説明

分割ヨーク型磁化器

【課題】被検査体表面の回転磁束密度の偏りが小さい均一性の高い回転磁界を広範囲に形成可能な磁化器を提供する。
【解決手段】本発明に係る分割ヨーク型磁化器100は、第1磁化要素10、第2磁化要素20及び第3磁化要素30が相互に120度の位相差をもって配置されてΔ結線又はY結線され、第1磁化要素10は第1磁極11及び第2磁極12を含み、第2磁化要素20は第3磁極13及び第4磁極14を含み、第3磁化要素30は第5磁極15及び第6磁極16を含み、第1磁極11と第2磁極12、第3磁極13と第4磁極14、第5磁極15と第6磁極16は、それぞれ電線が同じ巻き方向で巻かれて接続(和動接続)されており、三つの磁化要素の配置の中心点Aへ向けて間隔が広がっていくように相対角度をもって設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁粉探傷等に用いられる磁化器に関する。
【背景技術】
【0002】
非破壊検査方法の一例として、磁化装置で被検査体を磁化し、磁化した被検査体に磁粉を散布し、その被検査体に付着した磁粉の分布状態から、その被検査体の傷や割れを検出する磁粉探傷方法が公知である。このような磁粉探傷方法において磁化装置で被検査体を磁化する際には、被検査体に生じている傷や割れの方向と磁界の磁力線方向との角度によって、その傷や割れの検出精度が異なってくる。具体的には、傷や割れに対して磁力線が直交する状態において、傷や割れで生ずる漏洩磁束が最も大きくなるため、傷や割れに付着した磁粉により形成される磁粉模様を最も明瞭に識別することができる。
【0003】
しかし被検査体に生じている傷や割れの方向を予測することは、通常困難な場合が多い。そのため、多方向の磁界を発生させる磁化装置を用いて被検査体を磁化することによって、傷や割れの方向にかかわらず傷や割れに磁力線が直交する状態で被検査体を磁化し、被検査体の傷や割れの検出精度を向上させることが従来から行われている。
【0004】
多方向の磁界を発生させる磁化装置の一例として三極ヨーク型磁化器が公知である(例えば特許文献1を参照)。以下、従来技術の三極ヨーク型磁化器について図12〜図16を参照しながら説明する。
図12は、従来技術の三極ヨーク型磁化器の斜視図である。図13は、従来技術の三極ヨーク型磁化器の平面図である。図14は、従来技術の三極ヨーク型磁化器の内部磁気回路の模式図である。図15は、従来技術の三極ヨーク型磁化器の結線図である。図16は、従来技術の三極ヨーク型磁化器50によって形成される回転磁界で被検査体を磁化した時の被検査体表面の磁束密度分布をコンピュータシュミレーションで解析した図である。
従来技術の三極ヨーク型磁化器50は、第1磁化要素51、第2磁化要素52、第3磁化要素53、基部54及び三極ヨーク55を含む。第1磁化要素51、第2磁化要素52及び第3磁化要素53は、相互に120度の位相差をもって基部54に配置されて固定されている。
【0005】
三極ヨーク55は、ケイ素鋼板を積層して形成した継鉄であり、第1ヨーク551、第2ヨーク552及び第3ヨーク553を有している。第1ヨーク551には電線が巻かれてコイルL51が構成されており、この第1ヨーク551とコイルL51とで構成される磁極が第1磁化要素51となる。第2ヨーク552には電線が巻かれてコイルL52が構成されており、この第2ヨーク552とコイルL52とで構成される磁極が第2磁化要素52となる。第3ヨーク553には電線が巻かれてコイルL53が構成されており、この第3ヨーク553とコイルL53とで構成される磁極が第3磁化要素53となる。
【0006】
コイルL51、コイルL52及びコイルL53は、Δ結線されている。より具体的には、コイルL51とコイルL53との接続点は端子A1に接続され、コイルL51とコイルL52との接続点は端子A2に接続され、コイルL52とコイルL53との接続点は端子A3に接続されている。
【0007】
このように相互に120度の位相差をもって配置された第1磁化要素51、第2磁化要素52及び第3磁化要素53を備える三極ヨーク型磁化器50は、端子A1〜A3に三相交流電圧を印加することによって、磁界の方向が360度変化する回転磁界を形成することができる(図16)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公昭61−25312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
出願人は、従来技術の三極ヨーク型磁化器50によって形成される回転磁界で被検査体を磁化した時の被検査体表面の磁束密度分布をコンピュータシミュレーションで解析した。その結果、従来技術の三極ヨーク型磁化器50は、第1磁化要素51、第2磁化要素52及び第3磁化要素53の内側の領域(図13の符号Bを付した波線で示した領域)では回転磁束密度の分布は均一であるが、その外側の領域では回転磁束密度の分布に偏りがあり均一でないことが分かった(図16)。このような被検査体表面の回転磁束密度の偏りは、前述した磁粉探傷方法において磁粉探傷の精度を低下させる要因となる。
【0010】
このような状況に鑑み本発明はなされたものであり、その目的は、被検査体表面の回転磁束密度の偏りが小さい均一性の高い回転磁界を広範囲に形成可能な磁化器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
<本発明の第1の態様>
本発明の第1の態様は、三つの磁化要素が相互に120度の位相差をもって配置され、その三つの磁化要素がΔ結線又はY結線され、前記磁化要素は、継鉄に電線が巻かれた二つの磁極を含み、前記二つの磁極の電線が和動接続されており、前記二つの磁極は、前記三つの磁化要素の配置の中心点へ向けて間隔が広がっていくように相対角度をもって設けられている、ことを特徴とする分割ヨーク型磁化器である。
【0012】
このように三つの磁化要素は、各々が二つの磁極で構成され、三つの磁化要素の配置の中心点へ向けて間隔が広がっていくように二つの磁極が相対角度をもって設けられている。そのため従来技術の三極ヨーク型磁化器よりも三つの磁化要素の内側の領域を広くすることができる。それによって均一性の高い回転磁界が広範囲に形成され、被検査体表面の回転磁束密度の偏りを小さくすることができる。
【0013】
また三つの磁化要素は各々が二つの磁極で構成されているので、六つの磁極によって回転磁界が形成されることになる。それによって被検査体の表面における回転磁界の各方向における磁束密度の偏りが従来よりも大幅に小さい回転磁界を形成することができる。
【0014】
これにより本発明の第1の態様によれば、被検査体表面の回転磁束密度の偏りが小さい均一性の高い回転磁界を広範囲に形成可能な磁化器を提供することができるという作用効果が得られる。
【0015】
<本発明の第2の態様>
本発明の第2の態様は、前述した本発明の第1の態様において、前記三つの磁化要素が同心円上に配置されている、ことを特徴とする分割ヨーク型磁化器である。
このような特徴によれば、回転磁界の各方向に対する磁界の強さをより均一にすることができるので、被検査体表面の回転磁束密度の偏りをさらに小さくすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、被検査体表面の回転磁束密度の偏りが小さい均一性の高い回転磁界を広範囲に形成可能な磁化器を提供することができるという作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施例の分割ヨーク型磁化器の平面図。
【図2】本発明の第1実施例の分割ヨーク型磁化器の正面図。
【図3】本発明の第1実施例の分割ヨーク型磁化器の内部磁気回路の模式図。
【図4】本発明の第1実施例の分割ヨーク型磁化器の結線図。
【図5】本発明の第1実施例の分割ヨーク型磁化器による被検査体表面の磁束密度分布を解析した図。
【図6】本発明に係る第1実施例の分割ヨーク型磁化器と従来技術の三極ヨーク型磁化器の回転磁界により被検査体を磁化したときの被検査体表面の回転磁束密度のリサージュ波形図。
【図7】本発明の第2実施例の分割ヨーク型磁化器の内部磁気回路の模式図。
【図8】本発明の第2実施例の分割ヨーク型磁化器の結線図。
【図9】本発明の第3実施例の分割ヨーク型磁化器の平面図。
【図10】本発明の第4実施例の分割ヨーク型磁化器の平面図。
【図11】本発明の第5実施例の分割ヨーク型磁化器の平面図。
【図12】従来技術の三極ヨーク型磁化器の斜視図。
【図13】従来技術の三極ヨーク型磁化器の平面図。
【図14】従来技術の三極ヨーク型磁化器の内部磁気回路の模式図。
【図15】従来技術の三極ヨーク型磁化器の結線図。
【図16】従来技術の三極ヨーク型磁化器による被検査体表面の磁束密度分布を解析した図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
尚、本発明は、以下説明する実施例に特に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0019】
<第1実施例>
本発明の第1実施例について、図1〜図6を参照しながら説明する。
図1は、第1実施例の分割ヨーク型磁化器100の平面図である。図2は、第1実施例の分割ヨーク型磁化器100の正面図である。図3は、第1実施例の分割ヨーク型磁化器100の内部磁気回路の模式図である。図4は、第1実施例の分割ヨーク型磁化器100の結線図である。図5は、第1実施例の分割ヨーク型磁化器100によって形成される回転磁界で被検査体を磁化した時の被検査体表面の磁束密度分布をコンピュータシミュレーションで解析した図である。
【0020】
第1実施例の分割ヨーク型磁化器100は、第1磁化要素10、第2磁化要素20、第3磁化要素30、基部17及び六極ヨーク18を備える。「三つの磁化要素」としての第1磁化要素10、第2磁化要素20及び第3磁化要素30は、相互に120度の位相差をもって基部17に配置されて固定されている。
【0021】
六極ヨーク18は、ケイ素鋼板を積層して形成した継鉄であり、第1ヨーク181、第2ヨーク182、第3ヨーク183、第4ヨーク184、第5ヨーク185及び第6ヨーク186を有している。第1ヨーク181には電線が巻かれてコイルL11が構成されており、この第1ヨーク181とコイルL11とで第1磁極11が構成されている。第2ヨーク182には電線が巻かれてコイルL12が構成されており、この第2ヨーク182とコイルL12とで第2磁極12が構成されている。第3ヨーク183には電線が巻かれてコイルL13が構成されており、この第3ヨーク183とコイルL13とで第3磁極13が構成されている。第4ヨーク184には電線が巻かれてコイルL14が構成されており、この第4ヨーク184とコイルL14とで第4磁極14が構成されている。第5ヨーク185には電線が巻かれてコイルL15が構成されており、この第5ヨーク185とコイルL15とで第5磁極15が構成されている。第6ヨーク186には電線が巻かれてコイルL16が構成されており、この第6ヨーク186とコイルL16とで第6磁極16が構成されている。
【0022】
第1磁化要素10は、第1磁極11と第2磁極12とで構成されている。第1磁極11のコイルL11と第2磁極12のコイルL12は、磁束が同じ向きになるように同じ巻き方向(符号Cで示した巻き方向)で巻かれて接続されている(和動接続)。第1磁極11と第2磁極12は、基部(磁化器バックヨーク)17に軸芯が直交する向きで、三つの磁化要素(第1磁化要素10、第2磁化要素20、第3磁化要素30)の配置の中心点Aへ向けて間隔が広がっていくように相対角度をもって設けられている。
尚、第1磁極11のコイルL11と第2磁極12のコイルL12は、直列に接続しても並列に接続してもよい。
【0023】
第2磁化要素20は、第3磁極13と第4磁極14とで構成されている。第3磁極13のコイルL13と第4磁極14のコイルL14は、第1磁化要素10と同様に、磁束が同じ向きになるように同じ巻き方向(符号Cで示した巻き方向)で巻かれて接続されている(和動接続)。第3磁極13と第4磁極14は、基部(磁化器バックヨーク)17に軸芯が直交する向きで、三つの磁化要素の配置の中心点Aへ向けて間隔が広がっていくように相対角度をもって設けられている。
尚、第3磁極13のコイルL13と第4磁極14のコイルL14は、直列に接続しても並列に接続してもよい。
【0024】
第3磁化要素30は、第5磁極15と第6磁極16とで構成されている。第5磁極15のコイルL15と第6磁極16のコイルL16は、第1磁化要素10と同様に、磁束が同じ向きになるように同じ巻き方向(符号Cで示した巻き方向)で巻かれて接続されている(和動接続)。第5磁極15と第6磁極16は、基部(磁化器バックヨーク)17に軸芯が直交する向きで、三つの磁化要素の配置の中心点Aへ向けて間隔が広がっていくように相対角度をもって設けられている。
尚、第5磁極15のコイルL15と第6磁極16のコイルL16は、直列に接続しても並列に接続してもよい。
【0025】
第1実施例の分割ヨーク型磁化器100は、第1磁極11と第2磁極12との相対角度、第3磁極13と第4磁極14との相対角度、第5磁極15と第6磁極16との相対角度は、いずれも約60度に設定されている。
【0026】
第1磁化要素10、第2磁化要素20及び第3磁化要素30は、Δ結線で接続されている。より具体的には、コイルL11とコイルL16との接続点は端子A1に接続され、コイルL12とコイルL13との接続点は端子A2に接続され、コイルL14とコイルL15との接続点は端子A3に接続されている。端子A1〜A3は、基部17に取り付けられた端子台(図示せず)に設けられている。分割ヨーク型磁化器100は、端子A1〜A3に三相交流電圧を印加することによって、磁界の方向が360度変化する回転磁界を形成することができる。
【0027】
尚、第1磁化要素10、第2磁化要素20及び第3磁化要素30は、本発明に必須の要素ではないが、同心円上に配置されているのが好ましい。それによって分割ヨーク型磁化器100に三相交流電圧を印加したときに、その分割ヨーク型磁化器100が形成する回転磁界の各方向に対する磁界の強さをより均一にすることができる。
【0028】
このような構成の本発明に係る分割ヨーク型磁化器100は、第1磁化要素10、第2磁化要素20及び第3磁化要素30は、各々が二つの磁極で構成され、三つの磁化要素の配置の中心点Aへ向けて間隔が広がっていくように二つの磁極が相対角度をもって設けられている。そのため本発明に係る分割ヨーク型磁化器100は、従来技術の三極ヨーク型磁化器50(図12〜図15)と同等の性能を維持したまま、第1磁化要素10、第2磁化要素20及び第3磁化要素30の内側の領域(図1の符号Bを付した波線で示した領域)を従来よりも広くすることができる。それによって均一性の高い回転磁界が広範囲に形成され、被検査体表面の回転磁束密度の偏りを小さくすることができる(図5)。
【0029】
また第1磁化要素10、第2磁化要素20及び第3磁化要素30は、各々が二つの磁極で構成されている。つまり本発明に係る分割ヨーク型磁化器100は、六つの磁極(第1磁極11〜第6磁極16)によって回転磁界が形成されることになる。それによって回転磁束密度の偏りが従来よりも大幅に少なくなり、広範囲に均一な回転磁束密度を形成することができる(図5)。
【0030】
このようにして本発明によれば、被検査体表面の回転磁束密度の偏りが小さい均一性の高い回転磁界を広範囲に形成可能な分割ヨーク型磁化器100を提供することができる。
【0031】
図6は、本発明に係る第1実施例の分割ヨーク型磁化器100と従来技術の三極ヨーク型磁化器50により被検査体を磁化したときの被検査体表面の回転磁束密度のリサージュ波形図である。
出願人は、本発明の効果をさらに検証すべく、本発明に係る第1実施例の分割ヨーク型磁化器100と従来技術の三極ヨーク型磁化器50(図12〜図15)のそれぞれの回転磁束密度のリサージュ波形をコンピュータシミュレーションにより解析して対比した。具体的には以下の解析条件に基づいて、三つの磁化要素の配置の中心点Aを原点とするX−Y座標(単位:mm)における測定点P1〜P4(図1、図13)で回転磁束密度のリサージュ波形をコンピュータシミュレーションにより解析した。
【0032】
各磁化要素のコイル巻数は270ターン、励磁電流は9.56Aとした。ヨーク材は、ケイ素鋼板で占有率95%の積層鋼板とし、被検査体は、13クロム鋼(SUS410)の強磁性体鋼板を用いた。
【0033】
図6(a)は、測定点P1(X−Y座標0,0)におけるX−Y平面のリサージュ波形である。
測定点P1(X−Y座標0,0)、すなわち三つの磁化要素の配置の中心点Aにおけるリサージュ波形は、本発明に係る分割ヨーク型磁化器100、従来技術の三極ヨーク型磁化器50、いずれも円形であった。これは被検査体表面におけるX−Y平面の各方向の回転磁束密度が均一であることを意味する。
【0034】
図6(b)は、測定点P2(X−Y座標0,80)におけるX−Y平面のリサージュ波形であり、図6(c)は、測定点P3(X−Y座標0,−60)におけるX−Y平面のリサージュ波形であり、図6(d)は、測定点P4(X−Y座標50,0)におけるX−Y平面のリサージュ波形である。
測定点P2(X−Y座標0,50)、測定点P3(X−Y座標0,−60)、測定点P4(X−Y座標50,0)のリサージュ波形から、従来技術の三極ヨーク型磁化器50は、三つの磁化要素の配置の中心点Aから離れた位置では、被検査体の表面におけるX−Y平面の各方向の回転磁束密度に顕著な偏りが生じていることが分かる。それに対して本発明に係る分割ヨーク型磁化器100のリサージュ波形は、従来技術の三極ヨーク型磁化器50のリサージュ波形と比較してより円形に近い。これは本発明に係る分割ヨーク型磁化器100は、被検査体の表面における回転磁束密度の偏りが従来よりも小さく、X−Y平面の各方向における回転磁束密度の均一性が従来よりも高いことを意味する。
【0035】
<第2実施例>
本発明の第2実施例について、図7及び図8を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0036】
図7は、第2実施例の分割ヨーク型磁化器100の内部磁気回路の模式図である。図8は、第2実施例の分割ヨーク型磁化器100の結線図である。
第2実施例の分割ヨーク型磁化器100は、第1磁化要素10、第2磁化要素20及び第3磁化要素30がY結線で接続されている。それ以外の構成は、第1実施例の分割ヨーク型磁化器100と同じである。より具体的にはコイルL11は、一端が端子A1に接続され、他端がコイルL12の一端に接続されている。コイルL13は、一端が端子A2に接続され、他端がコイルL14の一端に接続されている。コイルL15は、一端が端子A3に接続され、他端がコイルL16の一端に接続されている。コイルL12の他端、コイルL14の他端、コイルL16の他端は、共通の接続点に接続されている。このような構成でも本発明に係る分割ヨーク型磁化器100は実施可能であり、第1実施例の分割ヨーク型磁化器100と同様の作用効果を得ることができる。
尚、第1実施例と同様に、第1磁極11のコイルL11と第2磁極12のコイルL12、第3磁極13のコイルL13と第4磁極14のコイルL14、第5磁極15のコイルL15と第6磁極16のコイルL16は、並列に接続してもよい。
【0037】
<第3実施例>
本発明の第3実施例について、図9を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0038】
図9は、第3実施例の分割ヨーク型磁化器100の平面図である。
第3実施例の分割ヨーク型磁化器100は、第1磁極11と第2磁極12との相対角度、第3磁極13と第4磁極14との相対角度、第5磁極15と第6磁極16との相対角度は、いずれも約40度に設定されている。それ以外の構成は、第1実施例の分割ヨーク型磁化器100と同じである。このような構成でも本発明に係る分割ヨーク型磁化器100は実施可能であり、第1実施例の分割ヨーク型磁化器100と同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
<第4実施例>
本発明の第4実施例について、図10を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0040】
図10は、第4実施例の分割ヨーク型磁化器100の平面図である。
第4実施例の分割ヨーク型磁化器100は、第1磁極11と第2磁極12との相対角度、第3磁極13と第4磁極14との相対角度、第5磁極15と第6磁極16との相対角度は、いずれも約80度に設定されている。それ以外の構成は、第1実施例の分割ヨーク型磁化器100と同じである。このような構成でも本発明に係る分割ヨーク型磁化器100は実施可能であり、第1実施例の分割ヨーク型磁化器100と同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
<第5実施例>
本発明の第5実施例について、図11を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0042】
図11は、第5実施例の分割ヨーク型磁化器100の平面図である。
第5実施例の分割ヨーク型磁化器100は、第1磁極11と第2磁極12との相対角度、第3磁極13と第4磁極14との相対角度、第5磁極15と第6磁極16との相対角度は、いずれも約160度に設定されている。それ以外の構成は、第1実施例の分割ヨーク型磁化器100と同じである。このような構成でも本発明に係る分割ヨーク型磁化器100は実施可能であり、第1実施例の分割ヨーク型磁化器100と同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
特にこの第5実施例は、第1磁化要素10、第2磁化要素20及び第3磁化要素30の磁極間の相対角度がそれぞれ160度に設定されていることによって、第1磁化要素10、第2磁化要素20及び第3磁化要素30の内側の領域(図11の符号Bを付した波線で示した領域)を第1〜4実施例よりも広くすることができる。それによって第5実施例の分割ヨーク型磁化器100は、均一性の高い回転磁界が第1〜4実施例よりも広範囲に形成され、被検査体表面の回転磁束密度の偏りを最も小さくすることができる。
【符号の説明】
【0044】
10 第1磁化要素
11〜16 第1磁極〜第6磁極
20 第2磁化要素
30 第3磁化要素
100 分割ヨーク型磁化器
A1〜A3 端子
L11〜L16 第1コイル〜第6コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三つの磁化要素が相互に120度の位相差をもって配置され、その三つの磁化要素がΔ結線又はY結線され、
前記磁化要素は、継鉄に電線が巻かれた二つの磁極を含み、前記二つの磁極の電線が和動接続されており、
前記二つの磁極は、前記三つの磁化要素の配置の中心点へ向けて間隔が広がっていくように相対角度をもって設けられている、ことを特徴とする分割ヨーク型磁化器。
【請求項2】
請求項1に記載の分割ヨーク型磁化器において、前記三つの磁化要素が同心円上に配置されている、ことを特徴とする分割ヨーク型磁化器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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