説明

切削工具

【課題】交換可能な切削部とホルダーを接続する際に、最適な振れの調節を実現する工具を提供する。
【解決手段】工具1は、交換可能な切削部5と、該交換可能な切削部5が取り換え可能に設置されるように適合されたホルダー3とを備える。交換可能な切削部5は、少なくとも1つの切削縁部25を備える第1部分と、ホルダー3に接続するための第2部分を備えており、この第2部分には、円錐形の外側の当接面と外側の円筒形のねじ山が備わっている。ホルダー3には、内側の円筒形のねじ山と、外側のねじ山が取り外し可能にねじ込まれる円錐形の内側の当接面とが備わっており、該円錐形の外側の当接面および該円錐形の内側の当接面は、切削部5とホルダー3を互いに対して位置決めするように相互に係合可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題は、金属切削機械加工用の切削工具などの工具に関する。より具体的には、本明細書に開示される主題は、ホルダーと、交換可能な切削部とを備えた切削工具に関する。
【背景技術】
【0002】
交換可能な切削部とホルダーを備えた切削工具は、米国特許第5,971,670号に開示されている。この切削部は、切削縁部を備えた第1部分と、ホルダーに形成された雌部分に設けられた内側のねじ山に接続するための外側のねじ山を備えた第2部分とを備えている。円筒形の面と平坦な当接面が設けられることで、この2つの部分を互いに対して相互に位置決めし、しっかりと固定する。好ましい実施形態では、この既知の工具の外側と内側のねじ山は、円錐形である。
【0003】
米国特許公開第2006/0073744号は、同様の切削工具を開示しており、この工具はさらに、ホルダーと切削部を貫通して延びる軸方向の通路を備えており、切削部の先端に設けられた開口と流体連通することで、冷却剤または潤滑液体を供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0073744号明細書
【発明の概要】
【0005】
この既知の工具は共に、交換可能な切削部とホルダーが接続している間、最適な振れの調節を実現するための2重のシリンダ面を必要とし、高い精度で製造する必要がある。
【0006】
一実施形態において、本発明は、交換可能な切削部と、該交換可能な切削部が取り換え可能に設置されるように適合されたホルダーとを備えた工具を提供する。交換可能な切削部は、少なくとも1つの切削縁部を備えた第1部分と、該ホルダーに接続するための第2部分を備えており、該第2部分には、外側の円錐形の当接面と外側の円筒形のねじ山が備わっている。交換可能な切削部は、例えばフライス加工、中ぐり作業または他の機械加工作業によって、金属工作物などの破片を取り除く機械加工を行なうことを目的としている。ホルダーには、内側の円筒形のねじ山が備わっており、このねじ山に対して、交換可能な切削部とホルダーが互いに接続される際、該外側の円筒形のねじ山が取り外し可能にねじ込まれる。ホルダーはさらに、切削部の外側の円錐形の当接面と共同する内側の円錐形の当接面を備えている。外側の円錐形の当接面と円錐形の内側の当接面は、切削部とホルダーを互いに対して位置決めするように相互に係合可能である。
【0007】
外側の円筒形のねじ山と内側の円筒形のねじ山は、従来技術の円錐形のねじ山と比べて製造するのが簡単である。相互に係合する外側と内側の2つの円錐形の面により、交換可能な切削部とホルダーが接続している間の最適な振れの調節が実現する。
【0008】
いくつかの実施形態によると、該外側および内側のねじ山は、台形の自動心出し式のねじ山である。
【0009】
いくつかの好ましい実施形態によると、交換可能な切削部は第1の軸方向の当接面を備え、該ホルダーは第2の軸方向の当接面を備えており、該第1の軸方向の当接面と該第2の軸方向の当接面は、交換可能な切削部とホルダーを互いに対して軸方向に位置決めするように相互に係合可能である。いくつかの実施形態において、第1の軸方向の当接面は、該ホルダーに面したリング状の肩部の平坦な側に形成され、第2の軸方向の当接面は、該交換可能な切削部に面した該ホルダーの前方の平坦な端部に形成される。第1および第2の軸方向の当接面は、工具の軸に直交している。好ましくは第1および第2の軸方向の当接面は、切れ目のない環状の面である。他の実施形態において、軸方向の当接面は、例えば半径方向の刻み目によって中断される場合がある。
【0010】
交換可能な切削部の外側の円錐形の当接面は、該切削部の該第1の軸方向の当接面から突出するように配置することができる。
【0011】
軸方向の当接面と、内側および外側の円錐形の当接面は、交換可能な切削部がホルダーとねじ込み式に係合する際、軸方向の当接面と円錐形の当接面の両方が相互に接触するように配置され、それにより、交換可能な切削部のホルダーに対する相互心出しと、工具の剛性とがもたらされる
有利な実施形態では、外側の円筒形のねじ山の外径は、円錐形の外側の当接面の最も小さい直径より小さく、内側の円筒形のねじ山の直径は、該内側の円錐形の当接面の最も小さい直径よりも小さい。
【0012】
本発明の特に有利な実施形態によると、ホルダーは、冷却剤または潤滑流体のための少なくとも1つの長手方向の通路を備える。長手方向の通路は、ホルダーの長手方向の展開部分に沿って延び、好ましくはその軸に対してほぼ平行な通路として理解すべきである。通路は1つで十分であり、製造するのも容易であるが、2つ以上の通路を設けることもできる。好ましい実施形態では、この長手方向の通路は、該ホルダーの該内側の円筒形のねじ山から反対側の端部まで延びている。いくつかの実施形態において、交換可能な切削部は、少なくとも1つの導管を備えており、該交換可能な切削部が該ホルダーに設置される際、この導管は、該長手方向の通路と流体連通し、少なくとも1つの切削縁部付近で該交換可能な切削部の側面と流体連通する。切削縁部付近とは、切削縁部からある距離のところに位置決めされ、この距離が、潤滑または冷却剤流体を機械加工領域に向けて誘導し、具体的には切削縁部を冷却または潤滑するのに十分に小さい距離であると理解すべきである。好ましくは複数の導管が設けられる。導管の数および位置は、工具の交換可能な切削部に設けられる切削縁部の形状、数および位置に左右され得る。
【0013】
別の態様によると、交換可能な切削部は、複数の側穴を備えており、この穴は導管と流体連通しており、該少なくとも1つの切削縁部付近で、交換可能な切削部の側面の様々な場所でおわっている。
【0014】
本発明の別の改良形態によると、ホルダーは少なくとも1つの穴を備えており、この穴は、該ホルダーに形成された該少なくとも1つの長手方向の通路からホルダーの側面まで延びている。好ましくは該ホルダーの該少なくとも1つの穴は、該交換可能な切削部付近でホルダーの該側面において切れている。付近とは、該穴から流れる冷却剤または潤滑流体の噴流が、工具によって機械加工される工作物の領域に達することができるような交換可能な切削部からの距離を指している。
【0015】
いくつかの実施形態によると、ホルダーの該少なくとも1つの穴は、該ホルダーの軸から逸れており、冷却剤または潤滑流体の噴流を機械加工領域に向けて、ホルダーの軸から逸れる方向に誘導するように配向されている。
【0016】
ホルダーの長手方向の通路と流体連通し、ホルダーの側面において表面に出る1つまたは複数の穴を設けることで、1つまたは複数の冷却剤または潤滑流体の噴流を利用して、機械加工領域を清浄することが可能になり、工具とは別個に配置されたノズルなど機械加工領域を洗浄するための別の手段をなくすことができる。このようにして機械加工領域のより効率的な清浄が実現し、この領域に接近し易くなる。
【0017】
好ましい実施形態によると、ホルダーは複数の該穴を備えており、これらの穴は、好ましくは均一に互いから離間されることで、清浄作業を向上させる。
【0018】
別の態様によると、本発明はまた、ホルダーに接続されることが意図された破片を取り除く工具のための交換可能な切削部に関し、この切削部は、少なくとも1つの切削縁部を備えた第1部分と、該ホルダーに接続するための第2部分を備えており、該第2部分には、円錐形の外側の当接面と外側の円筒形のねじ山が備わっている。
【0019】
上記の簡単な記載が、本発明の多様な実施形態の特徴を記載することで、以下の詳細な記載がより適切に理解され、当技術分野に対する本発明の貢献度をより適切に理解することができる。当然のことながら本発明には、以下で記載され、添付の特許請求の範囲に記載される他の特徴もある。この点において、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明する前に、本発明の多様な実施形態はその用途が、以下の記載において説明される、あるいは図面に例示される構造の詳細および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実践され成し遂げることが可能である。また本明細書で採用される言い回しや専門用語は、説明することを目的としており、限定とみなすべきではないことを理解されたい。
【0020】
したがって、当業者は、本開示が基本とする概念を、本発明のいくつかの目的を果たすための他の構造、方法および/またはシステムを設計するための基本概念として容易に利用することができることを理解するであろう。そのため、特許請求の範囲は、そのような均等な構造物が本発明の精神および範囲から逸脱しない限り、それらを含めるものとみなされることが重要である。
【0021】
以下の詳細な記載を添付の図面と併せて考察して参照することにより、本発明の開示される実施形態のより完全な理解と、それに付随する多くの利点がより適切に理解されたとき、それらは容易に実現されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】交換可能な切削部がホルダーに接続されている工具を示す、一部が側面図で、一部が長手方向の断面図である。
【図2】一部が長手方向断面図であり、一部が側面図である、図1の交換可能な切削工具の一部の拡大図である。
【図3】図2と同様の一部が長手方向断面図であり、一部が側面図の、ホルダーと併せて使用することができる別の交換可能な切削工具の一部の拡大図である。
【図4】交換可能な切削部が除去された、図1のホルダーの長手方向断面の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の例示の実施形態の詳細な記載は、添付の図面を参照している。それぞれ異なる図面における同一の参照番号は、同一または同様の要素を特定している。これに加えて図面は、必ずしも縮尺通りではない。また以下の詳細な記載は、本発明を限定するものではない。代わりに、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0024】
明細書を通して「一実施形態」または「ある実施形態」または「いくつかの実施形態」は、一実施形態に関連して記載される特定の機能、構造または特徴が、開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味している。よって「一実施形態における」または「ある実施形態における」または「いくつかの実施形態における」というフレーズは、明細書全体を通して様々な場所に現れるが、これは必ずしも同一の実施形態を指している訳ではない。さらに特定の機能、構造または特徴は、1つまたは複数の実施形態において、何らかの好適な方法で組み合わせることもできる。
【0025】
工具1のある実施形態が、一部が側面図で、一部が長手方向の断面図で図1に示されている。工具1は、ホルダー3と、交換可能な切削部5で構成されている。ホルダー3の軸はA−Aと明示されている。交換可能な切削部5の軸は、ホルダー3に設置する際、軸A−Aとほぼ一致し、これは工具1の回転軸を表している。いくつかの実施形態において、ホルダー3は、第1端部3Aと第2端部3Bを備えた細長い形状である。第1端部3Aには、内側の円筒形のねじ山9を備えたねじ山付きの穴7が備わっている。第2端部3Bは、平坦な軸方向の当接面10を有する。内側の円錐形の当接面を形成する円錐台の壁12を備えた穴11が、ホルダー3の本体内で該平坦な軸方向の当接面10から内側に延びている。穴11はホルダーの内部でさらに13に延びている。穴13の円筒形の内側の面にねじ山が付けられることで、内側の円筒形のねじ山15を形成する。好ましい実施形態では、内側の円筒形のねじ山15は、台形の自動心出しの断面を有する。
【0026】
長手方向に延びる通路17が、穴7から穴13に延びている。この通路17を使用して、冷却剤または潤滑液体を機械加工領域に向けて供給することができる。
【0027】
いくつかの実施形態において、ホルダー3は、端部3Aに向かって先細になった第1の外部の錐台形状の面19と、ホルダー3の端部3Bに向かって先細になった第2の外部の錐台形状の面20を有する。ホルダー3は、第1の錐台形状の面19と第2の錐台形状の面20の間の中間位置に環状の突起21を有しており、この突起には、ホルダーを機械工具(図示せず)に対して締め付けたり緩めたりする楔の把持部になることを目的とする平坦化された領域22が備わっている。
【0028】
交換可能な切削部5は、第1の前方部分5Aと第2の後方部分5Bで構成されている。第1部分5Aには、1つまたは複数の切削縁部25が備わっており、その数、位置および形状は、交換可能な切削部が目的とする機械加工の種類に左右される。交換可能な切削部5の中間位置には、リングまたは環状の肩部27が備わっている。リング状の肩部は、好ましくは平坦な軸方向の当接面を形成し、この面は、ホルダー3の軸方向の当接面10と共同する。リング状の肩部27と切削縁部25の間に、円筒形または好ましくは円錐台の中間部分29が配置される。好適な楔(図示せず)を利用して交換可能な切削部5をホルダー3に対して締め付けたり緩めたりする楔の把持部として、中間部分29の外周面に沿って平坦化された部分29Aが形成される。
【0029】
リング状の肩部27からは、円錐台の突起31が延びており、その外面は、ホルダー3の円錐形の内側の当接面と共同することを目的とする円錐形の外側の当接面を形成する。円筒形の付属物35が、円錐台の突起31から延びている。この円筒形の付属物35には、外側の円筒形のねじ山37が備わっており、このねじ山は、交換可能な切削部がホルダーに係合する際、ホルダー3の内側の円筒形のねじ山15にねじ込まれる。
【0030】
切削縁部25と中間部分29は、交換可能な切削部5の第1部分5Aに属しており、円錐台の突起31と外側にねじ山が付いた円筒形の付属物35は、交換可能な切削部5の第2部分5Bに属している。
【0031】
リング状の肩部27と円錐台の突起31の間に好ましくは、環状の溝39が設けられる。円錐台の突起31と、外側にねじ山が付いた円筒形の付属物35の間に好ましくは、別の環状の溝41が設けられる。
【0032】
いくつかの実施形態において、図面に示されるように、交換可能な切削部5は、冷却剤または潤滑流体のための導管45を備えている。この導管45は、外側にねじ山が付いた円筒形の付属物35の前面に入り口開口を有しており、切削縁部25の形状によって、交換可能な切削部5の部分5Aの前方端部に出口開口を有する場合もあり、あるいは止まり穴の場合もある。両方の場合において、導管45は、交換可能な切削部5の前方部分5Aの外部側面において表面に出る1つまたは複数の側穴47と流体連通していることが可能である。
【0033】
交換可能な切削部5がホルダー3に接続される際、ねじ山の付いた円筒形の付属物35が、穴11に導入され、外側の円筒形のねじ山37が、内側の円筒形のねじ山15と係合する。交換可能な切削部5をホルダー3に対して回転させることで、外側の円筒形のねじ山37と内側の円筒形のねじ山15が相互に係合し、ついには円錐形の外側の当接面33が、円錐形の内側の当接面12Aに当接し、それと同時に2つの軸方向の当接面10、27が互いに係合する。これにより一方で円錐形の当接面33と12Aが共同することにより、切削縁部25のホルダー3の軸に対する心出しが確実となり、その一方で平坦な軸方向の当接面10、27が共同することにより工具に剛性を与える。工具を製造する際の正確な機械加工精度によって、製造公差が確実に十分小さくなり、面10、27および12A、33の対が同時に接触することが可能になる。
【0034】
好ましい実施形態では、ホルダー3には、ホルダー3の長手方向の通路17から、外部の錐台形状の面20まで延びている少なくとも1つの穴51が備わっている。添付の図面に示される例では、角度を付けて互い違いに配置された4つの穴51が設けられている。図面の例によって示されるものの代わりに、例えば3つの穴または2つの穴51など異なる数で異なる配置の穴51を採り入れることもできる。各々の穴51の出口は、端部3B付近で錐台形状の面20に配置される。好ましくは穴51は、軸A−Aに対して傾いている。穴51または各々の穴51は、ホルダー3の軸A−Aと角度βを形成する軸B−Bに沿って伸びることができる。角度βは、10°から90°の範囲であり、より具体的には15°から90°の間、さらにより具体的には20°から90°の間、例えば20°から60°の間であってよい。この穴が、冷却剤または潤滑流体を供給するノズルを形成し、これらのノズルは、交換可能な切削部5の切削縁部25からある距離のところに配置される。穴51の配向と、ホルダー3の端部3Bからのその距離は、機械加工領域を機械洗浄する際、冷却剤または潤滑流体の噴流がこの穴から発射されるような距離である。この流体の噴流は、工具1の回転軸A−Aからわずかに逸れており、よって工具1の交換可能な切削部の周りの比較的広範囲の領域から効率的に破片が取り除かれる。洗浄は、機械加工する際に行なわれ、所望であればそれに続く機械加工作業の間の別個の追加のステップの間においても行なうことができる。
【0035】
本明細書は、最適な態様を含めたいくつかの例を使用して本発明を開示しており、また当業者が本発明を実施することを可能にする。その保護範囲は、特許請求の範囲によって定義されており、当業者が思い付く他の例も含むことができる。
【符号の説明】
【0036】
1 工具
3 ホルダー
3A 第1端部
3B 第2端部
5 交換可能な切削部
5A 第1部分
5B 第2部分
7 ねじ山付きの穴
9 内側の円筒形のねじ山
10 軸方向の当接面
11 穴
12 円錐台の壁
12A 円錐形の内側の当接面
13 穴
15 内側の円筒形のねじ山
17 長手方向の通路
19 第1の錐台形状の面
20 第2の錐台形状の面
21 環状の突起
22 平らな領域
25 切削縁部
27 リング状の肩部
29 中間部分
29A 平らな部分
31 円錐台の突起
33 円錐形の外側の当接面
35 付属物
37 外側の円筒形のねじ山
39、41 環状の溝
45 導管
47 側穴
51 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能な切削部(5)と、前記交換可能な切削部(5)が取り換え可能に設置されるように適合されたホルダー(3)とを備える工具(1)であって、
前記交換可能な切削部(5)が、少なくとも1つの切削縁部(25)を備える第1部分(5A)と、前記ホルダー(3)に接続するための第2部分(5B)とを備えており、前記第2部分(5B)には、円錐形の外側の当接面(33)と外側の円筒形のねじ山(37)とが備わっており、
前記ホルダー(3)には、前記外側のねじ山(37)が取り外し可能にねじ込まれる内側の円筒形のねじ山(15)と、円錐形の内側の当接面(12A)とが備わっており、前記円錐形の外側の当接面(33)および前記円錐形の内側の当接面(12A)が、前記切削部(5)と前記ホルダー(3)とを互いに対して位置決めするように相互に係合可能である、
工具。
【請求項2】
前記交換可能な切削部(5)が、第1の軸方向の当接面(27)を備え、前記ホルダー(3)が、第2の軸方向の当接面(10)を備えており、前記第1の軸方向の当接面(27)および前記第2の軸方向の当接面(10)が、前記交換可能な切削部(5)と前記ホルダー(3)とを互いに対して軸方向に位置決めするように相互に係合可能である、請求項1記載の工具(1)。
【請求項3】
前記第1の軸方向の当接面(27)および前記第2の軸方向の当接面(10)が、前記工具の回転軸(A−A)に直交する、請求項2記載の工具。
【請求項4】
前記第1の軸方向の当接面(27)と前記第2の軸方向の当接面(10)の位置、および前記円錐形の外側の当接面(33)と前記円錐形の内側の当接面(12A)の位置は、前記工具の前記交換可能な切削部(5)が前記ホルダー(3)に係合する際、前記第1の軸方向の当接面(27)が、前記第2の軸方向の当接面(10)と表面接触して係合し、前記円錐形の内側の当接面(12A)が、前記円錐形の外側の当接面(33)と表面接触して係合するような位置である、請求項2または3記載の工具。
【請求項5】
前記第1の軸方向の当接面(27)が、前記ホルダー(3)に面したリング状の肩部(29)の平坦な側に形成され、前記第2の軸方向の当接面(10)が、前記交換可能な切削部(5)に面した前記ホルダー(3)の前方の平坦な端部(3B)に形成される、請求項2、3または4記載の工具。
【請求項6】
前記外側の円錐形の当接面(33)が、前記交換可能な切削部(5)の前記第1の軸方向の当接面(27)から突出する、請求項2乃至5の1つまたは複数に記載の工具。
【請求項7】
前記外側の円筒形のねじ山(37)の外径が、前記円錐形の外側の当接面(33)の最も小さい直径より小さく、前記内側の円筒形のねじ山(15)の直径が、前記円錐形の内側の当接面(12A)の最も小さい直径よりも小さい、請求項1乃至6の1つまたは複数に記載の工具。
【請求項8】
前記ホルダー(3)が、冷却剤または潤滑流体のための少なくとも1つの長手方向の通路(17)を備える、請求項1乃至7の1つまたは複数に記載の工具。
【請求項9】
前記長手方向の通路(17)が、前記内側の円筒形のねじ山(15)から前記ホルダー(3)の反対側の端部(3A)まで延びている、請求項7記載の工具。
【請求項10】
前記交換可能な切削部(5)は、前記交換可能な切削部(5)が前記ホルダー(3)に設置される際、前記長手方向の通路(17)と流体連通し、前記少なくとも1つの切削縁部(25)付近で前記交換可能な切削部(5)の側面と流体連通している少なくとも1つの導管(45)を備える、請求項9記載の工具。
【請求項11】
前記交換可能な切削部(5)が、複数の前記導管を備える、請求項10記載の工具。
【請求項12】
前記交換可能な切削部(5)が、前記導管(45)と流体連通し、前記少なくとも1つの切削縁部(25)付近で、前記交換可能な切削部(5)の前記側面にある様々な場所で切れている複数の側穴(47)を備える、請求項10記載の工具。
【請求項13】
前記ホルダー(3)が、前記少なくとも1つの長手方向の通路(17)から前記ホルダー(3)の側面(20)まで延びている少なくとも1つの穴(51)を備える、請求項8乃至12の1つまたは複数に記載の工具。
【請求項14】
前記ホルダー(3)の前記少なくとも1つの穴(51)が、前記交換可能な切削部(5)付近で前記ホルダー(3)の前記側面(20)において切れている、請求項13記載の工具。
【請求項15】
前記ホルダー(3)の前記少なくとも1つの穴(51)が、前記ホルダー(3)の軸(A−A)から逸れている、請求項13または14記載の工具。
【請求項16】
前記ホルダー(3)の前記少なくとも1つの穴(51)が、冷却剤または潤滑流体の噴流を機械加工領域に向けて、前記ホルダー(3)の軸(A−A)から逸れる方向に誘導するように配向されている、請求項13、14または15記載の工具。
【請求項17】
前記ホルダー(3)が、前記ホルダーの軸(A−A)の周りに均一に互いから離間されている複数の前記穴(51)を備えてる、請求項13乃至16記載の工具。
【請求項18】
前記外側の円筒形のねじ山(37)および前記内側の円筒形のねじ山(15)が台形の自動心出し式のねじ山である、請求項1乃至17記載の工具。
【請求項19】
ホルダー(3)に接続されることが意図された破片を取り除く工具のための交換可能な切削部(5)であって、少なくとも1つの切削縁部(25)を備える第1部分(5A)と、前記ホルダー(3)に接続するための第2部分(5B)を備え、前記第2部分(5B)には、円錐形の外側の当接面(33)と外側の円筒形のねじ山(37)とが備わっている、交換可能な切削部。
【請求項20】
前記交換可能な切削部(5)の回転軸に直交し、前記少なくとも1つの切削縁部(25)と前記円錐形の外側当接面(33)との間に位置する軸方向の当接面(27)を備える、請求項19記載の交換可能な切削部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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