説明

制御装置、制御装置の制御方法、記憶媒体、及びプログラム

【課題】 積載されるシートの安定性を維持しつつ、積載されるシートの枚数の制限を緩和することである。
【解決手段】
積載部に積載されるシートに記録される画像データに基づいて、シートの第1の領域に記録される記録剤の量と、シートの第2の領域に記録される記録剤の量を取得する取得手段と、積載部に複数枚のシートが積載される場合に、取得手段によって取得される記録剤の量に基づいて、複数枚のシートの第1の領域に記録される記録剤の量の和と、複数枚のシートの第2の領域に記録される記録剤の量の和との差が、所定の値を超えないように制御する制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御装置の制御方法、記憶媒体、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、POD(PrintOnDemand)向けの印刷システムのように、印刷装置によって印刷されたシートを大量に積載できるシート処理装置がある。このようなシート処理装置を用いれば、シートを大量に積載させることができるが、積載されたシート束の安定性が問題となる。
【0003】
例えば、テープによってバインドされた製本物を積載させた場合に、テープ部分が盛り上がることによって、積載されたシート束に傾きが生じる。そのまま積載を続けると、傾きは大きくなり、積載されたシート束が崩れやすくなる。
【0004】
そこで、積載されるシート束の許容範囲以上の傾きや、崩れを防ぐ方法として、積載部にセンサを設ける方法が知られている。
【0005】
これは、積載部に取り付けられたセンサでシート束上部の高低差を計測し、一定値以上になると、シートの出力を止めるという方法である(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−139253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記方法では、シート上部の高低差が一定値以上になった時点でシートの出力を中断するため、積載部に積載可能なシートの枚数に満たない枚数までしかシートを出力できない。すなわち、積載部に積載可能なシートの枚数が制限されてしまう。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、積載されるシートの安定性を維持しつつ、積載されるシートの枚数の制限を緩和することができる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の情報処理装置は以下に示す構成を備える。
【0009】
積載部に積載されるシートに記録される画像データに基づいて、シートの第1の領域に記録される記録剤の量と、シートの第2の領域に記録される記録剤の量を取得する取得手段と、積載部に複数枚のシートが積載される場合に、取得手段によって取得される記録剤の量に基づいて、複数枚のシートの第1の領域に記録される記録剤の量の和と、複数枚のシートの第2の領域に記録される記録剤の量の和との差が、所定の値を超えないように制御する制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、積載されるシートの安定性を維持しつつ、積載されるシートの枚数の制限を緩和することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図3は、本発明を適用可能な印刷システムの一例を示す構成図である。
【0013】
本実施形態では、印刷システムは、印刷装置、大容量スタッカ、くるみ製本機、中綴じ製本機から構成される。印刷装置は、給紙部から給紙したシートに印刷を行い、印刷されたシートを大容量スタッカに搬送する。大容量スタッカは、印刷装置によって印刷されたシートを積載する装置である。くるみ製本機は、印刷装置で印刷されたシートに対してくるみ製本処理を行う。中綴じ製本機は、印刷装置で印刷されたシートに対して中綴じ製本処理を行う。大容量スタッカ、くるみ製本機、中綴じ製本機は、それぞれ、印刷物を排紙する排紙部を備え、各種シート処理を行った印刷物を当該排紙部に排紙する。それによって、ユーザは当該排紙部に排紙された印刷物を取り出すことができる。
【0014】
図4は、大容量スタッカの構成を説明するための断面図である。大容量スタッカは、図3の印刷装置にて印刷されたシートを、ストレートパスを通して後段のくるみ製本機に搬送する。また、大容量スタッカは、ユーザの指定に基づいて、印刷装置で印刷されたシートを、エスケープパスを通してエスケープトレイに排紙する。さらに、大容量スタッカは、ユーザによって大量積載を行うように設定されたジョブを実行することによって出力されるシートを、スタックパスを通してスタッカトレイ上に排紙する。
【0015】
なお、大容量スタッカのスタッカトレイは、伸縮可能なステイによって台車に固定されており、ユーザは、台車を使って、スタッカトレイ上に積載された印刷出力物を搬送することができる。
【0016】
図1は、印刷装置の構成を説明するブロック図である。
【0017】
印刷装置1000は、ネットワークを介して情報処理装置の例であるホスト装置1600と通信して、印刷ジョブを受信する。なお、印刷装置1000は、ステイプル機能や、折り機能を備える印刷装置のみならず、通常の印刷機能を備えるものであれば、本発明を適用可能である。例えば、印刷装置には、MFP(Multi Function Peripheral)や、SFP(Single Function Printer)等は、印刷装置に含まれる。
【0018】
また、ホスト装置1600は、オペレーティングシステム(OS)や、印刷装置1000を制御するためのプリンタドライバがインストールされている。プリンタドライバは、例えば、印刷装置1000と通信して、印刷データを転送する処理を行う。また、プリンタドライバは、印刷装置1000のステータスを取得し、ユーザインタフェースを介して表示する。
【0019】
本実施形態において、印刷装置1000は、大きく分けてフォーマッタ制御部1100、パネル入出力制御部1020、操作パネル1021、スタイルシート記憶部1030、出力制御部1300、プリンタエンジン部1400、出力積載制御部1500からなる。
【0020】
フォーマッタ制御部1100は、プリンタI/F1200、プロトコル制御部1101、JDF解析修正部1102、指示書生成部1103、PDL解析部1104、データ描画部1105、ページメモリ1106より構成されている。
【0021】
プリンタI/F1200は、ネットワークを介して外部とデータの入出力を行うための手段である。プロトコル制御部1101は、印刷装置1000が、ネットワークを介して通信を行うためのネットワークプロトコルを制御する。
【0022】
JDF(Job Definition Format)解析修正部1102は、受信したJDFデータを解析して処理工程を認識する。また、JDF解析修正部1102は、オフライン工程の有無を判定したり、JDF自体に必要な修正を加えたりする。
【0023】
指示書生成部1103は、JDFとスタイルシートを合成して指示書出力のためのPDLデータを生成するものである。PDL解析部1104は、PDLを解析し、より処理しやすい形式の中間コードに変換する手段である。PDL解析部1104において生成された中間コードはデータ描画部1105に渡されて処理される。
【0024】
データ描画部1105は、上記中間コードをビットマップデータに展開するものであり、展開されたビットマップデータはページメモリ1106に逐次描画されて行く。
【0025】
パネル入出力制御部1020は、操作パネル1021からの入出力を制御するものである。データ一時記憶部として機能するスタイルシート記憶部1030は、出力データまたは保存データを記憶する手段である。スタイルシート記憶部1030は、例えばハードディスク等の二次記憶装置によって実現される。なお、一般的には、フォーマッタ制御部1100は、CPU、ROM、RAMなどによって実現される。
【0026】
出力制御部1300は、ページメモリ1106の内容をビデオ信号に変換処理し、プリンタエンジン部1400へ画像転送を行う。プリンタエンジン部1400は、受け取ったビデオ信号をシートに可視画像として印刷するための印刷機構部である。なお、本実施形態において、プリンタエンジン部1400は、トナーを用いて画像を記録紙に定着させる電子写真プロセスを実行して可視画像を形成する。また、プリンタエンジン部1400は、記録剤としてモノクロトナー、あるいは色別のトナーを用いてモノクロ画像、あるいはカラー画像を形成可能に構成されている。
【0027】
出力物積載制御部1500は、シート上に載るトナーの載り量に基づいて、プリンタエンジン部1400で印刷されたシートの積載方法を決定する。印刷装置1000は、大容量スタッカやくるみ製本機、中綴じ製本機と電気的に接続されている。印刷装置1000の出力物積載制御部1500は、例えば、大容量スタッカに積載されるシートの積載方法を決定する。そして、出力物積載制御部1500は、決定されたシート積載方法に従って、大容量スタッカにシートを積載させる。
【0028】
図2は、本実施形態を示すホスト装置1600の構成を説明するブロック図である。
【0029】
図2において、1はCPUであり、ホスト装置1600全体の制御及び演算処理を行う。2はRAMであり、処理毎にそれぞれのプログラム及びデータがロードされ、実行される領域である。3はROMであり、システム制御プログラムや、フォントデータなどの記憶領域である。
【0030】
4はキーボード制御部(KBC)であり、キーボード5(KB)からのキー入力によりデータを受け取り、CPU1へ伝達する。6はプリンタ制御部(PRTC)であり、プリンタ装置7(PRT)を制御するためのものである。
【0031】
プリンタ装置7は、レーザビームプリンタ、インクジェットプリンタなどである。
【0032】
8はディスプレイ制御部(CRTC)であり、ディスプレイ装置9(CRT)への表示制御を行う。10はディスク制御部(DKC)であり、データ伝送などの制御を行うものである。
【0033】
11は外部記憶装置で、フレキシブルディスク装置(FD)あるいはハードディスク装置(HD)あるいはCD(CDROM)あるいはDVD(DVDROM)等で構成される。
【0034】
なお、CPU1は、外部記憶装置11に記憶される、プログラム及びデータを実行する時に、必要に応じて参照またはRAM2へロードして、データ処理を行う。12はシステムバスであり、上述の構成間におけるデータ転送の通路として機能する。
【0035】
本装置は、基本I/O(入出力)プログラム、OS(オペレーティングシステム)、及び以下に説明する電子データ圧縮プログラムをCPU1が実行することにより動作する。
【0036】
また、基本I/OプログラムやOSは、ROM3に記憶されており、OSは外部記憶装置11に書き込まれている。そして、本装置の電源がONにされたとき、基本I/Oプログラム中のIPL(イニシャルプログラムローディング)機能により外部記憶装置11であるHDからOSがRAM2に読み込まれ、OSの動作が開始される。
【0037】
本実施形態では、出力物積載制御プログラムおよび関連データは、外部記憶装置11に記録されており、これらも必要に応じてRAM2に読み出されて処理される。
【0038】
図5は、図2に示したホスト装置1600のRAM2におけるメモリマップの一例を示す図である。本例は、出力物積載制御プログラム等のデータが外部記憶装置11から、RAM2にロードされて実行可能になった状態のメモリマップの例である。
【0039】
次に、実施形態の基本的な流れを図6のフローチャートを用いて説明する。
【0040】
図6は、本実施形態を示すホスト装置1600における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。図6のフローチャートに示す各ステップは、図2に示したCPU1がRAM2に出力積載物制御プログラム等のプログラムをロードして実行することで実現される。
【0041】
S601で、CPU1は、KB5等の操作部を介して、ユーザから、印刷部数や、印刷用紙サイズ、両面印刷の指定などの印刷設定を受付ける。また、CPU1は、ユーザから、積載されるシートが不安定になることを防ぐための制御を行うか否かについての設定を受付ける。具体的に、CPU1は、シート上の分割エリアの設定と、シートが傾くと判定された場合の対策方法についての設定を、ユーザから受付ける。CPU1は、ユーザから受付けた設定情報をRAM2等のメモリに記憶する。
【0042】
ここで、分割エリアの設定について、図7を用いて説明する。
【0043】
図7は、本実施形態を示すホスト装置1600における分割エリアを説明する図である。分割エリアとは、シート上の印刷領域を複数の領域に分割して得られる、それぞれのエリアである。本例は、分割エリアが、予め用紙サイズ毎に複数用意されている。ユーザは、この中から傾きを予測するために用いる分割エリアを選択する。
【0044】
なお、図7において、分割エリア内に示される網掛け領域は、累積エリアである。CPU1は、累積エリアに載るトナーの量を、積載されるシートごとに加算して累積し、保持しておく。そして、CPU1は、累積エリアに記録されるトナーの量が、ある領域に偏ると判定した場合に、トナーの偏りによるシートの傾きを補正するための対策を施す。なお、各分割エリアの全領域を累積エリアとして設定しても良いが、図7に示す例のように、分割エリアごとにトナーを累積するエリアを限定することで、CPU1のトナー累積処理にかかる負荷を減少させることができる。
【0045】
また、図7に示す例では、各分割エリアのほぼ中央に累積エリアを設ける場合について説明した。しかし、図9に示すように、ユーザは、分割エリアごとに、任意に累積エリアを指定して、登録しておくことも可能である。なお、ユーザは、ホスト装置1600が備えるマウス等のポインティングデバイスを用いて累積エリアを指定する。
【0046】
そして、ユーザに、図9に示すようにユーザが作成した累積エリアと、図7に示すように用紙サイズ別に記憶された累積エリアのうち、CPU1によるシートの傾きを判定するために用いられる累積エリアを選択させる。
【0047】
例えば、ユーザは、写真やグラフィックスが印刷される位置が決まっている場合には、図9に示すように任意に累積エリアを指定することが望ましい。その場合、ユーザは、シート上の分割エリア内の任意の位置を指定し、CPU1に、その位置に記録されるトナーの量に基づいた制御を行わせることができる。
【0048】
次に、S602で、CPU1は、上記S601で選択された分割エリア毎に、ジョブを実行することによって出力される複数枚のシートをすべて出力した際の、トナーの載り量の和を算出することによって予測する。具体的には、CPU1が分割エリアによって決められた累積エリアのトナーの載り量を出力されるシートの枚数分、累積することによってジョブ単位の予測処理を行う。
【0049】
次に、S603で、CPU1は、上記S602で予測したトナーの載り量を累積した値を元に積載束の傾きを予測する。具体的には、CPU1が上記分割エリア毎のトナーの載り量の差分によって、積載されるシートの傾きの予測処理を行う。
【0050】
次に、S604で、上記S603で予測した傾きから、積載されるシート束が傾くか否かを予測する予測処理を行う。具体的には、CPU1が上記予測された傾きが予め用意されている傾き基準値を超えるかどうかによって積載異常予測処理を行う。この傾き基準値は、ユーザによってKB5等を介して変更可能にしてもよい。
【0051】
次に、S605で、CPU1は、上記S601の設定処理に従って、積載されるシートの傾きを補正するための対策を行い、本処理を終了する。
【0052】
なお、S605で、S601におけるユーザによる設定によっては、対策を行わない選択もある。この場合、CPU1は、分割された複数のエリアのうち、あるエリアに記録されるトナーの量と、別のエリアに記録されるトナーの量の差分が、基準値を超えるまでシートを積載させる。そして、CPU1は、基準値を超えたら出力処理を中止する。
【0053】
次に、図8を参照して、S602に示したトナー載り量の累積値の予測処理の詳細について説明する。
【0054】
図8は、本実施形態を示すホスト装置1600における第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図8のフローチャートに示す各ステップは、CPU1がRAM2に記憶されたプログラムをロードして実行することで実現される。
【0055】
S1101では、CPU1は、S601でユーザによって設定され、RAM2に記憶された設定情報を参照する。
【0056】
次に、S1102で、CPU1は、設定情報に含まれる分割エリアの設定を確認する。
【0057】
次に、S1103では、図9に示す各分割エリア内に予め設定されている累積エリアを確認する。
【0058】
次に、S1104で、CPU1は、各ページの分割エリアに含まれる累積エリア内のピクセル毎に、画像データから得られるビデオカウントに基づいてトナーの載り量を算出する。そしてCPU1は、算出されたトナーの載り量を、シートごとに加算し、加算された値を、累積エリアごとにRAM2等のメモリによって記憶する。また、CPU1は、加算された値を、RAM2の代わりに、外部記憶装置11に記憶するようにしてもよい。
【0059】
なお、CPU1は、印刷される画像がモノクロ画像の場合には、トナー載り量を、画素単位に、Kのビデオカウントに基づいて算出する。また、CPU1は、印刷される画像がカラー画像の場合には、トナーの載り量を、画素単位にCMYKのビデオカウントの和に基づいて算出する。
【0060】
次に、S1105で、CPU1は印刷対象のページに関して、全ページ分のトナー載り量の算出が終了したかどうかを判定する。ここで、全ページ分のトナー載り量の算出が終了していないとCPU1が判断した場合は、S1104へ戻り、トナーの載り量の算出と累積を行う。
【0061】
一方、S1105で、全ページ分のトナー載り量の算出が終了したとCPU1が判断した場合は、S1106へ進む。
【0062】
そして、S1106で、CPU1は、印刷ジョブで指定されている部数を確認する。具体的に、CPU1は、ユーザが、KB5等の操作部から印刷要求を行うときに設定した部数を参照することで確認する。次に、S1107で、CPU1は、S1104で累積されたトナーの載り量と、ユーザによって指定された印刷部数との積を求め、1ジョブ分のトナーの載り量を算出する。
【0063】
このような処理により、S1101〜S1105までで、1部あたりの各累積エリアのトナーの載り量を、S1106、S1107で指定された部数分累積することで1ジョブ分累積されたトナーの載り量を算出すことができる。
【0064】
次に、図6のS603に示す傾き予測の処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。
【0065】
図10は、本実施形態を示すホスト装置1600における第3のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図10のフローチャートに示す各ステップは、CPU1がRAM2に記憶されたプログラムをロードして実行することで実現される。
【0066】
まず、S1201で、図11に示すように、各累積エリア内の各画素のトナーの載り量の平均値をCPU1が算出する。
【0067】
図11は、各累積エリアE1内の各画素のトナーの載り量の平均値を算出する概念を説明する図である。CPU1は、ビデオカウントに基づいて、累積エリアに含まれるピクセル毎に算出したトナーの載り量をピクセル数で割り、累積エリアに記録されるトナー量の平均値を求める。そして、CPU1は、求めた平均値を、各累積エリアに対応付けてRAM2に格納する。本例は、説明上、累積エリア内の画素の数を「9」として説明するが、累積エリア内の画素の数が「9」に限られるものではないことは言うまでもない。
【0068】
次に、S1202で、図12に示す選択した分割エリアに対して比較エリアパターンをCPU1が確認する。比較エリアパターンとは、シートの傾きを予測する際に基準となる2つのエリアを設定したものである。比較エリアパターンの例を図12に示す。
【0069】
図12において、○で示したエリアは、累積したトナーの量が所定の値(第1の閾値)を超えているエリアを示している。×で示したエリアは、累積したトナーの量が所定の値(第2の閾値)よりも少ないところを表している。この場合、積載されるシートは、○で示したエリアが高くなり、×で示したエリアが低くなることによって、×の方向にシートが傾くと予測できる。
【0070】
次に、S1203で、CPU1は、シートを積載した結果、積載されるシートが傾くか否かを累積エリアごとの、トナーの載り量の累積値に基づいて判定する。具体的に、CPU1は、シートが有する複数の累積エリアのうち、第1の累積エリアに記録されるトナーの載り量と、第1の累積エリアとは異なる第2の累積エリアに記録されるトナーの載り量との差分の値を求める。そして、当該差分の値が所定の値よりも大きい場合に、CPU1は、シートを積載した結果、積載されるシートが傾くと判定し、以降の処理で、積載されるシートが傾かないようにするための制御を行う。
【0071】
次に、図6のS604に示す積載異常予測の処理例を図13のフローチャートを用いて説明する。
【0072】
図13は、ホスト装置1600における第4のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。図13のフローチャートに示す各ステップは、CPU1がRAM2に出力積載物制御プログラムをロードして実行することで実現される。
【0073】
S1301で、CPU1は、ユーザによって指定された印刷に用いる用紙(シート)のタイプを確認する。この用紙のタイプとは、傾きや崩れに関係する紙質や紙の厚さ等のことを指し、印刷設定時に、ユーザがドライバを用いて設定したものである。
【0074】
次に、S1302で、各用紙タイプ毎に用意されている傾き基準値をCPU1が確認する。用紙タイプごとに、傾きやすさが異なることを考慮したものである。例えば、普通紙と厚紙とを比較した際に、厚紙のほうが坪量が大きく、重いため、トナーによる傾き影響を受けにくい。そのため、普通紙の傾き基準値よりも厚紙の傾き基準値を大きく設定しておく。
【0075】
次に、S1303で、上記図6に示したS603による傾き予測処理で算出した差分の値と、S1302で確認した傾き基準値とをCPU1が比較して、傾き基準値の方が小さいか否かを判断する。つまり、CPU1は、あらかじめ設定された傾き予測処理で算出た差分の値が、確認した傾き基準値を越えているか否かを判断する。
【0076】
ここで、算出した差分の値が傾き基準値よりも小さいとCPU1が判断した場合(越えていないと判断した場合)は、S1304へ進み、本ジョブ中に積載異常は発生しないと予測し、通常通りの出力処理を行い、本処理を終了する。
【0077】
一方、S1303で、傾きが傾き基準値よりも大きいとCPU1が判断した場合は、S1305へ進む。そして、S1305で、用紙の出力方向を確認する。用紙の出力方向とは用紙の長辺方向に出力するのか、短辺方向に出力するのかの方向を示す。次に、ステップS1306では、用紙の出力方向を考慮して(図14参照)、積載されるシートが傾く方向をCPU1が予測して、本処理を終了する。ここで、CPU1は、予測した方向を操作パネル1021やホスト装置1600のCRT9を介してユーザに通知するとよい。なお、図14に示す黒塗りの矢印方向に積載されたシート束が排紙トレイOT(Output Tray)上で崩れやすい状態を示している。
【0078】
次に、図6のS605に示す対策ステップの流れを図15のフローチャートを用いて説明する。
【0079】
図15は、本実施形態を示すホスト装置1600における第5のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図15のフローチャートに示す各ステップは、CPU1がRAM2に出力積載物制御プログラムをロードして実行することで実現される。
【0080】
S1401で、上述した図13に示した積載異常予測ステップにおいて、異常積載が発生すると予測された場合、CPU1は、ホスト装置1600のドライバによりCRT9でその旨を表示する。この際、操作パネル1021にその旨を表示するように制御してもよい。
【0081】
次に、S1402で、S601における設定において、出力積載予測設定時に、トナーの偏りによるシートの傾きの相殺の対策を施すよう設定されているか否かをCPU1が判断する。ここで、CPU1が対策を施すよう設定されていないと判断した場合は、S1403へ進む。
【0082】
そして、S1403で、CPU1は傾き許容範囲内に傾きが収まる最大出力部数を算出する。具体的に、CPU1は、シート上の第1の領域と第2の領域とのトナーの載り量の差分の値が傾き基準値を超える部数を算出する。
【0083】
次に、S1404では、CPU1はドライバによりドキュメントを印刷装置1000より通常の積載方法で出力する。次に、S1405で、S1403において算出した部数に、出力部数が達しているか否かをCPU1が判断する。ここで、当該出力部数に達していないとCPU1が判断した場合は、S1404へ戻り、出力処理を繰り返す。
【0084】
一方、S1405で、出力部数が達しているとCPU1が判断した場合は、S1406に進み、CPU1は、印刷装置1000による出力処理を中止し、待機状態に移る。ここで、部数単位で出力処理を中止するように制御することによって、部の途中で出力が中止されてしまうことを防止することができる。
【0085】
一方、S1402で、図6のS601で、ユーザによって傾きを相殺するための対策を行うよう設定されているとCPU1が判断した場合は、S1407へ進む。
【0086】
そして、S1407で、用紙タイプ毎に予め設定してある、図14に一例を示す傾き基準値をCPU1が確認する。次に、S1408では、図8に示した上記傾き予測処理で算出された本ジョブにおける差分の値を、上記傾き基準値で割ることにより、適正シフト部数をCPU1が算出する。
【0087】
次に、S1409で、CPU1は、積載されるシート束の傾きを相殺し、本処理を終了する。具体的に、CPU1は、ジョブを実行して積載部に積載されるシートに対して、当該シートに記録される画像データの向きを、S1408で算出された部数ごとに約180度回転して記録する。なお、それによって、シートに記録されるトナーの位置が変更され、CPU1は、シートの傾きを抑えるように制御することができる。または、S1409で、CPU1は、積載部に積載されるシートを、印刷装置1000が備える両面パスを通して、シートの表裏を反転して出力させるように制御してもよい。また、印刷装置1000の積載部(例えば大容量スタッカ)が、シートの表裏を保ったままシートを、当該シートの搬送方向に水平に回転させる機構を有していれば、CPU1は当該機構によってシートを約180度回転させて出力させるようにしてもよい。
【0088】
図16は、図15に示す部数毎にシートのトナーによる傾きを相殺して出力する状態を説明する模式図である。
【0089】
図16において、○は印刷処理に伴いトナーの載り量が多い領域を示し、×は印刷処理に伴いトナーの載り量が少ない領域を示す。
【0090】
これにより、印刷装置1000の排紙手段に積載される出力シート束OP1、OP2は、トナーによる傾きが相殺されて、図17に示すように出力シート束OP3として傾かないように積載される。
【0091】
本実施形態によれば、ユーザの設定に従い、積載されるシートが、トナーの偏りによって傾くことを抑制することができる。それによって、積載されるシートの安定性を維持しつつ、積載可能なシートの枚数を増やすことができる。
【0092】
〔第2実施形態〕
上記実施形態では、印刷装置1000が片面印刷を行う場合に発生する積載傾き状態を相殺する制御について説明した。以下、印刷装置1000が、両面出力におけるトナーの載り量を予測する場合の実施形態ついて説明する。なお、印刷装置1000の構成や、当該印刷装置1000における処理について、第1の実施形態と同様の箇所についての説明は省略する。第1の実施形態で、CPU1は、S602にて、図8のフローチャートに示す処理を実行する場合について説明した。第2の実施形態で、CPU1は、S602にて、図18のフローチャートに示す処理を実行する。
【0093】
図18は、S602にて、ホスト装置1600によって実行される第6のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。図18のフローチャートに示す各ステップは、CPU1がRAM2から出力積載物制御プログラムをロードして実行することで実現される
S1701で、CPU1は、印刷装置1000を制御するプリンタドライバに対する設定を受付ける。なお、当該設定は、印刷装置1000に具備される操作パネル1021により設定するこもと可能である。
【0094】
次に、S1702では、S1701における設定において選択された分割エリアをCPU1が確認する。次に、S1703では、図9に示した各分割エリア内に予め設定されている累積エリアをCPU1が確認する。
【0095】
次に、S1704で、両面出力の設定が、図19に示すような長辺とじ(であるか、短辺とじであるか否かをCPU1が確認する。
【0096】
なお、図19のテーブルに示すように、用紙の表裏面における各エリアは番号で示されるように対応している。
【0097】
次に、S1705では、図19に示すような、奇数ページと偶数ページにおける分割エリア及び累積エリアの相関関係をCPU1が確認する。
【0098】
次に、S1706で、各分割エリアの累積エリア内の各ピクセル毎にトナーの載り量をCPU1が算出する。そして、CPU1は、各累積エリアの各ピクセル毎に、記憶装置内に用意されたエリアに、上記奇数ページと偶数ページの分割エリア相関関係に従って累積保存する。
【0099】
次に、S1707で、出力ドキュメントの、全ページのトナー載り量の算出が終了したかどうかをCPU1が判断する。ここで、まだ全ページ終了していないとCPU1が判断した場合は、S1706へ戻り、トナーの載り量算出と累積を行う。
【0100】
一方、S1707で、全ページの算出処理が終了していると判断した場合は、S1708へ進む。そして、S1708で、本ジョブ内で指定されている部数をCPU1が確認する。
【0101】
次に、S1709で、S1707までで、1ドキュメント分累積された各分割エリアのトナーの載り量を部数分累積する。そして、CPU1は、1ジョブ単位分、累積された各分割エリアのトナーの載り量を算出して、本処理を終了する。以降、CPU1は、図6に示すS603以降の処理を行う。このように、両面印刷するように設定されている場合であっても、CPU1は、シートの両面に記録されるトナーの量を算出し、算出されたトナーの量に基づいて、積載されるシートの傾きを抑えるための制御を行うことができる。
【0102】
〔第3実施形態〕
上記実施形態では、積載されるシート束が傾くと判定された場合に、排紙時に、出力されるシートに記録される画像データの方向を変えることで、積載されたシートの傾きを抑える処理について説明した。以下、トナーの偏りを、シートの特定の領域に、トナーの偏りを相殺するために、クリアトナーを載せることによって積載されるシートの傾きを抑える場合を説明する。ここで、クリアトナーとは、透明のトナーであり、本実施形態では、印刷装置1000のプリンタエンジン部1400が、透明トナーをシートに印刷するクリアトナー記録部を備えているものとする。
【0103】
なお、印刷装置1000の構成や、当該印刷装置1000における処理について、第1及び第2の実施形態と同様の箇所についての説明は省略する。第1及び第2の実施形態で、CPU1は、S605にて、図15のフローチャートに示す処理を実行する場合について説明した。第3の実施形態では、CPU1が、S605にて、図20のフローチャートに示す処理を実行する。図20は、ホスト装置1600における第7のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。図20のフローチャートの各ステップに示す処理は、S605で実行される処理であり、CPU1がRAM2に出力積載物制御プログラムをロードして実行することで実現される、
S1901では、積載異常予測ステップにおいて、異常積載が発生すると予測された場合、CPU1は、出力元のホスト装置1600が備えるCRT9上に積載異常が発生する旨を通知する。
【0104】
次に、S1902で、S601の設定ステップにおける出力積載予測設定時に、対策を施すよう設定しているか否かをCPU1が判断する。
【0105】
ここで、対策を施すよう設定されていないとCPU1が判断した場合は、S1903へ進む。そして、S1903で、CPU1は傾き許容範囲内に傾きが収まる許容部数を算出する。具体的に、CPU1は、シート上の第1の領域と第2の領域との差分の値が傾き基準値を超える部数を算出する。
【0106】
次に、S1904で、CPU1は、シートを積載部に出力する。このとき、CPU1は、出力したシートの部数をカウントし、傾き予測ステップで算出した部数に達したとCPU1が判断したら、印刷装置1000による出力処理を中止し、待機状態に移る。
【0107】
一方、S1902で、S601で傾きを抑えるよう設定されているとCPU1が判断した場合は、S1905へ進む。
【0108】
そして、S1905で、CPU1は、印刷装置1000に出力する描画処理を含む出力処理を一時停止する。次に、S1906で、上記傾き予測ステップで算出された差分の値と、傾き基準値との差をCPU1が算出する。
【0109】
次に、S1907で、CPU1は、特定のトナー(シートの傾きを相殺するための相殺用トナー)を1枚のシートの特定の領域に記録可能な量の最大値を確認する。ここでは、予めCPU1が、ROM3等のメモリに記憶された情報によって確認する。
【0110】
ここで、特定のトナーとは、クリアトナーであり、傾きの位置によって、予め決められた位置及び面積に上記トナーを載せた場合のトナーの載り量を確認する。また、ユーザの設定によって、C,M,Y,Kのトナーまたはその混色のトナーを特定のトナーとして使用することもできる。
【0111】
次に、S1908では、相殺用トナーを載せる枚数をCPU1が算出する。この算出処理は、S1906で、上記傾き予測ステップで算出された差分の値と、上記傾き基準値との差を、シートに載せられる特定のトナーの載り量で割ることでCPU1が算出する。
【0112】
次に、S1909で、CPU1は、相殺用トナーをシートに載せる必要があるか否かを判定し、相殺用トナーを載せる必要があると判定した場合には、S1911に処理を進める。一方、CPU1は、相殺用トナーをシートに載せる必要がない場合には、S1910に処理を進める。
【0113】
S1911で、CPU1は、図21の(B)に一例を示すように、傾きの場所に対して予め決められたエリアに、特定のトナーを載せる描画処理をCPU1が行う。予め決められたエリアとは、図21の(B)に示すように、カットマークの近傍である。また、CPU1は、図13のS1306で傾くと判定されたシートの方向に特定のトナーを記録し、シートの傾きを抑えるように制御する。
【0114】
なお、図21の(B)において、カットマークとは、4隅のトンボマークを基準として、裁断機等で切り取られる基準位置を示す。つまり、4隅のトンボマークを基準として、裁断機等で切断される。
【0115】
したがって、印刷領域(カットマーク)の外側に相殺用トナーを載せる場合には、相殺用トナーとして有色トナー(YMCK)を用いる。また、印刷領域の内側に相殺用トナーを載せる場合には、印刷物に与える影響を少なくするために、相殺用トナーとしてクリアトナーを用いる。
【0116】
次に、S1912では、S1910またはS1911で行われた描画処理に従って生成された印刷データを、CPU1は、印刷装置1000に出力する出力処理を行って、本処理を終了する。
【0117】
以上のように制御することによって、シート上のトナーの偏りによるシートの傾きを緩和し、積載されるシートの安定性を維持しつつ、積載可能なシートの枚数を増加させることができる。
【0118】
なお、上記各実施形態では、ホスト装置1600にて、トナーの偏りによる、出力シート束の傾きを相殺する処理を説明してきたが、上述した処理を印刷装置1000で行うようにしてもよい。
【0119】
つまり、ホスト装置1600のCPU1による処理を、印刷装置1000が備えるコントローラ部のCPUが実行することで、同等の出力束の積載崩れを相殺することができる。なお、印刷装置1000のCPUによるステップの説明は、各実施形態のフローチャートの説明に準ずるので説明は割愛する。
【0120】
〔第4実施形態〕
以下、図22に示すメモリマップを参照して本発明に係る情報処理装置又は画像形成装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0121】
図22は、本発明に係る情報処理装置又は画像形成装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0122】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0123】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0124】
本実施形態における図6、図8、図10、図13、図15、図18、図20に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0125】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0126】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0127】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0128】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0129】
この場合、コンピュータ読取可能な記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0130】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインタネットのホームページに接続する。そして、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0131】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インタネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0132】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。例えばそのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行う。そして、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0133】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込ませる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0134】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0135】
本発明の様々な例として実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【0136】
本実施形態によれば、トレイやスタッカといった積載機へ大量出力を行う際に、印刷内容の偏り等により発生する、束の崩れや、大きな傾きをトナーの載り量の累積値を算出することによって、大量出力する前に、予測することが可能になる。また、予測自体も、ページ内の分割方法によって、正確に傾きを測定する方法から、高速に予測する方法まで、ユーザが自由に選ぶことが可能となる。また、傾きの大きさ自体も予測するので、その傾きに適した処置が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明の実施形態を示す印刷システムにおける印刷装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】本実施形態におけるホスト装置の構成を説明するブロック図である。
【図3】本実施形態における印刷システムの構成を説明する外観図である。
【図4】本実施形態における大容量スタッカの構成を説明する図である。
【図5】図2に示したホスト装置のRAMに対するメモリマップの一例を示す図である。
【図6】本実施形態に関する第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態に関する分割エリアと累積エリアを説明する図である。
【図8】本実施形態に関するホスト装置における第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】図7に示した分割エリアに対する累積エリアの一例を示す図である。
【図10】本実施形態に関する第3のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】各累積エリアE1内の各画素のトナーの載り量の平均値を算出する概念を説明する図である。
【図12】図7に示した分割エリアに対して予め用意されている比較エリアパターンの一例を示す図である。
【図13】本実施形態に関する第4のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】本実施形態に関する排紙トレイにおける排紙処理を説明する図である。
【図15】本実施形態に関する第5のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】本実施形態に関するシートを回転して出力する処理を説明する模式図である。
【図17】本実施形態に関する積載されるシートの傾きを相殺する積載例を説明する模式図である。
【図18】本実施形態に関する第6のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】本実施形態に関する両面印刷時の分割エリアの一例を説明する図である。
【図20】本実施形態に関する第7のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図21】本実施形態に関する傾き積載を相殺するために出力される相殺トナーエリアを説明する図である。
【図22】本発明に係る情報処理装置又は画像形成装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0138】
1 CPU
3 ROM
2 RAM
1000 印刷装置
1600 ホスト装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載部に積載されるシートに記録される画像データに基づいて、前記シートの第1の領域に記録される記録剤の量と、前記シートの第2の領域に記録される記録剤の量を取得する取得手段と、
前記積載部に複数枚のシートが積載される場合に、前記取得手段によって取得される記録剤の量に基づいて、前記複数枚のシートの第1の領域に記録される記録剤の量の和と、前記複数枚のシートの第2の領域に記録される記録剤の量の和との差が、所定の値を超えないように制御する制御手段とを備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の領域の記録剤の量の和と、前記第2の領域の記録剤の量の和との差が、所定の値より大きくなる場合に、前記シートの記録される画像データの向きを変更することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記シートに透明トナーを記録する記録手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1の領域の記録剤の量の和と、前記第2の領域の記録剤の量の和との差が、所定の値より大きくなる場合に、前記記録手段によって、前記第1の領域の記録剤の量の和と、前記第2の領域の記録剤の量の和が前記所定の値より大きくならないように、前記シートに透明トナーを記録させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記所定の値を変更する変更手段をさらに備え、
前記所定の値は、前記変更手段によってユーザによって変更可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
積載部に積載されるシートに記録される画像データに基づいて、前記シートの第1の領域に記録される記録剤の量と、前記シートの第2の領域に記録される記録剤の量を取得する取得工程と、
前記積載部に複数枚のシートが積載される場合に、前記取得工程にて取得される記録剤の量に基づいて、前記複数枚のシートの第1の領域に記録される記録剤の量の和と、前記複数枚のシートの第2の領域に記録される記録剤の量の和との差が、所定の値を超えないように制御する制御工程とを備えることを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項6】
前記制御工程では、前記第1の領域の記録剤の量の和と、前記第2の領域の記録剤の量の和との差が、所定の値より大きくなる場合に、前記シートの記録される画像データの向きを変更することを特徴とする請求項5に記載の制御装置の制御方法。
【請求項7】
前記シートに透明トナーを記録する記録工程をさらに備え、
前記制御工程では、前記第1の領域の記録剤の量の和と、前記第2の領域の記録剤の量の和との差が、所定の値より大きくなる場合に、前記記録工程によって、前記第1の領域の記録剤の量の和と、前記第2の領域の記録剤の量の和が前記所定の値より大きくならないように、前記シートに透明トナーを記録させることを特徴とする請求項5に記載の制御装置の制御方法。
【請求項8】
前記所定の値を変更する変更工程をさらに備え、
前記所定の値は、前記変更工程にてユーザによって変更可能であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の制御装置の制御方法。
【請求項9】
請求項5乃至8のいずれかに記載の制御装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記憶するコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項10】
請求項5乃至8のいずれかに記載の制御装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2010−30164(P2010−30164A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−195242(P2008−195242)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】