説明

分析装置

【課題】所定地域で使用される際に、所定地域以外の他の地域向けのアプリケーションプログラムが起動された場合にも、その所定地域向けの制御を行うことが可能な分析装置を提供する。
【解決手段】この尿中有形成分分析装置(分析装置)1は、CPU301aによる制御がA国向けであることを記憶可能に構成されたメモリ211を備え、メモリ211にCPU301aによる制御がA国向けであることが記憶されている場合には、CPU301aは、A国以外の国向けのアプリケーションプログラム305aが起動した場合にも、表示部302をA国向けに制御するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置に関し、特に、各地域向けに異なる仕様で機能することが可能な分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各地域向けに異なる仕様で機能することが可能な分析装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ユーザが所望する地域向けの言語を用いて画面表示することが可能な試料分析装置が開示されている。
【0004】
また、従来から、分析装置は複数の地域で使用され、その複数の地域のうち、所定地域で使用される分析装置のみに特有の制御を行わせる付加機能を設けることがある。この場合、所定地域で使用される分析装置には、他の地域とは異なる所定地域向けのアプリケーションプログラムをインストールすることによって、分析装置にその所定地域に特有の制御を行わせることが一般的である。
【0005】
【特許文献1】特開2002−3051591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の試料分析装置を所定地域で使用する際に、試料分析装置にその所定地域に特有の制御を行わせるための所定地域向けのアプリケーションプログラムをインストールし、その後、ユーザが他の地域のアプリケーションプログラムをインストールした場合に、ユーザが他の地域向けのアプリケーションプログラムを起動すると、試料分析装置は他の地域向けの制御を行ってしまうという不都合がある。すなわち、この試料分析装置では、所定地域で使用される場合であるにもかかわらず、他の地域向けのアプリケーションプログラムが起動されてしまうと、所定地域に特有の制御が行われないという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、所定地域で使用される際に、所定地域以外の他の地域向けのアプリケーションプログラムが起動された場合にも、その所定地域向けの制御を行うことが可能な分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における分析装置は、検体を測定し、測定データを取得する測定部と、測定部によって取得された測定データを分析し、分析結果を取得する分析部と、分析部によって取得された分析結果を表示する表示部とを備えている。さらに、この分析装置は、第1の地域向けの第1アプリケーションプログラムが起動すると、測定部、分析部および表示部の少なくとも1つを第1の地域向けに制御し、第2の地域向けの第2アプリケーションプログラムが起動すると、測定部、分析部および表示部の少なくとも1つを第2の地域向けに制御することが可能に構成された制御部と、制御部による制御が第1の地域向けであることを記憶可能に構成された記憶部とを備えている。また、記憶部に制御部による制御が第1の地域向けであることが記憶されている場合には、制御部は、第2アプリケーションプログラムが起動したとき、測定部、分析部および表示部の少なくとも1つを第1の地域向けに制御するように構成されている。
【0009】
この発明の第1の局面による分析装置では、上記のように、第1の地域向けの第1アプリケーションプログラムが起動すると、測定部、分析部および表示部の少なくとも1つを第1の地域向けに制御し、第2の地域向けの第2アプリケーションプログラムが起動すると、測定部、分析部および表示部の少なくとも1つを第2の地域向けに制御することが可能に構成された制御部を設けることによって、1つの制御部で異なる地域向けの制御を行うことができる。また、この分析装置では、制御部による制御が第1の地域向けであることを記憶可能に構成された記憶部を設け、記憶部に制御部による制御が第1の地域向けであることが記憶されている場合には、第2アプリケーションプログラムが起動した場合にも、制御部を、測定部、分析部および表示部の少なくとも1つを第1の地域向けに制御するように構成することによって、分析装置を第1の地域で使用する際に、制御部による制御が第1の地域向けであることが記憶部に記憶されていれば、ユーザが第2アプリケーションプログラムを起動したとしても、第1の地域向けの制御を行うことができる。すなわち、この第1の局面による分析装置では、第1の地域で使用される際に、第1の地域以外の第2の地域向けの第2アプリケーションプログラムが起動された場合にも、第1の地域向けの制御を行うことができる。
【0010】
上記第1の局面による分析装置において、好ましくは、記憶部は、制御部による制御が第1の地域向けであることを示すフラグを記憶可能に構成されている。このように構成すれば、記憶部はオン状態であるかオフ状態であるかのフラグの2つの状態を記憶するだけでよいので、容易に、制御部による制御が第1の地域向けであることを記憶することができる。
【0011】
上記第1の局面による分析装置において、好ましくは、第1アプリケーションプログラムまたは第2アプリケーションプログラムが起動すると、記憶部に対し、制御部による制御が第1の地域向けであるか、または、第2の地域向けであるかの通知を行う通知手段をさらに備え、記憶部は、通知手段による通知が第1の地域向けであるとき、制御部による制御が第1の地域向けであることを記憶するように構成されている。このように構成すれば、通知手段による通知に基づいて、容易に、制御部による制御が第1の地域向けであることを記憶部に記憶させることができる。
【0012】
この場合、好ましくは、通知手段による通知を受けると、記憶部の記憶内容を制御部に送信する送信手段をさらに備え、制御部は、送信手段によって送信された記憶部の記憶内容に基づいて、測定部、分析部および表示部の少なくとも1つを第1の地域向けまたは第2の地域向けに制御するように構成されている。このように構成すれば、制御部は、容易に、第1の地域向けの制御を行うか、または、第2の地域向けの制御を行うかを判断することができる。
【0013】
上記第1の局面による分析装置において、好ましくは、制御部による制御が第1の地域向けであることの情報が記憶部に記憶されているとき、情報の更新を禁止する更新禁止手段をさらに備える。このように構成すれば、一旦制御部による制御が第1の地域向けであると記憶部に記憶されると、その後は、起動されるアプリケーションプログラムにかかわらず、常に第1の地域向けの制御を行うことができる。
【0014】
上記第1の局面による分析装置において、好ましくは、第1アプリケーションプログラムが起動した場合と、第2アプリケーションプログラムが起動した場合とで、表示態様が異なるように表示部を制御する表示制御手段をさらに備える。このように構成すれば、第1アプリケーションプログラムおよび第2アプリケーションプログラムのいずれのアプリケーションプログラムが起動されたかを、ユーザは視覚的に容易に確認することができる。
【0015】
上記第1の局面による分析装置において、好ましくは、制御部は、記憶部に制御部による制御が第1の地域向けであることが記憶されている場合には、第2アプリケーションプログラムが起動したとき、表示部に対して第1の地域向けに制御するように構成されている。このように構成すれば、制御部による制御が第1の地域向けであることが記憶部に記憶されていれば、第1の地域以外の第2の地域向けの第2アプリケーションプログラムが起動された場合にも、第1の地域向けの表示を行うことができる。
【0016】
上記第1の局面による分析装置において、第1の地域を第1の国とし、第2の地域を第2の国としてもよい。
【0017】
上記第1の局面による分析装置において、好ましくは、第1アプリケーションプログラムがインストールされた後に、第2アプリケーションプログラムがインストールされた場合にも、制御部は、記憶部に制御部による制御が第1の地域向けであることが記憶されている場合には、測定部、分析部および表示部の少なくとも1つを第1の地域向けに制御するように構成されている。このように構成すれば、たとえば、第2アプリケーションプログラムが第1アプリケーションプログラムに対して上書きするようにインストールされたとしても、制御部による制御が第1の地域向けであることが記憶部に記憶されていれば、第1の地域以外の第2の地域向けの第2アプリケーションプログラムが起動された場合にも、第1の地域向けの制御を行うことができる。
【0018】
上記第1の局面による分析装置において、好ましくは、第2アプリケーションプログラムは、測定部、分析部および表示部の少なくとも1つを第1の地域向けに制御するプログラムと、測定部、分析部および表示部の少なくとも1つを第2の地域向けに制御するプログラムとを含む。このように構成すれば、第1アプリケーションプログラムがアンインストールされて分析装置内から削除されたり、第2アプリケーションプログラムが第1アプリケーションプログラムに対して上書きするようにインストールされたりしたとしても、制御部による制御が第1の地域向けであることが記憶部に記憶されていれば、第1の地域以外の第2の地域向けの第2アプリケーションプログラムが起動された場合にも、第2アプリケーションプログラムにより第1の地域向けの制御を行うことができる。
【0019】
上記第1の局面による分析装置において、第1アプリケーションプログラムと第2アプリケーションプログラムとは、実質的に同じであってもよい。このように構成すれば、第1アプリケーションプログラムおよび第2アプリケーションプログラムを開発するのに必要な工数を少なくすることができる。
【0020】
上記第1の局面による分析装置において、好ましくは、少なくとも制御部を含む制御装置と、測定部および記憶部を含み、制御装置に接続される測定装置とをさらに備える。このように構成すれば、制御部が含まれる制御装置とは別体の測定装置に記憶部を設けることができるので、ユーザにより制御装置が初期化(フォーマット)されて、制御装置内のすべての記憶が削除された場合や、制御装置を別の制御装置に交換する場合にも、記憶部の記憶内容を確実に保存しておくことができる。これにより、制御部による制御が第1の地域向けであることが記憶部に記憶されていれば、第1の地域以外の第2の地域向けの第2アプリケーションプログラムが起動された場合にも、確実に、第1の地域向けの制御を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
まず、図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態による尿中有形成分分析装置1の構成について説明する。
【0023】
本発明の一実施形態による尿中有形成分分析装置1は、図1に示すように、尿中に含まれる有形成分をフローサイトメータにより光学的に測定する測定装置2と、測定装置2から出力された測定値を処理して分析結果を得る制御装置3とにより構成されている。
【0024】
測定装置2には、図2に示すように、検体分配部201と、試料調製部202と、光学検出部203と、光学検出部203による出力の増幅やフィルタ処理などを行うアナログ信号処理回路204と、アナログ信号処理回路204の出力をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ205と、デジタル信号に対して所定の波形処理を行うデジタル信号処理回路206とが設けられている。さらに、測定装置2には、デジタル信号処理回路206に接続されたメモリ207と、アナログ信号処理回路204およびデジタル信号処理回路206に接続されたCPU208と、CPU208に接続されたLANアダプタ209とが設けられている。制御装置3は、LANアダプタ209を介して測定装置2にLAN接続されている。また、アナログ信号処理回路204、A/Dコンバータ205、デジタル信号処理回路206およびメモリ207は、光学検出部203が出力する電気信号に対する信号処理回路210を構成している。また、測定装置2には、CPU208に接続されたBBURAM(Battery Backup RAM)などからなるメモリ211が設けられている。
【0025】
検体分配部201は、尿(検体)を所定の分配量で試料調製部202に分注するように構成されている。また、試料調製部202は、検体分配部201により分注された尿(検体)および試薬から測定試料を調製し、調製された測定試料をシース液とともに後述する光学検出部203のシースフローセル203c(図3参照)に供給するように構成されている。
【0026】
光学検出部203は、図3に示すように、レーザ光を出射する発光部203aと、照射レンズユニット203bと、レーザ光が照射されるシースフローセル203cと、発光部203aから出射されるレーザ光が進む方向の延長線上に配置されている集光レンズ203d、ピンホール203eおよびPD(フォトダイオード)203fと、発光部203aから出射されるレーザ光が進む方向と交差する方向に配置されている集光レンズ203g、ダイクロイックミラー203h、光学フィルタ203i、ピンホールを有するピンホール板203jおよびPMT(光電子倍増管)203kと、ダイクロイックミラー203hの側方に配置されているPD203lとを含んでいる。
【0027】
発光部203aは、シースフローセル203cの内部を通過する測定試料を含む試料流に対して光を出射するために設けられている。また、照射レンズユニット203bは、発光部203aから出射された光を平行光にするために設けられている。また、PD203fは、シースフローセル203cから出射された前方散乱光を受光するために設けられている。
【0028】
ダイクロイックミラー203hは、シースフローセル203cから出射された側方散乱光および側方蛍光を分離するために設けられている。具体的には、ダイクロイックミラー203hは、シースフローセル203cから出射された側方散乱光をPD203lに入射させるとともに、シースフローセル203cから出射された側方蛍光をPMT203kに入射させるために設けられている。また、PD203lは、側方散乱光を受光するために設けられている。また、PMT203kは、側方蛍光を受光するために設けられている。また、PD203f、203lおよびPMT203kは、それぞれ、受光した光信号を電気信号に変換する機能を有する。
【0029】
アナログ信号処理回路204は、図3に示すように、アンプ204a、204bおよび204cを含んでいる。また、アンプ204a、204bおよび204cは、それぞれ、PD203f、203lおよびPMT203kから出力された電気信号を増幅および波形処理するために設けられている。
【0030】
また、メモリ211は、交換された新しい試薬が専用の試薬(純正品)であるか否かを示す情報(判定結果情報)を記憶するように構成されている。具体的には、メモリ211は、後述する制御装置3のCPU301aが専用の試薬であるか否かを判定し、その判定結果に基づいた判定結果情報を記憶するように構成されている。
【0031】
制御装置3は、図1に示すように、パーソナルコンピュータ(PC)などから構成されている。また、制御装置3は、制御部301と、表示部302と、入力デバイス303とを含んでいる。制御装置3は、ユーザの操作を受け付け、測定装置2に動作命令を送信し、測定装置2から測定データ(測定値)を受信し、その測定データを処理して分析結果を表示する機能を有する。また、制御部301は、図4に示すように、CPU301aと、ROM301bと、RAM301cと、ハードディスク301dと、読出装置301eと、入出力インターフェース301fと、画像出力インターフェース301gと、通信インタフェース301iとにより構成されている。CPU301a、ROM301b、RAM301c、ハードディスク301d、読出装置301e、入出力インターフェース301f、画像出力インターフェース301gおよび通信インタフェース301iは、バス301hによって接続されている。
【0032】
CPU301aは、ROM301bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM301cにロードされたコンピュータプログラムを実行するために設けられている。ROM301bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されており、CPU301aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータなどが記録されている。また、CPU301aは、測定装置2によって測定された測定値を処理して分析結果を得、その分析結果を表示するための分析結果画面500(図11参照)に応じた映像信号を画像出力インターフェース301gに出力する機能を有している。
【0033】
また、ユーザによって測定装置2で使用する試薬が交換される際に、CPU301aは、図示しない試薬交換画面を表示部302に表示するように映像信号を画像出力インターフェース301gに出力する。この試薬交換画面は、ユーザが、試薬容器(図示せず)に付された27桁からなる固有のReagent Code(試薬コード)を入力することが可能なように構成されている。ここで、Reagent Codeとは、測定装置2による測定に適正な専用の試薬(純正品)に固有の情報、たとえば、有効期限やトレーサビリティを取るためのロット番号などを格納した暗号化された27桁の試薬コードである。このReagent Codeは、たとえば、MD(Message Digest Algorithm)5などのハッシュ関数を用いて暗号化されるとともに、暗号化された27桁の英数字に基づいて、測定装置2で使用するのに適正な専用の試薬(純正品)であるか否かがCPU301aによって判定可能なように構成されている。
【0034】
また、CPU301aは、使用中の試薬の残量を測定し、その試薬のReagent Codeとともに残量の情報をハードディスク301dに記憶するように構成されている。また、ハードディスク301dは、過去に使用された複数の試薬のReagent Codeおよび残量の情報を試薬交換履歴として記憶することが可能である。また、CPU301aは、Reagent Codeおよび残量情報の両方に基づいて、交換された新しい試薬が専用の試薬(純正品)であるか否かを判定するように構成されている。
【0035】
RAM301cは、SRAMまたはDRAMなどによって構成されている。RAM301cは、ROM301bおよびハードディスク301dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU301aの作業領域として利用される。
【0036】
ハードディスク301dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU301aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。後述するアプリケーションプログラム304aまたは305aも、このハードディスク301dにインストールされている。
【0037】
読出装置301eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブなどによって構成されており、可搬型記録媒体304および305などに記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体304には、コンピュータに所定の機能を実現させるためのアプリケーションプログラム304aと、アプリケーションプログラム304aをコンピュータにインストールするためのインストールプログラム304bとが格納されている。また、可搬型記録媒体305には、可搬型記録媒体304と同様に、コンピュータに所定の機能を実現させるためのアプリケーションプログラム305aと、アプリケーションプログラム305aをコンピュータにインストールするためのインストールプログラム305bとが格納されている。インストールプログラム304bが起動されると、制御装置3としてのコンピュータがその可搬型記録媒体304から、アプリケーションプログラム304aを読み出し、そのアプリケーションプログラム304aをハードディスク301dにインストールすることが可能である。また、可搬型記録媒体305も、可搬型記録媒体304と同様に構成されている。ここで、可搬型記録媒体304は、A国向けに提供されるものであり、可搬型記録媒体305は、A国以外の国(たとえば、B国、C国およびD国など)向けに提供されるものである。なお、本実施形態では、可搬型記録媒体304に格納されたアプリケーションプログラム304aと、可搬型記録媒体305に格納されたアプリケーションプログラム305aとは、実質的に同じ内容のアプリケーションプログラムである。各アプリケーションプログラムには、A国向けの制御、および、A国以外の国(たとえば、B国、C国およびD国など)向けの制御を制御装置3に行わせるプログラムが含まれている。
【0038】
また、上記アプリケーションプログラム304aおよび305aは、それぞれ、可搬型記録媒体304および305によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータと通信可能に接続された外部の機器から上記電気通信回線を通じて提供することも可能である。たとえば、上記アプリケーションプログラム304aまたは305aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータがアクセスして、そのアプリケーションプログラム304aまたは305aをダウンロードし、これをハードディスク301dにインストールすることも可能である。
【0039】
また、ハードディスク301dには、たとえば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施形態に係るアプリケーションプログラム304aおよび305aは上記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0040】
入出力インターフェース301fは、たとえば、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェースなどから構成されている。入出力インターフェース301fには、キーボードおよびマウスからなる入力デバイス303が接続されており、ユーザがその入力デバイス303を使用することにより、制御装置3にデータを入力することが可能である。また、入出力インターフェース301fには、プリンタなどからなる出力デバイス306が接続されている。
【0041】
通信インタフェース301iは、Ethernet(登録商標)インタフェースであり、データ処理装置3は、当該通信インタフェース301iにより、所定の通信プロトコル(TCP/IP)を使用してLANケーブルにより接続された測定装置2との間でデータの送受信が可能である。
【0042】
画像出力インターフェース301gは、LCDまたはCRTなどで構成された表示部302に接続されており、CPU301aから与えられた映像信号を表示部302に出力するようになっている。表示部302は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0043】
次に、図4および図5を参照して、本発明の一実施形態による尿中有形成分分析装置1において、A国向けの可搬型記録媒体304からアプリケーションプログラム304aがインストールされる際の動作について説明する。
【0044】
まず、図5のステップS1において、可搬型記録媒体304が制御装置3の読出装置301e(図4参照)にセットされた後、CPU301aにより、ユーザがインストールプログラム304bを起動したか否かが判断される。ユーザによる起動指示がない場合には、この判断が繰り返され、起動指示があった場合には、ステップS2において、インストールプログラム304bが起動される。なお、ユーザが指示を行うことなく、読出装置301eが可搬型記録媒体304の内容を読み出す際に、自動的にインストールプログラム304bの起動が行われる構成であってもよい。そして、ステップS3において、制御装置3がA国向け仕様に自動的に設定され、ステップS4において、アプリケーションプログラム304aがハードディスク301dにインストールされる。これにより、ユーザがこのアプリケーションプログラム304aの起動指示をした場合には、アプリケーションプログラム304aは、制御装置3がA国向け仕様に設定された状態で起動される。ここで、本実施形態では、上記したA国向け仕様の他、後述するようにB国、C国およびD国向けの仕様を示すが、各仕様は、それぞれの国の法規制などに対応するように、分析結果画面のレイアウトや出力フォーマットなどが異なっている。また、本実施形態の尿中有形成分分析装置1は、ユーザが、日本語、英語、中国語などの複数の言語から好みの表示言語を選択することが可能なように構成されており、上記したいずれの仕様に設定されている場合にも、ユーザはいずれの表示言語も選択することが可能である。その後、動作が終了される。
【0045】
次に、図4および図6を参照して、本発明の一実施形態による尿中有形成分分析装置1において、A国以外の国向けの可搬型記録媒体305からアプリケーションプログラム305aがインストールされる際の動作について説明する。
【0046】
まず、図6のステップS11において、可搬型記録媒体305が制御装置3の読出装置301e(図4参照)にセットされた後、CPU301aにより、ユーザがインストールプログラム305bを起動したか否かが判断される。ユーザによる起動指示がない場合には、この判断が繰り返され、起動指示があった場合には、ステップS12において、インストールプログラム305bが起動される。そして、ステップS13において、CPU301aにより、ユーザが仕向け国を選択したか否かが判断される。ここで、このA国以外の国向けのインストールプログラム305bが起動された場合には、ユーザは、A国以外の国、B国、C国またはD国いずれかの国向けの仕様に制御装置3を設定するように、図示しない仕向け国選択画面から仕向け国を選択することが可能である。
【0047】
そして、ユーザが仕向け国を選択するまでステップ13の判断は繰り返される。ユーザが仕向け国を選択した場合には、ステップS14において、制御装置3が選択された国向けの仕様に設定され、ステップS15において、アプリケーションプログラム305aがハードディスク301dにインストールされる。これにより、ユーザからこのインストールされたアプリケーションプログラム305aの起動指示があった場合には、アプリケーションプログラム305aは、制御装置3がユーザにより選択された国向けの仕様に設定された状態で起動される。その後、動作が終了される。
【0048】
次に、図2、図4および図7を参照して、本発明の一実施形態による尿中有形成分分析装置1において、試薬が純正品か否かの情報を更新する純正品フラグ更新動作について説明する。
【0049】
まず、図7のステップS101において、制御装置3側では、試薬の交換が実行されたか否かが判断され、実行されていない場合には、この判断が繰り返される。実行された場合には、ステップS102において、交換された試薬が純正品であるか否かを判定した判定結果情報の信号が測定装置2に送信され、動作が終了される。なお、交換された試薬が純正品であるか否かは、交換の際に入力される各試薬に固有のReagent Codeに基づいて、CPU301a(図4参照)により判定される。
【0050】
一方、測定装置2側では、ステップS201において、制御装置3から送信される判定結果情報の信号が受信される。そして、ステップS202において、試薬交換におけるシーケンス制御が実行される。この試薬交換におけるシーケンス制御とは、次回の測定を行うための準備動作である。具体的には、試薬交換が行われると試薬が通流するチューブに空気が入っていたり、本来試薬が存在していなければならないチューブ中の空間に試薬が存在していない状態となる。そこで試薬交換におけるシーケンス制御では、新たにセットされた試薬容器から試薬を吸引し、前記チューブ中に試薬が充填される。
【0051】
次に、ステップS203において、受信した判定結果情報の信号に基づいて、専用の試薬(純正品)か否かの情報がメモリ211(図2参照)に記憶される。具体的には、専用の試薬(純正品)である場合には、メモリ211に記憶された純正品フラグがオン状態になるように更新され、非専用の試薬(非純正品)である場合には、純正品フラグがオフ状態になるように更新される。その後、測定装置2の動作が終了される。
【0052】
次に、図2、図4、図8および図9を参照して、本発明の一実施形態による尿中有形成分分析装置1において、非専用の試薬が用いられた場合の警告メッセージを表示する動作について説明する。
【0053】
まず、図8のステップS211において、測定装置2のメモリ211(図2参照)に記憶された純正品フラグの状態に基づいて、制御装置3に試薬情報信号が送信される。具体的には、純正品フラグがオン状態である場合には、使用される試薬が専用の試薬(純正品)であることを知らせる信号が制御装置3に送信され、純正品フラグがオフ状態である場合には、非専用の試薬(非純正品)であることを知らせる信号が送信され、動作が終了される。
【0054】
制御装置3では、ステップS111において、測定装置2から送信された試薬情報信号が受信され、ステップS112において、CPU301a(図4参照)により、受信した試薬情報信号に基づいて、専用の試薬(純正品)であるか否かが確認される。専用の試薬(純正品)である場合には、そのまま動作が終了される一方、非専用の試薬(非純正品)である場合には、ステップS113において、図9に示すように、警告画面400が表示される。警告画面400には、試薬交換時にReagent Codeが正しく入力されていない旨、および、分析結果の保証ができない旨の警告が表示される。その後、制御装置3の動作が終了される。なお、この動作は、尿中有形成分分析装置1が起動を開始する際などに行われる。
【0055】
図11は、図1に示した一実施形態による尿中有形成分分析装置の分析結果画面を示した図である。次に、図2、図4、図10および図11を参照して、本発明の一実施形態による尿中有形成分分析装置1の起動、測定および分析の動作について説明する。
【0056】
ここで、本実施形態では、ユーザにより測定装置2が起動されるとともに、制御装置3にインストールされたアプリケーションプログラム304a(305a)が起動されると、図10のステップS121において、CPU301aにより、制御装置3がどこの国向けの仕様に設定されているかの制御装置仕様情報が測定装置2に送信される。この際、ユーザがA国向けのアプリケーションプログラム304aを起動した場合には、表示部302に表示される画面の背景が赤色に表示され、ユーザがA国以外の国向けのアプリケーションプログラム305aを起動した場合には、背景が青色に表示される。
【0057】
また、本実施形態では、測定装置2側は、ステップS221において、CPU208により、制御装置3から送信された制御装置仕様情報が受信されたか否かが判断され、受信されるまでこの判断が繰り返される。制御装置仕様情報を受信した場合には、ステップS222において、受信した制御装置仕様情報に基づいて、CPU208により、制御装置3がA国向け仕様であるか否かが判断される。A国向け仕様である場合には、ステップS223において、CPU208により、BBURAM(Battery Backup RAM)などからなるメモリ211に、制御装置3がA国向け仕様であることの情報が記憶される。具体的には、CPU208により、A国向け仕様フラグがオン状態に更新され、メモリ211に記憶される。ここで、本実施形態では、このA国向け仕様フラグは、一旦オン状態に更新されると、オフ状態に戻すことができないようにメモリ211に記憶される。一方、A国向け仕様ではない、B国、C国またはD国向けの仕様である場合には、A国向け仕様フラグをオン状態に更新することなく、動作がステップS224に移行される。そして、ステップS224において、CPU208により、測定装置2側から制御装置3側に、A国向け仕様フラグの状態情報が送信される。すなわち、測定装置2から制御装置3に、測定装置2のメモリ211に記憶されるA国向け仕様フラグがオン状態であるか、または、オフ状態であるかの情報が送信される。
【0058】
そして、制御装置3側では、ステップS122において、CPU301aにより、測定装置2から送信されたA国向け仕様フラグの状態情報が受信されたか否かが判断される。この判断は、仕様フラグ状態情報が受信されるまで繰り返され、受信されると、ステップS123において、CPU301aにより、測定装置2のA国向け仕様フラグがオン状態であるか否かが判断される。A国向け仕様フラグがオン状態である場合には、ステップS124において、後述するA国向けに特有の制限が働くように、アプリケーションプログラム304a(305a)内で制限機能がオン状態に設定される。なお、A国以外の国向けのアプリケーションプログラム305aが起動した場合であっても、ステップS124では、A国向けに特有の制限機能がオン状態に設定される。すなわち、たとえば、最初A国向けのアプリケーションプログラム304aが制御装置3にインストールされ、測定装置2のA国向け仕様フラグがオン状態に更新された後、制御装置3に、A国以外の国向けのアプリケーションプログラム305aが上書き的にインストールされた場合には、制御装置3はB国、C国またはD国向けの仕様であるが、A国向けに特有の制限機能(分析結果の出力制限機能)が働く状態になる。
【0059】
一方、ステップS123の判断において、測定装置2のA国向け仕様フラグがオフ状態である場合には、ステップS125において、CPU301aにより、ユーザから測定開始の指示があったか否かが判断される。測定開始の指示があった場合には、ステップS126において、CPU301aにより、測定開始の信号が測定装置2側に送信される。
【0060】
測定装置2側では、ステップS225において、CPU208により、制御装置3から送信された測定開始の信号が受信されたか否かが判断され、信号が受信されると、ステップS226において、測定装置2による尿中の有形成分の測定が開始される。そして、ステップS227において、測定が完了したか否かが判断され、測定が完了していない場合には、測定を継続しながら、この判断が繰り返される。測定が完了した場合には、ステップS228において、LANアダプタ209を介して制御装置3に測定値データが送信され、測定装置2側の動作が終了される。
【0061】
制御装置3側では、ステップS127において、測定装置2から送信された測定値データが受信され、ステップS128において、受信した測定値データに基づいて、測定値の処理(解析処理)が行われる。そして、ステップS129において、CPU301aにより、A国向けに特有の制限機能がオン状態に設定されているか否かが判断され、A国向けに特有の制限機能がオン状態でない場合には、動作がステップS132に移行される。制限機能がオン状態である場合には、ステップS130において、メモリ211に記憶された純正品フラグの状態に基づいて、CPU301aにより、使用されている試薬が専用の試薬(純正品)であるか否かが判断される。専用の試薬(純正品)である場合には、ステップS132において、図示しない分析結果画面が表示され、動作が終了される。
【0062】
一方、非専用の試薬(非純正品)である場合には、ステップS131において、分析結果の出力制限がなされ、ステップS132において、出力制限がなされた分析結果画面500が表示部302に表示される。具体的には、図10に示すように、メインタブ500cが選択された状態の分析結果画面500において、全ての基本項目の欄に、表示領域500aのアスタリスク表示(*)が付される。これは、非専用の試薬(非純正品)による測定であり、分析結果の信頼性が低いので、検査技師による再検査が望ましいことを示している。また、分析結果画面500の左上の表示領域500bには、再検査が望ましい検体であることをユーザが容易に認識することができるように、REVIEW表示が目立つように赤色に表示される。また、分析結果の信頼性が低いため、重要度の低い表示領域500dのリサーチ項目についての数値データは、全てハイフン記号(−)により非表示化されるとともに、表示領域500eのスキャッタグラムも非表示化される。これにより、この尿中有形成分分析装置1が信頼性の低い分析結果をユーザに提供してしまうのを、極力少なくすることが可能である。ここで、本実施形態において、基本項目とは、RBC(赤血球)、WBC(白血球)、EC(上皮細胞)、CAST(円柱)およびBACT(細菌)に関する項目であり、リサーチ項目とは、X‘TAL(結晶)、YLC(酵母様真菌)、SRC(小型円形細胞)、Path.CAST(細胞成分などを含む病的な円柱)、MUCUS(粘液糸)、SPERM(精子)およびCオンd.(尿導電率)に関する項目である。なお、本実施形態では、ステップS130およびS131における動作が、A国向けに特有の制限機能による動作である。
【0063】
本実施形態では、上記のように、A国向けのアプリケーションプログラム304aが起動すると、表示部302をA国向けに制御し、A国以外の国向けのアプリケーションプログラム305aが起動すると、表示部302をA国以外の国向けに制御することが可能に構成されたCPU301aを設けることによって、1つのCPU301aで異なる国向けの制御を行うことができる。また、この尿中有形成分分析装置1では、メモリ211にCPU301aによる制御がA国向けであることが記憶されている場合には、A国以外の国向けのアプリケーションプログラム305aが起動した場合にも、CPU301aを、表示部302にA国向けの特有の制御を行うように構成することによって、尿中有形成分分析装置1をA国で使用する際に、CPU301aによる制御がA国向けであることがメモリ211に記憶されていれば、ユーザがA国以外の国向けのアプリケーションプログラム305aを起動したとしても、A国向けの制御を行うことができる。すなわち、この尿中有形成分分析装置1では、A国で使用される際に、A国以外の国向けのアプリケーションプログラム305aが起動された場合にも、A国向けの制御を行うことができる。
【0064】
また、本実施形態では、CPU301aを、A国向けのアプリケーションプログラム304aが起動した場合には、画面の背景を赤色に表示し、A国以外の国向けのアプリケーションプログラム305aが起動した場合には、画面の背景を青色に表示するよう表示部302を制御するように構成することによって、A国向けのアプリケーションプログラム304aおよびA国以外の国向けのアプリケーションプログラム305aのいずれのアプリケーションプログラムが起動されたかを、ユーザは表示部302の背景色によって、視覚的に容易に確認することができる。
【0065】
また、本実施形態では、好ましくは、A国以外の国向けのアプリケーションプログラム305aに、表示部302をA国向けに制御するプログラムと、表示部302をA国以外の国向けに制御するプログラムとを設けることによって、A国向けのアプリケーションプログラム304aがアンインストールされて制御装置3内から削除されたとしても、CPU301aによる制御がA国向けであることがメモリ211に記憶されていれば、A国以外の国向けのアプリケーションプログラム305aが起動された場合にも、A国向けの制御を行うことができる。
【0066】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0067】
たとえば、上記実施形態では、本発明を分析装置の一例である尿中有形成分分析装置に適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、多項目血球分析装置、血液凝固測定装置、免疫分析装置等の他の検体分析装置に適用してもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、A国向けに特有の制限が、表示部に表示される分析結果の出力制限である例を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、測定装置においてリサーチ項目についての測定を行わないという制限や、制御装置においてリサーチ項目についての分析を行わないという制限であってもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、測定装置のA国向け仕様フラグがオン状態である場合には、制御装置の仕様はそのままで、A国向けに特有の制限機能だけをオン状態に設定する例を示したが、本発明はこれに限らず、測定装置のA国向け仕様フラグがオン状態である場合には、A国向けに特有の制限機能をオン状態に設定するのに加えて、制御装置の仕様もA国向けに設定するようにしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、A国向けのアプリケーションプログラムとA国以外の国向けのアプリケーションプログラムとが、実質的に同じ内容のアプリケーションプログラムである例を示したが、本発明はこれに限らず、互いに異なる内容のアプリケーションプログラムであってもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、アプリケーションプログラム304aが起動した場合には、第1の色で背景を表示し、アプリケーションプログラム305aが起動した場合には、第2の色で背景を表示する例を示したが、これに限定されるものではなく、アプリケーションプログラム304aが起動した場合とアプリケーションプログラム305aが起動した場合とで表示態様が異なるように表示部302を制御すればよく、例えば、アプリケーションプログラムの種類を識別するために、表示部に表示されるウインドウの一部やタイトルバーの色を変化させたり、制御装置3にLED等の表示装置を設けて、その表示色を変化させてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、A国とそれ以外の国とで制御を変更する例を示したが、A国とB国と、それ以外の国とで制御を変更するようにしてもよい。例えば、図10のステップS222で制御装置がA国向けではない(ステップS222でNO)と判断されたのち、制御装置がB国向けであるか否かを判断し、B国向けであれば、メモリ207においてB国向け仕様フラグをオン状態に更新する。そして、ステップS224でB国向けフラグがオン状態であることを示す情報を送信する。さらに、ステップS131で、制御装置側のCPU301aは、B国向けの分析結果出力制限を実行する。このように構成することで、一旦A国向けのアプリケーションプログラムがインストールされたときには、他の国向けに変更することができないとともに、一旦B国向けのアプリケーションプログラムがインストールされたときにも、他の国向けに変更することができない。
【0073】
また、上記実施形態では、B国乃至D国向けのアプリケーションプログラムをインストールしたのちにA国向けのアプリケーションプログラムをインストールした場合には、A国向けの制御が実行されるが、B国乃至D国向けのアプリケーションプログラムをインストールしたのちにA国向けのアプリケーションプログラムをインストールした場合にも、最初にインストールされたB国乃至D国向けの制御が実行されるようにしてもよい。例えば、図10のステップS222で制御装置がA国向けではない(ステップS222でNO)と判断されたのち、制御装置がB国向けであるか否かを判断し、B国向けであれば、メモリ207においてB国向け仕様フラグをオン状態に更新する。その後、A国向けのアプリケーションプログラムがインストールされたとしても、B国向け仕様フラグのオン状態を変更しない。すなわちステップS223において、B国向け仕様フラグがオン状態である場合には、A国向け仕様フラグをオン状態に更新しないようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態による尿中有形成分分析装置を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による尿中有形成分分析装置の測定装置の構成を示したブロック図である。
【図3】図1に示した一実施形態による尿中有形成分分析装置の測定装置の光学検出部の構成を説明するための図である。
【図4】図1に示した一実施形態による尿中有形成分分析装置の制御装置の構成を示したブロック図である。
【図5】図1に示した一実施形態による尿中有形成分分析装置において、A国向けの可搬型記録媒体からアプリケーションプログラムがインストールされる際の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図1に示した一実施形態による尿中有形成分分析装置において、A国以外の国向けの可搬型記録媒体からアプリケーションプログラムがインストールされる際の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】図1に示した一実施形態による尿中有形成分分析装置において、試薬が純正品か否かの情報を更新する動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】図1に示した一実施形態による尿中有形成分分析装置において、非専用の試薬が用いられた場合の警告メッセージを表示する動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図1に示した一実施形態による尿中有形成分分析装置の警告画面を示した図である。
【図10】図1に示した一実施形態による尿中有形成分分析装置の起動、測定および分析の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】図1に示した一実施形態による尿中有形成分分析装置の分析結果画面を示した図である。
【符号の説明】
【0075】
1 尿中有形成分分析装置(分析装置)
2 測定装置(測定部)
3 制御装置(分析部)
208 CPU(送信手段)
211 メモリ(記憶部)
301 制御部
301a CPU(通知手段、表示制御手段)
302 表示部
304a アプリケーションプログラム(第1アプリケーションプログラム)
305a アプリケーションプログラム(第2アプリケーションプログラム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を測定し、測定データを取得する測定部と、
前記測定部によって取得された前記測定データを分析し、分析結果を取得する分析部と、
前記分析部によって取得された前記分析結果を表示する表示部と、
第1の地域向けの第1アプリケーションプログラムが起動すると、前記測定部、前記分析部および前記表示部の少なくとも1つを前記第1の地域向けに制御し、第2の地域向けの第2アプリケーションプログラムが起動すると、前記測定部、前記分析部および前記表示部の少なくとも1つを前記第2の地域向けに制御することが可能に構成された制御部と、
前記制御部による制御が前記第1の地域向けであることを記憶可能に構成された記憶部とを備え、
前記記憶部に前記制御部による制御が前記第1の地域向けであることが記憶されている場合には、前記制御部は、前記第2アプリケーションプログラムが起動したとき、前記測定部、前記分析部および前記表示部の少なくとも1つを前記第1の地域向けに制御するように構成されている、分析装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記制御部による制御が前記第1の地域向けであることを示すフラグを記憶可能に構成されている、請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記第1アプリケーションプログラムまたは前記第2アプリケーションプログラムが起動すると、前記記憶部に対し、前記制御部による制御が前記第1の地域向けであるか、または、前記第2の地域向けであるかの通知を行う通知手段をさらに備え、
前記記憶部は、前記通知手段による前記通知が前記第1の地域向けであるとき、前記制御部による制御が前記第1の地域向けであることを記憶するように構成されている、請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記通知手段による前記通知を受けると、前記記憶部の記憶内容を前記制御部に送信する送信手段をさらに備え、
前記制御部は、前記送信手段によって送信された前記記憶部の記憶内容に基づいて、前記測定部、前記分析部および前記表示部の少なくとも1つを前記第1の地域向けまたは前記第2の地域向けに制御するように構成されている、請求項3に記載の分析装置。
【請求項5】
前記制御部による制御が前記第1の地域向けであることの情報が前記記憶部に記憶されているとき、前記情報の更新を禁止する更新禁止手段をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項6】
前記第1アプリケーションプログラムが起動した場合と、前記第2アプリケーションプログラムが起動した場合とで、表示態様が異なるように前記表示部を制御する表示制御手段をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記記憶部に前記制御部による制御が前記第1の地域向けであることが記憶されている場合には、前記第2アプリケーションプログラムが起動したとき、前記表示部に対して前記第1の地域向けに制御するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項8】
前記第1の地域は第1の国であり、前記第2の地域は第2の国である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項9】
前記第1アプリケーションプログラムがインストールされた後に、前記第2アプリケーションプログラムがインストールされた場合にも、前記制御部は、前記記憶部に前記制御部による制御が前記第1の地域向けであることが記憶されている場合には、前記測定部、前記分析部および前記表示部の少なくとも1つを前記第1の地域向けに制御するように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項10】
前記第2アプリケーションプログラムは、前記測定部、前記分析部および前記表示部の少なくとも1つを前記第1の地域向けに制御するプログラムと、前記測定部、前記分析部および前記表示部の少なくとも1つを前記第2の地域向けに制御するプログラムとを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項11】
前記第1アプリケーションプログラムと前記第2アプリケーションプログラムとは、実質的に同じである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項12】
少なくとも前記制御部を含む制御装置と、
前記測定部および前記記憶部を含み、前記制御装置に接続される測定装置とをさらに備える、請求項1〜11のいずれか1項に記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−121821(P2009−121821A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292693(P2007−292693)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】