説明

加圧流体の注入によってカプセルから飲料を調理するための装置及び当該装置に適合するカプセルホルダ

流体供給手段(50)を備える流体供給ユニット(5)と、カプセル(6)を受けるように構成されたカプセルホルダ(4)とを備え、カプセル(6)内に収容された食品材料から飲料を調理するための装置。カプセルホルダは、流体供給ユニットから取り外すことができるとともに、カプセル内に流体を挿入するための流体注入器(70)を備えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を調理するための装置に関し、特に、液体の調理のための1つ以上の食品材料を収容するカプセルを使用する装置に関する。また、本発明は、このような装置を使用する液体分配器に関する。また、本発明は、液体の調理のための1つ以上の食品材料を収容するカプセルを使用するこのような装置のカプセルホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
カプセル内に挿入される水などの加圧流体との混合又は抽出により冷たい或いは熱い飲料を調理するための材料を収容するカプセルの使用は、特に、エスプレッソタイプのコーヒー、フィルタで入れたコーヒー、カプチーノ、ラテ、マキアート、茶又はチョコレートを製造するために知られており、特に、材料の衛生、新しさ、保存及び使用の容易さといった理由から価値がある。
【0003】
挽いたコーヒーや茶などの抽出されるべき材料、或いは、インスタントコーヒー、チョコレート又はミルク又は混合物などの溶解又は分散されるべき材料、或いは、これらの材料の単純な組み合わせを収容するシールされた透過性のカプセルから飲料を調理するため、様々なタイプの機械が使用される。一般に、材料の溶解又は抽出のための流体は壁を通じてカプセル内に注入され、その結果、抽出物又は混合物がカプセルの筐体内に形成され、その後、それが1つ以上のオリフィスを介して飲料の形態で注がれる。注入は、カプセルの膜を穿孔する或いはカプセルの壁の穿孔された入口オリフィス内にそれ自体を挿入する注入器によって行なわれてもよい。カプセルの筐体内が特定の圧力に達すると、飲料がカプセルから外へ注がれる。したがって、カプセルは、注ぎを遅らせるために使用される手段、すなわち、カプセルの壁を開放する開放手段、例えば出口膜と接触する起伏部、或いは、筐体と注ぎオリフィスとの間に位置されるフィルタ壁と相互に作用してもよい。
【0004】
国際公開公報第03/059778号は、カプセル内の圧力増大の作用下で飲料を押し留める手段と係合する開放手段により開放される1つ以上の材料を収容するカプセルに関するものである。このようなカプセルは、とりわけ、以下の利点を有する。i)「二次汚染(交差汚染)を伴わない」異なる性質の飲料を分配できる可能性、すなわち、最初の分配された飲料が、風味、色及び/又は香りなどの1つ以上の望ましくない特性を、最初の飲料の後に分配される2番目の飲料に伝えることがない。ii)材料及び分配される生成物に良く適したカプセルを設計する自由度、iii)抽出状態又は混合状態の良好な制御及び繰り返し性、iv)分配機械の大幅な簡略化。
【0005】
カプセルから飲料を調理する既知のシステムの1つの欠点は、これらのシステムが一般に異なる形状、サイズのカプセル及び/又は例えば流体をカプセル内に注入する方法に関連する特定の適合を必要とするカプセルを受けるように設計されていないという事実に起因している。
【0006】
例えば、溶解されるべきカプチーノ混合物を収容するカプセルは、該カプセルが含んでいる粉末ミルクが、エスプレッソのための挽いたコーヒー或いはフィルタで入れたコーヒーのためのインスタントコーヒーを収容するカプセルよりも多くの場所をとるため、大きな容量を必要とする。一方、インスタントコーヒー又は茶は、通常、収容スペースをあまり必要としない。また、特定の可溶性生成物は、必ずしも大きな容積を占めないが、それでもやはりガスを含む十分なサイズのチャンバ内で溶解されなければならない。これは、このガスを十分に利用して泡を形成するからである。したがって、包装コストを減らすとともに、分配される飲料の特性又は属性(例えば、泡を伴う飲料、或いは、泡を伴わない飲料)を考慮に入れるためには、収容される材料及び/又は調理される飲料に適したサイズを有するカプセルを設計することが好ましい。
【0007】
また、注入状態が製造される飲料の品質にかなり影響を及ぼすことも知られている。粉砕プロセスにより生じる材料、又は、液体中で溶解され或いは分散されるインスタントコーヒーなどの材料、又は、カプチーノ、チョコレートなどのミルクベースの材料、或いはまた、茶などの煎じられる材料を考慮するかどうかに応じて、水が供給され且つ水がカプセル内で循環する態様は、製造される最終的な飲料の品質にかなりの影響を及ぼす場合がある。既知の装置は、通常、製造される飲料のタイプにしたがって注入条件を適合させ或いは変更するように構成されていない。
【0008】
既知の装置の他の欠点は、注入手段が急速に汚くなり及び/又は湯垢がつくようになり、したがって、注入特性を変えてしまい(例えば、流量を減少させ、圧力損失を増大させ、噴出方向を変えてしまうなど)、そのため、飲料の品質及び/又は属性に影響を与える場合があるという事実に起因している。これらの手段にユーザは殆ど接近できない。したがって、ユーザは、問題の原因を判断することが難しくなり、その結果、それを改善することが難しくなる。
【0009】
欧州特許第1 440 638号はカプセルを使用して飲料を調理するための機械に関するものであり、当該機械は、入口オリフィスを形成する第1の穿孔要素と出口オリフィスを形成する第2の穿孔要素とを備え、これらのオリフィスはカプセルの使用中に形成され、2つの穿孔要素は1つの取り外し可能なユニットに形成されている。このような構造は、穿孔要素の洗浄を容易にすることだけを目的としている。
【0010】
国際公開公報第2004/0006740号は、2つの異なる分量を受けるために並んで配置された2つの窪みを有する支持体を備える、投与分量で動作するコーヒーメーカに関するものである。窪みは、直径が異なる環状のベッドプレートを有するとともに、高さがオフセットしており、それぞれが1回の分量の平坦なベッドプレート表面の寸法に対応している。この場合、2つの異なるカプセル容量オプションだけを利用できる。このようなシステムも比較的複雑である。
【0011】
国際公開公報第97/43937号は、1回分量のコーヒーを保持するのに適した濾過チャンバの一部を画定するハンドルと、濾過チャンバの第2の部分を画定する分量ホルダに関連付けられた蓋とを有し、上記蓋が、温水分配器の下側部分とのシールロックに適するとともに、分配器を濾過チャンバに接続する開口を有する、予め包装されたコーヒー分量のためのアダプタに関するものである。このような原理は、従来の温水分配器のカプセルホルダを変更することを目的としているが、多くの欠点を与える。まず第1に、機械とカプセルホルダとの間の大きな流体接続部は、安全性の問題及び利便性の問題を生じる可能性がある熱い残留水の問題を引き起こす。第2に、カプセルホルダは、バヨネット型システムなどの従来の閉塞手段を介して水分配器に適合するように考え出されており、それにより、ユーザから機械的な回転締め付け動作を伴う。このような動作は、ユーザが特定の力をもって実行する必要があり、カプセルホルダの取り外しが難しくなる場合がある。第3に、カプセルホルダ内に高圧水ジェットを供給するための小さな流体注入口などのサイズの小さな流体接続部は、正確に且つ漏れの危険を伴うことなく関連付けることができない。したがって、この原理は、ボイラの大きな流体排出口に対する接続のためだけに適合される。最後に、閉塞原理は、蓋とカプセルホルダとの関節の精度に影響を及ぼす可能性がある高いトルクを伴う。また、閉塞原理はシール面にも影響を与え、それにより、シール面の急速な摩耗が生じることから、これを大きな締め付けによって補償する必要がある。
【0012】
欧州特許第1092 376号は、コーヒー粉末を収容するハンドル付きのカプセルホルダを備えるエスプレッソコーヒーメーカに関するものであり、カプセルホルダはコーヒーメーカのボイラ部分に動作可能に接続されるようになっている。この装置は先の装置と同じ欠点を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的のうちの1つは、従来技術の装置の欠点を改善することである。
【0014】
1つの目的は、注入形態において更なる万能性/自由度を与え(例えば、高圧ジェットを形成できる可能性を有する)、シール接続の精度を高めるとともに、摩耗及び漏れの危険を低くして、取り扱いを容易にしながら、取り外し可能で且つ流体供給ユニットに適合できるカプセルホルダを備える装置を提案することである。
【0015】
他の目的は、特定の形状、サイズを有し及び/又は材料の性質及び/又は製造される飲料に関して特定の注入形態を必要とするカプセルを良好に受けることができるシステムを設計することである。
【0016】
他の目的は、ユーザが注入手段に容易にアクセスできるようにするとともに、装置の注入手段の洗浄及び/又は湯垢除去を容易にすることである。
【0017】
また、本発明は、本明細書本文の残りの部分で示されるように、他の目的、特に他の問題の解決も対象としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
これらの目的は独立請求項の特徴によって達成される。従属請求項は独立請求項の発明を更に発展させている。
【0019】
1つの態様において、本発明は、カプセル内に収容された食品材料から飲料を調理するための装置であって、流体供給手段を備える流体供給ユニットと、カプセルを受けるように構成され、流体供給ユニットから取り外し可能なカプセルホルダとを備える装置に関する。装置は、流体供給ユニットとカプセルホルダとの相補的係合手段を備えることが好ましい。相補的係合手段は第1の挿入方向に沿って上記流体供給ユニット内に上記カプセルホルダを挿入できるように構成され、上記第1の挿入方向において、上記カプセルホルダは、上記流体供給手段が上記カプセルホルダから比較的離れている基準位置で上記流体供給ユニット内に事前に配置されることが好ましい。また、流体供給ユニットは、流体供給手段がカプセル内に流体を分配できる流体分配位置に位置決めされるようになる態様で上記流体供給手段を上記カプセルホルダに比較的近い位置まで移動させるように構成されている閉塞手段を更に備えることが好ましい。
【0020】
更に特定の態様において、流体供給ユニットの閉塞手段は、基準位置にあるカプセルホルダの直線的な挿入方向とは異なる方向で流体供給手段をカプセルホルダに近い位置まで移動させるように構成されている。
【0021】
1つの態様において、第1の挿入方向は直線的である。
【0022】
好ましい形態において、相補的係合手段は、カプセルホルダを流体供給ユニット内でスライドさせることによりカプセルホルダの挿入を可能にするガイド縁部及びガイドリブの相補的な組から成る。スライドによる挿入は、ユーザが行なうのが容易であり、信頼性があるとともに、特別な力を何ら必要としない。
【0023】
1つの選択的な形態によれば、閉塞手段は、カプセルホルダで成される力の作用によって、好ましくは下方へ実行される力の作用によって流体分配位置にあるカプセルホルダに比較的近い位置まで流体供給手段を移動させるように構成されている。
【0024】
特に、流体供給ユニットは、カプセルホルダがガイド縁部に沿ったスライド移動により挿入されるガイドベースを備えることができる。また、流体供給手段を支持する流体供給ユニットの一部として流体供給ベースも設けられている。流体供給ベースは流体出口を備える。流体供給ベースは、ガイドベースに関節接続されるとともに、離れた位置からカプセルにおける流体供給手段の流体分配位置へとガイドベースに対して移動できる。
【0025】
より正確には、流体供給ベースがトグル継手システムによりガイドベースに対して関節接続され、それにより、上記挿入方向と異なる好ましい方向でカプセルホルダに作用する圧力によって供給ベースが上記流体分配位置にあるガイドベースに対して閉じる。
【0026】
カプセル内の流体の注入を容易にするため、カプセルホルダは、カプセル内に流体を挿入するための流体注入器を備える。流体注入器は好ましいが、カプセルホルダ内に挿入されるカプセルのタイプに応じて流体注入器を省くことができる。
【0027】
本発明の文脈において、用語「カプセル」は、1つ以上の材料を収容するとともに、柔軟で、部分的に硬質で、或いは、全体が硬質である廃棄可能な或いはリサイクル可能なパッケージ、容器、袋又はレセプタクルを意味していることを理解されたい。
【0028】
用語「飲料」は、任意のタイプの熱い或いは冷たい液体食品調理物を含むように広い意味で意図されている。
【0029】
他の態様において、本発明は、流体供給ユニットとカプセル内に流体を注入する注入器とを備え、カプセル内に加圧流体を挿入することによってカプセルから飲料を調理するための装置において、注入器が流体供給ユニットから分離可能であり、装置がカプセルを受けるように構成されたカプセルホルダを備え、カプセルホルダが供給ユニットから取り外し可能であることを特徴とする装置に関する。
【0030】
このように、加圧流体供給ユニットから取り外し可能なカプセルホルダを設計することにより、カプセル及びカプセルホルダの形状及び/又はサイズの適合性、及び/又は、注入手段、又は、適切な場合にはカプセルとカプセルホルダとの間の更に他の想定し得る機能的相互作用などで、カプセルホルダ自体の変更又は変形を想起することができる。
【0031】
「分離可能」とは、カプセルホルダが供給ユニットから取り外される際に注入器を供給ユニットから分離できることを意味している。分離は、供給ユニットからカプセルホルダを分離するまさにその作用の結果として、或いは、注入器自体に手で作用を及ぼすことにより行なわれてもよい。
【0032】
本発明に係るカプセルは、飲料の製造に適する1つ以上の材料を収容していてもよい。飲料は、例えば、コーヒー、茶、チョコレート、又は、ミルクベースの液体、これらの組み合わせ、又は、ソース、ブイヨン又はスープ又は他の栄養性の液体であってもよい。材料は、粉末、挽いた粉末、輸液、液体又はゲルの形態、或いは、材料のこれらの形態の組み合わせを成していてもよい。
【0033】
本発明の1つの態様において、注入器は、少なくとも1つの流体ジェットをカプセル内に注入するための少なくとも1つの注入オリフィスを備える。注入器は、所望の注入形態に応じて様々な形態をとってもよい。
【0034】
特定の場合において、注入器は穿孔手段を備えていてもよく、穿孔手段は、カプセルの硬質、半硬質又は柔軟な壁に作用して注入器から流体を注入する少なくとも1つのオリフィスを挿入するためのカプセル内への1つ以上の入口ポートを形成するように構成された1つ以上の先の尖った要素又は刃又は他の鋭い切断要素又は引き裂き要素であってもよい。他の場合において、注入器は、壁に形成された流体マニホールドを備えており、上記マニホールドが1つ以上の注入オリフィスをもたらす。
【0035】
例えば1つの同じカプセルから或いは異なるカプセルから異なる飲料が必要とされる場合、注入器は所望の注入条件にしたがって選択される。
【0036】
例えば、カプセルが溶解されるべき材料及び/又は発泡飲料を形成するための材料を収容している場合、1つの注入器は、カプセルの筐体内へと適切に方向付けられた高速ジェットを生成して乱流を与えるために使用されてもよい。一方、例えば材料を完全に湿らせてエスプレッソタイプのコーヒー又はフィルタで入れたコーヒーを製造するためにカプセルが挽いたコーヒーなどの粉末層を収容している場合には、例えば、より拡散した流体分配をゆっくりとした出力速度で生み出すように構成される他の注入器が使用されてもよい。
【0037】
第1の実施形態において、注入器は、カプセルホルダの一部を形成し、或いは、カプセルホルダに対して取り付けられる。したがって、カプセルホルダが流体供給ユニットから分離されると、結果として、注入器も流体供給ユニットから分離される。これは幾つかの更なる利点を有する。このようにすると、注入器は、カプセルホルダの特定のタイプ、したがってカプセルホルダ内に受けられ得るカプセルのタイプに完全に適合でき、与えられたカプセルホルダ又はカプセルにおいてどの注入器を使用すべきかについてユーザが悩む必要がなくなる。言い換えると、これにより、製造されるべき飲料に応じて、適切な対、すなわち、適切なカプセルホルダと注入器とを組み合わせることができる。
【0038】
例えば、カプチーノを製造するためにコーヒー粉末の混合物又は粉ミルクなどの溶解されるべき生成物を収容するカプセルは、大きなサイズのカプセルホルダハウジングと、方向付けられた高速ジェットを生成する注入器とを必要とする。エスプレッソ又はフィルタで入れたコーヒーを製造するために挽いたコーヒーなどの抽出されるべき生成物を収容するカプセルは、小さいカプセルホルダ容積と、1つ以上の拡散されたゆっくりとしたジェットを生成する注入器とを必要とする。したがって、カプセルホルダ/注入器を構成するために与えられる可能性は、様々であり、当然のことながら製造される飲料において求められる特徴に依存する。
【0039】
他の実施形態において、注入器は、流体供給ユニットの一部を形成し或いは流体供給ユニットに対して取り付けられる。この場合、注入器は、供給ユニットに直接に関連付けられてもよい。その結果、カプセルホルダの可能な変更又は互換性によって自由度が与えられるという最良の利点が得られる。しかしながら、このような実施形態は、カプセルホルダの構造が更に簡単になるという利点を有する。また、このような実施形態は、注入器の動作に関連する想定し得る欠点又は僅かな危険、例えば刺し傷又は他の軽微な不慮の傷を受ける危険も減少させる。
【0040】
注入器は、カプセル内への注入位置に対応するカプセルに対する基準位置で、カプセルホルダ上に構成できることが好ましい。このように、注入器は、注入位置に対応するカプセルに対する基準位置でカプセルホルダ上に形成することができる。したがって、注入器は、確実にカプセル自体に対して正しい位置にある。そのため、ユーザは、カプセルに対して注入器を配置する正しい方法に関して気にせずに済む。この場合、カプセルホルダと流体供給手段との間の結合前又は結合中に注入器を注入位置に配置するために位置決め手段が設けられる。これにより、飲料を調理するためにカプセルホルダと供給ユニットとが組み付けられるときに注入器と供給ユニットとの間で不正確な関連付けがなされる任意の危険が防止される。
【0041】
特に、1つの可能な態様によれば、注入器は、退避位置とカプセル内への注入位置との間で注入器を移動できるようにする注入システムの一部をカプセルホルダ上に形成する。注入器の退避位置では、カプセルをカプセルホルダ内に自由に位置決めできる。その後、注入器が注入位置へと移動してもよい。特に、注入位置では、穿孔手段がカプセルに突き刺さって係合し、その結果、注入オリフィスがカプセル筐体内に正しく挿入されて配置される。
【0042】
1つの可能な実施形態において、注入システムは、
− カプセルホルダハウジングの縁部に回転可能に取り付けられる注入器支持部品と、
− 上記支持部品を注入位置に保持させる弾性手段と、
− 弾性手段の作用に抗して支持部品及び注入器を退避位置へと移動させるための作動手段と、
を備える。
【0043】
このようにすると、カプセルに対する注入位置に注入器を配置するべく弾性手段が支持部品を付勢するように、カプセルがカプセルホルダ内に配置された後、(すなわち、作動手段が解放されるときに)、注入器が注入位置に自動的に配置される。例えば、システム及びその弾性手段は、形成される戻し力により注入器の支持部品を穿孔されるべきカプセルの表面に対して向けるように構成されており、それにより、注入器が上記表面を穿孔する。
【0044】
注入器に関しては、通常、流体供給ユニットの少なくとも一部と注入器との相対的な移動により注入器が流体供給ユニットに対してシール状態で接続される。供給ユニットは、注入器の流体入口部に対して押圧により係合する流体出口部を備える。したがって、接続は、単純な自由接続及び供給ユニットと注入器との間の接触力により行なわれることが好ましい。また、接続は、供給ユニットと注入器との間の機械的な圧力によって係脱する機械的なクリッピングであってもよい。したがって、このような接続は装置をかなり簡略化させる。また、このような接続は、接触力又は圧力が解放されると直ぐに或いは単純な反対の再開力が加えられる(例えば、機械的なクリッピングの場合)と直ぐに、すなわち、一般的な態様においては、例えば使用されたカプセルが新しいカプセルと置き換えられる場合に取り外し可能なカプセルホルダが供給ユニットから簡単に分離されるときに、注入器をユニットから自動的に分離可能にする。
【0045】
有利な実施形態において、注入器は略円錐台状の入口部を備え、また、供給ユニットは、注入器の流体入口部に係合する相補的な略円錐台状の流体出口部を備える。したがって、これにより、更なる接続手段を伴わずに重円錐(cone−on−cone)型の自由接続が成される。注入器の入口部が凸部で、流体出口の出口部が凹部であってもよく、或いは、これと逆であっても構わない。更なるシール手段、例えばOリングや他の手段などの1つ以上のシールが使用されてもよい。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者の能力の範囲内で、他の表面構造が想起されてもよい。
【0046】
本発明の1つの態様によれば、カプセルホルダは、ハンドルを形成する細長い要素を備える。その結果、流体供給ユニット内へのカプセルホルダの手動挿入が容易となる。
【0047】
したがって、可能な一実施形態によれば、カプセルホルダ及び供給ユニットは、注入器が供給ユニットの流体供給手段に対する基準位置に配置される形態でカプセルホルダを供給ユニット内に事前に配置できるようにする更なる係合手段を備える。この事前配置は、注入器が取り付けられるようになっている供給手段を参照することにより注入器の実際の基準位置を設定するために使用できる。また、供給手段は、供給手段と注入器自体との関連付けを行なうために移動される。
【0048】
特に、供給ユニットは、カプセルホルダが流体供給手段の基準位置に至るまでの挿入時に相互に作用するガイドベースと、注入器の相補的コネクタとの接続においてそれ自体を関連付けるように構成された流体出口コネクタを備える流体供給ベースとを備える。
【0049】
上記供給ベースは、コネクタの取り外し位置からコネクタの係合シール位置へとガイドベースに対して移動できる。2つの別個の部品、すなわち、供給ベースとガイドベースとから成るユニットのこのような構造は、2つの段階、すなわち、注入器の正しい事前配置に至るまでカプセルホルダをスライドさせることによる挿入のための第1の段階、及び、カプセルホルダ及び注入器が基準位置にくると直ぐに供給手段を注入器に関連付けるための第2の段階でのカプセルホルダの位置決めを更に容易にするという利点を有する。これらの2つの段階は、平均並みに注意深いユーザが容易に実行できる。
【0050】
特定の実施形態によれば、供給ユニットの流体供給ベースがトグル継手システムによりガイドベースに対してこのように関節接続され、それにより、カプセルホルダで確立されたカプセルホルダ挿入方向とは異なる好ましい方向の圧力によって上記供給ベースがコネクタの係合位置で上記ガイドベースに対して閉じ、したがって、供給ユニットがカプセルホルダに対して閉じる。供給ベースをカプセルホルダに対して閉じさせるために使用される手段、特にラッチ手段は、信頼をもって使用できる。これらの手段は、多数のサイクルにわたって様々な部品を正確に且つ繰り返し係合させる。
【0051】
したがって、1つの態様によれば、本発明は、それ自体、カプセル内に収容された食品材料から、上記カプセル内に流体を挿入することにより飲料を調理するために、飲料調理装置の流体供給ユニットに接続されるようになっており、カプセルを受けるためのカップ等の保持手段を備えるカプセルホルダであって、流体供給ユニットに対して接続できる注入器を備えるとともにこの流体を少なくとも1つの流体ジェットの形態で供給ユニットからカプセル内へと送るように構成されている注入装置を備えるカプセルホルダに関する。
【0052】
一般的な態様において、注入器は、流体入口オリフィスと、注入管路と、流体の少なくとも1つの加圧ジェットをカプセル内へ注入するための少なくとも1つの注入オリフィスとを備える
【0053】
本発明の1つの態様において、シール支持面は、ハウジングの真上で且つハウジングの大きい表面積よりも小さい限られた表面積を占めている。この構造は幾つかの利点を与える。第1に、注入器と流体供給装置との間のシール力が小さな表面積に集中し、したがって、全体のシール圧力が高められる(或いは、同じシール圧力においては機械的な力が低くて済む)。シール圧力の増大により、流体の内圧に対する耐性が高まるため、この流体接続領域での流体漏れの危険は少なくなる。したがって、高い流体圧範囲内で更に有効な水密性を得ることができる。第2に、付属部品を伴うことなく圧縮力の簡単な適用によりカプセルホルダと流体供給ユニットとの間で流体接続を行なうことができる。したがって、流体接続は、より簡単で且つより正確であるとともに、経時的に高い信頼性を保つ。そのため、カプセルホルダと機械の流体供給ユニットとの結合が更に簡単になるとともに更に信頼できるものになる。
【0054】
例えば、シール支持面の外径(すなわち、外形を画定する円形ラインの直径)は、ハウジングの大きい直径よりも少なくとも3倍又は4〜20倍小さくできる。シール支持面の外径は、2cm未満の直径、好ましくは0.5〜1.5cmの直径を成すことができる。シール支持面は、非常に小さいサイズ、例えば2mm未満、好ましくは約1〜1.5mmの流体入口オリフィスを取り囲むことができる。
【0055】
支持面は略円錐台であってもよい。この円錐台面は、直線状又は湾曲した(凸状の或いは凹状の)母線を有していてもよい。
【0056】
本発明の1つの有利な構造では、シール支持面が流体入口オリフィスを取り囲み、また、シール支持面及び流体入口オリフィスの両方がハウジングの上側で略偏心して配置される。オリフィスとハウジングの中心との間の距離は、約1〜3cm、好ましくは約1.5〜2cmとすることができる。また、この構造は幾つかの利点も与える。1つの利点は、偏心された際の注入器のジェットによる溶解が、特定の食品材料、特に脂肪系粉末などの粉末に対して更に有効であるという点である。これは、材料層中に乱流を形成するとともに、材料が完全に溶解するまで材料を回転させる。第2の利点は、カプセルホルダに対して低い力のモーメントを伴いつつ、流体密な接続を効率的に得ることができるという点である。したがって、カプセルホルダは、より頑丈であり、破損の虞が低い。
【0057】
注入装置は、カップを部分的に或いは全体的に覆う支持部品又はカバーを備えており、この支持部品又はカバー上に注入器が取り付けられている。支持部品又はカバーはカップに対して移動することができ、それにより、注入器をカップハウジングの外に移動させることができ、したがって、カップにカプセルを装着することができる。このように、注入装置は、注入器を、カプセル内への注入位置から、カプセルをハウジング内に配置できるようにする退避位置へと移動させる。係合位置において、注入器は、ハウジング内で偏心していることが好ましい。このような位置は、カプセル内での流体の渦巻き動作に有利に働く。また、この位置により、ハウジングを部分的に覆い、したがって、レバー効果が小さい、更に小さい注入器支持部品を形成することができ、それにより、良好な注入シールのため、必要に応じてカプセル壁の更に有効な穿孔のために、注入器の大きな圧力がカプセルに対して与えられる。
【0058】
注入器は、供給ユニットの流体供給管路に当接するようになっている少なくとも1つのシール支持面を備える。支持面は、凸部又は凹部としての略円錐台形状を成している。この円錐台面は、直線状又は湾曲した(凸状の或いは凹状の)母線を有していてもよい。
【0059】
一実施形態によれば、注入器は、カプセル内に挿入される少なくとも1つのノズルを備えており、ノズルの端部には注入オリフィスが配置されている。
【0060】
ノズルは、ノズルを挿入できるようにするための少なくとも1つの穿孔又は切り取り部をカプセルの注入壁に形成するために穿孔部分又は切り取り部分を有することが好ましい。また、ノズルは、穿孔しなくてもよく、カプセル壁の穿孔されたオリフィス内に挿入されてもよい。
【0061】
代替の手段によれば、注入器は、注入オリフィスで終端し且つカプセル壁のオリフィスに単に接触して配置される簡単なコネクタを(ノズルの代わりに)備える。
【0062】
ノズル又はコネクタは、注入器がカプセル内への注入位置にあるときにノズルとカプセル壁の穿孔又は切り取り部との間に形成されるシール手段を有する。
【0063】
上記ノズル又は上記コネクタの基部にあるシール手段は、ノズル又はコネクタとカプセルの上記壁との間でシールを行ない、それにより、カプセル内の加圧流体は、注入器とカプセルの注入オリフィスとの間から流れ出ることができない。例えば、シール手段は弾性シール要素であってもよい。要素は、ゴム又は柔軟なプラスチックパッドであってもよい。また、シール手段は、カプセル内にそれ自体を挿入する注入器の部分の基部の周囲の硬質段部であってもよく、上記段部は、カプセルの表面上に圧力を与えるのに有効である。段部は、注入器の支持部と一体の硬質プラスチックから形成することができる。この形態において、流体緊密性は、段部と接触して十分に変形する上側ホイルによってもたらされる。したがって、シール手段の変形の代わりに、シール機能を生み出すようにカプセルの表面を形成することができる。
【0064】
一実施形態において、注入装置は、注入器を支持し且つカップを部分的に覆う支持部品を備える。一実施形態において、支持部品は、それ自体、カップの縁部に回動可能に取り付けられる。弾性戻し手段は、支持部品及びその注入器をカプセルの注入壁と接触した状態に維持する。このようにすると、注入器がカプセルと接触した状態に確実に保持されるため、カプセルホルダが供給ユニットから取り外されるときにシールが良好に保たれる。
【0065】
また、注入器は、管路をブロックする手段も備える。このブロック手段は、シール要素と協働して、カプセルホルダが流体供給ユニットから分離されるときにカプセル壁を空気から密封した状態に保つ働きをする。これにより、空気がカプセル内に流入することが防止され、したがって、液体がカプセルの底部へ滴ることが防止される。挽いたコーヒーのように残留圧力が高いままとなる特定の場合には、これにより、カプセルホルダが流体供給ユニットから分離されると同時に注入器の外側へ加圧液体が戻る作用も防止される。
【0066】
ブロック手段は例えばバルブである。このようなバルブは、注入器内の流体の注入作用下で注入方向に開き且つ注入が停止すると直ぐに閉じるように構成されている。バルブの閉塞は、弾性要素によって及び/又はカプセル内の残留圧力の作用によって行なわれてもよい。このようなバルブは、ボールバルブ又はニードルバルブ、アイリスバルブ又は等価な手段であってもよい。
【0067】
他の閉塞手段は、例えば、毛管引力によって液体の保持を引き起こす断面が小さい管路の部分である。管路の毛管引力部分は、1mm未満の直径、好ましくは0.7mm未満の直径を有することが好ましい。また、毛管引力部分は、少なくとも1mm、3mm未満の長さを有することが好ましい。長さが長いと、非常に大きな圧力損失をもたらし、そのため、カプセル内の圧力が不十分になる。長さがあまりにも短いと、管路を塞ぐ所望の効果が不十分となる。
【0068】
注入器の管路は、そのメンテナンスを容易にするために直線状を成していることが有益であり得る。この場合、管路は、カップの底部に向けて垂直に方向付けられる。管路の断面積が小さいため、強力な混合作用を伴って加圧ジェット効果がカプセル内で生じ、それにより、可溶性材料の溶解が促進される。
【0069】
他の可能な実施形態において、管路は、互いにゼロでない傾斜角度を作る一連の直線部分を有する。この場合、管路は、カップの垂直軸に対してゼロでない角度で方向付けられ且つカップの中心に対して偏心した部分で終端している。このような方向付けは、カプセル内の渦効果に有利に働き、カプセル内に収容された可溶性材料の溶解が良好になる。
【0070】
他の可能な実施形態において、注入装置は、カップを完全に覆う注入壁又はカバーを備える。このような構造は、幾つかの理由により有益となり得る。一方では、流体の注入がカプセル内で良好に分配し得る。他方では、壁又はカバーがカプセルのシール縁部に対する圧力を維持することができ、それにより、カプセル内の圧力が高い値に達するときにカプセルのシール縁部が剥離することが防止される。また、壁は、カプセルの縁部に対する及びカップの縁部上におけるカバーのクランプ縁部のシール圧力により、カバーの底面とカプセルの上端面との間で注入流体に対してシールを行なってもよい。このとき、カプセルの縁部は2つのクランプ縁部間に挟まれる。この場合、カップの外周クランプ縁部又はカバーのクランプ縁部を押圧するシールを設ける必要がある。
【0071】
また、本発明は、先に規定される装置を備える飲料分配器に関する。
【0072】
本発明の非限定的な実施形態として解釈され且つ添付図面に示される実施形態を検討すると、本発明を良く理解することができるとともに、他の特徴及び利点が明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
図1を参照すると、本発明に係る調理装置又はモジュール2を備える飲料分配器又は分配機械1の好ましい実施形態が斜視図で示されている。この説明の残りの部分では、上記装置について更に詳しく説明する。装置は機械のフレーム3に接続され、機械は、装置に対して加圧下で水を供給するように構成されたそれ自体知られた水供給システムを備えており、水供給システムは、透明ジャー等の水リザーバ30と、フレームの内側のポンプ及び温水器(図示せず)と、ポンプ及び温水器を装置2に接続する水注入管路31とを備える。装置内への水の注入は、例えばそれ自体知られているようにバルブと手動で動作可能なレバーとを備える作動システム32によって制御される。電気機械バルブに関連付けられたストップボタンなどの任意の他の作動システムが考えられてもよい。フレーム上には、機械をパワーアップさせるために使用され、また、例えば必要に応じて温水器の予熱を開始して所定量の水を予熱するために使用される主電力供給制御装置38が設けられている。
【0074】
通常、分配機械は容器を受けるのに適した分配領域33を有する。この領域は、調理装置2と、例えばドリップトレイ35及び排液グリッド36が備えられた容器支持体34との間で垂直に延びており、ドリップトレイ35及び排液グリッド36はいずれも洗浄のためにフレームから取り外すことができる。
【0075】
ここで、カプセルから調理するための装置又はモジュール自体について図2〜図11を参照して説明する。
【0076】
図2に示されるように、調理装置2は、一方ではカプセルホルダ4を備えており、他方では加圧流体供給ユニット5を備える。本発明の重要な態様において、カプセルホルダ4は、以下で更に詳しく説明する相補的係合手段に従って取り外し可能な方法で供給ユニットに関連付けられるように構成されている。供給ユニット5は、それに関する限り、機械的に且つ流体連通状態で機械のフレームに取り付けられる。より正確には、供給ユニット5は、ネジ又は他の手段などの機械的接続手段により接続軸5a〜5dを介して取り付けられる。ユニットは、ユニットの上側に位置された流体コネクタ50に接続される管路31を介してポンプ及び温水器と連通する。また、流体コネクタ50は、その上流側が最小液圧を下回ると管路を閉じた状態に保つ背圧バルブ500を備えていてもよい。
【0077】
図3〜図5を参照すると、カプセルホルダ4はカプセル6を受けるように構成されている。このため、カプセルホルダには、好ましくはカプセルの大まかな形状を共有する内面が備えられたカップ40が設けられている。カプセルの形状に対するカプセルホルダの適合が図5に示されている。このように、カプセル本体60は、カップの内面又はハウジング41を補完する外面を備える。したがって、特定の飲料を供給するカプセルのタイプは、適合する形状のカプセルホルダに関連付けられてもよい。このようにすると、カップのサイズ及び/又は形状を変えることによりカプセルホルダの対象となっていないこのようなカプセルホルダ内のカプセルを拒絶することが容易である。これは、分配される生成物の規格、特徴及び/又は品質を制御するために使用できる。
【0078】
また、カプセルの本体60が十分に硬質である場合にはカップ自体を取り外し可能であることに気付くこともできる。その場合には、カプセルホルダの上縁部上でカプセルを簡単に保持できる。例えば、保持手段は、カプセルの上縁を支持する支持リングとなることができる。
【0079】
カプセルホルダのカップは、底部に向かって、カプセルの注ぎオリフィス61を挿通させるように構成された縁部420を備える吐出開口42で終端している。この開口は、その縁部420がカプセルを通じて流れる飲料によって汚されないようにサイズが設定されていることが好ましく、これにより、洗浄が抑えられ、2つの飲料間の二次汚染の危険が減少される。また、注ぎオリフィス61は、カップの縁部420を十分に越えて好ましくは下方へ延びており、それにより、液体がこれらの縁部と接触する虞が減少される。このため、縁部420は、カップ40の残りの部分の壁より薄くてもよい。
【0080】
図3に示されるように、カップは、カプセル6の側縁部62が載置可能なベアリングエッジ43を介して上方へ延びている。したがって、カプセルは、横方向流体注入壁63が上端に向けて重荷から解放された安定した姿勢でカプセルホルダ内に保持される。壁は、例えば縁部でシールされた膜又は他の手段によって本体60に接続された半硬質壁であってもよい。目安として、本体60の壁は、一般に、EVOH、PVDC、PP、PE、PAを含む組から選択されるプラスチック材料により単層又は多層形態で形成される。本体60は、流体注入壁63によって、例えば本体60の縁部上に対してヒートシールされる蓋によって密閉シールされている。蓋は、一般に、穿孔手段、特に後述する注入器によって穿孔可能な材料から成っている。蓋63の材料は、例えば、アルミニウム、アルミニウム/ポリマー、複合物、セルロース/アルミニウム/ポリマー、純粋な単層又は多層ポリマーを含む組から選択されてもよい。
【0081】
なお、図示の実施形態において、カプセル6は、カプセル内に注入される流体によりカプセルが加圧される形態で飲料を注ぎオリフィス61に通過させることができるように構成されたそれ自体の開口手段を有することが好ましい。したがって、図5に示されるように、カプセルは、カプセルの本体60の内縁部650上にシールされた薄膜65をその底部に備える。この膜64はディスク66の上側に配置されており、当該ディスクは、ディスクの表面上で離間された複数の起伏要素67を備えるとともに、上記ディスクの周囲に現れる複数のチャンネル68を画定している。カプセル6の更に詳しい説明に関しては、本出願人の名前で2003年1月13日に提出され且つその全体の内容が参照として本明細書に組み込まれる国際公開公報第03/059778号を参照されたい。しかしながら、この出願に記載されたカプセルの受け入れに本装置を限定したくはない。
【0082】
本発明の1つの態様によれば、カプセルホルダ4と加圧流体をカプセルへ注入するようになっている注入器70とが互いに関連付けられる。注入器は、カプセルホルダの一部を形成してもよく、或いは、カプセルホルダに対して分離可能な態様で取り付けられてもよい。図3に示される好ましい実施形態において、注入器は、カップ40の周縁部の一側に回転可能に装着された注入器70の支持部品71を備える注入システム7の一部を形成する部品70である。部品71は、カップの側部に接続された関節72の軸に沿って回転可能に装着されている。支持部品71が装着される側は、カプセルホルダの把握及び取り外し時の注入システムの取り扱いの両方を容易にするためのハンドル73を備える側であることが好ましい。したがって、支持部品71は、カップ内へのカプセルの挿入を可能にするために注入器70がカップの開口から退避される取り外し位置へ移動されてもよい(図3)。その後、支持部品は、注入器がカプセル注入壁の穿孔に関与する係合位置へと回転される(図4)。
【0083】
注入システム7は、少なくとも1つのバネ(図示せず)などの弾性手段と、カプセルの挿入を可能にするために支持部品71及び当該支持部品に取り付け固定された注入器を弾性手段の力に抗して退避位置へと移動させるための作動手段74とを有する。作動手段74は、親指で操作され且つハンドル73の前部の凹部75に係合する爪であってもよい。したがって、爪が押し下げられていないときには、注入システムは係合位置にあり、ユーザが突き刺される危険がない。
【0084】
図3に示されるように、カプセルホルダは、一方では外側に延び且つ他方では供給ユニットへのカプセルホルダの挿入方向に延びる直線状のリブの形状を成す横方向ガイド縁部44、45を有する。これらの縁部は、挿入ユニット内でカプセルホルダを良好に載置させるためにカップ40の開口に沿って延びている。カプセルホルダの前側には、供給ユニットの相補的形状と係合するようになっている形状認識要素又はキー46が設けられていてもよい。
【0085】
注入器の一例について図3、5、6を参照して説明する。注入器は、注入部又はコネクタ77の前面に形成された入口オリフィス76を備える。入口オリフィスは、比較的小さくとどめるべきであり、直径が3mm未満であることが好ましい。小さなオリフィスは、より正確で信頼性のある安全な流体接続を確保するとともに、カプセルホルダが除去されるときに熱い残留水を減少させることに関与する。注入部又はコネクタ77は、支持部品71の上縁部上に隆起した状態で延びており、円錐台形状であることが好ましい。その反対側の部分では、刃又は切断面780で終端する穿孔部78によって注入器70が延出されており、刃又は切断面780により穿孔部を穿孔によって注入壁63を貫通してカプセルの内側に挿入させることができる。また、穿孔部は、図5及び図6に示されるようにカプセルの内側に流体を分配するのに適した方法で1つ以上の適切な方向に向けられる1つ以上の流体出口オリフィス79も備える。入口オリフィス76及び出口オリフィス79は、軸方向で注入器を横切る内部管路750によって接続されている。
【0086】
注入器の内部管路は、流体圧が停止されるときに毛管効果が形成されて管路内に流体が保持されるように寸法付けられていてもよい。利点は、抽出後にカプセルホルダが供給ユニットから分離される際にカプセルから液体が滴ることを防止できるという点である。このように、流体は、注入器とカプセル表面との間に形成されるシールとともに空気がカプセル内に流入することを防止し、したがって、カプセル内に依然として封じ込まれている流体がカプセルの注ぎオリフィス61を通じて漏れることを防止する毛管引力によって管路内に保持される。管路は、0.7mm以下の直径、好ましくは0.4〜0.6mmの範囲の直径を有するとともに、少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mmの長さを有することが好ましい。
【0087】
可溶性生成物においては、注入ポイント及び注入方向がカプセル又はカップ40の中心から離れて配置されていることが好ましく、また、流体出口オリフィスの軸がカプセル又はカップ40の中心から離れて通過する方向に向けられていることが好ましい。利点は幾つかある。利点の1つは、カプセルホルダの注入部が破損する或いは変形するリスクを伴うことなくカプセルホルダと流体供給手段との間の接続構造を比較的強度をもって適用できる(カプセルホルダの中心位置決めと比べて)という点である。他の利点は、カプセルの内側の可溶性材料の溶解を促進させる渦効果を得ることができるという点である。なお、注入オリフィスを異なる方向に向けることができる。例えば、注入オリフィス79を直線管路750と同じ軸にすることもできる。管路750の延在方向に沿うオリフィス79のこのような構成は、閉塞又は汚れ落としの場合の単純なニードル又は他の手段を用いた管路の洗浄を容易にするのに有利であり得る。
【0088】
また、注入器はシール部781を備えており、このシール部781は、それに隣接する穿孔部78よりも大きい断面領域を形成している。シール部は、カプセルの注入壁63に形成された穿孔の周囲で外部シールとしての機能を果たすために、穿孔材料よりも軟らかい材料によって形成することができる。これは、例えばエラストマー又はシリコンリングであってもよい。このような装置の利点は、シール部781を用いて穿孔を取り囲む小さな周囲でシールが形成されて、シール部781がこのシールを形成できる十分な力でカプセルの壁を押圧し、これにより、カプセル内の流体供給の全体的構造が大きく簡略化されるという点である。カプセルの穿孔の周囲にこのようにして形成されるシールは、カプセルホルダが流体供給ユニットから分離されるときに維持され、これは、注入器内に流体を保持し、したがって空気の流入を防止するために注入器に設けられた適当な手段と相まって、カプセルがまだ幾らかの量の流体を含んでいる場合にカプセルから液体が滴ることを防止するという効果を有する。適当な手段は、注入器の内側の毛細管路であってもよく、或いは、スロットバルブ、ボールバルブ又はニードルバルブなどの管路の入口を閉じる逆止弁であってもよい。
【0089】
ここで、図7〜図10を参照して供給ユニットの構造について説明する。供給ユニットは、ユニット内にカプセルホルダ4を受けるようになっている主ガイド及び受け入れベース51を備えており、この位置で、注入器が供給ユニットの流体供給手段に対して配置される。したがって、供給ユニットは、流体供給手段を実際に支持する供給ベース52と呼ばれる第2の部分を有する。ガイドベース51及び供給ベース52は互いに対して関節装着されており、それにより、供給ベース及びガイドベースは、少なくとも2つの相対的な位置、すなわち、流体供給手段がカプセルホルダの上側(特に、注入器の上側)に離れる注入器70と流体供給手段との間の取り外し位置と、注入器70と流体供給手段との間の係合位置とをとることができる。
【0090】
ガイドベース51は、より正確には、横向きU字形状のガイド要素53から形成されており、このガイド要素の側面は、カプセルホルダのガイド縁部44、45を補完する長手方向ガイドリブ530、531を有する。ガイド要素53は、カプセルホルダに対してその挿入位置で当接する役目を果たす後側横断壁532で終端している。キー46を受けるためのボルト形状ハウジング533は、基準位置でのカプセルホルダの明確な正しい係合を確保する。
【0091】
ガイドベース及び供給ベースは、一方では上記ベースの後方に位置された関節シャフト86により、他方では関節シャフト5a〜5cを介してフレーム上に後部が装着固定された2つの翼部80、81を備えるラッチングシステム(すなわち、トグル継手システム)8により関節結合されている。このように、ガイドベース51は、ガイドベースがフレームに固定された翼部に対して回動できるようにする2つの側方関節シャフト800により、側方翼部80、81上に装着されている。また、流体供給ベースは、ラッチングシステムの上記翼部80、81に形成された2つの円弧状の長楕円ガイド開口83内へ案内される2つの関節82により、翼部のそれぞれの側に接続されている。
【0092】
図10に示されるように、ガイド開口83は、カプセルホルダが手動で下方(方向O)へ移動されるときにガイドベース51がシャフト800を中心に翼部80、81に対して回動させるように且つシャフト82が方向Fで開口83へと案内されることからその後にガイドベース51を閉じ込める供給ベース52を矢印Aで示される方向に移動させるように構成されている。図7に示されるように、カプセルホルダは、供給ベース52の相補的チャンネルに嵌合するように構成されたベアリングエッジ43上で突出する2つの円弧状部の形態の基準付け手段を有する。したがって、供給ベースが閉じられて流体接続が適切に行なわれるためには、カプセルホルダが支持ベースの側縁部に沿って基準位置まで挿入されなければならない。十分に係合されていない場合、供給ベースは閉じることができない。無論、基準付け手段は、基準付け機能を達成できる限り、カプセルホルダ及び/又は流体供給ユニットに基づいて多くの他の等価な形態をとることもできる。
【0093】
供給ユニットの再開を容易にするために再開レバー87を(場合によって)設けることもできる。レバー87は、2つの側脚870、871を有する逆U字形状ヨークの形態を成している。脚部870、871は、翼部80、81の上端部にシャフト88を中心に回動可能に装着されるとともに、関節部82に沿って開口83へと案内される。したがって、図9に示されるように、レバーが手動で矢印Bの方向へ、特に下方へ作動されると、ヨークの脚部がシャフト88を中心に回動するとともに関節部82を方向Cで後方へと移動させ、それにより、供給ベース52が上方(方向D)へ移動し、したがって再開する。関節部が開口で当接すると、ガイドベース51は、カプセルホルダの開放位置又は挿入位置に戻るために上方(方向D1)へと移動される。
【0094】
図8に示されるように、カプセルホルダ4に対する供給ユニット5の閉位置においては、流体接続が確立される。可動式供給ベースの流体供給手段は、注入器の入口オリフィス76と連通する状態で配置された出口55へと流体を送るための内部管路54が設けられた流体コネクタ50を備える。高圧に耐える接続を促進するため、供給ユニットのコネクタは、注入器の注入部77と自由重円錐接続(free cone−on−cone connection)を形成する円錐部56で終端している。接続の良好なシールを確保するためにOリング等のシール57が加えられてもよい。
【0095】
他の手段においては、注入部を、流体供給手段の切頂部又はチューブの一部などの突出部と嵌合できる逆切頂部とすることもできる。カプセルホルダを除去する際の熱い残留水の量を減らすため、切頂部は小さい体積でなければならない。
【0096】
図11〜図13は、本発明に係るカプセルホルダ4bの他のタイプを示している。このカプセルホルダ4bは、カプセルホルダ4の前述した係合手段と同一のままである相補的係合手段44、45、46により供給ユニット5内に挿入されるように設計されている。したがって、結果として、カプセルホルダ4、4bはいずれも交換可能であり供給ユニット5から取り外すことができる。
【0097】
しかしながら、カプセルホルダ4、4bは、それらを区別する少なくとも1つの固有の特徴を有する。この特徴は以下に関連している。
i)カプセルを受けるためのハウジングの形状及び/又はサイズ、及び/又は、
ii)カプセルへ流体を供給するために注入器が構成される注入方法。
【0098】
図示の実施形態において、カプセルホルダ4bは、容積及び注入方法に関して、特に、材料層の断面にわたって分配される湿潤及び小さい格納体積を要する材料を収容するカプセルを受けるように構成されている。材料は、例えばコーヒー又は茶の粉末であってもよい。
【0099】
したがって、カプセルホルダ4bは、その容積が前述したカプセルホルダ4の内面又はハウジング41の容積よりも小さい内面又はハウジング41bを画成するカップ40bを備える。特に、内側ベアリングエッジ69bを上縁部43から分離する深さHbはカプセル4の同じ深さHよりも浅い。その結果、カプセルホルダは、例えば挽いたコーヒー層からエスプレッソ又はフィルタで入れたコーヒーを抽出するのにより適している可能性がある内容量が小さいカプセルを受ける。
【0100】
一方、図5のカプセルホルダ4は、それに関する限り、その深さHが更に大きいハウジング41を有しており、そのため、カプセルホルダ4は、粉乳などの更に量の多い材料を格納するのに更に適している可能性のある及び/又は更に量の多い飲料、例えば110〜500mlの液体を供給するのに更に適している可能性のある内容量が更に多いカプセルを受けることができる。
【0101】
カプセル4、4bの他の違いは注入方法にある。カプセルホルダ4bは、カプセル4の注入システム7と同じカプセルへの挿入原理に従うがそれにもかかわらず異なる注入構造を有する注入器70bを用いて動作する注入システム7bを備える。詳しくは図13に示されるように、注入器70bは、その形状及び方向の点で異なる出口オリフィス79bを有する。つまり、出口オリフィスの形状及び方向は、より分散された態様で、すなわち、より大きい断面の表面にわたって流体を分配するように構成されており、それにより、材料の湿潤が高められるとともに、望ましくない優先経路の形成が減少される。オリフィスの形状は、注入器の円筒部を部分的に且つ横方向に横断するスロットであることが好ましい。また、方向は、カプセル内で更に横方向に向けられている。このようにすると、形状及び方向により、ジェット効果を減じることができ、また、材料層の断面全体にわたって更に均一に湿らせるように流体が材料層を通過し得る。
【0102】
したがって、カプセル内に収容される材料及び/又は供給される調理物に適した特徴がカプセルホルダに与えられることを理解されたい。したがって、装置は、例えばエスプレッソコーヒー、フィルタで入れたコーヒー、インスタントコーヒーなどの飲料、カプチーノ、ラテ或いは茶、チョコレートなどのミルクベースの特殊物、或いは、コーヒー、茶、ミルク、ココア、フルーツジュースに基づく多量の清涼飲料、或いは、栄養材料、例えば幼児、スポーツ選手、病人又は高齢者のための配合生成物を含む特定の調理物を包含するより幅広い範囲の飲料又は調理物を供給することに関して大きな自由度、適合容易性及び可能性を与える。
【0103】
図14は、先の方法とは異なる注入システム7cを備えるカプセルホルダ4cの異なる実施形態を示している。この場合、注入システム7cは、流体マニホールド又は収集チャンバ710を備える壁又はカバー71cの形態を成す注入器70cを備える。このマイホールド710は、カプセルホルダのハウジング41内へ開口する多数の注入オリフィス79cにわたって流体を分配する。このようなカプセルホルダは、フィルタペーパー、織布壁又は不織布壁或いは格子等の流体を透過する上端面を備えるカプセル、又は、この側で開口する単なるカプセルを受けてもよい。流体は、先の実施形態の注入器の場合と同様に、注入部77c、マニホールド内に開口する内部管路750cを通じて分配される。注入器70cは、注入器の縁部710cとカプセルホルダの縁部43との間の界面に位置されたシール740によってカプセルからシールされる。シール740は、注入器自体の一部及び/又はカプセルホルダの一部及び/又はカプセル自体の一部を形成してもよい。したがって、このようなカプセルホルダは、例えばフィルタ壁を備えるカプセルを受けてもよい。カプセルは、十分に柔軟であってもよく、また、カプセルホルダ内でクランプするための周縁部を有するフィルタ壁が設けられていてもよい。
【0104】
カプセルホルダ4dの他の実施形態が図15に示されている。この場合、注入システム7dは、カプセルホルダのハウジング41の内側で延びるプレート又はカバー71dに形成された中心ニードルの形態を成す注入器70dを備える。ニードルは、ニードルの周囲に形成された注入オリフィス79dを通じて流体を分配する。先の実施形態の場合と同様に、流体は、注入部77d及びマニホールド710d内に開口する内部管路750dから流出する。注入システムの他の要素は他の実施形態に類似したままである。このような構成により、流体を放射状に望ましい深さでハウジング内に分配することができる。ニードルは、カプセルが穿孔されるべき壁又は既に穿孔された開口を備える壁を有するかどうかに応じて穿孔してもよく或いは穿孔しなくてもよい。
【0105】
カプセルホルダの他の変形例が図16に示されている。カプセルホルダ4eは、注入システム7eに対して成される特定の変更によって図3〜図6のカプセルホルダ4とは異なっている。システムは、逆止弁装置を備える注入器70eを備える。注入器内には、第1の上端部品761と注入管路763を支持する第2の下端部品762とから成るアセンブリによってチャンバ760が設けられている。チャンバは、2つの部品間のアセンブリ部分(例えばネジ山)の接合部765を覆うOリング764によってシールされている。チャンバは、螺旋バネ(図示せず)などの弾性要素によって押圧されるニードル766により閉鎖されている。
【0106】
加圧流体がチャンバ内に入ると、ニードル766が押し戻され、それにより、バネが圧縮されてチャンバの入口767が開かれ、流体を管路763に通過させることができ、したがって流体をカプセル6内に挿入することができる。
【0107】
図17は、流体供給ユニット5に対して連通する注入器70eの接続を示している。ユニットのコネクタは、注入器の接続部の外側円錐面に当接して単純な圧力で潰れる変形可能な材料により形成される管状要素500を備える。管状要素は、ユニットの供給管路の端部に形成された凹部501内に挿入されている。管状要素500はユニットの管路54の流体出口55を画定している。管状要素は、注入器の接続部77の円錐面又は張り出し面を押圧し、したがって、ベアリング及び接続面としての機能及びシールとしての機能の両方を果たす。このような要素は、例えば、その端部が真直ぐ(非円錐)或いは円錐であるエラストマー又はシリコンチューブであってもよく、また、注入器の接続面上で圧縮してもよい。
【0108】
注入器の支持部品71は、特定の振幅の垂直移動を行なって横方向傾動時に特定のクリアランスを支持部品に与えるために、開口内に取り付けられた関節シャフト72を中心に回転可能に装着されており、それにより、注入器のシール領域がカプセルの注入壁に対して更に正確に位置決めされるようになっている。このため、支持部品には、垂直に向けられ且つカプセルホルダ本体上に当該部品を維持するためのクロスシャフト72がその内部で傾動できる矩形開口720が横切って形成されている。これにより、カプセル内への注入の良好なシールが確保される。また、カプセルホルダ4eは、保持を更に容易にする、より人間工学に基づいた皿形状のハンドルも有する。また、吐出オリフィス42の縁部420は、注ぎ出る液体との接触を防止し且つ液体との任意の接触時に液体の吐出を容易にするために、カプセルの上記オリフィス61の縁部610から離れていく傾斜切取り部も有する。
【0109】
図18〜図23は、本発明に係る注入器及びカプセルホルダの他の可能な実施形態を示している。図18のカプセルホルダ4は前述した実施形態の要素と同じ要素を有しており、したがって、参照符号は要素の識別を容易にするために同一である。注入システムは、流体をカプセル内に注入する位置(図19)から退避位置(図20)へと注入器70を移動させるために使用される爪の形態を成す作動手段74を備える。作動手段74は、図21〜図23の注入器70が装着される支持部品又はプレート71を移動させる。移動は、カップ40の後部に位置された回転シャフト72に沿ってハンドル73の前方へ向けて行なわれる。リーフスプリング等の弾性手段740は、作動手段74の作動に対して弾性的な抵抗力を付与し、それにより、弾性手段による力が存在しない場合には、作動手段が注入位置に戻り或いは注入器をカップ内に挿入する。利点は、注入ポイントがカップへと確実に方向付けられ、それにより、カプセルホルダがその内部にカプセルを有していないときに刺し傷を負う危険が抑えられるという点である。したがって、弾性手段は、作動手段に接続されたリーフであり、ハンドルの凹部75に押圧接触する。弾性手段が作動されると、図20に示されるようにリーフが曲げられてリーフの曲率半径が減少され、それにより、爪に作用するユーザの力が緩められると、作動手段に作用する戻し力が増大される。カプセルの上側ホイルの変形によってシールを形成するために、注入器の基部には硬質段部752も設けられている。この段部は、プラスチック射出成形等によって支持体71と一体に形成することができる。
【0110】
図21〜図23は注入器の可能な実施形態を示している。この場合、注入器はノズル751を有しており、ノズル715には入口オリフィス76から出口オリフィス79へと延びる直線軸750を伴って内部管路が穿孔されている。すなわち、流体の圧力下にある出口オリフィス79は、カップ40の底部に向かって略垂直に配置されている。したがって、管路のメンテナンスが更に容易になる。固体粒子(薄片残留物、コーヒー粒など)により管路が塞がったときに管路の詰まりを除去することが、曲げ部又は傾斜の変化を有する管路よりも容易である。
【0111】
注入器のノズルは斜め形状の切取り面780で終端している。ノズル751の基部には、エラストマー又はシリコンなどの弾性材料から成る環状部752(図19)の形態を成す断面拡大部などのシール手段が設けられている。カプセル壁が内圧の作用下で膨張されるときにカプセル壁に対する環状部の適合を促進させるため、環状部は、柔軟であってもよく、逆U字形状又は僅かに窪んだ形状を成していてもよい。注入器がカプセルの上端壁に対して押圧されると、ノズルが壁を貫通して挿入されて、環状部752が壁に対して押圧され、それにより、このようにして挿入されたノズルの表面と穿孔又は切り取り穴との間でシールがなされる。注入システムの弾性手段740は、カプセル壁に対する環状部752の良好な適用のために必要な力を与える。
【0112】
内部管路は、毛管引力により注入器内に流体を保持する機能を果たす断面積又は直径が小さい少なくとも1つの部分781を有する。管路は、直径が更に大きい部分782によって入口オリフィスの方向に延ばされている。小断面の内部管路は出口オリフィ79で終端しており、また、出口オリフィスは、注入時にカプセル内へ流体の強力なジェットを生成するという効果も有する。このジェットは、カプセル内で強力な混合作用を引き起こすとともに、可溶性材料が急速且つ完全に溶解するのを助ける。毛管引力部分の内径のサイズは、1mm未満であり、好ましくは0.7mm未満であり、0.6〜0.4mm程度であるのが更に良い。下流側の直径が更に大きい部分782は、注入器によって、特に断面が小さい部分によって引き起こされる圧力損失があまり大きくならないようにするために使用される。注入器の圧力の全損失は約2〜5bar程度であってもよく、また、ポンプは、この圧力損失を克服し且つ約2〜4barのブースト圧力で流体を送るために十分に強力でなければならない。したがって、供給ユニットのポンプは、最小4bar、好ましくは5bar〜15barの静圧を生み出すように選択されなければならない。
【0113】
毛細管路によって引き起こされるエアーシール機能は、注入器内への空気の進入及びその後のカプセル内への空気の進入に起因してカプセルの底部から逃げる液体の滴り又は漏れの問題を防止するために重要である。したがって、この現象を防止するため、部分781は、カプセルホルダが機械の残りの部分から取り除かれるときに毛管引力によって十分な液体を保持するように設計されている。前述したように、この毛細管路は、逆止弁又は任意の等価な手段と置き換えることができる。
【0114】
図24及び図25は、注入器コネクタが、オリフィス79fで終端する簡単なコネクタ752に取って代えられている一実施形態を示している。注入器は、カプセル内のオリフィス630と対向する壁63の接触に適応する。この場合、オリフィスは、予め存在しており、注入器によって穿孔されない。コネクタは、円筒状の要素であってもよく或いは任意の他の形状を成していてもよい。コネクタは、シールとしての機能を果たすエラストマーによって一部又は全体が形成されていてもよい。図25に示されるように、カプセルの壁63は、注入装置により及ぼされる機械的な圧力によってかなり変形されてもよく、それにより、良好なシールが確保される。代替の手段(図示せず)において、カバーは、更に硬質であり、したがってあまり変形できず或いは全く変形できず、そのため、コネクタが壁に対して圧縮することによりクリアランスを補償してシールを行なう。他の可能な実施形態では、両方の要素、すなわち、壁63及びコネクタ752が変形可能である。
【0115】
図26は、カプセルホルダ4gと流体供給ユニット5との間の接続の更なる変形を示している。接続は、中央流体入口オリフィス76を画定する注入器システム7gの凹陥部770内へ突出する供給手段の流体出口770を画定する管状部510により加えられる単純な圧力を維持することによって行なわれる。そのため、必要な流体緊密性は、凹陥部の表面と接触するチューブの表面によりカプセルホルダと流体供給手段との間で得られる。凹陥部及びチューブは、大きな表面積に沿う気密接触に有利に働くべく図示のように相補的な円錐台形状を成すことができる。凹陥部は、例えばプラスチック射出成形により注入器の支持部品71gに形成され、或いは、注入器70gそれ自体の延在部であってもよい。管状部510は、凹陥部の表面とうまく適合するように変形可能な弾性材料によって形成することができる。この部分の端部511の円錐台形状は、凹陥部770に対する接触面の撓みを促進させる。凹陥部770は、約2cm未満の大きな幅及び約0.5cm未満の深さを持つ小さな容積を有しており、それにより、カプセルホルダが流体供給手段から取り外されるときに内側に残留水が殆ど残らないようになっている。管状部510は、流体供給ユニット5の上流側部分に挿入され或いはオーバーモールドされる取り外し可能な或いは取り外し不可能な部品であってもよい。管状部は弾性耐熱ゴムエラストマー又はプラスチックによって形成することができ、また、ユニットの残りの部分は金属又は硬質プラスチックによって形成することができる。注入器70gは、流体入口55と比べて断面が小さい最終毛管部を有する内部管路を形成している。
【0116】
無論、本発明は前述した実施形態に限定されない。例えば、カプセルのタイプ又は調理される飲料のタイプに応じて、等価なカプセルホルダの他の実施形態を想起することができる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明に係る調理装置を備える分配器の斜視図を示している。
【図2】流体供給ユニット内にカプセルホルダを挿入する前の調理装置の斜視図を示している。
【図3】カプセルホルダ自体及びカプセルホルダ内に配置されるときのカプセルの斜視図を示している。
【図4】カプセルホルダ及びカプセルホルダ内に配置されたカプセルの斜視図を示している。
【図5】図4のカプセルホルダの長手方向断面図を示している。
【図6】カプセルホルダ注入器の詳細図を示している。
【図7】本発明の装置の分解図を示している。
【図8】供給ユニットが注入器に接続されるときの閉位置の調理装置の断面図を示している。
【図9】閉塞前及び注入器に対する接続前における流体供給ユニット内へのカプセルホルダの挿入を示している。
【図10】流体供給ユニットの閉塞及び注入器に対する接続を示している。
【図11】先の実施形態のサイズとは異なるサイズのカプセルを収容するカプセルホルダの変形例の斜視図を示している。
【図12】図11のカプセルホルダの断面図を示している。
【図13】図12のカプセルホルダの注入器の詳細を示している。
【図14】他のタイプの注入器を有するカプセルホルダの他の変形例の長手方向断面図を示している。
【図15】他のタイプの注入器を有するカプセルホルダの他の変形例の長手方向断面図を示している。
【図16】本発明の他の変形例に係るカプセルホルダの長手方向断面図を示している。
【図17】図16のカプセルホルダが供給ユニット内に挿入された変形例に係る装置の長手方向断面図を示している。
【図18】本発明に係るカプセルホルダの他の変形例を上側から見た図を示している。
【図19】注入器がカプセル内への注入位置にあるときの図18のA−Aに沿う断面図を示している。
【図20】図19に類似するが、注入器がカプセルに対して退避位置にある図である。
【図21】図18の注入器だけを側面図で示している。
【図22】注入面を示しており、図21の注入器だけを斜視図で示している。
【図23】供給装置に対する接続面を示しており、図21の注入器だけを斜視図で示している。
【図24】本発明の他の変形例に係るカプセルを伴うカプセルホルダの図を示している。
【図25】図24のカプセルホルダ及びこのカプセルを長手方向断面図で示している。
【図26】本発明の他の変形例に係るカプセルホルダと流体供給手段との間の流体接続の詳細を断面図で示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル(6)内に収容された食品材料から飲料を調理するための装置であって、
− 流体供給手段(50、54、55、56、500)を備える流体供給ユニット(5)と、
− カプセル(6)を受けるように構成され、前記流体供給ユニットから取り外し可能なカプセルホルダ(4)と、
− 前記流体供給ユニットと前記カプセルホルダとの相補的係合手段(44、45、46;53、530、531、533)と、
を備える装置において、
前記相補的係合手段(44、45、46;53、530、531、533)が、第1の挿入方向に沿って前記流体供給ユニット内に前記カプセルホルダを挿入できるように構成され、前記第1の挿入方向において、前記カプセルホルダが、前記流体供給手段が前記カプセルホルダから比較的離れている基準位置で前記流体供給ユニット内に事前に配置され、
前記流体供給ユニット(5)が、前記流体供給手段(50、54、55、56、500)が前記カプセル内に流体を分配できる流体分配位置に位置決めされるようになる態様で前記流体供給手段(50、54、55、56、500)を前記カプセルホルダに比較的近い位置まで移動させるように構成されている閉塞手段(51、52、80、81、82、83、86、87、88)を更に備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記流体供給ユニットの前記閉塞手段(51、52、80、81、82、83、86、87、88)が、前記基準位置にある前記カプセルホルダの直線的な挿入方向とは異なる方向で前記流体供給手段(50、54、55、56、500)を前記カプセルホルダ(4)に近い位置まで移動させるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流体供給ユニットの前記閉塞手段(51、52、80、81、82、83、86、87、88)が、前記カプセルホルダで成される力の作用によって前記流体分配位置にある前記カプセルホルダに比較的近い位置まで前記流体供給手段(50、54、55、56、500)を移動させるように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記流体供給ユニットの前記閉塞手段(51、52、80、81、82、83、86、87、88)が、下方に方向付けられる力の作用によって前記流体分配位置にある前記カプセルホルダに比較的近い位置まで前記流体供給手段(50、54、55、56、500)を移動させるように構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記カプセルホルダ(4)と前記流体供給ユニット(5)との前記相補的係合手段が、前記カプセルホルダを前記流体供給ユニット内でスライドさせることにより前記カプセルホルダの挿入を可能にするガイド縁部及びガイドリブ(44、45;530、531)の相補的な組を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記流体供給ユニット(5)が、
前記カプセルホルダ(4)が前記ガイド縁部(530、531)に沿ったスライド移動により挿入されるガイドベース(51)と、
前記流体供給手段(50、54、55、56、500)を支持し、且つ流体出口(56)を備える流体供給ベース(52)と、
を備え、
前記流体供給ベース(52)が、前記ガイドベース(51)に関節接続されるとともに、離れた位置からカプセルにおける前記流体供給手段(50、54、55、56、500)の前記流体分配位置へと前記ガイドベース(51)に対して移動できることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記流体供給ベース(52)がトグル継手システムにより前記ガイドベース(51)に対して関節接続され、それにより、前記挿入方向と異なる好ましい方向で前記カプセルホルダに作用する圧力によって前記供給ベース(52)が前記流体分配位置にある前記ガイドベース(51)に対して閉じることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記トグル継手システム(8)が、前記ガイドベースの2つの側方関節シャフト(800)上に装着された2つの翼部(80、81)を備え、前記翼部が、当該翼部(80、81)に形成された2つの円弧状の長楕円ガイド開口(83)を介して2つの関節(82)により前記供給ベース(52)上に装着され、これにより、前記ガイドベースが、前記カプセルホルダが手動で下方へ移動されるときに前記シャフト(800)を中心に前記翼部(80、81)に対して回動できるとともに、前記供給ベース(51)を下方へ移動させることによりガイドベース(51)を閉じ込めることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記カプセルホルダが、前記カプセル内に流体を挿入するための流体注入器(70)を備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記流体供給ユニットの前記閉塞手段(51、52、80、81、82、83、86、87、88)が、前記流体供給手段(50、54、55、56、500)を前記流体分配位置にある前記カプセルホルダの前記流体注入器(70)に対してシール係合させるように構成されていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記注入器(70、70b、70c、70d、70e、70f)が、流体入口オリフィス(76、77d、77c、767)と、注入管路(750、750c、750d、750f、710)と、流体の少なくとも1つの加圧ジェットを前記カプセル(6)内へ注入するための少なくとも1つの注入オリフィス(79、79b、79c、79d、79f)とを備えることを特徴とする、請求項9及び10に記載の装置。
【請求項12】
前記注入器(70、70e)が、前記カプセルの壁(63)を穿孔し、切り取り、或いは、それ自体を前記壁に貫通させて挿入するノズル(751)を備えることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記注入器(70、70e)が前記ノズル(751)又はコネクタ(752)の基部にシール手段を備えており、それにより、前記ノズル又は前記コネクタと前記カプセルの壁(63)との間でシールを行ない、或いは、前記カプセルの表面でシール効果を与えるのに寄与することを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記シール手段が弾性シール要素(752)であることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記シール手段が、それ自体を前記カプセル内に挿入する注入器の部分の基部の周囲の硬質段部であり、前記段部が前記カプセルの表面上に圧力を与えるのに有効であることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
カプセル内に収容された食品材料から、前記カプセル内に流体を挿入することにより飲料を調理するために、飲料調理装置の流体供給ユニット(5)に接続されるようになっており、前記カプセル(6)を保持するための保持手段(40、43、44、45)を備えるカプセルホルダ(4、4b、4c、4d、4e、4f)において、
前記流体供給ユニット(5)に対して接続できる注入器(70、70b、70c、70d、70e、70f)を備えるとともにこの流体を少なくとも1つの流体ジェットの形態で前記供給ユニット(5)から前記カプセル(6)内へと送るように構成されている注入装置(7、7b、7c、7d、7e、7f)を備えることを特徴とするカプセルホルダ。
【請求項17】
請求項16に記載のカプセルホルダ(4、4b、4c、4d、4e、4f)であって、
前記注入器(70、70b、70c、70d、70e、70f)が、直径が小さい流体入口オリフィス(76、77d、77c、767)と、注入管路(750、750c、750d、750f、710)と、流体の少なくとも1つの加圧ジェットを前記カプセル(6)内へ注入するための少なくとも1つの注入オリフィス(79、79b、79c、79d、79f)とを備えることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項18】
請求項16又は17に記載のカプセルホルダ(4、4b、4c、4d、4e、4f)であって、
前記注入器が、前記供給ユニット(5)の流体供給管路(500)に当接するようになっている少なくとも1つのシール支持面を形成する接続部(77)を備えることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項19】
請求項18に記載のカプセルホルダ(4、4b、4c、4d、4e、4f)であって、
前記シール支持面(77)が、ハウジング(41)の真上で且つ前記ハウジングの大きい表面積よりも小さい限られた表面積を占めていることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項20】
請求項19に記載のカプセルホルダ(4、4b、4c、4d、4e、4f)であって、
前記シール支持面が流体入口オリフィス(76、77d、77c、767)を取り囲み、前記シール支持面(77)及び前記流体入口オリフィスの両方が前記ハウジング(41)の上側で略偏心して配置されていることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項21】
請求項19又は20に記載のカプセルホルダ(4、4b、4c、4d、4e、4f)であって、
前記シール支持面が2cm未満の外径を有し、前記オリフィスが3mm未満の直径を有することを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項22】
請求項18〜20のいずれか一項に記載のカプセルホルダ(4、4b、4c、4d、4e、4f)であって、
前記少なくとも1つの支持面が略円錐台であることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項23】
請求項16〜22のいずれか一項に記載のカプセルホルダ(4、4e)であって、
前記注入器(70、70e)が、前記カプセルの壁(63)を穿孔し、切り取り、或いは、それ自体を前記壁に貫通させて挿入するノズル(751)を備え、或いは、この壁(63)のオリフィス(630)に対して単に配置されて加圧下で当該オリフィスを通じて流体を前記カプセル内へ送るコネクタ(752)を備えることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項24】
請求項23に記載のカプセルホルダ(4、4e)であって、
前記注入器(70、70e)が、前記ノズル又は前記コネクタと前記カプセルの前記壁(63)との間でシールを行なうためのシール手段要素を備えることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項25】
請求項24に記載のカプセルホルダ(4、4e)であって、
前記シール手段が弾性シール要素(752)であることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項26】
請求項24に記載のカプセルホルダ(4、4e)であって、
前記シール手段が、前記カプセル内にそれ自体を挿入する前記注入器の部分の基部の周囲の硬質段部であり、前記段部が前記カプセルの表面上に圧力を与えるのに有効であることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項27】
請求項21〜23のいずれか一項に記載のカプセルホルダ(4、4e)であって、
前記注入装置(7)が、前記注入器がカプセル壁に対して押圧された状態を維持する弾性手段(740)及び支持部品(71)を備えることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項28】
請求項16又は17に記載のカプセルホルダ(4、4d)であって、
前記注入器(70)が、前記カップ(40)を完全に覆うカバー(71c、71d)又は注入壁を備えることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項29】
請求項28に記載のカプセルホルダ(4c)であって、
前記壁又はカバー(71c)には、1つの流体供給マニホールド(710)及び多数の注入オリフィス(79c)が設けられていることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項30】
請求項28に記載のカプセルホルダ(4d)であって、
前記注入壁又はカバー(71d)には中央ニードルが設けられ、当該中央ニードルが、それに形成されたオリフィス(79d)を通じて流体を供給することを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項31】
請求項16〜30のいずれか一項に記載のカプセルホルダ(4、4e)であって、
前記注入器(70、70e)が、前記管路をブロックするための手段を備えることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項32】
請求項31に記載のカプセルホルダ(4e)であって、
前記ブロック手段がバルブ(760〜766)であることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項33】
請求項31に記載のカプセルホルダ(4)であって、
前記ブロック手段が、毛管引力によって管路(750)内に液体を保持する断面が小さい管路の部分(781)であることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項34】
請求項33に記載のカプセルホルダ(4)であって、
前記毛管引力部分(781)が1mm未満の直径を有することを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項35】
請求項33又は34に記載のカプセルホルダ(4)であって、
前記毛管引力部分(781)が、少なくとも1mm、3mm未満の長さを有することを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項36】
請求項16〜18のいずれか一項に記載の又は請求項31〜36のいずれか一項に記載のカプセルホルダ(4)であって、
前記注入管路(750)が直線軸を有することを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項37】
請求項36に記載のカプセルホルダ(4)であって、
前記管路の前記軸が、前記カップ(40)の底部へ向けて垂直に方向付けられていることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項38】
請求項16〜37のいずれか一項に記載のカプセルホルダ(4、4b、4c、4d、4e、4f)であって、
前記流体供給ユニット内への前記カプセルホルダの挿入のための横方向リブの形態を成すガイド手段(44、45)を備えることを特徴とする、カプセルホルダ。
【請求項39】
飲料の調理のための食品材料を収容するカプセルホルダ(4、4b、4c、4d、4e、4f)を備える組み合わせ体において、
カプセル(6)が、前記カプセルホルダのハウジング(41)に適合する外容積を規定する壁(60、63)と、前記カプセルホルダのベアリングリム(43)に当接するのに適した寸法を有する側縁部(62)とを備え、
前記カプセルホルダが請求項16〜38のいずれか一項に記載のカプセルホルダであることを特徴とする組み合わせ体。
【請求項40】
流体供給ユニット(5)及び流体注入器(70)を備え、カプセル(6、6d)内に加圧流体を挿入することによって前記カプセル(6、6d)内に収容された食品材料から様々な飲料を調理するための装置において、
交換可能で且つ前記流体供給ユニット(5)に対して取り外しできる一連のカプセルホルダ(4、4b)を備え、
前記各カプセルホルダ(4、4b)が、
i)前記カプセルを受けるためのハウジングの形状及び/又はサイズ、及び/又は、
ii)カプセルへ流体を供給するために注入器が設定される注入方法
を考慮して互いを区別する固有の特徴を備えることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2008−529570(P2008−529570A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553538(P2007−553538)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000944
【国際公開番号】WO2006/082064
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】