説明

制御装置、制御方法、アクセス装置、アクセス方法、プログラムおよび追記型記録媒体

【課題】再生調整を実行する記録済領域が存在するか否かが不明な記録媒体では、再生調整用記録済領域を作成することにより起動処理に時間が必要となる。
【解決手段】本発明の制御装置は、少なくとも1つの領域を含む記録媒体にアクセスするためのアクセス手段が前記少なくとも1つの領域にアクセスするように、前記アクセス手段を制御する制御装置であって、前記少なくとも1つの領域に、データが記録されている少なくとも1つの第1記録済領域が含まれているか否かを判定する判定手段と、前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていると判定した場合には、前記少なくとも1つの第1記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、前記アクセス手段を制御する制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの領域を含む記録媒体にアクセスするためのアクセス手段が少なくとも1つの領域にアクセスするように、アクセス手段を制御する制御装置、制御方法、少なくとも1つの領域を含む記録媒体にアクセスするためのアクセス手段と、アクセス手段が少なくとも1つの領域にアクセスするように、アクセス手段を制御する制御手段とを備えたアクセス装置、アクセス方法、プログラムおよび複数の領域を含む追記型記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
セクタ構造を有する情報記録媒体として光ディスクがある。近年、オーディオやビデオなどのAVデータがディジタル化されて、より高密度で大容量な光ディスクが要望されている。
【0003】
大容量化を実現する光ディスクとして、BD(Blu−ray Disc)の開発が進められている。BDは、単層ディスクで25GBの容量を実現し、DVDの5倍以上の記録容量を確保すると共に、記録速度もDVDの3倍速相当に高速化されている。BDのような高密度ディスクを記録/再生するためには、高精度なサーボ制御や信号処理が必要になり、媒体装着時のディスク起動処理において種々の再生制御パラメータ調整機能が必要となる。
【0004】
再生調整パラメータの一つに、光ディスク上に結ぶ光スポットの焦点位置をあらわすフォーカス位置がある。フォーカス位置を調整する方法として、例えば、再生信号品質の指標であるジッタが最小になるようにフォーカス位置を調整する方法がある(特許文献1参照)。
【0005】
以下、装置の起動処理とフォーカス位置調整とについて説明する。
【0006】
図16は、従来の装置の起動手順の一例を示す。以下、図16を参照して、従来の装置の起動手順の一例をステップごとに説明する。
【0007】
ステップS1201:再生装置のレーザを発光し、再生パワーの光ビームを光ディスクに照射する。
【0008】
ステップS1202:ディスクモータを起動し、光ディスクを所定の速度で回転させる。
【0009】
ステップS1203:レーザビームを制御するための対物レンズを制御して、光ディスク上に焦点を結ぶための制御(フォーカス制御)を開始する。
【0010】
ステップS1204:焦点位置をスパイラル状のトラックに追従して移動させるための制御(トラッキング制御)を開始する。
【0011】
ステップS1205:光ディスク上の予め定められたプリ記録領域に再生ピックアップを移動する。
【0012】
ステップS1206:光ピック側から光ディスク側に向けて、光ディスク上に結ばれた焦点を少しずつ移動しつつ、プリ記録領域に記録されたジッタを測定する。すなわち、ステップS1206では、プリ記録領域の再生を繰り返しながら、最も再生品質が良好となる焦点位置(フォーカス位置)を設定する。
【0013】
ここで、ジッタは再生信号の品質を表すための指標である。ジッタは再生信号の時間軸方向のずれを表す。
【0014】
ステップS1207:ステップS1206と同様に、ピックアップ上のレンズを少しずつ傾けながら、プリ記録領域のジッタを測定する。ステップS1207では、最もジッタの値が小さくなる(すなわち、信号品質が良好となる)レンズの傾き(チルト)を設定する。
【0015】
以上のように、プリ記録領域でジッタ測定等を行うことで、再生信号品質が最も良好になるように装置を調整する。
【0016】
図17は、フォーカス位置調整方法の一例を説明するための図である。横軸は、設定されるフォーカスオフセット(フォーカス位置)を示し、値が大きくなるほど焦点の位置がレンズから遠ざかる方向に移動する。縦軸は、ジッタ値を示す。
【0017】
一般に、フォーカス位置とジッタとの関係は、最良のフォーカス位置で最小のジッタ値となり、それより大きくても小さくてもジッタ値は大きくなる(図17参照)。
【0018】
フォーカス位置調整方法の一例は、フォーカスオフセットの値を小さい値から少しずつ大きくした場合のジッタ値を測定し、最もジッタ値が小さくなる点のフォーカスオフセットを設定する方法である。フォーカスオフセット値をaに設定してプリ記録領域のジッタ値を測定し、ジッタ値J(a)を得る。同様に、フォーカスオフセット値がb、c、dの時のジッタ値J(b)、J(c)、J(d)がそれぞれ測定される。この方法では、ジッタ値が最も小さくなるのは、フォーカスオフセット値がcであるため、フォーカスオフセット値としてcを設定する。
【0019】
上述したように、フォーカス位置等の再生制御パラメータを正確に調整するためには、指標(ジッタなど)を測定することが不可欠になる。したがって、指標を測定可能な記録済領域の存在が学習を行うための前提条件である。
【0020】
従来、再生専用ディスクは、既にデータが記録された状態で出荷されるため、容易に記録済領域を検出できる。また、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random Access Memory)および、DVD−RW(Digital Versatile Disc Rewritable)は、工場出荷時に必ず記録されている制御情報領域を内周部のリードイン領域に有するため、この制御情報領域を利用して再生制御パラメータを調整できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開平10−149550号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかし、一部の書換型もしくは追記型の光ディスク(例えば、BD)では、制御情報が光ディスクの内周部でトラックのうねりによって記録された特殊な記録方法(ウォブル記録方式)が使用されている。したがって、このような光ディスクが、再生品質指標(ジッタ等)を測定可能な記録済領域を有するとは限らない。その結果、記録済領域を有しない光ディスクに対して、再生品質指標に基づく調整処理が困難になるという課題がある。
【0023】
また、記録済領域を用いた高速な起動を実現するために、光ディスクが記録済領域を含むか否かを効率的に判定しなければならないという課題がある。
【0024】
また、各種の再生制御パラメータが充分に調整されていない状態で、光ディスクが記録済領域を含むか否かを効率的に判定するために、データが領域に記録済か未記録かの判定の信頼性が必要となるという課題がある。
【0025】
また、複数の記録層を備えた多層記録媒体では、特性の異なる複数の記録層に対して、適切に再生制御パラメータを調整しなければならないという課題がある。
【0026】
また、データの記録順序が異なる書換型光ディスクおよび追記型光ディスクのそれぞれについて、記録済領域が効率的に探索されなければならないという課題がある。
【0027】
また、記録済領域を有しない光ディスクでは、記録済領域を探索しないと、次回の再生制御パラメータの調整処理においても、記録済領域を有しない光ディスクであると判定されるという課題がある。
【0028】
また、追記型光ディスクには、データを一度しか書き込むことができないため、有限な領域を有効に使わなければならないという課題がある。
【0029】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、記録済領域を有しない光ディスクに対して、再生品質指標に基づいて調整処理することによって、再生品質の高いアクセス装置を提供することを目的とする。
【0030】
さらに、記録済領域を用いた高速な起動を実現するために、光ディスクが記録済領域を有するか否かを効率的に判定可能なアクセス装置を提供することを目的とする。
【0031】
さらに、起動処理の途中であるために各種の再生制御パラメータが充分に調整されていない状態で、光ディスクが記録済領域を有するか否かを判定するために、光ディスクにデータが記録済か未記録かの判定の信頼性を向上することができるアクセス装置を提供することを目的とする。
【0032】
さらに、本発明は、次回の起動に利用可能なように未記録領域を記録済領域にするためのアクセス装置を提供することを目的とする。
【0033】
さらに、本発明は、複数の記録層を備えた多層記録媒体では、特性の異なる複数の記録層のそれぞれに対して、記録済領域の探索処理、及び、学習処理を行うアクセス装置を提供することを目的とする。
【0034】
さらに、記録順序が異なる書換型光ディスクおよび追記型光ディスクのそれぞれを対象として、効率的に記録済領域を探索できるアクセス装置を提供することを目的とする。
【0035】
さらに、書換型光ディスクおよび追記型光ディスクの記録済領域の探索を同様に処理できるアクセス装置を提供することを目的とする。
【0036】
さらに、書換型光ディスクおよび追記型光ディスクにおいて、物理フォーマット処理時に記録する領域を次回の起動に利用するアクセス装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0037】
本発明の制御装置は、少なくとも1つの領域を含む記録媒体にアクセスするためのアクセス手段が前記少なくとも1つの領域にアクセスするように、前記アクセス手段を制御する制御装置であって、前記少なくとも1つの領域に、データが記録されている少なくとも1つの第1記録済領域が含まれているか否かを判定する判定手段と、前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていると判定した場合には、前記少なくとも1つの第1記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、前記アクセス手段を制御する制御手段とを備え、これにより、上記目的が達成される。
【0038】
前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていないと判定した場合には、前記アクセス手段が前記少なくとも1つの領域のうちの少なくとも1つにデータを記録するように、前記アクセス手段を制御し、前記アクセス手段が前記アクセス手段によってデータが記録された少なくとも1つの第2記録済領域にアクセスするように、前記アクセス手段を制御し、前記少なくとも1つの第2記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、前記アクセス手段を制御してもよい。
【0039】
物理フォーマットに関する要求に応じて、前記アクセス手段を制御してもよい。
【0040】
前記少なくとも1つの第1記録済領域は、物理フォーマットに関する要求に応じてデータが記録された領域を含んでもよい。
【0041】
前記少なくとも1つの第1記録済領域は、前記記録媒体上の欠陥領域を管理するための欠陥管理情報が記録された少なくとも1つの欠陥管理領域を含んでもよい。
【0042】
前記少なくとも1つの第1記録済領域は、制御情報が格納された少なくとも1つの制御データ領域を含んでもよい。
【0043】
前記少なくとも1つの領域からデータを再生するように、前記アクセス手段を制御し、前記データが正常に再生されたか否かを判定し、前記正常に再生されたか否かの判定結果に基づいて、前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれているか否かを判定してもよい。
【0044】
前記アクセス手段が前記少なくとも1つの領域に光を照射し、かつ前記少なくとも1つの領域で反射した光を検出するように、前記アクセス手段を制御し、前記検出された光の量に基づいて、前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれているか否かを判定してもよい。
【0045】
アドレス情報を含むサブコード情報とユーザデータとの取得状態に基づいて、前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれているか否かを判定してもよい。
【0046】
前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていないと判定した場合には、前記アクセス手段が、前記記録媒体に予め記録されている前記アクセス手段の制御のためのアクセス手段制御データに基づいて、前記少なくとも1つの領域のうちの少なくとも1つにデータを記録するように、前記アクセス手段を制御し、前記アクセス手段が、前記アクセス手段制御データに基づいて前記データが記録された少なくとも1つの第3記録済領域にアクセスするように、前記アクセス手段を制御し、前記少なくとも1つの第3記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、前記アクセス手段を制御してもよい。
【0047】
前記アクセス手段は、前記アクセス手段の制御のためのアクセス手段制御データが記憶されている不揮発メモリにアクセス可能なように構成されており、前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていないと判定した場合には、前記制御装置は、前記アクセス手段が前記不揮発メモリにアクセスするように、前記アクセス手段を制御し、前記アクセス手段制御データに基づいて、前記アクセス手段を制御してもよい。
【0048】
前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていないと判定した場合には、前記アクセス手段が、前記アクセス手段の制御のためのアクセス手段制御データを変化させながら前記少なくとも1つの領域のうちの少なくとも1つにデータを記録するように、前記アクセス手段を制御し、前記アクセス手段が、前記変化されたアクセス手段制御データのうちの所望のアクセス手段制御データに基づいて、前記データが記録された少なくとも1つの第3記録済領域にアクセスするように、前記アクセス手段を制御し、前記少なくとも1つの第3記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、前記アクセス手段を制御してもよい。
【0049】
前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていないと判定した場合には、前記アクセス手段が前記少なくとも1つの領域のうちの少なくとも1つの未記録領域にアクセスするように、前記アクセス手段を制御し、前記少なくとも1つの未記録領域に対するアクセス結果に基づいて、前記アクセス手段を制御してもよい。
【0050】
本発明の制御方法は、少なくとも1つの領域を含む記録媒体にアクセスするためのアクセス手段が前記少なくとも1つの領域にアクセスするように、前記アクセス手段を制御する制御方法であって、前記少なくとも1つの領域に、データが記録されている少なくとも1つの第1記録済領域が含まれているか否かを判定するステップと、前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていると判定した場合には、前記少なくとも1つの第1記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、前記アクセス手段を制御するステップとを包含し、これにより、上記目的が達成される。
【0051】
前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていないと判定した場合には、前記アクセス手段が前記少なくとも1つの領域のうちの少なくとも1つにデータを記録するように、前記アクセス手段を制御するステップと、前記アクセス手段が前記アクセス手段によってデータが記録された少なくとも1つの第2記録済領域にアクセスするように、前記アクセス手段を制御するステップと、前記少なくとも1つの第2記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、前記アクセス手段を制御するステップとを包含してもよい。
【0052】
物理フォーマットに関する要求に応じて、前記アクセス手段を制御するステップを包含してもよい。
【0053】
前記少なくとも1つの第1記録済領域は、物理フォーマットに関する要求に応じてデータが記録された領域を含んでもよい。
【0054】
前記少なくとも1つの第1記録済領域は、前記記録媒体上の欠陥領域を管理するための欠陥管理情報が記録された少なくとも1つの欠陥管理領域を含んでもよい。
【0055】
前記少なくとも1つの第1記録済領域は、制御情報が格納された少なくとも1つの制御データ領域を含んでもよい。
【0056】
前記少なくとも1つの領域からデータを再生するように、前記アクセス手段を制御するステップと、前記データが正常に再生されたか否かを判定するステップと、前記正常に再生されたか否かの判定結果に基づいて、前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれているか否かを判定するステップとを包含してもよい。
【0057】
前記アクセス手段が前記少なくとも1つの領域に光を照射し、かつ前記少なくとも1つの領域で反射した光を検出するように、前記アクセス手段を制御するステップと、前記検出された光の量に基づいて、前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれているか否かを判定するステップとを包含してもよい。
【0058】
アドレス情報を含むサブコード情報とユーザデータとの取得状態に基づいて、前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれているか否かを判定するステップを包含してもよい。
【0059】
前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていないと判定した場合には、前記アクセス手段が、前記記録媒体に予め記録されている前記アクセス手段の制御のためのアクセス手段制御データに基づいて、前記少なくとも1つの領域のうちの少なくとも1つにデータを記録するように、前記アクセス手段を制御するステップと、前記アクセス手段が、前記アクセス手段制御データに基づいて前記データが記録された少なくとも1つの第3記録済領域にアクセスするように、前記アクセス手段を制御するステップと、前記少なくとも1つの第3記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、前記アクセス手段を制御するステップとを包含してもよい。
【0060】
前記アクセス手段は、前記アクセス手段の制御のためのアクセス手段制御データが記憶されている不揮発メモリにアクセス可能なように構成されており、前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていないと判定した場合には、前記制御装置は、前記アクセス手段が前記不揮発メモリにアクセスするように、前記アクセス手段を制御するステップと、前記アクセス手段制御データに基づいて、前記アクセス手段を制御するステップとを包含してもよい。
【0061】
前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていないと判定した場合には、前記アクセス手段が、前記アクセス手段の制御のためのアクセス手段制御データを変化させながら前記少なくとも1つの領域のうちの少なくとも1つにデータを記録するように、前記アクセス手段を制御するステップと、前記アクセス手段が、前記変化されたアクセス手段制御データのうちの所望のアクセス手段制御データに基づいて、前記データが記録された少なくとも1つの第3記録済領域にアクセスするように、前記アクセス手段を制御するステップと、前記少なくとも1つの第3記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、前記アクセス手段を制御するステップとを包含してもよい。
【0062】
前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていないと判定した場合には、前記アクセス手段が前記少なくとも1つの領域のうちの少なくとも1つの未記録領域にアクセスするように、前記アクセス手段を制御するステップと、前記少なくとも1つの未記録領域に対するアクセス結果に基づいて、前記アクセス手段を制御するステップとを包含してもよい。
【0063】
本発明のプログラムは、少なくとも1つの領域を含む記録媒体にアクセスするためのアクセス手段が前記少なくとも1つの領域にアクセスするように、前記アクセス手段を制御する制御処理を実行するプログラムであって、前記制御処理は、前記少なくとも1つの領域に、データが記録されている少なくとも1つの第1記録済領域が含まれているか否かを判定するステップと、前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていると判定した場合には、前記少なくとも1つの第1記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、前記アクセス手段を制御するステップとを包含し、これにより、上記目的が達成される。
【0064】
本発明のアクセス装置は、少なくとも1つの領域を含む記録媒体にアクセスするためのアクセス手段と、前記アクセス手段が前記少なくとも1つの領域にアクセスするように、前記アクセス手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記少なくとも1つの領域に、データが記録されている少なくとも1つの第1記録済領域が含まれているか否かを判定し、前記制御手段が前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていると判定した場合には、前記制御手段は、前記少なくとも1つの第1記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、前記アクセス手段を制御し、これにより、上記目的が達成される。
【0065】
本発明のアクセス方法は、少なくとも1つの領域を含む記録媒体にアクセスするためのアクセス手段によって、前記少なくとも1つの領域にアクセスするアクセス方法であって、前記少なくとも1つの領域に、データが記録されている少なくとも1つの第1記録済領域が含まれているか否かを判定するステップと、前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていると判定された場合には、前記少なくとも1つの第1記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、前記アクセス手段を制御するステップとを包含し、これにより、上記目的が達成される。
【0066】
本発明のプログラムは、少なくとも1つの領域を含む記録媒体にアクセスするためのアクセス手段に、前記少なくとも1つの領域にアクセスするアクセス処理を実行させるプログラムであって、前記アクセス処理は、前記少なくとも1つの領域に、データが記録されている少なくとも1つの第1記録済領域が含まれているか否かを判定するステップと、前記少なくとも1つの領域に前記少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていると判定された場合には、前記少なくとも1つの第1記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、前記アクセス手段を制御するステップとを包含し、これにより、上記目的が達成される。
【0067】
本発明の追記型記録媒体は、複数の領域を含む追記型記録媒体であって、前記複数の領域は、ユーザデータを記録するための少なくとも1つのユーザデータ領域と、制御情報を格納するための少なくとも1つの制御データ領域とを含み、前記少なくとも1つのユーザデータ領域のうちの少なくとも1つの領域が記録済領域である場合には、前記少なくとも1つの制御データ領域が少なくとも1つの記録済領域であり、これにより、上記目的が達成される。
【0068】
本発明の追記型記録媒体は、複数の領域を含む追記型記録媒体であって、前記複数の領域は、ユーザデータを記録するための少なくとも1つのユーザデータ領域と、制御情報を格納するための少なくとも1つの制御データ領域とを含み、物理フォーマットの要求に伴って、前記少なくとも1つの制御データ領域が少なくとも1つの記録済領域に変更するように構成されており、これにより、上記目的が達成される。
【発明の効果】
【0069】
本発明によれば、記録媒体に記録済領域が含まれているか否かを判定し、記録済領域が含まれていると判定された場合には、記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、アクセス手段を制御する。このように、本発明によれば、既に記録媒体に記録済領域が含まれている場合には、新たに記録媒体にデータを記録することなく、既に記録媒体に含まれている記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、アクセス手段を制御するため、記録媒体を高速に起動できる。
【0070】
本発明によれば、記録済領域である可能性の高い領域(欠陥管理領域、又は、制御データ領域)を探索することで効率的に記録済領域を探索できる。従って、光ディスク装着後の起動処理に要する時間を短縮できる。
【0071】
本発明によれば、光ディスクが記録済領域を有するか否かを判定するために、強力なエラー訂正符号が付与されているサブコード情報を利用するため、各種のアクセス制御パラメータが充分に調整されていない状態でも、光ディスクが記録済領域を有するか否かの判定の信頼性を向上できる。
【0072】
本発明によれば、正常にデータが読み出せるか否かによって記録済領域を有するか否かを判定しているため、装置にあらたな機能を組みこむことなく容易に実現できる。
【0073】
本発明によれば、光ビームを照射した際に反射する光量に基づいて記録済領域を有するか否かを判定しているため、記録済みか未記録かをより正確に検出できる。
【0074】
本発明によれば、記録済領域を既に有する光ディスクでは、未記録領域をアクセス調整用領域に変更しないため、有限なOPC領域の繰返し記録回数を削減できる。従って、アクセス調整用領域の劣化及び消耗を防止できる。その結果、光ディスクの信頼性と寿命を向上することが可能となる。
【0075】
本発明によれば、光ディスクが記録済領域を有しない場合には、アクセス制御パラメータに基づいて、未記録領域にデータを記録することによって未記録領域をアクセス調整用記録領域に変更するため、再生品質指標に基づく調整処理が可能となり、より高い再生品質を確保できる。
【0076】
本発明によれば、未記録領域をアクセス調整用記録領域に変更するためのアクセス制御パラメータとして、光ディスクに設定された値を使用するため、短時間で信頼性の高い再生調整が可能になる。
【0077】
本発明によれば、アクセス制御パラメータとして、以前に調整した調整結果を使用するため、短時間で信頼性の高い再生調整が可能になる。
【0078】
本発明によれば、アクセス制御パラメータを調整することによって、さらに信頼性の高いアクセス調整が可能になる。
【0079】
本発明によれば、複数の記録層を含む多層記録媒体のうち、特性の異なる複数の記録層に対して独立に記録済領域探索、および、アクセス調整処理を行うため、各記録層に対して適切にアクセス調整できる。
【0080】
本発明によれば、記録済領域であるか否か探索する領域を記録済領域にすることにより、その領域を次回の起動に利用することができる。
【0081】
本発明によれば、ディスクの記録順序が一部異なる書換型光ディスクおよび追記型光ディスクのそれぞれについて、各々の光ディスク種別の記録方法に応じて効率的に記録済領域の探索を行うことができる。
【0082】
本発明によれば、書換型光ディスクおよび追記型光ディスクの記録済領域の探索を同様にできる。
【0083】
本発明によれば、書換型光ディスクおよび追記型光ディスクにおいて、物理フォーマット処理時に記録する領域を次回の起動に利用することができる。
【0084】
本発明の追記型記録媒体によれば、データ領域に記録済の部分が少なくとも1つある場合には、制御データ領域が記録済となっているため、制御データ領域を次回の起動に利用できる。
【0085】
本発明の追記型記録媒体によれば、物理フォーマット処理を行うように指示を受けたときに制御データ領域が記録済領域となるため、利用可能な記録済領域を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】書換型光ディスク100の構造を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態1の記録再生装置500の構成を示す図である。
【図3】記録再生装置500が光ディスク501を起動する起動処理手順1を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1の記録済領域探索手順1を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1の記録済判定処理手順1を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態1の記録済判定処理手順2を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態1の記録済判定処理手順3を示すフローチャートである。
【図8】追記型光ディスク800のデータ構造を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2の記録済領域探索処理手順2を示すフローチャートである。
【図10】2層書換型光ディスク1000のデータ構造を示す図である。
【図11】記録再生装置500が2層書換型光ディスク1000を起動する起動処理手順2を示すフローチャートである。
【図12】2層追記型光ディスク1500のデータ構造を示す図である。
【図13】2層追記型光ディスク1500に含まれる複数のINFO領域のデータ構造を示す図である。
【図14】記録再生装置500が2層追記型光ディスク1500を起動する起動処理手順4を示すフローチャートである。
【図15】2層光ディスクの物理フォーマット処理手順を示すフローチャートである。
【図16】従来の装置の起動手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】フォーカス位置調整方法の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0087】
1.実施の形態1
1−1.書換型光ディスク
図1は、書換型光ディスク100の構造を説明するための図である。書換型光ディスク100は、例えば、BD−RE(Blu−ray Disc Rewritable Format)光ディスクである。
【0088】
図1(a)は、書換型光ディスク100のデータ構造を示す。
【0089】
書換型光ディスク100は、PIC(Permanent Information and Control data)領域101と、データゾーン107と、保護ゾーン102と、保護ゾーン109と、第1INFO領域106と、第2INFO領域103と、第3INFO領域108と、OPC(Optimum Power Calibration)領域104と、予備領域105とを含む。
【0090】
PIC領域101には、例えば、データゾーン107の最大アドレスおよび記録パルス制御パラメータが記録される。記録パルス制御パラメータは、例えば、光ディスク上にマークを形成/消去するためのレーザパワーに関する情報、および、正確なマークを記録するための記録パルス幅に関する情報である。PIC領域101には、トラックのうねり(ウォブル)によって情報が記録されており、通常のデータ記録方法(トラック上の記録膜にマークを形成する方法)とは異なるデータ記録方法によってデータが記録されている。したがって、PIC領域101でジッタ等の再生信号品質指標を測定できない。
【0091】
データゾーン107は、ユーザデータが記録される領域である。データゾーン107には、ドライブの試し記録情報および制御情報は記録されない。
【0092】
保護ゾーン102および保護ゾーン109は、ピックアップのオーバーラン防止のための領域である。保護ゾーン102および保護ゾーン109は、書換型光ディスク100の記録可能領域の両端に位置する。保護ゾーン102および保護ゾーン109は、データの記録およびデータの再生には使用されない。
【0093】
第1INFO領域106、第2INFO領域103および第3INFO領域108には、欠陥管理情報および制御情報が格納されている。
【0094】
OPC領域104は、書換型光ディスク100に記録を行う記録装置が記録レーザパワーやパルス幅等の調整の他、各種装置制御パラメータの調整を行う領域である。
【0095】
予備領域105は、将来の拡張のための予備領域である。予備領域105は、データの記録およびデータの再生には使用されない。
【0096】
図1(b)は、第2INFO領域103のデータ構造を示す。
【0097】
第2INFO領域103は、将来の拡張に備えて割当てられた予備領域121と、欠陥領域と欠陥領域の代替領域との位置情報を示すリストを格納する第2DMA(Defect Management Area)領域122と、制御情報を記録するための第2制御データ領域123と、隣接領域からの干渉を防止するための第3バッファ領域124とを含む。
【0098】
第2DMA領域122には、データゾーン107にアクセスするために上位制御手段によって指定される論理アドレスと、実際の物理位置を示す物理アドレスをマッピングするために必要な情報とが格納される。第2DMA領域122には、書換型光ディスク100の使用に先だって実行される物理フォーマット処理によって、情報が記録される。したがって、第2DMA領域122は、工場出荷時点では未記録である場合もあるが、ユーザーの使用が開始される最初に記録される領域である。
【0099】
第2制御データ領域123には、制御情報が格納されるか、または全て0のNULLデータが記録される。第2制御データ領域123には、書換型光ディスク100の使用に先だって実行される物理フォーマット処理によって、情報が記録される。
【0100】
予備領域121と、第3バッファ領域124とは、データの記録およびデータの再生には使用されない。従って、予備領域121と、第3バッファ領域124とは、未記録である。
【0101】
図1(c)は、第1INFO領域106のデータ構造を示す。
【0102】
第1INFO領域106は、隣接領域からの干渉を防止するための第2バッファ領域131および第1バッファ領域136と、ドライブ固有の制御情報(例えば、ドライブ固有の最適記録パワーやパルス幅などの調整情報)を格納するためのドライブ領域132と、将来の拡張に備えて割当てられた予備領域133と、欠陥領域と欠陥領域の代替領域との位置情報を示すリストを格納する第1DMA領域134と、制御情報を記録するための第1制御データ領域135とを含む。
【0103】
第2INFO領域103と同様に、第1DMA領域134と第1制御データ領域135とは、物理フォーマット時に記録される。第2バッファ領域131と、予備領域133と、第1バッファ領域136とは、データの記録およびデータの再生には使用されない。従って、これらの領域は、未記録である。ドライブ領域132を使用するか否かは装置の実装事項であり、ドライブ領域132を使用しない装置によって記録されているディスクの場合は、ドライブ領域132は、未記録である。
【0104】
図1(d)は第3INFO領域108のデータ構造を示す。
【0105】
第3INFO領域108は、隣接領域からの干渉を防止するための第4バッファ領域141、第5バッファ領域144および第6バッファ領域147と、欠陥領域と欠陥領域の代替領域の位置情報を示すリストを格納する第3DMA領域142および第4DMA領域145と、制御情報を記録するための第3制御データ領域143および第4制御データ領域146とを含む。
【0106】
第2INFO領域103と同様に、第3DMA領域142、第4DMA領域145、第3制御データ領域143および第4制御データ領域146は、物理フォーマット時に記録される。第4バッファ領域141、第5バッファ領域144、および第6バッファ領域147は、データの記録およびデータの再生には使用されない。従って、これらの領域は、未記録である。
【0107】
図1を参照して説明したように、工場出荷時には、書換型光ディスク100の全ての領域が未記録である可能性がある。しかし、第1DMA領域134、第2DMA領域122、第3DMA領域142、第4DMA領域145、第1制御データ領域135、第2制御データ領域123、第3制御データ領域143および第4制御データ領域146は、ユーザーが使用を開始する際にデータを記録する領域であり、データが記録されている可能性が高い領域である(図1の斜線部参照)。
【0108】
1−2.記録再生装置
図2は、本発明の実施の形態1の記録再生装置500の構成を示す。
【0109】
記録再生装置500は、光ディスクを挿入可能に構成されている。光ディスクは、たとえば、書換型光ディスク100である。
【0110】
記録再生装置500は、ディスクモータ502と、光ヘッド装置540と、プリアンプ508と、サーボ回路509と、二値化回路510と、変復調回路511と、ECC回路512と、バッファ513と、CPU514と、内部バス534とを含む。
【0111】
光ヘッド装置540は、レンズ503と、アクチュエータ504と、レーザ駆動回路505と、光検出器506と、移送台507とを含む。光ヘッド装置540は、光ディスクにアクセスするためのアクセス手段である。
【0112】
これらの構成要素は、回転検出信号520と、ディスクモーター駆動信号521と、レーザ発光許可信号522と、光検出信号523と、サーボ誤差信号524と、アクチュエータ駆動信号525と、移送台駆動信号526と、アナログデータ信号527と、二値化データ信号528と、復調データ信号529と、訂正データ信号530と、格納データ信号531と、符号化データ信号532と、変調データ信号533とを生成する。
【0113】
CPU514は、メモリをさらに含む。このメモリには、制御プログラムが格納されている。CPU514は、制御プログラムに従って、内部バス534を介して、情報記録再生装置500の全体動作を制御する。
【0114】
CPU514は、光ヘッド装置540が光ディスクにアクセスするように、光ヘッド装置540を制御する。例えば、CPU51は、レーザ発光許可信号522を出力し、レーザ駆動回路505がレーザ光を光ディスク501に照射するように、光ヘッド装置540を制御する。
【0115】
光検出器506は、光ディスク501で反射した光を検出し、光検出信号523を生成する。プリアンプ508は、光検出信号523に基づいて、サーボ誤差信号524とアナログデータ信号527とを生成する。
【0116】
二値化回路510は、アナログデータ信号527をA/D(アナログ/ディジタル)変換し、二値化データ信号528を生成する。変復調回路511は、二値化データ信号528を復調し、復調データ信号529を生成する。
【0117】
ECC回路512は、復調データ信号529に基づいて誤り訂正を行った訂正データ信号530を生成する。訂正データ信号530はバッファ513に格納される。
【0118】
サーボ回路509は、サーボ誤差信号524に基づいてアクチュエータ駆動信号525を生成する。アクチュエータ駆動信号525は、アクチュエータ504にフィードバックされて、レンズ503のフォーカシング制御やトラッキング制御に利用される。
【0119】
格納データ信号531は、バッファ513から出力される。ECC回路512は、格納データ信号531にエラー訂正符号を付加し、符号化データ信号532を生成する。
【0120】
変復調回路511は、符号化データ信号532を変調し、変調データ信号533を生成する。レーザ駆動回路505は、変調データ信号533を参照して、レーザ光をパワー変調する。
【0121】
記録再生装置500がコンピュータ周辺装置(例えば、CD−ROMドライブ)として使用される場合、例えば、記録再生装置500は、ホストインタフェース回路(図示せず)をさらに含む。記録再生装置500は、SCSI等のホストインタフェースバス(図示せず)を介して、ホストコンピュータ(図示せず)とバッファ513の間で、データをやりとりする。
【0122】
記録再生装置500が、コンシューマ機器(例えば、CDプレーヤ)として使用される場合、例えば、記録再生装置500は、圧縮された動画や音声を伸張又は圧縮するAVデコーダ・エンコーダ回路(図示せず)をさらに含む。記録再生装置500は、AVデコーダ・エンコーダ回路とバッファ513との間で、データをやりとりする。
【0123】
1−3.書換型光ディスクの起動処理手順1
図3は、記録再生装置500が光ディスク501を起動する起動処理手順1を示す。
【0124】
以下、図1〜図3を参照して、本発明の実施の形態1の起動処理手順1をステップごとに説明する。なお、光ディスク501は、例えば、書換型光ディスク100である。本発明の実施の形態1の起動処理手順1は、例えば、CPU514によって、実行される。
【0125】
ステップS301:CPU514は、光ディスク501が装着されたことを検出すると、CPU514は、レーザ発光許可信号522を出力し、レーザ駆動回路505にレーザ発光を許可する。レーザ駆動回路505は、所定の再生パワーでレーザを発光する。
【0126】
ステップS302:CPU514はサーボ回路509にディスクモータ502の駆動を指示する。サーボ回路509は、ディスクモーター駆動信号521を制御することによって、所定の速度でディスクモータ502を駆動する。
【0127】
ステップS303:CPU514は、サーボ回路509にフォーカス制御の開始を指示する。サーボ回路509は、アクチュエータ駆動信号525によってアクチュエータ504を制御し、レーザの焦点が光ディスク501上に結像するようにレンズ503を上下させる。この時、サーボ回路509は、サーボ誤差信号524からフォーカスの誤差であるフォーカス誤差情報を生成し、フォーカス誤差がなくなるようにフィードバック制御をかける。
【0128】
ステップS304:CPU514は、サーボ回路509にトラッキング制御の開始を指示する。サーボ回路509は、アクチュエータ駆動信号525を通じてアクチュエータ504を制御して、レーザの焦点が光ディスク501上のトラックを追従するようにレンズ503を移動させる。この時、サーボ回路509は、サーボ誤差信号524からトラッキングの誤差であるトラッキング誤差情報を生成し、トラッキング誤差がなくなるようにフィードバック制御をかける。
【0129】
ステップS305:記録済領域探索手順が実行される。例えば、CPU514は、サーボ回路509を制御して光ヘッド装置540を光ディスク501上の所定の位置に移動し、記録済領域の探索を実行する。
【0130】
記録済領域探索手順(ステップS305)の詳細は、後述される。
【0131】
ステップS306:CPU514は、光ディスク501に含まれる少なくとも1つの領域に、記録済領域が含まれているか否かを判定する。
【0132】
記録済領域が含まれていると判定された場合(Yes)には、処理はステップS307に進む。記録済領域が含まれていないと判定された場合(No)には、処理はステップS308に進む。
【0133】
ステップS307:CPU514は、光ディスク501上の再生位置をステップS306で探索した記録済領域にするために、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507、アクチュエータ504を駆動して、光ヘッド装置540のアクセス位置を変更する。
【0134】
ステップS308:CPU514は、光ディスク501上の再生位置をOPC領域104にするために、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507と、アクチュエータ504とを駆動して、光ヘッド装置540のアクセス位置を変更する。
【0135】
ステップS309:CPU514は、光ヘッド装置540が、光ディスク501の少なくとも1つの領域のうちの少なくとも1つにデータを記録するように、光ヘッド装置540を制御する。
【0136】
具体的には、CPU514は、PIC領域101に予め記録されている記録パルス制御パラメータ(光ヘッド装置540の制御のためのアクセス手段制御データ)を読み出し、レーザ駆動回路505に設定する。その後、CPU514は、バッファ513上にランダムデータを生成する。さらに、CPU514は、ECC回路512および変復調回路511を制御してバッファ513上のデータをレーザ駆動回路505に送出する。レーザ駆動回路505は、記録パルス制御パラメータにしたがって、レーザパワーや記録パルス幅を制御して、変調データ信号533を光パルスに変換する。この光パルスを光ディスク501上に照射することによって、データを光ディスク501に記録する。
【0137】
以上のように、再生調整のための記録済領域が、光ディスク501上のOPC領域104に生成される。
【0138】
ステップS310:CPU514は、光ヘッド装置540が記録済領域(探索された記録済領域、またはOPC領域104)にアクセスするように、光ヘッド装置540を制御する。さらに、CPU514は、記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、光ヘッド装置540を制御する。
【0139】
具体的には、CPU514は、サーボ回路509にフォーカス位置調整を実行するよう指示を送信する。サーボ回路509は、アクチュエータ504を制御してフォーカス位置を変更すると共にプリアンプ508から受領したサーボ誤差信号524から、ジッタ値を測定する。サーボ回路509は、この動作を繰返すことによって、ジッタ値が最小となるフォーカス位置を探索し、内部のフォーカスオフセットとして設定を行う。
【0140】
記録済領域が含まれていると判定された場合(ステップS306参照)、ジッタ測定を行う領域は、探索された記録済領域である。CPU514は、探索された記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、光ヘッド装置540を制御する。
【0141】
記録済領域が含まれていないと判定された場合(ステップS306参照)、ジッタ測定を行う領域は、OPC領域104(再生調整用記録済領域)である。
【0142】
ステップS311:CPU514は、サーボ回路509にチルト調整を実行するよう指示を送信する。サーボ回路509は、アクチュエータ504を制御してレンズ503を傾けることでチルト状態を変更すると共に、プリアンプ508から受領したサーボ誤差信号524から、ジッタ値を測定する。サーボ回路509は、この動作を繰返すことによって、ジッタ値が最小となるチルト設定を探索し、内部に設定を行う。
【0143】
以上のように、本発明の実施の形態1の起動処理手順1によれば、記録済領域が存在するか否かを判定する記録済領域探索ステップを設けることで、既に記録済領域が存在する場合には再生調整用記録済領域の作成に要する時間を削減できる。その結果、光ディスクを高速に起動することができる。
【0144】
また、記録済領域が存在しない光ディスクであっても、再生調整用領域記録ステップを用いることにより、従来通りのジッタ値等の再生品質指標を用いた再生調整を実行することが可能となる。
【0145】
図3を参照して説明した例では、ステップS305およびステップS306が「少なくとも1つの領域に、データが記録されている少なくとも1つの第1記録済領域が含まれているか否かを判定するステップ」(光ディスク501上に記録済領域が存在するか否かを探索する記録済領域探索ステップ)に対応し、ステップS308およびステップS309が「少なくとも1つの領域に少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていないと判定した場合には、アクセス手段が少なくとも1つの領域のうちの少なくとも1つにデータを記録するように、アクセス手段を制御するステップ」(光ディスク501上に記録済領域が存在しない場合に、再生調整用の記録済領域を作成する再生調整用領域作成ステップ)に対応し、ステップS310およびステップS311が「少なくとも1つの領域に少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていると判定した場合には、少なくとも1つの第1記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、アクセス手段を制御するステップ」または「少なくとも1つの領域に少なくとも1つの第1記録済領域が含まれていないと判定した場合には、アクセス手段がアクセス手段によってデータが記録された少なくとも1つの第2記録済領域にアクセスするように、アクセス手段を制御し、少なくとも1つの第2記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、アクセス手段を制御するステップ」(再生に必要な制御パラメータの調整を行う再生調整ステップ)に対応する。
【0146】
しかし、本発明の実施の形態1の起動処理手順1が、図3に示されるものに限定されるわけではない。上述した各ステップの機能が達成される限りは、任意の手順を有する起動処理手順が本発明の範囲内に含まれ得る。
【0147】
例えば、図3を参照して説明した例では、PIC領域101に格納された記録パルス制御パラメータを用いて記録済領域を作成する(ステップS309)が、適切な記録パルス制御パラメータが使用されればよい。使用する記録パルス制御パラメータはこれに限らない。
【0148】
例えば、記録再生装置500は不揮発メモリを含む。不揮発メモリには、光ヘッド装置540の制御のためのアクセス手段制御データが記憶されている。CPU514は、不揮発メモリに記憶されているアクセス手段制御データに基づいて、光ヘッド装置540を制御する。
【0149】
例えば、OPC領域104に実際に記録を行いながら最適な記録パルス制御パラメータとなるように調整を行い、その調整結果を使用しても良い。
【0150】
例えば、図3を参照して説明した例では、記録済領域が存在しない場合、再生調整用領域を作成するとした(ステップS308、ステップS309)。しかし、再生のみ行う再生専用装置においては、再生調整用領域を作成することができない。再生専用装置に含まれたCPU514は、光ヘッド装置540が未記録領域を再生するように、光ヘッド装置540を制御し、CPU514は、未記録領域に対する再生結果に基づいて、光ヘッド装置540を制御する。例えば、未記録領域を再生して得られるサーボ誤差信号524から光ビームスポットのトラックからのずれ量であるトラッキング誤差信号を生成し、トラッキング誤差信号の振幅が最大になるように再生制御パラメータを調整する。
【0151】
例えば、再生専用装置が不揮発メモリを備える場合には、不揮発メモリに格納された再生制御パラメータを用いて、光ヘッド装置540を調整してもよい。例えば、ホストコンピュータなどの上位装置に対し、再生できないことを通知してもよい。
【0152】
なお、記録済領域が存在しない場合の処理は、これに限るものではない。
【0153】
例えば、図3を参照して説明した例では、フォーカス位置調整やチルト調整といったサーボ制御パラメータについて述べた。しかしながら、再生パラメータの調整はこれに限るものではない。例えば、球面収差を補正するためのビームエキスパンダーの調整、サーボ回路のオフセット調整、迷光のオフセット調整や、サーボ信号のゲイン調整といった、他のサーボ制御パラメータであってもよい。例えば、アナログ信号を2値化してディジタル信号に変換する際のスライスレベルの調整や、再生信号の増幅率を最適にするためのアッテネータ値の調整といった信号処理系調整を行っても良い。例えば、レーザ回路のオフセット調整や、レーザ系制御ループのゲイン調整といったレーザ系調整を行ってもよい。また、調整する再生パラメータの個数は2つに限らず、1つ以上であればいくつであってもよい。
【0154】
また、例えば、図3を参照して説明した例では、ジッタ値が最小となるフォーカス位置、及びチルト設定を探索している(ステップS310、ステップS311)が、適切なフォーカス位置、及びチルト設定に調整できる調整方法であれば、どのような方法でもよい。例えば、MLSE(Maximum Likelihood Sequence Error)が最小となるように調整してもよい。
【0155】
1−4.記録済領域探索処理手順1
図4は、本発明の実施の形態1の記録済領域探索手順1を示す。
【0156】
以下、図1、図2および図4を参照して、本発明の実施の形態1の記録済領域探索手順1をステップごとに説明する。本発明の実施の形態1の記録済領域探索手順1は、CPU514によって実行される。
【0157】
ステップS401:CPU514は、光ディスク501上の再生位置が第2制御データ領域123となるように、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507、アクチュエータ504を駆動して、光スポットの再生位置を変更する。
【0158】
ステップS402:記録済判定手順が実行される。例えば、CPU514は、第2制御データ領域123から再生される信号を元に、第2制御データ領域123が記録済であるか否かを判定する。
【0159】
記録済判定手順(ステップS402)の詳細は、後述される。
【0160】
ステップS403:第2制御データ領域123が記録済であると判定された場合(Yes)は、処理は、ステップS404に進む。第2制御データ領域123が記録済でないと判定された場合(No)は、処理は、ステップS406に進む。
【0161】
ステップS404:CPU514は、記録済であると判定した領域の位置情報であるアドレスを内部メモリに格納する。本アドレスを格納するのは、後の再生調整を実行する領域として使用するためである。
【0162】
ステップS405:CPU514は、記録済領域を検出したため、光ディスク501を記録済領域有りディスクと判定して記録済領域探索処理を終了する。
【0163】
ステップS406:CPU514は、光ディスク501上の再生位置が第2DMA領域122となるように、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507、アクチュエータ504を駆動して、光スポットの再生位置を変更する。
【0164】
ステップS407:記録済判定手順が実行される。例えば、CPU514は、第2DMA領域122から再生される信号を元に、第2DMA領域122が記録済であるか否かを判定する。
【0165】
ステップS408:第2DMA領域122が記録済であると判定された場合(Yes)は、処理は、ステップS404に進む。第2DMA領域122が記録済でないと判定された場合(No)は、処理は、ステップS409に進む。
【0166】
ステップS409:CPU514は、光ディスク501上の再生位置が第1制御データ領域135となるように、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507、アクチュエータ504を駆動して、光スポットの再生位置を変更する。
【0167】
ステップS410:記録済判定手順が実行される。例えば、CPU514は、第1制御データ領域135から再生される信号を元に、第1制御データ領域135が記録済であるか否かを判定する。
【0168】
ステップS411:第1制御データ領域135が記録済であると判定された場合(Yes)は、処理は、ステップS404に進む。第1制御データ領域135が記録済でないと判定された場合(No)は、処理は、ステップS412に進む。
【0169】
ステップS412:CPU514は、光ディスク501上の再生位置が第1DMA領域134となるように、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507、アクチュエータ504を駆動して、光スポットの再生位置を変更する。
【0170】
ステップS413:記録済判定手順が実行される。例えば、CPU514は、第1DMA領域134から再生される信号を元に、第1DMA領域134が記録済であるか否かを判定する。
【0171】
ステップS414:第1DMA領域134が記録済であると判定された場合(Yes)は、処理は、ステップS404に進む。第1DMA領域134が記録済でないと判定された場合(No)は、処理は、ステップS415に進む。
【0172】
ステップS415:CPU514は、光ディスク501を記録済領域無しのディスクであると判定して、記録済領域探索処理を終了する。これは、記録済領域である可能性の高い領域(光ディスク上の欠陥領域を管理するための欠陥管理情報が記録された少なくとも1つの欠陥管理領域(DMA領域)および制御情報が格納された少なくとも1つの制御データ領域)のうち、内周領域に存在する領域全てを探索したにも関らず記録済領域が検出できなかったためである。
【0173】
以上のように、本発明の実施の形態1の記録済領域探索手順1によれば、記録済である可能性が高い領域のみに絞って記録済探索を実行するため、効率的に記録済ディスクであるか否かの判定が可能となる。
【0174】
更に、本発明の実施の形態1の記録済領域探索手順1によれば、第2制御データ領域123、第2DMA領域122、第1制御データ領域135および第1DMA領域134の順に記録済検査を実行するため、いずれかの領域が局所的な欠陥(例えば、媒体のキズ等)によって未記録となっている場合でも、記録済領域を探索することが可能となる。
【0175】
尚、本発明の実施の形態1の記録済領域探索手順1では、探索時間を軽減するために内周部のみの探索に留めたが、外周部に位置する領域(第3DMA領域142、第3制御データ領域143、第4DMA領域145、第4制御データ領域146)の探索を行っても良い。また、探索時間を削減するために、いずれかの領域の探索処理を省略し得る。
【0176】
尚、本発明の実施の形態1の記録済領域探索手順1では、内周部に位置する第2INFO領域103から順に探索処理を行ったが、その時点の光ヘッド装置540に最も近い領域から探索するのが効率的である。したがって、各領域の探索順序は、図4のフローチャート通りである必要はない。ここで、ステップS402、ステップS407、ステップS410およびステップS413は、記録済検査を行う領域が異なるだけで、全く同じ判定処理を実行する。
【0177】
以下、探索対象の領域が記録済領域か否かを判定する記録済判定処理手順(ステップS402、ステップS407、ステップS410およびステップS413)の詳細を説明する。
【0178】
1−5.記録済判定処理手順1
図5は、本発明の実施の形態1の記録済判定処理手順1を示す。
【0179】
以下、図2および図5を参照して、本発明の実施の形態1の記録済判定処理手順1をステップごとに説明する。記録済判定処理手順1では、CPU514が光ディスクからデータを再生するように、光ヘッド装置540を制御し、データが正常に再生されたか否かを判定し、正常に再生されたか否かの判定結果に基づいて、光ディスクに記録済領域が含まれているか否かを判定する。
【0180】
ステップS550:CPU514は、サーボ回路509を制御して、記録済判定を行う領域へ光ヘッド装置540を移動する。さらにCPU514は、二値化回路510、変復調回路511、ECC回路512を制御して、記録済判定を行う領域のデータをバッファ513に格納する。ここで、二値化回路510によって二値化されたディジタルデータが、変復調回路511によって復調され、ECC回路512は変復調回路511から送出される変調済みデータをそのままバッファ513に格納する。
【0181】
ステップS551:ECC回路511は、バッファ513に格納された変調済みデータに対して、エラー訂正処理を実行する。記録済検査対象の領域が記録済みであれば、若干のデータ誤りは発生するものの、通常はエラー訂正範囲内の誤りを含むデータがバッファ513に格納され、データ誤りは修正される。一方、検査対象の領域が未記録であったり、著しく記録品質が悪い場合には、大量のデータ誤りが発生することによって、エラー訂正符号の訂正限界を超える。
【0182】
ステップS552:バッファリングデータのエラー訂正処理ステップ(ステップS551の結果、データ誤りがエラー訂正範囲内であって、誤り訂正が実行できた場合はステップS553に進む。一方、データ誤り量がエラー訂正限界を超えてしまったために訂正不能となった場合には、ステップS554に進む。
【0183】
ステップS553:CPU514は、記録済検査対象となった領域が記録済領域であると判定して処理を終了する。
【0184】
ステップS554:CPU514は、記録済検査対象となった領域が未記録領域であると判定して処理を終了する。
【0185】
以上のように、本発明の実施の形態1の記録済判定処理手順1によれば、データの再生を行うことで判定を行うため、情報再生装置が通常備えている再生機能以外に新たな機能が不要となり、容易に実装することが可能となる。
【0186】
尚、本発明の実施の形態1の記録済判定処理手順1では、データ誤りがエラー訂正範囲内か否かで判定を行ったが、エラー訂正符号を元に記録データが存在するか否かを判定できれば良いのであって、物理的なエラー訂正単位であるLDC(Long Distance Code)コードワードに着目し、訂正不能なLDCコードワードの数に閾値を設ける等の方法を用いても良い。
【0187】
1−6.記録済判定処理手順2
図6は、本発明の実施の形態1の記録済判定処理手順2を示す。
【0188】
以下、図2および図6を参照して、本発明の実施の形態1の記録済判定処理手順2をステップごとに説明する。記録済判定処理手順2では、CPU514が、アドレス情報を含むサブコード情報とユーザデータとの取得状態に基づいて、記録済判定を行う。特に、BDにおいてはBIS(Burst Indicating Subcode)と呼ばれる強力なエラー訂正能力を備えた情報がサブコード情報として記録されている。
【0189】
ステップS601:CPU514は、内部のRAM領域にアドレス検出カウンタを確保し、その値を0に初期化する。ここで、アドレス検出カウンタは、アドレスが正常に再生できたか否かに関らず、物理セクタ(1アドレス)分のディスク上の領域を通過するごとにインクリメントされるカウンタである。
【0190】
ステップS602:CPU514は、内部のRAM領域に正常アドレス取得カウンタを確保し、その値を0に初期化する。ここで、正常アドレス取得カウンタは、1物理セクタ(1アドレス)通過する時に、取得したアドレス情報が正常であった場合にのみインクリメントされるカウンタである。
【0191】
ステップS603:CPU514は、二値化回路510、変復調回路511、ECC回路512を制御して、記録済検査対象領域のサブコード情報に格納されたアドレス情報の取得を指示する。ECC回路512は、変復調回路511から取得した復調済データの中からアドレス情報を抽出する。サブコード情報の中には、強力なエラー訂正/検出信号があり、ECC回路512はアドレスを取得するたびにCPU514に通知すると共に、取得したアドレス情報のエラー訂正結果を送信する。このとき、エラー訂正結果がエラーとなった場合は、アドレスエラーとしてCPU514に通知する。
【0192】
ステップS604:CPU514は、ECC回路512から受領したアドレスエラー検出結果に基いて、正常にアドレスが読み出せた(成功)と判断すればステップS605に進む。一方、取得したアドレスにエラーが検出された(失敗)と判断すればステップS606に進む。
【0193】
ステップS605:アドレスエラーを検出することなく正常なアドレスを取得できた場合、CPU514は正常アドレス取得カウンタを1だけ加算する。
【0194】
ステップS606:アドレス読取りが成功したか失敗したかに関らず、CPU514は、測定したアドレス数を示すアドレス検出カウンタを1だけ加算する。
【0195】
ステップS607:測定したアドレス総数が、所定数に達したか否かを判定する。例えば、BDの場合は、AUN(Address Unit Number)と呼ばれるアドレス情報がデータにインターリーブして記録されている。このAUNは、媒体への記録・再生の単位であるクラスタ内に16個含まれている。したがって、BDにおいて1クラスタ分の領域の検査を行うためには、アドレス16個分が所定数と考えられる。アドレス検出カウンタが16よりも小さい場合、まだ1クラスタ分の領域の検査が終了していないため、再び処理ステップ(ステップS603)に戻る。一方、アドレス検出カウンタが16以上の場合、既に1クラスタ分の領域の検査が完了しているため、ステップS608へと進む。
【0196】
ステップS608:1クラスタ分の領域の検査を完了した時点での正常アドレス取得カウンタ値をCPU514は判定する。正常アドレス取得カウンタ値が所定数(ここでは12個)よりも小さい場合、ステップS610に進む。一方、所定数以上の場合、ステップS609に進む。
【0197】
ステップS609:所定数以上のアドレスが正常に取得できたことから、CP
U514は、検査領域は記録済領域であると判定して処理を終了する。
【0198】
ステップS610:正常に取得できたアドレスが所定数に満たなかったことから、CPU514は、検査領域は未記録領域であると判定して処理を終了する。
【0199】
以上のように、強力なエラー訂正能力を備えたサブコード情報を記録済判定処理に使用することにより、装置調整途中で再生調整が実行されていない状態であっても、信頼性の高い記録済判定処理を実現することができる。
【0200】
尚、図6を参照して説明した例では、アドレス検出カウンタ値をBDにおける1クラスタに相当する16個としたが、再生調整に必要な記録済領域のサイズに応じて、検査するアドレス数が変更されても良いことは言うまでもない。また、アドレス16個分に対して、記録済領域と判定するクライテリアを12個としたが、アドレス再生品質に応じて変更されても良いことは言うまでもない。
【0201】
尚、記録済判定処理手順2では、設定されたアドレス数を検査するまで終了しないこととしたが、アドレス再生状態に応じて記録済か否かが判定されれば、これに限らない。例えば、所定個数の正常アドレスが確認できた時点で処理を終了しても良いし、予め設定されたアドレスよりも大きなアドレスが取得できた時点で処理を終了しても良い。
【0202】
尚、記録済判定処理手順2では、BDのサブコード情報に格納されるAUNの場合についてのみ説明したが、データと共に記録されるアドレス情報であればこれに限らない。例えば、DVD媒体の場合には、各セクタ先頭に記録されるデータIDを使用しても良いし、CD媒体の場合にはデータ共にサブチャネルに記録されるアドレス(一般に、Sub−Qアドレスと呼ばれる)であっても良い。
【0203】
1−7.記録済判定処理手順3
図7は、本発明の実施の形態1の記録済判定処理手順3を示す。
【0204】
以下、図2および図7を参照して、本発明の実施の形態1の記録済判定処理手順3をステップごとに説明する。記録済判定処理手順3では、CPU514が光ヘッド装置540が光ディスクに光を照射し、かつ光ディスクで反射した光を光ヘッド装置540が検出するように、光ヘッド装置540を制御し、検出された光の量に基づいて、光ディスクに記録済領域が含まれているか否かを判定する。
【0205】
ステップS701:CPU514は、サーボ回路509に再生信号振幅の測定と測定時間を指示する。測定時間は、ここでは、BDの記録・再生単位である1クラスタに相当する15msとする。指示を受領したサーボ回路509は、内部のRAM領域に振幅サンプルカウンタ(CTR1)を確保し、その値を0に初期化する。ここで、振幅サンプルカウンタは、再生信号振幅(例えば、光検出器506が受光した全光量の加算であるAS(All Sum)信号を低域通過フィルタで処理したエンベロープ信号)をサンプリングする度に1ずつ加算されるカウンタである。
【0206】
ステップS702:サーボ回路509は、内部のRAM領域に振幅検出カウンタ(CTR2)を確保し、その値を0に初期化する。ここで、振幅検出カウンタは、再生信号振幅をサンプルした場合に、振幅値が所定値以上であった場合にのみ、1加算されるカウンタである。
【0207】
ステップS703:サーボ回路509は、内部に保有するタイマー資源を制御して、サンプリング時間の計測を行う。これは、再生信号振幅のサンプリング周期を計測するためと、CPU514から指示された時間(ここでは、15msとしている)でサンプリング処理を終了するための両方に使用される。
【0208】
ステップS704:サーボ回路509は、内部のタイマーによりサンプリング周期になるまでウェイト処理を行い、サンプリングタイミングになれば再生信号振幅の取得を実行する。
【0209】
ステップS705:サーボ回路509は、ステップS704のサンプリングによって取得した再生信号振幅が所定の振幅レベルより大きいか否かを判定する。所定レベル以上の場合にはステップS706に進み、所定レベル未満の場合にはステップS707に進む。
【0210】
ステップS706:サーボ回路509は、振幅検出カウンタ(CTR2)を1だけ加算する。
【0211】
ステップS707:サーボ回路509は、振幅サンプルカウンタ(CTR1)を1だけ加算する。
【0212】
ステップS708:サーボ回路509は、内部で計測中のタイマー値を参照し、タイマー起動後の経過時間が所定時間以上であるか否かを判定する。ここでは、CPU514から15msと指定されているため、15ms以上経過していた場合はステップS709に進む。一方、経過時間が15ms未満であった場合は、ステップS704に戻って、サンプリング処理を継続する。
【0213】
ステップS709:サーボ回路509は、振幅検出カウンタ(CTR2)と振
幅サンプルカウンタ(CTR1)の値をCPU514に報告する。報告を受けたCPU514は、(CTR2/CTR1)の値が所定以上か否かを判定する。所定値以上であればステップS710に進み、所定値未満であればステップS711に進む。ここでは、一例として、クライテリアを0.8としている。
【0214】
ステップS710:CPU514は、検査対象の領域が記録済領域であると判定する。
【0215】
ステップS711:CPU514は、検査対象の領域が未記録領域であると判定する。
【0216】
以上のように、本発明の実施の形態1の記録済判定処理手順3では、CPU514が光ヘッド装置540が光ディスクに光を照射し、かつ光ディスクで反射した光を光ヘッド装置540が検出するように、光ヘッド装置540を制御し、検出された光の量に基づいて、光ディスクに記録済領域が含まれているか否かを判定する。例えば、再生信号の振幅を参照して判定を行う。従って、真に未記録であるか、記録済であるかの情報を確認することができる。
【0217】
尚、記録済判定処理手順3では、例として、サンプリング時間をBDの1クラスタに相当する15msとしたが、再生調整に必要な記録済領域のサイズに応じて、測定する時間が変更されても良いことは言うまでもない。また、(CTR2/CTR1)の値の判定クライテリアを0.8としたが、装置毎に再生信号の品質も異なることから、本値は変更されても良いことは言うまでもない。また、(CTR2/CTR1)の値を判定条件としたが、これに限らない。例えばCTR2のみの値でもよい。
【0218】
以上、図5〜図7を参照して、記録済判定処理手順1〜記録済判定処理手順3を説明した。これらは互いに排他的に用いるのではなく、組合せて使用してもよい。例えば、再生信号振幅のサンプリング結果が所定以上の領域であって、且つ、再生可能な領域のみを記録済領域と判定する、といった方法を行っても良い。
【0219】
また、記録済判定処理手順は、記録済であるか否かを判定できればよいのであって、記録済判定処理手順は記録済判定処理手順1〜記録済判定処理手順3に限らない。例えば、判定領域の信号指標であるジッタ値やMLSE値を測定し、これらを指標として判定してもよい。
【0220】
なお、書換型光ディスクであるBD−RE光ディスクを例として用いたが、後述するように追記型光ディスクであるBD−R光ディスクもOPC領域をはじめほぼ同様な領域配置である。例えば、BD−Rなどの追記型光ディスクにおいて、第1DMA領域〜第4DMA領域(領域134、領域122、領域142、領域145)に相当する領域を除いて、第1制御データ領域〜第4制御データ領域(領域135、領域123、領域143、領域146)に相当する領域を物理フォーマット時に記録する領域とし、起動時に探索する領域とすれば、追記型光ディスクにも適用できることは明白である。
【0221】
2.実施の形態2
2−1.追記型光ディスク
図8は、追記型光ディスク800のデータ構造を示す。
【0222】
追記型光ディスク800は、PIC(Permanent Information and Control data)領域801と、保護ゾーン802と、保護ゾーン809と、OPC(Optimum Power Calibration)領域804と、第1INFO領域806と、第2INFO領域803と、第3INFO領域808と、管理情報一時蓄積領域805と、データゾーン807とを含む。
【0223】
PIC領域801は、データゾーン807の最大アドレスや、データを記録するためのパワーや記録パルス幅に関する情報を格納する。PIC領域801は、トラックのうねり(ウォブル)によって情報が記録されており、トラック上の記録膜にマークを形成する通常のデータ記録とは異なる記録方法で記録されている。したがって、PIC領域801でジッタ等の再生信号品質指標を測定できない。
【0224】
保護ゾーン802および保護ゾーン809は、記録可能領域の両端にピックアップのオーバーラン防止のために設けられている領域であって、データの記録や再生には使用しない。
【0225】
第1INFO領域806、第2INFO領域803および第3INFO領域808は、欠陥管理情報や制御情報を格納するための領域である。これらの領域のデータ構造は、すでに説明した書換型光ディスク100の第1INFO領域106、第2INFO領域103および第3INFO領域108と一部を除いて同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0226】
以下、書換型光ディスク100と追記型光ディスク800との相違点を説明する。
【0227】
既に図1の説明で述べたように、書換型光ディスク100の第nDMA領域、および第n制御データ領域(n=1、2、3、4)には、ユーザーの使用に先立って実施される物理フォーマット処理時にデータが記録される。書換型光ディスク100はデータの書換えが可能であるため、例えば、新たな欠陥領域が検出された場合に第nDMA領域のデータを書換えることで最新の情報に更新することができるからである。
【0228】
一方、追記型光ディスク800の場合、一度記録してしまうと書換えができない。前述したように、追記型光ディスク800であっても、第n制御データ領域は初期化時に記録済領域とすれば、実施の形態1を適用すればよい。一方、本実施の形態においては、第nDMA領域、第n制御データ領域を記録するのは、ファイナライズ処理と呼ばれる再生専用ディスクとする処理の中で行われると限定し、追記型光ディスク800を追記可能状態で使用している間は、第1INFO領域806、第2INFO領域803、第3INFO領域808はいずれも未記録状態とする。
【0229】
OPC領域804は、追記型光ディスク800に記録を行う記録装置が記録レーザパワーやパルス幅等の調整を行うために試し記録を行う領域である。
【0230】
管理情報一時蓄積領域805は、第1INFO領域806、第2INFO領域803および第3INFO領域808がファイナライズ処理でしか使用できないために、欠陥管理情報や記録管理情報等を一時的に蓄積する領域であり、一種の欠陥管理領域である。管理情報一時蓄積領域805は、内周側から順に使用し、外周に向かって時間的に後で記録された管理情報が記録されている。すなわち、管理情報一時蓄積領域805の記録領域終端部分に最新の管理情報が記録されている。管理情報一時蓄積領域805の更新処理は、新たな欠陥領域が検出された場合等に行われる。
【0231】
データゾーン807は、ユーザデータが記録される領域である。
【0232】
以上のように、追記型光ディスク800では、工場出荷時では全ての領域が未記録である可能性がある。しかし、管理情報一時蓄積領域805は、内周側から順に記録済領域となる領域であり、記録済領域を検出できる可能性が高い領域である(図8の斜線部参照)。
【0233】
追記型光ディスク800にデータを記録・再生する装置の構成は、記録再生装置500(図2参照)と同様であるため、その説明を省略する。
【0234】
記録再生装置500が追記型光ディスク800を起動する起動処理手順2は、起動処理手順1(図3参照)と同様であるため、その説明を省略する。なお、起動処理手順1と起動処理手順2とにおいて、記録済領域探索手順(ステップS305)の詳細が異なる。
【0235】
2−2.記録済領域探索処理手順2
図9は、本発明の実施の形態2の記録済領域探索処理手順2を示す。
【0236】
以下、図2、図8および図9を参照して、本発明の実施の形態2の記録済領域探索手順2をステップごとに説明する。本発明の実施の形態2の記録済領域探索手順2は、CPU514によって実行される。
【0237】
ステップS901:CPU514は、追記型光ディスク800上の再生位置が管理情報一時蓄積領域805の先頭となるように、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507、アクチュエータ504を駆動して、光スポットの再生位置を変更する。
【0238】
ステップS902:記録済判定手順が実行される。例えば、CPU514は、管理情報一時蓄積領域805から再生される信号を元に、管理情報一時蓄積領域805が記録済であるか否かを判定する。なお、記録済判定手順(ステップS902)の詳細は、図5〜図7を参照して説明した記録済判定手順の何れかと同様であるため、その説明を省略する。
【0239】
ステップS903:記録済判定ステップ(ステップS902)において記録済と判定された場合は、ステップS904に進む。未記録と判定された場合は、ステップS906に進む。
【0240】
ステップS904:CPU514は、記録済であると判定した管理情報一時蓄積領域805の位置情報であるアドレスを内部メモリに格納する。本アドレスを格納するのは、後の再生調整を実行する領域として使用するためである。
【0241】
ステップS905:CPU514は、記録済領域を検出したため、追記型光ディスク800を記録済領域有りディスクと判定して記録済領域探索処理を終了する。
【0242】
ステップS906:CPU514は、追記型光ディスク800を記録済領域無しのディスクであると判定する。
【0243】
記録済領域探索手順2によれば、追記型光ディスク800で最も記録済領域が存在する確率の高い管理情報一時蓄積領域805が記録済であるか否かを探索するため、短時間で記録済領域を探索することが可能となる。
【0244】
尚、記録済領域探索手順2に加えて、追記型光ディスク800の特徴から、データゾーン807も内周部から順に記録される場合が多い。したがって、例えば、データゾーン807の先頭領域に対して記録済領域の探索処理を行っても良い。
【0245】
3.実施の形態3
3−1.2層書換型光ディスク
図10は、2層書換型光ディスク1000のデータ構造を示す。
【0246】
2層書換型光ディスク1000は、第1記録層1010と、第2記録層1020とを含む。第1記録層1010と第2記録層1020とは同一方向からアクセス可能となるように貼り合わされている。
【0247】
第1記録層1010は、第1層PIC領域1011と、第1層第2INFO領域1012と、第1層OPC領域1013と、第1層第1INFO領域1014と、第1層データゾーン1015と、第1層第3INFO領域1016とを含む。第1記録層1010は、書換型光ディスク100(図1参照)と同様のデータ構成であり、対応関係が明らかなため、説明を省略する。
【0248】
第2記録層1020は、第2層PIC領域1021と、第2層第2INFO領域1022と、第2層OPC領域1023と、第2層第1INFO領域1024と、第2層データゾーン1025と、第2層第3INFO領域1026とを含む。第2記録層1020は、書換型光ディスク100(図1参照)と同様のデータ構成であり、対応関係が明らかなため、説明を省略する。
【0249】
3−2.2層書換型光ディスクの起動処理手順3
図11は、記録再生装置500が2層書換型光ディスク1000を起動する起動処理手順2を示す。
【0250】
以下、図2、図10および図11を参照して、本発明の実施の形態3の起動処理手順3をステップごとに説明する。本発明の実施の形態3の起動処理手順3は、例えば、CPU514によって、実行される。
【0251】
光ヘッド装置540から第1記録層1010までの距離と光ヘッド装置540から第2記録層1020までの距離、または光ヘッド装置540から第1記録層1010までの媒体と光ヘッド装置540から第2記録層1020までの媒体とは異なる。例えば、光ヘッド装置から遠い側に位置する記録層は、手前の記録層を透過してアクセスする必要がある。従って、サーボ特性が異なる。その結果、第1記録層と第2記録層とを別々に再生調整する必要がある。
【0252】
ステップS1101:CPU514は、2層書換型光ディスク1000が装着されたことを検出すると、レーザ発光許可信号522を通じてレーザ駆動回路505に許可信号を送出する。レーザ駆動回路505は、所定の再生パワーでレーザを発光させる。
【0253】
ステップS1102:CPU514はサーボ回路509にディスクモーター502の駆動を指示する。サーボ回路509は、ディスクモーター駆動信号521を制御することによって、所定の速度でディスクモーター502を駆動する。
【0254】
ステップS1103:CPU514は、サーボ回路509にフォーカス制御の開始を指示する。サーボ回路509は、アクチュエータ駆動信号525を通じてアクチュエータ504を制御して、レーザの焦点が第1記録層1010上に結像するようにレンズ503を上下させる。この時、サーボ回路509は、サーボ誤差信号524からフォーカスの誤差であるフォーカス誤差情報を生成し、フォーカス誤差がなくなるようにフィードバック制御をかける。
【0255】
ステップS1104:CPU514は、サーボ回路509にトラッキング制御の開始を指示する。サーボ回路509は、アクチュエータ駆動信号525を通じてアクチュエータ504を制御して、レーザの焦点が第1記録層1010上のトラックを追従するようにレンズ503を移動させる。この時、サーボ回路509は、サーボ誤差信号524からトラッキングの誤差であるトラッキング誤差情報を生成し、トラッキング誤差がなくなるようにフィードバック制御をかける。
【0256】
ステップS1105:CPU514は、サーボ回路509を制御して光ヘッド装置を、第1記録層1010上の所定の位置に移動して、記録済領域の探索を実行する。本ステップの詳細な動作については、既に図4を用いて説明した制御内容と全く同様であるため、説明は省略する。
【0257】
ステップS1106:第1層記録済領域探索ステップ(ステップS1105)において、記録済領域が存在すると判定された場合はステップS1107へ進む。一方、記録済領域が存在しないと判定された場合は、ステップS1108に進む。
【0258】
ステップS1107:CPU514は、第1記録層1010上の再生位置がステップS1106で探索した記録済領域となるように、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507、アクチュエータ504を駆動して、光スポットの再生位置を変更する。
【0259】
ステップS1108:CPU514は、第1記録層1010上の再生位置が第1層OPC領域1013となるように、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507、アクチュエータ504を駆動して、光スポットの再生位置を変更する。
【0260】
ステップS1109:CPU514は、第1層PIC領域1011から予め読み出した第1記録層用の記録パルス制御パラメータをレーザ駆動回路505に設定する。CPU514は、バッファ513上にランダムデータを生成する。その後に、ECC回路512、変復調回路511を制御してバッファ513上のデータをレーザ駆動回路505に送出する。レーザ駆動回路505は、受領した変調データ信号533を元に、CPU514から設定された記録パルス制御パラメータにしたがって、レーザパワーや記録パルス幅を制御して光パルスに変換し、光ディスク1000上に照射することでデータを記録する。以上のようにして、再生調整を行うための記録済領域が、第1記録層1010内の第1層OPC領域1013に作成される。
【0261】
ステップS1110:CPU514は、サーボ回路509にフォーカス位置調整を実行するよう指示を送信する。サーボ回路509は、アクチュエータ504を制御してフォーカス位置を変更すると共にプリアンプ508から受領したサーボ誤差信号524から、ジッタ値を測定する。サーボ回路509は、この動作を繰返すことによって、ジッタ値が最小となるフォーカス位置を探索し、第1記録層1010用のフォーカスオフセットとして設定を行う。この時、ジッタ測定を行う領域は、ステップS1106において、記録済領域が存在すると判定された場合には探索された第1記録層1010内の記録済領域を使用する。一方、ステップS1106で記録済領域が存在しないと判定された場合には、ステップS1109で第1層OPC領域1013に作成した再生調整用記録済領域を使用する。
【0262】
ステップS1111:CPU514は、サーボ回路509にチルト調整を実行するよう指示を送信する。サーボ回路509は、アクチュエータ504を制御してレンズ503を傾けることでチルト状態を変更すると共に、プリアンプ508から受領したサーボ誤差信号524から、ジッタ値を測定する。サーボ回路509は、この動作を繰返すことによって、ジッタ値が最小となるチルト設定を探索し、第1記録層1010用として設定を行う。
【0263】
ステップS1112:CPU514はサーボ回路509に、フォーカス位置を第1記録層1010から第2記録層1020へと移動するように指示する。サーボ回路509は、アクチュエータ駆動信号525を通じてアクチュエータ504を制御して、レーザの焦点が第2記録層1020上に結像するようにレンズ503を上下させる。
【0264】
ステップS1113:CPU514は、サーボ回路509にトラッキング制御の開始を指示する。サーボ回路509は、アクチュエータ駆動信号525を通じてアクチュエータ504を制御して、レーザの焦点が第2記録層1020上のトラックを追従するようにレンズ503を移動させる。この時、サーボ回路509は、サーボ誤差信号524からトラッキングの誤差であるトラッキング誤差情報を生成し、トラッキング誤差がなくなるようにフィードバック制御をかける。
【0265】
ステップS1114:CPU514は、サーボ回路509を制御して光ヘッド装置を、第2記録層1020上の所定の位置に移動して、記録済領域の探索を実行する。本ステップの詳細な動作については、既に図4を用いて説明した制御内容と全く同様であるため、説明は省略する。
【0266】
ステップS1115:第2層記録済領域探索ステップ(ステップS1114)において、記録済領域が存在すると判定された場合はステップS1116へ進む。一方、記録済領域が存在しないと判定された場合は、ステップS1117に進む。
【0267】
ステップS1116:CPU514は、第2記録層1020上の再生位置がステップS1114で探索した記録済領域となるように、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507、アクチュエータ504を駆動して、光スポットの再生位置を変更する。
【0268】
ステップS1117:CPU514は、第2記録層1020上の再生位置が第2層OPC領域1023となるように、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507、アクチュエータ504を駆動して、光スポットの再生位置を変更する。
【0269】
ステップS1118:CPU514は、予め第2層PIC領域1021から読み出した第2記録層用の記録パルス制御パラメータをレーザ駆動回路505に設定する。その後にCPU514は、バッファ513上にランダムデータを生成する。そして、ECC回路512、変復調回路511を制御してバッファ513上のデータをレーザ駆動回路505に送出する。レーザ駆動回路505は、受領した変調データ信号533を元に、CPU514から設定された記録パルス制御パラメータにしたがって、レーザパワーや記録パルス幅を制御して光パルスに変換し、光ディスク1000上に照射することでデータを記録する。以上のようにして、再生調整を行うための記録済領域が、第2記録層1020内の第2層OPC領域1023に作成される。
【0270】
ステップS1119:CPU514は、サーボ回路509にフォーカス位置調整を実行するよう指示を送信する。サーボ回路509は、アクチュエータ504を制御してフォーカス位置を変更すると共にプリアンプ508から受領したサーボ誤差信号524から、ジッタ値を測定する。サーボ回路509は、この動作を繰返すことによって、ジッタ値が最小となるフォーカス位置を探索し、第2記録層1020用フォーカスオフセットとして設定を行う。この時、ジッタ測定を行う領域は、ステップS1115において、記録済領域が存在すると判定された場合には探索された第2記録層1020内の記録済領域を使用する。一方、ステップS1115で記録済領域が存在しないと判定された場合には、ステップS1118で第2層OPC領域1023に作成した再生調整用記録済領域を使用する。
【0271】
ステップS1120:CPU514は、サーボ回路509にチルト調整を実行するよう指示を送信する。サーボ回路509は、アクチュエータ504を制御してレンズ503を傾けることでチルト状態を変更すると共に、プリアンプ508から受領したサーボ誤差信号524から、ジッタ値を測定する。サーボ回路509は、この動作を繰返すことによって、ジッタ値が最小となるチルト設定を探索し、第2記録層1020用として設定を行い、起動処理を終了する。
【0272】
ステップS1105およびステップS1106は、第1記録層1010上に記録済領域が存在するか否かを探索する第1層記録済領域探索ステップである。ステップS1114およびステップS1115は、第2記録層1020上に記録済領域が存在するか否かを探索する第2層記録済領域探索ステップである。
【0273】
さらに、ステップS1109は、第1記録層1010上に記録済領域が存在しない場合に、第1記録層の再生制御パラメータを調整するための記録済領域を作成する第1層再生調整用領域作成ステップである。ステップS1118は、第2記録層1020上に記録済領域が存在しない場合に、第2記録層の再生制御パラメータを調整するための記録済領域を作成する第2層再生調整用領域作成ステップである。
【0274】
なお、ステップS1109では、第1層PIC領域1011に格納された記録パルス制御パラメータを用いて記録済領域を作成することとした。ステップS1118では、第2層PIC領域1021に格納された記録パルス制御パラメータを用いて記録済領域を作成することとした。しかし、各記録層に適切な記録パルス制御パラメータが使用されればよいのであって、使用する記録パルス制御パラメータはこれに限らない。例えば、以前に行った記録パルス制御パラメータの調整結果を不揮発メモリに格納している情報記録再生装置であれば、不揮発メモリに格納された調整結果を使用しても良い。また、第1層OPC領域1013、又は、第2層OPC領域1023に実際に記録を行いながら最適な記録パルス制御パラメータとなるように調整を行い、その調整結果を使用しても良い。
【0275】
尚、ステップS1110およびステップS1111は、第1記録層の再生に必要な制御パラメータの調整を行う第1層再生調整ステップである。ステップS1119およびステップS1120は、第2記録層の再生に必要な制御パラメータの調整を行う第2層再生調整ステップである。ここでは、フォーカス位置調整やチルト調整といったサーボ制御パラメータについて述べた。しかしながら、再生パラメータの調整はこれに限るものではない。例えば、球面収差を補正するためのビームエキスパンダーの調整や、サーボ回路のオフセット調整や、迷光のオフセット調整や、サーボ信号のゲイン調整といった、他のサーボ制御パラメータであってもよい。例えば、アナログ信号を2値化してディジタル信号に変換する際のスライスレベルの調整や、再生信号の増幅率を最適にするためのアッテネータ値の調整といった信号処理系調整を行っても良い。例えば、レーザ回路のオフセット調整や、レーザ系制御ループのゲイン調整といったレーザ系調整を行ってもよい。また、調整する再生パラメータの個数は2つに限らず、1つ以上であればいくつであってもよい。
【0276】
また、ステップS1110、ステップS1111、ステップS1119およびステップS1120でジッタ値が最小となるフォーカス位置、及びチルト設定を探索しているが、適切なフォーカス位置、及びチルト設定に調整できる調整方法であれば、どのような方法でもよい。例えば、MLSE(Maximum Likelihood Sequence Error)が最小となるように調整してもよい。
【0277】
以上のように、本発明の実施の形態3の起動処理手順3によれば、複数の記録層のそれぞれに対して記録済領域の探索処理を行う。従って、複数の記録層のそれぞれの特性が異なる場合でも、適切に再生調整処理できる。
【0278】
また、複数の記録層のそれぞれに、記録済領域が存在しない場合に、複数の記録層のそれぞれのOPC領域(第1層OPC領域1013、第2層OPC領域1023)を用いて再生調整用領域を作成する。従って、複数の記録層のそれぞれに対して、最適に再生調整できる。
【0279】
本発明の実施の形態3では、2層書換型光ディスク1000を例に説明したが、制御データ領域を前もって記録済領域にする2層追記型光ディスクの場合は、DMA領域を利用しない以外は、本発明の実施の形態3の起動処理手順3を適用できることは明白である。
【0280】
4.実施の形態4
4−1.2層追記型光ディスク
図12は、2層追記型光ディスク1500のデータ構造を示す。
【0281】
2層追記型光ディスク1500は、第1記録層1510と第2記録層1520とを含む。第1記録層1510は、追記型光ディスク800(図8参照)と同様のデータ構成であり、対応関係が明らかなため、説明を省略する。第2記録層1520は、追記型光ディスク800と同様のデータ構成であり、対応関係が明らかなため、説明を省略する。
【0282】
図13は、2層追記型光ディスク1500に含まれる複数のINFO領域のデータ構造を示す。
【0283】
第1記録層1510は、第1層第2INFO領域1512と、第1層第1INFO領域1514と、第1層第3INFO領域1516とを含む。第1記録層1510は、2層書換型光ディスク1000(図10参照)と同様のデータ構成であり、対応関係が明らかなため、説明を省略する。
【0284】
第2記録層1520は、第2層第2INFO領域1522と、第2層第1INFO領域1524と、第2層第3INFO領域1526とを含む。第2記録層1520は、2層書換型光ディスク1000(図10参照)と同様のデータ構成であり、対応関係が明らかなため、説明を省略する。
【0285】
4−2.2層追記型光ディスクの起動処理手順4
図14は、記録再生装置500が2層追記型光ディスク1500を起動する起動処理手順4を示す。
【0286】
以下、図2および図12〜図14を参照して、本発明の実施の形態4の起動処理手順4をステップごとに説明する。本発明の実施の形態4の起動処理手順4は、例えば、CPU514によって、実行される。
【0287】
光ヘッド装置540から第1記録層1510までの距離と光ヘッド装置540から第2記録層1520までの距離、または光ヘッド装置540から第1記録層1510までの媒体と光ヘッド装置540から第2記録層1520までの媒体とは異なる。例えば、光ヘッド装置から遠い側に位置する記録層は、手前の記録層を透過してアクセスする必要がある。従って、サーボ特性が異なる。その結果、第1記録層と第2記録層とを別々に再生調整する必要がある。
【0288】
ステップS1701:CPU514は、2層追記型光ディスク1500が装着されたことを検出すると、レーザ発行許可信号522を通じてレーザ駆動回路505に許可信号を送出する。レーザ駆動回路505は、所定の再生パワーでレーザを発光させる。
【0289】
ステップS1702:CPU514は、サーボ回路509にディスクモーター502の駆動を指示する。サーボ回路509は、ディスクモーター駆動信号521を制御することによって、所定の速度でディスクモーター502を駆動する。
【0290】
ステップS1703:CPU514は、サーボ回路509にフォーカス制御の開始を指示する。サーボ回路509は、アクチュエータ駆動信号525を通してアクチュエータ504を制御して、レーザの焦点が第1記録層1510上に結像するようにレンズ503を上下させる。この時、サーボ回路509は、サーボ誤差信号524からフォーカスの誤差であるフォーカス誤差情報を生成し、フォーカス誤差がなくなるようにフィードバック制御をかける。
【0291】
ステップS1704:CPU514は、サーボ回路509にトラッキング制御の開始を指示する。サーボ回路509は、アクチュエータ駆動信号525を通してアクチュエータ504を制御して、レーザの焦点が第1記録層1510上のトラックを追従するようにレンズ503を移動させる。この時、サーボ回路509は、サーボ誤差信号524からトラッキングの誤差であるトラッキング誤差情報を生成し、トラッキング誤差がなくなるようにフィードバック制御をかける。
【0292】
ステップS1705:CPU514は、サーボ回路509を制御して光ヘッド装置を、第1記録層1510上の所定の位置に移動して、記録済領域の探索を実行する。本ステップの詳細な動作については、既に図12を用いて説明した制御内容と全く同様であるため、説明は省略する。
【0293】
ステップS1706:第1記録済領域探索ステップ(ステップS1705)において、記録済領域が存在すると判定された場合はステップS1707へ進む。一方、記録済領域が存在しないと判定された場合は、ステップS1708に進む。
【0294】
ステップS1707:CPU514は、第1記録層1510上の再生位置がステップS1706で探索した記録済領域となるように、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507、アクチュエータ504を駆動して、光スポットの再生位置を変更する。
【0295】
ステップS1708:CPU514は、第1記録層1510上の再生位置が第1層OPC領域1513となるように、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507、アクチュエータ504を駆動して、光スポットの再生位置を変更する。
【0296】
ステップS1709:CPU514は、予め第1層PIC領域1511から読み出した第1記録層用の記録パルス制御パラメータをレーザ駆動回路505に設定する。CPU514は、バッファ513上にランダムデータを生成する。その後に、ECC回路512、変復調回路511を制御してバッファ513上のデータをレーザ駆動回路505に送出する。レーザ駆動回路505は、受領した変調データ信号533を元に、CPU514から設定された記録パルス制御パラメータにしたがって、レーザパワーや記録パルス幅を制御して光パルスに変換し、光ディスク1500上に照射することでデータを記録する。以上のようにして、再生調整を行うための記録済領域が、第1記録層1510内の第1層OPC領域1513に作成される。
【0297】
ステップS1710:CPU514は、サーボ回路509にフォーカス位置調整を実行するよう指示を送信する。サーボ回路509は、アクチュエータ504を制御してフォーカス位置を変更すると共にプリアンプ508から受領したサーボ誤差信号524から、ジッタ値を測定する。サーボ回路509は、この動作を繰り返すことによって、ジッタ値が最小となるフォーカス位置を探索し、第1記録層1510用のフォーカスオフセットとして設定を行う。この時、ジッタ測定を行う領域は、ステップS1706において、記録済領域が存在すると判定された場合には、探索された第1記録層1510内の記録済領域を使用する。一方、ステップS1706で記録済領域が存在しないと判定された場合には、ステップS1709で第1層OPC領域1513に作成した再生調整用記録済領域を使用する。
【0298】
ステップS1711:CPU514は、サーボ回路509にチルト調整を実行するよう指示を送信する。サーボ回路509は、アクチュエータ504を制御してレンズ503を傾けることでチルト状態を変更すると共に、プリアンプ508から受領したサーボ誤差信号524から、ジッタ値を測定する。サーボ回路509は、この動作を繰り返すことによって、ジッタ値が最小となるチルト設定を探索し、第1記録層1510用として設定を行う。
【0299】
ステップS1712:ステップS1706を用いて、第1層第2制御データ領域1603が記録済領域であるか否か探索する。記録済領域と判定された場合、ステップS1715へ進む。一方、未記録と判定された場合は、ステップS1713に進む。
【0300】
ステップS1713:CPU514は、第1記録層1510上の再生位置が第1層第2制御データ領域1603となるように、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507、アクチュエータ504を駆動して、光スポットの再生位置を変更する。
【0301】
ステップS1714:ステップS1708、ステップS1709を用いて、第1層制御データ領域に制御情報、又は全て0のNULLデータを記録する。これにより、次回起動する時には、第1層第2制御データ領域1603が記録済領域となる。
【0302】
ステップS1715:CPU514はサーボ回路509に、フォーカス位置を第1記録層1510から第2記録層1520へと移動するように指示する。サーボ回路509は、アクチュエータ駆動信号525を通じてアクチュエータ504を制御して、レーザの焦点が第2記録層1520上に結像するようにレンズ503を上下させる。
【0303】
ステップS1716:CPU514は、サーボ回路509にトラッキング制御の開始を指示する。サーボ回路509は、アクチュエータ駆動信号525を通してアクチュエータ504を制御して、レーザの焦点が第2記録層1520上のトラックを追従するようにレンズ503を移動させる。この時、サーボ回路509は、サーボ誤差信号524からトラッキングの誤差であるトラッキング誤差情報を生成し、トラッキング誤差がなくなるようにフィードバック制御をかける。
【0304】
ステップS1717:CPU514は、サーボ回路509を制御して光ヘッド装置を第2記録層1520上の所定の位置に移動して、記録済領域の探索を実行する。本ステップの詳細な動作については、既に図12を用いて説明した制御内容と全く同様であるため、説明は省略する。
【0305】
ステップS1718:第2記録済領域探索ステップ(ステップS1717)において、記録済領域が存在すると判定された場合はステップS1719へ進む。一方、記録済領域が存在しないと判定された場合は、ステップS1720に進む。
【0306】
ステップS1719:CPU514は、第2記録層1520上の再生位置がステップS1717で探索した記録済領域となるように、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507、アクチュエータ504を駆動して、光スポットの再生位置を変更する。
【0307】
ステップS1720:CPU514は、第2記録層1520上の再生位置が第2層OPC領域1523となるように、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507、アクチュエータ504を駆動して、光スポットの再生位置を変更する。
【0308】
ステップS1721:CPU514は、予め第2層PIC領域1521から読み出した第2記録層用の記録パルス制御パラメータをレーザ駆動回路505に設定する。CPU514は、バッファ513上にランダムデータを生成する。その後に、ECC回路512、変復調回路511を制御してバッファ513上のデータをレーザ駆動回路505に送出する。レーザ駆動回路505は、受領した変調データ信号533を元に、CPU514から設定された記録パルス制御パラメータにしたがって、レーザパワーや記録パルス幅を制御して光パルスに変換し、光ディスク1500上に照射することでデータを記録する。以上のようにして、再生調整を行うための記録済領域が、第2記録層1520内の第2層OPC領域1523に作成される。
【0309】
ステップS1722:CPU514は、サーボ回路509にフォーカス位置調整を実行するよう指示を送信する。サーボ回路509は、アクチュエータ504を制御してフォーカス位置を変更すると共にプリアンプ508から受領したサーボ誤差信号524から、ジッタ値を測定する。サーボ回路509は、この動作を繰り返すことによって、ジッタ値が最小となるフォーカス位置を探索し、第2記録層1520用のフォーカスオフセットとして設定を行う。この時、ジッタ測定を行う領域は、ステップS1718において、記録済領域が存在すると判定された場合には、探索された第2記録層1520内の記録済領域を使用する。一方、ステップS1718で記録済領域が存在しないと判定された場合には、ステップS1721で第2層OPC領域1523に作成した再生調整用記録済領域を使用する。
【0310】
ステップS1723:CPU514は、サーボ回路509にチルト調整を実行するよう指示を送信する。サーボ回路509は、アクチュエータ504を制御してレンズ503を傾けることでチルト状態を変更すると共に、プリアンプ508から受領したサーボ誤差信号524から、ジッタ値を測定する。サーボ回路509は、この動作を繰り返すことによって、ジッタ値が最小となるチルト設定を探索し、第2記録層1520用として設定を行う。
【0311】
ステップS1724:ステップS1717、ステップS1718を用いて、第2層第2制御データ領域1633が記録済領域であるか否か探索する。記録済領域と判定された場合、起動処理を終了する。一方、未記録と判定された場合は、ステップS1725に進む。
【0312】
ステップS1725:CPU514は、第2記録層1520上の再生位置が第2層第2制御データ領域1623となるように、サーボ回路509を制御する。サーボ回路509は、必要に応じて移送台507、アクチュエータ504を駆動して、光スポットの再生位置を変更する。
【0313】
ステップS1726:ステップS1721を用いて、第2層制御データ領域1633に制御情報、又は全て0のNULLデータを記録する。これにより、次回起動する時には、第2層第2制御データ領域1633が記録済領域となる。第2層第2制御データ領域1633への記録が終了後、起動処理を終了する。
【0314】
以上、図14を参照して説明したように、ステップS1712からステップS1714またはステップS1724からステップS1726を実行することによって、起動処理を行った場合には、少なくとも1つの制御データ領域(第1層第2制御データ領域1603または第2層第2制御データ領域1633)が少なくとも1つの記録済領域となる。したがって、ユーザデータ領域が全て未記録である光ディスクが装着された場合には、起動処理を行った後、ユーザデータ領域の少なくとも1つの領域が記録済領域となる。すなわち
、ユーザデータ領域のうち少なくとも1つの領域が記録済領域である場合には、少なくとも1つの制御データ領域が少なくとも1つの記録済領域となる。
【0315】
尚、ステップS1710およびステップS1711は、第1記録層の再生に必要な制御パラメータの調整を行う第1層再生調整ステップである。ステップS1722およびステップS1723は、第2記録層の再生に必要な制御パラメータの調整を行う第2層再生調整ステップである。ここでは、フォーカス位置調整やチルト調整といったサーボ制御パラメータについて述べた。しかしながら、再生パラメータの調整はこれに限るものではない。例えば、球面収差を補正するためのビームエキスパンダーの調整や、サーボ回路のオフセット調整や、迷光のオフセット調整や、サーボ信号のゲイン調整といった、他のサーボ制御パラメータであってもよい。例えば、アナログ信号を2値化してディジタル信号に変換する際のスライスレベルの調整や、再生信号の増幅率を最適にするためのアッテネータ値の調整といった信号処理系調整を行っても良い。例えば、レーザ回路のオフセット調整や、レーザ系制御ループのゲイン調整といったレーザ系調整を行ってもよい。また、調整する再生パラメータの個数は2つに限らず、1つ以上であればいくつであってもよい。
【0316】
ステップS1714およびステップS1726では、第1層第2制御データ領域1603と第2層第2制御データ領域1633とを記録済領域とするとしたが、記録済領域にする領域は所定の場所であればどこの領域であってもよい。例えば、バッファ領域や、DMA領域や、データ領域であってもよい。また、領域の数も1つに限らず、全ての制御データ領域や、全ての制御データ領域とバッファ領域であってもよい。また、領域全てを記録済にするのではなく、領域の一部を記録済にしてもよい。
【0317】
また、ステップS1705およびステップS1706は、第1記録層1510上に記録済領域が存在するか否かを探索する第1層記録済領域探索ステップである。ステップS1717およびステップS1718は、第2記録層1520上に記録済領域が存在するか否かを探索する第2層記録済領域探索ステップである。
【0318】
ステップS1712およびステップS1724では、第1層記録済領域探索ステップと第2層記録済領域探索ステップとを用いて、第1層第2制御データ領域1603と第2層第2制御データ領域1633とが記録済領域であるか否か探索するとしたが、第1層記録済領域探索ステップと第2記録済領域探索ステップとで第1層第2制御データ領域1603と第2層第2制御データ領域1633との探索を行い、その結果を用いて判定してもよい。
【0319】
また、ステップS1709は、第1記録層1510上に記録済領域が存在しない場合に、第1記録層の再生制御パラメータを調整するための記録済領域を作成する第1層再生調整領域作成ステップである。ステップS1721は、第2記録層1520上に記録済領域が存在しない場合に、第2記録層の再生制御パラメータを調整するための記録済領域を作成する第2層再生調整領域作成ステップである。
【0320】
ステップS1709では、第1層PIC領域1511に格納された記録パルス制御パラメータを用いて記録済領域を作成することとした。ステップS1721では、第2層PIC領域1521に格納された記録パルス制御パラメータを用いて記録済領域を作成することとした。これらは、各記録層に適切な記録パルス制御パラメータが使用されればよいのであって、使用する記録パルス制御パラメータはこれに限らない。例えば、以前に行った記録パルス制御パラメータの調整結果を不揮発メモリに格納している情報記録再生装置であれば、不揮発メモリに格納された調整結果を使用してもよい。例えば、各記録層に対応するOPC領域に実際に記録を行いながら最適になるように調整された記録パルス制御パラメータを用いて記録済領域を作成してもよい。
【0321】
ステップS1714ではステップS1709を用いてデータを記録し、ステップS1726では、ステップS1721を用いてデータを記録するとしたが、使用する記録パルス制御パラメータは、全て同じ方法で得られた記録パルス制御パラメータであってもよい。例えば、ステップS1709およびステップS1721ではPIC領域から得られた記録パルス制御パラメータを用い、ステップS1714およびステップS1726では、各記録層に対応するOPC領域に実際に記録を行いながら最適になるように調整された記録パルス制御パラメータを用いるなど、組み合わせて使用してもよい。
【0322】
また、ステップS1710、ステップS1711、ステップS1722およびステップS1723でジッタ値が最小となるフォーカス位置、及びチルト設定を探索しているが、適切なフォーカス位置、及びチルト設定に調整できる調整方法であれば、どのような方法でもよい。例えば、MLSE(Maximum Likelihood Sequence Error)が最小となるように調整してもよい。
【0323】
また、本発明の実施の形態4では、再生制御パラメータ調整後に次回の起動時に記録済となる領域を作成するとしたが、最適な記録パルス制御パラメータで記録されれば、未記録であることが判定された後であればよい。例えば、OPC領域作成後に作成してもよい。例えば、OPC領域作成前に作成してもよい。例えば、2層ともの再生制御パラメータの調整が終了してから、各層に作成してもよい。例えば、所定時間、記録や再生処理が行われていないアイドル状態のときに作成してもよい。例えば、ディスクがイジェクトされる前に作成されてもよい。例えば、起動停止の指示を受けたときに作成してもよい。
【0324】
また、本発明の実施の形態4では、再生制御パラメータは、OPC領域もしくは探索された記録済領域で行うとしたが、次回の起動時に記録済となる領域を作成した後、作成した領域で行ってもよい。
【0325】
以上のように、本発明の実施の形態4の起動処理手順4によれば、複数の記録層のそれぞれに対して記録済領域の探索処理を行う。従って、複数の記録層のそれぞれの特性が異なる場合でも、適切に再生調整処理できる。
【0326】
また、複数の記録層のそれぞれに、記録済領域が存在しない場合に、複数の記録層のそれぞれのOPC領域(第1層OPC領域1013、第2層OPC領域1023)を用いて再生調整用領域を作成する。従って、複数の記録層のそれぞれに対して、最適に再生調整できる。
【0327】
以上のように、本発明の実施の形態4の起動処理手順4によれば、各記録層に記録済領域が存在しない場合、第2制御データ領域を記録済領域にすることにより、次回の起動に利用可能な記録済領域を作成できる。従って、新たに再生調整用領域作成処理を行わずに再生調整処理でき、その結果、高速な再生調整処理が可能となる。また、追記型光ディスクのような書換ができないディスクでは、新たに再生調整用領域作成処理を行わないことにより、有限なOPC領域を有効に用いることが可能となる。
【0328】
本発明の実施の形態4では、2層追記型光ディスク1500を例に説明したが、OPC領域と制御データ領域とを含む2層書換型光ディスクにも適用できることは明白である。従って、書換型光ディスクと追記型光ディスクとの両方に対して、記録済探索ステップを共通に利用できるために、装置への実装が容易となる。
【0329】
尚、DMA領域や、制御データ領域、OPC領域、管理情報一時蓄積領域、バッファ領域、予備領域、保護ゾーン、PIC領域は、所定のフォーマットで配置されればよく、図1、図8、図10、図12および図13のデータフォーマットに限るものではない。そのような変更態様は、本発明の精神ならびに適用範囲から逸脱するものではなく、同業者にとって自明な変更態様は、本発明の請求の範囲に含まれる。また、バッファ領域、予備領域、保護ゾーンはなくても本発明の精神ならびに適用範囲から逸脱するものではないことは明らかである。
【0330】
5.実施の形態5
図15は、2層光ディスクの物理フォーマット処理手順を示す。
【0331】
以下、図11および図15を参照して、2層光ディスクの物理フォーマット処理手順をステップごとに説明する。物理フォーマット処理手順は、CPU514によって実行される。
【0332】
ステップS1401:ユーザから物理フォーマットが要求されると、第1層フォーマット対象領域に記録を実行する。その際、第1層フォーマット対象領域が記録済領域であるか否かを第1層記録済領域探索ステップ(ステップS1105、ステップS1106)を用いて探索し、第1層再生調整用記録済領域作成ステップ(ステップS1109)を用いて、記録を実行する。
【0333】
ステップS1402:第1層フォーマット対象領域への記録が終了すると、第2層フォーマット対象領域に記録を実行する。ステップS1401と同様に、記録済領域探索には、第2層記録済領域探索ステップ(ステップS1114、ステップS1115)を用い、記録の実行は、第2層再生調整用記録済領域作成ステップ(ステップS1118)を用いる。
【0334】
2層光ディスクが2層書換型光ディスク1000である場合、フォーマット対象領域には、第1層第1INFO領域〜第1層第3INFO領域(領域1014、領域1012、領域1016)に含まれる第1DMA領域〜第4DMA領域と第1制御データ領域〜第4制御データ領域とのうちの少なくとも1つ、および第2層第1INFO領域〜第2層第3INFO領域(領域1024、領域1022、領域1026)に含まれる第1DMA領域〜第4DMA領域と第1制御データ領域〜第4制御データ領域とのうちの少なくとも1つが含まれていればよい(図10参照)。
【0335】
2層光ディスクが2層追記型光ディスク1500である場合、フォーマット対象領域には、第1層管理情報一時蓄積領域1517と第1層第1INFO領域〜第1層第3INFO領域(領域1514、領域1512、領域1516)に含まれる第1制御データ領域〜第4制御データ領域とのうちの少なくとも1つ、および第2層管理情報一時蓄積領域1527と第2層第1INFO領域〜第2層第3INFO領域(領域1524、領域1522、領域1526)に含まれる第1制御データ領域〜第4制御データ領域とのうちの少なくとも1つが含まれていればよい(図13参照)。
【0336】
なお、記録する領域は、領域全部ではなく一部であってもよい。
【0337】
なお、本発明の実施の形態5では、2層光ディスクについて説明したが、単層書換型光ディスク100、および単層追記型光ディスク800に対しても、本発明の実施の形態5を適用できるのは明白である。
【0338】
なお、本発明の実施の形態5では、第1層フォーマット対象領域の記録が終了したら、第2層フォーマット領域を記録するとしたが、記録する順序はこれに限らない。例えば、記録層の内周側にある第1INFO領域と第2INFO領域とにあるDMA領域または制御データ領域を第1層、第2層の順で記録し、記録層の外周側にある第3INFO領域にあるDMA領域または制御データ領域を第2層、第1層の順で記録してもよい。
【0339】
以上のように、本発明の実施の形態5の物理フォーマット処理手順では、書換型光ディスクと追記型光ディスクとにおいて、次回の起動に利用可能な記録済領域を作成することができる。
【0340】
以上、図1〜図15を参照して、本発明の実施の形態1〜5を説明した。
【0341】
本発明の実施の形態1〜5で説明した各手段および各処理手順は、ハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアによって実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとによって実現されてもよい。
【0342】
例えば、本発明の記録再生装置500には、記録再生装置500の機能を実行させるための処理プログラムが格納されていてもよい。処理プログラムは、起動処理手順1〜起動処理手順4、記録済領域探索処理手順1、記録済領域探索処理手順2、記録済判定処理手順1〜記録済判定処理手順3および物理フォーマット処理手順を実行する。
【0343】
処理プログラムは、コンピュータの出荷時に、記録再生装置500に含まれる格納手段に予め格納されていてもよい。あるいは、コンピュータの出荷後に、処理プログラムを格納手段に格納するようにしてもよい。例えば、ユーザがインターネット上の特定のウェブサイトから処理プログラムを有料または無料でダウンロードし、そのダウンロードされたプログラムをコンピュータにインストールするようにしてもよい。処理プログラムがフレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されている場合には、入力装置(例えば、ディスクドライブ装置)を用いて処理プログラムをコンピュータにインストールするようにしてもよい。インストールされたアクセス処理は、格納手段に格納される。
【0344】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0345】
本発明は、少なくとも1つの領域を含む記録媒体にアクセスするためのアクセス手段が少なくとも1つの領域にアクセスするように、アクセス手段を制御する制御装置、制御方法、少なくとも1つの領域を含む記録媒体にアクセスするためのアクセス手段と、アクセス手段が少なくとも1つの領域にアクセスするように、アクセス手段を制御する制御手段とを備えたアクセス装置、アクセス方法、プログラムおよび複数の領域を含む追記型記録媒体において利用可能である。
【0346】
本発明によれば、記録媒体に記録済領域が含まれているか否かを判定し、記録済領域が含まれていると判定された場合には、記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、アクセス手段を制御する。このように、本発明によれば、既に記録媒体に記録済領域が含まれている場合には、新たに記録媒体にデータを記録することなく、既に記録媒体に含まれている記録済領域に対するアクセス結果に基づいて、アクセス手段を制御するため、記録媒体を高速に起動できる。
【符号の説明】
【0347】
100 書換型光ディスク
500 記録再生装置
502 ディスクモータ
503 レンズ
504 アクチュエータ
505 レーザ駆動回路
506 光検出器
507 移送台
508 プリアンプ
509 サーボ回路
510 二値化回路
511 変復調回路
512 ECC回路
513 バッファ
514 CPU
534 内部バスとを含む。
540 光ヘッド装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録層を有する追記型情報記録媒体に記録する記録装置であって、
前記記録装置は、レーザを前記追記型情報記録媒体の一方の表面から前記追記型情報記録媒体に照射する光ヘッド装置を備え、
前記追記型情報記録媒体は、前記複数の記録層のそれぞれに、
ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、
制御パラメータの調整を行なうための調整用領域と、
記録レーザパワーの調整を行なうためのOPC領域と、
を含み、
前記調整用領域と前記OPC領域とは、前記複数の記録層のそれぞれにおいて、異なる位置にあり、
前記複数の記録層のうちの前記光ヘッド装置に最も近い記録層は、前記レーザを透過し、
かつ、
前記光ヘッド装置に最も近い記録層から前記一方の表面までの距離と、前記光ヘッド装置に最も近い記録層以外の記録層から前記一方の表面までの距離とは、異なる距離であり、
前記追記型情報記録媒体の使用に先立って、前記複数の記録層のそれぞれにおいて、前記調整用領域内の全領域を記録する
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置で記録した追記型情報記録媒体であって、
前記調整用領域内の全領域が記録済であることを特徴とする追記型情報記録媒体。
【請求項3】
請求項1に記載の記録装置で記録した追記型情報記録媒体を再生する再生装置であって、
前記追記型情報記録媒体の使用に先立って記録済になった前記調整用領域で、制御パラメータの調整を行い、前記ユーザデータ領域から情報の再生を行う
ことを特徴とする再生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2011−198464(P2011−198464A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127639(P2011−127639)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【分割の表示】特願2010−286696(P2010−286696)の分割
【原出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】