説明

創傷包帯

体の起伏のある部分に使用するための創傷包帯が、吸収パッドと可撓性の接着層とを備えており、吸収パッドは、包帯をそれに沿って折ることができるような1つ以上の線を有しており、且つ、滲出液を吸収することができ、接着層は、吸収パッドの非創傷接触面上にある。そのような包帯は、パッドの位置、及び、パッドの折り線の提供、によって、代わりの又は追加の吸収材料を使用することができる、という利点を、有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、創傷包帯に関するものであって、特に、患者の仙骨に適用するための創傷包帯、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の創傷包帯は、通常、平らで、長方形、四角形、又は、成形されており、それらが体の表面に対してより簡単に適用できるように、種々の形状に、切断できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願第0768071号
【特許文献2】国際公開第93/12275号
【特許文献3】英国特許出願第93/01258号
【特許文献4】国際公開第94/17227号
【特許文献5】欧州特許第433354号
【特許文献6】欧州特許第476756号
【特許文献7】欧州特許出願第0892863号
【特許文献8】米国特許第4246221号
【特許文献9】米国特許第4196281号
【特許文献10】欧州特許出願公開第301874号
【特許文献11】国際公開第00/01425号
【特許文献12】欧州特許第92999号
【特許文献13】欧州特許第130061号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特に患者の起伏のある体の部分に深い裂け目がある場合には、患者の皮膚、包帯、又はその両方を湾曲させたり皺にしたりすることなく、そのような包帯を、患者の体の部分に適用するのが、困難な場合がある。それは、特に、包帯が、体に接している面の、幾らか又は全てを覆う、接着部を、備えている場合である。更に、たとえ湾曲や皺を避けることができても、包帯が適用される体の表面に起伏がある場合、正確な方法でその外形上に包帯を適用するのは、困難であり、且つ、多大な時間を必要とする。
【0005】
欧州特許出願第0768071号は、特に仙骨の創傷用の包帯を開示しており、その包帯は、創傷を計測するためのグリッドを形成するために、及び、包帯の適用を補助するために、包帯の末端表面において、線又は溝のパターンに合わせて、凹凸になっている。その凹凸は、包帯を曲げるのを容易にする。しかしながら、そのような包帯には、包帯が、凹凸を作るのが可能な材料、例えば親水コロイド含有接着層で、作られなくてはならない、という制限がある。
【0006】
幾つかの創傷には、包帯の創傷に対する特性を調整するために、接着部に、代わりの材料又は追加の材料を使用することが望ましく、そのような材料の場合、従来技術において構想された方法では、包帯を折ることができない。
【0007】
例えば、仙骨において発見されるような高い滲出性の創傷のための包帯として使用するために、高い流動体処理能力を備えた創傷包帯を作ることが、望まれる。そのような創傷包帯は、例えば、24時間で、包帯10cm当たり、少なくとも6gの滲出液を処理できる必要があり、また、創傷周辺の皮膚の多量の浸軟に対抗し且つ創傷の乾燥を防止できる必要がある。過去に置いては、そのような包帯は、吸収剤として発泡体を含んでいた。しかしながら、滲出液を吸収し且つ保持する吸収剤と比較して、発泡体は、必要な場合に、患者の体重等の圧力下では、機能できなくなる。そのような包帯には、包帯の追加の層として、繊維質の吸収剤を使用することが、望ましい。そのような層は、機能するために、創傷に比較的密着する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一態様では、本発明は、体の起伏のある部分に使用するための包帯を提供しており、その包帯は、包帯がそれに沿って折ることができるような1つ以上の線を有しており且つ滲出液を吸収できる、吸収パッドと、吸収パッドの非創傷接触面上にある可撓性の接着層と、を備えている。
【0009】
そのような包帯は、パッドの位置、及び、パッドの折り線の提供、によって、代わりの又は追加の吸収材料を使用することができる、という利点を、有している。
【0010】
好ましくは、折り線は、使用時に創傷に面するパッドの表面から延びて、吸収パッドの厚さを部分的に又は全体的に貫通している、切り込みである。より好ましくは、折り線は、吸収パッドを2つに分割するために、吸収パッドの厚さを全体的に貫通している、切り込みである。吸収パッドが2つに分割される場合、パッドは、間隙がパッドの2つの部分の間に残るように、接着層に配置されてもよく、間隙は、折り線を形成する。好ましくは、折り線は、直線であり、包帯の中心軸上に配置されている。
【0011】
包帯が患者の仙骨部に適用されるよう意図されている場合、包帯は、概ね三角形、ハート形、又は洋なし形の、外形を有していることが好ましいが、より好ましくは、延びた丸い突出部を各角部に備えた、四角形の外形を有しており、好ましくは、折り線の両側に配置された丸い突出部の内の2つが、他の2つより大きく、一方、包帯は、折り線に対して左右対称である。自己接着型の包帯において、創傷周辺の皮膚に対する接着を得るのが困難である部分においては、この丸い突出部を備えた四角形は、接着のためのより広い表面部分を、与えることができる。
【0012】
好ましくは、パッドが、使用時に、創傷周辺の皮膚に包帯を接着する接着縁部で囲まれるように、吸収パッドは、接着層より面積が小さい。
【0013】
吸収パッドは、望ましくは、創傷から創傷流動体を移動させ、且つ、横方向の拡散を制限しながら滲出液を吸収する。本発明の創傷包帯によって得られる横方向の拡散の減少は、創傷周辺の皮膚の浸軟を、減少させる。吸収パッドの、吸収性及び流動体処理特性は、創傷包帯によって通常受ける種類の圧力下に包帯が置かれる場合において、好ましいことに、著しくは減少されない。
【0014】
吸収パッドは、少なくとも10g/g、好ましくは15〜50g/g、最も好ましくは20〜50g/gの、滲出液に対する高い吸収率を、示している。吸収率は、創傷接触層に対して、以下に記載されるように、測定される。
【0015】
吸収コアの横方向のウィッキングは、低いのが好ましく、好ましくは20mm/分以下である。好ましくは1mm/分〜15mm/分、より好ましくは1mm/分〜10mm/分である。
【0016】
吸収パッドは、好ましくは繊維質であり、最も好ましくはゲル形成繊維を備えている。吸収パッドは、好ましくは、不織である。ポリマー吸収層とは対照的に、繊維質層は、特に、滲出液の横方向の拡散に対抗するブロックをゲル化できるという利点を、有している。加えて、滲出液は、急速に吸収され、且つ、圧力下において保持される。
【0017】
本発明の吸収パッドにおいて使用するのに適している繊維は、親水性繊維を含んでおり、親水性繊維は、創傷滲出液の取込時に、湿潤となり、滑りやすく又はゼラチン質となり、従って、周辺の繊維が創傷に接着する傾向を、減少させる。繊維は、滲出液の吸収時に、構造的完全性を保持するタイプのものでもよく、又は、滲出液の吸収時に、繊維形状を失って、無構造ゲル又は溶液となるタイプのものでもよい。
【0018】
ゲル形成繊維は、好ましくは、ナトリウムカルボキシメチルセルロース系紡糸繊維、化学的に改質されたセルロース系繊維、特にCourtauld PLCの国際公開第93/12275号又はCourtauld PLCの英国特許出願第93/01258号に記載されたカルボキシメチル化繊維、ペクチン繊維、又はアルギン酸繊維であり、特に、それらは、E.R Squibb and Sonsの国際公開第94/17227号、CV Laboratories Ltdの欧州特許第433354号、又は、CV Laboratories Ltdの欧州特許第476756号に記載されており、又は、Bristol-Myers Squibb Companyの欧州特許出願第0892863号に記載されている、アルギン酸塩と多糖類との複合繊維、キトサン繊維、ヒアルロン酸繊維、他の多糖類繊維、又はゴム由来繊維、である。セルロース系繊維におけるグルコース単位当たりのカルボキシメチル基の置換度は、少なくとも0.05が好ましい。溶媒紡糸セルロース繊維の生成は、例えば、米国特許第4246221号及び米国特許第4196281号、同様に上記記載の国際公開第93/12275号に、記載されている。
【0019】
好ましくは、本発明において使用されるゲル形成繊維は、自由膨潤(free swell)吸収法で測定した場合、水又は生理食塩水どちらかに対し、少なくとも15g/g、より好ましくは、少なくとも25g/g又は50g/gの、吸収率を、有している。ゲル形成繊維の置換度は、好ましくは、グルコース単位当たりのカルボキシメチル基に関し、少なくとも0.2であり、より好ましくは、0.3〜0.5の間である。繊維の引張強さは、好ましくは、25〜15cN/texの範囲である。
【0020】
ゲル形成繊維に加えて、吸収パッドもまた、織物繊維等の他の繊維を備えており、それらは、天然繊維又は合成繊維であってもよいが、好ましくは、例えば、ビスコースレーヨン、多肢の(multi−limbed)ビスコース、綿、又は、欧州特許出願公開第301874号に記載された多肢の(multi−limbed)セルロース繊維等の、ほとんどの織物繊維よりも高い吸収性を有している、再生されたセルロース又は繊維である。一般的に、織物繊維は、毛細管現象によって液体を吸収するものであり、吸湿性ではない。これは、自由膨潤吸収法で測定したそれらの吸収率が、例えば1グラムの繊維に対し、液体が1グラム以下であるような、低いものであることを、示している。
【0021】
より好ましくは、パッドは、ゲル形成繊維とセルロース系繊維との、緊密混合物を、備えている。好ましくは、混合物は、25重量%以上のセルロース系繊維、及び、75〜100重量%のゲル形成繊維、の範囲である。より好ましくは、混合物は、50重量%以上のセルロース系繊維、及び、50〜100重量%のゲル形成繊維、の範囲である。混合物は、約50重量%のセルロース系繊維、及び、約50重量%のゲル形成繊維の、範囲である。
【0022】
ゲル形成繊維とセルロース系繊維との混合物の使用は、湿っているときの包帯の縮みを減少させるという利点を有しており、従って、患者に不快感をもたらす、包帯の歪みを、減少させる。包帯の縮みは、25%以下に減少することが、好ましい。最適化された混合物の場合、縮みは、15%以下へ減少することができる。縮みは、創傷接触層の表面部分の減少として、測定される。非ゲル化繊維の構造及び組成は、使用時の包帯の縮みを減少させる、創傷包帯の吸収コアの形状を、維持していると考えられる。
【0023】
本発明による、包帯の吸収特性は、使用時、包帯の横方向の拡散を、防止することができる。
【0024】
本発明において使用するのに適した繊維は、従来の織物機械を使用して、例えば、切断、梳綿、ニードリング、また必要であれば、クリンピング、ドラフティング、紡糸を含む、ステープル手段によって、処理できる。
【0025】
好ましくは、吸収コアの繊維密度は、150〜250gmの間、より好ましくは約200gmである。
【0026】
包帯は、滲出液を吸収パッドへ透過させる、可撓性の創傷接触層を、更に備えても良い。
【0027】
創傷接触層は、好ましくは、非接着性であり、滲出液を吸収パッドへ透過させるように、構成されている。好ましくは、創傷接触層は、創傷表面において、創傷治癒を促し且つ創傷が乾燥する危険性を減少させる、湿潤環境を、もたらす。更に、創傷接触層の吸収特性は、患者の体重によって典型的にもたらされる圧迫下において、好ましくは、著しく落ちることはない。折り線が吸収パッドの切り込みである場合、創傷接触層は、好ましくは、下にある接着層に接触するために、切り込み内に挿入される。このことは、折り目が、滲出液を吸収することができる、という利点をもたらしており、そうでなければ、滲出液は、チャネルのように、折り目から流れ出る。
【0028】
また、好ましくは、創傷接触層は、創傷からの滲出液を、吸収する。創傷接触層は、好ましくは、アルギン酸包帯BP1195の吸収試験によって測定した場合、吸収層1グラム当たり、塩化ナトリウム溶液及び塩化カルシウム溶液を少なくとも10g、という吸収率を、有している(BP1995 Appendix 1A)。創傷接触層は、好ましくは繊維質であり、より好ましくは、ゲル形成繊維で構成されている。
【0029】
ゲル形成繊維は、好ましくは、織物の形に化学的に改質されたセルロース系繊維であり、特に、Azko Nobel UK Ltdの国際公開第00/01425号に記載された、カルボキシメチルセルロース系繊維である。カルボキシメチルセルロース系の織物は、好ましくは、(国際公開第00/01425号において画定された)IR分光法によって測定した場合、0.12〜0.35の置換度、より好ましくは0.20〜0.30の置換度を有しており、吸収率が増加するように、織った又は不織の、セルロース系織物を、カルボキシメチル化することにより、作られている。特に好ましい織物は、上記記載の方法で測定した場合、10〜30g/gの塩化ナトリウム/カルシウムの吸収率を、有している。特に好ましい織物は、上記記載の方法で測定した場合、15〜25g/g、より好ましくは15〜20g/gの、塩化ナトリウム/カルシウムの吸収率を、有している。
【0030】
セルロース系織物は、好ましくは、単にセルロース系繊維でできているが、ある割合の、非セルロース系織物繊維又はゲル形成繊維を、含んでもよい。セルロース系繊維は、公知のものであり、連続フィラメント糸、及び/又は、ステープル繊維を、含んでもよい。カルボキシメチル化は、一般的に、水溶液系で、織物を、アルカリとクロロ酢酸等のカルボキシメチル化試薬とに接触させることにより、実行される。織物は、包帯を切断するときに、創傷における抜け落ち(shedding)を減少させるために、不織タイプのものが好ましい。好ましくは、織物は、水流交絡(hydroentangle)されており、顕微鏡スケールにおいて、連続する開口を備えている。
【0031】
好ましくは、包帯は、接着層の非創傷接触面に、透過層を、更に備えている。透過層は、1993BP Appendix XX J1に記載の方法で測定した場合、少なくとも300gm/24時間の、又は、100〜10000gm/24時間の、範囲の、MVTRを、有している層である。透過層は、フィルム/発泡体のラミネートの形であってもよく、例えば、ポリウレタンフィルムにラミネートされた発泡ポリウレタンフォームであってもよい。
【0032】
好ましくは、透過層は、患者が入浴したりシャワーしたりする間、創傷が湿ることなく、包帯が装着されることを、可能にする。
【0033】
好ましくは、透過層は、低摩擦係数を有している外面を、有しており、薄くなる危険性、すなわち、創傷包帯を薄くする横方向の摩擦を、減少させており、また、容易にきれいに拭き取ることができる表面を、提供する。
【0034】
好ましくは、透過層は、バクテリア、ウィルス、及び、外的な汚染物質に対する、バリアであり、それにより、創傷を、感染から保護している。
【0035】
また、包帯は、例えば、接触層、又は、活性炭層等の臭気吸収層に、適用される、可溶性薬用フィルム等の追加の任意の層を、備えていてもよい。
【0036】
また、包帯は、拡散層を、備えていてもよい。拡散層の役割は、高いMVTR透過層を横断して、包帯によって吸収された流動体を、横方向に拡散することである。この層は、吸収パッドの不織対向面に、配置できる。拡散層は、100%ビスコース、ポリオレフィンタイプの繊維、又はビスコース/ポリエステルの混合物を、含んでもよい。より好ましくは、拡散層は、ビスコース/ポリエステル水流交絡不織層である。
【0037】
拡散層は、吸収コアと接着層との間に、配置されてもよい。追加のキーイング層は、拡散層と吸収コアとの間、又は、創傷接触層と吸収コアとの間に、配置されてもよい。
【0038】
キーイング層は、ポリアミド編物の薄い層を備えてもよい。キーイング層は、包帯の構造的完全性を向上させるために、吸収コアを、隣り合った層、例えば、創傷接触層、接着層、又は、拡散層に、接合してもよい。また、この層は、湿潤時に吸収層が包帯から離れる危険性を減少させるために、使用時に作用する。キーイング層は、使用時における、包帯の層間剥離を、減少させることができる。
【0039】
本発明の接着層は、吸収パッドを定位置に保持する役割をしており、接着包帯の好ましい実施形態では、包帯を皮膚に接着させるために、使用されている。好ましくは、接着組成物は、参照することによりここに組み込まれている欧州特許第92999号に記載されているような、1種以上の水溶性の親水コロイドと、1種以上の低分子量のポリイソブチレンとの、均一混合物を、含んでいる。水溶性の親水コロイドは、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ペクチン、ゼラチン、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤゴム、及び、それらの混合物から、選択できる。ポリイソブチレンは、平均分子量が36000〜58000(Florey)の、粘性を有している、低分子量のポリイソブチレンから、選択できる。接着層は、包帯の接着を維持している間は、滲出液を吸収することができる。
【0040】
代わりに、接着層は、1種以上の親水コロイド、1種以上の低分子量のポリイソブチレン、1種以上のスチレンブロックコポリマー、ミネラルオイル、ブチルゴム、粘着付与剤、及び、少量の任意の成分の、均一混合物を、含んでいる。特定の範囲の量の上記に挙げた成分を選択することによって、接着組成物は、皮膚に対する優れた接着性及び伸縮自在能力を有するように、調製できる。そのような組成物及びそのための調製は、欧州特許第130061号に開示されている。
【0041】
接着創傷包帯の取り外しが患者にとって外傷的でないような、接着が、好ましい。接着剤は、非外傷的な取り外しを可能にしながら、包帯の安全な適用を確保するものが、好ましい。非外傷性の包帯の取り外しは、流動体との相互作用により微かにゲル化する接着剤を使用することにより、促進できる。ゲル形成は、包帯の取り外しを補助する。
【0042】
好ましくは、包帯の全厚さは、2〜4mm、より好ましくは2.2〜3.7mmである。これは、包帯が、使用時に、より快適であり、より個別的(discrete)であることを、可能にする。
【0043】
好ましくは、本発明の包帯は、少なくとも7日間装着でき、より好ましくは、10日間以上装着できる。高い流動体処理能力は、少量の流動体しか処理できない包帯と比較して、包帯をそれほど頻繁に交換しなくてよいということを、意味している。包帯を頻繁に交換しなければしないほど、創傷が治癒する機会が増える。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の、折ることができる創傷包帯の、自己接着の実施形態の、創傷接触面の、斜視図である。
【図2】図1の包帯の平面図である。
【図3】図2の包帯における、線3−3における横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明の好ましい実施形態は、添付の図面を参照し、その実施例を用いることにより、ここに記載されている。
【0046】
図1〜3を参照すると、本発明による多重層の接着創傷包帯は、透過層2と、接着層4と、吸収パッド6と、創傷接触層8と、を備えている。
【0047】
創傷接触層8は、35gmの、ゲル形成繊維を含む不織水流交絡織物で、できている。
【0048】
吸収パッドは、国際公開第93/12275号に記載されており、製品「Hydrocel」(商標)(Acordis)として販売されている、210gmの、ゲル形成繊維のパッドで、できている。代わりの実施形態では、吸収パッドは、「Hydrocel」(商標)と「Lyocell」(商標)との、75/25混合物である。更なる実施形態では、吸収パッドは、「Hydrocel」(商標)と「Lyocell」(商標)との、50/50混合物である。
【0049】
接着層4は、1種以上の水溶性親水コロイドと1種以上の低分子量ポリイソブチレンとの、混合物である。代わりの実施形態では、接着層は、ポリアミド編物であってもよい。
【0050】
透過層は、ポリウレタンの発泡体/フィルムのラミネートである。
【0051】
図1〜3の接着創傷包帯では、吸収パッド6は、透過層2及び接着層4より面積が小さく、接着層4のおおよそ中心に配置されている。接着剤は、吸収パッド6を、適切な位置に保持している。創傷接触層8は、吸収パッド6より大きいが、接着層4及び透過層2より小さく、吸収パッド6と接着層4とに接触して、吸収パッド6の上に、配置されている。接着層4の周辺リム15は、晒されたままになっており、包帯を患者の皮膚に接着するのに、使用できる。
【0052】
図3は、創傷接触層8と吸収パッド6との間の、追加のキーイング層10を、示している。キーイング層10は、ポリアミド編物を含んでいる。
【0053】
図1によく示されているように、吸収パッド6は、折り線14によって、2つの部分に分割されている。折り線14は、包帯の中心の対称線と一致する。包帯は、各角部から延びている丸い突出部を備えた、実質的に四角形の外形を、有しており、その丸い突出部は、包帯を創傷に接着させるための接着部分を増加させる。
【0054】
包帯は、創傷の上に配置され、例えば、包帯の中央部分から剥離紙を剥がし、且つ、折り線14に沿って包帯を折ることにより、仙骨創傷に、配置される。包帯は、殿裂内に挿入され、折り線の縁部において接着される。剥離紙は、剥がされ、包帯は、その周辺15に沿って、創傷に接着される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体の起伏のある部分に使用するための創傷包帯であって、
吸収パッドと可撓性の接着層とを備えており、
吸収パッドは、包帯をそれに沿って折ることができるような1つ以上の線を有しており、且つ、滲出液を吸収することができ、
接着層は、吸収パッドの非創傷接触面上にある、
ことを特徴とする、創傷包帯。
【請求項2】
折り線が、凹形である、
請求項1に記載の創傷包帯。
【請求項3】
折り線が、切り込みであり、
切り込みは、使用時に創傷に面する表面から、吸収パッドの厚さを部分的に又は全体的に貫通して、延びている、
請求項1に記載の創傷包帯。
【請求項4】
折り線が、切り込みであり、
切り込みは、吸収パッドを2つに分割するために、吸収パッドの厚さを全体的に貫通して、延びている、
請求項1に記載の創傷包帯。
【請求項5】
間隙がパッドの2つの部分の間に残るように、吸収パッドが、接着層に配置されており、
間隙が、折り線を形成している、
請求項4に記載の創傷包帯。
【請求項6】
折り線が、直線であり、包帯の中心軸上に配置されている、
前記請求項のいずれか1つに記載の創傷包帯。
【請求項7】
包帯が、患者の仙骨にフィットするように包帯を適合させるために、延びた丸い突出部を各角部に備えた、概ね四角形の外形を、有している、
前記請求項のいずれか1つに記載の創傷包帯。
【請求項8】
丸い突出部の内の2つが、折り線の両側に配置されており、他の2つより大きく、
包帯は、折り線に対して左右対称である、
請求項7に記載の創傷包帯。
【請求項9】
包帯が、接着層の非創傷接触面に、透過層を、更に備えている、
前記請求項のいずれか1つに記載の創傷包帯。
【請求項10】
包帯が、滲出液を吸収パッドへ透過させる、可撓性の創傷接触層を、更に備えている、
前記請求項のいずれか1つに記載の創傷包帯。
【請求項11】
包帯が、自己接着型である、
前記請求項のいずれか1つに記載の創傷包帯。
【請求項12】
包帯が、自己接着型でない、
前記請求項のいずれか1つに記載の創傷包帯。
【請求項13】
創傷接触層が、ゲル形成繊維を、含んでいる、
請求項10に記載の創傷包帯。
【請求項14】
吸収パッドが、少なくとも10g/gの、滲出液の吸収度を有している、
前記請求項のいずれか1つに記載の創傷包帯。
【請求項15】
吸収パッドが、繊維質である、
前記請求項のいずれか1つに記載の創傷包帯。
【請求項16】
吸収パッドが、ゲル形成繊維を、含んでいる、
前記請求項のいずれか1つに記載の創傷包帯。
【請求項17】
透過層が、発泡体である、
請求項9に記載の創傷包帯。
【請求項18】
透過層が、ポリウレタンフィルムにラミネートされたポリウレタンフォームである、
請求項17に記載の創傷包帯。
【請求項19】
包帯が、吸収パッドを隣り合った層に接合させる、キーイング層を、更に備えている、
前記請求項のいずれか1つに記載の創傷包帯。
【請求項20】
キーイング層が、ポリアミド編物である、
請求項19に記載の創傷包帯。
【請求項21】
使用時に創傷周辺の皮膚に包帯を接着させる、接着剤の縁部、によって、吸収パッドが囲まれるように、吸収パッドは、接着層より面積が小さい、
前記請求項のいずれか1つに記載の創傷包帯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−528747(P2010−528747A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510876(P2010−510876)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【国際出願番号】PCT/GB2008/001951
【国際公開番号】WO2008/149107
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(509146126)コンバテック・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (13)
【氏名又は名称原語表記】CONVATEC TECHNOLOGIES INC
【Fターム(参考)】