説明

分岐栓

【課題】接続される外部接続機器を使用しながら同時に水栓の吐出口から湯又は水を吐出することができ、利便性を向上させた分岐栓を提供することを課題とする。
【解決手段】水栓9の供給流路91に連通する流入流路13及び流入流路13よりも下流側で供給流路91に連通する流出流路14を有する本体と、外部接続機器と接続されてこの外部接続機器及び流入流路13と連通する分岐流路51を有する分岐部材50と、外部接続機器と接続されてこの外部接続部材及び流出流路14と連通する戻し流路61を有する戻し部材60と、流入流路13と流出流路14との連通を開閉する開閉部材とを具備し、供給流路91から流入流路13に流入した湯又は水を開閉部材の開閉によって流出流路14に直接流通させて供給流路91へ流出可能とする一方、分岐流路51から外部接続機器に流通させて戻し流路61から流出流路14に流通させたあと供給流路91へ流出可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分岐栓の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水栓に取付けられる分岐栓であって、水栓における湯又は水の供給流路に連通する流入流路及び前記流入流路よりも下流側で供給流路に連通する流出流路を有する本体と、外部接続機器と接続されてこの外部接続機器及び前記流入流路と連通する分岐流路を有する分岐部材と、外部接続機器と接続されてこの外部接続機器及び前記流出流路と連通する戻し流路を有する戻し部材と、を具備する分岐栓に関する技術は公知となっている。例えば特許文献1に示す如くである。当該分岐栓は、主に、浄水器に接続されて、浄水器からの浄水を水栓の吐出口から吐出する用途に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−168961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような分岐栓では、その本体が有する流入流路と流出流路とは連通していないため、前記流入流路に供給される水道管からの水やボイラからの湯等を、直接前記流出流路を通じて水栓の吐出口から吐出することはできない。又、当該分岐栓では、前記分岐部材を通じて外部接続機器に流通した湯又は水が戻し部材の戻し流路に戻ってこなければ、当該湯又は水を水栓の吐出口から吐出することはできない。
つまり、当該分岐栓では、分岐部材に接続される外部接続機器が、分岐した湯又は水を戻し部材の戻し流路に戻すような機器でない場合(例えば、食洗器の場合)には、これを使用しながら同時に水栓の吐出口から湯又は水を吐出することができず、利便性が悪いという問題があった。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、接続される外部接続機器を使用しながら同時に水栓の吐出口から湯又は水を吐出することができ、利便性を向上させた分岐栓を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、水栓に取付けられる分岐栓であって、前記水栓における湯又は水の供給流路に連通する流入流路、及び、前記流入流路よりも下流側で前記供給流路に連通する流出流路、を有する本体と、外部接続機器と接続されて、この外部接続機器及び前記流入流路と連通する分岐流路を有する分岐部材と、前記外部接続機器と接続されて、この外部接続部材及び前記流出流路と連通する戻し流路を有する戻し部材と、前記流入流路と前記流出流路との連通を開閉する開閉部材とを具備し、前記供給流路から前記流入流路に流入した湯又は水を、前記開閉部材の開閉によって、前記流出流路に直接流通させて、前記供給流路へ流出可能とする一方、前記分岐流路から前記外部接続機器に流通させて、前記戻し流路から前記流出流路に流通させたあと、前記供給流路へ流出可能とするものである。
【0008】
請求項2においては、前記本体は、外側部材と、内筒部及び外筒部を有する二重筒状の内側部材とを具備し、前記内側部材を前記外側部材に挿入して固定するように構成され、前記流入流路を前記内側部材の内筒部内に形成し、前記分岐部材は、前記本体における外側部材及び内側部材のそれぞれの外周面から内周面へ貫通する貫通孔に挿入されて固定されるものである。
【0009】
請求項3においては、前記分岐接続部材は、複数個具備されているものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
即ち、本発明に係る分岐栓によれば、接続される外部接続機器を使用しながら同時に水栓の吐出口から湯又は水を吐出させることができ、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る分岐栓の側面図。
【図2】本発明の実施形態に係る分岐栓の正面図。
【図3】(a)本発明の実施形態に係る分岐栓の本体と分岐部材と戻し部材とを示したの平面図、(b)本発明の実施形態に係る分岐栓のソケットの平面図。
【図4】本発明の実施形態に係る分岐栓の側面断面図。
【図5】本発明の実施形態に係る分岐栓の正面断面図。
【図6】本発明の実施形態に係る分岐栓のA−A断面図。
【図7】本発明の実施形態に係る分岐栓の正面拡大図。
【図8】本発明の実施形態に係る分岐栓の側面断面図。
【図9】本発明の実施形態に係る分岐栓の側面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る分岐栓1の実施形態について、図1から図9を用いて説明する。
本発明に係る分岐栓1は、既設の水栓9の給水ハンドル取付け口94aに取付けられるものである。そして、分岐栓1は、所定の外部接続機器(例えば、浄水器や整水器や食洗機等)に接続されて、水栓9の供給流路91における上流側供給流路92から流入する湯または水を、当該外部接続機器に流通させ、また、水栓9の供給流路91における下流側供給流路93に流出させるものである(図8参照)。
【0014】
また、分岐栓1は、図1から図6に示す如く、本体10と、2つの分岐部材50・50と、戻し部材60と、開閉部材とを具備し、本体10は流入流路13と、流出流路14とを有する。
【0015】
分岐栓1の本体10は、内側部材11と外側部材12とを具備する。
本体10の内側部材11は、内筒部及び外筒部を有する二重筒状に構成される。
本体10の内側部材11の外筒部は、ソケット20によって構成される。内側部材11のソケット20は、金属素材からなる部材であり、上下方向を軸心方向とする略円筒状に形成される。
ソケット20における上部の左右には、外周面から内周面へ貫通する貫通孔が、左右対称となるようにそれぞれ形成されている。つまり、ソケット20におけるそれぞれの貫通孔は、上下方向の位置が互いに同一となるようにソケット20に形成されている。ソケット20におけるそれぞれの貫通孔の内周面には、雌ネジが形成されている。
なお、以下において、ソケット20における左方の貫通孔を第一貫通孔21と、右方の貫通孔を第二貫通孔22と称する。
【0016】
ソケット20における上部(ソケット20の上端部の直下)の前後には、ソケット20の上端部を残した状態で外周面を面取りすることにより肉薄状にされた肉薄部23・23がそれぞれ形成されている。つまり、ソケット20の上部における前後方向の外周面を2面取りすることにより、ソケット20の肉薄部23・23が、互いの外面が平行且つ前後対称となるように、ソケット20における上部の前後にそれぞれ形成されている。また、ソケット20の肉薄部23・23は、第一貫通孔21及び第二貫通孔22よりも下方に至るまでそれぞれ形成されている。
【0017】
ソケット20の第一貫通孔21及び第二貫通孔22の下方且つ肉薄部23の下端部よりも上方には、内周面から内側に向けて突出する環状の内凸部24が形成されている。また、内凸部24の内周面には位置決め溝が形成されており、当該位置決め溝にOリング32が嵌装されている。
なお、以下において、円筒形状のソケット20における上下に貫通する空間のうち、内凸部24が形成されている箇所よりも上方に位置する部分を上部空間Xと称する。
この上部空間Xが配置される部分のソケット20には、第一貫通孔21、第二貫通孔22、及び、肉薄部23・23が形成されている。
【0018】
ソケット20の肉薄部23・23における内凸部24形成位置よりも下方の位置には、肉薄部23・23の外面を内側方向へ切り欠くことにより、ソケット20の外面から内周面へ貫通する切欠き部25・25が形成されている。ソケット20の切欠き部25・25は、互いの外面が平行且つ前後対称となるように、ソケット20における肉薄部23の下端部がその外面からソケット20の内周面に至るまでそれぞれ切欠かれて形成される。
【0019】
ソケット20における上下中央部(ソケット20の切欠き部25の直下)の外周面には位置決め溝が形成されており、当該位置決め溝にOリング33が嵌装されている。
また、ソケット20におけるOリング33が嵌挿されている箇所の直下には、外周面から外側に向けて突出する環状の外凸部26が形成されている。
【0020】
ソケット20における下端部は、その内周面及び外周面が若干広径に形成されて、その広径に形成された内部には、座金27を介してパッキン28が配置さている。
ソケット20における下部(広径に形成された下端部の直上)の前後左右には、それぞれの外周面から内周面へ貫通するように貫通孔がそれぞれ形成されている。当該ソケット20における下部の貫通孔は、水栓9の供給流路91へ湯又は水を流出するための流出口29として構成される。
【0021】
本体10の内側部材11の内筒部は、パイプ材30によって構成される。内側部材11のパイプ材30は金属素材からなる部材であり、上下方向を軸心方向とする円筒状の部材である。パイプ材30は、その軸心方向の長さが、ソケット20の内凸部24からソケット20の下端部に至る長さと略同一となるように形成される。また、パイプ材30は、その外径がソケット20の内凸部24の内径と略同一となるように形成される。
【0022】
そして、パイプ材30は、当該パイプ材30の軸心とソケット20の軸心と一致させるように、パイプ材30の上端部をソケット20の内凸部24(Oリング32)に嵌挿させて、ソケット20内に配置される。
このようにパイプ材30をソケット20内に配置することにより、本体10の内側部材11は、内筒部(パイプ材30)及び外筒部(ソケット20)を有する二重筒状に構成される。
【0023】
このように配置されたパイプ材30の下方の開口は、水栓9の供給流路91から湯又は水が流入するための流入口31として構成される。
また、内側部材11におけるパイプ材30の内部空間は、分岐栓1が水栓9に取付けられた際に当該水栓9の供給流路91に連通する本体10の流入流路13として構成される。つまり、本体10の内側部材11の内筒部(パイプ材30)内に流入流路13は形成される。ここで、本体10の流入流路13とは、水栓9の供給流路91から本体10の流入口31を介して流入した湯又は水が流通するための流路を示す。
そして、このようにパイプ材30がソケット20内に配置されることにより、流入流路13(パイプ材30内)とソケット20の上部空間Xとが連通することとなる。
【0024】
また、このようにパイプ材30の上端部が内凸部24(Oリング32)に嵌挿されることにより、ソケット20の上部空間Xと内凸部24より下方の空間とは、ソケット20内において水密的にシールされている。
【0025】
さらに、このようにパイプ材30がソケット20内に配置されることにより、ソケット20の内凸部24より下方の内面と、パイプ材30の外面との間に、所定の空間Y1が形成されている。当該所定の空間Y1は、本体10の流出流路14の一部を構成する。
【0026】
本体10の外側部材12は、ロックナット40と、ハブ42と、で構成される。
外側部材12のロックナット40は、金属素材からなる部材であり、上下方向を軸心方向とする円筒状の部材である。
ロックナット40の内径は、内側部材11におけるソケット20の外凸部26の外径と略同一に形成されている。
また、ロックナット40の上端部には、内周面から内側に向けて突出する環状の係合部41が形成されている。ロックナット40の係合部41は、内側部材11におけるソケット20の外凸部26と係合可能なように、内側部材11におけるソケット20の外筒部の外径より小さく、且つ、ソケット20における外凸部26の直上の外径と略同一に形成されている。
このようにして構成された外側部材12のロックナット40は、その下方から内側部材11が挿入されて、内側部材11におけるソケット20の外筒部とロックナット40の係合部41とを係合させて、配置される。
【0027】
外側部材12のハブ42は、金属素材からなる部材であり、上下方向を軸心方向とする円筒状の部材である。
ハブ42における下部の内径は、Oリング33が嵌挿されている状態の内側部材11におけるソケット20上下中央部の外径と、略同一に形成されている。
【0028】
ハブ42における上部の内径は、ハブ42の下部の内径及び内側部材11におけるソケット20の上端部の外径より大きい径に形成されている。
ハブ42の上端部には、内周面から内側に向けて突出する環状の接合部46が形成されている。さらに、ハブ42における接合部46の上部の周面には、位置決め溝が形成されており、当該位置決め溝にOリング47が嵌装されている。また、ハブ42における接合部46の下部の周面には、開閉部材の給水ハンドル機構と螺合させるための雌ネジが形成されている。
【0029】
ハブ42における上下中央部の左右には、外周面から内周面へ貫通する貫通孔が、左右対称となるようにそれぞれ形成されている。つまり、ハブ42における左右のそれぞれの貫通孔は、上下方向の位置が互いに同一となるようにハブ42に形成されている。また、ハブ42における左右のそれぞれの貫通孔は、ハブ42に内側部材11を挿入してハブ42を所定の位置に配置した際に、当該貫通孔の位置が、内側部材11におけるソケット20の第一貫通孔21及び第二貫通孔22の位置と一致するように形成されている。
【0030】
ハブ42における上下中央部の後方には、外周面から内周面へ貫通する貫通孔が、ハブ42における左右のそれぞれの貫通孔と上下方向の位置が互いに同一となるように形成されている。また、ハブ42における後方の貫通孔は、これの上下方向の位置がハブ42に内側部材11を挿入してハブ42を所定の位置に配置した際に、内側部材11におけるソケット20の第一貫通孔21及び第二貫通孔22の上下方向の位置と一致するように形成されている。
また、ハブ42における後方の貫通孔の内周面には雌ネジが形成されている。
なお、以下において、ハブ42における左方の貫通孔を第三貫通孔43と、右方の貫通孔を第四貫通孔44と、後方の貫通孔を第五貫通孔45と称する。
【0031】
このように構成された外側部材12のハブ42は、ロックナット40が配置された状態の内側部材11がその下方から挿入されて、内側部材11におけるソケット20の上下中央部がハブ42の下部に嵌挿され、ロックナット40の上方に配置される。またこの際、ハブ42の第三貫通孔43とソケット20の第一貫通孔21とを、ハブ42の第四貫通孔44とソケット20の第二貫通孔22とを、それぞれ一致させるように、且つ、ハブ42の第五貫通孔45を後方に位置するようにして、ハブ42に内側部材11が挿入される。
なお、係る状態において、外側部材12におけるハブ42の上部内には、内側部材11におけるソケット20の上端部が配置されている。
【0032】
このように外側部材12のハブ42が配置されることにより、外側部材12におけるハブ42の内壁と内側部材11におけるソケット20の上端部との間、及び、外側部材12のハブ42の内壁と内側部材11のソケット20の肉薄部23との間には、これらの間が互いに連通する所定の空間Y2が形成されている。当該所定の空間Y2は、本体10の流出流路14の一部を構成する。
また、当該所定の空間Y2は、ソケット20の内凸部24より下方の内面とパイプ材30の外面との間の所定の空間Y1に、内側部材11におけるソケット20の切欠き部25・25を介して連通している。
そして、当該ソケット20の切欠き部25・25を介して所定の空間Y2と所定の空間Y1とを連通することにより構成される空間は、分岐栓1が水栓9に取付けられた際に当該水栓9の供給流路91における下流側供給流路93に連通する本体10の流出流路14として構成される。ここで、本体10の流出流路14とは、湯又は水が流通して本体10の流出口29を介して水栓9の供給流路91における下流側供給流路93へ流出するための流路を示す。
以上のようにして分岐栓1の本体10は構成される。
【0033】
次に、分岐栓1の分岐部材50について説明する。
分岐部材50は、金属素材からなる部材であり、分岐栓1を所定の外部接続機器に接続するための部材である。
また、分岐部材50は、円柱部52と六角部53と分岐流路51を有する。分岐部材50の円柱部52は円柱形状に形成され、その六角部53は六角柱形状に形成されている。そして、分岐部材50は、その円柱部52と六角部53との互いの軸心を一致させるように円柱部52の一側面に六角部53が一体的に設けられて構成されている。また、分岐部材50の分岐流路51は、円柱部52と六角部53とのそれぞれの軸心を貫通するようにして形成されている。
【0034】
分岐部材50における円柱部52の外径は、これを本体10におけるソケット20の第一貫通孔21又は第二貫通孔22、及び、ハブ42の第三貫通孔43又は第四貫通孔44に挿入して接合可能なように、ソケット20の第一貫通孔21又は第二貫通孔22、及びハブ42の第三貫通孔43又は第四貫通孔44の内径と略同一に構成されている。
また、分岐部材50における円柱部52の軸心方向の長さは、これが本体10におけるソケット20の第一貫通孔21又は第二貫通孔22、及びハブ42の第三貫通孔43又は第四貫通孔44に挿入された際に、当該円柱部52の先端が、ソケット20の上部空間Xに至るような長さに形成されている。
分岐部材50における円柱部52の外周面には、雄ネジが形成されている。分岐部材50における円柱部52の基端の外周面には位置決め溝が形成されており、当該位置決め溝にOリング54が嵌装されている。
【0035】
そして、このように構成された分岐部材50・50は、ハブ42の第三貫通孔43とソケット20の第一貫通孔21、及び、ハブ42の第四貫通孔44とソケット20の第二貫通孔22に、その円柱部52・52の先端からソケット20の挿入方向と交差する方向にこれを挿入して、当該円柱部52・52の外周面に形成された雄ネジと、ソケット20の第一貫通孔21及び第二貫通孔22の内周面に形成された雌ネジとを螺合させてこれらを接合させることによって、本体10に固定される。この場合、分岐部材50・50の雄ネジと、ソケット20の第一貫通孔21及び第二貫通孔22の雌ネジとの間は、Oリング54・54や接着剤等のシール材を介装する等して水密的にシールされる。
また、このようにして分岐部材50が本体10に固定されることによって、本体10の内側部材11は外側部材12に挿入された状態で固定されることとなる。
【0036】
このように分岐部材50・50が本体10に固定された状態において、分岐部材50・50の分岐流路51・51は、本体10におけるソケット20の上部空間Xと連通している。つまり、係る状態において、分岐部材50の分岐流路51は、ソケット20の上部空間Xを介して、本体10の流入流路13と連通している。
【0037】
また、このように本体10に固定された分岐部材50は、分岐コック2及びホース3を介して図示しない浄水器や食栓器等の外部接続機器に接続されて、分岐部材50の分岐流路51と外部接続機器とは連通することとなる(図7参照)。つまり、分岐部材50が外部接続機器に接続されることにより、本体10の流入流路13は、分岐部材50の分岐流路51を介して外部接続機器と連通することとなる。
【0038】
なお、分岐部材50における円柱部52の軸心方向の長さは、これが本体10におけるソケット20の第一貫通孔21又は第二貫通孔22、及びハブ42の第三貫通孔43又は第四貫通孔44に挿入された際に、当該円柱部52の先端がソケット20の第一貫通孔21又は第二貫通孔22に至って、当該円柱部52とソケット20の第一貫通孔21又は第二貫通孔22とが螺合できるような長さであればよいものとする。
【0039】
次に、戻し部材60について説明する。
戻し部材60は、金属素材からなる部材であり、所定の外部接続機器に接続するための部材である。
また、戻し部材60は、円柱部62と六角部63と戻し流路61とを有する。戻し部材60の円柱部62は円柱形状に形成され、その六角部63は六角柱形状に形成されている。そして、戻し部材60は、その円柱部62と六角部63との互いの軸心を一致させるように円柱部62の一側面に六角部63が一体的に設けられて構成されている。また、戻し部材60の戻し流路61は、円柱部62と六角部63とのそれぞれの軸心を貫通するようにして形成されている。
【0040】
戻し流路61における円柱部62の外径は、これを本体10におけるハブ42の第五貫通孔45に挿入して接合可能なように、ハブ42の第五貫通孔45の内径と略同一に構成されている。
また、戻し部材60における円柱部62の軸心方向の長さは、これが本体10におけるハブ42の第五貫通孔45に挿入された際に、当該円柱部62の先端が、本体10の流出流路14(本体10の空間Y2)に至るような長さに形成されている。
戻し部材60における円柱部62の外周面には、雄ネジが形成されている。
【0041】
そして、このように構成された戻し部材60は、ソケット20の第五貫通孔45に、その円柱部62の先端からソケット20の挿入方向と交差する方向にこれを挿入して、当該円柱部62の外周面に形成された雄ネジと、ソケット20の第五貫通の内周面に形成された雌ネジとを螺合させてこれらを接合させることによって、本体10に固定される。この場合、分岐部材50の雄ネジと、ソケット20の第一貫通孔21及び第二貫通孔22の雌ネジとの間は、接着剤等のシール材を介装する等して水密的にシールされる。
また、このように戻し部材60が本体10に固定された状態において、戻し部材60の戻し流路61は、本体10の流出流路14と連通している。
【0042】
また、このように本体10に固定された戻し部材60は図示しないホースを介して浄水器や食栓器等の外部接続機器に接続されて、戻し部材60の戻し流路61と外部接続機器とは連通することとなる。つまり、戻し部材60が外部接続機器に接続されることにより、本体10の流出流路14は、戻し部材60の戻し流路61を介して外部接続機器と連通することとなる。
【0043】
次に、開閉部材について説明する。
開閉部材は、本体10内に配置されて本体10の流入流路13と流出流路14との連通を開閉するための部材であり、主としてカートリッジ70によって構成される。
【0044】
カートリッジ70には、その下面から側面に向けて貫通し、且つその連通を開閉可能に構成される開閉流路71が形成されている。
また、カートリッジ70には、これに開閉流路71が形成されることにより、その下面に下面開口72、及び、その側面に側面開口73が各々形成されている。カートリッジ70の下面開口72は、カートリッジ70が本体10に配置された際に、カートリッジ70の開閉流路71と本体10の流入流路13とが当該下面開口72を介して連通する位置に形成されている。また、カートリッジ70の側面開口73は、カートリッジ70が本体10に配置された際に、カートリッジ70の開閉流路71と本体10の流出流路14とが当該側面開口73を介して連通する位置に形成されている。
【0045】
カートリッジ70は、これの上面から上方に突出するボス(不図示)を周方向に回動することによって開閉流路71の開閉が行われるように構成されている。詳細には、カートリッジ70は、前記ボスを平面視で時計回りに回動させた場合にはこれの開閉流路71が閉状態となり、前記ボスを反時計回りに回動させた場合にはこれの開閉流路71が開状態となるように構成されている。
【0046】
このようにして構成されたカートリッジ70は、本体10におけるソケット20の上方に載置することによりハブ42の上部内に配置される。係る状態において、カートリッジ70の開閉流路71は、これが開状態の場合において、カートリッジ70の下面開口72と本体10の上部空間Xを介して、本体10の流入流路13と連通している。また、係る状態において、カートリッジ70の開閉流路71は、これが開状態の場合において、カートリッジ70の側面開口73を介して、本体10の流出流路14(本体10の空間Y2)と連通している。
つまり、このようにカートリッジ70が本体10に配置されることにより、カートリッジ70の開閉流路71が開状態の場合において、本体10の流入流路13と流出流路14とは、当該開閉流路71を介して連通していることとなる。
他方、このようにカートリッジ70が本体10に配置されることにより、カートリッジ70の開閉流路71が閉状態の場合において、本体10の流入流路13と流出流路14とは、当該開閉流路71によって連通が遮断されている。
【0047】
また、カートリッジ70の上方には、カートリッジ70を本体10に固定する固定部材74を設け、さらに固定部材74より上方に突出するようにしてカートリッジ70のボスに連動する操作部材75が設けられている。
当該固定部材74の下端の外径は、本体10におけるハブ42の上方の開口に挿入して接合可能なように、当該ハブ42における上方の開口の内径と略同一に形成されている。また、当該固定部材74の下端の外周面には雄ネジが形成されている。
そして、固定部材74に形成された雄ネジと本体10におけるハブ42の上方の開口に形成された雌ネジとを螺合させることによって固定部材74と本体10とを接合させている。また、このように固定部材74と本体10とを接合させることによって、カートリッジ70は下方に押圧されて本体10に固定されている。この場合、固定部材74の雄ネジと、ハブ42における上方の開口の雌ネジとの間は、接着剤等のシール材を介装する等して水密的にシールされる。また、固定部材74と、ハブ42における上方の開口との間は、ハブ42における上方の開口のOリング47によっても水密的にシールされる。
【0048】
カートリッジ70のボスに連動する操作部材75には、当該操作部材75及び固定部材74を覆うようにして、ハンドル76が固定して設けられている。そして、分岐栓1は、操作部材75に取付けられたハンドル76を周方向に回動させることにより、操作部材75を介してカートリッジ70のボスが回動し、カートリッジ70の開閉流路71が開閉するように構成されている。
【0049】
以上のようにして構成された分岐栓1は、図8に示す如く、これの流入口31(パイプ材30の下方の開口)を水栓9の取付け口94aの開口から挿入して、パイプ材30の下端部(パッキン28)をシート部96に当接させ、分岐栓1のロックナット40の内周面に形成された雌ネジと、水栓9の取付け口94aの外周面に形成された雄ネジを螺合させることによって、水栓9の取付け口94aに固定されて取付けられる。
そして、このように分岐栓1が水栓9に取付けられた際には、分岐栓1における本体10の流入流路13はこれの流入口31を介して水栓9の上流側供給流路92と連通し、水栓9の上流側供給流路92から湯又は水が流入流路13に流入することとなる。他方、係る状態の分岐栓1では、分岐栓1における本体10の流出流路14はこれの流出口29を介して水栓9の下流側供給流路93と連通し、分岐栓1における本体10の流出流路14から湯又は水が水栓9の下流側供給流路93へ流出することとなる。
【0050】
ここで、水栓9の供給流路91とは、水道管やボイラ等からの湯又は水を水栓9の吐出口95へ流通させて給水するための流路であり、水道管やボイラ及び取付け口94aに連通する上流側供給流路92と、シート部96を隔てて上流側供給流路92より下流側に配置され吐出口95に連通する下流側供給流路93とから構成されている。
つまり、このように分岐栓1が水栓9に取付けられた際には、分岐栓1における本体10の流出流路14は、これの流入流路13よりも下流側で、水栓9の供給流路91と連通している。
【0051】
このように水栓9の取付け口94に取付けられた分岐栓1では、分岐部材50及び戻し部材60に接続される外部接続機器が浄水器の場合には、ハンドル76を回動させて開閉流路71を閉状態とするとともに、分岐部材50に接続される分岐コック2を開状態として浄水器に湯又は水を流出させて、浄水器からの浄水(水)を、戻し部材60の戻し流路61に流入させて分岐栓1における本体10の流出流路14に流通させ、これを水栓9の下流側供給流路93へ流出させて水栓9の吐出口95から吐出させることができる。
つまり、分岐栓1によれば、浄水器からの浄水(水)を吐出するための吐出口を水栓9の吐出口95とは別に設けることなく、また、浄水器に接続されるホースを水栓9の吐出口95に接続することなく、浄水器からの浄水(水)を水栓9の吐出口95から吐出させることができる。したがって、分岐栓1によれば、容易に水栓9周りに浄水器を配置することができ、また、浄水器を配置した場合においても水栓9周りが煩雑になることを防止することができる。
【0052】
他方、分岐栓1では、これのハンドル76を回動させて開閉流路71を開状態として(且つ、分岐部材50に接続される外部接続機器が浄水器の場合には分岐コック2を閉状態とし)、水栓9の上流側供給流路92から分岐栓1における本体10の流入流路13に流入した水又は湯を、流出流路14へ直接流通させて、これを水栓9の下流側供給流路93に流出させて水栓9の吐出口95から吐出させることができる。
したがって、分岐栓1によれば、接続される外部接続機器が浄水器か否かによらず、また、接続される外部接続機器を使用しながら同時に水栓9の吐出口95から、湯又は水を吐出させることができ、利便性を向上させることができる。
【0053】
分岐栓1には、分岐部材50が2つ具備されている。このように、分岐部材50が複数個(2つ)具備されることにより、分岐栓1では、複数個(2つ)の外部接続機器を増設することが容易となる。
【0054】
また、分岐栓1におけるパイプ材30の内部空間は、本体10の流入流路13として構成される。ソケット20には、第一貫通孔21と第二貫通孔22とがそれぞれ形成されている。ハブ42には、第三貫通孔43と第四貫通孔44と第五貫通孔45がそれぞれ形成されている。そして、分岐部材50・50が、ハブ42の第三貫通孔43とソケット20の第一貫通孔21、及び、ハブ42の第四貫通孔44とソケット20の第二貫通孔22にこれを挿入して本体10に固定されて、本体10の流入流路13(パイプ材30内)と分岐部材50・50の分岐流路51・51とが連通している。
また、分岐栓1におけるソケット20の内凸部24より下方の内面とパイプ材30の外面との間に、所定の空間Y1が形成されている。外側部材12におけるハブ42の内壁と内側部材11におけるソケット20の上端部との間、及び、外側部材12のハブ42の内壁と内側部材11のソケット20の肉薄部23・23との間には、これらの間が互いに連通する所定の空間Y2が形成されている。当該所定の空間Y2は、所定の空間Y1に、内側部材11におけるソケット20の切欠き部25・25を介して連通し、当該ソケット20の切欠き部25・25を介した所定の空間Y2と所定の空間Y1との連通する空間が、本体10の流出流路14として構成される。そして、戻し部材60が、第五貫通孔45にこれを挿入して本体10に固定されて、流出流路14と戻し部材60の戻し流路61とが連通している。
このように、分岐栓1によれば、接続される外部接続機器が浄水器か否かによらず、また、接続される外部接続機器を使用しながら同時に水栓9の吐出口95から、湯又は水を吐出させることができ利便性を向上させた、複数個(2つ)の外部接続機器と接続される分岐部材50と、外部接続機器と接続される戻し部材60とを具備する分岐栓1を簡易構造で実現することができ、ひいてはこのような分岐栓1を低コストで実現することができる。
【0055】
分岐栓1におけるソケット20には、第一貫通孔21と第二貫通孔22とが、左右対称となるようにそれぞれ形成されている。また、分岐栓1におけるハブ42には、第三貫通孔43と第四貫通孔44とが、左右対称となるようにそれぞれ形成されている。そして、分岐部材50・50が、ハブ42の第三貫通孔43とソケット20の第一貫通孔21、及び、ハブ42の第四貫通孔44とソケット20の第二貫通孔22にこれを挿入して本体10に固定されている。つまり、分岐部材50・50は、左右対称に本体10から延出するように本体10に固定されている。
さらに、分岐栓1におけるハブ42には、第五貫通孔45がその後方に形成されている。そして、戻し部材60は、第五貫通孔45にこれを挿入して本体10に固定されている。つまり、戻し部材60は、本体10から後方に延出するように本体10に固定されている。
したがって、2つの分岐部材50を具備して2つの外部接続機器を分岐部材50に接続し、また戻し部材60を具備して外部接続機器を戻し部材60に接続した際においても、ホース3や分岐コック2の配置によって水栓9周りが煩雑になることを防止することができる。
【0056】
また、分岐栓1では、分岐部材50・50は、ハブ42の第三貫通孔43または第四貫通孔44を介して、ソケット20の第一貫通孔21または第二貫通孔22に挿入されて本体10に固定されている。このため、分岐栓1によれば、ハブ42がソケット20に対して回動すること、及び、上下に移動することを防止して、水栓9の取付け口94へ分岐栓1の取付け作業を容易におこなうことができる。
【0057】
分岐栓1におけるハブ42には、第五貫通孔45が第三貫通孔43及び第四貫通孔44と上下方向の位置とが互いに同一となるように形成されている。そして、戻し部材60は、第五貫通孔45にこれを挿入して本体10に固定されている。つまり、戻し部材60は、本体10から延出している分岐部材50の上下方向の高さと同一の高さで本体10から延出するように本体10に固定されている。したがって、分岐栓1によれば、分岐栓1の上下方向の高さを高くすることなく、外部接続機器を分岐部材50と戻し部材60とを同時に接続することができ、分岐栓1を取付けた水栓9全体の高さをコンパクトに構成することができる。
【0058】
なお、分岐栓1は、分岐部材50を2つ具備する構成であるが、1つの分岐部材50を具備する構成でもよく、3つ以上の分岐部材50を具備する構成でもよいものとする。
【0059】
また、図9に示すごとく、水栓9における取付け口94bの仕様が雌ネジ仕様(取付け口94bの内周面に雌ネジが形成されている仕様)の場合には、分岐栓1のロックナット40と水栓9の取付け口94bとを螺合させて、分岐栓1を水栓9の取付け口94bに取付けることが出来ない。
もっとも、このような場合には、分岐栓1の本体10にネジアダプタ80及び延長ソケット83を取付けることで、分岐栓1を雌ネジ仕様の水栓9に取付けることができる。
【0060】
以下において、ネジアダプタ80、及び、延長ソケット83について説明する。
ネジアダプタ80は、金属素材からなる部材であり、上下方向を軸心方向とする略円筒状に形成されている。
ネジアダプタ80における上部の外径は、本体10におけるロックナット40の内径と略同一に形成されている。ネジアダプタ80における下部の外径は水栓9の取付け口94bの内径と略同一に形成されている。ネジアダプタ80における上下中央部の外周面には、半径方向外側に突出する環状の台部82が形成されている。また、ネジアダプタ80における台部82の直下の外周面には、位置決め溝が形成されており、当該位置決め溝にOリング81が嵌装されている。ネジアダプタ80の上部及び下部の外周面には雄ネジが形成されている。
【0061】
ネジアダプタ80における上下中途部から上方の内径は、本体10におけるソケット20の下部(外凸部26より下方)の外径と略同一に形成されている。ネジアダプタ80における上下中央部から下方の内径は、ネジアダプタ80がロックナット40に取付けられた際に、本体10におけるソケット20の下部の外面とネジアダプタ80の内面との間に所定の空間Y3が形成されるように、下方に向かって次第に拡径となるテーパ状に形成されている。
【0062】
このように構成されたネジアダプタ80は、当該ネジアダプタ80における上部の外周面に形成された雄ネジと、本体10におけるロックナット40の内周面に形成された雌ネジと、を螺合させることによって本体10に取付けられる。そして、このようにネジアダプタ80が本体10に取付けられた際には、本体10におけるソケット20の下部の外面とネジアダプタ80の内面との間に所定の空間Y3が形成され、当該所定の空間Y3は分岐栓1における本体10の流出口29を介して流出流路14と連通することとなる。
【0063】
延長ソケット83は、金属素材からなる部材であり、上下方向を軸心方向とする略円筒状に形成されている。
延長ソケット83における上部の外径は、本体10のソケットにおける下端部に嵌挿可能なように、本体10のソケットにおける下端部の内径と略同一に形成されている。延長ソケット83の上下中央部から下方の外径は、本体10のソケットにおける下端部の外径と略同一に形成されている。
延長ソケット83の内径は、本体10におけるパイプ材30の外周面と略同一に形成されている。延長ソケット83における上部の内周面には、位置決め溝が形成されており、当該位置決め溝にOリング84が嵌装されている。
延長ソケット83における下端部の下面には、位置決め溝が形成されており、当該位置決め溝にパッキン85が嵌挿されている。
【0064】
このように構成された延長ソケット83は、配置されていたパッキン28を取り除いた本体10のソケットにおける下端部に、延長ソケット83の上部を挿入することによって、本体10に取付けられる。このように延長ソケット83が本体10に取付けられることで、延長ソケット83の筒内の空間と分岐栓1における本体10の入流流路13とが連通することとなる。
そして、ネジアダプタ80と延長ソケット83とが本体10に取付けられた分岐栓1は、延長ソケット83を水栓9の取付け口94bの開口から挿入して、延長ソケット83の下端部(パッキン85)をシート部96に当接させ、ネジアダプタ80における下部の外周面に形成された雌ネジと、水栓9の取付け口94bの内周面に形成された雄ネジを螺合させることによって、水栓9の取付け口94bに固定されて取付けられる。このように分岐栓1が水栓9の取付け口94に取付けられた際には、水栓9における取付け口94bは、Oリング81によって水密的にシールされている。
【0065】
そして、このように分岐栓1が水栓9に取付けられた際には、分岐栓1における本体10の流入流路13は延長ソケット83の筒内の空間を介して水栓9の上流側供給流路92と連通し、水栓9の上流側供給流路92から湯又は水が分岐栓1における本体10の流入流路13に流入することとなる。他方、係る状態の分岐栓1では、分岐栓1における本体10の流出流路14は、これの流出口29及び所定の空間Y3を介して水栓9の上流側供給流路93と連通し、分岐栓1における本体10の流出流路14から湯又は水が水栓9の下流側供給流路93へ流出することとなる。
【0066】
以上のようにして、分岐栓1によれば、水栓9における取付け口94の仕様が雌ネジ仕様の場合には、分岐栓1の本体10にネジアダプタ80及び延長ソケット83を取付けることで、容易に分岐栓1を雌ネジ仕様の水栓9に取付けることができる。
また、本体10におけるロックナット40の内径と水栓9の外径とが互いに螺合できないような大きさであった場合や、水栓9のシート部96から水栓9の取付け口94bの開口までの長さが長く分岐栓1を水栓9に取付けた際に水栓9の上流側供給流路92に分岐栓1における本体10の流入流路13が連通しないような場合にも、当該水栓9の仕様に合わせたネジアダプタ80や延長ソケット83等を本体10に取付けることで、分岐栓1における本体10の仕様を変更することなく、このような水栓9の取付け口94bに分岐栓1を取付けることができる。
【符号の説明】
【0067】
1 分岐栓
9 水栓
13 流入流路
14 流出流路
50 分岐部材
51 分岐流路
60 戻し部材
61 戻し流路
91 供給流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水栓に取付けられる分岐栓であって、
前記水栓における湯又は水の供給流路に連通する流入流路、及び、前記流入流路よりも下流側で前記供給流路に連通する流出流路、を有する本体と、
外部接続機器と接続されて、この外部接続機器及び前記流入流路と連通する分岐流路を有する分岐部材と、
前記外部接続機器と接続されて、この外部接続部材及び前記流出流路と連通する戻し流路を有する戻し部材と、
前記流入流路と前記流出流路との連通を開閉する開閉部材とを具備し、
前記供給流路から前記流入流路に流入した湯又は水を、前記開閉部材の開閉によって、前記流出流路に直接流通させて、前記供給流路へ流出可能とする一方、前記分岐流路から前記外部接続機器に流通させて、前記戻し流路から前記流出流路に流通させたあと、前記供給流路へ流出可能とする、分岐栓。
【請求項2】
前記本体は、外側部材と、内筒部及び外筒部を有する二重筒状の内側部材とを具備し、前記内側部材を前記外側部材に挿入して固定するように構成され、前記流入流路を前記内側部材の内筒部内に形成し、
前記分岐部材は、前記本体における外側部材及び内側部材のそれぞれの外周面から内周面へ貫通する貫通孔に挿入されて固定される、請求項1に記載の分岐栓。
【請求項3】
前記分岐接続部材は、複数個具備されている、請求項1又は請求項2に記載の分岐栓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−26841(P2011−26841A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173698(P2009−173698)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】