切頂コアを有する光ファイバ
【課題】アルファ・プロファイル内側部分を有するコアと、このコアとクラッドの間の急な垂直のステップとを有し、肩部がない、本明細書において切頂コアと呼ばれる光ファイバ設計を提供すること。
【解決手段】本発明のさらなる態様は、切頂コアとクラッドの間に溝を含むことができる。この実施形態では、コアは、主な光導波構造として動作するだけでなく、溝構造の機能と本質的に同じ機能を行う。したがって、公式に溝であったものは、はるかに小さな負の値に、または正の値にすらなることができる。本発明の別の実施形態は、コアと垂直ステップの間に棚部または肩部が追加され、その後にクラッドが直接的に続く、切頂コアを有する光ファイバを含む。
【解決手段】本発明のさらなる態様は、切頂コアとクラッドの間に溝を含むことができる。この実施形態では、コアは、主な光導波構造として動作するだけでなく、溝構造の機能と本質的に同じ機能を行う。したがって、公式に溝であったものは、はるかに小さな負の値に、または正の値にすらなることができる。本発明の別の実施形態は、コアと垂直ステップの間に棚部または肩部が追加され、その後にクラッドが直接的に続く、切頂コアを有する光ファイバを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2010年2月22日に出願した仮特許出願第61/306,607号の優先権を主張するものである。本出願はまた、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2009年8月17日に出願した特許出願第12/583,212号に関連する。
【0002】
本出願において説明され、特許請求の範囲に記載される本発明は、非常に優れた曲げ損失およびモード分散特性を求めて設計されたマルチモード光ファイバに関する。
【背景技術】
【0003】
光ファイバが曲げられると光エネルギーを漏洩する傾向は、この技術の揺籃期から知られている。光はまっすぐな経路を進むが、低屈折率の材料によって取り囲まれた高屈折率材料の経路を提供することによって、湾曲した経路であっても、ある程度誘導され得ることはよく知られている。しかし、実際には、その原理には限界があり、光ファイバが、光導波路が光を含む能力を上回る湾曲を持つ曲げを有することが多い。
【0004】
曲げられたときの伝送特性の制御は、ほとんどすべての実際の光ファイバ設計における問題である。初期の手法であり、かつ現在でも一般的な手法は、光ファイバにおける物理的な曲げを防ぐかまたはこれを最小限にすることである。これは、長期的には丈夫なケーブルを設計することによって、または短期的にはマイクロダクトに光ファイバを敷設することによって、大部分は達成されることができ、すべての場合において、光ファイバは各端部で終端させなければならない。したがって、最も好ましい状況下でさえ、ある一定の曲げが光ファイバの終端において発生することがある。
【0005】
曲げ損失の制御はまた、光ファイバ自体の物理的設計によって対処することができる。したがって、リング特徴または溝特徴またはそれらの組み合わせが、曲げ損失を制御するために光ファイバの屈折率分布の外部で一般に見られる。たとえば、米国特許第4,691,990号および第4,852,968号、ならびに2009年8月17日に出願した米国特許出願第12/583,212号を参照されたい。これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
従来のグレーデッド・インデックス・マルチモード・ファイバでは、ファイバが曲げられたとき、高次モードは低次モードより大きな損失を被る。曲げを最適化した(bend−optimized)マルチモード・ファイバ設計(BOMMF)では、溝は、高次モードの曲げ損失を最小限にするためにグレーデッド・インデックス・コアの外縁部にある。この技術分野でよく知られているように、溝とは、クラッド領域にあり、かつこの一部である屈折率(depressed index)の低下した環状領域である。
【0007】
曲げ損失の制御を支援するために負の溝(negative trench)が使用される典型的な光ファイバ設計では、負の溝は、肩部によってコアのアルファ・プロファイルの縁部から離隔される。典型的には、この肩部は石英(屈折率デルタはゼロ)である。肩部の幅は、ファイバ特性を変更するために他の設計パラメータと組み合わせて使用される設計変数である。これらの設計によって非常に優れた曲げ損失が実現されるが、依然として性能の改善が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願第12/583,212号号明細書
【特許文献2】米国特許第4,691,990号明細書
【特許文献3】米国特許第4,852,968号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、有利には肩部または棚部の幅がゼロになることが可能で、プロファイルに追加の変更を加えることにより、溝の有無にかかわらず良好な曲げ損失性能を維持することができることを発見した。その発見から、屈折率分布の上方移動を伴う新しい広範な光ファイバ設計概念が生まれ、したがって溝を含むプロファイル全体が正となることができる。以前に溝特徴に割り当てられていた機能は、今や正の屈折率コアの一部として見なしてよい。この設計では、コアは、主な光導波構造として動作するだけでなく、溝構造の機能と本質的に同じ機能を行う。公式に溝であったものは、はるかに小さな負の値に、または正の値にすらなることができる。アルファ・プロファイル内側部分を有するコアと、このコアとクラッドの間の急な垂直のステップとを有し、肩部がない光ファイバのコアは、本明細書において切頂コア(truncated core)と呼ばれる。本発明のさらなる態様は、切頂コアとクラッドの間に溝を含む。
【0010】
本発明の別の実施形態は、コアと垂直ステップの間に棚部または肩部が追加され、その後にクラッドが直接的に続く、切頂コアを有する光ファイバを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】標準的なマルチモード光ファイバの屈折率分布を示すプロットである。
【図2】曲げ性能を支援するために溝を有するマルチモード光ファイバに類似したプロットである。
【図3】本発明による、曲げ性能を制御するために切頂コアを有する光ファイバの屈折率分布を示すプロットである。
【図4】本発明の一態様による切頂コアを定義することに関するパラメータを示す、切頂コアを有する屈折率分布の概略図である。
【図5】修正された切頂コアを有する光ファイバの屈折率分布を示すプロットである。
【図6】図3の光ファイバ設計のための、0〜28ミクロンの半径位置からのDMDトレースを示すプロットである。
【図7】棚部の追加によって修正された切頂コアを有する光ファイバの屈折率分布を示すプロットである。
【図8】300mおよび550mの光リンク上で動作する切頂コア光ファイバのビット誤り率(BER)のウォータフォール曲線(waterfall curve)を示すプロットである。
【図9】本発明による切頂コアを有する光ファイバを使用する伝送リンクの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
曲げ損失は、シングル・モード光ファイバとマルチモード光ファイバの両方で生じる。マルチモード光ファイバは、典型的にはデータ・センタ、エンタープライズLAN、SANにおいてなど、短距離通信において使用される。マルチモード・ファイバの利点は主に、このファイバを単純でコスト効率のよい供給源と結合することができることにある。従来、これらの供給源は主として、約850nmまたは1300nmの波長を有するLEDであった。ここ10年において、垂直共振器を有する低コストの垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)レーザ・ダイオードが商業的に普及してきた。これらのレーザによって、レーザ・ダイオードと光ファイバの効果的な結合が可能になり、たとえば最高10.3125Gbpsの非常に高い変調速度も可能である。コンピューティング、データ・センタ、およびSANの各応用例における高性能のような40/100 GBEマルチモード・ファイバの応用例では、IEEE標準802.3ba(商標)2010は、10.3125Gbpsの個別チャネル速度を有する並列VCSELアレイ(4および10のチャネル)の規格を提唱する。
【0013】
曲げられた条件下での光ファイバの性能問題は一般に、曲げの場所において光ファイバから光が漏れることによる全般的な光パワー損失を伴うとされてきた。モード構造変化が曲げ損失に及ぼす影響は一般に見過ごされる。
【0014】
シングル・モード光ファイバでは、あらゆる漏洩は光ファイバの基本モードの光にかかわるので、全般的なパワー損失は主な検討事項である。しかし、マルチモード光ファイバでは、有効屈折率差により、高次モードは低次モードより大きな損失を被る。また、マルチモード光ファイバにおける高次モードと低次モードの組み合わせによって光ファイバの帯域、したがって光ファイバの信号伝達能力が決定される。
【0015】
高帯域では、マルチモード・ファイバにおける種々のモードの群速度はできる限り同等に近くあるべきである。群速度差は、コアを備える材料の屈折率のグレードを決めることによって制御することができ、これは、屈折率の関数形式(functional form)をファイバ半径の関数として指定することを意味する。従来のマルチモード・ファイバでは、設計目標は、以下のように定義されるα形状を達成することである。
【数1】
式中、rはファイバの半径、R0はコアの半径、ncladはクラッドの屈折率、n1はコアの中心(r=0)における屈折率、αはべき指数分布パラメータである。これは、当業界で使用するように「理想的な」α形状(アルファ・コア)プロファイルであり、典型的には1.8〜2.2の値を有する。図1は、アルファ・コア11を有するマルチモード光ファイバ(MMF)の典型的な屈折率分布を示す。アルファ・コアは、R0に径方向外側に延びる。R0は、べき指数曲線がゼロのデルタ屈折率と交差する点である。
【0016】
曲げ損失特性の改善は、屈折率分布に溝を追加することによって達成することができる。溝はダウン・ドープ領域、典型的にはフッ素ドープ領域であり、屈折率は純石英より低く、通常、負のデルタ屈折率と呼ばれる。図2は、コアの中心からの半径R1を有するアルファ・コア21を有するMMFの屈折率分布を示すが、曲げ損失を制御するために溝22が追加される。溝とアルファ・コアの間にあるのは、コア中心から半径R2に延びる肩部23である。
【0017】
図2の設計では、従来のMMF(図1に示す)と比較すると、高次モードは溝による影響を受け、従来のMMFの場合よりも大きな屈折率差を効果的に経験する。図2の設計における溝22は必要ではなく、なくすことができることが発見された。これにより、本発明の特徴である切頂コア設計がもたらされる。図3は、コアの先端が切断され、その結果大きな垂直のステップ31が得られる屈折率分布を示す。ステップ31は、図2の設計における溝と同じ機能を果たす。すなわち、ステップ31は、ファイバのコア導波部分とクラッドの間に大きな屈折率差を生じさせる。この設計の利点の中でも主なものは、製造の簡単さである。これは、あらゆる負の屈折率領域をなくすことによって得られる利点である。
【0018】
切頂コアを定義するために使用されるパラメータが図4に示されている。R0は以前に定義した。R1は物理的なコア半径、すなわちコア屈折率がnsからクラッド領域の屈折率ncladに低下する点である。屈折率デルタnは、ncladからの屈折率の逸脱である。屈折率nsはステップが始まる屈折率であり、ns−ncladは屈折率デルタに関するステップの高さを定義する。本発明の一態様は、おそらくドープされているかまたはドープされていない、石英で作製されるクラッドを含む。このような例では、屈折率ncladは石英の屈折率とほぼ同じである。
【0019】
溝の必要性に置き換わるために、垂直ステップの高さは、デルタn1の一部分に(n1−nclad)を乗算したものと同じ大きさであるべきである。具体的には、ステップの高さns−ncladは少なくとも0.2(n1−nclad)、好ましくは少なくとも0.35(n1−nclad)であるべきである。たとえば、図3は、ステップの高さが0.4(n1−nclad)であることを示す。
【0020】
図3の例に対する適切な設計パラメータ、および比較のために図1および図2に示される例が表Iに示されている。
【表1】
図3の設計では、屈折率分布は一般に次式で表すことができる。
【数2】
この式において、n1はr=0のときの屈折率、ncladはクラッドの屈折率、αはべき指数分布パラメータである。R0はn(R0)=ncladの場合の半径位置である。
【0021】
上式中のR1は次式によって求めることができる。
R1=R0*[(n12−ns2)/(n12−nclad2)]1/α
式中、nsはコアとクラッドの間のステップの最大屈折率である。
【0022】
本発明の一実施形態は、0.005〜0.03に入るデルタn1を含む。本発明の一態様によれば、デルタn1の好ましい範囲は0.014〜0.02である。
【0023】
これらの設計では、R1の値が10〜34ミクロンの範囲にあることが好ましいが、必須ではない。
【0024】
表IIは、図1、図2、および図3に示される3つの設計の850nmにおけるマクロ曲げ損失を示す。マルチモード光ファイバの曲げ損失は、それぞれ2.5Tまたは10.5Tと表される2.5ターン(turn)または10.5ターンを使用して、それぞれ10D、15D、および30Dと表される10mm、15mm、または30mmのいずれかの直径のマンドレルの周囲に2メートルのファイバ試料を巻き付けることによって測定された。
【表2】
【0025】
図3の設計の430メートルの試料は、HR−DMDベンチ上でテストされた。図6は、0〜28ミクロン半径位置からのDMDトレースを示す。表IIIは、マスク幅およびOM3規格の標準を超す実効伝送帯域(Effective Modal Bandwidth、EMB)の値の一覧を示す。
【表3】
【0026】
本発明の代替実施形態が図5に示される。アルファの屈折率分布部分が55で示されている。大きなステップは、屈折率が正の部分56aと屈折率が負の部分56bと含む。屈折率が負の部分56bは、大きなステップ56aに対する強化を表し、場合によっては、設計の曲げ性能をさらに改善することがある。典型的な切頂コア設計では、(FOTP−176に基づいて)測定されたファイバコア径は、通常、(たとえば屈折近視野プロファイル(refractive near field profile)に基づく)物理的なコア径より3〜5μm大きい。第1のクラッド領域と、第1のクラッド領域の外側にあり、第1のクラッド領域より大きな屈折率を有する第2のクラッド領域の追加は、クラッド・モードを減少させ、測定されたコア径を制御するのに役立つ。したがって、図5に示すように、領域56cはnclad1の屈折率を有し、これはnclad2の屈折率を有する領域56dの屈折率より小さい。アルファ・コア・プロファイル設計の固有の制限は、コア−クラッド境界における屈折率の急激な変化およびコア縁部におけるクラッド・モードへの結合により、高次モードが適切に補償されないことである。したがって、高次モードのモード遅延は、低次モードおよび中次(medium order)モードから逸脱する。OM3ファイバおよびOM4ファイバなどの従来の理想的なアルファ・コアMMFでは、高次モードのディファレンシャル・モード減衰が高く、それによりディファレンシャル・モード遅延、最終的には帯域への高次モードの影響が最小限になる(OM3およびOM4は、国際電気標準会議(IEC)および米国通信工業会(TIA)において定義されたよく知られているMMFのタイプである)。低曲げ損失を得るためのMMF設計では、溝または大きなステップを有する高次モード間の相互作用(すなわち、コア縁部における実質的にすべての大きな屈折率差)は、ファイバの曲げ性能を改善するだけでなく、高次モードの伝搬特性を大きく変化させる。したがって、曲げ不感性MMFにおける高次モードのディファレンシャル・モード遅延の制御が非常に重要になり、従来のMMFよりも困難である。したがって、高速デジタル伝送で使用される曲げ不感性MMF(BIMMF)では、高次モードのモード遅延を等しくする方法が必要である。現在の最新技術では、光データ・システムの高速伝送は一般的に10Gb/s以上と考えられる。
【0027】
本発明者らは、コア縁部における大きな屈折率の変化を有するBIMMFの高次モードへの影響を軽減するために、2つの異なる手法が実施できることを発見した。第1の手法は、利用されるべきコア区域からステップを離して設置することを含む。高速デジタル伝送の応用例では、標準的なTIA/EIA−455−220でDMD試験用の0〜23ミクロンの範囲が指定されている。したがって、この手法では、R1におけるステップは、良好なDMDの挙動を保証するには23ミクロンより少なくとも4ミクロン大きいことが必要である。図3の例では、ステップ31の半径位置は28.6ミクロンであるように選択される。図6に示される設計のDMDは、このステップは0〜23ミクロンのDMD値にほとんど影響を及ぼさないことを示す。
【0028】
第2の手法は、ステップの影響を補償するためにコア縁部とステップの間に適切な幅を有する棚部を追加することである。これは、図7に示されている。屈折率分布のアルファ部分は71と表され、切頂コア縁部73を形成するステップは、棚部72を形成するためにコア中心から距離R3−R1だけ離される。距離R3−R1は好ましくは1〜4ミクロンの範囲にある。図示のように、図3に示される第1の手法では棚部を有さず、したがってR3−R1はゼロとなる。
【0029】
上述の光ファイバ設計は、有利には、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を有するシステムで光源として使用される。VCSEL源に結合された切頂コア光ファイバは、以下の例に示されるように非常に優れたシステム性能を示す。
【0030】
図8は、300mおよび550mの光リンク上に切頂コア(図3)を有する光ファイバのビット誤り率(BER)のウォータフォール曲線を示す。光ファイバは、0.136ps/mの0〜23umDMDマスク幅の値を有する。ビット・レートは10.3125Gbpsで、231−1の擬似ランダム・ビット・シーケンス(PRBS)(PRBS31)で符合化される。VCSELは、0.24nmの2乗平均平方根(RMS)スペクトル幅および4.5umにおいて14%、19umにおいて98%の包囲フラックス(encircled flux)(EF)を有する。BERウォータフォール曲線は、3つの異なる曲げ径15mm、10mm、および5mmにおけるリンクの5.5ループの急な曲げの有無にかかわらず、300m長および550m長の伝送の両方にわたってすばらしい性能を示す。
【0031】
改善された曲げ損失に加えて、上述のように、光ファイバの伝送性能は典型的には、チャネル挿入損失(CHIL)および分散パワーペナルティ(dispersion power penalty、DSP)も特徴とする。チャネル挿入損失は、曲げがリンク長に存在するときの減衰、コネクタ損失、および曲げ損失の和と定義される。長所のこれらの3つのパラメータが表IVにまとめられている。前述のVCSEL源ならびに0.38nmのRMSスペクトル幅および4.5umにおいて8.5%、19umにおいて95%のEFを有するVCSELに結合された(図3に示されるファイバのような)切頂コア光ファイバを備えるシステムのデータが掲載されている。
【表4】
【0032】
図9は、本発明による設計を有する光ファイバ83を使用する、レーザ送信機81と光受信機82の間の伝送リンクの概略図である。
【0033】
詳細な説明を締めくくるにあたり、本発明の原理から実質的に逸脱することなく好ましい実施形態に多数の変形および変更を加えることができることが当業者には明らかであることに留意されたい。このようなすべての変形、変更、および等価物は、添付の特許請求の範囲において記載されているように、本発明の範囲に含まれるとして本明細書に含まれるものである。
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2010年2月22日に出願した仮特許出願第61/306,607号の優先権を主張するものである。本出願はまた、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2009年8月17日に出願した特許出願第12/583,212号に関連する。
【0002】
本出願において説明され、特許請求の範囲に記載される本発明は、非常に優れた曲げ損失およびモード分散特性を求めて設計されたマルチモード光ファイバに関する。
【背景技術】
【0003】
光ファイバが曲げられると光エネルギーを漏洩する傾向は、この技術の揺籃期から知られている。光はまっすぐな経路を進むが、低屈折率の材料によって取り囲まれた高屈折率材料の経路を提供することによって、湾曲した経路であっても、ある程度誘導され得ることはよく知られている。しかし、実際には、その原理には限界があり、光ファイバが、光導波路が光を含む能力を上回る湾曲を持つ曲げを有することが多い。
【0004】
曲げられたときの伝送特性の制御は、ほとんどすべての実際の光ファイバ設計における問題である。初期の手法であり、かつ現在でも一般的な手法は、光ファイバにおける物理的な曲げを防ぐかまたはこれを最小限にすることである。これは、長期的には丈夫なケーブルを設計することによって、または短期的にはマイクロダクトに光ファイバを敷設することによって、大部分は達成されることができ、すべての場合において、光ファイバは各端部で終端させなければならない。したがって、最も好ましい状況下でさえ、ある一定の曲げが光ファイバの終端において発生することがある。
【0005】
曲げ損失の制御はまた、光ファイバ自体の物理的設計によって対処することができる。したがって、リング特徴または溝特徴またはそれらの組み合わせが、曲げ損失を制御するために光ファイバの屈折率分布の外部で一般に見られる。たとえば、米国特許第4,691,990号および第4,852,968号、ならびに2009年8月17日に出願した米国特許出願第12/583,212号を参照されたい。これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
従来のグレーデッド・インデックス・マルチモード・ファイバでは、ファイバが曲げられたとき、高次モードは低次モードより大きな損失を被る。曲げを最適化した(bend−optimized)マルチモード・ファイバ設計(BOMMF)では、溝は、高次モードの曲げ損失を最小限にするためにグレーデッド・インデックス・コアの外縁部にある。この技術分野でよく知られているように、溝とは、クラッド領域にあり、かつこの一部である屈折率(depressed index)の低下した環状領域である。
【0007】
曲げ損失の制御を支援するために負の溝(negative trench)が使用される典型的な光ファイバ設計では、負の溝は、肩部によってコアのアルファ・プロファイルの縁部から離隔される。典型的には、この肩部は石英(屈折率デルタはゼロ)である。肩部の幅は、ファイバ特性を変更するために他の設計パラメータと組み合わせて使用される設計変数である。これらの設計によって非常に優れた曲げ損失が実現されるが、依然として性能の改善が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願第12/583,212号号明細書
【特許文献2】米国特許第4,691,990号明細書
【特許文献3】米国特許第4,852,968号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、有利には肩部または棚部の幅がゼロになることが可能で、プロファイルに追加の変更を加えることにより、溝の有無にかかわらず良好な曲げ損失性能を維持することができることを発見した。その発見から、屈折率分布の上方移動を伴う新しい広範な光ファイバ設計概念が生まれ、したがって溝を含むプロファイル全体が正となることができる。以前に溝特徴に割り当てられていた機能は、今や正の屈折率コアの一部として見なしてよい。この設計では、コアは、主な光導波構造として動作するだけでなく、溝構造の機能と本質的に同じ機能を行う。公式に溝であったものは、はるかに小さな負の値に、または正の値にすらなることができる。アルファ・プロファイル内側部分を有するコアと、このコアとクラッドの間の急な垂直のステップとを有し、肩部がない光ファイバのコアは、本明細書において切頂コア(truncated core)と呼ばれる。本発明のさらなる態様は、切頂コアとクラッドの間に溝を含む。
【0010】
本発明の別の実施形態は、コアと垂直ステップの間に棚部または肩部が追加され、その後にクラッドが直接的に続く、切頂コアを有する光ファイバを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】標準的なマルチモード光ファイバの屈折率分布を示すプロットである。
【図2】曲げ性能を支援するために溝を有するマルチモード光ファイバに類似したプロットである。
【図3】本発明による、曲げ性能を制御するために切頂コアを有する光ファイバの屈折率分布を示すプロットである。
【図4】本発明の一態様による切頂コアを定義することに関するパラメータを示す、切頂コアを有する屈折率分布の概略図である。
【図5】修正された切頂コアを有する光ファイバの屈折率分布を示すプロットである。
【図6】図3の光ファイバ設計のための、0〜28ミクロンの半径位置からのDMDトレースを示すプロットである。
【図7】棚部の追加によって修正された切頂コアを有する光ファイバの屈折率分布を示すプロットである。
【図8】300mおよび550mの光リンク上で動作する切頂コア光ファイバのビット誤り率(BER)のウォータフォール曲線(waterfall curve)を示すプロットである。
【図9】本発明による切頂コアを有する光ファイバを使用する伝送リンクの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
曲げ損失は、シングル・モード光ファイバとマルチモード光ファイバの両方で生じる。マルチモード光ファイバは、典型的にはデータ・センタ、エンタープライズLAN、SANにおいてなど、短距離通信において使用される。マルチモード・ファイバの利点は主に、このファイバを単純でコスト効率のよい供給源と結合することができることにある。従来、これらの供給源は主として、約850nmまたは1300nmの波長を有するLEDであった。ここ10年において、垂直共振器を有する低コストの垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)レーザ・ダイオードが商業的に普及してきた。これらのレーザによって、レーザ・ダイオードと光ファイバの効果的な結合が可能になり、たとえば最高10.3125Gbpsの非常に高い変調速度も可能である。コンピューティング、データ・センタ、およびSANの各応用例における高性能のような40/100 GBEマルチモード・ファイバの応用例では、IEEE標準802.3ba(商標)2010は、10.3125Gbpsの個別チャネル速度を有する並列VCSELアレイ(4および10のチャネル)の規格を提唱する。
【0013】
曲げられた条件下での光ファイバの性能問題は一般に、曲げの場所において光ファイバから光が漏れることによる全般的な光パワー損失を伴うとされてきた。モード構造変化が曲げ損失に及ぼす影響は一般に見過ごされる。
【0014】
シングル・モード光ファイバでは、あらゆる漏洩は光ファイバの基本モードの光にかかわるので、全般的なパワー損失は主な検討事項である。しかし、マルチモード光ファイバでは、有効屈折率差により、高次モードは低次モードより大きな損失を被る。また、マルチモード光ファイバにおける高次モードと低次モードの組み合わせによって光ファイバの帯域、したがって光ファイバの信号伝達能力が決定される。
【0015】
高帯域では、マルチモード・ファイバにおける種々のモードの群速度はできる限り同等に近くあるべきである。群速度差は、コアを備える材料の屈折率のグレードを決めることによって制御することができ、これは、屈折率の関数形式(functional form)をファイバ半径の関数として指定することを意味する。従来のマルチモード・ファイバでは、設計目標は、以下のように定義されるα形状を達成することである。
【数1】
式中、rはファイバの半径、R0はコアの半径、ncladはクラッドの屈折率、n1はコアの中心(r=0)における屈折率、αはべき指数分布パラメータである。これは、当業界で使用するように「理想的な」α形状(アルファ・コア)プロファイルであり、典型的には1.8〜2.2の値を有する。図1は、アルファ・コア11を有するマルチモード光ファイバ(MMF)の典型的な屈折率分布を示す。アルファ・コアは、R0に径方向外側に延びる。R0は、べき指数曲線がゼロのデルタ屈折率と交差する点である。
【0016】
曲げ損失特性の改善は、屈折率分布に溝を追加することによって達成することができる。溝はダウン・ドープ領域、典型的にはフッ素ドープ領域であり、屈折率は純石英より低く、通常、負のデルタ屈折率と呼ばれる。図2は、コアの中心からの半径R1を有するアルファ・コア21を有するMMFの屈折率分布を示すが、曲げ損失を制御するために溝22が追加される。溝とアルファ・コアの間にあるのは、コア中心から半径R2に延びる肩部23である。
【0017】
図2の設計では、従来のMMF(図1に示す)と比較すると、高次モードは溝による影響を受け、従来のMMFの場合よりも大きな屈折率差を効果的に経験する。図2の設計における溝22は必要ではなく、なくすことができることが発見された。これにより、本発明の特徴である切頂コア設計がもたらされる。図3は、コアの先端が切断され、その結果大きな垂直のステップ31が得られる屈折率分布を示す。ステップ31は、図2の設計における溝と同じ機能を果たす。すなわち、ステップ31は、ファイバのコア導波部分とクラッドの間に大きな屈折率差を生じさせる。この設計の利点の中でも主なものは、製造の簡単さである。これは、あらゆる負の屈折率領域をなくすことによって得られる利点である。
【0018】
切頂コアを定義するために使用されるパラメータが図4に示されている。R0は以前に定義した。R1は物理的なコア半径、すなわちコア屈折率がnsからクラッド領域の屈折率ncladに低下する点である。屈折率デルタnは、ncladからの屈折率の逸脱である。屈折率nsはステップが始まる屈折率であり、ns−ncladは屈折率デルタに関するステップの高さを定義する。本発明の一態様は、おそらくドープされているかまたはドープされていない、石英で作製されるクラッドを含む。このような例では、屈折率ncladは石英の屈折率とほぼ同じである。
【0019】
溝の必要性に置き換わるために、垂直ステップの高さは、デルタn1の一部分に(n1−nclad)を乗算したものと同じ大きさであるべきである。具体的には、ステップの高さns−ncladは少なくとも0.2(n1−nclad)、好ましくは少なくとも0.35(n1−nclad)であるべきである。たとえば、図3は、ステップの高さが0.4(n1−nclad)であることを示す。
【0020】
図3の例に対する適切な設計パラメータ、および比較のために図1および図2に示される例が表Iに示されている。
【表1】
図3の設計では、屈折率分布は一般に次式で表すことができる。
【数2】
この式において、n1はr=0のときの屈折率、ncladはクラッドの屈折率、αはべき指数分布パラメータである。R0はn(R0)=ncladの場合の半径位置である。
【0021】
上式中のR1は次式によって求めることができる。
R1=R0*[(n12−ns2)/(n12−nclad2)]1/α
式中、nsはコアとクラッドの間のステップの最大屈折率である。
【0022】
本発明の一実施形態は、0.005〜0.03に入るデルタn1を含む。本発明の一態様によれば、デルタn1の好ましい範囲は0.014〜0.02である。
【0023】
これらの設計では、R1の値が10〜34ミクロンの範囲にあることが好ましいが、必須ではない。
【0024】
表IIは、図1、図2、および図3に示される3つの設計の850nmにおけるマクロ曲げ損失を示す。マルチモード光ファイバの曲げ損失は、それぞれ2.5Tまたは10.5Tと表される2.5ターン(turn)または10.5ターンを使用して、それぞれ10D、15D、および30Dと表される10mm、15mm、または30mmのいずれかの直径のマンドレルの周囲に2メートルのファイバ試料を巻き付けることによって測定された。
【表2】
【0025】
図3の設計の430メートルの試料は、HR−DMDベンチ上でテストされた。図6は、0〜28ミクロン半径位置からのDMDトレースを示す。表IIIは、マスク幅およびOM3規格の標準を超す実効伝送帯域(Effective Modal Bandwidth、EMB)の値の一覧を示す。
【表3】
【0026】
本発明の代替実施形態が図5に示される。アルファの屈折率分布部分が55で示されている。大きなステップは、屈折率が正の部分56aと屈折率が負の部分56bと含む。屈折率が負の部分56bは、大きなステップ56aに対する強化を表し、場合によっては、設計の曲げ性能をさらに改善することがある。典型的な切頂コア設計では、(FOTP−176に基づいて)測定されたファイバコア径は、通常、(たとえば屈折近視野プロファイル(refractive near field profile)に基づく)物理的なコア径より3〜5μm大きい。第1のクラッド領域と、第1のクラッド領域の外側にあり、第1のクラッド領域より大きな屈折率を有する第2のクラッド領域の追加は、クラッド・モードを減少させ、測定されたコア径を制御するのに役立つ。したがって、図5に示すように、領域56cはnclad1の屈折率を有し、これはnclad2の屈折率を有する領域56dの屈折率より小さい。アルファ・コア・プロファイル設計の固有の制限は、コア−クラッド境界における屈折率の急激な変化およびコア縁部におけるクラッド・モードへの結合により、高次モードが適切に補償されないことである。したがって、高次モードのモード遅延は、低次モードおよび中次(medium order)モードから逸脱する。OM3ファイバおよびOM4ファイバなどの従来の理想的なアルファ・コアMMFでは、高次モードのディファレンシャル・モード減衰が高く、それによりディファレンシャル・モード遅延、最終的には帯域への高次モードの影響が最小限になる(OM3およびOM4は、国際電気標準会議(IEC)および米国通信工業会(TIA)において定義されたよく知られているMMFのタイプである)。低曲げ損失を得るためのMMF設計では、溝または大きなステップを有する高次モード間の相互作用(すなわち、コア縁部における実質的にすべての大きな屈折率差)は、ファイバの曲げ性能を改善するだけでなく、高次モードの伝搬特性を大きく変化させる。したがって、曲げ不感性MMFにおける高次モードのディファレンシャル・モード遅延の制御が非常に重要になり、従来のMMFよりも困難である。したがって、高速デジタル伝送で使用される曲げ不感性MMF(BIMMF)では、高次モードのモード遅延を等しくする方法が必要である。現在の最新技術では、光データ・システムの高速伝送は一般的に10Gb/s以上と考えられる。
【0027】
本発明者らは、コア縁部における大きな屈折率の変化を有するBIMMFの高次モードへの影響を軽減するために、2つの異なる手法が実施できることを発見した。第1の手法は、利用されるべきコア区域からステップを離して設置することを含む。高速デジタル伝送の応用例では、標準的なTIA/EIA−455−220でDMD試験用の0〜23ミクロンの範囲が指定されている。したがって、この手法では、R1におけるステップは、良好なDMDの挙動を保証するには23ミクロンより少なくとも4ミクロン大きいことが必要である。図3の例では、ステップ31の半径位置は28.6ミクロンであるように選択される。図6に示される設計のDMDは、このステップは0〜23ミクロンのDMD値にほとんど影響を及ぼさないことを示す。
【0028】
第2の手法は、ステップの影響を補償するためにコア縁部とステップの間に適切な幅を有する棚部を追加することである。これは、図7に示されている。屈折率分布のアルファ部分は71と表され、切頂コア縁部73を形成するステップは、棚部72を形成するためにコア中心から距離R3−R1だけ離される。距離R3−R1は好ましくは1〜4ミクロンの範囲にある。図示のように、図3に示される第1の手法では棚部を有さず、したがってR3−R1はゼロとなる。
【0029】
上述の光ファイバ設計は、有利には、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を有するシステムで光源として使用される。VCSEL源に結合された切頂コア光ファイバは、以下の例に示されるように非常に優れたシステム性能を示す。
【0030】
図8は、300mおよび550mの光リンク上に切頂コア(図3)を有する光ファイバのビット誤り率(BER)のウォータフォール曲線を示す。光ファイバは、0.136ps/mの0〜23umDMDマスク幅の値を有する。ビット・レートは10.3125Gbpsで、231−1の擬似ランダム・ビット・シーケンス(PRBS)(PRBS31)で符合化される。VCSELは、0.24nmの2乗平均平方根(RMS)スペクトル幅および4.5umにおいて14%、19umにおいて98%の包囲フラックス(encircled flux)(EF)を有する。BERウォータフォール曲線は、3つの異なる曲げ径15mm、10mm、および5mmにおけるリンクの5.5ループの急な曲げの有無にかかわらず、300m長および550m長の伝送の両方にわたってすばらしい性能を示す。
【0031】
改善された曲げ損失に加えて、上述のように、光ファイバの伝送性能は典型的には、チャネル挿入損失(CHIL)および分散パワーペナルティ(dispersion power penalty、DSP)も特徴とする。チャネル挿入損失は、曲げがリンク長に存在するときの減衰、コネクタ損失、および曲げ損失の和と定義される。長所のこれらの3つのパラメータが表IVにまとめられている。前述のVCSEL源ならびに0.38nmのRMSスペクトル幅および4.5umにおいて8.5%、19umにおいて95%のEFを有するVCSELに結合された(図3に示されるファイバのような)切頂コア光ファイバを備えるシステムのデータが掲載されている。
【表4】
【0032】
図9は、本発明による設計を有する光ファイバ83を使用する、レーザ送信機81と光受信機82の間の伝送リンクの概略図である。
【0033】
詳細な説明を締めくくるにあたり、本発明の原理から実質的に逸脱することなく好ましい実施形態に多数の変形および変更を加えることができることが当業者には明らかであることに留意されたい。このようなすべての変形、変更、および等価物は、添付の特許請求の範囲において記載されているように、本発明の範囲に含まれるとして本明細書に含まれるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアと、
前記コアを取り囲みこれと接触する、屈折率ncladを有するクラッドとを断面に備えるマルチモード光ファイバであって、
前記コアが、
前記断面の中心から半径R1まで延び、前記断面の中心における屈折率n1とR1における屈折率nsとを有する第1の部分であって、その屈折率分布がアルファ・コア・プロファイルを有する第1の部分と、
正の屈折率デルタnsを有し、前記断面の中心から半径R3に径方向外向きに延びる棚部領域と、
R3においてns−ncladにほぼ等しい屈折率差を有するステップ領域とを備え、ns−ncladが少なくとも0.2(n1−nclad)である、光ファイバ。
【請求項2】
ns−ncladが少なくとも0.35(n1−nclad)である、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項3】
n1−ncladが0.03未満である、請求項2に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項4】
n1−ncladが0.014〜0.02の範囲にある、請求項2に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項5】
R1が10〜34ミクロンの範囲にある、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項6】
(R3−R1)が1〜5ミクロンの範囲にある、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項7】
(R3−R1)がゼロである、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項8】
前記クラッドが、前記ステップ領域を取り囲みこれと接触する第1のクラッド部分と、前記第1のクラッド部分を取り囲みこれと接触する第2のクラッド部分とを備え、前記第1のクラッド部分が屈折率nclad1を有し、前記第2のクラッド部分が屈折率nclad2を有し、nclad1が負で、nclad2がnclad1より大きい、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項9】
前記クラッドが純石英であり、したがってnclad−nsilicaがほぼゼロである、請求項2に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項10】
♪002♪コアおよび前記棚部が、高次モード群のモード遅延が中低次モード群のモード遅延と等しくなるように構成される、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項11】
前記コアの前記第1の部分が、
n(r)=[n12−(n12−nclad2)(r/R0)α]1/2
を有し、式中rは前記ファイバの半径、R0は前記コアの半径、ncladは前記クラッドの屈折率、αおよびΔは自由パラメータ、αの値は1.8〜2.2の範囲にある、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項12】
850nmにおいて測定された曲げ損失が、15mmの直径曲げにおける2.5ターンに対して0.2dB未満である、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項13】
垂直共振器型面発光レーザに結合された請求項1に記載の光ファイバを備える光ファイバ・サブシステム。
【請求項14】
a)レーザ送信機と、
b)光受信機と、
c)前記送信機と前記受信機の間に結合された請求項1に記載のマルチモード光ファイバとを備える光システム。
【請求項15】
コアと、
前記コアを取り囲みこれと接触する、屈折率ncladを有するクラッドとを断面に備えるマルチモード光ファイバであって、
前記コアが、
前記断面の中心から半径R1まで延び、前記断面の中心における屈折率n1とR1における屈折率nsとを有する第1の部分であって、その屈折率分布がアルファ・コア・プロファイルを有する第1の部分と、
R1においてns−ncladにほぼ等しい屈折率差を有するステップ領域とを備え、ns−ncladが少なくとも0.2(n1−nclad)である、光ファイバ。
【請求項16】
ns−ncladが少なくとも0.35(n1−nclad)である、請求項15に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項17】
n1−ncladが0.03未満である、請求項16に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項18】
n1−ncladが0.014〜0.02の範囲にある、請求項16に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項19】
R1が14〜38ミクロンの範囲にある、請求項15に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項20】
a)レーザ送信機と、
b)光受信機と、
c)前記送信機と前記受信機の間に結合された請求項15に記載のマルチモード光ファイバとを備える光システム。
【請求項1】
コアと、
前記コアを取り囲みこれと接触する、屈折率ncladを有するクラッドとを断面に備えるマルチモード光ファイバであって、
前記コアが、
前記断面の中心から半径R1まで延び、前記断面の中心における屈折率n1とR1における屈折率nsとを有する第1の部分であって、その屈折率分布がアルファ・コア・プロファイルを有する第1の部分と、
正の屈折率デルタnsを有し、前記断面の中心から半径R3に径方向外向きに延びる棚部領域と、
R3においてns−ncladにほぼ等しい屈折率差を有するステップ領域とを備え、ns−ncladが少なくとも0.2(n1−nclad)である、光ファイバ。
【請求項2】
ns−ncladが少なくとも0.35(n1−nclad)である、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項3】
n1−ncladが0.03未満である、請求項2に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項4】
n1−ncladが0.014〜0.02の範囲にある、請求項2に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項5】
R1が10〜34ミクロンの範囲にある、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項6】
(R3−R1)が1〜5ミクロンの範囲にある、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項7】
(R3−R1)がゼロである、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項8】
前記クラッドが、前記ステップ領域を取り囲みこれと接触する第1のクラッド部分と、前記第1のクラッド部分を取り囲みこれと接触する第2のクラッド部分とを備え、前記第1のクラッド部分が屈折率nclad1を有し、前記第2のクラッド部分が屈折率nclad2を有し、nclad1が負で、nclad2がnclad1より大きい、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項9】
前記クラッドが純石英であり、したがってnclad−nsilicaがほぼゼロである、請求項2に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項10】
♪002♪コアおよび前記棚部が、高次モード群のモード遅延が中低次モード群のモード遅延と等しくなるように構成される、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項11】
前記コアの前記第1の部分が、
n(r)=[n12−(n12−nclad2)(r/R0)α]1/2
を有し、式中rは前記ファイバの半径、R0は前記コアの半径、ncladは前記クラッドの屈折率、αおよびΔは自由パラメータ、αの値は1.8〜2.2の範囲にある、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項12】
850nmにおいて測定された曲げ損失が、15mmの直径曲げにおける2.5ターンに対して0.2dB未満である、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項13】
垂直共振器型面発光レーザに結合された請求項1に記載の光ファイバを備える光ファイバ・サブシステム。
【請求項14】
a)レーザ送信機と、
b)光受信機と、
c)前記送信機と前記受信機の間に結合された請求項1に記載のマルチモード光ファイバとを備える光システム。
【請求項15】
コアと、
前記コアを取り囲みこれと接触する、屈折率ncladを有するクラッドとを断面に備えるマルチモード光ファイバであって、
前記コアが、
前記断面の中心から半径R1まで延び、前記断面の中心における屈折率n1とR1における屈折率nsとを有する第1の部分であって、その屈折率分布がアルファ・コア・プロファイルを有する第1の部分と、
R1においてns−ncladにほぼ等しい屈折率差を有するステップ領域とを備え、ns−ncladが少なくとも0.2(n1−nclad)である、光ファイバ。
【請求項16】
ns−ncladが少なくとも0.35(n1−nclad)である、請求項15に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項17】
n1−ncladが0.03未満である、請求項16に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項18】
n1−ncladが0.014〜0.02の範囲にある、請求項16に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項19】
R1が14〜38ミクロンの範囲にある、請求項15に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項20】
a)レーザ送信機と、
b)光受信機と、
c)前記送信機と前記受信機の間に結合された請求項15に記載のマルチモード光ファイバとを備える光システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−170357(P2011−170357A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−35554(P2011−35554)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(509094034)オーエフエス ファイテル,エルエルシー (44)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35554(P2011−35554)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(509094034)オーエフエス ファイテル,エルエルシー (44)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]