説明

制御された二次行程を有する巻取機

少なくとも1つのケーク(13)を支持するように設計された少なくとも1つのスピンドル(6,7)を有し該スピンドル(6,7)が該ケークの径に対して略垂直の第1の軸の周りを回転可能なフレーム(2)と、第1の旋回運動(C1)で少なくとも1つのストランドをスピンドル(6,7)上に堆積させるように設計された少なくとも1つのクロス巻取装置(8)とを含み、該ストランドがフォロアーによって第2の旋回運動(C2)で該スピンドル(6,7)上にさらに堆積する、巻取機(1)であって、該フォロアーが該第2の旋回運動を制御するための制御装置(12)を含むことを特徴とする巻取機(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性ストランド、特にガラスストランドを伸長させおよび巻取るための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
補強用ガラスストランドの加工は複雑な工業プロセスの結果であり、軸受筒のオリフィスを経て流れ出る溶融ガラス流からストランドを得ることにあることが想起されよう。これらの流れは、連続するフィラメントの形状に伸長され、次いでこれらのフィラメントは粗紡に纏められ、次いで巻取られたパッケージの形状で回収される。
【0003】
本発明の目的に対し、該パッケージはボビン、またはより正確には「ケーク」の形状であり、これらのケークにはより詳細には補強等の用途が意図される。
【0004】
ケークは巻取機を用いて形成され、これらの名称が示すように巻取機はガラスストランドの巻取に関与し、極めて高速(毎秒約10から50メートル)に予設定されている。
【0005】
これらの巻取機は、フィラメントを伸長させおよび巻取り、そして巻取機の操作パラメータは、軸受筒のそれらとともにストランドの寸法特性、特にtex(texは1000メートルの繊維またはストランドのグラム単位の重量である)で表される線密度を決定する。
【0006】
よって、ケークを製造する段階を通じてその直径の増大にかかわらずストランドの一定の線密度を保証するためには、ストランドの一定の線巻取速度をその角速度が変化しても確保するように、巻取機の巻取機構の速度がサーボ制御され、この速度サーボ制御は、ケークの直径が増大するのに従い該ケークを支持するスピンドルの回転速度を低減することにより実現される。
【0007】
最適品質のケークの構造を決定する他の重要なパラメータは、ループまたはつられて生じる結び目が存在せず、かつ摩擦が制限された状態で容易に巻き戻されるためのケークの能力である。この巻戻し性は、ケークを形成する間に巻取機によって生じた構成の法則(ケークの等級を決定する)の種類によって決定される。この構成の法則は多くのパラメータを組み込んでおり、その最も重要なものの1つは、しばしばCRと呼ばれるクロスオーバー比、およびストランドの線密度からなる。
【0008】
ケーク上に既知のクロスオーバー比を与えるために、本質的にフレームからなる従来の巻取機が、一般的に軸受筒の真下に配置される。このフレームはクロス巻取装置と少なくとも1つの回転可能なスピンドルとを支持し、このスピンドルは、一方でケークを生成するように、他方では後者を支持して2つの運動、すなわち第1の運動はこのストランド上の一次行程を与え、第2の運動は該ストランド上の二次行程を与える、の組み合わせからストランドに運動学的または特定の行程を与えるように設計される。該第1および第2の運動は、一般的に、組み合わされた運動を与える単一の機構により適用され、該機構はより一般的に、従来ケーク長さの全部または一部を表すことができるらせん状溝付ホイール等のらせん状ユニットまたは任意の他の等価な装置であるクロス巻取装置として公知である。
【0009】
したがって、クロス巻取装置は、スピンドルの軸に平行な2つの旋回運動の組み合わせによる幾つかのケークに沿ったストランドの軸方向の分布を確保し、この部分組立品は一般的に、主に、
−実際のクロス巻取装置がマウントされる駆動回転軸であって、高速運動でストランドがストランドの一方の側から他方に滑るようにするためのクロス巻取装置とストランドとの間の垂直の接触によって粗紡に第1の旋回運動(一次運動またはC1と呼ばれる)を与えるもの、および
−組立品を支持して粗紡の遅い第2の旋回運動(二次運動またはC2と呼ばれる)に追随する可動式要素、
からなる。
【0010】
この態様に従い、ストランドの粗紡はクロス巻取装置とともに運動でき、そしてケークを支持するスピンドルは固定されて並進運動するが回転運動が可能である。
【0011】
上記の系の変形として、二次行程C2は、ケークを支持するスピンドルの軸方向並進により得られる。この第2の態様に従い、ストランドの粗紡およびクロス巻取装置は水平並進軸に沿って動けず(しかし回転は可能である)、そしてケークを支持するスピンドルは並進および回転の運動が可能である。
【0012】
これらの2つの巻取方式は、先細の端部を有する一般的に筒状のボビン(「ケーク」と呼ばれる)を生成するという特別な特徴を有し、その長さは、粗紡に与えられる一次行程および二次行程に左右され、これらのケークは、後に再巻取し、または他の形で作業するために外側から巻戻される(巻取操作と逆の意味)ことによる交換プロセスにおいて使用されることが意図される。
【0013】
しかし、このようなケークを巻戻すことには問題があることが判明する場合がある。これは、繊維をコートするサイズ、または他に後の繊維化の張力等、幾つかのパラメータ等が作用し始めることによってボビンの巻戻しおよびその品位の制御を管理することが困難であることに起因する。これらの影響が大きくても、これらのパラメータは多くの場合プロセスまたは製品の最終的な使用の両者で課せられ、これらを変更することは極めて困難である。
【0014】
これらの巻戻しの問題に配慮するための第1の解決策は、クロスオーバー比および巻取速度と一次運動のストランド偏向速度との比を変更することにある。
【0015】
このパラメータの値を変更することによって、ストランドがボビン上に巻取られる角度を変更することが可能であり、このことは巻きの配列に直接作用する効果を有する。よって、このパラメータは、加工プロセスの種々の作業操作の間に必要なボビン品位の質と、種々のストランド交換プロセス中のその使用のために最も重要であるストランドの巻戻しの質との間の最良の妥協点を得るように調節できる。
【0016】
しかし、ストランドはそもそも新しい種類のサイズを有するより大型のボビンで、およびそもそも増大した巻取速度で得られる製品向けであるため、クロスオーバー比を調整するのみでは、ボビンの品位およびその巻戻し性である品質基準を最良の妥協点で最適化することが困難である。
【0017】
加えて、この新しい制約(そもそもより大型のボビンの形成)によって、後の乾燥の問題がさらに生じる。このことは、巻取り後のケーキの乾燥が、最小量の時間で最大量の水分を除去し、かつ製品を劣化させることなくそのようにすることが求められているためプロセスにおいて重要かつ扱いにくい要素であることに起因する。したがって、パッケージの最良の曝気を可能にする排出通路を作り出すように巻きを配列させることによってパッケージの芯に捕捉されている水が容易に排出されることを可能にすることが必要である。
【0018】
ケークのこの「空隙率」を形成するこの特定の巻きの配列は、限定された数のクロスオーバー比、同時にこれにより、ケークの良好な品位を得るためにこの比の最適化の選択肢を限定すること、により得られる。
【0019】
さらにより一般的には、最適に乾燥および巻戻しされることができるますます大型のケークを生成することは十分ではなく、むしろこれらのケークは、さらに最適に充填されるべきである。各パッケージの収益性を改善するためには、同等の全体サイズ(長さならびに内径および外径)に対してこれらの充填量を増大させる一方でこれらの良好な品位をなお保証することが望ましい。唯一の手段は、ボビンの軸に対して略垂直に配向させた端部を有するボビンを有することにある。ところで、このような結果を得るために、このことはパッケージの品位と両立できない極めて短い一次行程を示唆する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって本発明の目的は、クロス巻取装置に対する改善を提案することによって上記の問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この目的のために、本発明の巻取機は、本質的に、少なくとも1つのケークを支持するように設計された少なくとも1つのスピンドルを有し該スピンドルがケークの径に対して略垂直の第1の軸の周りを回転可能なフレームと、第1の旋回運動で少なくとも1つのストランドをスピンドル上に堆積させるように設計された少なくとも1つのクロス巻取装置とからなり、該ストランドがフォロアーによって第2の旋回運動で該スピンドル上にさらに堆積するものであって、該フォロアーが、該第2の旋回運動を制御するための制御装置を含むことを特徴とする。
【0022】
この制御装置によって、ケークが巻取られている間クロス巻取装置の該第2の旋回運動の運動学が制御されることを可能にする調整パラメータが導入される。
【0023】
本発明の好ましい態様において、さらに以下の配置のいずれかを任意に採用できる。
−該フォロアーがクロス巻取装置と協働する;
−該フォロアーがスピンドルと協働する;
−制御装置が、第2の旋回運動の運動量の少なくとも1つを少なくとも連続的に制御するためのサーボモータを含む;
−該運動量が速度および位置から選ばれる;
−該クロス巻取装置が、第1の軸と略平行の第2の軸の周りを回転可能にマウントされた少なくとも1つのらせん状ユニットを含む;
−該クロス巻取装置が、少なくとも1つの溝を備える少なくとも1つのホイールを含み、この溝が少なくとも1つのストランドを位置合わせおよびガイドするように設計され、該ホイールは該第1の軸と略平行の第2の軸の周りを回転可能である;
−該スピンドルがバレルに固定されており、該バレルがフレームに関し該第1および第2の軸と略平行の第3の回転軸の周りを回転可能にマウントされている;
−該バレルが、略定位置に該第3の回転軸に沿って均一に分布して配置された少なくとも2つのスピンドルを有する;
−該スピンドルが、該スピンドル内に組み込まれたモータを含む連鎖によって回転する;
−該スピンドルおよびその運転モータが線形アクチュエータに固定され、該アクチュエータは、該スピンドルの旋回運動を与えるように設計される;
−単数または複数のらせん状ユニットおよびその/それらの単数または複数の運転モータが線形アクチュエータに固定され、該アクチュエータが単数または複数の該らせん状ユニットの旋回運動を与えるように設計される;および
−該スピンドルおよびその運転モータが線形アクチュエータに固定され、該アクチュエータが該スピンドルの旋回運動を与えるように設計される。
【0024】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照し、限定しない例によって与えられる本発明のある態様の以下の説明を通じて明らかとなろう。
【0025】
図面において:
−図1は、本発明に係る巻取機の正面図であり、
−図2は、一次行程および二次行程の旋回運動を示す巻取機の側面図であり、
−図3は、他の態様の一次行程および二次行程の旋回運動を示す巻取機の側面図であり、
−図4aおよび4bは、従来技術に係る巻取機により得られるケークのプロファイルを示し、そして
−図5aおよび5bは、本発明に係る巻取機により得られるケークのプロファイルを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1に示す本発明に係る巻取機1の好ましい態様に従い、これは、予め加工されたものであるかまたは市販により入手可能な標準成分である溶接金属部品の技術により得られる金属フレーム2を含む。このフレーム2は、繊維化位置においてこの巻取機に対する導入をより容易にするフォークリフトトラックまたは同様の作業装置のフォークの形態または間隔に対応するように注意深く設置された脚部上に静止している略長方形のベース3を本質的に含む。
【0027】
このベース上には、巻取機1を操作するために必要なすべての部品を受入れることが意図された、部分的に覆われた閉構造4が組み立てられている。この点で、しかし限定ではなく、キャビネット形状のこの閉構造は、本発明の説明で後述される種々の機構の種々の調節、および補給−油圧で、電気的に、圧縮された空気および他の流体−該機構を作業するために必要なもの、のための必要な制御および運転装置を備える。
【0028】
横方向に突出したバレル5は閉構造4と協働する。このバレル5は、回転軸(第3の回転軸)の周りに回転可能にマウントされ、かつ定位置の閉構造の壁の1つに複数のガイド機構(例えばボールベアリングリング、ボールベアリングスライド)によって保持されている。このバレル5に対しては、ケークが巻取られる間フレーム2に関する複数の角度位置を表しおよび指数化するように駆動された設定もなされる。
【0029】
このバレル5は、スピンドル支持組立品を構成する。図1は、バレル5が直径方向に対向する位置に2つのスピンドル6,7を有することを示す(単一のスピンドルのみを備えたバレル[1つのスピンドルしかない場合にはバレルは必要ないが、スピンドルは自動的に再起動できない]、または一方、得られる空間および上流に配置された軸受筒の容量に応じて、少なくとも3、4またはさらに多くのスピンドルを有するバレルを有することが考えられる)。巻取機内で、バレル5は、予め取外され、そして巻取位置において新たな形成チューブ(本発明の目的のために、形成チューブはプラスチックまたはボール紙製の支持体であり、ストランドパッケージまたはケークを受入れることが意図される)を備えるスピンドル、および、180°にわたる回転により取外し位置にその全巻取チューブを有する他のスピンドル(例で表したようにバレルが2つのスピンドルを有する場合)を掛ける。
【0030】
バレル5を駆動することにより、および、例えばバレルの運転を担うギアモータの回転数を制御することによってその角度位置および/またはその角速度を管理することにより(該ギアモータは例えば歯車式連結を経由してその運転軸でバレル5とかみ合う)、動作中のスピンドルをストランドと概略一致させて設置することが可能になり、固定形状を維持するように、該スピンドルはケークが大きくなるにつれてその元の角度位置から下がるかまたは離れる。
【0031】
バレル5に固定されたスピンドル6,7の各々は、シャフトまたはスピンドル突出部上に予め導入される形成チューブ上へのストランドの巻取りに好適な回転組立品を構成する。この巻取りは、フレーム2の構造に対し、バレル5の回転軸に対して略平行の第1の回転軸に関して行われる。スピンドルに内蔵された回転モータによるこの第1の軸の周りの回転運動は別として、スピンドルは、第1の回転軸に対して平行な旋回行程(二次行程運動C2)を行うために好適である場合があり−反対の場合では、同じ方法でこれ(二次行程運動C2)を行うことができるクロス巻取装置である。この旋回運動は、一方がバレルまたはフレームに、そして他方がスピンドルの本体に固定された線形運動の駆動アクチュエータ(例えばボールねじ)によって作られる。
【0032】
図面は、ケークの作製のために必須の他の要素を示す。装置8は、ストランドをスピンドル6または7上にクロス巻取するためのものであり、この例ではらせん状ユニットである。このらせん状ユニットは、運転機構によってシャフトの周りを上記に対して略平行の第2の軸と同軸に回転する。らせん状ユニットを運転するための該機構の回転速度はケーク構成の法則に従って管理され、これらの制御指揮装置がフレーム形成構造2内に組み込まれるように準備がなされる。
【0033】
勿論、同一のスピンドル6または7上に幾つかのケークを同時に作製することが所望される場合には、らせん状ユニット8の数はそのように適合させることができ、そして該らせん状ユニット支持シャフトは連なったらせん状ユニットを含むことができ、その機構の数は所望のケークの数と等しくすることができる。
【0034】
らせん状ユニットの回転運動はストランドに振動性の運動を与え、該運動の振幅および頻度は、所望のクロスオーバー比の値に従って調整可能である。頻度は回転速度に従って決定され、そして振幅はらせん状ユニットの形状に従って決定される。
【0035】
他の装置(図1には示していない)をらせん状ユニットの代替として構想できる。これは少なくとも1つの溝を備えたホイールであっても良く、この溝は少なくとも1つのストランドを配置およびガイドするように設計され、該ホイールは第1の軸に対して略平行の第2の軸の周りに回転可能である。
【0036】
クロス巻取装置8のいずれの態様でも、これはいわゆる一次行程運動またはC1をし、速度および場合により位置の管理を伴い、図3に示す代替の態様に従っていわゆる二次行程運動C2を構成するスピンドル6または7の往来運動で動作し、その回転軸に平行な方向に沿った旋回運動におけるスピンドル6または7の運動は、連鎖によってスピンドル支持シャフトにかみ合うアクチュエータM2によって実行される。
【0037】
図2に示す他の代替の態様に従い、クロス巻取装置8は、粗紡の第1の旋回運動、いわゆる一次運動またはC1、を確保するモータM1によって回転運転されるシャフト上にマウントされている。この組立品は、ナット/スクリュー型等の連鎖14によって協働し、この組立品に、後にさらなる旋回運動、いわゆる二次運動またはC2を与えるようにクロス巻取装置の回転軸に対して略平行な軸に沿った並進運動をさせるためのアクチュエータM2(例えばモータ)によって動き続ける。
【0038】
図2または図3に示す態様のいずれでも、アクチュエータM2が、二次旋回運動C2の付与を担う該アクチュエータの変位運動学(速度および/または位置)を継続的に制御するために、位置制御および/または速度制御のサーボモータ型の追加の制御機構12を備えることに留意すべきである。
【0039】
本発明のある利点に従い、巻取機1の一次運動および二次運動は制御機構12によって切り離される。この追加の制御機構12は、巻戻しの要求および乾燥の要求に合致する既知のクロスオーバー比に対するケーク品位の問題を解決できる巻きの配列を管理および最適化する選択肢を与える。この制御機構の変形はまた、ケークの端部に堆積するストランドの量の増大を可能にすることでこれらの充填を有利にする。
【0040】
巻取機1の操作のために必要な他の部分組立品は、フレーム2内に組み込まれている。よって、ストランド引き手9がフレーム2のベース3近傍に配置されている。ストランド引き手9は、再起動中に使用されるストランド運転組立品であり、再起動は巻取段階の前の過渡段階である。この目的のために、ストランドは、平滑または型押しの壁を有する連なった駆動ホイールによって引かれる(ストランドは、巻取段階の起動中のスピンドル突出部におけるストランドの接触に適合する操作条件下で導入される)。
【0041】
巻取機は、少なくとも1つの回転式取出装置10および少なくとも1つのストレート取出装置11を含み、これらは閉構造2に関して横方向に、そしてバレル5上に垂直に突出している。
【0042】
回転式取出装置10すなわち牽引装置は、その端部の1つでフレーム2の閉構造に連結されたアームにより形成されており、そのフリーな端部は、ストランドがストランドクロス巻取装置8と接触する第1の位置(例えばらせん状ユニット)と、ストランドが該クロス巻取装置8に関して牽引される第2の位置との間で該ストランドを保持しおよび動かすように設計されている。回転式取出装置10の角運動は、スピンドル6または7を交換する際(バレル5の180°旋回)に行われる。
【0043】
ストレート取出装置11は、その名称が示すように、実質的に直線のアームである。回転式取出装置10のように、フレーム2の閉構造の側壁に関して横方向に突出し、2つの位置、すなわち、ストランドの通路から後退して設置されている休止位置、および、再起動中にストランドをスピンドル6または7の突出部上に保つ作業位置を占めることができる。この作業位置はまた受渡し操作中(バレルの回転および巻取られたケークを有するスピンドルから空のチューブホルダを有するスピンドルへの受渡し)に使用される。
【0044】
ストランドクロス巻取装置8(例えばらせん状ユニット)の近傍には、該配置装置に圧縮流体をスプレーすることによりこれを洗浄するための洗浄機構(図面では示していない)が配置される。
【0045】
巻取手順(ケーク上のストランドの厚みの増大)として、該装置による巻取りが行われる「動作中の」スピンドルを動かすように、バレル5は、その軸の周りのその角度位置の回転および指数化によって角度補正をし、固定形状を維持するように装置を配置およびガイドするストランドの外周から遠くに動かされる。
【0046】
巻取りは動作中の巻取りであり、一次行程および二次行程の運動は、構成の法則に適合するように制御装置12によって制御される。
【0047】
図4aおよび4bに示すように、従来技術の巻取機を用いてストランドの粗紡を巻取ることにより得られるケークは、その構成の間に、以下のようにして変動する。巻取角度(tanα=Vクロス/Vストランドと表される角度)である角度αがより低い値α’になる。この巻取りの間、二次運動の速度は値V2で一定に維持され、クロスオーバー比K(クロスオーバー比Kは、スピンドルの速度のクロス巻取装置の速度Vクロスに対する比として定義される)も同様である。
【0048】
巻取り中にその一定の線密度を維持するために、一定の引出速度(Vストランド)を維持することが必要なことが想起されよう。よって、スピンドルの速度は必然的に低下(直径の増大によって)し、そして、Kが一定であることによって、クロス巻取装置の速度Vクロスは同じ比率で低下するはずである。Vクロスが低下すると、Vストランド、必然的にαがより小さくそしてα’と等しくなる。
【0049】
ここで、本発明に従った巻取機を用いたケークの巻取り、すなわち、二次運動C2を制御するための装置12であって、したがってKおよびV2の両者を変動させることが可能なものを備えるものについて検討しよう。
【0050】
巻取り中のケークの構成の変動を示す図5aおよび5bから分かるように、角度α’およびα”は異なり、例では、αはα”よりもα’に近接し、そしてケークの端部(ドット−ダッシュ線の上、図4bを図5bと比較のこと)にストランドを蓄積させまたは巻取ることが可能である。巻取り中に二次行程C2の速度および/または位置を変動させることを可能にするために、制御装置は、プログラマブルコントローラ、および、任意の時点で行程C2上で動くサーボモータの動きを決定する「ad hoc」ソフトウエアにより制御される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明に係る巻取機の正面図である。
【図2】図2は、一次行程および二次行程の旋回運動を示す巻取機の側面図である。
【図3】図3は、他の態様の一次行程および二次行程の旋回運動を示す巻取機の側面図である。
【図4】図4aおよび4bは、従来技術に係る巻取機により得られるケークのプロファイルを示す。
【図5】図5aおよび5bは、本発明に係る巻取機により得られるケークのプロファイルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのケーク(13)を支持するように設計された少なくとも1つのスピンドル(6,7)を有し該スピンドル(6,7)が該ケークの径に対して略垂直の第1の軸の周りを回転可能なフレーム(2)と、第1の旋回運動(C1)で少なくとも1つのストランドをスピンドル(6,7)上に堆積させるように設計された少なくとも1つのクロス巻取装置(8)とを含み、該ストランドがフォロアーによって第2の旋回運動(C2)で該スピンドル(6,7)上にさらに堆積する、巻取機(1)であって、
該フォロアーが、該第2の旋回運動を制御するための制御装置(12)を含み、この制御装置によって、該第2の旋回運動(C2)の少なくとも速度および行程を連続的に制御することが可能になることを特徴とする、巻取機(1)。
【請求項2】
該フォロアーが該クロス巻取装置(8)と協働することを特徴とする、請求項1に記載の巻取機。
【請求項3】
該フォロアーが該スピンドル(6,7)と協働することを特徴とする、請求項1に記載の巻取機。
【請求項4】
該クロス巻取装置(8)が、該第1の軸と略平行の第2の軸の周りを回転可能であるようにマウントされた少なくとも1つのらせん状ユニットを含む、前掲の請求項のいずれかに記載の巻取機。
【請求項5】
該クロス巻取装置が、少なくとも1つの溝を備える少なくとも1つのホイールを含み、この溝が、少なくとも1つのストランドを位置合わせおよびガイドするために設計されており、該ホイールが、該第1の軸と略平行の第2の軸の周りを回転可能であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の巻取機。
【請求項6】
該スピンドルがバレルに固定され、該バレルが、該フレームに関して該第1および第2の軸と略平行の第3の回転軸の周りに回転可能であるようにマウントされていることを特徴とする、前掲の請求項のいずれかに記載の巻取機。
【請求項7】
該バレルが、該第3の回転軸に沿って略定位置に均一に分布して配置された少なくとも2つのスピンドルを有することを特徴とする、請求項6に記載の巻取機。
【請求項8】
該スピンドルが、該スピンドル内に組み込まれたモータを含む連鎖により回転することを特徴とする、前掲の請求項のいずれかに記載の巻取機。
【請求項9】
単数または複数のらせん状ユニットおよびこれ/これらの単数または複数の運転モータが、線形アクチュエータに固定され、該アクチュエータが、該単数または複数のらせん状ユニットの旋回運動を与えるように設計されていることを特徴とする、前掲の請求項のいずれかに記載の巻取機。
【請求項10】
該スピンドルおよびその運転モータが線形アクチュエータに固定され、該アクチュエータが、該スピンドルの旋回運動を与えるように設計されていることを特徴とする、請求項1および6〜8のいずれかに記載の巻取機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−543700(P2008−543700A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517557(P2008−517557)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【国際出願番号】PCT/FR2006/050611
【国際公開番号】WO2006/136751
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(501399290)サン−ゴバン ベトロテックス フランス (33)
【Fターム(参考)】