説明

制御装置及び制御装置の製造方法

【課題】信頼性の低下を招くことなく、制御基板の小型化及び製造工程の簡素化を図ることができる制御装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】制御装置は、制御回路が実装された制御基板12と、駆動回路が実装されたパワー基板と、制御回路と駆動回路とを電気的に接続するバスバーを保持するとともに制御基板12とパワー基板との間に介在される樹脂成形体14とを備えた。また、樹脂成形体14にピン42を設けるとともに、制御基板12に挿入孔24を形成した。そして、挿入孔24の内周面にランド51を設けるとともに、ピン42におけるランド51と対向する部位に金属材料からなる半田付け部53を設け、半田付け部53をランド51に半田54によって接続することにより、制御基板12を樹脂成形体14に対して固定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ等のアクチュエータの作動を制御する制御装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばモータ等のアクチュエータの作動を制御する制御装置は、制御信号を出力する制御回路、及び同制御信号に基づいてスイッチング素子をオンオフすることによりアクチュエータに駆動電流を供給する駆動回路を備えている。一般に、こうした駆動回路には、スイッチング素子のオンオフに応じて電源から大きな電流が供給されることから発熱量が大きくなりやすい。そのため、制御回路と駆動回路とをそれぞれ別体の基板上に実装し、制御回路が実装される制御基板と駆動回路が実装されるパワー基板との間に樹脂成形体を介在させることで、パワー基板で発生した熱が制御基板に伝達されないようにしたものが知られている(例えば特許文献1)。なお、制御回路と駆動回路とは、樹脂成形体にインサート成形されたバスバーによって電気的に接続される。
【0003】
図11に上記のような制御装置の概略構成を示す。同図に示すように、制御装置91は、制御回路が実装された制御基板92と、駆動回路が実装されたパワー基板93と、制御基板92とパワー基板93との間に介在される樹脂成形体94と、パワー基板93が固定されるハウジング95とを備えている。
【0004】
この樹脂成形体94には、制御基板92側に延びる複数のピン96が一体形成されるとともに、制御基板92の外周縁を係止する係止爪97を有する係止片98が形成されている。一方、制御基板92には、各ピン96が挿入される複数の挿入孔99が形成されており、各ピン96を挿入孔99にそれぞれ挿入することで、樹脂成形体94にインサート形成されたバスバー100が制御基板92のスルーホール101(図12参照)に挿入されるようになっている。そして、制御基板92は、バスバー100がスルーホール101に挿入された状態で、係止爪97に係止されるとともにねじ102が螺着されることにより樹脂成形体94に対して固定されている。
【0005】
なお、図12に示すように、樹脂成形体94は、パワー基板93とともにねじ103によりハウジング95に固定されている。また、制御基板92には、例えば車両に設けられたセンサ等(図示略)の接続端子104が接続されるコネクタ105がねじ106により固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−24847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記従来の構成では、制御基板92はねじ102により樹脂成形体94に固定されているため、制御基板92を樹脂成形体94に固定するに際して、ねじ102の締結工程が必要になるとともに、ねじ102の頭部102aが接触する面積を制御基板92上に確保しなければならず、制御基板92の小型化が妨げられる。
【0008】
そこで、ねじ102によって制御基板92を固定しない構成とすることも考えられるが、この場合には、以下のような問題が生じる。すなわち、係止片98は、制御基板92を樹脂成形体94上に配置する際に、弾性変形して係止爪97が制御基板92に係止するように構成されるものであり、容易に弾性変形するため、同係止片98では接続端子104をコネクタ105に挿入する際に作用する挿入力Fよって制御基板92の樹脂成形体94に対する位置がずれることを防止できない。また、ピン96と挿入孔99との間には製造上の公差を許容する等の理由から隙間が形成されるため、ピン96では、接続端子104の挿入力Fによって制御基板92の樹脂成形体94に対する位置がずれることを防止できない。
【0009】
従って、上記のようにねじ102によって制御基板92を固定しない場合には、上記挿入力Fにより制御基板92の樹脂成形体94に対する位置がずれる虞があり、例えば制御回路とバスバー100を接続する半田107が剥離して接続不良が生じる等、制御装置の信頼性が低下するという問題が生じる。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、信頼性の低下を招くことなく、制御基板の小型化及び製造工程の簡素化を図ることができる制御装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、アクチュエータの作動を制御するための制御信号を出力する制御回路が実装された制御基板と、前記制御信号に応じて前記アクチュエータに駆動電流を供給する駆動回路が実装されたパワー基板と、前記制御回路と前記駆動回路とを電気的に接続するバスバーを保持するとともに前記制御基板と前記パワー基板との間に介在される樹脂成形体と、前記制御基板に設けられ外部端子が接続されるコネクタとを備え、前記樹脂成形体には前記制御基板側に延びるピンが設けられるとともに、前記制御基板には前記ピンが挿入される挿入孔が形成され、前記バスバーは半田によって前記制御回路に接続される制御装置であって、前記挿入孔の内周面には半田付けするためのランドが設けられ、前記ピンは金属材料からなる半田付け部を有し、該半田付け部は前記ピンにおける前記ランドと対向する部位に設けられ、前記制御基板は、前記半田付け部が前記ランドに半田によって接続されることにより、前記樹脂成形体に対して固定されたことを要旨とする。
【0012】
上記構成によれば、ピンの半田付け部が制御基板の挿入孔に設けられたランドに半田によって接続されることで制御基板が樹脂成形体(ピン)に対して固定されるため、外部端子をコネクタに挿入する際に作用する挿入力により、制御基板の樹脂成形体に対する位置がずれることを防止できる。そのため、ねじにより制御基板を樹脂成形体に固定しなくても、例えば外部端子をコネクタに挿入する際に制御回路とバスバーとを接続する半田が剥離せず、制御装置の信頼性が低下することを防止できる。
【0013】
また、上記構成では、ピンと制御基板とは半田により固定されるため、バスバーを半田付けする際に併せてピンを半田付けすることで、制御装置の製造工程の簡素化を図ることができる。さらに、ねじにより制御基板を樹脂成形体に固定しなくともよいため、ねじの頭部が接触する面積を制御基板上に確保せずともよく、制御基板の小型化を図ることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の制御装置において、前記半田付け部は、前記ピンが金属材料からなることで金属材料により構成され、前記ピンは、前記樹脂成形体にインサート成形されたことを要旨とする。
【0015】
一般に、半田のぬれ性を向上させるためには、半田付けされる部材(ピン)の温度を高くする必要がある。この点、上記構成によれば、ピンが金属材料からなるため、ピンを樹脂材料により構成する場合に比べ、容易にピンの温度を高くすることができ、半田のぬれ性を向上させて好適に半田付けすることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の制御装置において、前記ピンは、樹脂材料からなり、前記樹脂成形体と一体形成され、前記半田付け部は、前記ピンの外周面に金属めっきが施されたことで金属材料により構成されたことを要旨とする。
【0017】
上記構成によれば、ピンが樹脂成形体と一体に形成されるため、別部材からなるピンを樹脂成形体にインサート成形する場合に比べ、部品点数を削減することができる。
請求項4に記載の発明は、アクチュエータの作動を制御するための制御信号を出力する制御回路が実装された制御基板と、前記制御信号に応じて前記アクチュエータに駆動電流を供給する駆動回路が実装されたパワー基板と、前記制御回路と前記駆動回路とを電気的に接続するバスバーを保持するとともに前記制御基板と前記パワー基板との間に介在される樹脂成形体と、前記制御基板に設けられ外部端子が接続されるコネクタとを備え、前記樹脂成形体には前記制御基板側に延びるピンが設けられるとともに、前記制御基板には前記ピンが挿入される挿入孔が形成され、前記挿入孔の内周面には半田付けするためのランドが設けられ、前記ピンは金属材料からなる半田付け部を有し、該半田付け部は前記ピンにおける前記ランドと対向する部位に設けられ、前記バスバーが前記制御回路に半田によって接続されるとともに、前記半田付け部が前記ランドに半田によって接続される制御装置の製造方法であって、前記半田付け部は、局所フロー半田付けにより、前記バスバーとともに半田付けされることを要旨とする。
【0018】
上記構成によれば、局所フロー半田付けにより、バスバーとともにピンを半田付けするため、効率的に半田付けをすることができ、製造工程の簡素化を図ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、信頼性の低下を招くことなく、制御基板の小型化及び製造工程の簡素化を図ることが可能な制御装置及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態の制御装置の斜視図。
【図2】本実施形態の制御装置の分解斜視図。
【図3】本実施形態の制御基板を取り外した状態の制御装置の斜視図。
【図4】本実施形態の制御装置の側面図。
【図5】本実施形態の制御装置の概略構成を示す斜視図。
【図6】本実施形態の制御装置の概略構成を示す一部断面図。
【図7】本実施形態のピン及び挿入孔の概略構成を示す断面図。
【図8】樹脂成形体の製造方法を示す模式図。
【図9】ピンに局所フロー半田付けする状態を示す模式図。
【図10】別のピン及び挿入孔の概略構成を示す断面図。
【図11】従来の制御装置の概略構成を示す斜視図。
【図12】従来の制御装置の概略構成を示す一部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を電動パワーステアリング装置の駆動源として用いられるモータの作動を制御する制御装置に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1〜図4に示すように、制御装置11は、制御基板12と、パワー基板13と、これら制御基板12とパワー基板13との間に介在される樹脂成形体14と、パワー基板13が固定されるハウジング15とを備えている。また、図5及び図6に制御装置11の概略構成を示し、これら各図を併せて参照しつつ、以下説明する。
【0022】
図1、図2、図5及び図6に示すように、制御基板12上には、CPU(中央演算処理装置)を構成するIC21等が実装されており、同IC21等によってアクチュエータとしてのモータ16の作動を制御するための制御信号を出力する制御回路が構成されている。また、図2に示されるように、制御基板12には、所定位置に複数のスルーホール23が形成されるとともに、その厚み方向に貫通した複数の挿入孔24が形成されている。さらに、制御基板12には、車両に設けられたセンサ(図示略)の外部端子としての接続端子25(図6参照)が接続されるコネクタ26がねじ27により固定されている。コネクタ26、IC21、後述するバスバー41を電気的に接続する図示しない回路パターンが制御基板12上に形成されている。
【0023】
一方、図2及び図3に示すように、パワー基板13上には、スイッチング素子等の回路素子31や、樹脂成形体14に保持されるコンデンサ32等が実装されており、これら回路素子31やコンデンサ32等により制御回路から出力される制御信号に基づいてモータ16に駆動電力を供給する駆動回路が構成されている。このパワー基板13は、ねじ33によりハウジング15に固定されている。なお、このハウジング15はアルミ合金等の熱伝導率の高い金属からなり、パワー基板13において通電により発生した熱を効率的に放熱する構成とされている。また、ハウジング15は図示しない車両のフレームに対して固定される。
【0024】
図2〜図6に示すように、樹脂成形体14には、制御回路と駆動回路とを電気的に接続する複数のバスバー41がインサート成形されるとともに、制御基板12側に延びる複数のピン42が設けられている。そして、図1及び図5に示すように、制御基板12は、各ピン42をそれぞれ挿入孔24に挿入することで、各バスバー41がスルーホール23に挿入されるようになっている。具体的には、各ピン42は各バスバー41よりも制御基板12側に突出して形成されており、各ピン42をそれぞれ挿入孔24に挿入することで制御基板12の樹脂成形体14に対する位置決めがなされ、各バスバー41が対応するスルーホール23と対向する。そして、この状態からさらに各ピン42を挿入孔24に挿入することで、上記のように、各バスバー41がスルーホール23に挿入されるようになっている。なお、各バスバー41は半田45により制御基板12のスルーホール23に接続されている。バスバー41は銅板をプレスで切断曲げ加工することにより作られており、スルーホール23にスムーズに挿入することにより、これ自体の変形を防いでいる。
【0025】
また、本実施形態の樹脂成形体14には、係止爪43を有する係止片44が複数形成されており、制御基板12が樹脂成形体14上に配置された状態で、同係止爪43が制御基板12の外周縁に係止されるようになっている。そして、図1及び図6に示すように、樹脂成形体14は、パワー基板13とともにねじ46によりハウジング15に固定されており、バスバー41はパワー基板13上の所定位置に接続されている。
【0026】
次に、本実施形態の制御基板12の樹脂成形体14に対する固定構造について説明する。
図7に示すように、制御基板12の挿入孔24の内周には、銅などの半田付け可能な金属材料からなり、円筒状で両端につばが形成されたランド51が設けられている。一方、本実施形態のピン42は、鉄等の金属材料からなり、樹脂成形体14と一体にインサート成形されている。また、ピン42には、半田付け性のよい金属めっき(例えばスズめっき、或いは亜鉛めっき、ニッケルめっき)52が同ピン42全体に施されている。これにより、ピン42におけるランド51と対向する部位である半田付け部53が金属材料により構成されている。なお、ピン42(半田付け部53)とランド51との間には、製造上の公差を許容する等の理由から隙間が形成される。
【0027】
そして、本実施形態では、半田54によって上記隙間を埋めるようにして半田付け部53がランド51に接続されることにより、制御基板12が樹脂成形体14(ピン42)に対して固定されている。そのため、図6に示すように、接続端子25をコネクタ26に挿入する際に、挿入力Fが制御基板12に作用しても、制御基板12の樹脂成形体14に対する位置がずれない。
【0028】
なお、樹脂成形体14は、図8に示すように、上型61、下型62及びスライダ65からなる射出成形金型により製作される。詳しくは、上型61及び下型62により形成される樹脂成形体14の形状に対応した空間63内に、供給口64から溶融した樹脂を供給し、冷却することで前記樹脂成形体14が形成される。そして、同図に示すように、この空間63内に樹脂を供給する前に、複数のスライダ65によりピン42及びバスバー41を挟み込み保持し、上型61と下型62とを密着させ、前記空間63に溶融樹脂を射出することによって、ピン42及びバスバー41が樹脂成形体14にインサート成形される。この後、複数のバスバー41を連結する図示しない連結バーをカッタで除去する。
【0029】
また、図9に示すように、ピン42の制御基板12に対する半田付けは、半田付け装置71を用いた局所フロー半田付けにより、バスバー41の半田付けとともに行われる。具体的には、半田付け装置71は、溶融した半田が貯留される半田槽72と、複数のノズル73を有し半田槽72の上部に設けられる蓋体74と、半田槽72に貯留された半田をノズル73に送出するためのポンプ75とを備えている。各ノズル73は、蓋体74上におけるバスバー41及びピン42と対応する位置に設けられている。なお、説明の便宜上、図9においてはノズル73を1つだけ図示している。そして、ノズル73の上方に、制御装置11を反転させた状態で近接させ、ランド51とピン42との間、及びスルーホール23とバスバー41との間に半田を供給することで、一回の処理で各バスバー41及び各ピン42を制御基板12に半田付けするようになっている。なお、制御基板12が樹脂成形体14上に配置された状態では、係止爪43が制御基板12の外周縁に係止されるため、制御基板12を反転させて半田付けする際に、制御基板12が樹脂成形体14から脱落することが防止される。
【0030】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)制御装置11は、制御回路が実装された制御基板12と、駆動回路が実装されたパワー基板13と、制御回路と駆動回路とを電気的に接続するバスバー41を保持するとともに制御基板12とパワー基板13との間に介在される樹脂成形体14とを備えた。また、樹脂成形体14にピン42を設けるとともに、制御基板12に挿入孔24を形成した。そして、挿入孔24の内周面にランド51を設けるとともに、ピン42におけるランド51と対向する部位に金属材料からなる半田付け部53を設け、半田付け部53をランド51に半田54によって接続することにより、制御基板12を樹脂成形体14に対して固定した。
【0031】
上記構成によれば、ピン42の半田付け部53がランド51に半田54によって接続されることで制御基板12が樹脂成形体14(ピン42)に対して固定されるため、接続端子25をコネクタ26に挿入する際に作用する挿入力Fにより、制御基板12の樹脂成形体14に対する位置がずれることを防止できる。そのため、ねじ(図11参照)により制御基板12を樹脂成形体14に固定しなくても、例えば接続端子25をコネクタ26に挿入する際に制御回路とバスバー41とを接続する半田が剥離せず、制御装置11の信頼性が低下することを防止できる。
【0032】
また、上記構成では、ピン42と制御基板12とは半田54により固定されるため、バスバー41を半田付けする際に併せてピン42を半田付けすることで、制御装置11の製造工程の簡素化を図ることができる。さらに、ねじにより制御基板12を樹脂成形体14に固定しなくともよいため、ねじの頭部が接触する面積を制御基板12上に確保せずともよく、制御基板12の小型化を図ることができる。
【0033】
(2)ピン42は、金属材料により構成し、樹脂成形体14にインサート成形した。
ここで、一般に、半田のぬれ性を向上させるためには、半田付けされる部材(ピン42)の温度を高くする必要がある。この点、上記構成によれば、ピン42が金属材料からなり、熱伝導率が良いため、ピン42を樹脂材料により構成する場合に比べ、容易にピン42の温度を高くすることができ、半田のぬれ性を向上させて好適に半田付けすることができる。
【0034】
(3)ピン42を、局所フロー半田付けにより、バスバー41とともに制御基板12に接続するようにしたため、効率的に半田付けをすることができ、製造工程の簡素化を図ることができる。
【0035】
(4)樹脂成形体14にピン42を複数形成するとともに、制御基板12に挿入孔24を複数形成し、各ピン42をそれぞれ各挿入孔24に挿入することにより、各バスバー41がスルーホール23に挿入されるようにしたため、制御装置11の組み付け性を向上させることができる。
【0036】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、ピン42を、金属材料により構成し、樹脂成形体14と一体にインサート成形した。しかし、これに限らず、図10に示すように、ピン81を射出成型時に樹脂成形体14と一体形成して樹脂により構成し、無電解めっきを使って同ピン81の外周面に半田付け可能な金属めっき82を施すようにしてもよい。このように構成した場合には、ピン81の外周面に金属めっき82が施されることにより、ランド51との対向部である半田付け部83が金属材料により構成される。また、この構成によれば、上記実施形態の(1)に準じた効果を奏するとともに、別部材からなるピンを樹脂成形体14にインサート成形する場合に比べ、部品点数を削減することができる。
【0037】
・上記実施形態では、ピン42に、半田付け性のよい金属めっき52を施したが、これに限らず、ピン42を半田付け可能な金属により構成した場合には、金属めっきを施さなくてもよい。なお、このように構成した場合には、ピン42全体が金属材料により構成されることにより、ピン42におけるランド51と対向する部位である半田付け部が金属材料により構成される。
【0038】
・上記実施形態では、本発明をモータの作動を制御するための制御装置11に適用したが、これに限らず、モータ以外のアクチュエータの作動を制御するための制御装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0039】
11…制御装置、12…制御基板、13…パワー基板、14…樹脂成形体、24…挿入孔、25…接続端子、26…コネクタ、41…バスバー、42,81…ピン、45,54…半田、51…ランド、52,82…金属めっき、53,83…半田付け部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータの作動を制御するための制御信号を出力する制御回路が実装された制御基板と、前記制御信号に応じて前記アクチュエータに駆動電流を供給する駆動回路が実装されたパワー基板と、前記制御回路と前記駆動回路とを電気的に接続するバスバーを保持するとともに前記制御基板と前記パワー基板との間に介在される樹脂成形体と、前記制御基板に設けられ外部端子が接続されるコネクタとを備え、前記樹脂成形体には前記制御基板側に延びるピンが設けられるとともに、前記制御基板には前記ピンが挿入される挿入孔が形成され、前記バスバーは半田によって前記制御回路に接続される制御装置であって、
前記挿入孔の内周面には半田付けするためのランドが設けられ、
前記ピンは金属材料からなる半田付け部を有し、該半田付け部は前記ピンにおける前記ランドと対向する部位に設けられ、
前記制御基板は、前記半田付け部が前記ランドに半田によって接続されることにより、前記樹脂成形体に対して固定されたことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置において、
前記半田付け部は、前記ピンが金属材料からなることで金属材料により構成され、
前記ピンは、前記樹脂成形体にインサート成形されたことを特徴とする制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の制御装置において、
前記ピンは、樹脂材料からなり、前記樹脂成形体と一体形成され、
前記半田付け部は、前記ピンの外周面に金属めっきが施されたことで金属材料により構成されたことを特徴とする制御装置。
【請求項4】
アクチュエータの作動を制御するための制御信号を出力する制御回路が実装された制御基板と、前記制御信号に応じて前記アクチュエータに駆動電流を供給する駆動回路が実装されたパワー基板と、前記制御回路と前記駆動回路とを電気的に接続するバスバーを保持するとともに前記制御基板と前記パワー基板との間に介在される樹脂成形体と、前記制御基板に設けられ外部端子が接続されるコネクタとを備え、
前記樹脂成形体には前記制御基板側に延びるピンが設けられるとともに、前記制御基板には前記ピンが挿入される挿入孔が形成され、
前記挿入孔の内周面には半田付けするためのランドが設けられ、
前記ピンは金属材料からなる半田付け部を有し、該半田付け部は前記ピンにおける前記ランドと対向する部位に設けられ、
前記バスバーが前記制御回路に半田によって接続されるとともに、前記半田付け部が前記ランドに半田によって接続される制御装置の製造方法であって、
前記半田付け部は、局所フロー半田付けにより、前記バスバーとともに半田付けされることを特徴とする制御装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−125179(P2011−125179A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282697(P2009−282697)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】