染料);防腐剤;軟化剤;潤滑油又はスリップ剤;などである。
【0098】
特に好適な補助物質は、pH3.0と6.5の間、好ましくはpH4.5と6.0の間、特に好ましくはpH5.0の好ましいpHに調整するための水酸化カリウム溶液(KOH)である。
【0099】
本発明において、更なる好ましい補助物質は、脂肪や油である。ここで、上記リストの化粧用油は、特にトリグリセリド(特に好ましくはカプリル酸/カプロン酸トリグリセリド、スクアラン及び/又はホホバ油)が特に好ましい。
【0100】
更に、好適な補助物質は充填剤の群から選択され、組成物に含まれるマンニトールが特に好ましい。
【0101】
通常、本発明において、上述の物質の補助物質への分類は、これらの補助物質が特定の美容上の、及び/又は、治療上の作用を示すかもしれないという事実を除外しない。そしてそれは、好適に使用されると言及した美容用油に特定の程度当てはまる。
【0102】
補助物質は、本発明の組成物に、最終製品の冷凍乾燥総組成物に基づいて最大50重量%まで加えることができる。
【0103】
本発明は、さらに凍結乾燥組成物を調製するための工程を提供する。それは、以下のステップを含む。
a)少なくとも1つの天然ポリマーの水性懸濁液又は水溶液の調製
b)任意に、ステップa)又はe)で使用するポリマーと異なる少なくとも1つの更なるポリマーとの混合
c)任意に、1つ以上の活性化合物及び/又は補助物質との混合
d)pH3.0から6.5に、水性懸濁液又は水溶液のpHを調節
e)ポリアクリル酸とその塩に基づくポリマーの水性懸濁液又は水溶液の調製、及び溶液のpHをアルカリでpH3.0と6.5の間のpHに調節
f)a)からd)及びe)で調製された懸濁液又は溶液の混合、及び適宜、pH3.0から6.5にpHを調節
g)混合物を適当な型又は適当な表面に押し出すか広げる
h)混合物の凍結と
i)凍結乾燥組成物を形成するために混合物を凍結乾燥
【0104】
任意に、更なるステップがこれらのステップの間で実行され、そして、特に、ステップh)の後、任意に使用される型から凍結組成物を取り出す事ができる。
【0105】
上述の調製工程後、当該凍結乾燥組成物は、特に切断や型押しにより、望ましい形状に変換できる。特に記載の工程により得られる凍結乾燥組成物を切断する事で、実質的にどんな望ましい形状でも提供する事ができる。特に組成物の厚みや幾何学的な形状は、切断により構成させることができる。
【0106】
平面形状、例えばシート、基材、被覆体、パッド、不織布、マスク、箔、層、コーティング、又は、他の考えられる平面形状の組成物を得るために、上述の工程で得られる凍結乾燥組成物は、0.5mmから2cmまでの厚さに切断されることが好ましい。
【0107】
当該凍結乾燥組成物の長さや幅は、厚みの少なくとも10倍、好ましくは20倍の切断片が選択されることが、更に好ましい。
【0108】
例えば処置される身体の部位、又は想像した形の幾何学的形状に適合された切断片を提供する事もできる。このように、特に美容上の使用のために、本発明の凍結乾燥組成物は、処置される身体の表面や他の部分の形状で切断片を形成できる。あるケースにおいて、本発明の凍結乾燥組成物はマスクの形状である。
【0109】
しかし、上記の工程により、機械的に安定な大型の成形体の凍結乾燥組成物を得ることもでき、そして、そのような成形体の形状は、組成物が凍結される際の型の選択により決定的となる。
【0110】
治療上の使用のために、特にシート又はパッドを長方形断片の形に切り出す事は好都合である。そのような長方形は、処置される部位の大きさに依存して、好ましくは少なくとも約25cm、より好ましくは少なくとも約50cm、更により好ましくは少なくとも約100cmまでの範囲を有することができる。
【0111】
ここで、凍結乾燥組成物のサイズ、範囲、及び厚みは、とりわけ、使用上望ましい形態や使用部位により決定される。このように、美容上・医薬上の外用での使用の場合、身体又は髪の比較的大きな領域への使用(再水和組成物の背中への直接的な使用など、又は入浴剤としての使用)は、組成物のより大きな形状の使用を可能にする。一方で、身体のより小さな部分への使用の場合(例えば頬など)、組成物は、より小さな形状であることが好ましい。治療的な処置にとっても、例えば傷の空間範囲に対する組成物の大きさの適合は重要である。
【0112】
記載された工程で得られるハイドロゲル組成物は、さらに型押し、又はエンボス加工に供されることが可能である。
【0113】
本発明の凍結乾燥組成物の平面形状は、5から500cmの領域を持つことが好ましく、この領域は前記平面組成物の2つの最も長い辺の長さから生じる。
【0114】
調整の間の手順は、便宜上、次のように行われる。天然ポリマーの水溶液が最初に調製され、次に、天然ポリマー、修飾された天然ポリマー、又は合成ポリマー群からの更なるポリマーが、任意に加えられる。これらは直接水性ポリマー溶液に混ぜ合わせることができ、その中で溶解され、あるいは、これらの更なるポリマーの水溶液又は懸濁液が調製されて、それから天然ポリマーと溶液又は懸濁液とを混ぜ合わせられる。任意に、活性化合物又は化合物類と、任意に1つ以上の補助物質とが、この方法で得られるポリマー溶液又は懸濁液に加えられ、混合される。すべての成分を混合した後、適宜、pH調節剤の群からの補助物質、好ましくは無機のアルカリ(例えば好ましくは水酸化カリウム溶液)の添加により、pH3.0と6.5の間、好ましくはpH4.0と6.0の間、より好ましくはpH4.5と5.5の間、特に好ましくはpH5.0のpHに調節される。
【0115】
次に、ポリアクリル酸とその塩に基づく少なくとも1つのポリマー、好ましくはカルボマーが、混合物に加えられる。これは、pH調節剤、例えば特にアルカリ金属の水酸化溶液、例えば特に水酸化カルシウムで、部分的に中和されたポリアクリル酸又はカルボマー溶液の調製と、それが次に、天然ポリマーと、任意に更なる物質が添加された、調整済みの溶液に攪拌混合される事により実施される。
【0116】
油溶性活性化合物が、凍結乾燥を受ける溶液又は懸濁液の調製に使われるならば、それらは、任意に補助物質として使用される油(特定のスクアラン、ホホバ油及び/又は中性油のようなトリグリセリド)に溶解されることが好ましい。そして、更に溶液に天然ポリマーと、任意に更なるポリマーと、活性化合物及び/又は補助物質が加えられる。この調製方法は、短期間に安定な溶液や懸濁液が形成されるという利点を持つ。乳化剤又は表面活性物質(例えば界面活性剤のような)は必要なく、また、油溶性又は油性補助物質又は活性化合物が使われるならば、工程中に、溶液又は懸濁液の相分離は起こらない。しかし、水溶性活性化合物が使用されることが好ましい。
【0117】
凍結乾燥組成物が、凍結乾燥後に、特に切断及び/又は型押しに対して適切な機械的安定性を持つために、本発明のポリマー組成物、特に天然ポリマーとポリアクリル酸又はその誘導体の群からなるポリマーの水溶液又は懸濁液は、特定のポリマー濃度を持つことが必要である。特定の正確な濃度は、当然ながら、使用されるポリマーの性質に依存する。凍結乾燥を受ける溶液又は懸濁液総量に基づいて、便宜的に、少なくとも約0.5重量%であり、好ましくは少なくとも約1.0重量%、最大で少なくとも1.5重量%、好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満までである(溶液の総重量に基づいて、天然ポリマー、任意に修飾された天然ポリマー、及び/又は、更なる合成ポリマーの群からなるポリマーの重量、及び、ポリアクリル酸の重量)。
【0118】
このように調製された溶液又は懸濁液は、次に適当な型の中に、又は、ある表面に注がれて凍結される。溶液又は懸濁液の冷却又は凍結は、例えば、冷たい空気の吹き付け、冷たい塩水が流れるプレートへの適用による冷却、又は例えば液体窒素への浸漬のような液体ガスへの型の浸漬といった任意の望ましい方法で実施されうる。この状況において、冷却速度は、形成される氷晶の寸法に影響を及ぼす。それらは、次に、形成される凍結ハイドロゲルの孔寸法分布に影響を及ぼす。大きな結晶がほとんど形成されないならば、冷凍組成物は大きな孔をほとんど有さず、多くの小さな結晶が形成されるならば、それは多くの小さな孔を有する。液又は懸濁液の冷却速度が、より高いと、当該結晶はより小さくなる。ここで、当該組成物中の凍結形状は、冷却板上で、少なくとも−20℃未満の温度で凍ることが好ましい。
【0119】
必要な凍結温度は、とりわけ、溶液に含まれる活性化合物又は補助物質によりどの程度氷点が低下するかに依存する。便宜上、温度は、水の氷点下のままで、温度を液体窒素(-196℃)で下げる。凍結温度は、-10〜-80℃が好ましく、-20〜-60℃が特に好ましい。
【0120】
当該凍結組成物は、次に凍結乾燥される。凍結乾燥は、例えばDE4328329C2、DE4028622C2又はDE10350654A1にも記載されているような、一般的に知られる凍結乾燥方法で実施することができる。
【0121】
天然ポリマー、修飾された天然ポリマー又は合成ポリマー、活性化合物や補助物質のような冷凍乾燥させる溶液や懸濁液に含まれる固体の量は、得られる凍結乾燥組成物の密度(それ自身の幾何学的形体の量に基づく凍結乾燥組成物の重量)に影響を及ぼす。当該密度は、同様に、凍結乾燥組成物の多孔性の重要なパラメーターとなり、更に、溶解速度、水、活性化合物及び/又は補助物質溶液及び/又は身体や創傷の流体で湿らせた場合の膨潤性のための重要なパラメーターとなる。凍結乾燥組成物の多孔質構造は、多孔性材料の大きな表面積のため、水の迅速な吸収や再水和のための本質的な基盤であり、再水和過程で水相と固体組成物間で密接な交換を起こすことができる。溶液中のポリマーや任意の活性化合物や補助物質の濃度が高ければ、密度も高くなり、それゆえ、凍結乾燥組成物の多孔度の程度は低くなる。逆もまた同じである。それにもかかわらず、凍結乾燥組成物の多孔率の程度は、単に材料の密度だけに依存しているわけではない。むしろ、材料の多孔率は、基本的に2つのパラメーター、材料の密度と氷晶の寸法の関数である。懸濁水溶液中の高い固体含量は、凍結乾燥最終製品中の材料の密度を増加させ、再水和剤/固体接触域を減少させる。高い冷凍勾配は、小さな氷晶をもたらし、それが大きな内部の材料表面積をもたらし、そして次に再水和を促進する。従って、低密度の材料と小さな氷晶は、凍結乾燥組成物の急速な湿潤、溶解、又は膨潤に好都合である。
【0122】
孔の密度/程度又は溶解又は再水和の速度の側面で、本発明の組成物の作製法や調製は、得られる組成物の密度が、便宜上、約0.01g/cm、最大で0.8g/cm、好ましくは0.015g/cm最大で0.5g/cm、好ましくは0.02g/cm、最大で0.1g/cmのように管理されている。本発明において使用される密度という用語は、それ自身の外部の幾何学的形体の量に基づく凍結乾燥組成物の重量を意味する。ここで、個々の切断された凍結乾燥組成物の重量は、当然ながら、それ自身の寸法や容量単位、すなわち最終的に期待される使用のための各切断片に依存しており、一般に約10mgから6gであり、20mgから1000mgが好ましく、約50mgから500mgがより好ましく、少なくとも10cm2が好ましく、少なくとも15cm2がより好ましく、更に好ましくは少なくとも20cm2で、厚さが約0.5mmから2cmである。
【0123】
特に美容的な理由、とりわけ美容上のためだけでなく、医薬上の使用においても、さらに高い光学密度を有する組成物が望まれる。ここで、光学密度は、1mmの層厚を有する凍結乾燥組成物についてハイラントSW濃度計TD03で測定して、入射光線の強さに対して透過光の強さの指数のベース10に対する対数として測定された光学密度の量的単位を意味する。本発明の凍結乾燥組成物は、光学密度が、層厚1mm当たり、0.02以上であることが好ましく、0.03以上であることがより好ましく、0.05以上であることが更に好ましい。
【0124】
本発明の組成物のpHが成す光学密度への上記影響に基づいて、調製と作成法、特にpHの調整が、そのような可能な限りで最高の光学密度を実現し、層厚1mm当たり、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.03以上、さらに好ましくは、0.05以上の光学密度が達成される。
【0125】
本発明の凍結乾燥組成物は、液体が供給されると、速やかに、かつ実質的に完全に再水和化され、均一できれいに分散したゲルを形成する。特に、急速な再水和化のためには、親水性又は水性の液体が好ましい。本発明に用いられるポリマーは、実際の意味で、固体成分が溶媒中に完全に溶けて、均一にその中に分散される程度まで溶解せず、むしろ、親水コロイドのポリマー基材中に埋められている大量の水とイオンにより、ポリマーの膨張と再水和化が引き起こされる。
【0126】
ここで、特に、望ましい迅速性、残渣なし、又は、単一及び均一な溶解性や再水和特性、及び、優れた適合性から考えると、再水和化後又は膨潤状態において、本発明における再水和した組成物は、肉眼で見える大きい粒子、又は例えば織物レーヨン(ビスコース)又は綿繊維のような繊維成分、又は例えばポリアミド、ポリエステル又はポリエーテルに基づいた非膨張性合成ポリマー繊維を含まない。ここで、形成されたゲルは、5mmより大きいサイズの、そのような肉眼で見える成分を含まない。従って、本発明において、織物繊維成分を含まない凍結乾燥組成物は、好ましい。
【0127】
更に、本発明の凍結乾燥組成物は、化学的に架橋されておらず、従って化学架橋剤を含まない。
【0128】
本発明の凍結乾燥組成物は、特に20〜25℃の温度とpH4.0から6.0のpH値で蒸留水97g中、成分3gの水和化において、10から200mPasの粘性を有している。ここで、当該粘性は、ハーク社(Haake)のビスコテスタVT2プラス(Viskotester VT 2 plus)とスピンドルno.1(spindle no. 1)で測定される。
【0129】
本発明の凍結乾燥組成物は、特別な濡れ速度と、特別な吸収力と液体の取り込み力と保持力によって特徴付けられる。特に、本発明の凍結乾燥組成物は、生理的液体の特別な取り込み力と保持力によって特徴付けられる。
【0130】
ここで、本発明の凍結乾燥組成物の液体の取り込み力や保持力は、特に、取り込まれた液体を保持する能力と保存する能力との組合せによって液体を取り込む能力を意味する。本発明においては、自身の重量の1から200倍、好ましくは10から100倍の液量を取り込み、保存し得る凍結乾燥組成物が好ましい。
【数1】

【0131】
この方程式では、膨潤度(QM)は、本発明の組成物によって取り込まれ得る液体の量を意味する。ここで、QMは、膨潤前の乾燥組成物の重量(mdr.sa.)に対する、膨潤した組成物の重量(mgel)の比率を意味する。
【0132】
膨潤度を測定するため、凍結乾燥組成物は計量され、次に15〜25℃の温度で過剰の蒸留水を入れた皿の水面上に置かれ、10分間膨潤される。過剰の水は、機械的操作なしに流し出される。膨潤した組成物の重量の再測定後、膨潤度は上記公式により決定される。
【0133】
本発明の凍結乾燥組成物は、15〜100の膨潤度を有することが好ましい。
【0134】
更に、組成物の重量に基づく液体保持力について記載する。過剰な液体が流し出された後、膨潤試料の重量増加が上記の実験構成において決定され、この重量増加に相当する液量に変換される。この取り込まれる液量は、使用される組成物1gを基礎として変換される。
【0135】
本発明の1つの側面において、前記の大多数の凍結乾燥組成物又は切断片は、1つの容器に納められる。これらは、例えば体のいろいろな部分の平行した処置のための、異なる幾何形状物又は異なる寸法の切断片の混合物とすることもできる。切断片は、個々に包装される事ができ、それは、特に治療的・製薬的用途において好適である。美容的用途のための切断片は、特に適当な容器又は適当な包装の中で接触して、多数が左右又は上下に並んで存在する。
【0136】
本発明の凍結乾燥組成物は、人間や動物において、外部美容や外用薬や経皮薬の用途で役立つ。ここで、特に美容用途での外部使用は、本発明の組成物が1つ以上の活性化合物及び/又は1つ以上の補助物質を含む水又は水溶液で湿らされ、そして、溶解されるか再水和されて、肉眼で見える大きな粒子又は繊維成分、例えば安定化した織物又は非膨潤繊維成分を含まない均一なゲルを形成させるように行われる。
【0137】
本発明の凍結乾燥組成物は、相対的に大量の水に溶解されると、これは概して浴用であり、この用途は、本発明における外用に含まれる。
【0138】
しかし、乾燥状態での本発明の凍結乾燥組成物を、処置される身体の部位へ適用し、そこで1つ以上の活性化合物及び/又は補助物質を含む水又は水溶液又は生理的液体で湿らせ、溶解し、一般的な機械的作用、特にマッサージにより分散させることも可能である。
【0139】
適宜、処置後に残っているゲル残渣は、洗うか、拭くか、すすぎ落とすか、こすり落とすことによって身体の処置部位から取り除かれることができる。この使用方法は、本発明の凍結乾燥組成物が美容マスクとして使用される場合に、特に好ましい。
【0140】
特に治療的な用途において、例えば慢性創傷、下腿潰瘍又は褥瘡などへの創傷被覆体としての本発明の凍結乾燥組成物の使用、特に創傷滲出液管理のための本発明の凍結乾燥組成物の使用において、当該凍結乾燥組成物は、乾燥状態で創傷に導入される事ができる。そして、特に生理液の高い吸収力や特別な液体取り込み力や保存力のため、創傷の治癒を手助けするように、過剰の創傷滲出液又は創傷液を取り込むことができる。
【0141】
ここで、概して乾燥状態で処置される創傷に適用又は導入される凍結乾燥組成物は、創傷部位に存在する体液又は創傷液で再水和され、そして、更なる処置の間に、創傷の中に完全に吸収されるか、創傷液又は他の創傷処置液により再び洗い流される。
【0142】
本発明はまた、一体化した空間的配置(使用パック、セット、要素キットなど)における、少なくとも1の本発明における凍結乾燥組成物又はその切断片と、1以上の活性化合物及び/又は少なくとも1以上の補助物質を含む少なくとも1の水溶液(いわゆる活性化溶液)と、を含む組み合わせに関する。
【0143】
活性化合物溶液又は活性化溶液は、例えば、凍結乾燥による調製工程のために、凍結乾燥組成物中に導入されない又はされ得ないエッセンシャル油、香水などの特定成分のような、高揮発性の活性化合物、及び/又は、補助物質の溶液とすることができる。それらは、湿潤作用を達成する活性化合物及び/又は補助物質も含み得る。そしてそれは、特に皮膚上での外用において望まれ、また好ましいが、この湿潤作用又は吸湿性傾向のために、本発明の凍結乾燥組成物中に包含されることができないか、ほんの少ししか包含されることができない。なぜなら、その中に含まれる湿潤不安定な活性化合物の安定性がもはや維持できないからである。生理的溶液の使用も好ましい。なぜなら、生理的溶液は、上述したポリマー特性のために凍結乾燥されるポリマー混合物に導入できない又は限定された量しか導入できない再水和電解質組成物への導入を可能とするためである。
【0144】
ここで、一方の本発明の凍結乾燥組成物と、他方の活性化合物溶液との、要素キットの組合せ構成において、2つの成分は要素キット構成から別々に取り除くことができ、互いにまとめることができ、更なる使用のために外部で溶解することができる。しかし、2つの成分は要素キット梱包内で互いにまとめられることも考えられ、そのような梱包から直接的に、再水和組成物は美容上の又は医薬上の外用か経皮用に使用される事も考えられる。これは、直接、最終使用者によって行われることが好ましい。
【0145】
本発明の凍結乾燥組成物は、乾燥最終製品中に、ポリアクリル酸とその塩に基づく1つ以上のポリマーを、5重量%以上、好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは15重量%以上含む。当該ポリマーは、カルボマーの群から選択されるものが、特に好ましい。
【0146】
更に、本発明の凍結乾燥組成物は、乾燥最終製品中に、1つ以上の天然ポリマーを、25重量%、好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上含む。当該ポリマーは、陰イオン天然ポリマー、特に親水コロイド形成多糖類、例えば特にアルギン酸塩の群、から選択されるものが特に好ましい。
【0147】
その上更に、本発明の凍結乾燥組成物は、上述のポリマーとは異なる更なる1つ以上のポリマーを、5重量%以上、好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは15重量%以上含む。前記の更なるポリマーは、トチャカ又はムコ多糖類(例えばヒアルロン酸又はコラーゲンのような)の群から選択されるものが特に好ましい。
【0148】
更に、本発明の凍結乾燥組成物は、1つ以上の活性化合物を0.5重量%以上、好ましくは2.0重量%以上、さらに好ましくは5.0重量%以上含む。前記活性化合物は、アスコルビン酸とその誘導体(例えば特に、アスコルビルグルコシド及び/又はリン酸アスコルビルマグネシウム)の群から選択されることが特に好ましい。
【0149】
本発明の凍結乾燥組成物は、1つ以上の任意の更なる補助物質を、5重量%以上、好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上含むことも可能である。
【0150】
補助物質の群から、化粧油、例えばトリグリセリド、特にカプリル酸/カプロン酸性トリグリセリド(中性油)、ホホバ油又はスクアランの群から、そして、充填材、特に好ましくはマンニトール群から選択される該成分が、特に好ましい。
【0151】
更なる特に好ましい補助物質は、例えばトリエタノールアミンの水溶液及び/又はアルカリ金属水酸化溶液のようなpH調節剤から選択される物質であり、特にアルカリ金属水酸化溶液、水酸化カリウム水溶液が好ましい。前記アルカリは、本発明の凍結乾燥組成物のpHを、pH3.0と6.5の間、好ましくはpH4.0と6.0の間、より好ましくはpH4.5と5.5の間、特に好ましくはpH5.0に調節するために、当該凍結乾燥組成物に添加される。当該組成物のポリマー、活性化合物及び任意の補助物質の組成物が、元々既に、本発明における望ましいpH値を持つならば、当然ながら、pH調節剤の添加は省略することができる。
【0152】
各事例で記載した量は、凍結乾燥組成物の総重量に関連している。
【0153】
本発明の凍結乾燥組成物はまた、任意に水残渣を含む。本発明の凍結乾燥組成物の長所は、特に、その中に任意に含まれる不安定な活性化合物の崩壊や不活性化に対する高い安定性であるので、このいわゆる残留水量は、できるだけ低く維持される。当該組成物に依存して、凍結乾燥組成物の含水量は、全体の組成物に基づいて最大で15重量%までなり得る。当該含水量は、凍結乾燥により凍結乾燥組成物を調製した後の保存中に、変化(概して増加)し得る。凍結乾燥後の当該含水量は、最大10重量%が好ましく、5重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましい。
【0154】
特に好適な凍結乾燥組成物は以下を含む。
20℃、1重量%の前記凍結乾燥組成物の水溶液又は懸濁液が、4.0から6.0の間のpH、20から60の膨潤度という条件で、
- 15重量%以上の1つ以上のカルボマー(例えばカルボポール・ウルトレッツ20(Carbopol Ultrez 20)のような)、
- 50重量%以上の1つ以上のアルギン酸塩(例えばアルギン酸ナトリウムのような)、
- 15重量%以上の1つ以上の更なる天然ポリマー(例えばトチャカのような)、及び/又は、
- 2.5重量%以上のヒアルロン酸、及び、
- 10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下の水。
【0155】
更なる好ましい実施形態は、更に、以下を含む。
20℃、1重量%の前記凍結乾燥組成物の水溶液又は懸濁液が、4.0から6.0の間のpH、20から100の膨潤度を有する条件で、
- 5.0重量%以上の1つ以上の活性化合物、特にアスコルビン酸(ビタミンC)若しくはその誘導体、又はサリチル酸若しくはその誘導体(例えばアセチルサリチル酸(ASA))、又は銀化合物(例えば硝酸銀)、及び、創傷処置において慣習的な他の活性化合物、
- 20重量%以下の1つ以上の補助物質、例えば特に化粧油(例えば天然油、ホホバ油、スクワラン)。
【0156】
より好ましい凍結乾燥組成物は以下を含む。
20℃、1重量%の前記凍結乾燥組成物の水溶液又は懸濁液が、4.0から6.0の間のpH、20から60の膨潤度を有する条件で、
- 5重量%以上の1つ以上のカルボマー(例えばカルボポール・ウルトレッツ20(Carbopol Ultrez 20)のような)、
- 15重量%以上の1つ以上のアルギン酸塩(例えばアルギン酸ナトリウムのような)、
- 2重量%以上のヒアルロン酸、及び/又は、
- 5重量%以上の1つ以上の更なる天然ポリマー(例えばトチャカのような)、及び、
- 10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下の水。
【0157】
更なる好ましい実施形態は、更に、以下を含む。
20℃、1重量%の前記凍結乾燥組成物の水溶液又は懸濁液が、4.0から6.0の間のpH、20から100の膨潤度を有する条件で、
- 1.0重量%以上の1つ以上の活性化合物、特にアスコルビン酸(ビタミンC)若しくはその誘導体、又は、サリチル酸若しくはその誘導体(例えばアセチルサリチル酸(ASA))、又は、硝酸銀のような銀化合物、及び、創傷処置において慣習的な他の活性化合物、
- 30重量%以下の1つ以上の補助物質、例えば特に化粧油(例えば天然油、ホホバ油、スクワラン)。
【0158】
例えば上記の組成物の1つのような、本発明の凍結乾燥組成物は、20℃、それらの1重量%溶液又は懸濁液で測定すると、好ましくは、
- pHが、pH4.0と6.0の間、好ましくはpH4.5と5.5の間、特に好ましくはpH5.0であり、
- 密度が、0.005g/cmから0.8g/cmまで、好ましくは0.01g/cmから0.8g/cmまでであり、
- 面積が、0.1cmから600cm、好ましくは5cmから300cmであり、
- 厚み(組成物2点間の最短距離)が、0.5mm以上であり、及び/又は、
- 好ましくは平面構造、特に好ましくはシート、パッド、被覆体又はマスクの形状を有する。
【0159】
本発明の凍結乾燥組成物は、組成物の均一な分散性を伴う多孔質製剤である。
【0160】
本発明の凍結乾燥組成物の溶解又は再水和の速度は、20秒以下、より好ましくは10秒以下である。当該測定は、厚さ1.1〜1.5mm、面積16cm、及び/又は、重量0.6gで実施される。ここで、検出可能な0.1cmを超える面積の不均一な領域が存在しなければ、完全な水和とする。
【0161】
特に、濡れ速度を決定するためには、ある材料試料が、決められた量の液体で完全に均一に湿るために要する時間が決められる。ここで、確実に、湿潤液を過剰に存在させる事で、完全に濡らす、又は湿らせる事を可能とする。これのために、4x4cm範囲(16cm)と1.1〜1.5mmの層厚みの材料の試料が使用され、7.5mlの湿潤液(例えば水のような)又は生理的溶液(例えば0.9%の生理食塩水のような)の中に導入されて、完全に濡れる、又は完全で均一に湿るために要する時間が測定される。湿った領域は、まだ湿っていない領域よりも暗く見えるので、完全に濡れ又は湿りは、概して容易に色の変化から認識され得る。
【0162】
本発明の凍結乾燥組成物の濡れ速度は、好ましくは20秒以下、より好ましくは10秒以下、さらに好ましくは5秒以下、非常に特に好ましくは1秒以下である。
【0163】
本発明は、特に、以下の好適な実施形態を含む。
1.a.ポリアクリル酸とその塩に基づいた少なくとも1つのポリマー、
b.少なくとも1つの天然ポリマー、
c.任意に、a)とb)とは異なる少なくとも1つの更なるポリマーと、
d.任意に、1つ以上の活性化合物及び/又は補助物質、
を含む凍結乾燥組成物

2.当該凍結乾燥組成物1mm層厚あたり、0.02以上の光学密度を有する実施形態1に記載の凍結乾燥組成物

3.当該凍結乾燥組成物の1重量%溶液又は懸濁液が、20℃で、3.0から6.5までのpHを有する実施形態1又は2に記載の凍結乾燥組成物

4.平面形状、特に好ましくはシート、被覆体又はマスクの形状を有する実施形態1乃至3のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

5.0.5から20mmの厚みを有する実施形態1乃至4のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

6.化学的に架橋結合していない実施形態1乃至5のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

7.織物繊維成分を含まない実施形態1乃至6のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

8.更なる担体層を含まない実施形態1乃至7のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

9.以下のステップを含む、凍結乾燥組成物を調製するための工程
a)少なくとも1つの天然ポリマーの水性懸濁液又は水溶液の調製
b)任意に、ステップa)又はe)で使用するポリマーとは異なる少なくとも1つの更なるポリマーとの混合
c)任意に、1つ以上の活性化合物及び/又は補助物質との混合
d)pH3.0からpH6.5までへの、水性懸濁液又は水溶液のpHの調節
e)ポリアクリル酸とその塩に基づくポリマーの水性懸濁液又は水溶液の調製、及び、アルカリでの、pH3.0と6.5の間への当該溶液pHの調節
f)a)からd)、及び、e)で調製された懸濁液又は溶液の混合、及び、pH3.0から6.5までへのpHの適宜調節
g)適当な型又は適当な表面への、当該混合物の流し込み又は展開
h)当該混合物の凍結、及び、
i)凍結乾燥組成物を形成するための、当該混合物の凍結乾燥

10.ステップd)、e)、f)において、pHが4.5から5.5に調節される実施形態9に記載の工程

11.pHの調節が、無機アルカリ、好ましくは水酸化カリウム溶液の添加により行われる実施形態9又は10のいずれかに記載の工程

12.ステップi)の後、当該凍結乾燥組成物が、切断により、所望の形状、好ましくはシート、被覆体、又はマスク形状に形成される、実施形態9乃至11のいずれかに記載の工程

13.当該切断された組成物が0.5から20mmの厚みを有する実施形態12に記載の工程

14.実施形態9乃至13のいずれかに記載の工程により得られる凍結乾燥組成物

15.ポリアクリル酸とその塩に基づく少なくとも1つのポリマーが、カルボマーの群から選択される、実施形態1乃至8、又は14のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

16.少なくとも1つの天然ポリマーが、多糖類、ポリアミノ糖及び/又はグルコサミノグリカンの群から選択される、実施形態1乃至8、又は、14乃至15のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

17.少なくとも1つの天然ポリマーが、陰イオン親水コロイドの群から選択される、実施形態1乃至8、又は、14乃至16のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

18.少なくとも1つの天然ポリマーが、アルギン酸塩の群、好ましくはアルギン酸ナトリウムの群から選択される、実施形態16又は17に記載の凍結乾燥組成物

19.少なくとも1つの更なる天然ポリマーが、カラギーナンとその誘導体、ヒアルロン酸とその誘導体、及び/又は、コラーゲンとその誘導体の群から選択される、実施形態1乃至8、及び、14乃至18のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

20.少なくとも1つの天然ポリマーが、アルギン酸塩、好ましくは、アルギン酸ナトリウムの群から選択され、更なる天然ポリマーが、ヒアルロン酸とその誘導体の群から選択される、実施形態1乃至8、及び、14乃至19のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

21.少なくとも1つの天然ポリマーが、アルギン酸塩、好ましくはアルギン酸ナトリウムの群から選択され、更なる天然ポリマーが、ヒアルロン酸とその誘導体の群から選択され、トチャカの群から選択される少なくとも1つの更なるポリマーを含む、実施形態1乃至8、及び、14乃至20のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

22.好ましくは修飾されたセルロースの群から選択され、好ましくはカルボキシメチルセルロース、特に好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウムである、少なくとも1つの更なるポリマーを含む、実施形態1乃至8、及び14乃至21のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

23.好ましくはアスコルビン酸又はその誘導体、好ましくはアスコルビルグルコシド又はリン酸アスコルビルマグネシウムのような美容上の活性化合物の群からの少なくとも1つの活性化合物を含む、実施形態1乃至8、及び、14乃至22のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

24.好ましくは皮膚病の処置及び/又は創傷処置のためのような、治療上の活性化合物の群からの少なくとも1つの活性化合物を含む、実施形態1乃至8、及び、14乃至22のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

25.化粧油の群からの少なくとも1つの補助物質、好ましくはトリグリセリド、特に好ましくはカプリル酸/カプロン酸トリグリセリド及び/又はスクアラン及び/又はホホバ油を含む、実施形態1乃至8、及び、14乃至24のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

26.充填剤の群からの少なくとも1つの補助物質、特に好ましくはマンニトールを含む、実施形態1乃至8、及び、14乃至25のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

27.親水性液体が供給された際に、5mmより大きなサイズを有する肉眼で見える粒子又は繊維成分をほとんど含まない、均一で、きれいに分散したゲルを形成するように再水和されうる、実施形態1乃至8、及び14乃至26のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

28.最大膨潤度で表わされる水を取り込む能力が、20から100を示す、実施形態1乃至8、及び、14乃至27のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

29.15〜25℃及びpH4.8〜5.2において、当該凍結乾燥組成物3.5gに水96.5gを加えた場合に、10〜75mPasの粘性を有する、均一で、きれいに分散したゲルを形成する、実施形態1乃至8、及び、14乃至28のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

30.実施形態1乃至8、及び、14乃至29のいずれかに記載の凍結乾燥組成物の、化粧品としての使用

31.実施形態30における、美容用マスクのような美容用被覆体としての使用

32.実施形態1乃至8、及び、14乃至29のいずれかに記載の凍結乾燥組成物の、医薬品としての使用

33.実施例1乃至8、及び、14乃至29のいずれかに記載の凍結乾燥組成物の、創傷被覆体としての使用

34.創傷処置用の医薬品の調製のための、実施例1乃至8、及び、14乃至29のいずれかに記載の凍結乾燥組成物の使用

35.下腿潰瘍、褥瘡のような慢性創傷処置用の医薬品の調製のための、実施形態1乃至8、及び、14乃至29のいずれかに記載の凍結乾燥組成物の使用

36.創傷被覆体としての使用のための、実施形態1乃至8、及び、14乃至29のいずれかに記載の凍結乾燥組成物

37.当該凍結乾燥組成物が、処置するために体の部位に使用され、そこで水又は1つ以上の活性化合物及び/又は任意に補助物質の水溶液で潤され、機械的作用及び/又はマッサージにより完全に分解されて分散される、実施形態30乃至35のいずれかに記載の使用

38.当該凍結乾燥組成物が、処置のために又は創傷処置のために体の一部に乾燥状態で使用され、存在する体液によって再水和され、さらなる処置の過程で、創傷液又は他の創傷処置液で完全に吸収されるか洗い流される、実施形態33乃至36のいずれかに記載の使用

39.一体となった空間的配置で、実施形態1乃至8、及び、14乃至29のいずれかに記載の凍結乾燥組成物を少なくとも1つ含み、並びに、1つ以上の活性化合物及び/又は任意に1つ以上の補助物質を含む少なくとも1つの水溶液を含む、要素キットの組み合わせ

40.実施形態39に記載の要素キット組合せの、化粧品としての使用

41.実施形態39に記載の要素キット組合せの、医薬品としての使用

42.最終使用者(エンドユーザー)により直接実施される、前記実施形態のいずれかに記載の使用
【0164】
本発明は、以下の実施例によって更に詳細に例示される。
実施例
【0165】
実施例1
10.5g カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)
10.5g アルギン酸ナトリウム
7.5g カルボマー
1500ml 逆浸透水
a)カルボマー予備混合物の調製
メーカーの取扱説明書に従い、7.5gのカルボマーを750mlの逆浸透水に溶解する。
b)アルギン酸塩/CMC予備混合物の調製
10.5gのカルボキシメチルセルロースと10.5gのアルギン酸ナトリウムを750mlの逆浸透水中でかき混ぜながら、不溶のアルギン酸塩/CMC粒子が見えなくなるまで、均一に溶解する。
c)全バッチの調製
ステップa)のカルボマー予備混合物と、ステップb)のアルギン酸塩/CMC予備混合物とを、均一な組成物が形成されるまで、かき混ぜながら混合する。当該混合組成物のpHは、希水酸化カリウム溶液でpH5.0〜5.5に調節する。
d)凍結
c)で調製したアルギン酸塩/CMC/カルボマーのバッチは、冷空気を吹き付けるか、又は、−20℃より低い温度で冷却板に接地して、凍結させる。
e)凍結乾燥
d)で製造された凍結形成体の凍結乾燥は、凍結乾燥法として一般的に知られる従来技術に従って実施する。
f)分割と構築
当該凍結乾燥組成物を、0.5mm厚の薄い層に切断する。当該層は、光学的に密であり、材料は10秒未満で完全に濡れさせられうる。
【0166】
実施例2
7.5g カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)
4.5g カラギーナン
4.5g カルボマー
4.5g 魚由来コラーゲン水解物
4.5g ヒアルロン酸
3.0g アルギン酸ナトリウム
7.5g アルギン酸カルシウム
15.0g マンニトール
1500ml 逆浸透水
a)カルボマー予備混合物の調製
メーカーの取扱説明書に従い、4.5gのカルボマーを500mlの逆浸透水に溶解する。
b)アルギン酸塩/CMC/ヒアルロン酸/マンニトール/魚由来コラーゲン水解物予備混合物の調製
残留物を、1000mlの逆浸透水中で温めて、不溶解物が検出されなくなるまで溶解する。その後、当該溶液を室温まで冷却する。
c)全バッチの調製
ステップa)のカルボマー予備混合物と、ステップb)の予備混合物とを、均一な組成物が形成されるまで、かき混ぜながら混合する。当該混合組成物のpHは、希水酸化カリウム溶液でpH5.0〜5.5に調節する。
d)凍結
c)で調製したバッチは、冷空気を吹き付けるか、又は、−20℃以下の温度で冷却板に接地して凍結させる。
e)凍結乾燥
d)で製造された凍結形成体の凍結乾燥は、凍結乾燥法として一般的に知られる従来技術に従って実施する。
f)分割と構築
当該凍結乾燥組成物を、1.5mm厚の薄い層に切断する。当該層は光学的に密であり、材料は10秒未満で完全に濡れさせられうる。
【0167】
実施例3
7.5g アルギン酸ナトリウム
4.5g カラギーナン
11.25g カルボマー
1500ml 逆浸透水
a)カルボマー予備混合物の調整
メーカーの取扱説明書に従い、11.25gのカルボマーを750mlの逆浸透水に溶解する。
b)アルギン酸塩/カラギーナン予備混合物の調製
7.5gのアルギン酸ナトリウムと4.5gのカラギーナンを750mlの逆浸透水中でかき混ぜながら、不溶な粒子が見えなくなるまで、均一に溶解する。
c)全バッチの調製
ステップa)のカルボマー予備混合物と、ステップb)のアルギン酸塩/カラギーナン予備混合物とを、均一な組成物が形成されるまで、かき混ぜながら混合する。当該混合組成物のpHは、希水酸化カリウム溶液でpH5.0に調節する。
d)凍結
c)で調製したアルギン酸塩/カラギーナン/カルボマーのバッチは、冷空気を吹き付けるか、又は、−20℃以下の温度で冷却板に接地して凍結させる。
e)凍結乾燥
d)で製造された凍結形成体の凍結乾燥は、凍結乾燥法として一般的に知られる従来技術に従って実施する。
f)分割と構築
当該凍結乾燥組成物を、2.0mm厚の薄い層に切断する。当該層は光学的に密であり、材料は30秒を超えると完全に濡れさせられうる。
【0168】
実施例4
10.5g カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)
10.5g アルギン酸ナトリウム
7.5g カルボマー
1.5g ヒアルロン酸
1500ml 逆浸透水
a)カルボマー予備混合物の調製
メーカーの取扱説明書に従い、7.5gのカルボマーを逆浸透水750mlに溶解する。
b)アルギン酸塩/ヒアルロン酸/CMC予備混合物の調製
10.5gのCMC、1.5gのヒアルロン酸と10.5gのアルギン酸ナトリウムを750mlの逆浸透水中でかき混ぜながら、不溶のアルギン酸塩/ヒアルロン酸/カルボキシメチルセルロース粒子が見えなくなるまで、均一に溶解する。
c)全バッチの調製
ステップa)のカルボマー予備混合物と、ステップb)のアルギン酸塩/ヒアルロン酸/CMC予備混合物とを、均一な組成物が形成されるまで、かき混ぜながら混合する。当該混合組成物のpHは、希水酸化カリウム溶液でpH5.0〜5.5に調節する。
d)凍結
c)で調製したアルギン酸塩/ヒアルロン酸/CMC/カルボマーのバッチは、冷空気を吹き付けるか、又は、−20℃以下の温度で冷却板に接地して凍結させる。
e)凍結乾燥
d)で製造された凍結形成体の凍結乾燥は、凍結乾燥法として一般的に知られる従来技術に従って実施する。
f)分割と構築
当該凍結乾燥組成物を、0.5mm厚の薄い層に切断する。当該層は光学的に密であり、材料は5秒未満で完全に濡れさせられうる。
【0169】
実施例5
3.0g カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)
4.5g カラギーナン
4.5g カルボマー
4.5g 魚由来コラーゲン水解物
1.5g ヒアルロン酸
7.5g アルギン酸ナトリウム
1500ml 逆浸透水
a)カルボマー予備混合物の調製
メーカーの取扱説明書に従い、4.5gのカルボマーを逆浸透水500mlに溶解する。
b)アルギン酸塩/CMC/カラギーナン/ヒアルロン酸/魚由来コラーゲン水解物予備混合物の調製
残留物を1000mlの逆浸透水中で温めて、不溶解物が検出されなくなるまで溶解する。その後、当該溶液を室温まで冷却する。
c)全バッチの調製
ステップa)のカルボマー予備混合物と、ステップb)の予備混合物とを、均一な組成物が形成されるまで、かき混ぜながら混合する。当該混合組成物のpHは、希水酸化カリウム溶液でpH5.0〜5.5に調節する。
d)凍結
c)で調製したバッチは、冷空気を吹き付けるか、又は、−20℃以下の温度で冷却板に接地して凍結させる。
e)凍結乾燥
d)で製造された凍結形成体の凍結乾燥は、凍結乾燥法として一般的に知られる従来技術に従って実施する。
f)分割と構築
当該凍結乾燥組成物を、1.5mm厚の薄い層に切断する。当該層は光学的に密であり、材料は1秒未満で完全に濡れさせられうる。
【0170】
実施例6
11.25g アルギン酸ナトリウム
4.5g カラギーナン
11.25g カルボマー
1.5g ヒアルロン酸
7.5g カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)
7.5g マンニトール
1500ml 逆浸透水
a)カルボマーの調製
メーカーの取扱説明書に従い、11.25gのカルボマーを逆浸透水750mlに溶解する。
b)アルギン酸塩/ヒアルロン酸/カラギーナンCMC/マンニトール予備混合物
残留物を750mlの逆浸透水中で温めて、不溶解物が検出されなくなるまで溶解する。その後、当該溶液を室温まで冷却する。
c)全バッチの調製
ステップa)のカルボマー予備混合物と、ステップb)のアルギン酸塩/ヒアルロン酸/カラギーナン/CMC/マンニトール予備混合物とを、均一な組成物が形成されるまで、かき混ぜながら混合する。当該混合組成物のpHは、希水酸化カリウム溶液でpH5.0に調節する。
d)凍結
c)で調製したバッチは、冷空気を吹き付けるか、又は、−20℃以下の温度で冷却板に接地して凍結させる。
e)凍結乾燥
d)で製造された凍結形成体の凍結乾燥は、凍結乾燥法として一般的に知られる従来技術に従って実施する。
f)分割と構築
当該凍結乾燥組成物を、2.0mm厚の薄い層に切断する。該層は光学的に密であり、材料は1秒未満で完全に濡れさせられうる。
【0171】
実施例7
7.5g カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)
4.5g カラギーナン
11.25g カルボマー
1.5g ヒアルロン酸
11.25g アルギン酸ナトリウム
7.5g マンニトール
1.5g ホホバ油
0.75g リン酸アスコルビルマグネシウム
1500ml 逆浸透水
a)カルボマー予備混合物の調製
メーカーの取扱説明書に従い、11.25gのカルボマーを逆浸透水700mlに溶解する。
b)アルギン酸塩/ヒアルロン酸/カラギーナン/CMC/マンニトール/ホホバ油予備混合物の調製
ホホバ油とリン酸アスコルビルマグネシウム以外の残留物を、750mlの逆浸透水中で温めて、不溶解物が検出されなくなるまで、溶解する。その後、当該溶液を室温まで冷却する。次に、ホホバ油を混合する。
c)リン酸アスコルビルマグネシウム予備混合物の調製
0.75gのリン酸アスコルビルマグネシウを、不溶な粒子が見えなくなるまで50mlの逆浸透水に溶解する。
d)全バッチの調製
ステップa)のカルボマー予備混合物と、ステップb)のアルギン酸塩/ヒアルロン酸/カラギーナン/CMC/マンニトール/ホホバ油予備混合物とを、均一な組成物が形成されるまで、かき混ぜながら混合する。ステップc)の活性化合物溶液は、同様に、かき混ぜながら均一に混合する。当該混合組成物のpHは、希水酸化カリウム溶液でpH5.0に調節する。
e)凍結
d)で調製したバッチは、冷空気を吹き付けるか、又は、−20℃以下の温度で冷却板に接地して凍結させる。
f)凍結乾燥
e)で製造された凍結形成体の凍結乾燥は、凍結乾燥法として一般的に知られる従来技術に従って実施する。
g)分割と構築
当該凍結乾燥組成物は、2.0mm厚の薄い層に切断する。当該層は光学的に密であり、材料は1秒未満で完全に濡れさせられうる。
【0172】
実施例8
本発明における凍結乾燥シート様組成物の構造形成ポリマーとその種々の可能な組合せの影響を、濡れ速度や液体の保持力を目的として検討した。
【0173】
ここで、当該検討は、カルボマー、アルギン酸塩、ヒアルロン酸又はトチャカのうち1つしか含まない組成物と、これらの構造形成ポリマー(例えば従来から知られているような)の2つの組合せを有する組成物と、カルボマー、アルギン酸塩、及びヒアルロン酸の3つの構造形成ポリマーの組み合わせを含む本発明の好ましい組成物について行った。更に、これら3つのポリマーに加えて、トチャカを含む更なる好ましい組成物を、さらに検討した。
【0174】
このため、当該調製物について可能な限り、濡れ速度や液体の保持力は、質量膨潤インデックスQと、組成物1g当たりの液体保持量とにより決定した。当該実験は、上述した実験条件に記載の方法により行った。
【0175】
全ての実験は、水と生理食塩水(0.9%ナトリウム溶液)の両者で行った。
【0176】
結果を下記のテーブルに要約する。以下に特記事項を示す。
*過剰な粘性又は40度未満でゲル化/ポンプで吸い上げられない、高いDM(乾物料)として、凍結状態で不安定な低いDMとして
**切断するのに機械的に不安定;これは、基材の構造が過剰な開放孔であり、切断の際に砕けるか、又は最初から結合している切断基材が存在しないかのどちらかを意味する。しかし、繊維は、互いに緩く存在し、切断の際刃で押しつぶされるだけで、切断されない。
***高価な

濡れ速度:

1つの構造形成ポリマーによる組成物
【表1】



2つの構造形成ポリマーによる組成物
【表2】



少なくとも3つの構造形成ポリマーによる組成物
【表3】



液体吸収/保持力:
液体の吸収又は保持力の検証を、少なくとも3つの構造形成ポリマーを含む組成物で行った。その結果を下記に示す:
【表4】


【0177】
1つのポリマーしか含まない組成物は、液体/粘性のある状態で製造され得ないか、又は、切断したシート又はパッドの調製のための凍結乾燥状態での十分な機械的安定性を示すことができない、ということが種々の基材の調製において明らかとなった。
【0178】
調製中の同様な問題は、2つのポリマーの組合せによる組成物の群においても明らかとなった。実際、ここでカルボマー/アルギン酸塩の組合せでのシート様組成物を得ることは可能であったが、これらは同様に、液体での使用又は液体との接触により、小断片へ崩壊するという点で、明らかに低い機械的安定性を示した。
【0179】
機械的に安定なシート様の材料は、少なくとも3つの構造形成ポリマーの組合せによる組成物からのみ得られた。
【0180】
これらの材料の濡れ特性と液体の保持特性に関して、明確な差異が明らかになった。
【0181】
もっぱら、カルボマー、アルギン酸塩とヒアルロン酸の組合せを含む組成物が、十分に高い濡れ速度を有している。他の可能な組合せにおいて、実際、機械的に安定な組成物を得ることは可能であるが、これらは、10秒より長く60秒未満である明らかに不利な濡れ速度と、そのために極めて低い液体の吸収特性を示した。
【0182】
更に、カルボマー、アルギン酸塩とヒアルロン酸による組成物の、明らかに高い濡れ特性と水吸収特性は、トチャカの追加によってさらに改善され得ることが明らかとなった。
【0183】
しかし、ここで、当該実験は、用いられるアルギン酸塩の性質が、濡れ特性に影響を及ぼすことも示している。アルギン酸ナトリウム及びアルギン酸カルシウムと、カルボマー及びヒアルロン酸とを組み合わせた実施例2と、アルギン酸ナトリウムだけに相当する組成物を示した実施例5との比較が、この影響を例示している。Caイオンは、アルギン酸−架橋特性を有することが知られており、それは、組成物の濡れ特性や溶解において不都合な形で反映される。従って、実施例2による組成物は、10秒未満であり、アルギン酸カルシウムを含まず、1秒未満の濡れ速度を有する実施例5に記載の組成物よりも高い濡れ速度を有する。
【0184】
従って、これにより、カルボマー、アルギン酸塩(特に好ましくはアルギン酸ナトリウム)及びヒアルロン酸の組合せを含む組成物だけが、本発明における好ましい濡れ速度である、10秒未満、より好ましくは5秒未満、さらに好ましくは1秒未満の濡れ速度を達成することが明らかである。
【0185】
本結果は、更に、カルボマー、アルギン酸塩及びヒアルロン酸の組合せを含む組成物は、生理溶液の保持においてより優れた能力を有することを示している。ここで、特に、カルボマー、アルギン酸塩及びヒアルロン酸による組成物の液体保持力が一貫して優れており、純水と生理溶液の保存特性と比較して、安定を維持し得ることが明らかとなった。そして、そのことは特に、値の比較における、著しく低い質量膨潤指数(ΔQ)の減少から明らかである。同様の液体の保持力は、アルギン酸塩、ヒアルロン酸及びトチャカ(カルボマーを除く)の組成物によってのみ示され、そのような組成物もまた、かなり低い濡れ速度に加えて、最も低い液体の保持力を示した。
【0186】
まとめると、検討したポリマーの組合せにおいて、カルボマー、アルギン酸塩とヒアルロン酸を含む組成物だけが、素晴らしい液体の吸収と、10秒未満での濡れ速度と、電解質を含有する液体でも安定な高い液体の保持力を示す、本発明における好ましい組合せであると言う事ができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ポリアクリル酸とその塩に基づいた少なくとも1つのポリマー、
b)少なくとも1つの天然ポリマー、
c)任意に、a)とb)とは異なる少なくとも1つの更なるポリマー、及び、
d)任意に、1つ以上の活性化合物及び/又は補助物質、
を含む凍結乾燥組成物。
【請求項2】
当該凍結乾燥組成物1mm層厚あたり、0.02以上の光学密度を有する請求項1に記載の凍結乾燥組成物。
【請求項3】
当該凍結乾燥組成物の1重量%溶液又は懸濁液が、20℃で、3.0から6.5までのpHを有する請求項1又は2に記載の凍結乾燥組成物。
【請求項4】
化学的に架橋していない、及び/又は、織物繊維成分を含まない、請求項1乃至3のいずれかに記載の凍結乾燥組成物。
【請求項5】
以下のステップを含む、凍結乾燥組成物を調製するための工程
a)少なくとも1つの天然ポリマーの水性懸濁液又は水溶液の調製
b)任意に、ステップa)又はe)で使用するポリマーとは異なる少なくとも1つの更なるポリマーとの混合
c)任意に、1つ以上の活性化合物及び/又は補助物質との混合
d)pH3.0から6.5までへの、水性懸濁液又は水溶液のpHの調節
e)ポリアクリル酸とその塩に基づくポリマーの水性懸濁液又は水溶液の調製、及び、アルカリ/酸、好ましくはアルカリでの、pH3.0と6.5の間への当該溶液pHの調節。
f)a)〜d)、及びe)で調製された懸濁液又は溶液の混合、及び、pH3.0から6.5までへのpHの適宜調節
g)適当な型又は適当な表面への、当該混合物の流し込み又は展開
h)当該混合物の凍結、及び、
i)凍結乾燥組成物を形成するための、当該混合物の凍結乾燥。
【請求項6】
ステップi)の後、当該凍結乾燥組成物が、切断により、所望の形状、特にシート、被覆体又はマスクの形状に形成される、請求項5に記載の工程。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の工程により得られる凍結乾燥組成物。
【請求項8】
ポリアクリル酸とその塩に基づく少なくとも1つのポリマーが、カルボマーの群から選択される、請求項1乃至4、及び、請求項7のいずれかに記載の凍結乾燥組成物。
【請求項9】
少なくとも1つの天然ポリマーが、多糖類、ポリアミノ糖、及び/又はグルコサミノグリカンの群から選択される、請求項1乃至4、及び、請求項7乃至8のいずれかに記載の凍結乾燥組成物。
【請求項10】
少なくとも1つの天然ポリマーが、アルギン酸塩の群、好ましくはアルギン酸ナトリウムの群から選択される、請求項9に記載の凍結乾燥組成物。
【請求項11】
少なくとも1つの更なる天然ポリマーが、カラギーナンとその誘導体、及び、ヒアルロン酸とその誘導体、及び/又は、コラーゲンとその誘導体の群から選択される、請求項1乃至4、及び、請求項7乃至10のいずれかに記載の凍結乾燥組成物。
【請求項12】
化粧油の群からの少なくとも1つの補助物質、好ましくはトリグリセリド、特に好ましくはカプリル酸/カプロン酸トリグリセリドを含む、請求項1乃至4、及び、請求項7乃至11のいずれかに記載の凍結乾燥組成物。
【請求項13】
化粧品又は医薬品としての、請求項1乃至4、及び、請求項7乃至12のいずれかに記載の凍結乾燥組成物の使用。
【請求項14】
創傷被覆体としての、請求項1乃至4、及び、請求項7乃至12のいずれかに記載の凍結乾燥組成物の使用。
【請求項15】
一体となった空間的配置で、請求項1乃至4、及び、請求項7乃至12のいずれかに記載の、少なくとも1つの凍結乾燥組成物と、1以上の活性化合物、及び/又は、任意に1以上の補助物質を含有する少なくとも1つの水溶液と、を含む要素キットの組み合わせ。

【公開番号】特開2010−254688(P2010−254688A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−96488(P2010−96488)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(509044785)ドクトル ズーヴェラッハ スキン アンド ヘルス ケア アーゲー (6)
【Fターム(参考)】