説明

出力装置、テレビジョン受像機、システム、出力方法、プログラム、及び、記録媒体

【課題】テレビ等の出力装置において、ソース機器が携帯機器であるか否かの認識を可能ならしめる。
【解決手段】ソース機器から供給されたコンテンツを出力するテレビ1は、論理アドレスをソース機器から取得するアドレス取得部301と、デバイスタイプをソース機器から取得するデバイスタイプ取得部302と、論理アドレスとデバイスタイプとの組み合わせによってソース機器の機器種別を特定するUI部305とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソース機器から供給されたコンテンツを出力する出力装置、及び、出力方法に関する。また、このような出力装置にコンテンツを供給するソース機器に関する。更に、そのような出力装置を含むシステム、そのような出力装置としてコンピュータを動作させるためのプログラム、及び、そのようなプログラムが記録された記録媒体に関する。更に、そのような出力装置を備えたテレビジョン受像機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)規格に準拠したインターフェースを搭載するテレビ(テレビジョン受像機)やPC(Personal Computer)が普及し、これらのシンク機器とソース機器(例えばAV機器)とをHDMIケーブルを介して接続することが一般的となっている。HDMIケーブルを介して接続されたシンク機器とソース機器とは、映像信号および音声信号に加え、CEC(Consumer Electronics Control)コマンドを互いに送受信することができる。
【0003】
HDMIケーブルによって接続された機器間で送受信されるCECコマンドには、送信元および/または送信先の論理アドレスおよび/または物理アドレスが引数として含まれる。HDMIケーブルによって接続された各機器は、CECコマンドに含まれる論理アドレスおよび/または物理アドレスによって、そのCECコマンドの送信元および/または送信先を特定する。
【0004】
ここで、論理アドレスは、機器種別(テレビ、レコーダ、プレーヤ、チューナ、オーディオ、その他の何れか)を示す1から15までの自然数によって表現される。例えば、テレビには論理アドレス「0」が割り振られ、1台目のレコーダには論理アドレス「1」が割り振られ、2台目のレコーダには論理アドレス「2」が割り振られる。
【0005】
CECコマンドを用いれば、シンク機器からソース機器を制御したり、ソース機器からシンク機器を制御したりすることによって、これまでにはなかった利便性をユーザに提供することが可能になる。例えば、シンク機器の入力ソースを、コンテンツの再生を開始したソース機器に自動的に切り替えることができる。HDMIの詳細については、非特許文献1に記載がある。
【0006】
特許文献1には、テレビを操作(制御)するためのユーザーインターフェースを携帯電話端末に表示する技術が開示されている。特許文献1に記載の技術を用いれば、テレビやテレビのリモコンを用いることなく、携帯電話端末を用いてテレビを操作(制御)することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−109341号公報(2008年5月8日公開)
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】High-Definition Multimedia Interface Specification Version 1.3a,November 10 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のテレビにおいては、HDMI接続されたソース機器の機器種別を、プレーヤ、レコーダ、チューナ、又は、オーディオの何れであるかという以上に詳しく識別することができないという問題があった。これは、HDMI接続されたソース機器の機器種別を識別するために、論理アドレスを用いているためである。
【0010】
このため、ソース機器を操作するためのユーザーインターフェースをテレビに表示しようとした場合、プレーヤ用、レコーダ用、チューナ用、又は、オーディオ用のユーザーインターフェースを表示することはできても、例えば、携帯機器用のユーザーインターフェースを表示するといったことができなかった。
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ソース機器から供給されたコンテンツを出力する出力装置において、ソース機器の機器種別を従来よりも詳しく識別することができる出力装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明に係る出力装置は、ソース機器から供給されたコンテンツを出力する出力装置において、第1の分類において上記ソース機器が分類される機器種別を示す第1の機器種別情報を上記ソース機器から取得する第1の機器種別情報取得手段と、上記第1の分類とは異なる第2の分類において上記ソース機器が分類される機器種別を示す第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得する第2の機器種別情報取得手段と、上記ソース機器の機器種別を、上記第1の機器種別情報取得手段が取得した第1の機器種別情報と、上記第2の機器種別情報取得手段が取得した第2の機器種別情報とを組み合わせることによって特定する機器種別特定手段と、を備えている、ことを特徴とする。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る出力方法は、ソース機器から供給されたコンテンツを出力装置が出力する出力方法において、第1の分類において上記ソース機器が分類される機器種別を示す第1の機器種別情報を、上記出力装置が上記ソース機器から取得する第1の機器種別情報取得ステップと、上記第1の分類とは異なる第2の分類において上記ソース機器が分類される機器種別を示す第2の機器種別情報を、上記出力装置が上記ソース機器から取得する第2の機器種別情報取得ステップと、上記出力装置が、上記ソース機器の機器種別を、上記第1の機器種別情報取得ステップにて取得した第1の機器種別情報と上記第2の機器種別情報取得ステップにて取得した第2の機器種別情報とを組み合わせることによって特定する機器種別特定ステップと、を含んでいる、ことを特徴とする。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るソース機器は、出力装置にコンテンツを供給するソース機器であって、第1の分類において自身が分類される機器種別を示す第1の機器種別情報を上記出力装置に提供する第1の機器種別情報提供手段と、上記第1の分類とは異なる第2の分類において自身が分類される機器種別を示す第2の機器種別情報を上記出力装置に提供する第2の機器種別情報提供手段と、を備えている、ことを特徴とする。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るシステムは、上記出力装置と上記ソース機器とを含んでいる、ことを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、上記第1の分類における機器種別と上記第2の分類における機器種別との組み合わせによって、上記ソース機器の機器種別を特定する。したがって、上記第1の分類における機器種別のみによって、上記ソース機器の機器種別を特定する場合と比べて、より詳しく上記ソース機器の機器種別を特定することができる。また、上記第1の分類における機器種別、又は、上記第2の分類における機器種別が異なるソース機器毎、異なる処理を実行することができる。
【0017】
なお、上記ソース機器は、映像コンテンツを供給するソース機器であってもよいし、音声コンテンツを供給するソース機器であってもよいし、映像コンテンツ及び音声コンテンツを供給する装置であってもよい。また、上記ソース機器は、電子書籍を供給するソース機器であってもよい。上記出力機器は、映像コンテンツを出力(表示)する出力装置(表示装置)であってもよいし、音声コンテンツを出力する出力装置であってもよいし、映像コンテンツ及び音声コンテンツを出力する出力装置であってもよい。
【0018】
また、上記第2の機器種別情報取得手段は、例えば、上記ソース機器との接続が確立されたことをトリガーとして上記第2の機器種別情報を取得する構成とすることができる。上記第1の機器種別情報取得手段も同様である。
【0019】
本発明に係る出力装置において、上記第2の機器種別情報取得手段は、上記第1の機器種別情報が特定の機器種別を示す機器種別情報であるときに限って、上記第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得し、上記機器種別特定手段は、上記第1の分類において上記特定の機器種別に分類されるソース機器の機器種別を上記第2の機器種別情報によって特定する、ことが望ましい。
【0020】
上記の構成によれば、機器種別をより詳しく特定する必要があるソース機器が上記第1の分類において上記特定の機器に分類されるソース機器のみである場合に、上記第2の機器種別情報取得手段が無駄に上記第2の機器種別情報を取得することを回避することができる。
【0021】
例えば、CECプロトコルにおいて、携帯電話端末は、通常、プレーヤに分類される。したがって、携帯電話端末であるか否かを特定するために必要があるソース機器はプレーヤのみである。この場合、上記第2の機器種別情報取得手段は、論理アドレス(上記第1の機器種別情報)がプレーヤ1〜3(特定の機器種別)の何れかであるときに限って、上記第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得し、上記機器種別特定手段は、上記第2の機器種別情報によって特定する構成が有効である。
【0022】
本発明に係る出力装置は、上記ソース機器を製造又は販売したベンダを示すベンダ情報を上記ソース機器から取得するベンダ情報取得手段を更に備え、上記第2の機器種別情報取得手段は、上記ベンダ情報取得手段が取得したベンダ情報が特定のベンダを示すベンダ情報であるときに限って、上記第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得し、上記機器種別特定手段は、上記特定のベンダが製造又は販売したソース機器の機器種別を、上記第2の機器種別情報によって特定する、ことが望ましい。
【0023】
上記の構成によれば、上記第2の機器種別情報を提供することができない可能性のある、上記特定のベンダ以外のベンダが製造又は販売したソース機器から、上記第2の機器種別情報取得手段が無駄に上記第2の機器種別情報を取得しようとすることを回避することができる。
【0024】
なお、上記第2の分類が、各ソース機器を2つの機器種別の何れかに分類するものである場合、例えば、上記第2の機器種別情報取得手段は、上記ソース機器に対して上記第2の機器種別情報の提供を要求すると共に、上記ソース機器が上記第2の分類において特定の機器種別に分類されるソース機器であるときに限って、上記第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得し、上記機器種別特定手段は、上記ソース機器が上記第2の分類において上記特定の機器種別に分類されるソース機器であるか否かを、上記第2の機器種別情報取得手段が上記第2の機器種別情報を取得したか否かによって特定する、構成を採用することができる。
【0025】
特に、上記第2の分類が、各ソース機器を携帯機器又は非携帯機器の何れかに分類するものである場合、例えば、上記第2の機器種別情報取得手段は、上記ソース機器に対して上記第2の機器種別情報を要求すると共に、上記ソース機器が携帯機器であるときに限って、上記第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得し、上記機器種別特定手段は、上記ソース機器が携帯機器であるか否かを、上記第2の機器種別情報取得手段が上記第2の機器種別情報を取得したか否かによって特定する、構成を採用することができる。
【0026】
本発明に係る出力装置は、上記ソース機器を操作するためのユーザーインターフェースであって、上記機器種別特定手段が特定した上記ソース機器の機器種別に応じたユーザーインターフェースを表示するユーザーインターフェース表示手段を備えている、ことが望ましい。また、本発明に係る出力装置は、上記ユーザーインターフェースに対してユーザ操作が為されたとき、該ユーザ操作に関連付けられたコマンドをソース機器に発行するコマンド発行手段を更に備えている、ことが望ましい。
【0027】
上記の構成によれば、上記ソース機器を、上記ソース機器の機器種別に応じたユーザーインターフェースを用いてユーザに操作させることができる。
【0028】
なお、上記ユーザーインターフェース表示手段は、上記ソース機器との接続が確立されたことをトリガーとして、上記ユーザーインターフェースの表示を開始し、上記ソース機器との接続が解除されたことをトリガーとして、上記ユーザーインターフェースの表示を終了する、構成とすることができる。また、上記ユーザーインターフェース表示手段は、当該出力装置に接続されているソース機器のうち、当該出力装置に最後に接続されたソース機器の機器種別に応じたユーザーインターフェースを表示する、構成とすることができる。
【0029】
本発明に係る出力装置において、上記コマンド発行手段は、上記ソース機器上で動作する通信用アプリケーションを操作するためのコマンドを発行するものである、ことが望ましい。
【0030】
上記の構成によれば、上記携帯機器が有している通信機能を、上記出力装置において利用することが可能になる。
【0031】
本発明に係る出力装置において、上記通信用アプリケーションは、電子メールクライアントである、ことが望ましい。
【0032】
上記構成によれば、上記携帯機器が有している電子メールクライアント機能を、上記出力装置において利用することが可能になる。
【0033】
本発明に係る出力装置が、HDMIケーブルを介して上記ソース機器から供給されたコンテンツを出力するシンク機器である場合、例えば、上記第1の機器種別情報取得手段及び上記第2の機器種別情報取得手段は、それぞれ、上記HDMIケーブルを介して伝送されるCECコマンドを用いて上記第1の機器種別情報及び上記第2の機器種別情報を取得する構成を採用することができる。
【0034】
なお、上記ソース機器は、USB、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、IEEE802.11、Bluetooth、IrDA、又は、IrSimpleの何れかを介して当該出力装置に接続される構成であってもよい。
【0035】
本発明に係る出力装置は、携帯型情報端末から送信される制御コマンドであって、当該出力装置を操作するための制御コマンドを受信する制御コマンド受信手段、及び、上記携帯端末から送信される制御コマンドであって、上記ソース機器を操作するための制御コマンドを、該制御コマンドに相当するCECコマンドに変換して上記ソース機器に送信する制御コマンド転送手段の少なくとも何れかを備えている、ことが望ましい。
【0036】
上記構成によれば、携帯型情報端末から上記出力装置を操作したり、上記ソース機器を操作したりすることが可能になる。
【0037】
また、上記出力装置が備えているコンピュータを動作させるプログラムであって、上記コンピュータを上記の各手段として実行させるためのプログラム、および当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記出力装置を備えているテレビジョン受像機も本発明の技術的範囲に含まれる。
【発明の効果】
【0038】
以上のように、本発明に係る出力装置は、ソース機器から供給されたコンテンツを出力する出力装置において、第1の分類において上記ソース機器が分類される機器種別を示す第1の機器種別情報を上記ソース機器から取得する第1の機器種別情報取得手段と、上記第1の分類とは異なる第2の分類において上記ソース機器が分類される機器種別を示す第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得する第2の機器種別情報取得手段と、上記ソース機器の機器種別を、上記第1の機器種別情報取得手段が取得した第1の機器種別情報と、上記第2の機器種別情報取得手段が取得した第2の機器種別情報とを組み合わせることによって特定する機器種別特定手段と、を備えている。
【0039】
また、本発明に係るソース機器は、出力装置にコンテンツを供給するソース機器であって、第1の分類において自身が分類される機器種別を示す第1の機器種別情報を上記出力装置に提供する第1の機器種別情報提供手段と、上記第1の分類とは異なる第2の分類において自身が分類される機器種別を示す第2の機器種別情報を上記出力装置に提供する第2の機器種別情報提供手段と、を備えている。
【0040】
したがって、上記第1の分類における機器種別のみによって、上記ソース機器の機器種別を特定する場合と比べて、より詳しく上記ソース機器の機器種別を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係るテレビ(テレビジョン受像機)が有する機能を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示すテレビと携帯電話端末とを含むシステムの構成を示す図である。
【図3】図2に示すテレビと携帯電話端末との他の接続態様を示す図である。(a)は、充電台を用いた接続態様を示し、(b)は、テレビから給電する充電台を用いた接続態様を示し、(c)は、テレビのスロットに携帯電話端末を装填する接続態様を示す。
【図4】図2に示すテレビの構成を示すブロック図である。
【図5】図2に示す携帯電話端末の構成を示すブロック図である。
【図6】図2に示すテレビが備えているHDMIレシーバの構成、及び、図2に示す携帯電話端末が備えているHDMIトランスミッタの構成を示すブロック図である。
【図7】図2に示すテレビにOSD表示される操作パネルの構成を示す図である。
【図8】図2に示すテレビにOSD表示されるソフトウェアキーボードの構成を示す図である。
【図9】図2に示すテレビにOSD表示される通話用の操作パネルを示す図である。
【図10】図2に示すテレビにおける管理テーブル更新処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図2に示すテレビにおける管理テーブル更新処理の実行例を示すシーケンス図であり、(a)は、携帯電話端末がテレビにHDMI接続された場合を示し、(b)は、BDプレーヤがテレビにHDMI接続された場合を示す。
【図12】図2に示すテレビが利用する管理テーブルの構造及び内容を示す図であり、(a)は、携帯電話端末がテレビにHDMI接続された場合を示し、(b)は、BDプレーヤがテレビにHDMI接続された場合を示す。
【図13】図10に示す管理テーブル更新処理の変形例を示す図である。
【図14】図10に示す管理テーブル更新処理の他の変形例を示す図である。
【図15】図2に示すテレビにおける操作パネル表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】(a)は、携帯電話端末側の電子メールクライアントが電子メールを受信したときに、テレビに表示される表示画面の例であり、(b)は、携帯電話端末側のウェブブラウザにおいてURLが選択又は入力されたときに、テレビに表示される表示画面の例である。
【図17】図2示すテレビと図5に示す携帯電話端末とを含むシステムの一実現例を示すブロック図である。
【図18】携帯型情報端末からテレビ及びソース機器を操作することができるシステムの一実現例を示すブロック図である。
【図19】携帯型情報端末のタッチパネルに表示される表示画面の構成例を示す図である。(a)は、テレビを操作するための表示画面、(b)は、ソース機器を操作するための表示画面である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の実施形態について、図面に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、以下の説明においては、シンク機器(出力装置)としてテレビジョン受像機(以下「テレビ」と呼称する)を例示し、ソース機器として携帯電話端末を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。特に、携帯電話端末は、ソース機器として機能する携帯機器の一例に過ぎず、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯型デジタルオーディオプレーヤ、カーナビゲーションシステム(移動体端末機器)など他の携帯機器に置換可能である。
【0043】
〔システムの構成〕
テレビ1と携帯電話端末2とを含むシステム10の構成について、図2を参照して説明する。図2は、システム10の構成を示す図である。
【0044】
図2(a)に示すように、システム10は、HDMI入力端子11を備えたテレビ1と、HDMI出力端子21を供えた携帯電話端末2とを含んでおり、テレビ1のHDMI入力端子11と携帯電話端末2のHDMI出力端子21とをHDMIケーブル3によって接続することにより構成される。システム10において、携帯電話端末2は、テレビ1にコンテンツを供給するソース機器として機能し、テレビ1は、携帯電話端末2から供給されたコンテンツを出力するシンク機器として機能する。携帯電話端末2が供給し、テレビ1が出力するコンテンツとしては、映像及び音声の何れか一方又は両方が想定される。
【0045】
また、図2(b)に示すように、システム10は、N個(ここでは3個)のHDMI入力端子11a〜11cを備えたテレビ1と、N台以下(ここでは3台)の携帯電話端末2a〜2cとを含んでいてもよい。この場合、テレビ1が備えるHDMI入力端子11a〜11cの各々と、携帯電話端末2a〜2cの各々とが、HDMIケーブル3a〜3cによって接続される。なお、図2(b)に示した例では、携帯電話端末2a〜2cを台4a〜4c(後述する充電台4など)に載置することによって、携帯電話端末2a〜2cがHDMIケーブル3a〜3cの一端に接続され、テレビ1と携帯電話端末2a〜2cとのHDMI接続が確立されるようになっている。
【0046】
なお、テレビ1と携帯電話端末2とをHDMI接続する接続態様は、図2(a)及び図2(b)に示すものに限定されない。図3(a)及び図3(b)に示すように、充電台4を用いてテレビ1と携帯電話端末2とを接続する構成を採用してもよい。
【0047】
図3(a)に示す充電台4は、HDMI入力端子41と電源端子42とを備えており、携帯電話端末2を載置すると、携帯電話端末2のHDMI出力端子21と電源端子22とが、それぞれ、充電台4のHDMI入力端子41と電源端子42とに接続される。充電台4のHDMI入力端子41には、HDMIケーブル43が接続されており、そのHDMIケーブル43の他端をテレビ1のHDMI入力端子11に接続することによって、テレビ1と携帯電話端末2とがHDMI接続される。また、充電台4の電源端子42には、電源ケーブル44が接続されており、その電源ケーブル44の他端に設けられたACアダプターを商用電源に接続することによって、携帯電話端末2に電力を供給することができる。
【0048】
図3(b)に示す充電台4は、図3(a)に示す充電台4と同様、HDMI入力端子41と電源端子42とを備えており、携帯電話端末2を載置すると、携帯電話端末2のHDMI出力端子21と電源端子22とが、それぞれ、充電台4のHDMI入力端子41と電源端子42とに接続される。一端がHDMI入力端子41に接続されたHDMIケーブル43の他端をテレビ1のHDMI入力端子11に接続すれば、テレビ1と携帯電話端末2とをHDMI接続することができる。また、一端が電源端子42に接続された電源ケーブル44の他端をテレビ1に内蔵されたACアダプター12に接続すれば、携帯電話端末2に電力を供給することができる。なお、HDMIケーブル43と電源ケーブル44とを一体化し、1本のケーブルでHDMI接続と電力供給とを同時に行えるようにしてもよい。
【0049】
また、HDMIケーブル3を介さずに、図3(c)に示すように、テレビ1と携帯電話端末2とを直接HDMI接続する構成を採用してもよい。図3(c)に示すテレビ1には、スロット13が設けられており、携帯電話端末2をスロット13に装填すると、携帯電話端末2のHDMI出力端子21と、スロット13内に設けられたテレビ1のHDMI入力端子41とが直接接続される。なお、携帯電話端末2を側面からテレビ1に装填する構成に代えて、携帯電話端末2を正面からテレビ1のベゼル部(LCDの下方のベゼル部)に装填する構成を採用してもよい。
【0050】
〔テレビの構成〕
次に、本実施形態に係るテレビ1の構成について、図4を参照して説明する。図4は、テレビ1の構成を示すブロック図である。
【0051】
図4に示すように、テレビ1は、3つのHDMI入力端子11a〜11c、HDMIスイッチ11d、HDMIレシーバ100、映像入力端子101a、音声入力端子101b、BDドライブ102、チューナ103、IP放送チューナ104、衛星放送チューナ105、OSD生成部106、映像セレクタ107、映像処理回路108、LCDコントローラ109、LCD(Liquid Crystal Display)110、音声セレクタ111、音声処理回路112、デジタルアンプ113、スピーカ114、イーサネットI/F115、ROM(Read-Only Memory)116、RAM(Random Access Memory)117、CPU(Central Processing Unit)118、赤外線受光部119、カメラ120、及び、人感センサ121を備えている。図4においては、映像信号の経路を実線で、音声信号の経路を1点鎖線で、データや制御信号の経路(バス)を太線で示している。
【0052】
(1)HDMIレシーバ100が受信した映像、(2)映像入力端子101aから入力された映像、(3)BDドライブ102がBD(Blu-ray Disc)から読み出した映像、(4)(地上波デジタル放送用)チューナ103が受信した映像、(5)IP放送チューナ104が受信した映像、及び、(6)衛星放送チューナ105が受信した映像は、それぞれ、映像セレクタ107に供給される。また、(1)HDMIレシーバ100が受信した音声、(2)音声入力端子101bから入力された音声、(3)BDドライブ102がBDから読み出した音声、(4)チューナ103が受信した音声、(5)IP放送チューナ104が受信した音声、及び、(6)衛星放送チューナ105が受信した音声は、それぞれ、音声セレクタ111に供給される。
【0053】
なお、(a)HDMIレシーバ101が何れのHDMI入力端子から入力されるコンテンツを受信するか、すなわち、HDMIスイッチ11dが何れのHDMI入力端子から入力されたコンテンツをHDMIレシーバに供給するか、(b)チューナ103が何れのチャンネルを介して伝送されたコンテンツを受信するか、(c)IP放送チューナ104が何れのサーバから配信されたコンテンツを受信するか、(d)衛星放送チューナ105が何れのチャンネルを介して伝送されたコンテンツを受信するかを決める選択制御は、CPU118によって行われる。また、(e)BDドライブ102における再生、停止、早送り、巻戻し、チャプタ遷移などの再生制御も、CPU118によって行われる。
【0054】
映像セレクタ107は、(1)HDMIレシーバ100から供給された映像、(2)映像入力端子101aから供給された映像、(3)BDドライブ102から供給された映像、(4)チューナ103から供給された映像、(5)IP放送チューナ104から供給された映像、及び、(6)衛星放送チューナ105から供給された映像のうちの何れか1つを選択する。映像セレクタ107によって選択された映像は、映像処理回路108に供給される。なお、映像セレクタ107が何れの映像を選択するかは、CPU118によって制御される。
【0055】
映像処理回路108は、映像セレクタ107から供給された映像の画質を調整する。また、映像処理回路108は、映像セレクタ107から供給された映像をスケーリングする。ここで、画質の調整とは、例えば、輝度、シャープネス、及び、コントラストの少なくとも何れかを変化させることを指す。また、スケーリングとは、表示すべき映像本来のアスペクト比を保ったままサイズを縮小することを指す。映像処理回路108によって画質調整とスケーリングとを施された映像は、LCDコントローラ109に供給される。なお、映像処理回路108が画質をどのように変化させるか、及び、映像をどの程度縮小するかは、CPU118によって制御される。
【0056】
LCDコントローラ109は、映像処理回路108から供給された映像が表示されるようにLCD110を駆動する。これにより、映像セレクタ107により選択された映像がLCD110から出力される。なお、OSD生成部106からOSD画像が供給されている場合、LCDコントローラ109は、OSD生成部106から供給されたOSD画像を映像処理回路108から供給された映像に重ねて表示する。
【0057】
音声セレクタ111は、HDMIレシーバ100から供給された音声、映像入力端子101aから供給された音声、BDドライブ102から供給された音声、チューナ103から供給された音声、IP放送チューナ104から供給された音声、及び、衛星放送チューナ105から供給された音声のうちの何れか1つを選択する。音声セレクタ111によって選択された音声は、音声処理回路112に供給される。なお、音声セレクタ111が何れの音声を選択するかは、CPU118によって制御される。ただし、映像セレクタ107における映像の選択と、音声セレクタ111における音声の選択とは連動しており、例えば、映像セレクタ107がHDMIレシーバ100から供給された映像を選択しているときには、音声セレクタ111もHDMIレシーバ100から供給された音声を選択する。
【0058】
音声処理回路112は、音声セレクタ111から供給された音声の音量及び音質を調整する。ここで、音質の調整とは、音声セレクタ111から供給された音声の周波数特性を変化させること(例えば、低域の強調や高域の強調など)を指す。音声処理回路112によって音量及び音質を調整された音声は、デジタルアンプ113に供給される。なお、音声処理回路112によって音量及び音質をどのように変化させるかは、CPU118によって制御される。
【0059】
デジタルアンプ113は、音声処理回路112から供給された音声が出力されるようにスピーカ114を駆動する。これにより、音声セレクタ111により選択された音声がスピーカ114から出力される。
【0060】
CPU118は、赤外線受光部119が受信したリモコン信号、カメラ120が撮像した画像、及び、人感センサ121が出力する出力信号に応じて上記各部を制御する。人感センサ121の出力信号は、その感知範囲内に視聴者が存在するか否かを示す2値信号である。赤外線受光部119を用いた制御としては、例えば、チューナ104にて選択するチャンネルをリモコン信号に応じて切り替える制御や、映像セレクタ107及び音声セレクタ111にて選択する映像及び音声をリモコン信号に応じて切り替える制御などが挙げられる。また、カメラ120を用いた制御としては、例えば、映像処理回路108において画質をどのように調整するかを、撮像した画像に基づいて特定した視聴者に応じて切り替える制御などが挙げられる。また、人感センサ121を用いた制御としては、例えば、LCD110のバックライトを点灯するか消灯するかを、感知結果に応じて切り替える制御などが挙げられる。
【0061】
また、CPU118は、HDMIレシーバ100が携帯電話端末2から受信したCECコマンドを実行したり、HDMIレシーバ100が携帯電話端末2に送信するCECコマンドを生成したりすることによって、携帯電話端末2との連携動作を実現する。CECコマンドを用いたテレビ1と携帯電話端末2との連携動作については、参照する図面を代えて後で詳しく説明する。
【0062】
ROM116は、CPU118によって実行されるプログラムなどの固定データが格納される、読み出し可能かつ書き込み不能なメモリである。OSD画像を生成するためにOSD生成部106が参照するJPEGデータやSVG(Scalable Vector Graphics)データなども、このROM116に格納される。一方、RAM117は、CPU118が演算のために参照するデータ、及び、CPU118が演算によって生成したデータなどの可変データが格納される、読み出し可能かつ書き込み可能なメモリである。
【0063】
イーサネットI/F115は、テレビ1をネットワークに接続するためのインターフェースである。上述したIP放送チューナ105は、このイーサネットI/F115を介してインターネット上のサーバにアクセスする。
【0064】
後述するように、テレビ1は、通信機能を有している。すなわち、電子メールクライアント、ウェブブラウザ、通話用アプリケーションなどの通信用アプリケーションを実行する機能を有している。このような機能は、CPU118がROM116に格納されたプログラムを実行することにより実現される。なお、テレビ1に通話機能を持たせる場合、通話時にユーザの声を拾うためのマイクをテレビ1(または、テレビ1を操作するためのリモコン)に内蔵することが望ましい。
【0065】
〔携帯電話端末の構成〕
次に、携帯電話端末2の構成について、図5を参照して説明する。図5は、携帯電話端末2の構成を示すブロック図である。
【0066】
図5に示すように、携帯電話端末2は、HDMI出力端子21、HDMIトランスミッタ200、マイクロUSB端子201、マイクロUSB・I/F202、Bluetooth・I/F203、WLAN(Wireless LAN)・I/F204、メモリカード205(着脱可能)、USIM(Universal Subscriber Identity Module)カード206(着脱可能)、GPS(Global positioning system)207、RF部211、音声CODEC212、メインコントローラ213、RTC(Real Time Clock)部214、キースキャン部215、充電回路216、電源レギュレータ217、電池残量検出部218、電池219、LCDコントローラ220、LCD221、タッチパネル222、カメラ223、DTV部224、FLASHメモリ225、及び、RAM226を備えている。図5においては、メインコントローラ213と共に主基板上に実装されるブロックを点線で囲んで示している。
【0067】
携帯電話端末2は、(1)主にRF部211と音声CODEC部212とにより実現される通話機能、(2)主にカメラ223により実現される撮像機能、(3)主にDTV部225により実現されるワンセグ放送の受信機能、(4)主に電池219と電源レギュレータ217とにより実現される給電機能、(5)主に充電回路216と電池残量検出部218と電池219によって実現される充電機能、(6)主にBluetooth・I/F203又はWLAN・I/F204によって実現される無線通信機能、(7)主にGPS207によって実現される位置管理機能、(8)主にRTC214によって実現される時間管理機能、(9)主にキースキャン部215又はタッチパネル222によって実現されるユーザ操作検知機能を有している。ただし、これらの機能は、従来の携帯電話端末2が備えている通常の機能であるため、ここではその説明を省略する。
【0068】
携帯電話端末2は、これらの機能の他に、コンテンツを再生するコンテンツ再生機能を有している。携帯電話端末2が再生可能なコンテンツとしては、静止画、動画、音声などが挙げられる。静止画、動画、又は音声の再生は、例えば、メインコントローラ213がFLASHメモリ226から読み出した静止画データ(JPEGデータ等)、動画データ(MPEGデータ等)、又は音声データ(MP3データ等)をデコードすることによって実現される。FLASHメモリ226の代わりに、MicroUSB端子に接続されたUSBデバイス、あるいは、メモリカード205から読み出した静止画データ、動画データ、又は音声データをデコードするようにしてもよい。メインコントローラ213によってデコードされたコンテンツは、HDMIトランスミッタ200に供給される。HDMIトランスミッタ200は、メインコントローラ213から供給されたコンテンツを、HDMIケーブル3を介して接続されたテレビ1に送信する。
【0069】
また、携帯電話端末2は、通信用アプリケーションの実行機能を有している。携帯電話端末2が実行可能な通信用アプリケーションには、RF211部による基地局との通信を利用するものと、Bluetooth・I/F203又はWLAN・I/F204による近距離無線通信を利用するものとがある(インターネットを利用するアプリケーションは、前者の通信用アプリケーションとしても後者の通信用アプリケーションとしても実装することが可能である)。通信用アプリケーションの具体例としては、電子メールクライアントやウェブブラウザなどの汎用アプリケーションに加え、各種ウェブサービスを利用するための専用アプリケーションなどが挙げられる。
【0070】
更に、メインコントローラ213は、HDMIトランスミッタ200がテレビ1から受信したCECコマンドを実行したり、HDMIトランスミッタ200がテレビ1に送信するCECコマンドを生成したりすることによって、テレビ1との連携動作を実現する。たとえば、HDMIトランスミッタ200が<Give Physical Address>コマンドを受信すると、メインコトローラ213は、自身の物理アドレスと論理アドレス(Playback Device)とを引数とする<Report Physical Address>コマンドをHDMIトランスミッタ200に送信させる。また、HDMIトランスミッタ200が<Give Device Type>コマンドを受信すると、メインコトローラ213は、自身のデバイスタイプ(Mobile Phone)を引数とする<Report Device Type>コマンドをHDMIトランスミッタ200に送信させる。CECコマンドを用いたテレビ1と携帯電話端末2との連携動作については、参照する図面を代えて後で詳しく説明する。
【0071】
〔HDMIトランスミッタおよびHDMIレシーバの詳細〕
次に、図6を参照して、テレビ1が備えているHDMIレシーバ100と、携帯電話端末2が備えているHDMIトランスミッタ200とについて、もう少し詳しく説明する。図6は、HDMIレシーバ100及びHDMIトランスミッタ200の構成を示したブロック図である。
【0072】
HDMIケーブル3は、コンテンツ(映像信号および音声信号)を伝送するTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)ラインと、CEC(Consumer Electronics Control)コマンドを伝送するCECラインと、EDID(Extended Display Identification Data)を伝送するDDC(Display Data Cannel)ラインと、HPD(Hot Plug Detect)信号を伝送するHPDラインと、接続検知のためにソース機器によって電圧(対グランド電位)が5Vに制御される5V電力ラインとを備えている。
【0073】
HDMIレシーバ100は、TMDSレシーバ151、CEC・I/F152、DDC・I/F153、HPD制御部154、5V電力検知部155、及び、EDID格納部156を備えている。HDMIレシーバ100の各部は、CPU118によって制御される。
【0074】
TMDSレシーバ151は、HDMIケーブル3のTMDSラインを介して伝送されたコンテンツを受信するためのインターフェースである。TMDSレシーバ151が受信したコンテンツは、映像セレクタ107及び音声セレクタ111に供給される。
【0075】
CEC・I/F152は、HDMIケーブル3のCECラインを介して伝送されたCECコマンドを受信するためのインターフェースである。CEC・I/F152が受信したCECコマンドは、CPU118に供給される。また、CEC・I/F152は、HDMIケーブル3のCECラインを介してCECコマンドを送信するためのインターフェースである。CEC・I/F152が送信するCECコマンドは、CPU118から供給される。
【0076】
DDC・I/F153は、HDMIケーブル3のDDCラインを介してEDIDを送信するためのインターフェースである。DDC・I/F153が送信するEDIDは、EDID格納部156から読み出される。
【0077】
5V電力検知部155は、HDMIケーブル3の5V電力ラインが接続される5V電力ピンの電圧をモニタし、その立ち上がりタイミングを検知する。5V電力ピンの電圧が5Vに立ち上がったことを検知すると、5V電力検知部155は、HDMIトランスミッタ200との接続が確立されたことをCPU118及びHPD制御部154に通知する。HPD制御部154は、5V電力検知部155からこの通知を受けると、HDMIケーブル3のHPDラインが接続されるHPDピンの電圧をHレベルに立ち上げる。HDMIトランスミッタ200は、HDMIケーブル3のHPDラインに接続されるHPDピンの電圧がHレベルに立ち上がると、HDMIレシーバ100のEDID格納部156に格納されたEDIDを、DDCラインを介して読み出す。
【0078】
(HDMIトランスミッタ200の詳細)
HDMIトランスミッタ200は、TMDSトランスミッタ251、CEC・I/F252、DDC・I/F253、HPD検知部254、及び、5V電力制御部255を備えている。HDMIトランスミッタ200の各部はメインコントローラ213によって制御される。
【0079】
TMDSトランスミッタ251は、HDMIケーブル3のTMDSラインを介してコンテンツを送信するためのインターフェースである。TMDSトランスミッタ251が送信するコンテンツは、メインコントローラ213によってデコードされたコンテンツである。
【0080】
CEC・I/F252は、HDMIケーブル3のCECラインを介して伝送されたCECコマンドを受信するためのインターフェースである。CEC・I/F252が受信したCECコマンドは、メインコントローラ213に供給される。また、CEC・I/F252は、HDMIケーブル3のCECラインを介してCECコマンドを送信するためのインターフェースである。CEC・I/F252が送信するCECコマンドは、メインコントローラ213から供給される。
【0081】
DDC・I/F253は、HDMIケーブル3のDDCラインを介して伝送されたEDIDを受信するためのインターフェースである。DDC・I/F253が受信したEDIDは、メインコントローラ213を介してRAM227に記憶される。
【0082】
HDMIレシーバ100がHDMIトランスミッタ200に接続されたことを検知できるよう、5V電力制御部255は、HDMIケーブル3の5V電力ラインに接続される5V電力ピンの電圧を5Vに制御する。HPD検知部254は、HDMIケーブル3のHPDラインが接続されるHPDピンの電圧をモニタし、その立ち上がりタイミングを検知する。HPDピンの電圧がHレベルに立ち上がったことを検知すると、HPD検知部254は、シンク機器との接続が確立されたことをメインコントローラ213及びDDC・I/F253に通知する。DDC・I/F253は、HPD検知部254からこの通知を受けると、HDMIレシーバ100のDDC・I/Fを介して、EDID格納部156に格納されているEDIDを読み出す。
【0083】
なお、HDMIケーブルによって接続された機器間で送受信されるCECコマンドには、送信元および/または送信先の論理アドレスおよび/または物理アドレスが引数として含まれる。HDMIケーブルによって接続された各機器は、CECコマンドに含まれる論理アドレスおよび/または物理アドレスによって、そのCECコマンドの送信元および/または送信先を特定する。
【0084】
ここで、論理アドレスは、機器種別(テレビ、レコーダ、プレーヤ、チューナ、オーディオの何れか)を示す1から15までの自然数によって表現される。例えば、テレビには論理アドレス「0」が割り振られ、1台目のレコーダには論理アドレス「1」が割り振られる、2台目のレコーダには論理アドレス「2」が割り振られる。なお、論理アドレスと機器種別との対応関係は、下表のように定められている。本明細書においては、下表における「TV」、「Recording Device1〜3」、「Playback Device1〜3」、「Tuner1〜4」、及び「Audio System」のことを、それぞれ、「テレビ」、「レコーダ」、「プレーヤ」、「チューナ」、及び「オーディオ」とも記載する。
【0085】
【表1】

【0086】
一方、物理アドレスは、ソース機器からのパスを示す4桁の自然数によって表現される。例えば、シンク機器(テレビ)のx番目のHDMI入力端子に接続されたソース機器Xには物理アドレス(x,0,0,0)が割り振られ、ソース機器Xのy番目のHDMI入力端子に接続されたソース機器Yには物理アドレス(x,y,0,0)が割り振られる。図4に示した構成においては、HDMI入力端子11aに接続されたソース機器に物理アドレス(1,0,0,0)が割り振られ、HDMI入力端子11bに接続されたソース機器に物理アドレス(2,0,0,0)が割り振られる。なお、シンク機器であるテレビには物理アドレス(0,0,0,0)が割り振られる。
【0087】
(テレビのCPUが有する機能)
次に、携帯電話端末2との有機的な連携動作を実現するために、テレビ1のCPU118が有する機能について、図1を参照して説明する。図1は、テレビ1のCPU118が有する機能を表現した機能ブロック図である。なお、図1に示すブロック図は、CPU118が有する各種機能のうち、本発明に特有なものを表現したものであり、CPU118が、図1に示されていない機能を有していてもよいことは言うまでもない。
【0088】
図1に示すように、テレビ1のCPU118は、アドレス取得部301、デバイスタイプ取得部302、管理テーブル更新部303、入力ソース選択部304、及び、UI部305として機能する。アドレス取得部301、デバイスタイプ取得部302、管理テーブル更新部303、入力ソース選択部304、及び、UI部305は、RAM117に記憶された管理テーブルを参照しながら動作する。この管理テーブルには、テレビ1にHDMI接続されている各ソース機器について、物理アドレスと論理アドレス(第1の機器種別情報)とデバイスタイプ(第2の機器種別情報)とが互いに関連付けて格納されている。
【0089】
ここで、デバイスタイプとは、論理アドレスとは異なる分類においてソース機器が分類される機器種別を示す情報のことを指す。本実施形態においては、デバイスタイプとして、ソース機器が携帯機器に分類されるか非携帯機器に分類されるかを示す情報を用いる。管理テーブルにおいて、デバイスタイプが「Mobile Phone」に設定されているソース機器が携帯機器であり、そうでないソース機器が非携帯機器(据置機器)である。
【0090】
アドレス取得部301は、テレビ1にHDMI接続されたソース機器からその物理アドレス及び論理アドレスを取得するための手段である。5V電力検知部155から、新たなソース機器がテレビ1にHDMI接続された旨の通知を受けると、アドレス制御部301は、新たにHDMI接続されたソース機器からその物理アドレス及び論理アドレスを取得する。物理アドレス及び論理アドレスを取得するためのコマンドとして、本実施形態においては、CECの標準コマンドである<Give Physical Address>コマンドを使用する。物理アドレス及び論理アドレスの取得が完了すると、アドレス取得部301は、取得した物理アドレス及び論理アドレスを管理テーブル更新部303に通知すると共に、アドレス取得処理が完了した旨をデバイスタイプ取得部302に通知する。
【0091】
デバイスタイプ取得部302は、テレビ1にHDMI接続されたソース機器からそのデバイスタイプを取得するための手段である。アドレス取得部301から、アドレス取得処理が完了した旨の通知を受けると、デバイスタイプ取得部302は、テレビ1にHDMI接続されたソース機からそのデバイスタイプを取得する。デバイスタイプを取得するためのコマンドとして、本実施形態においては、本願において開示する新規なベンダコマンドである<Give Device Type>コマンドを使用する。デバイスタイプの取得に成功すると、デバイスタイプ取得部302は、取得したデバイスタイプを管理テーブル更新部303に通知する。デバイスタイプを取得することなくタイムアウトした場合、デバイスタイプ取得部302は、デバイスタイプが「プレーヤ」である旨を管理テーブル更新部303に通知する。
【0092】
管理テーブル更新部303は、アドレス取得部301から通知された物理アドレス及び論理アドレス、並びに、デバイスタイプ取得部302から通知されたデバイスタイプを、互いに関連付けて管理テーブルに登録する。なお、アドレス取得部301から新たに通知された物理アドレスが既に登録されている物理アドレスに一致する場合、アドレス取得部301から新たに通知された物理アドレス及び論理アドレス、並びに、デバイスタイプ取得部302から新たに通知されたデバイスタイプによって、既に登録されている物理アドレス、論理アドレス、及びデバイスタイプをオーバーライトする。
【0093】
テレビ1に新たなソース機器がHDMI接続されると、アドレス取得部301、デバイスタイプ取得部302、及び、管理テーブル更新部303によって、RAM117に記憶された管理テーブルが更新される。アドレス取得部301、デバイスタイプ取得部302、及び、管理テーブル更新部303により実現される管理テーブル更新処理の詳細については、参照する図面を代えて後述する。
【0094】
入力ソース選択部304は、テレビ1にHDMI接続されているソース機器からの要求、又は、テレビ1を操作しているユーザからの要求に応じて、テレビ1にHDMI接続されているソース機器の何れかを入力ソースとして選択するための手段である。ソース機器からの要求は、CECコマンドとしてCEC・I/F152から与えられ、ユーザからの要求は、リモコン信号として赤外線受光部119から与えられる。入力ソースの切り替えを要求するCECコマンドとして、本実施形態においては、<Active Source>コマンドを想定する。
【0095】
入力ソース選択部304は、テレビ1にHDMI接続されているソース機器の何れかから<Active Source>コマンドを受信すると、その<Active Source>コマンドに含まれる物理アドレスにより指定されるソース機器に入力ソースを切り替えると共に、その物理アドレスを引数とする<Set Stream Path>コマンドをテレビ1に接続されている各ソース機器に送信する。ここで、物理アドレス(x,y,z,w)により指定されるソース機器に入力ソースを切り替えるとは、x番目のHDMI入力端子がHDMIレシーバ100に接続されるよう、HDMIスイッチ11dを制御することを指す。なお、<Set Stream Path>コマンドを送信しているのは、テレビ1と<Active Source>コマンドを送信したソース機器との間にパスが通るよう、これらの間に介在する機器に入力ソースの切り替えを指示するためである。
【0096】
UI部305は、入力ソースとして選択されているソース機器に応じたグラフィカルユーザインタフェースである操作パネルをOSD表示するための手段である。UI部304は、プレーヤ用、レコーダ用、チューナ用、オーディオ用の操作パネルの他に、携帯機器用の操作パネルをOSD表示することができる。UI部304は、(1)入力ソースとして選択されているソース機器の物理アドレスを入力ソース選択部303から取得し、(2)取得した物理アドレスに関連付けられたデバイスタイプを、RAM117に記憶された管理テーブルから読み出し、(3)読み出したデバイスタイプに応じた操作パネルをOSD表示する。例えば、読み出したデバイスタイプが「Mobile Phone」であれば、携帯機器用の操作パネルをOSD表示し、読み出したデバイスタイプが「Player」であれば、プレーヤ用の操作パネルをOSD表示する。なお、UI部305が操作パネルをOSD表示するとは、LCD11に操作パネルをOSD表示するために、その操作パネルの描画に必要なデータをROM116から読み出し、読み出したデータをOSD生成部106に供給することを指す。
【0097】
各機器種別用の操作パネルには、その機器種別に分類されるソース機器において実行可能な処理に対応したボタンが設けられている。例えば、プレーヤ用の操作パネルであれば、「早戻し」「再生」「早送り」といった処理に対応するボタンが設けられ、レコーダ用の操作パネルであれば、「録画」といった処理に対応するボタンが設けられる。ユーザは、所望の処理に対応するボタンを選択することによって、入力ソースとして選択されているソース機器に所望の処理を実行させることができる。
【0098】
UI部305は、操作パネル上のボタンの何れかがユーザによって選択されると、選択されたボタンに対応する処理の実行を、入力ソースとして選択されているソース機器上で動作しているアプリケーション、又は、テレビ1上で動作しているアプリケーションに対して指示する。この際、UI部305は、どのボタンがユーザによって選択されたのかを、例えば、赤外線受光部119から与えられたリモコン信号を参照して特定する。また、選択されたボタンに対応する処理の実行を、入力ソースとして選択されているソース機器に指示するためのコマンドとして、本実施形態においては、例えば、CECの標準コマンドである<Deck Control>コマンドを用いる。ある処理に対応するボタンが選択された場合、UI部305は、その処理の処理IDを引数として含む<Deck Control>コマンドを、入力ソースとして選択されているソース機器に対して送信する。これにより、ユーザが選択したボタン(例えば「録画ボタン」)に対応した処理(例えば「録画処理」)の実行をソース機器に対して指示することができる。
【0099】
なお、選択されたボタンに対応する処理の実行を指示するために使用可能なコマンドは、<Deck Control>コマンドに限定されない。例えば、CEC標準コマンドである<User Control Pressed>コマンド及び<User Control Released>コマンド、又は、新規なベンダコマンドである<Remote Button Down>コマンド及び<Remote Button Up>コマンドを用いてもよい。テレビ1は、ある処理に対応するボタンが選択された時点で、その処理に対応する処理IDを引数とする<User Control Pressed>コマンド又はRemote Button Down>コマンドを送信し、そのボタンの選択が解除された時点で、その処理IDを引数とする<User Control Released>コマンド又は<Remote Button Up>コマンドを送信する。一方、ソース機器は、ある処理IDを引数とする<User Control Pressed>コマンド又は<Remote Button Down>コマンドを受信した時点で、その処理IDにより指定された処理の実行を開始し、その処理IDを引数とする<User Control Released>コマンド又は<Remote Button Up>コマンドを受信した時点で、その処理IDにより指定された処理の実行を終了する。つまり、携帯電話端末2は、<User Control Pressed>コマンド又は<Remote Button Down>コマンドを受信してから<User Control Released>コマンド又は<Remote Button Up>コマンドを受信するまでの間、<User Control Pressed>コマンド又は<Remote Button Down>コマンドに引数として含まれる処理IDにより指定される処理を実行し続ける。これらのコマンドは、ボタンが選択されている期間に渡って実行されるべき処理(例えば、プレーヤ機器における「早送り」処理)の実行を指示する際に有効であり、<Deck Control>コマンドは、ボタンが選択された瞬間に実行されるべき処理(例えば、プレーヤ機器における「停止」処理)の実行を指示する際に有効である。
【0100】
図7は、携帯機器用の操作パネル50を含む表示画面(テレビ1のLCD110に表示される画面)の構成例を示す図である。入力ソースとして選択されているソース機器から供給された映像がスケーリング表示されると共に、UI部305によって作成された操作パネル50がOSD表示されている。ここで、スケーリング表示とは、表示すべき映像本来のアスペクト比を保ったままサイズを縮小して表示する表示態様のことを指す。携帯電話端末2がソース機器として選択されている場合には、図7に示すように、携帯電話端末から供給される映像がスケーリング表示される。
【0101】
携帯機器用の操作パネル50には、「早戻し」「再生」「早送り」といったプレーヤ用の操作パネルと共通するボタンの他に、「インターネット」「メール」といったプレーヤ用の操作パネルにはないボタンが設けられている。例えば、「メール」ボタンが選択された場合、UI部305は、電子メールクライアントの起動処理の処理IDを引数として含む<Remote Button Down>コマンドを携帯電話端末2に送信する。これにより、携帯電話端末2において電子メールクライアントが立ち上がる。
【0102】
携帯電話端末2が入力ソースとして選択されている場合、UI部305は、携帯電話端末2を操作するための各種操作パネルをOSD表示する。
【0103】
図8は、ソフトウェアキーボード51を含む表示画面(テレビ1のLCD110に表示される画面)の構成例を示す図である。入力ソースとして選択されている携帯電話端末2から供給された電子メールクライアントのGUI61上に、UI部305によってOSD表示されたソフトウェアキーボード51が配置されている。UI部305は、ユーザによってソフトウェアキーボード51上のキーが選択される度に、選択されたキーに対応する処理IDを含む<Remote Button Down>を携帯電話端末2に送信する。このような構成を採用することにより、ソフトウェアキーボード51を用いて送信文を編集するなど、電子メールクライアントの操作をテレビ1のリモコンを用いて行うことができる。
【0104】
なお、ここでは、テレビ1から操作するアプリケーションの例として、電子メールクライアントを挙げたが、これに限定されるものではない。例えば、ウェブブラウザなど、他の通信用アプリケーションを操作の対象としてもよい。
【0105】
一般に、テレビ1と携帯電話端末2とでは、アクセス可能なコンテンツ、及び、利用可能な通信媒体が異なる。したがって、テレビ1から携帯電話端末2の通信用アプリケーションを操作できるようにし、テレビ1と携帯電話端末2とを有機的に連携させれば、テレビ1ではこれまでアクセスできなかったコンテンツ(携帯電話端末2でしかアクセスできなかったコンテンツ)にテレビ1でアクセスしたり、テレビ1ではこれまで利用できなかった通信媒体(携帯電話端末2でしか利用できない通信媒体)をテレビ1で利用したりすることができる。更に言えば、携帯電話端末2が有する通信機能をテレビ1において利用したり、テレビ1が有する通信機能を携帯電話端末2において利用したりすることによって、双方の通信機能を補間あるいは拡充することができる。
【0106】
HDMI接続されたテレビ1と携帯電話端末2とを含む、このようなシステムの実現例を図17に示す。図17に示すシステムにおいて、テレビ1は、インターネットINを介して、メールサーバMS、ウェブサーバWS、及び、VODサーバVSに接続されている。テレビ1とインターネットINとの間に、ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)が提供するゲートウェイ等(不図示)が介在していてもよい。一方、携帯電話端末2は、基地局BS及びパケット網PNを介して、キャリアサーバCSに接続されている。ここで、基地局BS、パケット網PN、及び、キャリアサーバCSは、携帯電話キャリア(通信事業者)が提供するものである。
【0107】
キャリアサーバCSは、メールサーバ機能を有しており、パケット網PNに接続された携帯電話端末間での電子メールの送受信に利用される。また、キャリアサーバCSは、インターネットINを介してメールサーバMSに接続されており、携帯電話端末2から送信された電子メール(メールサーバMSの管理下にあるクライアントを宛先とする電子メール)をメールサーバMSに転送したり、メールサーバMSから送信された電子メール(携帯電話端末2を宛先とする電子メール)を携帯電話端末2に転送したりする。
【0108】
更に、キャリアサーバCSは、コンテンツ配信機能を有しており、パケット網PNに接続された各携帯電話端末への独自コンテンツ(携帯電話キャリアが独自に提供するコンテンツ)の配信に利用される。また、キャリアサーバCSは、インターネットINを介してウェブサーバWS及びVODサーバVSに接続されており、携帯電話端末2から送信されたコンテンツ要求をウェブサーバWS又はVODサーバに転送したり、ウェブサーバWS又はVODサーバVSから送信されたコンテンツを携帯電話端末2に転送したりする。
【0109】
図17に示すシステムにおいて、テレビ1上で動作するウェブブラウザは、キャリアサーバCSから配信される独自コンテンツを取得することができない。しかしながら、テレビ1は、この独自コンテンツにアクセスすることを指示するCECコマンドを、HDMIケーブルを介して携帯電話端末2に送信することができる。そうすると、このCECコマンドを受信した携帯電話端末2上で動作するウェブブラウザが、この独自コンテンツを取得し、取得した独自コンテンツを表す映像信号をHDMIケーブルを介してテレビ1に供給する。テレビ1は、この映像信号を参照することによって、この独自コンテンツをLCD110に表示することができる。このように、携帯電話端末2上で動作する通信アプリケーションを制御する機能をテレビ1に持たせることによって、携帯電話端末2でしかアクセスできないコンテンツを、LCD110に表示することができる。
【0110】
図9は、通話用の操作パネル52を含む表示画面(テレビ1のLCD110に表示される画面)の構成例を示す図である。図9(a)は、入力ソースとして携帯電話端末2が選択されており、かつ、携帯電話端末2上でコンテンツの再生が行われている場合の表示例である。ここでは、携帯電話端末2から供給された映像62aがスケールリング表示されると共に、UI部305からの指示によって生成された通話用の操作パネル52がOSD表示されている。図9(b)は、入力ソースとしてテレビ1が選択されている場合の表示例である。ここでは、テレビ1が受信した地上波デジタル放送の映像62bがスケールリング表示されると共に、UI部305からの指示によって生成された通話用の操作パネル52がOSD表示されている。UI部305は、ユーザによって操作パネル52上の数字キーが選択される度に、選択された数字キーに対応する処理IDを含む<User Control Pressed>コマンド及び<User Control Released>コマンドを携帯電話端末2に送信する。携帯電話端末2は、受信した<User Control Pressed>コマンド及び<User Control Released>コマンドの引数列からユーザが入力した電話番号を特定し、特定した電話番号に対して発呼する発呼処理を実行する。このような構成を採用することにより、携帯電話端末2又はテレビ1にて再生されたコンテンツを楽しみながら、テレビ1のリモコンを操作することによって、携帯電話端末2を用いた通話を行うことができる。なお、携帯電話端末2にて再生されたコンテンツとテレビ1にて再生されたコンテンツとを同時に表示する2画面構成(操作パネルを含めて3画面)を採用してもよい。
【0111】
図9(c)は、入力ソースとして携帯電話端末2が選択されており、かつ、携帯電話端末2上で電子メールクライアントが実行されている場合の表示例である。ここでは、携帯電話端末2から供給された電子メールクライントのUI画面62cがスケーリング表示されると共に、UI部305からの指示によって生成された通話用の操作パネル52がOSD表示されている。このような構成を採用することにより、「1」キーの多重押下で「あ」→「い」→「う」→「え」→「お」を入力するなど、携帯電話端末2を直接操作するのと同じ感覚でメール送信文を編集することなどができる。
【0112】
通話用の操作パネル52は、更に、携帯電話端末2への着信を通知する着信通知機能を有している。この着信通知機能は、例えば、(1)携帯電話端末2がCECコマンドを使って着信番号をテレビ1に通知し、(2)通知された着信番号をUI部305が通話用の操作パネル52上にOSD表示することによって実現することができる。また、テレビ1自身が通話機能を有している場合には、テレビ1が有する通話機能を用いて、携帯電話端末2から通知された着信番号に対して発呼する構成を加えてもよい。これにより、IP電話や光電話など、携帯電話よりも使用料の安価な回線を使って、コールバックを行うことができる。より一般には、操作パネルに対して特定のユーザ操作が為されたときに、テレビ1が有する機能を使って、そのユーザ操作に関連付けられた処理を実行するようにしてもよい。
【0113】
以上のように、テレビ1は、HDMI接続された携帯電話端末2にCECコマンドを発行することによって、携帯電話端末2上で動作させる通信用アプリケーションを選択するか、又は、携帯電話端末2上で動作している通信用アプリケーションを制御する制御機能を有している。携帯電話端末2上で電子メールクライアントを動作させるか、ウェブブラウザを動作させるかを選択できること、及び、携帯電話端末2上で動作する電子メールクライアント、ウェブブラウザ、及び、通話用アプリケーションを制御できることは、上述したとおりである。このような機能は、テレビ1が備えるUI部305によって実現される。
【0114】
更に、テレビ1は、携帯電話端末2に送信するコマンドをユーザーに選択させるための操作パネルをLCD110に表示する機能を有している。携帯電話端末2上で動作させる通信用アプリケーションを選択するための操作パネルの構成例としては、例えば、図7に示したものが挙げられる。また、携帯電話端末2上で動作する電子メールクライアントを制御するための操作パネルとしては、例えば、図8に示したもの、及び、図9(c)に示したものが挙げられる。また、携帯電話端末上で動作する通話用アプリケーションを制御するための操作パネルとしては、例えば、図9(a)及び図9(b)に示したものが挙げられる。このような機能は、テレビ1が備えるUI部305及びOSD表示部によって実現される。なお、図9(a)〜(c)に示すように、電話型配列のテンキーを操作パネルに設ければ、携帯電話端末2のテンキーを用いて実現し得る任意の操作を、操作パネルを用いて実現することができる。
【0115】
更に、テレビ1は、チューナ(地上波デジタル放送チューナ103、IP放送チューナ104、及び、衛星放送チューナ105の何れか)を介して受信した映像信号に基づいて映像をLCD110に表示する機能の他に、図8に示すように、HDMIを介して携帯電話端末2から供給される映像信号に基づいて、携帯電話端末2上で動作する通信用アプリケーション(図8に示した例では電子メールクライアント)によって生成されたGUI(Graphical User Interface)をLCD110に表示する機能を有している。そして、上述した操作パネルは、図8に示すように、携帯電話端末2上で動作する通信用アプリケーションによって生成されたGUIに重畳して表示されるか、あるいは、図9(b)に示すように、チューナが受信した映像に重畳して表示される。
【0116】
なお、本実施形態においては、HDMI接続された携帯電話端末2からテレビ1にデバイスタイプを通知し、ソース機器が携帯機器であるか否かに応じた処理をテレビ1が実行する構成について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、HDMI接続された携帯電話端末2からテレビ1に、携帯電話端末2の個体情報、又は、携帯電話端末2のユーザの個人情報を通知し、HDMI接続された携帯電話端末がどの携帯電話端末であるか、又は、携帯電話端末2のユーザが誰であるかに応じた処理をテレビ1が実行する構成を採用してもよい。
【0117】
携帯電話端末2からテレビ1に通知する個体情報としては、例えば、携帯電話端末2の電話番号を用いればよい。ただし、固体情報として利用可能な情報はこれに限らず、携帯電話端末2を他の携帯電話端末と識別するために利用できる情報であれば何でもよい。例えば、USIMカード206から読み出した他の個体情報をIDとして利用してもよい。また、携帯電話端末2からテレビ1に通知する個人情報としては、例えば、携帯電話端末2のカメラ223を用いて撮像したユーザの顔(顔画像そのもの、若しくは、顔画像から抽出した特徴量)を用いればよい。ただし、個人情報として利用可能な情報はこれに限定されず、携帯電話端末2のユーザを推定するために利用できる情報であれば何でもよい。例えば、携帯電話端末2に指紋センサが搭載されている場合には、指紋センサを用いて検出したユーザの指紋(指紋画像そのもの、若しくは、指紋画像から抽出した特徴量)を個人情報としてもよい。更に、顔と指紋との組み合わせて個人情報として利用したり、顔を個人情報として用いるか、指紋を個人情報として用いるか、顔と指紋との組み合わせを個人情報として用いるかを、認証レベルに応じて切り替えたりしてもよい。また、ユーザの年齢が携帯電話端末2に登録されている場合には、ユーザの年齢を個人情報としてもよい。
【0118】
HDMI接続された携帯電話端末2から取得した個体情報又は個人情報に応じた処理としては、例えば、映像処理回路108における画質調整、音声処理回路112における音質調整、及び、OSD生成部106におけるGUI調整などが挙げられる。Aさんの携帯電話端末がHDMI接続されているときには、コントラストの高い映像を表示し、Bさんの携帯電話端末がHDMI接続されているときには、コントラストの低い映像を表示するなど、各携帯電話端末のユーザの好みにあった画質調整や音質調整が可能になる。GUI調整の例としては、携帯電話端末2のユーザが子供である場合は、メニューを平仮名又は片仮名で表示する例や、携帯電話端末2のユーザが高齢者である場合はメニューのフォントサイズを大きくする例などが挙げられる。
【0119】
また、HDMI接続された携帯電話端末2から取得した個体情報又は個人情報は、テレビ1をクライアントとする各種ウェブサービスにおける個人認証に利用することができる。例えば、(1)USIMカード206(記憶部)から読み出した個体情報をテレビ1に送信するHDMIトランスミッタ200(送信手段)を備えた携帯電話端末2と、(2)携帯電話端末2から送信された個体情報を受信し、受信した個体情報をRAM117(記憶部)に記憶させるHDMIレシーバ100(受信手段)、及び、個体情報をRAM117(記憶部)から読み出し、読み出した個体情報をサーバに提供するイーサネットI/F115(提供手段)を備えたテレビ1と、(3)テレビ1から提供された個体情報に基づいてテレビ1のユーザを特定するユーザ特定手段を備えたサーバとを含むシステムを構成することができる。このようなシステムを構成すれば、サーバは、テレビ1のユーザ(又は、そのユーザに関する情報)に応じて、テレビ1に提供するサービスを選択または制限することができる。例えば、サーバは、テレビ1のユーザ(又は、そのユーザに関する情報)に応じて、テレビに配信するコンテンツを選択又は制限することができる。
【0120】
以上のように、テレビ1は、HDMI接続された携帯電話端末2から、携帯電話端末2を他の携帯機器と識別するための個体情報、又は、携帯電話端末2のユーザを他のユーザと識別するための個人情報を取得する機能を備えているので、この個体情報又は個人情報に応じて、表示する映像を変更することができる。上述した個人情報又は個体情報に応じた画質調整及びGUI調整は、ここで云う「映像の変更」の一例である。また、上述した固体情報又は個人情報に応じて選択されたコンテンツの配信を受ける(取得する)構成を採用する場合にも、個体情報又は個人情報に応じて表示する映像の内容が変更されることになる。
【0121】
また、本実施形態においては、ソース機器に対する処理の実行指示を、操作パネルを用いて行う構成について説明したが、これに限定されない。すなわち、ソース機器に対する処理の実行指示を、操作パネルを用いずに行うこともできる。例えば、テレビを操作するためのリモコンのキーが押下されたときに、テレビ1が、そのキーのキーIDをソース機器に通知する構成を採用してもよい。テレビ1が、押下されたキーのキーIDをソース機器に通知するためのコマンドとしては、CECの標準コマンドである<User Control Pressed>コマンド及び<User Control Released>コマンドを使用することができる。テレビ1は、キーが押下された時点で<User Control Pressed>コマンドを送信し、キーが開放された時点で<User Control Released>コマンドを送信する。一方、ソース機器は、<User Control Pressed>コマンドを受信した時点で処理の実行を開始し、<User Control Released>コマンドを受信した時点で処理の実行を終了する。この際、押下されたキーのキーIDを各コマンドの引数とすれば、キーが押下されたタイミング及びキーが開放されたタイミングに加え、どのキーが押下されたのかをソース機器に通知することができる。このような構成を採用することによって、ユーザは、テレビ1を操作するためのリモコンがあたかも携帯電話端末2の一部であるかのように、携帯電話端末2を操作することが可能になる。
【0122】
(管理テーブル更新処理の詳細)
ソース機器とのHDMI接続が確立されたときに、テレビ1(アドレス取得部301、デバイスタイプ取得部302、管理テーブル更新部303)にて実行される管理テーブル更新処理について、図10を参照して説明する。図10は、テレビ1にて実行される管理テーブル更新処理の流れを示すフローチャートである図10に示すフローチャートに含まれる各ステップについて順に説明すれば以下のとおりである。
【0123】
ステップS11:アドレス取得部301は、5V電力検知部155からソース機器との接続が確立された旨の通知を受けると、そのソース機器に対して<Give Physical Address>コマンドを送信する。
【0124】
ステップS12:アドレス取得部301は、<Give Physical Address>コマンドに対するソース機器からの応答を待ち受ける。<Report Physical Address>コマンドを受信すると、アドレス取得部301は、<Report Physical Address>コマンドに引数として含まれている物理アドレス及び論理アドレス(機器種別情報)を管理テーブル更新部303に通知すると共に、アドレス取得処理が完了した旨をデバイスタイプ取得部302に通知する。
【0125】
ステップS13:デバイスタイプ取得部302は、アドレス取得処理が完了した旨の通知を受けると、そのソース機器に対して<Give Device Type>コマンドを送信する。
【0126】
ステップS14〜S15:デバイスタイプ取得部302は、<Give Device Type>コマンドに対するソース機器からの応答を、タイムアウトする(ステップS15においてYes)まで待ち受ける。ここで、タイムアウトするとは、<Give Device Type>コマンドを送信してから予め定められた時間(例えば1秒)が経過したことを指す。タイムアウトする前に<Report Device Type>コマンドを受信すると、デバイスタイプ取得部302は、デバイスタイプが「Mobile Phone」である旨を管理テーブル更新部303に通知する。なお、本実施形態における、デバイスタイプは、<Report Device Type>の発行元が携帯電話端末であるか否かを示す情報であり、<Report Device Type>の発行元が携帯電話端末である場合は値「Mobile Phone」を取る。
【0127】
ステップS16:<Report Device Type>コマンドを受信する前にタイムアウトした場合、デバイスタイプ取得部302は、ステップS12にて取得した論理アドレスに対応する機器種別(図面においては、ステップS12にて取得した論理アドレスがプレーヤ1〜3である場合を例示している)を管理テーブル更新部303に通知する。
【0128】
ステップS17:管理テーブル更新部303は、ステップS12にてアドレス取得部301から通知された物理アドレス及び論理アドレス、並びに、ステップS14又はステップS16にてデバイスタイプ取得部302から通知されたデバイスタイプを、互いに関連付けて管理テーブルに記録する。
【0129】
図11(a)は、管理テーブル更新処理の実行例であって、携帯電話端末との間でHDMI接続が確立された場合の実行例を示すシーケンス図である。図12(a)は、管理テーブル更新処理を実行した後の管理テーブルの内容を示す図である。携帯電話端末との間でHDMI接続が確立された場合、図11(a)に示すように、<Give Device Type>コマンドに対して、携帯電話端末から「Mobile Phone」を引数に含む<Report Device Type>が返される。このため、管理テーブル更新部303は、図12(a)に示すように、HDMI接続が確立された携帯電話端末の物理アドレス及び論理アドレスを、デバイスタイプ「Mobile Phone」に関連付けて管理テーブルに登録する。
【0130】
図11(b)は、管理テーブル更新処理の他の実行例であって、BDプレーヤとの間でHDMI接続が確立された場合の実行例を示すシーケンス図である。図12(b)は、管理テーブル更新処理を実行した後の管理テーブルの内容を示す図である。BDプレーヤとの間でHDMI接続が確立された場合、図11(b)に示すように、<Give Device Type>コマンドに対して、BDプレーヤは<Report Device Type>を返さない。このため、管理テーブル更新部303は、図12(b)に示すように、HDMI接続が確立されたBDプレーヤの物理アドレス及び論理アドレスを、デバイスタイプ「Mobile Phone」ではなく、論理アドレス「プレーヤ」に関連付けて管理テーブルに登録する。
【0131】
なお、管理テーブル更新処理は、図10に示したものに限定されない。例えば、図13又は図14のように変形することも可能である。
【0132】
図13は、管理テーブル更新処理の第1の変形例を示すフローチャートである。図13に示す管理テーブル更新処理は、(1)ソース機器の物理アドレス及び論理アドレスを取得し(ステップS11〜12)、(2)取得した論理アドレスが「プレーヤ」であるか否かを判定し(ステップS21)、(3)取得した論理アドレスが「プレーヤ」である場合に限って、ソース機器のデバイスタイプを取得する(ステップS13〜15)ものである。携帯電話端末の論理アドレスを「プレーヤ」とすることが取り決められている場合には、携帯電話端末ではあり得ない「プレーヤ」以外のソース機器に対して<Give Device Type>を発行する無駄を省くことができる。
【0133】
図14は、管理テーブル更新処理の第2の変形例を示すフローチャートである。図14に示す管理テーブル更新処理は、(1)ソース機器の物理アドレス及び論理アドレスを取得し(S11〜12)、(2)<Give Vender ID>コマンド及び<Report Vender ID>コマンドを用いてソース機器のベンダIDを取得し(ステップS22〜23)、(3)ベンダIDが特定のベンダIDと一致しているか否かを判定し(ステップS24)、(4)取得したベンダIDが予め定められた特定のベンダIDと一致している場合に限って、ソース機器のデバイスタイプを取得する(ステップS13〜15)ものである。ステップS23にて取得したベンダIDと、<Give Device Type>コマンドをサポートしているメーカのベンダIDとをステップS24において比較するようにすれば、<Give Device Type>をサポートしていないメーカ製のソース機器に対して<Give Device Type>コマンドを発行する無駄を省くことができる。
【0134】
(操作パネル表示処理の詳細)
テレビ1(UI部305)にて実行される操作パネル表示処理に図15を参照して説明する。図15は、操作パネル表示処理の流れを示すフローチャートである。図15に示すフローチャートに含まれる各ステップについて説明すれば以下のとおりである。
【0135】
なお、図5に示す操作パネル表示処理は、ユーザが操作パネルの表示を要求したこと、又は、ソース機器がコンテンツの再生を開始したことをトリガーとして実行される。テレビ1(UI部305)は、赤外線受光部119から供給されるリモコン信号を参照して、ユーザからの要求を検知し、操作パネル表示処理の開始トリガーとすることができる。また、テレビ1(UI部305)は、ソース機器から送信される<Active Source>の受信を検出することによって、ソース機器がコンテンツの再生を開始したことを検知し、操作パネル表示処理の開始トリガーとすることができる。
【0136】
ステップS31:UI部305は、入力ソースとして選択されているソース機器の物理アドレス(以下、「入力パス」と呼称)を入力ソース選択部304から取得し、取得した入力パスが管理テーブルに登録されているか否かを判定する。入力パスが管理テーブルに登録されている場合、UI部305は、入力パスに対応する操作パネルをOSD表示する。
【0137】
ステップS32:取得した入力パスが管理テーブルに登録されている場合(ステップS31においてYes)、UI部305は、管理テーブルにおいて入力パスに関連付けられた論理アドレスを参照し、入力ソースとして選択されているソース機器の機器種別に対応する操作パネルをOSD表示する。ただし、管理テーブルにおいて、入力パスにデバイスタイプ「Mobile Phone」が関連付けられている場合には、携帯機器用の操作パネルをOSD表示する。
【0138】
ステップS33:取得した入力パスが管理テーブルに登録されていない場合(ステップS31においてNo)、UI部305は、機器リストをOSD表示する。ここで、機器リストとは、管理テーブルに登録されている各ソース機器の機器種別を列挙したリストである。各ソース機器の機器種別(論理アドレス)に加え、各ソース機器の機器名が管理テーブルに登録されている場合には、各ソース機器の機器名を列挙したリストを機器リストとしてOSD表示してもよい。
【0139】
ステップS34:機器リストをOSD表示した後、UI部305は、機器リストに列挙されたソースの機器の何れかがユーザによって選択されることを待ち受ける。ユーザによって機器リストから選択されたソース機器を、以下、選択機器と呼称する。
【0140】
ステップS35:機器リストに列挙されたソース機器の何れかがユーザによって選択されると(ステップS34においてYes)、UI部305は、選択機器の機器種別に対応する操作パネルをOSD表示する。ただし、管理テーブルにおいて選択機器にデバイスタイプ「Mobile Phone」が関連付けられている場合には、携帯機器用の操作パネルをOSD表示する。
【0141】
ステップS36:UI部305は、管理テーブルにおいて選択機器に関連付けられている物理アドレスが入力パスに一致しているか否かを判定する。
【0142】
ステップS37:管理テーブルにおいて選択機器に関連付けられている物理アドレスが入力パスに一致しない場合(ステップS36においてYes)、UI部305は、入力パスの切り替えを入力ソース選択部304に指示する。入力ソース選択部304は、入力ソースとして選択するソースを選択機器に切り替える。
【0143】
なお、よりシンプルな他の操作パネル表示方法としては、携帯電話端末とのHDMI接続が確立されたことをトリガーとして、携帯電話端末用の操作パネルの表示を開始し(操作パネルを画面上に出現させ)、その携帯電話端末とのHDMI接続が解除されたことをトリガーとして、その携帯電話端末用の操作パネルの表示を終了する(操作パネルを画面上から消去する)方法を挙げることができる。図2(b)に示すように、3つの携帯電話端末2a〜2cがHDMI接続されている場合には、各携帯電話端末に対応する3つの操作パネルを同時に表示する構成を採用してもよいし、最後にHDMI接続された携帯電話端末に対応する操作パネルのみを表示する構成を採用してもよい。
【0144】
(ワンセグコンテンツのリレー視聴)
なお、テレビ1は、ワンセグ放送を受信可能な携帯電話端末2とHDMI接続されたときに、CECコマンドを用いてワンセグ放送コンテンツの再生開始をその携帯電話端末2に指示し、テレビ1と携帯電話端末2とをHDMI接続するだけでワンセグ放送コンテンツがテレビ1から出力される構成を採用してもよい。これにより、携帯電話端末2を用いてワンセグ放送コンテンツを視聴しながら帰宅したユーザが、自宅のテレビ1に携帯電話端末2を繋ぐだけで、直ちにワンセグ放送コンテンツの続きを視聴することが可能になる。
【0145】
(地上波デジタル放送チューナとしての利用)
また、テレビ1は、2011年のアナログ放送の停波に備えて、以下のような機能を有していてもよい。すなわち、アナログ放送の停波を検出(例えば、アナログ放送用チューナから映像/音声信号が出力されなくなったことを検出)した場合、テレビ1が、HDMI接続された携帯電話端末2にワンセグ放送の受信処理の開始を指示し、携帯電話端末2によって再生されたワンセグ放送コンテンツをテレビ1にて表示するようにしてもよい。これにより、アナログ放送チューナしか備えていないテレビを使用しているユーザも、テレビ1と携帯電話端末2とをHDMI接続するだけで、アナログ放送停波後も携帯電話端末2のワンセグ放送用チューナで受信したテレビ番組を視聴することが可能になる。なお、携帯電話端末2でワンセグ放送以外の放送コンテンツを受信できるアンテナを搭載可能となった場合は、受信可能な放送はワンセグ放送に限定されるものではない。
【0146】
また、テレビ1は、HDMI接続された携帯電話端末2における電池残量を示す電池残量情報を携帯電話端末2から取得し、取得した電池残量情報に基づいて電池残量を示すインジケータをOSD表示する構成を採用してもよい。これにより、テレビ1とHDMI接続された携帯電話端末2における電池残量を、ユーザは、テレビ1の大きな画面を通じて一目瞭然に確認することができる。なお、このインジケータを表示する画面上の位置は、特に限定されるものではないが、例えば、携帯電話端末用の操作パネルの近傍、あるいは、携帯電話端末の操作パネルに含まれる操作ボタンの近傍にこのインジケータを配置することができる。また、このインジケータを表示するタイミングは、特定に限定されるものではないが、例えば、テレビ1と携帯電話端末2との接続が確立された時点(携帯電話端末2が充電台に載置された時点)とすることができる。
【0147】
(テレビが有する通信機能の利用)
テレビ1は、CPU118を備えているので、携帯電話端末2と同様、電子メールクライアントやウェブブラウザなどの通信用アプリケーションを実行することができる。以下、携帯電話端末2上で動作する通信用アプリケーションとテレビ1上で動作する通信用アプリケーションとの連携について、図16を参照して簡単に説明する。
【0148】
図16(a)は、携帯電話端末2側の電子メールクライアントが電子メールを受信したときに、テレビ1が表示する表示画面の例である。電子メールを受信すると、携帯電話端末2側の電子メールクライアントは、受信した電子メールの送信元アドレスを、CECコマンドを使ってテレビ1側の電子メールクライアントに送信する。携帯電話端末2側の電子メールクライアントから送信元アドレスを受信すると、テレビ1側の電子メールクライアントは、図16(a)に示す操作パネル70を表示する。
【0149】
操作パネル70には、携帯電話端末2側の電子メールクライアントが受信した電子メールの送信元アドレス71の他に、テレビ1側の電子メールクライアントを用いて返信処理を実行するか、携帯電話端末2側の電子メールクライアントを用いて返信処理を実行するかを、ユーザに選択させるためのボタン72a〜72bが設けられている。
【0150】
テレビ1側の電子メールクライアントを用いて返信処理を行うことをユーザが選択した場合、テレビ1側の電子メールクライアントは、図16(a)に示すように、送信元アドレス71宛ての返信メールを作成するための返信メール作成画面75を表示する。ユーザは、操作パネル70に設けられテンキー73を用いて、返信メール作成画面75上に表示された送信文76を自由に編集することができる。送信文76の編集が完了し、ユーザが送信ボタン77を選択すると、テレビ1側の電子メールクライアントは、編集が完了した送信文を含む電子メールを送信元アドレス71宛てに送信する。
【0151】
この際、テレビ1側の電子メールクライアントは、イーサネットI/F115を介して電子メールを送信する。このため、携帯電話端末2側の電子メールクライアントを用いて電子メールを送信することに伴う通信費用は発生しない。
【0152】
図16(b)は、携帯電話端末2側のウェブブラウザにおいてユーザがURLを入力又は選択したときに、テレビ1が表示する表示画面の例である。ユーザがURLを入力又は選択すると、携帯電話端末2側のウェブブラウザは、ユーザが入力又は選択したURLを、CECコマンドを使ってテレビ1側のウェブブラウザに送信する。携帯電話端末2側のウェブブラウザからURLを受信すると、テレビ1側のウェブブラウザは、図16(b)に示す操作パネル80を表示する。
【0153】
操作パネル80には、携帯電話端末2側のウェブブラウザにおいてユーザがURLを入力又は選択したURL81の他に、ウェブページへのアクセスをテレビ1にて実行するか携帯電話端末2にて実行するかをユーザに選択させるためのボタン82a〜82bが設けられている。ウェブページへのアクセスをテレビ1にて実行することをユーザが選択した場合、テレビ1側のウェブブラウザは、図16(b)に示すように、URL81により指定されるリソースを取得し、取得したリソースを用いてウェブページ85を表示する。このため、携帯電話端末2側のウェブブラウザを用いてウェブページを表示するためのリソースを取得することに伴う通信費用の発生を回避することができる。
【0154】
ここで、ウェブページへのアクセスとは、周知のように、リソース(以下、「ウェブリソース」と略記する)をウェブサーバから取得すると共に、取得したウェブリソースを参照してウェブページを表示する処理を指す。ウェブリソースとしては、HTML(Hypertext Markup Language)文書や、ウェブページに埋め込まれる動画又は静止画を表す画像データなどが代表的である。
【0155】
図16(a)を参照して説明したように、テレビ1は、携帯電話端末2側で実行すべき電子メールの送信処理を代行する機能を有している。また、このような機能を実現するために、テレビ1は、その電子メールの送信先を示すメールアドレスを携帯電話端末2から取得する機能を有している。特に、携帯電話端末2側で実行すべき送信処理が、携帯電話端末2が受信した受信メールに対する返信処理である場合、テレビ1が携帯電話端末2から取得するメールアドレスは、携帯電話端末2が受信した受信メールの送信元(=返信処理における送信先)を示すメールアドレスになる。
【0156】
また、図16(b)を参照して説明したように、テレビ1は、携帯電話端末2側で実行すべきウェブリソースの取得処理を代行する機能を有している。また、このような機能を実現するために、テレビ1は、そのウェブリソースのURLを携帯電話端末2から取得する機能を有している。
【0157】
さらに、図9(c)を参照して既に説明したように、テレビ1は、携帯電話端末2側で実行すべき通話のための呼出処理を代行する機能を有している。また、このような機能を実現するために、テレビ1は、その呼出処理における呼出先を示す電話番号を携帯電話端末2から取得する機能を有している。特に、携帯電話端末2側で実行すべき呼出処理が、携帯電話端末2が着信した呼出に対するコールバック処理である場合、テレビ1が携帯電話端末2から取得する電話番号は、携帯電話端末2が着信した呼出の呼出元(=コールバック処理における呼出先)を示す電話番号になる。
【0158】
このように、テレビ1は、HDMIを介して接続された携帯電話端末2から、携帯電話端末2が実行すべき通信処理に関する通信情報(メールアドレス、URL、又は、電話番号)を取得する通信情報取得機能と、取得した上記通信情報に基づいて携帯電話端末2が実行すべき通信処理(電子メールの送信処理、ウェブリソースの取得処理、又は、通話のための呼出処理)を代行する通信処理代行機能とを有している。上述したように、これらの通信情報をCECコマンドとして伝送する場合、HDMIレシーバ100が通信情報取得機能を実現するための手段として機能し、これらの通信処理をソフトウェア用いて実現する場合、通信用アプリケーション(電子メールクライアント、ウェブブラウザ、通話用アプリケーション)を実行するCPU118が通信処理代行機能を実現するための手段として機能する。
【0159】
ここで、テレビ1は、携帯電話端末2が実行すべき通信処理を代行する際に、携帯電話端末2が利用する通信媒体とは異なる通信媒体を利用することが望ましい。テレビ1で利用可能な通信媒体が携帯電話端末2で利用可能な通信媒体とが異なることは、図8を参照して既に説明したとおりであり、携帯電話端末2で利用可能な通信媒体とは異なる通信媒体を利用することによって、同じ通信処理がより安価に行ない得ることは、図9(c)を参照して既に説明したとおりである。ここで、インターネットを利用する通信処理においては、携帯電話端末2で利用可能な通信媒体として、携帯電話キャリアが提供する非定額制(例えば、パケット数による従量制)のインターネット接続サービスが挙げられ、テレビ1で利用可能な通信媒体として、インターネット・サービス・プロバイダが提供する定額制のインターネット接続サービスが挙げられる。また、通話においては、携帯電話端末2で利用可能な通信媒体として、携帯電話網が挙げられ、テレビ1において利用可能な通信媒体として、IP電話網や光電話網などが挙げられる。
【0160】
(携帯型情報端末を利用したテレビ及びソース機器の制御)
テレビ1は、上述したようにリモコンを用いて操作してもよいが、スマートフォンやタブレット型PC等の携帯型情報端末を用いて操作してもよい。
【0161】
図18は、携帯型情報端末5を利用してテレビ1を操作することが可能なシステム10’の構成を示す図である。図18に示すように、システム10’は、テレビ1、ソース機器2、ルータ4、及び携帯型情報端末5を含んでいる。ソース機器2は、上述したように携帯電話端末であってもよいが、携帯電話端末以外のソース機器、例えば、レコーダ等であってもよい。テレビ1は、商用電源に接続して利用する据え置き型のテレビであってもよいし、バッテリーを内蔵したポータブルテレビ(外付チューナから無線LANを介して送出される映像を再生するモニタを含む)であってもよい。
【0162】
図18に示すシステム10’において、テレビ1とソース機器2とは、HDMIケーブル3によって互いに接続されている。テレビ1とソース機器2とが、このHDMIケーブル3を介して伝送されるCECコマンドを用いて相互に制御しあう点は、図2(a)に示したシステム10と同様である。
【0163】
図18に示すシステム10’においては、更に、テレビ1と携帯型情報端末5とが互いに通信可能に構成されている。テレビ1と携帯型情報端末5との間の通信をサポートする通信媒体は特に限定されないが、ここでは、テレビ1と携帯型情報端末5との間にルータ4を介在させ、テレビ1とルータ4とをイーサネットケーブル6によって接続し、ルータ4と携帯型情報端末5とをIEEE802.11シリーズ等の無線LANによって接続している。なお、テレビ1が無線LANインターフェースを備えている場合には、テレビ1とルータ4とを無線LANによって接続する構成、あるいは、ルータ4を介さずにテレビ1と携帯型情報端末5とを無線LANによって接続する構成も可能である。
【0164】
テレビ1及び携帯型情報端末5は、UPnP(Universal Plug and Play)をサポートしていることが好ましい。この場合、携帯型情報端末5は、ルータ4のサービスエリア内に入ると、SDDP等のプロトコルを用いてルータ4に接続されたテレビ1を自動的に検出することができる。この際、携帯型情報端末5は、テレビ1の機器名を取得する。
【0165】
携帯型情報端末5には、携帯型情報端末5をテレビ1のリモコンのように機能させるためのアプリケーション(以下「リモコンアプリ」と記載)がインストールされている。リモコンアプリが起動された後にテレビ1を検出した場合、あるいは、テレビ1を検出した後にリモコンアプリが起動された場合、携帯型情報端末5によるテレビ1の操作(IPコントロール)が可能になる。なお、LAN内にテレビ1等のUPnP対応機器が複数存在している場合、携帯型情報端末5は、それらUPnP対応機器の機器名のリストを表示し、ユーザに操作対象機器を選択させる。
【0166】
携帯型情報端末5上で動作するリモコンアプリにより生成され、携帯電話端末5のタッチパネルに表示される表示画面の例を図19(a)に示す。この表示画面は、リモコンをエミュレートしたものであり、「テレビ電源」と記された電源キー、「−」「+」と記された音量調整キー、「1」〜「12」が放送局名と共に記されたチャンネルキーなど、テレビ1を操作するための各種キーが設けられている。例えば、「1」と記されたチャンネルキーが押下されると、リモコンアプリは、チャンネルを1チャンネルに切り替えることを指示する制御コマンドをテレビ1に送信する。テレビ1は、受信した制御コマンドに従って、チャンネルを1チャンネルに切り替える。この際、テレビ1においては、図4に示すイーサネットI/F115及びCPU118が制御コマンド受信手段として機能する。
【0167】
リモコンアプリは、テレビ1を操作する機能の他に、ソース機器2を操作する機能も有している。具体的には、図19(a)に示す表示画面の下部に設けられた「リンク操作」キーを押下すると、図19(b)に示す表示画面が現れる。図19(b)に示す表示画面には、早戻しキー、再生キー、早送りキーなど、ソース機器2を操作するための各種キーが設けられている。例えば、再生キーが押下されると、リモコンアプリは、対象コンテンツの再生開始を指示する制御コマンドをテレビ1に送信する。テレビ1は、受信した制御コマンドをこれに相当するCECコマンドに変換し、得られたCECコマンドをソース機器2に送信する。ソース機器2は、受信したCECコマンドに従って対象コンテンツの再生を開始する。この際、テレビ1においては、図4に示すイーサネットI/F115、CPU118、及びHDMIレシーバ100が制御コマンド転送手段として機能する。
【0168】
ソース機器2を操作するための表示画面に関して、テレビ1がソース機器の論理アドレス及び/又はデバイスタイプを携帯型情報端末5に通知し、携帯型情報端末5上で動作するリモコンアプリがソース機器2の論理アドレス及び/又はデバイスタイプに応じた表示画面を表示するようにしてもよい。これにより、どのようなタイプのソース機器2がテレビ1にHDMI接続された場合であっても、そのタイプのソース機器2の操作に適したリモコンとして携帯型情報端末5を機能させることが可能になる。
【0169】
なお、携帯型情報端末5上で動作するリモコンアプリは、従来の赤外線リモコンをエミュレートすることを基本としたものであるが、従来の赤外線リモコンにはなかった機能をも有し得る。従来の赤外線リモコンが有する機能の他に、例えば、以下のような機能をリモコンアプリに持たせることができる。
【0170】
1.URLジャンプ機能、すなわち、テレビ1上で動作するウェブブラウザを起動し、指定したURLにアクセスさせる機能。
【0171】
2.TV状態取得機能、すなわち、テレビ1のステータス情報、設定情報、及びイベント情報を取得する機能。
【0172】
3.文字入力機能、すなわち、ソフトウェアキーボードを用いた文字列の入力を受け付け、入力された文字列をテレビ1に送信する機能。
【0173】
4.インフォメーション通知機能、すなわち、携帯型情報端末5において電話着信イベントやメール受信イベントが発生した際に、当該イベントの発生をテレビ1に通知する機能。
【0174】
5.シームレス検索機能、すなわち、キーワードにより番組情報、録画リスト、VODタイトル、インターネットから検索した結果を表示する機能。
【0175】
6.フレンドリネーム設定機能、すなわち、テレビ1側のフレンドリネーム(機器リスト名)を、携帯型情報端末5を用いて設定する機能。
【0176】
なお、以上の説明では、携帯型情報端末5とソース機器2とがルータ4及びテレビ1を介して通信するものとしたが、携帯型情報端末5とソース機器2とが無線LANを用いて直接通信する構成を採用してもよい。この場合、ソース機器2を操作するための制御コマンドを携帯型情報端末5からソース機器2に直接送信することも可能になる。
【0177】
(プログラム及び記録媒体)
最後に、テレビ1の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0178】
後者の場合、テレビ1は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるテレビ1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記テレビ1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0179】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0180】
また、テレビ1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0181】
(HDMIと置換可能な通信媒体)
なお、テレビ1と携帯電話端末2とを接続態様は、図2〜図3に示す有線接続に限定されない。テレビ1と携帯電話端末2とは、無線接続されていてもよいし、有線伝送媒体と無線伝送媒体との双方により接続されていてもよい。
【0182】
テレビ1と携帯電話端末2との接続に利用可能な有線伝送媒体としては、上述したHDMI、USB、IEEE1394、イーサネット(Ethernet、登録商標)などが挙げられ、テレビ1と携帯電話端末2との接続に利用可能な有線伝送媒体としては、上述したIEEE802.11、Bluetooth、IrDA、IrSimpleなどが挙げられる。
【0183】
(付記事項)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0184】
従来のテレビにおいては、HDMI接続されたソース機器の機器種別を、プレーヤ、レコーダ、チューナ、又は、オーディオの何れであるかという以上に詳しく識別することができないという問題があった。これは、HDMI接続されたソース機器の機器種別を識別するために、論理アドレスを用いているためである。
【0185】
このため、ソース機器を操作するためのユーザーインターフェースをテレビに表示しようとした場合、プレーヤ用、レコーダ用、チューナ用、又は、オーディオ用のユーザーインターフェースを表示することはできても、例えば、携帯機器用のユーザーインターフェースを表示するといったことができなかった。
【0186】
以下に示す一群の発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ソース機器から供給されたコンテンツを出力する出力装置において、ソース機器の機器種別を従来よりも詳しく識別することができる出力装置を実現することにある。
【0187】
本発明に係る出力装置は、ソース機器から供給されたコンテンツを出力する出力装置において、第1の分類において上記ソース機器が分類される機器種別を示す第1の機器種別情報を上記ソース機器から取得する第1の機器種別情報取得手段と、上記第1の分類とは異なる第2の分類において上記ソース機器が分類される機器種別を示す第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得する第2の機器種別情報取得手段と、上記ソース機器の機器種別を、上記第1の機器種別情報取得手段が取得した第1の機器種別情報と、上記第2の機器種別情報取得手段が取得した第2の機器種別情報とを組み合わせることによって特定する機器種別特定手段と、を備えている、ことを特徴とする。
【0188】
また、本発明に係る出力方法は、ソース機器から供給されたコンテンツを出力装置が出力する出力方法において、第1の分類において上記ソース機器が分類される機器種別を示す第1の機器種別情報を、上記出力装置が上記ソース機器から取得する第1の機器種別情報取得ステップと、上記第1の分類とは異なる第2の分類において上記ソース機器が分類される機器種別を示す第2の機器種別情報を、上記出力装置が上記ソース機器から取得する第2の機器種別情報取得ステップと、上記出力装置が、上記ソース機器の機器種別を、上記第1の機器種別情報取得ステップにて取得した第1の機器種別情報と上記第2の機器種別情報取得ステップにて取得した第2の機器種別情報とを組み合わせることによって特定する機器種別特定ステップと、を含んでいる、ことを特徴とする。
【0189】
また、本発明に係るソース機器は、出力装置にコンテンツを供給するソース機器であって、第1の分類において自身が分類される機器種別を示す第1の機器種別情報を上記出力装置に提供する第1の機器種別情報提供手段と、上記第1の分類とは異なる第2の分類において自身が分類される機器種別を示す第2の機器種別情報を上記出力装置に提供する第2の機器種別情報提供手段と、を備えている、ことを特徴とする。
【0190】
また、本発明に係るシステムは、上記出力装置と上記ソース機器とを含んでいる、ことを特徴とする。
【0191】
上記の構成によれば、上記第1の分類における機器種別と上記第2の分類における機器種別との組み合わせによって、上記ソース機器の機器種別を特定する。したがって、上記第1の分類における機器種別のみによって、上記ソース機器の機器種別を特定する場合と比べて、より詳しく上記ソース機器の機器種別を特定することができる。また、上記第1の分類における機器種別、又は、上記第2の分類における機器種別が異なるソース機器毎、異なる処理を実行することができる。
【0192】
なお、上記ソース機器は、映像コンテンツを供給するソース機器であってもよいし、音声コンテンツを供給するソース機器であってもよいし、映像コンテンツ及び音声コンテンツを供給する装置であってもよい。また、上記ソース機器は、電子書籍を供給するソース機器であってもよい。上記出力機器は、映像コンテンツを出力(表示)する出力装置(表示装置)であってもよいし、音声コンテンツを出力する出力装置であってもよいし、映像コンテンツ及び音声コンテンツを出力する出力装置であってもよい。
【0193】
また、上記第2の機器種別情報取得手段は、例えば、上記ソース機器との接続が確立されたことをトリガーとして上記第2の機器種別情報を取得する構成とすることができる。上記第1の機器種別情報取得手段も同様である。
【0194】
本発明に係る出力装置において、上記第2の機器種別情報取得手段は、上記第1の機器種別情報が特定の機器種別を示す機器種別情報であるときに限って、上記第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得し、上記機器種別特定手段は、上記第1の分類において上記特定の機器種別に分類されるソース機器の機器種別を上記第2の機器種別情報によって特定する、ことが望ましい。
【0195】
上記の構成によれば、機器種別をより詳しく特定する必要があるソース機器が上記第1の分類において上記特定の機器に分類されるソース機器のみである場合に、上記第2の機器種別情報取得手段が無駄に上記第2の機器種別情報を取得することを回避することができる。
【0196】
例えば、CECプロトコルにおいて、携帯電話端末は、通常、プレーヤに分類される。したがって、携帯電話端末であるか否かを特定するために必要があるソース機器はプレーヤのみである。この場合、上記第2の機器種別情報取得手段は、論理アドレス(上記第1の機器種別情報)がプレーヤ1〜3(特定の機器種別)の何れかであるときに限って、上記第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得し、上記機器種別特定手段は、上記第2の機器種別情報によって特定する構成が有効である。
【0197】
本発明に係る出力装置は、上記ソース機器を製造又は販売したベンダを示すベンダ情報を上記ソース機器から取得するベンダ情報取得手段を更に備え、上記第2の機器種別情報取得手段は、上記ベンダ情報取得手段が取得したベンダ情報が特定のベンダを示すベンダ情報であるときに限って、上記第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得し、上記機器種別特定手段は、上記特定のベンダが製造又は販売したソース機器の機器種別を、上記第2の機器種別情報によって特定する、ことが望ましい。
【0198】
上記の構成によれば、上記第2の機器種別情報を提供することができない可能性のある、上記特定のベンダ以外のベンダが製造又は販売したソース機器から、上記第2の機器種別情報取得手段が無駄に上記第2の機器種別情報を取得しようとすることを回避することができる。
【0199】
なお、上記第2の分類が、各ソース機器を2つの機器種別の何れかに分類するものである場合、例えば、上記第2の機器種別情報取得手段は、上記ソース機器に対して上記第2の機器種別情報の提供を要求すると共に、上記ソース機器が上記第2の分類において特定の機器種別に分類されるソース機器であるときに限って、上記第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得し、上記機器種別特定手段は、上記ソース機器が上記第2の分類において上記特定の機器種別に分類されるソース機器であるか否かを、上記第2の機器種別情報取得手段が上記第2の機器種別情報を取得したか否かによって特定する、構成を採用することができる。
【0200】
特に、上記第2の分類が、各ソース機器を携帯機器又は非携帯機器の何れかに分類するものである場合、例えば、上記第2の機器種別情報取得手段は、上記ソース機器に対して上記第2の機器種別情報を要求すると共に、上記ソース機器が携帯機器であるときに限って、上記第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得し、上記機器種別特定手段は、上記ソース機器が携帯機器であるか否かを、上記第2の機器種別情報取得手段が上記第2の機器種別情報を取得したか否かによって特定する、構成を採用することができる。
【0201】
本発明に係る出力装置は、上記ソース機器を操作するためのユーザーインターフェースであって、上記機器種別特定手段が特定した上記ソース機器の機器種別に応じたユーザーインターフェースを表示するユーザーインターフェース表示手段を備えている、ことが望ましい。また、本発明に係る出力装置は、上記ユーザーインターフェースに対してユーザ操作が為されたとき、該ユーザ操作に関連付けられたコマンドをソース機器に発行するコマンド発行手段を更に備えている、ことが望ましい。
【0202】
上記の構成によれば、上記ソース機器を、上記ソース機器の機器種別に応じたユーザーインターフェースを用いてユーザに操作させることができる。
【0203】
なお、上記ユーザーインターフェース表示手段は、上記ソース機器との接続が確立されたことをトリガーとして、上記ユーザーインターフェースの表示を開始し、上記ソース機器との接続が解除されたことをトリガーとして、上記ユーザーインターフェースの表示を終了する、構成とすることができる。また、上記ユーザーインターフェース表示手段は、当該出力装置に接続されているソース機器のうち、当該出力装置に最後に接続されたソース機器の機器種別に応じたユーザーインターフェースを表示する、構成とすることができる。
【0204】
本発明に係る出力装置において、上記コマンド発行手段は、上記ソース機器上で動作する通信用アプリケーションを操作するためのコマンドを発行するものである、ことが望ましい。
【0205】
上記の構成によれば、上記携帯機器が有している通信機能を、上記出力装置において利用することが可能になる。
【0206】
本発明に係る出力装置において、上記通信用アプリケーションは、電子メールクライアントである、ことが望ましい。
【0207】
上記構成によれば、上記携帯機器が有している電子メールクライアント機能を、上記出力装置において利用することが可能になる。
【0208】
本発明に係る出力装置が、HDMIケーブルを介して上記ソース機器から供給されたコンテンツを出力するシンク機器である場合、例えば、上記第1の機器種別情報取得手段及び上記第2の機器種別情報取得手段は、それぞれ、上記HDMIケーブルを介して伝送されるCECコマンドを用いて上記第1の機器種別情報及び上記第2の機器種別情報を取得する構成を採用することができる。
【0209】
また、上記出力装置が備えているコンピュータを動作させるプログラムであって、上記コンピュータを上記の各手段として実行させるためのプログラム、および当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0210】
従来のテレビに接続された携帯電話端末は、テレビの近傍(HDMI等の有線接続の場合はケーブルが届く範囲内、無線接続の場合は搬送波が到達する範囲内)に設置される。したがって、携帯電話端末に通信処理を実行させるためには、テレビに接続された携帯電話端末を手にとって操作せねばならず、ユーザに不便を強いることになっていた。このような課題を解決するものとして、本明細書には、以下に示す一群の発明が記載されている。
【0211】
1.インターフェースを介して接続された携帯機器にコマンドを発行することによって、当該携帯機器上で動作させる通信用アプリケーションを選択するか、又は、当該携帯機器上で動作している通信用アプリケーションを制御する制御手段を備えている、ことを特徴とする表示装置。
【0212】
上記の構成によれば、表示装置を用いて携帯機器上で動作させる通信用アプリケーションを選択したり、携帯機器上で動作している通信用アプリケーションを制御したりすることができる。すなわち、携帯機器を手にとって操作することなく、携帯機器の有する通信機能を活用することができる。
【0213】
2.上記携帯機器に送信するコマンドをユーザに選択させるための操作パネルをディスプレイに表示する操作パネル表示手段を更に備えている、ことを特徴とする1に記載の表示装置。
【0214】
上記の構成によれば、ユーザは、ディスプレイに表示された操作パネルを見ながら、携帯機器上で動作させる通信用アプリケーションを選択したり、携帯機器上で動作している通信用アプリケーションを制御したりするための操作を行なうことができる。これにより、表示装置を用いて携帯機器上で動作させる通信用アプリケーションを選択したり、携帯機器上で動作している通信用アプリケーションを制御したりする際の使い勝手が向上するという更なる効果を奏する。
【0215】
3.上記インターフェースを介して上記携帯機器から供給される映像信号に基づいて、上記通信用アプリケーションによって生成されたGUI(Graphical User Interface)を上記ディスプレイに表示するGUI表示手段を更に備え、上記操作パネル表示手段は、上記GUI表示手段が表示するGUIに重畳させて上記操作パネルを表示するものである、
ことを特徴とする2に記載の表示装置。
【0216】
上記の構成によれば、ユーザは、携帯機器上で動作する通信用アプリケーションによって生成され、ディスプレイに表示されたGUIを見ながら、携帯機器上で動作している通信用アプリケーションを制御するための操作を行なうことができる。これにより、表示装置を用いて携帯機器上で動作させる通信用アプリケーションを選択したり、携帯機器上で動作している通信用アプリケーションを制御したりする際の使い勝手が向上するという更なる効果を奏する。
【0217】
4.チューナを介して受信した映像信号に基づいて、映像を上記ディスプレイに表示する映像表示手段を更に備え、上記操作パネル表示手段は、上記映像表示手段が表示する映像に重畳させて上記操作パネルを表示するものである、ことを特徴とする2に記載の表示装置。
【0218】
上記の構成によれば、ユーザは、受信映像(チューナが受信した映像信号が表す映像)を視聴しながら、携帯機器上で動作させる通信用アプリケーションを選択したり、携帯機器上で動作している通信用アプリケーションを制御したりするための操作を行なうことができる。これにより、表示装置を用いて携帯機器上で動作させる通信用アプリケーションを選択したり、携帯機器上で動作している通信用アプリケーションを制御したりする際に、受信映像の視聴が阻害されることを回避するという更なる効果を奏する。
【0219】
5.上記携帯機器は、携帯電話端末であり、上記操作パネルには、電話型配列のテンキーが設けられており、上記制御手段は、上記テンキーを構成する何れかのボタンがユーザにより選択されると、選択されたボタンに対応する処理の実行を指示するコマンドを上記携帯電話端末に送信するものである、ことを特徴とする1から4までの何れかに記載の表示装置。
【0220】
上記の構成によれば、携帯電話端末のテンキーを用いて実現し得る任意の操作を、操作パネルを用いて実現することができる。
【0221】
6.上記インターフェースは、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)である、ことを特徴とする1から5までの何れかに記載の表示装置。
【0222】
上記の構成によれば、表示装置が携帯機器に送信するコマンドと、携帯機器が表示装置に送信する映像信号及び音声信号とを、1本のケーブルにより伝送することが可能になる。
【0223】
7.なお、上記インターフェースは、HDMIに限定されない。例えば、USB、IEEE1394、イーサネット、IEEE802.11、Bluetooth、IrDA、又は、IrSimpleの何れであってもよい。
【0224】
8.上記制御手段は、当該表示装置を遠隔操作するためのリモコンに対して為されたユーザ操作に応じたコマンドを上記携帯機器に発行する、ことを特徴とする1から7までの何れかに記載の表示装置。
【0225】
上記の構成によれば、携帯機器上で動作する通信用アプリケーションの選択または制御を、携帯機器を操作することによってではなく、リモコンを操作することによって実現することができる。特に、携帯機器上で動作する通信用アプリケーションによって生成されたGUIを、表示装置のディスプレイに表示させる場合、携帯機器の小さなディスプレイを見ながら携帯機器に対して行なっていた操作を、表示装置の大きなディスプレイ(携帯機器のディスプレイよりも大きなものであればよい)を見ながらリモコンに対して行なうことが可能になる。
【0226】
また、これらの表示装置と携帯機器とを含むシステム、これらの表示装置が携帯機器を制御する制御方法、及び、これらの表示装置としてコンピュータを動作させるためのプログラムも本発明の範疇に含まれる。
【0227】
従来のテレビには、映像を視聴しているユーザが誰であるのかを特定するための仕組みがない。このため、ユーザの好みに応じた映像を表示することができないという課題がある。このような課題を解決するものとして、本明細書には以下に示す一群の発明が記載されている。
【0228】
1.インターフェースを介して接続された携帯機器から、当該携帯機器を他の携帯機器と識別するための個体情報、又は、当該携帯機器のユーザを他のユーザと識別するための個人情報を取得する個体/個人情報取得手段と、映像をディスプレイに表示する表示手段であって、上記個体/個人情報取得手段が取得した個体情報又は個人情報に応じて、表示する映像を変更する表示手段と、を備えている、ことを特徴とする表示装置。
【0229】
携帯電話端末などの携帯機器は、特定のユーザに占有されていることが一般的である。このため、表示装置に接続されている携帯機器から取得した個体情報又は個人情報に応じて表示する映像を変更すれば、表示装置を利用しているユーザに応じた映像を表示することが可能になる。
【0230】
2.上記表示手段が表示する映像の画質を、上記個体/個人情報取得手段が取得した個体情報又は個人情報に応じた画質に調整する映像処理手段を更に備えている、ことを特徴とする1に記載の表示装置。
【0231】
上記の構成によれば、表示する映像の画質を、表示装置を利用しているユーザに応じた画質に調整することが可能になる。
【0232】
3.上記表示手段が表示する映像と共に出力される音声の音質を、上記個体/個人情報取得手段が取得した個体情報又は個人情報に応じた音質に調整する音声処理手段を更に備えている、ことを特徴とする1又は2に記載の表示装置。
【0233】
上記の構成によれば、出力する音声の音質を、表示装置を利用しているユーザに応じた音質に調整することが可能になる。
【0234】
4.上記表示手段が表示するGUIを生成するGUI生成手段であって、上記個体/個人情報取得手段が取得した個体情報又は個人情報に応じたGUIを生成するGUI生成手段を備えている、ことを特徴とする1から3までの何れかに記載の表示装置。
【0235】
上記の構成によれば、表示するGUIを、表示装置を利用しているユーザに応じたGUIに調整することが可能になる。
【0236】
5.上記表示手段が表示するコンテンツを取得するコンテンツ取得手段であって、上記個体/個人情報取得手段が取得した個体情報又は個人情報に応じたコンテンツを取得するコンテンツ取得手段を更に備えている、ことを特徴とする1から4までの何れかに記載の表示装置。
【0237】
上記の構成によれば、表示する映像の内容を、表示装置を利用しているユーザに応じた内容に変更することが可能になる。
【0238】
6.上記個体情報又は個人情報は、上記携帯機器に内蔵されたUSIM(Universal Subscriber Identity Module)カードから読み出された情報である、ことを特徴とする1から5までの何れかに記載の表示装置。
【0239】
上記の構成によれば、表示装置を利用しているユーザの特定に、例えば、電話番号当を利用することが可能になる。
【0240】
7.上記インターフェースは、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)である、ことを特徴とする1から6までの何れかに記載の表示装置。
【0241】
上記の構成によれば、携帯機器が表示装置に送信する個体情報又は個人情報と、携帯機器が表示装置に送信する映像信号及び音声信号とを、1本のケーブルにより伝送することが可能になる。
【0242】
なお、上記インターフェースは、HDMIに限定されない。例えば、USB、IEEE1394、イーサネット、IEEE802.11、Bluetooth、IrDA、又は、IrSimpleの何れであってもよい。
【0243】
また、これらの表示装置と携帯機器とを含むシステム、これらの表示装置が映像を表示する表示方法、及び、これらの表示装置としてコンピュータを動作させるためのプログラムも本発明の範疇に含まれる。
【0244】
従来のテレビに接続された携帯電話端末は、テレビの近傍(HDMI等の有線接続の場合はケーブルが届く範囲内、無線接続の場合は搬送波が到達する範囲内)に設置される。したがって、携帯電話端末に通信処理を実行させるためには、テレビに接続された携帯電話端末を手にとって操作せねばならず、ユーザに不便を強いることになっていた。このような課題を解決するものとして、本明細書には以下に示す一群の発明が記載されている。
【0245】
1.通信機能を有する表示装置において、インターフェースを介して接続された携帯機器から、当該携帯機器が実行すべき通信処理に関する通信情報を取得する通信情報取得手段と、上記通信情報取得手段が取得した上記通信情報に基づいて、上記携帯機器が実行すべき通信処理を代行する通信処理代行手段と、を備えている、ことを特徴とする表示装置。
【0246】
上記の構成によれば、携帯機器が実行すべき通信処理を表示装置に代行させることができる。すなわち、携帯機器を手にとって操作することなく、携帯機器が実行すべき通信処理を実行することができる。
【0247】
2.上記通信処理代行手段は、上記携帯機器が上記通信処理に利用する通信網とは異なる通信網を利用して上記通信処理を代行する、ことを特徴とする1に記載の表示装置。
【0248】
上記の構成によれば、携帯機器が実行すべき通信処理を、より安価に実行することができる。
【0249】
3.上記携帯機器において上記通信処理を実行する場合、上記インターフェースを介して上記携帯機器から供給される映像信号に基づいて、上記携帯機器において生成されたGUI(Graphical User Interface)をディスプレイに表示し、当該表示装置において上記通信処理を代行する場合、当該表示装置において生成されたGUIを上記ディスプレイに表示する表示手段を更に備えている、ことを特徴とする1または2に記載の表示装置。
【0250】
上記の構成によれば、上記通信処理を携帯機器において実行する場合であっても、上記通信処理を表示装置において実行する場合であっても、ユーザは、特定のディスプレイに表示されたGUIを見ながら通信処理を実行する装置を操作することができる。
【0251】
4.上記通信処理は、電子メールを送信する送信処理であり、上記通信情報は、上記電子メールの送信先を示すメールアドレスである、ことを特徴とする1から3までの何れかに記載の表示装置。
【0252】
上記の構成によれば、携帯機器が実行するべき電子メールの送信処理を表示装置に代行させることができる。
【0253】
5.上記通信処理は、上記携帯機器が受信した受信メールに対する返信処理であり、上記通信情報は、上記受信メールの送信元を示すメールアドレスである、ことを特徴とする3に記載の表示装置。
【0254】
上記の構成によれば、携帯機器が実行するべき電子メールの返信処理を表示装置に代行させることができる。
【0255】
6.上記通信処理は、ウェブ上のリソースを受信する受信処理であり、上記通信情報は、上記リソースのURL(Uniform Resource Locator)である、ことを特徴とする1から3までの何れかに記載の表示装置。
【0256】
上記の構成によれば、携帯機器が実行するべきウェブリソースの取得処理を表示装置に代行させることができる。
【0257】
7.上記通信処理は、通話のための呼出処理であり、上記通信情報は、呼出先を示す電話番号である、ことを特徴とする1から3までの何れかに記載の表示装置。
【0258】
上記の構成によれば、携帯機器が実行するべき通話のための呼出処理を表示装置に代行させることができる。
【0259】
8.上記通信処理は、上記携帯機器が着信した着信呼出に対するコールバック処理であり、上記通信情報は、上記着信呼出の呼出元を示す電話番号である、ことを特徴とする7に記載の表示装置。
【0260】
上記の構成によれば、携帯機器が実行するべきコールバックのための呼出処理を表示装置に代行させることができる。
【0261】
9.上記インターフェースは、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)である、ことを特徴とする1から8までの何れかに記載の表示装置。
【0262】
上記の構成によれば、携帯機器が表示装置に送信する通信情報と、携帯機器が表示装置に送信する映像信号及び音声信号とを、1本のケーブルにより伝送することが可能になる。
【0263】
10.上記インターフェースは、HDMIに限定されない。例えば、USB、IEEE1394、イーサネット、IEEE802.11、Bluetooth、IrDA、又は、IrSimpleの何れであってもよい。
【0264】
11.上記通信処理代行手段は、当該表示装置を遠隔操作するためのリモコンに対して所定のユーザ操作が為されたとき、上記携帯機器が実行すべき通信処理を代行する、
ことを特徴とする1から10の何れかに記載の表示装置。
【0265】
上記の構成によれば、携帯機器を操作することなく、通信処理を携帯機器に実行させるか、表示装置に代行させるかを切り替えることができる。
【0266】
なお、本発明は、表示装置に限らず、通信機能を有する通信装置一般に拡張することができる。すなわち、以下の通信装置も本発明の範疇に含まれる。
【0267】
12.インターフェースを介して接続された他の通信装置から、当該他の通信装置が実行すべき通信処理に関する通信情報を取得する通信情報取得手段と、上記通信情報取得手段が取得した上記通信情報に基づいて、上記他の通信装置が実行すべき通信処理を代行する通信処理代行手段と、を備えている、ことを特徴とする通信装置。
【0268】
上記の構成によれば、第1の通信装置が実行すべき通信処理を第2の通信装置に代行させることができる。すなわち、第1の通信装置を操作することなく、第1の通信装置が実行すべき通信処理を実行することができる。
【0269】
また、これらの表示装置と携帯機器とを含むシステム、これらの表示装置が通信処理を代行する代行方法、及び、これらの表示装置としてコンピュータを動作させるためのプログラムも本発明の範疇に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0270】
本発明に係る出力装置は、ソース機器から供給されたコンテンツを出力するソース機器一般に利用することができる。
【符号の説明】
【0271】
1 テレビ
11a〜11c HDMI入力端子
11d HDMIスイッチ
100 HDMIレシーバ
151 TMDSレシーバ
152 CEC・I/F
153 DDC・I/F
154 HPD制御部
155 5V電力検知部
156 EDID格納部
101a 映像入力端子
101b 音声入力端子
102 BDドライブ
103 チューナ
104 IP放送チューナ
105 衛星放送チューナ
106 OSD生成部
107 映像セレクタ
108 映像処理回路
109 LCDコントローラ
110 LCD
111 音声セレクタ
112 音声処理回路
113 デジタルアンプ
114 スピーカ
115 イーサネットI/F
116 ROM
117 RAM
118 CPU
301 アドレス取得部
302 デバイスタイプ取得部
303 管理テーブル更新部
304 入力ソース選択部
305 UI部
119 赤外線受光部
120 カメラ
121 人感センサ
2 携帯電話端末
200 HDMIトランスミッタ
251 TMDSトランスミッタ
252 CEC・I/F
253 DDC・I/F
254 HPD検知部
255 5V電力制御部
PN パケット網
IN インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソース機器から供給されたコンテンツを出力する出力装置であって、
第1の分類において上記ソース機器が分類される機器種別を示す第1の機器種別情報を上記ソース機器から取得する第1の機器種別情報取得手段と、
上記第1の分類とは異なる第2の分類において上記ソース機器が分類される機器種別を示す第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得する第2の機器種別情報取得手段と、
上記ソース機器の機器種別を、上記第1の機器種別情報取得手段が取得した第1の機器種別情報と、上記第2の機器種別情報取得手段が取得した第2の機器種別情報とを組み合わせることによって特定する機器種別特定手段と、
上記ソース機器を操作するためのユーザーインターフェースであって、上記機器種別特定手段が特定した上記ソース機器の機器種別に応じたユーザーインターフェースを表示するユーザーインターフェース表示手段と、を備えている、
ことを特徴とする出力装置。
【請求項2】
上記ユーザーインターフェースに対してユーザ操作が為されたとき、該ユーザ操作に関連付けられたコマンドを上記ソース機器に発行するコマンド発行手段を更に備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の出力装置。
【請求項3】
上記コマンド発行手段は、上記ソース機器上で動作する通信用アプリケーションを操作するためのコマンドを発行するものである、ことを特徴とする請求項2に記載の出力装置。
【請求項4】
上記通信用アプリケーションは、電子メールクライアントである、ことを特徴とする請求項3に記載の出力装置。
【請求項5】
上記ユーザーインターフェース表示手段は、当該出力装置に接続されているソース機器のうち、当該出力装置に最後に接続されたソース機器の機器種別に応じたユーザーインターフェースを表示する、
ことを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の出力装置。
【請求項6】
上記ユーザーインターフェース表示手段は、上記ソース機器との接続が確立されたことをトリガーとして、上記ユーザーインターフェースの表示を開始し、上記ソース機器との接続が解除されたことをトリガーとして、上記ユーザーインターフェースの表示を終了する、
ことを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の出力装置。
【請求項7】
上記第2の機器種別情報取得手段は、上記第1の機器種別情報が特定の機器種別を示す機器種別情報であるときに限って、上記第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得し、
上記機器種別特定手段は、上記第1の分類において上記特定の機器種別に分類されるソース機器の機器種別を上記第2の機器種別情報によって特定する、
ことを特徴とする請求項1から6までの何れか1項に記載の出力装置。
【請求項8】
上記ソース機器を製造又は販売したベンダを示すベンダ情報を上記ソース機器から取得するベンダ情報取得手段を更に備え、
上記第2の機器種別情報取得手段は、上記ベンダ情報取得手段が取得したベンダ情報が特定のベンダを示すベンダ情報であるときに限って、上記第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得し、
上記機器種別特定手段は、上記特定のベンダが製造又は販売したソース機器の機器種別を、上記第2の機器種別情報によって特定する、
ことを特徴とする請求項1から7までの何れか1項に記載の出力装置。
【請求項9】
上記第2の分類は、各ソース機器を2つの機器種別の何れかに分類するものであり、
上記第2の機器種別情報取得手段は、上記ソース機器に対して上記第2の機器種別情報の提供を要求すると共に、上記ソース機器が上記第2の分類において特定の機器種別に分類されるソース機器であるときに限って、上記第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得し、
上記機器種別特定手段は、上記ソース機器が上記第2の分類において上記特定の機器種別に分類されるソース機器であるか否かを、上記第2の機器種別情報取得手段が上記第2の機器種別情報を取得したか否かによって特定する、
ことを特徴とする請求項1から8までの何れか1項に記載の出力装置。
【請求項10】
上記ユーザーインターフェースに対してユーザ操作が為されたとき、該ユーザ操作に関連付けられた処理を実行する処理実行手段を更に備えている、ことを特徴とする請求項1から9までの何れか1項に記載の出力装置。
【請求項11】
上記第2の機器種別情報取得手段は、上記ソース機器との接続が確立されたことをトリガーとして、上記第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得する、
ことを特徴とする請求項1から10までの何れか1項に記載の出力装置。
【請求項12】
当該出力装置は、HDMIケーブルを介して上記ソース機器から供給されたコンテンツを出力するシンク機器であり、
上記第1の機器種別情報取得手段及び上記第2の機器種別情報取得手段は、それぞれ、上記HDMIケーブルを介して伝送されるCECコマンドを用いて上記第1の機器種別情報及び上記第2の機器種別情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1から11までの何れか1項に記載の出力装置。
【請求項13】
上記ソース機器は、USB、IEEE1394、イーサネット、IEEE802.11、Bluetooth、IrDA、又は、IrSimpleの何れかを介して当該出力装置に接続される、ことを特徴とする請求項1から12までの何れか1項に記載の出力装置。
【請求項14】
携帯型情報端末から送信される制御コマンドであって、当該出力装置を操作するための制御コマンドを受信する制御コマンド受信手段、及び、上記携帯型情報端末から送信される制御コマンドであって、上記ソース機器を操作するための制御コマンドを、該制御コマンドに相当するCECコマンドに変換して上記ソース機器に送信する制御コマンド転送手段の少なくとも何れかを備えている、ことを特徴とする請求項1から13までの何れか1項に記載の出力装置。
【請求項15】
請求項1から14までの何れか1項に記載の出力装置を備えたテレビジョン受像機。
【請求項16】
コンテンツを供給するソース機器と、上記ソース機器から供給されたコンテンツを出力する出力装置とを含むシステムであって、
上記ソース機器は、第1の分類において自身が分類される機器種別を示す第1の機器種別情報を上記出力装置に提供する第1の機器種別情報提供手段と、上記第1の分類とは異なる第2の分類において自身が分類される機器種別を示す第2の機器種別情報を上記出力装置に提供する第2の機器種別情報提供手段と、を備えており、
上記出力装置は、上記第1の機器種別情報を上記ソース機器から取得する第1の機器種別情報取得手段と、上記第2の機器種別情報を上記ソース機器から取得する第2の機器種別情報取得手段と、上記ソース機器の機器種別を、上記第1の機器種別情報と上記第2の機器種別情報とを組み合わせることによって特定する機器種別特定手段と、上記ソース機器を操作するためのユーザーインターフェースであって、上記機器種別特定手段が特定した上記ソース機器の機器種別に応じたユーザーインターフェースを表示するユーザーインターフェース表示手段と、を備えている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項17】
ソース機器から供給されたコンテンツを出力装置が出力する出力方法であって、
第1の分類において上記ソース機器が分類される機器種別を示す第1の機器種別情報を、上記出力装置が上記ソース機器から取得する第1の機器種別情報取得ステップと、
上記第1の分類とは異なる第2の分類において上記ソース機器が分類される機器種別を示す第2の機器種別情報を、上記出力装置が上記ソース機器から取得する第2の機器種別情報取得ステップと、
上記出力装置が、上記ソース機器の機器種別を、上記第1の機器種別情報取得ステップにて取得した第1の機器種別情報と上記第2の機器種別情報取得ステップにて取得した第2の機器種別情報とを組み合わせることによって特定する機器種別特定ステップと、
上記ソース機器を操作するためのユーザーインターフェースであって、上記機器種別特定ステップにて特定した上記ソース機器の機器種別に応じたユーザーインターフェースを表示するユーザーインターフェース表示ステップと、を含んでいる、
ことを特徴とする出力方法。
【請求項18】
コンピュータを請求項1から14までの何れか1項に記載の出力装置として動作させるためのプログラムであって、上記コンピュータを上記出力装置が備えている上記各手段として機能させるプログラム。
【請求項19】
請求項18に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−50122(P2012−50122A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226146(P2011−226146)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【分割の表示】特願2011−94528(P2011−94528)の分割
【原出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】