説明

分離型内容物皿とこれを用いた化粧品成形方法

本発明は、分離型内容物皿とこれを用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形方法に関するものであり、壁体と底体とからなる分離型内容物皿が提供され、内側底面に図柄を形成したシリコンプレートに前記壁体および図柄に見合うコアが載置された後に、壁体の内側面とコアの外側面との間に液状の第1の内容物を注入した後に凝固させ、コアをシリコンプレートから分離した後に第1の内容物とは異なるカラーを有する第2の内容物をコアが分離された個所に注入して前記第2の内容物が図柄に満たされて凝固させるステップを行う。これにより、各々のカラーを有する内容物が分離型内容物皿に入れられて成形されるときに、表面に図柄を形成し、前記図柄は、カラーに応じて製品の表面から陽刻または陰刻されることにより、他の製品との差別を図ることができるだけではなく、消費者の好みに応えることができて、製品販売を促進することができるという効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分離型内容物皿およびこれを用いた化粧品成形方法に係り、さらに詳しくは、様々なカラーのスキンカバー製品が内容物皿に入れられ、これらのうちのいずれか1カラーの化粧料が表面から腐刻されて成形できるようにする分離型内容物皿およびこれを用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、化粧をするためには、ユーザーの好みや皮膚の特性に応じて様々な機能および形状を有する数多くの種類の化粧品を使用することになるが、最も普遍的に、メークアップベースおよびパウダー、トゥーウェイケーキ、パウダーファクト、スキンカバーなどが用いられる。
【0003】
上記の化粧品は、ほとんどオイリーな粉末原料である剤形を皿内に注入した後、これをプレスによって加圧成形して作られるものであり、ほとんど固形に圧縮されて生産される。
【0004】
特に、上記の如き原料は、タルク、二酸化チタン、マイカ、シリカ、ナイロン粉末、ポリメチルメタクリレート、セリサイト、カオリン、亜鉛華、オキシ塩化ビスムスなどの基材にカラーを示すための色素および前記成分を結合させるバインダーが混合されてなり、前記バインダーは、シリコン系オイル類、炭化水素系オイル類、高級脂肪酸系オイル類、高級アルコール系オイル類、エステル系オイル類、グリセリド系オイル類、ラノリン系オイル類、動物性系オイル類、植物性系オイル類などが選択的に用いられる。
【0005】
上記の成分を含有している固形ファウンデーション製品の場合には、単調な表面から脱皮してその製品の表面に様々な模様やデザインを加味してより一層高級で且つ美麗なイメージを演出できるようにしているが、普遍的に、レーザーを用いてパウダーの表面に所望の模様を刻設して高級感を強調するような方法があり、他の方法としては、パウダー噴霧技術を用いてパールを微細に製品の表面に噴霧してパール効果を極大化させる方法があり、さらに他の方法としては、パールプリント後にレーザーマーキングを形成する方法がある。
【0006】
ところが、上記の如き製品表面処理方法において、レーザーを用いて図柄を刻設した製品は、ユーザーが製品を使用するためにパフで製品を数回こすると、その表面の図柄が容易に消去されるため、図柄による高級感や飾り性に対する持続性が低下するという問題があり、パウダー噴霧技術によるパール塗布方法もまた、製品の表面にのみパールを噴霧する方法であるため、製品の表面に形成された図柄の持続性が低下する。
【0007】
また、パールプリント後にレーザーマーキングをする方法もまた、製品の表面に線表現による図柄または紋様を形成するものであるため、数回の使用によってその表面の図柄が消去されるという問題がある。
【0008】
かかる製品の表面に図柄を形成する方法は、過度な作業工程によりむしろ生産性を低下させる原因になっているだけではなく、上記の従来の方法によって表現されるパウダー図柄もまた極く寿命が短くて収益創出の効果を期待することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の如き問題点を解消するためのものであり、その目的は、固形ファウンデーション製品を成形する際に、様々なカラーの固形ファウンデーションを内容物皿に入れ、これらのうちのいずれか1カラーの化粧料が表面から腐刻されて成形できるようにする分離型内容物皿とこれを用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形方法を提供するところにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、前記製品を成形する際に、速やかに大量の製品を製造することができ、製品の不良を減少させて生産性を極大化させることができる分離型内容物皿とこれを用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するための本発明の技術的思想は、固形ファウンデーションが載置される底体12と、前記底体の外周縁に沿って形成されたリングの形状を有する壁体14と、が着脱自在に結合されることを特徴とする分離型内容物皿によって達成される。
【0012】
ここで、好ましくは、前記壁体14の下端に階段状の段差14aが形成され、前記段差14aには底体12の外周縁に沿って形成された凸部12aが当接して接触するが、前記段差14aと凸部12aとが凹凸結合する。
【0013】
また、好ましくは、前記固形ファウンデーションと接する底体12の内側表面にトレッドパターン12cが形成される。
【0014】
さらに、好ましくは、前記壁体14の内側面に沿って収容溝14cが凹設される。
【0015】
さらに、好ましくは、前記壁体14の下端の内側面と底体12の側面のそれぞれにねじ山14b12bが形成されて前記壁体14と底体12とがねじ山に係合する。
【0016】
さらに、好ましくは、前記壁体14の下端の内側面に下方に開放された折り曲げ状の係合溝14dが形成され、前記底体12の側面に前記係合溝14dに嵌まり込む係合突起12dが形成される。
【0017】
一方、上記の目的を達成するための本発明の他の技術的思想は、固形ファウンデーションが載置される底体12と、前記底体12の外周縁に沿って形成されたリングの形状を有する壁体14と、が結合されてなる分離型内容物皿10が設けられ、内側底面22に図柄が刻設されたシリコンプレート20の上面に分離型内容物皿10の壁体14を載置し、前記シリコンプレート20の内側底面22に形成された図柄に見合う図柄が底面に形成されたコア30をシリコンプレート20に載置する成形モールド準備ステップ(S100)と、前記成形モールド準備ステップ(S100)後に液状の内容物をシリコンプレート20に注入し、前記注入された内容物を凝固させ、凝固された内容物からコア30を分離する1次充填ステップ(S200)と、前記1次充填ステップ(S200)においてコア30がシリコンプレート20から分離されれば、コア30が分離された個所に1次充填ステップ(S200)と異なるカラーを有する液状の内容物を注入して凝固させる2次充填ステップ(S300)と、前記2次充填ステップ(S300)において注入された内容物が凝固されれば、底体12を壁体14に結合して内容物皿10を形成し、前記内容物皿10と凝固された内容物をシリコンプレート20から分離する内容物皿取出ステップ(S400)と、を含むことを特徴とする分離型内容物皿を用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形方法によって達成される。
【0018】
ここで、好ましくは、前記成形モールド準備ステップ(S100)は、内側底面22に図柄が刻設されたシリコンプレート20を運搬治具40に固定し、前記運搬治具40を搬送コンベヤ100に搬入するステップ(S110)と、前記搬送コンベヤ100に搬入されたシリコンプレート20に壁体14を載置する壁体載置ステップ(S120)と、前記シリコンプレート20の内側底面22に形成された図柄に見合う図柄が底面に形成されたコア30をシリコンプレート20に載置するコア載置ステップ(S130)と、を含む。
【0019】
また、好ましくは、前記1次充填ステップ(S200)は、前記シリコンプレート20に液状の第1の内容物S1を注入する充填ステップ(S210)と、前記シリコンプレート20に充填された第1の内容物S2を凝固させる1次冷却ステップ(S220)と、前記1次冷却ステップ(S220)後に、凝固された第1の内容物S1からコア30を分離するコア分離ステップ(S230)と、を含む。
【0020】
さらに、好ましくは、前記コア分離ステップ(S230)は、シリコンプレート20から分離されたコア30は、成形モールド準備ステップ(S100)に搬送されることを含む。
【0021】
さらに、好ましくは、前記2次充填ステップ(S300)は、前記シリコンプレート20からコア30が分離された個所に第1の内容物S1とは異なるカラーを有する液状の第2の内容物S2を注入する充填ステップ(S310)と、前記シリコンプレート20に充填された第2の内容物S2を凝固させる2次冷却ステップ(S320)と、を含む。
【0022】
さらに、好ましくは、前記内容物皿取出ステップ(S400)は、前記シリコンプレート20に載置された壁体14の上方に底体12を位置付ける整列ステップ(S410)と、前記底体12を壁体14に結合させる組立ステップ(S420)と、前記組立ステップ(S420)において形成された内容物皿10をシリコンプレート20から離脱させる分離ステップ(S430)と、を含む。
【0023】
さらに、好ましくは、前記分離ステップ(S430)は、前記底体12と壁体14とが結合されて内容物皿10を形成すれば、前記シリコンプレート20の底面を押し上げてシリコンプレート20の内側底面22と、凝固された第1の内容物S1と、第2の内容物S2との間に隙間を生じさせる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る分離型内容物皿とこれを用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形方法は、様々なカラーを有するそれぞれの内容物が内容物皿に貯蔵されるときに、固形ファウンデーション製品の表面に図柄を形成し、前記図柄は、カラーに応じて製品の表面から陽刻または陰刻されることにより、他の製品との差別を図ることができるだけではなく、消費者の好みに応えることができて製品販売を促進することができるという効果がある。
【0025】
また、表面に様々なカラーを有し、これらのうちのいずれか1カラーの内容物が製品の表面から陽刻または陰刻された図柄が形成されるように製品を成形するときに、一層速やかに大量の製品を生産することが可能になることにより、生産性を向上させるだけではなく、製品成形中に発生する不良率を減少させることができて生産コストを節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は本発明に係る分離型内容物皿を示す斜視図である。
【図2】図2は本発明に係る分離型内容物皿を示す分解斜視図である。
【図3】図3は本発明に係る分離型内容物皿を示す断面図である。
【図4】図4は本発明に係る分離型内容物皿の他の実施形態を示す斜視図である。
【図5】図5は図4に示す分離型内容物皿の断面図である。
【図6】図6は本発明に係る分離型内容物皿のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図7】図7は本発明に係る分離型内容物皿を用いた化粧品成形方法を示す手順図である。
【図8】図8は本発明に係る分離型内容物皿を用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形装置の例を示す斜視図および平面図である。
【図9】図9は本発明に係る分離型内容物皿を用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形装置の例を示す斜視図および平面図である。
【図10】図10は本発明に係る成形モールド準備ステップおよび1次充填ステップにおいて、液状の内容物をシリコンプレートに注入する第1の注入装置を示す斜視図および側断面図である。
【図11】図11は本発明に係る成形モールド準備ステップおよび1次充填ステップにおいて、液状の内容物をシリコンプレートに注入する第1の注入装置を示す斜視図および側断面図である。
【図12】図12は本発明に係る1次充填ステップにおいて、シリコンプレートに注入された第1の内容物を凝固させるための1次冷却装置と、第1の内容物が凝固されたシリコンプレートからコアを分離するためのコア分離装置および作動状態を示す斜視図および側断面図である。
【図13】図13は本発明に係る1次充填ステップにおいて、シリコンプレートに注入された第1の内容物を凝固させるための1次冷却装置と、第1の内容物が凝固されたシリコンプレートからコアを分離するためのコア分離装置および作動状態を示す斜視図および側断面図である。
【図14】図14は本発明に係る1次充填ステップにおいて、シリコンプレートに注入された第1の内容物を凝固させるための1次冷却装置と、第1の内容物が凝固されたシリコンプレートからコアを分離するためのコア分離装置および作動状態を示す斜視図および側断面図である。
【図15】図15は本発明に係る1次充填ステップにおいて、シリコンプレートに注入された第1の内容物を凝固させるための1次冷却装置と、第1の内容物が凝固されたシリコンプレートからコアを分離するためのコア分離装置および作動状態を示す斜視図および側断面図である。
【図16】図16は本発明に係る1次充填ステップ後に、シリコンプレートからコアが分離された個所に液状の第2の内容物を注入する第2の注入装置を示す斜視図および側断面図である。
【図17】図17は本発明に係る1次充填ステップ後に、シリコンプレートからコアが分離された個所に液状の第2の内容物を注入する第2の注入装置を示す斜視図および側断面図である。
【図18】図18は本発明に係る2次充填ステップ後に、シリコンプレートの上面に載置された壁体に底体を結合させて分離型内容物皿を形成し、前記シリコンプレートから内容物皿を取り出す過程を示す側断面図である。
【図19】図19は本発明に係る2次充填ステップ後に、シリコンプレートの上面に載置された壁体に底体を結合させて分離型内容物皿を形成し、前記シリコンプレートから内容物皿を取り出す過程を示す側断面図である。
【図20】図20は本発明に係る2次充填ステップ後に、シリコンプレートの上面に載置された壁体に底体を結合させて分離型内容物皿を形成し、前記シリコンプレートから内容物皿を取り出す過程を示す側断面図である。
【図21】図21は本発明に係る分離型内容物皿を用いた化粧品成形方法によって製造された分離型内容物皿に貯蔵されたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品を示す部分断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面に基づき、本発明に係る実施形態を詳述する。
【0028】
図1は、本発明に係る分離型内容物皿を示す斜視図であり、図2は、本発明に係る分離型内容物皿を示す分解斜視図であり、図3は、本発明に係る分離型内容物皿を示す断面図である。
【0029】
同図を参照すれば、本発明に係る分離型内容物皿は、大きく、固形ファウンデーションが載置される底体12と、前記底体12の外周縁に沿って形成されたリングの形状を有する壁体14と、からなる。
【0030】
前記底体12の形状は、内容物皿10が収納される化粧品容器(図示せず)に対応するものであり、一般に、底体12は、円形、四角形の形状を有する板状を呈し、前記板状の外周縁に沿って所定の高さを有する凸部12aが形成される。
【0031】
このように、凸部12aが形成された底体12には前記凸部12aと凹凸結合するリングの形状を有する壁体14が組み付けられてスキンカバーまたは固形ファウンデーションなどの内容物を貯蔵可能な分離型内容物皿10を形成する。
【0032】
すなわち、前記底体12の外周縁に沿って形成された凸部12aは、壁体14の下端に形成された階段状の段差14aと凹凸結合して固形ファウンデーションとなる液状の内容物を入れる分離型内容物皿10を形成する。
【0033】
このように、前記底体12と壁体14とが結合されてなる分離型内容物皿10の底体12の上面に液状の内容物が注入されれば、前記内容物は、経時的に自然凝固されるか、あるいは、冷却装置を経由しつつ強制的に凝固される。
【0034】
さらに、本発明に係る分離型内容物皿10に固形ファウンデーションが載置されるとき、前記固形ファウンデーションが分離型内容物皿10から任意的に離脱することを防ぎ、前記壁体14と底体12との結合を一層強固に行うことができる。これを図4から図6に基づき説明する。
【0035】
図4は、本発明に係る分離型内容物皿の他の実施形態を示す斜視図であり、図5は、図4に示す分離型内容物皿の断面図であり、図6は、本発明に係る分離型内容物皿のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【0036】
同図を参照すれば、固形ファウンデーションが載置される底体12の内側表面と壁体14の内側面のそれぞれには、固形ファウンデーションが分離型内容物皿10から任意的に離脱することを防ぐために、固形ファウンデーションと分離型内容物皿10との接触面積を増やしたり、当接面の表面粗さを増大させたトレッドパターン12cと収容溝14cが形成される。
【0037】
すなわち、前記底体12の内側表面に形成されたトレッドパターン12cと、壁体14の内側面に形成された収容溝14cは、自動車などの運送手段のタイヤに形成されたトレッドパターンと同じ規則を有するグルーブが形成されて液状の状態で分離型内容物皿10に固形ファウンデーションが入れられるときに、前記トレッドパターン12cと収容溝14cに液状の内容物が流れ込んで凝固されることにより、接触面積を増加させて前記固形ファウンデーションが分離型内容物皿10から容易に離脱することを防ぐこととなる。
【0038】
上記の如きトレッドパターン12cと収容溝14cは、同図に示すように、一定の間隔を有するグルーブによって形成されてもよいが、場合によっては、底体12の内側表面と壁体14の内側面から所定の間隔をあけて突出または凹入する凹凸が繰り返し形成された形状であってもよい。
【0039】
また、前記底体12と壁体14とが結合されるときに、前記底体12と壁体14との結合をなお一層強固にするために、前記壁体14の下端内側面と底体12の側面のそれぞれにねじ山14b、12bが形成されて前記壁体14と底体12がねじ山に係合することができ、場合によっては、前記壁体14の下端内側面に下方に開放された折り曲げ状の係合溝14dが形成され、前記底体12の側面に係合突起12dが形成されて前記係合溝14dに係合突起12dが嵌まり込むことができる。
【0040】
このように、底体12と壁体14にねじ山12b、14bが形成されるか、あるいは、係合溝14dと係合突起12dが形成されることにより、前記壁体14に底体12を結合させるときに、前記底体12を回転させて壁体14に組み付けることにより、前記壁体14と底体12との結合をなお一層強固に行うことができる。
【0041】
このように、前記内容物皿10が一体に形成されずに、それぞれ底体12と壁体14が別々に形成された後に、これらが組み合わせられて一つの内容物皿10にする理由は、内容物皿10に入れられるスキンカバーまたは固形ファウンデーション製品に様々なカラーを持たせ、特に、これらのうちの1カラーの内容物が製品の表面から突出または製品の表面に凹入しつつ図柄を形成するように製品を成形するためである。
【0042】
すなわち、図21に示すように、底体12と壁体14とが結合されてなる分離型内容物皿10に様々なカラーを有するようにそれぞれ異なるカラーを有する第1の内容物S1と第2の内容物S2が分離型内容物皿10に貯蔵されるが、前記第1の内容物S1と第2の内容物S2のうちのいずれか1カラーの内容物が、同図に示すように、消費者により視認可能な面、すなわち、表面に図柄を形成し、前記図柄が表面から陽刻または陰刻される製品を成形することが可能になる。
【0043】
このように、成形された様々なカラーを有し、表面から陽刻または陰刻された製品は、他の製品と差別されるだけではなく、消費者の好みに応えることができて、製品販売を促進することが可能になる。
【0044】
因みに、本発明に係る分離型内容物皿10に貯蔵された固形ファウンデーションは、いずれか1カラーを有する第1の内容物S1が貯蔵され、前記第1の内容物S1とは異なるカラーを有する第2の内容物S2が第1の内容物S1内に貯蔵されるが、前記第2の内容物S2は、第1の内容物S1と混ざって混色されず、第2の内容物S2のカラーのみの図柄を形成する。また、本発明に係る分離型内容物皿10に貯蔵された固形ファウンデーションは、いずれか1カラーを有する第1の内容物S1が貯蔵され、前記第1の内容物S1とは異なるカラーを有する第2の内容物S2が第1の内容物S1内に貯蔵されるが、前記第2の内容物S2は、第1の内容物S1と混ざって混色されず、第2の内容物S2のカラーのみの図柄を形成する。
【0045】
特に、前記第2の内容物S2は、第1の内容物S1の表面よりも突出されたり、あるいは、第1の内容物S1の表面に凹入するように形成されることにより、消費者の好みに応じて第1の内容物S1または第2の内容物S2をそれぞれ別々に使用したり、あるいは、第1の内容物S1と第2の内容物S2を混合・造色して使用することができるだけではなく、第2の内容物S2が第1の内容物S1の表面から陽刻または陰刻された図柄を形成するために、他の製品と審美的に差別できて製品販売を促進することができる。
【0046】
すなわち、上記の如き壁体14と底体12とが結合されてなる分離型内容物皿10を用いてマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄が腐刻された製品を成形するためには、図7に示すように、内側底面22に図柄が刻設されたシリコンプレート20の上面に壁体14を載置し、前記シリコンプレート20の内側底面22に形成された図柄に見合う図柄が底面に形成されたコア30をシリコンプレート20に載置する成形モールド準備ステップ(S100)が行われる。
【0047】
そして、前記成形モールド準備ステップ(S100)が完了すれば、前記シリコンプレート20に液状の内容物S1を注入して凝固させた後、コア30をシリコンプレート20から分離する1次充填ステップ(S200)が行われる。
【0048】
前記1次充填ステップ(S200)が完了すれば、前記シリコンプレート20からコア30が分離された個所に1次充填ステップ(S200)とは異なるカラーを有する液状の内容物S2を注入して凝固させる2次充填ステップ(S300)が行われ、前記2次充填された内容物S2が凝固されれば、壁体14に底体12を結合させて分離型内容物皿10を形成し、前記分離型内容物皿10をシリコンプレート20から分離する内容物皿取出ステップ(S400)を行うことにより、製品を成形する。
【0049】
すなわち、内側底面22に図柄が刻設されたシリコンプレート20の上面に所定の高さを有する壁体14を載置し、基本カラーとなる第1の内容物S1をシリコンプレート20に注入する。
【0050】
このとき、前記第1の内容物S1がシリコンプレート20の内側底面22に形成された図柄に流れ込んで満たされないように前記シリコンプレート20の内側底面22に形成された図柄に見合う図柄が底面に形成されたコア30をシリコンプレート20に載置した状態で第1の内容物S1をシリコンプレート20に注入する。
【0051】
そして、前記第1の内容物S1が凝固された後には、コア30をシリコンプレート20から分離した後、第1の内容物S1は異なるカラーを有する第2の内容物S2をシリコンプレート20に注入して凝固させた後、壁体14に底体12を結合させて分離型内容物皿10を形成し、このような分離型内容物皿10をシリコンプレート20から分離して固形ファウンデーション製品の表面に図柄が陽刻または陰刻(以下では、陽刻または陰刻を腐刻と通称する)成形された製品を製造することが可能になる。
【0052】
以下、上記のステップを経てマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形方法を行うために、各ステップに応じて最適な動作を行う成形装置を説明する。
【0053】
図8から図20は、底体12と前記底体12の外周縁に沿って形成されたリングの形状を有する壁体14が結合されてなる分離型内容物皿10を用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻するための化粧品成形装置の各ステップに係る装置の動作を説明するための例示図である。
【0054】
図8および図9は、本発明に係る分離型内容物皿を用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形装置の例を示す斜視図および平面図である。
【0055】
同図に示す化粧品成形装置において、マルチカラー、すなわち、内容物皿10に様々なカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品を成形するために、内側底面22に図柄が刻設されたシリコンプレート20が搬送コンベヤ100に載置された後、順次に成形装置の各区間を通過しつつ各ステップを完了する。
【0056】
このような成形装置は、大きく、シリコンプレート20を搬入して運搬する搬送コンベヤ100と、前記搬送コンベヤ100の上に設けられてシリコンプレート12に液状の第1の内容物S1を注入する1次注入装置200と、シリコンプレート20に注入された第1の内容物S1を速やかに凝固させる1次冷却装置300と、シリコンプレート20において凝固された第1の内容物S1からコア30を分離するコア分離装置400と、前記コア30が分離された個所に第2の内容物S2を注入する2次注入装置500と、注入された第2の内容物S2を速やかに凝固させる2次冷却装置600およびシリコンプレート20に載置された壁体14に底体12を結合させた分離型内容物皿10および前記分離型内容物皿10に入れられて固形化された固形ファウンデーションを取り出す取出装置700と、から構成される。
【0057】
上記の如き構成を有する成形装置における成形モールド準備ステップ(S100)は、内側底面22に図柄が刻設されたシリコンプレート20を運搬治具40に固定し、前記運搬治具40を搬送コンベヤ100に搬入するステップ(S110)と、前記搬送コンベヤ100に搬入されたシリコンプレート20に壁体14を載置する壁体載置ステップ(S120)と、前記シリコンプレート20の内側底面22に形成された図柄に見合う図柄が底面に形成されたコア30をシリコンプレート20に載置するコア載置ステップ(S130)と、からなる。
【0058】
因みに、前記搬送コンベヤ100と、1次注入装置200と、1次冷却装置300と、コア分離装置400と、2次注入装置500と、2次冷却装置600および取出装置700は、所定の形状を有する作業台101に支持されるように設置または付設されるが、前記搬送コンベヤ100は、シリコンプレート20がセットされた運搬治具40を搬入して、1次注入装置200と、1次冷却装置300およびシリコンプレート20に載置されたコア30をシリコンプレート20から分離するコア分離装置400と、2次注入装置500と、2次冷却装置600を経たシリコンプレート20において壁体14に底体12を結合させて分離型内容物皿10を形成した製品を取り出す取出装置700に循環するように配置される。
【0059】
このような前記搬送コンベヤ100は、作業場の環境および構造に応じて最適の状態で配置される。すなわち、前記搬送コンベヤ100には、上述した1次注入装置200と、1次冷却装置300と、コア分離装置400と、2次注入装置500と、2次冷却装置600および取出装置700が搬送コンベヤ100の上に最適な状態で配置されるか、あるいは、各装置が予め配置された状態で搬送コンベヤ100が最適の状態で配置されてシリコンプレート20を搬入して運搬して各ステップ別の工程を行うことにより、分離型内容物皿にマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄が腐刻された製品を成形する。
【0060】
上記の如き構成を有する成形装置による本発明に係るマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の成形方法のうち、成形モールド準備ステップ(S100)と1次充填ステップ(S200)において、液状の第1の内容物S1をシリコンプレート20に注入する第1の注入装置200を図10および図11に基づいて説明する。
【0061】
同図を参照すれば、成形モールド準備ステップ(S100)は、内側底面22に図柄が形成されたシリコンプレート20が運搬治具40にセットされて搬送コンベヤ100の上に搬入(S110)されれば、作業者がシリコンプレート20に分離型内容物皿10の壁体14を載置(S120)するが、前記シリコンプレート20は、その内側面22に図柄が形成され、その周りに壁体14が動かないように固定可能な固定溝24が形成された軟質の材質からなる。
【0062】
上記の如き形状および構造を有するシリコンプレート20は、概ね矩形の形状を有する運搬治具40の上面に動かないようにセットされ、シリコンプレート20が固定された運搬治具40のうちシリコンプレート20の直下部に位置する運搬治具の一部には貫通孔42が形成されて、後述する取出装置700のロッド770が貫通孔42に嵌まり込んだ状態でシリコンプレート20の底面を押し上げて分離型内容物皿10の取出を容易にする。
【0063】
このように、運搬治具40にセットされたシリコンプレート20は、搬送コンベヤ100によって運搬されるが、運搬される過程において、分離型内容物皿10の壁体14が作業者によってシリコンプレート20の固定溝24に嵌まり込む。ところが、ここで、前記分離型内容物皿10の壁体14が作業者によってのみシリコンプレート20の上面に載置されるとは限らず、種々に変形されて実施可能である。
【0064】
例えば、前記シリコンプレート20の上面に分離型内容物皿10の壁体14を載置するとき、別途の供給装置(図示せず)から壁体14を供給され、供給された壁体14の上端の一部を把持した状態で供給装置からシリコンプレート20の上面へと壁体14を自動的に運搬するグリッパ(図示せず)を有する搬送ロボット(図示せず)によって行われてもよく、このような変形された実施形態もまた本発明の技術的思想に含まれる。
【0065】
上述したように、分離型内容物皿10の壁体14がシリコンプレート20の上面に載置されれば、コア30をシリコンプレート20の内部に載置するときにはコア載置ステップ(S130)を経ることになるが、前記コア30は、シリコンプレート20の内側底面22に形成された図柄に見合う図柄が底面に形成され、前記コア30の上面の両側には羽根32が延設されて運搬治具40に着脱自在に支持される。
【0066】
すなわち、コア30の上面の両側に延設された羽根32の先端にはピンホール34が形成され、前記ピンホール34は運搬治具40から突設されたピン44に貫通されることにより、前記コア30が搬送コンベヤ100によって移動されるか、あるいは、後述する1次注入装置200から第1の内容物S1がシリコンプレート20へと注入されるときに、揺動することを防ぐことが可能になる。
【0067】
上述したシリコンプレート20内にコア30を載置するステップ(S130)は、上述したように、作業者によって行われてもよいが、場合によっては、コア30を自動的に受け取るグリッパ(図示せず)を有する搬送ロボット(図示せず)によって行われてもよい。
【0068】
このように、シリコンプレート20を運搬治具40にセットし、搬送コンベヤ100に搬入するステップ(S110)と、前記シリコンプレート20に分離型内容物皿10の壁体14を載置する壁体載置ステップ(S120)と、前記シリコンプレート20にコア30を載置するコア載置ステップ(S130)を含む成形モールド準備ステップ(S100)が完了すれば、前記コア30が載置されたシリコンプレート20は搬送コンベヤ100によって1次充填ステップ(S200)に搬送される。
【0069】
前記成形モールド準備ステップ(S100)を経たシリコンプレート20は、液状の第1の内容物S1をシリコンプレート20に注入するための1次注入装置200の下部に位置し、且つ、前記1次注入装置200は、図8に示すように、シリコンプレート20の真上方に注入ノズル210が位置するが、前記注入ノズル210は一対をなして形成されて液状の第1の内容物S1を貯蔵した貯蔵タンク(図示せず)から供給されてシリコンプレート20に注入される。
【0070】
このとき、前記一対の注入ノズル210から液状の第1の内容物S1がシリコンプレート20に注入されるとき、液状の第1の内容物S1はシリコンプレート20に載置されたコア30の周りに注入される。このように、コア30の周りに注入される第1の内容物S1は、シリコンプレート20に載置された分離型内容物皿10の壁体14の内側面とコア30の外側面との間に充填される液状の第1の内容物S1を注入する充填ステップ(S210)を行う。
【0071】
このように、1次注入装置200によって液状の第1の内容物S1を壁体14の内側面とコア30の外側面との間に充填するステップ(S210)を経たシリコンプレート20は、図12に示すように、搬送コンベヤ100によって1次冷却装置300に搬送される。
【0072】
前記1次冷却装置300は、壁体14の内側面とコア30の外側面との間に充填された液状の第1の内容物S1を速やかに凝固させるために冷却するものであり、前記1次冷却装置300は、両側面と上面に冷熱半導体が設けられたトンネルからなり、液状の第1の内容物S1が充填されたシリコンプレート20が通過しつつシリコンプレート20に充填された第1の内容物S1を減温させ、これにより、前記第1の内容物S1が速やかに凝固されてシリコンプレート20内において固形化される1次冷却ステップ(S220)を経る。
【0073】
上述したように、1次冷却ステップ(S220)を経た第1の内容物S1が凝固されたシリコンプレート20は、搬送コンベヤ100によってコア分離装置400に運ばれてコア30がシリコンプレート20から分離されるコア分離ステップ(S230)を行う。
【0074】
前記コア分離ステップ(S230)は、第1の内容物S1が凝固されたシリコンプレート20からコア30を分離するためのものであり、第1の内容物S1が凝固されたシリコンプレート20がコア分離装置400の下部に位置すれば、シリコンプレート20に載置されたコア30を分離し、分離されたコア30は成形モールド準備ステップ(S100)中にコア30をシリコンプレート20に載置するためのコア載置ステップ(S130)に供給する。これを図12から図15に基づいて説明する。
【0075】
図12から図15は、本発明に係る1次充填ステップにおいて、シリコンプレートに注入された第1の内容物を凝固させるための1次冷却装置と、第1の内容物が凝固されたシリコンプレートからコアを分離するためのコア分離装置および作動状態を示す斜視図および側断面図である。
【0076】
同図を参照すれば、コア分離ステップ(S230)におけるコア分離装置400は、大きく、第1の内容物S1が凝固されたシリコンプレート20を運搬する搬送コンベヤ100の上部に設けられて垂直移動および水平移動する昇降ユニット410と、前記昇降ユニット410の下端に設けられてコア30の上方に近づくことによりコア30を磁力により受け取る受取ユニット420およびシリコンプレート20から分離したコア30を成形モールド準備ステップ(S100)中にコア載置ステップ(S130)に供給するための搬送コンベヤ430から構成される。
【0077】
因みに、前記コア分離装置400の昇降ユニット410は、所定の高さに位置する受取ユニット420を第1の内容物S1が凝固されたシリコンプレート20に載置されたコア30の上方に下降させて受取ユニット420をコア30に近づける。
【0078】
このように、受取ユニット420が昇降ユニット410によってコア30の上方に近づくと、前記受取ユニット420に設けられた電磁石422において発生する磁力によって金属製のコア30が電磁石422にくっつく。
【0079】
上述したようにコア30が受取ユニット420に設けられた電磁石422の磁力によってくっつくと、前記昇降ユニット410は受取ユニット420を元の高さに昇降させてコア30をシリコンプレート20から完全に分離した後、受取ユニット420を水平移動させて搬送コンベヤ430の上部に移動させる。
【0080】
また、コア30を受け取った受取ユニット420が搬送コンベヤ430の上部に移動すれば、前記受取ユニット420に設けられた電磁石422において発生する磁力を遮断してシリコンプレート20から分離されたコア30を搬送コンベヤ430に搬入させ、前記搬送コンベヤ430は、分離されたコア30を成形モールド準備ステップ(S100)中にコア載置ステップ(S130)に供給する。
【0081】
上述したように、第1の内容物S1が凝固されたシリコンプレート20からコア30が分離されれば、前記シリコンプレート20は、搬送コンベヤ100によって2次充填ステップ(S300)に搬送される。これを、図13および図14に基づいて説明する。
【0082】
図16および図17は、本発明に係る1次充填ステップ後に、シリコンプレートからコアが分離された個所に液状の第2の内容物を注入する第2の注入装置を示す斜視図および側断面図である。
【0083】
同図を参照すれば、前記2次充填ステップ(S300)は、第1の内容物S1が凝固されたシリコンプレート20からコア30が分離された個所に第1の内容物S1とは異なるカラーを有する液状の第2の内容物S2を注入する充填ステップ(S310)と、前記シリコンプレート20に充填された第2の内容物S2を凝固させる2次冷却ステップ(S320)と、を行う。
【0084】
上記の2次充填ステップ(S300)を行うために、コア30が分離されたシリコンプレート20は、液状の第2の内容物S2をシリコンプレート20に注入する2次注入装置500と、注入された第2の内容物S2を凝固させるための2次冷却装置600を順次に移動する。
【0085】
因みに、前記1次充填ステップ(S200)を経てコア30が分離されたシリコンプレート20は、コア30が分離された個所に液状の第2の内容物S2を注入するための2次注入装置500の下部に位置するが、前記2次注入装置500からシリコンプレート20へと注入される液状の第2の内容物S2は、前記1次充填ステップ(S200)において注入された第1の内容物S1とは異なるカラーを有する。
【0086】
このような液状の第2の内容物S2は、シリコンプレート20からコア30が分離された個所に注入され、特に、前記第2の内容物S2がシリコンプレート20の内側底面22に刻設された図柄に満たされつつ前記第2の内容物S2が第1の内容物S1よりも突出または凹入する図柄を形成する液状の第2の内容物S2を注入する充填ステップ(S310)を行う。
【0087】
このように、2次注入装置500によって液状の第2の内容物S2がシリコンプレート20に注入されるステップ(S310)を経たシリコンプレート20は、搬送コンベヤ100によって2次冷却装置600に搬送される。
【0088】
前記2次冷却装置600は、1次充填ステップ(S200)において述べた1次冷却装置300とほとんど同様の構造を有するが、前記シリコンプレート20に充填された第1の内容物S1と第2の内容物S2を完全に凝固させて固形化できるようにシリコンプレート20が2次冷却装置600に留まる時間が一層長引いて、シリコンプレート20に充填された第1の内容物S1と第2の内容物S2を減温させる。
【0089】
このために、前記2次冷却装置600は、1次冷却装置300に比べてなお一層大きな規模を有してもよく、前記シリコンプレート20を搬送する搬送コンベヤ100の運搬速度が1次冷却装置300に設けられた搬送コンベヤ100の運搬速度に比べて低い状態で運転されてもよい。
【0090】
上述したように2次冷却ステップ(S320)を経た第1の内容物S1と第2の内容物S2が凝固されたシリコンプレート20は、搬送コンベヤ100によって取出装置700に運ばれてシリコンプレート20に載置された壁体14に底体12を結合させて分離型内容物皿10を形成し、前記シリコンプレート20から前記分離型内容物皿10と、凝固された第1の内容物S1および第2の内容物S2を取り出す内容物皿取出ステップ(S400)に搬送される。これを、図15から図17に基づいて説明する。
【0091】
図18から図20は、本発明に係る2次充填ステップ後に、シリコンプレートの上面に載置された壁体に底体を結合させて分離型内容物皿を形成し、前記シリコンプレートから内容物皿を取り出す過程を示す側断面図である。
【0092】
同図を参照すれば、前記内容物皿取出ステップ(S400)は、シリコンプレート20において凝固された第1の内容物S1と第2の内容物S2および前記第1の内容物S1の外郭を形成した壁体14に底体12を結合させて分離型内容物皿10を形成した後に、前記シリコンプレート20から第1の内容物S1と第2の内容物S2を含む分離型内容物皿10を分離するためのものであり、シリコンプレート20が取出装置700の下部に位置すれば、壁体14に底体12を結合させ、この状態で、凝固された第1の内容物S1と第2の内容物S2をともにシリコンプレート20から取り出す。
【0093】
すなわち、前記内容物皿取出ステップ(S400)は、前記シリコンプレート20に載置された壁体14の上方に底体12を位置付ける整列ステップ(S410)と、前記底体12を壁体14に結合させる組立ステップ(S420)と、前記組立形成された分離型内容物皿10をシリコンプレート20から離脱させる分離ステップ(S430)と、からなる。
【0094】
前記整列ステップ(S410)は、2次充填ステップ(S300)を経た凝固された第1の内容物S1と第2の内容物S2を充填したシリコンプレート20が搬送コンベヤ100によって取出装置700の下部に位置するが、特に、前記シリコンプレート20は、前記取出装置700において予め準備された底体12の直下方に位置できるように移動する。
【0095】
このように前記取出装置700において準備された底体12の直下方にシリコンプレート20に載置された壁体14が位置すれば、前記底体12を壁体14に結合させて分離型内容物皿10を形成する組立ステップ(S420)が行われ、この後、分離型内容物皿10および凝固された第1の内容物S1と第2の内容物S2をシリコンプレート20から離脱させる分離ステップ(S430)を行う。
【0096】
因みに、前記取出装置700は、2次冷却装置600を経たシリコンプレート20を運搬する搬送コンベヤ100の上に設けられるが、前記取出装置700は、大きく、底体12を吸着するように吸入孔が形成された吸着プレート710と、前記吸着プレート710を底体12が準備された場所からシリコンプレート20に載置された壁体14の上部に移動させるための搬送ユニット720および前記吸着プレート710に形成された吸入孔712を介して外部空気を吸い込む空気吸入ユニット730から構成される。
【0097】
前記吸着プレート710は、底体12の底面、すなわち、凝固された第1の内容物S1と第2の内容物S2を入れて接触する個所の外側面に相当する平らな面を形成した個所と接触し、この状態で、吸着プレート710に形成された吸入孔712を介して底体12の周りの外部空気を吸い込んで底体12が吸着プレート710にくっつくこととなる。
【0098】
特に、前記底体12が吸着プレート710に真空吸着されるとき、底体12が吸着プレート710に定位置にくっつくことや、斜めにくっつくことを防ぐために、前記吸着プレート710には底体12が載置される受取溝714が形成される。
【0099】
また、前記受取溝714の中心には、外部空気を吸い込む吸入孔712が形成され、前記吸入孔712は、空気吸入ユニット730と流路によって連通されて前記吸入孔712を介して吸着プレート710の外部、特に、前記底体12が吸着プレート710の下部に近づいて位置するときに、前記底体12の周りの空気を吸い込んで底体12を吸着させる。
【0100】
上記の吸着プレート710は、底体12が準備された場所からシリコンプレート20に載置された壁体14の上部に移動させ、前記壁体14に向かって下降して前記底体12を壁体14に結合させる搬送ユニット720に設けられるが、前記搬送ユニット720は、コア分離ステップ(ステップS230)におけるコア分離装置400において説明した昇降ユニット410とほとんど同様の構造を有するか、あるいは、X軸、Y軸、Z軸の3軸移動および回転する搬送ロボット(図示せず)によって底体12をシリコンプレート20に載置された壁体14の上部に移動させて結合させることができる。
【0101】
上述した構成を有する取出装置700によれば、底体12が準備された場所に吸着プレート710を搬送ユニット720が移動させた後、前記空気吸入ユニット730が作動して吸入孔712を介して外部空気を吸い込んで前記底体12を吸着プレート710に吸着させる。
【0102】
このように、底体12が吸着された吸着プレート710は、搬送ユニット720によってシリコンプレート20に載置された壁体14の直上方に位置付ける整列ステップ(S410)を行い、この後、吸着プレート710が下降して底体12を壁体14に結合させる組立ステップ(S420)を行う。
【0103】
一方、分離型内容物皿の底体と壁体との結合をなお一層強固にすべく、図4から図6に示すように、前記底体12と壁体14にねじ山12b、14bが形成されるか、あるいは、係合溝14dと係合突起12dが形成される場合、前記組立ステップ(S420)を行う際に、前記取出装置700のうち底体12を吸着する吸着プレート710が回転可能な構造を持たせることにより、前記底体12を回転させて壁体14に組み付ける。
【0104】
因みに、前記吸着プレート710に駆動モーター(図示せず)を設けて、前記底体12が吸着プレート710に吸着された状態で吸着プレート710をシリコンプレート20に載置された壁体14の直上方に位置付ける整列ステップ(S410)を行い、前記底体12を壁体14に組み付けるとき、前記吸着プレート710が壁体14に向かって下降して底体12と壁体14を接触させた後に回転して、前記底体12と壁体14に形成されたねじ山12b、14b同士が係合されるか、あるいは、壁体14と底体14に形成された係合溝14dと係合突起12dが緊結される。
【0105】
上記のように底体12と壁体14が結合されて分離型内容物皿10を形成すれば、前記運搬治具40の一部に形成された貫通孔42を介してロッド770が貫通孔42に嵌まり込んだ状態で前記シリコンプレート20の底面を押し上げてシリコンプレート20の内側底面22と凝固された第1の内容物S1および第2の内容物S2の間に微細な隙間を生じさせる。
【0106】
このように、シリコンプレート20の内側底面22と凝固された第1の内容物S1および第2の内容物S2の間に微細な隙間を生じさせると、凝固された第1の内容物S1および第2の内容物S2を含む分離型内容物皿10をシリコンプレート20から容易に離脱させることができる。
【0107】
上述したように、シリコンプレート20から第1の内容物S1および第2の内容物S2を含む分離型内容物皿10を取り出すと、前記搬送ユニット720が吸着プレート710を上下に反転されるように回転させて前記第2の内容物S2に形成された図柄が上方を向くように位置付けた後、吸着プレート710から分離型内容物皿10を取り出す分離ステップ(S430)を行う。
【0108】
このように、分離ステップ(S430)を終えた第1の内容物と第2の内容物を含む分離型内容物皿10は、化粧品容器(図示せず)に収納できるように次の工程に運ばれる。
【0109】
上述したように、本発明に係る壁体および底体からなる分離型内容物皿および前記分離型内容物皿を用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形方法によれば、それぞれのカラーを有する内容物が内容物皿に入れられて成形されるときに、表面に図柄を形成し、前記図柄は、カラーに応じて製品の表面から陽刻または陰刻されることにより、他の製品との差別を図ることができるだけではなく、消費者の好みに応えることができて製品販売を促進することができるという効果がある。
【0110】
また、表面に様々なカラーを有し、これらのうちのいずれか1カラーの内容物が製品の表面から陽刻または陰刻された図柄が形成されるように製品を成形するときに、一層速やかに大量の製品を生産することが可能になることにより、生産性を向上させるだけではなく、製品成形中に発生する不良率を減少させることができて生産コストを節減することができる。
【0111】
一方、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の修正および変形が可能であり、このような修正および変形が加わったものも本発明の技術的思想に属するものと認めるべきである。
【符号の説明】
【0112】
10:分離型内容物皿、
12:底体、
14:壁体、
20:シリコンプレート、
30:コア、
40:運搬治具、
100:搬送コンベヤ、
200:1次注入装置、
300:1次冷却装置、
400:コア分離装置、
410:昇降ユニット、
420:受取ユニット、
422:電磁石、
430:搬送コンベヤ、
500:2次注入装置、
600:2次冷却装置、
700:取出装置、
710:吸着プレート、
720:搬送ユニット、
730:空気吸入ユニット、
S1:第1の内容物、
S2:第2の内容物、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形ファウンデーションが載置される底体(12)と、
前記底体(12)の外周縁に沿って形成されたリングの形状を有する壁体(14)と、
が着脱自在に結合され、
前記固形ファウンデーションと接する底体(12)の内側表面にトレッドパターン(12c)が形成されることを特徴とする分離型内容物皿。
【請求項2】
固形ファウンデーションが載置される底体(12)と、
前記底体(12)の外周縁に沿って形成されたリングの形状を有する壁体(14)と、
が着脱自在に結合され、
前記壁体(14)の下端の内側面と底体(12)の側面のそれぞれにねじ山(14b)(12b)が形成されて前記壁体(14)と底体(12)とがねじ山に係合することを特徴とする分離型内容物皿。
【請求項3】
固形ファウンデーションが載置される底体(12)と、
前記底体(12)の外周縁に沿って形成されたリングの形状を有する壁体(14)と、
が着脱自在に結合され、
前記壁体(14)の下端の内側面に下方に開放された折り曲げ状の係合溝(14d)が形成され、
前記底体(12)の側面に前記係合溝(14d)に嵌まり込む係合突起(12d)が形成されることを特徴とする分離型内容物皿。
【請求項4】
固形ファウンデーションが載置される底体(12)と、
前記底体(12)の外周縁に沿って形成されたリングの形状を有する壁体(14)と、が結合されてなる分離型内容物皿(10)が設けられ、
内側底面(22)に図柄が刻設されたシリコンプレート(20)の上面に分離型内容物皿(10)の壁体(14)を載置し、前記シリコンプレート(20)の内側底面(22)に形成された図柄に見合う図柄が底面に形成されたコア(30)をシリコンプレート(20)に載置する成形モールド準備ステップ(S100)と、
前記成形モールド準備ステップ(S100)後に液状の内容物をシリコンプレート(20)に注入し、前記注入された内容物を凝固させ、凝固された内容物からコア(30)を分離する1次充填ステップ(S200)と、
前記1次充填ステップ(S200)においてコア(30)がシリコンプレート(20)から分離されれば、コア(30)が分離された個所に1次充填ステップ(S200)と異なるカラーを有する液状の内容物を注入して凝固させる2次充填ステップ(S300)と、
前記2次充填ステップ(S300)において注入された内容物が凝固されれば、底体(12)を壁体(14)に結合して内容物皿(10)を形成し、前記内容物皿(10)と凝固された内容物をシリコンプレート(20)から分離する内容物皿取出ステップ(S400)と、
を含むことを特徴とする分離型内容物皿を用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形方法。
【請求項5】
前記成形モールド準備ステップ(S100)は、
内側底面(22)に図柄が刻設されたシリコンプレート(20)を運搬治具(40)に固定し、前記運搬治具(40)を搬送コンベヤ(100)に搬入するステップ(S110)と、
前記搬送コンベヤ(100)に搬入されたシリコンプレート(20)に壁体(14)を載置する壁体載置ステップ(S120)と、
前記シリコンプレート(20)の内側底面(22)に形成された図柄に見合う図柄が底面に形成されたコア(30)をシリコンプレート(20)に載置するコア載置ステップ(S130)と、
を含むことを特徴とする請求項4に記載の分離型内容物皿を用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形方法。
【請求項6】
前記1次充填ステップ(S200)は、
前記シリコンプレート(20)に液状の第1の内容物(S1)を注入する充填ステップ(S210)と、
前記シリコンプレート(20)に充填された第1の内容物(S2)を凝固させる1次冷却ステップ(S220)と、
前記1次冷却ステップ(S220)後に、凝固された第1の内容物(S1)からコア(30)を分離するコア分離ステップ(S230)と、
を含むことを特徴とする請求項4に記載の分離型内容物皿を用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形方法。
【請求項7】
前記コア分離ステップ(S230)は、シリコンプレート(20)から分離されたコア(30)は、成形モールド準備ステップ(S100)に搬送されることを含むことを特徴とする請求項6に記載の分離型内容物皿を用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形方法。
【請求項8】
前記2次充填ステップ(S300)は、
前記シリコンプレート(20)からコア(30)が分離された個所に第1の内容物(S1)とは異なるカラーを有する液状の第2の内容物(S2)を注入する充填ステップ(S310)と、
前記シリコンプレート(20)に充填された第2の内容物(S2)を凝固させる2次冷却ステップ(S320)と、
を含むことを特徴とする請求項4に記載の分離型内容物皿を用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形方法。
【請求項9】
前記内容物皿取出ステップ(S400)は、
前記シリコンプレート(20)に載置された壁体(14)の上方に底体(12)を位置付ける整列ステップ(S410)と、
前記底体(12)を壁体(14)に結合させる組立ステップ(S420)と、
前記組立ステップ(S420)において形成された内容物皿(10)をシリコンプレート(20)から離脱させる分離ステップ(S430)と、
を含むことを特徴とする請求項4に記載の分離型内容物皿を用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形方法。
【請求項10】
前記分離ステップ(S430)は、
前記底体(12)と壁体(14)とが結合されて内容物皿(10)を形成すれば、前記シリコンプレート(20)の底面を押し上げてシリコンプレート(20)の内側底面(22)と、凝固された第1の内容物(S1)と、第2の内容物(S2)との間に隙間を生じさせることを特徴とする請求項9に記載の分離型内容物皿を用いたマルチカラーを有する固形ファウンデーション製品の表面に図柄を腐刻させる化粧品成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2012−525162(P2012−525162A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507132(P2012−507132)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【国際出願番号】PCT/KR2009/002665
【国際公開番号】WO2010/126192
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(312007445)
【氏名又は名称原語表記】PARK, Yoonsung
【出願人】(511246267)株式会社レイデクス (1)
【氏名又は名称原語表記】LEIDEX
【住所又は居所原語表記】D−401, Daewoo Techno−Park, 187−7 Dodang−Dong, Wonmi−Gu, Bucheon−City, Kyunggi−Do 420−806 (KR)
【出願人】(312007434)
【氏名又は名称原語表記】LEE, Keonchang
【Fターム(参考)】