説明

創薬スクリーニングのセルベースドアッセイ系における生体組織細胞の使用方法および創薬スクリーニング方法

【課題】 健常者の組織から取得した正常細胞に代えて、正常細胞に対して行ったのと同等のスクリーニング結果を得る。
【解決手段】 体液から分離した幹細胞を、所定の培養条件下で培養して分化させた生体組織細胞を含み、化合物を複数収容可能な基板を作成するステップSTEP1と、該基板内に化合物を投入して、基板内の生体組織細胞と相互作用するように接触させるステップSTEP2と、基板内において生体組織細胞と相互作用させられた化合物の活性を検出するステップSTEP3とを含む創薬スクリーニングのセルベースドアッセイ系における生体組織細胞の使用方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、創薬スクリーニングのセルベースドアッセイ系における生体組織細胞の使用方法および創薬スクリーニング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、化合物をいわゆるランダムスクリーニングすることにより新しい薬効を見いだす方法があり、このランダムスクリーニングを極めて効率的に実施するために、ハイスループットスクリーニング(HTS:High Through-put Screening)技術が採用されている(例えば、特許文献1参照)。HTSは、高度にシステム化した方法で短期間に多数(例えば、数万〜数10万種類)の化合物を生化学的に評価して、新規なリード化合物を迅速に発見することができるという利点を有している。
【0003】
ここで、リード化合物とは、本格的に合成展開して化合物の最適化を実施する元となる化合物であり、スクリーニングによって目的の薬効に対して確かに活性があると認められたヒット化合物の中から、非特異的な活性、物性、毒性や合成展開性等様々な観点で選ばれた化合物である。独創的な新薬を生み出すための創薬スクリーニングにおいては、リード化合物を発見できる可能性は極めて低く、このような場合に短期間に多数の化合物を評価できるHTSの果たす役割は大きい。
【0004】
創薬スクリーニングにおいては、第1段階のスクリーニングとして、セルベースドアッセイ系が実施される。セルベースドアッセイ系は、細胞と複数の化合物とを相互作用させることにより活性を示す化合物を発見するステージである。しかしながら、上述したように、HTSにおいては、多数の化合物について活性の評価を行うため、セルベースドアッセイ系において、これらの化合物と相互作用させる細胞としても非常に多くの細胞が必要とされる。
従来、細胞として株化された細胞であるセルラインが使用されていた。
【0005】
【特許文献1】特表2004−503249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、セルラインは正常細胞とは異なるため、セルベースドアッセイ系においてセルラインを使用すると、スクリーニングにより得られる結果が正常細胞の場合と異なる可能性が高く、正確なスクリーニングを行うことができないという問題がある。
本来であれば、セルベースドアッセイ系において使用される細胞は、健常者の組織から取得した正常細胞であることが望ましいが、健常者から多量の細胞を取得することは困難である。特に、骨芽細胞等の生体組織細胞は、健常者の組織内に存在する量も非常に少なく、その取得は極めて困難である。
【0007】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、健常者の組織から取得した正常細胞に代えて、正常細胞に対して行ったのと同等のスクリーニング結果を得ることができる創薬スクリーニングのセルベースドアッセイ系における生体組織細胞の使用方法および創薬スクリーニング方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、体液から分離した幹細胞を、所定の培養条件下で培養して分化させた生体組織細胞を含み、化合物を複数収容可能な基板を作成するステップと、該基板内に化合物を投入して、基板内の生体組織細胞と相互作用するように接触させるステップと、基板内において生体組織細胞と相互作用させられた化合物の活性を検出するステップとを含む創薬スクリーニングのセルベースドアッセイ系における生体組織細胞の使用方法および創薬スクリーニング方法を提供する。
【0009】
この発明によれば、体液から分離した幹細胞から培養して分化させた生体組織細胞を用いてセルベースドアッセイ系の基板を作成するので、スクリーニングに必要な多量の基板を作成できる。また、健常者の組織から取得した正常細胞と同等の生物学的特性を有する生体組織細胞により、健常者の正常細胞に対して行ったのと同様のスクリーニング結果を得ることができる。
【0010】
上記発明においては、人体から採取した体液を、自動培養装置に投入し、自動培養装置から得られた生体組織細胞を用いて前記基板を作成することとしてもよい。
自動培養装置に、幹細胞を投入して、生体組織細胞を自動的に得ることができるので、さらに高速で、スループットの高い創薬スクリーニングを実施することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、人体内に微量に存在する生体組織細胞を直接採取するのではなく、体液、例えば、骨髄液に含まれる幹細胞を培養、分化させて得られた生体組織細胞を用いて基板を作成するので、創薬スクリーニングのセルベースドアッセイ系における十分な量の基板を作成でき、しかも、健常者の組織から直接採取した生体組織細胞に対するスクリーニング結果と同等のスクリーニング結果を得ることができる。したがって、候補化合物の薬効を正確に評価することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明の一実施形態に係る創薬スクリーニングのセルベースドアッセイ系における生体組織細胞の使用方法および創薬スクリーニング方法について、図1〜図9を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る創薬スクリーニング方法は、セルベースドアッセイ系におけるスクリーニング方法であって、図1に示されるように、基板作成ステップSTEP1と、反応ステップSTEP2と、検出ステップSTEP3とを備えている。
【0013】
基板作成ステップSTEP1は、体液、例えば骨髄液から分離した幹細胞、例えば間葉系幹細胞を、所定の培養条件下で培養して分化させた生体組織細胞、例えば骨芽細胞を、例えば、マイクロプレートの各ウェルに滴下することにより基板を作成するようになっている。
反応ステップSTEP2は、マザープレートに配置した多数種の化合物溶液を希釈して作成したドータープレートから化合物の希釈溶液を前記基板に添加し、マイクロプレートの各ウェル内に配置されている骨芽細胞と相互作用させるようになっている。
検出ステップSTEP3は、各ウェル内においてそれぞれ骨芽細胞と相互作用させられた化合物が、骨芽細胞に対して活性を示したか否かを判定するようになっている。
【0014】
前記基板作成ステップSTEP1においてはマイクロプレートの各ウェルに滴下される骨芽細胞は、自動培養装置1により製造される。すなわち、図2に示されるように、人体から採取した骨髄液と培地とを自動培養装置1に供給し、骨芽細胞(生体組織細胞)を出力として得る。なお、自動培養装置1から骨芽細胞が各ウェルに滴下されたマイクロプレート50を出力してもよい。
【0015】
以下、自動培養装置1について説明する。
自動培養装置1は、図3に示されるように、外部から観察可能な透明な壁材により密閉され、シャッタ2を介して相互に連絡する第1空間S1と第2空間S2とを備えている。
第1空間S1の両側空間S11,S13には、培養容器3を収容する培養室4が2個ずつ計4個配置され、中央空間S12には、培養容器3を移動するための搬送ロボット(搬送機構)5が備えられている。中央空間S12の上部には、中央空間S12内の空気を浄化するために清浄な下降空気流を送る空気清浄部6が設けられている。
4個の培養室4は、それぞれ中央空間S12に向けて扉4aを配置することにより、横に並んだ2個ずつが相互に扉4aを対向させて、間隔をあけて配置されている。
【0016】
前記各培養室4は、図4および図5に示されるように、一側面に開口部4bを有し、該開口部4bを開閉可能な扉4aを備えている。開口部4bに向かって左右の側壁には、対応する高さ位置に複数のレール状のトレイ保持部材4cが設けられており、左右対となる各トレイ保持部材4cに掛け渡すようにして、トレイ7を上下方向に複数段収容できるようになっている。各培養室4内は、所定の培養条件、例えば、温度37±0.5℃、湿度100%およびCO2濃度5%等に維持されている。なお、トレイ保持部材4cはレール状に限定されず、トレイ7を出し入れ可能に支持することができれば任意の形態でよい。
【0017】
各トレイ7には、複数個、例えば、10個の培養容器3を並べて載置できるようになっている。各培養容器3は、図6に示されるように、容器本体3aと、該容器本体3aの上面に設けられた蓋体3bとからなり、容器本体3aの左右の側面には、後述する第2空間内のハンドにより引っかけられる突起3cが設けられている。
【0018】
各培養室4の下方には、図3に示されるように、未使用の培養容器3をトレイ7に搭載した状態で複数収容するストッカ8が配置されている。ストッカ8は、前記培養室4の扉とは反対側の第1空間S1の外部に向かう側面に開閉可能なドアを有している。該ドアは、ストッカ8の一側面全体を開放する大きさに形成されている。
【0019】
前記搬送ロボット5は、4個の培養室4の間隔位置のほぼ中央に配置されている。該搬送ロボット5は、水平回転可能な第1アーム5aと、該第1アーム5aの先端に鉛直軸回りに回転可能に連結された第2アーム5bと、該第2アーム5bの先端に鉛直軸回りに回転可能に取り付けられ、それ自身は駆動部、伝導機構などの培養室内の環境を劣化させる機構を持たないハンド5cと、これら第1アーム5a、第2アーム5bおよびハンド5cを昇降可能な昇降機構5dとを備えている。これにより、搬送ロボット5は、4個の培養室4内の全てのトレイ7にアクセスするとともに、前記シャッタ2を跨いで第1空間S1と第2空間S2との間に配置されたコンベア9上にトレイ7を引き渡すことができる水平方向の動作範囲を有している。
【0020】
前記コンベア9は、搬送ロボット5のハンド5cの幅寸法より大きな間隔をあけて左右に配置された2本の無端ベルト9aを備え、これら無端ベルト9aに掛け渡してトレイ7を載置できるようになっている。また、搬送ロボット5は、培養室4内の全てのトレイ7にアクセスするとともに、前記ストッカ8内の少なくとも最上段のトレイ7にアクセスできる垂直方向の動作範囲を有している。
なお、ベルト9aは無端ベルトに限られない。
【0021】
前記ハンド5cは、トレイ7を載置可能に水平方向に伸びる平坦な形状に形成されており、培養室4に収容されているトレイ7間の隙間に挿入可能な厚さ寸法に形成されている。そして、ハンド5cは、トレイ7間の隙間に挿入された状態から上昇させられることにより、2本の腕によってトレイ7を下方から押し上げてトレイ保持部材4cから取り上げるとともに、トレイ7を安定して保持できるようになっている。
【0022】
前記第2空間S2には、培養処理装置30が構成されている。この培養処理装置30は、シャッタ2が開かれた状態で第1空間S1からコンベア9によって搬送されてきたトレイ7上の培養容器3に対し細胞を供給し、あるいは、培地を供給、回収する給排ロボット10と、培養容器3内の培地から細胞を分離する遠心分離機(処理装置)11と、血清や試薬等の種々の液体を分注するための電動ピペット12を備えた水平回転および昇降移動可能な4台の分注ロボット13と、これら給排ロボット10および分注ロボット13の電動ピペット12先端に取り付ける使い捨て可能なチップ14を複数収容していて給排ロボット10および分注ロボット13の動作範囲内に提供可能な3台のチップ供給装置(処理装置)15と、使用済みのチップ14を廃棄回収するチップ回収部31と、血清や試薬等の種々の液体を複数の容器に貯留する試薬等供給装置(処理装置)16と、培養容器3内における細胞の様子を観察可能な顕微鏡(処理装置)17と、各試薬および培地交換等により廃棄される廃液をそれぞれ貯留する複数の貯留タンク18と、前記コンベア9と各ロボット10,13との間で培養容器3を受け渡し可能とするように培養容器3を移動させる水平移動機構(処理装置)19と、該水平移動機構19のスライダ20に取り付けられ、受け取った培養容器3を載置する載置台21とを備えている。
なお、第2空間S2にも、該第2空間S2内の空気を浄化するために清浄な下降気流を形成する空気清浄機32が設けられている。
【0023】
前記第2空間S2に構成された培養処理装置30は、その高さ方向の中間位置に配され第2空間S2内を上部空間S21と下部空間S22とに上下に区画する第1の区画壁33と、該第1の区画壁33により形成された下部空間S22内をさらに上下に区画する第2の区隔壁(下部区画壁)34とにより、上下方向に並ぶ3つの空間S21,S221,S222に区画されている。第1の区画壁33は、前記コンベア9の高さに配置され、その上方の上部空間S21内に、載置台21、給排ロボット10、分注ロボット13のアーム13a、顕微鏡17のXYテーブル17a以上の機構部等を配置している。これらの装置は、培養容器3の移動に必要な装置、および培養容器3の上部開口からアクセスすることが必要な装置だからである。なお、試薬等供給装置16の上面も第1の区画壁33の上面に露出しているが、これはチップ14の挿入口16cを上部空間S21に開口させるためである。
【0024】
また、第1の区画壁33には、載置台21を上部空間S21において移動させるために、載置台21を下部空間S21内の水平移動機構19に連結するための長孔35、第1の区画壁33の下方の空間S221に配置されたチップ供給装置15からチップ14を取り出すための貫通孔36、使用済みのチップ14を廃棄するための廃棄口37が貫通形成されている。さらに、第1の区画壁33には、その側壁30a,30bに沿って、上下に貫通する通気口38が設けられている(斜線部)。
【0025】
第1の区画壁33と第2の区画壁34との間の空間S221には、図7に示されるように、分注ロボット13の本体部分、チップ供給装置15、試薬等供給装置16、顕微鏡17のXYテーブル17a以下の部分、水平移動機構19および、チップ回収部31の廃棄口37と廃棄容器39とを接続するダクト40が備えられている。前記ダクト40は、図9に示されるように、例えば、その上端にフランジ部40aを備える構造とされ、第1の区画壁33の下部に設けたフック44に引っかけることで、第1の区画壁33と第2の区画壁34との間に着脱可能に設ければよい。第2の区画壁34の側壁30a,30b近傍には、該側壁30a,30bに沿って、上下に貫通する通気口43が設けられている(斜線部)。
【0026】
さらに、第2の区画壁34の下方の空間S222には、図8に示されるように、遠心分離機11、貯留タンク18、廃棄容器39、および排気ファン41が配置されている。排気ファン41の出口にはHEPAフィルタのようなフィルタ42が設けられ、排気される空気を清浄にするようになっている。貯留タンク18は、図示しない配管によって前記給排ロボット10に接続されており、一方の貯留タンク18に貯留している培地構成液を給排ロボット10に供給する一方、他方の貯留タンク18には、培養容器3内から吸引された使用済みの廃培地を配管を通して廃棄するようになっている。
【0027】
前記給排ロボット10は、水平多関節型ロボットであって、例えば、図4に示す例では、蓋体3bが開かれた培養容器3の上部開口から培地を供給あるいは吸引する電動ピペット10aおよび前記遠心分離機11により分離された細胞を吸引して培養容器3内に注入する電動ピペット10bを備えたヘッド10cと、水平旋回可能な2つのアーム10d,10eと、アーム10eの先端に設けられヘッド10cを昇降させる昇降機構10fとを備えている。符号10gは、貯留タンク18から培地を導き、あるいは、他の貯留タンク18内へ培地を廃液として排出するダクトである。
【0028】
給排ロボット10は、電動ピペット10b先端にチップ供給装置15から供給されたチップ14を装着して、遠心分離機11により分離された細胞を吸引し、載置台21上に搭載された培養容器3内に上部開口から供給するようになっている。また、電動ピペット10a先端にチップ供給装置15から供給された他のチップ14を装着して、載置台21上に搭載された培養容器3内に培地を供給し、あるいは、培養容器3内から培地あるいは細胞入りの培地を吸引するようになっている。一旦使用された使用済みのチップ14は、チップ回収部31において取り外され回収されるようになっている。したがって、給排ロボット10は、載置台21、チップ供給装置15、チップ回収部31および遠心分離機11からの細胞供給装置(図示略)等の種々の装置をその動作範囲内に配置している。
【0029】
前記遠心分離機11は、給排ロボット10から供給された細胞入り培地を低速回転させることにより培地内に浮遊していた比重の重い細胞を培地から分離して沈下させるようになっている。
【0030】
前記分注ロボット13は、それぞれ、先端にチップ14を着脱可能に取り付ける電動ピペット12を備えた水平回転可能なアーム13aと、該アーム13aを昇降させる昇降機構13bとを備えている。分注ロボット13は、水平移動機構19によって搬送されて来た培養容器3内へ、培地や種々の試薬を供給するようになっている。したがって、分注ロボット13は、水平移動機構19上の載置台21、チップ供給装置15、チップ回収部31および試薬等供給装置16等の種々の装置をその動作範囲内に配置している。
【0031】
前記チップ供給装置15は、上方に開口した容器15a内に、電動ピペット10a,10b,12への取付口を上向きにして複数のチップ14を配列状態に収容しており、給排ロボット10や分注ロボット13が、新たなチップ14を必要とするときに、電動ピペット10a,10b,12を上方から挿入するだけで、電動ピペット10a,10b,12の先端にチップ14を取り付けるように構成されている。容器15aは、給排ロボット10や分注ロボット13による電動ピペット10a,10b,12の移動方向に対して交差する方向に往復移動させられるように移動機構15bに取り付けられている。また、分注ロボット13にチップ14を供給するチップ供給装置15には、移動機構15bによる移
動方向とは直交する方向に容器15aを移動させる他の移動機構15cが備えられている。これにより、容器15a内の全てのチップ14に対して電動ピペット10a,10b,12がアクセスすることができるようになっている。
【0032】
前記チップ回収部31は、廃棄容器39の入口に、チップ14を把持する把持装置(図示略)を備えていて、給排ロボット10や分注ロボット13において使用されたチップ14が把持装置に挿入されると、これを把持するようになっている。そして、この状態で給排ロボット10や分注ロボット13が電動ピペット10a,10b,12を移動させることにより、電動ピペット10a,10b,12先端から使用済みチップ14が取り外され、廃棄容器39内にダクト40を介して回収されるようになっている。廃棄容器39は、空間S222内に着脱可能に配置されており、必要に応じて交換可能となっている。
前記ダクト40および廃棄容器39の交換時には、培養処理装置30の側壁30a,30bに設けられた図示しないドアを開くことにより、培養処理装置30の外部からアクセスすることとすればよい。
【0033】
前記試薬等供給装置16は、例えば、図7に示されるように、円筒状のケーシング内部に、水平回転可能なテーブル16aを収容し、該テーブル16a上に、扇型の底面形状を有する筒状の試薬等容器16bを周方向に複数配列して搭載している。ケーシング内部は一定の温度に保冷されている。各試薬等容器16bには、種々の試薬等が貯留されている。例えば、細胞を培養するために必要な培地を構成するMEM(Minimal Essential
Mediu
m:最小必須培地)、DMEM(Dulbecco's Modified
Eagle Medium)、FBS(Fetal Bo
vine
Serum:ウシ胎児血清)やヒト血清のような血清、培養容器3内の細胞を剥離させるトリプシンのような蛋白質分解酵素や、培養に際して細胞を成長させるサイトカインのような成長因子、細胞を分化させるデキサメタゾンのような分化誘導因子、ペニシリン系抗生物質のような抗生剤、エストロゲン等のホルモン剤や、ビタミン等の栄養剤が貯留されている。
【0034】
試薬等供給装置16のケーシングの上面には、分注ロボット13が電動ピペット12先端のチップ14を挿入する挿入口16cが設けられている。この挿入口16cは、前記分注ロボット13の動作範囲内に配置されている。また、各試薬等容器16bは、その上面に、前記挿入口16cに一致する位置に配置される開口部(図示略)を備えている。これにより、テーブル16aを回転させて試薬等容器16bの開口部をケーシングの挿入口16cの鉛直下方に配置することで、分注ロボット13が、電動ピペット12先端のチップ14を上方から試薬等容器16b内へ挿入して、内部に貯留されている試薬等を吸引することができるようになっている。試薬等供給装置16を2台設けているのは、検体に共通のトリプシンのような薬液と、検体に固有の血清のような液体とを分離して取り扱うようにしているためである。
【0035】
前記顕微鏡17は、培養工程の途中、あるいは、培地交換の際に、培養容器3内の細胞の様子や増殖の程度を観察したり、細胞数を計数したりする場合等に使用されるようになっている。顕微鏡17のXYステージ17aや作動距離調整、倍率の変更等は全て遠隔操作により行うことができるように構成されている。第2空間S2の外方に向けて接眼レンズを配置しておくことにより、自動培養装置1の外部から培養容器3内の細胞の状態を観察できるようにしてもよい。
【0036】
前記貯留タンク18は、例えば、全ての検体に共通して使用できるMEMやPBS(リン酸緩衝化食塩水)等を貯留しておき、必要に応じて試薬等供給装置16内の試薬等容器16b内に供給するようになっている。また、貯留タンク18には、廃液タンクとして、
培地交換の際に排出される廃培地等を貯留するものもある。
【0037】
前記水平移動機構19は、直線移動機構により水平方向に移動可能なスライダ20を備えている。スライダ20上には前記載置台21が搭載されており、載置台21に搭載された培養容器3を、コンベア9から分注ロボット13の動作範囲まで移動させることができるようになっている。
【0038】
前記載置台21は、コンベア9上のトレイ7内から移載された培養容器3を搭載して保持する保持機構(図示略)を備える。また、該培養容器3に振動を付与する加振装置(図示略)を備えていてもよい。加振装置は、例えば、培養容器3を所定の角度範囲で往復揺動させる装置の他、超音波振動を加える装置や、水平方向の振動を加える装置を採用してもよい。
自動培養装置1の各種装置には、図示しない制御装置が接続されている。制御装置は、各工程の順序や動作タイミング等を制御するとともに、動作履歴等を記録保存するようになっている。
【0039】
このように構成された培養処理装置30および自動培養装置1の作用について、以下に説明する。
自動培養装置1を用いて、骨髄間葉系幹細胞を培養するには、まず、患者から採取された骨髄液を遠心分離容器(図示略)に入れた状態で遠心分離機11に投入する。この工程は、作業者が行ってもよく、また、給排ロボット10に行わせてもよい。これにより、遠心分離機11の作動により、骨髄液中から比重の重い骨髄細胞が集められる。
【0040】
集められた骨髄細胞は、給排ロボット10により、培養容器3に投入される。このとき、コンベア9の作動により、トレイ7に載せた10個の空の培養容器3が、第1空間S1から第2空間S2に差し出されている。トレイ7上の培養容器3の内の2個の培養容器3が、図示しない移載装置の作動により、載置台21上に載置される。そして、図示しない蓋体開閉装置の作動により、載置台21上の培養容器3の蓋体3bが開けられる。
【0041】
チップ供給装置15が移動機構15bを作動させることにより、未使用のチップ14を給排ロボット10の動作範囲内に配すると、給排ロボット10は、昇降機構10fを作動させることにより、ヘッド10cを下降させて、第1の区画壁33下方のチップ供給装置15から未使用のチップ14を受け取り、電動ピペット10aの先端に取り付ける。
この状態で、給排ロボット10を作動させて、電動ピペット10a先端のチップ14を遠心分離機11内に集められた骨髄細胞懸濁液に接触させる。そして、電動ピペット10aを作動させることにより、チップ14内に骨髄細胞を吸引する。吸引された骨髄細胞は給排ロボット10を作動させることにより、載置台21上の培養容器3内に上部開口から投入される。
【0042】
骨髄細胞を培養容器3内に投入し終わると、給排ロボット10は、第1の区画壁33に形成された廃棄口37にチップ14を挿入して取り外し、チップ回収部31に回収させる。廃棄口37において取り外されたチップ14は、ダクト40を介して、最下位の空間S222に配置されている廃棄容器内に投入される。
【0043】
この状態で、給排ロボット10は、昇降機構10fを作動させることにより、ヘッド10cを下降させて、第1の区画壁33下方のチップ供給装置15から未使用のチップ14を受け取り、電動ピペット10bの先端に取り付ける。この状態で、給排ロボット10を作動させて、電動ピペット10b先端のチップ14を介して、貯留タンク18に貯留されているDMEMやPBS(リン酸緩衝化食塩水)を培養容器3内に供給する。
【0044】
次に、骨髄細胞が投入された培養容器3は、水平移動機構19を作動させることにより、載置台21ごと水平移動させられ、各分注ロボット13の動作範囲内に配置される。分注ロボット13は、チップ供給装置15から受け取った未使用のチップ14を先端に取り付けた電動ピペット12を作動させることにより、試薬等供給装置16の試薬等容器16b内からDMEMや血清、あるいは各種試薬を適量吸引した後に、培養容器3の上方まで搬送して培養容器3内に注入する。血清や各試薬の吸引は、各試薬等の吸引毎にチップ供給装置15から未使用のチップ14に交換して行われる。これにより、培養容器3内においては、適正な培地内に骨髄細胞が混合された状態で存在することになる。なお、培地内において骨髄細胞を均一に分布させるために、載置台21を作動させて、培養容器3ごと加振することにしてもよい。
【0045】
そして、全ての処理を終えた培養容器3は水平移動機構19の作動により、コンベア9の近傍まで移動させられ、そこで、再度、蓋体開閉装置および移載装置の作動により、蓋体3bにより上部開口を閉じられた状態で、トレイ7に戻される。
トレイ7上の全ての培養容器3に対して所定の処理が行われた後に、コンベア9を作動させることにより、トレイ7に載せられた培養容器3が第2空間S2から第1空間S1の中央空間S12内に挿入される。
【0046】
この状態で、搬送ロボット5を作動させることにより、ハンド5cによってトレイ7を持ち上げる。そして、トレイ7を収容する培養室4の前まで搬送したところで、当該培養室4の扉4aを開き、搬送ロボット5によって、空いているトレイ保持部材4c上にトレイ7を挿入する。そして、再度、扉4aを閉じることにより、培養室4内の培養条件を一定に保持して細胞の培養が行われることになる。なお、骨髄細胞投入や、DMEM、血清、各種試薬の投入や吸引の順序は適宜変更してもよいのは言うまでもない。
【0047】
また、培地交換や容器交換の際にも、上記と同様にして、培養室4外に配置されている搬送ロボット5の作動により、培養室4内の培養容器3がトレイ7ごと取り出され、第1空間S1から第2空間S2へ受け渡される。第2空間S2では、培養容器3内にトリプシンが注入されて、培養容器3内の細胞が剥離させられた状態で、給排ロボット10の作動によって遠心分離機11内に投入され、間葉系幹細胞等の必要なもののみが集められる。その他の処理工程は上記と同様である。
【0048】
そして、複数回の培地交換や容器交換を介した所定期間にわたる培養工程を行うことにより、間葉系幹細胞が十分な細胞数まで増殖させられることになる。十分な細胞数に達したか否かは、給排ロボット10の作動により、間葉系幹細胞が底面に付着した培養容器3を顕微鏡17まで搬送することにより、観察あるいは測定され、細胞の増殖の程度が判断される。なお、トレイ7上には、同一検体の培養容器3が載置されていてもよいし、異なる検体の培養容器3が混在していてもよい。また、載置台21上には同一検体の培養容器3が載置されてもよいし、異なる検体の培養容器3が混在していてもよい。
【0049】
このようにして、自動培養装置1により、患者から採取した骨髄液から十分な細胞数の間葉系幹細胞を自動的に培養することが可能となる。なお、十分な間葉系幹細胞が得られた後には、培養容器3内にデキサメタゾンのような分化誘導因子を投入して、再度培養工程を継続することにより、培養された間葉系幹細胞を分化させた骨芽細胞を得ることができる。なお、培養容器3内にリン酸カルシウムのような生体組織補填材を入れておいてもよい。
【0050】
この自動培養装置1によれば、培養室4内に、培養容器3を取り出すための機構部が存在しない。すなわち、培養室4内には、トレイ7を載置した状態に支持するトレイ保持部材4cが設けられているのみであり、培養容器3を取り出すための機構部は全て培養室4外に配置された搬送ロボット5に集約されている。そして、搬送ロボット5は、トレイ7の出し入れ作業が行われた後には、培養室4の扉4aの外側に完全に退避することができるようになっている。
【0051】
したがって、扉4aが閉じられた状態では、培養室4内に機構部が存在せず、機構部の作動によって発生するような塵埃の発生は全く存在しない。また、培養室4内は、温度37±0.5℃、湿度100%およびCO濃度5%等に維持されるが、機構部が存在しないために、このような環境下においても、腐食等の問題が生ずることがない。また、扉4aが開かれた状態においても、培養室4内に挿入されるのは搬送ロボット5のハンド5c先端のみであり、実質的に回転機構や摺動機構が培養室4内に入ることはない。したがって、培養室4内への塵埃の侵入が抑制され、培養室4内部の清浄度を高めることができる。
なお、培養室4はCOインキュベータ、マルチガスインキュベータ、インキュベータ、保冷庫等のように、培養に利用されるものあるいはその組合せで構成されていてもよい。
【0052】
また、培養処理装置30および自動培養装置1によれば、培養処理装置30の第2空間S2内が、第1の区画壁33により上部空間S21と下部空間S22とに区画されている。さらに、上部空間S21には清浄な下降気流を発生させる空気清浄機32が設けられている。そして、第1の区画壁33には、その側壁30a,30b近傍に通気口38が設けられている。第1の区画壁33には、通気口38の他に種々の装置を貫通させるための貫通孔36,37等が形成されているが、通気口38の流通断面積を他の貫通孔36,37等の流通断面積より十分に大きく確保しておくことにより、気流を通気口38に通過させることが可能となる。
【0053】
したがって、上部空間S21内を下降してきた清浄な気流は、第1の区画壁33の近くで側壁30a,30bの方向に向かい、通気口38を介して下部空間S22へと流通させられる。その結果、上部空間S21内に浮遊していた塵埃を下方に向かって押し流してきた気流が、上部空間S21の側壁30a,30b近傍の角部に滞留することがなく、スムーズに下部空間S22へ流通させられることになる。
【0054】
さらに、培養処理装置30および自動培養装置1によれば、蓋体3bを開かれた状態の培養容器3が移動させられる上部空間S21には、培養容器3の移動に必要な載置台21、顕微鏡17のXYテーブル17a、培養容器3の上部開口からアクセスすることが必要な給排ロボット10、分注ロボット13の電動ピペット12、顕微鏡17の光源部分等のみが配置され、その他の機構部は下部空間S22に配置されている。したがって、上部空間S21における塵埃の発生が最小限に抑えられ、培養容器3内への塵埃の混入の可能性が低減されることになる。
【0055】
また、特に、塵埃を発生する可能性の高い装置、例えば、遠心分離機11、廃棄容器39、排気ファン41等は、下部空間S22の内、さらに第2の区画壁34によって区画された最下位の空間S222内に配置されているので、そこで発生した塵埃が上部空間S21に流入することはない。さらに、空間S222内の空気は排気ファン41によって吸引され、HEPAフィルタ42によって塵埃を除去された後に培養処理装置30の外部に放出される。したがって、上部空間S21の清浄度は、極めて高い清浄度に維持されることになる。
【0056】
また、第2の区画壁34にも、側壁30a,30bに沿って通気口43が設けられているので、上部空間S21から流入した塵埃を含む気流が、空間S221内に広がることなく、スムーズに空間S222に向けて流通させられることになる。
【0057】
さらに、培地や細胞が付着した使用済みのチップ14を収容した廃棄容器39は、着脱可能であり、必要によりまたは定期的に交換することで、下部空間S22の清浄度をも高い状態に回復することができる。さらに、廃棄容器39への廃棄の際に使用済みのチップ14を通過させるダクト40も、必要によりまたは定期的に取り外して、交換あるいは清掃することで、清浄度の向上に寄与することができる。
【0058】
さらに、自動培養装置1は、搬送ロボット5の設置されている中央空間S12の上部に、空気清浄部6を備えているので、搬送ロボット5の存在する中央空間S12内も常に清浄度が維持されている。したがって、培養室4の扉4aが開かれたときにも、培養室4内に塵埃が流入することを最小限に抑えることが可能となる。
したがって、自動培養装置1によれば、培養中の細胞が塵埃等によって汚染される可能性を低減し、健全な細胞を培養することができる。
【0059】
なお、培養室4の形状や数、搬送ロボット5、給排ロボット10および分注ロボット13の形態や数、各種装置の形態や数等は、何ら限定されることなく、適用条件に合わせて任意に設定することができる。
また、成長因子としては、サイトカインの他に、例えば、濃縮血小板、BMP、EGF、FGF、TGF−β、IGF、PDGF、VEGF、HGFやこれらを複合させたもの等の成長に寄与する物質を採用することにしてもよい。また、抗生剤としては、ペニシリン系抗生物質の他、セフェム系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ホスホマイシン系、アミノグリコシド系、ニューキノロン系等任意の抗生物質を採用することができる。
なお、自動培養装置1は、骨髄の間葉系幹細胞の培養に限定されるものではない。生体の種々の組織から採取された細胞を培養してもよい。
【0060】
また、生体組織補填材を使用する場合は、リン酸カルシウムに代えて、生体組織に親和性のある材料であれば任意のものでよく、生体吸収性の材料であればさらに好ましい。特に、生体適合性を有する多孔性のセラミックスや、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒアルロン酸、またはこれらの組合せを用いてもよい。また、チタンの様な金属であってもよい。また、生体組織補填材は、顆粒状でもブロック状でもよい。
【0061】
このようにして、自動培養装置1により得られた骨芽細胞を用いてセルベースドアッセイ系の基板を作成することにより、創薬スクリーニングに必要な量の基板を作成できる。したがって、健常者の組織から正常な骨芽細胞を採取してセルベースドアッセイ系の基板を作成する場合と比較すると、健常者から採取する体液の量を最小限に抑えて、遙かに多量の基板を作成することができる。
【0062】
また、健常者の組織から直接取得した正常な骨芽細胞も用いてスクリーニングを行う場合と比較すると、正常な骨芽細胞と同等の生物学的特性を有する骨芽細胞を得ることができ、これを用いたセルベースドアッセイ系の創薬スクリーニングにおいては、健常者から直接取得した骨芽細胞に対して行ったのと同じスクリーニング結果を得ることができる。
【0063】
したがって、反応ステップSTEP2および検出ステップSTEP3において、目的の薬効に対して確かに活性があると認められるヒット化合物を正確に検出することができるとともに、その中から、非特異的な活性、物性、毒性や合成展開性等様々な観点で選ばれるリード化合物を精度よく検出することができる。
【0064】
なお、創薬スクリーニングに用いる生体組織細胞としては、骨芽細胞に限定されるものではなく、破骨細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、筋肉細胞、心筋細胞、神経細胞、膵島細胞、肝細胞、上皮細胞、角膜細胞、血管内皮細胞等、他の任意の生体組織細胞でもよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】この発明の一実施形態に係る創薬スクリーニング方法を示すフローチャートである。
【図2】図1の創薬スクリーニング方法における基板作成ステップにおいて、骨芽細胞を得るステップを説明する概略的なブロック図である。
【図3】図2の骨芽細胞を得るステップに使用される自動培養装置を示す斜視図である。
【図4】図3の自動培養装置の第1空間を概略的に示す縦断面図である。
【図5】図3の自動培養装置の第1空間を概略的に示す平面図である。
【図6】図3の自動培養装置において用いられる培養容器の一例を示す斜視図である。
【図7】図3の自動培養装置の培養処理装置の第1の区画壁を除去して第2の区画壁上の装置を示す斜視図である。
【図8】図3の自動培養装置の培養処理装置の第1および第2の区画壁を除去して最下位の空間内に設置された装置を示す斜視図である。
【図9】図3の自動培養装置の培養処理装置の廃棄容器に接続するダクトの取付構造例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 自動培養装置
STEP1 基板作成ステップ
STEP2 反応ステップ
STEP3 検出ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液から分離した幹細胞を、所定の培養条件下で培養して分化させた生体組織細胞を含み、化合物を複数収容可能な基板を作成するステップと、
該基板内に化合物を投入して、基板内の生体組織細胞と相互作用するように接触させるステップと、
基板内において生体組織細胞と相互作用させられた化合物の活性を検出するステップとを含む創薬スクリーニングのセルベースドアッセイ系における生体組織細胞の使用方法。
【請求項2】
人体から採取した体液を、自動培養装置に投入し、自動培養装置から得られた生体組織細胞を用いて前記基板を作成する請求項1に記載の創薬スクリーニングのセルベースドアッセイ系における生体組織細胞の使用方法。
【請求項3】
体液から分離した幹細胞を、所定の培養条件下で培養して分化させた生体組織細胞を含み、化合物を複数収容可能な基板を作成するステップと、
該基板内に化合物を投入して、基板内の生体組織細胞と相互作用するように接触させるステップと、
基板内において生体組織細胞と相互作用させられた化合物の活性を検出するステップとを含む創薬スクリーニング方法。
【請求項4】
人体から採取した体液を、自動培養装置に投入し、自動培養装置から得られた生体組織細胞を用いて前記基板を作成する請求項3に記載の創薬スクリーニング方法。
【請求項5】
前記生体組織細胞が骨芽細胞である請求項1または請求項2に記載の生体組織細胞の使用方法。
【請求項6】
前記生体組織細胞が骨芽細胞である請求項3または請求項4に記載の創薬スクリーニング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−81432(P2006−81432A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268115(P2004−268115)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】