加圧ガス管路を有するスプレーヘッド及び噴霧装置
少なくとも1つの成分を噴霧するための噴霧装置のスプレーヘッドが少なくとも1つの物質成分導管(6,6’;20)を有し、その成分吐出口(8,8’;23,23’)がスプレーヘッド先端部(7)から開口する。加圧ガス用の環状ダクト(12)が少なくとも1つの成分導管(6,6’;20)を長手方向に少なくとも部分的に包囲し、スプレーヘッド先端部(7)でスプレーヘッド(5)から開口する。加圧ガス供給ダクト(13)が環状ダクト(12)に加圧ガスを導入するために設けられる。環状ダクト(12)は複数のリブ(16,16’)を有し、環状ダクト(12)を、少なくともスプレーヘッド先端部(7)の領域で互いに分離した加圧ガス排出ダクト(17,17’)に分割する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの物質又は成分を加圧ガスで噴霧する噴霧装置と噴霧装置のスプレーヘッドに関し、特に、個々の成分をスプレーヘッドから放出させた後に加圧ガスで混和させるスプレーヘッドと噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術は、例えば、医療分野の治療行為で使用される噴霧装置を開示している。噴霧装置を使用することにより、例えば、フィブリン又はトロンビン等の接着剤を処置面に触れることなく塗布することが可能である。このような方法は、例えば創傷の治療や止血に使用される。噴霧装置で塗布する物質は、多くの場合、ダブルカートリッジやダブルシリンジ等に別々の成分として格納され、これらの成分は使用時にだけ互いに混合される。個々の成分を噴霧装置のスプレーヘッドから噴出させて個々の成分を噴霧化させた直後に、成分の混合は行われる。また、成分を装置内部の混合路で混合し、その後すぐに噴霧することも可能である。しかし、この場合、噴霧装置の内部で目詰まりや汚染が起こることがある。成分をスプレーヘッドから放出し、成分に同時に向かうガス流で個々の液滴に噴霧する。ガス流は治療部位に混合された成分を運搬する。噴霧パターンが均一な微細液滴の大きさであること、成分ができるだけ完全に混和されることを確実にしなければならない。用途によっては、混合された成分をできるだけ焦点を絞って運搬する必要がある。最小限の量の加圧ガスを使って粘性の高い成分を噴霧できることもまた望ましい。
【0003】
例えば、特許文献1は、個々の成分とガスをスプレーヘッドの中へ別々のダクトで搬送する噴霧装置を開示する。ガスダクトはスプレーヘッドの中心に配置され、成分ダクトはガスダクトの回りをリング状に延びる。ダクトはスプレーヘッドの先端の共通面で開口し、成分とガスが放出されたときに成分の混合が行われる。この噴霧装置では、成分はリング状のスプレーヘッドから大きな表面積で噴出する。成分と加圧ガスは同時に規定の方向に送出されず、加圧ガスダクトと外部成分ダクトは非常に離れており、このため、実際には、加圧ガスによって成分が完全に被覆される保証はない。
【0004】
従って、本発明の目的は、成分の均一な混合と均一な微細液滴の形成を可能にし、対象物に成分及び混合物の焦点を合わせ、噴霧用の加圧ガスをほとんど必要とせず、スプレーヘッドの目詰まりと汚染を防ぎ、高粘性の成分に好適なスプレーヘッド及び噴霧装置を提供することである。
【0005】
この目的は、請求項1及び12によるスプレーヘッドと請求項16による噴霧装置によって達成される。スプレーヘッドと噴霧装置の有利な実施形態は従属項に記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,605,541号公報
【発明の概要】
【0007】
本発明によると、少なくとも1つの物質又は成分を噴霧するための噴霧装置のスプレーヘッドが提供される。スプレーヘッドは少なくとも1つの物質又は成分導管を有し、物質又は成分がその中に誘導される。各噴霧成分につき1つの成分導管を設け、少なくとも2つの成分導管を設けることが好ましい。成分導管は成分吐出口を有し、成分吐出口は隣り合って配置され、スプレーヘッドの先端部から開口する。成分吐出口はスプレーヘッド先端部に互いに近接して設けられることが好ましい。例えば、2つの成分吐出口の間の距離はその成分吐出口の直径にほぼ相当する。成分導管はさらに離れた位置に設けてもよい。スプレーヘッド内部の成分導管は噴霧方向に互いに平行に並んで通すことが好ましい。しかし、その成分吐出口がスプレーヘッド先端部で互いに近接した位置となる限りは、成分導管を互いに独立してスプレーヘッドに通すこともできる。異なる噴霧成分が、ダブルカートリッジ又はダブルシリンジ等の容器から成分導管に誘導される。
【0008】
スプレーヘッドはさらに加圧ガス用の環状ダクトを有し、環状ダクトは成分導管を長手方向に少なくとも部分的に包囲し、スプレーヘッド先端部でスプレーヘッドから抜け出る。加圧ガスはスプレーヘッド先端部とスプレーヘッド先端部に近接する領域で成分導管を取り囲めばよい。しかし、環状ダクトを成分導管に沿って長手方向に延ばすことも可能である。成分導管が環状ダクトによって同心円状に取り囲まれることが好ましい。環状ダクトの出口は確実に、成分吐出口に近接するスプレーヘッド先端部に位置するようにしなければならない。このために、環状ダクトは成分吐出口の方向に先細に設計されることが有利である。環状ダクトの排出口を同心円状にすることによって、成分導管は環状ダクトの領域から同じ距離でそれぞれ離間されている。
【0009】
加圧ガス供給ダクトは環状ダクトに加圧ガスを導入するために設けられる。加圧ガス供給ダクトはスプレーヘッドに横方向に設けられることが好ましく、加圧ガスを発生させる装置用のアタッチメントを有する。加圧ガス供給ダクトを環状ダクトに平行に設けることも可能であり、これにより、加圧ガスは環状ダクトに横方向に導入されず、代わりに噴霧装置の長手方向に導入される。例えば、ガスカートリッジ又はポンプ等を使って加圧ガスを発生させることができる。用途の殆どにおいて、圧搾空気を加圧ガスとして使用できる。スプレーヘッド又は噴霧装置を使用する際に、噴霧成分を成分導管から吐出させて、同時に環状ダクトから加圧ガスを吐出させる。
【0010】
本発明によると、環状ダクトは複数のウェブを有し、複数のウェブは環状ダクトを、少なくともスプレーヘッド先端部の領域で、互いに分離した加圧ガス排出ダクトに分割する。このように、環状ダクトは独立した複数の加圧ガス排出ダクトに分割され、成分導管の周囲にリング状に配置される。複数のウェブは異なる長さと幅であってもよく、これにより異なる加圧ガス排出ダクトが形成される。個々の加圧ガス排出ダクトは直接環状ダクトに隣接する。加圧ガス供給ダクトを通って導入された加圧ガスは環状ダクトを流れ、個々の加圧ガス排出ダクトに分配される。長手方向において、ウェブは、加圧ガスダクトが先端方向に狭くなるように、例えば広がりながら、先端方向に配置される。また、ウェブの幅を異ならせて、スプレーヘッド先端部で加圧ガス排出ダクトの間隔を異ならせることができ、様々な直径の加圧ガス排出ダクトを得ることができる。
【0011】
本発明によるスプレーヘッドによって、環状ダクトは複数のウェブで別々の加圧ガス排出ダクトに分割され、成分を噴霧するために必要なガスの量を低減することができる。加圧ガスの流れは成分導管に対して的を絞って確実に設定することができる。さらに、加圧ガスの量の分配は対応する成分又は成分の組み合わせに適合させることができる。これにより成分を均一に混合することができ、均一な微細液滴の大きさの噴霧が可能となる。環状ダクトの内側のウェブはスプレーヘッドの内側のダクトの経路決めを簡単にする。スプレーヘッド全体を通る個々の加圧ガスダクトの経路を決める必要はない。
【0012】
本発明によるスプレーヘッドと噴霧装置の好ましい実施形態では、2つの成分導管がハウジング又はハウジング構造体内に設けられる。ハウジングはスプレーヘッド先端部領域で細長くなることが好ましい。例えば、円筒形状又は長円形状にしてもよい。成分導管はハウジングの長手方向に互いに平行に延びる。成分導管は成分吐出口のハウジングの先端で互いに近接して開口する。反対側の端で成分導管は、例えば、入口開口部に開口し、この開口部を通って成分を容器から各成分導管に導入することができる。容器は各成分に1つの容器で、例えば2つの容器を有するダブルカートリッジの形状であってもよく、この場合、それぞれの容器出口はハウジングの開口部に開口する。成分を吐出するために、噴霧装置は吐出装置を有し、吐出装置は例えばダブルピストンロッドの形状であり、ダブルピストンロッドの各ピストンは各容器に延びる。ダブルピストンロッドが押し出されると、成分が容器から容器出口を通って送出され、スプレーヘッドの成分導管に導入される。
【0013】
スプレーヘッドには、成分導管を有するハウジングの上に嵌めることができるキャップ又はスリーブが設けられる。加圧ガス用環状ダクトがハウジングの外壁とキャップの内壁の間に形成される。このために、キャップは一端でハウジングにぴったり嵌められ、他端ではハウジングとキャップとの間に加圧ガス排出口を形成するための開口部がある。成分吐出口を備えたハウジングの先端は好ましくはキャップの開口部に突出し、この結果、成分吐出口は加圧ガス排出ダクトに並んで横方向に位置し、又は噴霧方向に加圧ガス排出ダクトを越えてキャップからさらに突出する。
【0014】
一実施形態では、キャップはハウジングから取り外し可能であり、加圧ガス供給ダクトはキャップに、例えば、側面の加圧ガスアタッチメントによってキャップに設けられる。このように、キャップは様々なスプレーヘッドに使用することができ、即ち、様々なスプレーヘッドのハウジングに取り付けることができる。しかし、主にキャップはハウジングに固定的に取り付けることもでき、その結果、誤ってハウジングから分離されてしまうことがない。
【0015】
環状ダクト内の加圧ガス排出ダクトを形成するウェブはハウジングの外壁に半径方向に延びて配置されることが好ましい。キャップをハウジングに取り付けると、ウェブはキャップの内壁に接触し、これにより、本発明による、互いに分離された加圧ガス排出ダクトが形成される。しかし、キャップの内壁の内側に半径方向に延びるウェブを設けることも可能であり、キャップを取り付けたときにウェブがハウジングの外壁上に位置する。これらの可能性を組み合わせることも考えられる。
【0016】
本発明の有利な実施形態では、スプレーヘッド先端部で成分排出口は噴霧方向に加圧ガス排出ダクトを越えて突出する。これにより噴霧成分の混合がスプレーヘッドの外側で確実に行われ、従って、スプレーヘッドは、成分の早期混合の結果生じる目詰まりから確実に保護される。2つの成分吐出口が、各成分吐出口がそれぞれスプレーヘッド先端部の面上に現れるように設けられることが好ましい。この場合、成分吐出口が噴霧方向に対して斜め外側に向くように、それぞれの面が互いの間に角度を持つ。この配置では、成分吐出口は異なる方向、好ましくは互いに反対の方向を示す。この方法でもまた、混合が早期に行われることを防ぐことができ、その結果、スプレーヘッドの目詰まりを防ぐことができる。従って、成分吐出口の出口面は、矢印形状で向かい合って先細に設計され、その結果、スプレーヘッド先端部にエッジが形成され、このエッジが先端部の最も前方のポイントを形成する。さらに、成分吐出口間のハウジングの最前領域がスクリーニング手段を形成し、このスクリーニング手段は2つの成分吐出口を互いから遮蔽する。これにより、成分吐出口から成分を吐出している間、噴霧前に成分同士は確実に接触しない。面は互いに90度の角度で配置されることが好ましい。しかしまた、面はより鋭角又はより鈍角で配置することもできる。
【0017】
環状ダクトの内側のウェブは、加圧ガス排出ダクトが2つの成分吐出口を連結する線に沿って位置するように配置されることが好ましい。従って、出現する加圧ガスは面に沿って成分吐出口に直接向かわず、代わりに成分吐出口の前の噴霧領域のほうへ横方向に流れる。これにより、加圧ガスの強い流れで真空が形成されて成分が成分導管から吸い出されてしまうという状況を避けることができる。成分がスプレーヘッド先端部の前の噴霧領域に吐出されるのは、容器、すなわち成分吐出口から成分を吐出するための吐出装置が作動されるときだけである。これにより、制御不能な成分の吐出、ひいては、成分の想定外の混合を回避できる。加圧ガスが吐出口を越えて直接流れないように、加圧ガス排出ダクトを特に成分吐出口に沿って配置するために、環状ダクト内のウェブをそれに応じて配置することができる。例えば、ウェブはそれぞれ2つのダクトの連結線上に配置される。
【0018】
本発明の別の実施形態では、スプレーヘッドの内部に、物質ダクト、又は複数の成分用の混合ダクトを設け、ダクトの吐出口はスプレーヘッド先端部から開口し、ダクトは本発明による環状ダクトによって長手方向に少なくとも部分的に包囲される。2つの容器出口はダブルカートリッジの2つの容器から物質ダクト又は混合ダクト内に開口していることが好ましく、ダブルカートリッジの2つの容器のそれぞれに異なる成分が供給されている。混合ダクトとして設計する場合、混合要素がダブルカートリッジの容器出口の口部とスプレーヘッド先端部の吐出口との間に設けられる。混合要素を使用して、混合物が噴霧装置から吐出される前に直接ダブルカートリッジからの個々の成分を混合する。特に好ましい実施形態では、1つの混合路が、スプレーヘッドの先端で、互いに並んで配置された2つの吐出口に分割される。2つの吐出口はそれぞれスプレーヘッド先端部の面上に設けられることが好ましく、この場合、面は互いに角度をなして、すでに上述したように、吐出口が噴霧方向に対して斜め外側を向く。
【0019】
本発明によると、加圧ガス用の環状ダクトは、混合要素を備える物質ダクト又は混合ダクトを長手方向に少なくとも部分的に包囲し、複数のウェブを有し、これらのウェブは環状ダクトを互いに分離した加圧ガス排出ダクトに分割する。すでに記載したように、加圧ガス排出ダクトは成分吐出口を有する角度をつけた面に直接向けられず、代わりにウェブによってその側面に設けられることが有利である。
【0020】
なお、スプレーヘッド先端部の相互に角度をつけた面上の成分吐出口の配置により、成分吐出口が噴霧方向に成分導管に対して斜め外側を指し示し、ウェブを有する環状ダクトの存在とは関係なく、上述したように、物質又は成分を噴霧する噴霧装置のスプレーヘッドの有利な実施形態が示される。従って、独立請求項によると、成分導管が少なくとも2つの成分吐出口でスプレーヘッドの先端部で開口する、少なくとも1つの物質又は成分導管を有する噴霧装置のスプレーヘッドが提供される。スプレーヘッドは少なくとも1つの加圧ガスダクトと、スプレーヘッドの先端部でスプレーダクトの開口部と、加圧ガスダクトに加圧ガスを導入する加圧ガス供給ダクトとを有する。各成分吐出口はスプレーヘッドの面に現れ、成分吐出口が噴霧方向に対して斜め外側に向くように面が互いに角度を持つことが重要である。換言すれば、成分導管の吐出口は角度を持って半径方向外側に向けられる。従って、それぞれの面は矢印形状で互いに向かって先細になるように設けられる。成分吐出口は噴霧方向に加圧ガスダクトの排出口を越えて突出することが好ましく、加圧ガス排出口は2つの成分吐出口の連結線の隣に配置される。例えば、1つの成分導管がスプレーヘッドを通って延びている場合、スプレーヘッド先端部で2つの成分吐出口に分割できる。2つの成分導管が互いに並んで別々に延びている場合、これらの導管はそれぞれスプレーヘッド先端部で互いに角度を持って設けられた面の1つに開口する。
【0021】
本発明の好ましい実施形態を図に示すが、図は本発明を限定するように解釈されるべきではない。図から明らかになる特徴は、本発明の開示に属するものと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による第一の実施形態のスプレーヘッドを備えた噴霧装置の長手方向断面図である。
【図2】本発明による噴霧装置のスプレーヘッドの長手方向断面図である。
【図3】本発明によるスプレーヘッドの立体分解図である。
【図4a】スプレーヘッド先端部の第一の面の長手方向断面図である。
【図4b】スプレーヘッド先端部の第二の面の長手方向断面図である。
【図4c】スプレーヘッド先端部の立体図である。
【図5a】2つの吐出面を有する図4cのスプレーヘッド先端部の正面図である。
【図5b】3つの吐出面を有するスプレーヘッド先端部の正面図である。
【図5c】4つの面を有するスプレーヘッド先端部の正面図である。
【図5d】4つの吐出面を有するスプレーヘッド先端部の正面図である。
【図6】スクリーニング手段の別の実施形態を備えたスプレーヘッド先端部の立体図である。
【図7】本発明による第二の実施形態のスプレーヘッドの長手方向断面図である。
【図8a】第二の実施形態によるスプレーヘッド先端部の第一の面の長手方向断面図である。
【図8b】第二の実施形態によるスプレーヘッド先端部の第二の面の長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明による噴霧装置とスプレーヘッドの第一の実施形態を図1に示す。噴霧装置は、2つの容器2及び2’を備えたダブルシリンジ1を有し、容器2及び2’のそれぞれには、噴霧装置を使用して噴霧される成分が供給される。これらの容器は、例えば、2つの異なる成分を収容し、これらの成分を混合してフィブリン接着剤を形成する。容器2は容器出口3を、容器2’は容器出口3’をそれぞれ有する。容器2及び2’は容器出口3及び3’とは反対側の端にダブルピストン4の形状の吐出装置を有する。ダブルピストン4が容器2及び2’の内部へ前進すると、成分は容器出口3及び3’を通って容器内部から送出される。本発明によるスプレーヘッド5が容器出口に隣接する。
【0024】
スプレーヘッド5を図2に詳細に示す。スプレーヘッドの内部には、相互に平行な2つの成分導管6及び6’がスプレーヘッドの入口端からスプレーヘッド先端部7へ並行して延び、このスプレーヘッド先端部7から成分導管6及び6’の2つの成分吐出口8及び8’が開口している。スプレーヘッド5は入口端に、ダブルシリンジの容器出口3及び3’を受け入れるための受入開口部を有する。このように、成分導管6及び6’は容器出口に流体接続で連結され、その結果、成分が容器2及び2’から送出されると、成分は容器出口3及び3’を通って成分導管6及び6’内へ送出される。成分導管はハウジング構造体9に収容され、ハウジング構造体9にも容器出口を受け入れる受入開口部が設けられている。容器出口3及び3’はハウジング構造体9の開口部に挿入することができる。例えば、スナップ嵌合接続の形状等の安全機構を設けて、スプレーヘッド5のハウジング構造体9をダブルカートリッジ1の容器出口3及び3’に安全に固定することが可能である。
【0025】
キャップ10はハウジング構造体9に嵌められ、キャップ10の押し付けられた端部がハウジング構造体9に密着する。この目的のために、例えば、形状嵌め又は圧力嵌め接続を使用してもよい。キャップ10のこの端部とハウジング構造体9との間を、密封リング等を設けて密封することも可能である。キャップ10の反対側の端部には開口11があり、この開口11からスプレーヘッド先端部7を形成するハウジング構造体9の領域がキャップ10から突出する。スプレーヘッド先端部7のハウジング構造体9の領域は、成分吐出口8及び8’がキャップの外側に位置するような距離でキャップから突出する。
【0026】
キャップ10とハウジング構造体9の間には環状ダクト12が形成され、環状ダクト12は加圧ガスを収容するために設けられる。キャップ10は片側に加圧ガス供給ダクト13を有し、このダクトを通じて加圧ガスを環状ダクト12に導入することができる。カートリッジ等の従来の加圧ガス装置を加圧ガス供給ダクト13に取り付けることができる。キャップ10がハウジング構造体9上に嵌められているときは、環状ダクト12はキャップの内壁14とハウジング構造体9の外周壁15の間に形成される。ハウジング構造体9とキャップ10はスプレーヘッド先端部7に向かって先細に設計されている。従って、スプレーヘッド5はスプレーヘッド先端部7の方向に狭窄する。キャップ10の形状をハウジング構造体9の外壁15とキャップの内壁14との距離を小さくしてハウジング構造体9の外周壁15に適合させると、その結果、環状ダクト12の容積は小さくなる。
【0027】
スプレーヘッド先端部7の領域では、ハウジング構造体9は外周壁15上に数個のウェブ16及び16’を有する。これらのウェブはキャップ10がハウジング構造体9に嵌められているとき、キャップ10の内壁14に接触する。ウェブ16と16’の間には加圧ガス排出ダクト17、17’が形成され、この加圧ガス排出ダクト17、17’は環状ダクト12に隣接し、互いに分離されている(図4b参照)。
【0028】
図3はスプレーヘッド5の各要素を分解して示した図である。この図に示されるように、キャップ10は円筒形部を有し、先端に開口11が設けられた円錐形部と隣接する。加圧ガス供給ダクト13が円筒形部に横方向に配置される。ハウジング構造体9は図では2つの部分に分かれて示されている。この2つの部分が結合してハウジング構造体9を形成する。ハウジング構造体を2部形状にすることにより、構造体の製造が容易になる。このように、構造体は円筒形部を有し、この円筒形部を通って成分導管が延びる。ハウジング構造体は一端で円錐形状を有する。スプレーヘッド先端部7は円錐の先端領域に形成される。スプレーヘッド先端部7の領域で、ハウジング構造体9はその外周壁にハウジング構造体の長手方向に延びるウェブ16及び16’を有する。キャップ10がハウジング構造体9に嵌められているとき、ウェブ16、16’の外面はキャップの内壁14に接触する。このとき、加圧ガス排出ダクト17、17’がウェブ16、16’の間に形成される。
【0029】
図4a及び4bはスプレーヘッド5のスプレーヘッド先端部の断面図を示す。図4aでは断面はハウジングの外壁15に設けられた2つの互いに向かい合うウェブ16と16’を通っている。環状間隙12がキャップの内壁14とハウジングの外壁15との間に形成され、ハウジング構造体9のウェブ16、16’がキャップの内壁14に接触するので、環状間隙12はスプレーヘッド先端部7の領域で閉じられる。
【0030】
ハウジング構造体9の先端領域はキャップ10から開口11を通って突出しているため、成分導管6、6’の成分吐出口8、8’はキャップ10の外側のハウジング構造体9から開口している。成分吐出口8及び8’は、スプレーヘッドのハウジング構造体9の、互いに角度をなす面18、18’にそれぞれ設けられ、このため、成分吐出口8、8’は成分導管6、6’に関してスプレーする方向に対して斜めに配向している。換言すれば、成分吐出口8、8’の面18、18’は成分導管6、6’の長手方向軸に対して斜めに設けられ、この結果、成分吐出口8及び8’は成分をスプレーヘッドから横向きに噴出する。従って、成分吐出口8及び8’から吐出された2つの成分は、互いに離れた方向を向いて吐出される。2つの成分吐出口8及び8’の間では、角度がつけられた面18及び18’によって先端19が形成され、先端19は2つの成分吐出口8及び8’のスクリーニング手段として機能する。成分が成分吐出口8及び8’から横斜めに吐出されることにより、また成分吐出口の間のスクリーニング手段19により、個々の成分が成分吐出口から出た後に、確実に互いに直接接触しないようにできる。これにより、成分同士の望ましくない早期接触によって、スプレーヘッド又はスプレーヘッド先端部が目詰まりを起こし、成分の噴霧がもはや不可能になってしまう状況が回避される。ここに示す実施形態では、面18と18’との角度は約90°である。従って、成分吐出口8及び8’は成分導管6及び6’の長手方向軸に対して45°の角度を向いている。角度をつけた面の上述の機能が満たされる限り、これ以外の角度にすることも可能である。
【0031】
図4bは、スプレーヘッド先端部7の、2つの互いに向かい合う加圧ガス排出ダクト17、17’を通る断面図を示し、加圧ガス排出ダクト17、17’はウェブ16,16’の間に形成されている。スプレーヘッド先端部7の領域では、キャップ10とハウジング構造体9は先端部に向かって円錐状に先細に形成される。従って、加圧ガス排出ダクト17及び17’の長手方向は、ハウジング構造体9又は成分導管6及び6’の長手方向軸に対して斜めを向く。従って、加圧ガス排出ダクト17及び17’はスプレーヘッド先端部7の前の1点に焦点が合わせられている。
【0032】
図4a及び図4bからわかるように、加圧ガス排出ダクト17及び17’は2つの成分吐出口8及び8’を連結する線上には位置しない。ウェブ16及び16’は成分吐出口8及び8’の連結線に沿って設けられる。従って、加圧ガス排出ダクト17及び17’は、成分吐出口8及び8’を有する面18、18’に向けられておらず、代わりにこれらの面を連結する線に並んで配置されている。加圧ガス排出ダクトを成分吐出口に対してこのように配置することにより、成分吐出口8及び8’では、成分が成分吐出口から制御不能に吸い出される原因となりうる真空作用が生じない。加圧ガス流は面18及び18’を過ぎて横方向に誘導され、成分が成分吐出口8及び8’からすでに噴出されたときにのみ加圧ガスが成分に作用する。加圧ガス排出ダクト17及び17’はスプレーヘッド先端部上の1点に焦点を合わせているので、成分はこの領域にで霧化されて互いに混合される。加圧ガス排出ダクト17及び17’の焦点を合わせることにより得られる別の効果は、混合された成分を適用部位に的を絞って吐出できることである。従来の噴霧装置で生じるように、噴霧が円錐状に広がることはない。
【0033】
図4cは本発明によるスプレーヘッド先端部7の立体図である。図4cからわかるように、加圧ガス排出ダクト17,17’はウェブ16,16’の間に形成され、成分吐出口8,8’又は面18,18’を結ぶ線の隣に、あるいは並んで配置される。成分吐出口8及び8’はキャップ10の外側でハウジング構造体9から開口していることがわかる。この実施形態では、4つのウェブ16,16’をハウジング構造体9の周囲に形成している。これらのウェブは成分吐出口8及び8’の連結線上と面18,18’の分断線上に設けられる。従って、加圧ガス排出ダクト17,17’は面18及び18’のうちの1つの両側に形成される。換言すれば、2つの加圧ガス排出ダクト17及び17’はいずれの場合にも成分吐出口の両側に形成される。
【0034】
図5a〜5dは本発明によるスプレーヘッド先端部の様々な実施形態を示す正面図である。スプレーヘッド先端部は、成分吐出口の数と成分吐出口が開口している斜面の数が互いに異なる。図5aは図4a〜4cの実施形態のスプレーヘッド先端部を示す。2つの成分吐出口8及び8’が互いに隣り合って配置された2つの面18及び18’上に示される。面18及び18’はスプレーヘッドの長手方向軸に対して斜めに、面の間にエッジを形成するように配置され、このエッジはスクリーニング手段19として機能する。4つの加圧ガス排出ダクト17,17’,17'',17'''がウェブ16,16’,16'',16'''の間を形成して、スプレーヘッド先端部はキャップ10から突出する。加圧ガス排出ダクトは成分吐出口8及び8’の周囲に環状に配置される。2つのウェブ16及び16’は成分吐出口8及び8’に対して、2つの成分吐出口8及び8’の連結線上に位置するように配置される。ウェブ16''及び16'''はこの連結線に沿って、又はこの連結線に垂直な線上に配置される。
【0035】
図5bは3つの成分吐出口8,8’,8''を有するスプレーヘッド先端部を示し、これらは互いに斜めに配置された3つの面18,18’,18''から開口している。成分吐出口8,8’,8''は三角形状に配置される。3つのウェブ16,16’,16''がそれらの間に3つの加圧ガス排出ダクト17,17’,17''を形成する。これらのウェブは面18,18’,18''の下に位置される。面18,18’,18''の分断線はスプレーヘッド先端部の中心点で交わって、先端状のスクリーニング手段19を形成する。
【0036】
図5c及び5dでは、4つの面18,18’,18'',18'''が設けられ、これらの面はスプレーヘッドの長手方向軸に対して斜めに延び、これらの面の分断線は1点で交わる。図5cでは、2つの成分吐出口8及び8’が設けられ、2つの相互に向かい合う面18及び18’から開口する。図5dでは、4つの成分吐出口8,8’,8'',8'''が設けられ、それぞれの面18,18’,18'',18'''から開口する。
【0037】
図示した実施形態では、成分吐出口が開口する面は対称的に配置され、これらの面法線はスプレーヘッドの長手方向軸と交差する。しかし、原則として、これらの面は非対称でもよく、これらの面法線はスプレーヘッドの長手方向軸に沿って延びてもよく、これらの面は湾曲又は捻じれていてもよい。重要な点は、成分吐出口が外側に向かって斜めに向けられることであり、これらの面の間にスクリーニング手段を形成することが好ましい。
【0038】
図6は細長いスクリーニング手段19を有する、スプレーヘッド先端部の別の例示的実施形態を示す。スクリーニング手段19は面18と18’の間にプレート状に突出する。スクリーニング手段19は、交差する面18と18’によって形成された連結線から、スプレーヘッド先端部からスプレーヘッドの長手軸に沿って前方に、実質的に突出する。成分吐出口を斜めに配置することに加えてこのようなスクリーニング手段により、異なる成分が混合されるのが早すぎるという望ましくない状況が回避され、ひいてはスプレーヘッドの目詰まりが回避される。
【0039】
図7及び図8a〜8cは、本発明によるスプレーヘッドと噴霧装置の別の実施形態を示す。図1〜4の実施形態の構造部品に対応する構造部品には同じ参照符号を付している。図7はスプレーヘッド5とダブルシリンジ1の一部を示す。ダブルシリンジ1は2つの容器2及び2’を有し、容器出口3及び3’がそれぞれ接合されている。容器2及び2’には、ダブルピストン4が容器2及び2’から成分を送出するための送出装置として設けられている。
【0040】
この実施形態では、ハウジング構造体9は混合管路として機能する成分導管20を有し、この中に混合要素21が配置される。ハウジングはまた2つのアクセス管22及び22’を有し、これらはハウジング構造体9をダブルシリンジ1の容器出口3及び3’に取り付けたときに容器出口3,3’を成分導管20に接続する。2つの成分を容器2及び2’からダブルピストン4を用いて容器出口3、3’を介して送出するときに、2つの成分は成分導管20内で接触し、ダブルピストン4が容器2及び2’へさらに押し込まれると、成分導管20内の成分は混合要素21に沿って前進し、この結果2つの成分は混合要素21によりスプレーヘッド内部で混合される。従って、この実施形態は、使用直前に混合されるべき物質ではあるが、成分導管又は混合要素を詰まらせないように速硬性ではない物質を噴霧することに適している。
【0041】
加圧ガス供給ダクト13を備えたキャップ10はハウジング構造体9に嵌められ、その結果、環状ダクト12がハウジング構造体9とキャップ10との間に形成される。ハウジング構造体9にはウェブ16及び16’がスプレーヘッド先端部7の領域の外周上に配置される。ウェブ16及び16’はキャップ10の内壁14に接触する。成分導管20は、その出口領域で、互いに隣り合って配置される2つの成分吐出口23及び23’が形成されるように混合要素21によって分割される。従って、混合物が成分導管20から吐出されるとき、混合物は互いに近接して位置する2つの分離した成分吐出口23,23’を通って放出される。
【0042】
図8aはスプレーヘッド先端部7の長手方向断面図を示し、この長手方向断面は2つの互いに対向するウェブ16,16’を通る断面である。混合要素21を備えた成分導管20がハウジング構造体9の内部に長手方向に形成されている。キャップ10の内壁14とハウジング構造体9の外壁15の間には、環状ダクト12が形成され、この環状ダクト12はスプレーヘッド先端部7の先端領域で、この断面ではウェブ16、16’によって閉じられる。
【0043】
成分吐出口23及び23’は2つの面18及び18’に配置され、これらは互いに角度を持って配置されている。この斜面18と18’の機能は前述の例示的実施形態での機能と同じである。
【0044】
図8bは2つのウェブ16と16’の間の面に沿ったスプレーヘッド先端部7の長手方向断面図である。混合要素21を備えた成分導管20がハウジング構造体9の内部に示されており、この断面には成分導管20の出口はない。ハウジング構造体9とキャップ10の間には環状ダクト12が形成され、この環状ダクト12はスプレーヘッド先端部7の領域で加圧ガス排出ダクト17及び17’に開口している。
【0045】
スプレーヘッド先端部7は図4cの立体図に示される先端部に対応する。これからわかるように、スプレーヘッド先端部の領域では、ハウジング構造体がキャップ10の開口11から突出し、成分吐出口23及び23’と、図4cでは吐出口8及び8’がキャップ10の外側に位置する。ウェブ16及び16’はハウジング構造体9の外周上に見られる。加圧ガス排出ダクト17及び17’はウェブ16及び16’の間に配置される。面18,18’は互いに角度を持って配置され、成分吐出口23と23’との間にスクリーニング手段19を形成する。
【0046】
本発明による加圧ガス管路は、環状ダクトとその中に配置されたウェブを備え、噴霧装置のスプレーヘッド先端部で加圧ガスの噴射を制御して焦点を合わせるよう構成され、図1〜4の例示的実施形態の設計に対応する。一方では、環状ダクトにウェブを形成することにより成分を噴霧するために必要な加圧ガスの量を低減でき、加圧ガスの流れの焦点を目標に合わせられ、成分吐出口に対して特定の方向に配置できる。一方では、成分吐出口を異なるの面に互いに角度を持って配置することにより、吐出成分の制御不可能な混合を回避でき、加圧ガスが流れ過ぎるときに形成される真空の悪影響が低減される。
【0047】
本発明の詳細な説明において、噴霧方向は噴霧装置の長手方向軸にほぼ相当する方向と理解されるべきである。しかし、物質を噴霧装置の長手方向軸に対して角度を持って噴霧することも可能である。この場合、本発明による環状ダクトの吐出開口部に垂直に延びる法線により、噴霧方向を示すことができ、全ての加圧ガス排出ダクトから発せられる全ての流れからなる加圧ガス流はこの方向に流れる。
【符号の説明】
【0048】
1 ダブルシリンジ
2, 2’容器
3,3’ 容器出口
4 ダブルピストン
5 スプレーヘッド
6,6’ 成分導管
7 スプレーヘッド先端部
8,8’ 成分吐出口
9 ハウジング構造体
10 キャップ
11 開口
12 環状ダクト
13 加圧ガス供給ダクト
14 キャップの内壁
15 ハウジングの外壁
16,16’ ウェブ
17,17’ 加圧ガス排出ダクト
18,18’ 面
19 スクリーニング手段
20 成分導管
21 混合要素
22,22’ アクセス管
23,23’ 成分吐出口
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの物質又は成分を加圧ガスで噴霧する噴霧装置と噴霧装置のスプレーヘッドに関し、特に、個々の成分をスプレーヘッドから放出させた後に加圧ガスで混和させるスプレーヘッドと噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術は、例えば、医療分野の治療行為で使用される噴霧装置を開示している。噴霧装置を使用することにより、例えば、フィブリン又はトロンビン等の接着剤を処置面に触れることなく塗布することが可能である。このような方法は、例えば創傷の治療や止血に使用される。噴霧装置で塗布する物質は、多くの場合、ダブルカートリッジやダブルシリンジ等に別々の成分として格納され、これらの成分は使用時にだけ互いに混合される。個々の成分を噴霧装置のスプレーヘッドから噴出させて個々の成分を噴霧化させた直後に、成分の混合は行われる。また、成分を装置内部の混合路で混合し、その後すぐに噴霧することも可能である。しかし、この場合、噴霧装置の内部で目詰まりや汚染が起こることがある。成分をスプレーヘッドから放出し、成分に同時に向かうガス流で個々の液滴に噴霧する。ガス流は治療部位に混合された成分を運搬する。噴霧パターンが均一な微細液滴の大きさであること、成分ができるだけ完全に混和されることを確実にしなければならない。用途によっては、混合された成分をできるだけ焦点を絞って運搬する必要がある。最小限の量の加圧ガスを使って粘性の高い成分を噴霧できることもまた望ましい。
【0003】
例えば、特許文献1は、個々の成分とガスをスプレーヘッドの中へ別々のダクトで搬送する噴霧装置を開示する。ガスダクトはスプレーヘッドの中心に配置され、成分ダクトはガスダクトの回りをリング状に延びる。ダクトはスプレーヘッドの先端の共通面で開口し、成分とガスが放出されたときに成分の混合が行われる。この噴霧装置では、成分はリング状のスプレーヘッドから大きな表面積で噴出する。成分と加圧ガスは同時に規定の方向に送出されず、加圧ガスダクトと外部成分ダクトは非常に離れており、このため、実際には、加圧ガスによって成分が完全に被覆される保証はない。
【0004】
従って、本発明の目的は、成分の均一な混合と均一な微細液滴の形成を可能にし、対象物に成分及び混合物の焦点を合わせ、噴霧用の加圧ガスをほとんど必要とせず、スプレーヘッドの目詰まりと汚染を防ぎ、高粘性の成分に好適なスプレーヘッド及び噴霧装置を提供することである。
【0005】
この目的は、請求項1及び12によるスプレーヘッドと請求項16による噴霧装置によって達成される。スプレーヘッドと噴霧装置の有利な実施形態は従属項に記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,605,541号公報
【発明の概要】
【0007】
本発明によると、少なくとも1つの物質又は成分を噴霧するための噴霧装置のスプレーヘッドが提供される。スプレーヘッドは少なくとも1つの物質又は成分導管を有し、物質又は成分がその中に誘導される。各噴霧成分につき1つの成分導管を設け、少なくとも2つの成分導管を設けることが好ましい。成分導管は成分吐出口を有し、成分吐出口は隣り合って配置され、スプレーヘッドの先端部から開口する。成分吐出口はスプレーヘッド先端部に互いに近接して設けられることが好ましい。例えば、2つの成分吐出口の間の距離はその成分吐出口の直径にほぼ相当する。成分導管はさらに離れた位置に設けてもよい。スプレーヘッド内部の成分導管は噴霧方向に互いに平行に並んで通すことが好ましい。しかし、その成分吐出口がスプレーヘッド先端部で互いに近接した位置となる限りは、成分導管を互いに独立してスプレーヘッドに通すこともできる。異なる噴霧成分が、ダブルカートリッジ又はダブルシリンジ等の容器から成分導管に誘導される。
【0008】
スプレーヘッドはさらに加圧ガス用の環状ダクトを有し、環状ダクトは成分導管を長手方向に少なくとも部分的に包囲し、スプレーヘッド先端部でスプレーヘッドから抜け出る。加圧ガスはスプレーヘッド先端部とスプレーヘッド先端部に近接する領域で成分導管を取り囲めばよい。しかし、環状ダクトを成分導管に沿って長手方向に延ばすことも可能である。成分導管が環状ダクトによって同心円状に取り囲まれることが好ましい。環状ダクトの出口は確実に、成分吐出口に近接するスプレーヘッド先端部に位置するようにしなければならない。このために、環状ダクトは成分吐出口の方向に先細に設計されることが有利である。環状ダクトの排出口を同心円状にすることによって、成分導管は環状ダクトの領域から同じ距離でそれぞれ離間されている。
【0009】
加圧ガス供給ダクトは環状ダクトに加圧ガスを導入するために設けられる。加圧ガス供給ダクトはスプレーヘッドに横方向に設けられることが好ましく、加圧ガスを発生させる装置用のアタッチメントを有する。加圧ガス供給ダクトを環状ダクトに平行に設けることも可能であり、これにより、加圧ガスは環状ダクトに横方向に導入されず、代わりに噴霧装置の長手方向に導入される。例えば、ガスカートリッジ又はポンプ等を使って加圧ガスを発生させることができる。用途の殆どにおいて、圧搾空気を加圧ガスとして使用できる。スプレーヘッド又は噴霧装置を使用する際に、噴霧成分を成分導管から吐出させて、同時に環状ダクトから加圧ガスを吐出させる。
【0010】
本発明によると、環状ダクトは複数のウェブを有し、複数のウェブは環状ダクトを、少なくともスプレーヘッド先端部の領域で、互いに分離した加圧ガス排出ダクトに分割する。このように、環状ダクトは独立した複数の加圧ガス排出ダクトに分割され、成分導管の周囲にリング状に配置される。複数のウェブは異なる長さと幅であってもよく、これにより異なる加圧ガス排出ダクトが形成される。個々の加圧ガス排出ダクトは直接環状ダクトに隣接する。加圧ガス供給ダクトを通って導入された加圧ガスは環状ダクトを流れ、個々の加圧ガス排出ダクトに分配される。長手方向において、ウェブは、加圧ガスダクトが先端方向に狭くなるように、例えば広がりながら、先端方向に配置される。また、ウェブの幅を異ならせて、スプレーヘッド先端部で加圧ガス排出ダクトの間隔を異ならせることができ、様々な直径の加圧ガス排出ダクトを得ることができる。
【0011】
本発明によるスプレーヘッドによって、環状ダクトは複数のウェブで別々の加圧ガス排出ダクトに分割され、成分を噴霧するために必要なガスの量を低減することができる。加圧ガスの流れは成分導管に対して的を絞って確実に設定することができる。さらに、加圧ガスの量の分配は対応する成分又は成分の組み合わせに適合させることができる。これにより成分を均一に混合することができ、均一な微細液滴の大きさの噴霧が可能となる。環状ダクトの内側のウェブはスプレーヘッドの内側のダクトの経路決めを簡単にする。スプレーヘッド全体を通る個々の加圧ガスダクトの経路を決める必要はない。
【0012】
本発明によるスプレーヘッドと噴霧装置の好ましい実施形態では、2つの成分導管がハウジング又はハウジング構造体内に設けられる。ハウジングはスプレーヘッド先端部領域で細長くなることが好ましい。例えば、円筒形状又は長円形状にしてもよい。成分導管はハウジングの長手方向に互いに平行に延びる。成分導管は成分吐出口のハウジングの先端で互いに近接して開口する。反対側の端で成分導管は、例えば、入口開口部に開口し、この開口部を通って成分を容器から各成分導管に導入することができる。容器は各成分に1つの容器で、例えば2つの容器を有するダブルカートリッジの形状であってもよく、この場合、それぞれの容器出口はハウジングの開口部に開口する。成分を吐出するために、噴霧装置は吐出装置を有し、吐出装置は例えばダブルピストンロッドの形状であり、ダブルピストンロッドの各ピストンは各容器に延びる。ダブルピストンロッドが押し出されると、成分が容器から容器出口を通って送出され、スプレーヘッドの成分導管に導入される。
【0013】
スプレーヘッドには、成分導管を有するハウジングの上に嵌めることができるキャップ又はスリーブが設けられる。加圧ガス用環状ダクトがハウジングの外壁とキャップの内壁の間に形成される。このために、キャップは一端でハウジングにぴったり嵌められ、他端ではハウジングとキャップとの間に加圧ガス排出口を形成するための開口部がある。成分吐出口を備えたハウジングの先端は好ましくはキャップの開口部に突出し、この結果、成分吐出口は加圧ガス排出ダクトに並んで横方向に位置し、又は噴霧方向に加圧ガス排出ダクトを越えてキャップからさらに突出する。
【0014】
一実施形態では、キャップはハウジングから取り外し可能であり、加圧ガス供給ダクトはキャップに、例えば、側面の加圧ガスアタッチメントによってキャップに設けられる。このように、キャップは様々なスプレーヘッドに使用することができ、即ち、様々なスプレーヘッドのハウジングに取り付けることができる。しかし、主にキャップはハウジングに固定的に取り付けることもでき、その結果、誤ってハウジングから分離されてしまうことがない。
【0015】
環状ダクト内の加圧ガス排出ダクトを形成するウェブはハウジングの外壁に半径方向に延びて配置されることが好ましい。キャップをハウジングに取り付けると、ウェブはキャップの内壁に接触し、これにより、本発明による、互いに分離された加圧ガス排出ダクトが形成される。しかし、キャップの内壁の内側に半径方向に延びるウェブを設けることも可能であり、キャップを取り付けたときにウェブがハウジングの外壁上に位置する。これらの可能性を組み合わせることも考えられる。
【0016】
本発明の有利な実施形態では、スプレーヘッド先端部で成分排出口は噴霧方向に加圧ガス排出ダクトを越えて突出する。これにより噴霧成分の混合がスプレーヘッドの外側で確実に行われ、従って、スプレーヘッドは、成分の早期混合の結果生じる目詰まりから確実に保護される。2つの成分吐出口が、各成分吐出口がそれぞれスプレーヘッド先端部の面上に現れるように設けられることが好ましい。この場合、成分吐出口が噴霧方向に対して斜め外側に向くように、それぞれの面が互いの間に角度を持つ。この配置では、成分吐出口は異なる方向、好ましくは互いに反対の方向を示す。この方法でもまた、混合が早期に行われることを防ぐことができ、その結果、スプレーヘッドの目詰まりを防ぐことができる。従って、成分吐出口の出口面は、矢印形状で向かい合って先細に設計され、その結果、スプレーヘッド先端部にエッジが形成され、このエッジが先端部の最も前方のポイントを形成する。さらに、成分吐出口間のハウジングの最前領域がスクリーニング手段を形成し、このスクリーニング手段は2つの成分吐出口を互いから遮蔽する。これにより、成分吐出口から成分を吐出している間、噴霧前に成分同士は確実に接触しない。面は互いに90度の角度で配置されることが好ましい。しかしまた、面はより鋭角又はより鈍角で配置することもできる。
【0017】
環状ダクトの内側のウェブは、加圧ガス排出ダクトが2つの成分吐出口を連結する線に沿って位置するように配置されることが好ましい。従って、出現する加圧ガスは面に沿って成分吐出口に直接向かわず、代わりに成分吐出口の前の噴霧領域のほうへ横方向に流れる。これにより、加圧ガスの強い流れで真空が形成されて成分が成分導管から吸い出されてしまうという状況を避けることができる。成分がスプレーヘッド先端部の前の噴霧領域に吐出されるのは、容器、すなわち成分吐出口から成分を吐出するための吐出装置が作動されるときだけである。これにより、制御不能な成分の吐出、ひいては、成分の想定外の混合を回避できる。加圧ガスが吐出口を越えて直接流れないように、加圧ガス排出ダクトを特に成分吐出口に沿って配置するために、環状ダクト内のウェブをそれに応じて配置することができる。例えば、ウェブはそれぞれ2つのダクトの連結線上に配置される。
【0018】
本発明の別の実施形態では、スプレーヘッドの内部に、物質ダクト、又は複数の成分用の混合ダクトを設け、ダクトの吐出口はスプレーヘッド先端部から開口し、ダクトは本発明による環状ダクトによって長手方向に少なくとも部分的に包囲される。2つの容器出口はダブルカートリッジの2つの容器から物質ダクト又は混合ダクト内に開口していることが好ましく、ダブルカートリッジの2つの容器のそれぞれに異なる成分が供給されている。混合ダクトとして設計する場合、混合要素がダブルカートリッジの容器出口の口部とスプレーヘッド先端部の吐出口との間に設けられる。混合要素を使用して、混合物が噴霧装置から吐出される前に直接ダブルカートリッジからの個々の成分を混合する。特に好ましい実施形態では、1つの混合路が、スプレーヘッドの先端で、互いに並んで配置された2つの吐出口に分割される。2つの吐出口はそれぞれスプレーヘッド先端部の面上に設けられることが好ましく、この場合、面は互いに角度をなして、すでに上述したように、吐出口が噴霧方向に対して斜め外側を向く。
【0019】
本発明によると、加圧ガス用の環状ダクトは、混合要素を備える物質ダクト又は混合ダクトを長手方向に少なくとも部分的に包囲し、複数のウェブを有し、これらのウェブは環状ダクトを互いに分離した加圧ガス排出ダクトに分割する。すでに記載したように、加圧ガス排出ダクトは成分吐出口を有する角度をつけた面に直接向けられず、代わりにウェブによってその側面に設けられることが有利である。
【0020】
なお、スプレーヘッド先端部の相互に角度をつけた面上の成分吐出口の配置により、成分吐出口が噴霧方向に成分導管に対して斜め外側を指し示し、ウェブを有する環状ダクトの存在とは関係なく、上述したように、物質又は成分を噴霧する噴霧装置のスプレーヘッドの有利な実施形態が示される。従って、独立請求項によると、成分導管が少なくとも2つの成分吐出口でスプレーヘッドの先端部で開口する、少なくとも1つの物質又は成分導管を有する噴霧装置のスプレーヘッドが提供される。スプレーヘッドは少なくとも1つの加圧ガスダクトと、スプレーヘッドの先端部でスプレーダクトの開口部と、加圧ガスダクトに加圧ガスを導入する加圧ガス供給ダクトとを有する。各成分吐出口はスプレーヘッドの面に現れ、成分吐出口が噴霧方向に対して斜め外側に向くように面が互いに角度を持つことが重要である。換言すれば、成分導管の吐出口は角度を持って半径方向外側に向けられる。従って、それぞれの面は矢印形状で互いに向かって先細になるように設けられる。成分吐出口は噴霧方向に加圧ガスダクトの排出口を越えて突出することが好ましく、加圧ガス排出口は2つの成分吐出口の連結線の隣に配置される。例えば、1つの成分導管がスプレーヘッドを通って延びている場合、スプレーヘッド先端部で2つの成分吐出口に分割できる。2つの成分導管が互いに並んで別々に延びている場合、これらの導管はそれぞれスプレーヘッド先端部で互いに角度を持って設けられた面の1つに開口する。
【0021】
本発明の好ましい実施形態を図に示すが、図は本発明を限定するように解釈されるべきではない。図から明らかになる特徴は、本発明の開示に属するものと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による第一の実施形態のスプレーヘッドを備えた噴霧装置の長手方向断面図である。
【図2】本発明による噴霧装置のスプレーヘッドの長手方向断面図である。
【図3】本発明によるスプレーヘッドの立体分解図である。
【図4a】スプレーヘッド先端部の第一の面の長手方向断面図である。
【図4b】スプレーヘッド先端部の第二の面の長手方向断面図である。
【図4c】スプレーヘッド先端部の立体図である。
【図5a】2つの吐出面を有する図4cのスプレーヘッド先端部の正面図である。
【図5b】3つの吐出面を有するスプレーヘッド先端部の正面図である。
【図5c】4つの面を有するスプレーヘッド先端部の正面図である。
【図5d】4つの吐出面を有するスプレーヘッド先端部の正面図である。
【図6】スクリーニング手段の別の実施形態を備えたスプレーヘッド先端部の立体図である。
【図7】本発明による第二の実施形態のスプレーヘッドの長手方向断面図である。
【図8a】第二の実施形態によるスプレーヘッド先端部の第一の面の長手方向断面図である。
【図8b】第二の実施形態によるスプレーヘッド先端部の第二の面の長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明による噴霧装置とスプレーヘッドの第一の実施形態を図1に示す。噴霧装置は、2つの容器2及び2’を備えたダブルシリンジ1を有し、容器2及び2’のそれぞれには、噴霧装置を使用して噴霧される成分が供給される。これらの容器は、例えば、2つの異なる成分を収容し、これらの成分を混合してフィブリン接着剤を形成する。容器2は容器出口3を、容器2’は容器出口3’をそれぞれ有する。容器2及び2’は容器出口3及び3’とは反対側の端にダブルピストン4の形状の吐出装置を有する。ダブルピストン4が容器2及び2’の内部へ前進すると、成分は容器出口3及び3’を通って容器内部から送出される。本発明によるスプレーヘッド5が容器出口に隣接する。
【0024】
スプレーヘッド5を図2に詳細に示す。スプレーヘッドの内部には、相互に平行な2つの成分導管6及び6’がスプレーヘッドの入口端からスプレーヘッド先端部7へ並行して延び、このスプレーヘッド先端部7から成分導管6及び6’の2つの成分吐出口8及び8’が開口している。スプレーヘッド5は入口端に、ダブルシリンジの容器出口3及び3’を受け入れるための受入開口部を有する。このように、成分導管6及び6’は容器出口に流体接続で連結され、その結果、成分が容器2及び2’から送出されると、成分は容器出口3及び3’を通って成分導管6及び6’内へ送出される。成分導管はハウジング構造体9に収容され、ハウジング構造体9にも容器出口を受け入れる受入開口部が設けられている。容器出口3及び3’はハウジング構造体9の開口部に挿入することができる。例えば、スナップ嵌合接続の形状等の安全機構を設けて、スプレーヘッド5のハウジング構造体9をダブルカートリッジ1の容器出口3及び3’に安全に固定することが可能である。
【0025】
キャップ10はハウジング構造体9に嵌められ、キャップ10の押し付けられた端部がハウジング構造体9に密着する。この目的のために、例えば、形状嵌め又は圧力嵌め接続を使用してもよい。キャップ10のこの端部とハウジング構造体9との間を、密封リング等を設けて密封することも可能である。キャップ10の反対側の端部には開口11があり、この開口11からスプレーヘッド先端部7を形成するハウジング構造体9の領域がキャップ10から突出する。スプレーヘッド先端部7のハウジング構造体9の領域は、成分吐出口8及び8’がキャップの外側に位置するような距離でキャップから突出する。
【0026】
キャップ10とハウジング構造体9の間には環状ダクト12が形成され、環状ダクト12は加圧ガスを収容するために設けられる。キャップ10は片側に加圧ガス供給ダクト13を有し、このダクトを通じて加圧ガスを環状ダクト12に導入することができる。カートリッジ等の従来の加圧ガス装置を加圧ガス供給ダクト13に取り付けることができる。キャップ10がハウジング構造体9上に嵌められているときは、環状ダクト12はキャップの内壁14とハウジング構造体9の外周壁15の間に形成される。ハウジング構造体9とキャップ10はスプレーヘッド先端部7に向かって先細に設計されている。従って、スプレーヘッド5はスプレーヘッド先端部7の方向に狭窄する。キャップ10の形状をハウジング構造体9の外壁15とキャップの内壁14との距離を小さくしてハウジング構造体9の外周壁15に適合させると、その結果、環状ダクト12の容積は小さくなる。
【0027】
スプレーヘッド先端部7の領域では、ハウジング構造体9は外周壁15上に数個のウェブ16及び16’を有する。これらのウェブはキャップ10がハウジング構造体9に嵌められているとき、キャップ10の内壁14に接触する。ウェブ16と16’の間には加圧ガス排出ダクト17、17’が形成され、この加圧ガス排出ダクト17、17’は環状ダクト12に隣接し、互いに分離されている(図4b参照)。
【0028】
図3はスプレーヘッド5の各要素を分解して示した図である。この図に示されるように、キャップ10は円筒形部を有し、先端に開口11が設けられた円錐形部と隣接する。加圧ガス供給ダクト13が円筒形部に横方向に配置される。ハウジング構造体9は図では2つの部分に分かれて示されている。この2つの部分が結合してハウジング構造体9を形成する。ハウジング構造体を2部形状にすることにより、構造体の製造が容易になる。このように、構造体は円筒形部を有し、この円筒形部を通って成分導管が延びる。ハウジング構造体は一端で円錐形状を有する。スプレーヘッド先端部7は円錐の先端領域に形成される。スプレーヘッド先端部7の領域で、ハウジング構造体9はその外周壁にハウジング構造体の長手方向に延びるウェブ16及び16’を有する。キャップ10がハウジング構造体9に嵌められているとき、ウェブ16、16’の外面はキャップの内壁14に接触する。このとき、加圧ガス排出ダクト17、17’がウェブ16、16’の間に形成される。
【0029】
図4a及び4bはスプレーヘッド5のスプレーヘッド先端部の断面図を示す。図4aでは断面はハウジングの外壁15に設けられた2つの互いに向かい合うウェブ16と16’を通っている。環状間隙12がキャップの内壁14とハウジングの外壁15との間に形成され、ハウジング構造体9のウェブ16、16’がキャップの内壁14に接触するので、環状間隙12はスプレーヘッド先端部7の領域で閉じられる。
【0030】
ハウジング構造体9の先端領域はキャップ10から開口11を通って突出しているため、成分導管6、6’の成分吐出口8、8’はキャップ10の外側のハウジング構造体9から開口している。成分吐出口8及び8’は、スプレーヘッドのハウジング構造体9の、互いに角度をなす面18、18’にそれぞれ設けられ、このため、成分吐出口8、8’は成分導管6、6’に関してスプレーする方向に対して斜めに配向している。換言すれば、成分吐出口8、8’の面18、18’は成分導管6、6’の長手方向軸に対して斜めに設けられ、この結果、成分吐出口8及び8’は成分をスプレーヘッドから横向きに噴出する。従って、成分吐出口8及び8’から吐出された2つの成分は、互いに離れた方向を向いて吐出される。2つの成分吐出口8及び8’の間では、角度がつけられた面18及び18’によって先端19が形成され、先端19は2つの成分吐出口8及び8’のスクリーニング手段として機能する。成分が成分吐出口8及び8’から横斜めに吐出されることにより、また成分吐出口の間のスクリーニング手段19により、個々の成分が成分吐出口から出た後に、確実に互いに直接接触しないようにできる。これにより、成分同士の望ましくない早期接触によって、スプレーヘッド又はスプレーヘッド先端部が目詰まりを起こし、成分の噴霧がもはや不可能になってしまう状況が回避される。ここに示す実施形態では、面18と18’との角度は約90°である。従って、成分吐出口8及び8’は成分導管6及び6’の長手方向軸に対して45°の角度を向いている。角度をつけた面の上述の機能が満たされる限り、これ以外の角度にすることも可能である。
【0031】
図4bは、スプレーヘッド先端部7の、2つの互いに向かい合う加圧ガス排出ダクト17、17’を通る断面図を示し、加圧ガス排出ダクト17、17’はウェブ16,16’の間に形成されている。スプレーヘッド先端部7の領域では、キャップ10とハウジング構造体9は先端部に向かって円錐状に先細に形成される。従って、加圧ガス排出ダクト17及び17’の長手方向は、ハウジング構造体9又は成分導管6及び6’の長手方向軸に対して斜めを向く。従って、加圧ガス排出ダクト17及び17’はスプレーヘッド先端部7の前の1点に焦点が合わせられている。
【0032】
図4a及び図4bからわかるように、加圧ガス排出ダクト17及び17’は2つの成分吐出口8及び8’を連結する線上には位置しない。ウェブ16及び16’は成分吐出口8及び8’の連結線に沿って設けられる。従って、加圧ガス排出ダクト17及び17’は、成分吐出口8及び8’を有する面18、18’に向けられておらず、代わりにこれらの面を連結する線に並んで配置されている。加圧ガス排出ダクトを成分吐出口に対してこのように配置することにより、成分吐出口8及び8’では、成分が成分吐出口から制御不能に吸い出される原因となりうる真空作用が生じない。加圧ガス流は面18及び18’を過ぎて横方向に誘導され、成分が成分吐出口8及び8’からすでに噴出されたときにのみ加圧ガスが成分に作用する。加圧ガス排出ダクト17及び17’はスプレーヘッド先端部上の1点に焦点を合わせているので、成分はこの領域にで霧化されて互いに混合される。加圧ガス排出ダクト17及び17’の焦点を合わせることにより得られる別の効果は、混合された成分を適用部位に的を絞って吐出できることである。従来の噴霧装置で生じるように、噴霧が円錐状に広がることはない。
【0033】
図4cは本発明によるスプレーヘッド先端部7の立体図である。図4cからわかるように、加圧ガス排出ダクト17,17’はウェブ16,16’の間に形成され、成分吐出口8,8’又は面18,18’を結ぶ線の隣に、あるいは並んで配置される。成分吐出口8及び8’はキャップ10の外側でハウジング構造体9から開口していることがわかる。この実施形態では、4つのウェブ16,16’をハウジング構造体9の周囲に形成している。これらのウェブは成分吐出口8及び8’の連結線上と面18,18’の分断線上に設けられる。従って、加圧ガス排出ダクト17,17’は面18及び18’のうちの1つの両側に形成される。換言すれば、2つの加圧ガス排出ダクト17及び17’はいずれの場合にも成分吐出口の両側に形成される。
【0034】
図5a〜5dは本発明によるスプレーヘッド先端部の様々な実施形態を示す正面図である。スプレーヘッド先端部は、成分吐出口の数と成分吐出口が開口している斜面の数が互いに異なる。図5aは図4a〜4cの実施形態のスプレーヘッド先端部を示す。2つの成分吐出口8及び8’が互いに隣り合って配置された2つの面18及び18’上に示される。面18及び18’はスプレーヘッドの長手方向軸に対して斜めに、面の間にエッジを形成するように配置され、このエッジはスクリーニング手段19として機能する。4つの加圧ガス排出ダクト17,17’,17'',17'''がウェブ16,16’,16'',16'''の間を形成して、スプレーヘッド先端部はキャップ10から突出する。加圧ガス排出ダクトは成分吐出口8及び8’の周囲に環状に配置される。2つのウェブ16及び16’は成分吐出口8及び8’に対して、2つの成分吐出口8及び8’の連結線上に位置するように配置される。ウェブ16''及び16'''はこの連結線に沿って、又はこの連結線に垂直な線上に配置される。
【0035】
図5bは3つの成分吐出口8,8’,8''を有するスプレーヘッド先端部を示し、これらは互いに斜めに配置された3つの面18,18’,18''から開口している。成分吐出口8,8’,8''は三角形状に配置される。3つのウェブ16,16’,16''がそれらの間に3つの加圧ガス排出ダクト17,17’,17''を形成する。これらのウェブは面18,18’,18''の下に位置される。面18,18’,18''の分断線はスプレーヘッド先端部の中心点で交わって、先端状のスクリーニング手段19を形成する。
【0036】
図5c及び5dでは、4つの面18,18’,18'',18'''が設けられ、これらの面はスプレーヘッドの長手方向軸に対して斜めに延び、これらの面の分断線は1点で交わる。図5cでは、2つの成分吐出口8及び8’が設けられ、2つの相互に向かい合う面18及び18’から開口する。図5dでは、4つの成分吐出口8,8’,8'',8'''が設けられ、それぞれの面18,18’,18'',18'''から開口する。
【0037】
図示した実施形態では、成分吐出口が開口する面は対称的に配置され、これらの面法線はスプレーヘッドの長手方向軸と交差する。しかし、原則として、これらの面は非対称でもよく、これらの面法線はスプレーヘッドの長手方向軸に沿って延びてもよく、これらの面は湾曲又は捻じれていてもよい。重要な点は、成分吐出口が外側に向かって斜めに向けられることであり、これらの面の間にスクリーニング手段を形成することが好ましい。
【0038】
図6は細長いスクリーニング手段19を有する、スプレーヘッド先端部の別の例示的実施形態を示す。スクリーニング手段19は面18と18’の間にプレート状に突出する。スクリーニング手段19は、交差する面18と18’によって形成された連結線から、スプレーヘッド先端部からスプレーヘッドの長手軸に沿って前方に、実質的に突出する。成分吐出口を斜めに配置することに加えてこのようなスクリーニング手段により、異なる成分が混合されるのが早すぎるという望ましくない状況が回避され、ひいてはスプレーヘッドの目詰まりが回避される。
【0039】
図7及び図8a〜8cは、本発明によるスプレーヘッドと噴霧装置の別の実施形態を示す。図1〜4の実施形態の構造部品に対応する構造部品には同じ参照符号を付している。図7はスプレーヘッド5とダブルシリンジ1の一部を示す。ダブルシリンジ1は2つの容器2及び2’を有し、容器出口3及び3’がそれぞれ接合されている。容器2及び2’には、ダブルピストン4が容器2及び2’から成分を送出するための送出装置として設けられている。
【0040】
この実施形態では、ハウジング構造体9は混合管路として機能する成分導管20を有し、この中に混合要素21が配置される。ハウジングはまた2つのアクセス管22及び22’を有し、これらはハウジング構造体9をダブルシリンジ1の容器出口3及び3’に取り付けたときに容器出口3,3’を成分導管20に接続する。2つの成分を容器2及び2’からダブルピストン4を用いて容器出口3、3’を介して送出するときに、2つの成分は成分導管20内で接触し、ダブルピストン4が容器2及び2’へさらに押し込まれると、成分導管20内の成分は混合要素21に沿って前進し、この結果2つの成分は混合要素21によりスプレーヘッド内部で混合される。従って、この実施形態は、使用直前に混合されるべき物質ではあるが、成分導管又は混合要素を詰まらせないように速硬性ではない物質を噴霧することに適している。
【0041】
加圧ガス供給ダクト13を備えたキャップ10はハウジング構造体9に嵌められ、その結果、環状ダクト12がハウジング構造体9とキャップ10との間に形成される。ハウジング構造体9にはウェブ16及び16’がスプレーヘッド先端部7の領域の外周上に配置される。ウェブ16及び16’はキャップ10の内壁14に接触する。成分導管20は、その出口領域で、互いに隣り合って配置される2つの成分吐出口23及び23’が形成されるように混合要素21によって分割される。従って、混合物が成分導管20から吐出されるとき、混合物は互いに近接して位置する2つの分離した成分吐出口23,23’を通って放出される。
【0042】
図8aはスプレーヘッド先端部7の長手方向断面図を示し、この長手方向断面は2つの互いに対向するウェブ16,16’を通る断面である。混合要素21を備えた成分導管20がハウジング構造体9の内部に長手方向に形成されている。キャップ10の内壁14とハウジング構造体9の外壁15の間には、環状ダクト12が形成され、この環状ダクト12はスプレーヘッド先端部7の先端領域で、この断面ではウェブ16、16’によって閉じられる。
【0043】
成分吐出口23及び23’は2つの面18及び18’に配置され、これらは互いに角度を持って配置されている。この斜面18と18’の機能は前述の例示的実施形態での機能と同じである。
【0044】
図8bは2つのウェブ16と16’の間の面に沿ったスプレーヘッド先端部7の長手方向断面図である。混合要素21を備えた成分導管20がハウジング構造体9の内部に示されており、この断面には成分導管20の出口はない。ハウジング構造体9とキャップ10の間には環状ダクト12が形成され、この環状ダクト12はスプレーヘッド先端部7の領域で加圧ガス排出ダクト17及び17’に開口している。
【0045】
スプレーヘッド先端部7は図4cの立体図に示される先端部に対応する。これからわかるように、スプレーヘッド先端部の領域では、ハウジング構造体がキャップ10の開口11から突出し、成分吐出口23及び23’と、図4cでは吐出口8及び8’がキャップ10の外側に位置する。ウェブ16及び16’はハウジング構造体9の外周上に見られる。加圧ガス排出ダクト17及び17’はウェブ16及び16’の間に配置される。面18,18’は互いに角度を持って配置され、成分吐出口23と23’との間にスクリーニング手段19を形成する。
【0046】
本発明による加圧ガス管路は、環状ダクトとその中に配置されたウェブを備え、噴霧装置のスプレーヘッド先端部で加圧ガスの噴射を制御して焦点を合わせるよう構成され、図1〜4の例示的実施形態の設計に対応する。一方では、環状ダクトにウェブを形成することにより成分を噴霧するために必要な加圧ガスの量を低減でき、加圧ガスの流れの焦点を目標に合わせられ、成分吐出口に対して特定の方向に配置できる。一方では、成分吐出口を異なるの面に互いに角度を持って配置することにより、吐出成分の制御不可能な混合を回避でき、加圧ガスが流れ過ぎるときに形成される真空の悪影響が低減される。
【0047】
本発明の詳細な説明において、噴霧方向は噴霧装置の長手方向軸にほぼ相当する方向と理解されるべきである。しかし、物質を噴霧装置の長手方向軸に対して角度を持って噴霧することも可能である。この場合、本発明による環状ダクトの吐出開口部に垂直に延びる法線により、噴霧方向を示すことができ、全ての加圧ガス排出ダクトから発せられる全ての流れからなる加圧ガス流はこの方向に流れる。
【符号の説明】
【0048】
1 ダブルシリンジ
2, 2’容器
3,3’ 容器出口
4 ダブルピストン
5 スプレーヘッド
6,6’ 成分導管
7 スプレーヘッド先端部
8,8’ 成分吐出口
9 ハウジング構造体
10 キャップ
11 開口
12 環状ダクト
13 加圧ガス供給ダクト
14 キャップの内壁
15 ハウジングの外壁
16,16’ ウェブ
17,17’ 加圧ガス排出ダクト
18,18’ 面
19 スクリーニング手段
20 成分導管
21 混合要素
22,22’ アクセス管
23,23’ 成分吐出口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの物質又は成分を噴霧するための噴霧装置のスプレーヘッドであって、
スプレーヘッド先端部(7)から開口する少なくとも1つの成分吐出口(8,8’;23,23’)を有する少なくとも1つの物質又は成分導管(6,6’;20)と、
前記少なくとも1つの成分導管(6,6’;20)を長手方向に少なくとも部分的に包囲し、前記スプレーヘッド先端部(7)において前記スプレーヘッド(5)から開口する加圧ガス用の環状ダクト(12)と、
前記環状ダクト(12)に加圧ガスを導入する加圧ガス供給ダクト(13)とを有し、
前記環状ダクト(12)が、複数のウェブ(16,16’)を有し、該複数のウェブが前記環状ダクト(12)を、少なくとも前記スプレーヘッド先端部(7)の領域で、互いに分離した加圧ガス排出ダクト(17,17’)に分割することを特徴とするスプレーヘッド。
【請求項2】
異なる成分用の少なくとも2つの成分導管(6,6’)が設けられ、該成分導管(6,6’)の前記成分吐出口(8,8’)が互いに並んでスプレーヘッド先端部(7)から開口する、請求項1に記載のスプレーヘッド。
【請求項3】
前記加圧ガス排出ダクト(17,17’)が前記スプレーヘッド先端部(7)の方向に向かって先細となるように、前記ウェブ(16,16’)が前記スプレーヘッド先端部(7)の方向に配置される請求項1又は2に記載のスプレーヘッド。
【請求項4】
前記成分導管(6,6’;20)がハウジング(9)内に形成され、前記環状ダクト(12)が前記ハウジングの外壁(15)と前記ハウジングに取り付けられたキャップ(10)の内壁(14)との間に形成され、前記キャップ(10)は一端で前記ハウジング(9)を堅く閉じ、他端で開口(11)を有する請求項1〜3のいずれかに記載のスプレーヘッド。
【請求項5】
前記キャップ(10)が前記ハウジング(9)に固定して取り付けられる請求項4に記載のスプレーヘッド。
【請求項6】
前記加圧ガス供給ダクト(13)が前記キャップ(10)に設けられる請求項4又は5に記載のスプレーヘッド。
【請求項7】
前記ウェブ(16,16’)が前記キャップの内壁(14)及び/又は前記ハウジング(9)の前記外壁(15)に半径方向に突出するように配置される請求項5又は6に記載のスプレーヘッド。
【請求項8】
スクリーニング手段(19)が2つの成分吐出口(8,8’;23,23’)の間に配置される請求項1〜7のいずれかに記載のスプレーヘッド。
【請求項9】
前記スプレーヘッド先端部(7)の前記成分吐出口(8,8’;23,23’)が噴霧方向に前記加圧ガス排出ダクト(17,17’)を越えて突出する請求項1〜8のいずれかに記載のスプレーヘッド。
【請求項10】
2つの成分吐出口(8,8’;23,23’)がそれぞれスプレーヘッド先端部(7)の面(18,18’)上に現れるように設けられ、前記面(18,18’)が互いの間に角度を持つことにより、前記成分吐出口(8,8’;23,23’)が噴霧方向に対して傾斜して外側に向けられる請求項1〜9のいずれかに記載のスプレーヘッド。
【請求項11】
前記加圧ガス排出ダクト(17,17’)が2つの成分吐出口(8,8’;23,23’)の連結線に隣接して配置されるように、前記ウェブ(16,16’)が配置される請求項1〜10のいずれかに記載のスプレーヘッド。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載のスプレーヘッド(5)を備えた噴霧装置。
【請求項13】
少なくとも2つの容器(2,2’)が異なる成分を受け入れるために設けられ、前記容器(2,2’)はそれぞれ、前記スプレーヘッド(5)の前記少なくとも1つの成分導管(6,6’;20)に開口する容器出口(3,3’)と、前記容器(2,2’)から成分を送出するための送出装置(4)とを有する請求項12に記載の噴霧装置。
【請求項14】
前記容器(2,2’)がダブルカートリッジ又はダブルシリンジ(1)によって形成される請求項12又は13に記載の噴霧装置。
【請求項1】
少なくとも1つの物質又は成分を噴霧するための噴霧装置のスプレーヘッドであって、
スプレーヘッド先端部(7)から開口する少なくとも1つの成分吐出口(8,8’;23,23’)を有する少なくとも1つの物質又は成分導管(6,6’;20)と、
前記少なくとも1つの成分導管(6,6’;20)を長手方向に少なくとも部分的に包囲し、前記スプレーヘッド先端部(7)において前記スプレーヘッド(5)から開口する加圧ガス用の環状ダクト(12)と、
前記環状ダクト(12)に加圧ガスを導入する加圧ガス供給ダクト(13)とを有し、
前記環状ダクト(12)が、複数のウェブ(16,16’)を有し、該複数のウェブが前記環状ダクト(12)を、少なくとも前記スプレーヘッド先端部(7)の領域で、互いに分離した加圧ガス排出ダクト(17,17’)に分割することを特徴とするスプレーヘッド。
【請求項2】
異なる成分用の少なくとも2つの成分導管(6,6’)が設けられ、該成分導管(6,6’)の前記成分吐出口(8,8’)が互いに並んでスプレーヘッド先端部(7)から開口する、請求項1に記載のスプレーヘッド。
【請求項3】
前記加圧ガス排出ダクト(17,17’)が前記スプレーヘッド先端部(7)の方向に向かって先細となるように、前記ウェブ(16,16’)が前記スプレーヘッド先端部(7)の方向に配置される請求項1又は2に記載のスプレーヘッド。
【請求項4】
前記成分導管(6,6’;20)がハウジング(9)内に形成され、前記環状ダクト(12)が前記ハウジングの外壁(15)と前記ハウジングに取り付けられたキャップ(10)の内壁(14)との間に形成され、前記キャップ(10)は一端で前記ハウジング(9)を堅く閉じ、他端で開口(11)を有する請求項1〜3のいずれかに記載のスプレーヘッド。
【請求項5】
前記キャップ(10)が前記ハウジング(9)に固定して取り付けられる請求項4に記載のスプレーヘッド。
【請求項6】
前記加圧ガス供給ダクト(13)が前記キャップ(10)に設けられる請求項4又は5に記載のスプレーヘッド。
【請求項7】
前記ウェブ(16,16’)が前記キャップの内壁(14)及び/又は前記ハウジング(9)の前記外壁(15)に半径方向に突出するように配置される請求項5又は6に記載のスプレーヘッド。
【請求項8】
スクリーニング手段(19)が2つの成分吐出口(8,8’;23,23’)の間に配置される請求項1〜7のいずれかに記載のスプレーヘッド。
【請求項9】
前記スプレーヘッド先端部(7)の前記成分吐出口(8,8’;23,23’)が噴霧方向に前記加圧ガス排出ダクト(17,17’)を越えて突出する請求項1〜8のいずれかに記載のスプレーヘッド。
【請求項10】
2つの成分吐出口(8,8’;23,23’)がそれぞれスプレーヘッド先端部(7)の面(18,18’)上に現れるように設けられ、前記面(18,18’)が互いの間に角度を持つことにより、前記成分吐出口(8,8’;23,23’)が噴霧方向に対して傾斜して外側に向けられる請求項1〜9のいずれかに記載のスプレーヘッド。
【請求項11】
前記加圧ガス排出ダクト(17,17’)が2つの成分吐出口(8,8’;23,23’)の連結線に隣接して配置されるように、前記ウェブ(16,16’)が配置される請求項1〜10のいずれかに記載のスプレーヘッド。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載のスプレーヘッド(5)を備えた噴霧装置。
【請求項13】
少なくとも2つの容器(2,2’)が異なる成分を受け入れるために設けられ、前記容器(2,2’)はそれぞれ、前記スプレーヘッド(5)の前記少なくとも1つの成分導管(6,6’;20)に開口する容器出口(3,3’)と、前記容器(2,2’)から成分を送出するための送出装置(4)とを有する請求項12に記載の噴霧装置。
【請求項14】
前記容器(2,2’)がダブルカートリッジ又はダブルシリンジ(1)によって形成される請求項12又は13に記載の噴霧装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【公表番号】特表2012−506739(P2012−506739A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533504(P2011−533504)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【国際出願番号】PCT/CH2009/000341
【国際公開番号】WO2010/048734
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(507123729)メッドミックス システムズ アーゲー (24)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【国際出願番号】PCT/CH2009/000341
【国際公開番号】WO2010/048734
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(507123729)メッドミックス システムズ アーゲー (24)
【Fターム(参考)】
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