説明

分岐吸送水部材と吸送水工法

【課題】構造が簡単で、水位のことなる複数の水溜め部にも設置できる分岐吸送水部材と吸送水工法を提供すること。
【解決手段】上流側の水をサイホン作用によって送水する送水装置を構成するための分岐吸送水部材10aであって、逆止弁12を内蔵した分岐吸水部11aを有し、上流側に配置された水中ポンプ15と下流側に向けて送水する送水管5との間に介装されるところに構成特徴があり、分岐吸水部11a、水中ポンプ15側、または送水管5側のいずれか1箇所又はその複数箇所に、その通水を遮断する開閉弁を備えたものや、前記開閉弁の開閉動作が、水溜め部に配置された水位センサーにより制御されるものを含み、吸送水工法は、上流側に配置された水中ポンプ15を駆動して分岐吸送水部材11a内と送水管5を水で充満させ、水中ポンプ15を停止し、サイホン作用によって下流側に送水するところに構成特徴がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として河川や閉塞水域の土木工事等において、上流側に溜った水や堆積土砂などを下流側へ移動させるサイホン作用による送水装置、を構成する分岐吸送水部材と吸送水工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば河川等の工事(たとえば橋桁や堰堤等の工事など)を行なう場合は、工事箇所の上流側及び下流側で、河川を横断する方向に障害物を設けて締切工事を行っている。上流側に水溜め部を設けて、ここに溜まった水を、一般にはエンジン式発電機により発電して水中ポンプを駆動し、送水ホースを通して下流側に流している。
【0003】
出願人は、送水ポンプによる下流側への送水が安定した後は、該送水ポンプを停止してサイホン作用により送水を継続し、エンジン式発電機により発生するCO2や騒音公害を防止し、消費電力を節減した送水装置を開示している(特許文献1)
【0004】
【特許文献1】特開2003−139099(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の送水装置にあっては、その製造工程が複雑で、製造コスト高になるという問題があった。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、構造が簡単で容易に製造でき特には、既存の水中ポンプにも簡単に装着できる実効性に優れた分岐吸送水部材と吸送水工法の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明が採用した手段は、請求項1の発明は、上流側の水溜め部の水をサイホン作用によって送水する送水装置を構成するための分岐吸送水部材であって、分岐吸水部を有し、上流側に配置された水中ポンプと下流側に向けて送水する送水管との間に介装されているところに特徴がある。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載の分岐吸送水部材において、前記分岐吸水部に逆止弁が内蔵されているところに特徴がある。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の分岐吸送水部材において、前記分岐吸水部に、開閉可能又は着脱可能なストレーナ部がさらに備えられているところに特徴がある。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の分岐吸送水部材において、前記分岐吸送水部材は水中ポンプと分離不能に一体形成されているところに特徴がある。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の分岐吸送水部材において、前記分岐吸水部、水中ポンプ側、または送水管側のいずれか1箇所又はその複数箇所に、その通水を遮断する開閉弁が備えられているところに特徴がある。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5記載の分岐吸送水部材において、前記開閉弁の開閉動作が、水溜め部に配置された水位センサーにより制御されるところに特徴がある。
【0013】
つぎに、請求項7の発明は、上流側に配置された送水ポンプを駆動して分岐吸送水部材内を水で充満させ、送水ポンプを停止しサイホン作用によって下流側に送水するところに特徴を有する吸送水工法を、その要旨とする。
【0014】
本発明の分岐吸送水部材によると、上流側の例えば水溜め部に配置された水中ポンプを駆動して送水管に給水することによって送水管内を水で充満させ、結果としてサイホンを形成することができる。すなわち、上流側の水溜め部の水をサイホン作用によって下流側に向け吸送水できる。
【0015】
また、水中ポンプの吐出部と送水管の間に着脱自在に連結させるように構成されているので、例えば、従来ポンプの吐出側に存する例えば竹の子形の接続部材を取り外して分岐吸送水部を接合させ、ついで、反対側に前記竹の子形の接続部材を取り付けこの接続部材に送水管の先端部分を連結することができる。すなわち、既存の水中ポンプに適用できるし、また、接続部材の両端部の口径を設計変更することで、所望する口径の送水管に自在に接続できる。
【0016】
特に、請求項2の分岐吸送水部材によると、前記分岐吸水部に逆止弁が内蔵されているから、逆流を確実に防止でき、分岐吸送水部材内を水で充満された状態に保持できる。
【0017】
請求項3の分岐吸送水部材によると、前記分岐吸水部に、開閉可能又は着脱可能なストレーナ部がさらに備えられているので、ストレーナ部を例えば取り外すことによって、土砂やゴミなどの固形物、汚泥、魚類などを水と共に移動させることができる。また、分岐吸水部を継ぎ足して延長するもできる。
【0018】
請求項4の分岐吸送水部材によると、水中ポンプ製造工場において、水中ポンプを製作する時に一体に構成させることができる。
【0019】
請求項6の発明に係る分岐吸送水部材によると、水溜め部に配置された水位センサーにより各開閉弁の開閉動作を自動制御できる。
【0020】
請求項7の分岐吸送水部材によると、水中ポンプと、分岐吸水部の吸水側先端を、水位の異なる水溜め部にそれぞれを配置することができる。とりわけ、水中ポンプ側にその通水を遮断する開閉弁が備えてあるものは、サイホンをセットした後にこの開閉弁を閉じて取り外すと、別の分岐吸水部材を構成する部材として繰り返し利用できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の分岐吸送水部材は、構造が簡単で容易に製造でき、廉価に提供できる。
【0022】
また、水中ポンプを停止させサイホン作用によって送水するように構成されているから、エンジン式発電機により発生するCO2や騒音公害を防止でき、また、消費電力や消費燃料が節減できるため、かかる経費を大幅に削減することができる。
【0023】
特に、請求項2の発明に係る分岐吸送水部材によると、分岐吸水部に逆止弁が内蔵され、分岐吸水部内の逆流を防止できるので、分岐吸水部の径を大きくすることができるため、上記効果に加えて、多量の水を送水できる。
【0024】
請求項3の発明に係る分岐吸送水部材によると、例えば、ストレーナ部を取り外したり、ストレーナ部を開放状態にすることによって、汚泥、土砂やゴミなどの固形物、魚類などを送水と共に下流側に移動させることができる。また、分岐吸水部を継ぎ足して延長できるので、例えば水溜め部の水面が低下しても対応でき、作業性が向上する。
【0025】
請求項4の分岐吸送水部材は水中ポンプの製作時に製造できるので、生産性が向上し、製造コストを下げることができる。
【0026】
請求項5の発明に係る分岐吸送水部材は、サイホン作用にて送水できるようになった後にこの開閉弁を閉じて水中ポンプを取り外しできるので、これとは別の分岐吸水装置に装着できる。すなわち、一台の水中ポンプにて複数の分岐吸水装置を動作させることができ、水面の高さが異なる複数の水溜め部(貯水池)からの送水が可能となる。
【0027】
請求項6の発明に係る分岐吸送水部材によると、水溜め部に配置された水位センサーにより各開閉弁の開閉動作を自動制御できるため、送水装置の運転状態を常時監視している必要がない。
【0028】
請求項7の吸送水工法によると、CO2の発生や騒音公害を防止でき、また、消費電力や消費燃料が節減できるため、かかる工事費を大幅に削減することができるなど、実効性に優れた効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の態様を示すが、以下の実施例に限定されるものではなく、発明要旨を逸脱しない範囲で、様々に設計変更できるものとする。
【0030】
先ず、図1は、本発明の分岐吸送水部材を使用して構成される送水装置50による送吸水工法を説明するための概略図である。
【0031】
図において、吸送水工法にあっては、障害物例えば河川の締切部1の一方側例えば上流側には第1の水溜め部2が設けられ流下した水が貯留されている。締切部1の他方側例えば下流側には、第1の水溜め部2よりも低水位の貯水部3が設けられている。
【0032】
送水管5は、中央部が障害物例えば締切部1よりも上部に位置し、上流側の下端に、本発明となる分岐吸送水部材10を介して、第1の水溜め部2内に浸漬された水中ポンプ15が接続されており、その下流側の下端は、貯水部3に接続されている。
【0033】
つぎに、図2は第1の実施例の分岐吸送水部材10aを模式的に示す部分断面正面図であり、図3はこの分岐吸送水部材10aの一取り付け方法を説明するための部分断面正面図である。
【0034】
図において、この分岐吸送水部材10aは、先端部に開閉可能又は着脱自在に備えたストレーナ部13を有し、かつ、その内部に逆止弁12が内蔵された分岐吸水部11aを有しており、水中ポンプ15の吐出部16と送水管5の上流側端部との間に着脱自在に介装されこれらを連通させている。
【0035】
例えば従来の水中ポンプ15の吐出側16に存する例えば竹の子形の接続部材17を取り外して分岐送水部材10aを接合させ、ついで、反対側に前記竹の子形の接続部材17を取り付け、この接続部材17に送水管5の先端部分を接続するようになっている(図3参照)。すなわち、既存の水中ポンプ15にも簡単に接続でき、さらに、水中ポンプ15と反対側の接続部材口径を設計変更することによって、口径の異なる所望する送水管5に自在に接続できる。
【0036】
この分岐吸送水部材10aによると、上流側の水溜め部2に配置した水中ポンプ15を駆動して分岐吸送水部11aに給水されるため、結果として、分岐吸水部11a及び送水管5内を水で充満連通させるができる(サイホンを形成することができる)。
【0037】
また、この分岐吸送水部材10aによると、前記分岐吸水部11aに、開閉可能又は着脱可能なストレーナ部13がさらに備えられているので、ストレーナ部13を開放状態にしたり取り外しすると、ストレーナ部13の開口より大きな土砂やゴミ等の固形物、魚類などを水と共に上流側から下流側に向けて移動させることができる。
【0038】
送水の原動力となるサイホンの構築過程をより詳しく説明する。
先ず水中ポンプ15を駆動させると、水溜部2の水を汲み上げて送水管5内に勢い良く送水する。この時、とりわけ分岐吸水部11aが小径である場合、分岐吸水部11a内の水の表面張力が大きいために自然落下せず、分岐吸水部11a内においてエアー部分Xとなって残る(図4a参照)。しかし、水中ポンプ15を停止させて開閉弁15aを閉じると、送水管5内の水が自然落下する。そしてこれに伴い、分岐吸水部11a内のエアー部分Xは送水管5側に移動し(図4b参照)、ついには送水管5内をから外に排除される動作図4c参照)。一方、分岐吸水部11aの径が比較的大きい場合、分岐吸水部11a内における表面張力が弱く水の自重(自然落下力)に打ち勝つことができないため、分岐吸水部11aの中に自然落下するので、この部分のエアーを押し出して気泡となり送水管5から外に排除される。
【0039】
これらの動作が互いに相まって、結果として、分岐吸水部11aと送水管5内を水で満たしサイホンを形成することができる。すなわちサイホン作用によって上流側の水溜め部2の水を下流側に向け送水できる。
【0040】
つぎに、図5は第2の実施例の分岐吸送水部材10bを示す部分破断正面図である。図において、この分岐吸送水部材10bは、分岐吸水部11bが接続部材18を介して着脱自在に組み付けされている点と、逆止弁が内蔵されストレーナ部13を取り付けた先端部分が接続部材19を介して着脱自在に組み付けされている点を除き、他の構成は第1の実施例の分岐吸送水部材10aと実質同一である。
【0041】
上記実施例2の分岐吸送水部材10bによれば、水溜め部2を形成しこれらをサイホン作用により下流側に送水する場合には、電源の設置等便利のよい水溜め部に水中ポンプ15を浸漬すればよいので、重量物の水中ポンプ、電源の運搬が容易になり、しかも、送水すべき水溜め部には比較的軽量物な分岐吸送水部材10bを運搬すればよいので、複数の水溜め部の水を送水する場合に好都合である。
【0042】
前記接続部材18と接続部材19により、例えば柔軟な送水パイプ14にて連通することができるため、第1の実施例の分岐吸送水部材10aと実質同一の作用効果が得られることに加えて、水中ポンプ15と分岐吸水部11bを、互いに離間して水位の異なる別々の水溜め部にそれぞれ配置することができる。
【0043】
また、接続部材18や接続部材19の間に、相互に対応する接続部材を備えた別体の送水パイプ14を継ぎ足したり取り除き分岐吸水部11bの全長を調整できるので、水溜め部の水位変化に対応でき、また、例えば水位の異なる複数の水溜め部にも対応でき、設置作業性の多様化と、作業性の向上が図れる。
【0044】
つぎに、図6及び図7は、第3の実施例の分岐吸送水部材10cの使用状態を模式的に示す模式図である。
【0045】
図6において、この分岐吸送水部材10cは、分岐吸送水部材10cの水中ポンプ15側と分岐吸水部11c側、及び送水管5側の3箇所に開閉弁(電磁弁)15a,11d,5aが備えられている。
【0046】
分岐吸送水部材10cと水中ポンプ15は相互に水位の異なる別々の水溜め部2a、2bに浸漬されており、各水溜め部2a、2bにそれぞれ配設された水位センサー7a,7bにより開閉弁(電磁弁)11d,15aの開閉がそれぞれ自動制御できるようになっている。なお、分岐吸水部11cに逆止弁が内蔵されており、かつ、開閉可能又は着脱可能なストレーナ部13を備えてあることが好ましい。
【0047】
より詳しく説明すると、水溜め部2aには、分岐吸送水部材10cの先端部と、予め最低検知水位と最高検知水位を記憶させた水位センサー7aが浸漬されている。水溜め部2aの水位が水位センサー7aが記憶する最低検知水位に達すると、水位センサー7aからの情報を受け、開閉弁(電磁弁)11dが閉じる。また、水溜め部2aに水が溜まり、水位センサー7aが記憶する最高検知水位に達すると、水位センサー7aからの情報を受け、開閉弁(電磁弁)11dが開くようになっている。
【0048】
開閉弁(電磁弁)11dが閉じると送水は停止されるが、送水管5内は水が充満された状態に保持される。従って、水位センサー7aからの情報を受け、開閉弁(電磁弁)11dが開けば直ちに送水が開始される。従って、送水開始に水中ポンプ15を駆動させる必要はない。
【0049】
一方、水溜め部2bには水中ポンプ15と、予め最低検知水位と最高検知水位を記憶させた水位センサー7bとが浸漬されており、水溜め部2bの水位が水位センサー7bが記憶する最低検知水位に達すると、水位センサー7bからの情報を受け、開閉弁(電磁弁)15aが閉じ、そして、水溜め部2bの水位が、水位センサー7bが記憶する最高検知水位に達すると、水位センサー7bからの情報を受け、開閉弁(電磁弁)15aが開くようになっている。
【0050】
開閉弁(電磁弁)15aが閉じて水中ポンプ15からの送水が停止しても、水溜め部2aの水位が最低検知水位以上あれば、水溜め部2aからの送水が持続する。また、水溜め部2aの水位が最低検知水位に達すると送水は停止されるが、送水管5内は水が充満された状態に保持される。水位センサー7aからの情報を受け、開閉弁(電磁弁)11dが開けば直ちに送水が開始される。従って、送水開始に水中ポンプ15を駆動させる必要はない。
【0051】
かかる使用方法によれば、上記第2実施例の分岐吸送水部材10bが奏する作用効果に加えて、水溜め部2a及び水溜め部2cからの送水を、自動監視できる。
【0052】
つぎに、図7に示す使用方法は、水溜め部2に、分岐吸送水部材10cの先端部とポンプ15が浸漬されており、かつ、予め最低検知水位と最高検知水位を記憶させた水位センサー7cが浸漬されている。水溜め部2の水位が水位センサー7cが記憶する最低検知水位に達すると、水位センサー7cからの情報を受け、開閉弁(電磁弁)5aが閉じ、そして、水溜め部2の水位が、水位センサー7cが記憶する最高検知水位に達すると、水位センサー7cからの情報を受け、開閉弁(電磁弁)5aが開くようになっている。従って、水溜め部2の水位を自動監視しつつ、送水ができる。
【0053】
以上、本発明の最も代表的な実施例について説明したが、これはその代表的なものとして例示したに過ぎず、その要旨を越えない限り本発明が限定されるものではなく、様々に設計変更して実施できる。
【0054】
例えば、水中ポンプ20のハウジング21内に、水中ポンプ20の通水部22に、比較的小口径の分岐吸水部10dの一端が開口するように隔壁25を備えたもの(図8(a)参照)や、水中ポンプ30のハウジング31内に、水中ポンプ30の通水部32に、ストレーナ部33を有し内部に逆止弁34が内蔵された比較的大口径の分岐吸水部10d’の一端が開口するように隔壁35を備えたもの(図8(b)参照)ものなどが例示できる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明に係る分岐吸送水部材及び吸送水工法は、
1)排水処理プラントにおける、処理水などの移動、
2)造船分野における、海水などの移動、
3)建設分野における、雨水の移動
4)各種工場内における、液状資材の移動、
5)上下水道工事における、水の移動、
6)農業分野における、灌漑用水の移動、
など、多方面的な適用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、本発明の分岐吸送水部材を使用して構成される送水装置による送吸水工法を説明するための概略図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施例を示す部分破断正面図である。
【図3】図3はこの分岐吸送水部材の一取り付け方法を説明するための部分破断正面図である。図3(a)は取り付け中の状態を模式的に示す正面図であり、図3(b)は取り付け後の状態を模式的に示す部分破断正面図である。
【図4】図4(a)〜(c)は、送水の原動力となるサイホンの一構築過程を説明するために示す概念図である。
【図5】図5は、第2の実施例を示す部分破断正面図である。
【図6】図6は、第3の実施例を、その一使用状態とともに示す概略図である。
【図7】図7は、第3の実施例を他の使用状態とともに示す概略図である。
【図8】図8は、第4の実施例を模式的に示す部分破断正面である。図8(a)は、水中ポンプのハウジング内に、ポンプの通水部吐出側に分岐吸水部の一端が開口するように隔壁が備えられており、図8(b)は、水中ポンプのハウジング内に、ポンプの通水部吐出側に、ストレーナ部を有し内部に逆止弁が内蔵された分岐吸水部の一端が開口するように隔壁が備えられている。
【符号の説明】
【0057】
1 締切部
2 水溜め部
2a 水溜め部
2b 水溜め部
3 貯水部
5 送水管
5a 開閉弁(電磁弁)
7a 水位センサー
7b 水位センサー
7c 水位センサー
10 分岐吸送水部材
10a 分岐吸送水部材
10b 分岐吸送水部材
10c 分岐吸送水部材
10d 分岐吸送水部材
10d’分岐吸送水部材
11 分岐吸水部
11 a 分岐吸水部
11 b 分岐吸水部
11 c 分岐吸水部
11d 開閉弁
12 逆止弁
13 ストレーナ部
14 送水パイプ
15 水中ポンプ
15a 開閉弁
16 吐出部
17 接続部材
18 接続部材
19 接続部材
20 水中ポンプ
21 ハウジング
22 通水部
25 隔壁
30 水中ポンプ
31 ハウジング
32 通水部
33 ストレーナ部
34 逆止弁
35 隔壁
50 送水装置
X エアー部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側の水溜め部の水をサイホン作用によって送水する送水装置を構成するための分岐吸送水部材であって、
分岐吸水部を有し、上流側に配置された水中ポンプと下流側に向けて送水する送水管との間に介装されることを特徴とする分岐吸送水部材。
【請求項2】
前記分岐吸水部に、逆止弁が内蔵されていることを特徴とする請求項1記載の分岐吸送水部材。
【請求項3】
前記分岐吸水部に、開閉可能又は着脱可能なストレーナ部がさらに備えられていることを特徴とする請求項1又は2記載の分岐吸送水部材。
【請求項4】
前記分岐吸送水部材は水中ポンプと分離不能に一体形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分岐吸送水部材。
【請求項5】
前記分岐吸水部、水中ポンプ側、または送水管側のいずれか1箇所又はその複数箇所に、その通水を遮断する開閉弁が備えられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分岐吸送水部材
【請求項6】
前記開閉弁の開閉動作が、水溜め部に配置された水位センサーにより制御されることを特徴とする請求項5記載の分岐吸送水部材。
【請求項7】
上流側に配置された送水ポンプを駆動して分岐吸送水部材内を水で充満させ、送水ポンプを停止しサイホン作用によって下流側に送水することを特徴とする吸送水工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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