分離方法および分離装置
【課題】効率よくかつ本体および保護板が破損することなく分離することができる分離方法および分離装置を提供する。
【解決手段】本体15の上面を保護するため粘着シート2によって本体15に貼り合わされたガラス板1、本体15から分離する分離装置において、本体15を保持する第1保持部7と、ガラス板1を保持する第2保持部9と、本体15とガラス板1とを相対的に回転するように第1保持部7を回転させてトルクを印加する回転モータ12と、回転モータ12が印加するトルクを、粘着シート2を剥離するための工程の前半より後半の方を小さくするように制御する制御部10とを備える。
【解決手段】本体15の上面を保護するため粘着シート2によって本体15に貼り合わされたガラス板1、本体15から分離する分離装置において、本体15を保持する第1保持部7と、ガラス板1を保持する第2保持部9と、本体15とガラス板1とを相対的に回転するように第1保持部7を回転させてトルクを印加する回転モータ12と、回転モータ12が印加するトルクを、粘着シート2を剥離するための工程の前半より後半の方を小さくするように制御する制御部10とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、本体から保護板を分離する分離方法および分離装置に関するものであり、特に、効率よくかつ本体および保護板が破損することなく分離することができる。
【背景技術】
【0002】
一般的な液晶表示機器では、液晶パネルの保護を目的に保護板としてのガラス板またはアクリル板が取り付けられている。そして、ガラス板またはアクリル板との屈折率が近い粘着シートを用いて液晶パネルとガラス板またはアクリル板の全面を貼り合わせることにより、反射損失を抑えて、良好な視認性を確保する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このように全面に貼り合わせを行う技術は難しく、例えば、気泡や異物が界面に残ったり、貼り合わせ時の位置ずれしたりすることにより、不良品となってしまう場合がある。よって、高価な液晶パネルを再利用するために、粘着シートにせん断力を印加して破断することにより、液晶パネルとガラス板またはアクリル板とを分離する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。このような技術において、液晶パネルが破損する場合は、印加するせん断力を小さくする必要がある。この場合は、印加力の調整機構を応用して適用する方法が存在する(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−348546号公報
【特許文献2】特開2010−121134号公報
【特許文献3】特開2008−242091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の分離方法は、薄厚で柔軟性に乏しい板に大きな歪(変形)が生じるような力(負荷)を与えないものとしているが、その方法は分離対象物の保持されている状態に依存する。例えば、薄板ガラスが2枚で形成された液晶パネルが、樹脂フレームに移動自在に設置されているような場合、液晶パネルを直接的に把持することはできない。よって、粘着シートを破断させるためのせん断力が液晶パネルに印加されると、液晶パネルは樹脂フレームに移動自在に配置されているため、液晶パネルの側面において樹脂フレームからの反力を受ける。この際、液晶パネルを形成する薄板ガラスには大きな変形は生じないものの、反力を狭い領域で受ける場合には応力が集中し、作用点でのガラスの割れ、欠けが発生する可能性がある。
【0006】
またこのことを解決するためには、せん断力により粘着シートを破断するために非常に大きなせん断力を印加する、または、粘着シートの材質をせん断力が小さいものに限定されるという問題があった。
【0007】
よって、2枚の板を相対的に移動させるという技術は、粘着シートと板とをその界面から剥離したり、粘着シートを破断したりする手法として一般的に知られているだけでなく、上記理由により、製品構造によっては有効に機能しない。対策としては、液晶パネルが破損しない程度に印加するせん断力を小さくする方法が考えられる。例えば、特許文献3にあるような印加力の調整機構を応用して適用する方法がある。しかし、粘着シートが破断に至るまでに長時間を要し高コストになるという問題点があった。
【0008】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、効率よくかつ本体および保護板が破損することなく分離することができる分離方法および分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の分離方法は、
本体の上面を保護するため粘着シートによって上記本体に貼り合わされた保護板を、上記本体から分離する分離方法において、
上記本体と上記保護板とを相対的に回転するようにトルクを印加して上記粘着シートを弾性変形させて、上記保護板から上記粘着シートを剥離するための工程を有し、
当該工程のトルクは、上記粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方が小さくなるように調整されるものである。
【0010】
また、この発明の分離装置は、
本体の上面を保護するため粘着シートによって上記本体に貼り合わされた保護板を、上記本体から分離する分離装置において、
上記本体を保持する第1保持部と、
上記保護板を保持する第2保持部と、
上記本体と上記保護板とを相対的に回転するように上記第1保持部または上記第2保持部の少なくともいずれか一方を回転させてトルクを印加するトルク印加部と、
上記トルク印加部が印加する上記トルクを、上記粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方を小さくするように制御する制御部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明の分離方法は、
本体の上面を保護するため粘着シートによって上記本体に貼り合わされた保護板を、上記本体から分離する分離方法において、
上記本体と上記保護板とを相対的に回転するようにトルクを印加して上記粘着シートを弾性変形させて、上記保護板から上記粘着シートを剥離するための工程を有し、
当該工程のトルクは、上記粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方が小さくなるように調整されるので、
効率よくかつ本体および保護板が破損することなく分離することができる。
【0012】
また、この発明の分離装置は、
本体の上面を保護するため粘着シートによって上記本体に貼り合わされた保護板を、上記本体から分離する分離装置において、
上記本体を保持する第1保持部と、
上記保護板を保持する第2保持部と、
上記本体と上記保護板とを相対的に回転するように上記第1保持部または上記第2保持部の少なくともいずれか一方を回転させてトルクを印加するトルク印加部と、
上記トルク印加部が印加する上記トルクを、上記粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方を小さくするように制御する制御部とを備えたので、
効率よくかつ本体および保護板が破損することなく分離する分離方法を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1の分離装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示した分離装置における分離対象物の構成を示した図である。
【図3】図1に示した分離装置における分離対象物の構成を示した図である。
【図4】図1に示した分離装置における分離方法を説明するための図である。
【図5】図1に示した分離装置における分離方法を説明するための図である。
【図6】図1に示した分離装置における分離方法を説明するための図である。
【図7】図1に示した分離装置における分離方法を説明するための図である。
【図8】図1に示した分離装置における分離方法におけるトルクの変化を説明するための図である。
【図9】この発明の実施の形態1の分離方法および従来の分離方法との比較を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態1の分離方法および従来の分離方法との比較を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態2の分離方法におけるトルクの変化を説明するための図である。
【図12】この発明の実施の形態3の分離方法におけるトルクの変化を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の実施の形態1における分離装置の構成を示す図、図2および図3は図1に示した分離装置における分離対象物の構成を示した図、図4ないし図6は図1に示した分離装置における分離方法を説明するための上面図および右側面図、図7は図1に示した分離装置における分離方法を説明するための図、図8は図1に示した分離装置における分離方法におけるトルクの変化を説明するための図、図9および図10はこの発明の実施の形態1の分離方法および従来の分離方法との比較を示す図である。
【0015】
図において、分離対象物は、本体15と、本体15の上面を保護するため粘着シート2によって本体15に貼り合わされた保護板としてのガラス板1とから構成されている。そして、図1はこの分離対象物の本体15と粘着シート2とを分離する分離装置である。本体15は、例えば表示機器にて構成されており、2枚の薄板ガラスの外周部をシール材で接着され、内部に液晶を充填している液晶パネル3と、この液晶パネル3を収納できる空間を有し、その四隅に位置合わせのための位置決めリブ6がそれぞれ設けられている樹脂フレーム4とを備える。このように樹脂フレーム4の位置決めリブ6は、製造公差を考慮して設けられているため、液晶パネル3がその内側で若干移動可能なように構成されている。そして、上下2枚のフレームを外周部に数箇所設けられた爪により係合するフレームとしての金属フレーム5とを備えている。
【0016】
そして、この金属フレーム5は、上面に非表示部を覆い隠す程度に液晶パネル3の面積よりも小さい面積を有する開口部5aを備え、この開口部5aから液晶パネル3の上面が露出するように構成されている。このように構成された本体15に対して、粘着シート2は外周部において2段構造になっており、液晶パネル3、金属フレーム5、ガラス板1とにそれぞれを全面的に貼り合わせるという役割を担っている。ここでは説明の便宜上、ガラス板界面粘着シート部2a、金属フレーム界面粘着シート部2b、液晶パネル界面粘着シート部2cとそれぞれの部分を分けて示しているが、本実施の形態においては粘着シート2は一体ものにて形成されているものであり、説明の便宜上、上記のように分けて示しているものである。また、粘着シート2は屈折率がガラス板1に近いため、表示機器の視認性を向上させるという役割も有するものである。
【0017】
そして、分離装置は、台座14と、この台座14の上部に配設されたガラス板1を保持する第2保持部9と、本体15を回転テーブル11に保持する第1保持部7と、台座14の上部に後述する検出部13を介して配設され、上部に回転テーブル11を配設し、本体15とガラス板1とを相対的に回転するように、回転テーブル11を介して第1保持部7を回転させてトルクを印加するトルク印加部として回転モータ12と、回転モータ12と後述する検出部13とに接続され、回転モータ12が印加するトルクを、粘着シート2を剥離するための工程の前半より後半の方を小さくするように制御する制御部10と、本体15とガラス板1との相対角度を測定する相対角度測定部としての検出部13とを備える。制御部10の具体的なトルクの制御は、検出部13にて測定した相対角度に応じて、粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方を小さくするように制御するものである。
【0018】
次に、上記のように構成された実施の形態1の分離装置の分離方法について説明する。一般的に、粘着シート2による本体15とガラス板1との貼り合わせを行う際、気泡や異物を挟み込んでしまうという不良が発生する場合がある。この際、高価な液晶パネル3やガラス板1を再利用するためにガラス板1を分離する。ここでは、本体15とガラス板1とを相対的に回転させるようにトルクを加え、粘着シート2を弾性変形させて行うものである。
【0019】
具体例について、図4ないし図7を用いて説明する。但し、本実施の形態1に示している分離装置は、ガラス板1が固定し、本体15が回転するものであるが、工程を理解しやすくするために、これら図4ないし図6においては、ガラス板1が本体15に対して相対的に回転している状態にて示している。また、図4ないし図6の上面図においては、粘着シート2の特にガラス板界面粘着シート部2aの部分の剥離の状態が理解しやすいように示している。
【0020】
まず、図1に示すように本体15を回転テーブル11の上面に載置して、第1保持部7にて保持する。次に、ガラス板1を第2保持部9にて、本体15とガラス板1との垂直方向の位置関係(高さ方向の位置関係)を維持して保持する。そして、回転モータ12を駆動させ、回転テーブル11を回転させることにより、本体15をガラス板1に対して相対的に回転させる。この際に印加するトルクを、粘着シート2を剥離する工程の前半より後半の方が小さくなるように制御部10にて制御して、以下に示すような分離を行う。
【0021】
まず、図4(a)→図4(b)に示すように、ガラス板1の若干の回転に伴い粘着シート2は弾性変形する。そして、図4(b)の状態に至ると、印加トルクと、この印加トルクに対する本体15およびガラス板1と粘着シート2との粘着力と粘着シート2の弾性力による反力とが均衡する。よって、この状態では、トルクを印加しているものの、ガラス板1の回転は見かけ上停止している。この状態にてしばらくすると、図5(a)に示すように、本体15から粘着シート2が剥離する剥離箇所8が紙面上、右上端および左下端にそれぞれ出現する。
次に、右上端および左下端から剥離が進行すると、図5(a)→図5(b)に示すように剥離箇所8は全周にわたって進行していく。
【0022】
次に、図5(b)のように、左下端および右上端に発した剥離箇所が右下端および左上端に達する程度になると、印加トルクによりガラス板1が回転し始める。この状態になると本体15およびガラス板1と粘着力における反力は著しく減少し、ガラス板1の回転は加速度的に早まっていく。そして、図6(a)の状態を経て、図6(b)に至った時にガラス板1に印加するトルクをほぼ「0」にして回転を停止する。すると、この状態からガラス板界面粘着シート部2aすなわち粘着シート2の粘着面積は中心部に向かってどんどん縮小していく。そして、最終的には図6(c)および図7に示すように、ガラス板1からガラス板界面粘着シート部2a(粘着シート2)は完全に剥離される。
【0023】
本実施の形態1では、このように分離できるような制御として、検出部13により液晶パネル3とガラス板1との相対角度を測定し、工程初期のトルクを大きくした上で、相対角度によって印加トルクを漸減させるという方法を用いる。具体的には、制御部10は、工程初期の印加トルクを100%として漸減する例を示す。図8に示すように、ステップ1として、相対角度0〜3°の時は、印加トルクを100%、ステップ2として、相対角度3〜7°の時は、印加トルクは75%、ステップ3として、7°〜の時は、印加トルク30%として制御する。印加トルク100%の状態は、図4(a)および図4(b)の状態、印加トルク75%の状態は、図5(a)および図5(b)の状態、印加トルク30%の状態は、図6(a)および図6(b)の状態である。
【0024】
印加トルク100%の状態を維持する所定角度である3°は、本体15と粘着シート2とガラス板1との関係によりそれぞれ決定されるものであり。この所定角度までは、印加トルクと、印加トルクに対する本体15およびガラス板1と粘着シート2との粘着力と粘着シート2の弾性力による反力とが均衡し、ガラス板1の回転は見かけ上停止していることから決定することができる。この初期トルクを維持していることにより、分離を確実にかつ迅速に行うことができるものである。尚、上記工程において説明したように、図6(b)の状態に至ると、印加トルクは「0」とするものである。具体的には、相対角度は「45°」程度で印加トルクを「0」とする。また、印加トルクが100%より小さく設定されている箇所においては、印加トルクを連続的に制御させる方法を用いても同様に行うことができる。また、ステップ的に変化させる際、ステップ間に勾配を持たせて変化させてもよい。
【0025】
次に、本願発明と従来の場合と差について説明する。本実施の形態1においては、ガラス板1はその側面を保持することにより固定できるが、液晶パネル3は金属フレーム5および樹脂フレーム4の内側にあり、直接保持することができない。従って、金属フレーム5を固定することにより間接的に液晶パネル3を固定する。この状態にて、本願発明とは異なり、本体15とガラス板1とを相対的に回転を一定のトルクで行うと以下のような問題が生じる。すなわち、粘着シート2の剥離が進むと、上記においても説明したように、その反力は急激に低下する。一定トルクで本体15とガラス板1とを相対的に回転させようとすると、途中から粘着シート2の剥離するスピードよりも、回転のスピードの方が速くなり、粘着シート2がむしり取られるように剥離が進行してしまう。
【0026】
この時、粘着シート2のうち金属フレーム5に貼り付いている部分が取れてしまうと、粘着シート2との粘着部分は液晶パネル3の部分のみとなり、ガラス板1に印加されたトルクは粘着シート2を介して液晶パネル3のみに作用し、液晶パネル3が樹脂フレーム4のうちで回転する。そして、液晶パネル3は樹脂フレーム4の位置決めリブ6と当接し、そこから反力を受けることで一定の姿勢を保つこととなる。よって、液晶パネル3は薄板ガラスから構成されており、非常に脆いため、樹脂フレーム4から反力を受ける領域が狭く、非常に高い応力が作用することとなる。このため、ガラス板1分離の工程の途中で、液晶パネル3が破損する、または、樹脂フレーム4の位置決めリブ6に液晶パネル3の薄板ガラスが食い込み、位置決めリブ6が変形するという不良が発生する。逆に、ガラス板1の分離途中における不良を防止するために、印加するトルクを低く設定すると、粘着シート2が十分に変形できず、ガラス板1界面からの剥離が遅々として進まないという事態に陥る。
【0027】
図9において、上記示した図5(b)に相当する時点における、本願発明と従来との差を示す。本願発明のように、正常に剥離が進行する場合を図9(ア)に、従来のように異常に剥離が進行する場合を図9(イ)にそれぞれ示している。本願発明を用いると、ガラス板1が停止した状態で、図9(ア)に示すように、粘着シート2とガラス板1とのガラス板界面粘着シート部2aの剥離が徐々に進行していき、かつ、液晶パネル3および金属フレーム5と粘着シート2の金属フレーム界面粘着シート部2bと、液晶パネル界面粘着シート部2cとは貼り付いた状態を維持している。
【0028】
しかし、本願発明と異なり、印加トルク100%のままで剥離を行うと、図9(イ)に示すように、ガラス板界面粘着シート部2aの剥離進行よりも、ガラス板1の回転の進行が早く進み、ガラス板界面粘着シート部2aが貼り付いたままで、金属フレーム界面粘着シート部2bで粘着シート2が剥離する。この場合、ガラス板1を回転させようとするトルクは、粘着シート2を介して、液晶パネル3に直接作用することになり、樹脂フレーム4内で液晶パネル3を回転させ、場合によっては破損に至らしめることがある。
【0029】
この現象は2つのポイントがある。1つ目は、粘着シート2がガラス板1の界面から剥離し始める前後に、本体15からの反力は急激に低下することである。これにより、本体15とガラス板1の相対回転は見かけ上ほぼ均衡している状態から一気に速度を上げる。
粘着シート2がガラス板1界面から剥離する速度を相対回転の速度が上回ると粘着シート2の金属フレーム界面粘着シート部2bが金属フレーム5からむしり取られるようになる。2つ目は、金属フレーム5に貼り合わされている粘着シート2が残っていると、粘着シート2を介して反力を金属フレーム5が受けることである。逆に、金属フレーム5上の粘着シート2がむしり取られると、印加されるトルクは粘着シート2を介して内部にある液晶パネル3を回転させるように作用する。上記ステップ2でトルクを100→75%に落とすのは、このような異常剥離を防止するのが目的である。
【0030】
図10において、上記示した図6(a)に相当する時点における、本願発明と従来との差を示す。本願発明のように、正常に剥離が進行する場合を図10(ア)に、従来のように異常に剥離が進行する場合を図10(イ)にそれぞれ示している。本願発明を用いると、図10(ア)に示すように、粘着シート2とガラス板1とのガラス板界面粘着シート部2aの剥離がさらに進行していき、かつ、液晶パネル3および金属フレーム5と粘着シート2の金属フレーム界面粘着シート部2bと、液晶パネル界面粘着シート部2cとは貼り付いた状態を維持している。
【0031】
しかし、本願発明と異なり、印加トルク100%のままで剥離を行うと、図10(イ)に示すように、粘着シート2の破断はガラス板1の回転速度が速すぎる場合に発生する現象で、粘着シート2が破断する可能性があり、粘着シート2がむしられるようになる。このようにして、むしり取られた粘着シート2はガラス板1に粘着シート2の一部の残留物2dが付着したままになる。よって、本願発明の場合には、このような現象によるガラス板1に残る粘着シート2を減らすことができるため、再利用に向けたガラス板1の清掃が楽になるという利点と、表示ムラ不良を防止するという効果がある。
【0032】
さらに、図10(イ)からガラス板1の回転が進行すると、粘着シート2がむしれた部分の上部をガラス板1が通過する。よって、ガラス板1と本体15との垂直方向の一定(一定の高さ)を保って相対回転させているため、むしり取られた粘着シート2はその一定空間に異物として挟み込まれた状態で相対回転が継続される状態となる。よって、これにより液晶パネル3を圧迫される場合がある。この場合、液晶パネル3が破損するという不良にまでは至らないものの、2枚の薄板ガラスのクリアランスが微妙に狂い、表示ムラ不良となることがある。表示ムラ不良の有無を確認するためには点灯検査が必要であり、余計な工数が係ってしまうことになる。
【0033】
上記のように構成された実施の形態1の分離方法および分離装置によれば、粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方が小さくなるようにトルクを調整しているため、本体またはガラス板を破損することなく、かつ、迅速に本体とガラス板とを分離することができる。
【0034】
また、本体とガラス板との垂直方向の位置関係を初期状態にて維持しながらトルクを印加しているため、粘着シートのガラス板への残存をさらに防止することができる。
また、本体とガラス板との相対角度に応じて、トルクを調整しているので、トルクの調整が容易となる。
また、本体と保護板との相対角度が所定角度になるまで、粘着シートを剥離するための工程の初期トルクを維持しているため、さらに迅速かつ確実に本体とガラス板との分離を行うことができる。
【0035】
実施の形態2.
図11はこの発明の実施の形態2における分離方法のトルクの変化を説明するための図である。本実施の形態2の分離方法における分離装置は、上記実施の形態1と同様のものを用いることが可能である。異なる点としては、検出部13を、本体15とガラス板1との相対角速度の微分値、つまりは相対角度の変化速度検出する相対角速度測定部とする。そして、制御部10は、相対角速度に応じて、粘着シート2を剥離するための工程の前半より後半の方が小さくなるようトルクを制御する。他の部分は、上記実施の形態1と同様であるため、その説明は適宜省略する。
【0036】
次に、上記のように構成された実施の形態2の分離装置の分離方法について説明する。尚、本実施の形態2では、上記実施の形態1とのトルクの制御方法のみ異なるため、異なる部分である制御について説明する。まず、上記実施の形態1と同様に、本体15およびガラス板1と分離装置に配置し、回転モータ12の回転により粘着シート2の剥離が進み、接着面積が減少する。すると、剥離に必要なトルクが減少するため、一定のトルクを印加していると粘着シート2の剥離速度が上がり、相対角度の変化速度(相対角速度)が上昇することを検出部13が検出する。このような現象から、相対角度の変化速度は、剥離状態を間接的に表しているものと言うことができる。
【0037】
そして、図11に示すように、制御部10は、相対角速度の上限値を設け、その値を超えないように回転モータ12を制御して印加トルクを制御する。相対角速度の上限値を「10°/分」として制御した例である。まず、初期の印加トルクを100%とすると、3分経過時点でトルクは75%に減少して行い。さらに、7分経過時点でトルクは50%に減少して行う。
【0038】
上記のように構成された実施の形態2の分離方法および分離装置によれば、上記実施の形態1と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、剥離状態の間接計測による本体およびガラス板にてなる分離対象物のばらつきに順応した高品質な本体とガラス板との分離を行うことができる。尚、この時に印加トルクの制御は、ステップ的に変化させる例を示したが、連続的に制御させる方法を用いても同様の効果を奏することができる。また、ステップ的に変化させる際、ステップ間に勾配を持たせて変化させてもよい。
【0039】
実施の形態3.
図12はこの発明の実施の形態3における分離方法のトルクの変化を説明するための図である。本実施の形態3の分離方法における分離装置は、上記各実施の形態と同様のものを用いることが可能である。異なる点としては、検出部13を、本体15とガラス板1との相対的な回転における反力を検出する反力測定部とする。そして、制御部10は、反力に応じて、粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方が小さくなるようトルクを制御する。他の部分は、上記各実施の形態と同様であるため、その説明は適宜省略する。
【0040】
次に、上記のように構成された実施の形態3の分離装置の分離方法について説明する。尚、本実施の形態3では、上記各実施の形態とのトルクの制御方法のみ異なるため、異なる部分である制御について説明する。まず、上記各実施の形態3と同様に、本体15およびガラス板1と分離装置に配置し、回転モータ12の回転により粘着シート2の剥離が進み、接着面積が減少する。よって、検出部13にて検出される本体15とガラス板1との相対的の反力は、剥離状態を直接的に表している。図12に示すように、粘着シート2の剥離面積と、本体15とガラス板1との相対的な回転における反力との関係を示す。よって、制御部10は、検出部13にて検出された本体15とガラス板1との相対的な回転における反力に応じたトルクを印加するように回転モータ12のフィードバック制御を行いながら剥離を進行する。そして、上記各実施の形態と同様に本体15とガラス板1とを分離することができる。
【0041】
上記のように構成された実施の形態3の分離方法および分離装置によれば、上記実施の形態1と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、剥離状態の直接計測による本体およびガラス板にてなる分離対象物のばらつきに順応した高品質な本体とガラス板との分離を行うことができる。尚、この時に印加トルクの制御は、連続的に制御させる方法の例を示したが、ステップ的に変化させる方法を用いても同様の効果を奏することができる。また、ステップ的に変化させる際、ステップ間に勾配を持たせて変化させてもよい。
【0042】
上記各実施の形態によれば、ガラス板を再生材料として使用することができる。また、ガラス板を効率よく分離することができるため、省エネルギーとなる。また、ガラス板の分離が容易となる。また、ガラス板の分離が可能となり、環境負荷が低減する。
【0043】
尚、本各実施の形態は、その発明の範囲内において、各実施の形態において適宜、変形、省略することが可能である。
【0044】
尚、上記各実施の形態においては、分離装置の構成を、ガラス板を上部に、本体を下部にそれぞれ保持する例を示したが、これに限られることはなく、ガラス板を下部に、本体を上部にそれぞれ保持して上記各実施の形態と同様に分離方法を行うようにすれば、同様の効果を奏することができる。但し、上記各実施の形態に示したように、ガラス板を上部に設置して分離を行うと、ガラス板を介して粘着シートの分離具合を目視にて確認することができる。
【0045】
また、上記各実施の形態においては、分離装置の構成を、本体を相対的に回転される場合について説明したが、これに限られることはなく、ガラス板を相対的に回転するように構成しても、また、本体およびガラス板の両方を相対的に回転するように構成しても、上記各実施の形態と同様に分離方法を行うようにすれば、同様の効果を奏することができる。
【0046】
また、保護板としてガラス板を用いる例を示したが、これに限られることはなく、例えば、アクリル板にて構成する場合も同様に行うことができる。
【0047】
また、本体を表示機器である場合について説明したが、これに限られることはなく、他の本体および保護板であっても、本体の上面を保護するため粘着シートによって本体に貼り合わされた保護板である場合には、上記各実施の形態と同様に構成されているものであれば、同様に適応することが可能であり、同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 ガラス板、2 粘着シート、2a ガラス板界面粘着シート部、
2b 金属フレーム界面粘着シート部、2c 液晶パネル界面粘着シート部、
3 液晶パネル、4 樹脂フレーム、5 金属フレーム、5a 開口部、
7 第1保持部、8 剥離箇所、9 第2保持部、10 制御部、11 回転テーブル、
12 回転モータ、13 検出部、14 台座、15 本体。
【技術分野】
【0001】
この発明は、本体から保護板を分離する分離方法および分離装置に関するものであり、特に、効率よくかつ本体および保護板が破損することなく分離することができる。
【背景技術】
【0002】
一般的な液晶表示機器では、液晶パネルの保護を目的に保護板としてのガラス板またはアクリル板が取り付けられている。そして、ガラス板またはアクリル板との屈折率が近い粘着シートを用いて液晶パネルとガラス板またはアクリル板の全面を貼り合わせることにより、反射損失を抑えて、良好な視認性を確保する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このように全面に貼り合わせを行う技術は難しく、例えば、気泡や異物が界面に残ったり、貼り合わせ時の位置ずれしたりすることにより、不良品となってしまう場合がある。よって、高価な液晶パネルを再利用するために、粘着シートにせん断力を印加して破断することにより、液晶パネルとガラス板またはアクリル板とを分離する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。このような技術において、液晶パネルが破損する場合は、印加するせん断力を小さくする必要がある。この場合は、印加力の調整機構を応用して適用する方法が存在する(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−348546号公報
【特許文献2】特開2010−121134号公報
【特許文献3】特開2008−242091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の分離方法は、薄厚で柔軟性に乏しい板に大きな歪(変形)が生じるような力(負荷)を与えないものとしているが、その方法は分離対象物の保持されている状態に依存する。例えば、薄板ガラスが2枚で形成された液晶パネルが、樹脂フレームに移動自在に設置されているような場合、液晶パネルを直接的に把持することはできない。よって、粘着シートを破断させるためのせん断力が液晶パネルに印加されると、液晶パネルは樹脂フレームに移動自在に配置されているため、液晶パネルの側面において樹脂フレームからの反力を受ける。この際、液晶パネルを形成する薄板ガラスには大きな変形は生じないものの、反力を狭い領域で受ける場合には応力が集中し、作用点でのガラスの割れ、欠けが発生する可能性がある。
【0006】
またこのことを解決するためには、せん断力により粘着シートを破断するために非常に大きなせん断力を印加する、または、粘着シートの材質をせん断力が小さいものに限定されるという問題があった。
【0007】
よって、2枚の板を相対的に移動させるという技術は、粘着シートと板とをその界面から剥離したり、粘着シートを破断したりする手法として一般的に知られているだけでなく、上記理由により、製品構造によっては有効に機能しない。対策としては、液晶パネルが破損しない程度に印加するせん断力を小さくする方法が考えられる。例えば、特許文献3にあるような印加力の調整機構を応用して適用する方法がある。しかし、粘着シートが破断に至るまでに長時間を要し高コストになるという問題点があった。
【0008】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、効率よくかつ本体および保護板が破損することなく分離することができる分離方法および分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の分離方法は、
本体の上面を保護するため粘着シートによって上記本体に貼り合わされた保護板を、上記本体から分離する分離方法において、
上記本体と上記保護板とを相対的に回転するようにトルクを印加して上記粘着シートを弾性変形させて、上記保護板から上記粘着シートを剥離するための工程を有し、
当該工程のトルクは、上記粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方が小さくなるように調整されるものである。
【0010】
また、この発明の分離装置は、
本体の上面を保護するため粘着シートによって上記本体に貼り合わされた保護板を、上記本体から分離する分離装置において、
上記本体を保持する第1保持部と、
上記保護板を保持する第2保持部と、
上記本体と上記保護板とを相対的に回転するように上記第1保持部または上記第2保持部の少なくともいずれか一方を回転させてトルクを印加するトルク印加部と、
上記トルク印加部が印加する上記トルクを、上記粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方を小さくするように制御する制御部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明の分離方法は、
本体の上面を保護するため粘着シートによって上記本体に貼り合わされた保護板を、上記本体から分離する分離方法において、
上記本体と上記保護板とを相対的に回転するようにトルクを印加して上記粘着シートを弾性変形させて、上記保護板から上記粘着シートを剥離するための工程を有し、
当該工程のトルクは、上記粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方が小さくなるように調整されるので、
効率よくかつ本体および保護板が破損することなく分離することができる。
【0012】
また、この発明の分離装置は、
本体の上面を保護するため粘着シートによって上記本体に貼り合わされた保護板を、上記本体から分離する分離装置において、
上記本体を保持する第1保持部と、
上記保護板を保持する第2保持部と、
上記本体と上記保護板とを相対的に回転するように上記第1保持部または上記第2保持部の少なくともいずれか一方を回転させてトルクを印加するトルク印加部と、
上記トルク印加部が印加する上記トルクを、上記粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方を小さくするように制御する制御部とを備えたので、
効率よくかつ本体および保護板が破損することなく分離する分離方法を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1の分離装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示した分離装置における分離対象物の構成を示した図である。
【図3】図1に示した分離装置における分離対象物の構成を示した図である。
【図4】図1に示した分離装置における分離方法を説明するための図である。
【図5】図1に示した分離装置における分離方法を説明するための図である。
【図6】図1に示した分離装置における分離方法を説明するための図である。
【図7】図1に示した分離装置における分離方法を説明するための図である。
【図8】図1に示した分離装置における分離方法におけるトルクの変化を説明するための図である。
【図9】この発明の実施の形態1の分離方法および従来の分離方法との比較を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態1の分離方法および従来の分離方法との比較を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態2の分離方法におけるトルクの変化を説明するための図である。
【図12】この発明の実施の形態3の分離方法におけるトルクの変化を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の実施の形態1における分離装置の構成を示す図、図2および図3は図1に示した分離装置における分離対象物の構成を示した図、図4ないし図6は図1に示した分離装置における分離方法を説明するための上面図および右側面図、図7は図1に示した分離装置における分離方法を説明するための図、図8は図1に示した分離装置における分離方法におけるトルクの変化を説明するための図、図9および図10はこの発明の実施の形態1の分離方法および従来の分離方法との比較を示す図である。
【0015】
図において、分離対象物は、本体15と、本体15の上面を保護するため粘着シート2によって本体15に貼り合わされた保護板としてのガラス板1とから構成されている。そして、図1はこの分離対象物の本体15と粘着シート2とを分離する分離装置である。本体15は、例えば表示機器にて構成されており、2枚の薄板ガラスの外周部をシール材で接着され、内部に液晶を充填している液晶パネル3と、この液晶パネル3を収納できる空間を有し、その四隅に位置合わせのための位置決めリブ6がそれぞれ設けられている樹脂フレーム4とを備える。このように樹脂フレーム4の位置決めリブ6は、製造公差を考慮して設けられているため、液晶パネル3がその内側で若干移動可能なように構成されている。そして、上下2枚のフレームを外周部に数箇所設けられた爪により係合するフレームとしての金属フレーム5とを備えている。
【0016】
そして、この金属フレーム5は、上面に非表示部を覆い隠す程度に液晶パネル3の面積よりも小さい面積を有する開口部5aを備え、この開口部5aから液晶パネル3の上面が露出するように構成されている。このように構成された本体15に対して、粘着シート2は外周部において2段構造になっており、液晶パネル3、金属フレーム5、ガラス板1とにそれぞれを全面的に貼り合わせるという役割を担っている。ここでは説明の便宜上、ガラス板界面粘着シート部2a、金属フレーム界面粘着シート部2b、液晶パネル界面粘着シート部2cとそれぞれの部分を分けて示しているが、本実施の形態においては粘着シート2は一体ものにて形成されているものであり、説明の便宜上、上記のように分けて示しているものである。また、粘着シート2は屈折率がガラス板1に近いため、表示機器の視認性を向上させるという役割も有するものである。
【0017】
そして、分離装置は、台座14と、この台座14の上部に配設されたガラス板1を保持する第2保持部9と、本体15を回転テーブル11に保持する第1保持部7と、台座14の上部に後述する検出部13を介して配設され、上部に回転テーブル11を配設し、本体15とガラス板1とを相対的に回転するように、回転テーブル11を介して第1保持部7を回転させてトルクを印加するトルク印加部として回転モータ12と、回転モータ12と後述する検出部13とに接続され、回転モータ12が印加するトルクを、粘着シート2を剥離するための工程の前半より後半の方を小さくするように制御する制御部10と、本体15とガラス板1との相対角度を測定する相対角度測定部としての検出部13とを備える。制御部10の具体的なトルクの制御は、検出部13にて測定した相対角度に応じて、粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方を小さくするように制御するものである。
【0018】
次に、上記のように構成された実施の形態1の分離装置の分離方法について説明する。一般的に、粘着シート2による本体15とガラス板1との貼り合わせを行う際、気泡や異物を挟み込んでしまうという不良が発生する場合がある。この際、高価な液晶パネル3やガラス板1を再利用するためにガラス板1を分離する。ここでは、本体15とガラス板1とを相対的に回転させるようにトルクを加え、粘着シート2を弾性変形させて行うものである。
【0019】
具体例について、図4ないし図7を用いて説明する。但し、本実施の形態1に示している分離装置は、ガラス板1が固定し、本体15が回転するものであるが、工程を理解しやすくするために、これら図4ないし図6においては、ガラス板1が本体15に対して相対的に回転している状態にて示している。また、図4ないし図6の上面図においては、粘着シート2の特にガラス板界面粘着シート部2aの部分の剥離の状態が理解しやすいように示している。
【0020】
まず、図1に示すように本体15を回転テーブル11の上面に載置して、第1保持部7にて保持する。次に、ガラス板1を第2保持部9にて、本体15とガラス板1との垂直方向の位置関係(高さ方向の位置関係)を維持して保持する。そして、回転モータ12を駆動させ、回転テーブル11を回転させることにより、本体15をガラス板1に対して相対的に回転させる。この際に印加するトルクを、粘着シート2を剥離する工程の前半より後半の方が小さくなるように制御部10にて制御して、以下に示すような分離を行う。
【0021】
まず、図4(a)→図4(b)に示すように、ガラス板1の若干の回転に伴い粘着シート2は弾性変形する。そして、図4(b)の状態に至ると、印加トルクと、この印加トルクに対する本体15およびガラス板1と粘着シート2との粘着力と粘着シート2の弾性力による反力とが均衡する。よって、この状態では、トルクを印加しているものの、ガラス板1の回転は見かけ上停止している。この状態にてしばらくすると、図5(a)に示すように、本体15から粘着シート2が剥離する剥離箇所8が紙面上、右上端および左下端にそれぞれ出現する。
次に、右上端および左下端から剥離が進行すると、図5(a)→図5(b)に示すように剥離箇所8は全周にわたって進行していく。
【0022】
次に、図5(b)のように、左下端および右上端に発した剥離箇所が右下端および左上端に達する程度になると、印加トルクによりガラス板1が回転し始める。この状態になると本体15およびガラス板1と粘着力における反力は著しく減少し、ガラス板1の回転は加速度的に早まっていく。そして、図6(a)の状態を経て、図6(b)に至った時にガラス板1に印加するトルクをほぼ「0」にして回転を停止する。すると、この状態からガラス板界面粘着シート部2aすなわち粘着シート2の粘着面積は中心部に向かってどんどん縮小していく。そして、最終的には図6(c)および図7に示すように、ガラス板1からガラス板界面粘着シート部2a(粘着シート2)は完全に剥離される。
【0023】
本実施の形態1では、このように分離できるような制御として、検出部13により液晶パネル3とガラス板1との相対角度を測定し、工程初期のトルクを大きくした上で、相対角度によって印加トルクを漸減させるという方法を用いる。具体的には、制御部10は、工程初期の印加トルクを100%として漸減する例を示す。図8に示すように、ステップ1として、相対角度0〜3°の時は、印加トルクを100%、ステップ2として、相対角度3〜7°の時は、印加トルクは75%、ステップ3として、7°〜の時は、印加トルク30%として制御する。印加トルク100%の状態は、図4(a)および図4(b)の状態、印加トルク75%の状態は、図5(a)および図5(b)の状態、印加トルク30%の状態は、図6(a)および図6(b)の状態である。
【0024】
印加トルク100%の状態を維持する所定角度である3°は、本体15と粘着シート2とガラス板1との関係によりそれぞれ決定されるものであり。この所定角度までは、印加トルクと、印加トルクに対する本体15およびガラス板1と粘着シート2との粘着力と粘着シート2の弾性力による反力とが均衡し、ガラス板1の回転は見かけ上停止していることから決定することができる。この初期トルクを維持していることにより、分離を確実にかつ迅速に行うことができるものである。尚、上記工程において説明したように、図6(b)の状態に至ると、印加トルクは「0」とするものである。具体的には、相対角度は「45°」程度で印加トルクを「0」とする。また、印加トルクが100%より小さく設定されている箇所においては、印加トルクを連続的に制御させる方法を用いても同様に行うことができる。また、ステップ的に変化させる際、ステップ間に勾配を持たせて変化させてもよい。
【0025】
次に、本願発明と従来の場合と差について説明する。本実施の形態1においては、ガラス板1はその側面を保持することにより固定できるが、液晶パネル3は金属フレーム5および樹脂フレーム4の内側にあり、直接保持することができない。従って、金属フレーム5を固定することにより間接的に液晶パネル3を固定する。この状態にて、本願発明とは異なり、本体15とガラス板1とを相対的に回転を一定のトルクで行うと以下のような問題が生じる。すなわち、粘着シート2の剥離が進むと、上記においても説明したように、その反力は急激に低下する。一定トルクで本体15とガラス板1とを相対的に回転させようとすると、途中から粘着シート2の剥離するスピードよりも、回転のスピードの方が速くなり、粘着シート2がむしり取られるように剥離が進行してしまう。
【0026】
この時、粘着シート2のうち金属フレーム5に貼り付いている部分が取れてしまうと、粘着シート2との粘着部分は液晶パネル3の部分のみとなり、ガラス板1に印加されたトルクは粘着シート2を介して液晶パネル3のみに作用し、液晶パネル3が樹脂フレーム4のうちで回転する。そして、液晶パネル3は樹脂フレーム4の位置決めリブ6と当接し、そこから反力を受けることで一定の姿勢を保つこととなる。よって、液晶パネル3は薄板ガラスから構成されており、非常に脆いため、樹脂フレーム4から反力を受ける領域が狭く、非常に高い応力が作用することとなる。このため、ガラス板1分離の工程の途中で、液晶パネル3が破損する、または、樹脂フレーム4の位置決めリブ6に液晶パネル3の薄板ガラスが食い込み、位置決めリブ6が変形するという不良が発生する。逆に、ガラス板1の分離途中における不良を防止するために、印加するトルクを低く設定すると、粘着シート2が十分に変形できず、ガラス板1界面からの剥離が遅々として進まないという事態に陥る。
【0027】
図9において、上記示した図5(b)に相当する時点における、本願発明と従来との差を示す。本願発明のように、正常に剥離が進行する場合を図9(ア)に、従来のように異常に剥離が進行する場合を図9(イ)にそれぞれ示している。本願発明を用いると、ガラス板1が停止した状態で、図9(ア)に示すように、粘着シート2とガラス板1とのガラス板界面粘着シート部2aの剥離が徐々に進行していき、かつ、液晶パネル3および金属フレーム5と粘着シート2の金属フレーム界面粘着シート部2bと、液晶パネル界面粘着シート部2cとは貼り付いた状態を維持している。
【0028】
しかし、本願発明と異なり、印加トルク100%のままで剥離を行うと、図9(イ)に示すように、ガラス板界面粘着シート部2aの剥離進行よりも、ガラス板1の回転の進行が早く進み、ガラス板界面粘着シート部2aが貼り付いたままで、金属フレーム界面粘着シート部2bで粘着シート2が剥離する。この場合、ガラス板1を回転させようとするトルクは、粘着シート2を介して、液晶パネル3に直接作用することになり、樹脂フレーム4内で液晶パネル3を回転させ、場合によっては破損に至らしめることがある。
【0029】
この現象は2つのポイントがある。1つ目は、粘着シート2がガラス板1の界面から剥離し始める前後に、本体15からの反力は急激に低下することである。これにより、本体15とガラス板1の相対回転は見かけ上ほぼ均衡している状態から一気に速度を上げる。
粘着シート2がガラス板1界面から剥離する速度を相対回転の速度が上回ると粘着シート2の金属フレーム界面粘着シート部2bが金属フレーム5からむしり取られるようになる。2つ目は、金属フレーム5に貼り合わされている粘着シート2が残っていると、粘着シート2を介して反力を金属フレーム5が受けることである。逆に、金属フレーム5上の粘着シート2がむしり取られると、印加されるトルクは粘着シート2を介して内部にある液晶パネル3を回転させるように作用する。上記ステップ2でトルクを100→75%に落とすのは、このような異常剥離を防止するのが目的である。
【0030】
図10において、上記示した図6(a)に相当する時点における、本願発明と従来との差を示す。本願発明のように、正常に剥離が進行する場合を図10(ア)に、従来のように異常に剥離が進行する場合を図10(イ)にそれぞれ示している。本願発明を用いると、図10(ア)に示すように、粘着シート2とガラス板1とのガラス板界面粘着シート部2aの剥離がさらに進行していき、かつ、液晶パネル3および金属フレーム5と粘着シート2の金属フレーム界面粘着シート部2bと、液晶パネル界面粘着シート部2cとは貼り付いた状態を維持している。
【0031】
しかし、本願発明と異なり、印加トルク100%のままで剥離を行うと、図10(イ)に示すように、粘着シート2の破断はガラス板1の回転速度が速すぎる場合に発生する現象で、粘着シート2が破断する可能性があり、粘着シート2がむしられるようになる。このようにして、むしり取られた粘着シート2はガラス板1に粘着シート2の一部の残留物2dが付着したままになる。よって、本願発明の場合には、このような現象によるガラス板1に残る粘着シート2を減らすことができるため、再利用に向けたガラス板1の清掃が楽になるという利点と、表示ムラ不良を防止するという効果がある。
【0032】
さらに、図10(イ)からガラス板1の回転が進行すると、粘着シート2がむしれた部分の上部をガラス板1が通過する。よって、ガラス板1と本体15との垂直方向の一定(一定の高さ)を保って相対回転させているため、むしり取られた粘着シート2はその一定空間に異物として挟み込まれた状態で相対回転が継続される状態となる。よって、これにより液晶パネル3を圧迫される場合がある。この場合、液晶パネル3が破損するという不良にまでは至らないものの、2枚の薄板ガラスのクリアランスが微妙に狂い、表示ムラ不良となることがある。表示ムラ不良の有無を確認するためには点灯検査が必要であり、余計な工数が係ってしまうことになる。
【0033】
上記のように構成された実施の形態1の分離方法および分離装置によれば、粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方が小さくなるようにトルクを調整しているため、本体またはガラス板を破損することなく、かつ、迅速に本体とガラス板とを分離することができる。
【0034】
また、本体とガラス板との垂直方向の位置関係を初期状態にて維持しながらトルクを印加しているため、粘着シートのガラス板への残存をさらに防止することができる。
また、本体とガラス板との相対角度に応じて、トルクを調整しているので、トルクの調整が容易となる。
また、本体と保護板との相対角度が所定角度になるまで、粘着シートを剥離するための工程の初期トルクを維持しているため、さらに迅速かつ確実に本体とガラス板との分離を行うことができる。
【0035】
実施の形態2.
図11はこの発明の実施の形態2における分離方法のトルクの変化を説明するための図である。本実施の形態2の分離方法における分離装置は、上記実施の形態1と同様のものを用いることが可能である。異なる点としては、検出部13を、本体15とガラス板1との相対角速度の微分値、つまりは相対角度の変化速度検出する相対角速度測定部とする。そして、制御部10は、相対角速度に応じて、粘着シート2を剥離するための工程の前半より後半の方が小さくなるようトルクを制御する。他の部分は、上記実施の形態1と同様であるため、その説明は適宜省略する。
【0036】
次に、上記のように構成された実施の形態2の分離装置の分離方法について説明する。尚、本実施の形態2では、上記実施の形態1とのトルクの制御方法のみ異なるため、異なる部分である制御について説明する。まず、上記実施の形態1と同様に、本体15およびガラス板1と分離装置に配置し、回転モータ12の回転により粘着シート2の剥離が進み、接着面積が減少する。すると、剥離に必要なトルクが減少するため、一定のトルクを印加していると粘着シート2の剥離速度が上がり、相対角度の変化速度(相対角速度)が上昇することを検出部13が検出する。このような現象から、相対角度の変化速度は、剥離状態を間接的に表しているものと言うことができる。
【0037】
そして、図11に示すように、制御部10は、相対角速度の上限値を設け、その値を超えないように回転モータ12を制御して印加トルクを制御する。相対角速度の上限値を「10°/分」として制御した例である。まず、初期の印加トルクを100%とすると、3分経過時点でトルクは75%に減少して行い。さらに、7分経過時点でトルクは50%に減少して行う。
【0038】
上記のように構成された実施の形態2の分離方法および分離装置によれば、上記実施の形態1と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、剥離状態の間接計測による本体およびガラス板にてなる分離対象物のばらつきに順応した高品質な本体とガラス板との分離を行うことができる。尚、この時に印加トルクの制御は、ステップ的に変化させる例を示したが、連続的に制御させる方法を用いても同様の効果を奏することができる。また、ステップ的に変化させる際、ステップ間に勾配を持たせて変化させてもよい。
【0039】
実施の形態3.
図12はこの発明の実施の形態3における分離方法のトルクの変化を説明するための図である。本実施の形態3の分離方法における分離装置は、上記各実施の形態と同様のものを用いることが可能である。異なる点としては、検出部13を、本体15とガラス板1との相対的な回転における反力を検出する反力測定部とする。そして、制御部10は、反力に応じて、粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方が小さくなるようトルクを制御する。他の部分は、上記各実施の形態と同様であるため、その説明は適宜省略する。
【0040】
次に、上記のように構成された実施の形態3の分離装置の分離方法について説明する。尚、本実施の形態3では、上記各実施の形態とのトルクの制御方法のみ異なるため、異なる部分である制御について説明する。まず、上記各実施の形態3と同様に、本体15およびガラス板1と分離装置に配置し、回転モータ12の回転により粘着シート2の剥離が進み、接着面積が減少する。よって、検出部13にて検出される本体15とガラス板1との相対的の反力は、剥離状態を直接的に表している。図12に示すように、粘着シート2の剥離面積と、本体15とガラス板1との相対的な回転における反力との関係を示す。よって、制御部10は、検出部13にて検出された本体15とガラス板1との相対的な回転における反力に応じたトルクを印加するように回転モータ12のフィードバック制御を行いながら剥離を進行する。そして、上記各実施の形態と同様に本体15とガラス板1とを分離することができる。
【0041】
上記のように構成された実施の形態3の分離方法および分離装置によれば、上記実施の形態1と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、剥離状態の直接計測による本体およびガラス板にてなる分離対象物のばらつきに順応した高品質な本体とガラス板との分離を行うことができる。尚、この時に印加トルクの制御は、連続的に制御させる方法の例を示したが、ステップ的に変化させる方法を用いても同様の効果を奏することができる。また、ステップ的に変化させる際、ステップ間に勾配を持たせて変化させてもよい。
【0042】
上記各実施の形態によれば、ガラス板を再生材料として使用することができる。また、ガラス板を効率よく分離することができるため、省エネルギーとなる。また、ガラス板の分離が容易となる。また、ガラス板の分離が可能となり、環境負荷が低減する。
【0043】
尚、本各実施の形態は、その発明の範囲内において、各実施の形態において適宜、変形、省略することが可能である。
【0044】
尚、上記各実施の形態においては、分離装置の構成を、ガラス板を上部に、本体を下部にそれぞれ保持する例を示したが、これに限られることはなく、ガラス板を下部に、本体を上部にそれぞれ保持して上記各実施の形態と同様に分離方法を行うようにすれば、同様の効果を奏することができる。但し、上記各実施の形態に示したように、ガラス板を上部に設置して分離を行うと、ガラス板を介して粘着シートの分離具合を目視にて確認することができる。
【0045】
また、上記各実施の形態においては、分離装置の構成を、本体を相対的に回転される場合について説明したが、これに限られることはなく、ガラス板を相対的に回転するように構成しても、また、本体およびガラス板の両方を相対的に回転するように構成しても、上記各実施の形態と同様に分離方法を行うようにすれば、同様の効果を奏することができる。
【0046】
また、保護板としてガラス板を用いる例を示したが、これに限られることはなく、例えば、アクリル板にて構成する場合も同様に行うことができる。
【0047】
また、本体を表示機器である場合について説明したが、これに限られることはなく、他の本体および保護板であっても、本体の上面を保護するため粘着シートによって本体に貼り合わされた保護板である場合には、上記各実施の形態と同様に構成されているものであれば、同様に適応することが可能であり、同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 ガラス板、2 粘着シート、2a ガラス板界面粘着シート部、
2b 金属フレーム界面粘着シート部、2c 液晶パネル界面粘着シート部、
3 液晶パネル、4 樹脂フレーム、5 金属フレーム、5a 開口部、
7 第1保持部、8 剥離箇所、9 第2保持部、10 制御部、11 回転テーブル、
12 回転モータ、13 検出部、14 台座、15 本体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の上面を保護するため粘着シートによって上記本体に貼り合わされた保護板を、上記本体から分離する分離方法において、
上記本体と上記保護板とを相対的に回転するようにトルクを印加して上記粘着シートを弾性変形させて、上記保護板から上記粘着シートを剥離するための工程を有し、
当該工程のトルクは、上記粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方が小さくなるように調整されることを特徴とする分離方法。
【請求項2】
上記トルクは、上記本体と上記保護板との垂直方向の位置関係を初期状態にて維持しながら印加されることを特徴とする請求項1に記載の分離方法。
【請求項3】
上記本体と上記保護板との相対角度に応じて、上記トルクを調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分離方法。
【請求項4】
上記トルクは、上記本体と上記保護板との相対角度が所定角度になるまで、上記粘着シートを剥離するための工程の初期トルクを維持することを特徴とする請求項3に記載の分離方法。
【請求項5】
上記本体と上記保護板との相対角速度に応じて、上記トルクを調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分離方法。
【請求項6】
上記本体と上記保護板との相対的な回転における反力に応じて、上記トルクを調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分離方法。
【請求項7】
上記トルクは、ステップ的または連続的に漸減して調整することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の分離方法。
【請求項8】
上記本体は、液晶パネルと、上記液晶パネルの上面の面積より小さい面積にてなる開口部を有し当該開口部から上記液晶パネルの上面が露出するように上記液晶パネルを保持するフレームとにて成り、
上記粘着シートは、上記フレームの外周部上および上記開口部から露出する上記液晶パネルと上記保護板とを粘着していることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の分離方法。
【請求項9】
本体の上面を保護するため粘着シートによって上記本体に貼り合わされた保護板を、上記本体から分離する分離装置において、
上記本体を保持する第1保持部と、
上記保護板を保持する第2保持部と、
上記本体と上記保護板とを相対的に回転するように上記第1保持部または上記第2保持部の少なくともいずれか一方を回転させてトルクを印加するトルク印加部と、
上記トルク印加部が印加する上記トルクを、上記粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方を小さくするように制御する制御部とを備えたことを特徴とする分離装置。
【請求項10】
上記第1保持体および上記第2保持体は、上記本体および上記保護板の垂直方向の位置関係を初期状態にて維持して保持することを特徴とする請求項9に記載の分離装置。
【請求項11】
上記本体と上記保護板との相対角度を測定する相対角度測定部を有し、
上記制御部は、上記相対角度測定部の測定した相対角度に応じて、上記トルクを制御することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の分離装置。
【請求項12】
上記本体と上記保護板との相対角速度を測定する相対角速度測定部を有し、
上記制御部は、上記相対角速度測定部の測定した相対角速度に応じて、上記トルクを制御することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の分離装置。
【請求項13】
上記本体と上記保護板との相対的な回転における反力を測定する反力測定部を有し、
上記制御部は、上記反力測定部の測定した反力に応じて、上記トルクを制御することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の分離装置。
【請求項14】
上記本体は、液晶パネルと、上記液晶パネルの上面の面積より小さい面積にてなる開口部を有し当該開口部から上記液晶パネルの上面が露出するように上記液晶パネルを保持するフレームとにて成り、
上記粘着シートは、上記フレームの外周部上および上記開口部から露出する上記液晶パネルと上記保護板とを粘着していることを特徴とする請求項9ないし請求項13のいずれか1項に記載の分離装置。
【請求項1】
本体の上面を保護するため粘着シートによって上記本体に貼り合わされた保護板を、上記本体から分離する分離方法において、
上記本体と上記保護板とを相対的に回転するようにトルクを印加して上記粘着シートを弾性変形させて、上記保護板から上記粘着シートを剥離するための工程を有し、
当該工程のトルクは、上記粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方が小さくなるように調整されることを特徴とする分離方法。
【請求項2】
上記トルクは、上記本体と上記保護板との垂直方向の位置関係を初期状態にて維持しながら印加されることを特徴とする請求項1に記載の分離方法。
【請求項3】
上記本体と上記保護板との相対角度に応じて、上記トルクを調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分離方法。
【請求項4】
上記トルクは、上記本体と上記保護板との相対角度が所定角度になるまで、上記粘着シートを剥離するための工程の初期トルクを維持することを特徴とする請求項3に記載の分離方法。
【請求項5】
上記本体と上記保護板との相対角速度に応じて、上記トルクを調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分離方法。
【請求項6】
上記本体と上記保護板との相対的な回転における反力に応じて、上記トルクを調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分離方法。
【請求項7】
上記トルクは、ステップ的または連続的に漸減して調整することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の分離方法。
【請求項8】
上記本体は、液晶パネルと、上記液晶パネルの上面の面積より小さい面積にてなる開口部を有し当該開口部から上記液晶パネルの上面が露出するように上記液晶パネルを保持するフレームとにて成り、
上記粘着シートは、上記フレームの外周部上および上記開口部から露出する上記液晶パネルと上記保護板とを粘着していることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の分離方法。
【請求項9】
本体の上面を保護するため粘着シートによって上記本体に貼り合わされた保護板を、上記本体から分離する分離装置において、
上記本体を保持する第1保持部と、
上記保護板を保持する第2保持部と、
上記本体と上記保護板とを相対的に回転するように上記第1保持部または上記第2保持部の少なくともいずれか一方を回転させてトルクを印加するトルク印加部と、
上記トルク印加部が印加する上記トルクを、上記粘着シートを剥離するための工程の前半より後半の方を小さくするように制御する制御部とを備えたことを特徴とする分離装置。
【請求項10】
上記第1保持体および上記第2保持体は、上記本体および上記保護板の垂直方向の位置関係を初期状態にて維持して保持することを特徴とする請求項9に記載の分離装置。
【請求項11】
上記本体と上記保護板との相対角度を測定する相対角度測定部を有し、
上記制御部は、上記相対角度測定部の測定した相対角度に応じて、上記トルクを制御することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の分離装置。
【請求項12】
上記本体と上記保護板との相対角速度を測定する相対角速度測定部を有し、
上記制御部は、上記相対角速度測定部の測定した相対角速度に応じて、上記トルクを制御することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の分離装置。
【請求項13】
上記本体と上記保護板との相対的な回転における反力を測定する反力測定部を有し、
上記制御部は、上記反力測定部の測定した反力に応じて、上記トルクを制御することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の分離装置。
【請求項14】
上記本体は、液晶パネルと、上記液晶パネルの上面の面積より小さい面積にてなる開口部を有し当該開口部から上記液晶パネルの上面が露出するように上記液晶パネルを保持するフレームとにて成り、
上記粘着シートは、上記フレームの外周部上および上記開口部から露出する上記液晶パネルと上記保護板とを粘着していることを特徴とする請求項9ないし請求項13のいずれか1項に記載の分離装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−71949(P2013−71949A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210021(P2011−210021)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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