説明

分離プロセスモジュール

【課題】高い省エネルギー効果が得られると共にシンプルな構造を有する分離プロセスモジュールを提供する。
【解決手段】分離プロセスモジュール100では、第1成分及び第2成分を含む入力流体が入力端Iに入力される。入力流体は、分離器Sにより第1出力流体と第2出力流体とに分離される。第1出力流体は、圧縮機Cにより圧縮されて昇温する。第1熱交換器H1は、第2出力流体と、圧縮機Cによって圧縮された第1出力流体との間で熱交換を行う。第2熱交換器H2は、入力流体と、圧縮機Cによって圧縮された第1出力流体との間で熱交換を行う。第1出力流体は第1出力端E1から出力され、第2出力流体は第2出力端E2から出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離プロセスモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
蒸留塔の塔頂蒸気を全て圧縮機で昇圧した後、リボイラに供給することによって熱回収を行う蒸留装置が知られている(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
また、蒸留塔の塔頂蒸気を分岐して、一方の塔頂蒸気を第1圧縮機で昇圧した後、リボイラに供給することによって熱回収を行い、他方の塔頂蒸気を第2圧縮機で昇圧した後、蒸留塔に供給される流体と熱交換することによって熱回収を行う蒸留装置が知られている(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60−19731号公報
【特許文献2】特許第3128809号公報
【特許文献3】特開2010−36057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1,2に記載された蒸留装置では、塔頂蒸気を全て圧縮機で昇圧して一部をリボイラに供給し、残部をそのまま系外に出力しているので、熱回収が不十分であり、系外に出力される塔頂蒸気が依然として高いエネルギーを有している。そのため、省エネルギー効果は不十分である。
【0006】
また、上記特許文献3に記載された蒸留装置では、熱交換によって高い省エネルギー効果が得られるものの、エネルギー損失を最小化するためには2つの圧縮機が必要になる。そのため、プロセスが複雑化し費用も高くなる。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものであり、高い省エネルギー効果が得られると共にシンプルな構造を有する分離プロセスモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、本発明の分離プロセスモジュールは、第1成分及び前記第1成分とは異なる第2成分を含む入力流体が入力される入力端と、前記入力端に入力された前記入力流体を、気体の前記第1成分を含む第1出力流体と、液体の前記第2成分を含む第2出力流体とに分離する分離器と、前記分離器から出力された前記第1出力流体を圧縮することによって昇温させる圧縮機と、前記分離器から出力された前記第2出力流体と、前記圧縮機によって圧縮された前記第1出力流体との間で熱交換を行う第1熱交換器と、前記入力流体と、前記圧縮機によって圧縮された前記第1出力流体との間で熱交換を行う第2熱交換器と、前記第2熱交換器を通過した前記第1出力流体を出力する第1出力端と、前記分離器から出力された前記第2出力流体を出力する第2出力端と、を備え、前記第1熱交換器を通過した前記第1出力流体と、前記第1熱交換器を通過した前記第2出力流体とが、前記分離器に入力される。
【0009】
本発明の分離プロセスモジュールでは、第1出力流体及び第2出力流体をそれぞれ第1出力端及び第2出力端から系外に出力すると共に、分離器から出力された第1出力流体及び第2出力流体を分離器に還流させることができる。その際、第1熱交換器において、第2出力流体が、圧縮機によって圧縮された第1出力流体によって昇温される。
【0010】
この場合、圧縮機によって第1出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事が必要になるが、第2出力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要は殆どなくなる。
【0011】
また、圧縮機によって圧縮された第1出力流体を、そのまま系外に出力するのではなく、第2熱交換器において入力流体と熱交換させることによってエネルギーを回収することができる。このため、本発明の分離プロセスモジュールでは、高い省エネルギー効果を得ることができる。
【0012】
さらに、本発明の分離プロセスモジュールでは、複数の圧縮機を用いて、第1熱交換器及び第2熱交換器にそれぞれ送られる第1出力流体を別々に圧縮する必要がなく、圧縮機を1台(単一の圧縮機)にすることができる。このため、本発明の分離プロセスモジュールでは、構造をシンプルにして製造コストを低減することができる。
【0013】
上記分離プロセスモジュールは、前記分離器から出力された前記第2出力流体を加熱する加熱装置を更に備え、前記加熱装置により加熱された前記第2出力流体が、前記分離器に入力され、前記加熱装置に入力される前記第2出力流体の温度が、前記第1熱交換器に入力される前記第2出力流体の温度よりも高いことが好ましい。
【0014】
この場合、第1熱交換器に入力される第2出力流体の温度を低くできるので、熱交換する相手となる第1出力流体の温度を低くできる。よって、圧縮機により第1出力流体を昇温させる際に、第1出力流体の温度をそれ程高くする必要がなくなる。その結果、圧縮機の負荷が小さくなる。また、加熱装置で第2出力流体を加熱する際にも、第1熱交換器によって回収されるエネルギー分だけ省エネルギー効果が得られる。
【0015】
上記分離プロセスモジュールは、前記圧縮機と前記第1熱交換器との間において、前記圧縮機によって圧縮された前記第1出力流体を冷却する冷却装置を更に備えることが好ましい。
【0016】
この場合、第1熱交換器に供給される第1出力流体の温度を低下させて、第1熱交換器に供給されるエネルギー量を安定化することができるので、分離器の運転圧力が安定する。
【0017】
上記分離プロセスモジュールは、前記分離器から出力された前記第2出力流体と、前記入力流体との間で熱交換を行う第3熱交換器を更に備え、前記第3熱交換器を通過した前記入力流体は前記第2熱交換器に入力され、前記第3熱交換器を通過した前記第2出力流体は前記第2出力端に入力されることが好ましい。
【0018】
この場合、第3熱交換器H3において、第2出力流体の顕熱を、入力流体によって回収することができる。よって、省エネルギー効果が高くなる。
【0019】
なお、上記構成要素を任意に組み合わせてもよいし、本発明の表現を方法、コンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムが記録された記録媒体としてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、高い省エネルギー効果が得られると共にシンプルな構造を有する分離プロセスモジュールが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。
【図2】第2実施形態に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
【0023】
図1は、第1実施形態に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。図1に示される分離プロセスモジュール100は、入力端I、分離器S、圧縮機C、第1熱交換器H1、第2熱交換器H2、第3熱交換器H3、第1出力端E1及び第2出力端E2を備える。
【0024】
入力端Iには、第1成分及び第1成分とは異なる第2成分を含む入力流体が入力される。入力流体は、例えば液体の第1成分と液体の第2成分とを含む。第1成分及び第2成分は、気体、液体、気液混合物のいずれであってもよい。第1成分と第2成分とは、例えば沸点が異なる。一実施例において、入力流体は、第1成分としてベンゼン、第2成分としてトルエンを含む混合液である。
【0025】
入力端Iに入力された入力流体は、配管1を通ってポンプP1に到達する。ポンプP1に到達した入力流体は、昇圧され、配管2を通って第3熱交換器H3に到達する。第3熱交換器H3を通過した入力流体は、配管3を通って第2熱交換器H2に到達する。第2熱交換器H2を通過した入力流体は、配管4を通って分離器Sに到達する。
【0026】
分離器Sは、入力流体を、気体の第1成分を含む第1出力流体と、第2成分を含む第2出力流体とに分離する。第1出力流体は例えば留出蒸気等であり、第2出力流体は例えば缶出液である。分離器Sは、気液分離器であることが好ましく、例えば蒸留塔、膜分離器、吸着分離器、フラッシュドラム等である。また、分離器Sは例えばフラッシュドラム等の単段の分離器であってもよいし、多段の分離器であってもよい。
【0027】
分離器Sから出力される第1出力流体は、例えば気体の第1成分を含み、配管5を通って圧縮機Cに到達する。圧縮機Cは、分離器Sから出力された第1出力流体を圧縮することによって昇温させる。圧縮機Cは、例えばターボ圧縮機である。圧縮機Cの圧縮比は1.5〜5であることが好ましい。圧縮機Cは、第1出力流体の温度を10〜50℃上昇させることが好ましい。圧縮機Cは、第1出力流体を断熱圧縮することができる。圧縮機Cによって圧縮された第1出力流体は、配管6を通って分岐部J1に到達する。
【0028】
分岐部J1に到達した第1出力流体は、配管11を通って第1熱交換器H1に到達すると共に、配管7を通って第2熱交換器H2に到達する。
【0029】
一方、分離器Sから出力される第2出力流体は、配管15を通って分岐部J2に到達する。分離器Sから出力される第2出力流体は、例えば液体の第2成分を含む。分岐部J2に到達した第2出力流体は、配管16を通って第1熱交換器H1に到達すると共に、配管18を通ってポンプP2に到達する。
【0030】
第1熱交換器H1は、圧縮機Cによって圧縮された第1出力流体と、分離器Sから出力された第2出力流体との間で熱交換を行う。本実施形態において、第1熱交換器H1は、分岐部J2によって分岐された第2出力流体と、分岐部J1によって分岐された第1出力流体との間で熱交換を行う。第1熱交換器H1は、例えばボトムリボイラ又はサイドリボイラ等のリボイラである。
【0031】
第1熱交換器H1を通過した第1出力流体は、配管12を通ってバルブV1に到達する。バルブV1は、第1熱交換器H1を通過した第1出力流体の圧力を、配管5を通る第1出力流体の圧力と同程度まで低下させる。バルブV1を通過した第1出力流体は、配管13を通って冷却器L1に到達する。冷却器L1によって冷却された第1出力流体は、配管14を通って分離器Sに戻る。一方、第1熱交換器H1を通過した第2出力流体は、配管17を通って分離器Sに戻る。
【0032】
第2熱交換器H2は、圧縮機Cによって圧縮された第1出力流体と、入力流体との間で熱交換を行う。第2熱交換器H2を通過した第1出力流体は、液体の第1成分を含んでいることが好ましい。この場合、第2熱交換器H2において、第1出力流体が気体から液体に相変化する際の潜熱を、入力流体によって回収することができる。よって、省エネルギー効果が高くなる。第2熱交換器H2では、圧縮機Cによって圧縮された第1出力流体の温度と第2熱交換器H2を通過した入力流体との差(温度差A)が、第2熱交換器H2を通過した第1出力流体の温度と第2熱交換器H2に入力される入力流体の温度との差(温度差B)と略同じであることが好ましい。この場合、第2熱交換器H2において、効率よく熱交換することができる。
【0033】
第2熱交換器H2を通過した第1出力流体は、配管8を通ってバルブV2に到達する。バルブV2は、第2熱交換器H2を通過した第1出力流体の圧力を、例えば標準圧力まで低下させる。バルブV2を通過した第1出力流体は、配管9を通って冷却器L2に到達する。第1出力流体は、冷却器L2によって例えば標準温度まで冷却される。冷却器L2によって冷却された第1出力流体は、配管10を通って第1出力端E1に到達する。第1出力端E1は、第2熱交換器H2を通過した第1出力流体を出力する。
【0034】
また、分離器Sから出力され、ポンプP2によって昇圧された第2出力流体は、配管19を通って第3熱交換器H3に到達する。第3熱交換器H3は、分離器Sから出力された第2出力流体と、入力流体との間で熱交換を行う。第3熱交換器H3を通過する前後の第2出力流体は、例えば液体の第2成分を含んでいる。この場合、第3熱交換器H3において、第2出力流体の顕熱を、入力流体によって回収することができる。よって、省エネルギー効果が高くなる。
【0035】
第3熱交換器H3を通過した第2出力流体は、配管20を通って冷却器L3に到達する。第2出力流体は、冷却器L3によって例えば標準温度まで冷却される。冷却器L3によって冷却された第2出力流体は、配管21を通って第2出力端E2に到達する。第2出力端E2は、分離器Sから出力され、第3熱交換器H3を通過した第2出力流体を出力する。
【0036】
本実施形態に係る分離プロセスモジュール100では、第1出力流体及び第2出力流体をそれぞれ第1出力端E1及び第2出力端E2から系外に出力すると共に、分離器Sから出力された第1出力流体及び第2出力流体を分離器Sに還流させることができる。その際、第1熱交換器H1において、第2出力流体が、圧縮機Cによって圧縮された第1出力流体によって昇温される。
【0037】
この場合、圧縮機Cによって第1出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事が必要になるが、第2出力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要は殆どなくなる。
【0038】
また、分離器Sから出力された第1出力流体を、そのまま系外に出力するのではなく、第2熱交換器H2において入力流体と熱交換させることによってエネルギーを回収することができる。このため、本実施形態に係る分離プロセスモジュール100では、高い省エネルギー効果を得ることができる。
【0039】
さらに、本実施形態に係る分離プロセスモジュール100では、複数の圧縮機を用いて、第1熱交換器H1及び第2熱交換器H2にそれぞれ送られる第1出力流体を別々に圧縮する必要がなく、圧縮機Cを1台(単一の圧縮機C)にすることができる。このため、本実施形態に係る分離プロセスモジュール100では、構造をシンプルにして製造コスト及び運転コストを低減することができる。
(第2実施形態)
【0040】
図2は、第2実施形態に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。図2に示される分離プロセスモジュール200は、加熱装置L5及び冷却装置L4を更に備え、第1熱交換器H1の配置が変更された点以外は、図1に示される分離プロセスモジュール100と同様の構成を備えている。
【0041】
本実施形態では、分離器Sから出力されて分岐部J2に到達した第2出力流体が、配管16を通って加熱装置L5に到達する。加熱装置L5は、分離器Sから出力された第2出力流体を加熱する。加熱装置L5により加熱された第2出力流体は、配管17を通って分離器Sに戻る。加熱装置L5は、例えばスチームである。
【0042】
分離器Sから出力された第2出力流体は、配管15aを通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1を通過した第2出力流体は、配管17aを通って分離器Sに戻る。
【0043】
ここで、配管16を通って加熱装置L5に入力される第2出力流体の温度は、配管15aを通って第1熱交換器H1に入力される第2出力流体の温度よりも高くなっている。このため、第1熱交換器H1に入力される第2出力流体の温度を低くできるので、熱交換する相手となる第1出力流体の温度を低くできる。よって、圧縮機Cにより第1出力流体を昇温させる際に、第1出力流体の温度をそれ程高くする必要がなくなる。その結果、圧縮機Cの負荷が小さくなる。また、加熱装置L5で第2出力流体を加熱する際にも、第1熱交換器H1によって回収されるエネルギー分だけ省エネルギー効果が得られる。
【0044】
また、本実施形態では、分岐部J1に到達した第1出力流体が、配管11を通って冷却装置L4に到達する。冷却装置L4は、圧縮機Cと第1熱交換器H1との間において、圧縮機Cによって圧縮された第1出力流体を冷却する。冷却装置L4は、加熱装置L5によって第2出力流体に与えられたエネルギー量と略同じエネルギー量を系外に排出する。冷却装置L4は、例えばトリムクーラーである。冷却装置L4により冷却された第1出力流体は、配管11aを通って第1熱交換器H1に到達する。冷却装置L4を用いると、第1熱交換器H1に供給される第1出力流体の温度を低下させて、第1熱交換器H1に供給されるエネルギー量を安定化することができるので、分離器Sの運転圧力が安定する。
【0045】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、分離プロセスモジュール100,200は、第3熱交換器H3を備えなくてもよい。また、分離プロセスモジュール200は、加熱装置L5及び冷却装置L4のいずれか一方を備えなくてもよい。
【0046】
図1に示される分離プロセスモジュール100の一実施例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0047】
配管1の入力流体の温度は25℃、圧力は0.10MPa、流量は8.8t/hであった。ポンプP1で加えられたエネルギーは0.0004MWであった。配管2の入力流体の温度は25℃、圧力は0.23MPaであった。第3熱交換器H3で熱交換されたエネルギーは0.064MWであった。配管3の入力流体の温度は41℃、圧力は0.19MPaであった。第2熱交換器H2で熱交換されたエネルギーは1.031MWであった。配管4の入力流体の温度は97℃、圧力は0.14MPaであった。
【0048】
配管5の第1出力流体の温度は86℃、圧力は0.12MPa、流量は24.5t/hであった。圧縮機C(コンプレッサー効率65%)で加えられたエネルギーは0.682MWであった。配管7の第1出力流体の温度は163℃、圧力は0.68MPaであった。配管8の第1出力流体の温度は82℃、圧力は0.63MPaであった。冷却器L2によって除去されたエネルギーは0.201MWであった。配管10の第1出力流体の温度は25℃、圧力は0.10MPa、流量は7.4t/hであった。
【0049】
配管11の第1出力流体の温度は163℃、圧力は0.68MPa、流量は17.1t/hであった。第1熱交換器H1で熱交換されたエネルギーは1.857MWであった。配管12の第1出力流体の温度は136.3℃、圧力は0.63MPaであった。冷却器L1によって除去されたエネルギーは0.475MWであった。配管14の第1出力流体の温度は86℃、圧力は0.12MPaであった。
【0050】
配管16の第2出力流体の温度は125.0℃、圧力は0.149MPa、流量は18.5t/hであった。配管17の第2出力流体の温度は129℃、圧力は0.15MPaであった。ポンプP2で加えられたエネルギーは0.000MWであった。配管19の第2出力流体の温度は125℃、圧力は0.20MPaであった。配管20の第2出力流体の温度は35℃、圧力は0.15MPaであった。冷却器L3によって除去されたエネルギーは0.006MWであった。配管21の第2出力流体の温度は25℃、圧力は0.10MPa、流量は1.4t/hであった。
【0051】
上記実施例では、エネルギー入力が0.682MW(24.4%)であった。
【符号の説明】
【0052】
I…入力端、S…分離器、C…圧縮機、H1…第1熱交換器、H2…第2熱交換器、H3…第3熱交換器、E1…第1出力端、E2…第2出力端、L4…冷却装置、L5…加熱装置、100,200…分離プロセスモジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1成分及び前記第1成分とは異なる第2成分を含む入力流体が入力される入力端と、
前記入力端に入力された前記入力流体を、気体の前記第1成分を含む第1出力流体と、液体の前記第2成分を含む第2出力流体とに分離する分離器と、
前記分離器から出力された前記第1出力流体を圧縮することによって昇温させる圧縮機と、
前記分離器から出力された前記第2出力流体と、前記圧縮機によって圧縮された前記第1出力流体との間で熱交換を行う第1熱交換器と、
前記入力流体と、前記圧縮機によって圧縮された前記第1出力流体との間で熱交換を行う第2熱交換器と、
前記第2熱交換器を通過した前記第1出力流体を出力する第1出力端と、
前記分離器から出力された前記第2出力流体を出力する第2出力端と、
を備え、
前記第1熱交換器を通過した前記第1出力流体と、前記第1熱交換器を通過した前記第2出力流体とが、前記分離器に入力される、分離プロセスモジュール。
【請求項2】
前記分離器から出力された前記第2出力流体を加熱する加熱装置を更に備え、
前記加熱装置により加熱された前記第2出力流体が、前記分離器に入力され、
前記加熱装置に入力される前記第2出力流体の温度が、前記第1熱交換器に入力される前記第2出力流体の温度よりも高い、請求項1に記載の分離プロセスモジュール。
【請求項3】
前記圧縮機と前記第1熱交換器との間において、前記圧縮機によって圧縮された前記第1出力流体を冷却する冷却装置を更に備える、請求項1又は2に記載の分離プロセスモジュール。
【請求項4】
前記分離器から出力された前記第2出力流体と、前記入力流体との間で熱交換を行う第3熱交換器を更に備え、前記第3熱交換器を通過した前記入力流体は前記第2熱交換器に入力され、前記第3熱交換器を通過した前記第2出力流体は前記第2出力端に入力される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分離プロセスモジュール。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−45449(P2012−45449A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187252(P2010−187252)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、エネルギー使用合理化技術戦略的開発/エネルギー使用合理化技術実用化開発/コプロダクション設計手法開発と設計支援ツールの研究開発、産業技術力強化法第19条の適用を受けるもの
【出願人】(000004444)JX日鉱日石エネルギー株式会社 (1,898)
【出願人】(000003285)千代田化工建設株式会社 (162)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】