説明

加圧エア供給装置及び抽出機

【課題】 カップシール方式のポンプのシール性低下による設定圧力の低下を防止する。
【解決手段】 カップシール方式のポンプ42のエア吐出側の配管に絞り弁45を設ける。絞り弁45からの加圧エアをノズル制御部51によりエアノズル41に供給する。ノズル制御部51を、開閉弁46、圧力開放弁48、圧力センサ49、システム制御部24から構成する。システム制御部24により、加圧指示信号に基づきポンプ42、開閉弁46、圧力開放弁48を制御し、エアノズル41を介し抽出カートリッジ2内に加圧エアを導入する。圧力センサ49からの信号に基づき開閉弁46の閉じ動作、圧力開放弁48の圧力開放動作を行い、加圧エアを抽出カートリッジ2に送る。絞り弁45をポンプ42のエア吐出側に設けることにより、ポンプ42のカップシールのシール性が低下しても、所定の圧力が得られるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加圧エア供給装置及び抽出機に関し、さらに詳しくは加圧エアを供給することによりカートリッジ内のフィルタ部材に液を通過させる加圧エア供給装置、及びこれを用いて液中の特定物質例えば核酸を抽出する抽出機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば核酸を抽出する核酸抽出装置としては、磁気ビーズを用いたもの、フィルタを用いたものなどが知られている。フィルタを用いた抽出装置は、磁気ビーズを用いた抽出装置に比べて、高純度、高収量で核酸を抽出することができるという利点を有している。
【0003】
フィルタを用いた抽出装置は、核酸を含む試料液を分注してフィルタを通過させて核酸をフィルタに吸着させた後、回収液を分注してフィルタを通過させることで核酸とフィルタとを分離し、回収液とともに核酸を抽出するものである。フィルタを用いた抽出装置としては、遠心機を用いた方式、減圧を利用する方式、加圧を利用する方式などが知られている。
【0004】
遠心機を用いる抽出装置は、各液を分注してフィルタを通過させる際に、遠心機を用いるものである(例えば、特許文献1参照)。しかし、遠心機を用いた場合には、装置が大型化するとともに、操作が複雑になるという問題が生じる。また、全自動化が難しく、操作の一部を手動に頼らなければならないという問題が生じる。
【0005】
減圧を利用する装置は、各液を分注してフィルタを通過させる際に、減圧を利用するものである(例えば、特許文献2参照)。しかし、減圧を利用する場合には、最大でも1気圧の圧力がかけられるだけであり、抽出処理に非常に時間を要するという問題が生じる。
【0006】
本出願人は、加圧を利用する抽出装置を提案している。この抽出装置は、各液を分注してフィルタを通過させる際に、加圧を利用するものである(例えば、特許文献3、4参照)。加圧を利用する場合には、任意の圧力をかけることができるため、抽出処理を短時間で済ませることができる。本出願人は、また、フィルタとして多孔質メンブレンフィルタを用いることを提案している(例えば、特許文献3、4参照)。この多孔質メンブレンフィルタは、従来から用いられているガラス繊維フィルタと比べて極めて薄く形成されており、高い核酸吸着性と容易な脱着性を有している。多孔質メンブレンフィルタを用いるとともに加圧を利用する抽出装置により、より短時間、高純度、高収量で核酸を抽出することが可能となる。
【特許文献1】特開2003−144150号公報
【特許文献2】特許第2832586号公報
【特許文献3】特開2003−128691号公報
【特許文献4】特願2004−232091号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、抽出カートリッジに加圧エアを導入する抽出装置では、抽出する核酸の収量を上げたり、ミスト発生によるコンタミネーション防止の目的のために加圧エアの流量を絞ってゆっくりと抽出させたりする必要がある。また、フィルタを透過しにくい試料液では高い圧力まで加圧して抽出する必要がある。このため、加圧エアの流量を絞った状態でも高い圧力まで加圧することができるポンプが要求される。例えば、100〜200kPaで吐出量が1〜14mL(リットル)/secの加圧エアが要求される。しかし、このような規格の吐出圧力及び吐出量のポンプは特注品となり、製造コストが高くなるという問題がある。このため、市販品のポンプに絞り弁を設けて、前記所定の設定範囲になるように加圧エアの流量を絞っている。この絞り弁の配置位置は、一般的なポンプの場合に、ポンプの吸入側または吐出側のいずれでもよく、特にその取り付け位置は制限されない。
【0008】
しかしながら、絞り弁の取り付け位置は特に制限されないものの、以下のように、絞り弁の取り付け位置によっては、その圧力特性が異なることが本発明者らの加圧速度の評価試験によって判明した。すなわち、絞り弁の取り付け位置による加圧速度を評価してみると、吸引側に絞り弁を設けた方が、吐出側に絞り弁を設けた場合に比べて、所定の設定圧力例えば150kPaに達する時間が短くなる知見を得て、絞り弁を吸引側に設け、核酸抽出時間の短縮化を図っていた。
【0009】
図12は、カップシール方式のポンプへの絞り弁の取り付け位置を変えて、ポンプの駆動モータへの供給電圧の変動による立ち上がり時の圧力変化を示すグラフである。(A)はエア吸引側に絞り弁を取り付けたときのものを、(B)はエア吐出側に絞り弁を取り付けたときのものを示しており、曲線LC1は24ボルト、LC2は21ボルト、LC3は18ボルト、LC4は15ボルト、LC5は12ボルトのものを示している。(A)のエア吸引側に絞り弁を取り付けたときには、所定の圧力例えば150kPaに達する時間が、駆動モータへの供給電圧を12ボルトから24ボルトまで3ボルト刻みで変化させた場合に、各供給電圧の変動に関わらず、ほぼ2.8秒から3.6秒の範囲となることが判った。これに対して、(B)の絞り弁を吐出側に取り付けたときには、電圧変動が24ボルトから18ボルト程度では、LC1〜LC3のように、150kPaに達するまでの時間が2.9秒〜3.7秒程度であり、あまり両者の間に差異はないが、15ボルト(LC4)の場合には4.4秒程度かかり、さらに12ボルト(LC5)の場合には5秒を経過しても115kPa程度であり、150kPaに達する時間は約8.5秒かかってしまうという問題があることが判った。
【0010】
このため、本発明者は、一般的なカップシール方式のエアポンプを使用する場合に、絞り弁を吸引側に配置して、電圧変動による所定圧力までの立ち上がり時間があまり遅くならないようにしていた。しかしながら、このような方策を講じても、ポンプの磨耗等によってそのシール性が低下すると、所定の吐出圧力が得られなくなることもあり、改善が望まれていた。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みなされたものであり、ポンプのシール性が低下しても所定の圧力を簡単な構成で確保することができるようにした加圧エア供給装置及び抽出機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、ポンプ周りの配管構成を鋭意再検討することにより、以下のような知見を得て、本発明を完成するに至った。まず、絞り弁をポンプの吸入側に配置したものと、吐出側に配置したものとに対して、ノーマル状態と、ポンプのカップシールを傷付けてシール性が低下した傷有り状態とで、加圧速度の変動を評価した。この加圧速度の変動評価を図1に示す。図1(A)は絞り弁をポンプのエア吐出側に取り付けたときのものであり、(B)は絞り弁をポンプのエア吸引側に取り付けたものである。また、LA1はノーマル状態で吐出圧力が150kPaに3秒で達するように絞り弁を絞った状態のものを示し、LABはカップリングシールに傷を付けた傷有り状態で吐出圧力が150kPaに3秒で達するように絞り弁を絞った状態のものを示している。同様にLA2はノーマル状態で吐出圧力が150kPaに5秒で達するように絞り弁を絞った状態のものを示し、LB2は傷有り状態で同じく5秒で達するように絞り弁を絞った状態のものを示している。同様にLA3はノーマル状態で吐出圧力が150kPaに7秒で達するように絞り弁を絞った状態のものを示し、LB3は傷有り状態で同じく7秒で達するように絞り弁を絞った状態のものを示している。
【0013】
図1のグラフから明らかなように、(A)のエア吐出側に絞り弁を設けたものの方が、(B)のエア吸入側に絞り弁を設けたものに比べて、設定圧力例えば150kPaに達する時間が20〜30%程度長くなるものの、150kPaまで確実に達することが判明した。これは絞り弁を吸引側に取り付けた場合に設定圧力が高くなるとシール不良個所によってエアが抜けてしまい吐出能力が低下して、要求される到達圧力、加圧速度が得られないことによるものと思われる。したがって、エア吐出側に絞り弁を設けることによって、ポンプのシール性が低下しても、エア供給源として使用が可能であり、結果としてOリングなどの消耗品の交換サイクルを長くすることが可能になる。
【0014】
以上のような知見に基づき本発明では、特定物質を含む液がカートリッジの開口から注入された後に前記開口にエアノズルを介して加圧エアを供給し、前記加圧エアによって前記カートリッジ内のフィルタ部材に前記液を通過させて前記特定物質を抽出する抽出機に用いられる加圧エア供給装置において、前記加圧エアを発生させるポンプと、前記ポンプのエア吐出側の配管に設けられる絞り弁とを備えることを特徴とする。なお、前記ポンプはカップシール方式のポンプであり、前記絞り弁は前記ポンプからの加圧エアの流量を 10〜50%の範囲に調節することを特徴とする。また、前記加圧エアの圧力が30〜200kPaで吐出量が1〜30mL/secであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、絞り弁からの加圧エアの前記エアノズルへの供給を制御するエア供給制御部と、前記カートリッジの開口を塞いで加圧エアを供給するエア供給位置、及びこのエア供給位置から退避した退避位置の間で前記エアノズルを昇降させるエアノズル昇降機構とを備え、前記エア供給制御部は、絞り弁からの加圧エアの流通及び遮断を行う開閉弁と、この開閉弁からの加圧エアを流通または遮断し、遮断時にエアノズルを大気開放する圧力開放弁と、この圧力開放弁及び前記エアノズルの間の配管に設けられこの配管内の圧力を検出する圧力センサと、加圧指示信号に基づき前記ポンプ、開閉弁、圧力開放弁を制御してエアノズルを介し前記カートリッジ内に加圧エアを導入し、前記圧力センサからの信号に基づき開閉弁の閉じ動作、圧力開放弁の圧力開放動作を行うシステム制御部とを有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記カートリッジを第1方向に少なくとも1列に並べてカートリッジ列を構成し、前記エアノズルを前記カートリッジ列に対応させて少なくとも1列のカートリッジ分だけ並べて設け、前記各エアノズルに対応する数量の前記エア供給制御部を有することを特徴とする。なお、前記絞り弁に対し各エア供給制御部の開閉弁と並列に設けられ、前記絞り弁からの加圧エアを大気開放するリリーフ弁と、前記ポンプのエア吐出側配管と前記絞り弁との間に設けられ、前記エアを流通または遮断し、遮断時にポンプ側からの加圧エアを大気開放する結露除去用第1弁と、この結露除去用第1弁及び前記絞り弁の間の配管と前記ポンプのエア吸引側配管との間に設けられ、前記エアを流通または遮断し、遮断時に前記ポンプのエア吸引側配管を大気開放する結露除去用第2弁と、これらリリーフ弁、結露除去用第1及び第2弁を切り換えて、前記ポンプから前記開閉弁までの配管経路内の結露を順次配管外に排出する結露除去制御部とを有することが好ましい。
【0017】
さらに本発明は、上記加圧エア供給装置と、前記カートリッジへ前記液を注入する注液装置とを有し、前記注液装置により前記液が注入されたカートリッジに対し前記加圧エアによって前記カートリッジ内のフィルタに前記液を通過させ、前記液中の特定物質を前記フィルタに吸着させることを特徴とする。なお、前記カートリッジに注入される液は、特定物質を含む試料液と、前記特定物質とともに前記フィルタ部材に付着した特定物質以外の不純物を洗い流す洗浄液、及び/またはフィルタ部材から前記特定物質を分離して回収する回収液であり、これらが順次に前記注液装置により前記カートリッジに注入され、前記加圧エア供給装置で加圧されることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ポンプの吐出側に絞り弁を配置したから、図1(A)に示すような評価試験からも明らかなように、ポンプのOリングなどのシール性が低下した場合でも、所定の一定圧力を得ることができる。したがって、Oリングなどの消耗品の交換サイクルを長くすることが可能になり、メンテナンス性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図2は本発明の加圧エア供給機構(加圧エア供給装置)を示す空気圧回路図である。加圧エア供給機構22は、エアノズル41から例えば150kPaの加圧エアを吹き出すものであり、ポンプ42、結露除去用弁43,44、絞り弁45、開閉弁46、リリーフ弁47、圧力開放弁48、及び圧力センサ49,50から構成されている。
【0020】
ポンプ42は、カップシール方式であり、例えばDCモータ40aの回転によって図示しないカップシールとシリンダとが摺動することにより、エア室を圧縮・膨張させて加圧エアを発生させる。このカップシール方式ではダイヤフラム方式のようにダイヤフラム切れによる急激な流量低下がなく、しかもコンパクトな外観で高圧力が得られる。
【0021】
ポンプ42のエア吐出側には結露除去用の第1弁43が、エア吸引側には結露除去用の第2弁44が接続されている。結露除去用の第1弁43に対してエア吐出時の下流側には、絞り弁45、フィルタ64、開閉弁46、圧力開放弁48、圧力センサ49及びノズル41が順に直列に接続されている。そして、絞り弁45及びフィルタ64よりも下流側の、開閉弁46、圧力開放弁48、圧力センサ49により、エア供給制御部51が構成される。このエア供給制御部51及びノズル41は、加圧エアによる加圧処理が必要な分だけ並列に設けられており、本実施形態では後に詳しく説明するように8本の抽出カートリッジ2が横方向に連結された抽出カートリッジユニット11(図8参照)を用いるため、8個のエア供給制御部51及びノズル41を備える。また、各エア供給制御部51と並列にリリーフ弁47及び圧力センサ50が接続されている。なお、ポンプ42や絞り弁45、フィルタ64、各弁46〜48、圧力センサ49,50などは、エアチューブ52により接続される。また、これらエアチューブ52による配管経路のうち、結露除去動作の説明のために必要な配管経路についてはT1〜T6のように符号が付してある。
【0022】
前記結露防止用の第1及び第2弁43,44は、本実施形態では2ポート電磁弁が用いられる。これら第1及び第2弁43,44をオンオフ制御することにより、後に詳しく説明するように各配管通路内に結露した水分を蒸発させて配管通路外に排出する。
【0023】
絞り弁45は、通過する加圧エアの流量を調節するものであり、絞り弁本体45aの他に逆止弁45bを備えている。この絞り弁45によって、下流側に供給される加圧エアの加圧速度が調節される。フィルタ64は加圧エア中のゴミ等の異物を取り除く。
【0024】
開閉弁46は2ポート電磁弁から構成されている。この開閉弁46は、オフ状態では、上流側からの加圧エアの通過を阻止し、オン状態では加圧エアを通過させる。圧力開放弁48は3ポート電磁弁から構成されている。この圧力開放弁48は、オフ状態では上流側からの加圧エアの通過を阻止するとともに下流側を大気開放にする。また、オン状態では上流側からの加圧エアを下流側に通過させる。
【0025】
圧力開放弁48の下流側には、それぞれに対応するようにしてエアノズル41が接続されている。エアノズル41は、後に詳しく説明するように、エアノズル昇降機構19 により加圧位置及びこの加圧位置から上方に退避した退避位置との間で昇降する。また、その通路の途中には、それぞれに対応するようにして圧力センサ49が接続されている。圧力センサ49は、圧力開放弁48とエアノズル41とを接続する通路内の圧力、つまりエアノズル41が押圧している抽出カートリッジ2の内部の圧力を検出し、検出信号をシステム制御部24へ送る。
【0026】
システム制御部24は、圧力センサ49,50からの検出圧力や加圧指令信号等に基づいて各弁を制御する。具体的には、開閉弁46と圧力開放弁48をオン状態にしてエアノズル41に加圧エアを供給している際に、検出圧力が加圧上限の圧力となったときには、開閉弁46をオフ状態にして、エアノズル41及び抽出カートリッジ2内を密閉状態とする。この密閉された加圧エアにより抽出カートリッジ2内の液が加圧され、液はフィルタ2aを通って、下部のノズル状の排出部2cから排出される。そして、加圧エアが密閉状態からフィルタ2aを通過して排出されると、圧力センサ49の検出圧力が変化し、この変化に基づいて抽出カートリッジ2内の液全てが排出されたと判定される。この後に、システム制御部24は、圧力開放弁48をオフ状態にしてエアノズル41及び抽出カートリッジ2内を大気開放する。
【0027】
エアノズル41へは、本実施形態では150kPaの加圧エアが供給されるように、絞り弁45を調節している。なお、高圧力で所定の吐出量が得られるように抽出機用に特化した専用のポンプを用いることが可能であれば、絞り弁45による吐出圧力の調節は不要になるものの、コスト上昇を招くことになる。このため、市販品の中で高圧力が得られる一般的なカップシール方式のエアポンプを選定し、これに対して絞り弁を設けて、吐出量を調節している。本実施形態では吐出圧力を150kPa、吐出量を8mL/secとしているが、これら吐出圧力及び吐出量は抽出カートリッジ2のサイズやフィルタ2aの種類に応じて適宜変更される。この吐出圧力は、30kPa〜200kPaの範囲、より好ましくは50kPa〜150kPaの範囲で用いるとよい。また、加圧エアの吐出量は、8mL/secとしたが、1〜30mL/secであればよく、好ましくは2〜20mL/sec、さらに好ましくは5〜15mL/secである。
【0028】
図1は、絞り弁45をポンプ42のエア吸入側に配置したものと、エア吐出側に配置したものとに対して、ノーマル状態と、ポンプのカップシールを傷付けてシール性が低下した傷有り状態との2態様で、加圧速度の評価試験の結果をグラフにして示したものである。ポンプは日東工器(株)製のDCポンプ(DP0105)であり、カップシールは、シリンダとピストンとの間で、ピストンの外周先端部分に取り付けられるOリングから構成され、このOリングに傷を付けることでシール性を低下させている。図1のグラフは、DCモータへの駆動電圧を24V〜12Vへ3V単位で段階的に変化させたときの経過時間に対する圧力変化を示したものであり、このグラフからも明らかなように、エア吐出側に絞り弁を設けたものの方が、エア吸入側に絞り弁を設けたものに比べて、設定圧力例えば150kPaに達する時間が20〜30%程度長くなるものの、150kPaまで確実に達することが判る。これによって、ポンプのシール性が低下しても、エア供給源として使用が可能であり、結果としてOリングなどの消耗品の交換サイクルが長くなる。
【0029】
次に、結露除去用の第1弁43及び第2弁44を用いた結露除去処理について説明する。図2に示すように、第1及び第2弁43,44がオフ状態でポンプ42のモータ42aが駆動されるときには、配管経路T4,T5,T6,T2,T1のようにエアが通過する。これにより、第2弁44の開放ポートから吸気されてエアノズル41に向けて加圧エアが送られる。以下、この状態を加圧状態という。この加圧状態によって、後に詳しく説明するように、核酸吸着、洗浄、核酸回収の各加圧動作が行われる。この加圧状態では、例えば加圧エアの圧力を150kPaとし、環境温度が25℃で相対湿度が40%を超えるときに、配管内の圧力が飽和水蒸気圧を超えて水蒸気が結露し始める。この結露は核酸抽出処理を数回程度行うだけでは、結露による影響は少ないものの、後に説明するように、核酸抽出処理を何度も繰り返し連続的に行うことにより、結露量が増えて結露による影響が大きなものとなる。このため、以下に示すような結露除去処理を行う。
【0030】
図3に示すように、第1及び第2弁43,44及びリリーフ弁47がオン状態でポンプ42のモータ42aが駆動されるときには、オン状態とされたリリーフ弁47から吸い込まれたエアが配管経路T1,T2,T3,T4,T5を通り、第2弁44から排気される。以下、この状態を逆流状態という。この逆流状態は例えば2秒に設定されており、特に配管経路T1,T2,T3内の結露がエアの循環により蒸発される。この逆流状態結露除去処理時間は、5秒以下が好ましい。
【0031】
図4に示すように、第1弁43がオン状態、第2弁44がオフ状態でポンプ42のモータ42aが駆動されるときには、第2弁44から吸い込まれたエアが配管経路T4,T5を通り、第1弁43から排気される。以下、この状態を開放状態という。この開放状態は、例えば5秒に設定されており、配管経路T4,T5内の結露がエアの循環により蒸発される。この開放状態結露除去処理時間は、10秒以下が好ましい。
【0032】
図5に示すように、第1弁43がオフ状態、第2弁44がオン状態でポンプ42のモータ42aが駆動されるときには、エアが配管経路T3,T4,T5,T6を通り、循環される。以下のこの状態を閉鎖状態という。この閉鎖状態は例えば8秒に設定されており、特に配管経路T6内の結露がエアの循環により蒸発される。この閉鎖状態結露除去処理時間は、10秒以下が好ましい。なお、エア循環後に第1弁43を僅かな時間だけオン状態にして循環したエアを第1弁43から排出させてもよい。
【0033】
上記のように逆流状態、開放状態、閉鎖状態の順にエア循環処理を行うことにより、全ての配管経路T1〜T6内の結露がエア循環により蒸発され、後に説明するように配管経路内の結露分がフィルタに吸着された特定物質を脱着してしまうということがなくなる。
【0034】
次に、本発明の加圧エア供給装置を用いた核酸抽出機について説明する。まず、核酸抽出処理について説明する。核酸抽出処理は図6(A)〜(G)に示す手順で行われる。まず (A)に示すように、詳細を後述する抽出カートリッジ2に試料液Sを注入する試料液注入動作を行う。試料液Sは溶解処理された核酸を含んでいる。次に(B)に示すように、廃液容器3上の抽出カートリッジ2に加圧エアを導入して加圧し、フィルタ2aを通して試料液Sを通過させ、このフィルタ2aに核酸を吸着させる核酸吸着動作を行う。フィルタ2aを通過した液状成分は廃液容器3に排出される。
【0035】
この後、(C)に示すように、抽出カートリッジ2に洗浄液Wを分注する洗浄液分注動作を行う。次いで、(D)に示すように、抽出カートリッジ2に加圧エアを導入して加圧し、フィルタ2aに核酸を保持したままその他の不純物の洗浄除去を行う洗浄動作を行う。フィルタ2aを通過した洗浄液Wは廃液容器3に排出される。洗浄液分注動作及び洗浄動作は複数回繰り返してもよい。
【0036】
この後、(E)に示すように、抽出カートリッジ2の下方の廃液容器3を回収容器4に交換する。次いで、(F)に示すように、抽出カートリッジ2に回収液Rを分注する回収液分注動作を行う。最後に、(G)に示すように、抽出カートリッジ2に加圧エアを導入して加圧し、フィルタ2aと核酸の結合力を弱め、吸着されている核酸を離脱させて、核酸を含む回収液Rを回収容器4に回収する核酸回収動作を行う。
【0037】
抽出カートリッジ2におけるフィルタ2aは、基本的には核酸が通過可能な多孔性であり、その表面は試料液S中の核酸を化学的結合力で吸着する特性を有し、洗浄液Wによる洗浄時にはその吸着を保持し、回収液Rによる回収時に核酸の吸着力を弱めて離すように構成されている。その一例の具体的構成は、特開2003−128691号の核酸の分離精製方法に詳述されているように、例えば、フィルタ2aは表面に水酸基を有する有機高分子で構成されている。表面に水酸基を有する有機高分子としては、アセチルセルロースの表面鹸化物が好ましい。アセチルセルロースとしては、モノアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースのいずれでもよいが、特にはトリアセチルセルロースが好ましい。その表面が鹸化処理液(例えば、NaOH)との接触により鹸化され、その構造体はアセチルセルロースのままである。表面鹸化処理の程度(表面鹸化度)で表面の水酸基の量(密度)がコントロールでき、水酸基の数が多い方が核酸の吸着効果が高くなる。例えば、トリアセチルセルロースなどのアセチルセルロースの場合には、表面鹸化率が約5%以上であることが好ましく、10%以上であることがさらに好ましい。アセチルセルロースは多孔性膜が好適である。
【0038】
「核酸を含む試料液S」は、細胞またはウイルスを含む試料に前処理を施した状態のものである。前処理とは、試料を溶解処理することにより核酸を液中に分散させた溶液に水溶性有機溶媒を添加する処理のことである。例えば診断分野においては、試料として採取された全血、血漿、血清、尿、便、精液、唾液等の体液、あるいは植物(またはその一部)、動物(またはその一部)など、あるいはそれらの溶解物およびホモジネートなどの生物材料から調製された溶液が対象となる。「溶解処理」は、細胞膜および核膜を溶解して核酸を可溶化する試薬(例えば、グアニジン塩、界面活性剤およびタンパク質分解酵素を含む溶液)を含む水溶液で処理するもので、例えば、対象となる試料が全血の場合、フィルタ2aへの非特異吸着および目詰まりを防ぐために赤血球および各種タンパク質を分解、低分子化し、抽出の対象である核酸を可溶化させるために白血球および核膜の溶解を行う。「水溶性有機溶媒」としてはエタノール、イソプロパノールまたはプロパノールなどが挙げられ、中でもエタノールが好ましい。水溶性有機溶媒の濃度は好ましくは5〜90重量%であり、さらに好ましくは20〜60重量%である。エタノールの添加濃度は、凝集物を生じない程度でできるだけ高くすることが特に好ましい。
【0039】
「洗浄液W」は、核酸と一緒にフィルタ2aに付着した試料液S中の不純物を洗い流す機能を有し、核酸の吸着はそのままで不純物を離脱させる組成を有する。主剤と緩衝剤、および必要に応じて界面活性剤を含む水溶液からなる。主剤としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−イソプロパノール、ブタノール、アセトン等の約10〜100重量%(好ましくは20〜100重量%、さらに好ましくは40〜80重量%)の水溶液が挙げられる。
【0040】
「回収液R」は、塩濃度が低いことが好ましく、特には0.5M以下の塩濃度の溶液、例えば、精製蒸留水、TEバッファ等が使用される。
【0041】
本発明の一実施形態である核酸抽出機8は、図7に示すように、分注装置9と加圧装置10とから構成されている。分注装置9と加圧装置10は、互いに無線信号を送受信して共同して抽出処理を行う。
【0042】
核酸抽出機8には、図8に示す抽出カートリッジユニット11、図9に示すカートリッジホルダ12、廃液容器3及び回収容器4が用いられる。以下では、まず、これらについて説明を行う。
【0043】
図8に示すように、抽出カートリッジユニット11は、8本の抽出カートリッジ2から構成されている。8本の抽出カートリッジ2は一列に並べられ、抽出カートリッジ2間に配された連結部11bによって、隣り合うもの同士が互いに連結している。
【0044】
抽出カートリッジ2は、上端が開口した筒状本体2bと、この筒状本体2bの底部に保持されたフィルタ2aと、筒状本体2bの下端中心部に細管ノズル状に突出形成された排出部2cと、筒状本体2bの側部において外面が平面となるように形成された位置決め突部2dとを有している。位置決め突部2dは、抽出カートリッジユニット11が複数列に並べられたときに、隣り合う位置決め突部2d同士が接触し、抽出カートリッジユニット11を列方向に対し垂直な方向に位置決めするものである。また、両端の抽出カートリッジには周面から突出した突出部11aが形成されている。
【0045】
図9に示すように、カートリッジホルダ12は、抽出カートリッジユニット11を並べて保持することができる。カートリッジホルダ12には、上下方向に貫通した開口13が形成されており、この開口13に抽出カートリッジユニット11を挿入するようになっている。カートリッジホルダ12の内周壁は、各抽出カートリッジユニット11を前後方向(X軸方向)及び左右方向(Y軸方向)に位置決めした状態で上下方向(Z軸方向)にガイドするガイド壁12aとなっている。各ガイド壁12aには、壁面から突出して形成された係止部12bが設けられている。この係止部12bは、抽出カートリッジユニット11が挿入されたときに突出部11aを係止し、抽出カートリッジユニット11がカートリッジホルダ12から下方に離脱するのを防ぐものである。抽出カートリッジユニット11が並べられて保持されると、抽出カートリッジ2は、前後及び左右方向におけるピッチ(本実施形態では9mm)が等しくされた状態で、複数列(本実施形態では12列)に並べられる。カートリッジホルダ12は、抽出カートリッジユニット11を複数セットした状態で、ホルダ用ラック(図示なし)に載置されて待機している。
【0046】
廃液容器3は、容器本体14と、この容器本体14の上部に装着される仕切枠15とから構成される。容器本体14には、廃液を収容する収容部14aが凹状に形成されている。仕切枠15の上部15aは、外周が容器本体14の外周とほぼ同じサイズとされ、仕切枠15の下部15bは、外周が容器本体14の内周とほぼ同じサイズとされている。仕切枠15を容器本体14に装着する際には、下部15bを収容部14aに挿入し、上部15aを容器本体14の上面に載置するようにする。仕切枠15には、上下方向に貫通する断面矩形の仕切孔15cがマトリクス状に形成されている。この仕切孔15cは仕切板15dによって区切られている。仕切孔15cは、カートリッジホルダ12が保持可能な抽出カートリッジ2の数に対応して同数形成されており、そのピッチが抽出カートリッジ2のピッチに対応している。廃液容器3は、廃液容器用ラック(図示なし)に載置されて待機している。
【0047】
回収容器4は、容器本体16と、この容器本体16を支持する支持台17とから構成される。容器本体16には、各抽出カートリッジ2から排出される回収液Rをそれぞれ収容する有底の回収筒16aがマトリクス状に設けられている。回収筒16aは、カートリッジホルダ12が保持可能な抽出カートリッジ2の数分だけ形成され、そのピッチが抽出カートリッジ2のピッチに対応している。支持台17は、仕切枠15が装着された廃液容器3と同じ高さとなるように、容器本体16を支持する。これにより、搬送機構21にセットされた廃液容器3及び回収容器4の上面が常に同じ高さとなるようにされる。回収容器4は、回収容器用ラック(図示なし)に載置されて待機している。
【0048】
分注装置9(図7参照)は、試料に前述した前処理を施して試料液Sとする機能を備えている。また、分注装置9は、分注機構(図示なし)や、ハンドリング機構(図示なし)を備えている。分注機構は、試料液S、洗浄液W及び回収液Rを、カートリッジホルダ12に保持された複数の抽出カートリッジ2に対して、一括して分注することができる。ハンドリング機構は、カートリッジホルダ12、廃液容器3及び回収容器4を把持するクランプを有し、このクランプを3次元方向に移動させて、カートリッジホルダ12等を加圧装置10の搬送機構21にセットする。3次元方向への移動手段は、クランプを3次元方向にシフトさせるシフト機構や、多関節型ロボットアームなどから構成される。
【0049】
図10、図11に示すように、加圧装置10は、抽出カートリッジ2を搬送する搬送機構21、抽出カートリッジ2に加圧エアを供給する本発明の加圧エア供給機構22、エアノズル41を昇降させるエアノズル昇降機構19、メンテナンス用操作パネル23などを備えている。加圧装置10は、システム制御部24(図11参照)によって制御されている。システム制御部24は、無線信号送受信部25(図11参照)からの信号や、メンテナンス用操作パネル23の操作信号などに基づいて、各部を制御するものである。
【0050】
図10に示すように、搬送機構21は、テーブル29と、テーブル支持板30と、テーブル用モータ32(図11参照)と、検査ブロック33とを有している。テーブル29はテーブル支持板30に固定されており、上方向に延びるようにして上面に固定された4本の支持柱31を有している。各支持柱31は断面が略L字状に形成されており、それぞれが内側を向くようにして設置されている。テーブル支持板30は前後方向(X軸方向)に延びるレール28上に載置されている。テーブル29は、テーブル用モータ32の駆動力が伝達されると、テーブル支持板30と共に前後方向に移動する。
【0051】
テーブル29には、前述した廃液容器3または回収容器4のいずれかを選択的に載置することができる。支持柱31の下部内面には位置決めガイド31aが突出して形成されており、この位置決めガイド31aは傾斜面を有する。廃液容器3がテーブル29に載置される際には、前記傾斜面に沿って廃液容器3の下端角部14b(図9参照)が案内されることで廃液容器3が前後方向及び左右方向(Y軸方向)で位置決めされ、廃液容器3がテーブル29上面に載せられることにより廃液容器3が上下方向(Z軸方向)で位置決めされる。この廃液容器3と同様にして回収容器4も前後、左右及び上下方向で位置決めされた状態でセットされる。
【0052】
支持柱31の上端部には、段部31bが形成されており、この段部31bに前述したカートリッジホルダ12が載置される。段部31bは、上方向へ延びる位置決めガイド31cを有している。位置決めガイド31cは傾斜面を有している。カートリッジホルダ12がテーブル29にセットされる際には、前記傾斜面に沿ってカートリッジホルダ12の下端角部12c(図9参照)が案内されることで、カートリッジホルダ12が前後及び左右方向で位置決めされ、カートリッジホルダ12が段部31bに載せられることにより、カートリッジホルダ12が上下方向で位置決めされる。
【0053】
テーブル29上に廃液容器3を載置した状態で4本の支持柱31にカートリッジホルダ12を載置すると、抽出カートリッジ2の排出部2cは廃液容器3の仕切孔15cの上部に挿入される。このとき、廃液容器3の仕切板15dの上面が、抽出カートリッジ2の筒状本体2bの下面を受けるようにされている。これにより、後述するエアノズル41が抽出カートリッジユニット11の上端を押圧したときに、抽出カートリッジユニット11がたわむことを防止することができる。また、テーブル29上に回収容器4を載置した状態で4本の支持柱31にカートリッジホルダ12を載置すると、抽出カートリッジ2の排出部2cは回収容器4の回収筒16aの上部に挿入される。このときにも廃液容器3と同様に、回収容器4の容器本体16の上面が、抽出カートリッジ2の筒状本体2bの下面を受けるようにされている。
【0054】
テーブル支持板30上においてテーブル29より後方には、前後方向及び上下方向に平行な(XZ面に平行な)2枚の支持板34が設けられており、検査ブロック33は2枚の支持板34の上部に架け渡されて設置されている。検査ブロック33は、後述するエアノズル41のエア供給口41aのシール部が正常か否かを検査する、つまりエア漏れを検査するために用いられるものである。検査ブロック33には検査孔33aがエアノズル41に対応する数及びピッチで設けられている。この検査孔33aは後述する加圧ヘッド40が下降移動した際に、対応するエアノズル41のエア供給口41aを塞ぐものである。検査ブロック33はテーブル支持板30と共に移動する。これにより、検査ブロック33は、エアノズル41の直下に位置する検査位置と、エアノズル41の直下から退避する退避位置との間で前後方向に移動する。なお、エアノズルのエア供給口の構成によっては必ずしも検査ブロックに検査孔を設ける必要はなく、例えば当接面が平面状とされた検査ブロックであってもよい。
【0055】
図11に示すように、システム制御部24は、テーブル用位置センサ35からの信号に基づいて、テーブル用モータ32の回転量を制御し、図10に示すテーブル29の前後方向の移動量を制御している。
【0056】
システム制御部24はテーブル29を前後方向に移動させる。テーブル29は、カートリッジホルダ12、廃液容器3及び回収容器4を載置する載置位置、抽出カートリッジ2に各液を分注する分注位置、エアノズル41の直下に検査ブロック33が位置する検査位置、エアノズル41の直下に先頭の抽出カートリッジユニット11が位置する加圧開始位置、エアノズル41の直下に最後尾の抽出カートリッジユニット11が位置する加圧終了位置に順次位置決めされる。載置位置、分注位置及び検査位置は、同一の位置とすることが好ましく、この場合にはテーブル29の移動回数を減少させることができる。また、加圧開始位置から加圧終了位置までは、抽出カートリッジ2のピッチ分(本実施形態では9mm)ずつ間欠移動し、各抽出カートリッジユニット11で停止したときに加圧処理が行われる。
【0057】
なお、抽出カートリッジユニット11がカートリッジホルダ12の一部領域にのみセットされている場合には、必ずしも抽出カートリッジ2のピッチ分ずつ間欠移動させる必要はなく、エアノズル41の直下に、セットされた抽出カートリッジユニット11のみが順に位置するように間欠移動してもよい。
【0058】
以下では、エアノズル昇降機構19について説明を行う。図10に示すように、装置本体10aの前方上部には複数のエアノズル41が設けられ、このエアノズル41には前述したように加圧エア供給機構22が接続される。装置本体10aの側方中部には、加圧エア供給機構22を構成するエアポンプ42、2つの結露除去用弁43,44及び絞り弁45が設けられ、装置本体10aの後方上部には複数の開閉弁46が設けられている。エアノズル41は加圧ヘッド40に取り付けられている。
【0059】
加圧ヘッド40の内部には、図2,図11に示すリリーフ弁47、複数の圧力開放弁48、複数の圧力センサ49及びリリーフ弁用の圧力センサ50が設けられている。各部は、エアチューブ52(図2参照)によって適宜接続されている。特に、開閉弁46とエアノズル41とを接続するエアチューブは、装置本体10aの上部に設けられた2つのガイド筒53のいずれかを通過させることで束ねられている。
【0060】
加圧ヘッド40は、上下方向に延びるガイドレール54に取り付けられている。加圧ヘッド40にはボールナット55が設けられており、このボールナット55は、上下方向に延びるボールネジ56に螺合している。加圧ヘッド用モータ57(図11参照)の駆動力がタイミングベルト57aを介してボールネジ56に伝達され、ボールネジ56が回転すると、加圧ヘッド40がガイドレール54に沿って上下方向に移動する。
【0061】
図11に示すように、加圧ヘッド用モータ57は、システム制御部24によって制御されている。システム制御部24は、加圧ヘッド用位置センサ58からの信号に基づいて、図10に示す加圧ヘッド用モータ57の回転量を制御し、加圧ヘッド40の上下方向の移動量を制御している。
【0062】
複数(本実施形態では8個)のエアノズル41は、左右方向(Y軸方向)に一列に並べられて加圧ヘッド40に設けられている。各エアノズル41は、加圧ヘッド40に対して、それぞれ独立して上下方向に移動可能に且つ下方に圧縮バネ59によって付勢されている。加圧ヘッド40が下方向に移動し、各エアノズル41が対応する抽出カートリッジ2の上端縁に当接し、さらに押圧されると、圧縮バネ59の縮みによる押圧力で各エアノズル41が各抽出カートリッジ2の上端開口を塞ぐ。
【0063】
加圧ヘッド用モータ57の回転によって加圧ヘッド40が昇降移動する。加圧ヘッド40の昇降移動によって、エアノズル41が加圧位置と退避位置との間で移動する。エアノズル41は、加圧位置では、対応する抽出カートリッジ2に圧接して加圧エア供給機構22により加圧エアを供給し、退避位置では、対応する抽出カートリッジ2から離れて上方に退避する。
【0064】
また、システム制御部24では、検出圧力に基づいて、カートリッジホルダ12への抽出カートリッジ2のセットの有無検出、液の有無検出、液量不足の検出、フィルタ詰まりの検出なども行う。
【0065】
図10に示すように、メンテナンス用操作パネル23は、メンテナンス時に操作されるものであり、表示部60とキー操作部61とを備えている。キー操作部61を操作すると操作信号がシステム制御部24へと送られ、操作に基づいて各部を駆動させることができる。
【0066】
メンテナンス用操作パネル23の下方には、メモリカードスロット62が設けられている。このメモリカードスロット62の奥には、メモリカード63に電気的に接続してデータの読み書きを行うカードリーダが組み込まれている。メモリカード63には、分注装置9と交信した通信情報や、抽出処理を行った処理情報などが書き込まれる。
【0067】
以下、上記構成による作用について説明する。核酸抽出機8を構成する分注装置9及び加圧装置10の電源をオンにすると、まず、分注装置9が準備動作を行う。加圧装置10は、分注装置9から準備完了信号を受信すると、準備動作を行う。
【0068】
加圧装置10は、準備動作を完了するとエア漏れ検査を行う。テーブル29は検査位置へと移動し、エアノズル41の直下に検査ブロック33を位置させる。次いで、加圧ヘッド40を下方に移動させてエアノズル41を加圧位置に移動させる。エアノズル41のエア供給口41aが塞がれた状態で加圧エア供給機構22により加圧エアが供給され、密閉状態で圧力変化が所定値に対して正常かどうかが検出される。エア供給口41aのシール部に欠陥が生じていなければ圧力は変化せず、シール部に欠陥が生じていればエア漏れが生じ圧力は低下してゆく。また、エアの配管系も同様にエア漏れが検出される。エア漏れが確認された場合には、メンテナンス用操作パネル23の表示部60に警告が表示される。所定時間後、加圧ヘッド40が上方に移動してエアノズル41は退避位置に移動する。
【0069】
本実施形態においては、テーブル29の検査位置と、載置位置と、分注位置とを同一の位置としている。また、この位置をテーブル29の初期位置としている。
【0070】
加圧装置10は、エア漏れ検査完了の信号を分注装置9に送信する。分注装置9のハンドリング機構は、廃液容器3を把持してテーブル29に載置し、次に抽出カートリッジ2を多数保持したカートリッジホルダ12を把持してテーブル29に載置する。この後、分注装置9の分注機構が、抽出カートリッジ2に試料液Sを分注する。
【0071】
加圧装置10は、分注装置9から試料液注入動作完了の信号を受信すると、加圧動作(核酸吸着動作)を開始する。テーブル29は加圧開始位置に移動し、エアノズル41の直下に第1列目の抽出カートリッジ2が位置する。次いで、エアノズル41が加圧位置に移動し、エアノズル41のエア供給口41aが対応する抽出カートリッジ2の上端開口に押圧される。全ての開閉弁46がオフ状態、且つ全ての圧力開放弁48がオン状態で、エアポンプ42が駆動される。
【0072】
まず、1番目(最も左方)の開閉弁46がオン状態にされて、対応する抽出カートリッジ2に加圧エアが供給される。圧力センサ49によって所定圧力に上昇したことが確認されると、1番目の開閉弁46がオフ状態にされる。次に、2番目の開閉弁46がオン状態にされて、対応する抽出カートリッジ2に加圧エアが供給される。この動作が第1列目の抽出カートリッジ2の全てに行われる。試料液Sはフィルタ2aを通過し、フィルタ2aに核酸が吸着される。その他の液状成分は廃液容器3に排出される。試料液S全てがフィルタ2aを通過して圧力が低下すると、圧力開放弁48がオフ状態とされる。全ての圧力開放弁48がオフ状態とされた後、エアノズル41が退避位置に移動する。全ての圧力開放弁48は再びオン状態とされる。
【0073】
第1列目の抽出カートリッジ2の加圧動作を完了すると、テーブル29は抽出カートリッジ2のピッチ分だけ後方に移動する。エアノズル41の直下には第2列目の抽出カートリッジ2が位置する。エアノズル41が加圧位置に移動し、第2列目の抽出カートリッジに対して第1列目と同様の加圧動作が行われた後、エアノズル41が退避位置に移動する。このようにして、各列に対して加圧動作が繰り返される。全ての列に対して加圧動作が行われた後、テーブル29は初期位置に戻される。このように、多数(本実施形態では96個)の抽出カートリッジに対して短時間で加圧処理を施すことができる。
【0074】
加圧装置10は、分注装置9に加圧動作(核酸吸着動作)完了の信号を送信する。分注装置9の分注機構が、抽出カートリッジ2に一括して洗浄液Wを分注する。
【0075】
加圧装置10は、分注装置9から洗浄液分注動作完了の信号を受信すると、加圧動作(洗浄動作)を開始する。テーブル29は加圧開始位置に移動する。洗浄液Wに対する加圧動作は、上記した試料液Sに対する加圧動作と同様に行われる。フィルタ2aを通過した洗浄液Wは、核酸以外の不純物と共に廃液容器3に排出される。全ての列に対して加圧動作が行われた後、テーブル29は初期位置に戻される。
【0076】
加圧装置10は、分注装置9に加圧動作(洗浄動作)完了の信号を送信する。分注装置9のハンドリング機構は、カートリッジホルダ12を把持してホルダ用ラックに一旦載置し、次に廃液容器3を把持して廃液容器用ラックに載置する。この後、ハンドリング機構は、回収容器用ラックに載置された回収容器4を把持して加圧装置10のテーブル29に載置し、次に先ほどのカートリッジホルダ12を把持してテーブル29に載置する。分注装置9の分注機構は、抽出カートリッジ2に一括して回収液Rを分注する。
【0077】
加圧装置10は、分注装置9から回収液分注動作完了の信号を受信すると、加圧動作(核酸回収動作)を開始する。テーブル29は加圧開始位置に移動する。回収液Rに対する加圧動作は、試料液S及び洗浄液Wに対する加圧動作と同様に行われる。回収液Rはフィルタ2aを通過し、フィルタ2aに吸着された核酸と共に、回収容器4の対応する回収筒16aに収容される。
【0078】
加圧装置10は、分注装置9に加圧動作(核酸回収動作)完了の信号を送信する。分注装置9のハンドリング機構は、カートリッジホルダ12を把持してホルダ用ラックに載置し、回収容器4を把持して回収容器用ラックに載置する。回収容器4の回収筒16aにそれぞれ回収された回収液は、他の装置によって分析が行われる。カートリッジホルダ12に保持された使用済みの抽出カートリッジは廃棄される。
【0079】
加圧装置10は、核酸吸着、洗浄、核酸回収の各加圧動作直後に、加圧エア供給機構22の配管内の結露を除去する結露除去動作を行う。この場合には、各動作直後にエアを各配管経路T1〜T6に一定時間流すので、結露量も少なく、結露を早く蒸発させることができる。なお、結露除去動作は、抽出カートリッジ列の加圧動作終了毎に行っても、全ての抽出カートリッジ列の加圧動作終了毎に行ってもよい。特に、抽出カートリッジ列の加圧動作終了毎に行う場合には、液抜け待ち時間内に行うことで、核酸抽出動作のサイクルタイムが延びることがなく特に好ましい。さらには、結露除去動作は、核酸抽出動作以外の空き時間に行ってもよい。この場合には、各動作時間外に、各配管経路T1〜T6の一部または全部にエアを一定時間流すことで、エアを流す総合時間は長くなるものの、核酸抽出動作のサイクルタイムが延びることはなく、核酸抽出動作時間が長くなることが避けられる。
【0080】
結露除去動作の後、抽出動作を続ける場合には、未使用の抽出カートリッジを保持する別のカートリッジホルダ及び未使用の回収容器等を用いて、上記した一連の抽出動作が繰り返される。
【0081】
本実施形態によれば、複数の抽出カートリッジが連結した抽出カートリッジユニットを用いているため、多数の抽出カートリッジを用いる場合等において抽出カートリッジを取り扱い易くなる。これにより、抽出カートリッジをカートリッジホルダにセットする作業は簡単になる。また、多数のカートリッジに対して短時間で加圧処理及び分注処理を行うことができ、多数の試料の抽出処理が短時間で可能になる。
【0082】
上記実施形態では、エアノズル41が1列に並べられている形態で説明を行ったが、エアノズル41が複数列に並べられている形態としてもよい。この場合には、ノズル列分ずつテーブルを移動させる。例えば、エアノズル41が3列に並べられている場合には、抽出カートリッジ2のピッチ×3(本実施形態を適用すると27mm)ずつテーブルを移動させる。また、エアノズル41が1列に並べられたものに代えて、エアノズル41が例えば1本のものに対して本発明を実施してもよい。
【0083】
上記実施形態では、抽出カートリッジユニット11を構成している抽出カートリッジ2は8本であったが、抽出カートリッジ2の数は任意でよい。また、抽出カートリッジ2を複数列に並べて連結したマトリクス状配列の抽出カートリッジユニット11を用いてもよい。
【0084】
上記実施形態では、カートリッジホルダ12による抽出カートリッジユニット12の保持数は12列であったが、列の数は任意でよい。さらには搬送機構をエンドレス方式とすることにより、より多数の抽出カートリッジを処理することも可能である。
【0085】
上記実施形態では、カートリッジホルダ12をエアノズル41に対して前後方向に移動させたが、カートリッジホルダ12を固定しておき、エアノズル41をカートリッジホルダ12に対して前後方向に移動させてもよい。
【0086】
上記実施形態では言及しなかったが、各抽出カートリッジユニット12または各抽出カートリッジ2に、各個体を識別させることができる個体識別体、例えばICチップを取り付け、この個体識別体に基づいて各抽出カートリッジユニット12または各抽出カートリッジ2を管理してもよい。
【0087】
上記実施形態では、洗浄液による洗浄処理を施しているが、フィルタ2aの透過能力によっては必ずしも必要とされるものではない。上記実施形態では、回収液Rを用いて回収動作を行っているが、回収液Rは必ずしも必要ではなく、例えば、フィルタ2aに特定物質を吸着させたまま分析することも可能である。
【0088】
上記実施形態では、核酸の抽出機について記載しているが、これに限定されるものではなく、種々の特定物質をフィルタ2aに吸着させる場合にも適用することができる。
【0089】
上記実施形態では、図7に示すように核酸抽出機8を、別体で設けた分注装置9と加圧装置10とから構成しているが、これに代えて、特願2004−232091号明細書に記載されているような分注装置と加圧装置とを一体化したものにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施結果を従来のものと比較して示すグラフであり、(A)はポンプのエア吐出側に絞り弁を設けた本発明の実施結果であり、(B)はポンプのエア吸引側に絞り弁を設けた従来装置の実施結果である。
【図2】本発明を実施した加圧エア供給機構(装置)の空気圧回路図である。
【図3】結露除去処理における逆流状態を示す空気圧回路図である。
【図4】結露除去処理における開放状態を示す空気圧回路図である。
【図5】結露除去処理における閉鎖状態を示す空気圧回路図である。
【図6】核酸抽出処理における各動作を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態の核酸抽出機の概要を示すブロック図である。
【図8】抽出カートリッジユニットの外観を示す斜視図である。
【図9】カートリッジホルダ、廃液容器及び回収容器の分解斜視図である。
【図10】装置カバーを取り外した状態の加圧装置の外観を示す斜視図である。
【図11】加圧装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図12】ポンプへの絞り弁の取り付け位置を変えて、ポンプの駆動モータへの供給電圧の変動による立ち上がり時の圧力変化を示すグラフであり、(A)はエア吸引側に絞り弁を取り付けたときのものを、(B)はエア吐出側に絞り弁を取り付けたときのものを示している。
【符号の説明】
【0091】
S 試料液
R 回収液
T1〜T6 配管経路
2 抽出カートリッジ
2a フィルタ
3 廃液容器
4 回収容器
8 核酸抽出機
9 分注装置
10 加圧装置
11 抽出カートリッジユニット
21 搬送機構
22 加圧エア供給装置
29 テーブル
31 支持柱
31a 位置決めガイド
31b 段部
31c 位置決めガイド
33 検査ブロック
40 加圧ヘッド
41 エアノズル
42 ポンプ
43 結露除去用第1弁
44 結露除去用第2弁
45 絞り弁
46 開閉弁
47 リリーフ弁
48 圧力開放弁
49,50 圧力センサ49,50
51 エア供給制御部
52 エアチューブ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定物質を含む液がカートリッジの開口から注入された後に前記開口にエアノズルを介して加圧エアを供給し、前記加圧エアによって前記カートリッジ内のフィルタ部材に前記液を通過させて前記特定物質を抽出する抽出機に用いられる加圧エア供給装置において、
前記加圧エアを発生させるポンプと、
前記ポンプのエア吐出側の配管に設けられる絞り弁とを備えることを特徴とする加圧エア供給装置。
【請求項2】
前記ポンプはカップシール方式のポンプであり、前記絞り弁は前記ポンプからの加圧エアの流量を10〜50%の範囲に調節することを特徴とする請求項1記載の加圧エア供給装置。
【請求項3】
前記加圧エアの圧力が30〜200kPaで吐出量が1〜30mL/secであることを特徴とする請求項2記載の加圧エア供給装置。
【請求項4】
前記絞り弁からの加圧エアの前記エアノズルへの供給を制御するエア供給制御部と、
前記カートリッジの開口を塞いで加圧エアを供給するエア供給位置、及びこのエア供給位置から退避した退避位置の間で前記エアノズルを昇降させるエアノズル昇降機構とを備え、
前記エア供給制御部は、絞り弁からの加圧エアの流通及び遮断を行う開閉弁と、この開閉弁からの加圧エアを流通または遮断し、遮断時にエアノズルを大気開放する圧力開放弁と、この圧力開放弁及び前記エアノズルの間の配管に設けられこの配管内の圧力を検出する圧力センサと、加圧指示信号に基づき前記ポンプ、開閉弁、圧力開放弁を制御してエアノズルを介し前記カートリッジ内に加圧エアを導入し、前記圧力センサからの信号に基づき開閉弁の閉じ動作、圧力開放弁の圧力開放動作を行うシステム制御部とを有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の加圧エア供給装置。
【請求項5】
前記カートリッジを第1方向に少なくとも1列に並べてカートリッジ列を構成し、
前記エアノズルを前記カートリッジ列に対応させて少なくとも1列のカートリッジ分だけ並べて設け、
前記各エアノズルに対応する数量の前記エア供給制御部を有することを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の加圧エア供給装置。
【請求項6】
前記絞り弁に対し各エア供給制御部の開閉弁と並列に設けられ、前記絞り弁からの加圧エアを大気開放するリリーフ弁と、前記ポンプのエア吐出側配管と前記絞り弁との間に設けられ、前記エアを流通または遮断し、遮断時にポンプ側からの加圧エアを大気開放する結露除去用第1弁と、この結露除去用第1弁及び前記絞り弁の間の配管と前記ポンプのエア吸引側配管との間に設けられ、前記エアを流通または遮断し、遮断時に前記ポンプのエア吸引側配管を大気開放する結露除去用第2弁と、これらリリーフ弁、結露除去用第1及び第2弁を切り換えて、前記ポンプから前記開閉弁までの配管経路内の結露を順次配管外に排出する結露除去制御部とを有することを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項記載の加圧エア供給装置。
【請求項7】
請求項1ないし6いずれか1項記載の加圧エア供給装置と、
前記カートリッジへ前記液を注入する注液装置とを有し、
前記注液装置により前記液が注入されたカートリッジに対し前記加圧エアによって前記カートリッジ内のフィルタ部材に前記液を通過させ、前記液中の特定物質を前記フィルタ部材に吸着させることを特徴とする抽出機。
【請求項8】
前記カートリッジに注入される液は、特定物質を含む試料液と、前記特定物質とともに前記フィルタ部材に付着した特定物質以外の不純物を洗い流す洗浄液、及び/またはフィルタ部材から前記特定物質を分離して回収する回収液であり、これらが順次に前記注液装置により前記カートリッジに注入され、前記加圧エア供給装置で加圧されることを特徴とする請求項7記載の抽出機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−198524(P2006−198524A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−12991(P2005−12991)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】