切断装置
【課題】幅広の円筒状のワークを所定幅のループ状に切断する際に面取り切断することで、バレル研磨の取り代を低減する。
【解決手段】ワークＷに対して内周側から圧接する内刃としての回転刃５２，５４からなる回転刃ユニット５０とワークＷに対して外周側から圧接する外刃としての回転刃６２，６４からなる回転刃ユニット６０とを用いて、内刃としての回転刃５２と外刃としての回転刃６２とを一対の回転刃セットとしてワークＷを挟んで切り込みを入れると共に内刃としての回転刃５４と外刃としての回転刃６４とを一対の回転刃セットとしてワークＷを同一円周上で逆側から挟んで切り込みを入れることによりワークＷをループ状に切断する。これにより、ワークＷの厚み方向の略中央で破断を生じさせることができるから、切断の際に面取り切断することができ、バレル研磨の取り代を低減することができる。
【解決手段】ワークＷに対して内周側から圧接する内刃としての回転刃５２，５４からなる回転刃ユニット５０とワークＷに対して外周側から圧接する外刃としての回転刃６２，６４からなる回転刃ユニット６０とを用いて、内刃としての回転刃５２と外刃としての回転刃６２とを一対の回転刃セットとしてワークＷを挟んで切り込みを入れると共に内刃としての回転刃５４と外刃としての回転刃６４とを一対の回転刃セットとしてワークＷを同一円周上で逆側から挟んで切り込みを入れることによりワークＷをループ状に切断する。これにより、ワークＷの厚み方向の略中央で破断を生じさせることができるから、切断の際に面取り切断することができ、バレル研磨の取り代を低減することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、切断装置に関し、詳しくは、幅広の円筒状のワークを所定幅のループ状に切断する切断装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種の切断装置としては、駆動ロールとこれと平行に配置された従動ロールのそれぞれに環状の剪断カッターを設け、従動ロールに巻き掛けられたワークとしてのリング状素材Ｗに対して駆動ロールを押し付けることによりリング状素材Ｗを所定幅のリング状に切断するものが提案されている（例えば、特許文献１参照）。この装置では、駆動ロールに設けられた剪断カッターと従動ロールに設けられた剪断カッターとによりリング状素材Ｗを挟んで剪断することにより、剪断の開始位置と終了位置とがズレることにより生じる段差バリなどの不具合を抑制することができるとしている。
【特許文献１】特開２００２−１４４１３９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
上述したタイプの切断装置では、段差バリを抑制することができるものの、剪断加工ではワークを剪断するときにワークの厚み方向の端部で破断が生じるから、いわゆる抜きバリが発生する場合がある。発生したバリは、剪断面の角部を面取りしてＲ形状にするための後段の研磨工程によって除去することができるが、研磨時間が長くなるから、砥石（副資材）の消費が多くなったり、研磨設備を増設する必要が生じたりする。特に、切断装置を、ループとエレメントとによりベルトが構成されたベルト式無段変速機におけるループの製造に用いる場合には、ループの側面形状に比較的高い精度が要求されるから、上述した問題が大きくクローズアップされる。
【０００４】
本発明の切断装置は、幅広の円筒状のワークを所定幅のループ状に切断する際にバリの発生を抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明の切断装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【０００６】
本発明の切断装置は、
幅広の円筒状のワークを所定幅のループ状に切断する切断装置であって、
円形に形成されると共に外周縁に片刃の刃先が形成され互いに平行で対向して配置された第１の内刃と第１の外刃とからなる二つの回転刃により前記ワークを挟んで切り込む第１の回転刃セットと、
円形に形成されると共に外周縁に片刃の刃先が形成され互いに平行で対向して配置された前記第１の外刃と略同一平面上の第２の内刃と前記第１の内刃と略同一平面上の第２の外刃とからなる二つの回転刃により前記ワークを挟んで切り込む第２の回転刃セットと、
前記ワークがループ状に切断されるよう該ワークを回転させると共に前記第１の回転刃セットと前記第２の回転刃セットのそれぞれで該ワークを狭圧する駆動部と、
を備えることを要旨とする。
【０００７】
この本発明の切断装置では、円形に形成されると共に外周縁に片刃の刃先が形成され互いに平行で対向して配置された二つの回転刃によりワークを挟んで切り込む第１の回転刃セットと、円形に形成されると共に外周縁に片刃の刃先が形成され互いに平行で対向して配置された第１の外刃と略同一平面上の第２の内刃と第１の内刃と略同一平面上の第２の外刃とからなる二つの回転刃によりワークを挟んで切り込む第２の回転刃セットとを用いて、ワークがループ状に切断されるようワークを回転させると共に第１の回転刃セットと第２の回転刃セットのそれぞれでワークを狭圧する。これにより、ワークの破断は厚み方向の中央寄りで行なわれるから、幅広の円筒状のワークを所定幅のループ状に切断する際のバリの発生を抑制することができる。
【０００８】
こうした本発明の切断装置において、前記第１の外刃と前記第１の内刃、前記第２の外刃と前記第２の内刃は、それぞれ互いに刃先がオーバーラップ可能に形成されてなるものとすることもできる。こうすれば、ワークをより確実にループ状に切断することができる。
【０００９】
また、本発明の切断装置において、前記第１の外刃と前記第２の外刃、前記第１の内刃と前記第２の内刃は、それぞれ互いに回転軸が偏心した状態で重なるよう配置されてなるものとすることもできる。こうすれば、第１の外刃と第２の外刃、第１の内刃と第２の内刃を容易に配置することができる。
【００１０】
さらに、本発明の切断装置において、前記駆動部は、前記外刃と前記内刃とが前記ワークに当接してから該ワークが複数回回転することにより切断が完了するよう前記外刃と前記内刃とを徐々に近接させるものとすることもできる。こうすれば、破断面をワークの厚み方向のより中央付近に形成することができ、また、破断面を極力小さくすることができる。さらに、切断の開始点と終了点における断面形状をその中間点における断面形状と略均一にすることができる。
【００１１】
また、本発明の切断装置において、前記回転刃は、刃先が３０〜６０度の角度をもって形成されてなるものとすることもできる。こうすれば、ワークの切断と共に切断面の面取りを行なうことができる。この結果、後工程でバレル研磨を行なう場合にその取り代を低減することができる。この場合、前記回転刃は、刃先が略４５度の角度をもって形成されてなるものとすることもできる。
【００１２】
さらに、本発明の切断装置において、ループとエレメントとによりベルトが構成されたベルト式無段変速機における該ループの製造に用いられるものとすることもできる。ベルト式無段変速機のループの製造に用いる場合には、ループの側面形状に比較的高い精度が要求されるから、本発明を適用する意義が大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【００１４】
図１は、本発明の一実施例としての切断装置２０の構成の概略を示す構成図であり、図２は、ワークＷの送り装置３０の構成の概略を示す構成図である。実施例の切断装置２０は、幅広の円筒状のワークＷから所定幅のループ状に切断するための装置として構成されており、図示するように、ワークＷを保持しながら送るワーク送り装置３０と、ワーク送り装置３０により送られたワークＷに対して内周側に配置された回転刃ユニット５０と、ワークＷに対して外周側に配置された回転刃ユニット６０と、回転刃ユニット５０をワークＷの送り方向に対して直交方向に移動させる移動ユニット７０と、同じく回転刃ユニット６０をワークＷの送り方向に対して直交方向に移動させる移動ユニット８０と、を備える。なお、実施例の切断装置２０によって切断されたループは、その後に圧延することで所定長さに加工されＶ字状に形成された多数の金属製のエレメントをループにより連結してベルトが構成されたベルト式の無段変速機（ＣＶＴ）におけるループとして用いられる。
【００１５】
ワーク送り装置３０は、図２に示すように、エアシリンダ３１によりワークＷを把持する把持部３２と、把持部３２に回転可能に取り付けられたスピンドルユニット３４と、スピンドルユニット３４の回転軸３４ａにタイミングベルト３５を介して接続されたモータ３６と、スピンドルユニット３４を載置する載置台３８に取り付けられた送り機構４０とを備える。この送り機構４０は、上面にガイドレール４１が敷設されたフレーム４２と、載置台３８に取り付けられガイドレール４１上をスライドするスライダ４３と、載置台３８にブラケット４４を介して取り付けられたナット４５に螺合されフレーム４２にベアリング４６ａ，４６ｂを介して回転自在に支持されたボールねじ４７と、このボールねじ４７にカップリング４８を介して接続されたサーボモータ４９とを備え、サーボモータ４９を駆動することにより載置台３８を往復動させて把持部３２で把持されたワークＷを送ることができる。
【００１６】
回転刃ユニット５０は、図１に示すように、支持台５８に固定されており、ワークＷに対して内周面を圧接する二つの内刃の回転刃５２，５４を備えている。内刃としての二つの回転刃５２，５４は、いずれも、円形で外周縁に片刃の刃先が形成されており、互いに独立して回転可能に回転刃５２についてはベアリング５３により回転刃５４についてはベアリング５５によりそれぞれ支持台５８に固定された支持部材５１に回転自在に支持されている。図３は、図１の回転刃ユニット５０と９０度異なる断面を示す断面図である。図示するように、二つの回転刃５２，５４は、回転軸が互いに値Ｌだけ偏心した状態で支持部材５１に支持されている。
【００１７】
回転刃ユニット６０は、図１に示すように、支持台６８に固定されており、ワークＷに対して外周面を圧接する二つの外刃の回転刃６２，６４を備えている。外刃としての二つの回転刃６２，６４は、いずれも、円形で外周縁に片刃の刃先が形成されており、互いに独立して回転可能に回転刃６２についてはベアリング６３により回転刃６４についてはベアリング６５によりそれぞれ支持台６８に固定された支持部材６１に回転自在に支持されている。なお、図示しないが、回転刃ユニット６０の二つの回転刃６２，６４も、回転刃ユニット５０の二つの回転刃５２，５４と同様に、回転軸が偏心した状態で支持部材６１に支持されている。
【００１８】
図４は、ワークＷに回転刃５２，５４，６２，６４が圧接している様子を示す説明図である。回転刃ユニット５０および回転刃ユニット６０は、内刃としての回転刃５２と外刃としての回転刃６２とがワークＷを内周側と外周側とから挟んで切り込む一対の回転刃セットとして機能し、内刃としての回転刃５４と外刃としての回転刃６４とがワークＷを内周側と外周側とから挟んで切り込む一対の回転刃セットとして機能する。内刃としての回転刃５２は、対となる外刃としての回転刃６２とは異なる回転刃６４と同一平面上に配置され、内刃としての回転刃５４は、対となる外刃としての回転刃６４とは異なる回転刃６２と同一平面上に配置されている。したがって、回転刃５２と回転刃６２とによりワークＷを挟んで切り込みを入れると共に回転刃５４と回転刃６４とによりワークＷを挟んで逆側から切り込みを入れることができる。なお、回転刃ユニット５０，６０は、ワークＷを切断する際に、回転刃５２の刃先と回転刃６４の刃先とが互いに干渉しないで回転刃５２の刃先と回転刃６２の刃先とがオーバーラップし、回転刃５４の刃先と回転刃６２の刃先とが互いに干渉しないで回転刃５４の刃先と回転刃６４の刃先がオーバーラップするよう調整されている。
【００１９】
移動ユニット７０，８０は、図１に示すように、それぞれ、ガイドレール７１，８１が敷設されたフレーム７２，８２と、回転刃ユニット５０，６０を支持する支持台５８，６８に取り付けられガイドレール７１，８１上をスライドするスライダ７３，８３と、支持台５８，６８にブラケット７４，８４を介して取り付けられたナット７５，８５に螺合されフレーム７２，８２にベアリング７６ａ，７６ｂ，８６ａ，８６ｂを介して回転自在に支持されたボールねじ７７，８７と、このボールねじ７７，８７にカップリング７８，８８を介して接続されたサーボモータ７９，８９とを備え、サーボモータ７９，８９を駆動することにより支持台５８，６８をワークＷの送り方向に対して直交する方向に往復動させることができる。支持台５８，６８は、それぞれ回転刃ユニット５０，６０が固定されているから、支持台５８，６８をワークＷの送り方向に対して直交する方向に往復動させることにより、回転刃ユニット５０，６０をワークＷの送り方向に対して直交する方向に往復動させることができる。
【００２０】
次に、こうして構成された実施例の切断装置２０の動作について説明する。ワークＷの切断は、エアシリンダー３１を駆動してワークＷを把持部３２で把持し、サーボモータ４９を駆動制御することによりワークＷを必要量だけ送り出し、モータ３６を駆動制御してワークＷを回転させながら回転刃ユニット５０がワークＷの内周面に圧接するよう移動ユニット７０のサーボモータ７９を駆動制御すると共に回転刃ユニット６０がワークＷの外周面に圧接するよう移動ユニット８０のサーボモータ８９を駆動制御することにより行われる。図５は、実施例の二組の回転刃ユニット５０，６０を用いてワークＷを所定幅のループ状に切断する様子を示す説明図であり、図６は、比較例の一組の回転刃ユニット１５０を用いてワークＷを所定幅のループ状に切断する様子を示す説明図である。なお、比較例の回転刃ユニット１５０は、円形で外周縁に片刃の刃先が形成された回転刃１５２，１５４を互いに平行に対向して配置したものとして構成されている。実施例では、図示するように、モータ３６を駆動によりワークＷを回転させながら、対となる回転刃５２と回転刃６２とによりワークＷを狭圧して切り込みを開始すると共に後段の対となる回転刃５４と回転刃６４とによりワークＷを狭圧して回転刃５２および回転刃６２とは逆側から切り込みを開始し（図５（ａ）参照）、ワークＷの切り込みが徐々に深くなるように対となる回転刃５２と回転刃６２とが徐々に近接すると共に対となる回転刃５４と回転刃６４とが徐々に近接するよう移動ユニット７０，８０が駆動される（図５（ｂ）および図５（ｃ）参照）。実施例では、ワークＷが１０回から１５回程度回転したときにワークＷの切断が完了するようモータ３６によるワークＷの回転速度と移動ユニット７０による回転刃ユニット５０の移動速度と移動ユニット８０による回転刃ユニット６０の移動速度とを設定するものとした。したがって、後段の回転刃５４と回転刃６４とによりワークＷが剪断される際にワークＷは厚み方向の中央付近で破断するから、ワークＷの切断面にバリが発生することはない（図５（ｄ）参照）。なお、ワークＷの剪断の完了時には対となる回転刃５２の刃先と回転刃６２の刃先とが互いに若干量オーバーラップすると共に対となる回転刃５４の刃先と回転刃６４の刃先とが互いに若干量オーバーラップする。一方、比較例では、一対の回転刃１５２，１５４によりワークＷを挟んで剪断する（図６（ａ）および図６（ｂ）参照）。したがって、外刃としての回転刃１５４の抜きの方向のワークＷの端面で破断が生じ、バリが発生する（図６（ｃ）参照）。
【００２１】
以上説明した実施例の切断装置２０によれば、ワークＷに対して内周側から圧接する内刃としての二つの回転刃５２，５４からなる回転刃ユニット５０とワークＷに対して外周側から圧接する外刃としての二つの回転刃６２，６４からなる回転刃ユニット６０とを用いて、内刃としての回転刃５２と外刃としての回転刃６２とを一対の回転刃セットとしてワークＷを挟んで切り込みを入れると共に内刃としての回転刃５４と外刃としての回転刃６４とを一対の回転刃セットとしてワークＷを同一円周上で逆側から挟んで切り込みを入れることによりワークＷをループ状に切断するから、ワークＷの厚み方向の略中央で破断を生じさせることができ、切断の際のバリの発生を抑制することができる。この結果、後段でバリを除去する工程を設ける必要をなくしたり、切断面に対して面取りしてアール（Ｒ）形状とする後段の研磨工程を備える場合にはその研磨工程の時間を短縮したり研磨工程で用いる砥石の消費を抑えることができる。しかも、回転刃５２，５４，６２，６４の刃先を略４５度の角度をもって形成したから、ワークＷを切断すると共に切断面の面取りを行なうことができる。この結果、研磨工程の負荷をさらに低減することができる。
【００２２】
実施例の切断装置２０では、回転刃ユニット５０の回転刃５２，５４と回転刃ユニット６０の回転刃６２，６４の刃先を略４５度の角度をもって形成するものとしたが、円形の片刃として機能するものであれば、如何なる角度で形成するものとしてもよい。ただし、ワークＷの切断面の面取りを効果的に行なうためには３０度〜６０度の範囲内の角度で形成することが望ましい。
【００２３】
実施例の切断装置２０では、ループとエレメントとによりベルトが構成されたベルト式の無段変速機におけるループの製造に用いるものとしたが、これに限定されるものではなく、ベルト式の無段変速機のループ以外のループの製造に用いるものとしてもよい。
【００２４】
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、回転刃ユニット５０の回転刃５２と回転刃ユニット６０の回転刃６２とが「第１の回転刃セット」に相当し、回転刃ユニット５０の回転刃５４と回転刃ユニット６０の回転刃６４とが「第２の回転刃セット」に相当し、ワーク送り装置３０と移動ユニット７０と移動ユニット８０とが「駆動部」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【００２５】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【００２６】
本発明は、ベルト式無段変速機の製造産業などに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】本発明の一実施例としての切断装置２０の構成の概略を示す構成図である。
【図２】ワーク送り装置３０の構成の概略を示す構成図である。
【図３】回転刃ユニット５０の断面を示す断面図である。
【図４】ワークＷに回転刃５２，５４，６２，６４が圧接している様子を示す説明図である。
【図５】実施例の回転刃ユニット５０，６０を用いてワークＷを切断している様子を示す説明図である。
【図６】比較例の回転刃ユニット１５０を用いてワークＷを切断している様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【００２８】
２０ 切断装置、３０ ワーク送り装置、３１ エアシリンダ、３２ 把持部、３４ スピンドルユニット、３４ａ 回転軸、３５ タイミングベルト、３６ モータ、３８ 載置台、４０ 送り機構、４１ ガイドレール、４２ フレーム、４３ スライダ、４４ ブラケット、４５ ナット、４６ａ，４６ｂ ベアリング、４７ ボールねじ、４８ カップリング、４９ サーボモータ、５０，６０ 回転刃ユニット、５１，６１ 支持部材、５２，５４，６２，６４ 回転刃、７０，８０ 移動ユニット、７１，８１ ガイドレール、７２，８２ フレーム、７３，８３ スライダ、７４，８４ ブラケット、７５，８５ ナット、７６ａ，７６ｂ，８６ａ，８６ｂ ベアリング、７７，８７ ボールねじ、７８，８８ カップリング、７９，８９ サーボモータ、Ｗ ワーク。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、切断装置に関し、詳しくは、幅広の円筒状のワークを所定幅のループ状に切断する切断装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種の切断装置としては、駆動ロールとこれと平行に配置された従動ロールのそれぞれに環状の剪断カッターを設け、従動ロールに巻き掛けられたワークとしてのリング状素材Ｗに対して駆動ロールを押し付けることによりリング状素材Ｗを所定幅のリング状に切断するものが提案されている（例えば、特許文献１参照）。この装置では、駆動ロールに設けられた剪断カッターと従動ロールに設けられた剪断カッターとによりリング状素材Ｗを挟んで剪断することにより、剪断の開始位置と終了位置とがズレることにより生じる段差バリなどの不具合を抑制することができるとしている。
【特許文献１】特開２００２−１４４１３９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
上述したタイプの切断装置では、段差バリを抑制することができるものの、剪断加工ではワークを剪断するときにワークの厚み方向の端部で破断が生じるから、いわゆる抜きバリが発生する場合がある。発生したバリは、剪断面の角部を面取りしてＲ形状にするための後段の研磨工程によって除去することができるが、研磨時間が長くなるから、砥石（副資材）の消費が多くなったり、研磨設備を増設する必要が生じたりする。特に、切断装置を、ループとエレメントとによりベルトが構成されたベルト式無段変速機におけるループの製造に用いる場合には、ループの側面形状に比較的高い精度が要求されるから、上述した問題が大きくクローズアップされる。
【０００４】
本発明の切断装置は、幅広の円筒状のワークを所定幅のループ状に切断する際にバリの発生を抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明の切断装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【０００６】
本発明の切断装置は、
幅広の円筒状のワークを所定幅のループ状に切断する切断装置であって、
円形に形成されると共に外周縁に片刃の刃先が形成され互いに平行で対向して配置された第１の内刃と第１の外刃とからなる二つの回転刃により前記ワークを挟んで切り込む第１の回転刃セットと、
円形に形成されると共に外周縁に片刃の刃先が形成され互いに平行で対向して配置された前記第１の外刃と略同一平面上の第２の内刃と前記第１の内刃と略同一平面上の第２の外刃とからなる二つの回転刃により前記ワークを挟んで切り込む第２の回転刃セットと、
前記ワークがループ状に切断されるよう該ワークを回転させると共に前記第１の回転刃セットと前記第２の回転刃セットのそれぞれで該ワークを狭圧する駆動部と、
を備えることを要旨とする。
【０００７】
この本発明の切断装置では、円形に形成されると共に外周縁に片刃の刃先が形成され互いに平行で対向して配置された二つの回転刃によりワークを挟んで切り込む第１の回転刃セットと、円形に形成されると共に外周縁に片刃の刃先が形成され互いに平行で対向して配置された第１の外刃と略同一平面上の第２の内刃と第１の内刃と略同一平面上の第２の外刃とからなる二つの回転刃によりワークを挟んで切り込む第２の回転刃セットとを用いて、ワークがループ状に切断されるようワークを回転させると共に第１の回転刃セットと第２の回転刃セットのそれぞれでワークを狭圧する。これにより、ワークの破断は厚み方向の中央寄りで行なわれるから、幅広の円筒状のワークを所定幅のループ状に切断する際のバリの発生を抑制することができる。
【０００８】
こうした本発明の切断装置において、前記第１の外刃と前記第１の内刃、前記第２の外刃と前記第２の内刃は、それぞれ互いに刃先がオーバーラップ可能に形成されてなるものとすることもできる。こうすれば、ワークをより確実にループ状に切断することができる。
【０００９】
また、本発明の切断装置において、前記第１の外刃と前記第２の外刃、前記第１の内刃と前記第２の内刃は、それぞれ互いに回転軸が偏心した状態で重なるよう配置されてなるものとすることもできる。こうすれば、第１の外刃と第２の外刃、第１の内刃と第２の内刃を容易に配置することができる。
【００１０】
さらに、本発明の切断装置において、前記駆動部は、前記外刃と前記内刃とが前記ワークに当接してから該ワークが複数回回転することにより切断が完了するよう前記外刃と前記内刃とを徐々に近接させるものとすることもできる。こうすれば、破断面をワークの厚み方向のより中央付近に形成することができ、また、破断面を極力小さくすることができる。さらに、切断の開始点と終了点における断面形状をその中間点における断面形状と略均一にすることができる。
【００１１】
また、本発明の切断装置において、前記回転刃は、刃先が３０〜６０度の角度をもって形成されてなるものとすることもできる。こうすれば、ワークの切断と共に切断面の面取りを行なうことができる。この結果、後工程でバレル研磨を行なう場合にその取り代を低減することができる。この場合、前記回転刃は、刃先が略４５度の角度をもって形成されてなるものとすることもできる。
【００１２】
さらに、本発明の切断装置において、ループとエレメントとによりベルトが構成されたベルト式無段変速機における該ループの製造に用いられるものとすることもできる。ベルト式無段変速機のループの製造に用いる場合には、ループの側面形状に比較的高い精度が要求されるから、本発明を適用する意義が大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【００１４】
図１は、本発明の一実施例としての切断装置２０の構成の概略を示す構成図であり、図２は、ワークＷの送り装置３０の構成の概略を示す構成図である。実施例の切断装置２０は、幅広の円筒状のワークＷから所定幅のループ状に切断するための装置として構成されており、図示するように、ワークＷを保持しながら送るワーク送り装置３０と、ワーク送り装置３０により送られたワークＷに対して内周側に配置された回転刃ユニット５０と、ワークＷに対して外周側に配置された回転刃ユニット６０と、回転刃ユニット５０をワークＷの送り方向に対して直交方向に移動させる移動ユニット７０と、同じく回転刃ユニット６０をワークＷの送り方向に対して直交方向に移動させる移動ユニット８０と、を備える。なお、実施例の切断装置２０によって切断されたループは、その後に圧延することで所定長さに加工されＶ字状に形成された多数の金属製のエレメントをループにより連結してベルトが構成されたベルト式の無段変速機（ＣＶＴ）におけるループとして用いられる。
【００１５】
ワーク送り装置３０は、図２に示すように、エアシリンダ３１によりワークＷを把持する把持部３２と、把持部３２に回転可能に取り付けられたスピンドルユニット３４と、スピンドルユニット３４の回転軸３４ａにタイミングベルト３５を介して接続されたモータ３６と、スピンドルユニット３４を載置する載置台３８に取り付けられた送り機構４０とを備える。この送り機構４０は、上面にガイドレール４１が敷設されたフレーム４２と、載置台３８に取り付けられガイドレール４１上をスライドするスライダ４３と、載置台３８にブラケット４４を介して取り付けられたナット４５に螺合されフレーム４２にベアリング４６ａ，４６ｂを介して回転自在に支持されたボールねじ４７と、このボールねじ４７にカップリング４８を介して接続されたサーボモータ４９とを備え、サーボモータ４９を駆動することにより載置台３８を往復動させて把持部３２で把持されたワークＷを送ることができる。
【００１６】
回転刃ユニット５０は、図１に示すように、支持台５８に固定されており、ワークＷに対して内周面を圧接する二つの内刃の回転刃５２，５４を備えている。内刃としての二つの回転刃５２，５４は、いずれも、円形で外周縁に片刃の刃先が形成されており、互いに独立して回転可能に回転刃５２についてはベアリング５３により回転刃５４についてはベアリング５５によりそれぞれ支持台５８に固定された支持部材５１に回転自在に支持されている。図３は、図１の回転刃ユニット５０と９０度異なる断面を示す断面図である。図示するように、二つの回転刃５２，５４は、回転軸が互いに値Ｌだけ偏心した状態で支持部材５１に支持されている。
【００１７】
回転刃ユニット６０は、図１に示すように、支持台６８に固定されており、ワークＷに対して外周面を圧接する二つの外刃の回転刃６２，６４を備えている。外刃としての二つの回転刃６２，６４は、いずれも、円形で外周縁に片刃の刃先が形成されており、互いに独立して回転可能に回転刃６２についてはベアリング６３により回転刃６４についてはベアリング６５によりそれぞれ支持台６８に固定された支持部材６１に回転自在に支持されている。なお、図示しないが、回転刃ユニット６０の二つの回転刃６２，６４も、回転刃ユニット５０の二つの回転刃５２，５４と同様に、回転軸が偏心した状態で支持部材６１に支持されている。
【００１８】
図４は、ワークＷに回転刃５２，５４，６２，６４が圧接している様子を示す説明図である。回転刃ユニット５０および回転刃ユニット６０は、内刃としての回転刃５２と外刃としての回転刃６２とがワークＷを内周側と外周側とから挟んで切り込む一対の回転刃セットとして機能し、内刃としての回転刃５４と外刃としての回転刃６４とがワークＷを内周側と外周側とから挟んで切り込む一対の回転刃セットとして機能する。内刃としての回転刃５２は、対となる外刃としての回転刃６２とは異なる回転刃６４と同一平面上に配置され、内刃としての回転刃５４は、対となる外刃としての回転刃６４とは異なる回転刃６２と同一平面上に配置されている。したがって、回転刃５２と回転刃６２とによりワークＷを挟んで切り込みを入れると共に回転刃５４と回転刃６４とによりワークＷを挟んで逆側から切り込みを入れることができる。なお、回転刃ユニット５０，６０は、ワークＷを切断する際に、回転刃５２の刃先と回転刃６４の刃先とが互いに干渉しないで回転刃５２の刃先と回転刃６２の刃先とがオーバーラップし、回転刃５４の刃先と回転刃６２の刃先とが互いに干渉しないで回転刃５４の刃先と回転刃６４の刃先がオーバーラップするよう調整されている。
【００１９】
移動ユニット７０，８０は、図１に示すように、それぞれ、ガイドレール７１，８１が敷設されたフレーム７２，８２と、回転刃ユニット５０，６０を支持する支持台５８，６８に取り付けられガイドレール７１，８１上をスライドするスライダ７３，８３と、支持台５８，６８にブラケット７４，８４を介して取り付けられたナット７５，８５に螺合されフレーム７２，８２にベアリング７６ａ，７６ｂ，８６ａ，８６ｂを介して回転自在に支持されたボールねじ７７，８７と、このボールねじ７７，８７にカップリング７８，８８を介して接続されたサーボモータ７９，８９とを備え、サーボモータ７９，８９を駆動することにより支持台５８，６８をワークＷの送り方向に対して直交する方向に往復動させることができる。支持台５８，６８は、それぞれ回転刃ユニット５０，６０が固定されているから、支持台５８，６８をワークＷの送り方向に対して直交する方向に往復動させることにより、回転刃ユニット５０，６０をワークＷの送り方向に対して直交する方向に往復動させることができる。
【００２０】
次に、こうして構成された実施例の切断装置２０の動作について説明する。ワークＷの切断は、エアシリンダー３１を駆動してワークＷを把持部３２で把持し、サーボモータ４９を駆動制御することによりワークＷを必要量だけ送り出し、モータ３６を駆動制御してワークＷを回転させながら回転刃ユニット５０がワークＷの内周面に圧接するよう移動ユニット７０のサーボモータ７９を駆動制御すると共に回転刃ユニット６０がワークＷの外周面に圧接するよう移動ユニット８０のサーボモータ８９を駆動制御することにより行われる。図５は、実施例の二組の回転刃ユニット５０，６０を用いてワークＷを所定幅のループ状に切断する様子を示す説明図であり、図６は、比較例の一組の回転刃ユニット１５０を用いてワークＷを所定幅のループ状に切断する様子を示す説明図である。なお、比較例の回転刃ユニット１５０は、円形で外周縁に片刃の刃先が形成された回転刃１５２，１５４を互いに平行に対向して配置したものとして構成されている。実施例では、図示するように、モータ３６を駆動によりワークＷを回転させながら、対となる回転刃５２と回転刃６２とによりワークＷを狭圧して切り込みを開始すると共に後段の対となる回転刃５４と回転刃６４とによりワークＷを狭圧して回転刃５２および回転刃６２とは逆側から切り込みを開始し（図５（ａ）参照）、ワークＷの切り込みが徐々に深くなるように対となる回転刃５２と回転刃６２とが徐々に近接すると共に対となる回転刃５４と回転刃６４とが徐々に近接するよう移動ユニット７０，８０が駆動される（図５（ｂ）および図５（ｃ）参照）。実施例では、ワークＷが１０回から１５回程度回転したときにワークＷの切断が完了するようモータ３６によるワークＷの回転速度と移動ユニット７０による回転刃ユニット５０の移動速度と移動ユニット８０による回転刃ユニット６０の移動速度とを設定するものとした。したがって、後段の回転刃５４と回転刃６４とによりワークＷが剪断される際にワークＷは厚み方向の中央付近で破断するから、ワークＷの切断面にバリが発生することはない（図５（ｄ）参照）。なお、ワークＷの剪断の完了時には対となる回転刃５２の刃先と回転刃６２の刃先とが互いに若干量オーバーラップすると共に対となる回転刃５４の刃先と回転刃６４の刃先とが互いに若干量オーバーラップする。一方、比較例では、一対の回転刃１５２，１５４によりワークＷを挟んで剪断する（図６（ａ）および図６（ｂ）参照）。したがって、外刃としての回転刃１５４の抜きの方向のワークＷの端面で破断が生じ、バリが発生する（図６（ｃ）参照）。
【００２１】
以上説明した実施例の切断装置２０によれば、ワークＷに対して内周側から圧接する内刃としての二つの回転刃５２，５４からなる回転刃ユニット５０とワークＷに対して外周側から圧接する外刃としての二つの回転刃６２，６４からなる回転刃ユニット６０とを用いて、内刃としての回転刃５２と外刃としての回転刃６２とを一対の回転刃セットとしてワークＷを挟んで切り込みを入れると共に内刃としての回転刃５４と外刃としての回転刃６４とを一対の回転刃セットとしてワークＷを同一円周上で逆側から挟んで切り込みを入れることによりワークＷをループ状に切断するから、ワークＷの厚み方向の略中央で破断を生じさせることができ、切断の際のバリの発生を抑制することができる。この結果、後段でバリを除去する工程を設ける必要をなくしたり、切断面に対して面取りしてアール（Ｒ）形状とする後段の研磨工程を備える場合にはその研磨工程の時間を短縮したり研磨工程で用いる砥石の消費を抑えることができる。しかも、回転刃５２，５４，６２，６４の刃先を略４５度の角度をもって形成したから、ワークＷを切断すると共に切断面の面取りを行なうことができる。この結果、研磨工程の負荷をさらに低減することができる。
【００２２】
実施例の切断装置２０では、回転刃ユニット５０の回転刃５２，５４と回転刃ユニット６０の回転刃６２，６４の刃先を略４５度の角度をもって形成するものとしたが、円形の片刃として機能するものであれば、如何なる角度で形成するものとしてもよい。ただし、ワークＷの切断面の面取りを効果的に行なうためには３０度〜６０度の範囲内の角度で形成することが望ましい。
【００２３】
実施例の切断装置２０では、ループとエレメントとによりベルトが構成されたベルト式の無段変速機におけるループの製造に用いるものとしたが、これに限定されるものではなく、ベルト式の無段変速機のループ以外のループの製造に用いるものとしてもよい。
【００２４】
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、回転刃ユニット５０の回転刃５２と回転刃ユニット６０の回転刃６２とが「第１の回転刃セット」に相当し、回転刃ユニット５０の回転刃５４と回転刃ユニット６０の回転刃６４とが「第２の回転刃セット」に相当し、ワーク送り装置３０と移動ユニット７０と移動ユニット８０とが「駆動部」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【００２５】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【００２６】
本発明は、ベルト式無段変速機の製造産業などに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】本発明の一実施例としての切断装置２０の構成の概略を示す構成図である。
【図２】ワーク送り装置３０の構成の概略を示す構成図である。
【図３】回転刃ユニット５０の断面を示す断面図である。
【図４】ワークＷに回転刃５２，５４，６２，６４が圧接している様子を示す説明図である。
【図５】実施例の回転刃ユニット５０，６０を用いてワークＷを切断している様子を示す説明図である。
【図６】比較例の回転刃ユニット１５０を用いてワークＷを切断している様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【００２８】
２０ 切断装置、３０ ワーク送り装置、３１ エアシリンダ、３２ 把持部、３４ スピンドルユニット、３４ａ 回転軸、３５ タイミングベルト、３６ モータ、３８ 載置台、４０ 送り機構、４１ ガイドレール、４２ フレーム、４３ スライダ、４４ ブラケット、４５ ナット、４６ａ，４６ｂ ベアリング、４７ ボールねじ、４８ カップリング、４９ サーボモータ、５０，６０ 回転刃ユニット、５１，６１ 支持部材、５２，５４，６２，６４ 回転刃、７０，８０ 移動ユニット、７１，８１ ガイドレール、７２，８２ フレーム、７３，８３ スライダ、７４，８４ ブラケット、７５，８５ ナット、７６ａ，７６ｂ，８６ａ，８６ｂ ベアリング、７７，８７ ボールねじ、７８，８８ カップリング、７９，８９ サーボモータ、Ｗ ワーク。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
幅広の円筒状のワークを所定幅のループ状に切断する切断装置であって、
円形に形成されると共に外周縁に片刃の刃先が形成され互いに平行で対向して配置された第１の内刃と第１の外刃とからなる二つの回転刃により前記ワークを挟んで切り込む第１の回転刃セットと、
円形に形成されると共に外周縁に片刃の刃先が形成され互いに平行で対向して配置された前記第１の外刃と略同一平面上の第２の内刃と前記第１の内刃と略同一平面上の第２の外刃とからなる二つの回転刃により前記ワークを挟んで切り込む第２の回転刃セットと、
前記ワークがループ状に切断されるよう該ワークを回転させると共に前記第１の回転刃セットと前記第２の回転刃セットのそれぞれで該ワークを狭圧する駆動部と、
を備える切断装置。
【請求項２】
前記第１の外刃と前記第１の内刃、前記第２の外刃と前記第２の内刃は、それぞれ互いに刃先がオーバーラップ可能に形成されてなる請求項１記載の切断装置。
【請求項３】
前記第１の外刃と前記第２の外刃、前記第１の内刃と前記第２の内刃は、それぞれ互いに回転軸が偏心した状態で重なるよう配置されてなる請求項１または２記載の切断装置。
【請求項４】
前記駆動部は、前記外刃と前記内刃とが前記ワークに当接してから該ワークが複数回回転することにより切断が完了するよう前記外刃と前記内刃とを徐々に近接させることを特徴とする請求項１ないし３いずれか１項に記載の切断装置。
【請求項５】
前記回転刃は、刃先が３０〜６０度の角度をもって形成されてなる請求項１ないし４いずれか１項に記載の切断装置。
【請求項６】
前記回転刃は、刃先が略４５度の角度をもって形成されてなる請求項５記載の切断装置。
【請求項７】
ループとエレメントとによりベルトが構成されたベルト式無段変速機における該ループの製造に用いられることを特徴とする請求項１ないし６いずれか１項に記載の切断装置。
【請求項１】
幅広の円筒状のワークを所定幅のループ状に切断する切断装置であって、
円形に形成されると共に外周縁に片刃の刃先が形成され互いに平行で対向して配置された第１の内刃と第１の外刃とからなる二つの回転刃により前記ワークを挟んで切り込む第１の回転刃セットと、
円形に形成されると共に外周縁に片刃の刃先が形成され互いに平行で対向して配置された前記第１の外刃と略同一平面上の第２の内刃と前記第１の内刃と略同一平面上の第２の外刃とからなる二つの回転刃により前記ワークを挟んで切り込む第２の回転刃セットと、
前記ワークがループ状に切断されるよう該ワークを回転させると共に前記第１の回転刃セットと前記第２の回転刃セットのそれぞれで該ワークを狭圧する駆動部と、
を備える切断装置。
【請求項２】
前記第１の外刃と前記第１の内刃、前記第２の外刃と前記第２の内刃は、それぞれ互いに刃先がオーバーラップ可能に形成されてなる請求項１記載の切断装置。
【請求項３】
前記第１の外刃と前記第２の外刃、前記第１の内刃と前記第２の内刃は、それぞれ互いに回転軸が偏心した状態で重なるよう配置されてなる請求項１または２記載の切断装置。
【請求項４】
前記駆動部は、前記外刃と前記内刃とが前記ワークに当接してから該ワークが複数回回転することにより切断が完了するよう前記外刃と前記内刃とを徐々に近接させることを特徴とする請求項１ないし３いずれか１項に記載の切断装置。
【請求項５】
前記回転刃は、刃先が３０〜６０度の角度をもって形成されてなる請求項１ないし４いずれか１項に記載の切断装置。
【請求項６】
前記回転刃は、刃先が略４５度の角度をもって形成されてなる請求項５記載の切断装置。
【請求項７】
ループとエレメントとによりベルトが構成されたベルト式無段変速機における該ループの製造に用いられることを特徴とする請求項１ないし６いずれか１項に記載の切断装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００９−２６２２８９（Ｐ２００９−２６２２８９Ａ）
【公開日】平成２１年１１月１２日（２００９．１１．１２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−１１５６９２（Ｐ２００８−１１５６９２）
【出願日】平成２０年４月２５日（２００８．４．２５）
【出願人】（５０３１５８０１７）株式会社シーヴイテック (11)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１１月１２日（２００９．１１．１２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年４月２５日（２００８．４．２５）
【出願人】（５０３１５８０１７）株式会社シーヴイテック (11)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]