説明

初装荷炉心およびそれに用いる燃料集合体ならびに沸騰水型原子炉の運転方法

【課題】経済性を損なうことなく初装荷炉心のコントロールセルに燃料集合体が長期間配置されても制御棒履歴効果が過度に大きくならないようにする。
【解決手段】コントロールセルに配置される低濃縮度燃料17には、制御棒14の中心に最も近い格子位置に冷却水が流通可能な欠損領域66が形成されている。また、欠損領域を通らない対角線20でチャンネルボックス52の内部を、欠損領域66を含む制御棒側領域15とそれ以外の反制御棒側領域16とに分割したときに、制御棒側領域15内の燃料棒53,54の平均濃縮度が反制御棒側領域16内の燃料棒53,54の平均濃縮度よりも低く、かつ、制御棒側領域15内の燃料棒の平均可燃性毒物濃度は反制御棒側領域16内にある燃料棒53,54の平均可燃性毒物濃度よりも低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、初装荷炉心およびそれに用いる燃料集合体ならびに沸騰水型原子炉の運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子炉に装荷される燃料集合体は、一般に燃料ペレットを充填した被覆管からなる燃料棒を多数束ねて構成される。原子炉の炉心は、この燃料集合体をさらに束ねて円柱状に装荷することで形成される。原子炉の炉心には、燃料として濃縮ウランなどの核分裂性物質が酸化物の形態で装荷される。炉心の反応度は燃料の燃焼に伴って減少していくので、運転末期でも原子炉が臨界を保つように、運転初期には燃料を臨界量よりも多く装荷している。その結果生じる余剰反応度は、中性子の吸収量を調節して制御されている。中性子の吸収量は、ガドリニアなどの可燃性毒物を燃料に混合するとともに、炭化ホウ素あるいはハフニウムなどの中性子吸収物質からなる十字型の制御棒を、隣接する複数の燃料集合体の間に挿入することによって、調整される。
【0003】
近年、原子力発電プラントにおいては、運転経済性を向上させるために、燃料であるウランの濃縮度を高めることにより高燃料度化を図ることや、運転サイクルを長期化してプラント利用率を向上させることで運転経済性を高めることに取り組んでいる。初装荷炉心に着目した場合、徐々に初装荷炉心平均取出燃焼度を高めて、経済性の向上を図ってきた。従来の初装荷炉心は、取替燃料よりも低い一様濃縮度燃料で構成されていたが、平衡炉心と同じ濃縮度の燃料集合体を最高濃縮度燃料として燃料集合体の濃縮度差を設定することで平衡炉心を模擬した初装荷炉心などが開発されてきた。最近の初装荷炉心では、こういった技術をさらに発展させて、燃料取替なしで二サイクル連続運転が可能な技術が考案されている。このような初装荷炉心では、燃料取替なしで2サイクル連続運転が可能なように、初装荷炉心に装荷される高濃縮度燃料の濃縮度が取替炉心よりも高く設定されている。
【0004】
また、これに合わせて、原子炉の運転操作性向上のために、燃料集合体の原子炉内での配置も改良されてきた。たとえば、原子炉の出力を制御する制御棒を限定し、運転中に使用する制御棒の周辺に比較的燃料度の進んだ燃料集合体を配置して、コントロールセル(Control Cell)を形成する技術も導入された。これにより、制御棒の挿入深度を調整する際に周辺の燃料集合体における出力変動を緩やかにして、制御棒の移動による影響を小さくするような炉心のコントロールセルコア(Control Cell Core)が考案されている。現在は、このような燃料集合体および原子炉内の配置の改良を基に、原子炉の急速起動や定格出力での制御棒調整が考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−122888号公報
【特許文献2】特開平8−211176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、コントロールセルコアの採用により、長期間、同一制御棒が使用されることになる。その結果、当該制御棒の周辺における燃料集合体については、制御棒が近傍に挿入されていることにより、燃料集合体の熱中性子分布が歪んで燃焼が不均一となる。このため、制御棒引抜時において制御棒挿入時には抑えられていた部分に出力が集中する。
【0007】
また、制御棒が近傍に挿入されることにより、減速材が排除されて比較的高速中性子束が高くなり、プルトニウムの蓄積が進むことから制御棒引抜き時に出力が上昇するという制御棒履歴効果(Control blade history、CBH効果)が生じる。
【0008】
図10は、コーナーロッドの局所ピーキングの燃焼変化を模式的に示すグラフである。コーナーロッドとは制御棒の中心に最も近い格子位置に配置された燃料棒である。局所ピーキングとは、燃料集合体の平均出力に対するある燃料棒の出力の比である。
【0009】
図10において、点線91は制御棒が挿入されていない場合の局所ピーキング係数、点線92は制御棒が挿入されている場合の局所ピーキング係数を表わしている。さらに、コントロールセルを構成している燃料集合体の局所ピーキング係数は、実線93で示すように点A〜点Fへと変化する。
【0010】
すなわち、点C〜点Dの一定期間、制御棒の履歴を受けた局所ピーキング係数は、制御棒を引抜くと点Gへ戻るのではなく、制御棒履歴効果により点Eへ移る。この時の点G−点Eの増加が制御棒履歴効果である。この制御棒履歴効果は、燃料集合体における比較的制御棒寄りの燃料棒に生ずるが、特にコーナーロッドにおいて、また原子炉の長期運転が行われるほど著しい。
【0011】
図11は、沸騰水型原子炉の運転サイクル後期における典型的な炉心平均軸方向出力分布を示すグラフの例である。
【0012】
長期にわたり原子炉を運転すること、および燃料集合体の上下軸方向に濃縮度分布を設けることなどにより、運転後期においては、炉心平均軸方向出力分布は図11に示すように炉心上部にそのピークを生じる傾向にある。
【0013】
図12は、沸騰水型原子炉の運転サイクル後期において引き抜き途中の制御棒の近傍の燃料集合体の典型的な軸方向出力分布を示すグラフの例である。
【0014】
制御棒履歴効果および出力分布を考えると、定格出力での制御棒調整で制御棒を引抜く場合に、挿入された制御棒14の周辺の燃料集合体における軸方向出力分布は、制御棒が挿入されている高さまでは出力が抑えられている。このために軸方向出力分布は極端に歪み、炉心上部にピークを生じる可能性がある。特に燃料集合体のコーナーロッドに出力の集中が予測される。
【0015】
そこで、たとえば特許文献1には、制御棒側領域に位置する燃料棒の平均濃縮度が反制御棒側領域に位置する濃縮度よりも低く、かつ、制御棒側領域に位置する燃料棒の平均可燃性毒物濃度が反制御棒側領域よりも低いという燃料集合体が開示されている。また、特許文献2には、制御棒と隣接するコーナーに位置する燃料棒(コーナーロッド)の少なくとも一部を欠如させた燃料集合体が開示されている。この燃料集合体では、制御棒履歴効果がコーナーロッド付近で顕著であることから、コーナーロッドの少なくとも一部を欠如させたことにより、出力制御を行う制御棒と隣接するコーナーロッドおよびコーナーロッドに隣接した燃料棒で、制御棒履歴効果による影響が少なくなる。また、制御棒調整も容易となる。
【0016】
しかし、高濃縮度初装荷炉心においては2サイクル連続運転を想定しているため、コントロールセルに装荷される燃料の濃縮度も高めに設定されている関係上、このコントロールセルに装荷される燃料はガドリニアを含んだものとなっている。濃縮度が高く可燃性毒物を含んだ燃料が燃料寿命初期に制御棒との隣接環境下で燃焼した場合、反制御棒側領域と比較して制御棒側領域に配置される燃料の燃焼が遅れることになる。その結果サイクル末期で制御棒を引き抜いた際の制御棒履歴効果が過大になり、制御棒側領域の出力上昇が大きくなる懸念がある。
【0017】
そこで、本発明は、経済性を損なうことなく初装荷炉心のコントロールセルに燃料集合体が長期間配置されても制御棒履歴効果が過度に大きくならないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の目的を達成するため、本発明は、核分裂性物質を含有する燃料を被覆管に装填して両端を封じた複数本の燃料棒を角筒状のチャンネルボックス内に正方格子状に配列した燃料集合体を2行2列に配列してその中央に十字型の制御棒が挿入可能なセルを複数備えた沸騰水型原子炉の初装荷炉心において、前記燃料集合体は、前記制御棒の中心に最も近い格子位置に冷却水が流通可能な欠損領域が形成され、前記欠損領域を通らない対角線で前記チャンネルボックスの内部を前記欠損領域を含む制御棒側領域とそれ以外の反制御棒側領域とに分割したときに前記制御棒側領域内の燃料棒の平均濃縮度が前記反制御棒側領域内の燃料棒の平均濃縮度よりも低く、かつ、前記制御棒側領域内の燃料棒の平均可燃性毒物濃度は前記反制御棒側領域内にある燃料棒の平均可燃性毒物濃度よりも低い低濃縮度燃料集合体を含む、ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、核分裂性物質を含有する燃料を被覆管に装填して両端を封じた複数本の燃料棒を角筒状のチャンネルボックス内に正方格子状に配列した燃料集合体を2行2列に配列してその中央に十字型の制御棒が挿入可能なセルを複数備えた初装荷炉心を持つ沸騰水型原子炉の運転方法において、前記燃料集合体は、前記制御棒の中心に最も近い格子位置に冷却水が流通可能な欠損領域が形成され、前記欠損領域を通らない対角線で前記チャンネルボックスの内部を前記欠損領域を含む制御棒側領域とそれ以外の反制御棒側領域とに分割したときに前記制御棒側領域内の燃料棒の平均濃縮度が前記反制御棒側領域内の燃料棒の平均濃縮度よりも低く、かつ、前記制御棒側領域内の燃料棒の平均可燃性毒物濃度は前記反制御棒側領域内にある燃料棒の平均可燃性毒物濃度よりも低い低濃縮度燃料集合体を含み、前記セルは4体の前記低濃縮度燃料集合体で形成されたコントロールセルを含み、前記コントロールセル内の制御棒の1回の運転サイクル中の制御棒の挿入時間が他の位置の制御棒よりも長くなるように制御棒を挿抜する、ことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、複数の十字型の制御棒が挿入可能な沸騰水型原子炉の初装荷炉心に装荷される燃料集合体において、前記制御棒の2つの翼に2面が対向するように配置される角筒状のチャンネルボックス内に核分裂性物質を含有する燃料を被覆管に装填して両端を封じた複数本の燃料棒を配列し、前記制御棒の中心に最も近い正方格子位置に冷却水が流通可能な欠損領域が形成され、前記欠損領域を通らない対角線で前記チャンネルボックスの内部を前記欠損領域を含む制御棒側領域とそれ以外の反制御棒側領域とに分割したときに前記制御棒側領域内の燃料棒の平均濃縮度が前記反制御棒側領域内の燃料棒の平均濃縮度よりも低く、かつ、前記制御棒側領域内の燃料棒の平均可燃性毒物濃度は前記反制御棒側領域内にある燃料棒の平均可燃性毒物濃度よりも低いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、経済性を損なうことなく初装荷炉心のコントロールセルに燃料集合体が長期間配置されても制御棒履歴効果が過度に大きくならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る沸騰水型原子炉の初装荷炉心の第1の実施の形態に用いられる低濃縮度燃料の水平断面図である。
【図2】本発明に係る沸騰水型原子炉の初装荷炉心の第1の実施の形態に用いられる燃料集合体の立断面図である。
【図3】本発明に係る沸騰水型原子炉の初装荷炉心の第1の実施の形態の水平断面図である。
【図4】本発明に係る沸騰水型原子炉の初装荷炉心の第1の実施の形態に用いられる低濃縮度燃料の出力運転状態で制御棒が挿入されていない状態での無限増倍率の燃焼変化を示すグラフである。
【図5】本発明に係る沸騰水型原子炉の初装荷炉心の第1の実施の形態に用いられる低濃縮度燃料のCBH効果がある場合の出力運転状態での無限増倍率の燃焼変化を示すグラフである。
【図6】本発明に係る沸騰水型原子炉の初装荷炉心の第1の実施の形態に用いられる低濃縮度燃料のCBH効果がある場合の冷温状態での無限増倍率の燃焼変化を示すグラフである。
【図7】本発明に係る沸騰水型原子炉の初装荷炉心の第1の実施の形態に用いられる低濃縮度燃料のCBH効果がある場合の出力運転状態での局所ピーキング係数の燃焼変化を示すグラフである。
【図8】本発明に係る沸騰水型原子炉の初装荷炉心の第2の実施の形態に用いられる低濃縮度燃料の水平断面図である。
【図9】本発明に係る沸騰水型原子炉の初装荷炉心の第3の実施の形態の水平断面図である。
【図10】コーナーロッドの局所ピーキングの燃焼変化を模式的に示すグラフである。
【図11】沸騰水型原子炉の運転サイクル後期における典型的な炉心平均軸方向出力分布を示すグラフの例である。
【図12】沸騰水型原子炉の運転サイクル後期において引き抜き途中の制御棒の近傍の燃料集合体の典型的な軸方向出力分布を示すグラフの例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る沸騰水型原子炉の初装荷炉心の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0024】
[第1の実施の形態]
図2は、本発明に係る沸騰水型原子炉の初装荷炉心の第1の実施の形態に用いられる燃料集合体の立断面を示す図1のII−II矢視断面図である。
【0025】
燃料集合体50は、ウランを焼き固めたペレットが装填された燃料棒53,54を有している。燃料棒53,54は、チャンネルボックス52内に10行10列の正方格子状に束ねられる。燃料棒53,54は2つに分類することができる。一方は、標準長燃料棒53であり、他方は部分長燃料棒54である。部分長燃料棒54は、標準長燃料棒53よりも短い。
【0026】
燃料棒53,54の下端は、下部タイプレート56で支持されている。標準長燃料棒53の上端は、上部タイプレート55に係合している。標準長燃料棒53の上部の肩部と上部タイプレートの間には、膨張スプリング58が配置される。また、上部タイプレート55および下部タイプレート56の間には、複数のスペーサ57が設けられている。
【0027】
角管状のチャンネルボックス52は、チャンネルファスナ59によって上部タイプレート55に固定される。チャンネルファスナ59には、チャンネルファスナ用スプリング60が取り付けられている。燃料集合体50は、チャンネルボックス52が装着されて、沸騰水型原子炉の炉心に装荷される。チャンネルファスナ用スプリング60によって、炉心で隣り合う燃料集合体50同士の間隔が保たれる。
【0028】
図3は、本実施の形態の沸騰水型原子炉の初装荷炉心の水平断面図である。
【0029】
この炉心13に装荷される燃料集合体50は、低濃縮度燃料17および高濃縮度燃料18に分類される。低濃縮度燃料17の集合体平均濃縮度は、約2wt%(質量%)である。高濃縮度燃料18の集合体平均濃縮度は、約4wt%である。
【0030】
炉心13は、複数の燃料集合体50を互いに軸が平行になるように配列して形成される。炉心13は、全体としてほぼ円柱状に形成される。最外周に配置される一部の燃料集合体50を除き、2行2列の燃料集合体50の配列の中心には制御棒14が挿入可能である。制御棒14は、中性子吸収材を含有する4つの翼を十字型に結合したものである。それぞれの燃料集合体50は、隣り合う側面が一本の制御棒の隣り合う2つの翼にそれぞれ面するように配置される。
【0031】
炉心13の37か所に、コントロールセル47が形成されている。コントロールセル47は、一本の制御棒14を囲む2行2列の位置に低濃縮度燃料17が配置されている。コントロールセル47以外の位置には、高濃縮度燃料18が配置されている。高濃縮度燃料18の燃料集合体平均濃縮度は、低濃縮度燃料17に比べて高い。
【0032】
この炉心13は初装荷炉心であり、第1サイクル目と第2サイクル目との間でシャッフリングを行わずに運転される。つまり、燃料配置のまま2サイクル運転される。また、1回の運転サイクルは約13月であり、1回の運転サイクルでの燃焼度は、炉心平均で10〜12GWd/t程度進む。したがって、燃焼度が約20GWd/t以上の間、同一の燃料配置となる。2回の運転サイクルの終了後におけるコントロールセル47に装荷された低濃縮度燃料17の燃料集合体燃焼度は、30GWd/t程度となる。
【0033】
図1は、本実施の形態の沸騰水型原子炉の初装荷炉心に用いられる低濃縮度燃料の水平断面図である。
【0034】
燃料棒53,54が配列されたチャンネルボックス52内に10行10列の正方格子位置のうち一か所のコーナー部は、欠損領域66となっている。欠損領域66には燃料棒53,54は配置されておらず、この位置には冷却水が存在可能な領域となっている。
【0035】
また、燃料集合体50の中央部には2本のウォータロッド51が配置されている。それぞれのウォータロッド51は、4か所の格子位置を占めている。ウォータロッド51の下端は、下部タイプレート56で支持されている。ウォータロッド51の上端は、上部タイプレート55に係合している。
【0036】
図1において各燃料棒53,54に付した1,2,3,4,6,7およびG1の記号は、その燃料棒53,54の種類を示している。番号1から番号4は標準長燃料棒53のうち可燃性毒物を含まないウラン燃料棒であって、番号1から番号4の順に燃料棒濃縮度が低くなっている。番号6および番号7は部分長燃料棒54であり、いずれもウラン燃料棒である。部分長燃料棒54の燃料棒濃縮度は番号1の標準長燃料棒53と同等である。G1が付された燃料棒は、標準長燃料棒53のうち可燃性毒物を含有する燃料棒である。可燃性毒物としてはガドリニウムが用いられている。5の記号が付された部分が欠損領域66である。
【0037】
チャンネルボックス52の内部の領域を、制御棒14の中心に最も近いコーナーを通らない対角線20で区切って、制御棒側領域15と反制御棒側領域16に分けた場合、制御棒側領域15の方が平均濃縮度は低い。また、可燃性毒物の濃度は、制御棒側領域15の方が低い。
【0038】
燃料集合体50を横断面で見た場合、燃料棒と水領域は非均質になっている。軽水型原子炉の場合、核分裂で発生した高速中性子は水によって熱中性子に減速された後に核分裂性物質に吸収され、次々と核分裂連鎖反応を繰り返している。このため、水の多いウォータロッド51周辺や燃料集合体50の外側の水領域の近傍では中性子の減速がよくなり出力ピーキングが高くなりやすい。
【0039】
そこで、これらの位置の燃料棒53,54のウランの濃縮度を低めに設定することで、燃料棒の出力ピーキングが過大にならないようにすることができる。すなわち、燃料集合体50内部の燃料棒の出力分布はこの濃縮度の分布を調整することによって制御することができる。このため、同一の燃料集合体50に用いる濃縮ウランの濃縮度は、数種類準備されている。
【0040】
コントロールセル47を形成した炉心において、コントロールセル47に装荷される燃料集合体50は、ある一定期間は制御棒14が隣接した状態で燃焼することになる。本実施の形態の場合の低濃縮度燃料17は、ある一定期間は制御棒14が隣接した状態で燃焼する。
【0041】
制御棒14は強い中性子吸収体なので、制御棒14が隣接すると燃料集合体内部の燃料棒出力分布は制御棒側領域15が低くなるように大きく歪む。その結果、反制御棒側領域16と比べて制御棒側領域15の燃焼が遅れることになる。
【0042】
燃料集合体周辺の制御棒側の水領域と集合体周辺の反制御棒側の水領域の領域面積が対称である格子タイプ(一般にS格子、C格子、N格子と呼ばれるタイプ)においては、燃料集合体内の濃縮度分布は制御棒側領域15と反制御棒側領域16で同一にするのが一般的である。このような格子において燃料集合体内の濃縮度分布を制御棒側領域15と反制御棒側領域16で同一にしておいた場合、運転サイクル末期の反応度調整のために当該燃料集合体50に隣接して挿入されている制御棒14を引き抜いた際に、制御棒14に隣接していた燃料棒53,54、特にコーナー位置や(1,2)、(2,1)座標に位置する燃料棒の出力が過大に上昇してしまう場合がある。このような効果は、制御棒履歴効果と呼ばれる。
【0043】
単純にこのコーナー位置およびそれに隣接する位置の燃料棒53,54の濃縮度を下げることで制御棒側領域15の濃縮度を反制御棒側領域16よりも低くすることで対応する方法がある。しかし、最近の高濃縮度初装荷炉心のように制御棒隣接期間が長くなった炉心では必ずしも十分な効果が得られない。
【0044】
そこで、本実施の形態では、制御棒側領域15の濃縮度を反制御棒側領域16よりも低くすることに加えて、(1,1)のコーナー位置を欠損領域66として、その位置に燃料棒53,54を配置しないこととしている。これにより、コントロールセル47に装荷された燃料集合体50すなわち低濃縮度燃料17の制御棒履歴効果が緩和される。
【0045】
制御棒14の中心に最も近いコーナーロッドを削除しまうと、隣接する燃料棒53,54に制御棒履歴効果が現れることがある。これは、このコーナーロッドを取り除くことでその領域の水が増えた結果、中性子の減速がよくなり、隣接する燃料棒53,54の核分裂割合が多くなることによる。そこで、本実施の形態では、これらの燃料棒53,54の濃縮度をあらかじめ低く設定することで、出力の増加を防止している。
【0046】
また、本実施の形態では、燃料棒53,54に含まれる可燃性毒物にも着目した。本実施の形態の低濃縮度燃料17では、制御棒側領域15に可燃性毒物を含む燃料棒を1本、反制御棒側領域16には可燃性毒物を含む燃料棒を2本、それぞれ配置している。その結果、制御棒領域15の方が相対的に可燃性毒物の混入濃度が低くなっている。
【0047】
一般に燃料集合体50に混入されている可燃性毒物は、燃料寿命初期から中期にかけて徐々に燃焼していく。コントロールセル47に装荷されない燃料集合体50の場合は、燃料寿命初期段階では制御棒14との隣接環境下での燃焼は生じない。このため、燃料集合体50の内部に配置された可燃性毒物は均一に燃焼していく。
【0048】
初装荷炉心では、燃料寿命初期の新燃料がコントロールセル47に装荷されることになる。高濃縮度初装荷炉心においては、2サイクル連続運転を想定しているため、コントロールセル47に装荷される燃料集合体50の濃縮度も高めに設定されている関係上、ガドリニアを含んだ燃料となっている。2サイクル連続運転を想定した場合、必要なガドリニア入り燃料棒の本数は3本程度であり、ガドリニアの濃度は、約7%である。
【0049】
可燃性毒物を含んだ燃料集合体が燃料寿命初期に制御棒14との隣接環境下で燃焼した場合、反制御棒側領域16と比較して制御棒側領域15に配置される可燃性毒物の燃焼が遅れることになる。その結果、サイクル末期で制御棒14を引き抜いた際の制御棒履歴効果が過大になり、制御棒側領域の出力上昇が大きくなる可能性がある。しかし、本実施の形態では、反制御棒側領域16よりも制御棒側領域15に配置される可燃性毒物入り燃料棒を少なくすることによって燃料集合体50内部に可燃性毒物の濃度差を設けている。このため、制御棒履歴効果が緩和される。
【0050】
制御棒側領域15と反制御棒側領域16で濃縮度差を設けたり、可燃性毒物の濃度差を設けたり、あるいはコーナーロッドをなくしたりした場合、それぞれ単独の適用では、最近の高濃縮度初装荷炉心においては十分な制御棒履歴効果の緩和が得られない。2サイクル連続運転条件下ではコントロールセルに装荷された燃料集合体は最大2サイクル近くの期間にわたり制御棒と隣接した状態での燃焼となる。このため、これらの技術を単独で適用した場合、コーナー位置や(1,2)、(2,1)座標に位置する燃料棒53,54の出力が過度に上昇してしまう。単純にコーナー位置の燃料棒や、(1,2)および(2,1)の燃料棒を削除するだけでは、更にそれに隣接する燃料棒に過大なピーキングが発生する結果となるばかりでなく、燃料集合体50の燃料インベントリも減少し、燃料経済性の観点からも損失が生じることになる。
【0051】
一方、本実施の形態では、単にコーナー位置の燃料棒を削除するだけではなく、その燃料集合体内部の濃縮度分布差や可燃性毒物濃度の分布差を最適に組み合わせている。これにより、本実施の形態では、高濃縮度初装荷炉心において燃料集合体内部のピーキングを抑制するだけでなく燃料経済性も損なわないという効果を併せ持った形で制御棒履歴効果が緩和される。
【0052】
図4は、本実施の形態の低濃縮度燃料の出力運転状態で制御棒が挿入されていない状態での無限増倍率の燃焼変化を示すグラフである。図5は、本実施の形態の低濃縮度燃料のCBH効果がある場合の出力運転状態での無限増倍率の燃焼変化を示すグラフである。図6は、本実施の形態の低濃縮度燃料のCBH効果がある場合の冷温状態での無限増倍率の燃焼変化を示すグラフである。図7は、本実施の形態の低濃縮度燃料のCBH効果がある場合の出力運転状態での局所ピーキング係数の燃焼変化を示すグラフである。図4ないし図7は、燃料集合体の代表的な特性を示すものとして、いずれも軸方向の中央部の断面がボイド率40%で燃焼した場合の値を示したものである。
【0053】
図5および図7は、燃料集合体に隣接する制御棒14が挿入された状態で燃焼を続けて、それぞれの燃焼度に到達したときに出力運転中に制御棒を抜いた状態での無限増倍率および局所ピーキング係数を示したものである。図6は、燃料集合体に隣接する制御棒14が挿入された状態で燃焼を続けて、それぞれの燃焼度に到達したときに冷温時に制御棒14を抜いた状態での無限増倍率を示したものである。
【0054】
図4ないし図7には、本実施の形態の低濃縮度燃料17とともに、比較用の燃料集合体の特性も併せて示した。図4ないし図7において、実線は低濃縮度燃料17についての特性を、一点鎖線は比較用の燃料集合体の特性をそれぞれ示している。比較用の燃料集合体は、本実施の形態の低濃縮度燃料17の欠損領域66に標準長燃料棒53が配置された燃料集合体である。比較用の燃料集合体において欠損領域66、すなわち、制御棒14に最も近いコーナー部に配置される標準長燃料棒53として、図1の1番から5番の標準長燃料棒53よりも濃縮度が低いウランが装填されているとした。
【0055】
図4から、本実施の形態の低濃縮度燃料17では、制御棒14に最も近いコーナーロッドを削除したことにより減速効果が高まるために、燃料寿命初期から中期にかけて、従来技術適用の燃料よりも無限増倍率が高めで推移することが分かる。また、本実施の形態の低濃縮度燃料17を装荷した炉心13は、高濃縮度初装荷炉心であり燃料交換をせずに2サイクル連続して運転するために、この低濃縮度燃料17の第2サイクル末期での到達燃焼度は、およそ30GWd/t程度になる。この燃焼度までは、本実施の形態の低濃縮度燃料17の方が、比較用の燃料集合体にくらべて反応度が高くなっている。つまり、コーナーロッドを削除したことに起因する燃料インベントリ減少によっても、反応度ロスの効果は生じておらず、燃料経済性を損なっていないことが示されている。
【0056】
図5から、本実施の形態の低濃縮度燃料17がコントロールセル47に装荷され制御棒14と隣接した状態で燃焼を続けて、サイクル末期で制御棒を引き抜かれたとしても、燃料棒を削除したことによる反応度ロスは見られず、燃料経済性を損なっていないことが確認できる。
【0057】
図6から、本実施の形態の低濃縮度燃料17がコントロールセル47に装荷され制御棒14と隣接した状態で燃焼を続けて冷温時に制御棒を引き抜かれたとしても、燃料寿命を通じて比較用の燃料集合体よりも無限増倍率が小さいことがわかる。つまり、本実施の形態の低濃縮度燃料17は、比較用の燃料集合体に比べて炉停止余裕が大きいことがわかる。特に、炉停止余裕が最も厳しくなる傾向にある初装荷第1サイクル初期において効果が期待される。
【0058】
図7から、本実施の形態の低濃縮度燃料17がコントロールセル47に装荷され制御棒14と隣接した状態で燃焼を続けて、サイクル末期で制御棒を引き抜かれた場合、比較用の燃料集合体と比較して、CBH効果による局所ピーキング係数の上昇が抑制されていることが分かる。
【0059】
このように、本実施の形態では、経済性を損なうことなく初装荷炉心のコントロールセルに燃料集合体が長期間配置されても制御棒履歴効果が過度に大きくならないようにすることができる。
【0060】
[第2の実施の形態]
図8は、本発明に係る沸騰水型原子炉の初装荷炉心の第2の実施の形態に用いられる低濃縮度燃料の水平断面図である。
【0061】
本実施の形態の低濃縮度燃料71は、燃料棒53,54が9行9列の正方格子状に配列されて束ねられている。また、中央領域には、太径のウォータロッド51が2本配置されている。
【0062】
燃料棒53,54に付与された番号1から番号4の順に燃料棒濃縮度が低くなっている。制御棒14の中心に最も近いコーナーの格子位置は、燃料棒53,54が存在しない欠損領域66となっている。
【0063】
また、燃料棒番号6は部分長燃料棒54で、濃縮度は標準長燃料棒53の燃料棒番号1と同等になっている。燃料棒番号G1の標準長燃料棒53には、可燃性毒物が含まれている。この低濃縮度燃料71を制御棒側領域15と反制御棒側領域16に分けて見た場合、制御棒側領域15の方が平均濃縮度が低くなっている。また、可燃性毒物の濃度は、制御棒側領域15の方が反制御棒領域16に比べて低くなっている。
【0064】
このように本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の濃縮度分布、可燃性毒物濃度分布および欠損領域66の配置をとることにより、経済性を損なうことなく初装荷炉心のコントロールセルに燃料集合体が長期間配置されても制御棒履歴効果が過度に大きくならないようにすることができる。
【0065】
[第3の実施の形態]
図9は、本発明に係る沸騰水型原子炉の初装荷炉心の第3の実施の形態の水平断面図である。
【0066】
この炉心72には、第1の実施の形態と同様の低濃縮度燃料17および高濃縮度燃料18の他に、コントロールセル用高濃縮度燃料19が装荷されている。この炉心72は、第1の実施の形態と同様に初装荷炉心であり、第1サイクル目と第2サイクル目との間でシャッフリングを行わずに運転される。低濃縮度燃料17は、コントロールセル47を形成するように配置されている。
【0067】
コントロールセル用高濃縮度燃料19は、低濃縮度燃料17よりも燃料集合体平均濃縮度は高い。また、コントロールセル用高濃縮度燃料19は、低濃縮度燃料17と同様に、反制御棒側領域16(図1参照)に比べて制御棒側領域15(図1参照)の方が、平均濃縮度は低く、可燃性毒物の濃度は低い。コントロールセル用高濃縮度燃料19の正方格子位置の内、制御棒14の中心に最も近いコーナー部には、低濃縮度燃料17と同様に、燃料棒が存在しない欠損領域が形成されている。
【0068】
この炉心72は、初装荷から燃料取替をすることなく2サイクル連続で運転される。このため、コントロールセル47に装荷された低濃縮度燃料17は長期間にわたって制御棒14と隣接した状態で燃焼することになる。しかしながら、第1の実施の形態と同様に、第1サイクル目および第2サイクル目では、CBH効果が緩和されて、良好な運転特性を示す。また、第1の実施の形態と同様に、燃料経済性は損なわれない。
【0069】
また、第3サイクル目の移行炉心においては、低濃縮度燃料17の一部または全部は取り出され、コントロールセル47の一部または全部は、コントロールセル用高濃縮度燃料19で形成される。このため、第3サイクル目以降の炉心においても、CBH効果を適切に抑制した運転ができ、燃料経済性向上に資する。
【0070】
[他の実施の形態]
上述の各実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
【符号の説明】
【0071】
13…炉心、14…制御棒、15…制御棒側領域、16…反制御棒側領域、17…低濃縮度燃料、18…高濃縮度燃料、19…コントロールセル用高濃縮度燃料、47…コントロールセル、50…燃料集合体、51…ウォータロッド、52…チャンネルボックス、53…標準長燃料棒、54…部分長燃料棒、55…上部タイプレート、56…下部タイプレート、57…スペーサ、58…膨張スプリング、59…チャンネルファスナ、60…チャンネルファスナ用スプリング、66…欠損領域、71…低濃縮度燃料、72…炉心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
核分裂性物質を含有する燃料を被覆管に装填して両端を封じた複数本の燃料棒を角筒状のチャンネルボックス内に正方格子状に配列した燃料集合体を2行2列に配列してその中央に十字型の制御棒が挿入可能なセルを複数備えた沸騰水型原子炉の初装荷炉心において、
前記燃料集合体は、前記制御棒の中心に最も近い格子位置に冷却水が流通可能な欠損領域が形成され、前記欠損領域を通らない対角線で前記チャンネルボックスの内部を前記欠損領域を含む制御棒側領域とそれ以外の反制御棒側領域とに分割したときに前記制御棒側領域内の燃料棒の平均濃縮度が前記反制御棒側領域内の燃料棒の平均濃縮度よりも低く、かつ、前記制御棒側領域内の燃料棒の平均可燃性毒物濃度は前記反制御棒側領域内にある燃料棒の平均可燃性毒物濃度よりも低い低濃縮度燃料集合体を含む、
ことを特徴とする沸騰水型原子炉の初装荷炉心。
【請求項2】
前記セルは4体の前記低濃縮度燃料集合体で形成されたコントロールセルを含むことを特徴とする請求項1に記載の沸騰水型原子炉の初装荷炉心。
【請求項3】
前記燃料集合体は集合体平均濃縮度が異なる複数の種類からなり、前記低濃縮度燃料集合体は前記複数の種類のうち最も集合体平均濃縮度が低いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の沸騰水型原子炉の初装荷炉心。
【請求項4】
前記低濃縮度燃料集合体は可燃性毒物を含有する燃料棒を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉の初装荷炉心。
【請求項5】
核分裂性物質を含有する燃料を被覆管に装填して両端を封じた複数本の燃料棒を角筒状のチャンネルボックス内に正方格子状に配列した燃料集合体を2行2列に配列してその中央に十字型の制御棒が挿入可能なセルを複数備えた初装荷炉心を持つ沸騰水型原子炉の運転方法において、
前記燃料集合体は、前記制御棒の中心に最も近い格子位置に冷却水が流通可能な欠損領域が形成され、前記欠損領域を通らない対角線で前記チャンネルボックスの内部を前記欠損領域を含む制御棒側領域とそれ以外の反制御棒側領域とに分割したときに前記制御棒側領域内の燃料棒の平均濃縮度が前記反制御棒側領域内の燃料棒の平均濃縮度よりも低く、かつ、前記制御棒側領域内の燃料棒の平均可燃性毒物濃度は前記反制御棒側領域内にある燃料棒の平均可燃性毒物濃度よりも低い低濃縮度燃料集合体を含み、
前記セルは4体の前記低濃縮度燃料集合体で形成されたコントロールセルを含み、
前記コントロールセル内の制御棒の1回の運転サイクル中の制御棒の挿入時間が他の位置の制御棒よりも長くなるように制御棒を挿抜する、
ことを特徴とする沸騰水型原子炉の運転方法。
【請求項6】
複数の十字型の制御棒が挿入可能な沸騰水型原子炉の初装荷炉心に装荷される燃料集合体において、
前記制御棒の2つの翼に2面が対向するように配置される角筒状のチャンネルボックス内に核分裂性物質を含有する燃料を被覆管に装填して両端を封じた複数本の燃料棒を配列し、前記制御棒の中心に最も近い正方格子位置に冷却水が流通可能な欠損領域が形成され、前記欠損領域を通らない対角線で前記チャンネルボックスの内部を前記欠損領域を含む制御棒側領域とそれ以外の反制御棒側領域とに分割したときに前記制御棒側領域内の燃料棒の平均濃縮度が前記反制御棒側領域内の燃料棒の平均濃縮度よりも低く、かつ、前記制御棒側領域内の燃料棒の平均可燃性毒物濃度は前記反制御棒側領域内にある燃料棒の平均可燃性毒物濃度よりも低いことを特徴とする燃料集合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−137378(P2012−137378A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289683(P2010−289683)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000229461)株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン (102)