凝集体状ダシ及びその製造方法
【課題】 製造の際に微粉粒子の発生を抑制し、歩留まりを低下することなく、且つ、熱水などに加えるだけで、清澄性が高く、魚節が有する自然の良好な風味を低下することなく維持した上で旨みのあるダシ汁を容易に採ることが可能な凝集体状ダシ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 魚節を破砕した細粒状魚節及び/又は魚節を削った削片状魚節及び/又は魚節を粉砕した粉末状魚節を含んでなる主原料と、風味エキスを含んでなる副原料とを含む被攪拌原料を、主原料及び/又は副原料にエタノールを含有させた状態で攪拌処理する攪拌工程を備える。
【解決手段】 魚節を破砕した細粒状魚節及び/又は魚節を削った削片状魚節及び/又は魚節を粉砕した粉末状魚節を含んでなる主原料と、風味エキスを含んでなる副原料とを含む被攪拌原料を、主原料及び/又は副原料にエタノールを含有させた状態で攪拌処理する攪拌工程を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凝集体状ダシ及びその製造方法に係り、特に、熱水などに加えるだけでダシを容易に調製することが可能な凝集体状ダシ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
即席ダシの素のような風味調味料について、日本農林規格(昭和50年3月25日農林省告示第310号、改正平成13年10月2日農水告第1341号)には、「調味料及び風味原料に糖類、食塩等(香辛料を除く)を加え、乾燥し、粉末状、か粒状等にしたものであって、調理の際風味原料の香り及び味を付与するもの」と規定されている。
【0003】
また、風味原料としては、鰹節、鯖節、鯵節、鰯節のような魚節粉末又は抽出濃縮物、鰹及び鯖の抽出濃縮物並びに煮干、昆布、貝柱及び乾椎茸の粉末又は抽出濃縮物が使用でき、調味料としては、L−アスパラギン酸ナトリウム、DL−アラニン、5′−イノシン酸二ナトリウム、5′−グアニル酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、グリシン、L−グルタミン酸ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、L−ヒスチジン塩酸塩、L−ヒスチジン、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、5′−リボヌクレオチド二ナトリウムが使用でき、賦形剤として澱粉、デキストリン、乳糖が使用でき、蛋白加水分解物を添加することも可能とされている。
【0004】
このような風味調味料に適合する即席ダシの素の他、調味料、糖類、食塩等無添加の多様なダシ製品が市販されている。粉末状ダシは、製造工程における作業効率や歩留まりの向上に限界があり、また、吸湿により塊状となる場合などもあることから、粉末状に比して顆粒状(か粒状)ダシが好まれる傾向にある。
【0005】
顆粒状ダシは、食品加工に用いられている各種造粒法の内、押出造粒あるいは圧縮造粒を用いて製造されている。例えば、特許文献1には、鰹節や煮干し(いりこ)等を抽出し乾燥してエキス粉末を得、このエキス粉末を10%以上含有する粉末原料を用いて水分含有量を1〜5%に調整し、水を添加しないで圧縮造粒することにより顆粒状ダシとする方法が開示されている。
【特許文献1】特開平11−239461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した押出造粒や特許文献1のような圧縮造粒では、造粒前に魚節原料を破砕、粉砕して微粉末化しており、微粉末化の過程において、また、微粉末化された魚節は、短時間の内に酸化などにより風味の低下を招く。そして、この微粉末化原料に、乳糖、澱粉、デキストリンなどの結着剤や賦形剤を添加・混練することによりペースト状とした後、加圧、加熱することで押出し、又はプレスされた成形塊を破砕(解砕)しているため、破砕後に一定の範囲内の粒度に整粒させる工程が必要であり、製造工程が複雑となっている。また、押出し又はプレスされた成形塊の破砕によって微粉粒子(微粉末)が多量に発生するが、歩留まりの低下を避けるためにこの微粉粒子を再使用したり、造粒の際に、複数回に亘る乾燥などのための加熱、及び加圧を行うため、さらに風味や旨みが低下する問題を有している。
【0007】
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、その製造における歩留まりを低下することがなく、且つ、熱水などに加えるだけで、清澄性が高く、魚節が有する自然の良好な風味を殆ど低下することなく維持した上で旨みのあるダシ汁(液)を容易に調製することが可能な凝集体状ダシ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明による凝集体状ダシの製造方法は、魚節を削った削片状魚節及び/又は魚節を破砕した細粒状魚節及び/又は魚節を粉砕した粉末状魚節を含んでなる主原料と、風味エキスを含んでなる副原料とを含む被攪拌原料を、主原料及び/又は副原料にエタノールを含有させた状態で攪拌処理する攪拌工程を備えることを特徴とする。
【0009】
この製造方法において、風味エキスが、魚節抽出物及び/又は魚節抽出濃縮物、魚肉抽出物及び/又は魚肉抽出濃縮物、魚介類抽出物及び/又は魚介類抽出濃縮物、魚介類乾燥品抽出物及び/又は魚介類乾燥品抽出濃縮物、茸類抽出物及び/又は茸類抽出濃縮物、茸類乾燥品抽出物及び/又は茸類乾燥品抽出濃縮物、藻類抽出物及び/又は藻類抽出濃縮物、藻類乾燥品抽出物及び/又は藻類乾燥品抽出濃縮物、酵母エキスから1以上選ばれたものであることが好適であり、また、攪拌工程としては、主原料及び/又は固体状の副原料にエタノール含有液を滲み込ませた状態で攪拌処理することが好ましく、さらに、攪拌工程としては、主原料及び/又は固体状の副原料にエタノール含有液を噴霧した後、或いは噴霧しながら攪拌処理することができる。
【0010】
そして、攪拌工程としては、主原料に、風味エキスをエタノール含有液に溶解又は懸濁させた風味エキス液を含む液体状の副原料を添加した後、或いは添加しながら攪拌処理することもでき、この場合、主原料に、液体状の副原料を噴霧又は滴加することにより添加することが好適である。
【0011】
また、いずれの製造方法においても、エタノール含有液としては、エタノール含量が10%(V/V)以上のエタノール含有液であることが好ましい。さらに、攪拌工程は、減圧条件下にて攪拌処理しても良く、攪拌気流中にて攪拌処理しても良い。さらに、また攪拌工程で得られた攪拌処理物を、45℃を超える温度に加温することなく乾燥しても良く、攪拌工程としては、攪拌造粒装置を用いて攪拌処理することもできる。そして、削片状魚節が、魚節を0.01mm以上、2mm以下の厚みを有するように削り得られることが良く、また、細粒状魚節が、18号ふるいを通過し200号ふるいに全体の9割以上が残留するような粒度分布を有する細粒状に破砕し得られることが好ましい。以上のような製造方法において、乾燥物換算における、主原料の配合量を副原料の配合量以上とすることが良く、また、乾燥物換算における、被攪拌原料100重量部に対する主原料の配合割合を、35重量部以上、70重量部以下とすることができ、さらに、乾燥物換算における、被攪拌原料100重量部に対する副原料配合割合を、15重量部以上、65重量部以下とすることが好ましい。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明による凝集体状ダシは、魚節を破砕した細粒状魚節及び/又は魚節を削った削片状魚節及び/又は魚節を粉砕した粉末状魚節を含んでなる主原料と、風味エキスを含んでなる副原料とを含む被攪拌原料が、主原料及び/又は副原料にエタノールを含有させた状態で攪拌処理され、エタノールが揮散した凝集体状に形成されていることを特徴とする。
【0013】
この凝集体状ダシにおいて、風味エキスが、魚節抽出物及び/又は魚節抽出濃縮物、魚肉抽出物及び/又は魚肉抽出濃縮物、魚介類抽出物及び/又は魚介類抽出濃縮物、魚介類乾燥品抽出物及び/又は魚介類乾燥品抽出濃縮物、茸類抽出物及び/又は茸類抽出濃縮物、茸類乾燥品抽出物及び/又は茸類乾燥品抽出濃縮物、藻類抽出物及び/又は藻類抽出濃縮物、藻類乾燥品抽出物及び/又は藻類乾燥品抽出濃縮物、酵母エキスから1以上選ばれたものであることは好ましく、また、
魚節は、水分含量が5重量%以上、30重量%以下であることが良く、削片状魚節のときは、魚節を0.01mm以上、2mm以下の厚みを有するように削り得られたものであることが好ましく、魚節が細粒状魚節のときは、18号ふるいを通過し200号ふるいに全体の9割以上が残留するような粒度分布を有する細粒状に破砕し得られたものであることが好適である。また、乾燥物換算において、被攪拌原料100重量部に対する主原料の配合割合は35重量部以上、70重量部以下であることが良好であり、被攪拌原料100重量部に対する副原料配合割合は15重量部以上、65重量部以下であることが良好である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の凝集体状ダシの製造方法によれば、魚節からなる主原料と、風味エキスからなる副原料とをエタノールの存在下において攪拌処理することにより凝集体状ダシを製造するため、押出し又は圧縮成形された成形塊を再度破砕・粉砕する必要がなく、製造工程を簡素化することができる。また、微粉砕しないため、微粉粒子が発生することがないと共に、乾燥などのための複数回の加熱、又は加圧が不要であるため、風味や旨みが低下することが少ない。したがって、歩留まりを低下させることなく、魚節の自然で上品な風味を有し、澄明性の高いダシを採ることが可能な凝集体状ダシが得られる。
【0015】
本発明の凝集体状ダシによれば、製造の際に微粉粒子が多量に発生することがなく、しかも乾燥のための加熱、及び加圧を行うことがないため、魚節が有する自然の風味が低下することなく、しかも旨みのあるダシ汁を採ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
本発明の凝集体状ダシの製造方法は、主原料と、副原料とを被攪拌原料とし、この被攪拌原料にエタノールを含有させた状態で攪拌処理するものである。
【0018】
主原料としては、魚節を破砕した細粒状魚節、魚節を削った削片状魚節、魚節を粉砕した粉末状魚節の内の少なくとも一種あるいは二種以上を含んでいる。これらに用いる魚節としては、鰹節、鯖節、鰺節、鰯節、その他の魚節を用いることができる。また、これらの魚節は一種であっても良く、二種以上を併用しても良い。鰹節の場合には、本枯れ節や荒節等を用いることができる。このような魚節は、水分含量が5重量%以上、30重量%以下であり、特に水分含量の調整をすることなく使用できる。
【0019】
削片状魚節は、魚節を削り機によって所定範囲内の厚みに加工された魚節である。この削片状魚節としては、魚節を0.01mm以上、2mm以下の厚みを有するように削り加工されていることが好ましく、0.02mm以上、1mm以下の厚みがより好ましく、0.04mm以上、0.5mm以下がさらに好ましい。0.01mm未満の厚みでは、酸化され易く風味が低下する場合があり、2mmを超える厚みでは、得られた凝集体状ダシを熱水に投入した際、短時間の内に風味成分が溶出され難い場合がある。削片のサイズについては、攪拌に支障がない幅、長さに削られていれば良く、特に限定されないが、一般的に削り節パックなどとして市販されているようなサイズが好ましく、例えば、1〜10mmの幅で長さ1〜30mm程度のサイズとすることができる。攪拌工程の作業効率が良好となる場合がある点では、2〜7mmの幅で長さ3〜15mmのサイズの削片状とすることがより好ましい。魚節主原料のうち、このような削片状魚節を主体として得られる凝集体状ダシの場合、熱水などに投入しダシを採る際には、「削りの花」などと呼ばれる削片のかけらが凝集体から分散浮遊し、通常の削り節を用いてダシを採った場合のような自然なダシ採りの状態を具現することができる。
【0020】
細粒状魚節は、上述のような魚節を破砕することにより得られるものであり、破砕後には一定の大きさの篩(ふるい)を通過することにより粒度が所定範囲となった細粒状のものを用いることが好ましい。粒度については、例えば、第14改正日本薬局方、一般試験法、粉体粒度測定法、主に第2法:ふるい分け法に準じて測定することができる。また、例えば、レーザー回折式、CCD撮像方式などの粒度分布測定装置を用いることができる。なお、同薬局方(日局)、製剤総則において、散剤(粉末)は、「18号ふるい(850μm)を通過し、30号ふるい(500μm)に残留するものが5%以下」であり、この散剤うち「200号ふるい(75μm)を通過するものが10%以下のものを細粒と称することができる」とされている。また、日局、通則において、200号ふるいを通過したものの名称は、「微末」とされる。本発明においては、日局の規定に厳密に準拠することはないが、「微粉末(微粉粒子)」は、200号ふるいを通過する粒子を主体とするものを指し、「細粒」は、18号ふるいを通過し、200号ふるいに残留する粒子を主体とするものとする。魚節を破砕する際に生じた粉末状(微粉末)魚節を含むことができる。細粒状魚節は、魚節を1〜5mm角ほどに粗砕、又は1〜5mm厚に粗削りした後、18号ふるいを通過し、200号ふるいに全体の9割以上が残留するような粒度分布を有する細粒状に破砕し得られることが好ましく、18号ふるいを通過し、100号(150μm)ふるいに全体の7割以上が残留し、200号ふるい(75μm)を通過するものが10%以下となるような粒度分布を有する細粒状に破砕し得られることがより好ましく、18号ふるいを通過し、50号(300μm)ふるいに全体の7割以上が残留し、200号ふるい(75μm)を通過するものが10%以下となるような粒度分布を有する細粒状に破砕し得られることがさらに好ましい。
【0021】
以上の削片状魚節、細粒状魚節、粉末状魚節は、それぞれ独立して主原料として用いても良く、複数を混合して主原料として用いても良い。なお、主原料としては、魚節を破砕する際に生じた、又は魚節を削る際に生じた粉末状(微粉末)魚節を含むことができる。魚節を粉砕した粉末状(微粉末主体)魚節のみを主原料とすることもできるが、この場合には、得られる凝集体状ダシの風味が低下することがあり、削り片状魚節及び/又は細粒状魚節を主体とする主原料を用いることがより好ましい。
【0022】
副原料は、風味エキスを含むものである。本実施形態における風味エキスとしては、得られる凝集体状ダシに風味を付与することができれば、如何なる食品の抽出物又は抽出濃縮物であっても良く、その性状についても、特に限定されず、溶解液や懸濁液のような液体状、粉末や細粒、顆粒のような固体状、ペーストのような半固体状など如何なる性状であっても良い。例えば、上述した日本農林規格、風味調味料における風味原料の内、鰹節、鯖節、鯵節、鰯節のような魚節抽出濃縮物、鰹及び鯖の抽出濃縮物並びに煮干、昆布、貝柱及び乾椎茸の抽出濃縮物等の外、ビールや清酒などの酒類、味噌、醤油などの調味料、パン等の醸造、発酵食品の製造に用いられる酵母を原料として酵素や酸で分解又は酵母自身の産生する酵素で自己消化させた後、抽出した各種酵母エキスなどが好適に使用できる。このような風味エキスは、より旨みのあるダシ液を採ることができる場合がある点では、複数を組み合わせて使用することがより好ましく、酵母エキスを含む複数の組み合わせがさらに好ましい。酵母エキスとしては、公知のものを使用することができ、また、例えば、デキストリンを含有した酵母エキス粉末を使用することも可能である。
【0023】
以上の主原料及び副原料は、被攪拌原料として用いられ、後述する攪拌処理が行われる。被攪拌原料には、このような主原料、副原料の外に、或いは主原料及び/又は副原料に、削片状及び/又は細粒状及び/又は粉末状とした魚節以外の乾燥食品を添加することもできる。魚節以外の乾燥食品としては、得られる凝集体状ダシに風味を付与することができれば、魚節以外の如何なる乾燥食品であっても良く、例えば、魚介類乾燥食品、茸類乾燥食品、藻類乾燥食品等が好適に使用できる。このような削片状及び/又は細粒状及び/又は粉末状とする魚節以外の乾燥食品の具体例として、例えば、昆布乾燥品、煮干、貝柱、乾椎茸、するめ、干し蛸などを挙げることができる。さらに、被攪拌原料には、背景技術において説明した日本農林規格(風味調味料)に規定されるような調味料、糖類、食塩、蛋白加水分解物を添加することもできる。本実施形態において、被攪拌原料を乾燥物換算で100重量部とした場合、主原料は35重量部以上、70重量部以下であることが好ましく、副原料は15重量部以上、65重量部以下であることが好ましい。主原料は35重量部未満では、魚節の風味や旨みが低下する場合があり、70重量部を超えると、良好な凝集状態とすることができない場合がある。また、副原料が15重量部未満では、良好な凝集状態とすることができない場合があり、65重量部を超える場合には、主原料である魚節の風味や旨みが相対的に低下して好ましくない。
【0024】
本実施形態における攪拌工程では、以上の被攪拌原料に対しエタノールを含有させた状態で攪拌処理することにより、乳糖、澱粉、デキストリンなどの結着剤や賦形剤を用いることなく凝集体状ダシを得ることができる。得られる凝集体状ダシは、従来の顆粒ダシと比して、凝集体粒度分布が広く顆粒と称し難い場合もあるが、加熱、混練、加圧処理などを受けておらず、魚節の自然な風味が殆ど低下することなく維持されている。
【0025】
被攪拌原料へのエタノールの含有は、主原料または副原料のいずれか一方、あるいは双方にエタノール含有液を滲み(浸み)込ませることにより行うことができる。また、これに限らず、主原料及び/または副原料にエタノール含有液を塗布したり、主原料及び/または副原料をエタノール含有液に浸漬することにより行うことができる。さらに、主原料及び副原料を予め混合して被攪拌原料とし、この混合状態の被攪拌原料にエタノールを噴霧することにより含有させても良い。また、エタノールを噴霧しながら被攪拌原料を攪拌処理しても良く、この場合には、原料へのエタノールの含有処理と、原料の攪拌処理とを同時に行うことができる。
【0026】
本発明に用いるエタノール含有液としては、10%(V/V)以上の濃度のエタノール含有液であることが良好であり、さらに30%(V/V)以上、99.5%(V/V)以下の濃度のエタノール含有液がより好ましく、70%(V/V)以上、99.5%(V/V)以下の濃度のエタノール含有液がさらに好ましい。10%(V/V)未満の濃度のエタノール含有液の場合には、水分量が相対的に多くなるため攪拌処理の際にダシが固まり易く、ダシとして用いた場合に崩壊性や溶解性が劣る商品上の欠点となる場合がある。
【0027】
なお、エタノール含有液としては、主原料や副原料に元来含有されている水分との関係で適宜調整することができる。例えば、主原料や副原料に多量の水分が含有されている場合には、濃度100%のエタノールを使用することも可能である。
【0028】
このようなエタノール含有液を含有させた状態、又は含有させながら被攪拌原料を攪拌処理する攪拌工程では、主原料と副原料とを含む被攪拌原料をチャンバー内などで混ぜ合わせることが可能であれば如何なる攪拌装置によって攪拌処理しても良く、例えば、攪拌羽根や攪拌棒などの回転により攪拌する様式の攪拌装置や、チャンバー内に攪拌気流を発生させ攪拌する様式の攪拌装置、これらの様式を組み合わせた攪拌装置などが使用でき、特に限定されない。また、攪拌羽根型の攪拌装置を用いる場合などにおいても、被攪拌原料を微粉末化するような攪拌装置、条件を用いる必要がなく、例えば、攪拌羽根を小型のものとしたり、攪拌羽根のエッジを丸めたりすることができ、攪拌羽根の回転数を減じ緩やかに攪拌したり、また、間歇的に回転させても良い。これらの攪拌では、主原料の細粒状、削片状、粉末状の形態を著しく崩壊させることなく、攪拌処理前の主原料の形状を維持した攪拌を行うことができる。
【0029】
さらに、チャンバー内を減圧状態に維持できるような攪拌装置や、チャンバー内を所定温度に加温保持できるような攪拌装置を用い、被攪拌原料を撹拌しながらエタノールを揮散させても良い。ただし、減圧下で攪拌処理する際の減圧条件としては、真空に近い減圧度の場合に、魚節の香り成分が揮散することもある点で、アスピレータなどにより減圧する程度の20mmHg以上とすることが好ましい。また、加温条件下にて攪拌処理する際には、45℃を超えない温度で行うことが好ましい。また、この攪拌処理としては、例えば、チャンバー内の下部や側部に複数の攪拌羽根を設け、被攪拌原料を流動化し均一分散させるような高速攪拌造粒装置を用いて処理することも可能である。このような攪拌造粒装置を用いる場合には、エタノール含有液を噴霧しながら攪拌処理し、加熱することなくエタノールの揮散を行うことができると共に、乳糖、澱粉、デキストリンなどの結着剤や賦形剤を用いなくても所定の造粒がより短時間の内に可能となる。この攪拌造粒装置としては、例えば、奈良機械製作所製のNMG造粒装置(商品名)を用いることができる。
【0030】
以上の攪拌処理により、エタノールが揮散されながら主原料及び副原料が均一に攪拌されて造粒される。この造粒により本発明の凝集体状ダシを製造することができる。このように製造された凝集体状ダシでは、魚節が有している風味や旨みを損なうことがない。また、乳糖、澱粉、デキストリンなどの結着剤や賦形剤を用いることがないのに加えて、砂糖やクエン酸等の調味用添加物を用いる必要がないため、ダシとして用いた場合には、熱水などに加えるだけで清澄性が高いダシ液とすることができる。
【0031】
本発明においては、上述した風味エキスをエタノール含有液に溶解又は懸濁させることにより風味エキス液を作製し、この風味エキス液を含む液体状の副原料を、上述した細粒状魚節及び/又は削片状魚節及び/又は粉末状魚節を含んだ主原料に添加した後、上述した攪拌処理を行っても良い。この方法においては、作製した風味エキス液を主原料に添加しながら攪拌処理を行っても良い。これらの方法において、細粒状魚節、削片状魚節及び粉末状魚節などの主原料、風味エキスを含む副原料としては、上述と同様なものを用いることができる。
【0032】
以上の本発明において、攪拌工程の後には、適宜、乾燥を行うことができる。乾燥は、風乾、減圧乾燥等の手段によって行うことができ、また空気や不活性ガスを攪拌処理物に吹き当てることによっても行うことができる。これらの乾燥により、残存しているエタノールを揮散させることができると共に、含有する水分量を少なくすることが可能となる。なお、以上の乾燥では、45℃を超えない温度で行うことが良好であり、これにより原料の蛋白変性を抑制することができ、高品質の凝集体状ダシとすることができる。
【実施例】
【0033】
以下、本発明について、実施例を示して具体的に説明するが、これによって本発明を限定するものではない。
【0034】
〔実施例1〕
主原料として鰹節の本枯れ節を削った削片状魚節50重量%、副原料(風味エキス以外の添加物不含)として、鰹節のエキス粉末25重量%、酵母エキス粉末25重量%を用い、削片状魚節を撹拌しながらエタノール含有液を所定の含有量となるように30秒〜5分間噴霧した。均一に分散した後、鰹節エキス粉末及び酵母エキス粉末を上述した配合量となるように少量ずつ加えながら30秒〜5分間撹拌した。攪拌装置としては、チャンバー内下部に小型の攪拌羽根を有するミキサー(MK−Z40型、松下電器社製)を用い、2枚羽根の一方を丸みのあるプラスティックカバーで覆い、可変電圧調整器にて攪拌装置への供給電圧を10%〜80%に低減させて攪拌処理を行った。その後、攪拌処理物をトレーに広げて、45℃で15分間乾燥した後、10号ふるい(1700μm)を通過させることにより凝集体状ダシを得た。なお、削片状魚節は、0.04mm以上、0.1mm以下の厚みに魚節削り機で削り、2〜7mmの幅で長さ3〜15mmのサイズの削片状としたものを用いた。
【0035】
上記製造に際し、エタノール含有液として95%濃度(V/V)のエタノールを削片状魚節に対し、10、20、30、40、50、75、100、120、140、200%(W/W)の添加量となるように噴霧した場合、添加量200%の凝集体状ダシが固まった以外、他の添加量の凝集体状ダシは良好な性状となっていた。また、70%濃度(V/V)のエタノールを削片状魚節に対し、15、20、30、50%(W/W)の添加量となるように噴霧した場合、添加量50%の凝集体状ダシが固まり、添加量15、20、30%の凝集体状ダシは良好な性状となっていた。また、99.5%濃度(V/V)のエタノールを削片状魚節に対し、15、30%(W/W)の添加量となるように噴霧した場合、共に良好な性状の凝集体状ダシが得られた。
【0036】
この実施例1からは、エタノールの添加量が増えるにつれて、エタノール含有液に含有されている水分量が削片状魚節に対して相対的に増えるため、上述した凝集体状ダシが固まるものと推定される。
【0037】
〔実施例2〕
予め主原料にアルコール含有液を噴霧することなく、主原料と副原料を攪拌混合しながらアルコール含有液を噴霧した以外は実施例1の場合と同様にして凝集体状ダシを得た。得られる凝集体状ダシの性状については、実施例1の場合と略同一であった。
【0038】
〔実施例3〕
主原料として鰹節の本枯れ節を破砕した細粒状魚節50重量%、副原料(風味エキス以外の添加物不含)として、鰹節のエキス粉末25重量%、酵母エキス粉末25重量%を用い、これら被攪拌原料に、70〜99.5重量%濃度のアルコール含有液を噴霧又は滴加しながら加温することなく1〜3分間攪拌処理を行い凝集体状ダシを得た。攪拌装置としては、攪拌造粒装置(NMG型、奈良機械製作所製)を用いた。細粒状魚節は、魚節を1〜5mm厚に粗削りした後、18号ふるいを通過し、200号ふるいに全体の9割以上が残留する粒度分布を有する細粒状に破砕したものを用いた。得られた凝集体状ダシは、略150μm〜1000μmのサイズ(最長辺)のものが全体の8割以上となる粒度分布を有する良好な性状であった。
【0039】
〔比較例1〕
主原料として鰹節の本枯れ節を粉砕した粉末状魚節を用い、実施例1と同様の副原料に、7重量%の食塩、5〜30重量%の乳糖を加えた原料を使用し、これらを混練することによりペースト状とした後、押出し造粒装置(UM−73型、川越機械社製)によって押出された成形塊を破砕(解砕)し、破砕後に整粒し顆粒ダシを得た。なお、成形塊の破砕によって発生した微粉粒子(微粉末)は再使用せずに製造した。
【0040】
〔比較例2〕
主原料として鰹節の本枯れ節を破砕した細粒状魚節を用い、実施例1と同様の副原料に、5〜30重量%の乳糖を加えた原料を使用し、これらを混練することによりペースト状とした後、プレス機(東洋油圧機械社製)によってプレスされた成形塊を破砕(解砕)し、破砕後に整粒し顆粒ダシを得た。なお、成形塊の破砕によって発生した微粉粒子(微粉末)は再使用せずに製造した。
【0041】
〔性状比較〕
実施例1及び3の凝集体状ダシ、並びに比較例1及び2の顆粒ダシについて、実体顕微鏡(SZ型、OLYMPUS社製)、及び実体顕微鏡用デジタルカメラ(DC300型、LEICA社製)、デジタルカメラ(CAMEDIA−C2020型、OLYMPUS社製)を用い、それぞれの性状(図1〜4)、それぞれの凝集体(1個)の性状(図5〜8)、並びに熱湯に各凝集体状ダシを投入した際の崩壊状態(図9〜12)を比較した。
【0042】
〔官能検査〕
実施例1における、99.5%濃度(V/V)のエタノールを削片状魚節に対し、15%及び30%(W/W)の添加量となるように噴霧し得られた凝集体状ダシ:実施例1B及び実施例1C、並びに、実施例1における、70%濃度(V/V)のエタノールを削片状魚節に対し、15%及び30%(W/W)の添加量となるように噴霧し得られた凝集体状ダシ:実施例1D及び実施例1Eにつき、比較例1の顆粒ダシとともに、各サンプルから得られるダシ汁の風味(香り、味)について、NewellとMacFarlaneの多重比較検定〔新・食品分析法(光琳)、p806参照〕により評価検討した。なお、各ダシ汁は、各サンプルを熱水に対して0.7%(W/W)の濃度となるように熱水に投入して得られたものを用いた。また、比較例1のサンプルは食塩使用品であるため、全ダシ汁とも、喫食時塩分濃度が0.9%(W/W)となるように食塩を別途、加えて官能検査を実施した(パネリスト数:16)。この官能検査の結果は、表1及び表2に示したとおりであり、実施例1B〜実施例1Eの各サンプル間には危険率5%にて有意差が認められず良好な風味であったが、比較例1サンプルは、実施例1B〜実施例1Eの各サンプルとの間に有意差を認め、風味が劣るとの評価であった。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明、実施例1による凝集体状ダシの性状の一例を示す図面代用写真である。右側下端に付記したスケールの1目盛りは0.1mmであり、凝集体状ダシには長辺1mm程の削片状魚節の破砕片が認められる。
【図2】同、実施例3による凝集体状ダシの性状の一例を示す図面代用写真である。右側下端に付記したスケールの1目盛りは0.1mmであり、凝集体状ダシは、その殆どが0.1mm以上のサイズの細粒状魚節が凝集していることが確認される。
【図3】従来の顆粒ダシの一例(比較例1)としてその性状を示す図面代用写真である。右側下端に付記したスケールの1目盛りは0.1mmであり、比較例1の顆粒ダシは、その殆どが0.1mm前後のサイズに凝集した微粉末がさらに1mmを超えるサイズに凝集していることが確認される。
【図4】従来の顆粒ダシの一例(比較例2)としてその性状を示す図面代用写真である。右側下端に付記したスケールの1目盛りは0.1mmであり、比較例2の顆粒ダシは、その殆どが0.1mmを大きく下回るサイズの微粉末が凝集していることが確認される。
【図5】本発明、実施例1による凝集体状ダシ(凝集体1個)の性状の一例を示す図面代用写真(実体顕微鏡写真)である。
【図6】同、実施例3による凝集体状ダシ(凝集体1個)の性状の一例を示す図面代用写真(実体顕微鏡写真)である。
【図7】従来の顆粒ダシ(比較例1:凝集体1個)の性状の一例を示す図面代用写真(実体顕微鏡写真)である。
【図8】従来の顆粒ダシ(比較例2:凝集体1個)の性状の一例を示す図面代用写真(実体顕微鏡写真)である。
【図9】本発明、実施例1による凝集体状ダシ(凝集体1個)を熱湯に投入した場合の崩壊状態の一例を示す図面代用写真(実体顕微鏡写真)である。
【図10】本発明、実施例3による凝集体状ダシ(凝集体1個)を熱湯に投入した場合の崩壊状態の一例を示す図面代用写真(実体顕微鏡写真)である。
【図11】従来の顆粒ダシ(比較例1:凝集体1個)を熱湯に投入した場合の崩壊状態の一例を示す図面代用写真(実体顕微鏡写真)である。
【図12】従来の顆粒ダシ(比較例2:凝集体1個)を熱湯に投入した場合の崩壊状態の一例を示す図面代用写真(実体顕微鏡写真)である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、凝集体状ダシ及びその製造方法に係り、特に、熱水などに加えるだけでダシを容易に調製することが可能な凝集体状ダシ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
即席ダシの素のような風味調味料について、日本農林規格(昭和50年3月25日農林省告示第310号、改正平成13年10月2日農水告第1341号)には、「調味料及び風味原料に糖類、食塩等(香辛料を除く)を加え、乾燥し、粉末状、か粒状等にしたものであって、調理の際風味原料の香り及び味を付与するもの」と規定されている。
【0003】
また、風味原料としては、鰹節、鯖節、鯵節、鰯節のような魚節粉末又は抽出濃縮物、鰹及び鯖の抽出濃縮物並びに煮干、昆布、貝柱及び乾椎茸の粉末又は抽出濃縮物が使用でき、調味料としては、L−アスパラギン酸ナトリウム、DL−アラニン、5′−イノシン酸二ナトリウム、5′−グアニル酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、グリシン、L−グルタミン酸ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、L−ヒスチジン塩酸塩、L−ヒスチジン、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、5′−リボヌクレオチド二ナトリウムが使用でき、賦形剤として澱粉、デキストリン、乳糖が使用でき、蛋白加水分解物を添加することも可能とされている。
【0004】
このような風味調味料に適合する即席ダシの素の他、調味料、糖類、食塩等無添加の多様なダシ製品が市販されている。粉末状ダシは、製造工程における作業効率や歩留まりの向上に限界があり、また、吸湿により塊状となる場合などもあることから、粉末状に比して顆粒状(か粒状)ダシが好まれる傾向にある。
【0005】
顆粒状ダシは、食品加工に用いられている各種造粒法の内、押出造粒あるいは圧縮造粒を用いて製造されている。例えば、特許文献1には、鰹節や煮干し(いりこ)等を抽出し乾燥してエキス粉末を得、このエキス粉末を10%以上含有する粉末原料を用いて水分含有量を1〜5%に調整し、水を添加しないで圧縮造粒することにより顆粒状ダシとする方法が開示されている。
【特許文献1】特開平11−239461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した押出造粒や特許文献1のような圧縮造粒では、造粒前に魚節原料を破砕、粉砕して微粉末化しており、微粉末化の過程において、また、微粉末化された魚節は、短時間の内に酸化などにより風味の低下を招く。そして、この微粉末化原料に、乳糖、澱粉、デキストリンなどの結着剤や賦形剤を添加・混練することによりペースト状とした後、加圧、加熱することで押出し、又はプレスされた成形塊を破砕(解砕)しているため、破砕後に一定の範囲内の粒度に整粒させる工程が必要であり、製造工程が複雑となっている。また、押出し又はプレスされた成形塊の破砕によって微粉粒子(微粉末)が多量に発生するが、歩留まりの低下を避けるためにこの微粉粒子を再使用したり、造粒の際に、複数回に亘る乾燥などのための加熱、及び加圧を行うため、さらに風味や旨みが低下する問題を有している。
【0007】
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、その製造における歩留まりを低下することがなく、且つ、熱水などに加えるだけで、清澄性が高く、魚節が有する自然の良好な風味を殆ど低下することなく維持した上で旨みのあるダシ汁(液)を容易に調製することが可能な凝集体状ダシ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明による凝集体状ダシの製造方法は、魚節を削った削片状魚節及び/又は魚節を破砕した細粒状魚節及び/又は魚節を粉砕した粉末状魚節を含んでなる主原料と、風味エキスを含んでなる副原料とを含む被攪拌原料を、主原料及び/又は副原料にエタノールを含有させた状態で攪拌処理する攪拌工程を備えることを特徴とする。
【0009】
この製造方法において、風味エキスが、魚節抽出物及び/又は魚節抽出濃縮物、魚肉抽出物及び/又は魚肉抽出濃縮物、魚介類抽出物及び/又は魚介類抽出濃縮物、魚介類乾燥品抽出物及び/又は魚介類乾燥品抽出濃縮物、茸類抽出物及び/又は茸類抽出濃縮物、茸類乾燥品抽出物及び/又は茸類乾燥品抽出濃縮物、藻類抽出物及び/又は藻類抽出濃縮物、藻類乾燥品抽出物及び/又は藻類乾燥品抽出濃縮物、酵母エキスから1以上選ばれたものであることが好適であり、また、攪拌工程としては、主原料及び/又は固体状の副原料にエタノール含有液を滲み込ませた状態で攪拌処理することが好ましく、さらに、攪拌工程としては、主原料及び/又は固体状の副原料にエタノール含有液を噴霧した後、或いは噴霧しながら攪拌処理することができる。
【0010】
そして、攪拌工程としては、主原料に、風味エキスをエタノール含有液に溶解又は懸濁させた風味エキス液を含む液体状の副原料を添加した後、或いは添加しながら攪拌処理することもでき、この場合、主原料に、液体状の副原料を噴霧又は滴加することにより添加することが好適である。
【0011】
また、いずれの製造方法においても、エタノール含有液としては、エタノール含量が10%(V/V)以上のエタノール含有液であることが好ましい。さらに、攪拌工程は、減圧条件下にて攪拌処理しても良く、攪拌気流中にて攪拌処理しても良い。さらに、また攪拌工程で得られた攪拌処理物を、45℃を超える温度に加温することなく乾燥しても良く、攪拌工程としては、攪拌造粒装置を用いて攪拌処理することもできる。そして、削片状魚節が、魚節を0.01mm以上、2mm以下の厚みを有するように削り得られることが良く、また、細粒状魚節が、18号ふるいを通過し200号ふるいに全体の9割以上が残留するような粒度分布を有する細粒状に破砕し得られることが好ましい。以上のような製造方法において、乾燥物換算における、主原料の配合量を副原料の配合量以上とすることが良く、また、乾燥物換算における、被攪拌原料100重量部に対する主原料の配合割合を、35重量部以上、70重量部以下とすることができ、さらに、乾燥物換算における、被攪拌原料100重量部に対する副原料配合割合を、15重量部以上、65重量部以下とすることが好ましい。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明による凝集体状ダシは、魚節を破砕した細粒状魚節及び/又は魚節を削った削片状魚節及び/又は魚節を粉砕した粉末状魚節を含んでなる主原料と、風味エキスを含んでなる副原料とを含む被攪拌原料が、主原料及び/又は副原料にエタノールを含有させた状態で攪拌処理され、エタノールが揮散した凝集体状に形成されていることを特徴とする。
【0013】
この凝集体状ダシにおいて、風味エキスが、魚節抽出物及び/又は魚節抽出濃縮物、魚肉抽出物及び/又は魚肉抽出濃縮物、魚介類抽出物及び/又は魚介類抽出濃縮物、魚介類乾燥品抽出物及び/又は魚介類乾燥品抽出濃縮物、茸類抽出物及び/又は茸類抽出濃縮物、茸類乾燥品抽出物及び/又は茸類乾燥品抽出濃縮物、藻類抽出物及び/又は藻類抽出濃縮物、藻類乾燥品抽出物及び/又は藻類乾燥品抽出濃縮物、酵母エキスから1以上選ばれたものであることは好ましく、また、
魚節は、水分含量が5重量%以上、30重量%以下であることが良く、削片状魚節のときは、魚節を0.01mm以上、2mm以下の厚みを有するように削り得られたものであることが好ましく、魚節が細粒状魚節のときは、18号ふるいを通過し200号ふるいに全体の9割以上が残留するような粒度分布を有する細粒状に破砕し得られたものであることが好適である。また、乾燥物換算において、被攪拌原料100重量部に対する主原料の配合割合は35重量部以上、70重量部以下であることが良好であり、被攪拌原料100重量部に対する副原料配合割合は15重量部以上、65重量部以下であることが良好である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の凝集体状ダシの製造方法によれば、魚節からなる主原料と、風味エキスからなる副原料とをエタノールの存在下において攪拌処理することにより凝集体状ダシを製造するため、押出し又は圧縮成形された成形塊を再度破砕・粉砕する必要がなく、製造工程を簡素化することができる。また、微粉砕しないため、微粉粒子が発生することがないと共に、乾燥などのための複数回の加熱、又は加圧が不要であるため、風味や旨みが低下することが少ない。したがって、歩留まりを低下させることなく、魚節の自然で上品な風味を有し、澄明性の高いダシを採ることが可能な凝集体状ダシが得られる。
【0015】
本発明の凝集体状ダシによれば、製造の際に微粉粒子が多量に発生することがなく、しかも乾燥のための加熱、及び加圧を行うことがないため、魚節が有する自然の風味が低下することなく、しかも旨みのあるダシ汁を採ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
本発明の凝集体状ダシの製造方法は、主原料と、副原料とを被攪拌原料とし、この被攪拌原料にエタノールを含有させた状態で攪拌処理するものである。
【0018】
主原料としては、魚節を破砕した細粒状魚節、魚節を削った削片状魚節、魚節を粉砕した粉末状魚節の内の少なくとも一種あるいは二種以上を含んでいる。これらに用いる魚節としては、鰹節、鯖節、鰺節、鰯節、その他の魚節を用いることができる。また、これらの魚節は一種であっても良く、二種以上を併用しても良い。鰹節の場合には、本枯れ節や荒節等を用いることができる。このような魚節は、水分含量が5重量%以上、30重量%以下であり、特に水分含量の調整をすることなく使用できる。
【0019】
削片状魚節は、魚節を削り機によって所定範囲内の厚みに加工された魚節である。この削片状魚節としては、魚節を0.01mm以上、2mm以下の厚みを有するように削り加工されていることが好ましく、0.02mm以上、1mm以下の厚みがより好ましく、0.04mm以上、0.5mm以下がさらに好ましい。0.01mm未満の厚みでは、酸化され易く風味が低下する場合があり、2mmを超える厚みでは、得られた凝集体状ダシを熱水に投入した際、短時間の内に風味成分が溶出され難い場合がある。削片のサイズについては、攪拌に支障がない幅、長さに削られていれば良く、特に限定されないが、一般的に削り節パックなどとして市販されているようなサイズが好ましく、例えば、1〜10mmの幅で長さ1〜30mm程度のサイズとすることができる。攪拌工程の作業効率が良好となる場合がある点では、2〜7mmの幅で長さ3〜15mmのサイズの削片状とすることがより好ましい。魚節主原料のうち、このような削片状魚節を主体として得られる凝集体状ダシの場合、熱水などに投入しダシを採る際には、「削りの花」などと呼ばれる削片のかけらが凝集体から分散浮遊し、通常の削り節を用いてダシを採った場合のような自然なダシ採りの状態を具現することができる。
【0020】
細粒状魚節は、上述のような魚節を破砕することにより得られるものであり、破砕後には一定の大きさの篩(ふるい)を通過することにより粒度が所定範囲となった細粒状のものを用いることが好ましい。粒度については、例えば、第14改正日本薬局方、一般試験法、粉体粒度測定法、主に第2法:ふるい分け法に準じて測定することができる。また、例えば、レーザー回折式、CCD撮像方式などの粒度分布測定装置を用いることができる。なお、同薬局方(日局)、製剤総則において、散剤(粉末)は、「18号ふるい(850μm)を通過し、30号ふるい(500μm)に残留するものが5%以下」であり、この散剤うち「200号ふるい(75μm)を通過するものが10%以下のものを細粒と称することができる」とされている。また、日局、通則において、200号ふるいを通過したものの名称は、「微末」とされる。本発明においては、日局の規定に厳密に準拠することはないが、「微粉末(微粉粒子)」は、200号ふるいを通過する粒子を主体とするものを指し、「細粒」は、18号ふるいを通過し、200号ふるいに残留する粒子を主体とするものとする。魚節を破砕する際に生じた粉末状(微粉末)魚節を含むことができる。細粒状魚節は、魚節を1〜5mm角ほどに粗砕、又は1〜5mm厚に粗削りした後、18号ふるいを通過し、200号ふるいに全体の9割以上が残留するような粒度分布を有する細粒状に破砕し得られることが好ましく、18号ふるいを通過し、100号(150μm)ふるいに全体の7割以上が残留し、200号ふるい(75μm)を通過するものが10%以下となるような粒度分布を有する細粒状に破砕し得られることがより好ましく、18号ふるいを通過し、50号(300μm)ふるいに全体の7割以上が残留し、200号ふるい(75μm)を通過するものが10%以下となるような粒度分布を有する細粒状に破砕し得られることがさらに好ましい。
【0021】
以上の削片状魚節、細粒状魚節、粉末状魚節は、それぞれ独立して主原料として用いても良く、複数を混合して主原料として用いても良い。なお、主原料としては、魚節を破砕する際に生じた、又は魚節を削る際に生じた粉末状(微粉末)魚節を含むことができる。魚節を粉砕した粉末状(微粉末主体)魚節のみを主原料とすることもできるが、この場合には、得られる凝集体状ダシの風味が低下することがあり、削り片状魚節及び/又は細粒状魚節を主体とする主原料を用いることがより好ましい。
【0022】
副原料は、風味エキスを含むものである。本実施形態における風味エキスとしては、得られる凝集体状ダシに風味を付与することができれば、如何なる食品の抽出物又は抽出濃縮物であっても良く、その性状についても、特に限定されず、溶解液や懸濁液のような液体状、粉末や細粒、顆粒のような固体状、ペーストのような半固体状など如何なる性状であっても良い。例えば、上述した日本農林規格、風味調味料における風味原料の内、鰹節、鯖節、鯵節、鰯節のような魚節抽出濃縮物、鰹及び鯖の抽出濃縮物並びに煮干、昆布、貝柱及び乾椎茸の抽出濃縮物等の外、ビールや清酒などの酒類、味噌、醤油などの調味料、パン等の醸造、発酵食品の製造に用いられる酵母を原料として酵素や酸で分解又は酵母自身の産生する酵素で自己消化させた後、抽出した各種酵母エキスなどが好適に使用できる。このような風味エキスは、より旨みのあるダシ液を採ることができる場合がある点では、複数を組み合わせて使用することがより好ましく、酵母エキスを含む複数の組み合わせがさらに好ましい。酵母エキスとしては、公知のものを使用することができ、また、例えば、デキストリンを含有した酵母エキス粉末を使用することも可能である。
【0023】
以上の主原料及び副原料は、被攪拌原料として用いられ、後述する攪拌処理が行われる。被攪拌原料には、このような主原料、副原料の外に、或いは主原料及び/又は副原料に、削片状及び/又は細粒状及び/又は粉末状とした魚節以外の乾燥食品を添加することもできる。魚節以外の乾燥食品としては、得られる凝集体状ダシに風味を付与することができれば、魚節以外の如何なる乾燥食品であっても良く、例えば、魚介類乾燥食品、茸類乾燥食品、藻類乾燥食品等が好適に使用できる。このような削片状及び/又は細粒状及び/又は粉末状とする魚節以外の乾燥食品の具体例として、例えば、昆布乾燥品、煮干、貝柱、乾椎茸、するめ、干し蛸などを挙げることができる。さらに、被攪拌原料には、背景技術において説明した日本農林規格(風味調味料)に規定されるような調味料、糖類、食塩、蛋白加水分解物を添加することもできる。本実施形態において、被攪拌原料を乾燥物換算で100重量部とした場合、主原料は35重量部以上、70重量部以下であることが好ましく、副原料は15重量部以上、65重量部以下であることが好ましい。主原料は35重量部未満では、魚節の風味や旨みが低下する場合があり、70重量部を超えると、良好な凝集状態とすることができない場合がある。また、副原料が15重量部未満では、良好な凝集状態とすることができない場合があり、65重量部を超える場合には、主原料である魚節の風味や旨みが相対的に低下して好ましくない。
【0024】
本実施形態における攪拌工程では、以上の被攪拌原料に対しエタノールを含有させた状態で攪拌処理することにより、乳糖、澱粉、デキストリンなどの結着剤や賦形剤を用いることなく凝集体状ダシを得ることができる。得られる凝集体状ダシは、従来の顆粒ダシと比して、凝集体粒度分布が広く顆粒と称し難い場合もあるが、加熱、混練、加圧処理などを受けておらず、魚節の自然な風味が殆ど低下することなく維持されている。
【0025】
被攪拌原料へのエタノールの含有は、主原料または副原料のいずれか一方、あるいは双方にエタノール含有液を滲み(浸み)込ませることにより行うことができる。また、これに限らず、主原料及び/または副原料にエタノール含有液を塗布したり、主原料及び/または副原料をエタノール含有液に浸漬することにより行うことができる。さらに、主原料及び副原料を予め混合して被攪拌原料とし、この混合状態の被攪拌原料にエタノールを噴霧することにより含有させても良い。また、エタノールを噴霧しながら被攪拌原料を攪拌処理しても良く、この場合には、原料へのエタノールの含有処理と、原料の攪拌処理とを同時に行うことができる。
【0026】
本発明に用いるエタノール含有液としては、10%(V/V)以上の濃度のエタノール含有液であることが良好であり、さらに30%(V/V)以上、99.5%(V/V)以下の濃度のエタノール含有液がより好ましく、70%(V/V)以上、99.5%(V/V)以下の濃度のエタノール含有液がさらに好ましい。10%(V/V)未満の濃度のエタノール含有液の場合には、水分量が相対的に多くなるため攪拌処理の際にダシが固まり易く、ダシとして用いた場合に崩壊性や溶解性が劣る商品上の欠点となる場合がある。
【0027】
なお、エタノール含有液としては、主原料や副原料に元来含有されている水分との関係で適宜調整することができる。例えば、主原料や副原料に多量の水分が含有されている場合には、濃度100%のエタノールを使用することも可能である。
【0028】
このようなエタノール含有液を含有させた状態、又は含有させながら被攪拌原料を攪拌処理する攪拌工程では、主原料と副原料とを含む被攪拌原料をチャンバー内などで混ぜ合わせることが可能であれば如何なる攪拌装置によって攪拌処理しても良く、例えば、攪拌羽根や攪拌棒などの回転により攪拌する様式の攪拌装置や、チャンバー内に攪拌気流を発生させ攪拌する様式の攪拌装置、これらの様式を組み合わせた攪拌装置などが使用でき、特に限定されない。また、攪拌羽根型の攪拌装置を用いる場合などにおいても、被攪拌原料を微粉末化するような攪拌装置、条件を用いる必要がなく、例えば、攪拌羽根を小型のものとしたり、攪拌羽根のエッジを丸めたりすることができ、攪拌羽根の回転数を減じ緩やかに攪拌したり、また、間歇的に回転させても良い。これらの攪拌では、主原料の細粒状、削片状、粉末状の形態を著しく崩壊させることなく、攪拌処理前の主原料の形状を維持した攪拌を行うことができる。
【0029】
さらに、チャンバー内を減圧状態に維持できるような攪拌装置や、チャンバー内を所定温度に加温保持できるような攪拌装置を用い、被攪拌原料を撹拌しながらエタノールを揮散させても良い。ただし、減圧下で攪拌処理する際の減圧条件としては、真空に近い減圧度の場合に、魚節の香り成分が揮散することもある点で、アスピレータなどにより減圧する程度の20mmHg以上とすることが好ましい。また、加温条件下にて攪拌処理する際には、45℃を超えない温度で行うことが好ましい。また、この攪拌処理としては、例えば、チャンバー内の下部や側部に複数の攪拌羽根を設け、被攪拌原料を流動化し均一分散させるような高速攪拌造粒装置を用いて処理することも可能である。このような攪拌造粒装置を用いる場合には、エタノール含有液を噴霧しながら攪拌処理し、加熱することなくエタノールの揮散を行うことができると共に、乳糖、澱粉、デキストリンなどの結着剤や賦形剤を用いなくても所定の造粒がより短時間の内に可能となる。この攪拌造粒装置としては、例えば、奈良機械製作所製のNMG造粒装置(商品名)を用いることができる。
【0030】
以上の攪拌処理により、エタノールが揮散されながら主原料及び副原料が均一に攪拌されて造粒される。この造粒により本発明の凝集体状ダシを製造することができる。このように製造された凝集体状ダシでは、魚節が有している風味や旨みを損なうことがない。また、乳糖、澱粉、デキストリンなどの結着剤や賦形剤を用いることがないのに加えて、砂糖やクエン酸等の調味用添加物を用いる必要がないため、ダシとして用いた場合には、熱水などに加えるだけで清澄性が高いダシ液とすることができる。
【0031】
本発明においては、上述した風味エキスをエタノール含有液に溶解又は懸濁させることにより風味エキス液を作製し、この風味エキス液を含む液体状の副原料を、上述した細粒状魚節及び/又は削片状魚節及び/又は粉末状魚節を含んだ主原料に添加した後、上述した攪拌処理を行っても良い。この方法においては、作製した風味エキス液を主原料に添加しながら攪拌処理を行っても良い。これらの方法において、細粒状魚節、削片状魚節及び粉末状魚節などの主原料、風味エキスを含む副原料としては、上述と同様なものを用いることができる。
【0032】
以上の本発明において、攪拌工程の後には、適宜、乾燥を行うことができる。乾燥は、風乾、減圧乾燥等の手段によって行うことができ、また空気や不活性ガスを攪拌処理物に吹き当てることによっても行うことができる。これらの乾燥により、残存しているエタノールを揮散させることができると共に、含有する水分量を少なくすることが可能となる。なお、以上の乾燥では、45℃を超えない温度で行うことが良好であり、これにより原料の蛋白変性を抑制することができ、高品質の凝集体状ダシとすることができる。
【実施例】
【0033】
以下、本発明について、実施例を示して具体的に説明するが、これによって本発明を限定するものではない。
【0034】
〔実施例1〕
主原料として鰹節の本枯れ節を削った削片状魚節50重量%、副原料(風味エキス以外の添加物不含)として、鰹節のエキス粉末25重量%、酵母エキス粉末25重量%を用い、削片状魚節を撹拌しながらエタノール含有液を所定の含有量となるように30秒〜5分間噴霧した。均一に分散した後、鰹節エキス粉末及び酵母エキス粉末を上述した配合量となるように少量ずつ加えながら30秒〜5分間撹拌した。攪拌装置としては、チャンバー内下部に小型の攪拌羽根を有するミキサー(MK−Z40型、松下電器社製)を用い、2枚羽根の一方を丸みのあるプラスティックカバーで覆い、可変電圧調整器にて攪拌装置への供給電圧を10%〜80%に低減させて攪拌処理を行った。その後、攪拌処理物をトレーに広げて、45℃で15分間乾燥した後、10号ふるい(1700μm)を通過させることにより凝集体状ダシを得た。なお、削片状魚節は、0.04mm以上、0.1mm以下の厚みに魚節削り機で削り、2〜7mmの幅で長さ3〜15mmのサイズの削片状としたものを用いた。
【0035】
上記製造に際し、エタノール含有液として95%濃度(V/V)のエタノールを削片状魚節に対し、10、20、30、40、50、75、100、120、140、200%(W/W)の添加量となるように噴霧した場合、添加量200%の凝集体状ダシが固まった以外、他の添加量の凝集体状ダシは良好な性状となっていた。また、70%濃度(V/V)のエタノールを削片状魚節に対し、15、20、30、50%(W/W)の添加量となるように噴霧した場合、添加量50%の凝集体状ダシが固まり、添加量15、20、30%の凝集体状ダシは良好な性状となっていた。また、99.5%濃度(V/V)のエタノールを削片状魚節に対し、15、30%(W/W)の添加量となるように噴霧した場合、共に良好な性状の凝集体状ダシが得られた。
【0036】
この実施例1からは、エタノールの添加量が増えるにつれて、エタノール含有液に含有されている水分量が削片状魚節に対して相対的に増えるため、上述した凝集体状ダシが固まるものと推定される。
【0037】
〔実施例2〕
予め主原料にアルコール含有液を噴霧することなく、主原料と副原料を攪拌混合しながらアルコール含有液を噴霧した以外は実施例1の場合と同様にして凝集体状ダシを得た。得られる凝集体状ダシの性状については、実施例1の場合と略同一であった。
【0038】
〔実施例3〕
主原料として鰹節の本枯れ節を破砕した細粒状魚節50重量%、副原料(風味エキス以外の添加物不含)として、鰹節のエキス粉末25重量%、酵母エキス粉末25重量%を用い、これら被攪拌原料に、70〜99.5重量%濃度のアルコール含有液を噴霧又は滴加しながら加温することなく1〜3分間攪拌処理を行い凝集体状ダシを得た。攪拌装置としては、攪拌造粒装置(NMG型、奈良機械製作所製)を用いた。細粒状魚節は、魚節を1〜5mm厚に粗削りした後、18号ふるいを通過し、200号ふるいに全体の9割以上が残留する粒度分布を有する細粒状に破砕したものを用いた。得られた凝集体状ダシは、略150μm〜1000μmのサイズ(最長辺)のものが全体の8割以上となる粒度分布を有する良好な性状であった。
【0039】
〔比較例1〕
主原料として鰹節の本枯れ節を粉砕した粉末状魚節を用い、実施例1と同様の副原料に、7重量%の食塩、5〜30重量%の乳糖を加えた原料を使用し、これらを混練することによりペースト状とした後、押出し造粒装置(UM−73型、川越機械社製)によって押出された成形塊を破砕(解砕)し、破砕後に整粒し顆粒ダシを得た。なお、成形塊の破砕によって発生した微粉粒子(微粉末)は再使用せずに製造した。
【0040】
〔比較例2〕
主原料として鰹節の本枯れ節を破砕した細粒状魚節を用い、実施例1と同様の副原料に、5〜30重量%の乳糖を加えた原料を使用し、これらを混練することによりペースト状とした後、プレス機(東洋油圧機械社製)によってプレスされた成形塊を破砕(解砕)し、破砕後に整粒し顆粒ダシを得た。なお、成形塊の破砕によって発生した微粉粒子(微粉末)は再使用せずに製造した。
【0041】
〔性状比較〕
実施例1及び3の凝集体状ダシ、並びに比較例1及び2の顆粒ダシについて、実体顕微鏡(SZ型、OLYMPUS社製)、及び実体顕微鏡用デジタルカメラ(DC300型、LEICA社製)、デジタルカメラ(CAMEDIA−C2020型、OLYMPUS社製)を用い、それぞれの性状(図1〜4)、それぞれの凝集体(1個)の性状(図5〜8)、並びに熱湯に各凝集体状ダシを投入した際の崩壊状態(図9〜12)を比較した。
【0042】
〔官能検査〕
実施例1における、99.5%濃度(V/V)のエタノールを削片状魚節に対し、15%及び30%(W/W)の添加量となるように噴霧し得られた凝集体状ダシ:実施例1B及び実施例1C、並びに、実施例1における、70%濃度(V/V)のエタノールを削片状魚節に対し、15%及び30%(W/W)の添加量となるように噴霧し得られた凝集体状ダシ:実施例1D及び実施例1Eにつき、比較例1の顆粒ダシとともに、各サンプルから得られるダシ汁の風味(香り、味)について、NewellとMacFarlaneの多重比較検定〔新・食品分析法(光琳)、p806参照〕により評価検討した。なお、各ダシ汁は、各サンプルを熱水に対して0.7%(W/W)の濃度となるように熱水に投入して得られたものを用いた。また、比較例1のサンプルは食塩使用品であるため、全ダシ汁とも、喫食時塩分濃度が0.9%(W/W)となるように食塩を別途、加えて官能検査を実施した(パネリスト数:16)。この官能検査の結果は、表1及び表2に示したとおりであり、実施例1B〜実施例1Eの各サンプル間には危険率5%にて有意差が認められず良好な風味であったが、比較例1サンプルは、実施例1B〜実施例1Eの各サンプルとの間に有意差を認め、風味が劣るとの評価であった。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明、実施例1による凝集体状ダシの性状の一例を示す図面代用写真である。右側下端に付記したスケールの1目盛りは0.1mmであり、凝集体状ダシには長辺1mm程の削片状魚節の破砕片が認められる。
【図2】同、実施例3による凝集体状ダシの性状の一例を示す図面代用写真である。右側下端に付記したスケールの1目盛りは0.1mmであり、凝集体状ダシは、その殆どが0.1mm以上のサイズの細粒状魚節が凝集していることが確認される。
【図3】従来の顆粒ダシの一例(比較例1)としてその性状を示す図面代用写真である。右側下端に付記したスケールの1目盛りは0.1mmであり、比較例1の顆粒ダシは、その殆どが0.1mm前後のサイズに凝集した微粉末がさらに1mmを超えるサイズに凝集していることが確認される。
【図4】従来の顆粒ダシの一例(比較例2)としてその性状を示す図面代用写真である。右側下端に付記したスケールの1目盛りは0.1mmであり、比較例2の顆粒ダシは、その殆どが0.1mmを大きく下回るサイズの微粉末が凝集していることが確認される。
【図5】本発明、実施例1による凝集体状ダシ(凝集体1個)の性状の一例を示す図面代用写真(実体顕微鏡写真)である。
【図6】同、実施例3による凝集体状ダシ(凝集体1個)の性状の一例を示す図面代用写真(実体顕微鏡写真)である。
【図7】従来の顆粒ダシ(比較例1:凝集体1個)の性状の一例を示す図面代用写真(実体顕微鏡写真)である。
【図8】従来の顆粒ダシ(比較例2:凝集体1個)の性状の一例を示す図面代用写真(実体顕微鏡写真)である。
【図9】本発明、実施例1による凝集体状ダシ(凝集体1個)を熱湯に投入した場合の崩壊状態の一例を示す図面代用写真(実体顕微鏡写真)である。
【図10】本発明、実施例3による凝集体状ダシ(凝集体1個)を熱湯に投入した場合の崩壊状態の一例を示す図面代用写真(実体顕微鏡写真)である。
【図11】従来の顆粒ダシ(比較例1:凝集体1個)を熱湯に投入した場合の崩壊状態の一例を示す図面代用写真(実体顕微鏡写真)である。
【図12】従来の顆粒ダシ(比較例2:凝集体1個)を熱湯に投入した場合の崩壊状態の一例を示す図面代用写真(実体顕微鏡写真)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚節を削った削片状魚節及び/又は魚節を破砕した細粒状魚節及び/又は魚節を粉砕した粉末状魚節を含んでなる主原料と、風味エキスを含んでなる副原料とを含む被攪拌原料を、主原料及び/又は副原料にエタノールを含有させた状態で攪拌処理する攪拌工程を備えることを特徴とする凝集体状ダシの製造方法。
【請求項2】
前記風味エキスが、魚節抽出物及び/又は魚節抽出濃縮物、魚肉抽出物及び/又は魚肉抽出濃縮物、魚介類抽出物及び/又は魚介類抽出濃縮物、魚介類乾燥品抽出物及び/又は魚介類乾燥品抽出濃縮物、茸類抽出物及び/又は茸類抽出濃縮物、茸類乾燥品抽出物及び/又は茸類乾燥品抽出濃縮物、藻類抽出物及び/又は藻類抽出濃縮物、藻類乾燥品抽出物及び/又は藻類乾燥品抽出濃縮物、酵母エキスから1以上選ばれたものであることを特徴とする請求項1に記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項3】
前記攪拌工程は、主原料及び/又は固体状の副原料にエタノール含有液を滲み込ませた状態で攪拌処理することを特徴とする請求項1又は2に記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項4】
前記攪拌工程は、主原料及び/又は固体状の副原料にエタノール含有液を噴霧した後、或いは噴霧しながら攪拌処理することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項5】
前記攪拌工程は、主原料に、風味エキスをエタノール含有液に溶解又は懸濁させた風味エキス液を含む液体状の副原料を添加した後、或いは添加しながら攪拌処理することを特徴とする請求項1又は2に記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項6】
前記主原料に、前記液体状の副原料を噴霧又は滴加することにより添加することを特徴とする請求項5に記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項7】
前記エタノール含有液は、エタノール含量が10%(V/V)以上のエタノール含有液であることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項8】
前記攪拌工程は、減圧条件下にて攪拌処理することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項9】
前記攪拌工程は、攪拌気流中にて攪拌処理することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項10】
前記攪拌工程で得られた攪拌処理物を、45℃を超える温度に加温することなく乾燥することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項11】
前記攪拌工程は、攪拌造粒装置を用いて攪拌処理することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項12】
前記削片状魚節が、魚節を0.01mm以上、2mm以下の厚みを有するように削り得られることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項13】
前記細粒状魚節が、18号ふるいを通過し200号ふるいに全体の9割以上が残留するような粒度分布を有する細粒状に破砕し得られることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項14】
乾燥物換算における、前記被攪拌原料100重量部に対する主原料の配合割合を、35重量部以上、70重量部以下とすることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項15】
乾燥物換算における、前記被攪拌原料100重量部に対する副原料配合割合を、15重量部以上、65重量部以下とすることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項16】
魚節を削った削片状魚節及び/又は魚節を破砕した細粒状魚節及び/又は魚節を粉砕した粉末状魚節を含んでなる主原料と、風味エキスを含んでなる副原料とを含む被攪拌原料が、主原料及び/又は副原料にエタノールを含有させた状態で攪拌処理され、エタノールが揮散した凝集体状に形成されていることを特徴とする凝集体状ダシ。
【請求項17】
前記風味エキスが、魚節抽出物及び/又は魚節抽出濃縮物、魚肉抽出物及び/又は魚肉抽出濃縮物、魚介類抽出物及び/又は魚介類抽出濃縮物、魚介類乾燥品抽出物及び/又は魚介類乾燥品抽出濃縮物、茸類抽出物及び/又は茸類抽出濃縮物、茸類乾燥品抽出物及び/又は茸類乾燥品抽出濃縮物、藻類抽出物及び/又は藻類抽出濃縮物、藻類乾燥品抽出物及び/又は藻類乾燥品抽出濃縮物、酵母エキスから1以上選ばれたものであることを特徴とする請求項16に記載の凝集体状ダシ。
【請求項18】
前記魚節は、水分含量が5重量%以上、30重量%以下であることを特徴とする請求項16又は17に記載の凝集体状ダシ。
【請求項19】
前記削片状魚節が、魚節を0.01mm以上、2mm以下の厚みを有するように削り得られたものであることを特徴とする請求項16乃至18のいずれかに記載の凝集体状ダシ。
【請求項20】
前記細粒状魚節が、18号ふるいを通過し200号ふるいに全体の9割以上が残留するような粒度分布を有する細粒状に破砕し得られたものであることを特徴とする請求項16乃至19のいずれかに記載の凝集体状ダシ。
【請求項21】
乾燥物換算における、前記被攪拌原料100重量部に対する主原料の配合割合が、35重量部以上、70重量部以下であることを特徴とする請求項16乃至20のいずれかに記載の凝集体状ダシ。
【請求項22】
乾燥物換算における、前記被攪拌原料100重量部に対する副原料配合割合が、15重量部以上、65重量部以下であることを特徴とする請求項16乃至21のいずれかに記載の凝集体状ダシ。
【請求項1】
魚節を削った削片状魚節及び/又は魚節を破砕した細粒状魚節及び/又は魚節を粉砕した粉末状魚節を含んでなる主原料と、風味エキスを含んでなる副原料とを含む被攪拌原料を、主原料及び/又は副原料にエタノールを含有させた状態で攪拌処理する攪拌工程を備えることを特徴とする凝集体状ダシの製造方法。
【請求項2】
前記風味エキスが、魚節抽出物及び/又は魚節抽出濃縮物、魚肉抽出物及び/又は魚肉抽出濃縮物、魚介類抽出物及び/又は魚介類抽出濃縮物、魚介類乾燥品抽出物及び/又は魚介類乾燥品抽出濃縮物、茸類抽出物及び/又は茸類抽出濃縮物、茸類乾燥品抽出物及び/又は茸類乾燥品抽出濃縮物、藻類抽出物及び/又は藻類抽出濃縮物、藻類乾燥品抽出物及び/又は藻類乾燥品抽出濃縮物、酵母エキスから1以上選ばれたものであることを特徴とする請求項1に記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項3】
前記攪拌工程は、主原料及び/又は固体状の副原料にエタノール含有液を滲み込ませた状態で攪拌処理することを特徴とする請求項1又は2に記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項4】
前記攪拌工程は、主原料及び/又は固体状の副原料にエタノール含有液を噴霧した後、或いは噴霧しながら攪拌処理することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項5】
前記攪拌工程は、主原料に、風味エキスをエタノール含有液に溶解又は懸濁させた風味エキス液を含む液体状の副原料を添加した後、或いは添加しながら攪拌処理することを特徴とする請求項1又は2に記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項6】
前記主原料に、前記液体状の副原料を噴霧又は滴加することにより添加することを特徴とする請求項5に記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項7】
前記エタノール含有液は、エタノール含量が10%(V/V)以上のエタノール含有液であることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項8】
前記攪拌工程は、減圧条件下にて攪拌処理することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項9】
前記攪拌工程は、攪拌気流中にて攪拌処理することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項10】
前記攪拌工程で得られた攪拌処理物を、45℃を超える温度に加温することなく乾燥することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項11】
前記攪拌工程は、攪拌造粒装置を用いて攪拌処理することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項12】
前記削片状魚節が、魚節を0.01mm以上、2mm以下の厚みを有するように削り得られることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項13】
前記細粒状魚節が、18号ふるいを通過し200号ふるいに全体の9割以上が残留するような粒度分布を有する細粒状に破砕し得られることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項14】
乾燥物換算における、前記被攪拌原料100重量部に対する主原料の配合割合を、35重量部以上、70重量部以下とすることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項15】
乾燥物換算における、前記被攪拌原料100重量部に対する副原料配合割合を、15重量部以上、65重量部以下とすることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の凝集体状ダシの製造方法。
【請求項16】
魚節を削った削片状魚節及び/又は魚節を破砕した細粒状魚節及び/又は魚節を粉砕した粉末状魚節を含んでなる主原料と、風味エキスを含んでなる副原料とを含む被攪拌原料が、主原料及び/又は副原料にエタノールを含有させた状態で攪拌処理され、エタノールが揮散した凝集体状に形成されていることを特徴とする凝集体状ダシ。
【請求項17】
前記風味エキスが、魚節抽出物及び/又は魚節抽出濃縮物、魚肉抽出物及び/又は魚肉抽出濃縮物、魚介類抽出物及び/又は魚介類抽出濃縮物、魚介類乾燥品抽出物及び/又は魚介類乾燥品抽出濃縮物、茸類抽出物及び/又は茸類抽出濃縮物、茸類乾燥品抽出物及び/又は茸類乾燥品抽出濃縮物、藻類抽出物及び/又は藻類抽出濃縮物、藻類乾燥品抽出物及び/又は藻類乾燥品抽出濃縮物、酵母エキスから1以上選ばれたものであることを特徴とする請求項16に記載の凝集体状ダシ。
【請求項18】
前記魚節は、水分含量が5重量%以上、30重量%以下であることを特徴とする請求項16又は17に記載の凝集体状ダシ。
【請求項19】
前記削片状魚節が、魚節を0.01mm以上、2mm以下の厚みを有するように削り得られたものであることを特徴とする請求項16乃至18のいずれかに記載の凝集体状ダシ。
【請求項20】
前記細粒状魚節が、18号ふるいを通過し200号ふるいに全体の9割以上が残留するような粒度分布を有する細粒状に破砕し得られたものであることを特徴とする請求項16乃至19のいずれかに記載の凝集体状ダシ。
【請求項21】
乾燥物換算における、前記被攪拌原料100重量部に対する主原料の配合割合が、35重量部以上、70重量部以下であることを特徴とする請求項16乃至20のいずれかに記載の凝集体状ダシ。
【請求項22】
乾燥物換算における、前記被攪拌原料100重量部に対する副原料配合割合が、15重量部以上、65重量部以下であることを特徴とする請求項16乃至21のいずれかに記載の凝集体状ダシ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−238837(P2006−238837A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−61589(P2005−61589)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000126089)株式会社にんべん (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000126089)株式会社にんべん (8)
【Fターム(参考)】
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