分布型光ファイバ圧力センサシステム
【課題】光ファイバに加わる側圧を的確に計測でき、長い区間を検知対象とすることができる分布型光ファイバ圧力センサシステムを提供する。
【解決手段】システムSは、光ファイバ10、光ファイバ10の圧力センサ部11に被嵌される楕円管20、光ファイバ10の一端101側から検査光を入射する光源装置30、光サーキュレータ40、及び前記検査光の反射光を計測するヘテロダイン受信機50を含む。光ファイバ10の外周面と楕円管20の内周面とは、短軸方向において接触(若しくは近接)している。一方、楕円管20の長軸方向の内径は、光ファイバ10の外径よりも充分大きい長さを有している。短軸方向において楕円管20が外部から圧力を受けた場合、その圧力は光ファイバ10に実質的に伝達され、該光ファイバ10に側圧が加えられる。
【解決手段】システムSは、光ファイバ10、光ファイバ10の圧力センサ部11に被嵌される楕円管20、光ファイバ10の一端101側から検査光を入射する光源装置30、光サーキュレータ40、及び前記検査光の反射光を計測するヘテロダイン受信機50を含む。光ファイバ10の外周面と楕円管20の内周面とは、短軸方向において接触(若しくは近接)している。一方、楕円管20の長軸方向の内径は、光ファイバ10の外径よりも充分大きい長さを有している。短軸方向において楕円管20が外部から圧力を受けた場合、その圧力は光ファイバ10に実質的に伝達され、該光ファイバ10に側圧が加えられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センシング要素として光ファイバを用い、光ファイバの長さ方向に沿って圧力を分布的に計測するセンサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
傾斜地や軟質地盤等の自然地形や、法面、トンネルや橋梁の構造物、或いは油井中の圧力等の状態監視に、センシング要素として光ファイバを用いたセンサシステムが用いられることがある。このシステムでは、監視対象とする構造物等の状態変化に伴う側圧が光ファイバに加わるように、前記構造物に対して光ファイバが敷設される。一般に、光ファイバに側圧が加わると、光の伝送特性(反射光の特性)が変化する。この特性変化を検出することで、構造物の状態変化を知見することができる。
【0003】
光ファイバによる圧力(ひずみ)検知方式としては、例えばB−OTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometer)方式とFBG(Fiber Bragg Grating)方式を例示することができる。B−OTDR方式は、ブリルアン散乱現象を利用したもので、光ファイバに歪みが加わるとブリルアン周波数シフトが発生することに基づき、光ファイバの長さ方向の任意の箇所に側圧が付加されたことが検知される。FBG方式は、その長さ方向に、屈折率を周期的に変化させて形成されたブラッグ反射部を複数有する光ファイバが用いられる。前記ブラッグ反射部に歪みが加わると、ブラッグ反射波長がシフトすることに基づき、光ファイバのブラッグ反射部形成部に側圧が付加されたことが検知される。
【0004】
このFBG方式において、非特許文献1では、光ファイバのブラッグ反射部形成部に側圧が加わると、反射光の1つの波長ピークが2つの波長ピークを持つように分断されることが報告されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「CRACK DETECTION FOR FORM CORE SANDWICH STRUCTURES USING FBG SENSORES EMBEDDED IN A CRACK ARRESTER」、Nobuo Takeda他、MARERIALS FORUM VOLUME 33-2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ブリルアン散乱現象に由来するブリルアン周波数シフトは、歪みだけでなく温度変化にも感応するため、側圧だけを分離して計測できないという問題がある。一方、FBG方式では、一本の光ファイバに形成できるブラッグ反射部の数には限界があるため、長尺の分布型圧力センサを形成出来ない問題がある。また、ブラッグ反射部を有する光ファイバは基本的に通信用途には用いることが出来ず、敷設した光ファイバを圧力検知用途にしか用いることができない。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、光ファイバに加わる側圧を的確に計測でき、長い区間を検知対象とすることができる分布型光ファイバ圧力センサシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る分布型光ファイバ圧力センサシステムは、その長手方向の一部が分布型の圧力センサ部として使用される光ファイバと、前記光ファイバの圧力センサ部に被嵌される受圧管と、前記光ファイバの一端側から検査光を入射する光源と、前記光ファイバ内におけるレイリー散乱現象に基づき発生する前記検査光の反射光を、前記光ファイバの一端側において検出する計測手段と、を備え、前記受圧管は、前記光ファイバの断面視の第1方向において、当該受圧管が外部から受けた圧力を前記光ファイバに実質的に伝達して該光ファイバに側圧を与える一方で、前記光ファイバの断面視の前記第1方向と直交する第2方向において、当該受圧管が外部から受けた圧力を前記光ファイバに実質的に伝達しない構造を有し、前記計測手段は、前記光ファイバに与えられる側圧に起因する前記反射光のスペクトラムの変動に基づき、圧力の発生を検出する、ことを特徴とする(請求項1)。
【0009】
この構成によれば、光ファイバの圧力センサ部として用いられる部分が受圧管で覆われているので、光ファイバを外傷から保護しつつ、受圧管に対して前記第1方向に加えられる圧力を、該受圧管を介して光ファイバに側圧として加えることができる。その一方で、受圧管に対して前記第2方向に生じる圧力は、光ファイバには伝達されない。従って、受圧管の圧力検知対象に対する敷設状態を参照することで、圧力の発生及びその発生方向を知見することができる。また、受圧管の抗力、或いは前記第1方向における受圧管と光ファイバとの間の圧力伝達状態を調整すること等によって、圧力の検出感度を調整することもできる。
【0010】
上記構成において、前記受圧管が、断面形状において短軸と長軸とを備える楕円管からなり、該楕円管は、前記第1方向に前記短軸が、前記第2方向に前記長軸がそれぞれ位置するように、前記光ファイバの圧力センサ部に被嵌されていることが望ましい(請求項2)。
【0011】
この構成によれば、前記第1方向において光ファイバに側圧を与える一方で、前記第2方向においては光ファイバに側圧を実質的に与えない構成を、簡単に実現することができる。
【0012】
また、前記計測手段は、特定の波長に1つのピーク波長を有する前記反射光が、2つのピーク波長を有する反射光に変化するか否かに基づき、前記圧力の発生を検知することができる(請求項3)。
【0013】
この構成によれば、前記反射光の1つのピーク波形を監視することで、圧力の絶対値及び分布を検知することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、固体中の側圧及びその方向、若しくは液体及び気体中の圧力の絶対値及び分布を的確に知見することができ、しかも長い区間を圧力検知対象とすることができる分布型光ファイバ圧力センサシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る分布型光ファイバ圧力センサシステムの構成図である。
【図2】圧力センサ部の構成を示す断面斜視図である。
【図3】楕円管の短軸方向に圧力が加わっている状態を示すである。
【図4】楕円管の長軸方向に圧力が加わっている状態を示すである。
【図5】レイリー散乱現象により発生する反射光を説明するための模式図である。
【図6】光ファイバに側圧が加わることにより発生するレイリー周波数シフトの一例を示すグラフである。
【図7】レイリー散乱現象により発生する反射光のピーク波長の分離を示す模式的なグラフである。
【図8】複屈折効果を説明するための模式図である。
【図9】光ファイバの圧力センサ部の敷設状態の一例を示す模式図である。
【図10】光ファイバの圧力センサ部の敷設状態の一例を示す模式図である。
【図11】圧力センサ部の他の実施形態を示す断面図である。
【図12】圧力センサ部の他の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る分布型光ファイバ圧力センサシステムSの構成図である。システムSは、光ファイバ10、光ファイバ10の一部に被嵌される楕円管(受圧管)20、光ファイバ10の一端101側から検査光を入射する光源装置30、光サーキュレータ40、及び前記検査光の反射光を計測するヘテロダイン受信機50(計測手段)を含む。
【0017】
光ファイバ10は、長尺のシングルモード型光ファイバであり、その長手方向の一部が分布型の圧力センサ部11として利用される。本実施形態では、圧力センサ部11において光ファイバ10に圧力が加わり得るものとされ、受圧時における光伝送特性(光反射特性)の変化に基づき圧力を検知する。この圧力センサ部11は、検知対象に応じて所定長に設定されるが、概ね数十メートル〜数十キロメートルの長さとされる。光ファイバ10の一端側101からは、検査光としてのパルス光が入射される。また、同じく一端側101において、光ファイバ10内におけるレイリー散乱現象に基づき発生する、前記検査光の反射光が検出される。一方、光ファイバ10の他端側102は開放端とされている。
【0018】
光ファイバ10の圧力センサ部11には、楕円管(受圧管)20が被嵌されている。図2は、楕円管20が被嵌された圧力センサ部11の構成を示す断面斜視図である。楕円管20は、薄肉で耐腐食性の金属管(例えばステンレス管)からなり、断面形状において短軸21と長軸22とを備えている。
【0019】
楕円管20の短軸21方向(x方向)の内径は、光ファイバ10の外径とほぼ同じ寸法とされている。すなわち、光ファイバ10はコア12及びクラッド13からなる心線上にジャケット層14が被覆された構造を備えるが、短軸21方向の内径はジャケット層14の外径と略同一とされている。これにより、光ファイバ10の外周面と楕円管20の内周面とは、短軸21方向において接触(若しくは近接)している。一方、楕円管20の長軸22方向(y方向)の内径は、光ファイバ10の外径よりも充分大きい長さを有している。このため、楕円管20の長軸22方向において、光ファイバ10の外周面と楕円管20の内周面との間には隙間23が存在している。
【0020】
この結果、図3に示すように、y方向(第1方向)において楕円管20が外部から圧力を受けた場合、その圧力は光ファイバ10に実質的に伝達され、該光ファイバ10に側圧が加えられることとなる。ここで、楕円管20に加わる圧力をP、楕円管20の抗力をP1、光ファイバ10に対する側圧をP2とするとき、簡略的にP=P1+P2という関係が成立するので、楕円管20の抗力を調整することで圧力センサ部11の感度、つまり側圧P2を調整することができる。
【0021】
これに対し、図4に示すように、x方向(第2方向)において、楕円管20が外部から圧力を受けた場合は、空間23が存在することから、当該圧力は光ファイバ10に実質的に伝達しない。従って、圧力センサ部11の長手方向(z方向)のいずれかの箇所において、y方向から楕円管20に圧力が作用したときに、光ファイバ10に側圧が作用することになる。
【0022】
圧力センサ部11(楕円管20)は、検査対象箇所又は検査対象物に埋設又は固定され、検査対象箇所において発生する歪み等に起因する圧力が楕円管20に加わるように敷設される。後記で詳述するが、光ファイバ10に側圧が加わるy方向の設置方向を適宜選択することで、圧力の発生方向を知見することができる。ここで検査対象箇所又は検査対象物としては、配管、油井管、橋、トンネル、法面、ダム、建物等の構造物、或いは地盤等を例示することができる。
【0023】
図1に戻って、光源装置30は、光ファイバ10に検査光として入射するパルス光を発生する。光源装置30は、レーザーダイオード等の発光素子、該発光素子の温度補償機構、発光素子が発する連続光からコヒーレントなパルス光を生成する光パルス生成部等を含む。光源装置30が発生するパルス光は、光サーキュレータ40を介して光ファイバ10の一端側101に入射される。
【0024】
光サーキュレータ40は、入射光と射出光とがその端子番号に循環関係を有する非可逆性の光部品である。すなわち、第1端子に入射した光は、第2端子から射出される一方で第3端子からは射出されず、第2端子に入射した光は、第3端子から射出される一方で第1端子からは射出されず、第3端子に入射した光は、第1端子から射出される一方で第2端子からは射出されない。光サーキュレータ40の第1端子には光源装置30が、第2端子には光ファイバ10の一端側101が、第3端子にはヘテロダイン受信機50が夫々接続されている。従って、光源装置30が発生するパルス光は光ファイバ10の一端側101に入射される一方で、一端側101からの戻り光(前記パルス光の反射光)は、光源装置30には向かわず、ヘテロダイン受信機50に入射される。
【0025】
ヘテロダイン受信機50は、光ファイバ10内におけるレイリー散乱現象に基づき発生する前記パルス光の反射光をヘテロダイン方式で検出し、該反射光のスペクトラムを観測する。そして、光ファイバ10の圧力センサ部11に与えられる側圧に起因する前記スペクトラムの変動(拡散)に基づき、検査対象箇所(圧力センサ部11の敷設箇所)における圧力の発生を検出する。
【0026】
なお、上記光源装置30、光サーキュレータ40及びヘテロダイン受信機50の機能を具備する装置として、C−OTDR(Coherent-Optical Time Domain Reflectometer)を用いることができる。C−OTDRは、検査光としてのパルス光を光ファイバに送出し、前記光ファイバからの戻り光を光ヘテロダイン検波して前記光ファイバの伝送損失特性を計測する装置であって、光スペクトラムアナライザの信号光の光強度を測定する機能を備える。従って、前記反射光のピーク波長の変動等が観測可能であるため、本実施形態に好適である。
【0027】
次に、図5、図6に基づいて、レイリー散乱現象により発生する反射光、並びに、光ファイバ10に側圧が加わることにより発生するレイリー周波数シフトについて説明する。レイリー散乱は、光ファイバ10を構成するガラス材の密度のゆらぎに起因するもので、現状における光ファイバ伝送損失のほとんどは、レイリー散乱に起因するものである。前記密度のゆらぎ部分(以下、単に「ゆらぎ部分」という)は、光ファイバの製造過程において不可避的に生じるもので、当該ゆらぎ部分の屈折率が他の部分と相違することから、光ファイバ10内を伝搬する光を散乱させる。そして、その散乱光の一部は、後方散乱光として光の入射端に戻る。
【0028】
前記ゆらぎ部分に起因する屈折率の変化が、光ファイバ10のコア内に多数存在する。本発明者らの研究によれば、ゆらぎ部分は、その存在周期は不規則であるけれども、光ファイバ10の長手方向に屈折率変調を提供していると捉えることができる。従って、FBG(ファイバブラッググレーティング)のようにシャープな反射フィルタ機能は生じないが、ゆらぎ部分によってFBGと同様に、ある程度の反射フィルタ機能は生じている。図5は、このような「ゆらぎ部分」に基づく反射光の発生状態を模式的に示している。
【0029】
FBGにおけるブラッグ反射波長λBraggは、光ファイバのFBGが形成された回折格子部分の屈折率をn、格子の周期をΛとすると、次式で表すことができる。
λBragg=2×n×Λ
そして、回折格子部分に温度変化(ΔT)及び/又は歪み(Δε)が与えられたときの、ブラッグ反射波長λBraggのシフト(Δλ)は、次式で表すことができる。
Δλ/λBragg=6.45×10−6℃×ΔT+0.78×Δε
光ファイバの回折格子部分が形成されていない部分においても、前記ゆらぎ部分の存在によって、上述のFBGと同じ原理で、側圧が加えられたとき反射波長のシフトが生じる。ここでは、このシフトをレイリー周波数シフトと呼ぶものとする。
【0030】
図6は、光ファイバ10において計測されたレイリー周波数シフトの一例を示す図である。図6(A)は、歪みがある場合と歪みがない場合とのレイリースペクトルを示し、図6(B)は、歪みがある場合と歪みがない場合との相関関係係数を示している。図6(A)において、歪みがある場合のレイリースペクトルが図中の実線であり、歪みがない場合のレイリースペクトルが図中の破線である。この両者の相関関係係数を計算すると、図6(B)に示すようになり、両者の相関関係係数のピークのオフセット量Δvrがレイリー周波数シフト量となる。なお、Δvrは、オフセットがゼロに点から2つのピークvr1、vr2の中間までのオフセット量で表している。
【0031】
このΔvrだけ、歪みがある場合のレイリースペクトル(実線)を移動させて示したものが、図6(C)である。図6(C)から明らかな通り、歪みがある場合のレイリースペクトル(実線)と歪みがない場合のレイリースペクトル(破線)とが大略的には一致している。従って、光ファイバ10に回折格子部分を意図的に形成せずとも、レイリー周波数シフトの如き反射波長シフトが生じることがわかる。
【0032】
圧力センサ部11において光ファイバ10に側圧が加わったか否かは、前記ゆらぎ部分の存在により発生する反射光の一つに注目し、反射光の1つの波長ピークが2つの波長ピークを持つように分離されたか否かを観測することで知見することができる。図6(B)においても、2つのピークvr1、vr2が観察されている。
【0033】
図7は、反射光のピーク波長の分離を示す模式的なグラフである。非特許文献1でも報告されている通り、FBG或いは本実施形態の揺らぎ部分のような屈折率変調部分に側圧が加わると、反射光の1つの波長ピークが2つの波長ピークを持つように分断される。すなわち、図7(a)に示すように、光ファイバ10に側圧が加わっていない状態においてパルス光を入射させたとき、波長ピークλ0の反射光W1が一つ存在するものとする。このような光ファイバ10に側圧が加わると、図7(b)に示すように、反射光W1が、複屈折効果(birefringence effect)によって波長ピークλ1の反射光W2と波長ピークλ2の反射光W3とに分離される。
【0034】
この波長ピークλ1、λ2の関係は、イニシャルの波長ピークλ0に関連して、次式で表すことができる。
λ2−λ1=(n02λ0/2)×(P12−P11)×|ε1−ε2|
但し、n0は光ファイバ10のコアの側圧が加わらない状態のイニシャル屈折率、P12及びP11は光弾性定数、ε1及びε2は光軸と直交する方向における最大及び最小の主歪み(側圧)である。上式は、波長ピークλ0と波長ピークλ1、λ2との間の開きが大きいほど、光ファイバに加わる側圧が大きいことを示している。
【0035】
図8は、複屈折効果を説明するための模式図である。図8(A)は、光ファイバ心線の断面を示しており、y方向に側圧が加わっている状態を示している。光ファイバに側圧が加わると、光弾性効果によりx軸方向、y軸方向の屈折率が変化する。これにより、一つのコア内においてx軸方向の偏光とy軸方向の偏光とで異なる屈折率を示すようになり、複屈折が生じる。x軸の屈折率をnx、y軸の屈折率をny、光弾性定数をP(3.36×10−5mm2/kg)、x軸方向の応力をσx、y軸方向の応力をσyとすると、複屈折率Bは、次式で表すことができる。
B=nx−ny=P(σx−σy)
図8(B)は、光ファイバを一対の平板で挟み、これら平板から光ファイバのコア方向に外力fを与えた状態を示す模試図である。この場合の複屈折率Bは、光ファイバのヤング率をE、光ファイバの半径をrとすると、
B=4C・(f/π・E)・(1/r)
と表すことができる。一方、図8(C)は、光ファイバを平板とV溝板とで挟み、平板側から光ファイバのコア方向に外力fを与えた状態を示す模試図である。この場合の複屈折率Bは、V溝の内角をθとすると、
B=2C・(1−Cosθ・Sinθ)(f/π・E)・(1/r)
と表すことができる。従って、本実施形態のように楕円管20を用いることで、光ファイバに加わる側圧により生じるモード複屈折を大きくすることができる。
【0036】
ヘテロダイン受信機50は、上記の現象に基づき、光ファイバ10の一端側101からの戻り光を分析し、該戻り光に含まれる特定波長の反射光が、2つのピーク波長を有する反射光に変化するか否かに基づき、圧力の発生を検知する。
【0037】
続いて、楕円管20(圧力センサ部11)の敷設態様について説明する。例えば図2に示すように、楕円管20の短軸21の方向を上下方向、長軸22の方向を水平方向に固定して、構造物や地盤中に埋設することは、一つの代表的な敷設態様である。この第1の敷設態様によれば、構造物又は地盤中において上下方向の歪み(圧力)が発生したか否かを検知することができる。これに代えて、楕円管20の短軸21の方向を水平方向に固定して埋設すれば、構造物又は地盤中において水平方向の歪みが発生したか否かを検知することができる。
【0038】
一方、楕円管20の短軸21及び長軸22の存在方向を長手方向において変化させれば、多方向の歪みの発生を検知可能とすることができる。図8は、楕円管20の第2の敷設態様を示す模式図である。ここでは、楕円管20の長手方向(図中のz方向)に沿って、検知区間D1、D2、D3、D4、D5、D6・・・を設定し、楕円管20を検知区間毎に90°ずつ捩り、短軸21及び長軸22の存在方向を変化させている。すなわち、検知区間D1、D3、D5においては短軸21が上下方向(図中のy方向)に存在し、一方検知区間D2、D4、D6においては長軸22が上下方向に存在するよう、楕円管20が敷設されている例を示している。
【0039】
この第2の敷設態様によれば、検知区間D1、D3、D5においては、構造物又は地盤中において上下方向の歪みが発生したか否かを検知することができる。また、検知区間D2、D4、D6においては、短軸21が水平方向に存在することになるので、水平方向の歪みが発生したか否かを検知することができる。従って、検知区間D1〜D6のピッチを適宜設定することにより、上下方向及び水平方向の双方の歪みを検知することができる。また、検知区間D1、D3、D5と検知区間D2、D4、D6とにおいて各々検知された圧力値を用いて、圧力のベクトルを求めることも可能である。
【0040】
図8は、楕円管20の第3の敷設態様を示す模式図である。ここでは、楕円管20の長手方向(図中のz方向)に沿って、検知区間D11、D12、D13、D14、D15、D16、D17・・・を設定し、楕円管20を検知区間毎に45°ずつ捩り、短軸21及び長軸22の存在方向を変化させている。すなわち、検知区間D11においては短軸21を上下方向に存在させ(0°)、検知区間D12においては短軸21が水平方向に向かう方向に楕円管20を45°捻り、検知区間D13においては短軸21が水平方向に存在(90°)している。そして、検知区間D14では短軸21が上下方向に向かう方向に楕円管20を−45°捻り、検知区間D15においては短軸21を上下方向に存在(0°)させている。検知区間D16以降の同様である。
【0041】
この第3の敷設態様によれば、検知区間D11、D15においては、構造物又は地盤中において上下方向の歪みが発生したか否かを検知することができる。また、検知区間D13、D17においては、短軸21が水平方向に存在することになるので、水平方向の歪みが発生したか否かを検知することができる。さらに、検知区間D12、D14、D16においては、短軸21が水平方向と上下方向との中間位置に存在しているので、斜め方向の歪みが発生したか否かを検知することができる。従って、一層きめ細かく、圧力の発生並びにその発生方向を検知することができる。
【0042】
続いて、楕円管20の内部への光ファイバ10の収容態様について説明する。図2に示したように、楕円管20の短軸21方向に内接するように光ファイバ10を収容する第1の収容態様は、望ましい態様の一つである。第1の収容態様では、例えば楕円管20の肉厚を調整したり、或いは楕円管20の材質を選択したりすることで楕円管20の抗力を調整し、光ファイバ10の側圧の感度を調整することができる。
【0043】
ここで、光ファイバ10に楕円管20が被嵌された状態を形成する一つの手法として、長尺ステンレステープに光ファイバ10を沿わせて送り出しつつ、ステンレステープを徐々に円筒状にフォーミングし、ステンレステープ端縁の合わせ目を溶接する手法を例示することができる。このような、光ファイバ10が内包されたステンレスチューブを、必要に応じて縮径ダイスを経由させた後、楕円ダイスに通過させることで、図2に示すような、光ファイバ10を内包する楕円管20を製造することができる。
【0044】
図10は、楕円管20内への光ファイバ10の第2の収容態様を示す断面図である。第1の収容態様では、側圧の感度調整を楕円管20自身に依存する例を挙げた。第2の収容態様では、楕円管20の短軸方向の内壁と光ファイバ10の外周部との間に、感度調整のためにスペーサ61を介在させる例を示している。この第2の収容態様によれば、スペーサ61の材質、厚さ及び光ファイバ10乃至はスペーサ61との接触面積を適宜選定することで、光ファイバ10に実際に加わる側圧を調整することができる。
【0045】
スペーサ61の介在は、上記以外の他のメリットをもたらす。例えば、スペーサ61が光ファイバ10に対するバッファ層の役目を果たし、弱い側圧の印加による光ファイバ10の破損が抑止される。また、光ファイバ10の外径は非常に小さく、光ファイバ10が内接するような楕円管20のフォーミングは容易ではないが、スペーサ61の介在は、小さすぎる内径をもつ楕円管20の形成という困難性を除去し得る。さらには、スペーサ61で光ファイバ10が実質的に保持されている状態を形成することで、楕円管20内において光ファイバ10を安定的に存在させることも可能となる。
【0046】
図11は、楕円管20内への光ファイバ10の第3の収容態様を示す断面図である。第3の収容態様では、楕円管20の長軸方向の内壁と光ファイバ10の外周部との間、つまり図2に示す空間23に充填物62を介在させた例を示している。充填物62は、スポンジ、多孔質ゴム或いはヤーンのような弾性体であり、長軸方向に圧力が加わったとしても、その圧力を実質的に光ファイバ10へ伝達させない部材である。
【0047】
楕円管20の長手方向において、光ファイバ10の側圧感度を一定とするには、光ファイバ10は楕円管20内で定位置に存在していることが望ましい。すなわち、光ファイバ10は、楕円管20との熱膨張率差を考慮してある程度はオフセットさせることが必要であるが、例えば長手方向のある箇所では光ファイバ10が楕円管20の長軸方向の一端側に寄り、他の箇所では中央に位置していると、楕円管20から受ける側圧は無視できない程度に相違する。このような問題は、充填物62の介在によって解消することができる。すなわち、充填物62の存在によって光ファイバ10は、常に楕円管20の長軸方向の中央付近に位置されるようになる。従って、側圧感度を長手方向で一定とすることが可能となる。
【0048】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明がこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、受圧管として楕円管20を例示したが、これは一例である。光ファイバ10のy方向(第1方向;図2〜図4参照)においては光ファイバ10に側圧を与える一方で、x方向(第2方向)においては光ファイバ10に側圧を与えない構造であれば、受圧管は断面楕円形には限定されない。例えば、x方向に長辺を有する断面矩形の管状体を受圧管として用いることもできる。
【0049】
また、上記実施形態では、光ファイバ10を単に圧力測定用に用いる例を示したが、該光ファイバ10を通信用回線として兼用しても良い。この場合、光ファイバ10の一端101側と他端102側とに各々、光通信機器を接続すれば良い。
【符号の説明】
【0050】
S 分布型光ファイバ圧力センサシステム
10 光ファイバ
11 圧力センサ部
20 楕円管(受圧管)
21 短軸
22 長軸
30 光源装置
40 光サーキュレータ
50 ヘテロダイン受信機(計測手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、センシング要素として光ファイバを用い、光ファイバの長さ方向に沿って圧力を分布的に計測するセンサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
傾斜地や軟質地盤等の自然地形や、法面、トンネルや橋梁の構造物、或いは油井中の圧力等の状態監視に、センシング要素として光ファイバを用いたセンサシステムが用いられることがある。このシステムでは、監視対象とする構造物等の状態変化に伴う側圧が光ファイバに加わるように、前記構造物に対して光ファイバが敷設される。一般に、光ファイバに側圧が加わると、光の伝送特性(反射光の特性)が変化する。この特性変化を検出することで、構造物の状態変化を知見することができる。
【0003】
光ファイバによる圧力(ひずみ)検知方式としては、例えばB−OTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometer)方式とFBG(Fiber Bragg Grating)方式を例示することができる。B−OTDR方式は、ブリルアン散乱現象を利用したもので、光ファイバに歪みが加わるとブリルアン周波数シフトが発生することに基づき、光ファイバの長さ方向の任意の箇所に側圧が付加されたことが検知される。FBG方式は、その長さ方向に、屈折率を周期的に変化させて形成されたブラッグ反射部を複数有する光ファイバが用いられる。前記ブラッグ反射部に歪みが加わると、ブラッグ反射波長がシフトすることに基づき、光ファイバのブラッグ反射部形成部に側圧が付加されたことが検知される。
【0004】
このFBG方式において、非特許文献1では、光ファイバのブラッグ反射部形成部に側圧が加わると、反射光の1つの波長ピークが2つの波長ピークを持つように分断されることが報告されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「CRACK DETECTION FOR FORM CORE SANDWICH STRUCTURES USING FBG SENSORES EMBEDDED IN A CRACK ARRESTER」、Nobuo Takeda他、MARERIALS FORUM VOLUME 33-2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ブリルアン散乱現象に由来するブリルアン周波数シフトは、歪みだけでなく温度変化にも感応するため、側圧だけを分離して計測できないという問題がある。一方、FBG方式では、一本の光ファイバに形成できるブラッグ反射部の数には限界があるため、長尺の分布型圧力センサを形成出来ない問題がある。また、ブラッグ反射部を有する光ファイバは基本的に通信用途には用いることが出来ず、敷設した光ファイバを圧力検知用途にしか用いることができない。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、光ファイバに加わる側圧を的確に計測でき、長い区間を検知対象とすることができる分布型光ファイバ圧力センサシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る分布型光ファイバ圧力センサシステムは、その長手方向の一部が分布型の圧力センサ部として使用される光ファイバと、前記光ファイバの圧力センサ部に被嵌される受圧管と、前記光ファイバの一端側から検査光を入射する光源と、前記光ファイバ内におけるレイリー散乱現象に基づき発生する前記検査光の反射光を、前記光ファイバの一端側において検出する計測手段と、を備え、前記受圧管は、前記光ファイバの断面視の第1方向において、当該受圧管が外部から受けた圧力を前記光ファイバに実質的に伝達して該光ファイバに側圧を与える一方で、前記光ファイバの断面視の前記第1方向と直交する第2方向において、当該受圧管が外部から受けた圧力を前記光ファイバに実質的に伝達しない構造を有し、前記計測手段は、前記光ファイバに与えられる側圧に起因する前記反射光のスペクトラムの変動に基づき、圧力の発生を検出する、ことを特徴とする(請求項1)。
【0009】
この構成によれば、光ファイバの圧力センサ部として用いられる部分が受圧管で覆われているので、光ファイバを外傷から保護しつつ、受圧管に対して前記第1方向に加えられる圧力を、該受圧管を介して光ファイバに側圧として加えることができる。その一方で、受圧管に対して前記第2方向に生じる圧力は、光ファイバには伝達されない。従って、受圧管の圧力検知対象に対する敷設状態を参照することで、圧力の発生及びその発生方向を知見することができる。また、受圧管の抗力、或いは前記第1方向における受圧管と光ファイバとの間の圧力伝達状態を調整すること等によって、圧力の検出感度を調整することもできる。
【0010】
上記構成において、前記受圧管が、断面形状において短軸と長軸とを備える楕円管からなり、該楕円管は、前記第1方向に前記短軸が、前記第2方向に前記長軸がそれぞれ位置するように、前記光ファイバの圧力センサ部に被嵌されていることが望ましい(請求項2)。
【0011】
この構成によれば、前記第1方向において光ファイバに側圧を与える一方で、前記第2方向においては光ファイバに側圧を実質的に与えない構成を、簡単に実現することができる。
【0012】
また、前記計測手段は、特定の波長に1つのピーク波長を有する前記反射光が、2つのピーク波長を有する反射光に変化するか否かに基づき、前記圧力の発生を検知することができる(請求項3)。
【0013】
この構成によれば、前記反射光の1つのピーク波形を監視することで、圧力の絶対値及び分布を検知することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、固体中の側圧及びその方向、若しくは液体及び気体中の圧力の絶対値及び分布を的確に知見することができ、しかも長い区間を圧力検知対象とすることができる分布型光ファイバ圧力センサシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る分布型光ファイバ圧力センサシステムの構成図である。
【図2】圧力センサ部の構成を示す断面斜視図である。
【図3】楕円管の短軸方向に圧力が加わっている状態を示すである。
【図4】楕円管の長軸方向に圧力が加わっている状態を示すである。
【図5】レイリー散乱現象により発生する反射光を説明するための模式図である。
【図6】光ファイバに側圧が加わることにより発生するレイリー周波数シフトの一例を示すグラフである。
【図7】レイリー散乱現象により発生する反射光のピーク波長の分離を示す模式的なグラフである。
【図8】複屈折効果を説明するための模式図である。
【図9】光ファイバの圧力センサ部の敷設状態の一例を示す模式図である。
【図10】光ファイバの圧力センサ部の敷設状態の一例を示す模式図である。
【図11】圧力センサ部の他の実施形態を示す断面図である。
【図12】圧力センサ部の他の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る分布型光ファイバ圧力センサシステムSの構成図である。システムSは、光ファイバ10、光ファイバ10の一部に被嵌される楕円管(受圧管)20、光ファイバ10の一端101側から検査光を入射する光源装置30、光サーキュレータ40、及び前記検査光の反射光を計測するヘテロダイン受信機50(計測手段)を含む。
【0017】
光ファイバ10は、長尺のシングルモード型光ファイバであり、その長手方向の一部が分布型の圧力センサ部11として利用される。本実施形態では、圧力センサ部11において光ファイバ10に圧力が加わり得るものとされ、受圧時における光伝送特性(光反射特性)の変化に基づき圧力を検知する。この圧力センサ部11は、検知対象に応じて所定長に設定されるが、概ね数十メートル〜数十キロメートルの長さとされる。光ファイバ10の一端側101からは、検査光としてのパルス光が入射される。また、同じく一端側101において、光ファイバ10内におけるレイリー散乱現象に基づき発生する、前記検査光の反射光が検出される。一方、光ファイバ10の他端側102は開放端とされている。
【0018】
光ファイバ10の圧力センサ部11には、楕円管(受圧管)20が被嵌されている。図2は、楕円管20が被嵌された圧力センサ部11の構成を示す断面斜視図である。楕円管20は、薄肉で耐腐食性の金属管(例えばステンレス管)からなり、断面形状において短軸21と長軸22とを備えている。
【0019】
楕円管20の短軸21方向(x方向)の内径は、光ファイバ10の外径とほぼ同じ寸法とされている。すなわち、光ファイバ10はコア12及びクラッド13からなる心線上にジャケット層14が被覆された構造を備えるが、短軸21方向の内径はジャケット層14の外径と略同一とされている。これにより、光ファイバ10の外周面と楕円管20の内周面とは、短軸21方向において接触(若しくは近接)している。一方、楕円管20の長軸22方向(y方向)の内径は、光ファイバ10の外径よりも充分大きい長さを有している。このため、楕円管20の長軸22方向において、光ファイバ10の外周面と楕円管20の内周面との間には隙間23が存在している。
【0020】
この結果、図3に示すように、y方向(第1方向)において楕円管20が外部から圧力を受けた場合、その圧力は光ファイバ10に実質的に伝達され、該光ファイバ10に側圧が加えられることとなる。ここで、楕円管20に加わる圧力をP、楕円管20の抗力をP1、光ファイバ10に対する側圧をP2とするとき、簡略的にP=P1+P2という関係が成立するので、楕円管20の抗力を調整することで圧力センサ部11の感度、つまり側圧P2を調整することができる。
【0021】
これに対し、図4に示すように、x方向(第2方向)において、楕円管20が外部から圧力を受けた場合は、空間23が存在することから、当該圧力は光ファイバ10に実質的に伝達しない。従って、圧力センサ部11の長手方向(z方向)のいずれかの箇所において、y方向から楕円管20に圧力が作用したときに、光ファイバ10に側圧が作用することになる。
【0022】
圧力センサ部11(楕円管20)は、検査対象箇所又は検査対象物に埋設又は固定され、検査対象箇所において発生する歪み等に起因する圧力が楕円管20に加わるように敷設される。後記で詳述するが、光ファイバ10に側圧が加わるy方向の設置方向を適宜選択することで、圧力の発生方向を知見することができる。ここで検査対象箇所又は検査対象物としては、配管、油井管、橋、トンネル、法面、ダム、建物等の構造物、或いは地盤等を例示することができる。
【0023】
図1に戻って、光源装置30は、光ファイバ10に検査光として入射するパルス光を発生する。光源装置30は、レーザーダイオード等の発光素子、該発光素子の温度補償機構、発光素子が発する連続光からコヒーレントなパルス光を生成する光パルス生成部等を含む。光源装置30が発生するパルス光は、光サーキュレータ40を介して光ファイバ10の一端側101に入射される。
【0024】
光サーキュレータ40は、入射光と射出光とがその端子番号に循環関係を有する非可逆性の光部品である。すなわち、第1端子に入射した光は、第2端子から射出される一方で第3端子からは射出されず、第2端子に入射した光は、第3端子から射出される一方で第1端子からは射出されず、第3端子に入射した光は、第1端子から射出される一方で第2端子からは射出されない。光サーキュレータ40の第1端子には光源装置30が、第2端子には光ファイバ10の一端側101が、第3端子にはヘテロダイン受信機50が夫々接続されている。従って、光源装置30が発生するパルス光は光ファイバ10の一端側101に入射される一方で、一端側101からの戻り光(前記パルス光の反射光)は、光源装置30には向かわず、ヘテロダイン受信機50に入射される。
【0025】
ヘテロダイン受信機50は、光ファイバ10内におけるレイリー散乱現象に基づき発生する前記パルス光の反射光をヘテロダイン方式で検出し、該反射光のスペクトラムを観測する。そして、光ファイバ10の圧力センサ部11に与えられる側圧に起因する前記スペクトラムの変動(拡散)に基づき、検査対象箇所(圧力センサ部11の敷設箇所)における圧力の発生を検出する。
【0026】
なお、上記光源装置30、光サーキュレータ40及びヘテロダイン受信機50の機能を具備する装置として、C−OTDR(Coherent-Optical Time Domain Reflectometer)を用いることができる。C−OTDRは、検査光としてのパルス光を光ファイバに送出し、前記光ファイバからの戻り光を光ヘテロダイン検波して前記光ファイバの伝送損失特性を計測する装置であって、光スペクトラムアナライザの信号光の光強度を測定する機能を備える。従って、前記反射光のピーク波長の変動等が観測可能であるため、本実施形態に好適である。
【0027】
次に、図5、図6に基づいて、レイリー散乱現象により発生する反射光、並びに、光ファイバ10に側圧が加わることにより発生するレイリー周波数シフトについて説明する。レイリー散乱は、光ファイバ10を構成するガラス材の密度のゆらぎに起因するもので、現状における光ファイバ伝送損失のほとんどは、レイリー散乱に起因するものである。前記密度のゆらぎ部分(以下、単に「ゆらぎ部分」という)は、光ファイバの製造過程において不可避的に生じるもので、当該ゆらぎ部分の屈折率が他の部分と相違することから、光ファイバ10内を伝搬する光を散乱させる。そして、その散乱光の一部は、後方散乱光として光の入射端に戻る。
【0028】
前記ゆらぎ部分に起因する屈折率の変化が、光ファイバ10のコア内に多数存在する。本発明者らの研究によれば、ゆらぎ部分は、その存在周期は不規則であるけれども、光ファイバ10の長手方向に屈折率変調を提供していると捉えることができる。従って、FBG(ファイバブラッググレーティング)のようにシャープな反射フィルタ機能は生じないが、ゆらぎ部分によってFBGと同様に、ある程度の反射フィルタ機能は生じている。図5は、このような「ゆらぎ部分」に基づく反射光の発生状態を模式的に示している。
【0029】
FBGにおけるブラッグ反射波長λBraggは、光ファイバのFBGが形成された回折格子部分の屈折率をn、格子の周期をΛとすると、次式で表すことができる。
λBragg=2×n×Λ
そして、回折格子部分に温度変化(ΔT)及び/又は歪み(Δε)が与えられたときの、ブラッグ反射波長λBraggのシフト(Δλ)は、次式で表すことができる。
Δλ/λBragg=6.45×10−6℃×ΔT+0.78×Δε
光ファイバの回折格子部分が形成されていない部分においても、前記ゆらぎ部分の存在によって、上述のFBGと同じ原理で、側圧が加えられたとき反射波長のシフトが生じる。ここでは、このシフトをレイリー周波数シフトと呼ぶものとする。
【0030】
図6は、光ファイバ10において計測されたレイリー周波数シフトの一例を示す図である。図6(A)は、歪みがある場合と歪みがない場合とのレイリースペクトルを示し、図6(B)は、歪みがある場合と歪みがない場合との相関関係係数を示している。図6(A)において、歪みがある場合のレイリースペクトルが図中の実線であり、歪みがない場合のレイリースペクトルが図中の破線である。この両者の相関関係係数を計算すると、図6(B)に示すようになり、両者の相関関係係数のピークのオフセット量Δvrがレイリー周波数シフト量となる。なお、Δvrは、オフセットがゼロに点から2つのピークvr1、vr2の中間までのオフセット量で表している。
【0031】
このΔvrだけ、歪みがある場合のレイリースペクトル(実線)を移動させて示したものが、図6(C)である。図6(C)から明らかな通り、歪みがある場合のレイリースペクトル(実線)と歪みがない場合のレイリースペクトル(破線)とが大略的には一致している。従って、光ファイバ10に回折格子部分を意図的に形成せずとも、レイリー周波数シフトの如き反射波長シフトが生じることがわかる。
【0032】
圧力センサ部11において光ファイバ10に側圧が加わったか否かは、前記ゆらぎ部分の存在により発生する反射光の一つに注目し、反射光の1つの波長ピークが2つの波長ピークを持つように分離されたか否かを観測することで知見することができる。図6(B)においても、2つのピークvr1、vr2が観察されている。
【0033】
図7は、反射光のピーク波長の分離を示す模式的なグラフである。非特許文献1でも報告されている通り、FBG或いは本実施形態の揺らぎ部分のような屈折率変調部分に側圧が加わると、反射光の1つの波長ピークが2つの波長ピークを持つように分断される。すなわち、図7(a)に示すように、光ファイバ10に側圧が加わっていない状態においてパルス光を入射させたとき、波長ピークλ0の反射光W1が一つ存在するものとする。このような光ファイバ10に側圧が加わると、図7(b)に示すように、反射光W1が、複屈折効果(birefringence effect)によって波長ピークλ1の反射光W2と波長ピークλ2の反射光W3とに分離される。
【0034】
この波長ピークλ1、λ2の関係は、イニシャルの波長ピークλ0に関連して、次式で表すことができる。
λ2−λ1=(n02λ0/2)×(P12−P11)×|ε1−ε2|
但し、n0は光ファイバ10のコアの側圧が加わらない状態のイニシャル屈折率、P12及びP11は光弾性定数、ε1及びε2は光軸と直交する方向における最大及び最小の主歪み(側圧)である。上式は、波長ピークλ0と波長ピークλ1、λ2との間の開きが大きいほど、光ファイバに加わる側圧が大きいことを示している。
【0035】
図8は、複屈折効果を説明するための模式図である。図8(A)は、光ファイバ心線の断面を示しており、y方向に側圧が加わっている状態を示している。光ファイバに側圧が加わると、光弾性効果によりx軸方向、y軸方向の屈折率が変化する。これにより、一つのコア内においてx軸方向の偏光とy軸方向の偏光とで異なる屈折率を示すようになり、複屈折が生じる。x軸の屈折率をnx、y軸の屈折率をny、光弾性定数をP(3.36×10−5mm2/kg)、x軸方向の応力をσx、y軸方向の応力をσyとすると、複屈折率Bは、次式で表すことができる。
B=nx−ny=P(σx−σy)
図8(B)は、光ファイバを一対の平板で挟み、これら平板から光ファイバのコア方向に外力fを与えた状態を示す模試図である。この場合の複屈折率Bは、光ファイバのヤング率をE、光ファイバの半径をrとすると、
B=4C・(f/π・E)・(1/r)
と表すことができる。一方、図8(C)は、光ファイバを平板とV溝板とで挟み、平板側から光ファイバのコア方向に外力fを与えた状態を示す模試図である。この場合の複屈折率Bは、V溝の内角をθとすると、
B=2C・(1−Cosθ・Sinθ)(f/π・E)・(1/r)
と表すことができる。従って、本実施形態のように楕円管20を用いることで、光ファイバに加わる側圧により生じるモード複屈折を大きくすることができる。
【0036】
ヘテロダイン受信機50は、上記の現象に基づき、光ファイバ10の一端側101からの戻り光を分析し、該戻り光に含まれる特定波長の反射光が、2つのピーク波長を有する反射光に変化するか否かに基づき、圧力の発生を検知する。
【0037】
続いて、楕円管20(圧力センサ部11)の敷設態様について説明する。例えば図2に示すように、楕円管20の短軸21の方向を上下方向、長軸22の方向を水平方向に固定して、構造物や地盤中に埋設することは、一つの代表的な敷設態様である。この第1の敷設態様によれば、構造物又は地盤中において上下方向の歪み(圧力)が発生したか否かを検知することができる。これに代えて、楕円管20の短軸21の方向を水平方向に固定して埋設すれば、構造物又は地盤中において水平方向の歪みが発生したか否かを検知することができる。
【0038】
一方、楕円管20の短軸21及び長軸22の存在方向を長手方向において変化させれば、多方向の歪みの発生を検知可能とすることができる。図8は、楕円管20の第2の敷設態様を示す模式図である。ここでは、楕円管20の長手方向(図中のz方向)に沿って、検知区間D1、D2、D3、D4、D5、D6・・・を設定し、楕円管20を検知区間毎に90°ずつ捩り、短軸21及び長軸22の存在方向を変化させている。すなわち、検知区間D1、D3、D5においては短軸21が上下方向(図中のy方向)に存在し、一方検知区間D2、D4、D6においては長軸22が上下方向に存在するよう、楕円管20が敷設されている例を示している。
【0039】
この第2の敷設態様によれば、検知区間D1、D3、D5においては、構造物又は地盤中において上下方向の歪みが発生したか否かを検知することができる。また、検知区間D2、D4、D6においては、短軸21が水平方向に存在することになるので、水平方向の歪みが発生したか否かを検知することができる。従って、検知区間D1〜D6のピッチを適宜設定することにより、上下方向及び水平方向の双方の歪みを検知することができる。また、検知区間D1、D3、D5と検知区間D2、D4、D6とにおいて各々検知された圧力値を用いて、圧力のベクトルを求めることも可能である。
【0040】
図8は、楕円管20の第3の敷設態様を示す模式図である。ここでは、楕円管20の長手方向(図中のz方向)に沿って、検知区間D11、D12、D13、D14、D15、D16、D17・・・を設定し、楕円管20を検知区間毎に45°ずつ捩り、短軸21及び長軸22の存在方向を変化させている。すなわち、検知区間D11においては短軸21を上下方向に存在させ(0°)、検知区間D12においては短軸21が水平方向に向かう方向に楕円管20を45°捻り、検知区間D13においては短軸21が水平方向に存在(90°)している。そして、検知区間D14では短軸21が上下方向に向かう方向に楕円管20を−45°捻り、検知区間D15においては短軸21を上下方向に存在(0°)させている。検知区間D16以降の同様である。
【0041】
この第3の敷設態様によれば、検知区間D11、D15においては、構造物又は地盤中において上下方向の歪みが発生したか否かを検知することができる。また、検知区間D13、D17においては、短軸21が水平方向に存在することになるので、水平方向の歪みが発生したか否かを検知することができる。さらに、検知区間D12、D14、D16においては、短軸21が水平方向と上下方向との中間位置に存在しているので、斜め方向の歪みが発生したか否かを検知することができる。従って、一層きめ細かく、圧力の発生並びにその発生方向を検知することができる。
【0042】
続いて、楕円管20の内部への光ファイバ10の収容態様について説明する。図2に示したように、楕円管20の短軸21方向に内接するように光ファイバ10を収容する第1の収容態様は、望ましい態様の一つである。第1の収容態様では、例えば楕円管20の肉厚を調整したり、或いは楕円管20の材質を選択したりすることで楕円管20の抗力を調整し、光ファイバ10の側圧の感度を調整することができる。
【0043】
ここで、光ファイバ10に楕円管20が被嵌された状態を形成する一つの手法として、長尺ステンレステープに光ファイバ10を沿わせて送り出しつつ、ステンレステープを徐々に円筒状にフォーミングし、ステンレステープ端縁の合わせ目を溶接する手法を例示することができる。このような、光ファイバ10が内包されたステンレスチューブを、必要に応じて縮径ダイスを経由させた後、楕円ダイスに通過させることで、図2に示すような、光ファイバ10を内包する楕円管20を製造することができる。
【0044】
図10は、楕円管20内への光ファイバ10の第2の収容態様を示す断面図である。第1の収容態様では、側圧の感度調整を楕円管20自身に依存する例を挙げた。第2の収容態様では、楕円管20の短軸方向の内壁と光ファイバ10の外周部との間に、感度調整のためにスペーサ61を介在させる例を示している。この第2の収容態様によれば、スペーサ61の材質、厚さ及び光ファイバ10乃至はスペーサ61との接触面積を適宜選定することで、光ファイバ10に実際に加わる側圧を調整することができる。
【0045】
スペーサ61の介在は、上記以外の他のメリットをもたらす。例えば、スペーサ61が光ファイバ10に対するバッファ層の役目を果たし、弱い側圧の印加による光ファイバ10の破損が抑止される。また、光ファイバ10の外径は非常に小さく、光ファイバ10が内接するような楕円管20のフォーミングは容易ではないが、スペーサ61の介在は、小さすぎる内径をもつ楕円管20の形成という困難性を除去し得る。さらには、スペーサ61で光ファイバ10が実質的に保持されている状態を形成することで、楕円管20内において光ファイバ10を安定的に存在させることも可能となる。
【0046】
図11は、楕円管20内への光ファイバ10の第3の収容態様を示す断面図である。第3の収容態様では、楕円管20の長軸方向の内壁と光ファイバ10の外周部との間、つまり図2に示す空間23に充填物62を介在させた例を示している。充填物62は、スポンジ、多孔質ゴム或いはヤーンのような弾性体であり、長軸方向に圧力が加わったとしても、その圧力を実質的に光ファイバ10へ伝達させない部材である。
【0047】
楕円管20の長手方向において、光ファイバ10の側圧感度を一定とするには、光ファイバ10は楕円管20内で定位置に存在していることが望ましい。すなわち、光ファイバ10は、楕円管20との熱膨張率差を考慮してある程度はオフセットさせることが必要であるが、例えば長手方向のある箇所では光ファイバ10が楕円管20の長軸方向の一端側に寄り、他の箇所では中央に位置していると、楕円管20から受ける側圧は無視できない程度に相違する。このような問題は、充填物62の介在によって解消することができる。すなわち、充填物62の存在によって光ファイバ10は、常に楕円管20の長軸方向の中央付近に位置されるようになる。従って、側圧感度を長手方向で一定とすることが可能となる。
【0048】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明がこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、受圧管として楕円管20を例示したが、これは一例である。光ファイバ10のy方向(第1方向;図2〜図4参照)においては光ファイバ10に側圧を与える一方で、x方向(第2方向)においては光ファイバ10に側圧を与えない構造であれば、受圧管は断面楕円形には限定されない。例えば、x方向に長辺を有する断面矩形の管状体を受圧管として用いることもできる。
【0049】
また、上記実施形態では、光ファイバ10を単に圧力測定用に用いる例を示したが、該光ファイバ10を通信用回線として兼用しても良い。この場合、光ファイバ10の一端101側と他端102側とに各々、光通信機器を接続すれば良い。
【符号の説明】
【0050】
S 分布型光ファイバ圧力センサシステム
10 光ファイバ
11 圧力センサ部
20 楕円管(受圧管)
21 短軸
22 長軸
30 光源装置
40 光サーキュレータ
50 ヘテロダイン受信機(計測手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その長手方向の一部が分布型の圧力センサ部として使用される光ファイバと、
前記光ファイバの圧力センサ部に被嵌される受圧管と、
前記光ファイバの一端側から検査光を入射する光源と、
前記光ファイバ内におけるレイリー散乱現象に基づき発生する前記検査光の反射光を、前記光ファイバの一端側において検出する計測手段と、を備え、
前記受圧管は、
前記光ファイバの断面視の第1方向において、当該受圧管が外部から受けた圧力を前記光ファイバに実質的に伝達して該光ファイバに側圧を与える一方で、
前記光ファイバの断面視の前記第1方向と直交する第2方向において、当該受圧管が外部から受けた圧力を前記光ファイバに実質的に伝達しない構造を有し、
前記計測手段は、前記光ファイバに与えられる側圧に起因する前記反射光のスペクトラムの変動に基づき、圧力の発生を検出する、
ことを特徴とする分布型光ファイバ圧力センサシステム。
【請求項2】
前記受圧管が、断面形状において短軸と長軸とを備える楕円管からなり、
該楕円管は、前記第1方向に前記短軸が、前記第2方向に前記長軸がそれぞれ位置するように、前記光ファイバの圧力センサ部に被嵌されていることを特徴とする請求項1に記載の分布型光ファイバ圧力センサシステム。
【請求項3】
前記計測手段は、特定の波長に1つのピーク波長を有する前記反射光が、2つのピーク波長を有する反射光に変化するか否かに基づき、前記圧力の発生を検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の分布型光ファイバ圧力センサシステム。
【請求項1】
その長手方向の一部が分布型の圧力センサ部として使用される光ファイバと、
前記光ファイバの圧力センサ部に被嵌される受圧管と、
前記光ファイバの一端側から検査光を入射する光源と、
前記光ファイバ内におけるレイリー散乱現象に基づき発生する前記検査光の反射光を、前記光ファイバの一端側において検出する計測手段と、を備え、
前記受圧管は、
前記光ファイバの断面視の第1方向において、当該受圧管が外部から受けた圧力を前記光ファイバに実質的に伝達して該光ファイバに側圧を与える一方で、
前記光ファイバの断面視の前記第1方向と直交する第2方向において、当該受圧管が外部から受けた圧力を前記光ファイバに実質的に伝達しない構造を有し、
前記計測手段は、前記光ファイバに与えられる側圧に起因する前記反射光のスペクトラムの変動に基づき、圧力の発生を検出する、
ことを特徴とする分布型光ファイバ圧力センサシステム。
【請求項2】
前記受圧管が、断面形状において短軸と長軸とを備える楕円管からなり、
該楕円管は、前記第1方向に前記短軸が、前記第2方向に前記長軸がそれぞれ位置するように、前記光ファイバの圧力センサ部に被嵌されていることを特徴とする請求項1に記載の分布型光ファイバ圧力センサシステム。
【請求項3】
前記計測手段は、特定の波長に1つのピーク波長を有する前記反射光が、2つのピーク波長を有する反射光に変化するか否かに基づき、前記圧力の発生を検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の分布型光ファイバ圧力センサシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−17652(P2011−17652A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163248(P2009−163248)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(303021609)ニューブレクス株式会社 (23)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(303021609)ニューブレクス株式会社 (23)
【Fターム(参考)】
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