説明

前立腺癌のリスクに寄与する遺伝子変異体

【課題】早期段階前立腺癌検出及び予後を容易にするであろう改良された診断法、ならびに該疾患の予防的及び治癒的治療における補助に対する大きな要求が明白に存在する。加えて、前立腺癌の進行性形態を有する可能性がある患者を、前立腺内に局在して残り及び罹患率又は死亡率には有意に寄与しない、前立腺癌のより良性な形態を有する可能性が高い患者からより良好に識別するためのツールを開発することが要求されている。
【解決手段】本発明は、前立腺癌についての感受性変異体である、ある種の遺伝子変異体により特徴付けられる。本発明は、こうした変異体を使用し、前立腺癌に対する増加した感受性を決定する方法、ならびに、前立腺癌に対する減少した感受性を決定する方法に関する。本発明はさらに、前立腺癌に対する感受性を決定するためのキットに関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト個体において前立腺癌に対する感受性を決定するための方法であって、該個体から得られた核酸サンプル中の少なくとも一つの多型マーカーの少なくとも一つのアレルの存在又は不存在を決定することを含んでなり、該少なくとも一つの多型マーカーが表7〜11に示した多型マーカー及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーから選択され、及び該少なくとも一つのアレルの存在が前立腺癌に対する感受性を示す、前記方法。
【請求項2】
ヒト個体において前立腺癌に対する感受性を決定するための方法であって、該個体に由来する遺伝子型データセット中の少なくとも一つの多型マーカーの少なくとも一つのアレルの存在又は不存在を決定することを含んでなり、該少なくとも一つの多型マーカーが表7〜11に示した多型マーカー及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーから選択され、及び該少なくとも一つのアレルの存在が前立腺癌に対する感受性を示す、前記方法。
【請求項3】
該少なくとも一つの多型マーカーが、マーカーrs3923603(配列番号1)、rs4430796(配列番号2)、rs7501939(配列番号3)、rs1859962(配列番号4)、D17S1350(配列番号5)、rs5945572(配列番号6)、rs5945605(配列番号7)、rs2710646(配列番号8)、rs3760511(配列番号56)、rs7214479(配列番号134)、rs6501445(配列番号146)、rs983085(配列番号150)、rs5945605(配列番号178)及びrs721048(配列番号344)及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーから選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
該少なくとも一つの多型マーカーが、rs2710646(配列番号8)及びrs721048(配列番号344)、及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーから選択される、前記請求項のいずれかの方法。
【請求項5】
該少なくとも一つの多型マーカーが、表11に示したマーカーから選択される、請求項4の方法。
【請求項6】
該少なくとも一つの多型マーカーが、rs3923603(配列番号1)又はそれらと連鎖不均衡にあるマーカーである、請求項1〜3のいずれかの方法。
【請求項7】
該少なくとも一つの多型マーカーが、表7に示したマーカーから選択される、請求項6の方法。
【請求項8】
該少なくとも一つの多型マーカーが、rs7501939(配列番号3)又はそれらと連鎖不均衡にあるマーカーである、請求項1〜3いずれかの方法。
【請求項9】
該少なくとも一つの多型マーカーが、表8に示したマーカーの群から選択される、請求項8の方法。
【請求項10】
該少なくとも一つの多型マーカーが、rs1859962(配列番号4)又はそれらと連鎖不均衡にあるマーカーである、請求項1〜3のいずれかの方法。
【請求項11】
該少なくとも一つの多型マーカーが、表9に示したマーカーの群から選択される、請求項10の方法。
【請求項12】
該少なくとも一つの多型マーカーが、rs5945572(配列番号6)又はそれらと連鎖不均衡にあるマーカーである、請求項1〜3のいずれかの方法。
【請求項13】
該少なくとも一つの多型マーカーが、表10に示したマーカーの群から選択される、請求項12の方法。
【請求項14】
該少なくとも一つの多型マーカーが、0.2より大きな連鎖不均衡尺度r2の値によりTCF2遺伝子に関連するマーカーから選択される、請求項1〜3のいずれかの方法。
【請求項15】
該少なくとも一つの多型マーカーが、表13に示したマーカーから選択される、請求項14の方法。
【請求項16】
さらに、該個体における少なくとも一つのハプロタイプの頻度を評価することを含んでなる、前記請求項のいずれかの方法。
【請求項17】
該感受性が、増加した感受性である、前記請求項のいずれかの方法。
【請求項18】
マーカーrs3923603中のアレルA、rs7501939中のアレルC、rs1859962中のアレルG、rs5945572中のアレルA、rs2710646中のアレルA、rs3760511中のアレルC、rs4430796中のアレルA、rs7214479中のアレルT、rs6501455中のアレルA、rs983085中のアレルC、rs5945605中のアレルT又はrs721048中のアレルAの存在が、前立腺癌に対する増加した感受性を示す、請求項17の方法。
【請求項19】
該少なくとも一つのアレル又はハプロタイプの存在が、少なくとも1.2の相対リスク(RR)又はオッズ比(OR)を有する増加した感受性を示す、請求項17又は18の方法。
【請求項20】
該少なくとも一つのアレル又はハプロタイプの存在が、少なくとも1.3の相対リスク(RR)又はオッズ比(OR)を有する増加した感受性を示す、請求項17又は19の方法。
【請求項21】
該感受性が、減少した感受性である、請求項1〜16のいずれかの方法。
【請求項22】
該少なくとも一つのマーカー又はハプロタイプが、0.9未満の相対リスク(RR)又はオッズ比(OR)を有する、請求項21の方法。
【請求項23】
該少なくとも一つのマーカー又はハプロタイプが、0.8未満の相対リスク(RR)又はオッズ比(OR)を有する、請求項21又は22の方法。
【請求項24】
該前立腺癌が進行性前立腺癌である、前記請求項のいずれかの方法。
【請求項25】
該少なくとも一つのマーカー又はハプロタイプの存在が、より進行性の前立腺癌及び/又はより悪い予後を示す、請求項1〜23のいずれかの方法。
【請求項26】
該マーカー又はハプロタイプの存在が、特定の治療モダリティーへの対象の異なった応答率を示す、前記請求項のいずれかの方法。
【請求項27】
該少なくとも一つのマーカー又はハプロタイプの存在が、腫瘍又はその前駆体における体細胞再編成への素因を示す、前記請求項のいずれかの方法。
【請求項28】
該体細胞再編成が、増幅、転座、挿入及び欠失から成る群より選択される、請求項27の方法。
【請求項29】
前立腺癌に対する感受性を評価することにおいて使用するためのマーカーの同定法であって、
a.表7、8、9、10又は11(配列番号1〜362)のいずれかに示したマーカーの少なくとも一つと連鎖不均衡にある、少なくとも一つの多型マーカーを同定すること;
b.前立腺癌と診断された又は前立腺癌に対する感受性を有している個体のサンプルの遺伝子型状態を決定すること;及び
c.対照個体のサンプルの遺伝子型状態を決定すること;
を含んでなり、前立腺癌と診断された又は前立腺癌に対する感受性を有している個体における、少なくとも一つの多型中の少なくとも一つのアレルの頻度の有意な相違が(対照サンプルにおける該少なくとも一つのアレルの頻度と比較して)、該少なくとも一つの多型が前立腺癌に対する感受性を評価するために有用であることを示す、前記方法。
【請求項30】
連鎖不均衡が、0.2より大きなr2及び/又は0.8より大きな|D’|の数値により特徴付けられる、前記請求項のいずれかの方法。
【請求項31】
前立腺癌と診断された又は前立腺癌に対する感受性を有している個体における、少なくとも一つの多型中の少なくとも一つのアレルの頻度の増加が(対照サンプルにおける該少なくとも一つのアレルの頻度と比較して)、該少なくとも一つの多型が前立腺癌に対する増加した感受性を評価するために有用であることを示す、請求項29又は請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前立腺癌と診断された又は前立腺癌に対する感受性を有している個体における、少なくとも一つの多型中の少なくとも一つのアレルの頻度の減少が(対照サンプルにおける該少なくとも一つのアレルの頻度と比較して)、該少なくとも一つの多型が前立腺癌に対する減少した感受性を評価するために有用であることを示す、請求項29〜31のいずれかの方法。
【請求項33】
前立腺癌のリスクがある、又は前立腺癌と診断されたヒト個体から得られた核酸サンプルの遺伝子型同定の方法であって、該サンプル中の少なくとも一つの多型マーカーの少なくとも一つのアレルの存在又は不存在を決定することを含んでなり、該少なくとも一つのマーカーは表7〜11(配列番号1〜362)に示したマーカー、及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーから成る群より選択され、及び該少なくとも一つの多型マーカーの少なくとも一つのアレルの存在又は不存在は、前立腺癌に対する感受性を示す、前記方法。
【請求項34】
該少なくとも一つのマーカーが、rs3923603(配列番号1)、rs4430796(配列番号2)、rs7501939(配列番号3)、rs1859962(配列番号4)、D17S1350(配列番号5)、rs5945572(配列番号6)、rs5945605(配列番号7)、rs2710646(配列番号8)、rs3760511(配列番号56)、rs7214479(配列番号134)、rs6501445(配列番号146)、rs983085(配列番号150)、rs5945605(配列番号178)及びrs721048(配列番号344)、及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーから選択される、請求項33の方法。
【請求項35】
連鎖不均衡が、少なくとも0.2のr2の数値及び/又は少なくとも0.8の|D’|の数値により決定される、請求項33又は34の方法。
【請求項36】
遺伝子型同定が、該少なくとも一つの多型マーカーに隣接するヌクレオチドプライマー対を使用し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により該少なくとも一つの多型マーカーを含んでなる核酸のセグメントを増幅することを含んでなる、請求項33〜35のいずれかの方法。
【請求項37】
遺伝子型同定が、アレル特異的プローブハイブリダイゼーション、アレル特異的プライマー伸張、アレル特異的増幅、核酸シークエンシング、5’−エキソヌクレアーゼ消化、分子ビーコンアッセイ、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ、サイズ分析、及び一本鎖配座解析から選択されるプロセスを使用して実施される、請求項33〜36のいずれかの方法。
【請求項38】
該プロセスがアレル特異的プローブハイブリダイゼーションを含んでなる、請求項37の方法。
【請求項39】
該プロセスがDNAシークエンシングを含んでなる、請求項37の方法。
【請求項40】
請求項33〜39のいずれかに記載の方法であって、
1)該核酸のコピーと検出オリゴヌクレオチドプローブ及びエンハンサーオリゴヌクレオチドプローブを、該核酸と該オリゴヌクレオチドプローブの特異的ハイブリダイゼーションのための条件下で接触させること;
ここで
a)該検出オリゴヌクレオチドプローブは5〜100ヌクレオチド長であり、そのヌクレオチド配列が配列番号1〜配列番号362のいずれか一つにより与えられる核酸の第一のセグメントに特異的にハイブリダイズし;
b)該検出オリゴヌクレオチドプローブは、その3’末端に検出可能標識を、及びその5’末端にクエンチング部分を含んでなり;
c)該エンハンサーオリゴヌクレオチドは5〜100ヌクレオチド長であり、両方のオリゴヌクレオチドが該核酸にハイブリダイズされた時、該エンハンサーオリゴヌクレオチドが該検出オリゴヌクレオチドプローブに関して3’に位置されるように、該オリゴヌクレオチドプローブに関して5’にある該ヌクレオチド配列の第二のセグメントに相補的であり;及び
d)該オリゴヌクレオチドプローブ及びエンハンサーオリゴヌクレオチドプローブが両方とも該核酸にハイブリダイズされた時、該オリゴヌクレオチド間に単一塩基ギャップが存在するように、第一のセグメント及び第二のセグメント間に単一塩基ギャップが存在する;
2)検出プローブが該核酸にハイブリダイズされた時、該検出プローブの3’末端から検出可能標識を切断して遊離検出可能標識を放出するであろうエンドヌクレアーゼで該核酸を処理すること;及び
3)遊離検出可能標識を測定すること、ここで遊離検出可能標識の存在は、該検出プローブが該核酸の第一のセグメントへ特異的にハイブリダイズされたことを示し、及び検出プローブの補体としての多型部位の配列を示す、前記方法。
【請求項41】
該核酸のコピーがポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅により提供される、請求項40の方法。
【請求項42】
該感受性が、増加した感受性である、請求項33〜41のいずれかの方法。
【請求項43】
該感受性が、減少した感受性である、請求項33〜42のいずれかの方法。
【請求項44】
該前立腺癌が、進行性前立腺癌である、請求項33〜43のいずれかの方法。
【請求項45】
前立腺癌に関連する症状を予防する及び/又は寛解するための療法剤への応答の可能性について個体を評価する方法であって、該個体から得られた核酸サンプル中の少なくとも一つの多型マーカーの少なくとも一つのアレルの存在又は不存在を決定することを含んでなり、該少なくとも一つの多型マーカーは、表7〜11(配列番号1〜362)に示した多型マーカー及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーから成る群より選択され、該少なくとも一つのマーカーの該少なくとも一つのアレルの存在は、該療法剤への陽性反応の可能性を示す、前記方法。
【請求項46】
癌と診断された個体の予後を予測する方法であって、該個体から得られた核酸サンプル中の少なくとも一つの多型マーカーの少なくとも一つのアレルの存在又は不存在を決定することを含んでなり、該少なくとも一つの多型マーカーは、表7〜11に示した多型マーカー及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーから成る群より選択され、該少なくとも一つのアレルの存在は該個体における癌のより悪い予後を示す、前記方法。
【請求項47】
前立腺癌について治療されている個体における治療の進行をモニタリングする方法であって、該個体から得られた核酸サンプル中の少なくとも一つの多型マーカーの少なくとも一つのアレルの存在又は不存在を決定することを含んでなり、該少なくとも一つの多型マーカーは表7〜11にリストした多型マーカー(配列番号1〜362)及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーから成る群より選択され、該少なくとも一つのアレルの存在は、該個体の治療結果を示す、前記方法。
【請求項48】
該少なくとも一つの多型マーカーが、rs3923603(配列番号1)、rs4430796(配列番号2)、rs7501939(配列番号3)、rs1859962(配列番号4)、D17S1350(配列番号5)、rs5945572(配列番号6)、rs5945605(配列番号7)、rs2710646(配列番号8)、rs3760511(配列番号56)、rs7214479(配列番号134)、rs6501445(配列番号146)、rs983085(配列番号150)、rs5945605(配列番号178)及びrs721048(配列番号344)、及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーから選択される、請求項46又は47に記載の方法。
【請求項49】
いずれか二つのマーカー間の連鎖不均衡が、少なくとも0.2のr2の数値及び/又は少なくとも0.8の|D’|の値により特徴付けられる、請求項45〜48のいずれかの方法。
【請求項50】
該前立腺癌が、進行性前立腺癌である、請求項45〜49のいずれかの方法。
【請求項51】
さらに、該個体からのサンプル中の少なくとも一つのバイオマーカーを評価することを含んでなる、前記請求項のいずれかの方法。
【請求項52】
該サンプルが、血液サンプル又は癌バイオプシーサンプルである、請求項51の方法。
【請求項53】
さらに、ヒト個体からのゲノムDNAを含んでなるサンプル、又はヒト個体に由来する遺伝子型データセットを、表7〜11に示したマーカーのいずれか一つとも連鎖不均衡にはない、前立腺癌のための少なくとも一つのアットリスク変異体の少なくとも一つのアットリスクアレルの存在又は不存在について分析することを含んでなる、前記請求項のいずれかの方法。
【請求項54】
該前立腺癌のための少なくとも一つのアットリスク変異体がrs10505483、rs1447295、rs6983267及びrs10896450、及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーから選択される、請求項53の方法。
【請求項55】
rs10505483中のアレルA、rs1447295中のアレルA、rs6983267中のアレルG及びrs10896450中のアレルGの存在が、前立腺癌の増加した感受性を示す、請求項54の方法。
【請求項56】
表7〜11に示した多型マーカー、及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーの群より選択される少なくとも二つの多型マーカーの少なくとも一つのアレルの存在又は不存在を決定することを含んでなり、該少なくとも二つの多型マーカーの少なくとも一つのアレルの存在が、前立腺癌に対する増加した感受性を示す、請求項1〜3のいずれかの方法。
【請求項57】
マーカーrs10505483、rs1447295、rs1859962、rs2710646、rs4430796、rs5945572及びrs6983267の各々のアットリスクアレルの存在又は不存在を決定することを含んでなる、請求項53〜56のいずれかの方法。
【請求項58】
マーカーrs10505483、rs1447295、rs1859962、rs2710646、rs4430796、rs5945572、rs6983267及びrs10896450の各々のアットリスクアレルの存在又は不存在を決定することを含んでなる、請求項53〜57いずれかの方法。
【請求項59】
該アットリスクアレルが、rs10505483中のアレルA、rs1447295中のアレルA、rs6983267中のアレルG、rs10896450中のアレルG、rs1859962中のアレルG、rs2710646中のアレルA、rs4430796中アレルAの及びrs5945572中のアレルAである、請求項58の方法。
【請求項60】
該個体のリスク評価、診断又は予後診断を行うため、非遺伝的情報を分析することをさらに含んでなる、前記請求項のいずれかの方法。
【請求項61】
非遺伝的情報が年齢、性別、民族性、社会経済的地位、既往症診断、対象の病歴、癌の家族歴、生化学的測定及び臨床的測定から選択される、請求項60の方法。
【請求項62】
さらに統合リスクを計算することを含んでなる、請求項53〜61のいずれかの方法。
【請求項63】
ヒト個体における前立腺癌に対する感受性を評価するためのキットであって、該個体のゲノム中の少なくとも一つの多型マーカーの少なくとも一つのアレルを選択的に検出するために必要な試薬を含んでなり、該多型マーカーは、表7〜11に示したマーカー(配列番号1〜362)及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーから選択され、該少なくとも一つのアレルの存在は、前立腺癌に対する感受性を示す、前記キット。
【請求項64】
該少なくとも一つの多型マーカーが、rs3923603(配列番号1)、rs4430796(配列番号2)、rs7501939(配列番号3)、rs1859962(配列番号4)、D17S1350(配列番号5)、rs5945572(配列番号6)、rs5945605(配列番号7)、rs2710646(配列番号8)、rs3760511(配列番号56)、rs7214479(配列番号134)、rs6501445(配列番号146)、rs983085(SEQ ID NO: 150)、rs5945605(配列番号178)及びrs721048(配列番号344)、及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーから選択される、請求項63のキット。
【請求項65】
連鎖不均衡が、少なくとも0.2のr2の数値及び/又は少なくとも0.8の|D’|の値により特徴付けられる、請求項63又は請求項64のキット。
【請求項66】
該前立腺癌が、進行性前立腺癌である、請求項63〜65のいずれかのキット。
【請求項67】
該試薬が、該少なくとも一つの多型マーカーを含んでなる該個体のゲノムの断片へハイブリダイズする少なくとも一つの隣接するオリゴヌクレオチド、緩衝液及び検出可能な標識を含んでなる、請求項63〜66のいずれかのキット。
【請求項68】
該試薬が、対象から得られたゲノム核酸セグメントの反対鎖にハイブリダイズする少なくとも一つのオリゴヌクレオチドの対を含んでなり、各オリゴヌクレオチドプライマー対が、一つの多型マーカーを含む該個体のゲノムの断片を選択的に増幅するように設計されており、及び該断片が少なくとも30塩基対のサイズである、請求項63〜67のいずれかのキット。
【請求項69】
該少なくとも一つのオリゴヌクレオチドが、該個体のゲノムと完全に相補的である、請求項68又は69ののキット。
【請求項70】
該オリゴヌクレオチドが、約18〜約50ヌクレオチド長である、請求項67〜69のいずれかのキット。
【請求項71】
オリゴヌクレオチドが、20〜30ヌクレオチド長である、請求項67〜70のいずれかのキット。
【請求項72】
請求項67〜71のいずれかのキットであって、
a.5〜100ヌクレオチド長である検出オリゴヌクレオチドプローブ;
b.5〜100ヌクレオチド長であるエンハンサーオリゴヌクレオチドプローブ;及び
c.エンドヌクレアーゼ酵素;を含んでなり;
該検出オリゴヌクレオチドプローブは、そのヌクレオチド配列が配列番号1〜配列番号362のいずれか一つにより与えられている核酸の第一のセグメントへ特異的にハイブリダイズし;及び
該検出オリゴヌクレオチドプローブは、その3’末端に検出可能な標識及びその5’末端にクエンチング部分を含んでなり;
該エンハンサーオリゴヌクレオチドは、5〜100ヌクレオチド長であり、そして両方のオリゴヌクレオチドが該核酸にハイブリダイズされた時、該エンハンサーオリゴヌクレオチドが該検出オリゴヌクレオチドプローブに関して3’に位置されるように、該オリゴヌクレオチドプローブに関して5’にある該ヌクレオチド配列の第二のセグメントに相補的であり;
該オリゴヌクレオチドプローブ及びエンハンサーオリゴヌクレオチドプローブが両方とも該核酸にハイブリダイズされた時、該オリゴヌクレオチド間に単一塩基ギャップが存在するように、第一のセグメント及び第二のセグメント間に単一塩基ギャップが存在し;及び
該核酸をエンドヌクレアーゼで処理することは、該検出プローブが該核酸にハイブリダイズされた時、該検出プローブの3’末端から検出可能標識を切断して遊離検出可能標識を放出するであろう、前記キット。
【請求項73】
ヒト個体において前立腺癌を診断する及び/又は前立腺癌に対する感受性を評価するための試薬の製造におけるオリゴヌクレオチドプローブの使用であって、該プローブは、そのヌクレオチド配列が配列番号1〜配列番号362のいずれか一つにより与えられる核酸のセグメントにハイブリダイズし、該プローブは15〜500ヌクレオチド長である、前記使用。
【請求項74】
コンピューター可読媒体であって、
a.少なくとも一つの多型マーカーのための識別子;
b.前立腺癌と診断された多数の個体における、前記少なくとも一つの多型マーカーの少なくとも一つのアレルの頻度の指標;及び
c.多数の基準個体における、前記少なくとも一つの多型マーカーの少なくとも一つのアレルの頻度の指標;を保存し;
該少なくとも一つの多型マーカーが、表7〜11に示した多型マーカー、及びそれらと連鎖不均衡にある多型から選択される、前記媒体。
【請求項75】
該多型マーカーが、rs3923603(配列番号1)、rs4430796(配列番号2)、rs7501939(配列番号:3)、rs1859962(配列番号4)、D17S1350(配列番号5)、rs5945572(配列番号6)、rs5945605(配列番号7)、rs2710646(配列番号8)、rs3760511(配列番号56)、rs7214479(配列番号134)、rs6501445(配列番号146)、rs983085(配列番号150)、rs5945605(配列番号178)及びrs721048(配列番号344)、及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーから選択される、請求項74に記載の媒体。
【請求項76】
さらに多数の個体の祖先についての情報を含んでなる、請求項74又は75の媒体。
【請求項77】
ヒト個体において前立腺癌のための遺伝的指標を決定するための装置であって、
コンピューター可読可能メモリー;及び
コンピューター可読可能メモリー上に保存されたルーチン;を含んでなり;
該ルーチンは、表7〜11に示したマーカー及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーから選択される少なくとも一つの多型マーカーに関する少なくとも一つのヒト個体についてのマーカー及び/又はハプロタイプ情報を分析するためのプロセッサーで実行されるように、及び該マーカー又はハプロタイプ情報に基づいた出力を発生するように適応しており、該出力が該ヒト個体についての前立腺癌の遺伝的指標としての、少なくとも一つのマーカー又はハプロタイプのリスク尺度を含んでなる、前記装置。
【請求項78】
該ルーチンが、前立腺癌と診断された多数の個体における、少なくとも一つの多型マーカー又は少なくとも一つのハプロタイプの少なくとも一つのアレルの頻度の指標、及び多数の基準個体における、少なくとも一つの多型マーカー又は少なくとも一つのハプロタイプの少なくとも一つのアレルの頻度の指標をさらに含んでなり、リスク尺度が、前立腺癌と診断された多数の個体の少なくとも一つのマーカー又はハプロタイプ情報の頻度の指標に対する、ヒト個体の少なくとも一つのマーカー及び/又はハプロタイプ状態の比較に基づいている、請求項77の装置。
【請求項79】
該少なくとも一つの多型マーカーが、rs3923603(配列番号1)、rs4430796(配列番号2)、rs7501939(配列番号3)、rs1859962(配列番号4)、D17S1350(配列番号5)、rs5945572(配列番号6)、rs5945605(配列番号7)、rs2710646(配列番号8)、rs3760511(配列番号56)、rs7214479(配列番号134)、rs6501445(配列番号146)、rs983085(配列番号150)、rs5945605(配列番号178)及びrs721048(配列番号344)、及びそれらと連鎖不均衡にあるマーカーから選択される、請求項77又は78の装置。
【請求項80】
連鎖不均衡が、少なくとも0.2のr2の数値及び/又は少なくとも0.8の|D’|の値により特徴付けられる、請求項74〜79のいずれかに記載の装置又は媒体。
【請求項81】
該リスク尺度がオッズ比(OR)又は相対リスク(RR)により特徴付けられる、請求項77〜80いずれかの装置。

【図1】
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【公表番号】特表2010−520745(P2010−520745A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548801(P2009−548801)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際出願番号】PCT/IS2008/000003
【国際公開番号】WO2008/096375
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(507381673)
【Fターム(参考)】