説明

加入者端末登録方法、加入者端末及びネットワーク

【課題】周期的に設けられる、登録済みのONUとOLTとの間の通信を禁止するディスカバリウィンドウの幅を狭くし、回線効率を高める。
【解決手段】先ず、ディスカバリゲート信号を受信する(S10)。次に、ディスカバリゲート信号の受信に応答して、ディスカバリフラグがオンであるかオフであるかを判定する(S20)。次に、ディスカバリフラグがオンであるときは、ランダムディレイを挿入し(S30)、ディスカバリフラグがオフであるときは、ディスカバリフラグをオンにして(S40)、レジスタリクエスト信号を局側装置に対して送信する(S50)。次に、局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する(S60)。信号がレジスタ信号であるときは、ディスカバリフラグをオフにして登録を完了し、信号がディスカバリゲート信号であるときは、再びディスカバリフラグを判定する過程を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、1つの局側装置と複数の加入者端末で構成されるネットワーク、特に、局側装置と加入者端末を光ファイバ網で接続するPON(Passive Optical Network)システムにおける加入者端末登録方法、加入者端末及びネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
PONシステムは、光ネットワークであって、インターネット接続サービス、IP電話、映像配信サービスなどインターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)を使用した各種サービスを提供することができる。
【0003】
図7を参照して、PONシステムの構成について説明する。図7は、PONシステムの概略構成図である。PONシステム100では、キャリアの局舎に設置される局側装置(OLT:Optical Line Terminal)200と、加入者宅に設置される複数の加入者端末(ONU:Optical Network Unit)300が、1本の光ファイバから光スプリッタ400を介して複数の光ファイバに分岐する光ファイバ網で接続されている。
【0004】
PONシステムの中で、Ethernet(登録商標)技術を使用したものをEthernet(登録商標)−PONと称し、Gigabit(1×10bit/sec)Ethernet(登録商標)技術を使用したものをGE−PONと称する。GE−PONは、IEEE802.3ahで標準化されている。
【0005】
GE−PONシステムにおいて、OLT200とONU300の間の通信を行うためには、OLT200にONU300を登録する必要がある。GE−PONシステムでは、1つのOLT200に対して、複数のONU300が接続されているため、新たなONU300の登録は、他の登録済みのONU300とOLT200の間の通信に影響することなく行われる必要がある。そのため、上記IEEE802.3ah(以下、標準と称する。)では、未登録のONUがOLTに検出され、登録される手順(以下、ディスカバリシーケンスと称する。)が規定されている。
【0006】
図8を参照して、標準でのディスカバリシーケンスを説明する。
【0007】
OLT200は、周期的にディスカバリゲート信号をブロードキャスト送信する。ディスカバリゲート信号が送信される周期をディスカバリ周期と称する。ディスカバリゲート信号は、ONU300が登録されているか否かに関らず、全てのONU300に対して送信される。PONシステム100に新たに接続されたONU300は、電源がON状態になり、信号の受信が可能な状態になると、周期的にディスカバリゲート信号を受信する。
【0008】
未登録のONU300では、ディスカバリゲート信号を受信すると、OLT200に対して登録を要求するレジスタリクエスト信号を送信する。レジスタリクエスト信号には、各ONU300の個体識別番号としてのMACアドレスが含まれている。
【0009】
ここで、複数のONU300の登録が同時に行われる場合、複数のONU300からのレジスタリクエスト信号が衝突して、OLT200がレジスタリクエスト信号を認識できなくなる恐れがある。そこで、各ONU300は、ディスカバリゲート信号の受信に応答して、乱数演算を行い、ランダムディレイを挿入して送信タイミングを設定して、レジスタリクエスト信号の衝突を防止する。
【0010】
一方、OLT200では、ディスカバリウィンドウが設定されていて、OLT200は、このウィンドウが開いている時間の間、レジスタリクエスト信号の受信を待つ。なお、ONU300で設定されるランダムディレイの大きさは、OLT200におけるレジスタリクエスト信号の受信が、ディスカバリウィンドウが開いている時間の間でされるように設定される。
【0011】
OLT200は、レジスタリクエスト信号を受信することで、ONU300のMACアドレスを認識する。OLT200は、認識したMACアドレスを有するONU300宛に、レジスタ信号を送る。レジスタ信号には、PONシステム100におけるリンク番号(LLID)が含まれている。
【0012】
また、OLT200は、レジスタ信号の送信に続いて、送信帯域及び送信タイミングを通知して、上り信号の送信を許可するゲート信号をONU300に送る。
【0013】
ゲート信号を受信したONU300は、レジスタアック(ACK)信号をOLT200に対して送信する。OLT200がレジスタアック信号を受信すると、ONU300の登録が完了する、すなわち、ディスカバリシーケンスが終了する(例えば、特許文献1参照)。
【0014】
ONUが登録された後は、OLT−ONU間で、通常の通信が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2007−243284号公報(段落0051〜0055)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ここで、ディスカバリウィンドウの時間幅は、ONUの内部処理時間、OLTとONUとの行路差、ランダムディレイの最大値等から算出して決定するのが一般的である。ランダムディレイの最大値は、レジスタリクエスト信号の衝突を防ぐために、当該PONシステムに収容可能なONUの最大数などに基づいて定められる。
【0017】
ディスカバリシーケンスが、既に登録済みのONUとOLTの間の通信に影響を与えないように、ディスカバリウィンドウが開いている時間の間は、登録済みのONUとOLTとの間の通信は禁止されている。また、ONUがいつ接続されても、登録できるように、OLTは、ディスカバリ周期ごとにディスカバリゲート信号を送信し、ディスカバリシーケンスを行う。
【0018】
従って、この周期的に行われるディスカバリシーケンスにより、周期的に通信ができない時間が発生し、回線効率が低下するという問題がある。例えば、ディスカバリ周期を1msec、ディスカバリウィンドウ幅を200μsとすると、回線効率が2%程度低下するので、1Gbitの通信をする場合は、20MBitが無駄になる。
【0019】
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、この発明の目的は、ONUを登録する際に、通常はランダムディレイを挿入せず、衝突が起こった場合にランダムディレイを挿入する構成にすることで、ディスカバリウィンドウの幅を狭くし、回線効率を高める、加入者端末登録方法、加入者端末及びネットワークを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上述した目的を達成するために、この発明の加入者端末登録方法は、1個の局側装置と複数の加入者端末で構成されるネットワークにおいて、未登録の加入者端末を登録する方法であって、未登録の加入者端末で行われる、以下の過程を備えている。
【0021】
先ず、ディスカバリゲート受信過程において、ディスカバリゲート信号を受信する。次に、ディスカバリフラグ判定過程において、ディスカバリゲート信号の受信に応答して、ディスカバリフラグがオンであるかオフであるかを判定する。次に、レジスタリクエスト送信過程において、ディスカバリフラグがオンであるときは、ランダムディレイを挿入し、ディスカバリフラグがオフであるときは、ディスカバリフラグをオンにして、レジスタリクエスト信号を局側装置に対して送信する。次に、信号判定過程において、局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する。
【0022】
信号がレジスタ信号であるときは、ディスカバリフラグをオフにして登録を完了し、信号がディスカバリゲート信号であるときは、再びディスカバリフラグ判定過程を行う。
【0023】
この発明の加入者端末登録方法の他の好適実施形態によれば、未登録の加入者端末で行われる、以下の過程を備えている。
【0024】
先ず、ディスカバリゲート受信過程において、ディスカバリゲート信号を受信する。次に、失敗フラグ判定過程において、ディスカバリゲート信号の受信に応答して、失敗フラグがオンであるかオフであるかを判定する。次に、レジスタリクエスト送信過程において、失敗フラグがオンであるときは、ランダムディレイを挿入し、失敗フラグがオフであるときは、ランダムディレイを非挿入として、レジスタリクエスト信号を局側装置に対して送信する。次に、信号判定過程において、局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する。
【0025】
信号がレジスタ信号であるときは、登録を完了し、信号がディスカバリゲート信号であるときは、失敗フラグをオンとした後、再び失敗フラグ判定過程を行う。
【0026】
また、この発明の加入者端末登録方法の他の好適実施形態によれば、未登録の加入者端末で行われる、以下の過程を備えている。
【0027】
全ての加入者端末を同時に登録する場合は、未登録の加入者端末で、以下の過程を行う。
【0028】
先ず、ディスカバリゲート受信過程において、ディスカバリゲート信号を受信する。次に、失敗フラグ判定過程において、ディスカバリゲート信号の受信に応答して、失敗フラグがオンであるかオフであるかを判定する。次に、レジスタリクエスト送信過程において、失敗フラグがオンであるときは、ランダムディレイを挿入し、失敗フラグがオフであるときは、ランダムディレイを非挿入として、レジスタリクエスト信号を局側装置に対して送信する。次に、信号判定過程において、局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する。
【0029】
信号がレジスタ信号であるときは、登録を完了し、信号がディスカバリゲート信号であるときは、失敗フラグをオンとした後、再び失敗フラグ判定過程を行う。
【0030】
一方、各加入者端末を個別に登録する場合は、未登録の加入者端末で、以下の過程を行う。
【0031】
先ず、ディスカバリゲート受信過程において、ディスカバリゲート信号を受信する。次に、ディスカバリフラグ判定過程において、ディスカバリゲート信号の受信に応答して、ディスカバリフラグがオンであるかオフであるかを判定する。次に、レジスタリクエスト送信過程において、ディスカバリフラグがオンであるときは、ランダムディレイを挿入し、ディスカバリフラグがオフであるときは、ディスカバリフラグをオンにして、レジスタリクエスト信号を局側装置に対して送信する。次に、信号判定過程において、局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する。
【0032】
信号がレジスタ信号であるときは、ディスカバリフラグをオフにして登録を完了し、信号がディスカバリゲート信号であるときは、再びディスカバリフラグ判定過程を行う。
【0033】
上述した加入者端末登録方法の実施にあたり、全ての加入者端末を同時に登録する場合は、局側装置で、ディスカバリウィンドウを拡幅するのが良い。
【0034】
また、加入者端末の登録可能台数が多いときは、局側装置において、ディスカバリウィンドウの幅を大きくし、登録可能台数が少ないときは、ディスカバリウィンドウの幅を狭くするのが良い。
【0035】
また、加入者端末の登録可能台数が多いときは、局側装置において、ディスカバリゲートの送信周期を短くし、登録可能台数が少ないときは、ディスカバリゲートの送信周期を長くしてもよい。
【0036】
また、上述した目的を達成するために、この発明の、1つの局側装置が複数の加入者端末に接続されて構成されるネットワークで用いられる加入者端末は、ディスカバリフラグが格納される記憶部と、局側装置へ送信する信号の制御を行う加入者側制御部とを備えて構成される。
【0037】
加入者側制御部は、ディスカバリフラグ判定手段と、ランダムディレイ挿入手段と、ディスカバリフラグ更新手段と、信号判定手段とを備えて構成される。
【0038】
ディスカバリフラグ判定手段は、ディスカバリフラグがオンであるかオフであるかを判定する。ランダムディレイ挿入手段は、ディスカバリフラグがオンのとき、ランダムディレイを生成して、信号を送信するタイミングを制御する。ディスカバリフラグ更新手段は、ディスカバリフラグをオン及びオフのいずれかに設定する。信号判定手段は、局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する。
【0039】
また、この発明の加入者端末の他の好適実施形態によれば、失敗フラグが格納される記憶部と、局側装置へ送信する信号の制御を行う加入者側制御部とを備えて構成されるのが良い。
【0040】
加入者側制御部は、失敗フラグ判定手段と、ランダムディレイ挿入手段と、失敗フラグ更新手段と、信号判定手段とを備えて構成される。
【0041】
失敗フラグ判定手段は、失敗フラグがオンであるかオフであるかを判定する。ランダムディレイ挿入手段は、失敗フラグがオンであるとき、ランダムディレイを生成して、信号を送信するタイミングを制御する。失敗フラグ更新手段は、失敗フラグをオンに設定する。信号判定手段は、局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する。
【0042】
また、この発明の加入者端末の他の好適実施形態によれば、ディスカバリフラグ及び失敗フラグが格納される記憶部と、局側装置へ送信する信号の制御を行う加入者側制御部とを備えて構成されるのが良い。
【0043】
加入者側制御部は、ディスカバリフラグ判定手段と、失敗フラグ判定手段と、ランダムディレイ挿入手段と、ディスカバリフラグ更新手段と、失敗フラグ更新手段と、信号判定手段と、再登録判定手段とを備えて構成される。
【0044】
ディスカバリフラグ判定手段は、ディスカバリフラグがオンであるかオフであるかを判定する。失敗フラグ判定手段は、失敗フラグがオンであるかオフであるかを判定する。ランダムディレイ挿入手段は、ディスカバリフラグがオンのとき、あるいは、失敗フラグがオンのとき、ランダムディレイを生成して、信号を送信するタイミングを制御する。ディスカバリフラグ更新手段は、ディスカバリフラグをオン及びオフのいずれかに設定する。失敗フラグ更新手段は、失敗フラグをオンに設定する。信号判定手段は、局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する。再登録判定手段は、ネットワークに登録された加入者端末の全てを再登録するか否かを判定する。
【0045】
このとき、失敗フラグが格納される記憶部が、不揮発性メモリであるのが良い。
【0046】
また、上述した目的を達成するため、この発明の、1つの局側装置が複数の加入者端末に接続されて構成されるネットワークは、加入者端末として、上述した加入者端末を備えるのが良い。
【0047】
また、局側装置が、全ての加入者端末を同時に登録する場合に、ディスカバリウィンドウを拡幅するディスカバリウィンドウ変更手段を有するのが良い。また、局側装置が、加入者端末の登録可能台数が多いときは、ディスカバリウィンドウの幅を大きくし、登録可能台数が少ないときは、ディスカバリウィンドウの幅を小さくするディスカバリウィンドウ変更手段を有するのが良い。また、局側装置が、加入者端末の登録可能台数が多いときは、ディスカバリゲートの送信周期を短くし、登録可能台数が少ないときは、ディスカバリゲートの送信周期を長くするディスカバリ周期変更手段を有するのが良い。
【発明の効果】
【0048】
この発明の加入者端末登録方法、加入者端末及びネットワークによれば、複数のONUが同時に接続され、それらのディスカバリシーケンスにおいて、衝突が起こった時にランダムディレイを挿入し、それ以外のときは、ランダムディレイを挿入しない。このため、ディスカバリウィンドウの幅を狭くすることができ、それにより、伝送可能帯域を広げ、通信効率を向上させることができる。
【0049】
また、通信効率を向上させると、通信機器の消費電力の低減する効果も得られ、さらに、局舎の電源設備の縮小化及び空冷施設の縮小化や、これに伴う、さらなる消費電力の低減も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】OLTの概略構成図である。
【図2】ONUの概略構成図(1)である。
【図3】第1実施形態の登録方法を説明するための処理フローである。
【図4】第1実施形態の登録方法を説明するためのシーケンス図である。
【図5】ONUの概略構成図(2)である。
【図6】第2実施形態の登録方法を説明するための処理フローである。
【図7】PONシステムの概略構成図である。
【図8】従来の登録方法を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
【0052】
(第1実施形態の構成)
図1を参照してOLTの構成について説明する。OLT200は、上位ネットワーク側受信部202、上位ネットワーク側送信部204、データ中継処理部206、PON側受信部212、PON側送信部214、光受信部222、光送信部224、合分波部230、制御信号処理部240及び記憶部250を備えている。
【0053】
上位ネットワーク側受信部202は、上位ネットワークから下りフレームを受信し、この下りフレームをデータ中継処理部206に送る。データ中継処理部206は受け取った下りフレームをPON側送信部214に送る。PON側送信部214では、受け取った下りフレームを符号化した後、光送信部224に送る。光送信部224は、例えばレーザダイオード(LD)など、任意好適な電気/光変換手段を有して構成され、符号化された下りフレームを所定の波長の光信号に変換する。光送信部224で生成された光信号は、合分波部230を経て、各ONU300に送られる。
【0054】
一方、各ONU300から送られた光信号は、合分波部230を経て光受信部222に送られる。光受信部222は、フォトダイオード(PD)など任意好適な光電変換素子を備えて構成され、光信号を電気信号に変換する。変換された電気信号は、PON側受信部212に送られる。PON側受信部212は、電気信号を復号化して、上りフレームを復元する。復元された上りフレームは、データ中継処理部206を経て上位ネットワーク側送信部204に送られる。上位ネットワーク側送信部204は、上りフレームを上位ネットワークに送信する。
【0055】
なお、OLT200は、制御信号処理部240を備えている。制御信号処理部240は、上り信号の送信帯域及び送信タイミングの制御など、OLTとONUの間で送受信される信号に関する制御を行う。
【0056】
図2を参照して、ONUの構成について説明する。ONU300は、ユーザネットワーク側受信部302、ユーザネットワーク側送信部304、データ中継処理部306、PON側受信部312、PON側送信部314、光受信部322、光送信部324、合分波部330、制御信号処理部340及び記憶部350を備えている。
【0057】
OLT200から送られた下り光信号は、合分波部330を経て光受信部322に送られる。光受信部322は、フォトダイオード(PD)など任意好適な光電変換素子を備えて構成され、光信号を電気信号に変換する。変換された電気信号は、PON側受信部312に送られる。PON側受信部312は、電気信号を復号化して、下りフレームを復元する。復元された下りフレームは、データ中継処理部306を経てユーザネットワーク側送信部304に送られる。ユーザネットワーク側送信部304は、下りフレームをユーザネットワークに送信する。
【0058】
一方、ユーザネットワーク側受信部302は、ユーザネットワークから上りフレームを受信し、この上りフレームをデータ中継処理部306に送る。データ中継処理部306は受け取った上りフレームをPON側送信部314に送る。PON側送信部314では、受け取った上りフレームを符号化した後、光送信部324に送る。光送信部324は、例えばレーザダイオード(LD)など、任意好適な電気/光変換手段を有して構成され、符号化された上りフレームを所定の波長の光信号に変換する。光送信部324で生成された光信号は、合分波部330を経て、OLT200に送られる。
【0059】
なお、ONU300は、制御信号処理部340を備えている。制御信号処理部340は、上り信号の送信帯域及び送信タイミングの制御など、OLTとONUの間で送受信される信号に関する制御を行う。
【0060】
これら、ONU及びOLTの構成は、従来周知の構成とすることできる。なお、制御信号処理部240及び340は例えば、CPUで構成される。制御信号処理部240及び340は、所定のプログラムを実行することで、様々な機能手段を実現する。この機能手段の中で、従来の構成と異なる点については、後述する。また、記憶部250及び350は、例えばRAMやROMなどで構成される。制御信号処理部240及び340が実行するプログラムは、記憶部250及び350に格納されている。
【0061】
第1実施形態のONU300では、制御信号処理部(加入者側制御部と称する。)340が、所定のプログラムを実行することにより、機能手段として、ディスカバリフラグ判定手段342と、ランダムディレイ挿入手段344と、ディスカバリフラグ更新手段346と、信号判定手段348とを実現する。また、記憶部350には、ディスカバリフラグが読出し及び書換え自在に格納されている。ディスカバリフラグは、オンとオフの2値をとる。
【0062】
ディスカバリフラグ判定手段342は、記憶部350に格納されているディスカバリフラグがオンであるかオフであるかを判定する。
【0063】
ランダムディレイ挿入手段344は、乱数演算を行う機能を有している。なお、乱数演算は任意好適な従来周知の方法で行えばよく、記憶部350に乱数表を格納しておき、この乱数表を用いて乱数を発生させることができる。ランダムディレイ挿入手段344は、乱数演算の結果に従って、ランダムディレイを生成する。ONU300は、ディスカバリゲート信号を受け取ったときに、ランダムディレイの分だけ遅延させて、レジスタリクエスト信号をOLT200に送信するので、このランダムディレイ挿入手段344により、レジスタリクエスト信号を送信するタイミングが制御される。
【0064】
ディスカバリフラグ更新手段346は、記憶部350に格納されている、ディスカバリフラグを、オン及びオフのいずれかに設定して更新する。
【0065】
信号判定手段348は、OLT200から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する。
【0066】
(第1実施形態の動作)
図3及び4を参照して、第1実施形態のディスカバリシーケンスについて説明する。
【0067】
ディスカバリシーケンスは、例えば、未登録のONUをネットワークに接続し、起動した場合に行われる。また、登録済みのONUを再起動する場合は、当該ONUは未登録となり、ディスカバリシーケンスにより再び登録される。初期状態では、ディスカバリフラグはオフとなっている。
【0068】
先ず、ディスカバリゲート受信過程(S10)において、未登録のONUは、OLTからディスカバリゲート信号を受信する。OLTは周期的(ディスカバリ周期ごと)にディスカバリゲート信号をブロードキャスト送信している。ONUが受信したディスカバリゲート信号は、加入者側制御部340に送られる。
【0069】
次に、ディスカバリゲート信号の受信に応答して、ディスカバリフラグ判定過程(S20)が行われる。ディスカバリフラグ判定過程(S20)において、加入者側制御部340のディスカバリフラグ判定手段342は、記憶部350に格納されているディスカバリフラグがオンであるかオフであるかを判定する。
【0070】
ディスカバリフラグがオンであるときは、ランダムディレイの挿入が行われる(S30)。この過程(S30)では、ランダムディレイ挿入手段344は、乱数演算を行ってランダムディレイの大きさを決定する。なお、ディスカバリゲート信号には、ディスカバリウィンドウの幅などの情報が含まれている。ランダムディレイ挿入手段344は、ディスカバリウィンドウが開いている間に、レジスタリクエスト信号が送られるように、ディレイの大きさを設定する。
【0071】
一方、ディスカバリフラグがオフであるときは、ディスカバリフラグ更新手段346は、記憶部350に格納されている、ディスカバリフラグを、オンに設定してフラグを更新する(S40)。このときは、ランダムディレイ挿入手段によるランダムディレイの大きさの決定はなされない。
【0072】
次に、レジスタリクエスト送信過程(S50)において、レジスタリクエスト信号をOLTに対して送信する。S20の判定の結果、ディスカバリフラグがオンであるときは、レジスタリクエスト信号にはランダムディレイが挿入される。すなわち、ランダムディレイの分だけ遅延してOLTに送られる。S20の判定の結果、ディスカバリフラグがオフであるときは、ディスカバリゲート信号を受け取ったONUは、レジスタリクエスト信号を生成後、ただちにOLTに対してレジスタリクエスト信号を送信する。レジスタリクエスト信号には、ONUの個体識別番号としてのMACアドレスが含まれている。
【0073】
OLTは、レジスタリクエスト信号を受信することで、ONUのMACアドレスを認識する。OLTは、そのMACアドレス宛に、レジスタ信号を送る。レジスタ信号には、PONシステムにおけるリンク番号(LLID)が含まれている。
【0074】
また、OLTは、レジスタ信号の送信に続いて、送信帯域及び送信タイミングを通知して、上り信号の送信を許可するゲート信号をONUに送る。
【0075】
一方、レジスタリクエスト信号が衝突した場合など、OLTがレジスタリクエスト信号を正常に受信していない場合は、OLTはレジスタ信号やゲート信号を当該ONUに送ることなく、次のディスカバリ周期でディスカバリゲート信号を全ONUにブロードキャスト送信する。
【0076】
そこで、ONUは、信号判定過程(S60)において、OLTから受信する信号が、レジスタ信号であるか否か、すなわち、レジスタ信号(Yes)であるかディスカバリゲート信号(No)であるかを判定する。
【0077】
受信した信号がレジスタ信号であるときは、OLTがレジスタリクエスト信号を受信しているときなので、ONUは、ゲート信号で設定されている条件でレジスタアック(ACK)信号をOLTに対して送信する(S70)。また、ONUのディスカバリフラグ更新手段は、ディスカバリフラグをオフとしてディスカバリシーケンスを終了する。OLTでは、レジスタアック信号を受信すると、ディスカバリシーケンスが終了する。
【0078】
信号判定過程(S60)での判定の結果、ディスカバリゲート信号を受信したときは、ディスカバリフラグ判定過程S20を行う。なお、ONUが初めてディスカバリゲート信号を受信するときは、ディスカバリフラグがオフとなっているので、ランダムディレイ未挿入で、レジスタリクエスト信号が送信されるが、2回目以降は、ディスカバリフラグがオンとなっている。このため、レジストリクエスト信号に、衝突が発生したと考えられるので、ランダムディレイを挿入してレジスタリクエスト信号がOLTに送られる。
【0079】
この場合、OLTではディスカバリウィンドウが開いている時間を従来の構成に比べて短くすることができる。従来の構成では、ディスカバリウィンドウが開く時間幅は、OLTに接続可能な全てのONUに対してディスカバリシーケンスを行う時間、OLTとONUとの行路差、ランダムディレイの最大値等から算出して決定するのが一般的である。
【0080】
しかし、ONUを増設する場合に、同時に複数のONUを接続して起動する確率は非常に低い。また、衝突が起こるには、同時に起動する複数のONUが、OLTから等しい距離にある場合であり、この確率はさらに低くなる。
【0081】
従って、ランダムディレイを非挿入としても、衝突する確率は低い。また、衝突が起こった場合は、ランダムディレイの挿入が必要になるが、ランダムディレイの大きさは小さくて良い。
【0082】
例えば、従来の構成では、最大行路と最小行路の差分に対応する時間と、ONUでの内部処理時間と、ランダムディレイの最大値とで、1msのディスカバリ周期に対して、200μs程度のディスカバリウィンドウを設定している。
【0083】
これに対し、この実施形態の構成では、最大行路と最小行路の差分に対応する時間と、ONUでの内部処理時間とは、従来の構成と同じであるが、ランダムディレイの最大値を小さくすることができ、例えば、50μs程度にしても良い。
【0084】
このように、ディスカバリウィンドウの幅を狭くすることができ、それにより、伝送可能帯域を広げ、通信効率を向上させることができる。
【0085】
また、通信効率を向上させると、通信機器の消費電力の低減する効果も得られ、さらに、局舎の電源設備の縮小化及び空冷施設の縮小化や、これに伴う、さらなる消費電力の低減も可能となる。
【0086】
なお、ここでは、ディスカバリウィンドウが開く時間幅が、固定されているものとして説明したが、可変としても良い。
【0087】
OLTでは、収容可能な最大のONUの数(最大収容数)と、登録済みのONUの数(登録ONU数)から、同時に登録可能な最大のONUの数(登録可能台数=最大収容数−登録ONU数)を把握できる。
【0088】
この場合、OLT200の制御信号処理部240が、ディスカバリウィンドウ変更手段244を有する構成にすれよい。ディスカバリウィンドウ変更手段244は、ONUの登録可能台数が多いときは、ディスカバリウィンドウの時間幅を大きくし、登録可能台数が少ないときは、ディスカバリウィンドウの時間幅を小さくする。
【0089】
このようにディスカバリウィンドウの開く時間幅を可変とすることで、効率的なONUの登録が可能になるとともに、通信効率を高めることができる。
【0090】
一方、ディスカバリウィンドウの幅を固定にすると、OLTのハードウェアやファームウェアが小規模になるという効果がある。
【0091】
また、OLTが、ディスカバリ周期変更手段242を有する構成にしても良い。ディスカバリ周期変更手段242は、ONUの登録可能台数が多いときは、ディスカバリゲートの送信周期を短くし、登録可能台数が少ないときは、ディスカバリゲートの送信周期を長くする。
【0092】
例えば、登録可能台数が最大のとき、すなわち、登録ONU数が0台で、登録可能台数が最大収容数に等しいときのディスカバリ周期を1としたとき、登録可能台数が最大収容数の1/2のとき、ディスカバリ周期を2とし、登録可能台数が最大収容数の1/4のとき、ディスカバリ周期を4とし、登録可能台数とディスカバリ周期が反比例の関係になるように、ディスカバリ周期を変化させる。
【0093】
登録可能台数が少ないときは、ディスカバリ周期を長くしても、衝突で失敗する可能性が低いので、登録に要する時間は大きく変わらない。一方、登録可能台数が多いときは、衝突で失敗する可能性が高くなるので、ディスカバリ周期を短くして、再登録までの時間を短くするのが良い。
【0094】
なお、登録可能台数が0台のときは、ディスカバリゲート信号を送信しないように設定することもできる。
【0095】
(第2実施形態の構成)
図5を参照して第2実施形態の構成について説明する。第2実施形態では、第1実施形態の構成に比べて、ONU300の加入者側制御部340が、機能手段として、失敗フラグ判定手段343と、失敗フラグ更新手段347と、再登録判定手段349とをさらに実現する点が異なっている。また、記憶部350には、さらに失敗フラグが読出し及び書換え自在に格納されている。失敗フラグは、オンとオフの2値をとる。失敗フラグがオンとは、過去のディスカバリシーケンスでレジスタリクエスト送信時の衝突による失敗があったことを示す。一方、失敗フラグがオフの場合は、過去のディスカバリシーケンスでレジスタリクエスト送信時の衝突による失敗がなかったことを示す。当該ONU300が始めて登録される場合は、失敗フラグはオフとなっている。
【0096】
失敗フラグ判定手段343は、記憶部350に格納されている失敗フラグがオンであるかオフであるかを判定する。
【0097】
失敗フラグ更新手段347は、記憶部350に格納されている、ディスカバリフラグを、オンに設定して更新する。
【0098】
再登録判定手段349は、ネットワークに一度登録されたONUの全てを、同時に登録するか否かを判定する。再登録判定手段349は、OLTとの接続が切断された場合、例えば、PONリンク断の場合や、OLTの電源がオフになった場合に、自己のONUを含めて全てのONUを再登録すると判定する。PONリンク断が起こったか否かは、OLTからの信号の有無により判定される。
【0099】
(第2実施形態の動作)
図6を参照して、第2実施形態のディスカバリシーケンスについて説明する。
【0100】
ディスカバリシーケンスは、再登録判定手段により、ネットワークに接続されている全てのONUを再登録する場合に、各ONUで行われる。
【0101】
先ず、ディスカバリゲート受信過程(S10)において、ONUは、OLTからディスカバリゲート信号を受信する。OLTは周期的にディスカバリゲート信号をブロードキャスト送信している。ONUが受信したディスカバリゲート信号は、加入者側制御部340に送られる。
【0102】
次に、失敗フラグ判定過程(S25)において、加入者側制御部340の失敗フラグ判定手段343は、ディスカバリゲート信号の受信に応答して、失敗フラグがオンであるかオフであるかを判定する。
【0103】
失敗フラグがオンであるときは、ディスカバリフラグがオンであるかオフであるかに関わらず、ランダムディレイの挿入が行われる(S30)。この過程(S30)では、ランダムディレイ挿入手段344は、乱数演算を行ってランダムディレイの大きさを決定する。
【0104】
一方、失敗フラグがオフであるときは、ディスカバリフラグ更新手段346は、ディスカバリフラグがオンであるかオフであるかに関わらず、ランダムディレイの大きさは決定されない。
【0105】
次に、レジスタリクエスト送信過程(S50)において、レジスタリクエスト信号をOLTに対して送信する。S25の判定の結果、失敗フラグがオンであるときは、レジスタリクエスト信号にはランダムディレイが挿入される。すなわち、ランダムディレイの分だけ遅延してOLTに送られる。S25の判定の結果、失敗フラグがオフであるときは、ディスカバリゲート信号を受け取ったONUは、レジスタリクエスト信号を生成後、ただちにOLTに対してレジスタリクエスト信号を送信する。
【0106】
OLTは、レジスタリクエスト信号を受信することで、ONUのMACアドレスを認識する。OLTは、そのMACアドレス宛に、レジスタ信号を送る。また、OLTは、レジスタ信号の送信に続いて、送信帯域及び送信タイミングを通知して、上り信号の送信を許可するゲート信号をONUに送る。
【0107】
一方、レジスタリクエスト信号が衝突した場合など、OLTがレジスタリクエスト信号を正常に受信していない場合は、OLTはレジスタ信号やゲート信号を当該ONUに送ることなく、次のディスカバリ周期でディスカバリゲート信号を全ONUにブロードキャスト送信する。
【0108】
そこで、ONUは、信号判定過程(S60)において、OLTから受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する。
【0109】
信号がレジスタ信号であるときは、OLTがレジスタリクエスト信号を受信しているので、ゲート信号で設定されている条件でレジスタアック(ACK)信号をOLTに対して送信する(S70)。OLTがレジスタアック信号を受信すると、ディスカバリシーケンスが終了する。
【0110】
信号判定過程(S60)での判定の結果、信号がディスカバリゲート信号であるときは、失敗フラグ更新手段が、S80において、失敗フラグをオンに設定した後、失敗フラグ判定過程(S25)を行う。
【0111】
全てのONUを再登録する場合は、第1実施形態に比べてレジスタリクエスト信号の衝突の可能性が高い。そこで、衝突を避けるためのランダムディレイを挿入して、ディスカバリシーケンスをより早く完了させる。
【0112】
全てのONUを再登録した後は、第1実施形態と同様のディスカバリシーケンスを行えば良い。
【0113】
このとき、OLTでは、ディスカバリウィンドウを広く設定するのが良い。この全てのONUを再登録する場合は、OLTの電源がオフになった場合など、通信が行われていない状態である。従って、ディスカバリウィンドウを広くすることによる通信効率の低下の影響は考慮する必要がない。このため、ディスカバリウィンドウを広くし、より多くのONUを登録することが重要となる。
【0114】
なお、OLTのディスカバリウィンドウ変更手段は、OLTの電源がオフからオンになった場合、あるいは、全てのONUからの信号を受信していない状態、すなわちPONリンク断の状態から復旧する場合に、ディスカバリウィンドウの幅を拡幅する。
【0115】
再登録時の拡幅されたディスカバリウィンドウの幅は、例えば、従来のディスカバリウィンドウと同様にすれば良い。
【0116】
その後、OLTでは、拡幅されたディスカバリウィンドウの幅を、狭い幅に戻す必要がある。この変更は、任意好適なタイミングで行えば良い。例えば、ディスカバリウィンドウを拡幅した後、あらかじめ設定した一定期間を経過した後、元のウィンドウ幅に戻せば良い。
【0117】
または、再登録直前のONUの登録台数に等しい数、あるいは、再登録直前のONUの登録台数に対して所定の割合のONUが登録された時点で元のウィンドウ幅に戻しても良い。
【0118】
なお、失敗フラグが格納される記憶部の領域を、フラッシュメモリやEEROMなど、電源が切れても記憶内容を保持できる不揮発性メモリにするのが良い。
【符号の説明】
【0119】
100 PONシステム
200 OLT
202 上位ネットワーク側受信部
204 上位ネットワーク側送信部
206、306 データ中継処理部
212、312 PON側受信部
214、314 PON側送信部
222、322 光受信部
224、324 光送信部
230、330 合分波部
240、340 制御信号処理部
242 ディスカバリウィンドウ変更手段
244 ディスカバリ周期変更手段
250、350 記憶部
300 ONU
302 ユーザネットワーク側受信部
304 ユーザネットワーク側送信部
342 ディスカバリフラグ判定手段
343 失敗フラグ判定手段
344 ランダムディレイ挿入手段
346 ディスカバリフラグ更新手段
347 失敗フラグ更新手段
348 信号判定手段
349 再登録判定手段
400 光スプリッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個の局側装置と複数の加入者端末で構成されるネットワークにおいて、未登録の加入者端末を登録する方法であって、
前記未登録の加入者端末で行われる、
ディスカバリゲート信号を受信するディスカバリゲート受信過程と、
前記ディスカバリゲート信号の受信に応答して、ディスカバリフラグがオンであるかオフであるかを判定するディスカバリフラグ判定過程と、
前記ディスカバリフラグがオンであるときは、ランダムディレイを挿入し、前記ディスカバリフラグがオフであるときは、ディスカバリフラグをオンにして、レジスタリクエスト信号を前記局側装置に対して送信するレジスタリクエスト送信過程と、
前記局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する信号判定過程と
を備え、
前記信号がレジスタ信号であるときは、ディスカバリフラグをオフにして登録を完了し、前記信号がディスカバリゲート信号であるときは、前記ディスカバリフラグ判定過程を行う
ことを特徴とする加入者端末登録方法。
【請求項2】
1個の局側装置と複数の加入者端末で構成されるネットワークにおいて、未登録の加入者端末を登録する方法であって、
前記未登録の加入者端末で行われる、
ディスカバリゲート信号を受信するディスカバリゲート受信過程と、
前記ディスカバリゲート信号の受信に応答して、失敗フラグがオンであるかオフであるかを判定する失敗フラグ判定過程と、
前記失敗フラグがオンであるときは、ランダムディレイを挿入し、前記失敗フラグがオフであるときは、ランダムディレイを非挿入として、レジスタリクエスト信号を前記局側装置に対して送信するレジスタリクエスト送信過程と、
前記局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する信号判定過程と
を備え、
前記信号がレジスタ信号であるときは、登録を完了し、前記信号がディスカバリゲート信号であるときは、失敗フラグをオンとして前記失敗フラグ判定過程を行う
ことを特徴とする加入者端末登録方法。
【請求項3】
1個の局側装置と複数の加入者端末で構成されるネットワークにおいて、未登録の加入者端末を登録する方法であって、
全ての加入者端末を同時に登録する場合は、
前記未登録の加入者端末で、
ディスカバリゲート信号を受信するディスカバリゲート受信過程と、
前記ディスカバリゲート信号の受信に応答して、失敗フラグがオンであるかオフであるかを判定する失敗フラグ判定過程と、
前記失敗フラグがオンであるときは、ランダムディレイを挿入し、前記失敗フラグがオフであるときは、ランダムディレイを非挿入として、レジスタリクエスト信号を前記局側装置に対して送信するレジスタリクエスト送信過程と、
前記局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する信号判定過程と
を行い、
前記信号がレジスタ信号であるときは、登録を完了し、前記信号がディスカバリゲート信号であるときは、失敗フラグをオンとして前記失敗フラグ判定過程を行い、
加入者端末を個別に登録する場合は、前記未登録の加入者端末で、
ディスカバリゲート信号を受信するディスカバリゲート受信過程と、
前記ディスカバリゲート信号の受信に応答して、ディスカバリフラグがオンであるかオフであるかを判定するディスカバリフラグ判定過程と、
前記ディスカバリフラグがオンであるときは、ランダムディレイを挿入し、前記ディスカバリフラグがオフであるときは、ディスカバリフラグをオンにして、レジスタリクエスト信号を前記局側装置に対して送信するレジスタリクエスト送信過程と、
前記局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する信号判定過程と
を行い、
前記信号がレジスタ信号であるときは、ディスカバリフラグをオフにして登録を完了し、前記信号がディスカバリゲート信号であるときは、前記ディスカバリフラグ判定過程を行う
ことを特徴とする加入者端末登録方法。
【請求項4】
全ての前記加入者端末を同時に登録する場合は、前記局側装置で、ディスカバリウィンドウを拡幅する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の加入者端末登録方法。
【請求項5】
前記加入者端末の登録可能台数が多いときは、前記局側装置において、ディスカバリウィンドウの幅を大きくし、登録可能台数が少ないときは、ディスカバリウィンドウの幅を小さくする
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の加入者端末登録方法。
【請求項6】
前記加入者端末の登録可能台数が多いときは、前記局側装置において、ディスカバリゲートの送信周期を短くし、登録可能台数が少ないときは、ディスカバリゲートの送信周期を長くする
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の加入者端末登録方法。
【請求項7】
1つの局側装置が、複数の加入者端末に接続されて構成されるネットワークで用いられ、
ディスカバリフラグが格納される記憶部と、
前記局側装置へ送信する信号の制御を行う加入者側制御部と
を備え、
前記加入者側制御部は、
前記ディスカバリフラグがオンであるかオフであるかを判定するディスカバリフラグ判定手段と、
前記ディスカバリフラグがオンであるとき、ランダムディレイを生成して、信号を送信するタイミングを制御するランダムディレイ挿入手段と、
前記ディスカバリフラグをオン及びオフのいずれかに設定するディスカバリフラグ更新手段と、
前記局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する信号判定手段と
を備えることを特徴とする加入者端末。
【請求項8】
1つの局側装置が、複数の加入者端末に接続されて構成されるネットワークで用いられ、
失敗フラグが格納される記憶部と、
局側装置へ送信する信号の制御を行う加入者側制御部と
を備え、
前記加入者側制御部は、
前記失敗フラグがオンであるかオフであるかを判定する失敗フラグ判定手段と、
前記失敗フラグがオンであるとき、ランダムディレイを生成して、信号を送信するタイミングを制御するランダムディレイ挿入手段と、
前記失敗フラグをオンに設定する失敗フラグ更新手段と、
前記局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する信号判定手段と
を備えることを特徴とする加入者端末。
【請求項9】
1つの局側装置が、複数の加入者端末に接続されて構成されるネットワークで用いられ、
ディスカバリフラグ及び失敗フラグが格納される記憶部と、
局側装置へ送信する信号の制御を行う加入者側制御部と
を備え、
前記加入者側制御部は、
前記ディスカバリフラグがオンであるかオフであるかを判定するディスカバリフラグ判定手段と、
前記失敗フラグがオンであるかオフであるかを判定する失敗フラグ判定手段と、
前記ディスカバリフラグがオンであるとき、あるいは前記失敗フラグがオンであるとき、ランダムディレイを生成して、信号を送信するタイミングを制御するランダムディレイ挿入手段と、
前記ディスカバリフラグをオン及びオフのいずれかに設定するディスカバリフラグ更新手段と、
前記失敗フラグをオンに設定する失敗フラグ更新手段と、
前記局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する信号判定手段と
を備えることを特徴とする加入者端末。
【請求項10】
前記ネットワークに登録された加入者端末の全てを再登録するか否かを判定する再登録判定手段
をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の加入者端末。
【請求項11】
前記失敗フラグが格納される記憶部が、不揮発性メモリである
ことを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の加入者端末。
【請求項12】
1つの局側装置が、複数の加入者端末に接続されて構成されるネットワークであって、
前記加入者端末は、ディスカバリフラグが格納される記憶部と、局側装置へ送信する信号の制御を行う加入者側制御部とを備え、
前記加入者側制御部は、
前記ディスカバリフラグがオンであるかオフであるかを判定するディスカバリフラグ判定手段と、
前記ディスカバリフラグがオンであるとき、ランダムディレイを生成して、信号を送信するタイミングを制御するランダムディレイ挿入手段と、
前記ディスカバリフラグをオン及びオフのいずれかに設定するディスカバリフラグ更新手段と、
前記局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する信号判定手段と
を備えることを特徴とするネットワーク。
【請求項13】
1つの局側装置が、複数の加入者端末に接続されて構成されるネットワークであって、
前記加入者端末は、失敗フラグが格納される記憶部と、局側装置へ送信する信号の制御を行う加入者側制御部とを備え、
前記加入者側制御部は、
前記失敗フラグがオンであるかオフであるかを判定する失敗フラグ判定手段と、
前記失敗フラグがオンであるとき、ランダムディレイを生成して、信号を送信するタイミングを制御するランダムディレイ挿入手段と、
前記失敗フラグをオンに設定する失敗フラグ更新手段と、
前記局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する信号判定手段と
を備えることを特徴とするネットワーク。
【請求項14】
1つの局側装置が、複数の加入者端末に接続されて構成されるネットワークであって、
前記加入者端末は、ディスカバリフラグ及び失敗フラグが格納される記憶部と、局側装置へ送信する信号の制御を行う加入者側制御部とを備え、
前記加入者側制御部は、
前記ディスカバリフラグがオンであるかオフであるかを判定するディスカバリフラグ判定手段と、
前記失敗フラグがオンであるかオフであるかを判定する失敗フラグ判定手段と、
前記ディスカバリフラグがオンであるとき、あるいは前記失敗フラグがオンであるとき、ランダムディレイを生成して、信号を送信するタイミングを制御するランダムディレイ挿入手段と、
前記ディスカバリフラグをオン及びオフのいずれかに設定するディスカバリフラグ更新手段と、
前記失敗フラグをオンに設定する失敗フラグ更新手段と、
前記局側装置から受信する信号が、レジスタ信号であるかディスカバリゲート信号であるかを判定する信号判定手段と
を備えることを特徴とするネットワーク。
【請求項15】
当該ネットワークに登録された加入者端末の全てを再登録するか否かを判定する再登録判定手段
をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載のネットワーク。
【請求項16】
前記失敗フラグが格納される記憶部が、不揮発性メモリである
ことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項17】
前記局側装置が、全ての加入者端末を再登録する場合に、ディスカバリウィンドウを拡幅するディスカバリウィンドウ変更手段を
有することを特徴とする請求項12〜16のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項18】
前記局側装置が、加入者端末の登録可能台数が多いときは、ディスカバリウィンドウの幅を大きくし、登録可能台数が少ないときは、ディスカバリウィンドウの幅を小さくするディスカバリウィンドウ変更手段を
有することを特徴とする請求項12〜16のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項19】
前記局側装置が、加入者端末の登録可能台数が多いときは、ディスカバリゲートの送信周期を短くし、登録可能台数が少ないときは、ディスカバリゲートの送信周期を長くするディスカバリ周期変更手段
を有することを特徴とする請求項12〜16のいずれか一項に記載のネットワーク。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate