説明

割付装置及び割付プログラム

【課題】キーレイアウト画像の各キーボタンに商品を割り付けるための作業負担を軽減する。
【解決手段】割付装置は、名称を表示した商品の中からキーボタン割付対象として選択された商品のデータを、特定されたキーボタンに関連付けて登録する。このとき、この登録する商品に関連する商品が存在することを認識すると、その関連する商品を次のキーボタン割付対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品を特定するデータの入力に供されるキーボタンに商品を割り付ける割付装置及びコンピュータを前記割付装置として機能させるための割付プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店向けの注文受付装置として、画面に複数のキーボタン画像からなるキーレイアウト画像を表示し、操作されたキーボタンに割り付けられた商品の注文を受付けるようにしたものがある。キーレイアウト画像は、キーボタン画像を複数、例えばマトリクス状に配置してなる。各キーボタン画像を表示している領域には、それぞれメニューにある商品のキーボタンが割り付けられる。各キーボタンに商品を割り付ける場合、従来は、1つのセキーボタンに1つの商品を割り付けるという作業を繰り返していた。このため、作業者の負担が非常に大きかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−044942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、キーボタンに商品を割り付ける作業の負担を軽減することができる割付装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態の割付装置は、割付情報記憶手段、割付情報記憶手段、商品データ記憶手段。関連商品情報記憶手段、キーボタン特定手段、商品名表示手段、選択商品登録手段及び割付商品特定手段を有する。割付情報記憶手段は、各商品の選択入力時に操作させるキーボタンをどのように割付けるのかというキーボタン割付情報を記憶する。商品データ記憶手段は、各キーボタンへ割付ける商品を特定するデータに対応付けて、各商品の名称を記憶する。関連商品情報記憶手段は、商品毎に他の商品との関連性情報を記憶する。キーボタン特定手段は、商品データ記憶手段に記憶している商品が割付けられるキーボタンを特定する。商品名表示手段は、商品データ記憶手段に記憶している商品の名称を呼び出し表示する。選択商品登録手段は、商品名表示手段により名称を表示した商品の中からキーボタン割付対象として選択された商品のデータを、キーボタン特定手段によって特定されたキーボタンに関連付けて割付情報記憶手段に登録する。割付商品特定手段は、選択商品登録手段により登録する商品に関連する商品が存在することを関連商品情報記憶手段に記憶する情報に基づいて認識すると、その関連する商品を次のキーボタン割付対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】一実施形態における注文管理システムの全体構成図。
【図2】一実施形態において、メニューデータベースに保存されるメニューデータの構造を示す模式図。
【図3】一実施形態の注文管理システムに組み込まれるPOS端末の要部構成を示すブロック図。
【図4】一実施形態におけるキーレイアウトの説明図。
【図5】一実施形態において、POS端末のRAMに形成される主要なメモリエリアを示す模式図。
【図6】一実施形態において、割付プログラムに従ってPOS端末のCPUが実行する処理の手順を示す流れ図。
【図7】図6におけるメニュー割付処理の手順を具体的に示す流れ図。
【図8】メニュー割付画面の割付前の状態を示す模式図。
【図9】メニュー割付画面の割付後の状態を示す模式図。
【図10】第2の実施形態において、メニューデータベースに保存されるメニューデータの構造を示す模式図。
【図11】第2の実施形態において、POS端末のRAMに形成される関連テーブルを示す模式図。
【図12】第2の実施形態において、割付プログラムに従ってPOS端末のCPUが実行する処理の中のメニュー割付処理の手順を具体的に示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、割付装置の実施形態を、図面を用いて説明する。本実施形態は、飲食店に構築される注文管理システムのPOS(Point Of Sales)端末を、予めインストールされた割付プログラムの実行により割付装置として機能させる場合である。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における注文管理システム1の全体構成図である。注文管理システム1は、複数のハンディターミナル11と、中継器12と、注文サーバ13と、厨房端末14と、POS端末15とを含む。各ハンディターミナル11は、無線回路を内蔵しており、中継器12と無線通信が可能である。注文サーバ13は、中継器12、厨房端末14及びPOS端末15と、ネットワーク16による有線通信が可能である。
【0009】
なお、中継器12、厨房端末14及びPOS端末15の台数は、1台に限定されるものではない。それぞれ2台以上の中継器12、厨房端末14及びPOS端末15をネットワーク16に接続して、注文管理システム1を構築してもよい。
【0010】
ハンディターミナル11は、キーボードと表示器を備える。表示器は、タッチパネルとなっている。ハンディターミナル11は、注文受付装置の一態様であり、店の接客担当者が携帯する。そして、客からメニューにある商品の注文を受けると、接客担当者は、キーボードまたはタッチパネルを操作してその注文を受けた商品のデータ(メニューコード,注文数等)を入力する。入力された注文データは無線送信され、中継器12を介して注文サーバ13に送られる。
【0011】
注文サーバ13は、メニューデータベース17を備える。メニューデータベース17には、本システムが構築される飲食店のメニューにある各種商品のデータ(以下、メニューデータと称する)が蓄積される。
【0012】
メニューデータの構造を図2の模式図で示す。図2に示すように、メニューデータは、レコード番号、メニューコード,メニュー名称、種別コード、単価、関連フラグ、関連メニューコードの項目を含む。レコード番号は、メニューデータ固有の番号であり、1から始まる連続番号である。メニューコードは、メニューにある各種商品を識別するためのコードである。メニュー名称は、対応するメニューコードによって特定される商品のメニューでの名称である。種別コードは、対応するメニューコードによって特定される商品が属するカテゴリを識別するためのコードである。カテゴリには、例えば洋食、和食、中華、軽食、ドリンク類等がある。単価は、対応するメニューコードによって特定される商品の1点あたりの価格である。
【0013】
関連フラグは、対応するメニューコードによって特定される商品に対して関連する商品があるか否かを識別する。本実施形態において、関連する商品とは、品目は同じだか別商品として取扱われる商品同士を定義する。例えば、ホットコーヒーとアイスコーヒー、レモンティとアイスレモンティ、ホットミルクとアイスミルク等のように、暖かい商品と冷たい商品とがある品目がこれに該当する。関連する商品がある場合に、その関連する商品のメニューコードが関連メニューコードとしてメニューデータに付加される。
ここに、メニューデータベース17は、商品データ記憶手段及び関連商品情報記憶手段を構成する。
【0014】
注文サーバ13は、ハンディターミナル11から送信された注文データを、中継器12を介して取り込むと、メニューデータベース17を参照して注文受付データを生成し、客別に記憶する。厨房端末14は、前記注文受付データを基に調理指示データを作成し、表示または印字によって調理担当者に通知する。POS端末15は、前記注文受付データを基に客が飲食した商品の代金を算出し、この代金データと客の支払いデータとから会計を処理する。
【0015】
図3は、POS端末15の要部構成を示すブロック図である。POS端末15は、コンピュータの中枢であるプロセッサとしてCPU(Central Processing Unit)21を搭載する。そしてこのCPU21に、アドレスバス,データバス等のバスライン22を介して、ROM(Read Only Memory)23、RAM(Random Access Memory)24、HDD(Hard Disk Drive)25、時計部26、通信インターフェース27、キーボードコントローラ28、タッチパネルコントローラ29、表示コントローラ30、プリンタコントローラ31、I/O(Input/Output)ポート32等を接続して、POS端末15の制御回路を構成している。
【0016】
キーボードコントローラ28は、キーボード41からキー信号を取り込み、操作キーを判別する。タッチパネルコントローラ29は、タッチパネル42に画面を表示させる。そして、その画面のタッチ操作された位置座標を検出する。表示コントローラ30は、客用ディスプレイ43の表示を制御する。プリンタコントローラ31は、レシートを発行するためにプリンタ44を制御する。I/Oポート32は、現金などを収容するためのドロワ45に開放信号を出力する。
【0017】
かかる構成のPOS端末15は、前述した会計処理としての機能の他に、キーレイアウトに対する商品割付機能を有する。この機能は、前記ハンディターミナル11のタッチパネルに表示されるキーレイアウト50の画像データを作成し、各ハンディターミナル11に配信するもので、ROM23に格納した割付プログラムPによって実現される。
【0018】
本実施形態におけるキーレイアウト50を図4に示す。キーレイアウト50は、計16個の矩形のキーボタン50-1〜50-16を、縦4×横4のマトリクス状に配置している。そして、上から1列目の4つのキーボタン50-1〜50-4に対しては向かって左から順に“1”,“2”,“3”,“4”の番号を付し、上から2列目の4つのキーボタン50-5〜50-8に対しては向かって右から順に“5”,“6”,“7”,“8”の番号を付し、上から3列目の4つのキーボタン50-9〜50-12に対しては向かって左から順に“9”,“10”,“11”,“12”の番号を付し、上から4列目(最下列)の4つのキーボタン50-13〜50-16に対しては向かって右から順に“13”,“14”,“15”,“16”の番号を付している。このように、1列毎に各キーボタンに付す番号の昇順方向を逆方向にしている。
【0019】
POS端末15は、商品割付機能を実現するために、図5に示すメモリ領域61,62,63をRAM24に形成している。
【0020】
メモリ領域61は、割付候補テーブルである。割付候補テーブル61は、前記キーレイアウト50の各キーボタン50-1〜50-16への割付候補となる各種商品のメニュー名称及びメニューコードを、登録済フラグとともに記憶するためのエリアを有する。登録済フラグは、対応する商品がキーボタンに割り付けられるまでは“0”であり、割り付けられると“1”となる。
【0021】
メモリ領域62は、関連テーブルである。関連テーブル62は、割付候補となる各種商品のなかで関連する商品同士の各メニューコードを記憶するためのエリアを有する。
【0022】
メモリ領域63は、割付情報記憶手段としてのレイアウトテーブルである。レイアウトテーブル63は、キーレイアウト50の各キーボタン50-1〜50-16の番号“1”〜“16”に対応して、そのキーボタン50-1〜50-16の位置座標(X,Y)と、メニュー名称と、メニューコードとを記憶するためのエリアを有する。位置座標は、図4において、左上のキーボタン50-1を(1,1)とし、右にずれるにつれてY座標が1ずつ増加し、下にずれるにつれてX座標が1ずつ増加する。したがって、右下のキーボタン50-13は(4,4)となる。
【0023】
POS端末15において、種々の業務メニューの中からキーレイアウトに対する商品割付業務が選択されると、割付プログラムPが起動する。このプログラムPの起動により、CPU21は、図6の流れ図に示す手順の処理を実行する。
【0024】
先ず、CPU21は、商品の種別が選択されるのを待機する(ST1)。例えば、洋食、和食、中華、軽食、ドリンク類等の種別リストがタッチパネル42に表示されており、このリストからいずれかの種別が選択操作されると(ST1のYES)、CPU21は、番号カウンタiを一旦“0”にリセットする(ST2)。次いで、CPU21は、番号カウンタiを“1”だけカウントアップした後(ST3)、この番号カウンタiがメニューデータベース17に登録されているメニューデータの総数Nを超えたか否かを判断する(ST4)。
【0025】
番号カウンタiが総数Nを超えていない場合(ST4のNO)、CPU21は、メニューデータベース17からレコード番号がiのメニューデータを読み込む(ST5)。そしてCPU21は、読み込んだメニューデータの種別コードが、ステップST1の処理で選択された種別のコードと一致するか否かを判断する(ST6)。
【0026】
種別コードが一致しない場合(ST6のNO)、CPU21は、番号カウンタiをさらに“1”だけカウントアップする(ST3)。そして、ステップST4以降の処理を再度実行する。
【0027】
種別コードが一致する場合(ST6のYES)、CPU21は、読み込んだメニューデータのメニュー名称とメニューコードを、“0”の状態の登録済フラグとともに割付候補テーブル61に登録する(ST7:割付候補記憶手段)。
【0028】
次に、CPU21は、読み込んだメニューデータの関連フラグをチェックする(ST8)。関連フラグが“0”、すなわち関連するメニューがない場合には(ST8のNO)、CPU21は、番号カウンタiをさらに“1”だけカウントアップする(ST3)。そして、ステップST4以降の処理を再度実行する。
【0029】
関連フラグが“1”、すなわち関連するメニューがある場合には(ST8のYES)、CPU21は、読み込んだメニューデータの関連メニューコードが格納されているか関連テーブル62を検索する(ST9)。格納されている場合(ST10のYES)、CPU21は、番号カウンタiをさらに“1”だけカウントアップする(ST3)。そして、ステップST4以降の処理を再度実行する。
【0030】
これに対し、格納されていない場合には(ST10のNO)、CPU21は、読み込んだメニューデータのメニューコードを関連テーブル62のメニューコード1エリアに、関連メニューコードをメニューコード2エリアにそれぞれ格納する(ST11)。しかる後、CPU21は、番号カウンタiをさらに“1”だけカウントアップする(ST3)。そして、ステップST4以降の処理を再度実行する。
【0031】
こうして、CPU21は、番号カウンタiがメニューデータの総数Nを超えるまで、ステップST5〜ST11の処理を繰り返す。そして、番号カウンタiがメニューデータの総数Nを超えたならば(ST4のYES)、CPU21は、割付候補テーブル61に、登録されたデータを、メニュー名称が五十音順となるようにソートする(ST12)。
【0032】
次に、CPU21は、タッチパネル42にメニュー割付画面70を表示させる(ST13:画像表示手段)。メニュー割付画面70の一例を図8に示す。図8に示すように、メニュー割付画面70は、割付候補リスト71と、キーレイアウト画像72と、取消ボタン73と、終了ボタン74とが表示される。割付候補リスト71には、割付候補テーブル61に登録された商品のメニュー名称一覧が表示される(商品名表示手段)。キーレイアウト画像72は、キーレイアウト50の画像である。
【0033】
メニュー割付画面70を表示させたならば、CPU21は、図7で具体的に示すメニュー割付処理を実行する(ST14)。
先ず、CPU21は、番号カウンタjを“0”にリセットする(ST21)。次いで、CPU21は、割付候補リスト71の中からいずれかの商品が選択されるか(ST22)、終了ボタン74が入力されるのを待機する(ST23)。
【0034】
割付候補の商品が選択された場合(ST22のYES)、CPU21は、割付候補テーブル61に登録された選択商品の登録済フラグをチェックする(ST24)。そして、登録済フラグが“1”の場合、すなわち既に登録済の場合には(ST24のNO)、CPU21は、次の商品が選択されるか(ST22)、終了ボタン74が入力されるのを待機する(ST23)。
【0035】
これに対し、登録済フラグが“0”の場合、すなわち未登録の場合には(ST24のYES)、CPU21は、処理フラグfを“0”にする(ST25)。次いで、CPU21は、番号カウンタjを“1”だけカウントアップする(ST26:キーボタン特定手段)。そして、CPU21は、番号カウンタjがキーレイアウト50のキーボタンの数“16”以下か否かを判断する(ST27)。
【0036】
番号カウンタjがキーボタンの数“16”以下の場合(ST27のYES)、CPU21は、割付候補リスト71から選択商品のメニューコードとメニュー名称を読み出し、レイアウトテーブル63の番号jの領域に登録する(ST28:選択商品登録手段)。そしてCPU21は、選択商品の登録済フラグを“0”から“1”に変更する(ST29)。またCPU21は、キーレイアウト画像72における番号jのキーボタン内に選択商品のメニュー名称を表示させる(ST30:割付商品表示手段)。
【0037】
次いで、CPU21は、処理フラグが“1”であるか否かを判断する(ST31)。処理フラグが“1”でない場合(ST31のNO)、CPU21は、選択商品のメニューコードが関連テーブル62に存在するか検索する(ST32)。存在しない場合(ST32のNO)、CPU21は、次の商品が選択されるか(ST22)、終了ボタン74が入力されるのを待機する(ST23)。
【0038】
選択商品のメニューコードが関連テーブル62に存在する場合(ST32のYES)、CPU21は、関連テーブル62からその選択商品のメニューコードに関連するメニューコードを選択する(ST33:割付商品特定手段)。またCPU21は、処理フラグを“1”に変更する(ST34)。
【0039】
しかる後、CPU21は、その関連するメニューコードで特定される商品の登録済フラグをチェックする(ST35)。ここで、登録済フラグが“1”の場合、すなわち既に登録済の場合には(ST35のNO)、CPU21は、次の商品が選択されるか(ST22)、終了ボタン74が入力されるのを待機する(ST23)。
【0040】
これに対し、登録済フラグが“0”の場合、すなわち未登録の場合には(ST35のYES)、CPU21は、ステップST26の処理に戻る。そして、番号カウンタjをさらに“1”だけカウントアップしたならば、CPU21は、番号カウンタjがキーレイアウト画像72のキーボタンの数“16”以下か否かを判断する(ST27)。
【0041】
番号カウンタjがキーボタンの数“16”以下の場合(ST27のYES)、CPU21は、関連テーブル62から選択された商品のメニューコードとメニュー名称を、レイアウトテーブル63の番号jの領域に登録する(ST28:関連商品登録手段)。そしてCPU21は、選択商品の登録済フラグを“0”から“1”に変更する(ST29)。またCPU21は、キーレイアウト画像72における番号jのキーボタン内に選択商品のメニュー名称を表示させる(ST30:割付商品表示手段)。
【0042】
処理フラグが“1”の場合(ST31のYES)、あるいは番号カウンタjがキーレイアウト画像72のキーボタンの数“16”を超えた場合には(ST27のNO)、CPU21は、次の商品が選択されるか(ST22)、終了ボタン74が入力されるのを待機する(ST23)。
【0043】
終了ボタン74が入力された場合(ST23のYES)、CPU21は、このメニュー割付処理を終了する。図6に説明を戻す。
メニュー割付処理が終了すると、CPU21は、ステップST1の処理で選択された種別のコードとレイアウトテーブル63のデータとをHDD25に保存する(ST15)。次に、CPU21は、業務終了が宣言されたか否かを判断する(ST16)。業務終了が宣言されていない場合、CPU21は、ステップST1の処理に戻る。そして、次の種別コードが選択されたならば、ステップST2〜ST15の処理を再度実行する。
【0044】
業務終了が宣言された場合(ST16のNO)、CPU21は、HDD25に保存した種別コードとレイアウトテーブル63のデータとを、通信インターフェース16を介して送信する(ST17)。この送信データは、中継器12から各ハンディターミナル11に無線送信される。
【0045】
今、キーレイアウト50の各キーボタン50-1〜50-16に、カテゴリ「飲料」の商品を割り付ける場合を例示する。この場合、POS端末15のユーザは、キーレイアウトに対する商品割付業務を開始し、カテゴリ「飲料」を選択する。そうすると、POS端末15においては、メニューデータベース17からカテゴリ「飲料」に属する全ての商品のメニュー名称とメニューコードが抽出され、割付候補テーブル61に登録される。また、抽出された商品に対して関連する商品がある場合には、その商品のメニューコードと関連商品のメニューコードとが一対をなして関連テーブル62に登録される。
【0046】
しかる後、割付候補テーブル61に登録されたデータが、メニュー名称の五十音順にソートされる。そして、図8に示すようなメニュー割付画面70がタッチパネル42に表示される。
【0047】
オペレータは、先ず、割付候補リスト71の中からキーレイアウト画像72における番号“1”のキーボタン72-1に登録する商品を選択する。例えば今、商品「オレンジジュース」を選択したとする。そうすると、レイアウトテーブル63の番号“1”のエリアに、商品「オレンジジュース」のメニュー名称とメニューコードが格納される。また、図9に示すように、キーレイアウト画像72のキーボタン72-1に、商品「オレンジジュース」のメニュー名称が表示される。
【0048】
ここで、商品「オレンジジュース」は、関連する商品を有していない。この場合、オペレータは、割付候補リスト71の中からキーレイアウト画像72における番号“2”のキーボタン72-2に登録する商品を選択する。例えば今、商品「コーヒー」を選択したとする。そうすると、レイアウトテーブル63の番号“2”のエリアに、商品「コーヒー」のメニュー名称とメニューコードが格納される。また、図9に示すように、キーレイアウト画像72のキーボタン72-2に、商品「コーヒー」のメニュー名称が表示される。
【0049】
ここで、商品「コーヒー」は、関連する商品「アイスコーヒー」を有する。したがって、レイアウトテーブル63の番号“3”のエリア72-3に、商品「アイスコーヒー」のメニュー名称とメニューコードが格納される。また、図9に示すように、キーレイアウト画像72のキーボタン72-3、すなわち商品「コーヒー」が登録されたキーボタン72-2の右側に隣接するキーボタンに、商品「アイスコーヒー」のメニュー名称が表示される。
【0050】
次に、オペレータが、割付候補リスト71の中からキーレイアウト画像72における番号“4”のキーボタン72-4に登録する商品として、例えば商品「アイスティ」を選択したとする。そうすると、レイアウトテーブル63の番号“4”のエリアに、商品「アイスティ」のメニュー名称とメニューコードが格納される。また、図9に示すように、キーレイアウト画像72のキーボタン72-4に、商品「アイスティ」のメニュー名称が表示される。
【0051】
ここで、商品「アイスティ」は、関連する商品「レモンティ」を有する。したがって、レイアウトテーブル63の番号“5”のエリア72-5に、商品「レモンティ」のメニュー名称とメニューコードが格納される。また、図9に示すように、キーレイアウト画像72のキーボタン72-5、すなわち商品「アイスティ」が登録されたキーボタン72-4の下側に隣接するキーボタンに、商品「アイスティ」のメニュー名称が表示される。
【0052】
このように本実施形態によれば、暖かい商品と冷たい商品とがある品目のうちの一方を、キーレイアウト画像72のいずれかのキーボタンに割り付けると、自動的に、その割り付けた商品と関連する商品が他のキーボタンに割り付けられる。したがって、1つのキーボタンに1つの商品を割り付けるという作業を繰り返していた従来と比較して、作業者の負担を軽減できる効果を奏する。しかも、関連する商品は、必ず隣接するキーボタンに割り付けられる。したがって、品目は同じだか別商品として取扱われる2つの商品が、離間した2つのキーボタンに登録されることはない。
【0053】
(第2の実施形態)
第1の実施形態は、関連する商品を、暖かい商品と冷たい商品というように2品目に限定した。第2の実施形態は、関連する商品を、Lサイズ、Mサイズ、Sサイズというように3品目以上ある場合である。この場合、メニューデータは、図10に示すように、レコード番号、メニューコード,メニュー名称、種別コード及び単価に加えて、関連数nと、その関連数n分の関連メニューコードを含む。例えばLサイズの商品に対して関連する商品がMサイズとSサイズの2種類であった場合、関連数nは“2”となる。また、Lサイズの商品に対して関連する商品が2Lサイズ、3Lサイズ、MサイズとSサイズの4種類であった場合、関連数nは“4”となる。なお、関連する商品がない場合は、関連数nは“0”となる。
【0054】
関連テーブル62は、図11に示すように、n+1個の関連するメニューコードを記憶するためのエリアを有する。
【0055】
図12は、第2の実施形態において、割付プログラムPが起動したときに、CPU21が実行する処理手順を示す流れ図である。なお、第1の実施形態の同一手順を示す図7と同じ処理のブロックには同一の符号を付してあり、その説明は省略する。
【0056】
第2の実施形態において、第1の実施形態と手順が異なる処理は3つある。
1つ目は、ステップST24にて割付候補テーブル61に登録された選択商品の登録済フラグをチェックした結果、登録済フラグが“0”の場合、すなわち未登録の場合である(ST24のYES)。この場合、第1の実施形態では、処理フラグfを“0”にしたが(ST25)、第2の実施形態では、減算カウンタKに選択商品の関連数nをセットする(ST41)。
【0057】
2つ目は、ステップST30にてキーレイアウト画像72における番号jのキーボタン内に選択商品のメニュー名称を表示させた後である。この場合、第1の実施形態では、処理フラグが“1”であるか否かを判断し(ST31)、処理フラグが“1”でない場合(ST31のNO)、CPU21はさらに、選択商品のメニューコードが関連テーブル62に存在するか検索したが(ST32)、第2の実施形態では、減算カウンタKが“0”が否かを判断する(ST42)。減算カウンタKが“0”の場合、CPU21は、次の商品が選択されるか(ST22)、終了ボタン74が入力されるのを待機する(ST23)。減算カウンタKが“0”より大きい場合、関連テーブル62からその選択商品のメニューコードに関連するメニューコードを選択する(ST33)。
【0058】
3つ目は、ステップST33にて関連テーブル62から選択商品のメニューコードに関連するメニューコードを選択した後の処理である。第1の実施形態では、処理フラグを“1”に変更したが(ST34)、第2の実施形態では、減算カウンタKを“1”だけ減算する(ST43)。
【0059】
かかる構成の第2の実施形態においては、例えばLサイズの商品に対して、Mサイズの商品とSサイズの商品とが関連しており、割付候補リスト71の中からLサイズの商品が選択されると、このLサイズの商品が割り付けられたキーレイアウトのキーボタンに続いて設定されている2つのキーボタンに、Mサイズの同一品目の商品とSサイズの同一品目の商品とが自動的に割り付けられる。したがって、割付作業に要する作業者の負担を軽減することができる。
【0060】
以下、前記実施形態の変形例について説明する。
例えば前記実施形態では、キーレイアウト50をマトリクス状としたが、この発明は、マトリクス状以外の形状のキーレイアウトの各キーボタンに商品を割り付ける場合も適用できるものである。この場合、例えば関連する商品は、選択商品が割り付けられたキーボタンに対して最も近くて空いているキーボタンに自動的に割り付けられるようにすればよい。
【0061】
また、前記実施形態では、POS端末15で作成したキーレイアウト50のデータを、各ハンディターミナル11に配信したが、キーレイアウトのデータを不揮発性の記憶媒体に書込み、各ハンディターミナル11でこの記憶媒体のデータを読み取らせることによって、各ハンディターミナル11にキーレイアウト50のデータを設定するようにしてもよい。
【0062】
また、前記実施形態では、タッチパネルに表示されるキーレイアウトに対する割付装置を例示したが、ポインティングデバイスで画面上のポインタを操作してキーボタンを選択的に入力するようにしたキーレイアウトの割付装置にも、同様に適用できるものである。
【0063】
さらに、前記実施形態は、POS端末15の内部のROM23に発明の機能を実現させる割付プログラムPが予め記録されているものとした。しかしこれに限らず、同様のプログラムがネットワークからPOS端末15にダウンロードされてもよい。あるいは、記録媒体に記録された同様のプログラムが、POS端末15にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0064】
また、同様のプログラムをパーソナルコンピュータにインストールすることによって、このコンピュータを専用の割付装置として機能させてもよい。
【0065】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1…注文管理システム、11…ハンディターミナル、12…中継器、13…注文サーバ、15…POS端末15、17…メニューデータベース、21…CPU、50…キーレイアウト、61…割付候補テーブル、62…関連テーブル、63…レイアウトテーブル、70…メニュー割付画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各商品の選択入力時に操作させるキーボタンをどのように割付けるのかというキーボタン割付情報を記憶する割付情報記憶手段と、
前記各キーボタンへ割付ける商品を特定するデータに対応付けて、各商品の名称を記憶する商品データ記憶手段と、
前記商品毎に他の商品との関連性情報を記憶する関連商品情報記憶手段と、
前記商品データ記憶手段に記憶している商品が割付けられるキーボタンを特定するキーボタン特定手段と、
前記商品データ記憶手段に記憶している商品の名称を呼び出し表示する商品名表示手段と、
この商品名表示手段により名称を表示した商品の中からキーボタン割付対象として選択された商品のデータを、前記キーボタン特定手段によって特定されたキーボタンに関連付けて前記割付情報記憶手段に登録する選択商品登録手段と、
この選択商品登録手段により登録する商品に関連する商品が存在することを前記関連商品情報記憶手段に記憶する情報に基づいて認識すると、その関連する商品を次のキーボタン割付対象とする割付商品特定手段と、
を具備したことを特徴とする割付装置。
【請求項2】
前記割付商品特定手段によって次のキーボタン割付対象として特定された商品のデータを、前記キーボタン特定手段によって特定されたキーボタン近傍に位置する未登録のキーボタンに関連付けて前記割付情報記憶手段に登録する関連商品登録手段と、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の割付装置。
【請求項3】
複数のキーボタンを配置してなるキーレイアウトの各キーボタンをそれぞれ識別するキーボタン識別情報に関連付けて、そのキーボタンに割り付けられた商品のデータを記憶するためのエリアを有したレイアウトテーブルと、
前記キーレイアウトの各キーボタンへの割付候補となる各種商品のデータを記憶する割付候補記憶手段と、
前記割付候補となる各種商品の中から選択された商品のデータを、前記キーレイアウトにおける各キーボタンの中から指定されたキーボタンの識別情報に関連付けられた前記レイアウトテーブルのエリアに登録する選択商品登録手段と、
この選択商品登録手段によりデータ登録された商品に関連する商品が前記割付候補となる商品の中に存在するとき、その関連する商品のデータを、前記キーレイアウトにおける各キーボタンの中からデータ未登録のキーボタンの識別情報に関連付けられた前記レイアウトテーブルのエリアに登録する関連商品登録手段と、
を具備したことを特徴とする割付装置。
【請求項4】
前記キーレイアウトの画像を表示する画像表示手段と、
前記キーレイアウト画像における各キーボタンの内部に、前記レイアウトテーブルにおける当該キーボタンの識別情報に関連付けられたエリア内の商品データを表示させる割付商品表示手段と、
をさらに具備したことを特徴とする請求項3記載の割付装置。
【請求項5】
前記キーレイアウトは、複数のキーボタンをマトリクス状に配置してなり、
前記関連商品登録手段は、前記選択商品登録手段によりデータ登録されたキーボタンに隣接するデータ未登録のキーボタンの識別情報に関連付けられた前記レイアウトテーブルのエリアに関連する商品のデータを登録することを特徴とする請求項3または4記載の割付装置。
【請求項6】
各商品の選択入力時に操作させるキーボタンをどのように割付けるのかというキーボタン割付情報を記憶する割付情報記憶手段に、前記キーボタン割付情報を割り付けるプログラムであって、
コンピュータに、
商品を特定するデータに対応付けて各商品の名称を記憶する商品データ記憶手段に記憶している商品が割付けられるキーボタンを特定するキーボタン特定機能と、
前記商品データ記憶手段に記憶している商品の名称を呼び出し表示する商品名表示機能と、
この商品名表示機能により名称を表示した商品の中からキーボタン割付対象として選択された商品のデータを、前記キーボタン特定機能によって特定されたキーボタンに関連付けて前記割付情報記憶手段に登録する選択商品登録機能と、
この選択商品登録手段により登録する商品に関連する商品が存在することを、前記商品毎に他の商品との関連性情報を記憶する関連商品情報記憶手段に記憶する情報に基づいて認識すると、その関連する商品を次のキーボタン割付対象とする割付商品特定機能と、
を実現させるための割付プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−221306(P2012−221306A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87456(P2011−87456)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】