処理物体を加工するシステム
ウエハの加熱、ウエハの冷却、温度測定、および迷光についてのチャンバの性能を少なくとも調整するのに用いることができるカスタマイズ可能なチャンバスペクトル応答を説明する。一態様では、処理物体を加工するシステムを説明する。この処理物体は、処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する。このチャンバは、第1のやり方で加熱構成放射エネルギーに応答し、第2のやり方でこのチャンバに入射する処理物体放射エネルギーに応答する。このチャンバは、熱源放射エネルギーの大部分を反射することによって第1のやり方で応答し、処理物体放射エネルギーの大部分を吸収することによって第2のやり方で応答することもできる。特定のチャンバ性能パラメータに関する目的を達成するための設計上の考察に基づく選択反射率で、チャンバの様々な部分を処理することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、例えば半導体基板などの処理物体を熱加工する分野に関し、より詳細には、そのような熱加工で使用する選択的反射率プロフィールを有する加工チャンバに関する。一態様では、本明細書は、波長応答がカスタマイズされた選択的反射率加工チャンバおよび関連する方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体基板などの処理物体を熱加工するには通常、高温で加工を実施することができるように、加工チャンバ内でまず基板の温度を高温まで上げることを必要とする。いわゆる「浸漬」加工では、指定した時間にわたって基板を所与の加工温度のままにし、次いで温度を下げて加工チャンバから取り出す。
【0003】
典型的な加工には、イオン注入による損傷のアニール処理、シリサイドの形成、酸化処理、被膜の被着、および被着させた被膜の高密度化またはリフローがある。ある種の加工では、高温状態の時間を最小限に抑えることが望ましい。これは、基板を指定した温度まで加熱し、次いですぐに冷却することができる、当技術分野で「スパイク」加工または極浅接合部(USJ)加工と一般に称するものによって実現できるものである。この種の加工は、注入するドーパントに関連したイオン注入損傷のアニール処理に極めて有用なことがわかっている。すなわち、熱加工は、1つの目的として、注入した化学種の電気的な活動化を最大にし、別の目的として、ドーパントの拡散を最小限に抑える働きをする。先行技術では、これらの目的は互いに利益が競合し、スパイクアニール加工は、これら競合する目的をいずれも最適化することに関して、最もよく知られた妥協策を提供すると一般に認められている。例として、低エネルギーイオン注入とスパイクアニールを組み合わせることによって、極浅pn接合部を形成することができる。この接合部は、温度での時間を最小限とする結果、接合部の深さが浅くなり(典型的には、約40nm未満)、また、ドーパントを活性化するのに高温を用いる結果、シート抵抗が小さくなる(典型的には、800Ω/□未満)という望ましい特性を有する。
【0004】
スパイク加工の特徴は、ピーク温度およびスパイクの幅に関して記述されることがあり、(ピーク温度−ΔT℃)によって定義される閾値よりも高い温度になる時間によって指定されることが多い。ただし、ΔTは通常、50、100、または200℃に設定される。また、この加工は、立ち上がり速度および冷却速度によって特徴づけられることもある。一般に、立ち上がり速度および冷却速度が、スパイク加工のピーク幅に影響を及ぼすことは明らかである。スパイクアニール処理が成功すると、シート抵抗値が最も小さく、最も浅い接合部が得られるが、それにはしばしば、ピーク温度をより高くし、ピーク幅をより狭くすることが必要とされる。これは、スパイクアニールにより大きな利益が得られる、ホウ素ドープを利用した接合部の形成に特に重要である。典型的なスパイク加工は、ΔT=50℃に対して、ピーク温度を1050℃、ピーク幅を約1.7秒とするものである。
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第10/288272号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今後のデバイス技術では、接合深さおよびシート抵抗のさらに減少させる必要があることが提示されており、従って、RTPスパイク加工の改善が必要になることは明らかである。新しい加工では、より狭いピーク幅を伴うより高い加工温度が要求されるという傾向が予想される。本発明では、このような新しい加工を実施する際の極めて有利な手法を説明し、さらに別の利点を提供する。
【0007】
上記で説明したようなRTPシステムにおける温度測定は、加工の監視および制御に関して必須のものである。放射高温計を使用して、例えばウエハの温度を測定するとき、ウエハは、加工チャンバ壁の開口を介して高温計によって観測される。場合によっては、高温計の波長でこのチャンバ壁を高反射性にすることが有用になり得る。というのは、この条件では、高温計の波長でウエハの実効放射率が増加する傾向があるからである。この効果により、ウエハの放射が、黒体放射体の放射により厳密に近似する。その結果、高温計の示度は、高温計の波長でのウエハのスペクトル放射率が正しくわからないことから生じる温度測定誤差の影響を受けにくくなる。これは、高温測定での温度測定誤差を小さくするよく知られた原則である。残念ながら、高温測定に関するこの放射率特性を適応させると、RTPシステムの動作の他の重要な態様に悪影響を及ぼすことがある。以下で説明するように、本発明は、この難点を解決し、さらに別の利点を提供すると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、より詳細に論じるように、本明細書では、処理物体を加工するシステムおよび関連する方法を開示する。この処理物体は、処理物体放射エネルギーが生成される処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する。このシステムは、熱源動作温度での熱源放出スペクトルを有する熱源放射エネルギーを利用して処理物体を加熱する加熱構成を含む。この熱源放出スペクトルは、処理物体の所与の放出スペクトルと異なるものである。処理チャンバ内で、加熱構成放射エネルギーの一部に処理物体を露出し、処理物体を支持するのに使用するチャンバ画定手段を設け、その結果、加熱構成放射エネルギーの第1部分および処理物体放射エネルギーの第2部分が、処理チャンバを境界づけるチャンバ画定手段に入射する。このチャンバ画定手段は、第1のやり方で、チャンバ画定手段に入射する加熱構成放射エネルギーの第1部分の大部分に応答し、第2のやり方で、チャンバ画定手段に入射する処理物体放射エネルギーの第2部分の大部分に応答するように構成される。1つの特徴では、このチャンバ画定手段は、熱源放射エネルギーの大部分を反射することによって第1のやり方で応答し、処理物体放射エネルギーの大部分を吸収することによって第2のやり方で応答するように構成される。
【0009】
本明細書で開示する別の態様では、処理物体を加工するシステムおよび関連する方法を説明する。このシステムは、最初は、処理物体を受け取り、加工中にそれを支持するための未改変チャンバ構成を含む。この未改変チャンバ構成では、その中で加熱された後で、処理物体の所与の最大冷却速度が得られる。この未改変チャンバ構成の代わりに、改変チャンバ構成成を使用する。この改変チャンバ構成成は、チャンバ画定手段を含み、その中で処理物体が支持される。この改変チャンバ構成成は、所与の最大冷却速度よりも速い改変された最大冷却速度が得られるように構成される。
【0010】
本明細書で開示する別の態様では、処理物体を加工するシステムおよび関連する方法を説明する。この処理物体は、処理物体放射エネルギーが生成される処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する。このシステムは、熱源動作温度での熱源放出スペクトルを有する熱源放射エネルギーを利用して処理物体を加熱する加熱構成を含む。この熱源放出スペクトルは、処理物体の所与の放出スペクトル特徴と異なるものである。チャンバ画定手段を使用して、処理チャンバ内で、加熱構成放射エネルギーの一部に処理物体を露出し、処理物体を支持し、その結果、加熱構成放射エネルギーの第1部分および処理物体放射エネルギーの第2部分が、処理チャンバを境界づけるチャンバ画定手段に入射する。このチャンバ画定手段は、選択反射率で、加熱構成放射エネルギーの第1部分および処理物体放射エネルギーの第2部分に、応答するように構成される。
【0011】
本明細書で開示する継続態様では、処理物体を加工するシステムおよび方法を説明する。この処理物体は、処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する。加熱構成は、熱源動作温度での熱源放出スペクトルを有する加熱構成放射エネルギーを利用して処理物体を加熱する。この熱源放出スペクトルは、処理物体の所与の放出スペクトルと異なるものである。感知手段は、感知波長において処理物体放射エネルギーを感知する。チャンバ画定手段を使用して、処理チャンバ内で、加熱構成放射エネルギーの一部に前記処理物体を露出し、前記処理物体を支持する。チャンバ画定手段の少なくとも一部は、同時に、(i)第1のやり方で、チャンバ画定手段の少なくとも一部に入射する加熱構成放射エネルギーの大部分に応答し、(ii)第2のやり方で、チャンバ画定手段の少なくとも一部に入射する処理物体放射エネルギーの大部分に応答し、(iii)感知波長において第3のやり方で応答するように構成される。
【0012】
本明細書で開示する別の態様では、処理物体を加工するシステムおよび方法を説明する。この処理物体は、処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する。加熱構成は、熱源動作温度での熱源放出スペクトルを有する加熱構成放射エネルギーを利用して処理物体を加熱する。この熱源放出スペクトルは、処理物体の所与の放出スペクトルと異なるものである。感知手段は、感知波長において、処理物体から放出された処理物体放射エネルギーを感知する。チャンバ画定手段は、処理チャンバ内で、加熱構成放射エネルギーに処理物体を露出している間、処理物体を支持する。チャンバ画定手段の少なくとも第1部分は、その上に入射する感知波長の大部分を反射するように構成され、チャンバ画定手段の第2の異なる部分は、その上に入射する感知波長の大部分を選択的に吸収するように構成される。
【0013】
本明細書で開示する別の態様では、処理物体を加工するシステムおよび方法を説明する。加熱構成を使用して、加熱構成放射エネルギーで処理物体を加熱する。チャンバ画定手段を設けて、その中の処理物体を加熱構成放射エネルギーの一部に露出するのに使用し、加熱構成放射エネルギーの別の部分はチャンバ画定手段に入射し、その結果、チャンバ画定手段内に全放射エネルギーが存在する。このチャンバ画定手段は、加熱構成と処理物体の間に、不透明になり始める波長よりも長い波長で少なくとも近似的に不透明なウィンドウを含む。チャンバ画定手段の少なくとも一部は選択反射構成を含み、前記選択反射構成は、第1のやり方で、前記選択反射構成に入射する、不透明になり始める波長よりも短い波長の全放射エネルギーの大部分に応答し、第2のやり方で、前記選択反射構成に入射する、不透明になり始める波長よりも長い波長の全放射エネルギーの大部分に応答する。ウエハの加熱、ウエハの冷却、温度測定、および迷光についてのチャンバの性能を少なくとも調整するのに用いることができるカスタマイズ可能なチャンバスペクトル応答を説明する。一態様では、処理物体を加工するシステムを説明する。この処理物体は、処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する。このチャンバは、第1のやり方で加熱構成放射エネルギーに応答し、第2のやり方で、このチャンバに入射する処理物体放射エネルギーに応答する。このチャンバは、熱源放射エネルギーの大部分を反射することによって第1のやり方で応答し、処理物体放射エネルギーの大部分を吸収することによって第2のやり方で応答することもできる。特定のチャンバ性能パラメータに関する目的を達成するための設計上の考察に基づく選択反射率で、チャンバの様々な部分を処理することができる。
【0014】
本開示は、以下の詳細な説明を図面と併せ読むことによって理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
典型的なランプ加熱型RTPシステムでは、加熱プロフィールのピーク幅に関する制限を3つの主な要因に帰することができることが認識されている。第1に、立ち上がり速度は、基板を加熱するのに使用されるエネルギー源から利用可能な出力と、この出力がウエハ表面に送達される効率とがあいまって、それらによって制限される。タングステン−ハロゲンランプは、いくつかの先行技術のシステムで使用されていることに留意されたい。ただし、本発明は、本明細書での教示が適用される限り、任意の適切な加熱構成を使用して実施することができ、このようなランプを使用することに全く限定されないことを理解されたい。例として、本発明では、フラッシュランプおよびアークランプを使用することを意図している。第2の制限は、エネルギー源の熱応答時間のために生じる。例えば、基板を加熱するエネルギー源としてタングステン−ハロゲンランプを使用する場合、このランプのタングステンフィラメントの熱質量が有限であることが、ランプがいかに速く冷却されるかを決める制限になり、そして、基板に送達中の出力をいかに速くオフにすることができるかを制限する。第3の制限は、基板の冷却速度に由来するものである。この冷却速度は、基板の熱質量と、基板の表面から熱が失われる効率との組合せによって制限される。この熱損失は典型的には、熱放射、または基板を取り囲むプロセスガスを介した対流および伝導による熱損失によるものである。以下でわかるように、本発明は、処理物体が熱源に露出された後でその処理物体から熱が失われる率を改善しつつ熱源の動作中に熱源の放射を処理物体に結びつける効率を改善するような極めて有利なやり方で、上記第1および第3の制限に焦点を当てる。
【0016】
加工チャンバ内でランプによって加熱される基板への熱伝達は、次式によって近似することができる。
【0017】
【数1】
【0018】
ただし、Tは基板の絶対温度であり、tは時間、Pはランプの出力密度、σはステファンボルツマン定数、ρは密度、cは比熱、Dは基板の厚さ、ηはランプ出力のうち基板に結合される割合、Heffは実効熱損失効率である。出力は、加熱(加工)中の物体の片側または両側から入射することがあり、Heffは、物体の両側から熱が失われる可能性、ならびに放出された放射が再度反射されて物体に戻る効果を含むものである。ηおよびHeffの項は、基板およびチャンバの光学特性に依存している。式(1)で、Tは十分に高く、そのため熱伝達は、放射が支配的であり、基板からの対流または伝導による熱損失は大きくないと仮定することが妥当であることがわかっている。
【0019】
基板その他の処理物体が放射による加熱を受けるとき、式(1)を用いてそれらの熱応答を予測することができるが、意図される処理環境での加熱および冷却の速度に関して、基本的な制限に等しいもの理解するために、この式を有利に用いることができることが理解できる。例えば、最大立ち上がり速度Rmaxは、上式を再構成することによって以下のように得られる。
【0020】
【数2】
【0021】
ただし、Pmaxは、加熱システムの利用可能な最大ランプ出力密度である。これに対して、最大冷却速度Cmaxは、以下の式で与えられる。
【0022】
【数3】
【0023】
加熱および冷却の速度を最大にするために、RmaxおよびCmaxがそれぞれ可能な限り大きくなるようにこのシステムを設計することが有利である。この目的で式(2)を調べると、立ち上がり加熱速度を速くするには、ηをできる限り大きくし、Heffを最小限に抑えることが望ましいことがわかる。しかし残念ながら、式(3)は、冷却速度を速くするにはHeffを最大にする必要があることを示している。一見したところでは、両方の式を考慮すると、Heffを最大にすることとRmaxを最大にすることは、利害が直接競合するように見える。
【0024】
しかしながら、本発明では、何が実際的な急速熱加工(「RTP」)システムであると考えられるかということにおいて、高速立ち上がり時に、ηPmaxの大きさは、HeffσT4の大きさよりもはるかに大きいことを認識することによってこの競合した利害を解決する。この極めて有利な認識を理解し、ηおよびHeffを最大にすることによってシステムの性能を最適化することができる。同時に、これらの量は、処理物体の特性によって影響を受けることを理解されたい。例えば、ある処理物体の場合、このような物体の光学特性、例えば半導体基板の光学特性は一般に、特定の製作条件によって定まり、立ち上がり速度および冷却速度を速くするために容易に改変し得ないことがさらに認識できる。このような改変には、例えば、基板をより薄くすること、あるいは、より効率よく熱エネルギーを放出するか、またはより効率よくランプエネルギーを吸収する表面被覆を施すことが含めることがある。さらに、その基板に施すことができる任意の数の可能な加工方式の特定の1つに関して、いかなる基板処理も単一では普遍的な利点が得られる見込みはないと考えられる。これに対して、本発明が提供する利点は、利用可能な広範な基板に適用されることを理解することが重要である。すなわち、本発明の実施に影響を及ぼす基板のパラメータは、基板が比較的様々であることに比べて、一般に本発明のRTPの対象の目標とする結果にわずかな差異しかもたらさない範囲でしか変動しない。これは、それ自身もしくはそれ自身による大きな利点と考えられる。というのは、本発明は、基板に関する改変を必要とせず、処理チャンバのみを改変して、広範な基板に関して普遍的な利点が得られるようにするからである。
【0025】
上記の極めて有利な教示および認識に従ってシステム設計を最適化するために、チャンバ設計においてηおよびHeffを決定する要因を考えることが有用である。とりうる一つの形態として、チャンバ壁を高反射性に死、これによってηを大きな値にすることができる。この結果は2つの理由から得られるものである。第1に、ランプからチャンバ壁の方向に放出されるエネルギーは、反射して戻り基板に向かうことができる。高反射率の壁は、エネルギーの吸収が小さく、有利なことに、ランプの放射の大部分が基板の方向に戻る。第2に、基板表面で反射されたランプエネルギーは、チャンバ壁によって再度反射され、基板によって吸収されるチャンスが継続して生じ得る。チャンバが完全な反射体である限定的な場合、すべてのランプエネルギーが基板によって吸収されることになる。
【0026】
壁が反射性であり、それによってランプの放射に関して上記の利点が得られる場合、基板から放出されるエネルギーは、同様に再度反射されて基板に戻り、それによって、不利なことに基板の冷却に関して正味の熱損失が減少する。壁が完全に反射性である限定的な場合、基板は、放射によって熱を失うことができないことになる。
【0027】
別のとり得る形態として、チャンバ壁を高吸収性に死、これによってHeffを大きな値とすることができる。壁が完全に黒い場合、基板表面からの放射によって失われるエネルギーは、基板に戻ることができない。しかしこの場合、不利なことには、ランプの放射は吸収される。
【0028】
先行技術は概ね、これら2つの形態の一方または他方を選択したものであり、選択されなかった他の形態に関して性能が折衷的になることに留意すべきである。ある種の例では、特定の処理システム内の個々のチャンバおよび構成要素の表面は、これらの形態の1つに従って選択的に構成され、それによって、問題となっている特定の表面に関する特定の目的が実施される。例えば、熱の影響を受けやすい構成要素は、被覆を施して高反射性にすることができ、一方、反射体プレートは、黒くして処理チャンバから熱を逃がすことができる。しかしながら、本発明は、これら2つの本質的に反対の形態によって定まるこれらの見かけ上相反する要件を、以下でわかるように、極めて有利なやり方で解決できると認められるものである。
【0029】
先行技術の高反射性の構成の一例として、研磨表面を含んだアルミニウムチャンバ壁が使用されている。このような研磨表面は、例えば金を用いたメッキを施したものとすることができる。別の例としては、つや消しのアルミニウム表面に金メッキしたものである(つや消しの金仕上げが得られる)。(金の有無に関わらず)研磨したアルミニウムに関して、研磨表面の品質のわずかな変化によって反射率に大きな差が生じ、その結果、チャンバごとの性能に差が出ることが提示されている。つや消しの金仕上げは、チャンバごとの一貫性の点ではより一貫した結果が得られるように見える。しかし、さらに説明するように、アルミニウムおよび金のいずれも、エネルギースペクトルの可視ならびに近赤外および中赤外の領域において反射率が高いという点で、広帯域の反射体である。
【0030】
次に、波長の増加とエネルギー比の関係のグラフである図1に注意を向けると、温度が約3200°Kおよび1373°Kの黒体放射の場合について、指定した波長未満で放出されるエネルギーの割合(比)が示されており、これらのグラフはそれぞれ参照数字10および12で示される。グラフ10のより高い温度である3200°Kは、RTPシステムで使用し得るタングステン−ハロゲンランプのフィラメントの温度を表している。グラフ12のより低い温度である1373°Kは、1100℃でのスパイクアニール加工のピーク点における基板の温度を表している。具体的には、基板と、例えばタングステン−ハロゲンランプなどの加熱構成からの放出スペクトルが全く異なることが理解できる。この認識に合致して、ランプの放射に対して高反射性であり、同時に基板から放出される放射に対して高吸収性であるチャンバ壁により、これまで見られなかった利点が得られることがさらに理解できる。この点で、チャンバが「選択的反射率」の挙動を示すこと、すなわち、チャンバの反射率が波長とともに変化することが鍵になる。本質的には、さらに説明するように、このような選択的反射率材料を使用すると、加熱構成のエネルギーに対して第1の反射率プロフィールが示され、基板から放射されるエネルギーに対して第2の異なる反射率プロフィールが示される。
【0031】
物体の反射率は、少なくともある限られた範囲で、その物体に入射する電磁放射の波長λの関数であることが多い。波長に対する反射率の変化は、関数R(λ)によって記述され、この関数は物体を含む材料の光学特性およびこの物体の物理的な構造に依存する。波長に対するこの変化は、物体の反射スペクトルとして記述される。
【0032】
任意の熱エネルギー源を含んだ、電磁放射源のいずれも、その放射源によって所与の波長で放出される出力を記述する放出スペクトルS(λ)を有している。この放射源は、波長λ近傍の狭い波長範囲Δλで、出力S(λ)Δλを放出する。放射源によって放射される任意の波長区間の出力は、対象とする波長範囲、例えばλ1からλ2にわたって放出スペクトルを積分することによって計算することができる。
【0033】
【数4】
【0034】
放射源によって放射される全出力は、以下の積分から得られる。
【0035】
【数5】
【0036】
このエネルギー源からの放射が不透明物体に当たると、この放射は、反射または吸収される。所与の波長において反射される出力量は、スペクトル反射率と入射出力の積によって決まる。したがって、λ1からλ2の波長範囲で反射される全出力は、以下の積分によって与えられる。
【0037】
【数6】
【0038】
全反射率Rtot,Sは、放射源Sからの放射に関してこの物体について定義され、表面に入射する全出力と、この表面から反射される全出力との比に等しい。
【0039】
【数7】
【0040】
この積分された特性Rtotal,Sは、物体の関数であり、照明スペクトルの関数であることが強調されるべきである。
【0041】
選択的反射の概念は、物体が、それぞれSA(λ)およびSB(λ)のスペクトルを有する2つのエネルギー源AおよびBからの放射と相互作用する、本発明が意図しているような状況において生じる。2つの全反射率は、これら2つのスペクトルRtotal,SAおよびRtotal,SBに関して、(7)に類似の式を用いることによって定義できるものである。この例の場合、放射源スペクトルSA(λ)およびSB(λ)は、全く異なるものとすることができ、そのため一般に、Rtotal,SA≠Rtotal,SBである。これら2つの量の間に意味のある差がある場合、この物体は、エネルギー源AおよびBに関して選択的反射挙動を示すと言える。
【0042】
有用な選択的反射体は一般に、波長が変化すると反射率が大きく変化する反射スペクトルを有する。例えば、反射率は、1つの波長範囲では高く、第2の波長範囲では低い値になることがある。この例では、放射源Aが主に第1波長範囲でエネルギーを放射し、放射源Bが主に第2波長範囲でエネルギーを放射する場合、全反射率は、放射源Aについては高くなり、放射源Bについては低くなり、本発明では、この物体を選択的反射体とみなすことが理解できる。
【0043】
この概念は、放射の吸収に関しても等しく適用可能である。任意の波長での吸収率について、また、物体が所与のエネルギー源によって照明されたときに、所与の波長範囲で吸収する全出力を記述する積分された吸収率について、同じ特性を作り出すことができる。2つのエネルギー源に関して吸収挙動の有意な差を示す物体は、選択的吸収体である。この挙動は一般に、物体の吸収率の値が、1つの波長範囲で大きく、第2の範囲で小さいときに生じる。
【0044】
選択的放出の概念も利用できる。キルヒホッフの法則によれば、所与の波長における吸収率および放出率は等しくなければならない。この法則は、波長、入射角、および偏光状態を含めて、同じ光学条件に適用される。その結果、選択的吸収体では通常、1つの波長範囲で放出される熱放射は、第2波長範囲で放出されるものよりもかなり大きくなる。この挙動を選択的放出と称することがある。
【0045】
さらに図1について考察すると、明らかに、ランプ加熱構成からの放射のうち75%より多い放射は2μm未満の波長で生じ、一方、基板からの放射のうち75%より多い放射は2μmよりも長い波長で生じる。したがって、約2μm未満の波長について反射率が高く、約2μmよりも長い波長について反射率が低い反射体では、ηについては大きい値、Heffについては小さい値が同時に得られる。特定のチャンバ周辺構成についての波長選択点またはブレークオーバポイントを、「クロスオーバ」波長と称することがある。この例では、2μmのクロスオーバ波長を参照数字14で示す。クロスオーバポイント未満では、チャンバ壁(または、少なくともその一部)は、それに入射する加熱構成放出エネルギーの大部分を反射し、クロスオーバポイントより先では、チャンバ壁は、それに入射する基板放出エネルギーの大部分を吸収する。
【0046】
この有利な2重挙動に関して、所望の結果に応じて、クロスオーバ波長について任意の適切な波長を選択し得ることを理解することが重要である。冷却速度の増加が少しだけ望まれるある種の応用例では、より長い波長、例えば約3μmで高反射率と低反射率のクロスオーバがなされることが望ましいことがある。他の例では、冷却速度を最大にすることがより重要なことがあり、クロスオーバ波長を、例えば1.5μmにずらすことができる。エネルギー源が、例えばアークランプの場合、放出スペクトルの大部分ははるかに短い波長のところにあり、加熱速度に悪影響を及ぼすことなく、クロスオーバを1μmとすることができる。より具体的には、チャンバは、加熱構成がそのエネルギーの大部分を放出する比較的短い波長(例えば、約2μm未満の波長)で高い反射率を示し、基板がそのエネルギーの大部分を放出する比較的長い波長(例えば、約2μmよりも長い波長)で低い反射率を示すようにする。
【0047】
チャンバ壁に関して、アルミニウムおよび金のいずれも、エネルギースペクトルの可視ならびに近赤外および中赤外の領域において広帯域の反射体であることが理解できる。さらに、(約8μmよりも長い)遠赤外は、半導体基板またはウエハの場合、ウエハが急速熱加工で一般に使用する温度に加熱されるときには、この領域でのウエハのエネルギー量が、ウエハから放出されるエネルギーの10%未満なので、あまり問題にならない。さらに、遠赤外でのランプエネルギー量は一般に、ランプの全放出エネルギーの5%未満である。
【0048】
以上、本発明に至った認識について説明してきたが、次に、本発明を実施する際に用いるいくつかの異なる実施形態に注目する。そのため、まず、本発明に従って作製され、参照数字50でその概略が示される処理システムの第1実施形態を模式的に示す図2に注目する。システム50は、複数のタングステン−ハロゲンランプで構成される加熱構成52を備える。同図では簡略化のため、これらのランプを1つだけを示している。この場合も、本明細書での教示が適用可能である限り、任意の代替加熱構成が本発明の範囲に含まれると考えられることが理解できる。一例として、アークランプによる加熱構成を使用することが意図されている。別の例として、簡略化のために示していないが、別の加熱構成がしばしば、この正面図の処理物体の下に位置決めされる。ランプ52は、図1のグラフ10に一致する放射エネルギー54を放出する。この加熱構成放出エネルギーを、軸線が比較的短い周期で交番する矢印を用いて示している。可能な限り、同様の参照数字が、様々な図を通して同様の構成要素に用いられていることに留意されたい。また、これらの図の1つまたは複数を参照して適用される用語、例えば、「最も前」、「最も後」、「上側」、「下側」、「外側」、および「内側」は単に、説明を明確にするために用いられるものであり、限定するためのものではないことを理解されたい。さらに、これらの図面は、原寸に比例しておらず、読者の理解を高めることを意図して示されていることに留意されたい。
【0049】
さらに図2を参照すると、システム50はさらに、処理チャンバ62を画定するチャンバ構成60を備え、その処理チャンバ62は、処理物体64をその中に収容し、また、支持する。処理物体64には、上記で説明したように、例えば半導体基板が含まれる。この基板は、例えば(図示しない)従来型の基台で支持することができる。処理チャンバ60は、断面で示されており、本発明に従って構成され、内側周辺部を取り囲む内側の層66を支持する外壁構成65を有する。壁構成65は、例えば、構造的な完全性を保障するのに十分な厚さのアルミニウムを使用して形成することができる。本開示および添付の特許請求の範囲を通じて使用する「壁構成」ならびに「壁」および「壁部材」という用語は、加熱構成と処理物体の間に介在し得るウィンドウを包含することを意図したものではないことに留意すべきである。処理物体64は、適切な温度に加熱されると、加熱構成52からの放射エネルギー54に比べて比較的長い波長の処理物体放射エネルギー68を放出する。
【0050】
続けて図2を参照すると、内側の層66は、一実施形態では、選択した材料の反射率を考慮し、被覆として任意の適切な材料を使用して形成することができる。この被覆は、塗装、吹付け、プラズマ溶射その他の被着方法を含めて、周知のあらゆる方法によって塗布することができる。本出願人は、いくつかの被覆を考案し、試験した。候補となった材料は、拡散反射率および鏡面反射率に基づいて選択した。さらに、選択した材料を使用して被覆を容易に考案し得ることが、選択過程での要因になった。したがって、本明細書で示す適切な材料のリストは、網羅的なものではなく、例示的なものである。
【0051】
図2および図3を参照すると、図3には、選択され考案された被覆材料についての様々な被覆サンプルの拡散反射度が、μmで表した波長に対するグラフで示されている。拡散反射率が示されているが、拡散反射率および鏡面反射率はともに、対象とする領域内のほぼ同じ波長で全体的な減少を示すことがわかっている。したがって、波長応答は、全体的な反射度に関しては正しく特徴づけられている。グラフ80は、酸化アルミニウムに対応する。このグラフは、図3の残りのグラフとともに、赤外反射分光測定から得られたものである。酸化アルミニウムは、いくつかの理由から、層66を形成する際にプラズマ溶射法を利用して試験被覆の1つとして塗布すると有用であることが示されている。第1に、酸化アルミニウム層は、その下にあるアルミニウムチャンバ壁に機械的かつ化学的に結合する。したがって、この被覆層は、その金属性の基材に極めて良好に接着する。第2に、酸化アルミニウムは、完全な無機酸化物であり、したがって、高温雰囲気環境中で酸化されず、その光学特性は、経時的に大きくずれることも変化することもない。ただし、酸化アルミニウムは、少なくとも潜在的には、例えばタングステン−ハロゲンランプを冷却するのに使用する空気中に存在し得る汚染物を吸収するために汚染されることがあることに留意すべきである。したがって、このような汚染物は、冷却空気中に存在しないようにすべきである。第3に、酸化アルミニウムによる被覆は、塗布後の加工を必要としない。第4に、被覆の特性は、塗布サイクルごとに極めて再現性がよいと考えられている。第5に、この被覆は、極めて薄く(約1nmから1.5mmの厚さで)塗布することができ、したがって、例えばランプ構成52の背をなすアルミニウム反射体プレートなどの構成要素の、被覆によって吸収された熱を引き出す能力が大きく変わることはない。そのため、この被覆は、約120℃以下の温度でしか動作させることができず、それによって、被覆と、この被覆が塗布される基材との間の応力が最小限に抑えられる。ランプ反射体プレートは、全体層66のうち、ランプ構成52に最も近いチャンバ壁を被覆する上側壁部分66aによって表されることに留意すべきである。この点で、内側のチャンバ壁すべてを被覆する必要がないことが理解できる。さらに、チャンバの内側の一部だけを被覆することが望まれる場合、被覆66aにより、見返りが最大になることが予想される。というのは、被覆66aは、処理物体64の主要処理表面に最も直接的に向かい合い、加熱構成52にも直接的に向かい合い、そのためそれらに露出される度合いが大きいからである。
【0052】
拡散選択的反射被覆は、その光学応答の点で、例えば研磨したアルミニウムなどの研磨表面よりも均一にすべきであると考えられる。表面全体にわたって十分に光学的に均一なアルミニウム研磨表面を得ることは難しい。このことは、少なくとも、表面粗さのわずかな変化でさえ、光学応答の点で有意の不均一性が生じ得るという理由から成り立っている。むき出しのアルミニウム研磨表面は、腐食ならびに表面汚染の影響を受けやすい。また、これは、柔らかい表面であり、容易に傷がつく。この表面に汚染物が吸収されると、この表面の光学特性が、おそらくは不均一になる形で影響を受けることになる。これに対して、拡散選択的反射被覆は一般に、被覆材料がいかに正確に構成されるかに依るが、腐食および汚染に対する抵抗性の点でより安定である。プラズマ溶射法による酸化アルミニウムの場合、この被覆は、本質的にセラミック被覆であり、比較的極めて安定であって、一般に汚染の影響を受けにくい。さらに、酸化アルミニウムによるプラズマ被覆は、傷に対する抵抗性を示す。
【0053】
図3の残りのグラフは、塗料として概ね考えられ、上記で説明したように試験された材料に対応する。これらの材料は、例えば約0.01mmから1.5mmの範囲の適切な厚さで形成できるものである。これらの特定の白色塗料により、所望の波長選択作用がもたらされることがわかったが、これらの塗料が白く見える必要はない。具体的には、グラフ82は二酸化チタン(TiO2)に対応し、グラフ84はケイ酸ジルコニウム(ZrSiO4)に対応し、グラフ86は二酸化ジルコニウム/酸化イットリウム(ZrO2/Y2O3)に対応し、グラフ88は二酸化チタン/二酸化シリコン(TiO2/SiO2)に対応する。これら様々な材料を担持するのに使用した塗料は、有機および無機の結合剤を使用して配合した。当業者であれば、この全体的な開示を考慮して、これらの材料を被覆の形で塗布するために、このような配合物のどのようなものも容易に考案し得ることが提示できる。次いで、アルミニウムベースプレートに各塗料を吹付け塗布した。その後、約400℃のオーブン内で有機結合剤を完全に燃焼させ、その結果、対象とする材料だけが、極めて小さな重量比の無機結合剤とともに残った。
【0054】
図3で、これら様々な材料についての反射度のグラフはそれぞれ、波長が2μmと3μmの間で反射度の大きな減少を示すことが容易に観察される。さらに、各グラフの反射度は、概ね、波長がそれ以上長くなっても完全には回復しない。したがって、これらの材料またはその組合せは総て、内側の層66を形成するのに有用な候補と考えられる。有用な材料は、約1μmから10μmの波長範囲で、反射率の全体的な減少を示す必要がある。約2μmから3μmのより狭い波長範囲で減少を示す材料は、特に有用であると考えられる。図1で示すように、約2μmでのクロスオーバは、タングステン−ハロゲンランプを使用する場合に特に有用である。
【0055】
オルトリン酸二水素カリウム、オルトリン酸アルミニウムピロリン酸マグネシウム、リン酸ホウ素、およびリン酸イットリウムを含む、他の材料も重要と考えられる。ただし、これら材料の例はこれらに限定されるものではない。選択的反射体として機能させるためにこれらの材料を使用した被覆は、チャンバ間整合を改善するために拡散する(つや消しになる)ものが好ましい。
【0056】
一般に、有用な被覆は、対象とする波長の赤外エネルギーの吸収をもたらすことが知られている、不純物として潜在的に導入される原子結合を含むことができる。例えば、O−H結合、ならびに関連するSi−O−H結合およびAl−O−H結合により、強い吸収特徴が導入され、その結果、近赤外の波長、特に1.4から3μmで反射率が低くなることが知られている。直接H2Oとして、またはなんらかの他の構成で水を組み込んだ材料も、この有用な特徴を示す可能性がある。水素結合の作用も、有用なスペクトル特徴をもたらし得る。有用なスペクトル特徴をもたらす他の結合群には、炭酸塩、CO3、硝酸塩、NO3、および元素と水素の間の結合、例えば、C−H結合およびN−H結合が含まれる。リン酸二水素カリウムも、約2μmのところで極めて急峻な遮断部を有する。
【0057】
多くの場合、被覆の白い特徴は、可視波長で透明な主成分材料に起因している。これらの材料が白く見えるのは、これらが、微細に分割された形態で存在し、それによって光の散乱が大きく増加するからである。この点で最もよく類似したものは、透明な大きな氷の塊と明るい白色の雪との間のものである。これらの被覆特性はしばしば組み合わさって、クロスオーバ波長未満の波長で極めて透明であり、クロスオーバ波長よりも長い波長で吸収性の材料であるという望ましい特徴になる。ランプ放射帯域で本来透明である適切な材料の例は、SiO2、Al2O3、およびTiO2であるが、他にも多くある。これらの材料の多くは、上記で述べたように、単に導入された不純物が存在する結果、有用な吸収特長を示すと理解することが重要である。多くの場合、これらの特性は、透明な成分と、吸収性の他の成分とを混合することによって最適化することができる。光の散乱ならびに吸収の作用が生じる材料の粒子のサイズおよび屈折率を最適化することが有用なこともある。
【0058】
図2を参照すると、例えば2μmのクロスオーバ波長の前後で反射するエネルギーの割合を、これから説明する選択反射率特性を有する特定の被覆またはバルク材料の表面の表面粗さを調節することによって調整することもできることが理解できる。
【0059】
有用になり得る強い吸収特徴を含む他の材料には、酸化金属、ならびに他の結晶、セラミックが含まれ、さらにはプラスチックさえも含まれる。これらの材料は、短波長帯域での反射率が最大になる形態で調製することもできる。例えば、ポリマー層を使用することができる。適切なポリマーには、フィラー材料の含有の有無に関わらずフロオロポリマーおよびクロロフロオロポリマーが含まれるが、これらに限定されるものではない。これらのポリマーには、例えば、ポリテトラフロオロエチレン、エチレン−テトラフロオロエチレン、エチレン−トリフロオロエチレン、フッ化エチレンプロピレン、エチレン−クロロトリフロオロエチレン、フッ化ポリビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシに関連する材料、およびこれらの組合せが含まれる。ポリマー系の層は、酸化アルミニウム粒子、二酸化チタン粒子、二酸化アルミニウム粒子と二酸化チタン粒子の混合物、ガラス粒子、ガラスファイバなどのフィラー材料、および適切な基材ポリマーの光反射率を改変し得る他のフィラー材料を含み得るが、これらに限定されるものではない。
【0060】
図4を参照すると、本発明に従って作製され、参照数字90で概略を示すシステムの別の実施形態は、被覆を施すのではなく、所望の特性を有するバルク材料で形成されたチャンバ構成を含むものである。一例は、高濃度のOH結合を含む不透明な石英(溶融石英)による壁構成92を使用することである。この不透明な石英は、光を強く散乱させ、それによって明るく白い外観を与える極めて高密度の微細泡を含む石英である。これは、石英などの本来透明な材料を、白く見える高反射性の物体にする代替手法である。OH結合その他の不純物を組み込むことによって、約2μmよりも長い波長で、強い吸収特徴を作り出すことができる。別の例として、チャンバ壁は、本質的にバルクセラミック材料を含むアルミナを使用して形成することができる。
【0061】
図5に移ると、本発明に従って作製され、参照数字98でその概略を示すシステムの別の実施形態は、1つまたは複数のシート材料部材の構成を使用して、外壁構成65の1つまたは複数の内側周囲表面を内張りしたものである。この例では、5つのシート部材の構成が、参照数字100a〜eを用いて示されている(これらは、集合的にシート材料100と称することもある)。ここで、シート100eは、この図では、チャンバの後側の壁に押し付けられて支持される。この図では処理チャンバの最前部の壁は見えないが、同様にシート材料部材を支持し得るものである。この実施形態の手法は、全体冷却分離障壁を形成する際に、下側にある金属構造壁を使用できる点で有利である。この場合も、本明細書で説明するいずれかの実施形態に従ってあらゆるチャンバ内面を内張りまたは処理する必要はない。例えば、上側表面だけを処理してもよい。さらに、いずれか1つの表面全体を覆う必要はない。例えば、加熱構成のすぐ隣の上側表面の一部だけを被覆しさもなければ処理することができる。20%以上のチャンバ内面が選択反射を提供するように構成された任意のチャンバ実施形態によって、有用な一実施形態が得られると考えられる。この点で、処理物体の主要な表面に少なくともほぼ平行な、特にそれに向かい合う選択反射性チャンバ表面により、本発明を実施することによって実現される利益に関して応答が高められる可能性があることを覚えておくべきである。さらに、本明細書で説明する様々な実施形態を、任意の適切なやり方で組み合わせることができる。
【0062】
続けて図5を参照すると、すぐ前で説明した実施形態に見かけ上は本質的に同じ別の実施形態は、金属を使用して形成したチャンバ外壁65を短波長反射体として使用することに帰する。この場合、シート部材100a〜eを形成する材料は、本質的に短波長で透明であり、より長い波長で不透明であり、それによって適切なクロスオーバ波長が得られるように選択される。本明細書で透明と称する材料は、意図する波長範囲での光の透過率が、少なくとも許容できる値近くになるものである理解されていることに留意されたい。シート部材100は、長波長放射を吸収するフィルタとして働き、一方、チャンバ壁は、ランプ放射に対する高反射率反射体として機能し続けることができる。これらのシート部材は、例えば、約2μm未満の波長で透明であり、2μmよりも概ね長い波長で不透明であることが望ましいが、このクロスオーバ波長は、1つの可能な有用な値として選択したものであり、本明細書で説明する任意の実施形態において限定するためのものでは全くないことを理解すべきである。ある種のガラスは、この要件に少なくとも許容し得る程度に近く入手され、表面反射率が低いという利益も示し得ることに留意されたい。例えば、ある種の希土類元素をドープしたガラスは、近赤外で強い吸収帯を有し、そのため、適切な吸収特徴を得ることができる。例えば、2.5μmよりも長い波長の放射をほとんど遮断するパイレックス(登録商標)(Pyrex(登録商標))などのガラスでさえ適切であることがある。適切な希土類元素をドープしたガラスおよびそれに関連する方法が、2002年11月5日出願の「APPARATUS AND METHOD FOR REDUCING STRAY LIGHT IN SUBSTRATE PROCESSING CHAMBERS」という名称の同時係属の特許文献1に記載されている。この文献は、本出願人に譲渡されたものであり、ここに参照によってその全体を本明細書に組み込むものである。
【0063】
次に、本発明に従って作製され、参照数字120でその概略を示す処理システムを模式的に示す図6に注目する。システム120は、処理チャンバ62を画定する働きをする全体チャンバ構成の一部としてチャンバ壁122を備える。この例では、見やすいようにチャンバ壁122だけを示すが、このような壁は、前に説明した図で示すように、処理チャンバを取り囲むように配置されることが理解できる。チャンバ壁122は、また、加熱構成52の反射体プレートとして働く。少なくとも半透明な層124は、チャンバ壁122から離間した関係で支持され、それによって、それらの間に間隙ないしチャネル126が形成される。この例の層124は透明であるが、ある実施形態では、この層は、ある程度の選択的な反射率または吸光度を有し得るものである。(図示しない)スペーサまたは当技術分野で周知の多くの他の機構のうち任意の適切な機構を使用して、この離間した関係を維持することができる。チャネル126は、チャネル内でいくつかの矢印で示す流動性材料128の流れを受け入れる。この流動性材料は、互換的に流体と称することもあり、有利なことには熱伝達の役目を果たすことができ、それによってシステム120が冷却される。この流動性材料は、所望の液体または気体を含むことができる。
【0064】
しかし、さらに有利なことには、流動性材料128は、ランプ放射52および基板放出放射68の少なくとも1つに関してフィルタ要素として働く。この点で、加熱構成放射エネルギーは、チャンバ壁122で反射され、流動性材料128を通過するように示され、処理物体放射エネルギー68は、流動性材料128によって吸収されるように示さていることに目が留まる。1つの特徴では、この流体は水を含むものである。この特徴の1つの利点は、水は、約1.4μmよりも長い波長の赤外放射の極めて強い吸収体であり、したがって、例えば、チャンバ壁として働く任意の広帯域反射体と組み合わせて有用な選択反射体を形成することができる。当然のことながら、このチャンバ壁はさらに、上記で説明したように、内張りまたは被覆することができるものであり、加熱構成の後ろにある反射体プレートとして機能することができる。内張りされたチャンバ壁構成は、図5の内張りされたチャンバが、内張りされたチャンバ壁と離間した関係の1つまたは複数の半透明層124(図6)を伴う構成と類似のものに見える。この場合も、(反射体プレートとして)加熱構成の後ろにある反射選択により、チャンバの内側周辺全体を覆わず、また処理しないなんらかの動機、例えばシステムコストが存在し得る場合には、最大の利益が得られると考えられることに留意すべきである。処理物体の下に加熱構成を有する実施形態では、処理物体の下で水の層を担持する類似の構成を使用することによって、同様に意味のある利益が予期できる。
【0065】
多くの先行技術のRTPシステムでは、処理物体は石英ウィンドウに面し、この石英ウィンドウは処理物体を加熱ランプから分離する。このウィンドウ自体が、ある程度のスペクトル選択性をもたらすことが認められている。というのは、このウィンドウは一般に、約3.7μmよりも長い波長に対して不透明であり、より短い波長では透明だからである。さらに、このウィンドウは、実際に透明なところから実際に不透明なところまで延在する移行領域を示す。この移行領域の中心は、不透明になり始める波長とみなすことができる。したがって、このウィンドウは、図5の実施形態の内張りのように働くのではなく、選択反射特性が導入されるように働くフィルタである。しかしながら、チャンバの表面、壁、または内張りと比較して重要な差異がある。というのは、このウィンドウは、加熱構成から放出され、最終的にウエハに到達する放射もすべてフィルタリングするからである。したがって、このウィンドウは、加熱構成から処理物体へのエネルギー伝達の効率に大きな影響を及ぼすことになる。このウィンドウが水冷される場合、先に述べたように、少なくともある放射源については、比較的大きなエネルギー損失が予想される。というのは、水は、波長が1.4μmより長い赤外エネルギーの極めて強い吸収体だからである。したがって、水冷ウィンドウは主に、例えば、放出されるエネルギーの大部分がこの波長未満であるアークランプ源などのより短い波長の加熱源との組合せで有用であると予期される。ここでこれら認識された制約を考慮して、利益が得られる状態でウィンドウ構成を実施かつ使用し得ることを考える。例えば、波長が2μmよりも長くなると吸収が強くなる材料でウィンドウを形成すると、同様に有用と考えられる。水の層を支持するウィンドウの代替形態として、近赤外に強い吸収帯を有する上記の希土類元素をドープしたガラスを、1つまたは複数の層で構成されたウィンドウ構成で使用し得ることが認められる。また、例えば、2.5μmよりも長い波長の放射のほとんどを遮断するパイレックス(登録商標)などのガラスも適切なものになり得る。
【0066】
ウィンドウの考察に関連して、この際、ある材料は、チャンバ壁を形成するか、またはチャンバ壁を被覆するのに許容できないものであることを指摘することが適切である。というのは、これらの材料は、極めて望ましい特徴を示すことがあるが、一般の処理チャンバ内で、基板に直接向かい合い、および/または基板とともに存在する際に所望な程度には化学的に安定でなく、また純粋でないことがあるからである。
【0067】
次に図7では、本発明に従って作製され、参照数字140でその概略を示す別のシステムに注目する。システム140は、全体チャンバ構成の一部としてチャンバ壁141を備える。この例では、見やすいようにチャンバ壁141だけを示すが、このような壁はチャンバ構成を形成するように配置されるものであることが理解できる。チャンバ壁141はさらに、加熱構成52の反射体プレートとして働き、上記で説明したように、任意選択で選択反射率特性を有し、それによって、加熱構成放射エネルギー54を全体的に反射し、処理物体放射エネルギーを全体的に吸収することができる。当然のことながら、他の壁を、本発明に従って選択的な反射がなされるように部分的または完全に構成することができる。ウィンドウ構成142は、加熱構成52と処理物体64の間に介在させたものである。この場合、ウィンドウ構成142は、フィルタ要素144が加熱構成52の最も近くに位置決めされた2重ウィンドウ構造を含むものである。一実施形態では、透明ウィンドウ146がフィルタ要素144から離間して配置され、それによって、ウィンドウ146自体とフィルタ要素の間に通路148が形成される。通路148により、その中を通して、矢印を用いて示す気体または液体の冷却剤150を流すことができる。先に述べたように、例えば、加熱構成の波長特性によっては、冷却剤として水を使用することができる。以下、適切な時点で、適切な流体特性の考察をさらに行う。加熱構成放射エネルギー54は、選択反射壁141で反射されるのに加えて、ウィンドウ構成142を通過するように示され、処理物体放射エネルギー68は、流動性材料150によって吸収されるように示されることが目に留まる。ウィンドウ構成の全体的応答は、本明細書で説明する任意のウィンドウ構成と同様に、波長が長くなるとともに透過率が減少するものと特徴づけることができる。さらに、処理物体放射エネルギーを包含する波長範囲にほぼ含まれ、壁141に到達するエネルギー151は概ね、反射体プレートとして働く壁141によって吸収されることになるが、これは任意選択の構成であり、要件ではない。エネルギー151は、例えば、熱源放射エネルギーのわずかな部分として、または処理物体から放射され、ウィンドウ構成142での吸収を免れたエネルギーの一部として、または加熱された後で、ウィンドウ構成142などのウィンドウ構成によって放射されるエネルギーの一部として、あるいはこれらの組合せとして生じるものであることに留意すべきである。本明細書での教示を適用しながら、ウィンドウ構成として単一プレート部材を使用し得ることを理解すべきである。さらに、本明細書で説明する実施形態のどれに関しても、処理物体の下に追加の加熱構成を配置できることを理解すべきである。この追加の加熱構成は、この追加の加熱構成と処理物体の間で支持される追加のウィンドウ構成を使用することができるものである。これは、見やすいように、図には示していない。
【0068】
図7において容易に想像される別の実施形態では、少なくとも実際上の観点から、透明ウィンドウ146と直接接触するようにフィルタ要素144を移動させて通路148をなくすものである。透明ウィンドウの機能は、フィルタ層の構成要素が基板を潜在的に汚染しないようにする保護障壁として働くことである。すなわち、フィルタ要素は、処理チャンバの基板加工環境とは接触しない。透明ウィンドウ146とフィルタ要素144の間の熱伝達は主に、気体を介した伝導、あるいは取付け用に使用することがある透明接合剤の層を介した伝導によって行われることになる。
【0069】
上記いずれの実施形態でも、透明ウィンドウは、例えば溶融石英で形成することができる。フィルタ要素144に関して、これらの実施形態において、あるいは、この全体開示の中で開示した実施形態において、本明細書で説明する選択反射率を示す特定の材料に限定されることなく、任意の適切な材料または材料の組合せを使用することができる。
【0070】
図8を参照すると、全体的に参照数字160で示す本発明の別の実施形態では、フィルタ要素144に、透明ウィンドウ146と機能的に等価な保護/透明層162として働く被覆が与えられるものである。SiO2、Al2O3、およびYAGを含めて多くの材料が、保護/透明層として使用することができるが、材料の例はこれらに限定されるものではない。この保護層は、例えば、蒸着、スパッタリング、イオンメッキ、およびディップコーティングなど、任意の適切な技術によって、フィルタ層144に付与することができる。選択肢として、本明細書で説明するウィンドウ構成を、本明細書で開示する選択反射率壁構成どのような構成もこれとともに使用し得ることが理解されるべきである。
【0071】
図6および図7に関連して、通常の水ではなく、酸化重水素(D2O、重水)を使用することの利点がある。D2Oの赤外吸収スペクトルは、H2Oの吸収スペクトルに類似の特徴を含むが、それらは、より長い波長側にずれている。そのため、強い吸収遮断部は、約2.0μmよりも長い波長側に移動する。したがって、このような実施形態は、ランプ放射の吸収もそれに伴って減少するために有利と考えられる。さらに、化学種HDO(重水素で置換された水)を使用することが考えられ、その吸収スペクトルは、H2Oの吸収スペクトルとD2Oの吸収スペクトルの間にあるものである。先に述べたように、H2Oは、例えば、エネルギー源がタングステン−ハロゲンランプアレイのときには、ウィンドウ冷却流体として理想的ではないことがある。しかし、この応用例では、エネルギー損失がはるかに小さい状態でD2Oを使用することができる。
【0072】
水素との結合に起因した吸収に依存する任意の吸収システムは、重水化によって変更することができ、それによって、水素との結合を重水素との結合に置き換えることができることにさらに留意すべきである。非限定的な例として、石英ガラスの吸収スペクトルは、OH結合ではなく、O−D結合を導入することによって変更でき、C−H結合を含む有機材料は、C−D結合に変更することができる。
【0073】
以上、石英ウィンドウの波長応答を説明してきたが、本発明の選択反射表面チャンバ構成は、別の状況では通常ウエハ加工環境からタングステンランプを分離する石英ウィンドウを加熱することになる熱も吸収することになることを理解することが重要である。すなわち、吸収されることになる波長でこのウィンドウを通過しようとする放射量が減少する。別の効果として、選択反射体表面構成は、ウィンドウ自体から放出される熱放射を吸収できる(石英ウィンドウでは、これは主に、約3.7μmよりも長い波長において、すなわち、このウィンドウがランプまたはウエハの放射を透過させないほぼ不透明な領域において生じる)。この場合、ウィンドウが加熱された後で、それから放出される放射は、チャンバ壁によって再度反射されてウィンドウに戻らず、そのため、ウィンドウの温度が低くなる。選択反射体の場合、単にこのように機能するためなら、2μmでの反射/吸収挙動のクロスオーバを必要としないことに留意することが重要である。というのは、実質的なウィンドウの冷却動作が行われる1つの波長は、少なくとも近似的には、不透明になり始める波長、典型的には例えば、石英ウィンドウでは3.7μmよりも概ね長い波長によって規定されるからである。したがって、このようなやり方で使用される選択反射体のクロスオーバ波長は、ウィンドウが不透明に移行する領域に関係して選択される任意の適切な波長として選択することができる。例として、選択反射体の機能が、ウィンドウを冷却するための本明細書での教示と一致する限り、ウィンドウが不透明に移行する領域に対してそれよりも大きいか、または小さい数値が有用と考えられる。当然のことながら、本明細書で教示するように、ウエハの冷却を改善し、ウィンドウの冷却を改善するという2つの利益を組み合わせることができるが、これは不可欠なことではなく、いずれかの利益を独立に採用することができる。
【0074】
上記に鑑みて、選択反射体構成を使用することは、連続ウエハが加工されるときに、例えば石英ウィンドウなどのウィンドウが受ける温度変化の大きさを小さくすることに関して極めて有利である。それ自身においてまた単独で、ウィンドウの温度が徐々に上がると、加工結果が一貫しなくなる。本発明により、ウィンドウの温度変化の大きさが小さくなり、それによって、「第1ウエハ効果(first wafer effects)」が減少し、また、ウィンドウが加熱される間の加工の均一性が改善する。同時に、ウエハの温度均一性に対するウィンドウの影響が小さくなり、それによってウエハ温度がより均一になる。すなわち、ウィンドウの幅全体にわたる横方向の温度差が小さくなる。ウィンドウの冷却が改善されることの利益には、(a)第1ウエハ効果が小さくなり、(b)より温度が低いウィンドウからの熱の再放射が小さくなる結果、ウエハの均一性が改善され、(c)比較的温度が低いウィンドウが存在する結果、(放射、伝導、および対流のいずれかによって)ウエハに伝達される熱が少なくなるので、ウエハがより迅速に冷却されることが含まれる。最後の事項は、ウエハが、ウィンドウの温度に比較的近い温度に冷却されたときに特に関連するものであるが、高温でもある種の利益が得られる。
【0075】
再度図2を参照すると、選択反射体を生成するのに使用できる別の種類の被覆は、単層または多層の薄膜被覆から形成されるものである。したがって、内側の層66は、壁構成65と協働して所望の全体的応答をもたらし得る薄膜被覆構成を含むことができる。薄膜被覆は、選択した1つまたは複数の波長で、あるいは波長帯全体にわたって反射率が最大または最小になるように設計することを可能とする光学上の原理に従って設計され、光学的なフィルタリング応用例でしばしば使用される。このような被覆は、1nmという薄さで形成し得ることを理解すべきである。したがって、壁構成65は、このような実施形態では、少なくとも反射されない波長で吸収するように構成される。波長が長くなるとともに反射率を減少させるなど、指定された目的に基づいて所望の多層薄膜スタックを生成することができ、通常は、物理気相成長法または化学気相成長法によって形成される。本発明によれば、当業者なら、この全体開示を考慮して設計を調整し、所望のクロスオーバ波長未満の波長で高反射率を実現し、所望のクロスオーバ波長よりも長い波長で低反射率を実現することができると考えられる。薄膜被覆は、加工機器内の金属表面、ウィンドウその他の部分を含めて、ほとんどの材料に所望のとおりに付与することができる。このような被覆はしばしば、「コールドミラー」を構築する際に使用される。コールドミラーは、投影系で熱を分離するのに使用されることがある被覆コンポーネントである。このような被覆の例は、可視光を反射し、赤外エネルギーを透過かつ/または吸収する特徴を有する。ただし、本発明では、可視スペクトルの端部においてではなく、赤外においてクロスオーバ波長を必要とする。すなわち、コールドミラーの改変形態は、そのエネルギーがミラーを介して反射して戻らないように、下にある吸収表面と組み合わせて使用することができるものである。
【0076】
薄膜スタックは、かなりの度合いの柔軟性でウィンドウ構成に使用できることが理解できる。この目的で、図9に、参照数字170で全体的に示す2重層ウィンドウ構成を断面で示す。このウィンドウ構成は、処理チャンバ内で加熱構成52と(図示しない)処理物体の間にある。ウィンドウ構成170は、第1ウィンドウ層172および第2ウィンドウ層174を含む。通路176は、これらのウィンドウ層間に所望のとおりに形成することができ、(図示しない)流動性材料を支持することができる。したがって、ウィンドウ構成170は、参照数字178a〜dで示す4つのウィンドウ表面を規定する。これらの表面のうち、少なくとも1つの任意の選択した表面は、薄膜スタックを支持できることが理解できる。本例では、薄膜スタック180は、ウィンドウ表面178dによって支持される。
【0077】
図10を参照し、再度、反射率応答調整の主題を考慮して、本発明に従って作製されたチャンバ壁の部分190に注目する。壁部分190は、例えばアルミニウムで形成された構造外壁部材192を含む。赤外吸収帯の縁部を制御して、選択反射率を「調整」できるように、壁部材172に層を付与できることを理解することが重要である。この意味で、「調整」とは、選択反射壁構成の赤外吸収帯の縁部を、より長波長側または短波長側にずらすことができることを指す。
【0078】
上記のことは、選択反射表面を生成することが望まれるチャンバ表面に適用されたときに選択反射光学応答を示す第1の適切な層194によって実現することができる。この例のためには、層194によって生成される帯域の縁部は、所望の波長よりも長い波長のところにあることが前提とされる。しかしながら、本発明によれば、第1層194の上に、第1層194を形成するものと異なった、より短い波長のところに赤外吸収帯の縁部を有する材料を使用して、第2層196を被覆することができる。第2層196の厚さを適切に選択することによって、第1および第2の層が協働する結果、吸収帯の縁部がずれる。すなわち、全体的な吸収帯の縁部が得られ、この縁部の波長は、個々に考えたときに第1および第2の層によってもたらされる「内因性」の波長と波長の間にある。したがって、第2層196は、より短い(所望のクロスオーバ波長未満の)波長領域で半透明であり、より長い(所望のクロスオーバ波長よりも長い)波長領域で吸収性とすべきものである。この実施形態は、当然のことながら、薄膜作用であることに関してではなく、それぞれ異なる層のバルク特性に起因する組合せ応答として考えるべきである。最初の2つの層の組合せ応答は、第3の層を追加するための単一層のものと考えることができる。
【0079】
以上、本発明の利点ならびにいくつかのシステムの実施形態を詳細に説明してきたが、ここで、300mm半導体ウエハのUSJ(極浅接合部)スパイクアニール加工に照らして本発明を用いることに伴って予想される利点についてのより具体的な細部を提供することが妥当である。
【0080】
図11に、時間と温度の関係をグラフ化した第1および第2の温度のそれぞれUSJアニールプロフィール200および202を示す。図11の結果は、USJ「スパイク」加工中のウエハの温度応答を表すコンピュータモデルにおける1組の式を用いて得られたものである。このモデルは、加熱構成(すなわち、タングステン−ハロゲンランプ)によってウエハの上下をともに照明されると、ウエハが一定の速度で加熱されることを仮定して作られたものである。また、ウエハの冷却速度は、エネルギー源をオフにしたとき(すなわち、ランプへの電力を停止したとき)のエネルギー源からの残余の熱の関数であることと、ランプは、その高温のフィラメントに残余のエネルギーを蓄積し、比較的少量のエネルギーが蓄積され、かつ石英ランプのエンベロープから放射されることとを仮定している。熱損失は、ウエハ表面からの放射および対流によると仮定する。冷却期間中のウエハ表面からの放射による熱損失は、チャンバキャビティの表面反射率の関数である。これらの予測値では、ランプ反射体プレートは、関連するチャンバ表面積の大部分に相当すると仮定している。したがって、本例では、選択反射率は、ランプ反射体表面にしか適用されないと考える。
【0081】
さらに図11を参照すると、破線で示す第1温度プロフィール200は、先行技術の温度プロフィールを示し、内部処理チャンバ壁が研磨されたアルミニウムで形成された、タングステン−ハロゲンランプを使用する標準RTPシステムについての上記モデルを利用して得られたものである。第2温度プロフィール202は、ランプ反射体表面が、この場合にはウエハに関してランプの後側の表面だけが拡散酸化アルミニウムで被覆されている点を除き、同じ処理チャンバおよびウエハを考慮したものである。第1プロフィール200では、ピーク幅ΔT1が、100℃の温度降下について時間分が約1.93秒と示される。しかし、第2プロフィール202では、同じ100℃の温度降下で、対応するピーク幅ΔT2は、約1.71秒だけである。注目すべきことに、約11.3%の改善が示されている。ウエハの冷却は劇的に高められており、冷却時間自体は約15%短くなっている。
【0082】
次に、本出願の「背景技術」の項目での前置きの考察を考慮して、放射高温測定法を利用する考察に移ると、例えば半導体ウエハなどの処理物体の実効放射率を大きくするために高反射表面が望まれる場合、条件が矛盾する可能性がある。この点で、高温計波長で高反射性のチャンバを提供することが望ましいことがある。しかし、この要望は、ウエハによって放出される熱放射の大部分についてチャンバを高吸収性にする要望と相反することがある。
【0083】
図12を参照すると、本発明では、高温計波長で高反射率を示し、ウエハの熱放射スペクトルについては全反射率が低い値を示す反射スペクトルを有するチャンバ内部を使用することによって、極めて有利なやり方でこれらの競合する要望を解決する。この目的で、図12に、適切な特徴を実現する選択反射性の被覆または材料の理想化したスペクトル応答220のグラフを示す。このような被覆は、例えば多層薄膜スタックの設計によるなど、任意の適切なやり方で構築することができる。先に述べたように、このような薄膜スタックは、所望の特定の反射スペクトルを考慮して、当業者により製作可能である。さらに、高温計波長で反射率の最大値を示すが、その他のところでは、全反射率が低いバルク材料を選択または製作することが意図されている。適切なスペクトル応答を実現する現在入手可能であるか、あるいはこれから開発される任意の材料は、本明細書で使用するのに意図されてたものである。応答220は、約2μmのところで、反射率の全体的な落込み222を含んでいる。反射率のピーク224は、少なくとも近似的に高温計波長を中心とする狭い波長帯で放射が反射されるように、高温計波長のところに中心がある。注釈として、ピーク224が存在しないスペクトル応答は、ウエハの冷却を高めながら、効率のよいままでランプ加熱が行われるように高反射率を提供するのに適した材料の理想化された反射率スペクトルを表すことを理解すべきである(図3も参照されたい)。
【0084】
高温測定法で使用する特定の測定波長の選択は、少なくとも部分的に、適切な材料または薄膜スタックの利用可能性に基づくものであり得る。本明細書では、「高温計波長」という用語は、高温計が1つの波長にしか応答しないかのように用いられるが、この用語は、高温計が応答する比較的狭い波長帯の中心を指すことを理解されたい。
【0085】
図12とともに図13を参照すると、図13には、処理チャンバ242を有するシステム240が模式的に示されており、その処理チャンバ242は、処理チャンバ242内で位置決めされた、例えば半導体ウエハ64などの処理物体64の互いに反対側を向く表面を照明する上側ランプアレイ52aおよび下側ランプアレイ52bを有する。高温計または1組の高温計光収集光学系250により、チャンバ壁を通して、隣接するランプとランプの間からウエハを観察して、ウエハ温度を感知する。この例では、簡単にするために高温計構成を1つしか示さないが、以下でさらに説明するように、任意の適切な数を使用して、ウエハの片面または両面を観察することができる。さらに、チャンバ242内に、選択反射率を有する内部252が設けられており、それによって、図12に示すスペクトル応答が実施される。このようにして、チャンバ内部の反射度が高温計波長で高くなるのと同時に、ウエハの加熱および冷却の特性に関して上記で説明した利点が得られる。
【0086】
図12を考慮すれば、本発明により、極めて有利なこれまで見られなかったカスタマイズされたスペクトル応答またはスペクトル応答システムが提供され、これらは、ウエハが加熱され、ウエハが冷却され、温度測定が高められるように調整またはカスタマイズされたものである。この全体的スペクトル応答システムでは、チャンバの性能に関連する追加の要因を補償することが意図されており、その結果、これまで得られなかった利益が得られる。例えば、さらに説明するように、1つ(または複数)の高温計に入射し得る迷光が減衰するようにチャンバ応答をカスタマイズすることができる。さらに説明するように、本明細書で説明する他のすべてのチャンバ構成と同様に、図13のチャンバ構成を任意の適切なやり方でカスタマイズし得ることが理解できる。
【0087】
本発明では、高温計の精度とともに、加熱および/または冷却の性能が同時に最適化されるようにチャンバの反射スペクトルを設計するという一般原理を認識している。この点で、ある高温測定方式では、高温計波長でチャンバ(またはチャンバの一部)を高吸収性にすることに関する利点もあり得る。一例として、加熱構成ランプからの迷光が高温計の示度に及ぼす影響が最小限に抑えられるように、チャンバ内でこの迷光の分布を制御することができる。これを実現するために、チャンバ全体にわたって、あるいは、加熱ランプからの光を高温計の光学系に至る光路内に案内する傾向があるチャンバ壁の一部に限定して、高温計波長での反射率を低くすることができる。これらの迷光の経路が減衰を受けるようにチャンバ壁を設計するというこの認識はそれ自体で、本発明によって注目されるに至った他の極めて有利な認識、例えば冷却が高められることの他に、独立した今後のチャンバ設計に対する強力な概念として示されるものである。迷光の制御は、少なくとも、ウエハ温度測定に関する懸念が継続して存在するという理由から懸念すべき事柄であり、ウエハ温度測定は通常、反射体設計によって影響を受ける。したがって、加熱/冷却性能(例えば、加熱速度および冷却速度)および均一性ならびに高温計の設計の最適化を別々にカスタマイズできるスペクトル選択性被覆は、先行技術に比べて極めて大きな改善をもたらすと考えられ、それ自体の利点で独立したものである。同時に、この認識は、本明細書で教示する他の極めて有利な概念と組み合わせて著しい改善をもたらすと考えられる。
【0088】
次に、参照数字260で全体的に示すシステムの実施形態において高温計の応答を最適化するための別の可能な解決策を模式的に示す図14に注目する。具体的には、チャンバ壁表面構成262が、高温計の開口自体の周りの領域264だけで局所的に高反射率を実現するものである。その他の点では、このチャンバは、太線で示す選択反射内部266を提供する。このようにして、チャンバ壁の特性の大部分を、特にウエハの冷却を高めることに関して維持することができる。高温計波長での反射率を低くして迷光を抑制することによって、高温計に対して内部266を最適化できることに留意されたい。この迷光の抑制は、これから説明する図15を参照して概念的に理解される。ただし、ウエハにおける過剰な冷却不均一性をなくすために、高反射率の領域264をかなり小さくすべきであり、および/または、この領域によって生じる不均一性がウエハ表面全体にわたって広げられ、それによって、チャンバの不均一性に起因する局所的な温度の不均一性が方位角方向に平均されるようにウエハを回転させるべきである。高温計の開口の周りの領域264を、放射率がかなり高められるのに十分に大きくするための当業者に周知の1つの基準は、高温測定用の開口とウエハとの距離、ならびに高温計光学系の角度の許容範囲に基づくものである。より直裁的な一手法では、高反射率の領域の半径は、開口とウエハの距離の少なくとも0.25倍とすべきことが示唆される。これは、この領域を小さく保ち、それによって、本発明が教示するスペクトル的な選択手法の利益を高めるという均一性の要件と相反するものである。1つのとり得る実施形態では、領域264は、高反射性ではなく、高吸収性とするものである。このような実施形態は、異なる放射率補正方式を利用する高温計に有用なことがある。このような高吸収の実施形態を用いて、吸収表面に入射する迷光を、特に、高温計の入力光学系近くのランプから発する迷光に関して減衰させることができる。ただし、減衰させる迷光はこれらに限定されるものではない。図15は、高温計波長を1μmと仮定したときの、図14の選択反射が行われる内部266の理想化したスペクトル応答270のグラフである。応答270は、反射率の全体的な落込み222、ならびに1μmに中心をもつ高温計帯域での迷光放射を抑制するのに用いる波長1μmでの反射率の谷272を含む。図15と図12を比較することは、高温計応答帯域の場所が選択可能であることを理解する上で有益である。また、当面の目的に応じて、高温計波長を抑制または反射させることが望ましい。ある実施形態では、チャンバの一部は高温計波長を選択的に反射し、チャンバの別の部分は高温計波長を選択的に吸収する。例えば、図14の領域264は、高温計波長のみを選択的に反射し、領域266は、図15に従って応答するように構成することができる。とり得る実施形態では、例えば、高温計が放射率の問題よりも迷光によって大きな支障をきたす場合に、図13のシステム構成の内部252に図15のスペクトル応答を用いることができる。また、図15のスペクトル応答は、放射率が他の方法で対処されるとき、領域264は迷光を減衰させることが望まれる図14のシステム260でも有用なことがある。これらすべての様々な例に関し、特定の設定で生じ得る設計上の懸案事項に基づいて、カスタマイズされたあらゆる代替応答を考案できることを認識することが重要である。例えば、1つの設定では、選択した領域が吸収または選択的に吸収することが望ましいことがあり、別の設定では、その全く同じ領域が反射または選択的に反射することが望ましいことがある。本明細書での教示を考慮して、本発明は、チャンバの応答をカスタマイズするために当業者が直面する広範な設計目的を克服するのに用いることができる極めて柔軟な1組の設計概念を提供するものである。
【0089】
図16に、チャンバ282内で加熱構成52を使用してウエハを片側から加熱するシステム280を模式的に示す。チャンバ内部284は、チャンバ全体にわたって選択反射が提供されるように均一に処理される。高温計250またはその光学系は、ウエハ64の下面を観察するように配置される。内部284の反射スペクトルは、高温計250に対して最適化できる。この場合も、高温計の詳細に応じて、高温計波長での反射率を高くするか、または低くすることが有益になる。
【0090】
図17に、高温測定用に最適化されたチャンバ292内で加熱構成52を使用してウエハを片側から加熱するシステム290を模式的に示す。高温計の周りのチャンバの一部294は、高温計の性能を最適化するために選択反射性である。太い実線で示すチャンバ内部の別の部分296は、高温計光学系から離間し、それによってその反射スペクトルが、高温計に対して必ずしも最適化されていない。そうではあるが、部分296は、例えば、高温計波長で反射率を低くして、迷光がより良好に抑制されるように最適化することができる(図15参照)。高温計を取り囲む部分294は、直面する設計状況を考慮して、部分296と異なる任意の適切なやり方で構成することができ、これらのうち、いくつかの可能なものが上記で概説されていることに留意されたい。
【0091】
図18に、チャンバ302内で加熱構成52を使用してウエハを片側から加熱するシステム300を模式的に示す。この例では、太い実線を用いて示す選択反射体被覆304は、片側加熱型チャンバに関して高温計の性能が最適化されるように設計される。具体的には、高温計光学系の周りの領域から選択反射率を除外せず、そのため、この領域の反射スペクトルは、例えば、高温計波長で高反射率を維持することによって、高温計について最適化することができる。この状況では、この被覆は、図に示すように、高温計波長から離れたすべての波長を吸収することができる。この例では、ウエハに向かい合うチャンバの底面の一部は、被覆304で処理されていることに留意されたい。被覆304が存在する結果、均一な加工結果が得られる可能性があることを理解される。2重線を用いて示すチャンバ内部の残りの部分306は、ランプの放射が効率よく反射されるように処理できる。あるいは、被覆304は、例えば、迷光に関する高温測定の懸念によっては、迷光が抑制されるように構成することができる。当然のことながら、上記の説明に整合させて、選択反射率を利用することができる。一実施形態では、チャンバの部分306を選択反射率で処理して、ウエハの加熱/冷却性能を高めることができる。別の実施形態では、図15の反射率の谷272で示すように、高温計波長が吸収されるように部分306を処理することができる。さらに、図15に一致して部分306が応答するように、これらの実施形態を組み合わせることができる。
【0092】
次に、図18とともに図19に注目する。図19は、高温計波長を2.5μmと仮定したときの、選択反射被覆304の理想化したスペクトル応答310のグラフである。応答310は、約2.5μmに中心をもつ狭い波長帯に反射率のピーク312を含み、それによって、高温計波長に関係する他のすべての波長は減衰される。この手法は、片側加熱型システムで有用と考えられ、それによってこの波長での実効放射率が高めることができる。この被覆は、ウエハの下の反射体に限定することができる。ウエハの下にはランプが配置されないので、短波長反射率を高くする必要はない。
【0093】
図20に、チャンバ322内で加熱構成52を使用してウエハを片側から加熱するシステム320を模式的に示す。領域326は、高温計光学系の周りの領域328を除き、太線で示すチャンバ底部の一部を含む。領域328は、例えば被覆を使用して処理され、そのため、領域326の反射スペクトルは、高温計に対して最適化する必要はない。ただし、領域328は、高温計の帯域で高反射率になるように構成される。高温測定の性能に関して、例えば高温計波長で反射率が低くなるように領域326を最適化して、図15で示すように、迷光をより良好に抑制することができる。一つのとり得る実施形態では、領域326は、高温測定を改善し、ウエハの冷却を高めるための広帯域吸収帯とすることができる。
【0094】
図21は、ウエハ64の上方から見た模式的な平面図であり、この図では、例示するためにウエハ64は透明体として示されている。ウエハ64は、本発明に従って作製された片側加熱型または両側加熱型のチャンバ330内にある。ウエハ64は、矢印332で示すように、ウエハの中心から様々な半径334a〜cのところにある複数の高温計250a〜c(またはこれらの光学系)の視野を通過して回転する。選択性の反射体または吸収体の被覆336は、チャンバの底部に施されており、上記説明に整合して高温測定の性能が悪化しないように各高温計の周りの各領域338a〜cから除外することができる。上記の物理的な実施形態はそれぞれ、特定のそれぞれの向きを有する様々な構成要素とともに示したが、本発明では、様々な構成要素が様々な位置および相互の向きで配置される様々な特定の構成をとり得ることを理解すべきである。さらに、本明細書で説明した方法は、例えば、様々なステップを、順序変更し、改変し、再度組み合わせることによって、いかようにも改変することができる。したがって、本明細書で開示した構成および関連する方法は、様々な異なる構成で実現され、数限りない異なるやり方で改変し得ること、ならびに、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の多くの特定の形態で本発明を実施し得ることが明らかである。したがって、これらの例および方法は、限定的なものではなく、例示的なものとみなすべきである。本発明は、本明細書で示した細部に限定されるものではなく、少なくとも添付の特許請求の範囲の範囲内で改変することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】波長が増加するときのエネルギー比と波長の関係を示すグラフであり、放射ランプ加熱構成のエネルギー比と基板からの放射エネルギーのエネルギー比とを比較するために示したものである。
【図2】本開示に従って作製された、選択反射率特性を示す内部被覆層を有する処理チャンバの模式的な正面断面図である。
【図3】本明細書での教示に鑑みて有用な選択反射率特性を示すいくつかの選択した材料についての拡散反射度と波長の関係のグラフである。
【図4】本開示に従って作製された、所望のバルク材料特性を示すチャンバ壁構成を有する別の処理チャンバの模式的な正面断面図である。
【図5】本開示に従って作製された、所望の選択反射率特性を有するシート材料部材で内張りしたチャンバ壁構成を有する別の処理チャンバの模式的な正面断面図である。
【図6】本開示に従って作製された、チャンバ壁構成を有する別の処理チャンバの模式的な正面断面図であり、このチャンバ壁構成は、チャンバ壁から離間した少なくとも半透明な層を含み、それによってチャンバ壁と半透明層の間で流動性材料が受けられる。
【図7】本開示に従って作製された、ウィンドウ構成を含むチャンバを有する別の処理チャンバの模式的な正面断面図であり、このウィンドウ構成は、流動性材料層が支持されるように加熱構成と処理物体の間に介在する。
【図8】本開示に従って作製された、ウィンドウを含むチャンバを有する別の処理チャンバの模式的な正面断面図であり、このウィンドウは、加熱構成と処理物体の間に介在し、汚染されないように処理物体からフィルタ層を分離する働きをする被覆を有する。
【図9】2重層ウィンドウ構成の模式的な部分断面図であり、薄膜スタックの使用を示すためのものである。
【図10】本開示に従って作製された、外壁を有するチャンバ壁構成の一部の模式的な正面切断図であり、この外壁は、協働して所望のクロスオーバ波長を提供する第1および第2の層で被覆される。
【図11】未改変チャンバ内で実施するアニール加工のピーク幅の形での予測結果と、選択反射率が得られるようにランプ反射体プレートを構成した改変チャンバ内で実施する同じ加工についてのピーク幅とを比較するために示す温度と時間の関係のグラフである。
【図12】高温測定を最適化し、同時に、ウエハの加熱および冷却に関するシステムの性能を高めるのに用いる選択反射性の被覆または材料の理想化したスペクトル応答のグラフである。
【図13】図12に示すスペクトル応答を利用した上側および下側のランプアレイを有するシステムの模式的な正面図である。
【図14】上側および下側のランプアレイを有する別のシステムの模式的な正面図であり、このシステムでは、高温計に近いところでは高反射区域を用いるが、その他のところでは選択反射チャンバ内部を用いる。
【図15】高温計に入射する迷光を減少させることによって高温測定を最適化し、同時に、ウエハの加熱および冷却に関するシステムの性能を高めるのに用いる選択反射性の被覆または材料の理想化したスペクトル応答のグラフである。
【図16】選択反射チャンバ内部を用いる片側ウエハ加熱型システムの模式的な正面図である。
【図17】高温計に近いところでは高反射区域を用いるが、その他のところでは選択反射チャンバ内部を用い得る別の片側加熱型システムの模式的な正面図である。
【図18】高温測定結果が最適化されるように設計されたチャンバ底部の選択反射処理を利用する別の片側加熱型システムの模式的な正面図である。
【図19】図18に示すシステムのチャンバ底部を処理するのに適した、高温計波長で放射率を高める選択反射被覆の理想化したスペクトル応答と波長の関係のグラフである。
【図20】高温計に近いところでは高反射区域を用いるが、その他のところでは、例えば迷光が抑制されるように構成し得る選択反射チャンバ底部を用いる別の片側加熱型システムの模式的な正面図である。
【図21】チャンバ底部に向かって見たウエハを、チャンバ底部を観察する複数の高温計とともに示す模式的な平面図であり、加工均一性を高めるためにウエハを回転させる。
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、例えば半導体基板などの処理物体を熱加工する分野に関し、より詳細には、そのような熱加工で使用する選択的反射率プロフィールを有する加工チャンバに関する。一態様では、本明細書は、波長応答がカスタマイズされた選択的反射率加工チャンバおよび関連する方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体基板などの処理物体を熱加工するには通常、高温で加工を実施することができるように、加工チャンバ内でまず基板の温度を高温まで上げることを必要とする。いわゆる「浸漬」加工では、指定した時間にわたって基板を所与の加工温度のままにし、次いで温度を下げて加工チャンバから取り出す。
【0003】
典型的な加工には、イオン注入による損傷のアニール処理、シリサイドの形成、酸化処理、被膜の被着、および被着させた被膜の高密度化またはリフローがある。ある種の加工では、高温状態の時間を最小限に抑えることが望ましい。これは、基板を指定した温度まで加熱し、次いですぐに冷却することができる、当技術分野で「スパイク」加工または極浅接合部(USJ)加工と一般に称するものによって実現できるものである。この種の加工は、注入するドーパントに関連したイオン注入損傷のアニール処理に極めて有用なことがわかっている。すなわち、熱加工は、1つの目的として、注入した化学種の電気的な活動化を最大にし、別の目的として、ドーパントの拡散を最小限に抑える働きをする。先行技術では、これらの目的は互いに利益が競合し、スパイクアニール加工は、これら競合する目的をいずれも最適化することに関して、最もよく知られた妥協策を提供すると一般に認められている。例として、低エネルギーイオン注入とスパイクアニールを組み合わせることによって、極浅pn接合部を形成することができる。この接合部は、温度での時間を最小限とする結果、接合部の深さが浅くなり(典型的には、約40nm未満)、また、ドーパントを活性化するのに高温を用いる結果、シート抵抗が小さくなる(典型的には、800Ω/□未満)という望ましい特性を有する。
【0004】
スパイク加工の特徴は、ピーク温度およびスパイクの幅に関して記述されることがあり、(ピーク温度−ΔT℃)によって定義される閾値よりも高い温度になる時間によって指定されることが多い。ただし、ΔTは通常、50、100、または200℃に設定される。また、この加工は、立ち上がり速度および冷却速度によって特徴づけられることもある。一般に、立ち上がり速度および冷却速度が、スパイク加工のピーク幅に影響を及ぼすことは明らかである。スパイクアニール処理が成功すると、シート抵抗値が最も小さく、最も浅い接合部が得られるが、それにはしばしば、ピーク温度をより高くし、ピーク幅をより狭くすることが必要とされる。これは、スパイクアニールにより大きな利益が得られる、ホウ素ドープを利用した接合部の形成に特に重要である。典型的なスパイク加工は、ΔT=50℃に対して、ピーク温度を1050℃、ピーク幅を約1.7秒とするものである。
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第10/288272号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今後のデバイス技術では、接合深さおよびシート抵抗のさらに減少させる必要があることが提示されており、従って、RTPスパイク加工の改善が必要になることは明らかである。新しい加工では、より狭いピーク幅を伴うより高い加工温度が要求されるという傾向が予想される。本発明では、このような新しい加工を実施する際の極めて有利な手法を説明し、さらに別の利点を提供する。
【0007】
上記で説明したようなRTPシステムにおける温度測定は、加工の監視および制御に関して必須のものである。放射高温計を使用して、例えばウエハの温度を測定するとき、ウエハは、加工チャンバ壁の開口を介して高温計によって観測される。場合によっては、高温計の波長でこのチャンバ壁を高反射性にすることが有用になり得る。というのは、この条件では、高温計の波長でウエハの実効放射率が増加する傾向があるからである。この効果により、ウエハの放射が、黒体放射体の放射により厳密に近似する。その結果、高温計の示度は、高温計の波長でのウエハのスペクトル放射率が正しくわからないことから生じる温度測定誤差の影響を受けにくくなる。これは、高温測定での温度測定誤差を小さくするよく知られた原則である。残念ながら、高温測定に関するこの放射率特性を適応させると、RTPシステムの動作の他の重要な態様に悪影響を及ぼすことがある。以下で説明するように、本発明は、この難点を解決し、さらに別の利点を提供すると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、より詳細に論じるように、本明細書では、処理物体を加工するシステムおよび関連する方法を開示する。この処理物体は、処理物体放射エネルギーが生成される処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する。このシステムは、熱源動作温度での熱源放出スペクトルを有する熱源放射エネルギーを利用して処理物体を加熱する加熱構成を含む。この熱源放出スペクトルは、処理物体の所与の放出スペクトルと異なるものである。処理チャンバ内で、加熱構成放射エネルギーの一部に処理物体を露出し、処理物体を支持するのに使用するチャンバ画定手段を設け、その結果、加熱構成放射エネルギーの第1部分および処理物体放射エネルギーの第2部分が、処理チャンバを境界づけるチャンバ画定手段に入射する。このチャンバ画定手段は、第1のやり方で、チャンバ画定手段に入射する加熱構成放射エネルギーの第1部分の大部分に応答し、第2のやり方で、チャンバ画定手段に入射する処理物体放射エネルギーの第2部分の大部分に応答するように構成される。1つの特徴では、このチャンバ画定手段は、熱源放射エネルギーの大部分を反射することによって第1のやり方で応答し、処理物体放射エネルギーの大部分を吸収することによって第2のやり方で応答するように構成される。
【0009】
本明細書で開示する別の態様では、処理物体を加工するシステムおよび関連する方法を説明する。このシステムは、最初は、処理物体を受け取り、加工中にそれを支持するための未改変チャンバ構成を含む。この未改変チャンバ構成では、その中で加熱された後で、処理物体の所与の最大冷却速度が得られる。この未改変チャンバ構成の代わりに、改変チャンバ構成成を使用する。この改変チャンバ構成成は、チャンバ画定手段を含み、その中で処理物体が支持される。この改変チャンバ構成成は、所与の最大冷却速度よりも速い改変された最大冷却速度が得られるように構成される。
【0010】
本明細書で開示する別の態様では、処理物体を加工するシステムおよび関連する方法を説明する。この処理物体は、処理物体放射エネルギーが生成される処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する。このシステムは、熱源動作温度での熱源放出スペクトルを有する熱源放射エネルギーを利用して処理物体を加熱する加熱構成を含む。この熱源放出スペクトルは、処理物体の所与の放出スペクトル特徴と異なるものである。チャンバ画定手段を使用して、処理チャンバ内で、加熱構成放射エネルギーの一部に処理物体を露出し、処理物体を支持し、その結果、加熱構成放射エネルギーの第1部分および処理物体放射エネルギーの第2部分が、処理チャンバを境界づけるチャンバ画定手段に入射する。このチャンバ画定手段は、選択反射率で、加熱構成放射エネルギーの第1部分および処理物体放射エネルギーの第2部分に、応答するように構成される。
【0011】
本明細書で開示する継続態様では、処理物体を加工するシステムおよび方法を説明する。この処理物体は、処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する。加熱構成は、熱源動作温度での熱源放出スペクトルを有する加熱構成放射エネルギーを利用して処理物体を加熱する。この熱源放出スペクトルは、処理物体の所与の放出スペクトルと異なるものである。感知手段は、感知波長において処理物体放射エネルギーを感知する。チャンバ画定手段を使用して、処理チャンバ内で、加熱構成放射エネルギーの一部に前記処理物体を露出し、前記処理物体を支持する。チャンバ画定手段の少なくとも一部は、同時に、(i)第1のやり方で、チャンバ画定手段の少なくとも一部に入射する加熱構成放射エネルギーの大部分に応答し、(ii)第2のやり方で、チャンバ画定手段の少なくとも一部に入射する処理物体放射エネルギーの大部分に応答し、(iii)感知波長において第3のやり方で応答するように構成される。
【0012】
本明細書で開示する別の態様では、処理物体を加工するシステムおよび方法を説明する。この処理物体は、処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する。加熱構成は、熱源動作温度での熱源放出スペクトルを有する加熱構成放射エネルギーを利用して処理物体を加熱する。この熱源放出スペクトルは、処理物体の所与の放出スペクトルと異なるものである。感知手段は、感知波長において、処理物体から放出された処理物体放射エネルギーを感知する。チャンバ画定手段は、処理チャンバ内で、加熱構成放射エネルギーに処理物体を露出している間、処理物体を支持する。チャンバ画定手段の少なくとも第1部分は、その上に入射する感知波長の大部分を反射するように構成され、チャンバ画定手段の第2の異なる部分は、その上に入射する感知波長の大部分を選択的に吸収するように構成される。
【0013】
本明細書で開示する別の態様では、処理物体を加工するシステムおよび方法を説明する。加熱構成を使用して、加熱構成放射エネルギーで処理物体を加熱する。チャンバ画定手段を設けて、その中の処理物体を加熱構成放射エネルギーの一部に露出するのに使用し、加熱構成放射エネルギーの別の部分はチャンバ画定手段に入射し、その結果、チャンバ画定手段内に全放射エネルギーが存在する。このチャンバ画定手段は、加熱構成と処理物体の間に、不透明になり始める波長よりも長い波長で少なくとも近似的に不透明なウィンドウを含む。チャンバ画定手段の少なくとも一部は選択反射構成を含み、前記選択反射構成は、第1のやり方で、前記選択反射構成に入射する、不透明になり始める波長よりも短い波長の全放射エネルギーの大部分に応答し、第2のやり方で、前記選択反射構成に入射する、不透明になり始める波長よりも長い波長の全放射エネルギーの大部分に応答する。ウエハの加熱、ウエハの冷却、温度測定、および迷光についてのチャンバの性能を少なくとも調整するのに用いることができるカスタマイズ可能なチャンバスペクトル応答を説明する。一態様では、処理物体を加工するシステムを説明する。この処理物体は、処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する。このチャンバは、第1のやり方で加熱構成放射エネルギーに応答し、第2のやり方で、このチャンバに入射する処理物体放射エネルギーに応答する。このチャンバは、熱源放射エネルギーの大部分を反射することによって第1のやり方で応答し、処理物体放射エネルギーの大部分を吸収することによって第2のやり方で応答することもできる。特定のチャンバ性能パラメータに関する目的を達成するための設計上の考察に基づく選択反射率で、チャンバの様々な部分を処理することができる。
【0014】
本開示は、以下の詳細な説明を図面と併せ読むことによって理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
典型的なランプ加熱型RTPシステムでは、加熱プロフィールのピーク幅に関する制限を3つの主な要因に帰することができることが認識されている。第1に、立ち上がり速度は、基板を加熱するのに使用されるエネルギー源から利用可能な出力と、この出力がウエハ表面に送達される効率とがあいまって、それらによって制限される。タングステン−ハロゲンランプは、いくつかの先行技術のシステムで使用されていることに留意されたい。ただし、本発明は、本明細書での教示が適用される限り、任意の適切な加熱構成を使用して実施することができ、このようなランプを使用することに全く限定されないことを理解されたい。例として、本発明では、フラッシュランプおよびアークランプを使用することを意図している。第2の制限は、エネルギー源の熱応答時間のために生じる。例えば、基板を加熱するエネルギー源としてタングステン−ハロゲンランプを使用する場合、このランプのタングステンフィラメントの熱質量が有限であることが、ランプがいかに速く冷却されるかを決める制限になり、そして、基板に送達中の出力をいかに速くオフにすることができるかを制限する。第3の制限は、基板の冷却速度に由来するものである。この冷却速度は、基板の熱質量と、基板の表面から熱が失われる効率との組合せによって制限される。この熱損失は典型的には、熱放射、または基板を取り囲むプロセスガスを介した対流および伝導による熱損失によるものである。以下でわかるように、本発明は、処理物体が熱源に露出された後でその処理物体から熱が失われる率を改善しつつ熱源の動作中に熱源の放射を処理物体に結びつける効率を改善するような極めて有利なやり方で、上記第1および第3の制限に焦点を当てる。
【0016】
加工チャンバ内でランプによって加熱される基板への熱伝達は、次式によって近似することができる。
【0017】
【数1】
【0018】
ただし、Tは基板の絶対温度であり、tは時間、Pはランプの出力密度、σはステファンボルツマン定数、ρは密度、cは比熱、Dは基板の厚さ、ηはランプ出力のうち基板に結合される割合、Heffは実効熱損失効率である。出力は、加熱(加工)中の物体の片側または両側から入射することがあり、Heffは、物体の両側から熱が失われる可能性、ならびに放出された放射が再度反射されて物体に戻る効果を含むものである。ηおよびHeffの項は、基板およびチャンバの光学特性に依存している。式(1)で、Tは十分に高く、そのため熱伝達は、放射が支配的であり、基板からの対流または伝導による熱損失は大きくないと仮定することが妥当であることがわかっている。
【0019】
基板その他の処理物体が放射による加熱を受けるとき、式(1)を用いてそれらの熱応答を予測することができるが、意図される処理環境での加熱および冷却の速度に関して、基本的な制限に等しいもの理解するために、この式を有利に用いることができることが理解できる。例えば、最大立ち上がり速度Rmaxは、上式を再構成することによって以下のように得られる。
【0020】
【数2】
【0021】
ただし、Pmaxは、加熱システムの利用可能な最大ランプ出力密度である。これに対して、最大冷却速度Cmaxは、以下の式で与えられる。
【0022】
【数3】
【0023】
加熱および冷却の速度を最大にするために、RmaxおよびCmaxがそれぞれ可能な限り大きくなるようにこのシステムを設計することが有利である。この目的で式(2)を調べると、立ち上がり加熱速度を速くするには、ηをできる限り大きくし、Heffを最小限に抑えることが望ましいことがわかる。しかし残念ながら、式(3)は、冷却速度を速くするにはHeffを最大にする必要があることを示している。一見したところでは、両方の式を考慮すると、Heffを最大にすることとRmaxを最大にすることは、利害が直接競合するように見える。
【0024】
しかしながら、本発明では、何が実際的な急速熱加工(「RTP」)システムであると考えられるかということにおいて、高速立ち上がり時に、ηPmaxの大きさは、HeffσT4の大きさよりもはるかに大きいことを認識することによってこの競合した利害を解決する。この極めて有利な認識を理解し、ηおよびHeffを最大にすることによってシステムの性能を最適化することができる。同時に、これらの量は、処理物体の特性によって影響を受けることを理解されたい。例えば、ある処理物体の場合、このような物体の光学特性、例えば半導体基板の光学特性は一般に、特定の製作条件によって定まり、立ち上がり速度および冷却速度を速くするために容易に改変し得ないことがさらに認識できる。このような改変には、例えば、基板をより薄くすること、あるいは、より効率よく熱エネルギーを放出するか、またはより効率よくランプエネルギーを吸収する表面被覆を施すことが含めることがある。さらに、その基板に施すことができる任意の数の可能な加工方式の特定の1つに関して、いかなる基板処理も単一では普遍的な利点が得られる見込みはないと考えられる。これに対して、本発明が提供する利点は、利用可能な広範な基板に適用されることを理解することが重要である。すなわち、本発明の実施に影響を及ぼす基板のパラメータは、基板が比較的様々であることに比べて、一般に本発明のRTPの対象の目標とする結果にわずかな差異しかもたらさない範囲でしか変動しない。これは、それ自身もしくはそれ自身による大きな利点と考えられる。というのは、本発明は、基板に関する改変を必要とせず、処理チャンバのみを改変して、広範な基板に関して普遍的な利点が得られるようにするからである。
【0025】
上記の極めて有利な教示および認識に従ってシステム設計を最適化するために、チャンバ設計においてηおよびHeffを決定する要因を考えることが有用である。とりうる一つの形態として、チャンバ壁を高反射性に死、これによってηを大きな値にすることができる。この結果は2つの理由から得られるものである。第1に、ランプからチャンバ壁の方向に放出されるエネルギーは、反射して戻り基板に向かうことができる。高反射率の壁は、エネルギーの吸収が小さく、有利なことに、ランプの放射の大部分が基板の方向に戻る。第2に、基板表面で反射されたランプエネルギーは、チャンバ壁によって再度反射され、基板によって吸収されるチャンスが継続して生じ得る。チャンバが完全な反射体である限定的な場合、すべてのランプエネルギーが基板によって吸収されることになる。
【0026】
壁が反射性であり、それによってランプの放射に関して上記の利点が得られる場合、基板から放出されるエネルギーは、同様に再度反射されて基板に戻り、それによって、不利なことに基板の冷却に関して正味の熱損失が減少する。壁が完全に反射性である限定的な場合、基板は、放射によって熱を失うことができないことになる。
【0027】
別のとり得る形態として、チャンバ壁を高吸収性に死、これによってHeffを大きな値とすることができる。壁が完全に黒い場合、基板表面からの放射によって失われるエネルギーは、基板に戻ることができない。しかしこの場合、不利なことには、ランプの放射は吸収される。
【0028】
先行技術は概ね、これら2つの形態の一方または他方を選択したものであり、選択されなかった他の形態に関して性能が折衷的になることに留意すべきである。ある種の例では、特定の処理システム内の個々のチャンバおよび構成要素の表面は、これらの形態の1つに従って選択的に構成され、それによって、問題となっている特定の表面に関する特定の目的が実施される。例えば、熱の影響を受けやすい構成要素は、被覆を施して高反射性にすることができ、一方、反射体プレートは、黒くして処理チャンバから熱を逃がすことができる。しかしながら、本発明は、これら2つの本質的に反対の形態によって定まるこれらの見かけ上相反する要件を、以下でわかるように、極めて有利なやり方で解決できると認められるものである。
【0029】
先行技術の高反射性の構成の一例として、研磨表面を含んだアルミニウムチャンバ壁が使用されている。このような研磨表面は、例えば金を用いたメッキを施したものとすることができる。別の例としては、つや消しのアルミニウム表面に金メッキしたものである(つや消しの金仕上げが得られる)。(金の有無に関わらず)研磨したアルミニウムに関して、研磨表面の品質のわずかな変化によって反射率に大きな差が生じ、その結果、チャンバごとの性能に差が出ることが提示されている。つや消しの金仕上げは、チャンバごとの一貫性の点ではより一貫した結果が得られるように見える。しかし、さらに説明するように、アルミニウムおよび金のいずれも、エネルギースペクトルの可視ならびに近赤外および中赤外の領域において反射率が高いという点で、広帯域の反射体である。
【0030】
次に、波長の増加とエネルギー比の関係のグラフである図1に注意を向けると、温度が約3200°Kおよび1373°Kの黒体放射の場合について、指定した波長未満で放出されるエネルギーの割合(比)が示されており、これらのグラフはそれぞれ参照数字10および12で示される。グラフ10のより高い温度である3200°Kは、RTPシステムで使用し得るタングステン−ハロゲンランプのフィラメントの温度を表している。グラフ12のより低い温度である1373°Kは、1100℃でのスパイクアニール加工のピーク点における基板の温度を表している。具体的には、基板と、例えばタングステン−ハロゲンランプなどの加熱構成からの放出スペクトルが全く異なることが理解できる。この認識に合致して、ランプの放射に対して高反射性であり、同時に基板から放出される放射に対して高吸収性であるチャンバ壁により、これまで見られなかった利点が得られることがさらに理解できる。この点で、チャンバが「選択的反射率」の挙動を示すこと、すなわち、チャンバの反射率が波長とともに変化することが鍵になる。本質的には、さらに説明するように、このような選択的反射率材料を使用すると、加熱構成のエネルギーに対して第1の反射率プロフィールが示され、基板から放射されるエネルギーに対して第2の異なる反射率プロフィールが示される。
【0031】
物体の反射率は、少なくともある限られた範囲で、その物体に入射する電磁放射の波長λの関数であることが多い。波長に対する反射率の変化は、関数R(λ)によって記述され、この関数は物体を含む材料の光学特性およびこの物体の物理的な構造に依存する。波長に対するこの変化は、物体の反射スペクトルとして記述される。
【0032】
任意の熱エネルギー源を含んだ、電磁放射源のいずれも、その放射源によって所与の波長で放出される出力を記述する放出スペクトルS(λ)を有している。この放射源は、波長λ近傍の狭い波長範囲Δλで、出力S(λ)Δλを放出する。放射源によって放射される任意の波長区間の出力は、対象とする波長範囲、例えばλ1からλ2にわたって放出スペクトルを積分することによって計算することができる。
【0033】
【数4】
【0034】
放射源によって放射される全出力は、以下の積分から得られる。
【0035】
【数5】
【0036】
このエネルギー源からの放射が不透明物体に当たると、この放射は、反射または吸収される。所与の波長において反射される出力量は、スペクトル反射率と入射出力の積によって決まる。したがって、λ1からλ2の波長範囲で反射される全出力は、以下の積分によって与えられる。
【0037】
【数6】
【0038】
全反射率Rtot,Sは、放射源Sからの放射に関してこの物体について定義され、表面に入射する全出力と、この表面から反射される全出力との比に等しい。
【0039】
【数7】
【0040】
この積分された特性Rtotal,Sは、物体の関数であり、照明スペクトルの関数であることが強調されるべきである。
【0041】
選択的反射の概念は、物体が、それぞれSA(λ)およびSB(λ)のスペクトルを有する2つのエネルギー源AおよびBからの放射と相互作用する、本発明が意図しているような状況において生じる。2つの全反射率は、これら2つのスペクトルRtotal,SAおよびRtotal,SBに関して、(7)に類似の式を用いることによって定義できるものである。この例の場合、放射源スペクトルSA(λ)およびSB(λ)は、全く異なるものとすることができ、そのため一般に、Rtotal,SA≠Rtotal,SBである。これら2つの量の間に意味のある差がある場合、この物体は、エネルギー源AおよびBに関して選択的反射挙動を示すと言える。
【0042】
有用な選択的反射体は一般に、波長が変化すると反射率が大きく変化する反射スペクトルを有する。例えば、反射率は、1つの波長範囲では高く、第2の波長範囲では低い値になることがある。この例では、放射源Aが主に第1波長範囲でエネルギーを放射し、放射源Bが主に第2波長範囲でエネルギーを放射する場合、全反射率は、放射源Aについては高くなり、放射源Bについては低くなり、本発明では、この物体を選択的反射体とみなすことが理解できる。
【0043】
この概念は、放射の吸収に関しても等しく適用可能である。任意の波長での吸収率について、また、物体が所与のエネルギー源によって照明されたときに、所与の波長範囲で吸収する全出力を記述する積分された吸収率について、同じ特性を作り出すことができる。2つのエネルギー源に関して吸収挙動の有意な差を示す物体は、選択的吸収体である。この挙動は一般に、物体の吸収率の値が、1つの波長範囲で大きく、第2の範囲で小さいときに生じる。
【0044】
選択的放出の概念も利用できる。キルヒホッフの法則によれば、所与の波長における吸収率および放出率は等しくなければならない。この法則は、波長、入射角、および偏光状態を含めて、同じ光学条件に適用される。その結果、選択的吸収体では通常、1つの波長範囲で放出される熱放射は、第2波長範囲で放出されるものよりもかなり大きくなる。この挙動を選択的放出と称することがある。
【0045】
さらに図1について考察すると、明らかに、ランプ加熱構成からの放射のうち75%より多い放射は2μm未満の波長で生じ、一方、基板からの放射のうち75%より多い放射は2μmよりも長い波長で生じる。したがって、約2μm未満の波長について反射率が高く、約2μmよりも長い波長について反射率が低い反射体では、ηについては大きい値、Heffについては小さい値が同時に得られる。特定のチャンバ周辺構成についての波長選択点またはブレークオーバポイントを、「クロスオーバ」波長と称することがある。この例では、2μmのクロスオーバ波長を参照数字14で示す。クロスオーバポイント未満では、チャンバ壁(または、少なくともその一部)は、それに入射する加熱構成放出エネルギーの大部分を反射し、クロスオーバポイントより先では、チャンバ壁は、それに入射する基板放出エネルギーの大部分を吸収する。
【0046】
この有利な2重挙動に関して、所望の結果に応じて、クロスオーバ波長について任意の適切な波長を選択し得ることを理解することが重要である。冷却速度の増加が少しだけ望まれるある種の応用例では、より長い波長、例えば約3μmで高反射率と低反射率のクロスオーバがなされることが望ましいことがある。他の例では、冷却速度を最大にすることがより重要なことがあり、クロスオーバ波長を、例えば1.5μmにずらすことができる。エネルギー源が、例えばアークランプの場合、放出スペクトルの大部分ははるかに短い波長のところにあり、加熱速度に悪影響を及ぼすことなく、クロスオーバを1μmとすることができる。より具体的には、チャンバは、加熱構成がそのエネルギーの大部分を放出する比較的短い波長(例えば、約2μm未満の波長)で高い反射率を示し、基板がそのエネルギーの大部分を放出する比較的長い波長(例えば、約2μmよりも長い波長)で低い反射率を示すようにする。
【0047】
チャンバ壁に関して、アルミニウムおよび金のいずれも、エネルギースペクトルの可視ならびに近赤外および中赤外の領域において広帯域の反射体であることが理解できる。さらに、(約8μmよりも長い)遠赤外は、半導体基板またはウエハの場合、ウエハが急速熱加工で一般に使用する温度に加熱されるときには、この領域でのウエハのエネルギー量が、ウエハから放出されるエネルギーの10%未満なので、あまり問題にならない。さらに、遠赤外でのランプエネルギー量は一般に、ランプの全放出エネルギーの5%未満である。
【0048】
以上、本発明に至った認識について説明してきたが、次に、本発明を実施する際に用いるいくつかの異なる実施形態に注目する。そのため、まず、本発明に従って作製され、参照数字50でその概略が示される処理システムの第1実施形態を模式的に示す図2に注目する。システム50は、複数のタングステン−ハロゲンランプで構成される加熱構成52を備える。同図では簡略化のため、これらのランプを1つだけを示している。この場合も、本明細書での教示が適用可能である限り、任意の代替加熱構成が本発明の範囲に含まれると考えられることが理解できる。一例として、アークランプによる加熱構成を使用することが意図されている。別の例として、簡略化のために示していないが、別の加熱構成がしばしば、この正面図の処理物体の下に位置決めされる。ランプ52は、図1のグラフ10に一致する放射エネルギー54を放出する。この加熱構成放出エネルギーを、軸線が比較的短い周期で交番する矢印を用いて示している。可能な限り、同様の参照数字が、様々な図を通して同様の構成要素に用いられていることに留意されたい。また、これらの図の1つまたは複数を参照して適用される用語、例えば、「最も前」、「最も後」、「上側」、「下側」、「外側」、および「内側」は単に、説明を明確にするために用いられるものであり、限定するためのものではないことを理解されたい。さらに、これらの図面は、原寸に比例しておらず、読者の理解を高めることを意図して示されていることに留意されたい。
【0049】
さらに図2を参照すると、システム50はさらに、処理チャンバ62を画定するチャンバ構成60を備え、その処理チャンバ62は、処理物体64をその中に収容し、また、支持する。処理物体64には、上記で説明したように、例えば半導体基板が含まれる。この基板は、例えば(図示しない)従来型の基台で支持することができる。処理チャンバ60は、断面で示されており、本発明に従って構成され、内側周辺部を取り囲む内側の層66を支持する外壁構成65を有する。壁構成65は、例えば、構造的な完全性を保障するのに十分な厚さのアルミニウムを使用して形成することができる。本開示および添付の特許請求の範囲を通じて使用する「壁構成」ならびに「壁」および「壁部材」という用語は、加熱構成と処理物体の間に介在し得るウィンドウを包含することを意図したものではないことに留意すべきである。処理物体64は、適切な温度に加熱されると、加熱構成52からの放射エネルギー54に比べて比較的長い波長の処理物体放射エネルギー68を放出する。
【0050】
続けて図2を参照すると、内側の層66は、一実施形態では、選択した材料の反射率を考慮し、被覆として任意の適切な材料を使用して形成することができる。この被覆は、塗装、吹付け、プラズマ溶射その他の被着方法を含めて、周知のあらゆる方法によって塗布することができる。本出願人は、いくつかの被覆を考案し、試験した。候補となった材料は、拡散反射率および鏡面反射率に基づいて選択した。さらに、選択した材料を使用して被覆を容易に考案し得ることが、選択過程での要因になった。したがって、本明細書で示す適切な材料のリストは、網羅的なものではなく、例示的なものである。
【0051】
図2および図3を参照すると、図3には、選択され考案された被覆材料についての様々な被覆サンプルの拡散反射度が、μmで表した波長に対するグラフで示されている。拡散反射率が示されているが、拡散反射率および鏡面反射率はともに、対象とする領域内のほぼ同じ波長で全体的な減少を示すことがわかっている。したがって、波長応答は、全体的な反射度に関しては正しく特徴づけられている。グラフ80は、酸化アルミニウムに対応する。このグラフは、図3の残りのグラフとともに、赤外反射分光測定から得られたものである。酸化アルミニウムは、いくつかの理由から、層66を形成する際にプラズマ溶射法を利用して試験被覆の1つとして塗布すると有用であることが示されている。第1に、酸化アルミニウム層は、その下にあるアルミニウムチャンバ壁に機械的かつ化学的に結合する。したがって、この被覆層は、その金属性の基材に極めて良好に接着する。第2に、酸化アルミニウムは、完全な無機酸化物であり、したがって、高温雰囲気環境中で酸化されず、その光学特性は、経時的に大きくずれることも変化することもない。ただし、酸化アルミニウムは、少なくとも潜在的には、例えばタングステン−ハロゲンランプを冷却するのに使用する空気中に存在し得る汚染物を吸収するために汚染されることがあることに留意すべきである。したがって、このような汚染物は、冷却空気中に存在しないようにすべきである。第3に、酸化アルミニウムによる被覆は、塗布後の加工を必要としない。第4に、被覆の特性は、塗布サイクルごとに極めて再現性がよいと考えられている。第5に、この被覆は、極めて薄く(約1nmから1.5mmの厚さで)塗布することができ、したがって、例えばランプ構成52の背をなすアルミニウム反射体プレートなどの構成要素の、被覆によって吸収された熱を引き出す能力が大きく変わることはない。そのため、この被覆は、約120℃以下の温度でしか動作させることができず、それによって、被覆と、この被覆が塗布される基材との間の応力が最小限に抑えられる。ランプ反射体プレートは、全体層66のうち、ランプ構成52に最も近いチャンバ壁を被覆する上側壁部分66aによって表されることに留意すべきである。この点で、内側のチャンバ壁すべてを被覆する必要がないことが理解できる。さらに、チャンバの内側の一部だけを被覆することが望まれる場合、被覆66aにより、見返りが最大になることが予想される。というのは、被覆66aは、処理物体64の主要処理表面に最も直接的に向かい合い、加熱構成52にも直接的に向かい合い、そのためそれらに露出される度合いが大きいからである。
【0052】
拡散選択的反射被覆は、その光学応答の点で、例えば研磨したアルミニウムなどの研磨表面よりも均一にすべきであると考えられる。表面全体にわたって十分に光学的に均一なアルミニウム研磨表面を得ることは難しい。このことは、少なくとも、表面粗さのわずかな変化でさえ、光学応答の点で有意の不均一性が生じ得るという理由から成り立っている。むき出しのアルミニウム研磨表面は、腐食ならびに表面汚染の影響を受けやすい。また、これは、柔らかい表面であり、容易に傷がつく。この表面に汚染物が吸収されると、この表面の光学特性が、おそらくは不均一になる形で影響を受けることになる。これに対して、拡散選択的反射被覆は一般に、被覆材料がいかに正確に構成されるかに依るが、腐食および汚染に対する抵抗性の点でより安定である。プラズマ溶射法による酸化アルミニウムの場合、この被覆は、本質的にセラミック被覆であり、比較的極めて安定であって、一般に汚染の影響を受けにくい。さらに、酸化アルミニウムによるプラズマ被覆は、傷に対する抵抗性を示す。
【0053】
図3の残りのグラフは、塗料として概ね考えられ、上記で説明したように試験された材料に対応する。これらの材料は、例えば約0.01mmから1.5mmの範囲の適切な厚さで形成できるものである。これらの特定の白色塗料により、所望の波長選択作用がもたらされることがわかったが、これらの塗料が白く見える必要はない。具体的には、グラフ82は二酸化チタン(TiO2)に対応し、グラフ84はケイ酸ジルコニウム(ZrSiO4)に対応し、グラフ86は二酸化ジルコニウム/酸化イットリウム(ZrO2/Y2O3)に対応し、グラフ88は二酸化チタン/二酸化シリコン(TiO2/SiO2)に対応する。これら様々な材料を担持するのに使用した塗料は、有機および無機の結合剤を使用して配合した。当業者であれば、この全体的な開示を考慮して、これらの材料を被覆の形で塗布するために、このような配合物のどのようなものも容易に考案し得ることが提示できる。次いで、アルミニウムベースプレートに各塗料を吹付け塗布した。その後、約400℃のオーブン内で有機結合剤を完全に燃焼させ、その結果、対象とする材料だけが、極めて小さな重量比の無機結合剤とともに残った。
【0054】
図3で、これら様々な材料についての反射度のグラフはそれぞれ、波長が2μmと3μmの間で反射度の大きな減少を示すことが容易に観察される。さらに、各グラフの反射度は、概ね、波長がそれ以上長くなっても完全には回復しない。したがって、これらの材料またはその組合せは総て、内側の層66を形成するのに有用な候補と考えられる。有用な材料は、約1μmから10μmの波長範囲で、反射率の全体的な減少を示す必要がある。約2μmから3μmのより狭い波長範囲で減少を示す材料は、特に有用であると考えられる。図1で示すように、約2μmでのクロスオーバは、タングステン−ハロゲンランプを使用する場合に特に有用である。
【0055】
オルトリン酸二水素カリウム、オルトリン酸アルミニウムピロリン酸マグネシウム、リン酸ホウ素、およびリン酸イットリウムを含む、他の材料も重要と考えられる。ただし、これら材料の例はこれらに限定されるものではない。選択的反射体として機能させるためにこれらの材料を使用した被覆は、チャンバ間整合を改善するために拡散する(つや消しになる)ものが好ましい。
【0056】
一般に、有用な被覆は、対象とする波長の赤外エネルギーの吸収をもたらすことが知られている、不純物として潜在的に導入される原子結合を含むことができる。例えば、O−H結合、ならびに関連するSi−O−H結合およびAl−O−H結合により、強い吸収特徴が導入され、その結果、近赤外の波長、特に1.4から3μmで反射率が低くなることが知られている。直接H2Oとして、またはなんらかの他の構成で水を組み込んだ材料も、この有用な特徴を示す可能性がある。水素結合の作用も、有用なスペクトル特徴をもたらし得る。有用なスペクトル特徴をもたらす他の結合群には、炭酸塩、CO3、硝酸塩、NO3、および元素と水素の間の結合、例えば、C−H結合およびN−H結合が含まれる。リン酸二水素カリウムも、約2μmのところで極めて急峻な遮断部を有する。
【0057】
多くの場合、被覆の白い特徴は、可視波長で透明な主成分材料に起因している。これらの材料が白く見えるのは、これらが、微細に分割された形態で存在し、それによって光の散乱が大きく増加するからである。この点で最もよく類似したものは、透明な大きな氷の塊と明るい白色の雪との間のものである。これらの被覆特性はしばしば組み合わさって、クロスオーバ波長未満の波長で極めて透明であり、クロスオーバ波長よりも長い波長で吸収性の材料であるという望ましい特徴になる。ランプ放射帯域で本来透明である適切な材料の例は、SiO2、Al2O3、およびTiO2であるが、他にも多くある。これらの材料の多くは、上記で述べたように、単に導入された不純物が存在する結果、有用な吸収特長を示すと理解することが重要である。多くの場合、これらの特性は、透明な成分と、吸収性の他の成分とを混合することによって最適化することができる。光の散乱ならびに吸収の作用が生じる材料の粒子のサイズおよび屈折率を最適化することが有用なこともある。
【0058】
図2を参照すると、例えば2μmのクロスオーバ波長の前後で反射するエネルギーの割合を、これから説明する選択反射率特性を有する特定の被覆またはバルク材料の表面の表面粗さを調節することによって調整することもできることが理解できる。
【0059】
有用になり得る強い吸収特徴を含む他の材料には、酸化金属、ならびに他の結晶、セラミックが含まれ、さらにはプラスチックさえも含まれる。これらの材料は、短波長帯域での反射率が最大になる形態で調製することもできる。例えば、ポリマー層を使用することができる。適切なポリマーには、フィラー材料の含有の有無に関わらずフロオロポリマーおよびクロロフロオロポリマーが含まれるが、これらに限定されるものではない。これらのポリマーには、例えば、ポリテトラフロオロエチレン、エチレン−テトラフロオロエチレン、エチレン−トリフロオロエチレン、フッ化エチレンプロピレン、エチレン−クロロトリフロオロエチレン、フッ化ポリビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシに関連する材料、およびこれらの組合せが含まれる。ポリマー系の層は、酸化アルミニウム粒子、二酸化チタン粒子、二酸化アルミニウム粒子と二酸化チタン粒子の混合物、ガラス粒子、ガラスファイバなどのフィラー材料、および適切な基材ポリマーの光反射率を改変し得る他のフィラー材料を含み得るが、これらに限定されるものではない。
【0060】
図4を参照すると、本発明に従って作製され、参照数字90で概略を示すシステムの別の実施形態は、被覆を施すのではなく、所望の特性を有するバルク材料で形成されたチャンバ構成を含むものである。一例は、高濃度のOH結合を含む不透明な石英(溶融石英)による壁構成92を使用することである。この不透明な石英は、光を強く散乱させ、それによって明るく白い外観を与える極めて高密度の微細泡を含む石英である。これは、石英などの本来透明な材料を、白く見える高反射性の物体にする代替手法である。OH結合その他の不純物を組み込むことによって、約2μmよりも長い波長で、強い吸収特徴を作り出すことができる。別の例として、チャンバ壁は、本質的にバルクセラミック材料を含むアルミナを使用して形成することができる。
【0061】
図5に移ると、本発明に従って作製され、参照数字98でその概略を示すシステムの別の実施形態は、1つまたは複数のシート材料部材の構成を使用して、外壁構成65の1つまたは複数の内側周囲表面を内張りしたものである。この例では、5つのシート部材の構成が、参照数字100a〜eを用いて示されている(これらは、集合的にシート材料100と称することもある)。ここで、シート100eは、この図では、チャンバの後側の壁に押し付けられて支持される。この図では処理チャンバの最前部の壁は見えないが、同様にシート材料部材を支持し得るものである。この実施形態の手法は、全体冷却分離障壁を形成する際に、下側にある金属構造壁を使用できる点で有利である。この場合も、本明細書で説明するいずれかの実施形態に従ってあらゆるチャンバ内面を内張りまたは処理する必要はない。例えば、上側表面だけを処理してもよい。さらに、いずれか1つの表面全体を覆う必要はない。例えば、加熱構成のすぐ隣の上側表面の一部だけを被覆しさもなければ処理することができる。20%以上のチャンバ内面が選択反射を提供するように構成された任意のチャンバ実施形態によって、有用な一実施形態が得られると考えられる。この点で、処理物体の主要な表面に少なくともほぼ平行な、特にそれに向かい合う選択反射性チャンバ表面により、本発明を実施することによって実現される利益に関して応答が高められる可能性があることを覚えておくべきである。さらに、本明細書で説明する様々な実施形態を、任意の適切なやり方で組み合わせることができる。
【0062】
続けて図5を参照すると、すぐ前で説明した実施形態に見かけ上は本質的に同じ別の実施形態は、金属を使用して形成したチャンバ外壁65を短波長反射体として使用することに帰する。この場合、シート部材100a〜eを形成する材料は、本質的に短波長で透明であり、より長い波長で不透明であり、それによって適切なクロスオーバ波長が得られるように選択される。本明細書で透明と称する材料は、意図する波長範囲での光の透過率が、少なくとも許容できる値近くになるものである理解されていることに留意されたい。シート部材100は、長波長放射を吸収するフィルタとして働き、一方、チャンバ壁は、ランプ放射に対する高反射率反射体として機能し続けることができる。これらのシート部材は、例えば、約2μm未満の波長で透明であり、2μmよりも概ね長い波長で不透明であることが望ましいが、このクロスオーバ波長は、1つの可能な有用な値として選択したものであり、本明細書で説明する任意の実施形態において限定するためのものでは全くないことを理解すべきである。ある種のガラスは、この要件に少なくとも許容し得る程度に近く入手され、表面反射率が低いという利益も示し得ることに留意されたい。例えば、ある種の希土類元素をドープしたガラスは、近赤外で強い吸収帯を有し、そのため、適切な吸収特徴を得ることができる。例えば、2.5μmよりも長い波長の放射をほとんど遮断するパイレックス(登録商標)(Pyrex(登録商標))などのガラスでさえ適切であることがある。適切な希土類元素をドープしたガラスおよびそれに関連する方法が、2002年11月5日出願の「APPARATUS AND METHOD FOR REDUCING STRAY LIGHT IN SUBSTRATE PROCESSING CHAMBERS」という名称の同時係属の特許文献1に記載されている。この文献は、本出願人に譲渡されたものであり、ここに参照によってその全体を本明細書に組み込むものである。
【0063】
次に、本発明に従って作製され、参照数字120でその概略を示す処理システムを模式的に示す図6に注目する。システム120は、処理チャンバ62を画定する働きをする全体チャンバ構成の一部としてチャンバ壁122を備える。この例では、見やすいようにチャンバ壁122だけを示すが、このような壁は、前に説明した図で示すように、処理チャンバを取り囲むように配置されることが理解できる。チャンバ壁122は、また、加熱構成52の反射体プレートとして働く。少なくとも半透明な層124は、チャンバ壁122から離間した関係で支持され、それによって、それらの間に間隙ないしチャネル126が形成される。この例の層124は透明であるが、ある実施形態では、この層は、ある程度の選択的な反射率または吸光度を有し得るものである。(図示しない)スペーサまたは当技術分野で周知の多くの他の機構のうち任意の適切な機構を使用して、この離間した関係を維持することができる。チャネル126は、チャネル内でいくつかの矢印で示す流動性材料128の流れを受け入れる。この流動性材料は、互換的に流体と称することもあり、有利なことには熱伝達の役目を果たすことができ、それによってシステム120が冷却される。この流動性材料は、所望の液体または気体を含むことができる。
【0064】
しかし、さらに有利なことには、流動性材料128は、ランプ放射52および基板放出放射68の少なくとも1つに関してフィルタ要素として働く。この点で、加熱構成放射エネルギーは、チャンバ壁122で反射され、流動性材料128を通過するように示され、処理物体放射エネルギー68は、流動性材料128によって吸収されるように示さていることに目が留まる。1つの特徴では、この流体は水を含むものである。この特徴の1つの利点は、水は、約1.4μmよりも長い波長の赤外放射の極めて強い吸収体であり、したがって、例えば、チャンバ壁として働く任意の広帯域反射体と組み合わせて有用な選択反射体を形成することができる。当然のことながら、このチャンバ壁はさらに、上記で説明したように、内張りまたは被覆することができるものであり、加熱構成の後ろにある反射体プレートとして機能することができる。内張りされたチャンバ壁構成は、図5の内張りされたチャンバが、内張りされたチャンバ壁と離間した関係の1つまたは複数の半透明層124(図6)を伴う構成と類似のものに見える。この場合も、(反射体プレートとして)加熱構成の後ろにある反射選択により、チャンバの内側周辺全体を覆わず、また処理しないなんらかの動機、例えばシステムコストが存在し得る場合には、最大の利益が得られると考えられることに留意すべきである。処理物体の下に加熱構成を有する実施形態では、処理物体の下で水の層を担持する類似の構成を使用することによって、同様に意味のある利益が予期できる。
【0065】
多くの先行技術のRTPシステムでは、処理物体は石英ウィンドウに面し、この石英ウィンドウは処理物体を加熱ランプから分離する。このウィンドウ自体が、ある程度のスペクトル選択性をもたらすことが認められている。というのは、このウィンドウは一般に、約3.7μmよりも長い波長に対して不透明であり、より短い波長では透明だからである。さらに、このウィンドウは、実際に透明なところから実際に不透明なところまで延在する移行領域を示す。この移行領域の中心は、不透明になり始める波長とみなすことができる。したがって、このウィンドウは、図5の実施形態の内張りのように働くのではなく、選択反射特性が導入されるように働くフィルタである。しかしながら、チャンバの表面、壁、または内張りと比較して重要な差異がある。というのは、このウィンドウは、加熱構成から放出され、最終的にウエハに到達する放射もすべてフィルタリングするからである。したがって、このウィンドウは、加熱構成から処理物体へのエネルギー伝達の効率に大きな影響を及ぼすことになる。このウィンドウが水冷される場合、先に述べたように、少なくともある放射源については、比較的大きなエネルギー損失が予想される。というのは、水は、波長が1.4μmより長い赤外エネルギーの極めて強い吸収体だからである。したがって、水冷ウィンドウは主に、例えば、放出されるエネルギーの大部分がこの波長未満であるアークランプ源などのより短い波長の加熱源との組合せで有用であると予期される。ここでこれら認識された制約を考慮して、利益が得られる状態でウィンドウ構成を実施かつ使用し得ることを考える。例えば、波長が2μmよりも長くなると吸収が強くなる材料でウィンドウを形成すると、同様に有用と考えられる。水の層を支持するウィンドウの代替形態として、近赤外に強い吸収帯を有する上記の希土類元素をドープしたガラスを、1つまたは複数の層で構成されたウィンドウ構成で使用し得ることが認められる。また、例えば、2.5μmよりも長い波長の放射のほとんどを遮断するパイレックス(登録商標)などのガラスも適切なものになり得る。
【0066】
ウィンドウの考察に関連して、この際、ある材料は、チャンバ壁を形成するか、またはチャンバ壁を被覆するのに許容できないものであることを指摘することが適切である。というのは、これらの材料は、極めて望ましい特徴を示すことがあるが、一般の処理チャンバ内で、基板に直接向かい合い、および/または基板とともに存在する際に所望な程度には化学的に安定でなく、また純粋でないことがあるからである。
【0067】
次に図7では、本発明に従って作製され、参照数字140でその概略を示す別のシステムに注目する。システム140は、全体チャンバ構成の一部としてチャンバ壁141を備える。この例では、見やすいようにチャンバ壁141だけを示すが、このような壁はチャンバ構成を形成するように配置されるものであることが理解できる。チャンバ壁141はさらに、加熱構成52の反射体プレートとして働き、上記で説明したように、任意選択で選択反射率特性を有し、それによって、加熱構成放射エネルギー54を全体的に反射し、処理物体放射エネルギーを全体的に吸収することができる。当然のことながら、他の壁を、本発明に従って選択的な反射がなされるように部分的または完全に構成することができる。ウィンドウ構成142は、加熱構成52と処理物体64の間に介在させたものである。この場合、ウィンドウ構成142は、フィルタ要素144が加熱構成52の最も近くに位置決めされた2重ウィンドウ構造を含むものである。一実施形態では、透明ウィンドウ146がフィルタ要素144から離間して配置され、それによって、ウィンドウ146自体とフィルタ要素の間に通路148が形成される。通路148により、その中を通して、矢印を用いて示す気体または液体の冷却剤150を流すことができる。先に述べたように、例えば、加熱構成の波長特性によっては、冷却剤として水を使用することができる。以下、適切な時点で、適切な流体特性の考察をさらに行う。加熱構成放射エネルギー54は、選択反射壁141で反射されるのに加えて、ウィンドウ構成142を通過するように示され、処理物体放射エネルギー68は、流動性材料150によって吸収されるように示されることが目に留まる。ウィンドウ構成の全体的応答は、本明細書で説明する任意のウィンドウ構成と同様に、波長が長くなるとともに透過率が減少するものと特徴づけることができる。さらに、処理物体放射エネルギーを包含する波長範囲にほぼ含まれ、壁141に到達するエネルギー151は概ね、反射体プレートとして働く壁141によって吸収されることになるが、これは任意選択の構成であり、要件ではない。エネルギー151は、例えば、熱源放射エネルギーのわずかな部分として、または処理物体から放射され、ウィンドウ構成142での吸収を免れたエネルギーの一部として、または加熱された後で、ウィンドウ構成142などのウィンドウ構成によって放射されるエネルギーの一部として、あるいはこれらの組合せとして生じるものであることに留意すべきである。本明細書での教示を適用しながら、ウィンドウ構成として単一プレート部材を使用し得ることを理解すべきである。さらに、本明細書で説明する実施形態のどれに関しても、処理物体の下に追加の加熱構成を配置できることを理解すべきである。この追加の加熱構成は、この追加の加熱構成と処理物体の間で支持される追加のウィンドウ構成を使用することができるものである。これは、見やすいように、図には示していない。
【0068】
図7において容易に想像される別の実施形態では、少なくとも実際上の観点から、透明ウィンドウ146と直接接触するようにフィルタ要素144を移動させて通路148をなくすものである。透明ウィンドウの機能は、フィルタ層の構成要素が基板を潜在的に汚染しないようにする保護障壁として働くことである。すなわち、フィルタ要素は、処理チャンバの基板加工環境とは接触しない。透明ウィンドウ146とフィルタ要素144の間の熱伝達は主に、気体を介した伝導、あるいは取付け用に使用することがある透明接合剤の層を介した伝導によって行われることになる。
【0069】
上記いずれの実施形態でも、透明ウィンドウは、例えば溶融石英で形成することができる。フィルタ要素144に関して、これらの実施形態において、あるいは、この全体開示の中で開示した実施形態において、本明細書で説明する選択反射率を示す特定の材料に限定されることなく、任意の適切な材料または材料の組合せを使用することができる。
【0070】
図8を参照すると、全体的に参照数字160で示す本発明の別の実施形態では、フィルタ要素144に、透明ウィンドウ146と機能的に等価な保護/透明層162として働く被覆が与えられるものである。SiO2、Al2O3、およびYAGを含めて多くの材料が、保護/透明層として使用することができるが、材料の例はこれらに限定されるものではない。この保護層は、例えば、蒸着、スパッタリング、イオンメッキ、およびディップコーティングなど、任意の適切な技術によって、フィルタ層144に付与することができる。選択肢として、本明細書で説明するウィンドウ構成を、本明細書で開示する選択反射率壁構成どのような構成もこれとともに使用し得ることが理解されるべきである。
【0071】
図6および図7に関連して、通常の水ではなく、酸化重水素(D2O、重水)を使用することの利点がある。D2Oの赤外吸収スペクトルは、H2Oの吸収スペクトルに類似の特徴を含むが、それらは、より長い波長側にずれている。そのため、強い吸収遮断部は、約2.0μmよりも長い波長側に移動する。したがって、このような実施形態は、ランプ放射の吸収もそれに伴って減少するために有利と考えられる。さらに、化学種HDO(重水素で置換された水)を使用することが考えられ、その吸収スペクトルは、H2Oの吸収スペクトルとD2Oの吸収スペクトルの間にあるものである。先に述べたように、H2Oは、例えば、エネルギー源がタングステン−ハロゲンランプアレイのときには、ウィンドウ冷却流体として理想的ではないことがある。しかし、この応用例では、エネルギー損失がはるかに小さい状態でD2Oを使用することができる。
【0072】
水素との結合に起因した吸収に依存する任意の吸収システムは、重水化によって変更することができ、それによって、水素との結合を重水素との結合に置き換えることができることにさらに留意すべきである。非限定的な例として、石英ガラスの吸収スペクトルは、OH結合ではなく、O−D結合を導入することによって変更でき、C−H結合を含む有機材料は、C−D結合に変更することができる。
【0073】
以上、石英ウィンドウの波長応答を説明してきたが、本発明の選択反射表面チャンバ構成は、別の状況では通常ウエハ加工環境からタングステンランプを分離する石英ウィンドウを加熱することになる熱も吸収することになることを理解することが重要である。すなわち、吸収されることになる波長でこのウィンドウを通過しようとする放射量が減少する。別の効果として、選択反射体表面構成は、ウィンドウ自体から放出される熱放射を吸収できる(石英ウィンドウでは、これは主に、約3.7μmよりも長い波長において、すなわち、このウィンドウがランプまたはウエハの放射を透過させないほぼ不透明な領域において生じる)。この場合、ウィンドウが加熱された後で、それから放出される放射は、チャンバ壁によって再度反射されてウィンドウに戻らず、そのため、ウィンドウの温度が低くなる。選択反射体の場合、単にこのように機能するためなら、2μmでの反射/吸収挙動のクロスオーバを必要としないことに留意することが重要である。というのは、実質的なウィンドウの冷却動作が行われる1つの波長は、少なくとも近似的には、不透明になり始める波長、典型的には例えば、石英ウィンドウでは3.7μmよりも概ね長い波長によって規定されるからである。したがって、このようなやり方で使用される選択反射体のクロスオーバ波長は、ウィンドウが不透明に移行する領域に関係して選択される任意の適切な波長として選択することができる。例として、選択反射体の機能が、ウィンドウを冷却するための本明細書での教示と一致する限り、ウィンドウが不透明に移行する領域に対してそれよりも大きいか、または小さい数値が有用と考えられる。当然のことながら、本明細書で教示するように、ウエハの冷却を改善し、ウィンドウの冷却を改善するという2つの利益を組み合わせることができるが、これは不可欠なことではなく、いずれかの利益を独立に採用することができる。
【0074】
上記に鑑みて、選択反射体構成を使用することは、連続ウエハが加工されるときに、例えば石英ウィンドウなどのウィンドウが受ける温度変化の大きさを小さくすることに関して極めて有利である。それ自身においてまた単独で、ウィンドウの温度が徐々に上がると、加工結果が一貫しなくなる。本発明により、ウィンドウの温度変化の大きさが小さくなり、それによって、「第1ウエハ効果(first wafer effects)」が減少し、また、ウィンドウが加熱される間の加工の均一性が改善する。同時に、ウエハの温度均一性に対するウィンドウの影響が小さくなり、それによってウエハ温度がより均一になる。すなわち、ウィンドウの幅全体にわたる横方向の温度差が小さくなる。ウィンドウの冷却が改善されることの利益には、(a)第1ウエハ効果が小さくなり、(b)より温度が低いウィンドウからの熱の再放射が小さくなる結果、ウエハの均一性が改善され、(c)比較的温度が低いウィンドウが存在する結果、(放射、伝導、および対流のいずれかによって)ウエハに伝達される熱が少なくなるので、ウエハがより迅速に冷却されることが含まれる。最後の事項は、ウエハが、ウィンドウの温度に比較的近い温度に冷却されたときに特に関連するものであるが、高温でもある種の利益が得られる。
【0075】
再度図2を参照すると、選択反射体を生成するのに使用できる別の種類の被覆は、単層または多層の薄膜被覆から形成されるものである。したがって、内側の層66は、壁構成65と協働して所望の全体的応答をもたらし得る薄膜被覆構成を含むことができる。薄膜被覆は、選択した1つまたは複数の波長で、あるいは波長帯全体にわたって反射率が最大または最小になるように設計することを可能とする光学上の原理に従って設計され、光学的なフィルタリング応用例でしばしば使用される。このような被覆は、1nmという薄さで形成し得ることを理解すべきである。したがって、壁構成65は、このような実施形態では、少なくとも反射されない波長で吸収するように構成される。波長が長くなるとともに反射率を減少させるなど、指定された目的に基づいて所望の多層薄膜スタックを生成することができ、通常は、物理気相成長法または化学気相成長法によって形成される。本発明によれば、当業者なら、この全体開示を考慮して設計を調整し、所望のクロスオーバ波長未満の波長で高反射率を実現し、所望のクロスオーバ波長よりも長い波長で低反射率を実現することができると考えられる。薄膜被覆は、加工機器内の金属表面、ウィンドウその他の部分を含めて、ほとんどの材料に所望のとおりに付与することができる。このような被覆はしばしば、「コールドミラー」を構築する際に使用される。コールドミラーは、投影系で熱を分離するのに使用されることがある被覆コンポーネントである。このような被覆の例は、可視光を反射し、赤外エネルギーを透過かつ/または吸収する特徴を有する。ただし、本発明では、可視スペクトルの端部においてではなく、赤外においてクロスオーバ波長を必要とする。すなわち、コールドミラーの改変形態は、そのエネルギーがミラーを介して反射して戻らないように、下にある吸収表面と組み合わせて使用することができるものである。
【0076】
薄膜スタックは、かなりの度合いの柔軟性でウィンドウ構成に使用できることが理解できる。この目的で、図9に、参照数字170で全体的に示す2重層ウィンドウ構成を断面で示す。このウィンドウ構成は、処理チャンバ内で加熱構成52と(図示しない)処理物体の間にある。ウィンドウ構成170は、第1ウィンドウ層172および第2ウィンドウ層174を含む。通路176は、これらのウィンドウ層間に所望のとおりに形成することができ、(図示しない)流動性材料を支持することができる。したがって、ウィンドウ構成170は、参照数字178a〜dで示す4つのウィンドウ表面を規定する。これらの表面のうち、少なくとも1つの任意の選択した表面は、薄膜スタックを支持できることが理解できる。本例では、薄膜スタック180は、ウィンドウ表面178dによって支持される。
【0077】
図10を参照し、再度、反射率応答調整の主題を考慮して、本発明に従って作製されたチャンバ壁の部分190に注目する。壁部分190は、例えばアルミニウムで形成された構造外壁部材192を含む。赤外吸収帯の縁部を制御して、選択反射率を「調整」できるように、壁部材172に層を付与できることを理解することが重要である。この意味で、「調整」とは、選択反射壁構成の赤外吸収帯の縁部を、より長波長側または短波長側にずらすことができることを指す。
【0078】
上記のことは、選択反射表面を生成することが望まれるチャンバ表面に適用されたときに選択反射光学応答を示す第1の適切な層194によって実現することができる。この例のためには、層194によって生成される帯域の縁部は、所望の波長よりも長い波長のところにあることが前提とされる。しかしながら、本発明によれば、第1層194の上に、第1層194を形成するものと異なった、より短い波長のところに赤外吸収帯の縁部を有する材料を使用して、第2層196を被覆することができる。第2層196の厚さを適切に選択することによって、第1および第2の層が協働する結果、吸収帯の縁部がずれる。すなわち、全体的な吸収帯の縁部が得られ、この縁部の波長は、個々に考えたときに第1および第2の層によってもたらされる「内因性」の波長と波長の間にある。したがって、第2層196は、より短い(所望のクロスオーバ波長未満の)波長領域で半透明であり、より長い(所望のクロスオーバ波長よりも長い)波長領域で吸収性とすべきものである。この実施形態は、当然のことながら、薄膜作用であることに関してではなく、それぞれ異なる層のバルク特性に起因する組合せ応答として考えるべきである。最初の2つの層の組合せ応答は、第3の層を追加するための単一層のものと考えることができる。
【0079】
以上、本発明の利点ならびにいくつかのシステムの実施形態を詳細に説明してきたが、ここで、300mm半導体ウエハのUSJ(極浅接合部)スパイクアニール加工に照らして本発明を用いることに伴って予想される利点についてのより具体的な細部を提供することが妥当である。
【0080】
図11に、時間と温度の関係をグラフ化した第1および第2の温度のそれぞれUSJアニールプロフィール200および202を示す。図11の結果は、USJ「スパイク」加工中のウエハの温度応答を表すコンピュータモデルにおける1組の式を用いて得られたものである。このモデルは、加熱構成(すなわち、タングステン−ハロゲンランプ)によってウエハの上下をともに照明されると、ウエハが一定の速度で加熱されることを仮定して作られたものである。また、ウエハの冷却速度は、エネルギー源をオフにしたとき(すなわち、ランプへの電力を停止したとき)のエネルギー源からの残余の熱の関数であることと、ランプは、その高温のフィラメントに残余のエネルギーを蓄積し、比較的少量のエネルギーが蓄積され、かつ石英ランプのエンベロープから放射されることとを仮定している。熱損失は、ウエハ表面からの放射および対流によると仮定する。冷却期間中のウエハ表面からの放射による熱損失は、チャンバキャビティの表面反射率の関数である。これらの予測値では、ランプ反射体プレートは、関連するチャンバ表面積の大部分に相当すると仮定している。したがって、本例では、選択反射率は、ランプ反射体表面にしか適用されないと考える。
【0081】
さらに図11を参照すると、破線で示す第1温度プロフィール200は、先行技術の温度プロフィールを示し、内部処理チャンバ壁が研磨されたアルミニウムで形成された、タングステン−ハロゲンランプを使用する標準RTPシステムについての上記モデルを利用して得られたものである。第2温度プロフィール202は、ランプ反射体表面が、この場合にはウエハに関してランプの後側の表面だけが拡散酸化アルミニウムで被覆されている点を除き、同じ処理チャンバおよびウエハを考慮したものである。第1プロフィール200では、ピーク幅ΔT1が、100℃の温度降下について時間分が約1.93秒と示される。しかし、第2プロフィール202では、同じ100℃の温度降下で、対応するピーク幅ΔT2は、約1.71秒だけである。注目すべきことに、約11.3%の改善が示されている。ウエハの冷却は劇的に高められており、冷却時間自体は約15%短くなっている。
【0082】
次に、本出願の「背景技術」の項目での前置きの考察を考慮して、放射高温測定法を利用する考察に移ると、例えば半導体ウエハなどの処理物体の実効放射率を大きくするために高反射表面が望まれる場合、条件が矛盾する可能性がある。この点で、高温計波長で高反射性のチャンバを提供することが望ましいことがある。しかし、この要望は、ウエハによって放出される熱放射の大部分についてチャンバを高吸収性にする要望と相反することがある。
【0083】
図12を参照すると、本発明では、高温計波長で高反射率を示し、ウエハの熱放射スペクトルについては全反射率が低い値を示す反射スペクトルを有するチャンバ内部を使用することによって、極めて有利なやり方でこれらの競合する要望を解決する。この目的で、図12に、適切な特徴を実現する選択反射性の被覆または材料の理想化したスペクトル応答220のグラフを示す。このような被覆は、例えば多層薄膜スタックの設計によるなど、任意の適切なやり方で構築することができる。先に述べたように、このような薄膜スタックは、所望の特定の反射スペクトルを考慮して、当業者により製作可能である。さらに、高温計波長で反射率の最大値を示すが、その他のところでは、全反射率が低いバルク材料を選択または製作することが意図されている。適切なスペクトル応答を実現する現在入手可能であるか、あるいはこれから開発される任意の材料は、本明細書で使用するのに意図されてたものである。応答220は、約2μmのところで、反射率の全体的な落込み222を含んでいる。反射率のピーク224は、少なくとも近似的に高温計波長を中心とする狭い波長帯で放射が反射されるように、高温計波長のところに中心がある。注釈として、ピーク224が存在しないスペクトル応答は、ウエハの冷却を高めながら、効率のよいままでランプ加熱が行われるように高反射率を提供するのに適した材料の理想化された反射率スペクトルを表すことを理解すべきである(図3も参照されたい)。
【0084】
高温測定法で使用する特定の測定波長の選択は、少なくとも部分的に、適切な材料または薄膜スタックの利用可能性に基づくものであり得る。本明細書では、「高温計波長」という用語は、高温計が1つの波長にしか応答しないかのように用いられるが、この用語は、高温計が応答する比較的狭い波長帯の中心を指すことを理解されたい。
【0085】
図12とともに図13を参照すると、図13には、処理チャンバ242を有するシステム240が模式的に示されており、その処理チャンバ242は、処理チャンバ242内で位置決めされた、例えば半導体ウエハ64などの処理物体64の互いに反対側を向く表面を照明する上側ランプアレイ52aおよび下側ランプアレイ52bを有する。高温計または1組の高温計光収集光学系250により、チャンバ壁を通して、隣接するランプとランプの間からウエハを観察して、ウエハ温度を感知する。この例では、簡単にするために高温計構成を1つしか示さないが、以下でさらに説明するように、任意の適切な数を使用して、ウエハの片面または両面を観察することができる。さらに、チャンバ242内に、選択反射率を有する内部252が設けられており、それによって、図12に示すスペクトル応答が実施される。このようにして、チャンバ内部の反射度が高温計波長で高くなるのと同時に、ウエハの加熱および冷却の特性に関して上記で説明した利点が得られる。
【0086】
図12を考慮すれば、本発明により、極めて有利なこれまで見られなかったカスタマイズされたスペクトル応答またはスペクトル応答システムが提供され、これらは、ウエハが加熱され、ウエハが冷却され、温度測定が高められるように調整またはカスタマイズされたものである。この全体的スペクトル応答システムでは、チャンバの性能に関連する追加の要因を補償することが意図されており、その結果、これまで得られなかった利益が得られる。例えば、さらに説明するように、1つ(または複数)の高温計に入射し得る迷光が減衰するようにチャンバ応答をカスタマイズすることができる。さらに説明するように、本明細書で説明する他のすべてのチャンバ構成と同様に、図13のチャンバ構成を任意の適切なやり方でカスタマイズし得ることが理解できる。
【0087】
本発明では、高温計の精度とともに、加熱および/または冷却の性能が同時に最適化されるようにチャンバの反射スペクトルを設計するという一般原理を認識している。この点で、ある高温測定方式では、高温計波長でチャンバ(またはチャンバの一部)を高吸収性にすることに関する利点もあり得る。一例として、加熱構成ランプからの迷光が高温計の示度に及ぼす影響が最小限に抑えられるように、チャンバ内でこの迷光の分布を制御することができる。これを実現するために、チャンバ全体にわたって、あるいは、加熱ランプからの光を高温計の光学系に至る光路内に案内する傾向があるチャンバ壁の一部に限定して、高温計波長での反射率を低くすることができる。これらの迷光の経路が減衰を受けるようにチャンバ壁を設計するというこの認識はそれ自体で、本発明によって注目されるに至った他の極めて有利な認識、例えば冷却が高められることの他に、独立した今後のチャンバ設計に対する強力な概念として示されるものである。迷光の制御は、少なくとも、ウエハ温度測定に関する懸念が継続して存在するという理由から懸念すべき事柄であり、ウエハ温度測定は通常、反射体設計によって影響を受ける。したがって、加熱/冷却性能(例えば、加熱速度および冷却速度)および均一性ならびに高温計の設計の最適化を別々にカスタマイズできるスペクトル選択性被覆は、先行技術に比べて極めて大きな改善をもたらすと考えられ、それ自体の利点で独立したものである。同時に、この認識は、本明細書で教示する他の極めて有利な概念と組み合わせて著しい改善をもたらすと考えられる。
【0088】
次に、参照数字260で全体的に示すシステムの実施形態において高温計の応答を最適化するための別の可能な解決策を模式的に示す図14に注目する。具体的には、チャンバ壁表面構成262が、高温計の開口自体の周りの領域264だけで局所的に高反射率を実現するものである。その他の点では、このチャンバは、太線で示す選択反射内部266を提供する。このようにして、チャンバ壁の特性の大部分を、特にウエハの冷却を高めることに関して維持することができる。高温計波長での反射率を低くして迷光を抑制することによって、高温計に対して内部266を最適化できることに留意されたい。この迷光の抑制は、これから説明する図15を参照して概念的に理解される。ただし、ウエハにおける過剰な冷却不均一性をなくすために、高反射率の領域264をかなり小さくすべきであり、および/または、この領域によって生じる不均一性がウエハ表面全体にわたって広げられ、それによって、チャンバの不均一性に起因する局所的な温度の不均一性が方位角方向に平均されるようにウエハを回転させるべきである。高温計の開口の周りの領域264を、放射率がかなり高められるのに十分に大きくするための当業者に周知の1つの基準は、高温測定用の開口とウエハとの距離、ならびに高温計光学系の角度の許容範囲に基づくものである。より直裁的な一手法では、高反射率の領域の半径は、開口とウエハの距離の少なくとも0.25倍とすべきことが示唆される。これは、この領域を小さく保ち、それによって、本発明が教示するスペクトル的な選択手法の利益を高めるという均一性の要件と相反するものである。1つのとり得る実施形態では、領域264は、高反射性ではなく、高吸収性とするものである。このような実施形態は、異なる放射率補正方式を利用する高温計に有用なことがある。このような高吸収の実施形態を用いて、吸収表面に入射する迷光を、特に、高温計の入力光学系近くのランプから発する迷光に関して減衰させることができる。ただし、減衰させる迷光はこれらに限定されるものではない。図15は、高温計波長を1μmと仮定したときの、図14の選択反射が行われる内部266の理想化したスペクトル応答270のグラフである。応答270は、反射率の全体的な落込み222、ならびに1μmに中心をもつ高温計帯域での迷光放射を抑制するのに用いる波長1μmでの反射率の谷272を含む。図15と図12を比較することは、高温計応答帯域の場所が選択可能であることを理解する上で有益である。また、当面の目的に応じて、高温計波長を抑制または反射させることが望ましい。ある実施形態では、チャンバの一部は高温計波長を選択的に反射し、チャンバの別の部分は高温計波長を選択的に吸収する。例えば、図14の領域264は、高温計波長のみを選択的に反射し、領域266は、図15に従って応答するように構成することができる。とり得る実施形態では、例えば、高温計が放射率の問題よりも迷光によって大きな支障をきたす場合に、図13のシステム構成の内部252に図15のスペクトル応答を用いることができる。また、図15のスペクトル応答は、放射率が他の方法で対処されるとき、領域264は迷光を減衰させることが望まれる図14のシステム260でも有用なことがある。これらすべての様々な例に関し、特定の設定で生じ得る設計上の懸案事項に基づいて、カスタマイズされたあらゆる代替応答を考案できることを認識することが重要である。例えば、1つの設定では、選択した領域が吸収または選択的に吸収することが望ましいことがあり、別の設定では、その全く同じ領域が反射または選択的に反射することが望ましいことがある。本明細書での教示を考慮して、本発明は、チャンバの応答をカスタマイズするために当業者が直面する広範な設計目的を克服するのに用いることができる極めて柔軟な1組の設計概念を提供するものである。
【0089】
図16に、チャンバ282内で加熱構成52を使用してウエハを片側から加熱するシステム280を模式的に示す。チャンバ内部284は、チャンバ全体にわたって選択反射が提供されるように均一に処理される。高温計250またはその光学系は、ウエハ64の下面を観察するように配置される。内部284の反射スペクトルは、高温計250に対して最適化できる。この場合も、高温計の詳細に応じて、高温計波長での反射率を高くするか、または低くすることが有益になる。
【0090】
図17に、高温測定用に最適化されたチャンバ292内で加熱構成52を使用してウエハを片側から加熱するシステム290を模式的に示す。高温計の周りのチャンバの一部294は、高温計の性能を最適化するために選択反射性である。太い実線で示すチャンバ内部の別の部分296は、高温計光学系から離間し、それによってその反射スペクトルが、高温計に対して必ずしも最適化されていない。そうではあるが、部分296は、例えば、高温計波長で反射率を低くして、迷光がより良好に抑制されるように最適化することができる(図15参照)。高温計を取り囲む部分294は、直面する設計状況を考慮して、部分296と異なる任意の適切なやり方で構成することができ、これらのうち、いくつかの可能なものが上記で概説されていることに留意されたい。
【0091】
図18に、チャンバ302内で加熱構成52を使用してウエハを片側から加熱するシステム300を模式的に示す。この例では、太い実線を用いて示す選択反射体被覆304は、片側加熱型チャンバに関して高温計の性能が最適化されるように設計される。具体的には、高温計光学系の周りの領域から選択反射率を除外せず、そのため、この領域の反射スペクトルは、例えば、高温計波長で高反射率を維持することによって、高温計について最適化することができる。この状況では、この被覆は、図に示すように、高温計波長から離れたすべての波長を吸収することができる。この例では、ウエハに向かい合うチャンバの底面の一部は、被覆304で処理されていることに留意されたい。被覆304が存在する結果、均一な加工結果が得られる可能性があることを理解される。2重線を用いて示すチャンバ内部の残りの部分306は、ランプの放射が効率よく反射されるように処理できる。あるいは、被覆304は、例えば、迷光に関する高温測定の懸念によっては、迷光が抑制されるように構成することができる。当然のことながら、上記の説明に整合させて、選択反射率を利用することができる。一実施形態では、チャンバの部分306を選択反射率で処理して、ウエハの加熱/冷却性能を高めることができる。別の実施形態では、図15の反射率の谷272で示すように、高温計波長が吸収されるように部分306を処理することができる。さらに、図15に一致して部分306が応答するように、これらの実施形態を組み合わせることができる。
【0092】
次に、図18とともに図19に注目する。図19は、高温計波長を2.5μmと仮定したときの、選択反射被覆304の理想化したスペクトル応答310のグラフである。応答310は、約2.5μmに中心をもつ狭い波長帯に反射率のピーク312を含み、それによって、高温計波長に関係する他のすべての波長は減衰される。この手法は、片側加熱型システムで有用と考えられ、それによってこの波長での実効放射率が高めることができる。この被覆は、ウエハの下の反射体に限定することができる。ウエハの下にはランプが配置されないので、短波長反射率を高くする必要はない。
【0093】
図20に、チャンバ322内で加熱構成52を使用してウエハを片側から加熱するシステム320を模式的に示す。領域326は、高温計光学系の周りの領域328を除き、太線で示すチャンバ底部の一部を含む。領域328は、例えば被覆を使用して処理され、そのため、領域326の反射スペクトルは、高温計に対して最適化する必要はない。ただし、領域328は、高温計の帯域で高反射率になるように構成される。高温測定の性能に関して、例えば高温計波長で反射率が低くなるように領域326を最適化して、図15で示すように、迷光をより良好に抑制することができる。一つのとり得る実施形態では、領域326は、高温測定を改善し、ウエハの冷却を高めるための広帯域吸収帯とすることができる。
【0094】
図21は、ウエハ64の上方から見た模式的な平面図であり、この図では、例示するためにウエハ64は透明体として示されている。ウエハ64は、本発明に従って作製された片側加熱型または両側加熱型のチャンバ330内にある。ウエハ64は、矢印332で示すように、ウエハの中心から様々な半径334a〜cのところにある複数の高温計250a〜c(またはこれらの光学系)の視野を通過して回転する。選択性の反射体または吸収体の被覆336は、チャンバの底部に施されており、上記説明に整合して高温測定の性能が悪化しないように各高温計の周りの各領域338a〜cから除外することができる。上記の物理的な実施形態はそれぞれ、特定のそれぞれの向きを有する様々な構成要素とともに示したが、本発明では、様々な構成要素が様々な位置および相互の向きで配置される様々な特定の構成をとり得ることを理解すべきである。さらに、本明細書で説明した方法は、例えば、様々なステップを、順序変更し、改変し、再度組み合わせることによって、いかようにも改変することができる。したがって、本明細書で開示した構成および関連する方法は、様々な異なる構成で実現され、数限りない異なるやり方で改変し得ること、ならびに、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の多くの特定の形態で本発明を実施し得ることが明らかである。したがって、これらの例および方法は、限定的なものではなく、例示的なものとみなすべきである。本発明は、本明細書で示した細部に限定されるものではなく、少なくとも添付の特許請求の範囲の範囲内で改変することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】波長が増加するときのエネルギー比と波長の関係を示すグラフであり、放射ランプ加熱構成のエネルギー比と基板からの放射エネルギーのエネルギー比とを比較するために示したものである。
【図2】本開示に従って作製された、選択反射率特性を示す内部被覆層を有する処理チャンバの模式的な正面断面図である。
【図3】本明細書での教示に鑑みて有用な選択反射率特性を示すいくつかの選択した材料についての拡散反射度と波長の関係のグラフである。
【図4】本開示に従って作製された、所望のバルク材料特性を示すチャンバ壁構成を有する別の処理チャンバの模式的な正面断面図である。
【図5】本開示に従って作製された、所望の選択反射率特性を有するシート材料部材で内張りしたチャンバ壁構成を有する別の処理チャンバの模式的な正面断面図である。
【図6】本開示に従って作製された、チャンバ壁構成を有する別の処理チャンバの模式的な正面断面図であり、このチャンバ壁構成は、チャンバ壁から離間した少なくとも半透明な層を含み、それによってチャンバ壁と半透明層の間で流動性材料が受けられる。
【図7】本開示に従って作製された、ウィンドウ構成を含むチャンバを有する別の処理チャンバの模式的な正面断面図であり、このウィンドウ構成は、流動性材料層が支持されるように加熱構成と処理物体の間に介在する。
【図8】本開示に従って作製された、ウィンドウを含むチャンバを有する別の処理チャンバの模式的な正面断面図であり、このウィンドウは、加熱構成と処理物体の間に介在し、汚染されないように処理物体からフィルタ層を分離する働きをする被覆を有する。
【図9】2重層ウィンドウ構成の模式的な部分断面図であり、薄膜スタックの使用を示すためのものである。
【図10】本開示に従って作製された、外壁を有するチャンバ壁構成の一部の模式的な正面切断図であり、この外壁は、協働して所望のクロスオーバ波長を提供する第1および第2の層で被覆される。
【図11】未改変チャンバ内で実施するアニール加工のピーク幅の形での予測結果と、選択反射率が得られるようにランプ反射体プレートを構成した改変チャンバ内で実施する同じ加工についてのピーク幅とを比較するために示す温度と時間の関係のグラフである。
【図12】高温測定を最適化し、同時に、ウエハの加熱および冷却に関するシステムの性能を高めるのに用いる選択反射性の被覆または材料の理想化したスペクトル応答のグラフである。
【図13】図12に示すスペクトル応答を利用した上側および下側のランプアレイを有するシステムの模式的な正面図である。
【図14】上側および下側のランプアレイを有する別のシステムの模式的な正面図であり、このシステムでは、高温計に近いところでは高反射区域を用いるが、その他のところでは選択反射チャンバ内部を用いる。
【図15】高温計に入射する迷光を減少させることによって高温測定を最適化し、同時に、ウエハの加熱および冷却に関するシステムの性能を高めるのに用いる選択反射性の被覆または材料の理想化したスペクトル応答のグラフである。
【図16】選択反射チャンバ内部を用いる片側ウエハ加熱型システムの模式的な正面図である。
【図17】高温計に近いところでは高反射区域を用いるが、その他のところでは選択反射チャンバ内部を用い得る別の片側加熱型システムの模式的な正面図である。
【図18】高温測定結果が最適化されるように設計されたチャンバ底部の選択反射処理を利用する別の片側加熱型システムの模式的な正面図である。
【図19】図18に示すシステムのチャンバ底部を処理するのに適した、高温計波長で放射率を高める選択反射被覆の理想化したスペクトル応答と波長の関係のグラフである。
【図20】高温計に近いところでは高反射区域を用いるが、その他のところでは、例えば迷光が抑制されるように構成し得る選択反射チャンバ底部を用いる別の片側加熱型システムの模式的な正面図である。
【図21】チャンバ底部に向かって見たウエハを、チャンバ底部を観察する複数の高温計とともに示す模式的な平面図であり、加工均一性を高めるためにウエハを回転させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理物体を加工するシステムであって、前記処理物体は、当該処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる、処理物体温度での所与の放出スペクトルを有し、前記システムは、
前記処理物体の前記所与の放出スペクトルと異なる、熱源動作温度での熱源放出スペクトルを有する加熱構成放射エネルギーを用いて前記処理物体を加熱する加熱構成と、
処理チャンバ内で、前記加熱構成放射エネルギーの一部に前記処理物体を露出し、また、前記処理物体を支持するのに用いるチャンバ画定手段であって、前記加熱構成放射エネルギーの第1部分および前記処理物体放射エネルギーの第2部分が、前記チャンバ画定手段の一部を形成する壁構成に入射し、また、前記壁構成の少なくとも一部は、第1のやり方で前記壁構成の前記部分に入射する前記加熱構成放射エネルギーの前記第1部分の大部分に応答し、第2のやり方で前記壁構成の前記部分に入射する前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分の大部分に応答するようにするチャンバ画定手段と、
を具えたことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記壁構成の前記部分は、前記熱源放射エネルギーの前記大部分を反射することによって前記第1のやり方で応答し、前記処理物体放射エネルギーの前記大部分を吸収することによって前記第2のやり方で応答するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記チャンバ画定手段は、前記熱源放射エネルギーの前記第1部分に対して第1反射度スペクトルを示し、前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分に対して第2の異なる反射度スペクトルを示すことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記壁構成の前記部分は、前記熱源放射エネルギーのうち約75%よりも大きい部分を反射し、前記処理物体放射エネルギーのうち約75%よりも大きい部分を吸収することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記壁構成の前記部分は、前記熱源放射エネルギーの少なくとも60%を反射し、前記処理物体放射エネルギーの少なくとも60%を吸収することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
少なくとも前記壁構成の前記部分は、少なくとも前記第2のやり方で応答する材料からなる内側の層を含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記材料からなる内側の層の厚さは、1nmから1.5mmの範囲であることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記壁構成は、前記材料からなる内側の層を支持する金属壁構成を含むことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記金属壁はアルミニウムを含むことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記材料からなる内側の層は、酸化アルミニウムおよび二酸化チタンの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記材料からなる内側の層は、少なくとも1種の元素の酸化物を含むことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記内側の層の厚さは、約1nmから1.5mmの範囲であることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記材料からなる内側の層は、ポリマーを含むことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項14】
前記ポリマーは、前記第1のやり方および前記第2のやり方の少なくとも一方で、前記壁構成の前記応答に少なくとも部分的に寄与することを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記内側の層は、前記ポリマーとともにフィラーを含むことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記ポリマーは、選択反射率特性を有し、前記フィラーは、基部被覆材料としての前記ポリマーの前記選択反射率特性を改変することを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記フィラーは、酸化アルミニウム粒子、二酸化チタン粒子、ガラス粒子、およびガラスファイバの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記壁構成は、協働して内側周辺部を画定する1つまたは複数のチャンバ壁部材を含み、前記内側周辺部は、前記加熱構成放射エネルギーの前記第1部分を受け取り、かつ前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分を受け取る1つまたは複数のシート部材を支持し、その結果、前記シート部材は、その上に入射する前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分の前記大部分を吸収することによって少なくとも前記第2のやり方で応答することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項19】
前記壁構成は、協働して内側周辺部を画定する1つまたは複数のチャンバ壁部材を含み、前記内側周辺部は、前記加熱構成放射エネルギーの前記第1部分を受け取り、かつ前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分を受け取る1つまたは複数のシート部材を支持し、その結果、前記シート部材は、前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項20】
前記壁構成は、前記熱源放射エネルギーおよび前記処理物体放射エネルギーに流動性材料を露出するやり方で前記流動性材料の層を支持するように構成され、その結果、前記流動性材料は、前記第1のやり方および前記第2のやり方の少なくとも一方で応答することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項21】
前記壁構成は、(i)協働して内側周辺部を画定する1つまたは複数のチャンバ壁部材と、(ii)前記内側周辺部の少なくとも一部と前記基板との間で支持される透明壁部材とを含み、それによって、前記流動性材料が、前記透明壁部材を介して前記熱源放射エネルギーおよび前記処理物体放射エネルギーに露出されるように、前記内側周辺部の前記部分と前記透明壁部材との間で通路が画定されることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記流動性材料はさらに、前記チャンバ画定手段を冷却する働きをすることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記流動性材料は液体であることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記液体は水を含むことを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記液体は重水素で置換された水を含むことを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記液体は酸化重水素を含むことを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記流動性材料は気体状であることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項28】
前記壁構成は、前記処理物体に近づくように内向きに離間した外壁および内壁を含み、それによって、前記内壁と前記外壁の間で、前記流動性材料を受けるキャビティが画定され、前記流動性材料が前記キャビティ内で受けられることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項29】
前記内壁は、前記熱源放射エネルギーおよび前記処理物体放射エネルギーに実質的に透明であることを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記内壁は、前記熱源放射エネルギーに実質的に透明であり、前記処理物体放射エネルギーに実質的に不透明であることを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記壁構成は、前記熱源放射エネルギーの前記大部分を反射する少なくとも前記第1のやり方で応答する単層薄膜被覆および薄膜スタックの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項32】
前記壁構成は、内側の層が前記処理物体に最も近くなるように少なくとも2つの層で構成される積層構成を含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項33】
前記内側の層は、隣接する外向きの層に直接取り付けられることを特徴とする請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記隣接する層は、少なくとも前記加工中に前記処理物体に直接露出されることにより汚染物を生成し、前記内側の層は、前記汚染物が前記処理物体に到達することを妨げることを特徴とする請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記隣接する層は、前記第1のやり方および前記第2のやり方の両方で応答することを特徴とする請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記積層構成は、前記内側の層から外向きに離間した追加の層を含み、それによって、前記追加の層と前記内側の層の間に流体層を支持するキャビティが形成され、その結果、前記積層構成内で、前記流体層が第2層として働き、前記追加の層が第3層として働くことを特徴とする請求項32に記載のシステム。
【請求項37】
前記追加の層は、少なくとも前記加工中に前記処理物体に直接露出されることにより汚染物を生成し、前記内側の層は、前記汚染物が前記処理物体に到達することを妨げることを特徴とする請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記流体層は、前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答することを特徴とする請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記追加の層は、前記第1のやり方で応答し、前記流体層は、少なくとも前記第2のやり方で応答することを特徴とする請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
前記流体層は、前記処理物体に直接露出されることにより汚染物を生成し、前記内側の層は、前記汚染物が前記処理物体に到達することを妨げることを特徴とする請求項36に記載のシステム。
【請求項41】
前記積層構成は薄膜スタックを含むことを特徴とする請求項32に記載のシステム。
【請求項42】
前記薄膜スタックは、前記積層構成内で前記処理物体に最も近い前記内側の層として働き、前記薄膜スタックと協働して前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答する隣接する層によって支持されることを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記壁構成の前記部分は、波長の増加に伴って少なくとも反射率の全体的な減少をもたらし、前記減少は、前記処理物体の前記所与の放出スペクトルおよび前記加熱構成の前記熱源放出スペクトルと協働して、前記壁構成の前記部分が前記第1および第2のやり方で応答することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項44】
前記反射率の全体的な減少は主に、約1μmから10μmの範囲で生じることを特徴とする請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記反射率の全体的な減少は、少なくとも約2μmから3μmで生じることを特徴とする請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記壁構成は、1つまたは複数の壁部材を使用して形成され、各壁部材の全体的厚さは、前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項47】
前記壁部材は、不透明な石英およびアルミナの少なくとも一方から形成されることを特徴とする請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記壁構成は、前記第1および第2のやり方で応答する前記チャンバに少なくとも寄与する表面粗さを有する内側の表面構成を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項49】
前記チャンバ画定手段は、前記加熱構成と前記基板の間で支持されるウィンドウ構成を含み、その結果、前記加熱構成放射エネルギーの前記部分は、前記ウィンドウ構成を貫通して前記処理物体に到達し、前記処理物体放射エネルギーの一部は、前記ウィンドウ構成に入射することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項50】
前記ウィンドウ構成は、波長の増加に伴って少なくとも透過率の全体的な減少をもたらすことを特徴とする請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記透過率の全体的な減少は主に、約1μmから10μmの範囲で生じることを特徴とする請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記透過率の全体的な減少は、少なくとも約2μmから3μmで生じることを特徴とする請求項50に記載のシステム。
【請求項53】
前記ウィンドウ構成は、前記処理物体放射エネルギーの前記部分に、その大部分を吸収することによって前記第2のやり方で応答するように構成されることを特徴とする請求項49に記載のシステム。
【請求項54】
前記ウィンドウ構成は、その上に入射する前記処理物体放射エネルギーの前記部分を吸収することに少なくとも部分的に応答して前記システムの動作中にピーク温度に達し、その結果、前記ピーク温度は、前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分を吸収する前記壁構成の前記部分によって下がり、そのため、前記処理物体放射エネルギーの前記部分の強度が小さくなることを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記ウィンドウ構成は、その上に入射する前記処理物体放射エネルギーの大部分に少なくとも前記第2のやり方で応答するように構成された薄膜スタックを含むことを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項56】
前記ウィンドウ構成は、前記処理物体に向かう方向と、離れる方向のそれぞれ第1および第2の互いに反対側を向く主要表面を画定するウィンドウ層を含み、前記薄膜スタックは、前記第1および第2の主要表面の一方によって支持されることを特徴とする請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記ウィンドウ構成は、少なくとも2つの層を有する積層構成を含むことを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項58】
前記ウィンドウ構成は、前記熱源放射エネルギーの前記部分および前記処理物体放射エネルギーの前記部分に流動性材料を露出するやり方で、隣接する1対の前記層間で前記流動性材料の層を支持するように構成され、その結果、前記流動性材料は、少なくとも概ね前記第2のやり方で、前記ウィンドウ構成に入射する前記処理物体放射エネルギーの大部分に応答することを特徴とする請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
前記流動性材料はさらに、前記チャンバ画定手段を冷却する働きをすることを特徴とする請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記壁構成の前記部分は、前記壁構成によって画定される全表面積の約20%以上の被処理表面積を覆うことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項61】
処理物体を加工するシステムにおける方法であって、前記処理物体は、前記処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有し、前記方法は、
熱源動作温度において前記処理物体の前記所与の放出スペクトルと異なる熱源放出スペクトルを有する熱源放射エネルギーを利用して前記処理物体を加熱する加熱構成を提供することと、
チャンバ画定手段を使用して処理チャンバを画定することとを含み、前記チャンバ画定手段は、前記処理チャンバ内で、前記加熱構成の放射エネルギーの一部に前記処理物体を露出し、前記処理物体を支持するのに使用し、その結果、前記加熱構成放射エネルギーの第1部分および前記処理物体放射エネルギーの第2部分が、前記チャンバ画定手段の一部を形成する壁構成に入射し、前記方法はさらに、
前記壁構成の少なくとも一部を、第1のやり方で、前記壁構成の前記部分に入射する前記加熱構成放射エネルギーの前記第1部分の大部分に応答し、第2のやり方で、前記壁構成の前記部分に入射する前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分の大部分に応答するように構成することを含むことを特徴とする方法。
【請求項62】
前記壁構成の前記部分は、前記熱源放射エネルギーの前記大部分を反射することによって前記第1のやり方で応答し、前記処理物体放射エネルギーの前記大部分を吸収することによって前記第2のやり方で応答するように構成されることを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記チャンバ画定手段は、前記熱源放射エネルギーの前記第1部分に対して第1反射率スペクトルを示し、前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分に対して第2の異なる反射率プロフィールを示すように構成されることを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記壁構成の前記部分は、前記熱源放射エネルギーのうち約75%よりも大きい部分を反射し、前記処理物体放射エネルギーのうち約75%よりも大きい部分を吸収することを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記壁構成の前記部分は、前記熱源放射エネルギーの少なくとも60%を反射し、前記処理物体放射エネルギーの少なくとも60%を吸収することを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項66】
少なくとも前記壁構成の前記部分について、少なくとも前記第2のやり方で応答する材料からなる内側の層で前記処理チャンバを形成するステップを含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項67】
前記材料からなる内側の層の厚さは、1nmから1.5mmの範囲であることを特徴とする請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
金属壁構成を使用して前記壁構成を形成するステップと、前記金属壁構成によって前記材料からなる内側の層を支持するステップとを含むことを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記金属壁はアルミニウムを含んで形成されることを特徴とする請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記材料からなる内側の層は、酸化アルミニウムおよび二酸化チタンの少なくとも一方を含んで形成されることを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記材料からなる内側の層は、少なくとも1種の元素の酸化物を含むことを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項72】
前記内側の層は、約1nmから1.5mmの範囲の厚さで構成されることを特徴とする請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記被覆材料からなる内側の層は、ポリマーを含むことを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項74】
前記ポリマーを使用して、前記第1のやり方および前記第2のやり方の少なくとも一方で、前記壁構成の前記応答に少なくとも部分的に寄与するステップを含むことを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項75】
前記ポリマーとともに前記内側の層の一部としてフィラーを使用するステップを含むことを特徴とする請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記フィラーは、基部被覆材料としての前記ポリマーの選択反射率を改変することを特徴とする請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記フィラー内に、酸化アルミニウム粒子、二酸化チタン粒子、ガラス粒子、およびガラスファイバの少なくとも1種を提供するステップを含むことを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記壁構成は、協働して内側周辺部を画定する1つまたは複数のチャンバ壁部材を使用して形成され、前記方法は、前記内側周辺部によって1つまたは複数のシート部材を支持して前記チャンバ画定手段の内面を形成し、その結果、前記シート部材は、その上に入射する前記処理物体放射エネルギーの前記第1部分の前記大部分を吸収することによって、少なくとも前記第2のやり方で応答するステップを含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項79】
前記壁構成は、協働して内側周辺部を画定する1つまたは複数のチャンバ壁部材を使用して構成され、前記方法は、前記内側周辺部を使用して、前記加熱構成放射エネルギーの前記第1部分を受け取り、かつ前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分を受け取る1つまたは複数のシート部材を支持し、その結果、前記シート部材は、前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答するステップを含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項80】
前記壁構成は、前記熱源放射エネルギーおよび前記処理物体放射エネルギーに流動性材料を露出するやり方で前記流動性材料の層を支持するように構成され、その結果、前記流動性材料は、前記第1のやり方および前記第2のやり方の少なくとも一方で応答することを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項81】
前記壁構成は、協働して内側周辺部を画定する1つまたは複数のチャンバ壁部材を含み、前記方法は、前記内側周辺部の少なくとも一部と前記基板との間で透明壁部材を支持し、それによって、前記流動性材料が、前記透明壁部材を介して前記熱源放射エネルギーおよび前記処理物体放射エネルギーに露出されるように、前記内側周辺部の前記部分と前記透明壁部材の間とで通路が画定されるステップを含むことを特徴とする請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記流動性材料の前記層を使用して、前記チャンバ画定手段を冷却するステップを含むことを特徴とする請求項80に記載の方法。
【請求項83】
前記流動性材料として液体を使用するステップを含むことを特徴とする請求項80に記載の方法。
【請求項84】
前記液体の少なくとも一部として水を使用するステップを含むことを特徴とする請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記液体の少なくとも一部として重水素で置換された水を使用するステップを含むことを特徴とする請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記液体中で酸化重水素を使用するステップを含むことを特徴とする請求項83に記載の方法。
【請求項87】
前記流動性材料として気体を使用するステップを含むことを特徴とする請求項80に記載の方法。
【請求項88】
前記処理物体に近づくように内向きに離間した外壁および内壁を含むように前記壁構成を形成し、それによって、前記内壁と前記外壁の間で、前記流動性材料を受けるキャビティが画定されるステップと、前記流動性材料が前記キャビティ内で受け取られるステップとを含むことを特徴とする請求項80に記載の方法。
【請求項89】
前記熱源放射エネルギーおよび前記処理物体放射エネルギーに実質的に透明であるように前記内壁を選択するステップを含むことを特徴とする請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記熱源放射エネルギーに実質的に透明であり、前記処理物体放射エネルギーに実質的に不透明であるように前記内壁を選択するステップを含むことを特徴とする請求項88に記載の方法。
【請求項91】
前記壁構成の一部として、前記熱源放射エネルギーの前記大部分を反射する少なくとも前記第1のやり方で応答する単層薄膜被覆および薄膜スタックの少なくとも一方を形成するステップを含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項92】
内側の層が前記処理物体に最も近くなるように少なくとも2つの層で形成される積層構成を含むように前記チャンバ画定手段を形成するステップを含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項93】
隣接する外向きの層に前記内側の層を直接取り付けるステップを含むことを特徴とする請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記隣接する層は、少なくとも前記加工中に前記処理物体に直接露出されることにより汚染物を生成し、前記内側の層は、前記汚染物が前記処理物体に到達することを妨げることを特徴とする請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記第1のやり方および前記第2のやり方の両方で応答するように前記隣接する層を選択するステップを含むことを特徴とする請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記積層構成の一部として、前記内側の層から外向きに離間した追加の層を設け、それによって、前記追加の層と前記内側の層の間に流体層を支持するキャビティが形成され、その結果、前記積層構成内で、前記流体層が第2層として働き、前記追加の層が第3層として働くステップを含むことを特徴とする請求項92に記載の方法。
【請求項97】
前記追加の層は、少なくとも前記加工中に前記処理物体に直接露出されることにより汚染物を生成し、前記方法は、前記汚染物が前記処理物体に到達することを妨げるように前記内側の層を選択するステップを含むことを特徴とする請求項96に記載の方法システム。
【請求項98】
前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答するように前記流体層を選択するステップを含むことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項99】
前記追加の層は、前記第1のやり方で応答するように選択され、前記流体層は、少なくとも前記第2のやり方で応答するように選択されることを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項100】
前記流体層は、前記処理物体に直接露出されることにより汚染物を生成し、前記方法は、前記汚染物が前記処理物体に到達することを妨げるように前記内側の層を選択するステップを含むことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項101】
前記積層構成の少なくとも一部として薄膜スタックを形成するステップ含むことを特徴とする請求項92に記載の方法。
【請求項102】
前記積層構成内で前記処理物体に最も近い前記内側の層として働く前記薄膜スタックを形成するステップと、前記一連の薄膜被覆と協働して前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答する隣接する層を使用して前記薄膜スタックを支持するステップとを含むことを特徴とする請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、波長の増加に伴って少なくとも反射率の全体的な減少をもたらすように構成され、前記減少は、前記処理物体の前記所与の放出スペクトルおよび前記加熱構成の前記熱源放出スペクトルと協働して、前記チャンバ手段が前記第1および第2のやり方で応答することを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項104】
前記拡散反射率の全体的な減少は主に、約1μmから10μmの範囲で生じることを特徴とする請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記拡散反射率の全体的な減少は、少なくとも約2μmから3μmで生じることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項106】
1つまたは複数の壁部材を使用して前記壁構成を形成するステップを含み、各壁部材の全体的厚さは、前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答することを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項107】
不透明な石英およびアルミナの少なくとも一方を使用して前記壁部材を形成するステップを含むことを特徴とする請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記壁構成は内側の表面構成を含み、前記方法は、前記第1および第2のやり方で応答する前記チャンバに少なくとも寄与する表面粗さを形成するステップを含むことを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項109】
前記加熱構成と前記基板の間でウィンドウ構成を支持し、その結果、前記加熱構成放射エネルギーの前記部分は、前記ウィンドウ構成を貫通して前記処理物体に到達し、前記処理物体放射エネルギーの一部は、前記ウィンドウ構成に入射するステップを含むことを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項110】
前記ウィンドウ構成は、その上に入射する前記処理物体放射エネルギーの前記部分を吸収することに少なくとも部分的に応答して前記システムの動作中にピーク温度に達し、その結果、前記ピーク温度は、前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分を吸収する前記壁構成の前記部分によって下がり、そのため、前記処理物体放射エネルギーの前記部分の強度が小さくなることを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記ウィンドウ構成は、波長の増加に伴って少なくとも反射率の全体的な減少をもたらすように構成されることを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項112】
前記ウィンドウ構成は、波長の増加に伴って少なくとも透過率の全体的な減少をもたらすように選択されることを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項113】
前記透過率の全体的な減少は主に、約1μmから10μmの範囲で生じることを特徴とする請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記透過率の全体的な減少は、少なくとも約2μmから3μmで生じることを特徴とする請求項112に記載の方法。
【請求項115】
前記処理物体放射エネルギーの前記部分に、その大部分を吸収することによって前記第2のやり方で応答するように前記ウィンドウ構成を構成することを含むことを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項116】
前記ウィンドウ構成の一部として、前記ウィンドウ構成に入射する前記処理物体放射エネルギーの大部分に少なくとも前記第2のやり方で応答するように構成された薄膜スタックを形成することを含むことを特徴とする請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記ウィンドウ構成は、前記処理物体に向かう方向と、離れる方向のそれぞれ第1および第2の互いに反対側を向く主要表面を画定するウィンドウ層で構成され、前記方法は、前記第1および第2の主要表面の一方を使用して前記薄膜スタックを支持することを含むことを特徴とする請求項116に記載のシステムの方法。
【請求項118】
積層構成を使用して、少なくとも2つの層を有する前記ウィンドウ構成を形成するステップを含むことを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項119】
前記ウィンドウ構成は、前記熱源放射エネルギーおよび前記処理物体放射エネルギーに流動性材料を露出するやり方で、隣接する1対の前記層間で前記流動性材料の層を支持するように構成され、その結果、前記流動性材料は、少なくとも概ね前記第2のやり方で、前記ウィンドウ構成に入射する前記処理物体放射エネルギーの大部分に応答することを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記流動性材料はさらに、前記チャンバ画定手段を冷却する働きをすることを特徴とする請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記壁構成の前記部分は、前記壁構成によって画定される全表面積の約20%以上の被処理表面積を覆うことを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項122】
処理物体を加工するシステムで使用するために、前記システムは、前記処理物体を受け取り、加工中に前記処理物体を支持するための未改変チャンバ構成とともに使用可能であり、前記未改変チャンバ構成では、その中で加熱された後で、前記処理物体の所与の最大冷却速度が得られ、前記未改変チャンバ構成の代替形態として、前記システム内で使用可能な改変チャンバ構成であって、
チャンバ画定手段を備え、前記チャンバ画定手段は、その中で前記処理物体を支持し、前記所与の最大冷却速度よりも速い改変された最大冷却速度を提供するのに使用されるように構成されることを特徴とする改変チャンバ構成。
【請求項123】
前記所与の加熱構成は、動作温度で加熱構成放出スペクトルを示し、前記処理物体は、処理物体温度に加熱されて、前記加熱構成放出スペクトルと異なる処理物体放出スペクトルを示し、前記チャンバ画定手段は、第1のやり方で前記加熱構放出スペクトルに応答し、第2のやり方で前記処理物体放出スペクトルに応答し、それによって前記改変された最大冷却速度が得られるように構成されることを特徴とする請求項122に記載の改変チャンバ構成。
【請求項124】
前記チャンバ画定手段は、前記第1および第2のやり方で応答する選択反射率で構成された内側周辺部を含むことを特徴とする請求項123に記載の改変チャンバ構成。
【請求項125】
前記内側周辺部は、少なくとも1種の元素の酸化物を含む内側の層で画定されることを特徴とする請求項124に記載の改変チャンバ構成。
【請求項126】
前記内側の層は、酸化アルミニウムおよび二酸化チタンの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項125に記載の改変チャンバ構成。
【請求項127】
前記内側の層の厚さは、約1nmから1.5mmの範囲であることを特徴とする請求項125に記載の改変チャンバ構成。
【請求項128】
前記未改変チャンバ構成は、前記処理物体と協働して、前記処理物体からの所与の熱損失効率を生成し、前記チャンバ画定手段は、前記処理物体とともに使用されると、前記改変されていない熱損失効率よりも大きい改変された熱損失効率を生成することを特徴とする請求項122に記載の改変チャンバ構成。
【請求項129】
処理物体を加工するシステムで使用するために、前記システムは、前記処理物体を受け取り、加工中に前記処理物体を支持するための未改変チャンバ構成とともに使用可能であり、前記未改変チャンバ構成では、その中で加熱された後で、前記処理物体の所与の最大冷却速度が得られる方法であって、
改変されたチャンバ画定手段を構成することを含み、前記改変されたチャンバ画定手段は、その中で前記処理物体を支持し、前記所与の最大冷却速度よりも速い前記処理物体の改変された最大冷却速度を提供するのに使用されることを特徴とする方法。
【請求項130】
前記所与の加熱構成は、動作温度で加熱構成放出スペクトルを示し、前記処理物体は、前記加工中に処理物体温度に加熱されて、前記加熱構成放出スペクトルと異なる処理物体放出スペクトルを示し、前記チャンバ画定手段は、第1のやり方で前記加熱構放出スペクトルに応答し、第2のやり方で前記処理物体放出スペクトルに応答し、それによって前記改変された最大冷却速度が得られるように構成されることを特徴とする請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答する選択反射プロフィールで構成された少なくとも内側の層を有する前記チャンバ画定手段の内側周辺部を形成するステップを含むことを特徴とする請求項130に記載の方法。
【請求項132】
酸化アルミニウムおよび二酸化チタンの少なくとも一方を使用して前記内側の層を形成するステップを含むことを特徴とする請求項131に記載の方法。
【請求項133】
前記内側の層は、約1nmから1.5mmの厚さを有するように形成されることを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項134】
前記未改変チャンバ構成は、前記処理物体と協働して、前記処理物体からの所与の熱損失効率を生成し、前記方法は、前記チャンバ画定手段を使用して、前記改変されていない熱損失効率よりも大きい改変された熱損失効率を生成するステップを含むことを特徴とする請求項129に記載の方法。
【請求項135】
処理物体を加工するシステムであって、前記処理物体は、前記処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有し、前記システムは、
熱源動作温度において前記処理物体の前記所与の放出スペクトルと異なる熱源放出スペクトルを有する熱源放射エネルギーを利用して前記処理物体を加熱する加熱構成と、
処理チャンバ内で、前記加熱構成の放射エネルギーの一部に前記処理物体を露出し、前記処理物体を支持するのに使用するチャンバ画定手段とを備え、その結果、前記加熱構成放射エネルギーの第1部分および前記処理物体放射エネルギーの第2部分が、前記チャンバ画定手段の一部を形成する壁構成に入射し、前記壁構成の少なくとも一部は、選択反射率で、前記加熱構成放射エネルギーの前記第1部分および前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分に応答するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項136】
処理物体を加工するシステムにおいて、前記処理物体は、前記処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する方法であって、
熱源放射エネルギー、および熱源動作温度において前記処理物体の前記所与の放出スペクトルと異なる熱源放出スペクトルを有する加熱構成を使用して前記処理物体を加熱することと、
チャンバ画定手段によって画定される処理チャンバ内で、前記加熱構成放射エネルギーの一部に前記処理物体を露出し、前記処理物体を支持することとを含み、前記加熱構成放射エネルギーの第1部分および前記処理物体放射エネルギーの第2部分は、前記チャンバ画定手段の一部を形成する壁構成に入射し、前記方法はさらに、
選択反射率で、前記加熱構成放射エネルギーの前記第1部分および前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分に応答するように前記壁構成を構成することを含むことを特徴とする方法。
【請求項137】
処理物体を加工するシステムであって、前記処理物体は、前記処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有し、前記システムは、
熱源動作温度において前記処理物体の前記所与の放出スペクトルと異なる熱源放出スペクトルを有する加熱構成放射エネルギーを利用して前記処理物体を加熱する加熱構成と、
感知波長において前記処理物体放射エネルギーを感知する感知手段と、
処理チャンバ内で、前記加熱構成放射エネルギーの一部に前記処理物体を露出し、前記処理物体を支持するチャンバ画定手段とを備え、前記チャンバ画定手段の少なくとも一部は、同時に、(i)第1のやり方で、前記チャンバ画定手段の少なくとも一部に入射する前記加熱構成放射エネルギーの大部分に応答し、(ii)第2のやり方で、前記チャンバ画定手段の少なくとも一部に入射する前記処理物体放射エネルギーの大部分に応答し、(iii)前記感知波長において第3のやり方で応答するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項138】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、その上に入射する前記感知波長の前記大部分を反射するか、または吸収するように構成されることを特徴とする請求項137に記載のシステム。
【請求項139】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、前記熱源放射エネルギーの前記大部分を反射することによって前記第1のやり方で応答し、前記処理物体放射エネルギーの前記大部分を吸収することによって前記第2のやり方で応答するように構成されることを特徴とする請求項138に記載のシステム。
【請求項140】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、その上に入射する前記感知波長の前記大部分を反射するように構成されることを特徴とする請求項137に記載のシステム。
【請求項141】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、前記熱源放射エネルギーの前記大部分を反射することによって前記第1のやり方で応答し、前記処理物体放射エネルギーの前記大部分を吸収することによって前記第2のやり方で応答するように構成されることを特徴とする請求項140に記載のシステム。
【請求項142】
処理物体を加工するシステムにおいて、前記処理物体は、前記処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する方法であって、
熱源動作温度において前記処理物体の前記所与の放出スペクトルと異なる熱源放出スペクトルを有する加熱構成放射エネルギーを利用して前記処理物体を加熱することと、
感知波長において前記処理物体放射エネルギーを感知することと、
処理チャンバ内で、前記加熱構成放射エネルギーの一部に前記処理物体を露出し、前記処理物体を支持するチャンバ画定手段を構成することとを含み、前記チャンバ画定手段の少なくとも一部は、同時に、(i)第1のやり方で、前記チャンバ画定手段の少なくとも一部に入射する前記加熱構成放射エネルギーの大部分に応答し、(ii)第2のやり方で、前記チャンバ画定手段の少なくとも一部に入射する前記処理物体放射エネルギーの大部分に応答し、(iii)前記感知波長において第3のやり方で応答するように構成されることを特徴とする方法。
【請求項143】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、その上に入射する前記感知波長の前記大部分を反射するか、または吸収するように構成されることを特徴とする請求項142に記載の方法。
【請求項144】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、前記熱源放射エネルギーの前記大部分を反射することによって前記第1のやり方で応答し、前記処理物体放射エネルギーの前記大部分を吸収することによって前記第2のやり方で応答するように構成されることを特徴とする請求項143に記載の方法。
【請求項145】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、その上に入射する前記感知波長の前記大部分を反射するように構成されることを特徴とする請求項142に記載の方法。
【請求項146】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、前記熱源放射エネルギーの前記大部分を反射することによって前記第1のやり方で応答し、前記処理物体放射エネルギーの前記大部分を吸収することによって前記第2のやり方で応答するように構成されることを特徴とする請求項145に記載の方法。
【請求項147】
処理物体を加工するシステムであって、前記処理物体は、前記処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有し、前記システムは、
熱源動作温度において前記処理物体の前記所与の放出スペクトルと異なる熱源放出スペクトルを有する加熱構成放射エネルギーを利用して前記処理物体を加熱する加熱構成と、
感知波長において、前記処理物体から放出された前記処理物体放射エネルギーを感知する感知手段と、
処理チャンバ内で、前記加熱構成放射エネルギーに前記処理物体を露出し、前記処理物体を支持するチャンバ画定手段とを備え、前記チャンバ画定手段の少なくとも第1部分は、その上に入射する前記感知波長の大部分を反射するように構成され、前記チャンバ画定手段の第2の異なる部分は、その上に入射する前記感知波長の大部分を選択的に吸収するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項148】
前記第1部分は、その上に入射する前記感知波長の前記大部分を選択的に反射するように構成されることを特徴とする請求項147に記載のシステム。
【請求項149】
前記処理物体は、第1および第2の互いに反対側を向く主要表面を画定し、前記加熱構成は、前記処理物体の前記第1主要表面にだけ向かい合い、それを直接加熱し、前記チャンバ画定手段の前記第1および第2の部分は、前記加熱構成および前記処理物体の前記第2主要表面に向かい合うチャンバ表面の異なる部分を構成することを特徴とする請求項147に記載のシステム。
【請求項150】
前記感知手段は、前記チャンバ画定手段の前記第1部分から感知することを特徴とする請求項149に記載のシステム。
【請求項151】
前記感知手段は、少なくとも近似的に、前記チャンバ画定手段の前記第1部分の中心位置から感知することを特徴とする請求項150に記載のシステム。
【請求項152】
前記感知手段は、前記処理物体の前記第2主要表面に直接向かい合うことを特徴とする請求項150に記載のシステム。
【請求項153】
処理物体を加工するシステムにおいて、前記処理物体は、前記処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する方法であって、
熱源動作温度において前記処理物体の前記所与の放出スペクトルと異なる熱源放出スペクトルを有する加熱構成放射エネルギーを生成する加熱構成を使用して前記処理物体を加熱することと、
感知波長において、前記処理物体から放出された前記処理物体放射エネルギーを感知する感知手段を提供することと、
処理チャンバ内で、前記加熱構成放射エネルギーに前記処理物体を露出し、前記処理物体を支持するチャンバ画定手段を構成することとを含み、前記チャンバ画定手段の少なくとも第1部分は、その上に入射する前記感知波長の大部分を反射するように構成され、前記チャンバ画定手段の第2の異なる部分は、その上に入射する前記感知波長の大部分を選択的に吸収するように構成されることを特徴とする方法。
【請求項154】
前記第1部分は、その上に入射する前記感知波長の前記大部分を選択的に反射するように構成されることを特徴とする請求項153に記載の方法。
【請求項155】
前記処理物体は、第1および第2の互いに反対側を向く主要表面を画定するように形成され、前記加熱構成は、前記処理物体の前記第1主要表面にだけ向かい合い、それを直接加熱し、前記チャンバ画定手段の前記第1および第2の部分は、前記加熱構成および前記処理物体の前記第2主要表面に向かい合うチャンバ表面の異なる部分を形成するように構成されることを特徴とする請求項153に記載の方法。
【請求項156】
前記チャンバ画定手段の前記第1部分から感知するように前記感知手段を配置することを含むことを特徴とする請求項155に記載の方法。
【請求項157】
前記感知手段は、少なくとも近似的に、前記チャンバ画定手段の前記第1部分の中心位置から感知するように配置されることを特徴とする請求項156に記載の方法。
【請求項158】
前記感知手段は、前記処理物体の前記第2主要表面に直接向かい合うように配置されることを特徴とする請求項156に記載の方法。
【請求項159】
処理物体を加工するシステムであって、
加熱構成放射エネルギーを利用して前記処理物体を加熱する加熱構成と、
チャンバ画定手段とを備え、前記チャンバ画定手段は、その中の前記処理物体を前記加熱構成放射エネルギーの一部に露出し、前記加熱構成放射エネルギーの別の部分は、前記チャンバ画定手段に入射し、その結果、前記チャンバ画定手段内に全放射エネルギーが存在し、前記チャンバ画定手段は、前記加熱構成と前記処理物体の間に、不透明になり始める波長よりも長い波長で少なくとも近似的に不透明なウィンドウを含み、前記チャンバ画定手段の少なくとも一部は選択反射構成を含み、前記選択反射構成は、第1のやり方で、前記選択反射構成に入射する、前記不透明になり始める波長よりも短い波長の前記全放射エネルギーの大部分に応答し、第2のやり方で、前記選択反射構成に入射する、前記不透明になり始める波長よりも長い波長の前記全放射エネルギーの大部分に応答することを特徴とするシステム。
【請求項160】
前記選択反射構成は、前記選択反射構成に入射する、前記不透明になり始める波長よりも短い波長を有する前記全放射エネルギーの前記大部分を反射することによって前記第1のやり方で応答し、前記選択反射構成に入射する、前記不透明になり始める波長よりも長い波長を有する前記全放射エネルギーの大部分を吸収することによって応答することを特徴とする請求項159に記載のシステム。
【請求項161】
前記選択反射構成は、少なくとも部分的に、前記不透明になり始める波長に基づくクロスオーバ波長で構成されることを特徴とする請求項159に記載のシステム。
【請求項162】
前記ウィンドウは石英を使用して形成され、前記選択反射構成は、約3.7μmのクロスオーバ波長を有することを特徴とする請求項159に記載のシステム。
【請求項163】
処理物体を加工するシステムにおける方法であって、
処理物体を加熱する加熱構成を提供することと、
チャンバ画定手段を構成することとを含み、前記チャンバ画定手段は、その中の前記処理物体を前記加熱構成の放射エネルギーの一部に露出し、前記加熱構成放射エネルギーの別の部分は、前記チャンバ画定手段に入射し、その結果、前記チャンバ画定手段内に全放射エネルギーが存在し、前記チャンバ画定手段は、前記加熱構成と前記処理物体の間に、不透明になり始める波長よりも長い波長で少なくとも近似的に不透明なウィンドウを含み、前記チャンバ画定手段の少なくとも一部は選択反射構成を含み、前記選択反射構成は、第1のやり方で、前記選択反射構成に入射する、前記不透明になり始める波長よりも短い波長の前記全放射エネルギーの大部分に応答し、第2のやり方で、前記選択反射構成に入射する、前記不透明になり始める波長よりも長い波長の前記全放射エネルギーの大部分に応答することを特徴とする方法。
【請求項164】
前記選択反射構成は、前記選択反射構成に入射する、前記不透明になり始める波長よりも短い波長を有する前記全放射エネルギーの前記大部分を反射することによって前記第1のやり方で応答し、前記選択反射構成に入射する、前記不透明になり始める波長よりも長い波長を有する前記全放射エネルギーのわずかな部分を反射することによって応答することを特徴とする請求項163に記載の方法。
【請求項165】
少なくとも部分的に、前記不透明になり始める波長に基づくクロスオーバ波長で前記選択反射構成を構成することを含むことを特徴とする請求項163に記載の方法。
【請求項166】
前記ウィンドウは石英を使用して形成され、前記方法は、約3.7μmのクロスオーバ波長で前記選択反射構成を構成することを含むことを特徴とする請求項163に記載の方法。
【請求項1】
処理物体を加工するシステムであって、前記処理物体は、当該処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる、処理物体温度での所与の放出スペクトルを有し、前記システムは、
前記処理物体の前記所与の放出スペクトルと異なる、熱源動作温度での熱源放出スペクトルを有する加熱構成放射エネルギーを用いて前記処理物体を加熱する加熱構成と、
処理チャンバ内で、前記加熱構成放射エネルギーの一部に前記処理物体を露出し、また、前記処理物体を支持するのに用いるチャンバ画定手段であって、前記加熱構成放射エネルギーの第1部分および前記処理物体放射エネルギーの第2部分が、前記チャンバ画定手段の一部を形成する壁構成に入射し、また、前記壁構成の少なくとも一部は、第1のやり方で前記壁構成の前記部分に入射する前記加熱構成放射エネルギーの前記第1部分の大部分に応答し、第2のやり方で前記壁構成の前記部分に入射する前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分の大部分に応答するようにするチャンバ画定手段と、
を具えたことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記壁構成の前記部分は、前記熱源放射エネルギーの前記大部分を反射することによって前記第1のやり方で応答し、前記処理物体放射エネルギーの前記大部分を吸収することによって前記第2のやり方で応答するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記チャンバ画定手段は、前記熱源放射エネルギーの前記第1部分に対して第1反射度スペクトルを示し、前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分に対して第2の異なる反射度スペクトルを示すことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記壁構成の前記部分は、前記熱源放射エネルギーのうち約75%よりも大きい部分を反射し、前記処理物体放射エネルギーのうち約75%よりも大きい部分を吸収することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記壁構成の前記部分は、前記熱源放射エネルギーの少なくとも60%を反射し、前記処理物体放射エネルギーの少なくとも60%を吸収することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
少なくとも前記壁構成の前記部分は、少なくとも前記第2のやり方で応答する材料からなる内側の層を含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記材料からなる内側の層の厚さは、1nmから1.5mmの範囲であることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記壁構成は、前記材料からなる内側の層を支持する金属壁構成を含むことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記金属壁はアルミニウムを含むことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記材料からなる内側の層は、酸化アルミニウムおよび二酸化チタンの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記材料からなる内側の層は、少なくとも1種の元素の酸化物を含むことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記内側の層の厚さは、約1nmから1.5mmの範囲であることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記材料からなる内側の層は、ポリマーを含むことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項14】
前記ポリマーは、前記第1のやり方および前記第2のやり方の少なくとも一方で、前記壁構成の前記応答に少なくとも部分的に寄与することを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記内側の層は、前記ポリマーとともにフィラーを含むことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記ポリマーは、選択反射率特性を有し、前記フィラーは、基部被覆材料としての前記ポリマーの前記選択反射率特性を改変することを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記フィラーは、酸化アルミニウム粒子、二酸化チタン粒子、ガラス粒子、およびガラスファイバの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記壁構成は、協働して内側周辺部を画定する1つまたは複数のチャンバ壁部材を含み、前記内側周辺部は、前記加熱構成放射エネルギーの前記第1部分を受け取り、かつ前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分を受け取る1つまたは複数のシート部材を支持し、その結果、前記シート部材は、その上に入射する前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分の前記大部分を吸収することによって少なくとも前記第2のやり方で応答することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項19】
前記壁構成は、協働して内側周辺部を画定する1つまたは複数のチャンバ壁部材を含み、前記内側周辺部は、前記加熱構成放射エネルギーの前記第1部分を受け取り、かつ前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分を受け取る1つまたは複数のシート部材を支持し、その結果、前記シート部材は、前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項20】
前記壁構成は、前記熱源放射エネルギーおよび前記処理物体放射エネルギーに流動性材料を露出するやり方で前記流動性材料の層を支持するように構成され、その結果、前記流動性材料は、前記第1のやり方および前記第2のやり方の少なくとも一方で応答することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項21】
前記壁構成は、(i)協働して内側周辺部を画定する1つまたは複数のチャンバ壁部材と、(ii)前記内側周辺部の少なくとも一部と前記基板との間で支持される透明壁部材とを含み、それによって、前記流動性材料が、前記透明壁部材を介して前記熱源放射エネルギーおよび前記処理物体放射エネルギーに露出されるように、前記内側周辺部の前記部分と前記透明壁部材との間で通路が画定されることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記流動性材料はさらに、前記チャンバ画定手段を冷却する働きをすることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記流動性材料は液体であることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記液体は水を含むことを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記液体は重水素で置換された水を含むことを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記液体は酸化重水素を含むことを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記流動性材料は気体状であることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項28】
前記壁構成は、前記処理物体に近づくように内向きに離間した外壁および内壁を含み、それによって、前記内壁と前記外壁の間で、前記流動性材料を受けるキャビティが画定され、前記流動性材料が前記キャビティ内で受けられることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項29】
前記内壁は、前記熱源放射エネルギーおよび前記処理物体放射エネルギーに実質的に透明であることを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記内壁は、前記熱源放射エネルギーに実質的に透明であり、前記処理物体放射エネルギーに実質的に不透明であることを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記壁構成は、前記熱源放射エネルギーの前記大部分を反射する少なくとも前記第1のやり方で応答する単層薄膜被覆および薄膜スタックの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項32】
前記壁構成は、内側の層が前記処理物体に最も近くなるように少なくとも2つの層で構成される積層構成を含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項33】
前記内側の層は、隣接する外向きの層に直接取り付けられることを特徴とする請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記隣接する層は、少なくとも前記加工中に前記処理物体に直接露出されることにより汚染物を生成し、前記内側の層は、前記汚染物が前記処理物体に到達することを妨げることを特徴とする請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記隣接する層は、前記第1のやり方および前記第2のやり方の両方で応答することを特徴とする請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記積層構成は、前記内側の層から外向きに離間した追加の層を含み、それによって、前記追加の層と前記内側の層の間に流体層を支持するキャビティが形成され、その結果、前記積層構成内で、前記流体層が第2層として働き、前記追加の層が第3層として働くことを特徴とする請求項32に記載のシステム。
【請求項37】
前記追加の層は、少なくとも前記加工中に前記処理物体に直接露出されることにより汚染物を生成し、前記内側の層は、前記汚染物が前記処理物体に到達することを妨げることを特徴とする請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記流体層は、前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答することを特徴とする請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記追加の層は、前記第1のやり方で応答し、前記流体層は、少なくとも前記第2のやり方で応答することを特徴とする請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
前記流体層は、前記処理物体に直接露出されることにより汚染物を生成し、前記内側の層は、前記汚染物が前記処理物体に到達することを妨げることを特徴とする請求項36に記載のシステム。
【請求項41】
前記積層構成は薄膜スタックを含むことを特徴とする請求項32に記載のシステム。
【請求項42】
前記薄膜スタックは、前記積層構成内で前記処理物体に最も近い前記内側の層として働き、前記薄膜スタックと協働して前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答する隣接する層によって支持されることを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記壁構成の前記部分は、波長の増加に伴って少なくとも反射率の全体的な減少をもたらし、前記減少は、前記処理物体の前記所与の放出スペクトルおよび前記加熱構成の前記熱源放出スペクトルと協働して、前記壁構成の前記部分が前記第1および第2のやり方で応答することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項44】
前記反射率の全体的な減少は主に、約1μmから10μmの範囲で生じることを特徴とする請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記反射率の全体的な減少は、少なくとも約2μmから3μmで生じることを特徴とする請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記壁構成は、1つまたは複数の壁部材を使用して形成され、各壁部材の全体的厚さは、前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項47】
前記壁部材は、不透明な石英およびアルミナの少なくとも一方から形成されることを特徴とする請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記壁構成は、前記第1および第2のやり方で応答する前記チャンバに少なくとも寄与する表面粗さを有する内側の表面構成を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項49】
前記チャンバ画定手段は、前記加熱構成と前記基板の間で支持されるウィンドウ構成を含み、その結果、前記加熱構成放射エネルギーの前記部分は、前記ウィンドウ構成を貫通して前記処理物体に到達し、前記処理物体放射エネルギーの一部は、前記ウィンドウ構成に入射することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項50】
前記ウィンドウ構成は、波長の増加に伴って少なくとも透過率の全体的な減少をもたらすことを特徴とする請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記透過率の全体的な減少は主に、約1μmから10μmの範囲で生じることを特徴とする請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記透過率の全体的な減少は、少なくとも約2μmから3μmで生じることを特徴とする請求項50に記載のシステム。
【請求項53】
前記ウィンドウ構成は、前記処理物体放射エネルギーの前記部分に、その大部分を吸収することによって前記第2のやり方で応答するように構成されることを特徴とする請求項49に記載のシステム。
【請求項54】
前記ウィンドウ構成は、その上に入射する前記処理物体放射エネルギーの前記部分を吸収することに少なくとも部分的に応答して前記システムの動作中にピーク温度に達し、その結果、前記ピーク温度は、前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分を吸収する前記壁構成の前記部分によって下がり、そのため、前記処理物体放射エネルギーの前記部分の強度が小さくなることを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記ウィンドウ構成は、その上に入射する前記処理物体放射エネルギーの大部分に少なくとも前記第2のやり方で応答するように構成された薄膜スタックを含むことを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項56】
前記ウィンドウ構成は、前記処理物体に向かう方向と、離れる方向のそれぞれ第1および第2の互いに反対側を向く主要表面を画定するウィンドウ層を含み、前記薄膜スタックは、前記第1および第2の主要表面の一方によって支持されることを特徴とする請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記ウィンドウ構成は、少なくとも2つの層を有する積層構成を含むことを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項58】
前記ウィンドウ構成は、前記熱源放射エネルギーの前記部分および前記処理物体放射エネルギーの前記部分に流動性材料を露出するやり方で、隣接する1対の前記層間で前記流動性材料の層を支持するように構成され、その結果、前記流動性材料は、少なくとも概ね前記第2のやり方で、前記ウィンドウ構成に入射する前記処理物体放射エネルギーの大部分に応答することを特徴とする請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
前記流動性材料はさらに、前記チャンバ画定手段を冷却する働きをすることを特徴とする請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記壁構成の前記部分は、前記壁構成によって画定される全表面積の約20%以上の被処理表面積を覆うことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項61】
処理物体を加工するシステムにおける方法であって、前記処理物体は、前記処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有し、前記方法は、
熱源動作温度において前記処理物体の前記所与の放出スペクトルと異なる熱源放出スペクトルを有する熱源放射エネルギーを利用して前記処理物体を加熱する加熱構成を提供することと、
チャンバ画定手段を使用して処理チャンバを画定することとを含み、前記チャンバ画定手段は、前記処理チャンバ内で、前記加熱構成の放射エネルギーの一部に前記処理物体を露出し、前記処理物体を支持するのに使用し、その結果、前記加熱構成放射エネルギーの第1部分および前記処理物体放射エネルギーの第2部分が、前記チャンバ画定手段の一部を形成する壁構成に入射し、前記方法はさらに、
前記壁構成の少なくとも一部を、第1のやり方で、前記壁構成の前記部分に入射する前記加熱構成放射エネルギーの前記第1部分の大部分に応答し、第2のやり方で、前記壁構成の前記部分に入射する前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分の大部分に応答するように構成することを含むことを特徴とする方法。
【請求項62】
前記壁構成の前記部分は、前記熱源放射エネルギーの前記大部分を反射することによって前記第1のやり方で応答し、前記処理物体放射エネルギーの前記大部分を吸収することによって前記第2のやり方で応答するように構成されることを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記チャンバ画定手段は、前記熱源放射エネルギーの前記第1部分に対して第1反射率スペクトルを示し、前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分に対して第2の異なる反射率プロフィールを示すように構成されることを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記壁構成の前記部分は、前記熱源放射エネルギーのうち約75%よりも大きい部分を反射し、前記処理物体放射エネルギーのうち約75%よりも大きい部分を吸収することを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記壁構成の前記部分は、前記熱源放射エネルギーの少なくとも60%を反射し、前記処理物体放射エネルギーの少なくとも60%を吸収することを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項66】
少なくとも前記壁構成の前記部分について、少なくとも前記第2のやり方で応答する材料からなる内側の層で前記処理チャンバを形成するステップを含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項67】
前記材料からなる内側の層の厚さは、1nmから1.5mmの範囲であることを特徴とする請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
金属壁構成を使用して前記壁構成を形成するステップと、前記金属壁構成によって前記材料からなる内側の層を支持するステップとを含むことを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記金属壁はアルミニウムを含んで形成されることを特徴とする請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記材料からなる内側の層は、酸化アルミニウムおよび二酸化チタンの少なくとも一方を含んで形成されることを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記材料からなる内側の層は、少なくとも1種の元素の酸化物を含むことを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項72】
前記内側の層は、約1nmから1.5mmの範囲の厚さで構成されることを特徴とする請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記被覆材料からなる内側の層は、ポリマーを含むことを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項74】
前記ポリマーを使用して、前記第1のやり方および前記第2のやり方の少なくとも一方で、前記壁構成の前記応答に少なくとも部分的に寄与するステップを含むことを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項75】
前記ポリマーとともに前記内側の層の一部としてフィラーを使用するステップを含むことを特徴とする請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記フィラーは、基部被覆材料としての前記ポリマーの選択反射率を改変することを特徴とする請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記フィラー内に、酸化アルミニウム粒子、二酸化チタン粒子、ガラス粒子、およびガラスファイバの少なくとも1種を提供するステップを含むことを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記壁構成は、協働して内側周辺部を画定する1つまたは複数のチャンバ壁部材を使用して形成され、前記方法は、前記内側周辺部によって1つまたは複数のシート部材を支持して前記チャンバ画定手段の内面を形成し、その結果、前記シート部材は、その上に入射する前記処理物体放射エネルギーの前記第1部分の前記大部分を吸収することによって、少なくとも前記第2のやり方で応答するステップを含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項79】
前記壁構成は、協働して内側周辺部を画定する1つまたは複数のチャンバ壁部材を使用して構成され、前記方法は、前記内側周辺部を使用して、前記加熱構成放射エネルギーの前記第1部分を受け取り、かつ前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分を受け取る1つまたは複数のシート部材を支持し、その結果、前記シート部材は、前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答するステップを含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項80】
前記壁構成は、前記熱源放射エネルギーおよび前記処理物体放射エネルギーに流動性材料を露出するやり方で前記流動性材料の層を支持するように構成され、その結果、前記流動性材料は、前記第1のやり方および前記第2のやり方の少なくとも一方で応答することを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項81】
前記壁構成は、協働して内側周辺部を画定する1つまたは複数のチャンバ壁部材を含み、前記方法は、前記内側周辺部の少なくとも一部と前記基板との間で透明壁部材を支持し、それによって、前記流動性材料が、前記透明壁部材を介して前記熱源放射エネルギーおよび前記処理物体放射エネルギーに露出されるように、前記内側周辺部の前記部分と前記透明壁部材の間とで通路が画定されるステップを含むことを特徴とする請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記流動性材料の前記層を使用して、前記チャンバ画定手段を冷却するステップを含むことを特徴とする請求項80に記載の方法。
【請求項83】
前記流動性材料として液体を使用するステップを含むことを特徴とする請求項80に記載の方法。
【請求項84】
前記液体の少なくとも一部として水を使用するステップを含むことを特徴とする請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記液体の少なくとも一部として重水素で置換された水を使用するステップを含むことを特徴とする請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記液体中で酸化重水素を使用するステップを含むことを特徴とする請求項83に記載の方法。
【請求項87】
前記流動性材料として気体を使用するステップを含むことを特徴とする請求項80に記載の方法。
【請求項88】
前記処理物体に近づくように内向きに離間した外壁および内壁を含むように前記壁構成を形成し、それによって、前記内壁と前記外壁の間で、前記流動性材料を受けるキャビティが画定されるステップと、前記流動性材料が前記キャビティ内で受け取られるステップとを含むことを特徴とする請求項80に記載の方法。
【請求項89】
前記熱源放射エネルギーおよび前記処理物体放射エネルギーに実質的に透明であるように前記内壁を選択するステップを含むことを特徴とする請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記熱源放射エネルギーに実質的に透明であり、前記処理物体放射エネルギーに実質的に不透明であるように前記内壁を選択するステップを含むことを特徴とする請求項88に記載の方法。
【請求項91】
前記壁構成の一部として、前記熱源放射エネルギーの前記大部分を反射する少なくとも前記第1のやり方で応答する単層薄膜被覆および薄膜スタックの少なくとも一方を形成するステップを含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項92】
内側の層が前記処理物体に最も近くなるように少なくとも2つの層で形成される積層構成を含むように前記チャンバ画定手段を形成するステップを含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項93】
隣接する外向きの層に前記内側の層を直接取り付けるステップを含むことを特徴とする請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記隣接する層は、少なくとも前記加工中に前記処理物体に直接露出されることにより汚染物を生成し、前記内側の層は、前記汚染物が前記処理物体に到達することを妨げることを特徴とする請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記第1のやり方および前記第2のやり方の両方で応答するように前記隣接する層を選択するステップを含むことを特徴とする請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記積層構成の一部として、前記内側の層から外向きに離間した追加の層を設け、それによって、前記追加の層と前記内側の層の間に流体層を支持するキャビティが形成され、その結果、前記積層構成内で、前記流体層が第2層として働き、前記追加の層が第3層として働くステップを含むことを特徴とする請求項92に記載の方法。
【請求項97】
前記追加の層は、少なくとも前記加工中に前記処理物体に直接露出されることにより汚染物を生成し、前記方法は、前記汚染物が前記処理物体に到達することを妨げるように前記内側の層を選択するステップを含むことを特徴とする請求項96に記載の方法システム。
【請求項98】
前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答するように前記流体層を選択するステップを含むことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項99】
前記追加の層は、前記第1のやり方で応答するように選択され、前記流体層は、少なくとも前記第2のやり方で応答するように選択されることを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項100】
前記流体層は、前記処理物体に直接露出されることにより汚染物を生成し、前記方法は、前記汚染物が前記処理物体に到達することを妨げるように前記内側の層を選択するステップを含むことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項101】
前記積層構成の少なくとも一部として薄膜スタックを形成するステップ含むことを特徴とする請求項92に記載の方法。
【請求項102】
前記積層構成内で前記処理物体に最も近い前記内側の層として働く前記薄膜スタックを形成するステップと、前記一連の薄膜被覆と協働して前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答する隣接する層を使用して前記薄膜スタックを支持するステップとを含むことを特徴とする請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、波長の増加に伴って少なくとも反射率の全体的な減少をもたらすように構成され、前記減少は、前記処理物体の前記所与の放出スペクトルおよび前記加熱構成の前記熱源放出スペクトルと協働して、前記チャンバ手段が前記第1および第2のやり方で応答することを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項104】
前記拡散反射率の全体的な減少は主に、約1μmから10μmの範囲で生じることを特徴とする請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記拡散反射率の全体的な減少は、少なくとも約2μmから3μmで生じることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項106】
1つまたは複数の壁部材を使用して前記壁構成を形成するステップを含み、各壁部材の全体的厚さは、前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答することを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項107】
不透明な石英およびアルミナの少なくとも一方を使用して前記壁部材を形成するステップを含むことを特徴とする請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記壁構成は内側の表面構成を含み、前記方法は、前記第1および第2のやり方で応答する前記チャンバに少なくとも寄与する表面粗さを形成するステップを含むことを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項109】
前記加熱構成と前記基板の間でウィンドウ構成を支持し、その結果、前記加熱構成放射エネルギーの前記部分は、前記ウィンドウ構成を貫通して前記処理物体に到達し、前記処理物体放射エネルギーの一部は、前記ウィンドウ構成に入射するステップを含むことを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項110】
前記ウィンドウ構成は、その上に入射する前記処理物体放射エネルギーの前記部分を吸収することに少なくとも部分的に応答して前記システムの動作中にピーク温度に達し、その結果、前記ピーク温度は、前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分を吸収する前記壁構成の前記部分によって下がり、そのため、前記処理物体放射エネルギーの前記部分の強度が小さくなることを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記ウィンドウ構成は、波長の増加に伴って少なくとも反射率の全体的な減少をもたらすように構成されることを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項112】
前記ウィンドウ構成は、波長の増加に伴って少なくとも透過率の全体的な減少をもたらすように選択されることを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項113】
前記透過率の全体的な減少は主に、約1μmから10μmの範囲で生じることを特徴とする請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記透過率の全体的な減少は、少なくとも約2μmから3μmで生じることを特徴とする請求項112に記載の方法。
【請求項115】
前記処理物体放射エネルギーの前記部分に、その大部分を吸収することによって前記第2のやり方で応答するように前記ウィンドウ構成を構成することを含むことを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項116】
前記ウィンドウ構成の一部として、前記ウィンドウ構成に入射する前記処理物体放射エネルギーの大部分に少なくとも前記第2のやり方で応答するように構成された薄膜スタックを形成することを含むことを特徴とする請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記ウィンドウ構成は、前記処理物体に向かう方向と、離れる方向のそれぞれ第1および第2の互いに反対側を向く主要表面を画定するウィンドウ層で構成され、前記方法は、前記第1および第2の主要表面の一方を使用して前記薄膜スタックを支持することを含むことを特徴とする請求項116に記載のシステムの方法。
【請求項118】
積層構成を使用して、少なくとも2つの層を有する前記ウィンドウ構成を形成するステップを含むことを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項119】
前記ウィンドウ構成は、前記熱源放射エネルギーおよび前記処理物体放射エネルギーに流動性材料を露出するやり方で、隣接する1対の前記層間で前記流動性材料の層を支持するように構成され、その結果、前記流動性材料は、少なくとも概ね前記第2のやり方で、前記ウィンドウ構成に入射する前記処理物体放射エネルギーの大部分に応答することを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記流動性材料はさらに、前記チャンバ画定手段を冷却する働きをすることを特徴とする請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記壁構成の前記部分は、前記壁構成によって画定される全表面積の約20%以上の被処理表面積を覆うことを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項122】
処理物体を加工するシステムで使用するために、前記システムは、前記処理物体を受け取り、加工中に前記処理物体を支持するための未改変チャンバ構成とともに使用可能であり、前記未改変チャンバ構成では、その中で加熱された後で、前記処理物体の所与の最大冷却速度が得られ、前記未改変チャンバ構成の代替形態として、前記システム内で使用可能な改変チャンバ構成であって、
チャンバ画定手段を備え、前記チャンバ画定手段は、その中で前記処理物体を支持し、前記所与の最大冷却速度よりも速い改変された最大冷却速度を提供するのに使用されるように構成されることを特徴とする改変チャンバ構成。
【請求項123】
前記所与の加熱構成は、動作温度で加熱構成放出スペクトルを示し、前記処理物体は、処理物体温度に加熱されて、前記加熱構成放出スペクトルと異なる処理物体放出スペクトルを示し、前記チャンバ画定手段は、第1のやり方で前記加熱構放出スペクトルに応答し、第2のやり方で前記処理物体放出スペクトルに応答し、それによって前記改変された最大冷却速度が得られるように構成されることを特徴とする請求項122に記載の改変チャンバ構成。
【請求項124】
前記チャンバ画定手段は、前記第1および第2のやり方で応答する選択反射率で構成された内側周辺部を含むことを特徴とする請求項123に記載の改変チャンバ構成。
【請求項125】
前記内側周辺部は、少なくとも1種の元素の酸化物を含む内側の層で画定されることを特徴とする請求項124に記載の改変チャンバ構成。
【請求項126】
前記内側の層は、酸化アルミニウムおよび二酸化チタンの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項125に記載の改変チャンバ構成。
【請求項127】
前記内側の層の厚さは、約1nmから1.5mmの範囲であることを特徴とする請求項125に記載の改変チャンバ構成。
【請求項128】
前記未改変チャンバ構成は、前記処理物体と協働して、前記処理物体からの所与の熱損失効率を生成し、前記チャンバ画定手段は、前記処理物体とともに使用されると、前記改変されていない熱損失効率よりも大きい改変された熱損失効率を生成することを特徴とする請求項122に記載の改変チャンバ構成。
【請求項129】
処理物体を加工するシステムで使用するために、前記システムは、前記処理物体を受け取り、加工中に前記処理物体を支持するための未改変チャンバ構成とともに使用可能であり、前記未改変チャンバ構成では、その中で加熱された後で、前記処理物体の所与の最大冷却速度が得られる方法であって、
改変されたチャンバ画定手段を構成することを含み、前記改変されたチャンバ画定手段は、その中で前記処理物体を支持し、前記所与の最大冷却速度よりも速い前記処理物体の改変された最大冷却速度を提供するのに使用されることを特徴とする方法。
【請求項130】
前記所与の加熱構成は、動作温度で加熱構成放出スペクトルを示し、前記処理物体は、前記加工中に処理物体温度に加熱されて、前記加熱構成放出スペクトルと異なる処理物体放出スペクトルを示し、前記チャンバ画定手段は、第1のやり方で前記加熱構放出スペクトルに応答し、第2のやり方で前記処理物体放出スペクトルに応答し、それによって前記改変された最大冷却速度が得られるように構成されることを特徴とする請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記第1のやり方および前記第2のやり方で応答する選択反射プロフィールで構成された少なくとも内側の層を有する前記チャンバ画定手段の内側周辺部を形成するステップを含むことを特徴とする請求項130に記載の方法。
【請求項132】
酸化アルミニウムおよび二酸化チタンの少なくとも一方を使用して前記内側の層を形成するステップを含むことを特徴とする請求項131に記載の方法。
【請求項133】
前記内側の層は、約1nmから1.5mmの厚さを有するように形成されることを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項134】
前記未改変チャンバ構成は、前記処理物体と協働して、前記処理物体からの所与の熱損失効率を生成し、前記方法は、前記チャンバ画定手段を使用して、前記改変されていない熱損失効率よりも大きい改変された熱損失効率を生成するステップを含むことを特徴とする請求項129に記載の方法。
【請求項135】
処理物体を加工するシステムであって、前記処理物体は、前記処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有し、前記システムは、
熱源動作温度において前記処理物体の前記所与の放出スペクトルと異なる熱源放出スペクトルを有する熱源放射エネルギーを利用して前記処理物体を加熱する加熱構成と、
処理チャンバ内で、前記加熱構成の放射エネルギーの一部に前記処理物体を露出し、前記処理物体を支持するのに使用するチャンバ画定手段とを備え、その結果、前記加熱構成放射エネルギーの第1部分および前記処理物体放射エネルギーの第2部分が、前記チャンバ画定手段の一部を形成する壁構成に入射し、前記壁構成の少なくとも一部は、選択反射率で、前記加熱構成放射エネルギーの前記第1部分および前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分に応答するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項136】
処理物体を加工するシステムにおいて、前記処理物体は、前記処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する方法であって、
熱源放射エネルギー、および熱源動作温度において前記処理物体の前記所与の放出スペクトルと異なる熱源放出スペクトルを有する加熱構成を使用して前記処理物体を加熱することと、
チャンバ画定手段によって画定される処理チャンバ内で、前記加熱構成放射エネルギーの一部に前記処理物体を露出し、前記処理物体を支持することとを含み、前記加熱構成放射エネルギーの第1部分および前記処理物体放射エネルギーの第2部分は、前記チャンバ画定手段の一部を形成する壁構成に入射し、前記方法はさらに、
選択反射率で、前記加熱構成放射エネルギーの前記第1部分および前記処理物体放射エネルギーの前記第2部分に応答するように前記壁構成を構成することを含むことを特徴とする方法。
【請求項137】
処理物体を加工するシステムであって、前記処理物体は、前記処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有し、前記システムは、
熱源動作温度において前記処理物体の前記所与の放出スペクトルと異なる熱源放出スペクトルを有する加熱構成放射エネルギーを利用して前記処理物体を加熱する加熱構成と、
感知波長において前記処理物体放射エネルギーを感知する感知手段と、
処理チャンバ内で、前記加熱構成放射エネルギーの一部に前記処理物体を露出し、前記処理物体を支持するチャンバ画定手段とを備え、前記チャンバ画定手段の少なくとも一部は、同時に、(i)第1のやり方で、前記チャンバ画定手段の少なくとも一部に入射する前記加熱構成放射エネルギーの大部分に応答し、(ii)第2のやり方で、前記チャンバ画定手段の少なくとも一部に入射する前記処理物体放射エネルギーの大部分に応答し、(iii)前記感知波長において第3のやり方で応答するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項138】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、その上に入射する前記感知波長の前記大部分を反射するか、または吸収するように構成されることを特徴とする請求項137に記載のシステム。
【請求項139】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、前記熱源放射エネルギーの前記大部分を反射することによって前記第1のやり方で応答し、前記処理物体放射エネルギーの前記大部分を吸収することによって前記第2のやり方で応答するように構成されることを特徴とする請求項138に記載のシステム。
【請求項140】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、その上に入射する前記感知波長の前記大部分を反射するように構成されることを特徴とする請求項137に記載のシステム。
【請求項141】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、前記熱源放射エネルギーの前記大部分を反射することによって前記第1のやり方で応答し、前記処理物体放射エネルギーの前記大部分を吸収することによって前記第2のやり方で応答するように構成されることを特徴とする請求項140に記載のシステム。
【請求項142】
処理物体を加工するシステムにおいて、前記処理物体は、前記処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する方法であって、
熱源動作温度において前記処理物体の前記所与の放出スペクトルと異なる熱源放出スペクトルを有する加熱構成放射エネルギーを利用して前記処理物体を加熱することと、
感知波長において前記処理物体放射エネルギーを感知することと、
処理チャンバ内で、前記加熱構成放射エネルギーの一部に前記処理物体を露出し、前記処理物体を支持するチャンバ画定手段を構成することとを含み、前記チャンバ画定手段の少なくとも一部は、同時に、(i)第1のやり方で、前記チャンバ画定手段の少なくとも一部に入射する前記加熱構成放射エネルギーの大部分に応答し、(ii)第2のやり方で、前記チャンバ画定手段の少なくとも一部に入射する前記処理物体放射エネルギーの大部分に応答し、(iii)前記感知波長において第3のやり方で応答するように構成されることを特徴とする方法。
【請求項143】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、その上に入射する前記感知波長の前記大部分を反射するか、または吸収するように構成されることを特徴とする請求項142に記載の方法。
【請求項144】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、前記熱源放射エネルギーの前記大部分を反射することによって前記第1のやり方で応答し、前記処理物体放射エネルギーの前記大部分を吸収することによって前記第2のやり方で応答するように構成されることを特徴とする請求項143に記載の方法。
【請求項145】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、その上に入射する前記感知波長の前記大部分を反射するように構成されることを特徴とする請求項142に記載の方法。
【請求項146】
前記チャンバ画定手段の前記部分は、前記熱源放射エネルギーの前記大部分を反射することによって前記第1のやり方で応答し、前記処理物体放射エネルギーの前記大部分を吸収することによって前記第2のやり方で応答するように構成されることを特徴とする請求項145に記載の方法。
【請求項147】
処理物体を加工するシステムであって、前記処理物体は、前記処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有し、前記システムは、
熱源動作温度において前記処理物体の前記所与の放出スペクトルと異なる熱源放出スペクトルを有する加熱構成放射エネルギーを利用して前記処理物体を加熱する加熱構成と、
感知波長において、前記処理物体から放出された前記処理物体放射エネルギーを感知する感知手段と、
処理チャンバ内で、前記加熱構成放射エネルギーに前記処理物体を露出し、前記処理物体を支持するチャンバ画定手段とを備え、前記チャンバ画定手段の少なくとも第1部分は、その上に入射する前記感知波長の大部分を反射するように構成され、前記チャンバ画定手段の第2の異なる部分は、その上に入射する前記感知波長の大部分を選択的に吸収するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項148】
前記第1部分は、その上に入射する前記感知波長の前記大部分を選択的に反射するように構成されることを特徴とする請求項147に記載のシステム。
【請求項149】
前記処理物体は、第1および第2の互いに反対側を向く主要表面を画定し、前記加熱構成は、前記処理物体の前記第1主要表面にだけ向かい合い、それを直接加熱し、前記チャンバ画定手段の前記第1および第2の部分は、前記加熱構成および前記処理物体の前記第2主要表面に向かい合うチャンバ表面の異なる部分を構成することを特徴とする請求項147に記載のシステム。
【請求項150】
前記感知手段は、前記チャンバ画定手段の前記第1部分から感知することを特徴とする請求項149に記載のシステム。
【請求項151】
前記感知手段は、少なくとも近似的に、前記チャンバ画定手段の前記第1部分の中心位置から感知することを特徴とする請求項150に記載のシステム。
【請求項152】
前記感知手段は、前記処理物体の前記第2主要表面に直接向かい合うことを特徴とする請求項150に記載のシステム。
【請求項153】
処理物体を加工するシステムにおいて、前記処理物体は、前記処理物体に処理物体放射エネルギーを生成させる処理物体温度での所与の放出スペクトルを有する方法であって、
熱源動作温度において前記処理物体の前記所与の放出スペクトルと異なる熱源放出スペクトルを有する加熱構成放射エネルギーを生成する加熱構成を使用して前記処理物体を加熱することと、
感知波長において、前記処理物体から放出された前記処理物体放射エネルギーを感知する感知手段を提供することと、
処理チャンバ内で、前記加熱構成放射エネルギーに前記処理物体を露出し、前記処理物体を支持するチャンバ画定手段を構成することとを含み、前記チャンバ画定手段の少なくとも第1部分は、その上に入射する前記感知波長の大部分を反射するように構成され、前記チャンバ画定手段の第2の異なる部分は、その上に入射する前記感知波長の大部分を選択的に吸収するように構成されることを特徴とする方法。
【請求項154】
前記第1部分は、その上に入射する前記感知波長の前記大部分を選択的に反射するように構成されることを特徴とする請求項153に記載の方法。
【請求項155】
前記処理物体は、第1および第2の互いに反対側を向く主要表面を画定するように形成され、前記加熱構成は、前記処理物体の前記第1主要表面にだけ向かい合い、それを直接加熱し、前記チャンバ画定手段の前記第1および第2の部分は、前記加熱構成および前記処理物体の前記第2主要表面に向かい合うチャンバ表面の異なる部分を形成するように構成されることを特徴とする請求項153に記載の方法。
【請求項156】
前記チャンバ画定手段の前記第1部分から感知するように前記感知手段を配置することを含むことを特徴とする請求項155に記載の方法。
【請求項157】
前記感知手段は、少なくとも近似的に、前記チャンバ画定手段の前記第1部分の中心位置から感知するように配置されることを特徴とする請求項156に記載の方法。
【請求項158】
前記感知手段は、前記処理物体の前記第2主要表面に直接向かい合うように配置されることを特徴とする請求項156に記載の方法。
【請求項159】
処理物体を加工するシステムであって、
加熱構成放射エネルギーを利用して前記処理物体を加熱する加熱構成と、
チャンバ画定手段とを備え、前記チャンバ画定手段は、その中の前記処理物体を前記加熱構成放射エネルギーの一部に露出し、前記加熱構成放射エネルギーの別の部分は、前記チャンバ画定手段に入射し、その結果、前記チャンバ画定手段内に全放射エネルギーが存在し、前記チャンバ画定手段は、前記加熱構成と前記処理物体の間に、不透明になり始める波長よりも長い波長で少なくとも近似的に不透明なウィンドウを含み、前記チャンバ画定手段の少なくとも一部は選択反射構成を含み、前記選択反射構成は、第1のやり方で、前記選択反射構成に入射する、前記不透明になり始める波長よりも短い波長の前記全放射エネルギーの大部分に応答し、第2のやり方で、前記選択反射構成に入射する、前記不透明になり始める波長よりも長い波長の前記全放射エネルギーの大部分に応答することを特徴とするシステム。
【請求項160】
前記選択反射構成は、前記選択反射構成に入射する、前記不透明になり始める波長よりも短い波長を有する前記全放射エネルギーの前記大部分を反射することによって前記第1のやり方で応答し、前記選択反射構成に入射する、前記不透明になり始める波長よりも長い波長を有する前記全放射エネルギーの大部分を吸収することによって応答することを特徴とする請求項159に記載のシステム。
【請求項161】
前記選択反射構成は、少なくとも部分的に、前記不透明になり始める波長に基づくクロスオーバ波長で構成されることを特徴とする請求項159に記載のシステム。
【請求項162】
前記ウィンドウは石英を使用して形成され、前記選択反射構成は、約3.7μmのクロスオーバ波長を有することを特徴とする請求項159に記載のシステム。
【請求項163】
処理物体を加工するシステムにおける方法であって、
処理物体を加熱する加熱構成を提供することと、
チャンバ画定手段を構成することとを含み、前記チャンバ画定手段は、その中の前記処理物体を前記加熱構成の放射エネルギーの一部に露出し、前記加熱構成放射エネルギーの別の部分は、前記チャンバ画定手段に入射し、その結果、前記チャンバ画定手段内に全放射エネルギーが存在し、前記チャンバ画定手段は、前記加熱構成と前記処理物体の間に、不透明になり始める波長よりも長い波長で少なくとも近似的に不透明なウィンドウを含み、前記チャンバ画定手段の少なくとも一部は選択反射構成を含み、前記選択反射構成は、第1のやり方で、前記選択反射構成に入射する、前記不透明になり始める波長よりも短い波長の前記全放射エネルギーの大部分に応答し、第2のやり方で、前記選択反射構成に入射する、前記不透明になり始める波長よりも長い波長の前記全放射エネルギーの大部分に応答することを特徴とする方法。
【請求項164】
前記選択反射構成は、前記選択反射構成に入射する、前記不透明になり始める波長よりも短い波長を有する前記全放射エネルギーの前記大部分を反射することによって前記第1のやり方で応答し、前記選択反射構成に入射する、前記不透明になり始める波長よりも長い波長を有する前記全放射エネルギーのわずかな部分を反射することによって応答することを特徴とする請求項163に記載の方法。
【請求項165】
少なくとも部分的に、前記不透明になり始める波長に基づくクロスオーバ波長で前記選択反射構成を構成することを含むことを特徴とする請求項163に記載の方法。
【請求項166】
前記ウィンドウは石英を使用して形成され、前記方法は、約3.7μmのクロスオーバ波長で前記選択反射構成を構成することを含むことを特徴とする請求項163に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2007−500447(P2007−500447A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521902(P2006−521902)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/023352
【国際公開番号】WO2005/013325
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(301057680)マットソン テクノロジイ インコーポレイテッド (11)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/023352
【国際公開番号】WO2005/013325
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(301057680)マットソン テクノロジイ インコーポレイテッド (11)
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