説明

分注装置、試薬分注装置、自動分析装置、液体分注方法、および試薬分注方法

【課題】試薬間コンタミネーションを比較的安価な方法で完全に回避しうる試薬分注装置、および該試薬分注装置を使用する自動分析装置、ならびに試薬分注方法を提供する。
【解決手段】 試薬の吸引・吐出を行なう分注プローブ60と、分注プローブ60を支持するアーム61と、分注プローブ60を移送する分注プローブ移送部と、各部を接続する配管とを備える試薬分注装置において、分注プローブ60は試薬容器2aの開口部に試薬容器2a毎に備えられ、試薬容器2aに収容される試薬分注の際、分注プローブ60をアーム61に連結して分注することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体と試薬とを反応させ分析を行う自動分析装置の分注装置、試薬分注装置、自動分析装置、液体分注方法および試薬分注方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、血液や尿などの検体を試薬と反応させて反応物を分析する自動分析装置では、複数の検体や試薬を同一の検体分注装置や試薬分注装置で分注している。このような分注装置では、先に分注した検体または試薬が分注プローブに付着したまま次に分注する検体または試薬に持ち越されることで、分析結果に影響を及ぼすキャリーオーバーやコンタミネーションを回避すべく、分注プローブを洗浄する分注プローブ洗浄機構を備えている。この分注プローブ洗浄機構は、分注装置の圧力伝達媒体である押し出し水を吐出してプローブ内を洗浄するほか、分注装置の配管途中に洗剤を注入する分岐部を備え、洗剤または希釈された洗剤で分注プローブ内を洗浄している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、試薬間のクロスコンタミネーションの影響を回避するために、使用するすべての項目間のクロスコンタミネーションを測定し、当該結果に基づき各項目の分析順位を決めて、クロスコンタミネーションの影響を低減する自動分析装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、ポンプを備えた試薬容器を使用し、反応容器ホルダと試薬容器ホルダの移動軌跡をオーバーラップさせて、該試薬容器から直接反応容器に試薬を分注することで試薬間のクロスコンタミネーションを回避する自動分析装置が開示されている(例えば、特許文献3および4参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平6−213907号公報
【特許文献2】特開平5−240864号公報
【特許文献3】特開昭63−131066号公報
【特許文献4】特開平11−133032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、分注プローブの配管内に洗剤と希釈用の洗浄水を注入し、一定時間プローブ内で希釈洗剤を保持することにより洗浄効果の向上を図るものであるが、洗剤残留によるクロスコンタミネーション回避のために洗剤を分岐管側へ吸引し、さらに洗浄水を吐出するという複雑な洗浄工程を要するため、分析効率が低下する。
【0007】
また、特許文献2に記載の分析装置は、試薬間クロスコンタミネーションの影響が大きい分析項目の分析精度の向上は図れるものの、試薬間クロスコンタミネーションを測定するのに時間を要し、分析項目の分析順を入れ替えるために制御方法が複雑になるばかりでなく、試薬間クロスコンタミネーションの完全な回避は困難である。
【0008】
また、特許文献3および4に記載の分析装置は、試薬間クロスコンタミネーションを完全に回避できるものの、試薬容器に個別のポンプを備えることが必要となり、また装置の構造も複雑になるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、検体間および試薬間コンタミネーションを比較的簡易な方法で完全に回避しうる分注装置、試薬分注装置、および該分注装置を使用する自動分析装置、ならびに液体分注装置、試薬分注方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる分注装置は、試薬の吸引・吐出を行なう分注プローブと、前記分注プローブを支持するアームと、前記分注プローブを移送する分注プローブ移送部と、各部を接続する配管とを備える分注装置において、前記分注プローブは液体容器の開口部に液体容器毎に備えられ、前記液体容器に収容される液体分注の際、前記分注プローブを前記アームに連結して分注することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる試薬分注装置は、上記発明において、前記液体容器は試薬容器であり、前記分注プローブは試薬容器毎に備えられることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる試薬分注装置は、上記発明において、前記アームは、前記分注プローブの基部に連結する連結部を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる試薬分注装置は、上記発明において、前記分注プローブは試薬容器の蓋を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る自動分析装置は、試薬と検体を反応させて反応物を光学的に分析する自動分析装置であって、上記のいずれか一つに記載の分注装置を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の液体分注方法は、試薬と検体を反応させた反応物を光学的に分析する自動分析装置の液体分注方法であって、液体容器毎に備えられる分注プローブの基部を連結部によりアームに連結する連結ステップと、前記分注プローブにより記液体容器から液体を吸引する液体吸引ステップと、前記分注プローブを液体容器から反応容器に搬送する第1搬送ステップと、反応容器に液体を吐出する液体吐出ステップと、前記分注プローブを前記反応容器から前記液体容器に搬送する第2搬送ステップと、前記分注プローブを前記アームから分離する分離ステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の試薬分注方法は、上記発明において、前記液体容器は試薬容器であり、前記分注プローブは試薬を吸引・吐出することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の試薬分注方法は、上記発明において、前記連結ステップ後に、前記分注プローブを前記試薬容器から上昇させ、配管内のエアを一部吐出するエア吐出ステップと、前記試薬吐出ステップ後、前記分離ステップ前に、前記分注プローブによりエアを吸引するエア吸引ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、液体容器毎に分注プローブを設置し、前記液体容器に収容される液体分注の際、前記液体容器に備えられる前記分注プローブをアームに連結して分注することにより、液体間のコンタミネーションを完全に回避することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照して、この発明の実施の形態にかかる試薬分注装置および該試薬分注装置を使用する自動分析装置、ならびに試薬分注方法について、血液などの液体検体をサンプルとして分析する自動分析装置を例に説明する。以下の説明で参照する図面は模式的なものであって、同じ物体を異なる図面で示す場合には、寸法や縮尺等が異なる場合もある。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。なお、以下に説明する試薬分注装置は、検体の分注を行う検体分注装置においても同様の機構を採用することにより検体のキャリーオーバーおよびコンタミネーションを防止できるものである。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる自動分析装置1の構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる自動分析装置1は、分析対象である検体および試薬を反応容器5にそれぞれ分注し、分注した反応容器5内で生じる反応を光学的に測定する測定機構40と、測定機構40を含む自動分析装置1全体の制御を行うとともに測定機構40における測定結果の分析を行う制御機構50とを備える。自動分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の分析を自動的に行う。
【0021】
測定機構40は、大別して、第1試薬庫2と、第2試薬庫3と、反応テーブル4と、第1試薬分注装置6と、第2試薬分注装置7と、検体容器移送機構8と、ラック9と、分析光学系11と、洗浄装置12と、第1攪拌装置13と、第2攪拌装置14と、検体分注装置20とを備えている。
【0022】
第1試薬庫2は、図1に示すように、第1試薬を収容する試薬容器2aが周方向に複数配置され、駆動手段(図示せず)により回転されて試薬容器2aを周方向に搬送する。複数の試薬容器2aは、それぞれ検査項目に応じた試薬が満たされ、外面には収容した試薬の種類、ロット及び有効期限等の情報を記録した情報記録媒体(図示せず)が貼付されている。ここで、第1試薬庫2の外周には、試薬容器2aに貼付した情報記録媒体に記録された試薬情報を読み取り、制御部15へ出力する読取装置10aが設置されている。第1試薬庫2の上方には、試薬の蒸発や変性を抑制するため、開閉自在な蓋(図示せず)が設けられており、第1試薬庫2の下方には試薬冷却用の恒温槽が設けられている。
【0023】
第2試薬庫3は、図1に示すように、第2試薬を収容する試薬容器3aが周方向に複数配置され、第1試薬庫2と同様に、駆動手段(図示せず)により回転されて試薬容器3aを周方向に搬送する。複数の試薬容器3aは、それぞれ検査項目に応じた試薬が満たされ、外面には収容した試薬の種類、ロット及び有効期限等の情報を記録した情報記録媒体(図示せず)が貼付されている。ここで、第2試薬庫3の外周には、試薬容器3aに貼付した情報記録媒体に記録された試薬情報を読み取り、制御部15へ出力する読取装置10bが設置されている。第2試薬庫3の上方には、試薬の蒸発や変性を抑制するため、開閉自在な蓋(図示せず)が設けられており、第2試薬庫3の下方には試薬冷却用の恒温槽(図示せず)が設けられている。
【0024】
第1試薬分注装置6は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアーム61を備える。このアーム61の先端部には、連結部67(図2参照)を介して第1試薬の吸引および吐出を行なう分注プローブ60が取り付けられている。第1試薬分注装置6は、上述した第1試薬庫2上の所定位置に移送された試薬容器2aの中から試薬容器2a毎に備えられた分注プローブ60により第1試薬を吸引し、アーム61を図中時計回りに旋回させ、反応容器5に第1試薬を吐出して分注を行なう。詳細については後述する。
【0025】
第2試薬分注装置7は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアーム71を備える。このアーム71の先端部には、連結部を介して第2試薬の吸引および吐出を行なうプローブ70が取り付けられている。第2試薬分注装置7は、上述した第2試薬庫3上の所定位置に移送された試薬容器3aの中から試薬容器3a毎に備えられた分注プローブ70によって第2試薬を吸引し、アーム71を図中反時計回りに旋回させ、反応容器5に第2試薬を吐出して分注を行なう。
【0026】
反応テーブル4は、図1に示すように、複数の反応容器5が周方向に沿って配列されており、第1および第2試薬庫2、3を駆動する駆動手段とは異なる駆動手段(図示せず)によって矢印で示す方向に回転されて反応容器5を周方向に移動させる。反応テーブル4は、光源11aと分光部11bとの間に配置され、反応容器5を保持する保持部4aと光源11aが出射した光束を分光部11bへ導く円形の開口からなる光路4bとを有している。保持部4aは、反応テーブル4の外周に周方向に沿って所定間隔で配置され、保持部4aの内周側に半径方向に延びる光路4bが形成されている。反応テーブル4の上方には、図示しない開閉自在な蓋が、下方には検体と試薬の反応を促進させるための恒温槽がそれぞれ設けられている。
【0027】
反応容器5は、分析光学系11から出射された分析光(340〜800nm)に含まれる光の80%以上を透過する光学的に透明な素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス、環状オレフィンやポリスチレン等によって四角筒状に成形されたキュベットと呼ばれる容器である。反応容器5は、近傍に設けた第1および第2試薬分注装置6、7によって第1および第2試薬庫2、3の試薬容器2a、3aから試薬が分注される。
【0028】
検体容器移送機構8は、図1に示すように、配列された複数のラック9を矢印方向に沿って1つずつ歩進させながら移送する。ラック9は、検体を収容した複数の検体容器9aを保持している。ここで、検体容器9aは、収容した検体の情報を記録した情報記録媒体(図示せず)が貼付され、検体容器移送機構8によって移送されるラック9の歩進が停止されるごとに、検体分注装置20によって検体が各反応容器5へ分注される。検体分注装置20は、水平面内を回動すると共に、上下方向に昇降されるアーム20aに試薬を分注する分注プローブ20bが設けられる。ここで、ラック9の近傍には、検体容器9aに貼付され情報記録媒体に記録された検体情報や検体容器9aの容器情報を読み取り、制御部15へ出力する読取装置10cが設置されている。
【0029】
検体分注装置20は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアーム20aを備える。このアーム20aの先端部には、検体の吸引および吐出を行なう分注プローブ20bが取り付けられている。検体分注装置20は、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。検体分注装置20は、上述した検体移送機構8上の所定位置に移送された検体容器9aの中から分注プローブ20bによって検体を吸引し、アーム20aを図中時計回りに旋回させ、反応容器5に検体を吐出して分注を行なう。
【0030】
分析光学系11は、試薬と検体とが反応した反応容器5内の液体試料に分析光(340〜800nm)を透過させて分析するための光学系であり、光源11a、分光部11b及び受光部11cを有している。光源11aから出射された分析光は、反応容器5内の液体試料を透過し、分光部11bと対向する位置に設けた受光部11cによって受光される。
【0031】
第1および第2攪拌装置13、14は、分注された検体と試薬とを攪拌棒13a、14aによって攪拌し、反応を均一化させる。
【0032】
洗浄装置12は、ノズル12aによって分析光学系11による測定が終了した反応容器5内の反応液を吸引して排出するとともに、洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入および吸引することで洗浄を行なう。この洗浄した反応容器5は再利用されるが、検査内容によっては1回の測定終了後に反応容器5を廃棄してもよい。
【0033】
つぎに、制御機構50について説明する。制御機構50は、制御部15と、入力部16と、出力部17と、分析部18と、記憶部19とを備える。制御部15は、測定機構40および制御機構50が備える各部と接続される。これら各部の作動を制御するため、制御部15には、マイクロコンピュータ等が使用される。制御部15は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。
【0034】
入力部16は、キーボード、マウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。分析部18は、分析光学系11から取得した測定結果に基づいて吸光度等を演算し、検体の成分分析等を行う。記憶部19は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、自動分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部19は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。出力部17は、プリンタ、通信機構等を用いて構成され、検体の分析結果を含む諸情報を出力して、ユーザーに報知する。
【0035】
以上のように構成された自動分析装置1では、列をなして順次搬送される複数の反応容器5に対して、第1試薬分注装置6が試薬容器2a中の第1試薬を分注した後、検体分注装置20が検体容器9a中の検体を分注し、さらに第2試薬分注装置7が試薬容器3a中の第2試薬を分注して、分析光学系11が検体と試薬とを反応させた状態の試料の分光強度測定を行い、この測定結果を分析部18が分析することで、検体の成分分析等が自動的に行われる。また、洗浄装置12が分析光学系11による測定が終了した後に搬送される反応容器5を搬送させながら洗浄することで、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。
【0036】
つぎに、第1試薬分注装置6について、図2を参照してさらに説明する。図2は本発明の実施の形態1にかかる第1試薬分注装置6を示す概略構成図である。第1試薬分注装置6は、図2に示すように分注プローブ60を有している。分注プローブ60は、ステンレスなどによって棒管状に形成されたもので、先端側はテーパー形状をとる。先端を下方に向けて上方の基端が連結部67と連結されてアーム61の先端に取り付けられる。連結方法については後述する。アーム61は、水平配置され、その基端が支軸62の上端に固定してある。支軸62は、鉛直配置されており、分注プローブ移送部63によって鉛直軸Oを中心として回転する。支軸62が回転すると、アーム61が水平方向に旋回して、分注プローブ60を水平方向に移動させる。また、支軸62は、分注プローブ移送部63によって鉛直軸Oに沿って昇降する。支軸62が昇降すると、アーム61が鉛直方向に昇降して、分注プローブ60を鉛直(上下)方向であって分注プローブ60の長手方向に昇降させる。
【0037】
分注プローブ60の基端には、配管64aの一端が接続される。この配管64aの他端は、シリンジ65に接続される。シリンジ65は、配管64aの他端が接続された筒状のシリンダー65aと、シリンダー65aの内壁面に摺動しながらシリンダー65a内を進退可能に設けられたプランジャー65bとを有する。プランジャー65bは、プランジャー駆動部66に接続される。プランジャー駆動部66は、例えばリニアモーターを用いて構成され、シリンダー65aに対するプランジャー65bの進退移動を行うものである。シリンジ65のシリンダー65aには、配管64bの一端が接続される。この配管64bの他端は、圧力伝達媒体L1を収容するタンク69Aに接続される。また、配管64bの途中には、電磁弁68およびポンプ69が接続される。なお、圧力伝達媒体L1としては、蒸留水や脱気水などの非圧縮性流体が適用される。この圧力伝達媒体L1は、分注プローブ60の内部の洗浄を行う洗浄液としても適用される。
【0038】
第1試薬分注装置6は、ポンプ69を駆動し、電磁弁68を開状態にすることでタンク67に収容されている圧力伝達媒体L1が、配管64bを経てシリンジ65のシリンダー65a内に充填され、さらにシリンダー65aから配管64aを経て分注プローブ60の先端まで満たされる。このように圧力伝達媒体L1が分注プローブ60の先端まで満たされた状態で、電磁弁68を閉状態にし、ポンプ69を止めておく。そして、検体や試薬の吸引を行う場合、プランジャー駆動部66を駆動してプランジャー65bをシリンダー65aに対して後退移動させることにより、圧力伝達媒体L1を介して分注プローブ60の先端部に吸引圧が印加され、この吸引圧によって検体や試薬が吸引される。一方、検体や試薬の吐出を行う場合には、プランジャー駆動部66を駆動してプランジャー65bをシリンダー65aに対して進出移動させることにより、圧力伝達媒体L1を介して分注プローブ60の先端部に吐出圧が印加され、この吐出圧によって検体や試薬が吐出される。
【0039】
分注プローブ60は、連結部67によりアーム61に連結されていないときは、図3〜5に示すように、第1試薬庫2内に収容されるすべての試薬容器2aの試薬分注口2bに個別に挿通されている。図3は、試薬容器2aの横断面図、図4は、試薬容器2aの縦断面図、図5は、試薬容器2aの上面図である。分注プローブ60は、蓋部60aと、中空管60bと、ガイド部60cと、ストッパ60dと、プローブ60eとからなる。蓋部60aは、試薬容器2aの蓋としての機能を有し、中空管60b下部に固定され、その中心部にはプローブ60eが挿通される孔を有する。中空管60bは、内部に後述する連結部67内のプローブストッパ67g(図6参照)が中空管60b内に挿入される際に、プローブストッパ67gを固定するストッパ60dを備える。ガイド部60cは、試薬分注口2b内部に嵌まり込んで、蓋部60aとともに試薬の揮散を抑制する。ストッパ60dは、中空管60b内部に固着され、分注プローブ60と連結部67との連結の際に、プローブストッパ67gの係合部67m(図6、8参照)と係合して連結部67と分注プローブ60とを固定する。プローブ60eは、試薬の吸引・吐出を行ない、その上端は、蓋部60aに達するとともに、下端である先端部は、分注プローブ60が試薬容器2a内に挿通された時に容器底面部に達しない長さとする。
【0040】
図6〜11を参照して、連結部67についてさらに説明する。図6は、連結部67および分注プローブ60の概略図である。図7は、位置決め手段67eとストッパ67fの上面図である。図8は、プローブストッパ67gの側面からの動作図である。図9は、分注プローブ60の上面図である。図10は、連結部67と分注プローブ60の連結動作を示す図である。図11は、プローブストッパ67gの係合部67mとストッパ60dとの係合解除を説明する概略図である。図6に示すように、連結部67は、摘み部67aと、押し込み板67bと、押しバネ67cと、中空管67dと、位置決め手段67eと、ストッパ67fと、プローブストッパ67gと、ストッパリング67hとからなる。連結部67内部には、分注プローブ60と連結する配管64aが挿通され、配管64aは中空管67d下部でわずかに突出している。摘み部67aは、配管64aを回転させるための摘みであり、アーム61内の図示しない駆動部により捻られて配管64aを回転する。押し込み板67bは、配管64aと固定され、アーム61内の図示しない駆動部により押下されることにより、配管64aを分注プローブ60内に挿通する。押しバネ67cは、押し込み板67bと中空管67dとの間に設置され、配管64aを上方に付勢している。中空管67dは、上面は押しバネ67cと接し、その下端から配管64aおよびプローブストッパ67gを分注プローブ60内に挿通させる中空の円柱管であり、配管64aおよびプローブストッパ67gの分注プローブ60への挿入をガイドする。
【0041】
位置決め手段67eは、中空管67d内部に固定される王冠状の凸部を有する配管64aの位置固定手段であり、位置決め手段67e内部に嵌合しているストッパ67fの降下・回転によりストッパ67fを固定して、配管64aの分注プローブ60内への挿入距離を一定に保持する。位置決め手段67eは、図6および7に示すように、逆さにした王冠状の凸部67iを有し、位置決め手段67eの内部は中空であって、中空部にストッパ67fが嵌合している。嵌合時、位置決め手段67eの凹部67jからストッパ67fの凸部67kが突出し、ストッパ67fの凹部67lは、位置決め手段67eに接している。図10に示すように、配管64aと固定されるストッパ67fは、押し込み板67bの押下により位置決め手段67e下部まで押し下げられた後(図(10―3)参照)、摘み部67aの捻りによって回転される(図(10―4)参照)。この回転により、ストッパ67fの凸部67kと位置決め手段67eの凸部67iが重なり合い、ストッパ67fは位置決め手段67e下部で固定される。
【0042】
プローブストッパ67gは、配管64aに固定され、配管64aとともに分注プローブ60内に挿入されて、連結部67と分注プローブ60とを連結する。図8に示すように、プローブストッパ67gは、配管64aの外周を覆う形状であって、下部には2本の足部67nを備える。配管64aとプローブストッパ67gの接続部近傍には押しバネ(図示しない)が設けられ、押しバネは足部67nが外部に広がるように付勢している(図(8−1)および(8−2)参照)。足部67nの先端には突起状の係合部67mが形成され、分注プローブ60との非連結時は(図6参照)、係合部67mは円環状のストッパリング67hにより把持され、足部67nの外部への広がりが抑制されている。
【0043】
図9に示すように、分注プローブ60の中空管60b内にはストッパ60dが形成され、ストッパ60dは、挿通されたプローブストッパ67gの係合部67mと係合して、連結部67と分注プローブ60とを連結する。ストッパ60dは、図6、9からわかるように、中空管60b内部に対向して形成され、ストッパ60dと蓋部60aとの間には、係合部67mと係合するための係合凹部60oが形成される。押し込み板67bの押下により配管64aが押し下げられると、プローブストッパ67gは配管64aとともに押し下げられて、ストッパリング67hによる係合部67mの把持が解除され(図(10−2)参照)、図示しない押しバネにより足部67nは外方に付勢される。これにより、係合部67mはストッパ60dが形成されていない中空管60bの内壁と接する。押し込み板67bの押下によって配管64aがさらに押し下げられて、プローブストッパ67gの底面は蓋部60aと接する(図(10−3)参照)。このとき、配管64aは、プローブ60e内部にわずかに挿通されプローブ60e内壁と当接する。その後、摘み部67aの捻りによって配管64aとともにプローブストッパ67gは回転され(図(10―4)参照)、この回転によりストッパ60dと係合部67mとが係合して、連結部67と分注プローブ60とが連結される。
【0044】
連結部67と分注プローブ60との連結を解除するには、まず、連結部67の摘み部67aを捻ることにより係合部67mとストッパ60dの係合を解除する(図(11−1)、図(11−2)参照)。引き続き、押しバネ67cによる押し込み板67bの押上とともに、図示しない駆動部により摘み部67aを時計回りに捻る(図(11−2)参照)。ストッパ60dは、係合部67mを円滑に回転させるために、係合部67mと接触する辺を中空管60b内壁から時計回りにゆるやかに傾斜させているため、プローブストッパ67gを捻りながら引き上げると、係合部67mはストッパ60dにより内部方向に縮められ(図(11−3)参照)、最終的に係合部67mはストッパ60d内に収まる(図(11−4)参照)。この状態から、押しバネ67cにより押し込み板67bをさらに押し上げると、係合部67mは円環状のストッパリング67h内に把持され、連結部67と分注プローブ60との連結が完全に解除される。
【0045】
次に、図12および図13を使用して、実施の形態1にかかる第1試薬分注装置6を使用した試薬分注動作について説明する。図12は、実施の形態1にかかる試薬分注装置6を使用した試薬分注のフローチャートである。図13は、実施の形態1にかかる試薬分注装置6を使用した試薬分注動作を説明する概略図である。
【0046】
まず、分注を行なう試薬を収容した試薬容器2aを、第1試薬庫2の図示しない駆動手段により試薬吸引位置まで搬送し(ステップS101)、これと並行して第1試薬分注装置6のアーム61についても分注プローブ移送部63により試薬吸引位置まで搬送する(ステップS102)(図(13−1)参照)。搬送後、分注プローブ移送部63は、連結部67が試薬容器2a内に挿入されている分注プローブ60と接するまでアーム61を降下する(図(13−2)参照)。連結部67と分注プローブ60との当接後、駆動部(図示しない)により押し込み板67bが押下されると、配管64aとプローブストッパ67gとが中空管60b内に挿入し、プローブ60eおよび蓋部60aと当接する。その後、摘み部67aを駆動部(図示しない)により捻ることにより、プローブストッパ67gの係合部67mとストッパ60dとが係合して、連結部67と分注プローブ60とが連結される(ステップS103)。続いて、プランジャー駆動部66の駆動による吸引圧により試薬容器2a内の試薬をプローブ60eにより所定量吸引する(ステップS104)。試薬吸引後、分注プローブ移送部63は、分注プローブ60を連結したアーム61を試薬容器2aから引上げ(図(13−3)参照)、試薬を吐出する反応容器5までアーム61を搬送する(ステップS105)。搬送の後、プランジャー駆動部66の駆動による吐出圧によりプローブ60eから試薬を反応容器5に吐出し(図(13−4)参照)(ステップS106)、分注プローブ移送部63は、アーム61を試薬吸引位置で待機する試薬容器2aまで搬送し(ステップS107)、分注プローブ60を試薬容器2a内に挿通するようアーム61を降下させる(図(13−5)参照)。その後、駆動部(図示しない)により摘み部67aを回転して係合部67mとストッパ60dとの係合を解除し、押しバネ67cによる押し込み板67bの押上と駆動部(図示しない)による摘み部67aの時計回りの回転により、プローブストッパ67gの係合部67mは回転して縮みながら押し上げられて、ストッパリング67hに把持されて、分注プローブ60と連結部67との連結が解除される(図(13−6)参照)(ステップS108)。
【0047】
上記において、連結部67から配管64aがわずかに突出する形態を採用しているが、分注プローブ60内のプローブ60eを蓋部60aから突出させて、配管64aを連結部67内に完全に収める形態としてもよい。また、上記は第1試薬分注装置6および試薬容器2aについて説明しているが、第2試薬分注装置7および試薬容器3aでも同様の構造が採用されるものである。
【0048】
本発明の実施の形態1では、上記のようにして試薬の分注が行なわれるが、試薬容器2a毎、すなわち試薬毎に分注プローブ60が備えられるため、試薬間のコンタミネーションを完全に回避することができる。また、分注プローブ60の洗浄を必要としないため、洗浄装置や洗浄に要する洗浄水なども不要となり、ランニングコストの低減が可能となる。さらに、分注装置のプローブとしてディスポーザブルなチップを装填するものに比しても、初期費用は高くなるもののランニングコストは低減でき、かつ、分析精度も優れるものである。
【0049】
(実施の形態2)
実施の形態1は、分注プローブ60と連結部67との連結後、そのまま試薬の吸引・吐出を行なうものであるのに対し、実施の形態2は、プローブ60eおよび配管64a内に存在する空気量を調整することにより、試薬の分注精度を向上させることを目的とする。プローブ60eおよび配管64a内の空気量の調整は、分注プローブ60と連結部67との連結後、一旦分注プローブ60を試薬容器2aから上昇させてプローブ60e内の空気を一部吐出した後、試薬の吸引を行なう。プローブ60e内の空気量を少なく保つことにより、分注する試薬量が少ない場合であっても、精度よく分注を行なうことが可能となる。
【0050】
図14を参照して、実施の形態2の試薬分注方法について説明する。図14は、実施の形態2にかかる試薬分注方法のフローチャートである。まず、分注を行なう試薬を収容した試薬容器2aを、第1試薬庫2の図示しない駆動手段により試薬吸引位置まで搬送し(ステップS201)、これと並行して第1試薬分注装置6のアーム61についても分注プローブ移送部63により試薬吸引位置まで搬送する(ステップS202)。搬送後、分注プローブ移送部63は、連結部67が試薬容器2a内に挿入されている分注プローブ60と接するまでアーム61を降下する。連結部67と分注プローブ60との当接後、駆動部(図示しない)により押し込み板67bが押下されると、配管64aとプローブストッパ67gとが中空管60b内に挿入し、プローブ60eおよび蓋部60aと当接する。その後、摘み部67aを駆動部(図示しない)により捻ることにより、プローブストッパ67gの係合部67mとストッパ60dとが係合して、連結部67と分注プローブ60とが連結される(ステップS203)。
【0051】
その後、分注プローブ移送部63によりアーム61を上昇させて、分注プローブ60の先端を試薬上まで引上げ(ステップS204)、プランジャー駆動部66の駆動によりプローブ60e内の空気を吐出する(ステップS205)。空気を一部吐出後、分注プローブ移送部63により分注プローブ60を試薬内に挿入し(ステップS206)、プランジャー駆動部66の駆動による吸引圧により試薬容器2a内の試薬をプローブ60eにより所定量吸引する(ステップS207)。試薬吸引後、分注プローブ移送部63は、分注プローブ60を連結したアーム61を試薬容器2aから引上げ、試薬を吐出する反応容器5までアーム61を搬送する(ステップS208)。搬送の後、プランジャー駆動部66の駆動による吐出圧によりプローブ60eから試薬を反応容器5に吐出し(ステップS209)、分注プローブ移送部63は、アーム61を試薬吸引位置で待機する試薬容器2aまで搬送する(ステップS210)。その後、試薬容器2a上で、プランジャー駆動部66の駆動による吸引圧により空気を所定量吸引し(ステップS211)、吸引後、分注プローブ移送部63は分注プローブ60を試薬容器2a内に降下させる(ステップS212)。続いて、駆動部(図示しない)により摘み部67aを回転して係合部67mとストッパ60dとの係合を解除し、押しバネ67cによる押し込み板67bの押上と駆動部(図示しない)による摘み部67aの時計回りの回転により、プローブストッパ67gの係合部67mは回転して縮みながら押し上げられて、ストッパリング67hに把持されて、分注プローブ60と連結部67との連結は解除される(ステップS213)。
【0052】
実施の形態2では、試薬の吸引および吐出の際にプローブ60e内に存在する空気量を低減できるため、分注の精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置を示す概略構成図である。
【図2】図1の自動分析装置で使用される分注装置を示す概略構成図である。
【図3】実施の形態1にかかる試薬容器および分注プローブの横断面図である。
【図4】実施の形態1にかかる試薬容器および分注プローブの縦断面図である。
【図5】実施の形態1にかかる試薬容器および分注プローブの上面図である。
【図6】図2の分注装置で使用される連結部および分注プローブの概略図である。
【図7】図6の連結部に使用される位置決め手段とストッパの上面図である。
【図8】図6の連結部に使用されるプローブストッパの側面動作図である。
【図9】図6の分注プローブの上面図である。
【図10】図6の連結部と分注プローブの連結動作を示す図である。
【図11】係合部とストッパとの係合解除を説明する概略図である。
【図12】図1の分注装置を使用した試薬分注のフローチャートである。
【図13】図1の分注装置を使用した試薬分注動作を説明する概略図である。
【図14】実施の形態2にかかる試薬分注方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1 自動分析装置
2 第1試薬庫
2a、3a 試薬容器
3 第2試薬庫
4 反応テーブル
5 反応容器
6 第1試薬分注装置
7 第2試薬分注装置
8 検体容器移送機構
9 ラック
9a 検体容器
10a、10b、10c 読取装置
11 分析光学系
12 洗浄装置
13 第1攪拌装置
14 第2攪拌装置
15 制御部
16 入力部
17 出力部
18 分析部
19 記憶部
40 測定機構
50 制御機構
60 分注プローブ
60a 蓋部
60b 中空管
60c ガイド部
60d ストッパ
60e プローブ
61 アーム
62 支軸
63 分注プローブ移送部
64a、64b 配管
65 シリンジ
65a シリンダー
65b プランジャー
66 プランジャー駆動部
67 連結部
67a 摘み部
67b 押し込み板
67c 押しバネ
67d 中空管
67e 位置決め手段
67f ストッパ
67g プローブストッパ
67h ストッパリング
67i、67k 凸部
67j、67l 凹部
67m 係合部
67n 足部
67o 係合凹部
68 電磁弁
69 ポンプ
69A タンク
L1 圧力伝達媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の吸引・吐出を行なう分注プローブと、前記分注プローブを支持するアームと、前記分注プローブを移送する分注プローブ移送部と、各部を接続する配管とを備える分注装置において、
前記分注プローブは液体容器の開口部に容器毎に備えられ、前記液体容器に収容される液体分注の際、前記分注プローブを前記アームに連結して分注することを特徴とする分注装置。
【請求項2】
前記液体容器は試薬容器であり、前記分注プローブは試薬容器毎に備えられることを特徴とする請求項1に記載の試薬分注装置。
【請求項3】
前記アームは、前記分注プローブの基部に連結する連結部を備えることを特徴とする請求項2に記載の試薬分注装置。
【請求項4】
前記分注プローブは試薬容器の蓋を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の試薬分注装置。
【請求項5】
試薬と検体を反応させて反応物を光学的に分析する自動分析装置であって、
請求項1〜4のいずれか一つに記載の分注装置を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
試薬と検体を反応させた反応物を光学的に分析する自動分析装置の液体分注方法であって、
液体容器毎に備えられる分注プローブの基部を連結部によりアームに連結する連結ステップと、
前記分注プローブにより記液体容器から液体を吸引する液体吸引ステップと、
前記分注プローブを液体容器から反応容器に搬送する第1搬送ステップと、
反応容器に液体を吐出する液体吐出ステップと、
前記分注プローブを前記反応容器から前記液体容器に搬送する第2搬送ステップと、
前記分注プローブを前記アームから分離する分離ステップと、
を含むことを特徴とする自動分析装置の液体分注方法。
【請求項7】
前記液体容器は試薬容器であり、前記分注プローブは試薬を吸引・吐出することを特徴とする請求項6に記載の自動分析装置の試薬分注方法。
【請求項8】
前記連結ステップ後に、前記分注プローブを前記試薬容器から上昇させ、配管内のエアを一部吐出するエア吐出ステップと、
前記試薬吐出ステップ後、前記分離ステップ前に、前記分注プローブによりエアを吸引するエア吸引ステップと、
を含むことを特徴とする請求項7に記載の自動分析装置の試薬分注方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−139333(P2010−139333A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314912(P2008−314912)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(510005889)ベックマン・コールター・インコーポレーテッド (174)
【Fターム(参考)】