説明

分析支援装置、及びこの分析支援装置を備えた表面プラズモン共鳴蛍光分析装置

【課題】検体の分析精度を維持できるよう、検体の分析に不適切な金属膜を検出することによって表面プラズモン共鳴蛍光分析装置での検体の分析を支援する分析支援装置、及びこの分析支援装置を備えた表面プラズモン共鳴蛍光分析装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る分析支援装置40及びこの分析支援装置40を備える表面プラズモン共鳴蛍光分析装置10は、金属膜55において欠陥が生じている欠陥領域を検出する欠陥領域検出部41と、欠陥領域に関する値が所定の閾値未満の場合に金属膜55が検体の分析に適すると判断してこの判断結果を外部に出力する一方、欠陥領域に関する値が所定の閾値以上の場合に金属膜55が検体の分析に不適切であると判断してこの判断結果を外部に出力する判断部42と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance:SPR)を利用して試料溶液中に含まれる検体の分析を行う表面プラズモン共鳴蛍光分析装置での検体の分析を支援する分析支援装置、及びこの分析支援装置を備えた表面プラズモン共鳴蛍光分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タンパク質やDNA等を検出するバイオ測定において、検体(被検出物質)を高感度に検出する方法として、表面プラズモン共鳴蛍光分析(表面プラズモン励起増強蛍光分光:SPFS)法が知られている。
【0003】
SPFS法は、金や銀等からなる金属膜が所定の面上に形成されたプリズムにおいて、プリズム側から金属膜に励起光を入射させ、プリズムと金属膜との界面で励起光が全反射する際にこの界面からしみ出す光(エバネッセント波)を利用する。具体的に、SPFS法は、励起光が全反射する際にしみ出すエバネッセント波によって、金属膜の表面上に流した試料溶液中に含まれる検体又はこの検体に付された蛍光物質(標識物質)が励起されて発する蛍光(励起蛍光)を分析することにより、上記検体の存在又はその量を検出することができる。
【0004】
この分析方法では、通常、前記のプリズム上に金属膜を成膜した、いわゆるクレッチマン配置の分析チップが用いられ、この分析チップの金属膜で生じた表面プラズモン共鳴に基づく金属膜近傍の増強電場(エバネッセント波)を利用する(特許文献1参照)。
【0005】
具体的に、分析チップは、図7に示されるように、プリズム部111と、このプリズム部111と共同して試料溶液が流れる流路116を形成する流路部材117とを備える。プリズム部111は、ガラスや樹脂で形成されるプリズム本体112と、このプリズム本体112の所定の面112bの面上に成膜される金属膜113と、を有する。
【0006】
この分析チップ110のプリズム本体112に励起光を入射させて所定の面112bと金属膜113との界面でこの励起光を全反射させると、ある入射角において金属膜113の表面近傍に増強された電場(増強電場)が形成される。これは、励起光がある入射角(共鳴角)で金属膜113に入射することにより、金属膜113において表面プラズモン共鳴が生じ、これにより金属膜113の表面近傍の電場が大きく増強されるからである。この現象が金属膜113の表面における屈折率の変化に対して高感度に応答するため、これを利用することにより金属膜113上を流れる試料溶液中に存在する極微量の物質の検出が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4370383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の分析チップ110において表面プラズモン共鳴を生じさせるのに適した金属膜113の厚さは、通常、100nm以下である。このように、極めて薄い金属膜113では、プリズム本体112に成膜する際等にピンホールや円形隆起(金属膜113の一部がプリズム本体112から離間することにより金属膜113の表面が隆起している部分)等の欠陥が生じる場合がある(図5参照)。
【0009】
このように金属膜113においてピンホールや円形隆起等の欠陥が生じた領域では、他の領域に比べて十分な強度の増強電場が形成されないために検体等の検出感度が低下する。そのため、分析チップ110の金属膜113にピンホールや円形隆起等の欠陥が多数生じていると、検体を高精度且つ高感度で検出することが難しく、このような検体の検出に適さない金属膜113を備えた分析チップ110は、検体の分析に用いないようにする必要がある。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、検体の分析精度を維持できるよう検体の分析に不適切な金属膜を検出することによって表面プラズモン共鳴蛍光分析装置での検体の分析を支援する分析支援装置、及びこの分析支援装置を備えた表面プラズモン共鳴蛍光分析装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、上記課題を解消すべく、本発明は、金属膜に生じさせる表面プラズモン共鳴を利用して検体の分析を行う分析装置において前記検体の分析を支援する装置であって、前記金属膜において欠陥が生じている欠陥領域を検出する欠陥領域検出部と、前記欠陥領域に関する値が所定の閾値未満の場合に前記金属膜が前記検体の分析に適すると判断してこの判断結果を外部に出力する一方、前記欠陥領域に関する値が前記所定の閾値以上の場合に前記金属膜が前記検体の分析に不適切であると判断してこの判断結果を外部に出力する判断部と、を備えることを特徴とする。尚、本発明において金属膜の欠陥とは、金属膜に生じたピンホールや円形隆起、傷等のことをいう。
【0012】
本発明によれば、金属膜に生じた表面プラズモン共鳴を利用する分析装置における検体の分析に不適切な金属膜を当該金属膜の欠陥領域に基づいて検出することができるため、前記分析装置での検体の分析においてこの不適切な金属膜の使用を排除することが可能となる。即ち、本発明によれば、前記分析装置において、分析精度が大きく低下する金属膜を用いて検体の分析することを回避することができる。
【0013】
前記欠陥領域検出部は、前記金属膜の表面の輝度分布から前記欠陥領域を検出することが好ましい。かかる構成によれば、金属膜の表面からの光を測定することによって欠陥領域を検出することができる。
【0014】
例えば、前記欠陥領域検出部は、光が前記金属膜の表面に入射したときの当該金属膜の表面の輝度分布から前記欠陥領域を検出してもよい。このように、光を金属膜の表面に入射させると、ピンホールや円形隆起の周縁部の輝度が他の部位の輝度に比べて小さくなる(暗くなる)ため、金属膜の表面の輝度分布からピンホールや円形隆起等の欠陥を容易且つ確実に検出することができる。
【0015】
また、前記欠陥領域検出部は、前記表面プラズモン共鳴を生じさせるための励起光が前記金属膜の裏面に入射したときの当該金属膜の表面の輝度分布から前記欠陥領域を検出してもよい。このように、励起光を金属膜の裏面に入射させて表面プラズモン共鳴させると、当該金属膜の表面においてプラズモン散乱光が生じる。このとき、金属膜のピンホールや円形隆起等の欠陥領域ではプラズモン散乱光の強度が小さく(光量が少なく)なるため、金属膜の表面の輝度分布からピンホールや円形隆起等の欠陥を容易且つ確実に検出することができる。
【0016】
尚、光が前記金属膜の表面に入射したときの当該金属膜の表面の輝度分布である第1の輝度分布では全体的な光量が少ないため極小さなピンホールが検出し難く、そのため、第1の輝度分布から金属膜の欠陥を検出する場合には欠陥領域が実際よりも少なく検出される傾向がある。一方、前記表面プラズモン共鳴を生じさせるための励起光が前記金属膜の裏面に入射したときの当該金属膜の表面の輝度分布である第2の輝度分布では欠陥領域以外の領域の光量が大きく欠陥領域との光量差が大きくなるため、この第2の輝度分布から金属膜の欠陥を検出する場合にはピンホールの大きさが過大評価されて欠陥領域が実際よりも多く検出される傾向がある。そこで、前記欠陥領域検出部が第1の輝度分布と第2の輝度分布とから前記欠陥領域を検出することで、より精度よく欠陥領域を検出することができる。
【0017】
分析支援装置は、前記金属膜の表面からの光を測定する分析装置の光測定部が出力する測定結果信号を補正する補正部をさらに備え、前記補正部は、前記金属膜が検体の分析に適すると前記判断部が判断した場合に、前記欠陥領域検出部における欠陥領域の検出結果に応じて前記測定結果信号を補正することが好ましい。このような補正部を備えることで、分析装置において定期的に金属膜を交換して検体の分析を行う場合に、各金属膜における欠陥の影響を、光測定部が出力する測定結果信号から除去することができる。これにより、分析装置において金属膜毎の測定結果のばらつきが抑制され、より高精度な検体の分析が可能となる。この場合、例えば、前記補正部は、前記金属膜の表面における欠陥領域の面積に応じて前記測定結果信号を補正する。
【0018】
また、上記課題を解消すべく、本発明は、表面プラズモン共鳴を利用して検体若しくは検体に付された蛍光物質を励起することによって前記検体の検出を行う表面プラズモン共鳴蛍光分析装置であって、所定の面の面上に金属膜が形成されたプリズム内に励起光を入射させて当該励起光をプリズム側から前記金属膜で反射させる励起光出射部と、前記金属膜のプリズムと反対側の面である表面からの光を測定し、この測定結果を測定結果信号として出力する光測定部と、上記のいずれかの分析支援装置と、を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、分析支援装置からの出力に基づいて、当該表面プラズモン共鳴蛍光分析装置において分析精度が大きく低下する金属膜を用いて検体の分析することを回避することができる。
【0020】
本発明にかかる表面プラズモン共鳴蛍光分析装置では、分析支援装置からの出力を受信してこれを表示する表示部を備えることが好ましい。このような表示部を備えることで、例えば、金属膜が分析に不適切な場合に、表示部にエラー表示等が表示されることで、容易且つ確実に金属膜の状態を判断することができる。
【0021】
表面プラズモン共鳴蛍光分析装置が前記分析支援装置に接続される制御部を備え、前記制御部が、前記分析支援装置において前記金属膜が検体の分析に不適切と判断された場合に、当該表面プラズモン共鳴蛍光分析装置での検体の分析を中止せる一方、前記分析支援装置において前記金属膜が検体の分析に適切と判断された場合に、前記励起光出射部に励起光を出射させると共に前記光測定部により前記金属膜の表面側からの光を測定させてもよい。
【0022】
かかる構成によれば、欠陥の多い金属膜の場合には検体の分析が中止され、欠陥の少ない金属膜の場合には検体の分析が行われる。
【発明の効果】
【0023】
以上より、本発明によれば、検体の分析精度を維持できるよう検体の分析に不適切な金属膜を検出することによって表面プラズモン共鳴蛍光分析装置での検体の分析を支援する分析支援装置、及びこの分析支援装置を備えた表面プラズモン共鳴蛍光分析装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る表面プラズモン共鳴蛍光分析装置の概略構成図である。
【図2】前記表面プラズモン共鳴蛍光分析装置における分析支援部の機能ブロック図である。
【図3】前記表面プラズモン共鳴蛍光分析装置に用いられる分析チップの拡大縦断面図である。
【図4】前記分析チップの分解斜視図である。
【図5】雰囲気光による欠陥領域の検出を説明するための図である。
【図6】プラズモン散乱光による欠陥領域の検出を説明するための図である。
【図7】従来の分析素子チップの拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0026】
本実施形態に係る表面プラズモン共鳴蛍光分析装置(以下、単に「分析装置」とも称する。)は、プリズム内に全反射条件で入射した励起光の反射界面からしみ出すエバネッセント波(増強電場)を利用して被検出物質(以下、単に「検体」とも称する。)又は検体に標識された蛍光物質を励起させ、これにより生じた蛍光(励起蛍光)の光量を検出することによって検体の分析を行う装置である。
【0027】
分析装置は、図1及び図2に示されるように、分析チップ50を保持するチップ保持部12と、チップ保持部12に保持された状態の分析チップ50に励起光αを出射する励起光出射部20と、分析チップ50から出射される光(反射励起光α)の光量を測定する反射光測定部30と、分析チップ50からの光を測定する光測定部32と、分析チップ50から光測定部32に向かう光のうち、所定の波長の光を遮光可能なフィルター部34と、分析チップ50の金属膜55の状態を検出する分析支援装部(分析支援装置)40と、当該分析装置10の各構成要素を制御する制御処理部14と、各種情報を表示する表示部16とを備える。また、分析装置10は、患者からの血液等の前処理を行う前処理部(図示省略)も備える。この前処理部は、試薬チップ(図略)を受け入れ、この試薬チップに注入されている血液等の前処理(血球分離や希釈、混合等)を行って試料溶液を生成し、この試料溶液を分析チップ50に注入する部位である。試薬チップには、複数の収納部が設けられ、各収納部には血液等の他に、試薬、希釈液、洗浄液等が個別に封入されている。
【0028】
分析チップ50は、図3及び図4にも示されるように、プリズム51と、プリズム51の表面に形成される金属膜55と、金属膜55上を当該金属膜55に接しつつ検体を含む試料溶液や洗浄液等が流れる流路58を形成する流路部材57とを備える。本実施形態の分析チップ50は、定期的(例えば、検体の分析を所定の回数行う毎等)に交換される。
【0029】
プリズム51は、励起光出射部20からの励起光αを内部に入射させる入射面52と、この内部に入射した励起光αが反射される反射面(所定の面)53と、この反射された励起光(反射励起光)αをプリズム51の外部に出射する出射面54とをその表面に含む。このプリズム51は、透明なガラス又は樹脂により形成されている。
【0030】
尚、プリズム51は、本実施形態のように断面形状が台形(図3参照)でなくてもよい。プリズム51は、入射面52と反射面53と出射面54とをその表面に含み、入射面52から内部に入射した励起光αが反射面53で全反射し、この全反射した励起光αが内部で乱反射せずに出射面54から外部に出射されるような形状であればよい。
【0031】
金属膜55は、プリズム51の反射面53の面上に成膜(形成)された金属製の薄膜である。本実施形態の金属膜55は金により形成されている。尚、金属膜55の素材は、金に限定されず、表面プラズモン共鳴を生じさせる金属であればよく、例えば、銀、銅、アルミ等(合金を含む)であってもよい。
【0032】
金属膜55の表面(プリズム51と反対側の面)55aには、特定の抗原を捕捉するための抗体等の生理活性物質56が固定されている。この生理活性物質56は、表面処理によって金属膜55の表面55aに固定される。具体的に、生理活性物質56は、金属膜55の表面55aにおいて、プリズム51が流路部材57と共同して流路58を形成したときにこの流路58を流れる試料溶液と接する領域に固定される。尚、図中の生理活性物質56は、模式的に描いたもので、生理活性物質56の構造を表すものではない。
【0033】
流路部材57は、プリズム51の反射面53上(詳しくは、金属膜55上)に配置され、プリズム51と共同して流路58を形成する。この流路部材57は、透明な樹脂により形成される。
【0034】
流路58は、抗原抗体反応が行われる検出部58aと、分析チップ50の外部から検出部58aへ試料溶液を案内し、又は検出部58aから外部へ試料溶液を案内する案内部58bとから成る。検出部58aは、流路部材57の裏面(図3において下側の面)57bに設けられた溝とプリズム51上の金属膜55とにより囲まれている。即ち、この検出部58aでは、試料溶液が金属膜55の表面(生理活性物質56が固定されている面)55aと接しつつ流れる。
【0035】
また、流路部材57は、流路58を構成する裏面57bの溝内にシール部材59を有する。このシール部材59は、流路部材57を金属膜55側からプリズム51に接合させたときに、検出部58aを水平方向から囲み且つ流路部材57の裏面57bの溝内面とプリズム51の金属膜55とに密着し、これにより、流路部材57とプリズム51(金属膜55)との接合部位からの試料溶液の漏れを防止する。
【0036】
この流路部材57は、その裏面57bがプリズム51の反射面53(詳しくは、金属膜55)に圧着された状態でプリズム51と接合されている。
【0037】
チップ保持部12は、検体の分析の際に分析チップ50を保持する。具体的に、このチップ保持部12は、励起光出射部20から出射された励起光αが全反射条件で入射面52からプリズム51の内部に入射してこの入射した励起光αが金属膜55で反射されるような姿勢で分析チップ50を着脱可能に保持する。
【0038】
励起光出射部20は、励起光αを出射し、分析チップ50に含まれるプリズム51内に入射させる。具体的に、励起光出射部20は、チップ保持部12で保持された状態の分析チップ50の金属膜55で反射されるようにプリズム51内に入射面52から励起光αを入射させる。この励起光出射部20は、光源21と、光源21が出射した励起光αを直線偏光にする直線偏光部22とを有する。
【0039】
光源21は、所定の周波数の励起光αを安定して出射する。本実施形態では、光源21として、レーザーダイオード(LD)が用いられる。この光源21は、例えば、波長が640nmの励起光αを出射する。
【0040】
直線偏光部22は、励起光αを偏光方向が一意な直線偏光となるようにろ波する。具体的に、直線偏光部22は、プリズム51の金属膜55に対してP偏光光が入射するような偏光方向となるように光源21が出射する励起光αをろ波する。
【0041】
このような励起光出射部20は、金属膜55に対する励起光αの入射角θを変更できる。詳しくは、励起光出射部20は、金属膜55における励起光αの反射される位置を変えることなく金属膜55への励起光αの入射角θが変化するように分析チップ50に対する姿勢を変更可能に構成される(図1の矢印A参照)。励起光出射部20は、制御処理部14に接続され、この制御処理部14からの指示信号に従って分析チップ50に対する姿勢を変更する。
【0042】
反射光測定部30は、金属膜55で反射されて出射面54から出射される反射励起光αの光量を測定する。具体的に、反射光測定部30は、分析チップ50のプリズム51から出射される反射励起光αを受光してその強度(光量)に応じた強度信号を出力する。この反射光測定部30は、プリズム51から出射された反射励起光αを受光できるように、プリズム51の出射面54と対向する位置に配置される。本実施形態の反射光測定部30は、例えば、フォトダイオード(PD)により構成されている。
【0043】
光測定部32は、分析チップ50内で生じた光、詳しくは、金属膜55若しくはその近傍で生じた光を測定する。この光測定部32は、分析チップ50の金属膜55の表面55aの各位置での光の強度をそれぞれ測定することができる。これにより、光測定部32は、金属膜55の表面55aに沿った輝度分布を検出することができる。また、光測定部32は、制御処理部14に接続され、測定結果に応じた測定結果信号を出力する。本実施形態の光測定部32は、CCD型イメージセンサにより構成されている。尚、光測定部32は、CCD型イメージセンサに限定されず、光電子倍増管(Photomultiplier Tube:PMT)等であってもよい。
【0044】
フィルター部34は、所定の波長以下の光を遮る光フィルター35と、この光フィルター35の位置の切り換えを行う位置切換部36と、を有する。光フィルター35は、励起光αを遮るために設けられるフィルターである。本実施形態では、光フィルター35として、650nm以下の波長の光を遮るローパスフィルター(LPF)が用いられる。尚、分析チップ50において検体若しくは検体に標識された蛍光物質が増強電場によって発した蛍光(励起蛍光)は、波長が670nmであるためこの光フィルター35を通過する。
【0045】
位置切換部36は、光フィルター35の位置をフィルタリング位置と退避位置との間で切り換える(図1の矢印B参照)。フィルタリング位置とは分析チップ50の検出部38aから光測定部32に向かう光の光路上の位置であり、退避位置とは前記光路から外れた位置である。この位置切換部36は、制御処理部14からの指示信号に従って、光フィルター35の位置の切り換えを行う。
【0046】
分析支援部(分析支援装置)40は、金属膜55において欠陥が生じている領域(欠陥領域)を検出する欠陥領域検出部41と、検出された欠陥領域に基づいて金属膜55の状態を判断する判断部42と、光測定部32が出力する測定結果信号を補正する補正部43とを備える。本実施形態の分析支援部40は、光測定部32に接続されたCPUにより構成されている。ここで、金属膜55の欠陥とは、金属膜55に生じたピンホールや円形隆起、傷等のことをいい、欠陥領域とは、金属膜55において欠陥が生じている領域をいう。
【0047】
尚、本実施形態の分析支援部40は、分析装置10に組み込まれているが、これに限定されない。即ち、分析装置10とは別個の装置(分析支援装置)として構成されてもよい。また、本実施形態では、分析支援部40と分析装置10の制御処理部14とが別々に構成されているが、これに限定されず、例えば、一つのCPU等によってこれらがそれぞれ構成されてもよい。
【0048】
欠陥領域検出部41は、光測定部32が検出した金属膜55の表面55aの輝度分布から欠陥領域を検出する。具体的に、欠陥領域検出部41は、雰囲気光が金属膜55の表面55aに入射したときの当該金属膜55の表面55aの輝度分布から欠陥領域を検出する。詳しくは、雰囲気光を金属膜55の表面55aに入射させると、ピンホールや円形隆起の周縁部(輪郭部)の輝度が他の部位の輝度に比べて低くなる(暗くなる)ため(図5参照)、欠陥領域検出部41は、これを利用して金属膜55の表面55aの輝度分布からピンホールや円形隆起等の欠陥が生じている領域(欠陥領域)を検出する。尚、本実施形態において、雰囲気光とは、金属膜55の表面55aに均一に入射する拡散光である。
【0049】
判断部42は、検出された欠陥領域に関する値が所定の閾値未満の場合に金属膜55が検体の分析に適すると判断してこの判断結果を出力する一方、検出された欠陥領域に関する値が前記所定の値以上の場合に金属膜55が検体の分析に不適切であると判断してこの判断結果を出力する。ここで、検体の分析に不適切な金属膜55とは、金属膜55に生じている欠陥が多すぎて当該金属膜55が設けられた分析チップ50を用いて検体の分析を行った場合に、検体の検出精度(分析精度)を十分に確保できない状態の金属膜55をいい、一方、検体の分析に適した金属膜55とは、金属膜55に生じている欠陥が所定量未満であるため、当該金属膜55が設けられた分析チップ50を用いて検体の分析を行った場合に、所望の検出精度(分析精度)を確保できる状態の金属膜55をいう。
【0050】
具体的に、判断部42は、金属膜55の表面55aにおける欠陥領域の面積に基づいて、当該金属膜55が検体の分析に適しているか否かを判断する。詳しくは、判断部42は、金属膜55の表面55aにおいて輝度分布を検出した領域(検出領域)の面積に占める欠陥領域の面積の割合によって判断する。本実施形態の判断部42は、検出領域の面積に占める欠陥領域の面積の割合が50%以上になると検体の検出精度が十分に確保できないとして検体の分析に不適切な金属膜55と判断する。そして、判断部42は、金属膜55が検体の分析に不適切と判断するとエラー信号を出力して表示部16にエラー表示をさせる。
【0051】
尚、判断部42における判断は、検出領域の面積に占める欠陥領域の割合に基づいて行われる場合に限定されず、例えば、ピンホールの数や円形隆起等の欠陥の数に基づいて行われてもよく、これらを組み合わせて行われてもよい。また、判断部42は、単に欠陥領域の面積が所定の閾値を越えるか否かで金属膜55が分析に適しているか否かを判断してもよい。
【0052】
補正部43は、金属膜55が検体の分析に適すると判断部42が判断した場合に、欠陥領域検出部41における欠陥領域の検出結果に応じて、光測定部32が検体の分析のために検出部58aからの励起蛍光を測定したときに出力する測定結果信号を補正する。この補正は、金属膜55の表面55aにおける欠陥領域の面積に応じた補正である。
【0053】
具体的に、補正部43は、金属膜55上において光測定部32によって輝度分布を検出した領域(検出領域)の面積と、欠陥領域検出部により検出された欠陥領域の面積との比に基づいて、金属膜55に欠陥が生じていない場合に光測定部32から出力される信号強度となるように測定結果信号を補正する。詳しくは、補正部43は、以下の式(1)によって測定結果信号を補正する。
【数1】

ここで、Sは検出領域の面積であり、Sは欠陥領域の面積であり、Xは光測定部32から出力される測定結果信号であり、Xは補正後の測定結果信号である。また、式(1)では、光測定部32によって測定される欠陥領域からの光の光量を0としている。
【0054】
尚、補正部43での測定結果信号の補正は、式(1)に限定されない。欠陥領域からの光の光量が0でなく、欠陥領域からの光の光量が欠陥領域以外の領域からの光の光量に対して所定の割合(例えば、欠陥領域以外の領域からの光の光量の30%や10%等)として計算してもよい。
【0055】
制御処理部14は、当該分析装置10を構成する各構成要素に指示信号を出力して制御を行うと共に、各構成要素からの出力信号に基づいて演算等を行う。
【0056】
表示部16は、制御処理部14からの出力信号を受信して演算結果等を表示すると共に、分析支援部40(詳しくは、判断部42)からのエラー信号を受信してエラー表示をする。
【0057】
このように構成される分析装置10では、以下のようにして検体の分析が行われる。
【0058】
検体の分析に用いられる分析チップ50を分析装置10に配置する。具体的には、チップ保持部12に分析チップ50を保持させる。これにより分析チップ50が固定されると、制御処理部14は、位置切換部36によって光フィルター35を退避位置に移動させ、光測定部32に金属膜55の表面55aからの光を測定させる。このとき、金属膜55の表面55a側から雰囲気光が金属膜55に入射した状態であり、この状態で、光測定部32は、金属膜55の表面55aからの光を測定する。
【0059】
欠陥領域検出部41は、光測定部32によって検出された輝度分布(例えば、図5参照)から金属膜55における欠陥領域を検出する。欠陥領域が検出されると、判断部42が当該分析装置10に配置されている分析チップ50の金属膜55が検体の分析に適しているか否かを判断する。輝度分布が検出された領域(検出領域)の面積に対して欠陥領域の面積が、所定の閾値(例えば50%)以上であれば、判断部42は、金属膜55が検体の分析に不適切であると判断して、表示部16にエラー表示をさせる。この場合、検体の分析の精度が十分に確保できないため、分析装置10の操作者等は、表示部16のエラー表示を確認すると、分析装置10に配置されている分析チップ50、即ち、金属膜55を交換する。
【0060】
一方、輝度分布が検出された領域(検出領域)の面積に対して欠陥領域の面積が、所定の閾値(例えば50%)未満であれば、判断部42は、金属膜55が検体の分析に適していると判断して、この判断結果を分析装置10の制御処理部14に出力する。尚、本実施形態の判断部42において、金属膜55が検体の分析に適するか否かを判断する基準となる所定の閾値(検出領域の面積に対する欠陥領域の面積の割合)が50%であるが、これに限定されない。検体の分析において十分な精度が確保できれば、例えば、30%や20%、60%等であってもよい。
【0061】
判断部42からの判断結果を受信すると、制御処理部14は、検体の分析を続行させる。具体的に、制御処理部14は、前処理部において前処理が終わった試料溶液を当該前処理部によって流路58内に注入(供給)する。これにより、金属膜55の表面55aに固定された生理活性物質56が試料溶液中の検体(特定の抗原)を捕捉する(即ち、抗原抗体反応が行われる)。本実施形態では、蛍光物質(例えば、蛍光色素)が標識された検体を生理活性物質56に捕捉させている。
【0062】
次に、制御処理部14は、当該分析チップ50における最適な表面プラズモン共鳴条件の走査(共鳴角走査)を行う。このとき、制御処理部14は、位置切換部36によって光フィルター35の位置をフィルタリング位置に切り換える。
【0063】
そして、この走査の結果に基づき、制御処理部14は、金属膜55で生じる増強電場の電場強度が最も大きくなる入射角θである励起入射角θで励起光αが金属膜55に入射するように、励起光出射部20の金属膜55に対する姿勢を変更する。具体的に、制御処理部14は、励起光出射部20から励起光αを出射させた状態で当該励起光出射部20の姿勢を変更しながら反射光測定部30により反射励起光αの光量を測定することにより、金属膜55への励起光αの入射条件(励起入射角θ)の走査を行う。このようにして測定された反射励起光αの光量は、金属膜55への励起光αの入射角θが所定の角度になったときに急激に落ち込む。この反射励起光αの光量が最も小さくなった金属膜55への励起光αの入射角(即ち、金属膜55における反射率が最も小さくなった入射角)θが共鳴角となる。そして、制御処理部14は、励起入射角θを決定すると、金属膜55への励起光αの入射角θが励起入射角θとなるように、励起光出射部20の金属膜55に対する姿勢を変更する。
【0064】
次に、制御処理部14は、上記のようにして設定した励起入射角θで励起光αを金属膜55に入射させ、検体の検出を行う。具体的に、制御処理部14は、励起光αを励起光出射部20から出射させる。これにより、励起光αが金属膜55に表面プラズモン共鳴を生じさせ、これに基づく増強電場によって生理活性物質56に捕捉された検体に標識された蛍光物質が励起して励起蛍光を発する。そして、制御処理部14は、光測定部32により励起蛍光の測定を行う。このとき、光フィルター35の位置がフィルタリング位置であるため、分析チップ50から光測定部32に向かう励起光αの漏れ光等が遮光され、光測定部32には、励起蛍光のみが到達する。
【0065】
そして、補正部43は、金属膜55の状態に応じて、励起蛍光を測定した光測定部32から制御処理部14に出力される測定結果信号を補正する。具体的に、補正部43は、金属膜55が検体の分析に適しているか否かを判断する際に検出された欠陥領域の面積と検出領域の面積との比に基づいて測定結果信号を補正する。詳しくは、補正部43は、式(1)を用いて光測定部32から出力される測定結果信号を補正し、この補正後の信号を制御処理部14に出力する。
【0066】
制御処理部14は、分析支援部40から送られてきた補正後の測定結果信号に基づいて単位面積あたりの励起蛍光の光量等を求める。そして、制御処理部14は、励起蛍光の光量を求めた後、これを検体番号と関連付けて記憶すると共に、この検体番号と関連付けて記憶した励起蛍光の光量に基づく情報を表示部16に出力し、これを表示させる。
【0067】
本実施形態の分析装置10によれば、分析支援部40によって、当該分析装置10における検体の分析に不適切な金属膜55を検出することができるため、当該分析装置10での検体の分析においてこの不適切な金属膜55の使用を排除することが可能となる。即ち、本実施形態の分析装置10によれば、当該分析装置10において、分析精度が大きく低下する金属膜55を用いて検体の分析することを回避することができる。
【0068】
尚、本発明の分析支援装置、及びこの分析支援装置を備えた表面プラズモン共鳴蛍光分析装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0069】
欠陥領域を検出する具体的な方法は限定されない。上記実施形態の分析装置10では、欠陥領域検出部41が、雰囲気光が金属膜55の表面55aに入射したときの当該金属膜55の表面55aの輝度分布から欠陥領域を検出しているが、これに限定されず、例えば、欠陥領域検出部が、表面プラズモン共鳴を生じさせるための励起光αが金属膜55の裏面55bに入射したときの当該金属膜55の表面55aの輝度分布から欠陥領域を検出してもよい。
【0070】
具体的に、欠陥領域検出部は、光測定部32によって測定された金属膜55からのプラズモン散乱光の輝度分布から金属膜55の欠陥領域を検出してもよい。詳しくは、分析チップ50の流路58に試料溶液を注入(供給)した状態で、制御処理部14が励起光出射部20に励起光αを出射させる。この励起光αがプリズム51内に入射して金属膜55の裏面55bで反射されることで、金属膜55に表面プラズモン共鳴が生じて表面55a側にプラズモン散乱光が発生する。制御処理部14は、位置切換部36により光フィルター35を退避位置に移動させた状態で、光測定部32によってこのプラズモン散乱光を測定させる。欠陥領域検出部は、この光測定部32により測定されたプラズモン散乱光の金属膜55に沿った輝度分布から欠陥領域を検出する。ことのき、金属膜55のピンホールや円形隆起等の欠陥領域ではプラズモン散乱光の強度が小さく(光量が少なく)なるため(図6参照)、欠陥領域処理部は、プラズモン散乱光の金属膜55に沿った輝度分布からピンホールや円形隆起等の欠陥を容易且つ確実に検出することができる。
【0071】
また、欠陥領域検出部は、雰囲気光が金属膜55の表面55aに入射したときの当該金属膜55の表面55aの輝度分布(第1の輝度分布)と、励起光αが金属膜55の裏面55bに入射したときの当該金属膜55の表面55aの輝度分布(第2の輝度分布)とから欠陥領域を検出してもよい。これにより、より精度よく欠陥領域を検出することが可能となる。これは、第1の輝度分布では全体的な光量が少ないため極小さなピンホールが検出し難く、そのため、第1の輝度分布から金属膜55の欠陥を検出する場合には欠陥領域が実際よりも少なく検出される傾向がある一方、第2の輝度分布では欠陥領域以外の領域の光量が大きく欠陥領域との光量差が大きくなることで、第2の輝度分布から金属膜55の欠陥を検出するときにピンホールの大きさが過大評価されて欠陥領域が実際よりも多く検出される傾向があるからである。
【0072】
また、上記の分析装置10では、金属膜55が検体の分析に不適切であると分析支援部40(判断部42)が判断した場合に表示部16がエラー表示を行い、これを見た操作者等が分析装置10に配置されている分析チップ50を交換するが、これに限定されない。
【0073】
例えば、分析装置は、判断部42が検体の分析に不適切であると判断した場合に、分析チップ50の位置を変えて金属膜55の欠陥領域の少ない領域で検体の分析を行うように構成されてもよい。この場合、分析チップ50の位置を変えて金属膜55における欠陥領域を検出するための輝度分布を最初に検出した領域と異なる領域の輝度分布を検出し、この位置変更後の領域内の欠陥領域を検出して当該領域が検体の分析に適するか否かを判断し、適する場合はこの位置変更後の領域で検体の分析を行い、不適切な場合はさらに分析チップ50の位置を変えることが好ましい。
【符号の説明】
【0074】
10 表面プラズモン共鳴蛍光分析装置
16 表示部
20 励起光出射部
32 光測定部
40 分析支援部(分析支援装置)
41 欠陥領域検出部
42 判断部
43 補正部
50 分析チップ
51 プリズム
55 金属膜
55a 金属膜の表面
α 励起光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属膜に生じさせる表面プラズモン共鳴を利用して検体の分析を行う分析装置において前記検体の分析を支援する装置であって、
前記金属膜において欠陥が生じている欠陥領域を検出する欠陥領域検出部と、
前記欠陥領域に関する値が所定の閾値未満の場合に前記金属膜が前記検体の分析に適すると判断してこの判断結果を外部に出力する一方、前記欠陥領域に関する値が前記所定の閾値以上の場合に前記金属膜が前記検体の分析に不適切であると判断してこの判断結果を外部に出力する判断部と、を備えることを特徴とする分析支援装置。
【請求項2】
前記欠陥領域検出部は、前記金属膜の表面の輝度分布から前記欠陥領域を検出することを特徴とする請求項1に記載の分析支援装置。
【請求項3】
前記欠陥領域検出部は、光が前記金属膜の表面に入射したときの当該金属膜の表面の輝度分布から前記欠陥領域を検出することを特徴とする請求項2に記載の分析支援装置。
【請求項4】
前記欠陥領域検出部は、前記表面プラズモン共鳴を生じさせるための励起光が前記金属膜の裏面に入射したときの当該金属膜の表面の輝度分布から前記欠陥領域を検出することを特徴とする請求項2に記載の分析支援装置。
【請求項5】
前記欠陥領域検出部は、光が前記金属膜の表面に入射したときの当該金属膜の表面の輝度分布である第1の輝度分布と、前記表面プラズモン共鳴を生じさせるための励起光が前記金属膜の裏面に入射したときの当該金属膜の表面の輝度分布である第2の輝度分布とから前記欠陥領域を検出することを特徴とする請求項2に記載の分析支援装置。
【請求項6】
前記金属膜の表面からの光を測定する分析装置の光測定部が出力する測定結果信号を補正する補正部をさらに備え、
前記補正部は、前記金属膜が検体の分析に適すると前記判断部が判断した場合に、前記欠陥領域検出部における欠陥領域の検出結果に応じて前記測定結果信号を補正することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の分析支援装置。
【請求項7】
前記補正部は、前記金属膜の表面における欠陥領域の面積に応じて前記測定結果信号を補正することを特徴とする請求項6に記載の分析支援装置。
【請求項8】
表面プラズモン共鳴を利用して検体若しくは検体に付された蛍光物質を励起することによって前記検体の検出を行う表面プラズモン共鳴蛍光分析装置であって、
所定の面の面上に金属膜が形成されたプリズム内に励起光を入射させて当該励起光をプリズム側から前記金属膜で反射させる励起光出射部と、
前記金属膜のプリズムと反対側の面である表面からの光を測定し、この測定結果を測定結果信号として出力する光測定部と、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の分析支援装置と、を備えることを特徴とする表面プラズモン共鳴蛍光分析装置。
【請求項9】
分析支援装置からの出力を受信してこれを表示する表示部を備えることを特徴とする請求項8に記載の表面プラズモン共鳴蛍光分析装置。
【請求項10】
前記分析支援装置に接続される制御部を備え、
前記制御部は、前記分析支援装置において前記金属膜が検体の分析に不適切と判断された場合に、当該表面プラズモン共鳴蛍光分析装置での検体の分析を中止せる一方、前記分析支援装置において前記金属膜が検体の分析に適切と判断された場合に、前記励起光出射部に励起光を出射させると共に前記光測定部により前記金属膜の表面側からの光を測定させることを特徴とする請求項8又は9に記載の表面プラズモン共鳴蛍光分析装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−117931(P2012−117931A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268446(P2010−268446)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】