説明

制御システム、及び、制御方法

【課題】マルチディスプレイ装置として構成される複数の表示装置における表示状態を個々に制御して、表現力に富んだ表示を行えるようにする。
【解決手段】複数の表示パネル10を備えたディスプレイ管理システム100において、表示管理サーバ110により、各々の表示パネル10に表示すべき画像を表示条件に基づいて決定し、決定した画像を表示パネル10に表示させるための表示制御情報を、当該表示パネル10を一意に特定するパネル特定情報とともにホストコンピュータ4に送信し、ホストコンピュータ4により、表示管理サーバ110から送信された情報を受信し、受信した情報に、自己が接続された表示パネル10を特定するパネル特定情報が含まれる場合に、このパネル特定情報とともに送信された表示制御情報に基づいて表示パネル10に画像を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示ユニットを接続して構成される表示装置を制御する制御システム、及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の表示ユニットを並べて一つの大型の画面を構成する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、複数の画像表示部を並べて配設することで、大型の画面として機能するマルチディスプレイ装置を構成する場合に、各々の画像表示部に対し、表示データをそれぞれ入力するものが開示されている。このように複数の表示装置を並べて全体として一つの画面のように表示をさせることは、一般に、タイリング表示と呼ばれる。このようなマルチディスプレイ装置の多くは、広告表示等を目的として、建物の内外の壁面に設置される。
【特許文献1】特開2001−275137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通常、マルチディスプレイ装置には画像(静止画像または動画像)を出力する装置が接続され、この装置により、予め記録媒体に記録された画像を読み出し、或いは、放送等の形態で外部から画像の配信を受けて、この画像をマルチディスプレイ装置に出力する。しかしながら、このような方法では、各々のマルチディスプレイ装置は、セットされた記録媒体に記録されている画像を常時表示するか、或いは、放送によって送られる画像を全てのマルチディスプレイ装置が表示することになる。このため、複数のマルチディスプレイ装置における表示内容が画一的になってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、マルチディスプレイ装置として構成される複数の表示装置における表示状態を個々に制御して、表現力に富んだ表示を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明は、複数の表示ユニットを接続して構成され、建物に設置される複数の表示装置と、それぞれ前記表示装置に接続された複数の制御装置と、これら複数の制御装置に対して通信可能に接続された管理装置と、を含んで構成される制御システムにおいて、前記管理装置は、前記表示装置において表示すべき画像の条件を設定した表示条件を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された表示条件に従って、各々の前記表示装置において表示すべき画像を決定する画像決定手段と、前記画像決定手段により決定された画像を前記表示装置に表示させるための表示制御情報を、当該表示装置を一意に特定する表示装置特定情報とともに前記制御装置に送信する送信手段と、を備え、前記制御装置は、前記管理装置から送信された情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した情報に、自己が接続された前記表示装置を特定する前記表示装置特定情報が含まれる場合に、この前記表示装置特定情報とともに送信された表示制御情報に基づいて前記表示装置に画像を表示させる表示制御手段とを備えること、を特徴とする制御システムを提供する。
この構成によれば、各々の表示装置に表示すべき画像を、管理装置により、記憶手段に記憶している表示条件に従って決定し、決定した画像を表示させるための表示制御情報を、その表示装置を一意に特定する表示装置特定情報とともに制御装置に送信し、制御装置が、管理装置から送信された情報を受信し、受信した情報に自己が接続された表示装置を特定する表示装置特定情報が含まれる場合に、この表示制御情報に基づいて表示装置に画像を表示させるので、各々の表示装置に表示すべき画像を予め記憶した表示条件に従って適切に決定することができ、決定した画像を、容易に、各々の表示装置に表示させることができる。特に、制御装置は、管理装置から送信された情報に、自己が接続された表示装置を特定する表示装置特定情報が含まれる場合にのみ、この情報に対応して処理を行うため、どの表示装置に関する情報であるかに関わらず、全ての制御装置に同時に情報を送信することで、対象とする表示装置に表示が行われる。このため、情報の配信先を表示装置特定情報によって容易に決定し、制御することが可能となり、処理の負荷が極めて軽くて済むという利点がある。さらに、各々の表示装置に表示すべき画像を、予め用意された表示条件に従って決定する処理は負荷の軽い処理であるため、容易に、かつ高速に処理を実行して、複数の表示装置に表示される画像を個々に制御して、興趣性や実用性に富んだ表現力のある表示制御を行える。
【0005】
上記構成において、前記表示装置は、当該表示装置の設置場所の状態を検出するセンサを備え、前記制御装置は、自己が接続された前記表示装置のセンサの検出状態を、前記管理装置へ送信する送信手段を備え、前記管理装置が備える記憶手段は、前記表示装置のセンサの検出状態と、表示すべき画像とを関連づけた表示条件を記憶しており、前記画像決定手段は、前記制御装置から送信されたセンサの検出状態と、前記記憶手段に記憶された表示条件とに基づいて、前記表示装置に表示すべき画像を決定するものとしてもよい。
この場合、管理装置は、各々の表示装置が備えるセンサの検出状態と表示条件とに基づいて、各表示装置に表示すべき画像を決定するので、各表示装置には、その設置場所の状態に適した画像が表示される。これにより、複数の表示装置を個々に制御し、興趣性や実用性に富んだ表現力のある表示制御を行える。
【0006】
上記構成において、前記表示装置は店舗に設置されるものであって、前記表示装置が設置された各々の店舗において販売情報を管理する複数の販売情報管理装置が、前記管理装置に通信可能に接続され、前記販売情報管理装置は、前記管理装置に対して前記店舗の販売情報を送信し、前記管理装置が備える記憶手段は、前記表示装置が設置された店舗の販売情報と、表示すべき画像とを関連づけた表示条件を記憶しており、前記画像決定手段は、前記販売情報管理装置から送信された販売情報と、前記記憶手段に記憶された表示条件とに基づいて、前記表示装置に表示すべき画像を決定するものとしてもよい。
この場合、管理装置は、各々の表示装置が設置された店舗における売上金額や販売状況、或いは売れ筋の商品の種類等に対応して、各表示装置に表示すべき画像を決定するので、各表示装置には、その店舗の状況に適した画像が表示される。これにより、複数の表示装置を個々に制御して、店舗の販売状況を反映した表示制御を行える。
【0007】
上記構成において、前記管理装置が備える送信手段は、前記表示装置に表示すべき画像データを、前記表示制御情報として前記表示装置特定情報とともに送信し、前記制御装置が備える表示制御手段は、前記受信手段により受信した情報に、自己が接続された前記表示装置を特定する前記表示装置特定情報が含まれる場合に、この前記表示装置特定情報とともに送信された画像データを前記表示装置により表示させるようにしてもよい。
この場合、表示装置に表示すべき画像データを管理装置から制御装置へ送信することで、表示装置に画像を表示させるので、管理装置によって各々の表示装置に表示される画像を容易に制御できる。また、表示装置や制御装置において予め画像データを用意しないので、画像データの内容に関する制限がなく、非常に自由度が高い。加えて、制御装置や表示装置が画像データを記憶しておく必要がないので、制御装置や表示装置のリソースを節約できるという利点がある。
【0008】
上記構成において、前記制御装置は、前記表示装置に表示される複数の画像データを記憶した画像データ記憶手段をさらに備え、前記管理装置が備える送信手段は、各々の前記表示装置に表示すべき画像データを指定する情報を、前記表示制御情報として前記表示装置特定情報とともに送信し、前記制御装置が備える表示制御手段は、前記受信手段により受信した情報に、自己が接続された前記表示装置を特定する前記表示装置特定情報が含まれる場合に、この前記表示装置特定情報とともに送信された前記表示制御情報により指定される画像データを前記画像データ記憶手段から読み出して、前記表示装置に表示させるようにしてもよい。
この場合、表示装置に表示すべき画像データを指定する情報を管理装置から制御装置へ送信することで、表示装置に指定した画像を表示させるので、管理装置によって各表示装置の表示を容易に制御できる。特に、管理装置から制御装置に対して画像データ自体を送信しないで済むので、通信回線を介して送受信されるデータ量を極めて小容量に抑えることができ、通信に係るリソースを節約できる上、管理装置からの情報送信に要する処理の負荷や時間が短くて済み、管理装置の負荷を低く抑えることができる。
【0009】
また、本発明は、複数の表示ユニットを接続して構成され、建物に設置される複数の表示装置と、それぞれ前記表示装置に接続された複数の制御装置とを、複数の制御装置に対して通信可能に接続された管理装置により制御する制御方法であって、前記制御装置によって、前記表示装置が備えるセンサの検出状態を前記管理装置に送信し、前記管理装置により、前記表示装置のセンサの検出状態と、表示すべき画像とを関連づけた表示条件と、前記制御装置から送信されたセンサの検出状態とに基づいて、各々の前記表示装置において表示すべき画像を決定し、決定した画像を前記表示装置に表示させるための表示制御情報を、当該表示装置を一意に特定する表示装置特定情報とともに前記制御装置に送信し、前記制御装置により、前記管理装置から送信された情報を受信し、受信した情報に、自己が接続された前記表示装置を特定する前記表示装置特定情報が含まれる場合に、この前記表示装置特定情報とともに送信された表示制御情報に基づいて前記表示装置に画像を表示させること、を特徴とする制御方法を提供する。
この方法によれば、各々の表示装置に表示すべき画像を、管理装置によって、各々の表示装置が備えるセンサの検出状態と表示条件とに基づいて決定し、決定した画像を表示させるための表示制御情報を、その表示装置を一意に特定する表示装置特定情報とともに制御装置に送信し、制御装置が、管理装置から送信された情報を受信し、受信した情報に自己が接続された表示装置を特定する表示装置特定情報が含まれる場合に、この表示制御情報に基づいて表示装置に画像を表示させるので、各々の表示装置に、その設置場所の状態に適した画像を表示させることができる。また、制御装置は、管理装置から送信された情報に、自己が接続された表示装置を特定する表示装置特定情報が含まれる場合にのみ、この情報に対応して処理を行うため、どの表示装置に関する情報であるかに関わらず、全ての制御装置に同時に情報を送信することで、対象とする表示装置に表示が行われる。このため、情報の配信先を表示装置特定情報によって容易に決定し、制御することが可能となり、処理の負荷が極めて軽くて済むという利点がある。さらに、各々の表示装置に表示すべき画像を決定する処理はセンサの検出状態と表示条件とに基づく負荷の軽い処理であるため、容易に、かつ高速に処理を実行して、複数の表示装置に表示される画像を個々に制御できる。
【0010】
また、本発明は、複数の表示ユニットを接続して構成され、店舗に設置される複数の表示装置と、それぞれ前記表示装置に接続された複数の制御装置と、前記表示装置が設置された各々の店舗において販売情報を管理する複数の販売情報管理装置と、を、前記制御装置及び前記販売情報管理装置に通信可能に接続された管理装置により制御する制御方法であって、前記販売情報管理装置により、前記管理装置に前記店舗の販売情報を送信し、前記管理装置により、前記表示装置が設置された店舗の販売情報と、表示すべき画像とを関連づけた表示条件と、前記制御装置から送信されたセンサの検出状態とに基づいて、各々の前記表示装置において表示すべき画像を決定し、決定した画像を前記表示装置に表示させるための表示制御情報を、当該表示装置を一意に特定する表示装置特定情報とともに前記制御装置に送信し、前記制御装置により、前記管理装置から送信された情報を受信し、受信した情報に、自己が接続された前記表示装置を特定する前記表示装置特定情報が含まれる場合に、この前記表示装置特定情報とともに送信された表示制御情報に基づいて前記表示装置に画像を表示させること、を特徴とする制御方法を提供する。
この方法によれば、各々の表示装置に表示すべき画像を、管理装置によって、各々の表示装置が設置された店舗における売上金額や販売状況、或いは売れ筋の商品の種類等に対応して、各表示装置に表示すべき画像を決定し、決定した画像を表示させるための表示制御情報を、その表示装置を一意に特定する表示装置特定情報とともに制御装置に送信し、制御装置が、管理装置から送信された情報を受信し、受信した情報に自己が接続された表示装置を特定する表示装置特定情報が含まれる場合に、この表示制御情報に基づいて表示装置に画像を表示させるので、各々の表示装置に、設置された店舗の販売状況に適した画像を表示させることができる。また、制御装置は、管理装置から送信された情報に、自己が接続された表示装置を特定する表示装置特定情報が含まれる場合にのみ、この情報に対応して処理を行うため、どの表示装置に関する情報であるかに関わらず、全ての制御装置に同時に情報を送信することで、対象とする表示装置に表示が行われる。このため、情報の配信先を表示装置特定情報によって容易に決定し、制御することが可能となり、処理の負荷が極めて軽くて済むという利点がある。さらに、各々の表示装置に表示すべき画像を決定する処理はセンサの検出状態と表示条件とに基づく負荷の軽い処理であるため、容易に、かつ高速に処理を実行して、複数の表示装置を個々に制御できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、各々の表示装置に表示すべき画像を適切に決定し、複数の表示装置に表示される画像を、容易に、個々に制御して興趣性や実用性に富んだ表現力のある表示制御を行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明を適用した実施形態に係るディスプレイ管理システム100の概略構成を示す図である。
制御システムとしてのディスプレイ管理システム100は、複数の店舗101、102にそれぞれ設置された複数の表示システム1を、通信回線130を介して、管理装置としての表示管理サーバ110によって集中的に管理するシステムである。ディスプレイ管理システム100は、店舗101、102以外にも多数の店舗を含んで構成することが可能であり、ここでは一例として、店舗101、102を図示している。
店舗101、102にそれぞれ設置された表示システム1は、いずれも、複数のパネルユニットを結合して構成される表示装置としての表示パネル10と、通信線11を介して表示パネル10に接続された制御装置としてのホストコンピュータ4とを含んで構成される。
ホストコンピュータ4は、通信回線130を介して表示管理サーバ110に接続され、表示管理サーバ110との間で、表示パネル10を構成するパネルユニットの配置等に関する情報など、各種の情報を送受信する。
【0013】
また、ホストコンピュータ4に接続される表示パネル10は、表示ユニットとしてのマスタパネルユニット2及びパネルユニット3をつなげて構成される表示装置であり、ホストコンピュータ4の制御に従って、各種画像(動画像および静止画像を含む)を表示する。図1に示すように、表示パネル10は、少なくとも一つのマスタパネルユニット2と、1以上のパネルユニット3とを連結して構成され、本実施形態では、一つのマスタパネルユニット2と8つのパネルユニット3とを縦3列×横3列に並べて連結し、矩形の表示パネル10を構成する場合を例に挙げる。
【0014】
さらに、店舗101に設置された表示システム1は、店舗101における販売管理を行うPOS端末5(販売情報管理装置)を備えている。POS端末5は、代金精算用のレジ装置自体、又はレジ装置に接続された装置であり、店舗101の売上に関する各種データを含むPOSデータ(販売情報)の集計を行い、このPOSデータを、予め定められた時間毎または指定された時刻に、通信回線130を介してPOS管理サーバ120に送信する。POSデータには、日別・時間帯別の売上金額、販売登録された商品名、各商品の販売数量、客単価、客数、顧客の属性等の情報が含まれる。
【0015】
表示管理サーバ110は、ホストコンピュータ4との間で各種情報を送受信することにより、表示パネル10に表示すべき画像を決定する。また、表示管理サーバ110は、POS端末5からPOS管理サーバ120に対するアクセスがあった場合は、このアクセスを中継する。また、表示管理サーバ110は、ホストコンピュータ4から送信された情報を記憶する記憶手段としての表示管理データベース111を備えている。
POS管理サーバ120は、表示管理サーバ110により中継されたアクセスによって、各々の店舗101、102に設置されたPOS端末5からPOSデータが送信された場合に、このPOSデータを店舗毎に記憶して解析処理する。
【0016】
このディスプレイ管理システム100において、各々の店舗101、102に設置された表示パネル10を構成するマスタパネルユニット2は、温度センサ、湿度センサ、圧力(気圧)センサ、人感センサ等の1または複数のセンサからなる20A(図4)を備えている。センサ20Aの出力値(検出状態)は、ホストコンピュータ4に出力され、ホストコンピュータ4から通信回線130を介して表示管理サーバ110に送信され、表示管理サーバ110は、送信された出力値を表示管理データベース111に記憶させる。
表示管理サーバ110は、表示管理データベース111に記憶しているセンサの出力値、及び/又は、POS端末5からPOS管理サーバ120に送信されたPOSデータに基づいて、各々の表示パネル10に表示させるべき画像を決定する。これにより、ディスプレイ管理システム100においては、表示管理サーバ110によって、表示パネル10に表示される画像が個々に制御される。
【0017】
図2は、表示管理データベース111の構成例を模式的に示す図である。
表示管理データベース111には、パネル特定情報111A、パネル状態情報111B、画像選択条件111C(表示条件)、画像データ準備情報111D、及び、画像表示履歴111Eを含む各種データが記憶される。
パネル特定情報111Aは、ディスプレイ管理システム100に含まれる各々の表示パネル10を一意に特定する情報であり、後述するように、表示パネル10が設置された店舗101、102が入居する建物の住所や、表示パネル10に固有のID等を含む情報である。
【0018】
パネル状態情報111Bは、マスタパネルユニット2が備えるセンサ20Aの出力値である。パネル状態情報111Bは、その出力値を出力したセンサ20Aを有する表示パネル10のパネル特定情報に対応づけて記憶される。
画像選択条件111Cは、表示パネル10に表示される画像を、表示管理サーバ110がパネル状態情報111BまたはPOS端末5のPOSデータに基づいて決定する際の条件である。
画像データ準備情報111Dは、各々の表示システム1が備えるホストコンピュータ4が、どのような画像データを格納しているかを示す情報である。本実施形態のディスプレイ管理システム100においては、ホストコンピュータ4が、予め複数の画像データを記憶しており、表示管理サーバ110が表示すべき画像を決定した場合、表示管理サーバ110からホストコンピュータ4へ画像を指定する情報を送信し、この情報に応じて、ホストコンピュータ4が、予め記憶している画像データの中から指定された画像データを読み出して、表示パネル10に表示させる。このため、表示管理サーバ110は、画像データ準備情報111Dを参照することで、予めホストコンピュータ4が記憶している画像データの種類を知り、その画像データの中から表示すべき画像を指定する。画像データ準備情報111Dは、各々のホストコンピュータ4が接続された表示パネル10のパネル特定情報111Aに対応づけて、表示管理データベース111に記憶される。すなわち、パネル特定情報111Aを、表示パネル10だけでなくホストコンピュータ4を特定する目的でも使用する。
画像表示履歴111Eは、過去に各々の表示パネル10に表示された画像を示す情報であり、パネル特定情報111Aに対応づけて表示管理データベース111に記憶される。画像表示履歴111Eには、表示された画像を示す情報や、その画像の表示が開始された日時等が含まれる。
【0019】
図3は、マスタパネルユニット2及びパネルユニット3の構成を示す外観図であり、図3Aはマスタパネルユニット2の構成を示し、図3Bはパネルユニット3の構成を示し、図3Cはマスタパネルユニット2とパネルユニット3との連結部分の構成を示す。
図3Aに示すように、マスタパネルユニット2は、矩形の表示パネル27を、この表示パネル27とほぼ同サイズの矩形の筐体28に収めたものであり、マスタパネルユニット2の表面は、ほぼ全体が表示パネル27で覆われる。また、パネルユニット3は、図3Bに示すように、矩形の表示パネル37を、表示パネル37とほぼ同サイズの矩形の筐体38に収めたものであり、パネルユニット3の表面は、ほぼ全体が表示パネル37で覆われる。筐体28と筐体38の外形形状及びサイズは揃えられているので、マスタパネルユニット2とパネルユニット3とを縦横方向に並べて連結できる。
【0020】
また、図3A〜Bに示すように、マスタパネルユニット2は、それぞれ上下左右の各辺に、外向きに配設された4つのインタフェース26を備えている。パネルユニット3も同様に、それぞれ上下左右の各辺において外向きに配設された4つのインタフェース35を備えている。マスタパネルユニット2とパネルユニット3とが隣り合う場合は、インタフェース26、35が相互に接続され、パネルユニット3どうしが隣り合う場合は2つのインタフェース35が相互接続される。
インタフェース26、35の具体的な構成としては、例えば図3Cに拡大して示すように、凹部と凸部とが並ぶコネクタを備え、対向するコネクタを噛み合わせることで後述するデータバス等が相互に接続される構成が挙げられる。図3Cの例ではインタフェース26、35が備えるコネクタは同一形状であり、その向きに対して右側に凹部、左側に凸部が位置するよう配設されているので、向かい合うコネクタどうしの凹部と凸部とが常に対向する。図3Cにはインタフェース26とインタフェース35とを接続する例を示したが、インタフェース35どうしを接続する場合も全く同様である。
【0021】
表示パネル27、37としては、例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネルが挙げられる。有機ELパネルはバックライト等を必要としないため薄型化が可能であり、壁面に貼り付けるように設置する用途には特に好適である。なお、マスタパネルユニット2及びパネルユニット3に、液晶表示パネル、プラズマディスプレイパネル、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)パネル、LED(発光ダイオード)ディスプレイ等の各種のフラットパネルディスプレイや、電子ペーパー等を用いることも可能であり、CRT(Cathode Ray Tube)を用いることも不可能ではない。
【0022】
また、マスタパネルユニット2は、図3Aに示すように、四隅にそれぞれホスト接続用インタフェース25を備えている。ホスト接続用インタフェース25は、図1に示すように通信線11を介してホストコンピュータ4に接続されるインタフェースである。マスタパネルユニット2は4個のホスト接続用インタフェース25を備えているが、いずれか一つのホスト接続用インタフェース25がホストコンピュータ4に接続されればよいので、表示パネル10の設置状態に応じて最も通信線11を接続しやすいホスト接続用インタフェース25を選択できるようになっている。
通信線11は、例えばIEEE802.3、IEEE802.11等により規定される有線または無線の通信回線であり、この通信線11を用いて、ホストコンピュータ4とマスタパネルユニット2とは有線LAN(または無線LAN)を構成する。
【0023】
図4は、マスタパネルユニット2及びホストコンピュータ4の構成を示す機能ブロック図である。また、図5はパネルユニット3の構成を示す図であり、図5Aはパネルユニット3の機能ブロック図、図5Bはインタフェース35の構成図である。
図4に示すように、マスタパネルユニット2が備える4つのインタフェース26は、それぞれ設置方向が指定され、上方向インタフェース26A、右方向インタフェース26B、下方向インタフェース26C、及び左方向インタフェース26Dとなっている。マスタパネルユニット2は、上方向インタフェース26Aが上、右方向インタフェース26Bが右、下方向インタフェース26Cが下、左方向インタフェース26Dが左になるよう設置する必要があり、例えばマスタパネルユニット2の裏面には、施工業者等が設置方向を確認できるように、設置方向を示す文字や記号が付されている。
【0024】
また、図5に示すように、パネルユニット3が備える4つのインタフェース35は、パネルユニット3の4辺に対応する方向を向いて配設され、それぞれ、A方向インタフェース35A、B方向インタフェース35B、C方向インタフェース35C、及びD方向インタフェース35Dとなっている。これら4つのインタフェース35の設置時における方向は任意であり、例えば、図5とは逆にA方向インタフェース35Aが下を向くようにパネルユニット3を設置することも許される。
【0025】
マスタパネルユニット2は、表示パネル27における表示処理とともに表示パネル10全体の制御を行う制御部20を備えている。制御部20は、CPU21と、CPU21により実行される各種制御プログラム及びこれら制御プログラムに係るデータを記憶したROM22と、CPU21により実行されるプログラム及び処理されるデータ等を一時的に格納するRAM23と、CPU21の処理により生成されたデータ等を不揮発的に記憶する不揮発性メモリ24とを備える。
制御部20は、上方向インタフェース26A、右方向インタフェース26B、下方向インタフェース26C及び左方向インタフェース26Dに個々に接続され、これら4つのインタフェース26を区別して、個々のインタフェース26に対して情報を入出力する。また、制御部20には、マスタパネルユニット2の四隅に配設された4つのホスト接続用インタフェース25が接続されている。さらに、CPU21は4つのホスト接続用インタフェース25に接続され、これらホスト接続用インタフェース25を介してホストコンピュータ4との間で制御情報や画像データ等を送受信する。
不揮発性メモリ24には、マスタパネルユニット2に特有の識別情報としてのIDが記憶されている。本実施形態では、一例として、マスタパネルユニット2に16進数のID(=FF)が付与されており、CPU21は、インタフェース26に接続されたパネルユニット3や、ホスト接続用インタフェース25に接続されたホストコンピュータ4に対し、不揮発性メモリ24に記憶しているID(=FF)を出力する。
【0026】
また、制御部20は、センサ20Aを備えている。センサ20Aは、温度センサ、湿度センサ、圧力(気圧)センサ、人感センサ等の各種センサを、1または複数備えて構成される。センサ20Aは制御部20の一部としてマスタパネルユニット2に内蔵される形態に限らず、センサの検出部(プローブ)をマスタパネルユニット2の外に露出させた形態としてもよいし、マスタパネルユニット2の外部にセンサ20Aが分離されて配設され、このセンサ20Aが制御部20に結線された構成としてもよい。さらに、センサ20Aは、マスタパネルユニット2の外部に設置されたセンサに有線または無線により接続され、このセンサから出力値を取得するものであってもよい。CPU21は、センサ20Aの出力値を所定時間毎に取得して、通信線11を介してホストコンピュータ4に出力する。
【0027】
図5Aに示すように、パネルユニット3は表示パネル37における表示処理等を行う制御部30を備えている。制御部30は、CPU31と、CPU31により実行される各種制御プログラム及びこれら制御プログラムに係るデータを記憶したROM32と、CPU31により実行されるプログラム及び処理されるデータ等を一時的に格納するRAM33と、CPU31の処理により生成されたデータ等を不揮発的に記憶する不揮発性メモリ34とを備える。
制御部30は、A方向インタフェース35A、B方向インタフェース35B、C方向インタフェース35C、及びD方向インタフェース35Dに個々に接続され、これら4つのインタフェース35を区別して、個々のインタフェース35に対して信号の送受信等を行える。
また、不揮発性メモリ34は、後述する処理において、パネルユニット3に対して付与された固有の識別情報としてのIDを記憶する。一つの表示パネル10を構成する各パネルユニット3には、それぞれ異なるIDが付与され、CPU31は、必要に応じて、インタフェース35に接続されたマスタパネルユニット2や他のパネルユニット3に、不揮発性メモリ34に記憶しているIDを出力する。
【0028】
図5Bには、表示パネル10における全てのインタフェース26、35に共通する構成を示す。この図5Bに示すように、インタフェース26、35は、2本の電源供給ライン(Vcc)に加え、制御情報通信用バスと、マスタパネルユニット2及びパネルユニット3により表示するための画像データを送信するための画像配信用バスを有する。制御情報通信用バスは、マスタパネルユニット2とパネルユニット3との間、及び、パネルユニット3どうしの間で、設定等に関する制御情報を送受信するためのデータ線(data)、及び、同期用のクロック信号線(CLK)により構成される。また、画像配信用バスは、マスタパネルユニット2及びパネルユニット3において表示すべき画像の画像データを送受信するためのデータ線(D+、D−)、及び、同期用のクロック信号線(CLK)により構成される。なお、インタフェース26、35の電源ライン、データ線及びクロック信号線の間には適宜接地線(GND)が配置される。
制御部20は、各インタフェース26の制御情報通信用バスを介した制御情報の入出力、及び、画像配信用バスを介した画像データの入出力を行う。同様に、制御部30は、各インタフェース35の制御情報通信用バスを介した制御情報の入出力、及び、画像配信用バスを介した画像データの入出力を行う。
【0029】
一方、図4に示すように、ホストコンピュータ4は、CPU41、CPU41により実行される各種制御プログラム及びこれら制御プログラムに係るデータを記憶したROM42、CPU41により実行されるプログラム及び処理されるデータ等を一時的に格納するRAM43、CPU41の処理により生成されたデータ等を記憶する記憶部44、ユーザやオペレータによる入力操作を受け付ける入力部45、入力部45により入力された内容やCPU41による処理結果等を表示する表示部46、通信線11を介してマスタパネルユニット2との間で各種情報や制御情報等を送受信する通信インタフェース47を備え、これらの各部はバス48を介して相互に接続されている。
【0030】
ホストコンピュータ4が備える記憶部44は、磁気的、光学的記録媒体、或いは半導体記憶素子を用いて構成される記憶装置であり、初期設定プログラム44A、パネル配置情報44B、表示用画像データ44C、データ配信プログラム44D、パネルID44E、店舗所在情報44F、店内パネル所在情報44G、及び、パネル特定情報44Hを含む各種のデータやプログラムを記憶する。
【0031】
初期設定プログラム44Aは、マスタパネルユニット2及びパネルユニット3をつなげて表示パネル10を新規に設置した場合や、表示パネル10の構成を変更した場合等に、表示パネル10におけるマスタパネルユニット2及びパネルユニット3の配置状態を検出するために実行されるプログラムである。初期設定プログラム44AがCPU41により実行されると、ホストコンピュータ4とマスタパネルユニット2及びパネルユニット3の機能により、表示パネル10におけるパネルユニット3の各々に固有のIDが付与され、パネル配置情報44Bが生成される。
また、初期設定プログラム44Aの実行時、CPU41は、表示パネル10のパネルID44Eをホストコンピュータ4に記憶し、このパネルID44Eと、後述する店舗所在情報44F及び店内パネル所在情報44Gとを繋ぐことで、表示パネル10を一意に特定することが可能なパネル特定情報(表示装置特定情報)を生成する。このパネル特定情報は、表示パネル10が設置された店舗101、102の住所等を含んでいるため、ディスプレイ管理システム100に含まれる全ての表示パネル10の中から、一つの表示パネル10を特定し得る情報である。
【0032】
パネル配置情報44Bは、表示パネル10におけるマスタパネルユニット2及びパネルユニット3の位置と、各々のマスタパネルユニット2及びパネルユニット3のIDとを対応づける情報である。また、パネル配置情報44Bには、表示パネル10の構成に、表示パネル10の上下左右の方向を対応づける情報も含まれている。このため、パネル配置情報44Bを参照すれば、マスタパネルユニット2を基準とした他のマスタパネルユニット2やパネルユニット3の相対位置、及び、これらマスタパネルユニット2及びパネルユニット3の配列方向を特定できる。
また、表示用画像データ44Cは、表示パネル10により表示される画像データである。この画像データは静止画像および動画像のいずれであってもよく、動画像のデータである場合には対応する音声データが付加されていてもよい。記憶部44には、それぞれ独立して表示パネル10に表示される複数の表示用画像データ44Cが記憶されており、また、新たな表示用画像データが通信インタフェース47を介して受信された場合、記憶部44は、この受信された表示用画像データを記憶する。
データ配信プログラム44Dは、表示用画像データ44Cを、表示パネル10の構成に合わせて分割し、分割した画像データや制御情報等をマスタパネルユニット2及びパネルユニット3に個々に送信するためのプログラムである。
【0033】
パネルID44Eは、ホストコンピュータ4に接続された表示パネル10に固有の識別情報(ID)である。パネルID44Eは、表示パネル10が新規に設置されて初期設定プログラム44Aが実行される際、或いはその後に、入力部45によって入力され、或いは、自動的に生成されるが、マスタパネルユニット2の不揮発性メモリ24に、予め、マスタパネルユニット2自体のIDとは別に記憶されていてもよい。
店舗所在情報44Fは、ホストコンピュータ4が設置された店舗101、102の所在を示す情報であり、具体的には、この店舗の住所(住居表示または地番表示)、ビル名、ビルのフロア(階層数)、フロア内における場所(号室番号またはテナント番号)を含む情報である。また、店舗所在情報44Fには、上記店舗に固有の店舗識別情報を含んでもよい。この情報は、例えば、チェーン展開される店舗においてチェーン内で付与されたID等である。
店内パネル所在情報44Gは、店舗101、102における表示パネル10の設置場所を示す情報であり、具体的には、表示パネル10が取り付けられた壁面の方角(四方または八方)や壁面における上下左右の場所を示す情報である。店舗101、102が複数のフロアを有する場合は、店内パネル所在情報44Gには、表示パネル10が設置されたフロアを特定する情報が含まれ、店舗101、102が複数の室を有する場合は、店内パネル所在情報44Gには表示パネル10が設置された室を特定する情報(室の名前、室番号など)が含まれる。
なお、ホストコンピュータ4に複数の表示パネル10が接続されている場合には、ホストコンピュータ4は、各々の表示パネル10に対応するパネルID44E及び店内パネル所在情報44Gを記憶する。
【0034】
図6は、表示パネル10に画像を表示する処理を説明する図であり、図6Aは表示パネル10に画像を表示した状態を示し、図6Bは表示用の画像データの送信状態を模式的に示す図である。
表示パネル10に表示される画像の画像データは、ホストコンピュータ4が有するCPU41の処理により、マスタパネルユニット2及びパネルユニット3毎に生成される。例えば図6Aに示すように、ホストコンピュータ4は、表示用の画像Pを、表示パネル10を構成するパネルユニットの数に合わせて、例えば9個の部分に分割し、分割した部分毎に表示用の画像データを生成して送信する。各画像データには、その画像データを表示するパネルユニットのIDが付加されている。
【0035】
ここで、マスタパネルユニット2及びパネルユニット3が実行する転送機能について説明する。表示パネル10において、ホストコンピュータ4はマスタパネルユニット2にのみ接続されているので、マスタパネルユニット2から各パネルユニット3へ画像データを送信したり、パネルユニット3からホストコンピュータ4へ制御情報を送信したりする場合、制御情報や画像データ等を、マスタパネルユニット2やパネルユニット3によって中継する必要がある。そこで、マスタパネルユニット2及びパネルユニット3は、制御情報や画像データ等を転送する機能を備えている。
マスタパネルユニット2は、ホストコンピュータ4から通信線11を介して制御情報や画像データ等を受信した場合、受信した制御情報や画像データ等に宛先として付加されたIDを参照する。そして、宛先のIDが自己のIDであれば、この制御情報や画像データをRAM23に一時的に格納し、CPU21によって処理を行い、例えば、受信した画像データに基づく描画処理を実行して表示パネルに画像を表示する。
【0036】
一方、通信線11を介して受信した制御情報や画像データ等に宛先として付加されたIDが自己のIDでない場合、マスタパネルユニット2は、パネルユニット3が接続されている全てのインタフェース26から、上記の制御情報や画像データ等を出力する。
なお、マスタパネルユニット2が、パネルユニット3に付与されているIDと、そのIDを有するパネルユニット3がどのインタフェース26の側に接続されているかを対応づける情報を有しており、パネルユニット3に転送すべき制御情報や画像データ等を受信した場合に、その制御情報や画像データ等を、どのインタフェース26から出力すべきかを特定できるようにしてもよい。
【0037】
パネルユニット3は、いずれかのインタフェース35から入力された制御情報や画像データ等を転送する機能を有する。パネルユニット3は、4つのインタフェース35のうち、マスタパネルユニット2に直接または他のパネルユニット3を介して接続されたインタフェース35と、次のIDを有するパネルユニット3に接続されたインタフェース35とを特定する情報を、不揮発性メモリ24に記憶している。
いずれかのインタフェース35から制御情報や画像データ等が入力された場合、パネルユニット3は、その宛先のIDを判別する。そして、このIDがマスタパネルユニット2に特有のID(例えば、16進数のFF)であれば、入力された制御情報や画像データ等を、マスタパネルユニット2に接続されたインタフェース35から出力する。
また、宛先のIDが自己以外のパネルユニット3のIDであった場合、パネルユニット3は、入力された制御情報や画像データ等を、次のIDを有するパネルユニット3に接続されたインタフェース35から出力する。入力された制御情報や画像データ等の宛先のIDが自己のIDと一致した場合、パネルユニット3は、入力された制御情報や画像データ等をRAM33に格納して、CPU31によって処理する。
【0038】
このようにして、ホストコンピュータ4からパネルユニット3へ宛てて送信された制御情報や画像データ等は、図6Bに示すように、マスタパネルユニット2からパネルユニット3へ転送され、IDの順に各々のパネルユニット3により転送され、宛先のパネルユニット3へ届く。また、パネルユニット3からホストコンピュータ4またはマスタパネルユニット2へ宛てて送信された制御情報等は、IDの順とは逆の順で各々のパネルユニット3により転送され、マスタパネルユニット2により受信される。
なお、例えば図6Bのパネルユニット3(ID=05)は、次のIDを有するパネルユニット3に接続されていない。このようなパネルユニット3は、初期設定動作時に転送先がないことが設定される。
【0039】
図7は、パネル特定情報の構成例を示す図であり、図7Aはパネル特定情報の構成例を模式的に示す図であり、図7Bは具体例を示す図である。
パネル特定情報は、表示システム1が設置された店舗101、102の所在地を示す情報と、表示パネル10に固有のパネルIDとを繋げて生成されたものであり、さらに、表示パネル10における各ユニットのIDが付加されている。ディスプレイ管理システム100では、表示管理データベース111に記憶されるパネル特定情報111A(図2)と、ホストコンピュータ4の記憶部44に記憶されるパネル特定情報44H(図4)とは同じものであり、たとえば図7に示すように構成される。
図7Aに示す住所情報は、表示システム1が設置された店舗の住所のうち広域の情報(郵便番号、都道府県名、市町村名など)であり、建物位置情報は、上記店舗が入居しているビルを特定する詳細な住所であり、フロア情報は上記店舗のビル内におけるフロアを示す情報である。これらの情報は、店舗識別情報とともに店舗所在情報44F(図4)に含まれた情報を抽出することで容易に得られる。また、図7Aの店内パネル所在情報は、ホストコンピュータ4が記憶する店内パネル所在情報44G(図4)であり、パネルIDは、ホストコンピュータ4が記憶するパネルID44E(図4)である。さらに、パネルユニットIDは、表示パネル10を構成する各パネルに付与されたIDである。
【0040】
つまり、パネル特定情報は、店舗所在情報44Fと、店内パネル所在情報44Gと、パネルID44Eと、パネル配置情報44Bに含まれる各パネルのIDとを繋げることで、ディスプレイ管理システム100に含まれる全ての表示パネル10の中から一つの表示パネル10を特定し、この表示パネル10において一つのマスタパネルユニット2またはパネルユニット3を特定し得る情報である。
また、パネル特定情報は、図7Bに具体例を示すように、住所、ビルの階層を示す数字、表示パネル10の設置場所を示す語、表示パネル10のID、パネルユニットのID等を単にカンマで区切って繋げるだけで生成され、特別な体系を必要としない。このため、パネル特定情報は非常に負荷の軽い処理で生成することが可能である。
【0041】
ここで、パネル特定情報として、個々のマスタパネルユニット2及びパネルユニット3を区別する必要がない場合は、図7A、Bに例示した構成のうち最後の桁を除いてもよい。この場合、パネル特定情報は、表示パネル10が設置された店舗と、この店舗における表示パネル10の設置場所と、表示パネル10のIDとを含む情報となる。この場合も、パネル特定情報によって、ディスプレイ管理システム100に含まれる全ての表示パネル10の中から、一つの表示パネル10を特定できるので、本発明による効果を十分に得ることができる。
また、例えば、マスタパネルユニット2及びパネルユニット3を特定しないパネル特定情報を生成したい場合、図7A、Bに例示した構成の最後の桁を、空白を示す特別なコード(例えば、00)とするようにしてもよい。この場合、パネル特定情報の桁数を変えることなく、個々のマスタパネルユニット2又はパネルユニット3を特定する場合と、これらパネルユニットを特定しない場合とで使い分けをすることができる。
【0042】
図8は、ディスプレイ管理システム100の動作を示すフローチャートであり、図8Aはホストコンピュータ4の動作を示し、図8Bは表示管理サーバ110の動作を示す。この図8に示す動作中、ホストコンピュータ4は受信手段、表示制御手段として機能し、表示管理サーバ110は画像決定手段および送信手段として機能する。
【0043】
ホストコンピュータ4のCPU41は、マスタパネルユニット2の制御部20との間で制御情報を送受信することで、予め設定された所定時間毎に、センサ20Aの出力値を取得する(ステップS11)。センサ20Aが複数のセンサにより構成されている場合、CPU41は、センサ20Aから全てのセンサの出力値を取得し、各々の出力値に、その出力値の属性を対応づけたデータを生成する。例えば、センサ20Aが温度センサと圧力センサとを備える場合、CPU41は、温度センサの出力値と、この出力値が温度の値であることを示す情報との対応付けを行い、圧力センサの出力値と、この出力値が圧力の値であることを示す情報との対応付けを行う。続いてCPU41は、ステップS11で取得したセンサ20Aの出力値を、パネル特定情報44Hとともに、通信回線130を介して表示管理サーバ110へ送信する(ステップS12)。ここで送信されるパネル特定情報44Hは、ここで送信される出力値を出力しセンサ20Aを有するマスタパネルユニット2を含む表示パネル10を特定するパネル特定情報44Hである。
【0044】
一方、表示管理サーバ110は、ホストコンピュータ4から送信されたパネル特定情報44Hとセンサ20Aの出力値とを受信し(ステップS21)、受信したセンサ20Aに基づいて、表示管理データベース111内のパネル状態情報111Bを更新する(ステップS22)。パネル状態情報111Bには、パネル特定情報111Aに対応づけてセンサ20Aの出力値が記憶されているので、表示管理サーバ110は、新たにセンサ20Aの出力値を受信した場合は、この新たなセンサ20Aの出力値を追記してパネル状態情報111Bを更新する。パネル状態情報111Bには、最新のセンサ20Aの出力値のみが含まれていてもよいし、過去の出力値も含まれるようにしてもよい。また、ホストコンピュータ4から表示管理サーバ110に対し、センサ20Aが備えるセンサの出力値に、その出力値の属性を対応づけたデータが送信された場合、表示管理サーバ110は、このデータをパネル状態情報111Bに追記してもよい。
その後、表示管理サーバ110は、表示パネル10に表示する画像を決定する表示画像決定処理を実行し(ステップS23)、ディスプレイ管理システム100に含まれる個々の表示パネル10について、表示すべき画像を決定する。そして、表示管理サーバ110は、表示画像決定処理で決定した画像を表示パネル10毎に指定する画像制御情報を、その表示パネル10を特定するパネル特定情報とともに、ディスプレイ管理システム100に配信する(ステップS24)。このステップS24において、表示管理サーバ110は、全てのホストコンピュータ4により受信可能な状態で情報を送信する。
【0045】
ホストコンピュータ4のCPU41は、通信インタフェース47を介して、表示管理サーバ110から送信された情報を受信すると(ステップS14)、受信した情報が自己宛ての情報か否かを判別する(ステップS15)。この判別は、受信した情報に含まれるパネル特定情報が、自己に接続された表示パネル10のパネル特定情報44Hと一致するか否かに基づいて行われる。そして、受信した情報が自己宛ての情報であった場合(ステップS15;Yes)、CPU41は、受信した情報により指定される画像データを、記憶部44に記憶した表示用画像データ44Cの中から選択し、この表示用画像データ44Cを表示パネル10に表示させる(ステップS16)。また、CPU41は、受信した情報に含まれるパネル特定情報が、自己に接続された表示パネル10のパネル特定情報44Hと一致しない場合は、受信した情報が自己宛ての情報でないと判別して(ステップS15;No)、処理を終了する。
【0046】
図9は、図8BのステップS23に示した表示画像決定処理を詳細に示すフローチャートである。
この表示画像決定処理において、表示管理サーバ110は、まず、対象となる表示パネル10を決定し(ステップS31)、このパネルのパネル特定情報111Aを表示管理データベース111から取得する。続いて、表示管理サーバ110は、該当するパネル状態情報111Bを取得し(ステップS32)、さらに、POS管理サーバ120から、対象となる表示パネル10が設置された店舗のPOSデータを取得する(ステップS33)。さらに、表示管理サーバ110は、表示管理データベース111から画像選択条件111Cを取得する(ステップS33)。
【0047】
ここで、表示管理サーバ110は、取得したパネル状態情報111B及びPOSデータが、前回の表示画像の決定から変化しているか否かを判別し(ステップS35)、変化があった場合には(ステップS35;Yes)、画像選択条件111Cに基づいて、パネル状態情報111B及び/又はPOSデータに適合する画像データを選択する(ステップS36)。その後、表示管理サーバ110は、選択した画像データを指定する画像制御情報を生成し(ステップS37)、ステップS24(図8B)に移行する。
【0048】
一方、取得したパネル状態情報111B及びPOSデータが、前回の表示画像の決定から変化していない場合(ステップS35;No)、表示管理サーバ110は、処理対象の表示パネル10に対して表示すべき画像を最後に更新してから、所定時間が経過したか否かを判別する(ステップS38)。この判別は、画像表示履歴111Eに含まれる情報と現在時刻とを比較することで行われる。そして、所定時間が既に経過している場合(ステップS38;Yes)、表示管理サーバ110は、画像表示履歴111Eを参照し、同じ条件に適合する画像データの中から、処理対象の表示パネル10に現在表示中の画像データとは別の画像データを選択し(ステップS39)、ステップS37に移行する。
また、前回の画像の更新から所定時間が経過していない場合(ステップS38;No)、表示管理サーバ110は、画像データを変更せず、現在の画像データを引き続き表示することを指示する画像制御情報を生成し(ステップS40)、ステップS24(図8B)に移行する。
【0049】
画像選択条件111Cに基づいて画像データを選択する処理は、具体的には、以下のような処理が挙げられる。
(例1)センサ20Aが温度センサや圧力(気圧)センサ等の天候に関するセンサを備えている場合、天候や季節に適した商品の広告を行う画像データを、表示パネル10によって表示する。具体的には、気温が低い場合は暖かい飲料や食品の広告を表示させ、気温が高い場合は冷たい飲料や食品の広告を表示させる。また、温度や湿度、気圧等の複数の出力値が、天候が雨の場合の出力値の範囲にある場合に傘や雨具の広告を表示させ、これら複数の出力値が晴れの場合の出力値の範囲にある場合はピクニック用の道具や弁当の広告等を表示させる。
この例では、表示用画像データ44Cとして商品の広告用の画像データを複数記憶しておき、画像選択条件111Cには、温度や湿度の範囲と、表示すべき画像データの種類とを対応づけておけばよい。また、一つの温度や湿度の範囲に複数の画像データが対応づけられていてもよい。この場合、表示管理サーバ110は、センサ20Aの出力値が属する温度や湿度の範囲を求め、この範囲に対応する複数の画像データの中から、一つの画像データをランダムに選択すればよい。このとき、センサ20Aは、マスタパネルユニット2の筐体に設けられたセンサに限らず、店舗101、102の屋外に設置されたセンサであってもよい。
この例1では、店舗101、102の温度や湿度等の状況すなわち気象・環境に適合する商品の広告を表示することができ、効果的な広告を行うとともに、興趣性を高めることが期待できる。
【0050】
(例2)センサ20Aが、赤外線等によって表示パネル10の前における人の有無や人の多少を検出するセンサを備えている場合に、人の有無や多少に合わせた画像データを、表示パネル10によって表示する。具体的には、人が少ない場合は人の気持ちを落ち着かせる画像を表示させ、人が多い場合は活気をイメージさせる画像を表示させる。この例では、画像選択条件111Cに人感センサの出力値の範囲と、表示すべき画像データの種類とを対応づけておけばよい。この例2では、店舗101、102における人数に応じて、好感を抱かせる画像を表示して、店舗101、102における快適性を高める効果が期待できる。
【0051】
この他、センサ20Aが、温度センサや圧力(気圧)センサ等の天候に関するセンサと、赤外線等によって表示パネル10の前における人の有無や人の多少を検出するセンサとを備えている場合に、これらのセンサの検出値を組み合わせた条件に基づいて画像を選択してもよい。
また、POS管理サーバ120が有するPOSデータに基づいて、例えば、他の店舗に比べて目立って売上が低迷している商品の広告を表示させることや、最近1週間で売上が上昇する傾向にある売れ筋の商品の広告を多く表示するようにしてもよい。
さらに、他の表示パネル10におけるセンサ20Aの出力値との比較を行って、この比較結果が所定の条件を満たす場合に、この条件に適した画像を表示させてもよい。
また、センサ20Aの出力値と、POS管理サーバ120が記憶したPOSデータとのどちらを優先して条件を判定してもよく、両方を組み合わせて条件を判定してもよいし、各々に基づいて選択した画像を順番に表示させるような画像制御情報を表示管理サーバ110から送信してもよい。
【0052】
表示管理サーバ110から送信される画像制御情報は、表示する一つの画像データを指定する情報に限らず、複数の画像データと、これら複数の画像データの表示順序や、各画像データの表示時間等を含む表示スケジュールのデータであってもよい。
さらに、表示用画像データ44Cとして、複数の画像データと、これら複数の画像データの表示順序を規定する情報とを含むプログラム(番組)が複数記憶され、このプログラムを指定する情報を、表示管理サーバ110からホストコンピュータ4へ送信してもよい。
【0053】
以上のように、本発明を適用した実施形態によれば、各々の表示パネル10に表示すべき画像を、表示管理サーバ110により、表示管理データベース111が記憶している画像選択条件111Cに従って決定し、決定した画像を表示させるための表示制御情報を、その表示パネル10を一意に特定するパネル特定情報とともにホストコンピュータ4に送信し、ホストコンピュータ4が、表示管理サーバ110から送信された情報を受信し、受信した情報に自己が接続された表示パネル10を特定するパネル特定情報が含まれる場合に、この表示制御情報に基づいて表示パネル10に画像を表示させるので、各々の表示パネル10に表示すべき画像を表示条件に従って適切に決定し、決定した画像を、容易に、各々の表示パネル10に表示させることができる。
【0054】
また、ホストコンピュータ4は、表示管理サーバ110から送信されたパネル特定情報が、自己が接続された表示パネル10に対応するパネル特定情報44Hでなければ、そのパネル特定情報とともに送信された表示制御情報に基づく動作は行わない。このため、多数のホストコンピュータ4に同じ情報を送信しても、パネル特定情報により指定される一つの表示パネル10における表示を確実に制御することができる。つまり、表示管理サーバ110から全てのホストコンピュータ4に対して情報を送信しても、その情報に含まれるパネル特定情報に基づいて、各々のホストコンピュータ4が、自己宛ての情報か否かを判別できる。このため、表示管理サーバ110において送信先を特定しなくても、対象となるホストコンピュータ4のみがその情報に基づいて動作するので、極めて容易に、かつ確実に個々の表示パネル10における表示を制御できる。
【0055】
また、表示管理サーバ110は、各々の表示パネル10が備えるセンサ20Aの検出状態と画像選択条件111Cとに基づいて、各表示パネル10に表示すべき画像を決定するので、各表示パネル10には、その設置場所の状態に適した画像が表示される。これにより、複数の表示パネル10を個々に制御し、興趣性や実用性に富んだ表現力のある表示制御を行える。
また、各々の店舗101、102におけるPOS端末5からPOS管理サーバ120へPOSデータを送信し、POS管理サーバ120がPOSデータを記憶し、表示管理サーバ110は、POSデータから得られる各々の表示パネル10が設置された店舗における売上金額や販売状況、或いは売れ筋の商品の種類等に対応して、画像選択条件111Cに基づいて、各表示パネル10に表示すべき画像を決定するので、各表示パネル10には、その店舗の状況に適した画像が表示される。これにより、複数の表示パネル10を個々に制御して、店舗の販売状況を反映した表示制御を行える。
【0056】
また、ホストコンピュータ4は、表示パネル10に表示される複数の表示用画像データ44Cを記憶部44に記憶しており、表示管理サーバ110は、各々の表示パネル10に表示すべき画像データを指定する情報を、パネル特定情報とともに送信し、ホストコンピュータ4は、自己が接続された表示パネル10を特定するパネル特定情報とともに送信された情報により指定される画像データを読み出して、表示パネル10に表示させる。このため、表示管理サーバ110によって各々の表示パネル10に表示される画像を容易に制御することができ、表示管理サーバ110からホストコンピュータ4に対して画像データ自体を送信しないで済むので、通信回線130を介して送受信されるデータ量を極めて小さく抑えることができる。このため、通信に係るリソースを節約できる上、表示管理サーバ110からの情報送信に要する処理の負荷や時間が短くて済み、表示管理サーバ110の負荷を低く抑えることができる。
【0057】
なお、上記実施形態においては、図8のステップS24及びステップS14に示したように、表示管理サーバ110から画像を指定する情報を送信し、この情報に基づいて、ホストコンピュータ4が表示用画像データ44Cを選択して表示パネル10に表示させる構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示管理サーバ110からホストコンピュータ4に対して、表示パネル10に表示する画像データ自体を送信してもよい。この場合、表示パネル10に表示させる画像に関しては何ら制限がなく、例えば、予め記憶部44に記憶されていない画像データを表示パネル10に表示させることができ、非常に自由度が高い。加えて、ホストコンピュータ4が表示用画像データ44Cを記憶しておく必要がないので、ホストコンピュータ4のリソースを節約できるという利点がある。
【0058】
また、上記実施形態では、インタフェース26、35は相互に係合するコネクタを備える構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、赤外線通信インタフェースを備えるものとしてもよいし、所定のケーブルを介して接続されるものであってもよい。さらに、上記実施形態では、マスタパネルユニット2の筐体28にインタフェース26が取り付けられ、パネルユニット3の筐体38にインタフェース35が取り付けられた構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、予め壁等に配設されたインタフェースに、マスタパネルユニットやパネルユニットの本体を取り付ける構成としてもよい。
また、上記実施形態において、マスタパネルユニット2が備えるインタフェース26やパネルユニット3が備えるインタフェース35の位置や数は任意であり、例えば、マスタパネルユニット2を表示パネル10の隅に配置する場合にはマスタパネルユニット2は少なくとも2個のインタフェース26を有するものであればよく、パネルユニット3についても同様に、隅部に配置される場合は2個のインタフェース35を備えていればよく、上下左右の縁に配置される場合は3個のインタフェース35を備えていればよい。また、表示パネル10を構成するマスタパネルユニット2及びパネルユニット3の数は任意であり、複数のマスタパネルユニット2が一つの表示パネル10を構成する場合には、いずれかのマスタパネルユニット2がパネルユニット3と同様に動作するようにしてもよいし、他のパネルユニット3をマスタパネルユニット2と同数のグループに分割して、グループ毎に上述した処理を実行してもよい。その他、上記実施形態で説明した表示システム1の細部構成についても、任意に変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】実施形態に係るディスプレイ管理システムの構成を示す図である。
【図2】表示管理データベースの構成例を模式的に示す図である。
【図3】パネルユニットの構成を示す外観図である。
【図4】パネルユニット及びホストコンピュータの構成を示す図である。
【図5】パネルユニット及びインタフェースの構成を示す図である。
【図6】表示パネルに画像を表示する処理を説明する図である。
【図7】パネル特定情報の構成を示す図である。
【図8】ディスプレイ管理システムの動作を示すフローチャートである。
【図9】表示画像決定処理を詳細に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
1…表示システム、2…マスタパネルユニット(表示ユニット)、3…パネルユニット(表示ユニット)、4…ホストコンピュータ(制御装置、受信手段、表示制御手段)、5…POS端末(販売情報管理装置)、10…表示パネル(表示装置)、11…通信線、20、30…制御部、21、31…CPU、24、34…不揮発性メモリ、25…ホスト接続用インタフェース、26、35…インタフェース、27、37…表示パネル、28、38…筐体、41…CPU、44C…表示用画像データ、44H…パネル特定情報(表示装置特定情報)、100…ディスプレイ管理システム(制御システム)、101…店舗、110…表示管理サーバ(管理装置、画像決定手段、送信手段)、111…表示管理データベース(記憶手段)、111A…パネル特定情報(表示装置特定情報)、111B…パネル状態情報、111C…画像選択条件(表示条件)、111D…画像データ準備情報、111E…画像表示履歴、120…POS管理サーバ、130…通信回線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示ユニットを接続して構成され、建物に設置される複数の表示装置と、それぞれ前記表示装置に接続された複数の制御装置と、これら複数の制御装置に対して通信可能に接続された管理装置と、を含んで構成される制御システムにおいて、
前記管理装置は、
前記表示装置において表示すべき画像の条件を設定した表示条件を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された表示条件に従って、各々の前記表示装置において表示すべき画像を決定する画像決定手段と、
前記画像決定手段により決定された画像を前記表示装置に表示させるための表示制御情報を、当該表示装置を一意に特定する表示装置特定情報とともに前記制御装置に送信する送信手段と、を備え、
前記制御装置は、
前記管理装置から送信された情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した情報に、自己が接続された前記表示装置を特定する前記表示装置特定情報が含まれる場合に、この前記表示装置特定情報とともに送信された表示制御情報に基づいて前記表示装置に画像を表示させる表示制御手段とを備えること、
を特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記表示装置は、当該表示装置の設置場所の状態を検出するセンサを備え、
前記制御装置は、自己が接続された前記表示装置のセンサの検出状態を、前記管理装置へ送信する送信手段を備え、
前記管理装置が備える記憶手段は、前記表示装置のセンサの検出状態と、表示すべき画像とを関連づけた表示条件を記憶しており、
前記画像決定手段は、前記制御装置から送信されたセンサの検出状態と、前記記憶手段に記憶された表示条件とに基づいて、前記表示装置に表示すべき画像を決定すること、
を特徴とする請求項1記載の制御システム。
【請求項3】
前記表示装置は店舗に設置されるものであって、前記表示装置が設置された各々の店舗において販売情報を管理する複数の販売情報管理装置が、前記管理装置に通信可能に接続され、
前記販売情報管理装置は、前記管理装置に対して前記店舗の販売情報を送信し、
前記管理装置が備える記憶手段は、前記表示装置が設置された店舗の販売情報と、表示すべき画像とを関連づけた表示条件を記憶しており、
前記画像決定手段は、前記販売情報管理装置から送信された販売情報と、前記記憶手段に記憶された表示条件とに基づいて、前記表示装置に表示すべき画像を決定すること、
を特徴とする請求項1記載の制御システム。
【請求項4】
前記管理装置が備える送信手段は、前記表示装置に表示すべき画像データを、前記表示制御情報として前記表示装置特定情報とともに送信し、
前記制御装置が備える表示制御手段は、前記受信手段により受信した情報に、自己が接続された前記表示装置を特定する前記表示装置特定情報が含まれる場合に、この前記表示装置特定情報とともに送信された画像データを前記表示装置により表示させること、
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記表示装置に表示される複数の画像データを記憶した画像データ記憶手段をさらに備え、
前記管理装置が備える送信手段は、各々の前記表示装置に表示すべき画像データを指定する情報を、前記表示制御情報として前記表示装置特定情報とともに送信し、
前記制御装置が備える表示制御手段は、前記受信手段により受信した情報に、自己が接続された前記表示装置を特定する前記表示装置特定情報が含まれる場合に、この前記表示装置特定情報とともに送信された前記表示制御情報により指定される画像データを前記画像データ記憶手段から読み出して、前記表示装置に表示させること、
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の制御システム。
【請求項6】
複数の表示ユニットを接続して構成され、建物に設置される複数の表示装置と、それぞれ前記表示装置に接続された複数の制御装置とを、複数の制御装置に対して通信可能に接続された管理装置により制御する制御方法であって、
前記制御装置によって、前記表示装置が備えるセンサの検出状態を前記管理装置に送信し、
前記管理装置により、
前記表示装置のセンサの検出状態と、表示すべき画像とを関連づけた表示条件と、前記制御装置から送信されたセンサの検出状態とに基づいて、各々の前記表示装置において表示すべき画像を決定し、
決定した画像を前記表示装置に表示させるための表示制御情報を、当該表示装置を一意に特定する表示装置特定情報とともに前記制御装置に送信し、
前記制御装置により、
前記管理装置から送信された情報を受信し、受信した情報に、自己が接続された前記表示装置を特定する前記表示装置特定情報が含まれる場合に、この前記表示装置特定情報とともに送信された表示制御情報に基づいて前記表示装置に画像を表示させること、
を特徴とする制御方法。
【請求項7】
複数の表示ユニットを接続して構成され、店舗に設置される複数の表示装置と、それぞれ前記表示装置に接続された複数の制御装置と、前記表示装置が設置された各々の店舗において販売情報を管理する複数の販売情報管理装置と、を、前記制御装置及び前記販売情報管理装置に通信可能に接続された管理装置により制御する制御方法であって、
前記販売情報管理装置により、前記管理装置に前記店舗の販売情報を送信し、
前記管理装置により、
前記表示装置が設置された店舗の販売情報と、表示すべき画像とを関連づけた表示条件と、前記制御装置から送信されたセンサの検出状態とに基づいて、各々の前記表示装置において表示すべき画像を決定し、
決定した画像を前記表示装置に表示させるための表示制御情報を、当該表示装置を一意に特定する表示装置特定情報とともに前記制御装置に送信し、
前記制御装置により、
前記管理装置から送信された情報を受信し、受信した情報に、自己が接続された前記表示装置を特定する前記表示装置特定情報が含まれる場合に、この前記表示装置特定情報とともに送信された表示制御情報に基づいて前記表示装置に画像を表示させること、
を特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−175294(P2009−175294A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12189(P2008−12189)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】