説明

制御された繊維床摩擦角及び/又は凝集力値をもつ繊維及び該繊維から形成された複合材

本発明は、制御された繊維床摩擦角及び/又は凝集力値を有する繊維に関する。繊維の繊維床摩擦角及び/又は凝集力値の制御は、材料の膨潤、材料の吸収力、及び/又は繊維を含有する吸収体複合材の吸収力、弾力性及び多孔性の制御を可能にする。本発明は、摩擦角及び凝集力値を操作するための超吸収体材料の処理と、所望の摩擦角特性及び/又は凝集力値特性とをもつ新しい繊維材料に関する。本発明はまた、繊維床摩擦値及び/又は凝集値が制御された繊維を、単独で、又は例えば超吸収体材料を含む他の成分と共に用いた複合材及び製品に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
人々は、毎日の生活において吸収性物品を頼りにしている。
成人失禁用物品、婦人ケア用物品、及びおむつを含む吸収性物品は、通常は、実質的に液体透過性のトップシートと、トップシートに取り付けられた実質的に液体不透過性のバックシートと、トップシートとバックシートとの間に配置された吸収体コアとを組み合わせることによって製造される。物品が装着されたときには、液体透過性トップシートは、装着者の身体の近くに位置する。トップシートは、体液を吸収体コアへと通過させる。液体不透過性バックシートは、吸収体コアに保持された体液の漏れを防止する。吸収体コアは、所望の物理的特性、例えば、高い吸収能力及び高い吸収速度をもつように設計され、体液が装着者の皮膚から使い捨て吸収性物品に移送されるようにする。
【0002】
本発明は、1つには吸収体コア(吸収体複合材とも呼ばれる)に体液を移送するのを促進する一助とするために吸収体コアに通常用いられる繊維に関する。より詳細には、本発明は、繊維性材料の繊維床において計測される修正された摩擦角及び/又は凝集力値を有する繊維に関する。本発明の繊維(又は繊維性材料)の繊維床摩擦角及び凝集力値の両方は、制御可能であり、所定のパターンに従う。本発明はまた、吸収体複合材、及びこうした吸収体複合材を組み入れた吸収性物品に、繊維床摩擦角が制御された繊維(及び/又は凝集力値が制御された繊維)を使用することに関する。繊維の繊維床摩擦角を制御することにより、この限りではないが、同じく吸収体複合材中に用いられる超吸収体材料の何らかの膨潤、吸収体複合材中の超吸収体材料及び/又は他の成分(例えば繊維)によってかかる応力、繊維及び超吸収体材料を含有する吸収体複合材の透過性、及び/又は、吸収体複合材の吸収性、弾力性、及び多孔性を含む現象の制御を可能にする。本発明は、繊維床摩擦角を操作するための繊維の処理、及び所望の繊維床摩擦角特性を有する新しい繊維に関する。本発明はまた、2つの出願継続中の米国特許出願、すなわち、2002年7月30日付の「Superabsorbent Materials Having Low,Controlled Gel−Bed Friction Angles and Composites Made From The Same」という名称の米国特許仮出願第60/399877号、及び本発明の繊維を単独で、又は同じく2002年7月30日付の「Superabsorbent Materials Having High,Controlled Gel−Bed Friction Angles and Composites Made From The Same」という名称の米国特許仮出願第60/399794号の一方又は両方において開示された新規な超吸収体材料を含む超吸収体材料と共に用いる、吸収体複合材及び製品に関する。これらの出願継続中の米国特許出願は、引用によりその全体を本発明と整合性が取れた形でここに組み入れる。
【0003】
前述のように、本発明はまた、繊維、及び制御された凝集力値を有する繊維を用いる吸収体複合材に関する。後述するように、繊維の凝集力値を制御することにより、この限りではないが、同じく吸収体複合材中に用いられる超吸収体材料の何らかの膨潤、吸収体複合材中の超吸収体材料及び/又は他の成分(例えば繊維)によってかかる応力、繊維及び超吸収体材料を含有する吸収体複合材の透過性、及び/又は、吸収体複合材の吸収性、弾力性、及び多孔性を含む現象の制御を可能にする。
吸収性物品に用いられる吸収体複合材は、典型的には、超吸収体材料のような吸収体材料と、天然及び/又は合成繊維を含む複合体マトリックスとが混合されたものからなる。流体が吸収体複合材に進入する際に、該吸収体複合材が流体を吸収するのに伴って超吸収体材料が膨潤する。超吸収体材料は、膨潤する際に、それを取り囲むマトリックス成分と、潜在的には他の超吸収体材料と接触する。超吸収体材料の完全な膨潤容量は、超吸収体材料に対して働く応力(例えば、超吸収体材料上のマトリックスによってかかる応力、使用中に装着者によって吸収体複合材にかけられる応力を含む、マトリックスと超吸収体材料とを含有する吸収体複合材に対して働く外部応力、超吸収体材料の一部によって超吸収体材料の別の部分に直接的に又は間接的にかけられる応力等)のために減少させられる。さらに、超吸収体材料を含む吸収体複合材に対して働く応力は、間隙孔体積、すなわち超吸収体材料、繊維、他の構成材、又はそれらの幾つかの組み合わせの間のスペースを減少させるように働くことができる(特定の例えに縛られることなしに、単なる説明のために、孔を有するスポンジ状材料の或る単位面積に対して働く力を考えると、単位面積当りの力、すなわち応力が、スポンジ状材料の厚さ、それにより孔の体積を減少させるように働く)。
【0004】
超吸収体材料が膨潤する際に、該超吸収体材料は、吸収体複合材マトリックスの空隙スペースに再配置されると共に、マトリックスに対して直ちに膨張して、付加的な空隙スペースを生じる。また、超吸収体材料が膨潤する際に、吸収体複合材内で及び/又は吸収体複合材上で働く応力は、少なくとも部分的には、超吸収体材料の膨張のために増大し、それにより、吸収体複合材中の繊維、超吸収体材料、他の成分、又はこれらの幾つかの組み合わせの間の孔体積を減少させる。複合材マトリックス内で再配置される性質と、複合材マトリックス内で又は上で働く応力の大きさ及び程度は、特に、複合材に用いられる繊維の繊維床摩擦角及び/又は凝集力値、並びに複合材に用いられる何らかの超吸収体材料のゲル床摩擦角及び/又は凝集力値を含む幾つかの因子に依存する。さらに、超吸収体材料が複合材マトリックス内で動く際に、超吸収体材料は、それを取り囲むマトリックスの繊維及びバインダ材料のような成分に接触することがある。したがって、繊維の摩擦及び凝集特性は、超吸収体材料の膨潤し、再配置する性質、又はマトリックス内で動く性質、並びに複合材マトリックス内で及び上で働く応力の大きさ及び程度に影響を及ぼすことがある。
【0005】
超吸収体材料が吸収体複合材の空隙内で回転し及び平行移動して、超吸収体材料がマトリックス内で完全な膨潤容量にできるだけ近い程度まで膨潤できるようにすることが望ましい場合が多い。したがって、超吸収体材料を吸収体複合材マトリックスの空隙スペース内により容易に再配置することを助けることができる繊維への必要性が存在している。超吸収体材料を吸収体複合材マトリックス内で再配置させ、吸収体複合材又はその成分内で又は上で働く応力を減少させ又は最小にし、及び/又は応力の蓄積に付随する孔体積の減少を低減させ又は最小にする物理的機構を制御する方法への必要性も存在している。
【発明の開示】
【0006】
本発明者らは、これらの必要性の1つ又はそれ以上に対処する繊維床摩擦角及び/又は凝集力値が制御された繊維を見出した。(注:特に指定のない限り、繊維床又は繊維摩擦角、或いは繊維床もしくは繊維凝集又は凝集力値への言及は、湿潤状態の繊維について求められた特性に関するものである。凝集力値又は摩擦角を求める目的のための繊維の湿潤の付加的な詳細についての定義部分を参照されたい。)したがって、本発明は、繊維床摩擦角及び/又は凝集力値が制御された繊維に向けられている。本発明の繊維は、通常の繊維の繊維床摩擦角とは実質的に異なる制御された繊維床摩擦角を呈する繊維床摩擦角を有することができる。
本発明の繊維及び/又は繊維材料は、所望の繊維床摩擦角及び/又は凝集力値を得るために通常とは異なる製造工程を用いて、繊維床の摩擦角を増加させ、減少させ、又は別の方法で制御するために添加剤で処理することによって製造することができる。繊維床摩擦角及び凝集力値は、モール・クーロンの破壊理論(これらの特性及びこの理論は、後でより詳しく説明する)からもたらされる繊維床又は繊維性材料の特性である。小さい摩擦角は、小さい粒子間摩擦(例えば、繊維と繊維との相互作用、繊維と超吸収体材料との相互作用など)を呈する。
繊維の低い凝集力値は、繊維マトリックスにおける一体性を低くする。本発明の繊維は、単独で、又は超吸収体材料を含む他の成分と共に用いることができる。適切な超吸収体材料は、引用により上記で特定し、組み入れた2つの出願継続中の米国特許出願に開示されている。
【0007】
本発明の繊維及び/又は繊維性マトリックスは、湿潤したときに約35度又はそれより小さい繊維床摩擦角を有する湿潤可能な天然繊維を含むことができる。繊維及び/又は繊維性マトリックスは、水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料をさらに含有する吸収体複合材中に含めることができる。繊維及び/又は繊維性マトリックスは、乾燥繊維床摩擦角と湿潤繊維床摩擦角とを有し、湿潤繊維床摩擦角は、乾燥繊維床摩擦角の約80%とするか又はそれより小さい角度とすることができる。繊維及び/又は繊維性マトリックスは、約5,000パスカル又はそれより小さい湿潤繊維床凝集力値を有することができる。
本発明の繊維及び/又は繊維性マトリックスは、湿潤したときに約25度又はそれより大きい繊維床摩擦角を有する湿潤可能な天然繊維を含むことができる。繊維及び/又は繊維性マトリックスは、水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料をさらに含有する吸収体複合材中に含めることができる。繊維及び/又は繊維性マトリックスは、乾燥繊維床凝集力値と湿潤繊維床凝集力値とを有し、湿潤繊維床凝集力値は、乾燥繊維床凝集力値の約120%とするか又はそれより大きいものとすることができる。
本発明のこれらの及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明、添付の請求項、及び付属の図面と関連してより良く理解されることとなるであろう。
【0008】
(定義)
本明細書の文脈においては、以下の各用語又は語句は、以下の1つ又はそれ以上の意味を含む。
「荷重下吸収性」(AUL)とは、機械的荷重下での材料の液体保持能力の尺度のことをいう。それは、荷重適用下で、又は約0.3ポンド毎平方インチ(2,000パスカル)の抑制圧の下で、1時間に、材料1グラム当りに吸収し得る0.9重量%塩化ナトリウム水溶液のグラム量を測定する試験によって求められる。AULを求める手順は、引用によりその全体を本発明と整合性が取れた形でここに組み入れる、米国特許第5,601,542号において与えられている。
「吸収性物品」は、限定ではなしに、おむつ、トレーニングパンツ、水着、吸収性下着、乳児用拭取り材、失禁用製品、婦人衛生用製品、及び医療用吸収製品(例えば、医療用吸収性衣類、アンダーパッド、包帯、ドレープ、及び医療用拭取り材)を含む。
「繊維」及び「繊維マトリックス」は、限定ではなしに、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせを含む。天然繊維の例には、セルロース繊維(例えば木材パルプ繊維)、綿繊維、毛繊維、シルク繊維など、並びにこれらの組合せがある。合成繊維には、レーヨン繊維、ガラス繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレンがある。ここで用いられる「繊維性マトリックス」という用語は、複数の繊維を含むものとして理解される。
【0009】
「自由膨潤容量」とは、無視できるほどの荷重適用下で、1時間に、材料1グラム当りに吸収し得る0.9重量%塩化ナトリウム水溶液のグラム量を測定する試験の結果のことをいう。
「繊維床摩擦角」は、Jenike−Shulzeリング剪断試験機又は他の摩擦角測定技術によって測定された、繊維床における繊維又は繊維材料の摩擦角のことをいう。特に指定のない限り、測定は湿潤繊維において行われる。この用途の目的上、繊維は、0.9%塩化ナトリウム溶液(塩化ナトリウムが蒸留水中に溶解されたもの)によって、オーブン乾燥繊維1グラム当たり0.9%塩化ナトリウム溶液約0.2グラム又はそれ以上に対応する飽和レベルになったときに湿潤されたと考える。繊維のオーブン乾燥重量は、少量の繊維を摂氏105度のオーブン中に2−4時間入れることによって求められる。乾燥繊維は、冷めるまで乾燥剤が入っているデシケータ内に置かれる。次いで、繊維を計量する。この用途の目的上、繊維は、乾燥繊維1グラム当たり該繊維の水分が0.2グラムを下回ったときに乾燥されたと考える。
【0010】
この用途の目的上、「凝集力」、「有効凝集力」及び「凝集力値」とは、Jenike−Shulzeリング剪断試験機又は他の測定技術によって測定された、繊維床における繊維又は繊維材料の凝集力のことをいう。特に指定のない限り、測定は湿潤繊維において行われる。この用途の目的上、繊維は、0.9%塩化ナトリウム溶液(塩化ナトリウムが蒸留水中に溶解されたもの)によって、オーブン乾燥繊維1グラム当たり0.9%塩化ナトリウム溶液約0.5グラム又はそれ以上に対応する飽和レベルになったときに湿潤されたと考える。繊維のオーブン乾燥重量は、少量の繊維を摂氏105度のオーブン中に2−4時間入れることによって求められる。乾燥繊維は、冷めるまで乾燥剤が入っているデシケータ内に置かれる。次いで、繊維を計量する。
「勾配」とは、吸収性パッドの種々の位置に存在する超吸収体材料の量、又は質量、密度等といった他のパッド特徴のような物理量の大きさの段階的変化のことをいう。
【0011】
「繊維床」とは、リング剪断セルのような容器内の繊維の量のことをいう。
「高収率パルプ繊維」は、約65%又はそれ以上、より具体的には約75%又はそれ以上、さらに具体的には約75%から約95%の収率を与えるパルプ製造工程によって作られる製紙繊維である。こうしたパルプ製造工程には、漂白されたケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、圧力/圧力サーモメカニカルパルプ(PTMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、サーモメカニカル・ケミカルパルプ(TMCP)、高収率亜硫酸パルプ、及び高収率クラフトパルプが含まれるが、いずれも、結果として得られる繊維に高いレベルのリグニンが残留している。適切な高収率パルプ繊維は、割合に全体的に比較的損傷のない仮導管からなり、高い濾水度(250CSFより高い)及び低い微粉含有量(Britt jar試験によって、25%より少ない)によって特徴付けられる。
「均質に混合する」とは、物質の各々の物理量の大きさが組成物の全体にわたって実質的に一定となるように、組成物中の2つ又はそれ以上の物質を均一に混合することをいう。
「失禁用製品」は、限定ではなしに、幼児用の吸収性下着、幼児、又は自閉症児のような特殊ニーズをもつ若年者、或いは身体的障害により膀胱/腸制御問題をもつ者用の吸収性衣類、並びに老年者失禁用の吸収性衣類を含む。
【0012】
「メルトブローン繊維」とは、溶融した熱可塑性材料を、複数の微細な、通常は円形のダイ毛細管を通じて、収束する高速高温ガス(例えば空気)流の中へ溶融糸又はフィラメントとして押し出し、熱可塑性材料のフィラメントがガス流によって細められ、直径が、マイクロファイバの直径にまで縮小されることにより形成される小直径の繊維を意味する。その後、メルトブローン繊維は、高速ガス流により運ばれ、集積面に堆積されて、不規則に分散されたメルトブローン繊維のウェブを形成する。このような工程は、例えば、ビューティン他に付与された米国特許第3,849,241号に開示されている。メルトブローン繊維は、連続的又は非連続的なマイクロファイバであり、一般的には約0.6デニール以下であり、集積面に堆積されるときには、通常は自己結合する。本発明で用いるメルトブローン繊維は、好ましくは、長さにおいてほぼ連続的である。
【0013】
「モールの円」とは、1つ又はそれ以上の力がかけられる材料内の応力状態の作図的表現のことをいう。モールの円は、後でより詳しく説明する。
「モールの破壊包絡線」とは、破壊又は剪断平面上の法線応力の関数としての、破壊平面における破壊剪断応力のことをいう。モールの破壊包絡線は、後でより詳しく説明する。
「ポリマー」とは、この限りではないが、ホモポリマーと、例えば、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、ランダムコポリマー、及び交互コポリマー、三元コポリマー等のようなコポリマーと、それらの配合物及び変成物を含むが、これらに限られるものではない。さらに、特に限定されていない限り、「ポリマー」という用語は、材料の可能性のある全ての幾何学的形状を含む。これらの形状は、これらに限られるものではないが、アイソタクチック対称、シンジオタクチック対称、及びアタクチック対称を含む。
「超吸収体」又は「超吸収体材料」とは、最適条件下において、0.9重量%の塩化ナトリウムを含む水溶液中で、少なくとも自重の約10倍を、より望ましくは、少なくとも自重の約20倍を吸収することが可能な、水膨潤性、水不溶性の有機又は無機材料のことをいう。超吸収体材料は、天然、合成又は変成天然ポリマー及び材料とすることができる。さらに、超吸収体材料は、シリカゲルのような無機材料、又は架橋されたポリマーのような有機化合物とすることができる。本発明の超吸収体材料は、粒子、繊維、フレーク及び球を含む様々な構造形状を具体化することができる。
【0014】
「スパンボンド繊維」とは、溶融した熱可塑性材料を、円形又はその他の形状を有する紡糸口金の複数の微細な毛細管からフィラメントとして押し出し、次いで、押し出されたフィラメントの直径を、例えば、それぞれの全部を引用によりここに組み入れる、アッペル他に付与された米国特許第4,340,563号、ドーシュナー他に付与された米国特許第3,692,618号、マツキ他に付与された米国特許第3,802,817号、キニーに付与された米国特許第3,338,992号及び3,341,394号、ハートマンに付与された米国特許第3,502,763号、ピーターセンに付与された米国特許第3,502,538号、及びドーボー他に付与された米国特許第3,542,615号におけるように、急速に縮小することにより形成される小直径の繊維を指す。スパンボンド繊維は、集積面に堆積される際に急冷され、通常は粘着性がない。スパンボンド繊維は、ほぼ連続しており、しばしば約0.3デニール以上、より具体的には、約0.6から10デニールまでの間の平均デニールを有する。
これらの用語は、本明細書の残りの部分において付加的な言語で定義されることがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(連続体力学、モールの円、及びモール・クーロンの破壊理論の概要)
本発明者らの発見は、力学からのツール及び用語を用いて説明されることから、便宜のために、連続体力学、モールの円、及びモール・クーロンの破壊理論の概要が与えられる。この概要は、単なる説明のためのものであって、本発明を特徴付ける分析的骨組みを与えるものであり、ここで開示される本発明を制限するものと受け取られるべきではないことを理解されたい。
吸収性物品及び複合材は、本質的に多孔性である。複合材(例えば超吸収体材料と繊維)を形成する種々の構成要素間の空きスペースは、一般に、空隙スペース又は孔スペースと呼ばれる。孔スペースは、液体を貯蔵し及び/又は吸収体複合材又は物品の全体にわたって液体を移送するための導管又は通路を与えるように働く。吸収体複合材の単位体積あたりの孔スペースの体積は、一般に「多孔度」と呼ばれる。通常は、吸収性能は、多孔度の増加によって改善される。例えば、吸収体複合材の透過性、すなわち液体移送を容易にする複合材の能力は、多孔度の増加に伴って増加する(特定の表面積及びねじれといった他の因子は等しい)。
【0016】
吸収体複合材又は物品のような多孔性媒体への応力の適用は、全体として媒体の容積変形、並びに異方性応力の場合には剪断変形を引き起こすことが知られている。図1は、多孔性媒体の容積変形の例を示す。図1の左端の像は、「高多孔度」10と付されており、多孔性媒体12(最上部の平坦面領域は、幾つかの個別の領域を有する)の最上部の平坦面14にかけられる荷重がないときの多孔性媒体12を示す。図1の右端の像は、「低多孔度」16と付され、多孔性媒体12’の最上部の平坦面14’に荷重18がかけられた状態の同じ多孔性媒体12’を示す。応力、すなわち単位面積あたりの法線力σ20を生じる荷重18が配置されることに対応して、厚さが減少する(ΔL22で示されるように)。(注:本発明の目的上、圧縮応力は、正の値をもつものとして表わされる。)
【0017】
超吸収体粒子及び繊維のような個々の構成要素から形成される多孔性媒体12(例えば吸収体複合材)においては、全体としての多孔性媒体12の厚さの変化ΔL22は、個々の粒子及び繊維の個々の寸法の減少によるものではないと思われる(これらの個々の厚さの減少は、おそらくは小さいか又は無視できるほどである)。それよりむしろ、全体としての多孔性媒体12の厚さの減少ΔL22は、多孔度(又は同類として空隙体積)の減少によるものである。したがって、図1に示された例においては、応力、又は単位面積当りの法線力σ20の増加によって、全体としての多孔性媒体12の厚さΔL22が減少し、多孔性媒体12の多孔度が減少する。(注:図1において、孔の中の流体が圧縮可能ガスである場合には、多孔性媒体12の表面に対して働く法線応力は、孔の中のガスを圧縮するか、又は孔の中のガスの一部を多孔性媒体12の外に出させるか、或いはこれらの組み合わせをもたらす。この同じ図1において、孔の中の流体が圧縮不可能な液体である場合には、多孔性媒体12の表面に対して働く法線応力は、液体の一部を多孔性媒体12の外に出させる。)
【0018】
図1の多孔性媒体12は、多孔性媒体12内の任意の要素に対して働く応力を解析するために、さらに試験することができる。図2は、平衡状態における、ここでは立方体の面によって表わされる任意の要素30の応力状態を示す(任意の要素30は、外部応力σ外部34がかけられる多孔性媒体32内にある)。本発明の目的上、多孔性媒体32内の任意の要素30は、連続体として取り扱われる。図2においては、応力状態は、立方体の面に水平に働くσh36と、立方体の別の面に垂直に働くσν38との2つの法線応力成分と、剪断応力τ40とによって表される。法線応力成分36は、任意の要素30の面に垂直であり、一方、剪断応力40は、任意の要素30の面に並行である。
剪断応力40がゼロ(すなわちτ=0)である場合には、2つの法線応力36は、主応力と呼ばれることに注意されたい。さらに、τ=0であるとき、2つの法線応力36のうち大きい方は最大主応力と呼ばれ、他方は最小主応力と呼ばれる。ここでの説明上、2つの応力は、

の主応力であると想定される。
【0019】
通常は、組み合わされて図2に特定されるような主応力をもたらす、応力生成への少なくとも2つの寄与が存在する。第1の寄与は、もしかすると一様ではない、多孔性媒体32の境界に対して働く外部応力34である。この応力は、周知の力平衡の式に従って多孔性媒体32の全体にわたって伝達される。第2の寄与は、多孔性媒体32(例えば超吸収体材料)を形成する構成材の膨潤によって生じる。例えば、図2に示される任意の要素30のすぐそばに隣接するブロック又は要素の膨潤は、他の要素が任意の要素30に対して、及び互いに膨張しようとする際に、任意の要素30に対して又は沿って働く「内部」生成応力を生じさせる。
前述のように、図2に示されるような任意の要素30に対して働く応力が主応力であるとき、任意の要素の面に対して働く剪断応力40は存在しない。しかしながら、図3に示すように、図示された任意の要素30を通る他の想像平面、すなわち0<α<90°である、水平方向から遠ざかる方向に或る角度α50をなす平面、に対して働く剪断応力40が存在する。図3は、最大主平面54に対して働く最大主応力σh52と、最小主平面58に対して働く最小主応力σν56とを示す。法線応力σ60と剪断応力τα62は、水平方向から遠ざかる方向に或る角度α50をなす想像又は任意の平面64に対して働く。
【0020】
図3に示された要素66を通る任意の平面64に対して働く剪断力62及び法線力60をそれぞれ得ることは、図4に示されるようなモールの円の図解的手法を用いることによって単純化される。図4は、法線応力(x軸)72の関数としての剪断応力(y軸)のプロットを示す。ここでの説明の目的上、主応力は、(例えば、計算又は測定によって)知ることができると想定される。最小主応力σν74及び最大主応力σh76のx−y座標は、x軸上にある(すなわち、剪断応力τ70がゼロに等しい場合)。モール半円78は、小さな及び最大主応力74及び76の座標が、それぞれモール半円78の円周を定める弧の終点に対応するように描かれる。このモール半円78の半径は、最大主応力σh76と最小主応力σν74との間の差の半分に等しい。その一方の端がモール半円78の中心に対応し、他方の端が最大主応力に最も近い半円弧上の点に対応する、x軸から角度2α82をなす半径線セグメント80を引くことによって、法線応力σ84と剪断応力τα86との両方が、半径線セグメント80とモール半円78との交差点88において得られる。
【0021】
図5は、1つ又はそれ以上の膨潤構成材(例えば粒子状超吸収体材料)を用いる多孔性媒体の応力発展の一例を示す。y軸はまた、剪断応力τ100に対応し、x軸はまた、法線応力σ102に対応する。多孔性媒体からの任意の要素に対して働く最小主応力σν104が、不変のままである場合には、モール円106、108、110及び112の一族としての応力発展(それは例えば超吸収体材料の膨潤に伴って起こる)が見られ、それらの全ては、同じ最小主応力σν104を有する。モール円106、108、110及び112の推移は、一般に、応力経路114と呼ばれ、より正確には、各モール円106、108、110及び112の最大剪断応力及び平均応力を同時に位置付ける点においてモール円106、108、110及び112の組を通る線である。
モール円106、108、110及び112の各々の、平均応力に等しい中心は、特定の任意要素内に含まれる孔スペースの容積変形を決定し、超吸収体材料によってかかるおおよその応力に対応する。
【0022】
多孔性媒体における応力は、そういつまでも増加するわけではなく、むしろ特定の破壊平面に沿った(例えば、超吸収体材料と繊維との間の界面における、又は超吸収体材料の個々の粒子間の界面などにおける)滑動に付随して破壊が起こることになる。モール・クーロンの破壊基準は、破壊時の平面に対して働く剪断力が、同じく破壊時の同じ破壊平面に対して働く法線力に直線的に比例することを示すものである。したがって、モール・クーロンの理論は、それを超えて応力の安定状態が存在しないという破壊限界、又は包絡線を与える。この破壊限界に対応する線を、モール円106、108、110及び112(超吸収体材料を用いる多孔性媒体の所与の膨潤状態又は膨潤度に対応するものとして考えることができる)を描く剪断応力及び法線応力のプロット上に重ねると、モール円106、108、110及び112の半径は、(例えば、多孔性媒体、及び/又は多孔性媒体によって用いられる超吸収体材料の付加的な膨潤によって)この直線的包絡線の接線となる程度まで増加するのみである。破壊包絡線は、Jenike−Schulz ring−shear試験機のような試験機を用いて、材料床(例えば、繊維床又は超吸収体材料のゲル床)に対して働く所与の法線応力についての破壊時の剪断応力を測定することによって、経験的に求めることができる。多くの異なる法線応力についての多くの破壊時の剪断応力をプロットすることによって、モール・クーロンの破壊包絡線(又はライン或いは限度)を求めることができる。
【0023】
図6は、剪断応力τ122に対する法線応力σ124のプロット上の直線状の破壊包絡線120を示す。このプロット上には、2つのモール円126及び128が描かれており、各モール円は、異なる初期応力値、すなわち2つの最小主応力σν130及び130’の異なる値を有する。摩擦角φ132及び凝集力c134は、特定の材料(例えば、繊維及び超吸収体材料からなる吸収体複合材、膨潤された粒子状超吸収体材料のゲル床など)の特性である。初級物理学からの静止摩擦係数に等しい摩擦角φ132の正接は、増加する法線力が、より大きな最大剪断力をどの程度まで許容するかを示すものである。凝集力c134は、当該破壊平面上にどんな法線力も存在しないときの、破壊前に材料が許容する剪断応力の大きさを表わす。3つのパラメータ、すなわち、摩擦角φ132、凝集力c134、又は最小主応力σν130及び130’のいずれか1つにおける増加は、多孔性材料における大きな応力、すなわち大きなモール円の発展を可能にする。摩擦角φ132及び凝集力c134は、材料の特性であり、(例えば、ここで開示される試験及び方法論を用いて)測定可能である。図6はまた、摩擦角φ132、凝集力c134、破壊時の剪断応力τff138、及び破壊時の法線応力σnff140に関連する数学的関係性τff=c+σnff(tanφ)136を示す。(注:この開示の目的上、σnffはσffに等しく、両方の項は、破壊時の破壊平面に対して働く法線応力のことをいう。)この関係性は、後の詳細な説明の部分で詳しく述べる。
【0024】
既に説明したように、通常は、吸収性物品への圧縮応力の適用に起因する多孔度、すなわち空隙体積の減少を最小にし、又は低減させることが有利である。応力の増大を制限する材料(例えば、繊維床摩擦角が低く制御された繊維又は低い凝集力値を有する繊維)を選択することによって、多孔度減少度を減少させることができる。例えば、繊維床摩擦角が低く制御された繊維は、多孔度、それにより透過性、の大きな損失をもたらす値まで応力が上昇する前に、破壊の発生を促進することになる。超吸収体の吸収力は荷重の増加に伴って減少することが良く知られているので、繊維床摩擦角が低く制御された繊維を通じて応力緩和を与えることの付加的な利点は、複合材中に繊維と共に用いられる超吸収体材料が、それらの自由膨潤能力の大部分を保持することである。しかしながら、或る状況、例えば高多孔度の吸収体複合材においては、繊維床摩擦角及び/又は凝集力値が高く制御された繊維を用いて、高多孔度を「固定化する」ことが有利である。
【0025】
(代表的な実施形態の詳細な説明)
本発明は、繊維と、吸収性物品の吸収体複合材における繊維の使用に関する。本発明は、この特許出願において説明された繊維を、単独で、又は超吸収体材料を含む他の成分と共に用いることを含む。適切な超吸収体の例は、2002年7月30日付の「Superabsorbent Materials Having Low,Controlled Gel−Bed Friction Angles and Composites Made From The Same」という名称の米国特許仮出願第60/399877号、及び同じく2002年7月30日付の「Superabsorbent Materials Having High,Controlled Gel−Bed Friction Angles and Composites Made From The Same」という名称の米国特許仮出願第60/399794号といった出願継続中の米国特許出願に記載されている。前述のように、これらの出願継続中の米国特許出願の両方は、それらの全体を本発明と整合性が取れた形でここに組み入れる。通常の超吸収体はまた、本発明の繊維と共に用いることができる。
【0026】
吸収性物品の吸収体複合材は、典型的には、セルロースフラフパルプのようなマトリックス材料と均質に混合された超吸収体繊維及び/又は超吸収体粒子のような種々の形態の、或る場合には比較的大量の、超吸収体材料を含有する。超吸収体材料とセルロースフラフパルプとの混合物は、吸収体複合材の全体にわたって均質であっても良く、又は超吸収体材料は、繊維マトリックス内に勾配を形成するというように、吸収体複合材内に戦略的に配置されても良い。例えば、吸収体複合材の他方の端より吸収体複合材の一方の端に、より多くの吸収性材料が存在しても良い。或いは、吸収体複合材の底面沿いより該吸収体複合材の上面沿いに、より多くの超吸収体材料が存在してもよいし、吸収体複合材の上面沿いより該吸収体複合材の底面沿いに、より多くの超吸収体材料が存在してもよい。当業者であれば、吸収体複合材に利用可能な種々の実施形態を認識するであろう。本発明の繊維材料は、吸収体複合材のこれらの及び他の種々の実施形態(随意的には、上記で特定された出願継続中の米国特許出願において説明されている1つ又はそれ以上の新規な超吸収体を含む)において用いることができる。
【0027】
吸収体複合材は、典型的には、超吸収体材料を収容するマトリックスを含む超吸収体材料を含む。マトリックスは、繊維性材料又は発泡体材料から形成される場合が多いが、当業者であれば、複合材マトリックスの種々の実施形態を認識するであろう。こうした繊維性マトリックスの1つは、セルロースフラフパルプから形成される。セルロースフラフパルプは、木材パルプフラフを含むのが適切である。セルロースパルプフラフは、全て又は部分的に、合成ポリマー繊維(例えばメルトブローン繊維)と交換可能である。合成繊維は、本発明の吸収体複合材に要求されるものではないが、含有しても良い。1つの好ましい形式の木材パルプフラフは、米国アラバマ州チルダーズバーグ、ボウォーター社から入手可能な、CR1654という商標名で特定され、主に軟材繊維を含む漂白された高吸収性木材パルプである。セルロースフラフパルプは、超吸収体材料と均質に混合することができる。吸収性物品内で、均質に混合されたフラフ及び超吸収体材料は、身体排出物を良好に収容し、吸収するために、所望の区域に選択的に高濃度で配置することができる。例えば、均質に混合された多量のフラフ及び超吸収体材料を、パッドの後部よりパッドの前部により多くの坪量が存在するように、制御可能に配置することができる。
【0028】
本発明の吸収体複合材は、繊維、超吸収体材料、及び/又はその他の構成材の総重量に基づき、約5から約95重量%までの間の超吸収体材料を適切に含有することができる。随意的には、吸収体複合材における超吸収体材料の重量組成は、約20から約80%までとすることができる。さらに、吸収体複合材における超吸収体材料の重量組成は、約40から約60%までとすることができる。
本発明の繊維と共に用いることができる適切な超吸収体材料は、天然、合成及び変成天然ポリマー及び材料から選択することができる。超吸収体材料は、シリカゲルのような無機材料、又は寒天、ペクチン、グアーガムなどのような天然材料、並びに合成ヒドロゲルポリマーのような合成材料を含む有機化合物であってもよい。こうしたヒドロゲルポリマーは、例えば、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、エチレン無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルエーテル、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルモルホリノン、ビニルスルホン酸、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジンのポリマー及びコポリマー、ポリアミド、及びこれらの組み合わせを含む。他の適切なポリマーは、加水分解アクリロニトリルグラフトでんぷん、アクリル酸グラフトでんぷん、及びイソブチレン無水マレイン酸コポリマー、並びにこれらの組み合わせを含む。ヒドロゲルポリマーは、材料を実質的に水不溶性にするために、適切に軽く架橋される。架橋は、例えば、照射によって、又は共有結合、イオン結合、ファンデルワールス力、又は水素結合によるものとすることができる。超吸収体材料は、粒子、繊維、フレーク、球などを含む、吸収性構造体に用いるのに適したいずれかの形態とすることができる。
【0029】
典型的には、超吸収体ポリマーは、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液中で自重の少なくとも約10倍を吸収することができ、特に、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液中で自重の約20倍より多くを吸収することができる。超吸収体ポリマーは、米国ミシガン州ミッドランド所在のダウケミカルカンパニー社、及び米国ノースカロライナ州グリーンズボロ所在のStockhausen社のような種々の商業的供給業者から入手可能である。他の超吸収体ポリマーは、引用によりその全体を本発明と整合性が取れた形でここに組み入れる、Melius他の1997年2月11日付の米国特許第5,601,542号、1999年12月に出願され、キンバリー・クラーク社に譲渡された米国特許出願第09/475,829号、及び1999年12月に出願され、キンバリー・クラーク社に譲渡された米国特許出願第09/475,830号に記載されている。
【0030】
市販の超吸収体材料の他の例は、FAVOR(登録商標)という名称でStockhausen社から入手可能なポリアクリレート材料を含む。その例は、FAVOR(登録商標)SXM77、FAVOR(登録商標)SXM880、及びFAVOR(登録商標)SXM9543である。他のポリアクリレート超吸収体材料は、DRYTECH(登録商標)2035のようなDRYTECH(登録商標)という商標名で米国ダウケミカル社から入手可能である。
超吸収体材料は、米国材料試験協会(ASTM)試験法D−1921に従うふるい分析によって求めたときに、非膨潤状態において、典型的には約50ミクロンから約1000ミクロンの範囲内、適切には約100ミクロンから約800ミクロンの範囲内の最大断面直径を有する粒子の形態とすることができる。前述の範囲内に入る超吸収体材料粒子は、固体粒子、多孔性粒子を含んでもよく、又は多くの小さい粒子が説明された寸法範囲内の粒子状に凝集したものを含む凝集粒子であってもよいことを理解されたい。
【0031】
本発明に用いるために処理し及び/又は修正する(例えば、それらが列挙された繊維床摩擦値及び/又は列挙された繊維床凝集力値及び/又は列挙された特性の比率を有するように処理し又は修正する)のに適した繊維は、当業者には公知である。本発明に用いるのに適した繊維の例には、木材パルプ、綿リンタ、綿繊維等といったセルロース性繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ酢酸ビニル繊維、合成ポリオレフィン木材パルプ繊維等といった合成ポリマー繊維、並びにレーヨン及び酢酸セルロースマイクロファイバといった再生セルロース繊維がある。種々の形式の繊維の混合物も使用に適している。例えば、セルロース繊維と合成ポリマー繊維との混合物を用いることができる。一般に、繊維は、少なくとも約2:1、適切には少なくとも約5:1の長さ対直径比をもつことになる。ここで用いられる「直径」とは、ほぼ円形の繊維が用いられる場合には真の直径のことをいい、或いは円形でない、例えばリボン状の繊維が用いられる場合には最大横断断面寸法のことをいう。繊維は、通常は、約0.5ミリメートルから約25ミリメートルまで、適切には約1ミリメートルから約6ミリメートルまでの長さをもつことになる。或いは、繊維は、メルトブローン、スパンボンド又はそれらに類似の材料のような、連続的なもの又はほぼ連続的なものとすることができる。繊維直径は、通常は、約0.001ミリメートルから約1.0ミリメートルまで、適切には約0.005ミリメートルから約0.05ミリメートルまでとすることができる。経済性、可用性、物理的特性及び取り扱いやすさといった理由のために、セルロース木材パルプ繊維が本発明に用いるのに適している。
【0032】
本発明の目的上有用な他の繊維は、高収率パルプ繊維(後でさらに説明する)、亜麻、トウワタ、アバカ、ヘンプ、綿、又はそれらに類似の天然に弾性のもの、或いは化学的又は物理的に改質された、例えば架橋され又は硬化された木材パルプ繊維のいずれか、を含む弾性繊維であり、それらは、吸収体複合材を用意した後に変形したままとなって回復しない非弾性繊維とは対照的に、吸収体複合材を用意することにより変形した後に回復することができる。
吸収体複合材はまた、様々な化学添加剤又は処理剤、フィラー、或いはクレイ、ゼオライトのような他の添加剤、及び/又は、例えば活性炭キャリア粒子又はゼオライト及び活性炭のような活性粒子といった他の臭気吸収材料のいずれかを含有することができる。吸収体複合材はまた、架橋可能結合剤又は接着剤のような結合剤、及び/又は二成分繊維のようなバインダ繊維を含むことができる。吸収体複合材は、該吸収体複合材の一体性及び/又は形状を維持する適切なティッシュラップによってラップされ又は取り囲まれてもよいし、そうでなくてもよい。
吸収体複合材の構造及び構成材は、流体を取り込んで吸収するように設計される。繊維マトリックスの多孔度は、流体が吸収体複合材に浸透できるようにする。吸収体複合材が超吸収体材料を含むときには、繊維マトリックスは、流体が吸収体複合材に浸透し、超吸収体材料に接触して、該超吸収体材料が流体を吸収することを助ける。超吸収体材料は、該超吸収体材料が流体を吸収する際に膨潤する。超吸収体材料の膨潤は、それを取り囲むマトリックス材料及び吸収性物品のユーザからの圧力(すなわち単位面積当りの力、すなわち応力)といった外部因子によって影響されることがある。周囲のマトリックス繊維及び/又は超吸収体材料、並びに超吸収体材料に対する圧力は、超吸収体材料の膨潤を抑制し、それにより吸収力を阻止して、吸収体複合材が自由膨潤全容量に到達するのを阻止する。また、前述のように、超吸収体材料を用いる吸収体複合材のような吸収体複合材に対して働く応力は、吸収体複合材の多孔度及び/又は透過性を減少させることがある。
【0033】
膨潤の間に可能な範囲内で、超吸収体材料は、超吸収体がより大きい膨潤を達成することができる位置へと複合材マトリックス内で移動することができる。超吸収体材料は、複合材マトリックスの空隙の中に嵌るように回転し及び/又は平行移動することができ、吸収体粒子がそれを取り囲むマトリックスに接触して直ちに膨潤し、より大きい膨潤度に到達できるようにする。さらに、吸収体複合材の全体的な膨張によって、付加的な空隙スペースが生じる。繊維マトリックス内で移動するとき、超吸収体材料は、マトリックス繊維及び/又は他の超吸収体材料を含む吸収体複合材の他の構成材に接触し、入り込むことになる。超吸収体材料及びそれを取り囲むマトリックス構成材の表面機構は、超吸収体材料構造体の回転及び/又は平行移動量を決定し、それにより(1)超吸収体材料、したがって吸収体複合材の膨潤容量、(2)超吸収体を用いる吸収体複合材における応力蓄積レベル、に影響を及ぼし、それが吸収体複合材の多孔度及び透過性に影響を及ぼす。
【0034】
繊維の摩擦角及び凝集力値は、超吸収体材料が吸収体複合材マトリックス内で移動し又は膨張する能力に影響を及ぼす重要な機械的特性である。概要部分で既に述べたように、モール・クーロン破壊理論からもたらされる摩擦角及び凝集力、並びに摩擦角の正接は、従来の静止摩擦係数に等しい。小さい摩擦角は、超吸収体材料とそれを取り囲むマトリックスとの間の接触摩擦が少なく、超吸収体材料が膨潤の間にマトリックス内で再配置される可能性が高く、それにより超吸収体材料が自由膨潤吸収容量の多くの割合を保持できることを示す。また、より小さい摩擦角は、より低い応力蓄積レベルでの材料の破壊(すなわち、例えば超吸収体材料の膨潤粒子間の移動、又は超吸収体材料の膨潤粒子とそれを取り囲む繊維マトリックスとの間の移動、或いは互いに接触する個々の繊維間の移動など)を促進し、それにより吸収体複合材の多孔度及び/又は透過性の損失を減少させることができる。凝集は、かかる法線応力がゼロのときの破壊時の剪断応力に等しい。低い凝集力値はまた、前述のように破壊を促進する。実効上、低い凝集力値は、剪断応力対法線応力(図6及び図7に示されるような)のプロットにおいて、モール・クーロンの破壊線が下方にシフトされることを意味する。
【0035】
超吸収体材料表面とそれを取り囲む構成材(例えば繊維)との間の破壊状態は、超吸収体材料を湿潤マトリックス又は部分的に膨潤したゲル床内で再配置できるようにする。概要部分に示したように、モール円は、乾燥又は湿潤繊維床又は吸収体複合材或いは多孔性媒体のような材料の応力状態を説明するのに用いることができる。図7は、典型的な繊維床(湿潤又は乾燥)の代表的なモール円150及び152を示す。大きなモール円152は、或る圧密前応力が繊維床にかかっている状況を表わし、小さいモール円150は、最小主応力がゼロの状態で或る最大主応力が繊維床のどこかに存在している状況を表わす。図7に示されていないが、モール円は、かけられた法線応力の各々において生成される。繊維床(湿潤又は乾燥)の破壊状態は、共にモール破壊包絡線を定める破壊時のモール円の組によって説明される。モール破壊包絡線は、図7に直線154として示されるように、直線に非常に近い場合が多く、破壊時の破壊平面上の剪断応力に対する同一平面上に作用する法線応力を表わす。モール・クーロンの破壊基準と呼ばれる場合が多い直線化された破壊包絡線154は、次式によって数学的に表わすことができ、
τff=c+σff(tanφ)
式中、τffは剪断応力であり、cは有効凝集定数であり、σffは法線応力であり、φは繊維床又は繊維の摩擦角である。有効凝集定数は、値156によってグラフ上に表わされ、繊維の凝集に関係する。
【0036】
本発明の繊維の繊維床摩擦角及び有効凝集定数(又は凝集力値)は、土質力学のような分野において使用される種々の方法を用いて求めることができる。ゲル床摩擦角を求めるのに有用な機器は、テキサス州ヒューストン所在のGeoTac社から入手可能なSigma1のような三軸剪断測定機器か、又はマサチューセッツ州ウェストフォード所在のJenike&Johanson社から入手可能なJenike−Shulze Ring Shear Testerのようなリング剪断試験機を含む。
図8は、参照番号170と表わされるJenike−Shulze Ring Shear Testerの部分的切取図を示す。リング剪断試験機170は、リング剪断セル172を方向ωに回転させることができるモータ(図示せず)に接続されたリング剪断セル172を有する。リング剪断セル172及び蓋174は、試験される繊維床176を収容している。蓋174は、リング剪断セル172には固定されず、クロスビーム178は、蓋174を横断して、2つのガイドローラ180及び2つのタイロッド182を蓋174に接続する。湿潤繊維の繊維床176を測定するために、繊維は、リング剪断セル172の外で湿潤され、リング剪断セル172に入れられる。もちろん、このステップは、乾燥繊維床の摩擦角及び凝集力が測定されるときには省略される(注:「乾燥」は、繊維に全く水が存在しないことを意味するのではなく、周囲条件において、乾燥繊維であっても幾らかの水、例えば、繊維のオーブン乾燥重量に基づき約2から約5%の水分が存在することになる。繊維のオーブン乾燥重量は、典型的には、繊維がオーブン中で摂氏105度で乾燥された後の繊維の重量のことをいう。)おもり(図示せず)によって所定の力Nを蓋174の上に、それにより繊維床176の上にかけることができる。低い標準圧力で試験するために、釣合い重りシステム(図示せず)を係合させることができる。コンピュータ制御されたモータ(図示せず)によってリング剪断セル172がω方向に回転する際に、リング剪断セル172と接触する繊維床176上に剪断力がかけられる。タイロッド182に接続された機器が力F1及びF2を測定し、それらは、繊維床176(すなわち繊維)の破壊時(試験が行われる所与の法線応力がかかったとき)の剪断応力を求めるのに用いられる。凝集力値は、かかる法線応力がゼロのときの破壊時の剪断応力に対応する。
【0037】
小さい繊維床摩擦角を有する繊維は、吸収体複合材において有用である。本発明の一実施形態においては、天然繊維の繊維床摩擦角は、湿潤したときに、約35度又はそれより小さい角度まで減少する。より適切には、天然繊維の繊維床摩擦角は、湿潤したときに、約30度又はそれより小さい角度まで減少する。より特定的には、天然繊維の繊維床摩擦角は、湿潤したときに、約25度又はそれより小さい角度まで減少する。
吸収体複合材に用いられたときに、本発明の繊維の小さい繊維床摩擦角は、吸収体複合材において生じる局所的応力を減少させる。例えば、前述の超吸収体材料と繊維床摩擦角の小さい繊維との両方を用いる吸収体複合材においては、該繊維は、超吸収体材料及びそれを取り囲む繊維マトリックス構成材間の局所的応力を減少させる一助となり、それにより超吸収体材料構造体が吸収体複合材マトリックスの空隙内により容易に再配置されるようにする。繊維床摩擦角の小さい繊維は、より大きい割合の超吸収体材料の自由膨潤吸収容量を得ることができるようにする。さらに、透過性は、通常は、高い内部応力の発生が軽減されるので、適切な値に維持される。上述のように、応力の蓄積の結果として、孔スペースがさらに圧縮されることになる。
【0038】
本発明の別の実施形態においては、前の2つのパラグラフにおいて説明した繊維床摩擦角の低い繊維は、2002年7月30日付の「Superabsorbent Materials Having Low,Controlled Gel−Bed Friction Angles and Composites Made From The Same」という名称の米国特許仮出願第60/399877号に記載されたゲル床摩擦角の低い超吸収体材料の1つ又はそれ以上の実施形態と組み合わせられる(前述のように、この出願継続中の米国特許出願は、引用によりここに組み入れられる)。
低摩擦表面(例えば滑らかな表面)を有する超吸収体材料構造体を製造する、通常とは異なる製造工程を通じて、繊維床摩擦角の小さい超吸収体材料を得ることができる。繊維床摩擦角の小さい超吸収体材料はまた、湿潤したときに摩擦角を減少させる摩擦角減少添加剤で超吸収体材料を処理することによって得られる。こうした摩擦角減少添加剤の例には、限定する意味ではなく、グリセロール、鉱油及びシリコーン油といった油、オレイン酸、多糖類、ポリエチレンオキシドがある。
【0039】
繊維床摩擦角減少添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約1.0%とするか又はそれより少なくすることができる。随意的には、繊維床摩擦角減少添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約10.0%とするか又はそれより少なくすることができる。さらに、繊維床摩擦角減少添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約100.0%とするか又はそれより少なくすることができる。繊維床摩擦角減少添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約0.001%とするか又はそれより多くすることができる。随意的には、繊維床摩擦角減少添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約0.1%とするか又はそれより多くすることができる。さらに、繊維床摩擦角減少添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約1.0%とするか又はそれより多くすることができる。
【0040】
添加剤、及び重量比50/50のグリセロールと鉱油との混合物といった添加剤混合物に加えて、低濃度の乳化剤及び/又は界面活性剤は、繊維の繊維床摩擦角を減少させる一助とすることができる。乳化剤及び界面活性剤は、鉱油のような非極性添加剤とグリセロールのような極性添加剤との間の混和性を増加させることができる。乳化剤及び界面活性剤はまた、膨潤した繊維を被覆するときに必須の役割を果たすことができる。本発明においては、使用される添加剤に応じて、種々の乳化剤及び/又は界面活性剤を用いることができる。乳化剤の例は、ホスファチジルコリン及びレシチンである。液状界面活性剤の例は、ソルビタンモノラウレート、J.T.Baker社から入手可能なTRITON(登録商標)シリーズ(X−100、X−405及びSP−135)の化合物、J.T.Baker社から入手可能なBRIJ(登録商標)シリーズ(92及び97)の化合物、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート、及びトリエタノールアミンその他のアルコールアミン、並びにこれらの組み合わせを含む。摩擦角又は凝集力値変更添加剤、乳化剤、及び界面活性剤のような極性及び非極性化合物の混合物を用いたときに、非極性化合物を、極性化合物より多くの割合で存在させることができる。
【0041】
本発明の別の実施形態においては、繊維床摩擦角の高い繊維は、非常に膨潤した状態及び/又は高多孔度状態の吸収体複合材において有用である。本発明の一実施形態においては、繊維の繊維床摩擦角は、湿潤したときに少なくとも約50度まで増加される。より適切には、繊維の繊維床摩擦角は、湿潤したときに少なくとも約52度まで増加される。より具体的には、繊維の繊維床摩擦角は、湿潤したときに少なくとも約55度まで増加される。
吸収体複合材が高多孔度をもち及び/又は非常に膨潤した状態であるとき、摩擦角の大きい繊維は、剪断破壊及び/又は崩壊に起因する吸収体複合材マトリックス内の再配置を遅くし及び/又は抑制することができる。必要であれば、例えば超吸収体材料の再配置を遅くし及び/又は抑制することにより、複合材の開放構造を維持することができ、それにより望ましい吸収体複合材の透過性が維持される。繊維床摩擦角の大きい繊維は、後で荷重がかかるときの開放構造体を大いに維持するのに特に適している。大きい繊維床摩擦角は、製造工程を通じて、又は湿潤時の繊維の繊維床摩擦角を増加させる種々の添加剤により、摩擦角の小さい繊維を処理することによって得ることができる。本発明の一実施形態においては、カチオン系高分子摩擦角増加添加剤であるキトサンは、陰イオン系界面活性剤ポリマー間に粘着状態を生じさせて、大きい摩擦角を生み出すことができる。こうした摩擦角増加添加剤の他の例には、この限りではないが、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、及びアルミノケイ酸塩がある。
【0042】
繊維床摩擦角増加添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約1.0%とするか又はそれより少なくすることができる。随意的には、繊維床摩擦角増加添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約10.0%とするか又はそれより少なくすることができる。さらに、繊維床摩擦角増加添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約100.0%とするか又はそれより少なくすることができる。繊維床摩擦角増加添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約0.001%とするか又はそれより多くすることができる。随意的には、繊維床摩擦角増加添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約0.1%とするか又はそれより多くすることができる。さらに、繊維床摩擦角増加添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約1.0%とするか又はそれより多くすることができる。
【0043】
本発明の別の実施形態においては、前の2つのパラグラフにおいて説明した繊維床摩擦角の大きい繊維は、2002年7月30日付の「Superabsorbent Materials Having High,Controlled Gel−Bed Friction Angles and Composites Made From The Same」という名称の米国特許仮出願第60/399794号に記載されたゲル床摩擦角の大きい超吸収体材料の1つ又はそれ以上の実施形態と組み合わせられる(前述のように、この出願継続中の米国特許出願は、引用によりここに組み入れられる)。
本発明の吸収体複合材は、大きい繊維床摩擦角をもつ繊維及び/又は小さい繊維床摩擦角をもつ繊維を含む、本発明の繊維床摩擦角が制御された種々の繊維を含有することができる。繊維床摩擦角が制御された繊維は、吸収体複合材内で均質に混合することができ、又はそれぞれ繊維床摩擦角が制御されることが望ましい異なる吸収体複合材領域内に戦略的に配置することができる。
【0044】
摩擦角増加添加剤、及び摩擦角増加添加剤混合物に加えて、低濃度の乳化剤及び/又は界面活性剤を用いることができ、超吸収体材料のゲル床摩擦角を増加させる一助とすることができる。乳化剤及び界面活性剤は、非極性摩擦角増加添加剤と極性摩擦角増加添加剤との間の混和性を増加させることができる。乳化剤及び界面活性剤はまた、膨潤した超吸収体材料を被覆するときに必須の役割を果たすことができる。本発明においては、使用される摩擦角増加添加剤に応じて、種々の乳化剤及び/又は界面活性剤を用いることができる。乳化剤の例は、ホスファチジルコリン及びレシチンである。液状界面活性剤の例は、ソルビタンモノラウレート、J.T.Baker社から入手可能なTRITON(登録商標)シリーズ(X−100、X−405及びSP−135)の化合物、J.T.Baker社から入手可能なBRIJ(登録商標)シリーズ(92及び97)の化合物、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート、及びトリエタノールアミンその他のアルコールアミン、並びにこれらの組み合わせを含む。
【0045】
本発明の別の実施形態においては、湿潤繊維床摩擦角は、所与の繊維(例えば、天然繊維、合成繊維又はこれらの幾つかの組み合わせ)の乾燥繊維床摩擦角の約80%であるか又はそれより小さい。適切には、湿潤繊維床摩擦角は、所与の繊維又は繊維のブレンド(例えば、天然繊維、合成繊維又はこれらの幾つかの組み合わせ)の乾燥繊維床摩擦角の約60%であるか又はそれより小さい。特に、湿潤繊維床摩擦角は、所与の繊維又は繊維のブレンド(例えば、天然繊維、合成繊維又はこれらの幾つかの組み合わせ)の乾燥繊維床摩擦角の約40%であるか又はそれより小さい。
別の実施形態においては、湿潤繊維床凝集力値は、所与の繊維の乾燥繊維床凝集力値の約120%であるか又はそれより小さい。適切には、湿潤繊維床凝集力値は、所与の繊維の乾燥繊維床凝集力値の約100%であるか又はそれより小さい。特に、湿潤繊維床凝集力値は、所与の繊維の乾燥繊維床凝集力値の約80%であるか又はそれより小さい。実効上、モール・クーロン破壊線をほぼ下方にシフトさせる低い湿潤凝集力値(例えば図7参照)は、随意的に用いられる何らかの超吸収体材料が、それらの吸収体自由膨潤容量のより多くの割合を得られるようにする繊維マトリックス又はマトリックスを用いる複合材に対応する。さらに、透過性は、通常は、より高い内部応力の発生が軽減されるか又は防止されるので、適切な値に維持される。
【0046】
別の実施形態においては、天然繊維又はそのブレンドの湿潤繊維床凝集力値は、約5,000パスカル(Pa)又はそれより小さい湿潤繊維床凝集力値を有することができる。適切には、天然繊維又はそのブレンドの湿潤繊維床凝集力値は、約4,000パスカル又はそれより小さい湿潤繊維床凝集力値を有することができる。特に、天然繊維又はそのブレンドの湿潤繊維床凝集力値は、約2,500パスカル又はそれより小さい湿潤繊維床凝集力値を有することができる。前述のように、低い湿潤凝集力値は、複合材中に繊維と共に随意的に用いられる何らかの超吸収体材料が、それらの自由膨潤吸収容量の大部分を得られるようにする。さらに、透過性は、通常は、より高い内部応力の発生が軽減されるか又は防止されるので、適切な値に維持される。
別の実施形態においては、前の3つのパラグラフ(すなわち、繊維床摩擦角の小さい繊維又は凝集力値の小さい繊維)の1つにおいて特徴付けられる実施形態の1つは、2002年7月30日付の「Superabsorbent Materials Having Low,Controlled Gel−Bed Friction Angles and Composites Made From The Same」という名称の米国特許仮出願第60/399877号に記載されたゲル床摩擦角の小さい超吸収体材料の1つ又はそれ以上の実施形態と組み合わせられる(前述のように、この出願継続中の米国特許出願は、引用によりここに組み入れられる)。
【0047】
超吸収体材料(特に、前述の1つ又はそれ以上のゲル床凝集力値の小さい超吸収体材料のような、最初に小さいゲル床凝集力値を有する超吸収体材料)のゲル床凝集力値は、水膨潤性かつ水不溶性のポリマーと組み合わせて超吸収体材料構造体内に入れられた凝集力値増加添加剤により、膨潤の間に増加させることができる。本発明の一実施形態においては、凝集力値増加添加剤は、陰イオン性超吸収体ポリマー間に、高い凝集力値をもたらす粘着状態を生じさせることができるキトサンであってもよい。こうした凝集力値増加添加剤の他の例には、限定する意味ではなく、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、及びアルミノケイ酸塩がある。
繊維床凝集力値増加添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約1.0%とするか又はそれより少なくすることができる。随意的には、繊維床凝集力値増加添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約10.0%とするか又はそれより少なくすることができる。さらに、繊維床凝集力値増加添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約100.0%とするか又はそれより少なくすることができる。繊維床凝集力値増加添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約0.001%とするか又はそれより多くすることができる。随意的には、繊維床凝集力値増加添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約0.1%とするか又はそれより多くすることができる。さらに、繊維床凝集力値増加添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約1.0%とするか又はそれより多くすることができる。
【0048】
本発明の別の実施形態においては、湿潤繊維床摩擦角は、所与の繊維(例えば、天然繊維、合成繊維又はこれらの幾つかの組み合わせ)の乾燥繊維床摩擦角の約120%であるか又はそれより大きい。適切には、湿潤繊維床摩擦角は、所与の繊維又は繊維ブレンド(例えば、天然繊維、合成繊維又はこれらの幾つかの組み合わせ)の乾燥繊維床摩擦角の約130%であるか又はそれより大きい。特に、湿潤繊維床摩擦角は、所与の繊維又は繊維ブレンド(例えば、天然繊維、合成繊維又はこれらの幾つかの組み合わせ)の乾燥繊維床摩擦角の約140%であるか又はそれより大きい。複合材は、荷重がかかったときであっても開放構造を維持することが望ましいので、これらの特徴をもつ繊維は、開放構造をもつ(最初に又は十分に湿潤したときに)複合材において有利である。
別の実施形態においては、前のパラグラフにおいて特徴付けられた実施形態(すなわち、凝集力値の高い繊維)は、2002年7月30日付の「Superabsorbent Materials Having High,Controlled Gel−Bed Friction Angles and Composites Made From The Same」という名称の米国特許仮出願第60/399794号に記載されたゲル床摩擦角の大きい超吸収体材料と組み合わせられる(前述のように、この出願継続中の米国特許出願は、引用によりここに組み入れられる)。
【0049】
超吸収体材料の摩擦角を変更することができる摩擦角増加添加剤及び摩擦角減少添加剤のような添加剤は、超吸収体に直接的に又は間接的に供給することができる。直接的供給は、超吸収体材料自体からの解放を通じて起こり、間接的供給は、超吸収体材料及び/又は吸収体複合材内に又は隣接して配置された繊維その他の構成材から起こる。さらに、摩擦角変更添加剤は、吸収体複合材中に存在する既存の構成材のいずれかからの解放を通じて或る時間の長さにわたって徐々に、又は最も望ましいときに摩擦角変更添加剤を解放するために考案された或る化学反応の結果として供給することができる。例えば、摩擦角変更添加剤は、超吸収体材料の表面に付着させ、又は超吸収体内に組み込むことができ、或いは、この限りではないが繊維性材料を含む、吸収体複合材中に存在するその他の成分上に及び/又は成分中に含ませることができる。摩擦角変更添加剤は、直ちに入手可能であり、化学反応又は拡散その他の機構によって摩擦角を直ちに変更させて、摩擦角を或る所望の時に所望の方法で徐々に変更する。
【0050】
超吸収体材料、繊維及び/又は繊維性マトリックス、及び/又は摩擦角減少添加剤、摩擦角増加添加剤のような摩擦角変更添加剤を含有する吸収体複合材に用いることができる他の構成材、及び/又はこれらの組み合わせを処理して、所望の初期摩擦角をもつ材料を与えることが望ましい。次いで、摩擦角変更添加剤で処理されて所望の初期摩擦角を与える材料を、本発明に係る付加的な摩擦角変更添加剤で処理することができる。
本発明の制御された繊維床摩擦角繊維材料は、吸収性物品に有用な吸収体複合材に組み入れることができる。本発明の種々の制御された繊維床摩擦角繊維材料は、メルトブローン、空気堆積、及びスパンボンド複合材、並びに発泡体複合材といった繊維性複合材を含む、前述のような当該技術分野では公知の種々の複合構造体に用いることができる。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、複数の繊維は、湿潤したときに、約35度又はそれより小さい繊維床摩擦角を有する湿潤可能な天然繊維を含む。或いは、繊維床摩擦角は、約25度又はそれより小さい角度とすることができる。複数の繊維はさらに、湿潤可能な天然繊維と組み合わせて、摩擦角減少添加剤を含むことができる。摩擦角減少添加剤は、本質的に、グリセロール、鉱油、シリコーン油、オレイン酸、多糖類、ポリエチレンオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
或る場合には、複数の繊維はさらに、湿潤可能な天然繊維と組み合わせて乳化剤を含むことができる。乳化剤は、本質的に、ホスファチジルコリン、レシチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。複数の繊維はさらに、湿潤可能な天然繊維と組み合わせて、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、本質的に、ソルビタンモノラウレート、トリトンシリーズの化合物、Brijシリーズの化合物、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート、アルコールアミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0052】
本発明の別の実施形態によれば、吸収体複合材は、水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料と、複数の湿潤可能な天然繊維とを含むことができる。湿潤可能な天然繊維は、湿潤したときに、約35度又はそれより小さい繊維床摩擦角を有する。或いは、繊維床摩擦角は、約25度又はそれより小さい角度とすることができる。
水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料は、0.9重量パーセント塩化ナトリウム溶液約2.0グラム/超吸収体材料1グラムの超吸収体材料膨潤レベルにおける第1ゲル床摩擦角と、0.9重量パーセント塩化ナトリウム溶液約2.0グラム/超吸収体材料1グラムより大きい超吸収体材料膨潤レベルにおけるゲル床摩擦角とを有することができる。ゲル床摩擦角は、第1ゲル床摩擦角に実質的に等しいか又はそれより小さい角度とすることができる。第1ゲル床摩擦角は、約20度とするか又はそれより小さい角度とすることができる。(ここで摩擦角に関連して用いられる「実質的に」という用語は、+/−1度以内であることを意味する。ここで凝集値に関連して用いられる「実質的に」という用語は、+/−100パスカル以内であることを意味する。)
【0053】
水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料は、本質的に、天然材料、変成天然材料、合成材料及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。吸収体複合材はさらに、複数の湿潤可能な天然繊維と組み合わせて、摩擦角減少添加剤を含むことができる。摩擦角減少添加剤は、本質的に、グリセロール、鉱油、シリコーン油、オレイン酸、多糖類、ポリエチレンオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。吸収体複合材はさらに、複数の湿潤可能な天然繊維と組み合わせて乳化剤を含むことができる。乳化剤は、本質的に、ホスファチジルコリン、レシチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。吸収体複合材はさらに、複数の湿潤可能な天然繊維と組み合わせて、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、本質的に、ソルビタンモノラウレート、トリトンシリーズの化合物、Brijシリーズの化合物、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート、アルコールアミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0054】
本発明の別の実施形態によれば、複数の繊維は、湿潤したときに、約50度又はそれより大きい繊維床摩擦角を有する湿潤可能な繊維を含むことができる。或いは、繊維床摩擦角は、約55度又はそれより大きい角度とすることができる。複数の繊維はさらに、湿潤可能な繊維と組み合わせて、摩擦角増加添加剤を含むことができる。摩擦角増加添加剤は、本質的に、キトサン、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、アルミノケイ酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。湿潤可能な繊維は、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
複数の繊維はさらに、湿潤可能な天然繊維と組み合わせて乳化剤を含むことができる。乳化剤は、本質的に、ホスファチジルコリン、レシチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。複数の繊維はさらに、湿潤可能な天然繊維と組み合わせて、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、本質的に、ソルビタンモノラウレート、トリトンシリーズの化合物、Brijシリーズの化合物、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート、アルコールアミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0055】
本発明の別の実施形態によれば、吸収体複合材は、水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料と、湿潤したときに約50度又はそれより大きい繊維床摩擦角を有する複数の湿潤可能な繊維とを含むことができる。或いは、繊維床摩擦角は、約55度又はそれより大きい角度とすることができる。吸収体複合材はさらに、湿潤可能な繊維と組み合わせて、摩擦角増加添加剤を含むことができる。摩擦角増加添加剤は、本質的に、キトサン、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、アルミノケイ酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。湿潤可能な繊維は、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。吸収体複合材はさらに、湿潤可能な繊維と組み合わせて乳化剤を含むことができる。
【0056】
乳化剤は、本質的に、ホスファチジルコリン、レシチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。吸収体複合材はさらに、湿潤可能な繊維と組み合わせて、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、本質的に、ソルビタンモノラウレート、トリトンシリーズの化合物、Brijシリーズの化合物、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート、アルコールアミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料は、0.9重量パーセント塩化ナトリウム水溶液約5.0グラム/超吸収体材料1グラムの超吸収体材料膨潤レベルにおける第1ゲル床摩擦角と、0.9重量パーセント塩化ナトリウム水溶液約5.0グラム/超吸収体材料1グラムより大きい超吸収体材料膨潤レベルにおけるゲル床摩擦角とを有することができる。ゲル床摩擦角は、第1ゲル床摩擦角に実質的に等しいか又はそれより大きい角度とすることができる。第1ゲル床摩擦角は、約30度とするか又はそれより大きい角度とすることができる。水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料は、本質的に、天然材料、変成天然材料、合成材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0057】
本発明の別の実施形態によれば、複数の繊維は、乾燥繊維床摩擦角と湿潤繊維床摩擦角とを有する湿潤可能な繊維を含む。湿潤繊維床摩擦角は、乾燥繊維床摩擦角の約80%とするか又はそれより小さい角度とすることができる。或いは、湿潤繊維床摩擦角は、乾燥繊維床摩擦角の約40%とするか又はそれより小さい角度とすることができる。複数の繊維はさらに、湿潤可能な繊維と組み合わせて摩擦角減少添加剤を含むことができる。摩擦角減少添加剤は、本質的に、グリセロール、鉱油、シリコーン油、オレイン酸、多糖類、ポリエチレンオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
複数の繊維はさらに、湿潤可能な繊維と組み合わせて乳化剤を含むことができる。乳化剤は、本質的に、ホスファチジルコリン、レシチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。複数の繊維はさらに、湿潤可能な繊維と組み合わせて、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、本質的に、ソルビタンモノラウレート、トリトンシリーズの化合物、Brijシリーズの化合物、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート、アルコールアミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。湿潤可能な繊維は、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0058】
本発明の別の実施形態によれば、吸収体複合材は、水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料と、複数の湿潤可能な繊維とを含むことができる。複数の湿潤可能な繊維は、乾燥繊維床摩擦角と湿潤繊維床摩擦角とを有する。湿潤繊維床摩擦角は、乾燥繊維床摩擦角の約80%とするか又はそれより小さい角度とすることができる。或いは、湿潤繊維床摩擦角は、乾燥繊維床摩擦角の約40%とするか又はそれより小さい角度とすることができる。
水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料は、0.9重量パーセント塩化ナトリウム溶液約2.0グラム/超吸収体材料1グラムの超吸収体材料膨潤レベルにおける第1ゲル床摩擦角と、0.9重量パーセント塩化ナトリウム溶液約2.0グラム/超吸収体材料1グラムより大きい超吸収体材料膨潤レベルにおけるゲル床摩擦角とを有する。ゲル床摩擦角は、第1ゲル床摩擦角に実質的に等しいか又はそれより大きい角度とすることができる。第1ゲル床摩擦角は、約20度とするか又はそれより小さい角度とすることができる。
【0059】
水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料は、本質的に、天然材料、変成天然材料、合成材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。吸収体複合材はさらに、複数の湿潤可能な繊維と組み合わせて、摩擦角減少添加剤を含むことができる。摩擦角減少添加剤は、本質的に、グリセロール、鉱油、シリコーン油、オレイン酸、多糖類、ポリエチレンオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
吸収体複合材はさらに、複数の湿潤可能な繊維と組み合わせて乳化剤を含むことができる。乳化剤は、本質的に、ホスファチジルコリン、レシチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。吸収体複合材はさらに、複数の湿潤可能な繊維と組み合わせて、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、本質的に、ソルビタンモノラウレート、トリトンシリーズの化合物、Brijシリーズの化合物、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート、アルコールアミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。湿潤可能な繊維は、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0060】
本発明の別の実施形態によれば、複数の繊維は、乾燥繊維床凝集力値と湿潤繊維床凝集力値とを有する湿潤可能な繊維を含み、湿潤繊維床凝集力値は、乾燥繊維床凝集力値の約120%であるか又はそれより小さい。或いは、湿潤繊維床凝集力値は、乾燥繊維床凝集力値の約80%とするか又はそれより小さくすることができる。湿潤可能な繊維は、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
本発明の別の実施形態によれば、吸収体複合材は、水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料と、乾燥繊維床凝集力値及び湿潤繊維床凝集力値を有する複数の湿潤可能な繊維とを含むことができる。湿潤繊維床凝集力値は、乾燥繊維床凝集力値の約120%とするか又はそれより小さいものとすることができる。或いは、湿潤繊維床凝集力値は、乾燥繊維床凝集力値の約80%とするか又はそれより小さいものとすることができる。
【0061】
水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料は、0.9重量パーセント塩化ナトリウム溶液約2.0グラム/超吸収体材料1グラムの超吸収体材料膨潤レベルにおける第1ゲル床摩擦角と、0.9重量パーセント塩化ナトリウム溶液約2.0グラム/超吸収体材料1グラムより大きい超吸収体材料膨潤レベルにおけるゲル床摩擦角とを有することができる。ゲル床摩擦角は、第1ゲル床摩擦角に実質的に等しいか又はそれより小さい角度とすることができる。第1ゲル床摩擦角は、約20度とするか又はそれより小さい角度とすることができる。
水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料は、本質的に、天然材料、変成天然材料、合成材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。湿潤可能な繊維は、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
本発明の別の実施形態によれば、複数の繊維は、約5,000パスカル又はそれより小さい湿潤繊維床凝集力値を有する湿潤可能な繊維を含むことができる。或いは、湿潤繊維床凝集力値は、約2,500パスカルとするか又はそれより小さいものとすることができる。湿潤可能な繊維は、本質的に、天然繊維、合成繊維又はこれらの幾つかの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0062】
低摩擦表面(例えば滑らかな表面)を有する超吸収体材料構造体を製造する、通常とは異なる製造工程を通じて、ゲル床凝集力値の小さい超吸収体材料を得ることができる。ゲル床凝集力値の小さい超吸収体材料はまた、湿潤したときに凝集力値を減少させる凝集力値減少添加剤で超吸収体材料を処理することによって得られる。こうした凝集力値減少添加剤の例には、限定する意味ではなく、グリセロール、鉱油及びシリコーン油といった油、オレイン酸、多糖類、ポリエチレンオキシドがある。
繊維床凝集力値減少添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約1.0%とするか又はそれより少なくすることができる。随意的には、繊維床凝集力値減少添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約10.0%とするか又はそれより少なくすることができる。さらに、繊維床凝集力値減少添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約100.0%とするか又はそれより少なくすることができる。繊維床凝集力値減少添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約0.001%とするか又はそれより多くすることができる。随意的には、繊維床凝集力値減少添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約0.1%とするか又はそれより多くすることができる。さらに、繊維床凝集力値減少添加剤、界面活性剤又は乳化剤の量は、乾燥繊維の重量の約1.0%とするか又はそれより多くすることができる。
【0063】
本発明の別の実施形態によれば、吸収体複合材は、水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料と、約5,000パスカル又はそれより小さい湿潤繊維床凝集力値を有する複数の湿潤可能な天然繊維とを含むことができる。或いは、湿潤繊維床凝集力値は、約2,500パスカルとするか又はそれより小さいものとすることができる。水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料は、本質的に、天然材料、変成天然材料、合成材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。湿潤可能な繊維は、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
本発明の別の実施形態によれば、複数の繊維は、乾燥繊維床摩擦角と湿潤繊維床摩擦角とを有する湿潤可能な繊維を含むことができる。湿潤繊維床摩擦角は、乾燥繊維床摩擦角の約120%とするか又はそれより大きい角度とすることができる。或いは、湿潤繊維床摩擦角は、乾燥繊維床摩擦角の約140%とするか又はそれより大きい角度とすることができる。湿潤可能な繊維は、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0064】
本発明の別の実施形態によれば、吸収体複合材は、水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料と、乾燥繊維床摩擦角及び湿潤繊維床摩擦角を有する複数の湿潤可能な繊維とを含むことができる。湿潤繊維床摩擦角は、乾燥繊維床摩擦角の約120%とするか又はそれより大きい角度とすることができる。或いは、湿潤繊維床摩擦角は、乾燥繊維床摩擦角の約140%とするか又はそれより大きい角度とすることができる。
水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料は、0.9重量パーセント塩化ナトリウム溶液約5.0グラム/超吸収体材料1グラムの超吸収体材料膨潤レベルにおける第1ゲル床摩擦角と、0.9重量パーセント塩化ナトリウム溶液約5.0グラム/超吸収体材料1グラムより大きい超吸収体材料膨潤レベルにおけるゲル床摩擦角とを有することができる。ゲル床摩擦角は、第1ゲル床摩擦角に実質的に等しいか又はそれより大きい角度とすることができる。第1ゲル床摩擦角は、約30度とするか又はそれより大きい角度とすることができる。水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料は、本質的に、天然材料、変成天然材料、合成材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。湿潤可能な繊維は、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。






【0065】
摩擦角測定
試験手順

【0066】

【0067】
手順:
「繊維準備」
1 繊維の種類、坪量、及び湿潤/乾燥を決定 例:CR1654 800gsm湿潤
2 所与の坪量で要求されるハンドシートの作成 例:800gsmのとき10×17インチ2
3 ハンドシートを円形リング形状に切断−直径34.61インチ2
4 乾燥重量グラムを得る
5 乾燥繊維の読み取りのときはステップ21にスキップし、湿潤繊維の読み取りのときはステップ6に進む
6 サンプルをプラスチック製の浸漬リングチャンバに入れる
7 チャンバを流体ボックスリザーバに入れる
8 リングチャンバ内のサンプルの上にリングプレートをおく
9 流体ボックスに0.9%食塩水を1/2インチまで満たす
10 浸漬及び膨潤のために10−15分間待つ
11 流体ボックスリザーバからリングチャンバ(サンプルとプレートが入っている)を取り出す
12 滴が落ちないように組立体を拭う
13 チャンバ/サンプル/プレートを素早くひっくり返して、1ブロッタの上におく
14 リングチャンバからサンプルとプレートを押し出す(このときサンプルが下になっている)
15 サンプルの上に5+ブロッタをおき、全部を、すなわちブロッタ/プレート/サンプル/ブロッタをひっくり返す
16 上方のブロッタ(前出のものが下方になる)とリングプレートを除去し、サンプルだけをブロッタ上に残す
17 サンプルを5つの新しいブロッタで覆い、ただ触れるように優しく押す
18 15分間吸収させる
19 サンプル/ブロッタをひっくり返し、もう一方の側で15分間吸収させる
20 上方のブロッタを除去する
21 ピンセットでサンプルから成形されたティッシュを優しく剥がす
22 サンプルをひっくり返し、他の形成されたティッシュを剥がす
23 サンプルをリングセル#2に入れる
24 「コンピュータの設定」を終えるか又は「実行試験」に進む
注:*「繊維準備」ステップ10の間にコンピュータの設定を行い、ステップ23より前に校正を行わなければならない
【0068】
「コンピュータの設定及び校正」
1 コンピュータとリング剪断試験機を立ち上げて30分間待つ
2 30分後に、スタートアイコンを押してプログラムを押す
3 MS DOSを選択する
4 MS DOSに入ったとき、C:>WINDOWS>の後に、cd..が書き込まれ、改行される
5 プロンプトC:>の後に、cd rsvが書き込まれ、改行される
6 プロンプトRSV:>の後に、rstctrlが書き込まれ、改行される
7 リング剪断試験機のスイッチを入れるように示され、スイッチがオンになっていることを確認して、スペースバーを押す
8 試験機が幾つかの起動ステップを行うので待つ
9 コンピュータが”check offset values...”と表示し、同じであればYesのYを押す
10 空のリング剪断セルを蓋と共に試験機において、ハンガに接続し、スペースバーを押す
11 上限が試験されるので待ち、スペースバーを押す ここではタイロッドはない
12 下限が試験されるので待ち、スペースバーを押す ここではタイロッドはない
13 タイロッドがまだないことに留意して、スペースバーを押す
14 ”TESTS”のときF1を押す
15 ”Flow Properties”のときF1を押す
16 ”Read Settings from Control File”のときF4を押す
17 ”Bulk Solids”のところでファイル/実験名を入力し、enterキーを押す ファイルラベリングを見る 例えば、F01W1TA2
18 ”Order”のところでサンプル/試験の情報を入力し、enterキーを押す 例えば、CR1564湿潤T1A
19 ”Ring Shear#”のところで、セル番号、例えば2を入力する
20 ”Total Mass”のところで、必要であれば「繊維準備」を止め、終える
21 「実行試験」に進む
【0069】
「実行試験」:リング剪断試験機
1 「繊維準備」ステップ21/22*から充填されたリング剪断セルを計量する
2 重量を記録する
3 充填されたリング剪断セルを試験機に入れ、一定位置にはめる
4 コンピュータ上の”Total Mass”のところに、記録された重量を入力し、enterキーを押す
5 事前設定のために、YesのYを押す
6 ”Control File Prefix”のところに、T1Aと入力し、enterキーを押す
7 範囲が与えられるので待つ
8 ”Start Measuring with These Settings”と問われるので、YesのYを押す
9 底部にリングをおき、頂部に(一様に)ハンガを接続し、重量を差し引くように要求されるので、底部におかれ、頂部に釣合い重りが接続され、ハンガが接続されたことを確認してスペースバーを押す
10 おもりがおかれていることを確認するように要求され、確認してスペースバーを押す
11 タイロッドが存在しないことを確認するように要求され、確認してスペースバーを押す
12 プロンプトが現れたときに力の値を再チェックし、スペースバーを押す
13 プロンプトが現れたときに、タイロッドを配置し、R及びLタイロッドを配置し、(必要であれば)中央を調節して、スペースバーを押す
14 「実行試験」を開始し(全部で1−2時間)、それは剪断前に開始される
15 法線速度を変化させるためにF2を押す
16 サンプルの質量数を記録する、例えば124.40
17 剪断前の力が平衡状態(平らな線)であるときに、第1法線力500まで自動的に変化させられ、各法線力の試験まで継続される
18 最後の法線力が終了した後に、試験が完了したことが告げられる
19 値phiSF(度)及びFC[Pa]を記録する
20 スペースバーを押し、値が示され、再びスペースバーを押す
21 ファイルを保存するか問われるので、YesのYを押す
22 ファイル名を入力する−”Bulk Solids”と同じラベルとすべきであり、スペースバーを押す
23 データを格納するか問われるので、YesのYを押す
24 別の試験を行うために、”Flow properties”のときF1を選択し、「コンピュータの設定」におけるステップ15から繰り返す
25 プログラムを抜け出すために、メインメニューのEscを押す
26 Escを押してプログラムを出る
27 YesのYを押して終了する
28 DOSのウィンドウを閉じて、スタートを押してシャットダウンを押す
【実施例】
【0070】
本発明の態様を実証するために、ワシントン州フェデラルウェイ所在のWeyerhaeuser社から入手可能な繊維NB416及びジョージア州Jesup所在のRayonier社から入手可能なSulfatate HJを処理して、繊維床摩擦角と繊維床凝集力とを変化させる。全ての空気形成された繊維床は、約0.10グラム毎立方センチメートルの密度をもつ約800グラム毎平方メートルの坪量に形成された。処理された繊維を含んだこれらの空気形成された繊維床は、乾燥未処理構成材(繊維)のみに基づく約0.10グラム毎立方センチメートルの密度をもつ約800グラム毎平方メートルの坪量に形成され、それらは処理剤の存在に応じて調節された。
これらの例において用いられる処理剤は、所望の塗布量を達成するために繊維ロールボードの両側に噴霧されるか又は印刷された。繊維は、スウェーデンVellinge所在のKamas Industri AB社から入手可能なKamas繊維化装置により、KamasセルミルH0.1マニュアルに記載されるような95パーセント又はそれより多い割合の繊維化を与える設定において繊維化された。繊維化され処理された繊維は、空気生成された繊維床と、空気形成された複合材とを製造するために用いられた。
【0071】
対照
市販の繊維の繊維床摩擦角及び繊維床凝集力値を、対照として乾燥及び湿潤状態で試験した。種々の製造元から入手可能な繊維を、先に概説した手順に従って試験した。結果は、以下の表1に示されている。試験された繊維は、(1)アラバマ州Childersburg所在のBowater社から入手可能なCR1654として指定される繊維と、(2)ブラジル、サンパウロ所在のBahia Sulから入手可能なBahia Sul STDとして指定される繊維と、(3)ジョージア州Jesup所在のRayonierから入手可能なSulfatate HJとして指定された繊維と、(4)、(5)、(6)ワシントン州フェデラルウェイ所在のWeyerhaeuser社からそれぞれ入手可能なNB416、ND416及びNHB416として指定される繊維であった。
【0072】

【0073】
サンプル1
ワシントン州フェデラルウェイ所在のWeyerhaeuser社から入手可能なNB416と指定される繊維を、ニュージャージー州フィリップスバーグ所在のMallinckrodt Baker社から入手可能な鉱油CAS8012−95−1により、繊維1.0グラム当り添加剤0.2グラムの割合で被覆した。空気形成された繊維床は、被覆されたフラフ繊維から形成されたものであった。被覆された繊維の乾燥繊維床摩擦角及び乾燥繊維床凝集力値は、上記で概説された手順を用いて測定された。サンプル1の乾燥繊維床摩擦角及び乾燥繊維床凝集力値は、それぞれ46度及び3172パスカルとなることが分かり、それを表2にまとめる。重複する空気形成された繊維床を作成し、0.9%NaCl水溶液で膨潤させ、上記で与えられた方法に従った。被覆された繊維の湿潤繊維床摩擦角及び湿潤繊維床凝集力値を、上記で概説された手順を用いて測定した。サンプル1の湿潤繊維床摩擦角及び湿潤繊維床凝集力値は、それぞれ37度及び5320パスカルとなることが分かり、それを表2にまとめる。
【0074】
サンプル2
ジョージア州Jesup所在のRayonier社から入手可能なSulfatate HJと指定される繊維を、鉱油(サンプル1から)により、繊維1.0グラム当り添加剤0.2グラムの割合で被覆した。空気形成された繊維床は、被覆されたフラフ繊維から形成されたものであった。被覆された繊維の乾燥繊維床摩擦角及び乾燥繊維床凝集力値は、上記で概説された手順を用いて測定された。サンプル2の乾燥繊維床摩擦角及び乾燥繊維床凝集力値は、それぞれ42度及び3122パスカルとなることが分かり、それを表2にまとめる。重複する空気形成された繊維床を作成し、0.9%NaCl水溶液で膨潤させ、上記で与えられた方法に従った。被覆された繊維の湿潤繊維床摩擦角及び湿潤繊維床凝集力値を、前のと同じように測定した。サンプル2の湿潤繊維床摩擦角及び湿潤繊維床凝集力値は、それぞれ40度及び3734パスカルとなることが分かり、それを表2にまとめる。
【0075】
サンプル3
ワシントン州フェデラルウェイ所在のWeyerhaeuser社から入手可能なNB416と指定される繊維を、鉱油(サンプル1から)と、カリフォルニア州ガーディナ所在のSpectrum Quality Products,Inc.から入手可能なレシチンCAS8002−43−5により、繊維1.0グラム当り添加剤0.2グラムの割合で被覆した。被膜/添加剤は、添加剤1.0グラムにつき0.95グラムの鉱油と0.05グラムのレシチンとを含有する混合物であった。空気形成された繊維床は、被覆されたフラフ繊維から形成されたものであった。被覆された繊維の乾燥繊維床摩擦角及び乾燥繊維床凝集力値は、上記で概説された手順を用いて測定された。サンプル3の乾燥繊維床摩擦角及び乾燥繊維床凝集力値は、それぞれ29度及び1155パスカルとなることが分かり、それを表2にまとめる。重複する空気形成された繊維床を作成し、0.9%NaCl水溶液で膨潤させ、上記で与えられた方法に従った。被覆された繊維の湿潤繊維床摩擦角及び湿潤繊維床凝集力値を、前のと同じように測定した。サンプル3の湿潤繊維床摩擦角及び湿潤繊維床凝集力値は、それぞれ40度及び3613パスカルとなることが分かり、それを表2にまとめる。
【0076】
サンプル4
ジョージア州Jesup所在のRayonier社から入手可能なSulfatate HJと指定される繊維を、繊維1.0グラム当りNB416を0.5グラム及びT255を0.5グラムの割合で、KoSa社から入手可能なT255、合成KoSa Celbond(登録商標)二成分繊維とブレンドした。空気形成された繊維床は、ブレンドされたフラフ繊維から形成されたものであった。ブレンドされた繊維の乾燥繊維床摩擦角及び乾燥繊維床凝集力値は、上記で概説された手順を用いて測定された。サンプル4の乾燥繊維床摩擦角及び乾燥繊維床凝集力値は、それぞれ31度及び1018パスカルとなることが分かり、それを表2にまとめる。重複する空気形成された繊維床を作成し、0.9%NaCl水溶液で膨潤させ、上記で与えられた方法に従った。ブレンドされた繊維の湿潤繊維床摩擦角及び湿潤繊維床凝集力値を、前のと同じように測定した。サンプル4の湿潤繊維床摩擦角及び湿潤繊維床凝集力値は、それぞれ30度及び1073パスカルとなることが分かり、それを表2にまとめる。
【0077】
サンプル5
ワシントン州フェデラルウェイ所在のWeyerhaeuser社から入手可能なNB416と指定される繊維を、繊維1.0グラム当りNB416を0.5グラム及びT255を0.5グラムの割合で、KoSa社から入手可能なT255、合成KoSa Celbond(登録商標)二成分繊維とブレンドした。空気形成された繊維床は、ブレンドされたフラフ繊維から形成されたものであった。ブレンドされた繊維の乾燥繊維床摩擦角及び乾燥繊維床凝集力値は、上記で概説された手順を用いて測定された。サンプル5の乾燥繊維床摩擦角及び乾燥繊維床凝集力値は、それぞれ27度及び910パスカルとなることが分かり、それを表2にまとめる。重複する空気形成された繊維床を作成し、0.9%NaCl水溶液で膨潤させ、上記で与えられた方法に従った。ブレンドされた繊維の湿潤繊維床摩擦角及び湿潤繊維床凝集力値を、前のと同じように測定した。サンプル5の湿潤繊維床摩擦角及び湿潤繊維床凝集力値は、それぞれ23度及び1597パスカルとなることが分かり、それを表2にまとめる。
【0078】
サンプル6
ワシントン州フェデラルウェイ所在のWeyerhaeuser社から入手可能なNB416と指定される繊維を、繊維1.0グラム当りNB416を0.65グラム及びT255を0.35グラムの割合で、KoSa社から入手可能なT255、合成KoSa Celbond(登録商標)二成分繊維とブレンドした。空気形成された繊維床は、ブレンドされたフラフ繊維から形成されたものであった。ブレンドされた繊維の乾燥繊維床摩擦角及び乾燥繊維床凝集力値は、上記で概説された手順を用いて測定された。サンプル6の乾燥繊維床摩擦角及び乾燥繊維床凝集力値は、それぞれ37度及び1299パスカルとなることが分かり、それを表2にまとめる。重複する空気形成された繊維床を作成し、0.9%NaCl水溶液で膨潤させ、上記で与えられた方法に従った。ブレンドされた繊維の湿潤繊維床摩擦角及び湿潤繊維床凝集力値を、前のと同じように測定した。サンプル6の湿潤繊維床摩擦角及び湿潤繊維床凝集力値は、それぞれ32度及び2028パスカルとなることが分かり、それを表2にまとめる。
【0079】

【0080】
ここで説明された本発明の実施形態は、現在のところ好ましいものであり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の修正及び改良を行うことができる。本発明の範囲は、添付の請求項によって示され、均等物の意味及び範囲内に入る全ての変化が、そこに包含されるように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】媒体に働く応力(すなわち、単位面積あたりの力)に対する多孔性媒体の反応の例を示す。
【図2】多孔性媒体における平衡状態の任意の要素の応力状態の例を示す。
【図3】任意の要素と、任意の要素を通る平面に働く法線力及び剪断力の例を示す。
【図4】剪断応力(y軸)対法線応力(x軸)のプロット上のモールの円の例を示す。
【図5】剪断応力(y軸)対法線応力(x軸)のプロット上の1つの可能な応力経路に対応する一連のモール円の例を示す。
【図6】剪断応力(y軸)対法線応力(x軸)のプロット上のモール・クーロンの破壊包絡線に関連するモールの円の例を示す。
【図7】剪断応力(y軸)対法線応力(x軸)のプロット上のモール・クーロンの破壊包絡線に関連するモールの円の別の例を示す。
【図8】米国マサチューセッツ州ウェストフォード所在のJenike&Johanson,Inc.から入手可能なJenike−Schulze Ring−Shear Testerの場合の、摩擦角測定装置の例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿潤したときに約35度又はそれより小さい繊維床摩擦角を有する湿潤可能な天然繊維を含む複数の繊維。
【請求項2】
前記繊維床摩擦角が約25度であるか又はそれより小さい角度であることを特徴とする請求項1に記載の複数の繊維。
【請求項3】
前記湿潤可能な天然繊維と組み合わせて摩擦角減少添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の複数の繊維。
【請求項4】
前記摩擦角減少添加剤が、本質的に、グリセロール、鉱油、シリコーン油、オレイン酸、多糖類、ポリエチレンオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項3に記載の複数の繊維。
【請求項5】
前記湿潤可能な天然繊維と組み合わせて乳化剤をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の複数の繊維。
【請求項6】
前記乳化剤が、本質的に、ホスファチジルコリン、レシチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項5に記載の複数の繊維。
【請求項7】
前記湿潤可能な天然繊維と組み合わせて、界面活性剤をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の複数の繊維。
【請求項8】
前記界面活性剤が、本質的に、ソルビタンモノラウレート、トリトンシリーズの化合物、Brijシリーズの化合物、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート、アルコールアミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項7に記載の複数の繊維。
【請求項9】
水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料と、
湿潤したときに約35度又はそれより小さい繊維床摩擦角を有する複数の湿潤可能な天然繊維と、
を含むことを特徴とする吸収体複合材。
【請求項10】
前記繊維床摩擦角が約25度であるか又はそれより小さい角度であることを特徴とする請求項9に記載の吸収体複合材。
【請求項11】
前記複数の湿潤可能な天然繊維と組み合わせて摩擦角減少添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の吸収体複合材。
【請求項12】
前記摩擦角減少添加剤が、本質的に、グリセロール、鉱油、シリコーン油、オレイン酸、多糖類、ポリエチレンオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項11に記載の吸収体複合材。
【請求項13】
前記複数の湿潤可能な天然繊維と組み合わせて乳化剤をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の吸収体複合材。
【請求項14】
前記乳化剤が、本質的に、ホスファチジルコリン、レシチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載の吸収体複合材。
【請求項15】
前記複数の湿潤可能な天然繊維と組み合わせて、界面活性剤をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の吸収体複合材。
【請求項16】
前記界面活性剤が、本質的に、ソルビタンモノラウレート、トリトンシリーズの化合物、Brijシリーズの化合物、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート、アルコールアミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項15に記載の吸収体複合材。
【請求項17】
湿潤したときに約50度又はそれより大きい繊維床摩擦角を有する湿潤可能な繊維を含む複数の繊維。
【請求項18】
前記繊維床摩擦角が約55度であるか又はそれより大きい角度であることを特徴とする請求項17に記載の複数の繊維。
【請求項19】
前記湿潤可能な繊維と組み合わせて摩擦角増加添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の複数の繊維。
【請求項20】
前記摩擦角増加添加剤が、本質的に、キトサン、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、アルミノケイ酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項19に記載の複数の繊維。
【請求項21】
前記湿潤可能な繊維が、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項17に記載の複数の繊維。
【請求項22】
水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料と、
湿潤したときに約50度又はそれより大きい繊維床摩擦角を有する複数の湿潤可能な繊維と、
を含むことを特徴とする吸収体複合材。
【請求項23】
前記繊維床摩擦角が約55度であるか又はそれより大きい角度であることを特徴とする請求項22に記載の吸収体複合材。
【請求項24】
前記湿潤可能な繊維と組み合わせて、摩擦角増加添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の吸収体複合材。
【請求項25】
前記摩擦角増加添加剤が、本質的に、キトサン、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、アルミノケイ酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項24に記載の吸収体複合材。
【請求項26】
前記湿潤可能な繊維が、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項22に記載の吸収体複合材。
【請求項27】
乾燥繊維床摩擦角と湿潤繊維床摩擦角とを有する湿潤可能な繊維を含む複数の繊維であって、前記湿潤繊維床摩擦角が、前記乾燥繊維床摩擦角の約80%とされるか又はそれより小さい角度とされることを特徴とする複数の繊維。
【請求項28】
前記湿潤繊維床摩擦角が、前記乾燥繊維床摩擦角の約40%とされるか又はそれより小さい角度とされることを特徴とする請求項27に記載の複数の繊維。
【請求項29】
前記湿潤可能な繊維と組み合わせて摩擦角減少添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項27に記載の複数の繊維。
【請求項30】
前記摩擦角減少添加剤が、本質的に、グリセロール、鉱油、シリコーン油、オレイン酸多糖類、ポリエチレンオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項29に記載の複数の繊維。
【請求項31】
前記湿潤可能な繊維と組み合わせて乳化剤をさらに含むことを特徴とする請求項29に記載の複数の繊維。
【請求項32】
前記乳化剤が、本質的に、ホスファチジルコリン、レシチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項31に記載の複数の繊維。
【請求項33】
前記湿潤可能な繊維と組み合わせて、界面活性剤をさらに含むことを特徴とする請求項29に記載の複数の繊維。
【請求項34】
前記界面活性剤が、本質的に、ソルビタンモノラウレート、トリトンシリーズの化合物、Brijシリーズの化合物、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート、アルコールアミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項33に記載の複数の繊維。
【請求項35】
前記湿潤可能な繊維が、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項27に記載の複数の繊維。
【請求項36】
水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料と、
乾燥繊維床摩擦角と湿潤繊維床摩擦角とを有する複数の湿潤可能な繊維と、を含み、前記湿潤繊維床摩擦角が、前記乾燥繊維床摩擦角の約80%とされるか又はそれより小さい角度とされることを特徴とする吸収体複合材。
【請求項37】
前記湿潤繊維床摩擦角が、前記乾燥繊維床摩擦角の約40%とされるか又はそれより小さい角度とされることを特徴とする請求項36に記載の吸収体複合材。
【請求項38】
前記複数の湿潤可能な繊維と組み合わせて摩擦角減少添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項36に記載の吸収体複合材。
【請求項39】
前記摩擦角減少添加剤が、本質的に、グリセロール、鉱油、シリコーン油、オレイン酸、多糖類、ポリエチレンオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項38に記載の吸収体複合材。
【請求項40】
前記複数の湿潤可能な繊維と組み合わせて乳化剤をさらに含むことを特徴とする請求項38に記載の吸収体複合材。
【請求項41】
前記乳化剤が、本質的に、ホスファチジルコリン、レシチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項40に記載の吸収体複合材。
【請求項42】
前記複数の湿潤可能な繊維と組み合わせて、界面活性剤をさらに含むことを特徴とする請求項38に記載の吸収体複合材。
【請求項43】
前記界面活性剤が、本質的に、ソルビタンモノラウレート、トリトンシリーズの化合物、Brijシリーズの化合物、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート、アルコールアミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項42に記載の吸収体複合材。
【請求項44】
前記湿潤可能な繊維が、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項36に記載の吸収体複合材。
【請求項45】
乾燥繊維床凝集力値と湿潤繊維床凝集力値とを有する湿潤可能な繊維を含む複数の繊維であって、前記湿潤繊維床凝集力値が、前記乾燥繊維床凝集力値の約120%とされるか又はそれより小さいものとされることを特徴とする複数の繊維。
【請求項46】
前記湿潤繊維床凝集力値が、前記乾燥繊維床凝集力値の約80%とされるか又はそれより小さいものとされることを特徴とする請求項45に記載の複数の繊維。
【請求項47】
前記湿潤可能な繊維が、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項45に記載の複数の繊維。
【請求項48】
水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料と、
乾燥繊維床凝集力値と湿潤繊維床凝集力値とを有する複数の湿潤可能な繊維と、
を含み、前記湿潤繊維床凝集力値が、前記乾燥繊維床凝集力値の約120%とされるか又はそれより小さいものとされることを特徴とする吸収体複合材。
【請求項49】
前記湿潤繊維床凝集力値が、前記乾燥繊維床凝集力値の約80%とされるか又はそれより小さいものとされることを特徴とする請求項48に記載の吸収体複合材。
【請求項50】
前記湿潤可能な繊維が、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項48に記載の吸収体複合材。
【請求項51】
約5,000パスカル又はそれより小さい湿潤繊維床凝集力値を有する湿潤可能な天然繊維を含む複数の繊維。
【請求項52】
前記湿潤繊維床凝集力値は、約2,500パスカルとするか又はそれより小さいものとされることを特徴とする請求項51に記載の複数の繊維。
【請求項53】
前記湿潤可能な繊維は、本質的に、天然繊維、合成繊維又はこれらの幾つかの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項51に記載の複数の繊維。
【請求項54】
水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料と、
約5,000パスカル又はそれより小さい湿潤繊維床凝集力値を有する複数の湿潤可能な繊維と、
を含むことを特徴とする吸収体複合材。
【請求項55】
前記湿潤繊維床凝集力値が、約2,500パスカルとするか又はそれより小さいものとされることを特徴とする請求項54に記載の吸収体複合材。
【請求項56】
前記水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料が、天然材料、変成天然材料、合成材料及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項54に記載の吸収体複合材。
【請求項57】
前記湿潤可能な繊維は、本質的に、天然繊維、合成繊維又はこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項54に記載の吸収体複合材。
【請求項58】
乾燥繊維床摩擦角と湿潤繊維床摩擦角とを有する湿潤可能な繊維を含む複数の繊維であって、前記湿潤繊維床摩擦角が、前記乾燥繊維床摩擦角の約120%とされるか又はそれより大きい角度とされることを特徴とする複数の繊維。
【請求項59】
前記湿潤繊維床摩擦角が、前記乾燥繊維床摩擦角の約140%とされるか又はそれより大きい角度とされることを特徴とする請求項58に記載の複数の繊維。
【請求項60】
前記湿潤可能な繊維が、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項58に記載の複数の繊維。
【請求項61】
水膨潤性かつ水不溶性の超吸収体材料と、
乾燥繊維床摩擦角と湿潤繊維床摩擦角とを有する複数の湿潤可能な繊維と、
を含み、前記湿潤繊維床摩擦角が、前記乾燥繊維床摩擦角の約120%とされるか又はそれより大きい角度とされることを特徴とする吸収体複合材。
【請求項62】
前記湿潤繊維床摩擦角が、前記乾燥繊維床摩擦角の約140%とされるか又はそれより大きい角度とされることを特徴とする請求項61に記載の吸収体複合材。
【請求項63】
前記湿潤可能な繊維が、本質的に、天然繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項61に記載の吸収体複合材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−506536(P2006−506536A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−524634(P2004−524634)
【出願日】平成15年7月18日(2003.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2003/022374
【国際公開番号】WO2004/011042
【国際公開日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
WINDOWS
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】