説明

制御システム、携行鍵及び制御方法

【課題】第三者が入手した携行鍵のみでの動作制御の実行を抑止するとともに、携行鍵と動作制御手段とが互いの通信エリア外に移動したとしても代替手段により動作制御を継続することが可能な制御システム、携行鍵及び制御方法を提供する。
【解決手段】制御システム100は、相互に通信可能な複数の携行鍵111及び112、及び携行鍵111と通信可能な動作制御部120とを有する。主たる携行鍵111は、従たる携行鍵112との間で存在確認のための通信を行い、動作制御部120に対して存在確認通知を送信し、動作制御部120は、主たる携行鍵111から存在確認通知を受信したことを必要条件として、動作制御部120に接続された被制御装置の動作制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、携行鍵及び制御方法に関し、特に携行鍵を用いた動作制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば住宅及び部屋の入退出に使う扉や、自動車の扉等を施錠及び開錠するために、鍵が使われている。また、操作対象機器の動作制御のため、例えばシステムの起動及び終了の契機を与えるために、鍵が使われる例も多い。身近な例としては、自動車や自動二輪車等のエンジンの起動及び停止等のために、鍵が使われている。以下、鍵の利用場面の代表例として、自動車の動作制御を行う場合について説明する。
【0003】
2000年代中頃から、自動車のドアの施錠及び開錠やエンジンの起動を、従来の機械式鍵を使わずに行うことのできる、いわゆるキーレスエントリーシステムが広く普及するようになった。同様のシステムは、例えばスマートキーシステム(登録商標)、スマートエントリー(登録商標)、インテリジェントキー(登録商標)、キーレススタート、キーレスアクセス、キーレスオペレーション、キーフリーシステム(登録商標)、パッシブエントリー等の名称において提供されているが、本明細書においては、これらのシステムを代表するものとしてキーレスエントリーシステムという呼称を用いることとする。
【0004】
典型的なキーレスエントリーシステムとは、運転者が携行する鍵(以下、携行鍵)と、自動車に搭載されている車載器等の制御モジュール(以下、動作制御部)間とが通信を行い、通信が成立した場合に、動作制御部がドアの施錠、開錠、又はエンジンの起動といった特定の動作を制御するものである。
【0005】
ここで、一般的なキーレスエントリーシステムには、次のような問題がある。
【0006】
第1に、携行鍵を遺失した場合に盗難の危険がある。これは、一般的なキーレスエントリーシステムは、携行鍵の所有者の本人確認を行う仕組みを有していないことから、本来の所有者でない悪意をもつ第三者が、拾得した携行鍵を使って自動車扉の開錠やエンジンの起動等を行うことが可能だからである。さらに、近年では、キーレスエントリーシステムを利用する付加サービスが高度化しているため、携行鍵を遺失した場合の危険は従来の機械式鍵より増加している。
【0007】
例えば、従来の機械式鍵の場合は、機械式鍵を自動車扉に挿入する必要があったため、不特定多数の車が存在する大型駐車場などでは、機械式鍵を拾得した第三者が、その機械式鍵に対応する車を短時間で発見することは困難であった。しかし、キーレスエントリーシステムでは、携行鍵と車とが離れていてもUHF波等による通信を行うことができ、通信が成立した場合には車がアンサーバックを行うために、たとえ携行鍵を拾得した第三者であっても、不特定多数の車の中からその携行鍵に対応する車を特定することが極めて容易である。
【0008】
第2に、エンジン起動後に携行鍵を遺失した場合、走行した後に、エンジンの再起動ができなくなる可能性がある。これは、一般的なキーレスエントリーシステムは、一旦携行鍵と動作制御部との間の通信が成功すれば、短期間のうちに再度の通信等による確認を実施しないため、エンジン起動後に携行鍵を遺失したとしても、一定時間は走行が可能だからである。
【0009】
例えば、携行鍵を使ってエンジンを起動した後、携行鍵を車外に落としたことに気づかず走行を開始した場合は、走行後、一旦エンジン停止操作を行ってしまうと、以後キーレスエントリーシステムを用いてエンジンを再起動することができない。この問題点は、車両事故の可能性を増加させるものである。
【0010】
これらの問題を解決するための関連技術としては、例えば、アンサーバックを無効化することにより、非正規ユーザーが携帯鍵と対応する自動車の発見を困難にする技術(特許文献1)、携帯鍵が車載機の近くに存在することを検知するセンサーを設け、自動車や単車の発進後に携行鍵の紛失を検知した場合に、その旨を速やかに運転者に報知して注意を促す技術(特許文献2)、 携行鍵以外に、生体センサーにより指紋情報等の個人情報を入力させることにより、第三者による携行鍵の不正利用を防止する技術(特許文献3及び特許文献4)、携行鍵内に使用期限情報を格納し、使用期限が切れている場合はエンジンの起動をさせない等の方法で車両の盗難を防止する技術(特許文献5)がある。さらに、機械式鍵にタングが装着されているか否かによって操作可能な機能を変更可能なシステムが提案されている。このシステムでは、たとえ第三者に鍵を渡したとしても、所有者が予めタング着脱しておくことにより、意図しない車両操作を制限することが可能である(特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−275832号公報
【特許文献2】特開2008−265562号公報
【特許文献3】特開2008−186321号公報
【特許文献4】特開2006−152730号公報
【特許文献5】特開2007−210557号公報
【特許文献6】特開2006−225976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1記載の技術においては、携行鍵に対応する自動車の発見を遅らせることはできるが、携行鍵を保有する第三者による自動車扉の開錠及びエンジンの起動を防止することはできない。また、特許文献2記載の技術においては、発進後の携行鍵の紛失を検知することはできるが、携行鍵と車載器の通信を断続的に行うことが必要なため、携行鍵の電池寿命に悪影響を及ぼす。特許文献3及び特許文献4記載の技術においては、予め登録された個人以外による操作を防止することはできるが、例えばバレット係のような、正当な権限を有する第三者であっても操作が制限されてしまう。そして、特許文献5記載の技術においては、使用期限が切れる前に車が盗難されることを防止することができない。
【0013】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、第三者が入手した携行鍵のみでの動作制御の実行を抑止するとともに、携行鍵と動作制御部とが互いの通信エリア外に移動したとしても代替手段により動作制御を継続することが可能な制御システム、携行鍵及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る制御システムは、相互に通信可能な複数の携行鍵と、前記携行鍵のうち主たる携行鍵と通信可能な動作制御部とを有し、前記主たる携行鍵は、前記主たる携行鍵以外の前記携行鍵である従たる携行鍵との間で、前記従たる携行鍵の存在を確認するための通信を行うことにより、前記携行鍵が所定数存在することを判断し、前記動作制御部に対して存在確認通知を送信し、前記動作制御部は、前記主たる携行鍵から前記存在確認通知を受信したことを必要条件として、前記動作制御部に接続された被制御装置の動作制御を行うものである。
【0015】
また、本発明に係る携行鍵は、1以上の従たる携行鍵との間で、前記従たる携行鍵の存在を確認するための通信を行うことにより、前記従たる携行鍵が所定数存在することを判断し、動作制御部に対し、前記動作制御部に被制御装置の動作制御を行わせるための存在確認通知を送信するものである。
【0016】
さらに、本発明にかかる制御方法は、主たる携行鍵が、従たる携行鍵との間で、前記従たる携行鍵の存在を確認するための通信を行う第1のステップと、前記主たる携行鍵が、動作制御部に対して存在確認通知を送信する第2のステップと、前記動作制御部は、前記動作制御部に接続された被制御装置の動作制御を行う第3のステップとを含むものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、第三者が入手した携行鍵のみでの動作制御の実行を抑止するとともに、携行鍵と動作制御手段とが互いの通信エリア外に移動したとしても代替手段により動作制御を継続することが可能な制御システム、携行鍵及び制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1の処理を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態2の処理を示す模式図である。
【図4】本発明の実施の形態3の処理を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態4の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態4の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態4の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態4の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態4の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
<実施の形態1>
実施の形態1は、複数の携行鍵を導入することにより、第三者が入手した携行鍵のみでの動作制御の実行を抑止する制御システムに関するものである。
【0021】
まず、図1のブロック図を用いて、本発明の実施の形態1にかかる制御システム100の構成について説明する。
【0022】
制御システム100は、複数の携行鍵111及び112と、動作制御部120とを含んでおり、例えば後述するようなキーレスエントリーシステムである。なお、本実施の形態では、携行鍵の数が2である場合を主に説明するが、必要に応じ3以上の携行鍵を備えることとしてもよい。
【0023】
携行鍵111は、情報処理及び通信モジュールであり、例えば後述するように自動車の機械式鍵と一体に形成される。携行鍵111は、例えば無線通信等により、携行鍵112や動作制御部120との間で情報通信を行う。また、携行鍵111は、携行鍵112との通信結果に基づいて、携行鍵112が一定の範囲内に存在することを判定する処理等を行う。
【0024】
携行鍵112は、情報処理及び通信モジュールであり、例えば後述するように運転者が保持する運転免許証等と一体に形成される。携行鍵112は、例えば無線通信等により、携行鍵111との間で情報通信を行う。
【0025】
動作制御部120は、通信可能な情報処理モジュールであり、例えば後述するような車載器である。動作制御部120は、例えば自動車扉の錠前等の被制御装置を、所定の条件にしたがって制御する処理を行う。ここでいう制御とは、例えば錠前の開閉動作等を実行することである。
【0026】
つぎに、図2及び図3を用いて、本発明の実施の形態1にかかる処理について、キーレスエントリーシステムを例として具体的に説明する。
【0027】
キーレスエントリーシステムとしての制御システム100は、機械式鍵と一体化された携行鍵111、運転免許証と一体化された携行鍵112、及び車載器としての動作制御部120を含んでいる。
【0028】
2つの携行鍵111、112は、運転者の傍らに存在するものと一体化させることが好ましい。例えば、運転者が自動車を運転する際は、通常、自動車の機械式鍵及び運転免許証を携行すると考えられる。よって、本実施の形態では、携行鍵111を機械式鍵と、携行鍵112を運転免許証とそれぞれ一体化させている。
【0029】
動作制御部120は、自動車140に搭載されており、被制御装置としての扉130の錠前の開錠動作を電気的に制御することができる。ここで、扉130の錠前とは、鍵穴を有するキーシリンダーや車体及び扉を固定する仕組みを一体化した装置をいう。
【0030】
また、通信可能圏150は、動作制御部120と携行鍵111及び112とが互いに無線通信を行える範囲、具体的には電磁波の到達可能な圏内(通信可能圏)を示している。図3の通信可能圏160は、携行鍵111又は112の通信可能圏を示している。
【0031】
はじめに、図2を用いて、このキーレスエントリーシステムにおいて、扉130の錠前の開錠に成功する例を示す。
【0032】
まず、携行鍵111が、携行鍵112の存在を確認するため、携行鍵112との通信を試行する。以降の説明において、携行鍵111のように、他の携行鍵の存在を判定する側の携行鍵のことを、主たる携行鍵と呼ぶ。また、他の携行鍵によって存在を判定される側の携行鍵のことを、従たる携行鍵と呼ぶこととする。
【0033】
ここで、携行鍵111は、例えば、運転者が携行鍵111に備えられた図示しない操作部(ボタン等)を操作したときに、この通信を開始することができる。あるいは、携行鍵111が、通信可能圏150に入ったことを検出したときに、この通信を開始することとしてもよい。
【0034】
また、ここでいう通信とは、携行鍵111からの問合せに対して携行鍵112が識別コードを返し、携行鍵111が前記識別コードを検証するといった単純な形態のものであってもよく、あるいは必要に応じ公知の暗号化手法や認証手法を適宜組合せたものであってもよい。
【0035】
上記通信が成功した場合、携行鍵111は、携行鍵112が携行鍵111の近傍に存在すると判定する。
【0036】
携行鍵111と携行鍵112とが近傍に存在すると判定された場合、携行鍵111は、動作制御部120との通信を試行する。
【0037】
ここで、上記通信とは、携行鍵111が送信する制御コードを動作制御部120が検証するといった単純な形態のものであってもよく、あるいは必要に応じ公知の暗号化手法や認証手法を適宜組合せたものであってもよい。
【0038】
上記通信が成功した場合、動作制御部120は、扉130の錠前を電気的に開錠する制御を行う。
【0039】
つづいて、図3を用いて、このキーレスエントリーシステムにおいて、扉130の錠前の開錠に失敗する例を示す。
【0040】
図3の例は、通信可能圏150に2つの携行鍵111及び112が同時に存在していない状況を示している。例えば、運転者が運転免許証の携帯を忘れた場合や、運転者が機械式鍵を遺失し、その機械式鍵を拾得した第三者が自動車の扉を開錠しようとした場合である。
【0041】
まず、携行鍵111が、携行鍵112の存在を確認するため、携行鍵112との通信を試行する。例えば、機械式鍵の拾得者が、扉130を開錠しようと考え携行鍵111を操作したときに、かかる処理が行われる。
【0042】
このとき、携行鍵112は通信可能圏150には存在しないので、携行鍵111と携行鍵112との通信は失敗する。この場合、携行鍵111は、携行鍵112が携行鍵111の近傍には存在しないと判定する。
【0043】
携行鍵111と携行鍵112とは近傍に存在しないと判定された場合、携行鍵111は、動作制御部120に対する開錠の要求を行わない。
【0044】
結果として、動作制御部120は扉130の錠前に対する制御を行わないため、拾得者は扉130を開錠することができない。
【0045】
本実施の形態においては、動作制御部120は、複数の携行鍵111及び112が近傍に存在することを必要条件として、被制御装置に対する動作制御を行うので、仮に1つの携行鍵を第三者に拾得されたとしても、その第三者による動作制御を抑止することができる。
【0046】
<実施の形態2>
実施の形態2は、複数の携行鍵を導入することにより、携行鍵と動作制御部とが通信可能圏外に移動したとしても動作制御を継続することが可能な制御システムに関するものである。
【0047】
実施の形態2にかかる制御システム100は、上述の実施の形態1と同様の構成を備えている(図1参照)。
【0048】
すなわち、制御システム100は、複数の携行鍵111及び112と、動作制御部120とを含む。携行鍵111は、携行鍵112や動作制御部120との間で情報通信を行うとともに、携行鍵112との通信結果に基づいて、携行鍵112が一定の範囲内に存在することを判定する。携行鍵112は、携行鍵111との間で情報通信を行う。そして、動作制御部120は、被制御装置を所定の条件にしたがって制御する。
【0049】
つぎに、図4を用いて、本発明の実施の形態2にかかる処理について具体的に説明する。
【0050】
本実施の形態では、動作制御部120が動作制御を行う被制御装置には、扉130の錠前のほか、自動車140のエンジンが含まれる。すなわち、動作制御部120は、携行鍵111及び112が通信可能圏150の範囲内にある場合に、扉130を電気的に開錠する制御を行う。また、動作制御部は、携行鍵111及び112が通信可能圏150の範囲内にある場合に、自動車140のエンジンの起動を許可する電子制御を行う。これにより、自動車140は走行を始めることができる状態になる。
【0051】
図4は、自動車140が走行を始めた後、通信可能圏150に2つの携行鍵111及び112が同時に存在しなくなった状況を示している。例えば、運転者はエンジンの起動のときまでは携行鍵111及び112を身に着けていたものの、走行中、何らかの理由により携行鍵112を車外で遺失したような場合である。
【0052】
このように、携行鍵112を車外に遺失したまま自動車140が走行すれば、携行鍵112の通信可能圏160は、動作制御部120の通信可能圏150の外に出る。すなわち、携行鍵111と携行鍵112との間の通信ができない状況が発生する。
【0053】
かかる状況下において、運転者が自動車140のエンジンを一旦停止し、その後エンジンを再起動しようとした場合を考える。この場合、携行鍵111は携行鍵112と通信ができないから、動作制御部120が、被制御装置である自動車140のエンジンの起動の制御に失敗することは、実施の形態1の説明(図3参照)に即して明らかである。
【0054】
ここで、遺失した携行鍵112と同様に、従たる携行鍵として動作可能な携行鍵213が、通信可能圏150にさらに存在する場合を考える。例えば、夫婦それぞれが運転免許証を所持して自動車140に搭乗しており、それぞれの運転免許証に携行鍵が一体化されているような場合である。この場合における、エンジンの再起動の制御にかかる処理は、以下のようになる。
【0055】
まず、主たる携行鍵111が、従たる携行鍵の存在を確認するため、従たる携行鍵との通信を試行する。ここで、エンジンを最初に起動した際に従たる携行鍵として機能した携行鍵112は、通信可能圏150の外にあるため、主たる携行鍵111との通信を行うことはできない。他方、従たる携行鍵として機能し得る携行鍵213が通信可能圏150に存在するならば、携行鍵213が主たる携行鍵111との通信を行う。
【0056】
ここでいう通信とは、例えば主たる携行鍵111からのブロードキャストによる問合せに対して、通信可能圏にある従たる携行鍵、具体的には携行鍵213が識別コードを返し、携行鍵111が前記識別コードを検証するといった単純な形態のものであってもよく、あるいは必要に応じ公知の暗号化手法や認証手法を適宜組合せたものであってもよい。
【0057】
上記通信が成功した場合、携行鍵111は、従たる携行鍵、具体的には携行鍵213が携行鍵111の近傍に存在すると判定する。
【0058】
主たる携行鍵111と従たる携行鍵とが近傍に存在すると判定された場合、携行鍵111は、動作制御部120との通信を試行する。ここで、主たる携行鍵111は、予め閾値として定められた1以上の数の従たる携行鍵からの応答があった場合に、動作制御部120との通信を試行することとしてもよい。また、ここでいう上記通信とは、携行鍵111が送信する制御コードを動作制御部120が検証するといった単純な形態のものであってもよく、あるいは必要に応じ公知の暗号化手法や認証手法を適宜組合せたものであってもよい。
【0059】
上記通信が成功した場合、動作制御部120は、自動車140のエンジンの再起動を電子的に制御する処理を行う。
【0060】
本実施の形態においては、動作制御部120は、遺失した携行鍵112の代替となる携行213を含む複数の携行鍵が近傍に存在することを必要条件として、被制御装置に対する動作制御を行うので、仮に1つの携行鍵が動作制御部との通信可能圏外に移動したとしても、動作制御を継続することができる。
【0061】
<実施の形態3>
実施の形態3は、上述の実施の形態2(図6)のように、従たる携行鍵が2以上存在する場合に、それぞれの従たる携行鍵と、動作制御部120に制御させる被制御装置又は被制御装置の機能等とを個別に対応付けるものである。すなわち、従たる携行鍵毎に、異なる被制御装置又は被制御装置の機能等を制御することが可能である。
【0062】
例えば、図6のように主たる携行鍵111と、従たる携行鍵112及び従たる携行鍵213とが存在する場合を考える。このとき、運転者が主たる携行鍵111と従たる携行鍵112とを使って動作制御部120を動作させたならば、動作制御部120は自動車140のAという機能を制御する。一方、運転者が主たる携行鍵111と従たる携行鍵213とを使って動作制御部120を動作させた場合には、動作制御部120は自動車140のBという機能を制御する。
【0063】
より具体的には、例えば上記機能Aとして自動車140のエンジンの起動制御を割当て、上記機能Bとして自動車140が備える自動料金収受機能の制御を割当てる。そして、運転者が通常携帯する運転免許証に一体化された従たる携行鍵112には機能Aを、運転者の勤務する会社が発行し、運転者が勤務中に携行する社員証に一体化された従たる携行鍵213に機能Bを割当てる。これにより、例えば運転者が日常の活動のため自動車140を運転する際は、従たる携行鍵112により通常の運転を許可し、運転者が社用のため自動車140を運転する際には、携行鍵213により会社経費による運行費用の精算を許可することができる。
【0064】
また、本実施の形態は、上述の例にとどまらず、例えば同一の自動車140を複数の運転者で使用するような状況において、運転者ごとに機能や運用方法を変更したい場合、あるいは使用時間帯や使用目的ごとに機能や運用方法を変更したい場合などに、様々に応用可能である。
【0065】
本実施の形態にかかる処理の一例を以下に示す。
【0066】
まず、主たる携行鍵111が、従たる携行鍵112及び従たる携行鍵213の少なくともいずれか一方(以下、単に従たる携行鍵という)存在を確認するため、従たる携行鍵との通信を試行する。
【0067】
ここでいう通信とは、例えば主たる携行鍵111からの問合せに対して、通信可能圏にある従たる携行鍵が識別コードを返し、携行鍵111が前記識別コードを検証するといった単純な形態のものであってもよく、あるいは必要に応じ公知の暗号化手法や認証手法を適宜組合せたものであってもよい。
【0068】
上記通信が成功した場合、主たる携行鍵111は、従たる携行鍵が携行鍵111の近傍に存在すると判定する。
【0069】
従たる携行鍵が近傍に存在すると判定された場合、主たる携行鍵111は、動作制御部120との通信を試行する。ここでいう上記通信とは、主たる携行鍵111が送信する制御コードを動作制御部120が検証するといった単純な形態のものであってもよく、あるいは必要に応じ公知の暗号化手法や認証手法を適宜組合せたものであってもよい。
【0070】
上記通信が成功した場合、動作制御部120は、従たる携行鍵に対応付けられた、自動車140の所定の装置又は上記装置の所定の機能を制御する処理を行う。
【0071】
ここで、従たる携行鍵と被制御装置又は被制御装置の機能との対応付けは、例えば以下のように行うことができる。
【0072】
1つめの例は、従たる携行鍵が主たる携行鍵111との通信時に送信する識別コードに、制御対象となる被制御装置又は被制御装置の機能を特定する情報(以下、制御対象特定情報)を直接含める方法である。この場合、主たる携行鍵111は、識別コードから制御対象特定情報を抽出し、動作制御部120との通信時に送信する制御コードに、この制御対象特定情報を含める。動作制御部120は、制御コードから制御対象特定情報を抽出し、この制御対象特定情報により特定される被制御装置又は被制御装置の機能を制御する。
【0073】
2つめの例は、従たる携行鍵が主たる携行鍵11との通信時に送信する識別コードに、従たる携行鍵自身を特定する情報(以下、従鍵特定情報)を含める方法である。この場合、主たる携行鍵111は、識別コードから従鍵特定情報を抽出し、動作制御部120との通信時に送信する制御コードに、この従鍵特定情報を含める。動作制御部120は、制御コードから従鍵特定情報を抽出する。また、動作制御部120は、自動車140に設けられた所定の記憶部、例えば不揮発性メモリに設けられたテーブル等を参照し、この従鍵特定情報をキーとして、制御対象となる被制御装置又は被制御装置の機能を特定する情報(制御対象特定情報)を取得する。ここで、この記憶部には、予め従鍵特定情報と、制御対象となる被制御装置又は被制御装置の機能を特定する情報(制御対象特定情報)とが対応付けて格納されているものとする。この後、動作制御部120は、取得した制御対象特定情報により特定される被制御装置又は被制御装置の機能を制御する。
【0074】
ここで、上記2つ目の例では、記憶部が自動車140に設けられた場合を示したが、記憶部は例えば主たる携行鍵111に設けられていてもよい。この場合、主たる携行鍵111は、従たる携行鍵から受信した識別コードから従鍵特定情報を抽出した後、記憶部を参照し、抽出した従鍵特定情報をキーとして、制御対象特定情報を取得する。また、主たる携行鍵111は、動作制御部120との通信時に送信する制御コードに、取得した制御対象特定情報を含める。動作制御部120は、制御コードから制御対象特定情報を抽出し、この制御対象特定情報により特定される被制御装置又は被制御装置の機能を制御する。
【0075】
なお、動作制御部120が制御する動作は、必ずしも1つである必要はない。例えば、主たる携行鍵111において、複数の従たる携行鍵からの応答が得られ、動作制御部120にその旨が通知されたならば、動作制御部120は、その従たる携行鍵それぞれに対応する複数の被制御装置又は被制御装置の複数の機能を制御することとしてもよい。また、1つの従たる携行鍵に対し、複数の被制御装置又は被制御装置の複数の機能を割当てることとしてもよい。
【0076】
本実施の形態においては、動作制御部120は、従たる携行鍵に対応する被制御装置又は被制御装置の機能等を制御するので、従たる携行鍵を利用したきめ細かな被制御装置の動作制御を実現できる。
【0077】
<実施の形態4>
実施の形態1−3では、1つの主たる携行鍵が、1以上の従たる携行鍵の存在を確認し、動作制御部120と通信する例について説明した。
【0078】
しかしながら、このような携行鍵同士の主従関係には様々な形態があり得る。本実施の形態においては、実施の形態1−3に含まれない、携行鍵同士の主従関係の態様ついて説明する。
【0079】
(1)動作制御部120が複数の携行鍵111及び112と通信を行う例
図5に、動作制御部120が複数の携行鍵111及び112と通信を行う例を示す。
【0080】
動作制御部120は、携行鍵111及び携行鍵112と通信を行うことができる。携行鍵111及び携行鍵112は、それぞれ他の携行鍵と通信を行うことができるとともに、動作制御部120とも通信を行う。
【0081】
本実施の形態(図5)と実施の形態1−3(図1)との違いは、携行鍵111以外の携行鍵112と、動作制御部120との間の通信が可能である点にある。
【0082】
これにより、例えば特許文献2記載の関連技術のように、携行鍵111及び112の存在確認のため、動作制御部2から携行鍵111及び112への通信が必要な場合でも、動作制御部2は主たる携行鍵111を介さず従たる携行鍵112と直接通信ができるため、応答速度の向上が期待できる。また、主たる携行鍵111が不在の場合、例えば車外に遺失したような場合においても、従たる動作制御部2は携行鍵112と直接通信を行うことができるため、システムの信頼性が向上する。
【0083】
さらに、実施の形態1−3においては、主たる携行鍵111が従たる携行鍵112との通信をもっぱら行っていたが、本実施の形態(図5)においては、主たる携行鍵111に代わって、動作制御部120が従たる携行鍵112との通信を行うことも可能である。
【0084】
(2)動作制御部120が複数の携行鍵111及び112と通信を行い、携行鍵111及び112は互いに通信を行わない例
図6に、動作制御部120が複数の携行鍵111及び112と通信を行い、かつ携行鍵111及び112は互いに通信を行わない例を示す。
【0085】
動作制御部120は、携行鍵111及び携行鍵112と通信を行うことができる。一方、携行鍵111及び携行鍵112は、それぞれ他の携行鍵と通信を行わない。
【0086】
図6にかかる構成と図5にかかる構成との違いは、携行鍵間の通信が削除された点にある。
【0087】
これにより、動作制御部120がすべての携行鍵の存在を管理することになるため、携行鍵の構造を簡単にできるという利点がある。
【0088】
例えば、運転者が携行鍵111からエンジン起動の要求を発したとすると、動作制御部120は携行鍵112の存在を確認するために携行鍵112との通信を行い、この通信が成功した後にエンジンの起動を制御することとなる。
【0089】
(3)複数の動作制御部120及び721が存在する例
図7に、複数の動作制御部120及び721が存在する場合の例を示す。
【0090】
動作制御部120は、携行鍵111と通信を行うことができる。また、動作制御部721は、携行鍵112と通信を行うことができる。携行鍵111及び携行鍵112は、上記動作制御部112又は721のほか、他の携行鍵と通信を行うことができる。
【0091】
図7にかかる構成と実施の形態1−3(図1)にかかる構成との違いは、複数の動作制御部112及び721が存在することである。また、これら複数の動作制御部112又は721に対して、それぞれ異なる携行鍵111又は112が主たる携行鍵として動作する点に特徴がある。ここで、携行鍵111が主たる携行鍵として働く時は、携行鍵112は従たる携行鍵として働く。一方、携行鍵112が主たる携行鍵として働く時は、携行鍵111は従たる携行鍵として働く。
【0092】
複数の動作制御部112及び721が存在することで、携行鍵111及び112のセットにより、複数の被制御装置に対する制御を行うことが可能になり、利便性が向上する。
【0093】
例えば、自動車の扉の開錠・施錠と車庫の扉の開・閉を、同じ携行鍵セット行うことができる。
【0094】
(4)複数の動作制御部120及び721が複数の携行鍵111及び112とそれぞれ通信を行い、携行鍵111及び112は互いに通信を行わない例
図8に、複数の動作制御部120及び721が複数の携行鍵111及び112とそれぞれ通信を行い、携行鍵111及び112は互いに通信を行わない場合のを示す。
【0095】
動作制御部120は、携行鍵111及び112と通信を行うことができる。また、動作制御部721は、携行鍵112及び111と通信を行うことができる。一方、携行鍵111及び携行鍵112は、それぞれ他の携行鍵と通信を行わない。
【0096】
これにより、図5−図7にかかる構成が備える利点を兼ね備えたシステムを構築できるという利点がある。
【0097】
(5)複数の動作制御部120及び721が複数の携行鍵111及び112とそれぞれ通信を行い、携行鍵111及び112が互いに通信を行う例
図9に、複数の動作制御部120及び721が複数の携行鍵111及び112とそれぞれ通信を行い、携行鍵111及び112が互いに通信を行う場合の例を示す。
【0098】
動作制御部120は、携行鍵111及び112と通信を行うことができる。また、動作制御部721は、携行鍵112及び111と通信を行うことができる。また、携行鍵111及び携行鍵112は、それぞれ他の携行鍵と通信を行うことができる。
【0099】
これにより、図10及び図11にかかる構成よりも、冗長性が高く信頼性の高いシステムを構築することが可能になる。
【0100】
<その他の実施の形態>
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0101】
例えば、上述の実施の形態においては、携行鍵が2又は3の場合を例に説明したが、携行鍵の数は2以上の任意の数であってよい。携行鍵が3以上の場合、すなわち従たる携行鍵が2以上ある場合は、主たる携行鍵は、これらの従たる携行鍵との間で順次通信を行うことができる。
【0102】
また、上述の実施の形態においては、主たる携行鍵が1つかつ固定である場合を主な例として説明したが、必ずしも1つの特定の携行鍵が主たる携行鍵として働くこととする必要はない。
【0103】
例えば、エンジンの起動をする場合には、携行鍵111が主たる携行鍵として動作し、他の携行鍵、すなわち従たる携行鍵の存在を順次確認する通信を行う。一方、他の制御をする場合には、携行鍵112が主たる携行鍵として動作し、他の携行鍵、すなわち従たる携行鍵の存在を順次確認する通信を行うこととしてもよい。
【0104】
また、上述の実施の形態において示した、携行鍵同士が存在確認を行い、動作制御部に制御を実行される際の通信として、以下のような様々な方法を用いることも可能である。
【0105】
例えば、携行鍵111と携行鍵112とに予め異なるデータを保存しておき、これらの2つのデータを組合せることにより、動作制御部120に与える制御コードが生成できるようにすることができる。また、この場合、主たる携行鍵111のデータは制御コードの生成に必須とし、従たる携行鍵のデータについては、複数の従たる携行鍵のデータうちいずれか1つがあれば制御コードを構成できるよう構成してもよい。
【0106】
さらに、例えば公知の秘密分散技術を使うことにより、N個の携行鍵に保存されたデータのうちK個を揃えることにより、上記制御コードを生成できるように構成してもよい。この場合、携行鍵がK−1個漏洩しただけでは、制御コードの生成が不可能となるという利点がある。
【0107】
また、上述の実施の形態においては、本発明にかかる制御システムの代表例としてキーレスエントリーシステムを例示したが、当然ながら他の技術分野における動作制御に適用することも可能である。
【0108】
さらに、上述の実施の形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではなく、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0109】
上記実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0110】
(付記1)
相互に通信可能な複数の携行鍵と、
前記携行鍵のうち主たる携行鍵と通信可能な動作制御部とを有し、
前記主たる携行鍵は、前記主たる携行鍵以外の前記携行鍵である従たる携行鍵との間で、前記従たる携行鍵の存在を確認するための通信を行うことにより、前記携行鍵が所定数存在することを判断し、前記動作制御部に対して存在確認通知を送信し、
前記動作制御部は、前記主たる携行鍵から前記存在確認通知を受信したことを必要条件として、前記動作制御部に接続された被制御装置の動作制御を行う
制御システム。
【0111】
(付記2)
前記複数の携行鍵は、それぞれ分割された鍵情報を保持しており、
前記従たる携行鍵は、前記主たる携行鍵に対し、自らが保持する前記分割された鍵情報を送信し、
前記主たる携行鍵は、所定数の前記分割された鍵情報を受信した場合に、前記主たる携行鍵及び前記従たる携行鍵が保持していた前記分割された鍵情報から鍵情報を復元するとともに、前記動作制御部に対して、前記復元された鍵情報を前記存在確認通知として送信し、
前記動作制御部は、前記主たる携行鍵から前記復元された鍵情報を受信したことを必要条件として、前記動作制御部に接続された前記被制御装置の動作制御を行う
付記1記載の制御システム。
【0112】
(付記3)
前記従たる携行鍵は、それぞれ前記動作制御部に接続された複数の前記被制御装置のうち一以上の前記被制御装置、又は前記被制御装置が備える複数の機能のうち一以上の前記機能を特定する制御対象特定情報を保持しており、
前記従たる携行鍵は、前記主たる携行鍵に対し、自らが保持する前記制御対象特定情報を送信し、
前記主たる携行鍵は、前記動作制御部に対して、前記制御対象特定情報を前記存在確認通知として送信し、
前記動作制御部は、前記主たる携行鍵から受信した前記制御対象特定情報に基づいて特定される前記被制御装置又は前記機能にかかる動作制御を行う
付記1乃至2いずれか1項記載の制御システム。
【0113】
(付記4)
前記従たる携行鍵と、前記動作制御部に接続された複数の前記被制御装置のうち一以上の前記被制御装置、又は前記被制御装置が備える複数の機能のうち一以上の前記機能とを対応付けた対応情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記主たる携行鍵が前記動作制御部に対して送信する前記存在確認通知には、前記主たる携行鍵によって存在が確認された前記従たる携行鍵を特定する情報が含まれており、
前記動作制御部は、前記主たる携行鍵から受信した前記存在確認通知に含まれる前記従たる携行鍵を特定する情報と、前記記憶部に記憶された前記対応情報とに基づいて特定される、前記従たる携行鍵に対応付けられた前記被制御装置又は前記機能にかかる動作制御を行う
付記1乃至2いずれか1項記載の制御システム。
【0114】
(付記5)
1以上の従たる携行鍵との間で、前記従たる携行鍵の存在を確認するための通信を行うことにより、前記従たる携行鍵が所定数存在することを判断し、動作制御部に対し、前記動作制御部に被制御装置の動作制御を行わせるための存在確認通知を送信する
携行鍵。
【0115】
(付記6)
前記携行鍵及び前記従たる携行鍵は、それぞれ分割された鍵情報を保持しており、
前記携行鍵は、
所定数の前記従たる携行鍵から前記分割された鍵情報を受信した場合に、前記携行鍵及び前記従たる携行鍵が保持していた前記分割された鍵情報から鍵情報を復元するとともに、前記動作制御部に対し、前記被制御装置の動作制御を行わせるための前記存在確認通知として前記復元された鍵情報を送信する
付記5記載の携行鍵。
【0116】
(付記7)
前記従たる携行鍵は、それぞれ前記動作制御部に接続された複数の前記被制御装置のうち一以上の前記被制御装置、又は前記被制御装置が備える複数の機能のうち一以上の前記機能を特定する制御対象特定情報を保持しており、
前記携行鍵は、
前記従たる携行鍵から前記制御対象特定情報を受信した場合に、前記動作制御部に対し、前記制御対象特定情報に基づいて特定される前記被制御装置又は前記機能にかかる動作制御を行わせるための前記存在確認通知として前記制御対象特定情報を送信する
付記5乃至6いずれか1項記載の携行鍵。
【0117】
(付記8)
前記動作制御部に対し、前記動作制御部において前記従たる携行鍵に対応付けられる前記被制御装置又は前記機能にかかる動作制御を行わせるため、前記存在確認通知に前記従たる携行鍵を特定する情報を含めて送信する
付記5乃至6いずれか1項記載の携行鍵。
【0118】
(付記9)
主たる携行鍵が、従たる携行鍵との間で、前記従たる携行鍵の存在を確認するための通信を行う第1のステップと、
前記主たる携行鍵が、動作制御部に対して存在確認通知を送信する第2のステップと、
前記動作制御部は、前記動作制御部に接続された被制御装置の動作制御を行う第3のステップとを含む
制御方法。
【0119】
(付記10)
前記主たる携行鍵及び前記複数の携行鍵は、それぞれ分割された鍵情報を保持しており、
前記第1のステップにおいて、前記主たる携行鍵は、前記従たる携行鍵から前記分割された鍵情報を受信した場合に、前記携行鍵及び前記従たる携行鍵が保持していた前記分割された鍵情報から鍵情報を復元し、
前記第2のステップにいて、前記主たる携行鍵は、前記動作制御部に対し、前記復元された鍵情報を前記存在確認通知として送信する
付記9記載の制御方法。
【0120】
(付記11)
前記従たる携行鍵は、それぞれ前記動作制御部に接続された複数の前記被制御装置のうち一以上の前記被制御装置、又は前記被制御装置が備える複数の機能のうち一以上の前記機能を特定する制御対象特定情報を保持しており、
前記第1のステップにおいて、前記主たる携行鍵は、前記従たる携行鍵から前記制御対象特定情報を受信し
前記第2のステップにおいて、前記主たる携行鍵は、前記動作制御部に対し、前記制御対象特定情報を前記存在確認通知として送信し、
前記第3のステップにおいて、前記動作制御部は、前記制御対象特定情報に基づいて特定される前記被制御装置又は前記機能にかかる動作制御を行う
付記9乃至10いずれか1項記載の制御方法。
【0121】
(付記12)
前記第2のステップにおいて、前記主たる携行鍵は、前記動作制御部に対し、て、存在が確認された前記従たる携行鍵を特定する情報を含む前記存在確認通知を送信し、
前記第3のステップにおいて、前記動作制御部は、前記従たる携行鍵を特定する情報に予め対応付けられている前記被制御装置又は前記機能にかかる動作制御を行う
付記9乃至10いずれか1項記載の制御方法。
【0122】
(付記13)
付記1乃至4いずれか1項記載の制御システムを含むキーレスエントリーシステムであって、
前記動作制御部は、車両に搭載されている機器の動作を制御する制御装置に接続されている
キーレスエントリーシステム。
【0123】
(付記14)
前記携行鍵の少なくとも1つは、機械式の自動車鍵と一体に形成されている
付記13記載のキーレスエントリーシステム。
【符号の説明】
【0124】
100 通信制御システム
111 携行鍵
112 携行鍵
120 動作制御部
130 扉
140 自動車
150 通信可能圏
160 通信可能圏
213 携行鍵
721 動作制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に通信可能な複数の携行鍵と、
前記携行鍵のうち主たる携行鍵と通信可能な動作制御部とを有し、
前記主たる携行鍵は、前記主たる携行鍵以外の前記携行鍵である従たる携行鍵との間で、前記従たる携行鍵の存在を確認するための通信を行うことにより、前記携行鍵が所定数存在することを判断し、前記動作制御部に対して存在確認通知を送信し、
前記動作制御部は、前記主たる携行鍵から前記存在確認通知を受信したことを必要条件として、前記動作制御部に接続された被制御装置の動作制御を行う
制御システム。
【請求項2】
前記複数の携行鍵は、それぞれ分割された鍵情報を保持しており、
前記従たる携行鍵は、前記主たる携行鍵に対し、自らが保持する前記分割された鍵情報を送信し、
前記主たる携行鍵は、所定数の前記分割された鍵情報を受信した場合に、前記主たる携行鍵及び前記従たる携行鍵が保持していた前記分割された鍵情報から鍵情報を復元するとともに、前記動作制御部に対して、前記復元された鍵情報を前記存在確認通知として送信し、
前記動作制御部は、前記主たる携行鍵から前記復元された鍵情報を受信したことを必要条件として、前記動作制御部に接続された前記被制御装置の動作制御を行う
請求項1記載の制御システム。
【請求項3】
前記従たる携行鍵は、それぞれ前記動作制御部に接続された複数の前記被制御装置のうち一以上の前記被制御装置、又は前記被制御装置が備える複数の機能のうち一以上の前記機能を特定する制御対象特定情報を保持しており、
前記従たる携行鍵は、前記主たる携行鍵に対し、自らが保持する前記制御対象特定情報を送信し、
前記主たる携行鍵は、前記動作制御部に対して、前記制御対象特定情報を前記存在確認通知として送信し、
前記動作制御部は、前記主たる携行鍵から受信した前記制御対象特定情報に基づいて特定される前記被制御装置又は前記機能にかかる動作制御を行う
請求項1乃至2いずれか1項記載の制御システム。
【請求項4】
前記従たる携行鍵と、前記動作制御部に接続された複数の前記被制御装置のうち一以上の前記被制御装置、又は前記被制御装置が備える複数の機能のうち一以上の前記機能とを対応付けた対応情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記主たる携行鍵が前記動作制御部に対して送信する前記存在確認通知には、前記主たる携行鍵によって存在が確認された前記従たる携行鍵を特定する情報が含まれており、
前記動作制御部は、前記主たる携行鍵から受信した前記存在確認通知に含まれる前記従たる携行鍵を特定する情報と、前記記憶部に記憶された前記対応情報とに基づいて特定される、前記従たる携行鍵に対応付けられた前記被制御装置又は前記機能にかかる動作制御を行う
請求項1乃至2いずれか1項記載の制御システム。
【請求項5】
1以上の従たる携行鍵との間で、前記従たる携行鍵の存在を確認するための通信を行うことにより、前記従たる携行鍵が所定数存在することを判断し、動作制御部に対し、前記動作制御部に被制御装置の動作制御を行わせるための存在確認通知を送信する
携行鍵。
【請求項6】
前記携行鍵及び前記従たる携行鍵は、それぞれ分割された鍵情報を保持しており、
前記携行鍵は、
所定数の前記従たる携行鍵から前記分割された鍵情報を受信した場合に、前記携行鍵及び前記従たる携行鍵が保持していた前記分割された鍵情報から鍵情報を復元するとともに、前記動作制御部に対し、前記被制御装置の動作制御を行わせるための前記存在確認通知として前記復元された鍵情報を送信する
請求項5記載の携行鍵。
【請求項7】
前記従たる携行鍵は、それぞれ前記動作制御部に接続された複数の前記被制御装置のうち一以上の前記被制御装置、又は前記被制御装置が備える複数の機能のうち一以上の前記機能を特定する制御対象特定情報を保持しており、
前記携行鍵は、
前記従たる携行鍵から前記制御対象特定情報を受信した場合に、前記動作制御部に対し、前記制御対象特定情報に基づいて特定される前記被制御装置又は前記機能にかかる動作制御を行わせるための前記存在確認通知として前記制御対象特定情報を送信する
請求項5乃至6いずれか1項記載の携行鍵。
【請求項8】
前記動作制御部に対し、前記動作制御部において前記従たる携行鍵に対応付けられる前記被制御装置又は前記機能にかかる動作制御を行わせるため、前記存在確認通知に前記従たる携行鍵を特定する情報を含めて送信する
請求項5乃至6いずれか1項記載の携行鍵。
【請求項9】
主たる携行鍵が、従たる携行鍵との間で、前記従たる携行鍵の存在を確認するための通信を行う第1のステップと、
前記主たる携行鍵が、動作制御部に対して存在確認通知を送信する第2のステップと、
前記動作制御部は、前記動作制御部に接続された被制御装置の動作制御を行う第3のステップとを含む
制御方法。
【請求項10】
前記主たる携行鍵及び前記複数の携行鍵は、それぞれ分割された鍵情報を保持しており、
前記第1のステップにおいて、前記主たる携行鍵は、前記従たる携行鍵から前記分割された鍵情報を受信した場合に、前記携行鍵及び前記従たる携行鍵が保持していた前記分割された鍵情報から鍵情報を復元し、
前記第2のステップにいて、前記主たる携行鍵は、前記動作制御部に対し、前記復元された鍵情報を前記存在確認通知として送信する
請求項9記載の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−14958(P2013−14958A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149041(P2011−149041)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】