利尿ポリペプチドおよびナトリウム利尿ポリペプチド
本書は、利尿ポリペプチドおよびナトリウム利尿ポリペプチドを提供する。例えば、本書は、利尿作用および/またはナトリウム利尿作用を有するポリペプチドを提供する。いくつかの場合において、本明細書において提供されるポリペプチドは、血圧を低下させる能力を欠くが、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。本書はまた、哺乳動物における利尿作用および/またはナトリウム利尿作用を誘起するための方法および材料をも提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年6月13日に出願された、米国特許仮出願第60/934,584号および2006年8月8日に出願された米国特許仮出願第60/836,581号に対して優先権を主張する。
【0002】
1.技術分野
本書は、利尿ポリペプチドおよびナトリウム利尿ポリペプチド等の方法ならびに材料に関する。例えば、本書は、血圧を低下させる能力を有さない一方で、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができるポリペプチドに関する。
【背景技術】
【0003】
2.背景情報
ナトリウム利尿ポリペプチド群のメンバーは、体液のホメオスタシスを制御するホルモンである。心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、増加する血管内容量に対応して、心房性細胞から分泌される。一旦ANPが循環血液中に入ると、主に腎臓、血管組織、および副腎に影響が及び、その作用は腎臓によるナトリウムおよび水の排出と、血管内容量および血圧の低下をもたらす。BNPもまた心筋細胞に由来し、ANP同様、ヒト血漿内で循環する。BNPは、ナトリウム利尿性、レンニン阻害性、血管拡張性、および拡張機能性を有する。BNPの主な循環型および貯蔵型は、リング構造を有する32アミノ酸ポリペプチドである。BNPの生理作用は、グアニル酸シクラーゼ結合の受容体である、ナトリウム利尿ペプチド受容体A(NPR−A)によって媒介される。BNPのクリアランスは、BPNを循環から取り除くNPR−C受容体によって促進される。BNPはまた、中性エンドペプチダーゼによる酵素的切断によって分解される。C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は、内皮細胞由来であり、血管拡張および増殖阻害ポリペプチドとして機能する。Dendroaspis ナトリウム利尿ペプチド(DNP)は、ANP、BNP、およびCNPと類似の構造であり、デンドアスピス・アンガスチセプ(Dendoaspis angusticep)、すなわちグリーンマンバ蛇の毒液から単離される。
【発明の概要】
【0004】
概要
本書は、利尿ポリペプチドおよびナトリウム利尿ポリペプチドに関する。例えば、本書は、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有するポリペプチドを提供する。利尿作用を有するポリペプチドは、高血圧、腎臓病、肝硬変、うっ血性心不全、またはあらゆる体液過剰状態の治療のため、医療的に使用することができる。ナトリウム利尿作用を有するポリペプチドは、体内からのナトリウムの除去を増加させることができ、高血圧、腎臓病、肝硬変、うっ血性心不全、またはあらゆるナトリウム過剰状態の治療のため、医療的に使用することができる。
【0005】
いくつかの場合において、本願において提供されるポリペプチドは、血圧を低下させる能力を有さない一方で、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。いくつかの場合において、本願において提供されるポリペプチドは、検出可能なナトリウム利尿効果を誘起することなく、検出可能な利尿効果を誘起するという条件の下で、また、糸球体ろ過量に影響を及ぼす一方で、うっ血性心不全を有する哺乳動物に投与することができる。
【0006】
概して、本書の一側面は、実質的に純粋な、37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペブチドを特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する(align)アミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成る。ポリペプチドの長さは、38〜46アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、39〜45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、40〜44アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、41〜43アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、37アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、47アミノ酸残基であることができる。アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列であることができる。アミノ酸配列は、4つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、3つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、2つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、1つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の付加を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の欠失を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の置換を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができ、アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列である。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。ポリペプチドは、哺乳動物において、血圧を下げる能力に欠け得る。哺乳動物とは、ヒトまたはイヌであることができる。
【0007】
別の側面において、本書は、実質的に純粋な、45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成り、該ポリペプチドは、(a)配列番号:2に記載の、または(b)(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む。ポリペプチドの長さは、58〜63アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、60アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドは、65アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの配列は、配列番号:3に記載の配列であることができる。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。
【0008】
別の側面において、本書は、37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペブチドをコードする単離核酸を特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成る。ポリペプチドの長さは、38〜46アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、39〜45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、40〜44アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、41〜43アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、37アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、47アミノ酸残基であることができる。アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列であることができる。アミノ酸配列は、4つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、3つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、2つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、1つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の付加を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の欠失を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の置換を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができ、アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列である。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。ポリペプチドは、哺乳動物において、血圧を下げる能力に欠け得る。哺乳動物とは、ヒトまたはイヌであることができる。
【0009】
別の側面において、本書は、45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする単離核酸を特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成り、該ポリペプチドは、(a)配列番号:2に記載の、または(b)(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む。ポリペプチドの長さは、58〜63アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、60アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドは、65アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの配列は、配列番号:3に記載の配列であることができる。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。
【0010】
別の側面において、本書は、37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペブチドをコードする核酸を含むベクターを特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成る。ポリペプチドの長さは、38〜46アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、39〜45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、40〜44アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、41〜43アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、37アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、47アミノ酸残基であることができる。アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列であることができる。アミノ酸配列は、4つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、3つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、2つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、1つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の付加を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の欠失を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の置換を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができ、アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列である。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。ポリペプチドは、哺乳動物において、血圧を下げる能力に欠け得る。哺乳動物とは、ヒトまたはイヌであることができる。
【0011】
別の側面において、本書は、45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする核酸を含むベクターを特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成り、該ポリペプチドは、(a)配列番号:2に記載の、または(b)(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む。ポリペプチドの長さは、58〜63アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、60アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドは、65アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの配列は、配列番号:3に記載の配列であることができる。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。
【0012】
別の側面において、本書は、37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペブチドをコードする核酸を含む宿主細胞を特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成る。ポリペプチドの長さは、38〜46アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、39〜45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、40〜44アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、41〜43アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、37アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、47アミノ酸残基であることができる。アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列であることができる。アミノ酸配列は、4つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、3つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、2つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、1つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の付加を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の欠失を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の置換を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができ、アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列である。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。ポリペプチドは、哺乳動物において、血圧を下げる能力を欠き得る。哺乳動物とは、ヒトまたはイヌであることができる。宿主細胞は、真核生物宿主細胞であることができる。
【0013】
別の側面において、本書は、45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞を特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成り、該ポリペプチドは、配列番号:2に記載の、または(b)(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む。ポリペプチドの長さは、58〜63アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、60アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドは、65アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの配列は、配列番号:3に記載の配列であることができる。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。宿主細胞は、真核生物宿主細胞であることができる。
【0014】
別の側面において、本書は、薬学的に許容される担体および37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペブチドを含む薬学的組成を特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成る。ポリペプチドの長さは、38〜46アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、39〜45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、40〜44アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、41〜43アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、37アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、47アミノ酸残基であることができる。アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列であることができる。アミノ酸配列は、4つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、3つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、2つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、1つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の付加を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の欠失を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の置換を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができ、アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列である。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。ポリペプチドは、哺乳動物において、血圧を下げる能力を欠き得る。哺乳動物とは、ヒトまたはイヌであることができる。
【0015】
別の側面において、本書は、薬学的に許容される担体および45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを含む薬学的組成を特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成り、該ポリペプチドは、(a)配列番号:2に記載の、または(b)(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む。ポリペプチドの長さは、58〜63アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、60アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドは、65アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの配列は、配列番号:3に記載の配列であることができる。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。
【0016】
別の側面において、本書は、哺乳動物において、血圧を低下させることなく利尿作用およびナトリウム利尿作用を増大させるための方法を特徴する。該方法は、哺乳動物にポリペプチドを投与するステップを含むか、または本質的にこれから成り、該ポリペプチドは、37〜47アミノ酸残基の長さであり、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成る。ポリペプチドの長さは、38〜46アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、39〜45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、40〜44アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、41〜43アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、37アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、47アミノ酸残基であることができる。アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列であることができる。アミノ酸配列は、4つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、3つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、2つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、1つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の付加を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の欠失を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の置換を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができ、アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列である。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。ポリペプチドは、哺乳動物において、血圧を下げる能力を欠き得る。哺乳動物とは、ヒトまたはイヌであることができる。
【0017】
別の側面において、本書は、哺乳動物において、血圧を低下させることなく利尿作用およびナトリウム利尿作用を増大させるための方法を特徴とする。該方法は、哺乳動物にポリペプチドを投与するステップを含むか、または本質的にこれから成り、該ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであり、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成り、該ポリペプチドは、(a)配列番号:2に記載の、または(b)(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む。ポリペプチドの長さは、58〜63アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、60アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドは、65アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの配列は、配列番号:3に記載の配列であることができる。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。
【0018】
別の側面において、本書は、腎機能障害を有する哺乳動物を治療するための方法を特徴とする。該方法は、腎機能障害の症状の重症度の軽減を条件として、哺乳動物にポリペプチドを投与するステップを含むか、または本質的にこれから成る。哺乳動物とは、ヒトであることができる。腎機能障害は、腎不全を含むことができる。腎機能障害は、うっ血性心不全を伴う腎不全を含むことができる。ポリペプチドは、静脈内、経口的、または鼻腔内に投与されることができる。ポリペプチドは、徐放製剤として投与されることができる。ポリペプチドは、37〜47アミノ酸残基の長さであることができ、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、37〜47アミノ酸残基の長さであることができ、5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであることができ、(i)配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列と、(ii)配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであることができ、5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、第1アミノ酸配列と、配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであって、ポリペプチドの配列は、配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列を含むことができ、(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであって、5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、第1アミノ酸配列を含み、(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む。症状とは、血清クレアチニン値異常、尿流量異常、レニン値異常、糸球体ろ過量異常、尿cGMP排泄率異常、尿ANP排泄率異常、尿BNP排泄率異常、心拍出量異常、体血管抵抗異常、またはアルドステロン値異常を含むことができる。症状は、尿流量の減少を含むことができ、哺乳動物の尿流量は、投与ステップ後、少なくとも50%増加する。症状は、レニン値の低下を含むことができ、哺乳動物のレニン値は、投与ステップ後、少なくとも50%増加する。症状は、糸球体ろ過量の減少を含むことができ、哺乳動物の糸球体ろ過量は、投与ステップ後、少なくとも50%増加する。症状は、尿cGMP排泄率の低下を含むことができ、哺乳動物の尿cGMP排泄率は、投与ステップ後、少なくとも25%増加する。症状は、尿ANP排泄率の低下を含むことができ、哺乳動物の尿ANP排泄率は、投与ステップ後、少なくとも25%増加する。症状は、尿BNP排泄率の低下を含むことができ、哺乳動物の尿BNP排泄率は、投与ステップ後、少なくとも25%増加する。症状は、心拍出量の増加を含むことができ、哺乳動物の心拍出量は、投与ステップ後、少なくとも2%減少する。症状は、体血管抵抗の低下を含むことができ、哺乳動物の体血管抵抗は、投与ステップ後、少なくとも10%増加する。症状は、アルドステロン値の低下を含むことができ、哺乳動物のアルドステロン値は、投与ステップ後、少なくとも10%増加する。
【0019】
別の側面において、本書は、炎症状態を有する哺乳動物を治療するための方法を特徴とする。該方法は、炎症状態の症状の重症度の軽減を条件として、哺乳動物にポリペプチドを投与するステップを含むか、または本質的にこれから成る。哺乳動物とは、ヒトであることができる。ポリペプチドは、静脈内、経口的、または鼻腔内に投与されることができる。ポリペプチドは、徐放製剤として投与されることができる。ポリペプチドは、37〜47アミノ酸残基の長さであることができ、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、37〜47アミノ酸残基の長さであることができ、5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであることができ、(i)配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列と、(ii)配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであることができ、5つ以下のアミノ酸欠損、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列と、配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列を含む。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであることができ、配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列と、(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列とを含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであって、5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含み、(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列とを含む。
【0020】
別の側面において、本書は、心機能障害を有する哺乳動物を治療するための方法を特徴とし、該方法は、心機能障害の重症度の軽減を条件として、哺乳動物にポリペプチドを投与するステップを含むか、または本質的にこれから成る。哺乳動物とは、ヒトであることができる。心機能障害は、心不全を含むことができる。心機能障害は、腎不全を伴う、うっ血性心不全を含むことができる。ポリペプチドは、静脈内、経口的、または鼻腔内に投与されることができる。ポリペプチドは、徐放製剤として投与されることができる。ポリペプチドは、37〜47アミノ酸残基の長さであることができ、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、37〜47アミノ酸残基の長さであることができ、5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであることができ、(i)配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列と、(ii)配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであって、5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列と、配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであって、配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列と、(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列とを含む。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであって、5以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含み、(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む。
【0021】
別様に定義されない限り、本願において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が関係する当業者によって広く理解されているものと同一の意味を有する。本発明の実施において、本願に記載の方法および材料に類似のまたは同等のものが使用されることができるが、適切な方法および材料が下記に記載される。本願において言及される、全ての、出版物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照によって全体として本願に組み込まれる。不一致が生じた場合、定義を含む本願明細書が優先する。また、材料、方法、および実施例は説明のみを目的とし、制限を意図するものではない。
【0022】
本発明の一以上の実施形態の詳細は、添付の図面および下記の説明に記載される。本発明の他の特徴、目的、および長所は、該説明および図面、ならびに請求項により明白である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】60アミノ酸残基の長さであるASBNPポリペプチド(配列番号:4)、42アミノ酸残基の長さであるASBNP.1ポリペプチド(配列番号:1)、60アミノ酸残基の長さである、アラニンが43の位置にあるASBNP.2ポリペプチド(配列番号:3)の概略図である。43の位置にあるアラニンから60の位置にあるロイシンまでのASBNP.2の配列は、18アミノ酸残基の長さ(配列番号:2)である。ASBNP(BNP2ともいう)は、選択的スプライシングによって発生したBNPの異型である。
【図2】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの尿流量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図3】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの尿ナトリウム排出量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図4】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの遠位分別管ナトリウム再吸収率を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図5】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの近位分別管ナトリウム再吸収率を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期である。
【図6】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの血漿cGMP値を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図7】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの血漿レニン活性を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図8】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの糸球体ろ過量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図9】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの腎血流量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図10】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの平均動脈圧値を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図11】図に示す濃度のBNP、ASBNP、またはASBNP.1で治療したHUVECSにおける、cGMP値を示す棒グラフである。OXは酸化、非OXは非酸化を示す。
【図12】図に示す濃度のBNP、ASBNP、またはASBNP.1で治療したHASMCSにおける、cGMP値を示す棒グラフである。OXは酸化、非OXは非酸化を示す。
【図13】図に示す濃度のBNP、ASBNP、またはASBNP.1で治療されたウサギの血管輪から取得された、血管活性測定値を示す線グラフである。
【図14】ASBNP.1ポリペプチドをコードすることができる核酸配列(配列番号:5)と、ASBNP.2ポリペプチドをコードすることができる核酸配列(配列番号:6)を含む。
【図15】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの尿流量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図16】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの尿ナトリウム排出量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図17】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの遠位分別管ナトリウム再吸収率を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図18】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの近位分別管ナトリウム再吸収率を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図19】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの血漿cGMP値を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図20】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの血漿レニン活性(ng/mL/時間)を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図21】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの糸球体ろ過量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図22】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの腎血流量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図23】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの平均動脈圧値を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図24】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの尿cGMP排泄量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図25】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの尿ANP排泄量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図26】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの尿BNP排泄量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図27】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの血漿BNP値を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図28】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの血漿ANP値を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図29】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの肺毛細血管楔入圧を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図30】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの心拍出量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図31】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの体血管抵抗を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図32】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌのアンジオテンシンII濃度を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図33】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌのアルドステロン濃度を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図34】90分間のASBNP.1ポリペプチド(100pmol/kg/分)の投与開始後、図に示す時間における、心臓ペース制御されたイヌの尿ナトリウム排出(μEq/分)を示すグラフである。BL=ベースライン、30分=30分間のASBNP.1ポリペプチド投与、60分=60分間のASBNP.1ポリペプチド投与、90分=90分間のASBNP.1ポリペプチド投与、ウォッシュアウト=注入停止時、ウォッシュアウト期間後、回復1=注入停止30分後、回復2=注入停止60分後である。
【図35】90分間のASBNP.1ポリペプチド(100pmol/kg/分)の投与開始後、図に示す時間における、心臓ペース制御されたイヌの尿流量(mL/分)を示すグラフである。BL=ベースライン、30分=30分間びASBNP.1ポリペプチド投与、60分=60分間のASBNP.1ポリペプチド投与、90分=90分間のASBNP.1ポリペプチド投与、ウォッシュアウト=注入停止時、ウォッシュアウト期間後、回復1=30分注入停止後、回復2=60分注入停止後である。
【図36】90分間のASBNP.1ポリペプチド(100pmol/kg/分)の投与開始後、図に示す時間における、心臓ペース制御されたイヌの平均動脈圧(mmHg)を示すグラフである。BL=ベースライン、30分=30分間のASBNP.1ポリペプチド投与、60分=60分間のASBNP.1ポリペプチド投与、90分=90分間のASBNP.1ポリペプチド投与、ウォッシュアウト=注入停止時、ウォッシュアウト期間後、回復1=注入停止30分後、回復2=注入停止60分後である。
【図37】90分間のASBNP.1ポリペプチド(100pmol/kg/分)の投与開始後、図に示す時間における、心臓ペース制御されたイヌの腎血流量を示すグラフである。BL=ベースライン、30分=30分間のASBNP.1ポリペプチド投与、60分=60分間のASBNP.1ポリペプチド投与、90分=90分間のASBNP.1ポリペプチド投与、ウォッシュアウト=注入停止時、ウォッシュアウト期間後、回復1=30分注入停止後、回復2=60分注入停止後である。
【図38】90分間のASBNP.1ポリペプチド(100pmol/kg/分)の投与開始後、図に示す時間における、心臓ペース制御されたイヌの肺毛細血管楔入圧を示すグラフである。BL=ベースライン、30分=30分間のASBNP.1ポリペプチド投与、60分=60分間のASBNP.1ポリペプチド投与、90分=90分間のASBNP.1ポリペプチド投与、ウォッシュアウト=注入停止時、ウォッシュアウト期間後、回復1=30分注入停止後、回復2=60分注入停止後である。
【図39】90分間のASBNP.1ポリペプチド(100pmol/kg/分)の投与開始後、図に示す時間における、心臓ペース制御されたイヌの心拍出量(l/分)を示すグラフである。BL=ベースライン、30分=30分間のASBNP.1ポリペプチド投与、60分=60分間のASBNP.1ポリペプチド投与、90分=90分間のASBNP.1ポリペプチド投与、ウォッシュアウト=注入停止時、ウォッシュアウト期間後、回復1=30分注入停止後、回復2=60分注入停止後である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
本書は、利尿ポリペプチドおよびナトリウム利尿ポリペプチドに関する。例えば、本書は、利尿および/またはナトリウム利尿作用を有するポリペプチドを提供する。いくつかの場合において、本願において提供されるポリペプチドは、血圧を低下させる能力を欠く一方で、利尿および/またはナトリウム利尿作用を有することができる。本書はまた、哺乳動物において利尿および/またはナトリウム利尿作用を誘起する方法および材料を提供する。
【0025】
本願において提供されるポリペプチドは、あらゆる配列を有することができ、あらゆる長さを有することができる。例えば、本願において提供されるポリペプチドは、配列番号:1、配列番号:2、または配列番号:3に記載される配列を含むことができる。いくつかの場合において、本願において提供されるポリペプチドは、10以下の(例えば、9つ以下の、8つ以下の、7つ以下の、6つ以下の、5つ以下の、4つ以下の、3つ以下の、2つ以下の、1、または0)アミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1、配列番号:2、または配列番号:3に記載の配列に整列する、アミノ酸配列を含むことができる。例えば、本願において提供されるポリペプチドは、配列番号:1の第1セリン残基または最終バリン残基が、欠失、または異なるアミノ酸残基によって置換されるという例外を除き、配列番号:1に記載の配列を含むことができる。
【0026】
いくつかの場合において、本願において提供されるポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または10以下(例えば、9つ以下、8つ以下、7つ以下、6つ以下、5つ以下、4つ以下、3つ以下、2つ以下、1、または0)のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列、および(b)配列番号:2に記載の、または(i)10以下(例えば、9つ以下、8つ以下、7つ以下、6つ以下、5つ以下、4つ以下、3つ以下、2つ以下、1、または0)のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下(例えば、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9つ以下、8つ以下、7つ以下、6つ以下、5つ以下、4つ以下、3つ以下、2つ以下、1、または0)のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含むことができる。例えば、本願において提供されるポリペプチドは、配列番号:3の43の位置にあるシステイン残基が、システイン以外のアミノ酸(例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、またはバリン)であるという例外を除き、配列番号:3に記載の配列を含むか、それから成ることができる。
【0027】
配列番号:1、配列番号:2または配列番号:3に記載のポリペプチド配列に対して、1つ以上のアミノ酸の置換を有するポリペプチドは、本願に記載のとおりに調製および変更されることができる。アミノ酸の置換は、同類アミノ酸の置換であることも、非同類アミノ酸の置換であることもできる。同類アミノ酸の置換には、例えば、酸性アミノ酸残基(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)と、別の酸性アミノ酸残基との置換、塩基性アミノ酸残基(例えば、リジン、アルギニンまたはヒスチジン)と、別の塩基性アミノ酸残基との置換、疎水性アミノ酸残基と、別の疎水性アミノ酸残基との置換(例えば、ロイシンのイソロイシンとの置換、メチオニンのバリンとの置換、またはアラニンのバリンとの置換)、および親水性アミノ酸残基(例えば、セリン、グリシンまたはトレオニン)と、別の親水性アミノ酸残基との置換を含む。
【0028】
同類アミノ酸の置換はまた、特定の型の側鎖を有するアミノ酸残基の、類似の型の側鎖を有する別のアミノ酸残基との置換を含む。例えば、同類アミノ酸の置換は、脂肪族側鎖(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、またはイソロイシン)を有するアミノ酸残基の、脂肪族側鎖を有する別のアミノ酸残基との置換、脂肪族ヒドロキシル側鎖(例えば、セリンまたはトレオニン)を有するアミノ酸残基の、脂肪族ヒドロキシル側鎖を有する別のアミノ酸残基との置換、アミド含有の側鎖(例えば、アスパラギンまたはグルタミン)を有するアミノ酸残基の、アミド含有の側鎖を有する別のアミノ酸残基との置換、芳香族側鎖(例えば、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファン)を有するアミノ酸残基の、芳香族側鎖を有する別のアミノ酸残基との置換、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、またはヒスチジン)を有するアミノ酸残基の、塩基性側鎖を有する別のアミノ酸残基との置換、および含硫の側鎖(例えば、システインまたはメチオニン)を有するアミノ酸残基の、含硫の側鎖を有する別のアミノ酸残基との置換を含む。
【0029】
本願において提供されるポリペプチドは、どのような長さであってもよい。例えば、本願において提供されるポリペプチドは、25〜75(例えば、30〜70、32〜60、32〜57、32〜50、32〜45、35〜43、または38〜43)アミノ酸残基の長さであってもよい。25または75アミノ酸残基の長さのポリペプチドは、25〜75アミノ酸残基の長さのポリペプチドであると理解されるものとする。
【0030】
いくつかの場合において、本願において提供されるポリペプチドは、37〜47アミノ酸残基の長さであってもよく、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含むことができる。かかるポリペプチドの例として、ASBNP.1ポリペプチドを含むがこれに限定されない。いくつかの場合において、本願において提供されるポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであってもよく、(a)配列番号:1に記載の、または、5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列と、(b)配列番号:2に記載の、または(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って、配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含むことができる。かかるポリペプチドの例として、ASBNP.2ポリペプチドを含むがこれに限定されない。
【0031】
いくつかの場合において、本願において提供されるポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであってもよい。本願においてポリペプチドに関して使用される「実質的に純粋」という用語は、ポリペプチドは、それに自然においては伴う他のポリペプチド、脂質、炭水化物、および核酸を実質的に有しないことを意味する。それゆえ、実質的に純粋なポリペプチドとは、その自然環境から離された、少なくとも60%純粋な、あらゆるポリペプチドであるか、またはあらゆる化学的に合成したポリペプチドである。実質的に純粋なポリペプチドは、少なくとも約60、65、70、75、80、85、90、95、または99%純粋であり得る。通常、実質的に純粋なポリペプチドは、非還元性ポリアクリルアミドゲル上に単一の主要バンドを呈する。
【0032】
いくつかの実施形態において、本願において提供されるポリペプチドは、ヒト臍血管内皮細胞(HUVEC)におけるcGMPの産生を促進する能力を欠き得る。細胞内のcGMPの産生は、例えば、BIOTRACK cGMP酵素免疫測定キット(Amersham Pharmacia Biotech)を使用して分析することができる。他の実施形態において、本願において提供されるポリペプチドは、血管作用を欠き得る。血管作用は、血管(例えば、臓器チャンバ内の頸動脈)のポリペプチドに対する応答速度を測定することによって分析することができる。
【0033】
本願において提供されるポリペプチドは、ポリペプチドをコードする組み換え核酸の発現によって、または化学合成によって取得することができる。例えば、本願において提供されるポリペプチドをコードする発現ベクターを使用する、標準的な組み換え技術を使用することができる。得られたポリペプチドは、次に、例えば、親和性クロマトグラフ法およびHPLCを使用して精製することができる。精製の程度は、カラムクロマトグラフィ、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、または高速液体クロマトグラフィを含むがこれに限定されない、あらゆる適切な方法によって測定され得る。本願において提供されるポリペプチドは、ポリペプチドが精製されることを可能とする(例えば、親和性マトリクス上に捕捉される)タグ配列を含むように設計することができる。例えば、c−myc、血球凝集素、ポリヒスチジン、またはFlag(商標)タグ(Kodak)等のタグは、ポリペプチドの精製を補助するために使用され得る。かかるタグは、カルボキシル末端またはアミノ末端のいずれかを含む、ポリペプチド内のあらゆる場所に挿入することができる。使用することのできる他の融合には、ポリペプチドの検出を補助する、アルカリ性ホスファターゼ等の酵素を含む。
【0034】
本願において提供されるポリペプチドは、成熟したナトリウム利尿ポリペプチド(例えば、BNP、DNP、ANP、またはCNP)のN末端およびリング構造を含む第1領域、およびASBNPのC末端部分の突然変異型または切断型を含む第2領域の2つの領域を含むように産生することができる。BNP、DNP、ANP、およびCNPのN末端およびリング構造は、別の文献に記載される。例えば、米国特許出願第10/561,014号を参照されたい。
【0035】
本願において提供されるポリペプチドは、薬学的に許容される毒性のない賦形剤または担体と混合することによって、薬学的組成物として製剤することができる。かかる組成物は、例えば、心臓、肝臓、腎臓、または他のナトリウム貯留状態を治療するために効果的な量を、これを必要とする被験者に投与されることができる。例えば、かかる組成物は、腎機能障害を有する対象に投与されることができる。腎機能障害は、急性腎不全、糸球体腎炎、慢性腎不全、高窒素血症、尿毒症、免疫腎臓病;急性腎炎症候群、急速進行性腎炎症候群、ネフローゼ症候群、バーガー病(Berger’s Disease)、慢性腎炎/タンパク尿症候群、尿細管間質性疾患、腎毒性障害、腎梗塞、アテローム塞栓性腎疾患、腎皮質壊死、悪性腎硬化症、腎静脈血栓症、尿細管性アシドーシス、腎性糖尿、腎性尿崩症、バーター症候群、リドル症候群、多嚢性腎疾患、間質性腎炎、急性溶血性尿毒症症候群、髄質嚢胞腎、海綿腎、遺伝性腎炎、および爪・膝蓋骨症候群を含むことができるが、これに限定されない。
【0036】
本願において提供される組成物はまた、心機能障害を有する対象に投与することができる。心機能障害は、慢性心不全(chrinic heart failure,CHF)、拡張したうっ血性心筋症、肥大型性心筋症、拘束型心筋症、僧帽弁疾患、大動脈弁疾患、三尖弁膜症、狭心症、心筋梗塞、心不整脈、肺高血圧症、動脈性高血圧、腎血管性高血圧、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、および心臓腫瘍を含むことができるが、これに限定されない。
【0037】
本願において提供される組成物はまた、炎症状態を有する対象に投与することができる。炎症状態は、心筋炎、ぜんそく、慢性炎症、自己免疫性糖尿病、腫瘍の血管新生、関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、痛風性関節炎および他の関節炎状態、敗血症、敗血性ショック、内毒素性ショック、グラム陰性菌敗血症、毒素性ショック症候群、ぜんそく、成人呼吸窮迫症候群、卒中、再かん流傷害、神経外傷および虚血等の中枢神経系障害、乾癬性再狭窄、脳マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺類肉腫症(pulmonary sarcosis)、骨粗しょう症などの骨吸収疾患、対宿主性移植片反応、クローン病、炎症性大腸炎(IBD)を含む潰瘍性大腸炎、および発熱症(pyresis)を含むことができるが、これに限定されない。
【0038】
医薬組成物は、非経口的投与のためには、特に溶液または生理的緩衝水溶液中の懸濁状に、経口投与のためには、特にタブレットまたはカプセル状に、または鼻腔内投与のためには、特に粉末、点鼻薬、またはエアロゾル状に調製することができる。他の投与経路のための組成物は、標準的な方法を使用して、要望に応じて調製することができる。
【0039】
非経口的投与のための製剤は、一般的な賦形剤として、滅菌水または生理食塩水、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール、植物由来の油脂、水素化ナフタレン等を含むことができる。具体的には、生体適合性のある、生分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー、またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーが、生体内でのポリペプチドの放出を制御するための賦形剤の例である。他の適切な非経口的送達システムには、エチレン−ビニルアセチレンコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、埋め込み式注入システム、およびリポソームを含む。吸入投与のための製剤には、要求に応じて乳糖等の賦形剤を含むことができる。吸入製剤は、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココール酸塩およびデオキシコール酸塩を含む水溶液であってもよく、または、吸入製剤は、例えば、点鼻薬形態での投与のために油性溶液であってもよい。所望される場合、組成物は鼻腔内に塗布されるゲルとして調製することができる。また、非経口的投与のための製剤には、口腔投与のためのグリココール酸を含むことができる。
【0040】
経口投与のために、結合剤(例えば、あらかじめゼラチン化したトウモロコシでんぷん、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、賦形剤(例えば、乳糖、微結晶性セルロースまたはリン酸水素カルシウム)、滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモでんぷんまたはナトリウムスターチグリコール酸塩)、または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)等の薬学的に許容される賦形剤とともに、従来の手段によって、タブレットまたはカプセルを調製することができる。タブレットは、当該技術分野で既知の方法によってコーティングすることができる。また、口腔投与のための調製は、組成物の制御放出を可能にするように製剤設計することができる。
【0041】
点鼻剤は、液状または乾燥製品として提示することができる。噴霧される水性懸濁液または溶液は、pHおよび/または弾力性を調節するために、担体または賦形剤を含むことができる。
【0042】
本願に記載のポリペプチドはまた、局所送達のための製剤であり得る。本願において提供されるポリペプチドの局所使用および/または送達は、例えば、イオントフォレーゼやリポゲルなどの既知の方法を使用することによって達成することができる。
【0043】
本願に記載の組成物(例えば、本願において提供されるポリペプチドを含む)は、他の有効成分を追加的に含むことができる。
【0044】
種々の臨床的指標は、対象(例えば、腎機能または心機能障害、または炎症状態を有する被験者)への、本願に記載のポリペプチド(例えば、医薬組成物としての製剤)の投与の前、途中、および/または後に、観測することができる。例えば、バイタルサイン、電気分解、血清中クレアチニン、シスタチン、尿BNP値、血漿BNP値、尿排出量、投与されるポリペプチドの血漿値、投与されるポリペプチドの尿値、またはそれらのあらゆる組み合わせを観測することができる。いくつかの場合において、血漿レニン活性、糸球体ろ過量、尿cGMP排泄量、血漿cGMP値、尿ANP排泄量、尿BNP排泄量、心拍出量、体血管抵抗、アルドステロン値、またはそれらのあらゆる組み合わせを観測することができる。臨床的指標を観測するためには、本願に記載の方法を含むがこれに限定されないあらゆる適切な方法を使用することができる。
【0045】
臨床的指標の観測は、例えば、心機能障害や腎機能障害、または炎症状態の症状の重篤性が軽減されたかどうか等、投与されるポリペプチドが効果的であるかどうかを、臨床医学者が決定することを可能にすることができる。また、本願において提供されるポリペプチドの投与前、途中、および/または後の臨床的指標の観測は、ポリペプチドの投与量が増加または減少されるべきであるか、ポリペプチドの投与が継続または中断されるべきか、またはポリペプチドが再投与されるべきかを示すことができる。また、臨床的指標の観測は、被験者の状態の重篤性を示し、次いで、本願において提供されるポリペプチドがいつ、どのくらいの量投与されるべきかについての指針を提供することができる。
【0046】
ポリペプチドをコードする核酸
本書はまた、本願において提供されるポリペプチドの1つ以上をコードする単離核酸を提供する。核酸に関して本願で使用される「単離」という用語は、これが由来する有機体からの自然発生のゲノムにおいて直接隣接(5’末端のものと、3’末端のもの)する、双方の配列と直接隣接しない自然発生の核酸を指す。例えば、単離核酸は、自然発生のゲノムにおいて通常組み換えDNA分子と直接隣接して見られる核酸配列のうちの1つが、除去されたか欠如する、あらゆる長さの組み換えDNA分子であることができるがこれに限定されない。それゆえ、単離核酸は、他の配列から独立した別個の分子として存在する組み換えDNA(例えば、PCRまたは制限エンドヌクレアーゼ処理によって産生されたcDNAまたはゲノムDNA断片)、ならびに、ベクター、自己複製プラスミド、ウイルス(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、またはヘルペスウイルス)に組み込まれた、または原核生物または真核生物のゲノムDNAに組み込まれた組み換えDNAを含むがこれに限定されない。また、単離核酸は、ハイブリッドまたは融合核酸配列の一部である組み換えDNA分子を含むことができる。
【0047】
また、核酸に関して本願で使用される「単離」という用語は、非自然発生の核酸配列は自然界では見られず、自然発生のゲノムに直接隣接する配列を有しないため、あらゆる非自然発生の核酸を含む。例えば、人工的に作られた核酸等の非自然発生の核酸は、単離核酸と見なされる。人工的に作られた核酸(例えば、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むかそれから成るポリペプチドをコードする核酸)は、一般的な分子クローン技術や化学核酸合成技術を使用して作成することができる。単離非自然発生の核酸は、他の配列から独立しているか、またはベクター、自己複製プラスミド、ウイルス(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、またはヘルペスウイルス)、または原核生物または真核生物のゲノムDNAに組み込まれ得る。また、非自然発生の核酸は、ハイブリッドまたは融合核酸配列の一部である核酸分子を含むことができる。例えば、cDNAライブラリやゲノムライブラリ、またはゲノムDNA限定ダイジェストを含むゲルスライス内の他の数百〜数百万の核酸に存在する核酸は、単離核酸とは見なされない。
【0048】
本願において使用される「核酸」という用語は、mRNA、cDNA、ゲノムDNA、合成(例えば、化学的に合成した)DNA、および核酸類似体を含むRNAとDNAの双方を指す。核酸は、二本鎖または一本鎖であることができ、一本鎖の場合、センス鎖またはアンチセンス鎖であることができる。また、核酸は、円形または線形であることができる。核酸類似体は、例えば、核酸の安定性、ハイブリダイゼーション、または溶解性を改善するために、塩基部分、糖部分、またはリン酸骨格の箇所において改変することができる。塩基部分における改変は、デオキシチミジンのデオキシウリジンへの、および5−メチル−2’−デオキシシチジンおよび5−ブロモ−2’−デオキシシチジンのデオキシシチジンへの改変を含む。糖部分における改変は、リボース糖の2’ヒドロキシルから、2’−O−メチルまたは2’−O−アリル糖の形成を含むことができる。デオキシリボースリン酸骨格は、モルホリノ核酸を産するように改変されることができ、各塩基部分はそこで六員環のモルホリノ環、またはペプチド核酸に結合し、そこでデオキシリン酸骨格は擬ペプチド骨格によって置換され、4つの塩基は保持される。例えば、SummertonおよびWeller、Antisense Nucleic Acid Drug Dev.、7:187−195(1997)、およびHyrupら、Bioorgan. Med. Chem.、4:5−23(1996)を参照されたい。また、デオキシリン酸骨格は、例えば、ホスホロチオエートまたはホスホロジチオエート骨格、ホスホロアミダイド、またはアルキルホスホトリエステル骨格と置換することができる。
【0049】
本願において提供される核酸は、配列番号:5または6に記載の配列を含むか、それから成ることができる。
【0050】
通常、本願において提供される単離核酸は、少なくとも10ヌクレオチドの長さ(例えば、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、200、300、350、400、またはそれ以上のヌクレオチドの長さ)である。フルレングス以下の核酸分子は、例えば、診断目的に、プライマまたはプローブとして有用である。単離核酸分子は、一般的な分子クローン技術や化学核酸合成技術を含むがこれに限定されない標準的な技術によって産生することができる。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)を使用することができる。PCRとは、標的核酸が酵素的に増幅される手技または技術を指す。関心領域末端または超過からの配列情報は、通常、増幅されるテンプレートの逆鎖の配列と同一のオリゴヌクレオチドプライマを設計するために採用される。PCRは、総ゲノムDNAまたは総細胞RNAからの配列を含む、DNA、ならびにRNAからの特異的な配列を増幅するために使用することができる。プライマは通常、15〜50ヌクレオチドの長さであるが、10ヌクレオチド〜100ヌクレオチドの長さの範囲であることができる。例えば、プライマは、12、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、または45ヌクレオチドの長さであることができる。プライマは、制限ダイジェストから、従来の方法によって精製するか、または化学的に合成することができる。プライマは、通常、増幅における効率を最大とするために一本鎖であるが、プライマは、二本鎖であることができる。二本鎖プライマは、増幅で使用される前に、鎖を分離するためにまず変性される(例えば、熱で処理される)。概略的なPCR法については、例えばPCR Primer: A Laboratory Manual、DieffenbachおよびDveksler編、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1995に記載される。RNAをテンプレートの供給源として使用する場合、相補的DNA(cDNA)鎖を合成するために逆転写酵素を使用することができる。別の文献に記載されるように、単離核酸を取得するために、リガーゼ連鎖反応法、鎖置換増幅法(SDA法)、自立配列複製法、または核酸配列に基づく増幅法もまた使用することができる(Lewis, Genetic Engineering News, 12(9):1 (1992)、Guatelli ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:1874−1878 (1990)、およびWeiss、Science、254:1292(1991))。
【0051】
単離核酸はまた、単一の核酸分子(例えば、ホスホルアミダイト)技術を使用した3’〜5’方向の自動DNA合成を使用して)として、または一連のオリゴヌクレオチドとして、化学的に合成することができる。例えば、長いオリゴヌクレオチド(例えば、>100ヌクレオチド)の1つ以上の対は、オリゴヌクレオチド対がアニールされた時に二本鎖が形成されるように、各対が補完の短いセグメント(例えば、約15ヌクレオチド)を有する所望の配列を含むように合成することができる。オリゴヌクレオチドを伸長するために、DNAポリメラーゼが使用され、結果としてオリゴヌクレオチド対毎に単鎖、二本鎖の核酸分子を生じ、これらは次にベクターに結紮される。
【0052】
単離核酸はまた、突然変異生成によって取得することができる。例えば、配列番号:1、2、または3に記載の配列を有する、ポリペプチドをコードする核酸配列は、例えば、オリゴヌクレオチド指定突然変異生成および/またはPCRによる部位特異的変位導入等の標準的な方法を使用して突然変異させることができる。Short Protocols in Molecular Biology、第8章、Green Publishing Associates and John Wiley & Sons、Ausubelら編、1992を参照されたい。かかる突然変異には、付加、欠失、置換、およびそれらの組み合わせを含む。
【0053】
ベクターおよび宿主細胞
本書はまた、本願において提供される核酸を含むベクターを提供する。本願において使用される場合、「ベクター」は、プラスミド、ファージ、またはコスミド等のレプリコンであり、挿入されたセグメントの複製をもたらすために、そこに別のDNAセグメントを挿入することができる。ベクターは、発現ベクターであることができる。「発現ベクター」とは、1つ以上の発現制御配列を含むベクターであり、また「発現制御配列」とは、別のDNA配列の転写および/または翻訳を制御および規制するDNA配列である。
【0054】
本願において提供される発現ベクターにおいて、核酸は、1つ以上の発現制御配列に操作可能に結合され得る。本願において使用される「操作可能に結合される」とは、発現制御配列が関心のコード配列の発現を効果的に制御することができるように、遺伝的構造に組み込まれることを意味する。発現制御配列の例として、プロモータ、エンハンサ、転写終結領域が挙げられる。プロモータとは、転写が開始する箇所(概してRNAポリメラーゼIIの開始部位の近傍)の通常100ヌクレオチド上流内におけるDNA分子の領域で構成される、発現制御配列である。コード配列をプロモータの制御下に置くため、ポリペプチドの翻訳の読み枠の翻訳開始部位を、プロモータの1〜約50ヌクレオチド下流に位置づけることが必要である場合がある。エンハンサは、時間、場所、およびレベルに関する発現特異性を提供する。プロモータと異なり、エンハンサは、転写部位から種々の距離にあっても機能する。エンハンサはまた、転写開始部位から下流に位置することができる。コード配列は、RNAポリメラーゼがコード配列をmRNAに転写することができ、これが次にコード配列によってコードされるポリペプチドに翻訳され得る時、細胞内の発現制御配列に「操作可能に結合され」、その「制御下に」あるとされる。
【0055】
適切な発現ベクターには、プラスミド、および例えば、バクテリオファージ、バキュロウイルス、タバコモザイクウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、ポックスウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルス由来のウイルスベクターを含むがこれに限定されない。多数のベクターおよび発現システムは、Novagen(ウィスコンシン州、Madison)、Clonetech(カリフォルニア州、Palo Alto)、Stratagene(カリフォルニア州、La Jolla)、およびInvitrogen/Life Technologies(カリフォルニア州、Carlsbad)などの企業から市販されている。
【0056】
発現ベクターは、発現核酸配列のその後の操作(例えば、精製または局在化)を容易にするため、設計されたタグ配列を含むことができる。緑色蛍光タンパク質(GFP)、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、ポリヒスチジン、c−myc、血球凝集素、またはFlag(商標)タグ(Kodak、New Haven、CT)配列等のタグ配列は、通常、コードされたポリペプチドとの融合として発現する。このようなタグは、カルボキシル末端またはアミノ末端のいずれかを含む、ポリペプチド内のあらゆる場所に挿入されることができる。
【0057】
本書はまた、本願において提供される核酸分子および/または核酸ベクターを含む宿主細胞を提供する。「宿主細胞」という用語は、核酸分子またはベクターがその中に導入され得る原核細胞および真核細胞を含むことを意図する。核酸を細胞に導入するために、あらゆる方法を使用することができる。例えば、リン酸カルシウム沈殿、エレクトロポレーション、熱ショック、リポフェクション、マイクロインジェクション、およびウイルス媒介の核酸転写を、核酸を細胞に導入するために使用することができる。また、裸のDNAを、別に記載されるように、細胞に生体内に直接送達することができる(米国特許第5,580,859号および5,589,466号)。
【0058】
ポリペプチドの検出
本書は、本願において提供されるポリペプチドを検出するための方法および材料を提供する。かかる方法および材料は、ポリペプチドを治療として受けている哺乳動物の体内のポリペプチドの値を観測するために使用することができる。本願において提供されるポリペプチド(例えば、ASBNP.1およびASBNP.2)は、例えば、1つ以上の抗体を使用して、免疫学的に検出さすことができる。本願において使用される「抗体」という用語は、本願において提供されるポリペプチドのエピトープ決定基に結合することができる、無傷分子ならびに、その断片を含む。「エピトープ」という用語は、抗原上の抗原決定基を指し、そこに抗体のパラトープが結合する。エピトープ決定基は、ふつうアミノ酸または糖側鎖等の分子の化学的に活性の表面分類から成り、通常、特異的な立体構造の特性ならびに特異的な電荷特性を有する。エピトープは、概して少なくとも5つの隣接アミノ酸(連続エピトープ)を有するか、または代替的に、特定の構造(例えば、立体構造エピトープ)を画定する一組の非隣接アミノ酸であることができる。「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化またはキメラ抗体、単鎖Fv抗体断片、Fab断片、およびF(ab)2断片を含む。ポリクローナル抗体とは、免疫動物の血清中に含まれる、抗体分子の異種集団である。モノクローナル抗体とは、特定のエピトープに対する抗体の同種集団である。
【0059】
本願において提供されるポリペプチドに対して特異的な結合親和力を有する抗体断片(例えば、ASBNP.1およびASBNP.2)は、既知の技術によって生成することができる。例えば、F(ab’)2断片は、抗体分子のペプシン消化によって産生されることができ、Fab断片は、F(ab’)2断片のジスルフィド架橋を還元することによって生成することができる。あるいは、Fab発現ライブラリが構築され得る。例えば、Huseら、Science、246:1275(1989)を参照されたい。一旦産生されると、抗体またはその断片は、ELISA法、放射免疫測定、およびウエスタンブロット法を含む標準的な免疫測定法によって、本願において提供されるポリペプチドの認識をテストされる。Short Protocols in Molecular Biology、第11章、Green Publishing Associates and John Wiley & Sons、Ausubel、F.Mら編、1992を参照されたい。
【0060】
免疫アッセイにおいて、本願において提供されるポリペプチドに特異的な結合親和力を有する抗体、またはかかる抗体に結合する二次抗体を、直接、あるいは間接的に標識化することができる。適切な標識には、放射性核種(例えば、125I、131I、35S、3H、32P、33P、または14C)、蛍光部分(例えば、フルオレセイン、FITC、PerCP、ローダミン、またはPE)、発光部位(例えば、カリフォルニア州、Palo Altoの、Quantum Dot Corporationによって供給されるQdot(商標)ナノ粒子)、限定された波長の光を吸収する化合物、または酵素(例えば、アルカリ性ホスファターゼまたはホースラディッシュペルオキシダーゼ)が挙げられるが、これに限定されない。抗体は、ビオチンとの接合によって間接的に標識化され、次に上述の分子によって標識化されたアビジンまたはストレプトアビジンを用いて検出することができる。標識を検出または定量化する方法は、標識の性質に依存し、当技術分野において周知である。検出器の例として、X線フィルム、放射能測定器、シンチレーションカウンタ、分光光度計、比色計、蛍光光度計、照度計、および濃度計が挙げられるが、これに限定されない。当業者に周知のこれらのアプローチの組み合わせ(「多層」アッセイを含む)を、アッセイの感度を強化するために使用することができる。
【0061】
本願において提供されるポリペプチドを検出する免疫アッセイは、サンドイッチアッセイ、競合アッセイ(競合RIA)、または架橋免疫アッセイを含む、種々の既知のフォーマットで行なうことができる。例えば、米国特許第5,296,347号、4,233,402号、4,098,876号、および4,034,074号を参照されたい。本願において提供されるポリペプチドを検出する方法は、概して生体サンプルを本願において提供されるポリペプチドに結合する抗体に接触させるステップと、ポリペプチドの抗体への結合を検知するステップを含む。例えば、本願において提供されるポリペプチドに特異的な結合親和力を有する抗体は、当技術分野で周知のあらゆる種類の方法によって、固体基板に固定化され、次に生体サンプルに曝露することができる。ポリペプチドの固体基板上の抗体への結合は、表面プラスモン共鳴現象を活用することによって検出されることができ、これは例えば、Biacore装置(Biacore International AB、Rapsgatan、スウェーデン)などの適切な機器によって、定性的または定量的に検出することができる、結合時の表面プラスモン共鳴の強度の変化をもたらす。あるいは、抗体は、上述のように標識化され、検出することができる。本願において提供されるポリペプチドの既知量の使用による標準曲線は、ポリペプチドの値の定量化を補助するために生成することができる。
【0062】
他の実施形態において、捕捉抗体が固体基板上に固定化される「サンドイッチアッセイ」は、本願において提供されるポリペプチドの存在の有無、または値を検出するために使用される。固体基板は、サンプル中のあらゆる関心のポリペプチドが固定化抗体に結合するように、生体サンプルと接触することができる。抗体に結合したポリペプチドの存在の有無、または値は、ポリペプチドに特異的な結合親和力を有する「検出」抗体を使用することによって測定されることができる。いくつかの実施形態において、BNP、ならびに本願において提供されるポリペプチドに結合親和力を有する捕捉抗体を使用することができる。本実施形態において、本願において提供される特定のポリペプチドに特異的な結合親和力を有する検出抗体を使用することができる。サンドイッチアッセイにおいて、捕捉抗体は、検出抗体と同一のエピトープ(または、ポリクローナル抗体の場合、エピトープの範囲)に結合してはならないということが理解される。それゆえ、モノクローナル抗体が捕捉抗体として使用される場合、検出抗体は、捕捉モノクローナル抗体が結合するエピトープと完全に物理的に別個であるか、それに部分的にのみ重複する別のモノクローナル抗体であるか、または、捕捉モノクローナル抗体が結合するもの以外か、これに加えたエピトープに結合するポリクローナル抗体であることができる。ポリクローナル抗体が捕捉抗体として使用される場合、検出抗体は、捕捉ポリクローナル抗体が結合するエピトープと完全に物理的に別個であるか、それに部分的にのみ重複するモノクローナル抗体であるか、または、捕捉モノクローナル抗体が結合するもの以外か、これに加えたエピトープに結合するモノクローナル抗体であることができる。サンドイッチアッセイは、サンドイッチELISAアッセイ、サンドイッチウエスタンブロットアッセイ、サンドイッチ免疫磁性検出アッセイとして実施することができる。
【0063】
抗体(例えば、捕捉抗体)が結合することができる適切な固体基板として、マイクロタイタープレート、試験管、ナイロンやニトロセルロース等の膜、およびビーズまたは粒子(例えば、アガロース、セルロース、ガラス、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、電磁または磁化ビーズまたは粒子)を含むがこれに限定されない。磁性または磁化可能な粒子は、自動免疫測定システムが使用される場合に特に有用である。
【0064】
本願において提供されるポリペプチドに特異的な結合親和力を有する抗体は、標準的な方法を通じて産生することができる。概して、ポリペプチドは、上述のとおり、組み換え技術によって産生されることができるか、生体サンプル(例えば、異種発現システム)から精製することができ、ウサギ、ニワトリ、マウス、モルモット、またはラットを含む宿主動物に免疫を与えるために使用することができる。例えば、配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、または少なくとも6アミノ酸の長さであるその断片は、動物に免疫を与えるために使用することができる。免疫反応を改善するために使用されることができる種々のアジュバントは、宿主動物種に依存し、フロインドアジュバント(完全および不完全)、水酸化アルミニウム等の鉱物ゲル、リゾレシチン、プルロニックポリオール、多価陰イオン、ペプチド、油乳剤、キーホールリンペットヘモシアニンおよびジニトロフェノールなどの界面活性物質を含む。モノクローナル抗体は、本願において提供されるポリペプチドおよび標準的なハイブリドーマ技術を使用して調製することができる。具体的には、モノクローナル抗体は、Kohlerら、Nature,256:495(1975)において記述されるもの、ヒトB細胞ハイブリドーマ技法(Kosborら、Immunology Today,4:72(1983)、Coleら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:2026(1983))、およびEBVハイブリドーマ技法(Coleら、,“Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,”Alan R.Liss,Inc.、77−96ページ(1983))等の、培養下の連続継代細胞系によって抗体分子の産生を提供する、いかなる技術によっても取得することができる。こうした抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、IgD、およびそのあらゆるサブクラスを含むあらゆる免疫グロブリンクラスであることができる。モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、生体外および生体内で培養することができる。
【0065】
本願において提供されるポリペプチドを検出するための代替的な技術として、エレクトロスプレーイオン化(ESI)等のマス分光光度法、およびマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)が挙げられる。例えば、Gevaertら、Electrophoresis,22(9):1645−51(2001)、Chaurandら、J.Am.Soc.Mass Spectrom.,10(2):91−103(1999)を参照されたい。かかる用途に有用な質量分析計は、Applied Biosystems(カリフォルニア州、Foster City)、Bruker Daltronics(マサチューセッツ州、Billerica)、およびAmersham Pharmacia(カリフォルニア州、Sunnyvale)から入手が可能である。
【0066】
本発明は、下記の実施例においてより詳細に説明されるが、これは請求項に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
【0067】
実施例
実施例1―ASBNP.1ポリペプチドの生物学的作用
システインに先立って終結し、13アミノ酸C末端後部を含むASBNPの切断型が設計され合成された。このポリペプチドは、ASBNP.1ポリペプチド(図1)とよばれる。静脈内ABNP.1注入の生物学的作用が、健常なイヌにおいてテストされた。概要としては、6頭の健常なイヌに、2、10、および100pmolのASBNP.1ポリペプチド製剤調合液が注入された。すなわち、各イヌは、2、10、および100pmolのASBNP.1ポリペプチド調合液の連続注入を受けた。尿流量、尿ナトリウム排泄量、遠位部分的管状ナトリウム再吸収率、近位管状部分的ナトリウム再吸収率、平均動脈圧、血漿cGMP値、糸球体ろ過量、腎血流量、および血漿レニン値が、別の文献に記載のとおりに測定された(Chenら、Am.J.Physiol.Regul.Integr.Comp.Physiol.,288:R1093−R1097(2005)、およびHaberら、J.Clin.Endocrinol.Metab.,29:1349−1355(2005))。ASBNP.1ポリペプチドの全身投与により、利尿およびナトリウム利尿作用(図2および図3)が生じた。ASBNP.1ポリペプチドの作用は、遠位尿細管(図4および図5)を標的とした。血漿cGMPは、超高用量において上昇した。2つの高用量(図6および図7)において、レニンの減少傾向が見られた。ASBNP.1ポリペプチドの全身投与は、糸球体ろ過量、腎血流量、または平均動脈圧(図8〜図10)に対する作用を有しなかった。
【0068】
これらの結果は、ASBNP.1ポリペプチドが腎臓に対する明確な作用を有し、全身の血圧に作用する能力を欠くことを実証している。
【0069】
以下の実験は、BNP、ASBNP、およびASBNP.1ポリペプチドの作用を比較するために実施された。概要としては、合成された形状のBNP、ASBNP、およびASBNP.1が、HUVECおよびHASMCに投与され、cGMP値が測定された。ASBNP.1がcGMPに対する作用を有しない一方、ASBNPはこれらの細胞において最小作用を有した。これらの結果は、ウサギの前収縮させた動脈に投与された場合(図13)、BNPと比較して、ASBNPおよびASBNP.1は、作用を有しないということを実証している。
【0070】
実施例2―CHFを有する哺乳動物におけるASBNP.1ポリペプチドの生物学的作用
うっ血性心不全(CHF)の心臓ペース制御されたイヌのモデルにおいて、静脈内ABNP.1注入の生物学的作用がテストされた。概要としては、10頭のイヌが、プラグラム可能な心臓ペースメーカー(Medtronic、Minneapolis、MN)の外科的移植を受けた。術後の回復後、動物は11日間の高頻度心室ペーシング(240拍/分)を受け、これは別の文献に記載されるように明らかなうっ血性心不全CHFを誘起することができる(Chenら、Circulation,100:2443−2448(1999))。イヌに、2、10、および100pmolのASBNP.1ポリペプチド調合液が静脈内注入された。すなわち、各イヌは、2、10、および100pmolのASBNP.1ポリペプチド調合液の連続注入を受けた。
【0071】
注入時に、急性の血行動態の検討が実施され、ベースライン時、および各注入時における群およびイヌ間の比較が行われた。尿流量、尿ナトリウム排泄量、遠位部分的管状ナトリウム再吸収率、近位管状部分的ナトリウム再吸収率、血漿cGMP値、レンニン値、糸球体ろ過量、腎血流量、平均動脈圧、尿cGMP排泄量、尿ANP排泄量、尿BNP排泄量、血漿BNP値、血漿ANP値、肺毛細血管楔入圧、心拍出量、体血管抵抗、アンジオテンシンII濃度、およびアルドステロン濃度が、別の文献に記載のとおりに測定された(Chenら、Am.J.Physiol.Regul.Integr.Comp.Physiol.,288:R1093−R1097(2005)、およびHaberら、J.Clin.Endocrinol.Metab.,29:1349−1355(2005))。ASBNP.1ポリペプチドの、心臓ペース制御されたイヌに対する全身投与は、利尿作用を生じたが、ナトリウム利尿作用は生じなかった(図15および図16)。レニン値は、ウォッシュアウト期間を通して上昇した(図20)。ASBNP.1ポリペプチドの全身投与は、高レベルにおいて糸球体ろ過量を増加させた(図21)。ASBNP.1ポリペプチドの全身投与は、高レベルおよび超高レベルにおいて、尿cGMP排泄量(図24)を増加させた。高レベルでは、尿ANP排泄量(図25)も増加した。超高レベルでは、尿BNP排泄量も増加した(図26)。心拍出量は、高レベルのポリペプチドの投与から減少し、実験の残りの間中減少を続けた(図30)。全身血管抵抗は、高、超高、ウォッシュアウト、および回復1フェーズ(図31)の間、上昇した。アルドステロンは、低レベルのポリペプチドの投与から増加し、実験の残りの間中増加を続けた(図33)。遠位尿細管部分的ナトリウム再吸収率、近位管状部分的ナトリウム再吸収率、腎血流量、血漿cGMP、平均動脈圧、血漿BNP、血漿ANP、肺毛細血管楔入圧、またはアンジオテンシンII濃度(図17、18、19、22、23、28、29、and 32)に対しては作用を有しなかった。
【0072】
これらの結果は、ASBNP.1ポリペプチドが腎臓に対する作用(強化GFRを含む)を有し、CHF動物における全身の血圧に作用する能力を欠くということを実証している。
【0073】
別の実験において、ASBNP.1ポリペプチド調合液がイヌに投与された(100pmol/kg/分、90分間)。尿中のナトリウム排泄量、尿流量、平均動脈圧、腎血流量、肺毛細血管楔入圧、および心拍出量が、30分、60分、および90分のASBNP.1ポリペプチド投与時に測定された。ASBNP.1ポリペプチド投与に続いて、30分のウォッシュアウト期間がもうけられた。ウォッシュアウトは、通常の生理食塩水を投与することによって実施された。尿中のナトリウム排泄量、尿流量、平均動脈圧、腎血流量、肺毛細血管楔入圧、および心拍出量は、ウォッシュアウト期間後、およびASBNP.1ポリペプチドの投与後の、2回の回復期間、60分(回復1)および90分(回復2)の各回後に、再度測定された。結果を図34−39に示す。ASBNP.1ポリペプチドの、投与量100pmol/kg/分における90分間の投与は、尿ナトリウム排出および尿流量を増加させることが観察された(図34および35)。平均動脈圧、腎血流量、または心拍出量には、有意な効果は観察されなかった(図36、37、および39)。肺毛細血管楔入圧の低下が、ASBNP.1ポリペプチド投与の60分後、PAP(肺動脈圧)またはRAP(右動脈圧)の変化を伴わずに観察された(図38)。
【0074】
実施例3―動物モデルを使用したASBNP.1ポリペプチドの生物学的作用
ASBNP.1注入の作用が、TIVCCモデル(肝硬変およびネフローゼに類似した症状を呈するナトリウム貯留のイヌのモデル)においてさらに評価される。別の文献に記載されるように、併用なしのナトリウム貯留および腹水の、心充満圧上昇を伴わないTIVCCモデルである(Weiら、Am.J.Physiol.,273:R838−844(1997))。ASBNP.1ポリペプチドは、TIVCCモデルにおいて、100pmol.kg/分を上限とする漸増用量を使用してテストされた。
【0075】
実施例4―高頻度心室ペーシングによって産生される心不全を有するイヌにおける、放射線造影剤による腎症の誘起
ペントバルビタール麻酔下(30mg/kg)で、左開胸ならびに心膜切除術により、心臓が露出され、ねじ込み式心外膜ペースメーカーのリードが、右心室に埋設される。ペースメーカーのリードは、胸部皮下に埋設されたペースメーカーと接続される。また、ペースメーカー埋設時、腎臓の血管から少なくとも6cm上部の大動脈内に、大腿動脈を経由してポリエチレンカテーテル(PE 240、Clay Adams、米国、ニュージャージー州、Parsippany)が設置される。イヌは、3日間の期間回復させられ、この期間内に、イヌはクリンダマイシンおよびCombaterによる抗生予防的治療を受ける。手術からの回復に続いて、ペースメーカーが毎分250拍にプログラムされ、ペーシングはこの速度で10日間継続され、心不全が産生される。
【0076】
ペーシング開始から11日後の急性実験の日、放射線造影剤(Vascoray(登録商標)、Mallinkrodt、Inc.、米国、ミズーリー州、St.Louis)が、7mL/kgの用量で、10分間にわたり静脈内注入される。イヌは、別の文献に記載の造影剤による腎症の観測のため、6回にわたる一連の24時間尿採取のために、代謝ケージに戻される(Marguliesら、Kidney International,38(6):1101−8(1990))。
【0077】
いくつかの実験において、放射線造影剤の投与前に、ASBNP.1ポリペプチドが心臓ペース制御されたイヌに投与される。各イヌには、2、10、および100pmolのASBNP.1ポリペプチドの連続注入、または100pmolのASBNP.1ポリペプチドの、1回の90分間の注入が投与される。尿中のナトリウム排泄量、尿流量、平均動脈圧、腎血流量、肺毛細血管楔入圧、および心拍出量が、ウォッシュアウト期間後、ASBNP.1ポリペプチドの投与の30分後、60分後、および90分後、およびウォッシュアウト期間に続く2回の回復期間の各期間中に、に測定された。臨床的指標の測定は、放射線造影剤の投与前にASBNP.1を投与されていない、対照のイヌから得られた測定値と比較される。
【0078】
実施例5―CHFを有する患者を含む、高い危険を有する患者における造影剤による腎不全の予防
画像化(例えば、血管造影法またはCT)のために造影を必要とする、造影剤に起因する腎症(contrast−induced nephrophathy,CIN)の高い危険がある患者(例えば、高齢の患者および慢性腎不全、糖尿病、および心不全の危険性がある患者)が、造影剤の投与前のASBNPポリペプチドまたはASBNP.1ポリペプチドの静脈注入によって、予防的に治療される。注入前に、バイタルサインが測定され、電気分解、血清中クレアチニン、シスタチン、およびBNPポリペプチド値を測定するために臨床検査が実施される。ASBNPポリペプチドを検出するBiosite BNPアッセイを使用して、および/またはASBNPポリペプチドに特異的なアッセイを使用して、BNPポリペプチド値を取得する。ベースライン尿排出量が測定され、尿電気分解が評価される。造影剤投与前に、ASBNPポリペプチド、ASBNP.1ポリペプチド、または誘導体の静脈内注入が開始される。バイタルサインおよび尿排出量が、注入中2時間毎に評価される。開始から所定の時間後に、患者は造影剤投与を受ける。この時間は、ポリペプチドの特異的なアッセイによって測定されるポリペプチド値の一定の濃度の達成と同時であり得る。造影剤投与に続き、注入は8時間〜24時間、または血清中クレアチニンおよび/またはシスタチンがベースラインから変化しないと認められるまで継続される。
【0079】
実施例6―心腎臓症候群の治療
急性非代償性心不全環境において、利尿耐性を伴う腎機能の悪化を発現している患者が、ASBNPポリペプチドまたはASBNP.1ポリペプチドの静脈注入によって、予防的に治療される。注入前に、バイタルサインが測定され、電気分解、血清中クレアチニン、シスタチン、およびBNPポリペプチド値を測定するために臨床検査が実施される。ベースライン尿排出量が測定され、尿電気分解が評価される。ASBNPポリペプチド、ASBNP.1ポリペプチド、またはそれらの誘導体の静脈内注入が開始される。バイタルサインおよび尿排出量は、注入中2時間毎、12時間〜72時間の期間にわたって評価される。薬物濃度、BNPポリペプチド値、血清中クレアチニン、シスタチン、および血漿および尿電気分解は、注入中にわたり、毎日評価される。
【0080】
他の実施形態
本発明は、その詳細な記述とあわせて記載されたが、上記の記述は、説明を意図するものであり、本発明の範囲を限定するものではないと理解されたい。本発明の範囲は、添付の請求項の範囲によって定義される。他の側面、長所、および変更は、下記の請求項の範囲内にあるものとする。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年6月13日に出願された、米国特許仮出願第60/934,584号および2006年8月8日に出願された米国特許仮出願第60/836,581号に対して優先権を主張する。
【0002】
1.技術分野
本書は、利尿ポリペプチドおよびナトリウム利尿ポリペプチド等の方法ならびに材料に関する。例えば、本書は、血圧を低下させる能力を有さない一方で、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができるポリペプチドに関する。
【背景技術】
【0003】
2.背景情報
ナトリウム利尿ポリペプチド群のメンバーは、体液のホメオスタシスを制御するホルモンである。心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、増加する血管内容量に対応して、心房性細胞から分泌される。一旦ANPが循環血液中に入ると、主に腎臓、血管組織、および副腎に影響が及び、その作用は腎臓によるナトリウムおよび水の排出と、血管内容量および血圧の低下をもたらす。BNPもまた心筋細胞に由来し、ANP同様、ヒト血漿内で循環する。BNPは、ナトリウム利尿性、レンニン阻害性、血管拡張性、および拡張機能性を有する。BNPの主な循環型および貯蔵型は、リング構造を有する32アミノ酸ポリペプチドである。BNPの生理作用は、グアニル酸シクラーゼ結合の受容体である、ナトリウム利尿ペプチド受容体A(NPR−A)によって媒介される。BNPのクリアランスは、BPNを循環から取り除くNPR−C受容体によって促進される。BNPはまた、中性エンドペプチダーゼによる酵素的切断によって分解される。C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は、内皮細胞由来であり、血管拡張および増殖阻害ポリペプチドとして機能する。Dendroaspis ナトリウム利尿ペプチド(DNP)は、ANP、BNP、およびCNPと類似の構造であり、デンドアスピス・アンガスチセプ(Dendoaspis angusticep)、すなわちグリーンマンバ蛇の毒液から単離される。
【発明の概要】
【0004】
概要
本書は、利尿ポリペプチドおよびナトリウム利尿ポリペプチドに関する。例えば、本書は、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有するポリペプチドを提供する。利尿作用を有するポリペプチドは、高血圧、腎臓病、肝硬変、うっ血性心不全、またはあらゆる体液過剰状態の治療のため、医療的に使用することができる。ナトリウム利尿作用を有するポリペプチドは、体内からのナトリウムの除去を増加させることができ、高血圧、腎臓病、肝硬変、うっ血性心不全、またはあらゆるナトリウム過剰状態の治療のため、医療的に使用することができる。
【0005】
いくつかの場合において、本願において提供されるポリペプチドは、血圧を低下させる能力を有さない一方で、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。いくつかの場合において、本願において提供されるポリペプチドは、検出可能なナトリウム利尿効果を誘起することなく、検出可能な利尿効果を誘起するという条件の下で、また、糸球体ろ過量に影響を及ぼす一方で、うっ血性心不全を有する哺乳動物に投与することができる。
【0006】
概して、本書の一側面は、実質的に純粋な、37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペブチドを特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する(align)アミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成る。ポリペプチドの長さは、38〜46アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、39〜45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、40〜44アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、41〜43アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、37アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、47アミノ酸残基であることができる。アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列であることができる。アミノ酸配列は、4つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、3つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、2つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、1つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の付加を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の欠失を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の置換を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができ、アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列である。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。ポリペプチドは、哺乳動物において、血圧を下げる能力に欠け得る。哺乳動物とは、ヒトまたはイヌであることができる。
【0007】
別の側面において、本書は、実質的に純粋な、45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成り、該ポリペプチドは、(a)配列番号:2に記載の、または(b)(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む。ポリペプチドの長さは、58〜63アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、60アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドは、65アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの配列は、配列番号:3に記載の配列であることができる。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。
【0008】
別の側面において、本書は、37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペブチドをコードする単離核酸を特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成る。ポリペプチドの長さは、38〜46アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、39〜45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、40〜44アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、41〜43アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、37アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、47アミノ酸残基であることができる。アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列であることができる。アミノ酸配列は、4つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、3つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、2つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、1つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の付加を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の欠失を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の置換を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができ、アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列である。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。ポリペプチドは、哺乳動物において、血圧を下げる能力に欠け得る。哺乳動物とは、ヒトまたはイヌであることができる。
【0009】
別の側面において、本書は、45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする単離核酸を特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成り、該ポリペプチドは、(a)配列番号:2に記載の、または(b)(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む。ポリペプチドの長さは、58〜63アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、60アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドは、65アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの配列は、配列番号:3に記載の配列であることができる。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。
【0010】
別の側面において、本書は、37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペブチドをコードする核酸を含むベクターを特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成る。ポリペプチドの長さは、38〜46アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、39〜45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、40〜44アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、41〜43アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、37アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、47アミノ酸残基であることができる。アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列であることができる。アミノ酸配列は、4つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、3つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、2つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、1つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の付加を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の欠失を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の置換を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができ、アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列である。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。ポリペプチドは、哺乳動物において、血圧を下げる能力に欠け得る。哺乳動物とは、ヒトまたはイヌであることができる。
【0011】
別の側面において、本書は、45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする核酸を含むベクターを特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成り、該ポリペプチドは、(a)配列番号:2に記載の、または(b)(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む。ポリペプチドの長さは、58〜63アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、60アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドは、65アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの配列は、配列番号:3に記載の配列であることができる。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。
【0012】
別の側面において、本書は、37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペブチドをコードする核酸を含む宿主細胞を特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成る。ポリペプチドの長さは、38〜46アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、39〜45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、40〜44アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、41〜43アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、37アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、47アミノ酸残基であることができる。アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列であることができる。アミノ酸配列は、4つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、3つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、2つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、1つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の付加を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の欠失を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の置換を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができ、アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列である。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。ポリペプチドは、哺乳動物において、血圧を下げる能力を欠き得る。哺乳動物とは、ヒトまたはイヌであることができる。宿主細胞は、真核生物宿主細胞であることができる。
【0013】
別の側面において、本書は、45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞を特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成り、該ポリペプチドは、配列番号:2に記載の、または(b)(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む。ポリペプチドの長さは、58〜63アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、60アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドは、65アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの配列は、配列番号:3に記載の配列であることができる。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。宿主細胞は、真核生物宿主細胞であることができる。
【0014】
別の側面において、本書は、薬学的に許容される担体および37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペブチドを含む薬学的組成を特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成る。ポリペプチドの長さは、38〜46アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、39〜45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、40〜44アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、41〜43アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、37アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、47アミノ酸残基であることができる。アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列であることができる。アミノ酸配列は、4つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、3つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、2つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、1つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の付加を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の欠失を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の置換を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができ、アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列である。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。ポリペプチドは、哺乳動物において、血圧を下げる能力を欠き得る。哺乳動物とは、ヒトまたはイヌであることができる。
【0015】
別の側面において、本書は、薬学的に許容される担体および45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを含む薬学的組成を特徴とし、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成り、該ポリペプチドは、(a)配列番号:2に記載の、または(b)(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む。ポリペプチドの長さは、58〜63アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、60アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドは、65アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの配列は、配列番号:3に記載の配列であることができる。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。
【0016】
別の側面において、本書は、哺乳動物において、血圧を低下させることなく利尿作用およびナトリウム利尿作用を増大させるための方法を特徴する。該方法は、哺乳動物にポリペプチドを投与するステップを含むか、または本質的にこれから成り、該ポリペプチドは、37〜47アミノ酸残基の長さであり、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成る。ポリペプチドの長さは、38〜46アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、39〜45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、40〜44アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、41〜43アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、37アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、47アミノ酸残基であることができる。アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列であることができる。アミノ酸配列は、4つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、3つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、2つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、1つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の付加を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の欠失を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。アミノ酸配列は、5つ以下のアミノ酸の置換を伴って、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に整列することができる。ポリペプチドの長さは、42アミノ酸残基であることができ、アミノ酸配列は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列である。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。ポリペプチドは、哺乳動物において、血圧を下げる能力を欠き得る。哺乳動物とは、ヒトまたはイヌであることができる。
【0017】
別の側面において、本書は、哺乳動物において、血圧を低下させることなく利尿作用およびナトリウム利尿作用を増大させるための方法を特徴とする。該方法は、哺乳動物にポリペプチドを投与するステップを含むか、または本質的にこれから成り、該ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであり、該ポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含むか、または本質的にこれから成り、該ポリペプチドは、(a)配列番号:2に記載の、または(b)(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む。ポリペプチドの長さは、58〜63アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、60アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの長さは、45アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドは、65アミノ酸残基であることができる。ポリペプチドの配列は、配列番号:3に記載の配列であることができる。ポリペプチドは、利尿作用およびナトリウム利尿作用を有することができる。
【0018】
別の側面において、本書は、腎機能障害を有する哺乳動物を治療するための方法を特徴とする。該方法は、腎機能障害の症状の重症度の軽減を条件として、哺乳動物にポリペプチドを投与するステップを含むか、または本質的にこれから成る。哺乳動物とは、ヒトであることができる。腎機能障害は、腎不全を含むことができる。腎機能障害は、うっ血性心不全を伴う腎不全を含むことができる。ポリペプチドは、静脈内、経口的、または鼻腔内に投与されることができる。ポリペプチドは、徐放製剤として投与されることができる。ポリペプチドは、37〜47アミノ酸残基の長さであることができ、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、37〜47アミノ酸残基の長さであることができ、5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであることができ、(i)配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列と、(ii)配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであることができ、5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、第1アミノ酸配列と、配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであって、ポリペプチドの配列は、配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列を含むことができ、(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであって、5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、第1アミノ酸配列を含み、(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む。症状とは、血清クレアチニン値異常、尿流量異常、レニン値異常、糸球体ろ過量異常、尿cGMP排泄率異常、尿ANP排泄率異常、尿BNP排泄率異常、心拍出量異常、体血管抵抗異常、またはアルドステロン値異常を含むことができる。症状は、尿流量の減少を含むことができ、哺乳動物の尿流量は、投与ステップ後、少なくとも50%増加する。症状は、レニン値の低下を含むことができ、哺乳動物のレニン値は、投与ステップ後、少なくとも50%増加する。症状は、糸球体ろ過量の減少を含むことができ、哺乳動物の糸球体ろ過量は、投与ステップ後、少なくとも50%増加する。症状は、尿cGMP排泄率の低下を含むことができ、哺乳動物の尿cGMP排泄率は、投与ステップ後、少なくとも25%増加する。症状は、尿ANP排泄率の低下を含むことができ、哺乳動物の尿ANP排泄率は、投与ステップ後、少なくとも25%増加する。症状は、尿BNP排泄率の低下を含むことができ、哺乳動物の尿BNP排泄率は、投与ステップ後、少なくとも25%増加する。症状は、心拍出量の増加を含むことができ、哺乳動物の心拍出量は、投与ステップ後、少なくとも2%減少する。症状は、体血管抵抗の低下を含むことができ、哺乳動物の体血管抵抗は、投与ステップ後、少なくとも10%増加する。症状は、アルドステロン値の低下を含むことができ、哺乳動物のアルドステロン値は、投与ステップ後、少なくとも10%増加する。
【0019】
別の側面において、本書は、炎症状態を有する哺乳動物を治療するための方法を特徴とする。該方法は、炎症状態の症状の重症度の軽減を条件として、哺乳動物にポリペプチドを投与するステップを含むか、または本質的にこれから成る。哺乳動物とは、ヒトであることができる。ポリペプチドは、静脈内、経口的、または鼻腔内に投与されることができる。ポリペプチドは、徐放製剤として投与されることができる。ポリペプチドは、37〜47アミノ酸残基の長さであることができ、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、37〜47アミノ酸残基の長さであることができ、5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであることができ、(i)配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列と、(ii)配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであることができ、5つ以下のアミノ酸欠損、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列と、配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列を含む。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであることができ、配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列と、(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列とを含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであって、5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含み、(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列とを含む。
【0020】
別の側面において、本書は、心機能障害を有する哺乳動物を治療するための方法を特徴とし、該方法は、心機能障害の重症度の軽減を条件として、哺乳動物にポリペプチドを投与するステップを含むか、または本質的にこれから成る。哺乳動物とは、ヒトであることができる。心機能障害は、心不全を含むことができる。心機能障害は、腎不全を伴う、うっ血性心不全を含むことができる。ポリペプチドは、静脈内、経口的、または鼻腔内に投与されることができる。ポリペプチドは、徐放製剤として投与されることができる。ポリペプチドは、37〜47アミノ酸残基の長さであることができ、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、37〜47アミノ酸残基の長さであることができ、5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであることができ、(i)配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列と、(ii)配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであって、5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列と、配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであって、配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列と、(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列とを含む。ポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであって、5以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含み、(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む。
【0021】
別様に定義されない限り、本願において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が関係する当業者によって広く理解されているものと同一の意味を有する。本発明の実施において、本願に記載の方法および材料に類似のまたは同等のものが使用されることができるが、適切な方法および材料が下記に記載される。本願において言及される、全ての、出版物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照によって全体として本願に組み込まれる。不一致が生じた場合、定義を含む本願明細書が優先する。また、材料、方法、および実施例は説明のみを目的とし、制限を意図するものではない。
【0022】
本発明の一以上の実施形態の詳細は、添付の図面および下記の説明に記載される。本発明の他の特徴、目的、および長所は、該説明および図面、ならびに請求項により明白である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】60アミノ酸残基の長さであるASBNPポリペプチド(配列番号:4)、42アミノ酸残基の長さであるASBNP.1ポリペプチド(配列番号:1)、60アミノ酸残基の長さである、アラニンが43の位置にあるASBNP.2ポリペプチド(配列番号:3)の概略図である。43の位置にあるアラニンから60の位置にあるロイシンまでのASBNP.2の配列は、18アミノ酸残基の長さ(配列番号:2)である。ASBNP(BNP2ともいう)は、選択的スプライシングによって発生したBNPの異型である。
【図2】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの尿流量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図3】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの尿ナトリウム排出量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図4】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの遠位分別管ナトリウム再吸収率を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図5】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの近位分別管ナトリウム再吸収率を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期である。
【図6】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの血漿cGMP値を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図7】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの血漿レニン活性を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図8】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの糸球体ろ過量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図9】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの腎血流量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図10】図に示すようにASBNP.1で治療されたイヌの平均動脈圧値を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図11】図に示す濃度のBNP、ASBNP、またはASBNP.1で治療したHUVECSにおける、cGMP値を示す棒グラフである。OXは酸化、非OXは非酸化を示す。
【図12】図に示す濃度のBNP、ASBNP、またはASBNP.1で治療したHASMCSにおける、cGMP値を示す棒グラフである。OXは酸化、非OXは非酸化を示す。
【図13】図に示す濃度のBNP、ASBNP、またはASBNP.1で治療されたウサギの血管輪から取得された、血管活性測定値を示す線グラフである。
【図14】ASBNP.1ポリペプチドをコードすることができる核酸配列(配列番号:5)と、ASBNP.2ポリペプチドをコードすることができる核酸配列(配列番号:6)を含む。
【図15】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの尿流量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図16】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの尿ナトリウム排出量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図17】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの遠位分別管ナトリウム再吸収率を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図18】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの近位分別管ナトリウム再吸収率を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図19】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの血漿cGMP値を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図20】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの血漿レニン活性(ng/mL/時間)を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図21】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの糸球体ろ過量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図22】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの腎血流量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図23】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの平均動脈圧値を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図24】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの尿cGMP排泄量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図25】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの尿ANP排泄量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図26】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの尿BNP排泄量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図27】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの血漿BNP値を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図28】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの血漿ANP値を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図29】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの肺毛細血管楔入圧を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図30】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの心拍出量を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図31】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌの体血管抵抗を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図32】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌのアンジオテンシンII濃度を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図33】図に示すようにASBNP.1で治療された、心臓ペース制御されたイヌのアルドステロン濃度を示す棒グラフである。ベースラインは投与前、低は2pmol、高は10pmol、超高は100pmol、回復1は第1の回復期、回復2は第2の回復期である。
【図34】90分間のASBNP.1ポリペプチド(100pmol/kg/分)の投与開始後、図に示す時間における、心臓ペース制御されたイヌの尿ナトリウム排出(μEq/分)を示すグラフである。BL=ベースライン、30分=30分間のASBNP.1ポリペプチド投与、60分=60分間のASBNP.1ポリペプチド投与、90分=90分間のASBNP.1ポリペプチド投与、ウォッシュアウト=注入停止時、ウォッシュアウト期間後、回復1=注入停止30分後、回復2=注入停止60分後である。
【図35】90分間のASBNP.1ポリペプチド(100pmol/kg/分)の投与開始後、図に示す時間における、心臓ペース制御されたイヌの尿流量(mL/分)を示すグラフである。BL=ベースライン、30分=30分間びASBNP.1ポリペプチド投与、60分=60分間のASBNP.1ポリペプチド投与、90分=90分間のASBNP.1ポリペプチド投与、ウォッシュアウト=注入停止時、ウォッシュアウト期間後、回復1=30分注入停止後、回復2=60分注入停止後である。
【図36】90分間のASBNP.1ポリペプチド(100pmol/kg/分)の投与開始後、図に示す時間における、心臓ペース制御されたイヌの平均動脈圧(mmHg)を示すグラフである。BL=ベースライン、30分=30分間のASBNP.1ポリペプチド投与、60分=60分間のASBNP.1ポリペプチド投与、90分=90分間のASBNP.1ポリペプチド投与、ウォッシュアウト=注入停止時、ウォッシュアウト期間後、回復1=注入停止30分後、回復2=注入停止60分後である。
【図37】90分間のASBNP.1ポリペプチド(100pmol/kg/分)の投与開始後、図に示す時間における、心臓ペース制御されたイヌの腎血流量を示すグラフである。BL=ベースライン、30分=30分間のASBNP.1ポリペプチド投与、60分=60分間のASBNP.1ポリペプチド投与、90分=90分間のASBNP.1ポリペプチド投与、ウォッシュアウト=注入停止時、ウォッシュアウト期間後、回復1=30分注入停止後、回復2=60分注入停止後である。
【図38】90分間のASBNP.1ポリペプチド(100pmol/kg/分)の投与開始後、図に示す時間における、心臓ペース制御されたイヌの肺毛細血管楔入圧を示すグラフである。BL=ベースライン、30分=30分間のASBNP.1ポリペプチド投与、60分=60分間のASBNP.1ポリペプチド投与、90分=90分間のASBNP.1ポリペプチド投与、ウォッシュアウト=注入停止時、ウォッシュアウト期間後、回復1=30分注入停止後、回復2=60分注入停止後である。
【図39】90分間のASBNP.1ポリペプチド(100pmol/kg/分)の投与開始後、図に示す時間における、心臓ペース制御されたイヌの心拍出量(l/分)を示すグラフである。BL=ベースライン、30分=30分間のASBNP.1ポリペプチド投与、60分=60分間のASBNP.1ポリペプチド投与、90分=90分間のASBNP.1ポリペプチド投与、ウォッシュアウト=注入停止時、ウォッシュアウト期間後、回復1=30分注入停止後、回復2=60分注入停止後である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
本書は、利尿ポリペプチドおよびナトリウム利尿ポリペプチドに関する。例えば、本書は、利尿および/またはナトリウム利尿作用を有するポリペプチドを提供する。いくつかの場合において、本願において提供されるポリペプチドは、血圧を低下させる能力を欠く一方で、利尿および/またはナトリウム利尿作用を有することができる。本書はまた、哺乳動物において利尿および/またはナトリウム利尿作用を誘起する方法および材料を提供する。
【0025】
本願において提供されるポリペプチドは、あらゆる配列を有することができ、あらゆる長さを有することができる。例えば、本願において提供されるポリペプチドは、配列番号:1、配列番号:2、または配列番号:3に記載される配列を含むことができる。いくつかの場合において、本願において提供されるポリペプチドは、10以下の(例えば、9つ以下の、8つ以下の、7つ以下の、6つ以下の、5つ以下の、4つ以下の、3つ以下の、2つ以下の、1、または0)アミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1、配列番号:2、または配列番号:3に記載の配列に整列する、アミノ酸配列を含むことができる。例えば、本願において提供されるポリペプチドは、配列番号:1の第1セリン残基または最終バリン残基が、欠失、または異なるアミノ酸残基によって置換されるという例外を除き、配列番号:1に記載の配列を含むことができる。
【0026】
いくつかの場合において、本願において提供されるポリペプチドは、(a)配列番号:1に記載の、または10以下(例えば、9つ以下、8つ以下、7つ以下、6つ以下、5つ以下、4つ以下、3つ以下、2つ以下、1、または0)のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列、および(b)配列番号:2に記載の、または(i)10以下(例えば、9つ以下、8つ以下、7つ以下、6つ以下、5つ以下、4つ以下、3つ以下、2つ以下、1、または0)のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下(例えば、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9つ以下、8つ以下、7つ以下、6つ以下、5つ以下、4つ以下、3つ以下、2つ以下、1、または0)のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含むことができる。例えば、本願において提供されるポリペプチドは、配列番号:3の43の位置にあるシステイン残基が、システイン以外のアミノ酸(例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、またはバリン)であるという例外を除き、配列番号:3に記載の配列を含むか、それから成ることができる。
【0027】
配列番号:1、配列番号:2または配列番号:3に記載のポリペプチド配列に対して、1つ以上のアミノ酸の置換を有するポリペプチドは、本願に記載のとおりに調製および変更されることができる。アミノ酸の置換は、同類アミノ酸の置換であることも、非同類アミノ酸の置換であることもできる。同類アミノ酸の置換には、例えば、酸性アミノ酸残基(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)と、別の酸性アミノ酸残基との置換、塩基性アミノ酸残基(例えば、リジン、アルギニンまたはヒスチジン)と、別の塩基性アミノ酸残基との置換、疎水性アミノ酸残基と、別の疎水性アミノ酸残基との置換(例えば、ロイシンのイソロイシンとの置換、メチオニンのバリンとの置換、またはアラニンのバリンとの置換)、および親水性アミノ酸残基(例えば、セリン、グリシンまたはトレオニン)と、別の親水性アミノ酸残基との置換を含む。
【0028】
同類アミノ酸の置換はまた、特定の型の側鎖を有するアミノ酸残基の、類似の型の側鎖を有する別のアミノ酸残基との置換を含む。例えば、同類アミノ酸の置換は、脂肪族側鎖(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、またはイソロイシン)を有するアミノ酸残基の、脂肪族側鎖を有する別のアミノ酸残基との置換、脂肪族ヒドロキシル側鎖(例えば、セリンまたはトレオニン)を有するアミノ酸残基の、脂肪族ヒドロキシル側鎖を有する別のアミノ酸残基との置換、アミド含有の側鎖(例えば、アスパラギンまたはグルタミン)を有するアミノ酸残基の、アミド含有の側鎖を有する別のアミノ酸残基との置換、芳香族側鎖(例えば、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファン)を有するアミノ酸残基の、芳香族側鎖を有する別のアミノ酸残基との置換、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、またはヒスチジン)を有するアミノ酸残基の、塩基性側鎖を有する別のアミノ酸残基との置換、および含硫の側鎖(例えば、システインまたはメチオニン)を有するアミノ酸残基の、含硫の側鎖を有する別のアミノ酸残基との置換を含む。
【0029】
本願において提供されるポリペプチドは、どのような長さであってもよい。例えば、本願において提供されるポリペプチドは、25〜75(例えば、30〜70、32〜60、32〜57、32〜50、32〜45、35〜43、または38〜43)アミノ酸残基の長さであってもよい。25または75アミノ酸残基の長さのポリペプチドは、25〜75アミノ酸残基の長さのポリペプチドであると理解されるものとする。
【0030】
いくつかの場合において、本願において提供されるポリペプチドは、37〜47アミノ酸残基の長さであってもよく、(a)配列番号:1に記載の、または(b)5つ以下のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含むことができる。かかるポリペプチドの例として、ASBNP.1ポリペプチドを含むがこれに限定されない。いくつかの場合において、本願において提供されるポリペプチドは、45〜65アミノ酸残基の長さであってもよく、(a)配列番号:1に記載の、または、5つ以下のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列と、(b)配列番号:2に記載の、または(i)5つ以下のアミノ酸の付加、置換、またはそれらの組み合わせであって、ただし、付加または置換は、システイン残基の存在という結果を生じないもの、または(ii)15以下のアミノ酸の欠失を伴って、配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含むことができる。かかるポリペプチドの例として、ASBNP.2ポリペプチドを含むがこれに限定されない。
【0031】
いくつかの場合において、本願において提供されるポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであってもよい。本願においてポリペプチドに関して使用される「実質的に純粋」という用語は、ポリペプチドは、それに自然においては伴う他のポリペプチド、脂質、炭水化物、および核酸を実質的に有しないことを意味する。それゆえ、実質的に純粋なポリペプチドとは、その自然環境から離された、少なくとも60%純粋な、あらゆるポリペプチドであるか、またはあらゆる化学的に合成したポリペプチドである。実質的に純粋なポリペプチドは、少なくとも約60、65、70、75、80、85、90、95、または99%純粋であり得る。通常、実質的に純粋なポリペプチドは、非還元性ポリアクリルアミドゲル上に単一の主要バンドを呈する。
【0032】
いくつかの実施形態において、本願において提供されるポリペプチドは、ヒト臍血管内皮細胞(HUVEC)におけるcGMPの産生を促進する能力を欠き得る。細胞内のcGMPの産生は、例えば、BIOTRACK cGMP酵素免疫測定キット(Amersham Pharmacia Biotech)を使用して分析することができる。他の実施形態において、本願において提供されるポリペプチドは、血管作用を欠き得る。血管作用は、血管(例えば、臓器チャンバ内の頸動脈)のポリペプチドに対する応答速度を測定することによって分析することができる。
【0033】
本願において提供されるポリペプチドは、ポリペプチドをコードする組み換え核酸の発現によって、または化学合成によって取得することができる。例えば、本願において提供されるポリペプチドをコードする発現ベクターを使用する、標準的な組み換え技術を使用することができる。得られたポリペプチドは、次に、例えば、親和性クロマトグラフ法およびHPLCを使用して精製することができる。精製の程度は、カラムクロマトグラフィ、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、または高速液体クロマトグラフィを含むがこれに限定されない、あらゆる適切な方法によって測定され得る。本願において提供されるポリペプチドは、ポリペプチドが精製されることを可能とする(例えば、親和性マトリクス上に捕捉される)タグ配列を含むように設計することができる。例えば、c−myc、血球凝集素、ポリヒスチジン、またはFlag(商標)タグ(Kodak)等のタグは、ポリペプチドの精製を補助するために使用され得る。かかるタグは、カルボキシル末端またはアミノ末端のいずれかを含む、ポリペプチド内のあらゆる場所に挿入することができる。使用することのできる他の融合には、ポリペプチドの検出を補助する、アルカリ性ホスファターゼ等の酵素を含む。
【0034】
本願において提供されるポリペプチドは、成熟したナトリウム利尿ポリペプチド(例えば、BNP、DNP、ANP、またはCNP)のN末端およびリング構造を含む第1領域、およびASBNPのC末端部分の突然変異型または切断型を含む第2領域の2つの領域を含むように産生することができる。BNP、DNP、ANP、およびCNPのN末端およびリング構造は、別の文献に記載される。例えば、米国特許出願第10/561,014号を参照されたい。
【0035】
本願において提供されるポリペプチドは、薬学的に許容される毒性のない賦形剤または担体と混合することによって、薬学的組成物として製剤することができる。かかる組成物は、例えば、心臓、肝臓、腎臓、または他のナトリウム貯留状態を治療するために効果的な量を、これを必要とする被験者に投与されることができる。例えば、かかる組成物は、腎機能障害を有する対象に投与されることができる。腎機能障害は、急性腎不全、糸球体腎炎、慢性腎不全、高窒素血症、尿毒症、免疫腎臓病;急性腎炎症候群、急速進行性腎炎症候群、ネフローゼ症候群、バーガー病(Berger’s Disease)、慢性腎炎/タンパク尿症候群、尿細管間質性疾患、腎毒性障害、腎梗塞、アテローム塞栓性腎疾患、腎皮質壊死、悪性腎硬化症、腎静脈血栓症、尿細管性アシドーシス、腎性糖尿、腎性尿崩症、バーター症候群、リドル症候群、多嚢性腎疾患、間質性腎炎、急性溶血性尿毒症症候群、髄質嚢胞腎、海綿腎、遺伝性腎炎、および爪・膝蓋骨症候群を含むことができるが、これに限定されない。
【0036】
本願において提供される組成物はまた、心機能障害を有する対象に投与することができる。心機能障害は、慢性心不全(chrinic heart failure,CHF)、拡張したうっ血性心筋症、肥大型性心筋症、拘束型心筋症、僧帽弁疾患、大動脈弁疾患、三尖弁膜症、狭心症、心筋梗塞、心不整脈、肺高血圧症、動脈性高血圧、腎血管性高血圧、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、および心臓腫瘍を含むことができるが、これに限定されない。
【0037】
本願において提供される組成物はまた、炎症状態を有する対象に投与することができる。炎症状態は、心筋炎、ぜんそく、慢性炎症、自己免疫性糖尿病、腫瘍の血管新生、関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、痛風性関節炎および他の関節炎状態、敗血症、敗血性ショック、内毒素性ショック、グラム陰性菌敗血症、毒素性ショック症候群、ぜんそく、成人呼吸窮迫症候群、卒中、再かん流傷害、神経外傷および虚血等の中枢神経系障害、乾癬性再狭窄、脳マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺類肉腫症(pulmonary sarcosis)、骨粗しょう症などの骨吸収疾患、対宿主性移植片反応、クローン病、炎症性大腸炎(IBD)を含む潰瘍性大腸炎、および発熱症(pyresis)を含むことができるが、これに限定されない。
【0038】
医薬組成物は、非経口的投与のためには、特に溶液または生理的緩衝水溶液中の懸濁状に、経口投与のためには、特にタブレットまたはカプセル状に、または鼻腔内投与のためには、特に粉末、点鼻薬、またはエアロゾル状に調製することができる。他の投与経路のための組成物は、標準的な方法を使用して、要望に応じて調製することができる。
【0039】
非経口的投与のための製剤は、一般的な賦形剤として、滅菌水または生理食塩水、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール、植物由来の油脂、水素化ナフタレン等を含むことができる。具体的には、生体適合性のある、生分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー、またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーが、生体内でのポリペプチドの放出を制御するための賦形剤の例である。他の適切な非経口的送達システムには、エチレン−ビニルアセチレンコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、埋め込み式注入システム、およびリポソームを含む。吸入投与のための製剤には、要求に応じて乳糖等の賦形剤を含むことができる。吸入製剤は、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココール酸塩およびデオキシコール酸塩を含む水溶液であってもよく、または、吸入製剤は、例えば、点鼻薬形態での投与のために油性溶液であってもよい。所望される場合、組成物は鼻腔内に塗布されるゲルとして調製することができる。また、非経口的投与のための製剤には、口腔投与のためのグリココール酸を含むことができる。
【0040】
経口投与のために、結合剤(例えば、あらかじめゼラチン化したトウモロコシでんぷん、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、賦形剤(例えば、乳糖、微結晶性セルロースまたはリン酸水素カルシウム)、滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモでんぷんまたはナトリウムスターチグリコール酸塩)、または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)等の薬学的に許容される賦形剤とともに、従来の手段によって、タブレットまたはカプセルを調製することができる。タブレットは、当該技術分野で既知の方法によってコーティングすることができる。また、口腔投与のための調製は、組成物の制御放出を可能にするように製剤設計することができる。
【0041】
点鼻剤は、液状または乾燥製品として提示することができる。噴霧される水性懸濁液または溶液は、pHおよび/または弾力性を調節するために、担体または賦形剤を含むことができる。
【0042】
本願に記載のポリペプチドはまた、局所送達のための製剤であり得る。本願において提供されるポリペプチドの局所使用および/または送達は、例えば、イオントフォレーゼやリポゲルなどの既知の方法を使用することによって達成することができる。
【0043】
本願に記載の組成物(例えば、本願において提供されるポリペプチドを含む)は、他の有効成分を追加的に含むことができる。
【0044】
種々の臨床的指標は、対象(例えば、腎機能または心機能障害、または炎症状態を有する被験者)への、本願に記載のポリペプチド(例えば、医薬組成物としての製剤)の投与の前、途中、および/または後に、観測することができる。例えば、バイタルサイン、電気分解、血清中クレアチニン、シスタチン、尿BNP値、血漿BNP値、尿排出量、投与されるポリペプチドの血漿値、投与されるポリペプチドの尿値、またはそれらのあらゆる組み合わせを観測することができる。いくつかの場合において、血漿レニン活性、糸球体ろ過量、尿cGMP排泄量、血漿cGMP値、尿ANP排泄量、尿BNP排泄量、心拍出量、体血管抵抗、アルドステロン値、またはそれらのあらゆる組み合わせを観測することができる。臨床的指標を観測するためには、本願に記載の方法を含むがこれに限定されないあらゆる適切な方法を使用することができる。
【0045】
臨床的指標の観測は、例えば、心機能障害や腎機能障害、または炎症状態の症状の重篤性が軽減されたかどうか等、投与されるポリペプチドが効果的であるかどうかを、臨床医学者が決定することを可能にすることができる。また、本願において提供されるポリペプチドの投与前、途中、および/または後の臨床的指標の観測は、ポリペプチドの投与量が増加または減少されるべきであるか、ポリペプチドの投与が継続または中断されるべきか、またはポリペプチドが再投与されるべきかを示すことができる。また、臨床的指標の観測は、被験者の状態の重篤性を示し、次いで、本願において提供されるポリペプチドがいつ、どのくらいの量投与されるべきかについての指針を提供することができる。
【0046】
ポリペプチドをコードする核酸
本書はまた、本願において提供されるポリペプチドの1つ以上をコードする単離核酸を提供する。核酸に関して本願で使用される「単離」という用語は、これが由来する有機体からの自然発生のゲノムにおいて直接隣接(5’末端のものと、3’末端のもの)する、双方の配列と直接隣接しない自然発生の核酸を指す。例えば、単離核酸は、自然発生のゲノムにおいて通常組み換えDNA分子と直接隣接して見られる核酸配列のうちの1つが、除去されたか欠如する、あらゆる長さの組み換えDNA分子であることができるがこれに限定されない。それゆえ、単離核酸は、他の配列から独立した別個の分子として存在する組み換えDNA(例えば、PCRまたは制限エンドヌクレアーゼ処理によって産生されたcDNAまたはゲノムDNA断片)、ならびに、ベクター、自己複製プラスミド、ウイルス(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、またはヘルペスウイルス)に組み込まれた、または原核生物または真核生物のゲノムDNAに組み込まれた組み換えDNAを含むがこれに限定されない。また、単離核酸は、ハイブリッドまたは融合核酸配列の一部である組み換えDNA分子を含むことができる。
【0047】
また、核酸に関して本願で使用される「単離」という用語は、非自然発生の核酸配列は自然界では見られず、自然発生のゲノムに直接隣接する配列を有しないため、あらゆる非自然発生の核酸を含む。例えば、人工的に作られた核酸等の非自然発生の核酸は、単離核酸と見なされる。人工的に作られた核酸(例えば、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むかそれから成るポリペプチドをコードする核酸)は、一般的な分子クローン技術や化学核酸合成技術を使用して作成することができる。単離非自然発生の核酸は、他の配列から独立しているか、またはベクター、自己複製プラスミド、ウイルス(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、またはヘルペスウイルス)、または原核生物または真核生物のゲノムDNAに組み込まれ得る。また、非自然発生の核酸は、ハイブリッドまたは融合核酸配列の一部である核酸分子を含むことができる。例えば、cDNAライブラリやゲノムライブラリ、またはゲノムDNA限定ダイジェストを含むゲルスライス内の他の数百〜数百万の核酸に存在する核酸は、単離核酸とは見なされない。
【0048】
本願において使用される「核酸」という用語は、mRNA、cDNA、ゲノムDNA、合成(例えば、化学的に合成した)DNA、および核酸類似体を含むRNAとDNAの双方を指す。核酸は、二本鎖または一本鎖であることができ、一本鎖の場合、センス鎖またはアンチセンス鎖であることができる。また、核酸は、円形または線形であることができる。核酸類似体は、例えば、核酸の安定性、ハイブリダイゼーション、または溶解性を改善するために、塩基部分、糖部分、またはリン酸骨格の箇所において改変することができる。塩基部分における改変は、デオキシチミジンのデオキシウリジンへの、および5−メチル−2’−デオキシシチジンおよび5−ブロモ−2’−デオキシシチジンのデオキシシチジンへの改変を含む。糖部分における改変は、リボース糖の2’ヒドロキシルから、2’−O−メチルまたは2’−O−アリル糖の形成を含むことができる。デオキシリボースリン酸骨格は、モルホリノ核酸を産するように改変されることができ、各塩基部分はそこで六員環のモルホリノ環、またはペプチド核酸に結合し、そこでデオキシリン酸骨格は擬ペプチド骨格によって置換され、4つの塩基は保持される。例えば、SummertonおよびWeller、Antisense Nucleic Acid Drug Dev.、7:187−195(1997)、およびHyrupら、Bioorgan. Med. Chem.、4:5−23(1996)を参照されたい。また、デオキシリン酸骨格は、例えば、ホスホロチオエートまたはホスホロジチオエート骨格、ホスホロアミダイド、またはアルキルホスホトリエステル骨格と置換することができる。
【0049】
本願において提供される核酸は、配列番号:5または6に記載の配列を含むか、それから成ることができる。
【0050】
通常、本願において提供される単離核酸は、少なくとも10ヌクレオチドの長さ(例えば、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、200、300、350、400、またはそれ以上のヌクレオチドの長さ)である。フルレングス以下の核酸分子は、例えば、診断目的に、プライマまたはプローブとして有用である。単離核酸分子は、一般的な分子クローン技術や化学核酸合成技術を含むがこれに限定されない標準的な技術によって産生することができる。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)を使用することができる。PCRとは、標的核酸が酵素的に増幅される手技または技術を指す。関心領域末端または超過からの配列情報は、通常、増幅されるテンプレートの逆鎖の配列と同一のオリゴヌクレオチドプライマを設計するために採用される。PCRは、総ゲノムDNAまたは総細胞RNAからの配列を含む、DNA、ならびにRNAからの特異的な配列を増幅するために使用することができる。プライマは通常、15〜50ヌクレオチドの長さであるが、10ヌクレオチド〜100ヌクレオチドの長さの範囲であることができる。例えば、プライマは、12、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、または45ヌクレオチドの長さであることができる。プライマは、制限ダイジェストから、従来の方法によって精製するか、または化学的に合成することができる。プライマは、通常、増幅における効率を最大とするために一本鎖であるが、プライマは、二本鎖であることができる。二本鎖プライマは、増幅で使用される前に、鎖を分離するためにまず変性される(例えば、熱で処理される)。概略的なPCR法については、例えばPCR Primer: A Laboratory Manual、DieffenbachおよびDveksler編、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1995に記載される。RNAをテンプレートの供給源として使用する場合、相補的DNA(cDNA)鎖を合成するために逆転写酵素を使用することができる。別の文献に記載されるように、単離核酸を取得するために、リガーゼ連鎖反応法、鎖置換増幅法(SDA法)、自立配列複製法、または核酸配列に基づく増幅法もまた使用することができる(Lewis, Genetic Engineering News, 12(9):1 (1992)、Guatelli ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:1874−1878 (1990)、およびWeiss、Science、254:1292(1991))。
【0051】
単離核酸はまた、単一の核酸分子(例えば、ホスホルアミダイト)技術を使用した3’〜5’方向の自動DNA合成を使用して)として、または一連のオリゴヌクレオチドとして、化学的に合成することができる。例えば、長いオリゴヌクレオチド(例えば、>100ヌクレオチド)の1つ以上の対は、オリゴヌクレオチド対がアニールされた時に二本鎖が形成されるように、各対が補完の短いセグメント(例えば、約15ヌクレオチド)を有する所望の配列を含むように合成することができる。オリゴヌクレオチドを伸長するために、DNAポリメラーゼが使用され、結果としてオリゴヌクレオチド対毎に単鎖、二本鎖の核酸分子を生じ、これらは次にベクターに結紮される。
【0052】
単離核酸はまた、突然変異生成によって取得することができる。例えば、配列番号:1、2、または3に記載の配列を有する、ポリペプチドをコードする核酸配列は、例えば、オリゴヌクレオチド指定突然変異生成および/またはPCRによる部位特異的変位導入等の標準的な方法を使用して突然変異させることができる。Short Protocols in Molecular Biology、第8章、Green Publishing Associates and John Wiley & Sons、Ausubelら編、1992を参照されたい。かかる突然変異には、付加、欠失、置換、およびそれらの組み合わせを含む。
【0053】
ベクターおよび宿主細胞
本書はまた、本願において提供される核酸を含むベクターを提供する。本願において使用される場合、「ベクター」は、プラスミド、ファージ、またはコスミド等のレプリコンであり、挿入されたセグメントの複製をもたらすために、そこに別のDNAセグメントを挿入することができる。ベクターは、発現ベクターであることができる。「発現ベクター」とは、1つ以上の発現制御配列を含むベクターであり、また「発現制御配列」とは、別のDNA配列の転写および/または翻訳を制御および規制するDNA配列である。
【0054】
本願において提供される発現ベクターにおいて、核酸は、1つ以上の発現制御配列に操作可能に結合され得る。本願において使用される「操作可能に結合される」とは、発現制御配列が関心のコード配列の発現を効果的に制御することができるように、遺伝的構造に組み込まれることを意味する。発現制御配列の例として、プロモータ、エンハンサ、転写終結領域が挙げられる。プロモータとは、転写が開始する箇所(概してRNAポリメラーゼIIの開始部位の近傍)の通常100ヌクレオチド上流内におけるDNA分子の領域で構成される、発現制御配列である。コード配列をプロモータの制御下に置くため、ポリペプチドの翻訳の読み枠の翻訳開始部位を、プロモータの1〜約50ヌクレオチド下流に位置づけることが必要である場合がある。エンハンサは、時間、場所、およびレベルに関する発現特異性を提供する。プロモータと異なり、エンハンサは、転写部位から種々の距離にあっても機能する。エンハンサはまた、転写開始部位から下流に位置することができる。コード配列は、RNAポリメラーゼがコード配列をmRNAに転写することができ、これが次にコード配列によってコードされるポリペプチドに翻訳され得る時、細胞内の発現制御配列に「操作可能に結合され」、その「制御下に」あるとされる。
【0055】
適切な発現ベクターには、プラスミド、および例えば、バクテリオファージ、バキュロウイルス、タバコモザイクウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、ポックスウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルス由来のウイルスベクターを含むがこれに限定されない。多数のベクターおよび発現システムは、Novagen(ウィスコンシン州、Madison)、Clonetech(カリフォルニア州、Palo Alto)、Stratagene(カリフォルニア州、La Jolla)、およびInvitrogen/Life Technologies(カリフォルニア州、Carlsbad)などの企業から市販されている。
【0056】
発現ベクターは、発現核酸配列のその後の操作(例えば、精製または局在化)を容易にするため、設計されたタグ配列を含むことができる。緑色蛍光タンパク質(GFP)、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、ポリヒスチジン、c−myc、血球凝集素、またはFlag(商標)タグ(Kodak、New Haven、CT)配列等のタグ配列は、通常、コードされたポリペプチドとの融合として発現する。このようなタグは、カルボキシル末端またはアミノ末端のいずれかを含む、ポリペプチド内のあらゆる場所に挿入されることができる。
【0057】
本書はまた、本願において提供される核酸分子および/または核酸ベクターを含む宿主細胞を提供する。「宿主細胞」という用語は、核酸分子またはベクターがその中に導入され得る原核細胞および真核細胞を含むことを意図する。核酸を細胞に導入するために、あらゆる方法を使用することができる。例えば、リン酸カルシウム沈殿、エレクトロポレーション、熱ショック、リポフェクション、マイクロインジェクション、およびウイルス媒介の核酸転写を、核酸を細胞に導入するために使用することができる。また、裸のDNAを、別に記載されるように、細胞に生体内に直接送達することができる(米国特許第5,580,859号および5,589,466号)。
【0058】
ポリペプチドの検出
本書は、本願において提供されるポリペプチドを検出するための方法および材料を提供する。かかる方法および材料は、ポリペプチドを治療として受けている哺乳動物の体内のポリペプチドの値を観測するために使用することができる。本願において提供されるポリペプチド(例えば、ASBNP.1およびASBNP.2)は、例えば、1つ以上の抗体を使用して、免疫学的に検出さすことができる。本願において使用される「抗体」という用語は、本願において提供されるポリペプチドのエピトープ決定基に結合することができる、無傷分子ならびに、その断片を含む。「エピトープ」という用語は、抗原上の抗原決定基を指し、そこに抗体のパラトープが結合する。エピトープ決定基は、ふつうアミノ酸または糖側鎖等の分子の化学的に活性の表面分類から成り、通常、特異的な立体構造の特性ならびに特異的な電荷特性を有する。エピトープは、概して少なくとも5つの隣接アミノ酸(連続エピトープ)を有するか、または代替的に、特定の構造(例えば、立体構造エピトープ)を画定する一組の非隣接アミノ酸であることができる。「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化またはキメラ抗体、単鎖Fv抗体断片、Fab断片、およびF(ab)2断片を含む。ポリクローナル抗体とは、免疫動物の血清中に含まれる、抗体分子の異種集団である。モノクローナル抗体とは、特定のエピトープに対する抗体の同種集団である。
【0059】
本願において提供されるポリペプチドに対して特異的な結合親和力を有する抗体断片(例えば、ASBNP.1およびASBNP.2)は、既知の技術によって生成することができる。例えば、F(ab’)2断片は、抗体分子のペプシン消化によって産生されることができ、Fab断片は、F(ab’)2断片のジスルフィド架橋を還元することによって生成することができる。あるいは、Fab発現ライブラリが構築され得る。例えば、Huseら、Science、246:1275(1989)を参照されたい。一旦産生されると、抗体またはその断片は、ELISA法、放射免疫測定、およびウエスタンブロット法を含む標準的な免疫測定法によって、本願において提供されるポリペプチドの認識をテストされる。Short Protocols in Molecular Biology、第11章、Green Publishing Associates and John Wiley & Sons、Ausubel、F.Mら編、1992を参照されたい。
【0060】
免疫アッセイにおいて、本願において提供されるポリペプチドに特異的な結合親和力を有する抗体、またはかかる抗体に結合する二次抗体を、直接、あるいは間接的に標識化することができる。適切な標識には、放射性核種(例えば、125I、131I、35S、3H、32P、33P、または14C)、蛍光部分(例えば、フルオレセイン、FITC、PerCP、ローダミン、またはPE)、発光部位(例えば、カリフォルニア州、Palo Altoの、Quantum Dot Corporationによって供給されるQdot(商標)ナノ粒子)、限定された波長の光を吸収する化合物、または酵素(例えば、アルカリ性ホスファターゼまたはホースラディッシュペルオキシダーゼ)が挙げられるが、これに限定されない。抗体は、ビオチンとの接合によって間接的に標識化され、次に上述の分子によって標識化されたアビジンまたはストレプトアビジンを用いて検出することができる。標識を検出または定量化する方法は、標識の性質に依存し、当技術分野において周知である。検出器の例として、X線フィルム、放射能測定器、シンチレーションカウンタ、分光光度計、比色計、蛍光光度計、照度計、および濃度計が挙げられるが、これに限定されない。当業者に周知のこれらのアプローチの組み合わせ(「多層」アッセイを含む)を、アッセイの感度を強化するために使用することができる。
【0061】
本願において提供されるポリペプチドを検出する免疫アッセイは、サンドイッチアッセイ、競合アッセイ(競合RIA)、または架橋免疫アッセイを含む、種々の既知のフォーマットで行なうことができる。例えば、米国特許第5,296,347号、4,233,402号、4,098,876号、および4,034,074号を参照されたい。本願において提供されるポリペプチドを検出する方法は、概して生体サンプルを本願において提供されるポリペプチドに結合する抗体に接触させるステップと、ポリペプチドの抗体への結合を検知するステップを含む。例えば、本願において提供されるポリペプチドに特異的な結合親和力を有する抗体は、当技術分野で周知のあらゆる種類の方法によって、固体基板に固定化され、次に生体サンプルに曝露することができる。ポリペプチドの固体基板上の抗体への結合は、表面プラスモン共鳴現象を活用することによって検出されることができ、これは例えば、Biacore装置(Biacore International AB、Rapsgatan、スウェーデン)などの適切な機器によって、定性的または定量的に検出することができる、結合時の表面プラスモン共鳴の強度の変化をもたらす。あるいは、抗体は、上述のように標識化され、検出することができる。本願において提供されるポリペプチドの既知量の使用による標準曲線は、ポリペプチドの値の定量化を補助するために生成することができる。
【0062】
他の実施形態において、捕捉抗体が固体基板上に固定化される「サンドイッチアッセイ」は、本願において提供されるポリペプチドの存在の有無、または値を検出するために使用される。固体基板は、サンプル中のあらゆる関心のポリペプチドが固定化抗体に結合するように、生体サンプルと接触することができる。抗体に結合したポリペプチドの存在の有無、または値は、ポリペプチドに特異的な結合親和力を有する「検出」抗体を使用することによって測定されることができる。いくつかの実施形態において、BNP、ならびに本願において提供されるポリペプチドに結合親和力を有する捕捉抗体を使用することができる。本実施形態において、本願において提供される特定のポリペプチドに特異的な結合親和力を有する検出抗体を使用することができる。サンドイッチアッセイにおいて、捕捉抗体は、検出抗体と同一のエピトープ(または、ポリクローナル抗体の場合、エピトープの範囲)に結合してはならないということが理解される。それゆえ、モノクローナル抗体が捕捉抗体として使用される場合、検出抗体は、捕捉モノクローナル抗体が結合するエピトープと完全に物理的に別個であるか、それに部分的にのみ重複する別のモノクローナル抗体であるか、または、捕捉モノクローナル抗体が結合するもの以外か、これに加えたエピトープに結合するポリクローナル抗体であることができる。ポリクローナル抗体が捕捉抗体として使用される場合、検出抗体は、捕捉ポリクローナル抗体が結合するエピトープと完全に物理的に別個であるか、それに部分的にのみ重複するモノクローナル抗体であるか、または、捕捉モノクローナル抗体が結合するもの以外か、これに加えたエピトープに結合するモノクローナル抗体であることができる。サンドイッチアッセイは、サンドイッチELISAアッセイ、サンドイッチウエスタンブロットアッセイ、サンドイッチ免疫磁性検出アッセイとして実施することができる。
【0063】
抗体(例えば、捕捉抗体)が結合することができる適切な固体基板として、マイクロタイタープレート、試験管、ナイロンやニトロセルロース等の膜、およびビーズまたは粒子(例えば、アガロース、セルロース、ガラス、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、電磁または磁化ビーズまたは粒子)を含むがこれに限定されない。磁性または磁化可能な粒子は、自動免疫測定システムが使用される場合に特に有用である。
【0064】
本願において提供されるポリペプチドに特異的な結合親和力を有する抗体は、標準的な方法を通じて産生することができる。概して、ポリペプチドは、上述のとおり、組み換え技術によって産生されることができるか、生体サンプル(例えば、異種発現システム)から精製することができ、ウサギ、ニワトリ、マウス、モルモット、またはラットを含む宿主動物に免疫を与えるために使用することができる。例えば、配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、または少なくとも6アミノ酸の長さであるその断片は、動物に免疫を与えるために使用することができる。免疫反応を改善するために使用されることができる種々のアジュバントは、宿主動物種に依存し、フロインドアジュバント(完全および不完全)、水酸化アルミニウム等の鉱物ゲル、リゾレシチン、プルロニックポリオール、多価陰イオン、ペプチド、油乳剤、キーホールリンペットヘモシアニンおよびジニトロフェノールなどの界面活性物質を含む。モノクローナル抗体は、本願において提供されるポリペプチドおよび標準的なハイブリドーマ技術を使用して調製することができる。具体的には、モノクローナル抗体は、Kohlerら、Nature,256:495(1975)において記述されるもの、ヒトB細胞ハイブリドーマ技法(Kosborら、Immunology Today,4:72(1983)、Coleら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:2026(1983))、およびEBVハイブリドーマ技法(Coleら、,“Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,”Alan R.Liss,Inc.、77−96ページ(1983))等の、培養下の連続継代細胞系によって抗体分子の産生を提供する、いかなる技術によっても取得することができる。こうした抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、IgD、およびそのあらゆるサブクラスを含むあらゆる免疫グロブリンクラスであることができる。モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、生体外および生体内で培養することができる。
【0065】
本願において提供されるポリペプチドを検出するための代替的な技術として、エレクトロスプレーイオン化(ESI)等のマス分光光度法、およびマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)が挙げられる。例えば、Gevaertら、Electrophoresis,22(9):1645−51(2001)、Chaurandら、J.Am.Soc.Mass Spectrom.,10(2):91−103(1999)を参照されたい。かかる用途に有用な質量分析計は、Applied Biosystems(カリフォルニア州、Foster City)、Bruker Daltronics(マサチューセッツ州、Billerica)、およびAmersham Pharmacia(カリフォルニア州、Sunnyvale)から入手が可能である。
【0066】
本発明は、下記の実施例においてより詳細に説明されるが、これは請求項に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
【0067】
実施例
実施例1―ASBNP.1ポリペプチドの生物学的作用
システインに先立って終結し、13アミノ酸C末端後部を含むASBNPの切断型が設計され合成された。このポリペプチドは、ASBNP.1ポリペプチド(図1)とよばれる。静脈内ABNP.1注入の生物学的作用が、健常なイヌにおいてテストされた。概要としては、6頭の健常なイヌに、2、10、および100pmolのASBNP.1ポリペプチド製剤調合液が注入された。すなわち、各イヌは、2、10、および100pmolのASBNP.1ポリペプチド調合液の連続注入を受けた。尿流量、尿ナトリウム排泄量、遠位部分的管状ナトリウム再吸収率、近位管状部分的ナトリウム再吸収率、平均動脈圧、血漿cGMP値、糸球体ろ過量、腎血流量、および血漿レニン値が、別の文献に記載のとおりに測定された(Chenら、Am.J.Physiol.Regul.Integr.Comp.Physiol.,288:R1093−R1097(2005)、およびHaberら、J.Clin.Endocrinol.Metab.,29:1349−1355(2005))。ASBNP.1ポリペプチドの全身投与により、利尿およびナトリウム利尿作用(図2および図3)が生じた。ASBNP.1ポリペプチドの作用は、遠位尿細管(図4および図5)を標的とした。血漿cGMPは、超高用量において上昇した。2つの高用量(図6および図7)において、レニンの減少傾向が見られた。ASBNP.1ポリペプチドの全身投与は、糸球体ろ過量、腎血流量、または平均動脈圧(図8〜図10)に対する作用を有しなかった。
【0068】
これらの結果は、ASBNP.1ポリペプチドが腎臓に対する明確な作用を有し、全身の血圧に作用する能力を欠くことを実証している。
【0069】
以下の実験は、BNP、ASBNP、およびASBNP.1ポリペプチドの作用を比較するために実施された。概要としては、合成された形状のBNP、ASBNP、およびASBNP.1が、HUVECおよびHASMCに投与され、cGMP値が測定された。ASBNP.1がcGMPに対する作用を有しない一方、ASBNPはこれらの細胞において最小作用を有した。これらの結果は、ウサギの前収縮させた動脈に投与された場合(図13)、BNPと比較して、ASBNPおよびASBNP.1は、作用を有しないということを実証している。
【0070】
実施例2―CHFを有する哺乳動物におけるASBNP.1ポリペプチドの生物学的作用
うっ血性心不全(CHF)の心臓ペース制御されたイヌのモデルにおいて、静脈内ABNP.1注入の生物学的作用がテストされた。概要としては、10頭のイヌが、プラグラム可能な心臓ペースメーカー(Medtronic、Minneapolis、MN)の外科的移植を受けた。術後の回復後、動物は11日間の高頻度心室ペーシング(240拍/分)を受け、これは別の文献に記載されるように明らかなうっ血性心不全CHFを誘起することができる(Chenら、Circulation,100:2443−2448(1999))。イヌに、2、10、および100pmolのASBNP.1ポリペプチド調合液が静脈内注入された。すなわち、各イヌは、2、10、および100pmolのASBNP.1ポリペプチド調合液の連続注入を受けた。
【0071】
注入時に、急性の血行動態の検討が実施され、ベースライン時、および各注入時における群およびイヌ間の比較が行われた。尿流量、尿ナトリウム排泄量、遠位部分的管状ナトリウム再吸収率、近位管状部分的ナトリウム再吸収率、血漿cGMP値、レンニン値、糸球体ろ過量、腎血流量、平均動脈圧、尿cGMP排泄量、尿ANP排泄量、尿BNP排泄量、血漿BNP値、血漿ANP値、肺毛細血管楔入圧、心拍出量、体血管抵抗、アンジオテンシンII濃度、およびアルドステロン濃度が、別の文献に記載のとおりに測定された(Chenら、Am.J.Physiol.Regul.Integr.Comp.Physiol.,288:R1093−R1097(2005)、およびHaberら、J.Clin.Endocrinol.Metab.,29:1349−1355(2005))。ASBNP.1ポリペプチドの、心臓ペース制御されたイヌに対する全身投与は、利尿作用を生じたが、ナトリウム利尿作用は生じなかった(図15および図16)。レニン値は、ウォッシュアウト期間を通して上昇した(図20)。ASBNP.1ポリペプチドの全身投与は、高レベルにおいて糸球体ろ過量を増加させた(図21)。ASBNP.1ポリペプチドの全身投与は、高レベルおよび超高レベルにおいて、尿cGMP排泄量(図24)を増加させた。高レベルでは、尿ANP排泄量(図25)も増加した。超高レベルでは、尿BNP排泄量も増加した(図26)。心拍出量は、高レベルのポリペプチドの投与から減少し、実験の残りの間中減少を続けた(図30)。全身血管抵抗は、高、超高、ウォッシュアウト、および回復1フェーズ(図31)の間、上昇した。アルドステロンは、低レベルのポリペプチドの投与から増加し、実験の残りの間中増加を続けた(図33)。遠位尿細管部分的ナトリウム再吸収率、近位管状部分的ナトリウム再吸収率、腎血流量、血漿cGMP、平均動脈圧、血漿BNP、血漿ANP、肺毛細血管楔入圧、またはアンジオテンシンII濃度(図17、18、19、22、23、28、29、and 32)に対しては作用を有しなかった。
【0072】
これらの結果は、ASBNP.1ポリペプチドが腎臓に対する作用(強化GFRを含む)を有し、CHF動物における全身の血圧に作用する能力を欠くということを実証している。
【0073】
別の実験において、ASBNP.1ポリペプチド調合液がイヌに投与された(100pmol/kg/分、90分間)。尿中のナトリウム排泄量、尿流量、平均動脈圧、腎血流量、肺毛細血管楔入圧、および心拍出量が、30分、60分、および90分のASBNP.1ポリペプチド投与時に測定された。ASBNP.1ポリペプチド投与に続いて、30分のウォッシュアウト期間がもうけられた。ウォッシュアウトは、通常の生理食塩水を投与することによって実施された。尿中のナトリウム排泄量、尿流量、平均動脈圧、腎血流量、肺毛細血管楔入圧、および心拍出量は、ウォッシュアウト期間後、およびASBNP.1ポリペプチドの投与後の、2回の回復期間、60分(回復1)および90分(回復2)の各回後に、再度測定された。結果を図34−39に示す。ASBNP.1ポリペプチドの、投与量100pmol/kg/分における90分間の投与は、尿ナトリウム排出および尿流量を増加させることが観察された(図34および35)。平均動脈圧、腎血流量、または心拍出量には、有意な効果は観察されなかった(図36、37、および39)。肺毛細血管楔入圧の低下が、ASBNP.1ポリペプチド投与の60分後、PAP(肺動脈圧)またはRAP(右動脈圧)の変化を伴わずに観察された(図38)。
【0074】
実施例3―動物モデルを使用したASBNP.1ポリペプチドの生物学的作用
ASBNP.1注入の作用が、TIVCCモデル(肝硬変およびネフローゼに類似した症状を呈するナトリウム貯留のイヌのモデル)においてさらに評価される。別の文献に記載されるように、併用なしのナトリウム貯留および腹水の、心充満圧上昇を伴わないTIVCCモデルである(Weiら、Am.J.Physiol.,273:R838−844(1997))。ASBNP.1ポリペプチドは、TIVCCモデルにおいて、100pmol.kg/分を上限とする漸増用量を使用してテストされた。
【0075】
実施例4―高頻度心室ペーシングによって産生される心不全を有するイヌにおける、放射線造影剤による腎症の誘起
ペントバルビタール麻酔下(30mg/kg)で、左開胸ならびに心膜切除術により、心臓が露出され、ねじ込み式心外膜ペースメーカーのリードが、右心室に埋設される。ペースメーカーのリードは、胸部皮下に埋設されたペースメーカーと接続される。また、ペースメーカー埋設時、腎臓の血管から少なくとも6cm上部の大動脈内に、大腿動脈を経由してポリエチレンカテーテル(PE 240、Clay Adams、米国、ニュージャージー州、Parsippany)が設置される。イヌは、3日間の期間回復させられ、この期間内に、イヌはクリンダマイシンおよびCombaterによる抗生予防的治療を受ける。手術からの回復に続いて、ペースメーカーが毎分250拍にプログラムされ、ペーシングはこの速度で10日間継続され、心不全が産生される。
【0076】
ペーシング開始から11日後の急性実験の日、放射線造影剤(Vascoray(登録商標)、Mallinkrodt、Inc.、米国、ミズーリー州、St.Louis)が、7mL/kgの用量で、10分間にわたり静脈内注入される。イヌは、別の文献に記載の造影剤による腎症の観測のため、6回にわたる一連の24時間尿採取のために、代謝ケージに戻される(Marguliesら、Kidney International,38(6):1101−8(1990))。
【0077】
いくつかの実験において、放射線造影剤の投与前に、ASBNP.1ポリペプチドが心臓ペース制御されたイヌに投与される。各イヌには、2、10、および100pmolのASBNP.1ポリペプチドの連続注入、または100pmolのASBNP.1ポリペプチドの、1回の90分間の注入が投与される。尿中のナトリウム排泄量、尿流量、平均動脈圧、腎血流量、肺毛細血管楔入圧、および心拍出量が、ウォッシュアウト期間後、ASBNP.1ポリペプチドの投与の30分後、60分後、および90分後、およびウォッシュアウト期間に続く2回の回復期間の各期間中に、に測定された。臨床的指標の測定は、放射線造影剤の投与前にASBNP.1を投与されていない、対照のイヌから得られた測定値と比較される。
【0078】
実施例5―CHFを有する患者を含む、高い危険を有する患者における造影剤による腎不全の予防
画像化(例えば、血管造影法またはCT)のために造影を必要とする、造影剤に起因する腎症(contrast−induced nephrophathy,CIN)の高い危険がある患者(例えば、高齢の患者および慢性腎不全、糖尿病、および心不全の危険性がある患者)が、造影剤の投与前のASBNPポリペプチドまたはASBNP.1ポリペプチドの静脈注入によって、予防的に治療される。注入前に、バイタルサインが測定され、電気分解、血清中クレアチニン、シスタチン、およびBNPポリペプチド値を測定するために臨床検査が実施される。ASBNPポリペプチドを検出するBiosite BNPアッセイを使用して、および/またはASBNPポリペプチドに特異的なアッセイを使用して、BNPポリペプチド値を取得する。ベースライン尿排出量が測定され、尿電気分解が評価される。造影剤投与前に、ASBNPポリペプチド、ASBNP.1ポリペプチド、または誘導体の静脈内注入が開始される。バイタルサインおよび尿排出量が、注入中2時間毎に評価される。開始から所定の時間後に、患者は造影剤投与を受ける。この時間は、ポリペプチドの特異的なアッセイによって測定されるポリペプチド値の一定の濃度の達成と同時であり得る。造影剤投与に続き、注入は8時間〜24時間、または血清中クレアチニンおよび/またはシスタチンがベースラインから変化しないと認められるまで継続される。
【0079】
実施例6―心腎臓症候群の治療
急性非代償性心不全環境において、利尿耐性を伴う腎機能の悪化を発現している患者が、ASBNPポリペプチドまたはASBNP.1ポリペプチドの静脈注入によって、予防的に治療される。注入前に、バイタルサインが測定され、電気分解、血清中クレアチニン、シスタチン、およびBNPポリペプチド値を測定するために臨床検査が実施される。ベースライン尿排出量が測定され、尿電気分解が評価される。ASBNPポリペプチド、ASBNP.1ポリペプチド、またはそれらの誘導体の静脈内注入が開始される。バイタルサインおよび尿排出量は、注入中2時間毎、12時間〜72時間の期間にわたって評価される。薬物濃度、BNPポリペプチド値、血清中クレアチニン、シスタチン、および血漿および尿電気分解は、注入中にわたり、毎日評価される。
【0080】
他の実施形態
本発明は、その詳細な記述とあわせて記載されたが、上記の記述は、説明を意図するものであり、本発明の範囲を限定するものではないと理解されたい。本発明の範囲は、添付の請求項の範囲によって定義される。他の側面、長所、および変更は、下記の請求項の範囲内にあるものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に純粋な、37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペブチドであって、
(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する(align)アミノ酸配列
を含む、ポリペブチド。
【請求項2】
ポリペプチドの長さが、38〜46アミノ酸残基である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項3】
ポリペプチドの長さが、39〜45アミノ酸残基である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項4】
ポリペプチドの長さが、40〜44アミノ酸残基である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項5】
ポリペプチドの長さが、41〜43アミノ酸残基である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項6】
ポリペプチドの長さが、42アミノ酸残基である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項7】
ポリペプチドの長さが、37アミノ酸残基である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項8】
ポリペプチドの長さが、47アミノ酸残基である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項9】
アミノ酸配列が、配列番号:1に記載の配列である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項10】
アミノ酸配列が、4つまたはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項11】
アミノ酸配列が、3つまたはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項12】
アミノ酸配列が、2つまたはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項13】
アミノ酸配列が、1つまたはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項14】
アミノ酸配列が、5つまたはそれ未満のアミノ酸の付加を伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項15】
アミノ酸配列が、5つまたはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項16】
アミノ酸配列が、5つまたはそれ未満のアミノ酸の置換を伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項17】
ポリペプチドの長さが、42アミノ酸残基であり、かつアミノ酸配列が、配列番号:1に記載の配列である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項18】
利尿作用およびナトリウム利尿作用を有する、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項19】
哺乳動物において、血圧を下げる能力を欠く、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項20】
哺乳動物が、ヒトまたはイヌである、請求項19記載のポリペブチド。
【請求項21】
実質的に純粋な、45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドであって、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列
を含み、かつ
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列
を含む、ポリペブチド。
【請求項22】
ポリペプチドの長さが、58〜63アミノ酸残基である、請求項21記載のポリペブチド。
【請求項23】
ポリペプチドの長さが、60アミノ酸残基である、請求項21記載のポリペブチド。
【請求項24】
ポリペプチドの長さが、45アミノ酸残基である、請求項21記載のポリペブチド。
【請求項25】
ポリペプチドの長さが、65アミノ酸残基である、請求項21記載のポリペブチド。
【請求項26】
ポリペプチドの配列が、配列番号:3に記載の配列である、請求項21記載のポリペブチド。
【請求項27】
利尿作用およびナトリウム利尿作用を有する、請求項21記載のポリペブチド。
【請求項28】
37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする単離核酸であって、
該ポリペプチドが、(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む、
単離核酸。
【請求項29】
45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする単離核酸であって、
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列を含み、かつ
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列を含む、
単離核酸。
【請求項30】
37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする核酸を含むベクターであって、
該ポリペプチドが、(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む、
ベクター。
【請求項31】
45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする核酸を含むベクターであって、
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列を含み、かつ
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列を含む、
ベクター。
【請求項32】
37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞であって、
該ポリペプチドが、(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む、
宿主細胞。
【請求項33】
45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞であって、
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列を含み、かつ
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列を含む、
宿主細胞。
【請求項34】
真核生物宿主細胞である、請求項32または33記載の宿主細胞。
【請求項35】
薬学的に許容される担体および37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを含む医薬組成物であって、
該ポリペプチドが、(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む、
医薬組成物。
【請求項36】
薬学的に許容される担体および45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを含む医薬組成物であって、
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列を含み、かつ
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列を含む、
医薬組成物。
【請求項37】
血圧を低下させることなく、哺乳動物における利尿作用およびナトリウム利尿作用を増加させるための方法であって、該哺乳動物に37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを投与する段階を含み、
ここで、該ポリペプチドが、(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む、
方法。
【請求項38】
血圧を低下させることなく、哺乳動物における利尿作用およびナトリウム利尿作用を増加させるための方法であって、該哺乳動物に45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを投与する段階を含み、
ここで該ポリペプチドが、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列を含み、かつ
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列を含む、
方法。
【請求項39】
腎機能障害を有する哺乳動物を治療するための方法であって、該哺乳動物に37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを投与する段階を含み、
ここで、該ポリペプチドが、(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含み、かつ
該投与する段階が、該腎機能障害の症状の重症度の軽減を条件とする、
方法。
【請求項40】
腎機能障害を有する哺乳動物を治療するための方法であって、該哺乳動物に45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを投与する段階を含み、
ここで、該ポリペプチドが、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列を含み、かつ
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列を含み、かつ
該投与する段階が、該腎機能障害の症状の重症度の軽減を条件とする、
方法。
【請求項41】
哺乳動物が、ヒトである、請求項37〜40のいずれか一項記載の方法。
【請求項42】
腎機能障害が、腎不全を含む、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項43】
腎機能障害が、うっ血性心不全を伴う腎不全を含む、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項44】
ポリペプチドが、静脈内、経口的、または鼻腔内に投与される、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項45】
ポリペプチドが、徐放製剤として投与される、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項46】
ポリペプチドが、37〜47アミノ酸残基の長さであり、かつ配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含む、
請求項39記載の方法。
【請求項47】
ポリペプチドが、37〜47アミノ酸残基の長さであり、かつ5つまたはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む、
請求項39記載の方法。
【請求項48】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、かつ(i)配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列と(ii)配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列とを含む、
請求項40記載の方法。
【請求項49】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、5つまたはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含み、かつ配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列を含む、
請求項40記載の方法。
【請求項50】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列を含み、かつ(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む、
請求項40記載の方法。
【請求項51】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、5つまたはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含み、かつ(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む、
請求項40記載の方法。
【請求項52】
症状が、血清クレアチニン値異常、尿流量異常、レニン値異常、糸球体ろ過量異常、尿cGMP排泄率異常、尿ANP排泄率異常、尿BNP排泄率異常、心拍出量異常、体血管抵抗異常、またはアルドステロン値異常を含む、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項53】
症状が、尿流量の減少を含み、かつ哺乳動物の尿流量が、投与する段階の後、少なくとも50%増加する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項54】
症状が、レニン値の低下を含み、かつ哺乳動物のレニン値が、投与する段階の後、少なくとも50%増加する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項55】
症状が、糸球体ろ過量の減少を含み、かつ哺乳動物の糸球体ろ過量が、投与する段階の後、少なくとも50%増加する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項56】
症状が、尿cGMP排泄率の低下を含み、かつ哺乳動物の尿cGMP排泄率が、投与する段階の後、少なくとも25%増加する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項57】
症状が、尿ANP排泄率の低下を含み、かつ哺乳動物の尿ANP排泄率が、投与する段階の後、少なくとも25%増加する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項58】
症状が、尿BNP排泄率の低下を含み、かつ哺乳動物の尿BNP排泄率が、投与する段階の後、少なくとも25%増加する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項59】
症状が、心拍出量の増加を含み、かつ哺乳動物の心拍出量が、投与する段階の後、少なくとも2%減少する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項60】
症状が、体血管抵抗の低下を含み、かつ哺乳動物の体血管抵抗が、投与する段階の後、少なくとも10%増加する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項61】
症状が、アルドステロン値の低下を含み、かつ哺乳動物のアルドステロン値が、投与する段階の後、少なくとも10%増加する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項62】
炎症状態を有する哺乳動物を治療するための方法であって、該哺乳動物に37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを投与する段階を含み、
ここで、該ポリペプチドが、(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含み、かつ
該投与する段階が、該炎症状態の症状の重症度の軽減を条件とする、
方法。
【請求項63】
ポリペプチドが、37〜47アミノ酸残基の長さであり、かつ5つまたはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む、
請求項62記載の方法。
【請求項64】
炎症状態を有する哺乳動物を治療するための方法であって、該哺乳動物に45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを投与する段階を含み、
ここで、該ポリペプチドが、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列を含み、かつ
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列を含み、かつ
該投与する段階が、該炎症状態の症状の重症度の軽減を条件とする、
方法。
【請求項65】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、5つまたはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含み、かつ(i)付加もしくは置換が付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む、
請求項64記載の方法。
【請求項66】
心機能障害を有する哺乳動物を治療するための方法であって、該哺乳動物に37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを投与する段階を含み、
ここで、該ポリペプチドが、(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含み、かつ
該投与する段階が、該心機能障害の症状の重症度の軽減を条件とする、
方法。
【請求項67】
心機能障害を有する哺乳動物を治療するための方法であって、該哺乳動物に45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを投与する段階を含み、
ここで、該ポリペプチドが、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列を含み、かつ
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列を含み、かつ
該投与する段階が、該心機能障害の症状の重症度の軽減を条件とする、
方法。
【請求項68】
哺乳動物が、ヒトである、請求項66または請求項67記載の方法。
【請求項69】
心機能障害が、心不全を含む、請求項66または請求項67記載の方法。
【請求項70】
心機能障害が、腎不全を伴ううっ血性心不全を含む、請求項66または請求項67記載の方法。
【請求項71】
ポリペプチドが、静脈内、経口的、または鼻腔内に投与される、請求項66または請求項67記載の方法。
【請求項72】
ポリペプチドが、徐放製剤として投与される、請求項66または請求項67記載の方法。
【請求項73】
ポリペプチドが、37〜47アミノ酸残基の長さであり、かつ配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含む、
請求項66記載の方法。
【請求項74】
ポリペプチドが、37〜47アミノ酸残基の長さであり、かつ5つまたはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む、
請求項66記載の方法。
【請求項75】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、かつ(i)配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列と(ii)配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列とを含む、
請求項67記載の方法。
【請求項76】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、5つまたはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含み、かつ配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列を含む、
請求項67記載の方法。
【請求項77】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列を含み、かつ(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む、
請求項67記載の方法。
【請求項78】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、5つまたはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、第1アミノ酸配列を含み、かつ(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む、
請求項67記載の方法。
【請求項1】
実質的に純粋な、37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペブチドであって、
(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する(align)アミノ酸配列
を含む、ポリペブチド。
【請求項2】
ポリペプチドの長さが、38〜46アミノ酸残基である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項3】
ポリペプチドの長さが、39〜45アミノ酸残基である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項4】
ポリペプチドの長さが、40〜44アミノ酸残基である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項5】
ポリペプチドの長さが、41〜43アミノ酸残基である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項6】
ポリペプチドの長さが、42アミノ酸残基である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項7】
ポリペプチドの長さが、37アミノ酸残基である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項8】
ポリペプチドの長さが、47アミノ酸残基である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項9】
アミノ酸配列が、配列番号:1に記載の配列である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項10】
アミノ酸配列が、4つまたはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項11】
アミノ酸配列が、3つまたはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項12】
アミノ酸配列が、2つまたはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項13】
アミノ酸配列が、1つまたはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項14】
アミノ酸配列が、5つまたはそれ未満のアミノ酸の付加を伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項15】
アミノ酸配列が、5つまたはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項16】
アミノ酸配列が、5つまたはそれ未満のアミノ酸の置換を伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項17】
ポリペプチドの長さが、42アミノ酸残基であり、かつアミノ酸配列が、配列番号:1に記載の配列である、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項18】
利尿作用およびナトリウム利尿作用を有する、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項19】
哺乳動物において、血圧を下げる能力を欠く、請求項1記載のポリペブチド。
【請求項20】
哺乳動物が、ヒトまたはイヌである、請求項19記載のポリペブチド。
【請求項21】
実質的に純粋な、45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドであって、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列
を含み、かつ
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列
を含む、ポリペブチド。
【請求項22】
ポリペプチドの長さが、58〜63アミノ酸残基である、請求項21記載のポリペブチド。
【請求項23】
ポリペプチドの長さが、60アミノ酸残基である、請求項21記載のポリペブチド。
【請求項24】
ポリペプチドの長さが、45アミノ酸残基である、請求項21記載のポリペブチド。
【請求項25】
ポリペプチドの長さが、65アミノ酸残基である、請求項21記載のポリペブチド。
【請求項26】
ポリペプチドの配列が、配列番号:3に記載の配列である、請求項21記載のポリペブチド。
【請求項27】
利尿作用およびナトリウム利尿作用を有する、請求項21記載のポリペブチド。
【請求項28】
37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする単離核酸であって、
該ポリペプチドが、(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む、
単離核酸。
【請求項29】
45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする単離核酸であって、
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列を含み、かつ
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列を含む、
単離核酸。
【請求項30】
37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする核酸を含むベクターであって、
該ポリペプチドが、(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む、
ベクター。
【請求項31】
45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする核酸を含むベクターであって、
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列を含み、かつ
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列を含む、
ベクター。
【請求項32】
37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞であって、
該ポリペプチドが、(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む、
宿主細胞。
【請求項33】
45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞であって、
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列を含み、かつ
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列を含む、
宿主細胞。
【請求項34】
真核生物宿主細胞である、請求項32または33記載の宿主細胞。
【請求項35】
薬学的に許容される担体および37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを含む医薬組成物であって、
該ポリペプチドが、(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む、
医薬組成物。
【請求項36】
薬学的に許容される担体および45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを含む医薬組成物であって、
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列を含み、かつ
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列を含む、
医薬組成物。
【請求項37】
血圧を低下させることなく、哺乳動物における利尿作用およびナトリウム利尿作用を増加させるための方法であって、該哺乳動物に37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを投与する段階を含み、
ここで、該ポリペプチドが、(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む、
方法。
【請求項38】
血圧を低下させることなく、哺乳動物における利尿作用およびナトリウム利尿作用を増加させるための方法であって、該哺乳動物に45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを投与する段階を含み、
ここで該ポリペプチドが、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列を含み、かつ
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列を含む、
方法。
【請求項39】
腎機能障害を有する哺乳動物を治療するための方法であって、該哺乳動物に37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを投与する段階を含み、
ここで、該ポリペプチドが、(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含み、かつ
該投与する段階が、該腎機能障害の症状の重症度の軽減を条件とする、
方法。
【請求項40】
腎機能障害を有する哺乳動物を治療するための方法であって、該哺乳動物に45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを投与する段階を含み、
ここで、該ポリペプチドが、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列を含み、かつ
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列を含み、かつ
該投与する段階が、該腎機能障害の症状の重症度の軽減を条件とする、
方法。
【請求項41】
哺乳動物が、ヒトである、請求項37〜40のいずれか一項記載の方法。
【請求項42】
腎機能障害が、腎不全を含む、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項43】
腎機能障害が、うっ血性心不全を伴う腎不全を含む、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項44】
ポリペプチドが、静脈内、経口的、または鼻腔内に投与される、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項45】
ポリペプチドが、徐放製剤として投与される、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項46】
ポリペプチドが、37〜47アミノ酸残基の長さであり、かつ配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含む、
請求項39記載の方法。
【請求項47】
ポリペプチドが、37〜47アミノ酸残基の長さであり、かつ5つまたはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む、
請求項39記載の方法。
【請求項48】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、かつ(i)配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列と(ii)配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列とを含む、
請求項40記載の方法。
【請求項49】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、5つまたはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含み、かつ配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列を含む、
請求項40記載の方法。
【請求項50】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列を含み、かつ(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む、
請求項40記載の方法。
【請求項51】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、5つまたはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含み、かつ(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む、
請求項40記載の方法。
【請求項52】
症状が、血清クレアチニン値異常、尿流量異常、レニン値異常、糸球体ろ過量異常、尿cGMP排泄率異常、尿ANP排泄率異常、尿BNP排泄率異常、心拍出量異常、体血管抵抗異常、またはアルドステロン値異常を含む、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項53】
症状が、尿流量の減少を含み、かつ哺乳動物の尿流量が、投与する段階の後、少なくとも50%増加する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項54】
症状が、レニン値の低下を含み、かつ哺乳動物のレニン値が、投与する段階の後、少なくとも50%増加する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項55】
症状が、糸球体ろ過量の減少を含み、かつ哺乳動物の糸球体ろ過量が、投与する段階の後、少なくとも50%増加する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項56】
症状が、尿cGMP排泄率の低下を含み、かつ哺乳動物の尿cGMP排泄率が、投与する段階の後、少なくとも25%増加する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項57】
症状が、尿ANP排泄率の低下を含み、かつ哺乳動物の尿ANP排泄率が、投与する段階の後、少なくとも25%増加する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項58】
症状が、尿BNP排泄率の低下を含み、かつ哺乳動物の尿BNP排泄率が、投与する段階の後、少なくとも25%増加する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項59】
症状が、心拍出量の増加を含み、かつ哺乳動物の心拍出量が、投与する段階の後、少なくとも2%減少する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項60】
症状が、体血管抵抗の低下を含み、かつ哺乳動物の体血管抵抗が、投与する段階の後、少なくとも10%増加する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項61】
症状が、アルドステロン値の低下を含み、かつ哺乳動物のアルドステロン値が、投与する段階の後、少なくとも10%増加する、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項62】
炎症状態を有する哺乳動物を治療するための方法であって、該哺乳動物に37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを投与する段階を含み、
ここで、該ポリペプチドが、(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含み、かつ
該投与する段階が、該炎症状態の症状の重症度の軽減を条件とする、
方法。
【請求項63】
ポリペプチドが、37〜47アミノ酸残基の長さであり、かつ5つまたはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む、
請求項62記載の方法。
【請求項64】
炎症状態を有する哺乳動物を治療するための方法であって、該哺乳動物に45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを投与する段階を含み、
ここで、該ポリペプチドが、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列を含み、かつ
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列を含み、かつ
該投与する段階が、該炎症状態の症状の重症度の軽減を条件とする、
方法。
【請求項65】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、5つまたはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含み、かつ(i)付加もしくは置換が付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む、
請求項64記載の方法。
【請求項66】
心機能障害を有する哺乳動物を治療するための方法であって、該哺乳動物に37〜47アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを投与する段階を含み、
ここで、該ポリペプチドが、(a)配列番号:1に記載の配列、または(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含み、かつ
該投与する段階が、該心機能障害の症状の重症度の軽減を条件とする、
方法。
【請求項67】
心機能障害を有する哺乳動物を治療するための方法であって、該哺乳動物に45〜65アミノ酸残基の長さであるポリペプチドを投与する段階を含み、
ここで、該ポリペプチドが、
(a)配列番号:1に記載の配列、または
(b)5つもしくはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する
第1アミノ酸配列を含み、かつ
該ポリペプチドが、
(a)配列番号:2に記載の配列、または
(b)(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する
第2アミノ酸配列を含み、かつ
該投与する段階が、該心機能障害の症状の重症度の軽減を条件とする、
方法。
【請求項68】
哺乳動物が、ヒトである、請求項66または請求項67記載の方法。
【請求項69】
心機能障害が、心不全を含む、請求項66または請求項67記載の方法。
【請求項70】
心機能障害が、腎不全を伴ううっ血性心不全を含む、請求項66または請求項67記載の方法。
【請求項71】
ポリペプチドが、静脈内、経口的、または鼻腔内に投与される、請求項66または請求項67記載の方法。
【請求項72】
ポリペプチドが、徐放製剤として投与される、請求項66または請求項67記載の方法。
【請求項73】
ポリペプチドが、37〜47アミノ酸残基の長さであり、かつ配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含む、
請求項66記載の方法。
【請求項74】
ポリペプチドが、37〜47アミノ酸残基の長さであり、かつ5つまたはそれ未満のアミノ酸の付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列するアミノ酸配列を含む、
請求項66記載の方法。
【請求項75】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、かつ(i)配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列と(ii)配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列とを含む、
請求項67記載の方法。
【請求項76】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、5つまたはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する第1アミノ酸配列を含み、かつ配列番号:2に記載の第2アミノ酸配列を含む、
請求項67記載の方法。
【請求項77】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、配列番号:1に記載の第1アミノ酸配列を含み、かつ(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせ、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む、
請求項67記載の方法。
【請求項78】
ポリペプチドが、45〜65アミノ酸残基の長さであり、5つまたはそれ未満のアミノ酸の欠失、置換、またはそれらの組み合わせを伴って配列番号:1に記載の配列に整列する、第1アミノ酸配列を含み、かつ(i)付加もしくは置換がシステイン残基の存在をもたらさない、5つもしくはそれ未満のアミノ酸の付加、置換、もしくはそれらの組み合わせを伴って、または(ii)15個もしくはそれ未満のアミノ酸の欠失を伴って配列番号:2に記載の配列に整列する第2アミノ酸配列を含む、
請求項67記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【公表番号】特表2010−500032(P2010−500032A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523978(P2009−523978)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/075465
【国際公開番号】WO2008/021872
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(501083115)メイヨ・ファウンデーション・フォー・メディカル・エデュケーション・アンド・リサーチ (27)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/075465
【国際公開番号】WO2008/021872
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(501083115)メイヨ・ファウンデーション・フォー・メディカル・エデュケーション・アンド・リサーチ (27)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]